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技術 非ヒト幹細胞の培養上清を原材料とする化粧品又は皮膚再生促進剤、及びタンパク質のイオン導入方法

出願人 株式会社ジャパニック
発明者 上田実山下靖弘
出願日 2013年2月8日 (6年8ヶ月経過) 出願番号 2013-557600
公開日 2015年5月11日 (4年5ヶ月経過) 公開番号 WO2013-118877
状態 特許登録済
技術分野 化粧料 電気治療装置 動物,微生物物質含有医薬 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード ソフトマウント アイスボックス CM群 フェイスパック 粉末溶 頭皮マッサージ 用はさみ 増殖状況
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年5月11日)のものです。
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図面 (16)

課題・解決手段

老齢人口比率が高くなっている現在、加齢に伴って発生する皮膚の損傷、すなわち、しみや皺の発生の予防等によって、皮膚を健康な状態に保つことができ、安全性が高く、倫理面での問題がなく、また、十分な量を提供できる、化粧品を提供することを目的とする。本願発明は、非ヒト哺乳類骨髄又は歯髄幹細胞培養上清粉末を主成分として含有する化粧品を提供する。また、上記化粧品をイオン導入法によって導入する、タンパク質イオン導入方法を提供する。

概要

背景

加齢に伴ってしみや皺が増えることはよく知られているが、これは、短波長紫外線(UVB)への暴露量が加齢とともに増加することによることが知られている。そして、UVBは、ヒト真皮中の皮膚線維芽細胞(HDF)によるコラゲナーゼの産生量を増加させるため、コラーゲンの分解を促進して変性弾性組織沈着誘導し、その結果、皮膚にしわ黄変発現すると考えられている。
化粧品は、古くから、種々の植物由来成分原材料として製造され、使用されてきているが、最近では、プラセンタスクワラン、コラーゲン等の動物由来成分を配合した化粧品が、加齢による皮膚の衰え、例えば、皺や小皺の形成を防ぎ、保湿性を改善すること等を目的として、多数市販されている。
また、同様の目的に、細胞培養上清を含有する化粧品等も開発されるようになっており、ヒト平滑筋細胞上皮細胞繊維芽細胞等を培養し、その細胞破砕物又は培養上清を化粧品用組成物として使用することが提案されている(特開2005−336188号公報参照、以下、従来技術1という)。

一方、こうした細胞の培養上清ではなく、ヒトの骨髄歯髄等から得た幹細胞を、神経疾患治療医薬組成物として用いる方法も知られている(WO 02/086108号公報参照、以下、従来技術2という。)。
また、ヒトの脱落乳歯歯髄幹細胞(stem cells from exfoliated deciduous teeth; SHED)の培養上清を、損傷部の治療用組成物として使用することが提案されている(国際公開WO 2011/118795号公報参照、以下、従来技術3という。)

概要

老齢人口比率が高くなっている現在、加齢に伴って発生する皮膚の損傷、すなわち、しみや皺の発生の予防等によって、皮膚を健康な状態に保つことができ、安全性が高く、倫理面での問題がなく、また、十分な量を提供できる、化粧品を提供することを目的とする。本願発明は、非ヒト哺乳類の骨髄又は歯髄幹細胞培養上清粉末を主成分として含有する化粧品を提供する。また、上記化粧品をイオン導入法によって導入する、タンパク質イオン導入方法を提供する。

目的

本発明によれば、ヒト幹細胞やその培養上清を含有する化粧品よりも安全で、かつ優れたしわ取り、美白等の効果、及び発毛育毛等の効果を有する化粧品を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
3件

この技術が所属する分野

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請求項1

非ヒト哺乳類歯髄幹細胞骨髄幹細胞及び脂肪幹細胞からなる群から選ばれるいずれかの幹細胞培養上清粉末を主成分として含有する化粧品

請求項2

前記非ヒト哺乳類の幹細胞は、ブタ脱落乳歯歯髄、ブタ骨髄、及びブタ脂肪組織からなる群から選ばれるいずれかの組織から得られたものであることを特徴とする、請求項1に記載の化粧品。

請求項3

前記培養上清粉末は、前記ブタ脱落乳歯歯髄、ブタ骨髄幹細胞、及びブタ脂肪細胞からなる群から選ばれるいずれかの幹細胞の培養上清を、アルコール濃縮後、凍結乾燥して得られたものであることを特徴とする、請求項2に記載の化粧品。

請求項4

前記培養上清粉末は、血小板由来成長因子(PDGF)、血管内皮細胞増殖因子VEGF)、インスリン様成長因子(IGF)、ケラチノサイト成長因子(KGF)、肝細胞増殖因子HGF)、及びトランスフォーミング増殖因子(TGF)からなる群から選ばれる、少なくとも1種以上の成長因子を含有することを特徴とする、請求項1に記載の化粧品。

請求項5

液剤クリーム剤軟膏剤ジェル剤乳液剤、及び硬膏剤からなる群から選ばれるいずれかの剤形であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の化粧品。

請求項6

前記化粧品は、頭皮を含む皮膚又は毛髪に適用するものであることを特徴とする、請求項5に記載の化粧品。

請求項7

溶解剤を含む第1コンパートメントと、ブタ脱落乳歯歯髄幹細胞培養上清粉末、ブタ骨髄幹細胞培養上清粉末及びブタ脂肪幹細胞培養上清粉末からなる群から選ばれるいずれかの情勢粉末と、担体とからなる有効成分組成物を含む第2コンパートメントと、前記第1及び第2コンパートメントの隔壁を貫通させるための棒状部材とを備える容器に格納された化粧品であって、使用直前に、前記棒状部材によって前記第1及び第2コンパートメントの隔壁に貫通孔を設け、前記有効成分組成物を前記生理食塩水に溶解させることを特徴とする化粧品。

請求項8

前記溶解剤は、マイナスイオンチャージされている液体、生理食塩水及びリン酸緩衝生理食塩水からなる群から選ばれるいずれかの液体であることを特徴とする、請求項6に記載の化粧品。

請求項9

前記化粧品は、頭皮を含む皮膚又は毛髪に適用するものであることを特徴とする、請求項7又は8に記載の化粧品。

請求項10

請求項3又は7に記載の化粧品をシート状の保湿性の部材に吸収させて、吸収させたい部位に載せ、プラス帯電した電極を所望の部位に接触させ、マイナスに帯電した棒状の電極を、前記シートの上を回転させながら移動させることを特徴とする、タンパク質イオン導入方法。

請求項11

前記所望の部位は、腕、手、、脚、の裏、及び足の裏からなる群から選ばれるものであることを特徴とする、請求項10に記載のタンパク質のイオン導入方法。

請求項12

非ヒト哺乳類の歯髄幹細胞培養上清粉末、骨髄幹細胞培養上清粉末及び脂肪幹細胞培養上清粉末からなる群から選ばれるいずれかの幹細胞の培養上清粉末を有効成分として含有する皮膚形成促進剤。

請求項13

前記非ヒト哺乳類の幹細胞は、ブタ脱落乳歯の歯髄、ブタ骨髄及びブタ脂肪組織からなる群から選ばれる組織から得られたものであることを特徴とする、請求項12に記載の皮膚形成促進剤。

請求項14

前記培養上清粉末は、前記ブタ脱落乳歯歯髄幹細胞の培養上清、前記骨髄幹細胞の培養上清及び前記脂肪幹細胞の培養上清からなる群から選ばれるいずれかの培養上清を、アルコール濃縮後、凍結乾燥して得られたものであることを特徴とする、請求項12に記載の皮膚形成促進剤。

請求項15

前記培養上清粉末は、血小板由来成長因子(PDGF)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、インスリン様成長因子(IGF)、ケラチノサイト成長因子(KGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、及びトランスフォーミング増殖因子(TGF)からなる群から選ばれる、少なくとも1種以上の成長因子を含有することを特徴とする、請求項12〜14に記載の皮膚形成促進剤。

請求項16

液剤、クリーム剤、軟膏剤、ジェル剤、乳液剤、及び硬膏剤からなる群から選ばれるいずれか剤形であることを特徴とする、請求項15に記載の皮膚形成促進剤。

技術分野

0001

本発明は、非ヒト歯髄幹細胞骨髄幹細胞、及び脂肪幹細胞からなる群から選ばれるいずれかの幹細胞培養上清原材料とする化粧品等に関する。

背景技術

0002

加齢に伴ってしみや皺が増えることはよく知られているが、これは、短波長紫外線(UVB)への暴露量が加齢とともに増加することによることが知られている。そして、UVBは、ヒト真皮中の皮膚線維芽細胞(HDF)によるコラゲナーゼの産生量を増加させるため、コラーゲンの分解を促進して変性弾性組織沈着誘導し、その結果、皮膚にしわ黄変発現すると考えられている。
化粧品は、古くから、種々の植物由来成分を原材料として製造され、使用されてきているが、最近では、プラセンタスクワラン、コラーゲン等の動物由来成分を配合した化粧品が、加齢による皮膚の衰え、例えば、皺や小皺の形成を防ぎ、保湿性を改善すること等を目的として、多数市販されている。
また、同様の目的に、細胞の培養上清を含有する化粧品等も開発されるようになっており、ヒト平滑筋細胞上皮細胞繊維芽細胞等を培養し、その細胞破砕物又は培養上清を化粧品用組成物として使用することが提案されている(特開2005−336188号公報参照、以下、従来技術1という)。

0003

一方、こうした細胞の培養上清ではなく、ヒトの骨髄歯髄等から得た幹細胞を、神経疾患治療医薬組成物として用いる方法も知られている(WO 02/086108号公報参照、以下、従来技術2という。)。
また、ヒトの脱落乳歯の歯髄幹細胞(stem cells from exfoliated deciduous teeth; SHED)の培養上清を、損傷部の治療用組成物として使用することが提案されている(国際公開WO 2011/118795号公報参照、以下、従来技術3という。)

先行技術

0004

特開2005-336188
国際公開WO 02/086108号公報
国際公開 WO 2011/118795号公報

発明が解決しようとする課題

0005

従来技術1では、白血病阻害因子(Lymphoma inhibition factor: LIF)、LIF類似体、又はLIF模倣体(以下、集合的に「LIF等」という。)を、化粧品用組成物に配合する技術が提案されている。従来技術1は、LIFを含有する培養上清を凍結保存されていた表皮細胞に添加すると、質の良い表皮細胞がin vitroで形成されるという点では優れたものである。
しかし、in vitroの実験結果が、そのままin vivoでの実験にも反映されるという保証がないため、化粧品に配合した場合の効果が実証されていないという問題がある。
また、従来技術2は、通常の細胞よりも増殖能の高い幹細胞を使用しており、それらの産生する生体因子を利用できるという点では優れた技術である。

0006

しかしヒト由来の幹細胞を使用しているため、(a)加齢とともに採取可能な幹細胞数が減少する、(b)加齢に起因して遺伝子の変異が蓄積されるため、幹細胞を移植する場合の安全性が必ずしも担保されない、(c)骨髄幹細胞(BMSC)の数、増殖能及び分化能年齢と共に低下するため、幹細胞とはいっても細胞増殖能が低い、(d)骨髄穿刺によって幹細胞を採取することは生体への侵襲度が大きく、危険を伴う、といった問題を抱えている。また、ヒトの細胞を使用することは、十分な幹細胞リソースの提供が難しいことに加えて、倫理面でも問題が多い。

0007

従来技術3は、ヒトの歯髄幹細胞の培養上清を使用しているため、細胞自体を使用する場合よりも安全性が高いという点では優れた技術である。
しかし、従来技術2と同様、医療廃棄物と言われる脱落歯とはいえ、ヒトの細胞を使用していることから、倫理面での問題があり、また、十分な幹細胞リソースの提供が難しいという問題がある。

0008

一方で、多能性を有する幹細胞は、皮膚組織骨組織筋組織その他の種々の組織分化させることができると考えられている。そして、老齢人口比率が高くなっている現在、加齢に伴って発生する皮膚の損傷、すなわち、しみや皺の発生の予防等によって、皮膚を健康な状態に保つことに対する社会的要請がある。また、年齢を問わず、薄毛抜け毛等の毛髪に関する悩みを解決したいという社会的要請もある。
そして、UVBからのダメージを軽減させる、又は改善する効果の高い化粧品等に対する強い社会的な要請がある。

課題を解決するための手段

0009

本発明の発明者は、以上のような課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成したものである。
すなわち、本発明の第1の態様は、非ヒト哺乳類の歯髄幹細胞、骨髄幹細胞及び脂肪幹細胞からなる群から選ばれるいずれかの幹細胞の培養上清粉末を主成分として含有する化粧品である。ここで、前記非ヒト哺乳類の幹細胞は、ブタ脱落乳歯の歯髄、ブタ骨髄、及びブタ脂肪組織からなる群から選ばれるいずれかの組織から得られたものであることが好ましい。また、前記培養上清粉末は、前記ブタ脱落乳歯歯髄、ブタ骨髄幹細胞、及びブタ脂肪細胞からなる群から選ばれるいずれかの幹細胞の培養上清を、アルコール濃縮後、凍結乾燥して得られたものであることが好ましい。

0010

また、前記培養上清粉末は、血小板由来成長因子(PDGF)、血管内皮細胞増殖因子VEGF)、インスリン様成長因子(IGF)、ケラチノサイト成長因子(KGF)、肝細胞増殖因子HGF)、及びトランスフォーミング増殖因子(TGF)からなる群から選ばれる、少なくとも1種以上の成長因子を含有することが好ましい。
さらに、上記化粧品は、液剤クリーム剤軟膏剤ジェル剤乳液剤、及び硬膏剤からなる群から選ばれるいずれかの剤形であることが好ましい。
また、前記化粧品は、頭皮を含む皮膚又は毛髪に適用するものであることが好ましい。

0011

本発明の第2の態様は、溶解剤を含む第1コンパートメントと、ブタ脱落乳歯歯髄幹細胞培養上清粉末、ブタ骨髄幹細胞培養上清粉末及びブタ脂肪幹細胞培養上清粉末からなる群から選ばれるいずれかの情勢粉末と、担体とからなる有効成分組成物を含む第2コンパートメントと、前記第1及び第2コンパートメントの隔壁を貫通させるための棒状部材とを備える容器に格納された化粧品であって、使用直前に、前記棒状部材によって前記第1及び第2コンパートメントの隔壁に貫通孔を設け、前記有効成分組成物を前記生理食塩水に溶解させることを特徴とする化粧品である。前記溶解剤は、マイナスイオンチャージされている液体、生理食塩水及びはリン酸緩衝生理食塩水からなる群から選ばれるいずれかの液体であることが好ましい。
また、前記化粧品は、頭皮を含む皮膚又は毛髪に適用するものであることが好ましい。

0012

本発明の第3の態様は、上述した化粧品をシート状の保湿性の部材に吸収させて、吸収させたい部位に載せ、プラス帯電した電極を皮膚の所望の部位に接触させ、マイナスに帯電した棒状の電極を、前記シートの上を回転させながら移動させることを特徴とする、タンパク質イオン導入方法である。
前記所望の部位は、腕、手、、脚、の裏、及び足の裏からなる群から選ばれるものであることが好ましい。

0013

本発明の第4の態様は、非ヒト哺乳類の歯髄幹細胞培養上清粉末、骨髄幹細胞培養上清粉末及び脂肪幹細胞培養上清粉末からなる群から選ばれるいずれかの幹細胞の培養上清粉末を有効成分として含有する皮膚形成促進剤である。ここで、前記非ヒト哺乳類の幹細胞は、ブタ脱落乳歯の歯髄、ブタ骨髄及びブタ脂肪組織からなる群から選ばれる組織から得られたものであることが好ましく、前記培養上清粉末は、前記ブタ脱落乳歯歯髄幹細胞の培養上清、前記骨髄幹細胞の培養上清及び前記脂肪幹細胞の培養上清からなる群から選ばれるいずれかの培養上清を、アルコール濃縮後、凍結乾燥して得られたものであることが好ましい。

0014

また、前記培養上清粉末は、血小板由来成長因子(PDGF)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、インスリン様成長因子(IGF)、ケラチノサイト成長因子(KGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、及びトランスフォーミング増殖因子(TGF)からなる群から選ばれる、少なくとも1種以上の成長因子を含有することが好ましい。
上記の皮膚形成促進剤は、液剤、クリーム剤、軟膏剤、ジェル剤、乳液剤、及び硬膏剤からなる群から選ばれるいずれか剤形であることが好ましい。

発明の効果

0015

本発明によれば、ヒト幹細胞やその培養上清を含有する化粧品よりも安全で、かつ優れたしわ取り、美白等の効果、及び発毛育毛等の効果を有する化粧品を提供することができる。

図面の簡単な説明

0016

図1は、紫外線照射による皮膚の老化(光による皮膚の加齢)に対する、ブタ幹細胞の培養上清の皮膚再生効果を模式的に示す図である。
図2は、ブタ骨髄幹細胞(pBMSC)、ブタ歯髄幹細胞(pDPSC)及びブタ脱落乳歯歯髄幹細胞(pSHED)に、ブロモデオキシウリジン(BrdU)を取り込ませたときに、BrdUを取り込んだ細胞の割合を示すグラフである。図2中、*は、p<0.05を表わす。
図3は、光による皮膚の老化に対するブタ成長因子(pGF)の効果を示す顕微鏡写真である。図3(A)はpGFを投与していない対照の皮膚、また、図3(B)はPGFを投与したときの皮膚から、後述するようにしてレプリカを形成し、各レプリカを顕微鏡で観察したときの像を示す顕微鏡写真である。
図4は、幹細胞培養上清未投与の対照群、ブタ脱落乳歯歯髄幹細胞培養上清投与群(pSHED-CM)、及びブタ歯髄幹細胞投与群(pSHED)の、皮膚の光老化の状態を示すグラフである。

0017

図5は、図4で示した各群のマウスの皮膚の状態を示す組織染色像である。図中、上側の矢印は表皮を、下側の矢印は真皮をそれぞれ表わす。
図6は、UV照射をしていない皮膚の細胞(陰性対照)、UV照射をした皮膚の細胞(UVS、光老化をした皮膚細胞)、光老化後ブタ成長因子を投与した皮膚細胞(PGF)を示すグラフである。図6中、**は、p<0.01を表わす。
図7は、ブタ骨髄幹細胞(pBMSC)及びブタ歯髄幹細胞(pSHED)の培養3日目、及び7日目の細胞の状態を示す顕微鏡写真である。

0018

図8は、試験開始前後のシミの状態を示す写真である。図8(A)は試験開始前、図8(B)は試験終了後(6月後)のシミの状態を示す。
図9は、試験開始前後の額のシワの状態を示す写真である。図9(A)は試験開始前、図9(B)は終了後(12月後)の額のシワの状態を示す。
図10は、試験開始前後の皮膚から、図3と同様にして作成したレプリカの観察像を示す顕微鏡写真である。図10(A)は試験開始前、図10(B)は試験終了後の状態を示す。
図11は、試験開始前の毛髪の状態を示す写真である。
図12は、試験開始14日後の毛髪の状態を示す写真である。

0019

図13は、試験開始前の頭皮の状態を示す写真である。
図14は、試験開始3日後の頭皮の状態を示す写真である。
図15は、試験開始5日後の頭皮の状態を示す写真である。
図16は、試験開始7日後の頭皮の状態を示す写真である。

0020

以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の化粧品で使用するブタ歯髄幹細胞培養上清粉末は、以下のようにして得ることができる。
まず、ブタのは、屠殺直後の食肉用のブタの下顎及び下顎歯を使用することが好ましい。ここで、屠殺食後のものが好ましいのは、得られる細胞の鮮度がよいからである。また、食肉用のものが好ましいのは、歯髄の入手が容易であること、ウイルスや菌に感染しておらず安全性が高いこと、及び低コストだからである。また、生後3月〜12月のブタであることが、下顎及び下顎歯から得られる幹細胞の数の面から好ましく、生後5〜6月のブタであることがさらに好ましい。

0021

まず、入手した屠殺直後の食肉用ブタの下顎歯と顎骨とを、−40〜−30℃で冷蔵して搬送するが、例えば、保冷剤入りアイスボックス(-30℃)等を使用することができる。
次に、この下顎全体の表面を殺菌するために、例えば、イソジン等の消毒薬を用いて消毒を行う。その後、例えば、歯科用ダイヤモンドポイント等を用いて、歯冠を水平方向に切断し、次いで、髄腔に沿って垂直方向切削する。このように切断することによって、歯の天蓋をスムーズに除去することができる。その後、以上のように処理した歯冠及び歯根部の双方から、歯髄を、例えば、歯科用手用スケーラー、歯科用手用ファイル等を用いて採取する。

0022

得られた歯髄を、例えば、眼下用穿刀等を用いてチョッピングし、所望の血清抗生物質を含有する基本培地に懸濁する。ここで使用する基本培地としては、5〜20%(v/v)のウシ血清、5×103〜5×104U/mLのペニシリン及び5〜50mg/mLのストレプトマイシンを1%(v/v)添加したダルベッコ変法イーグル培地等を挙げることができる。
次いで、所望の濃度のコラゲナーゼとディスパーゼとを含む酵素溶液を調製し、これを用いて歯髄細胞を単離する。例えば、1〜5mg/mLのコラゲナーゼとディスパーゼとを含む酵素溶液に懸濁し、35〜38℃の恒温槽中に、30分〜1.5時間、細胞を処理する。
その後、2〜5分間、好ましくは3分間、遠心操作(例えば、約1,500rpm(約1,000×g))を行って、酵素処理により単離された歯髄細胞を回収する。このとき、セルストレーナーによる細胞選別はSHEDやDPSCの神経幹細胞分画回収効率を低下させるため、使用しないことが望ましい。

0023

また、脂肪幹細胞は、以下のようにして得ることができる。細胞の鮮度が高く、また、入手が容易であるため、ブタの腸間膜の脂肪組織を使用する。搬送条件は、食肉用ブタの下顎歯及び顎骨の場合と同様である。まず、屠殺直後の食肉用のブタの腸間膜の脂肪組織を採取し、集める。次いで、得られた脂肪組織についている他の組織を取り除き、細胞をメスやはさみ等でミンスする。
次いで、所望の血清や抗生物質を含有する基本培地に懸濁する。ここで使用する基本培地は、上記の通りである。引き続き、歯髄幹細胞を調製する場合と同様に、上記のようにして、所望の濃度のコラゲナーゼとディスパーゼとを含む酵素溶液を調製し、これを用いて脂肪幹細胞を得る。

0024

次いで、単離された歯髄細胞、骨髄細胞又は脂肪細胞を、所望の培地を用いて培養し、培養上清を得る。例えば、得られた細胞を2〜8mLの上記基本培地に再懸濁し、適当な大きさの付着性細胞培養用ディッシュ播種する。例えば、直径6cmの上記ディッシュに播種し、培養液(例えば、10%FCS含有DMEM(Dulbecco's Modified Eagle's Medium))を添加した後、5%CO2存在下にて、約35〜38℃に調整したインキュベータ中で、約10日〜20日程度培養する。
培地の除去後、PBS等を用いて細胞を1〜数回洗浄する。以上の操作(培地の除去及び細胞の洗浄)に代えて、コロニーを形成した接着性細胞を回収することにしてもよい。この場合には、例えば、0.01〜0.1%トリプシン及び2mMのEDTAを含む溶液にて、5分間、37℃で処理し、ディッシュから細胞を剥離させる。剥離した細胞を回収することによって、付着性の幹細胞を得ることができる。

0025

引き続き、選抜した接着性細胞を培養する。例えば、細胞を上記と同様の付着性細胞培養用ディッシュに播種し、同様の条件下で培養し、必要に応じて継代を行う。例えば、肉眼で観察して、サブコンフルエント(培養容器の底面の約70%が、付着した細胞で覆われている状態)又はコンフルエントに達したときに、上記と同様の処理を行って細胞を培養容器から剥離させて回収し、再度、適当な量の新鮮同一組成の培養液を含む培養用容器に播種する。継代培養は、必要な細胞数に達するまで、繰り返し行うことができる。例えば、継代培養を1〜8回行うと、細胞数は約1×107個/mLまで増加する。
以上のような培養を行った後に、細胞を回収し、例えば、液体窒素中で保存することにしてもよい。

0026

培養初期は、サブコンフルエントになるまで、必要に応じて、例えば、週2〜3回の頻度で培地を交換する。サブコンフルエントとなった培養フラスコの上清をアスピレータ等を用いて除き、細胞0.01〜0.1%(v/v)のトリプシンを含むHepes溶液をあてて、フラスコの底面から剥離させる。ここに新鮮な培地を適量加えて、剥がれた細胞を懸濁し、滅菌済み遠心チューブに移す。次いで、800〜1,200×g(約1,500rpm)にて、室温で、2〜5分間、好ましくは3分間遠心する。例えば、0.05%トリプシンを含むHepes溶液を調製し、この溶液を、培地を除去したフラスコに少量加えて底面全体に行き渡るようにし、細胞が剥がれたところで、約5〜8mLの新鮮な培地を加えて、約1,500rpmで3分間、室温に遠心分離し、濃縮することができる。濃縮した細胞溶液1mLあたりの濃度をバイアブルカウントよって求め、新鮮培地約10〜40mLを加えた培養フラスコに約10〜40mLを添加して、継代培養し、ブタ脱落乳歯歯髄幹細胞(pSHED)、骨髄幹細胞又は脂肪幹細胞を得る。

0027

また、ブタの下顎骨体部の下顎前歯部の舌側に、例えば、歯科用ダイヤモンドポイント等で穿孔する。この穴に、例えば、18Gの注射針をつけたシリンジ等を挿入して、骨髄を吸引する。採取した骨髄は、上述したようにサブコンフルエントになるまで培養し、培養フラスコの底面から剥離して遠心により分離して継代培養し、ブタ骨髄幹細胞(pBMSC)を得る。

0028

以上のようにして得られた幹細胞は、間葉由来体性幹細胞である、乳歯歯髄幹細胞、骨髄幹細胞又は脂肪幹細胞である。これらの幹細胞の培養上清中には、血管内皮増殖因子(VEGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、インシュリン様成長因子(IGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、形質転換成長因子ベータ(TGF−β)−1及び−3、TGF−α、KGF、HBEGF、SPARCその他のサイトカイン分泌されることから、これらの幹細胞を使用することが好ましい。

0029

本発明で使用する幹細胞培養上清を得るため使用する幹細胞は、食用のブタから得られるものであることが、細胞自身の安全性が高いこと、ヒトの組織から採取する必要がないため、こうした採取による侵襲の問題がないこと、及び得られた細胞を利用する際の倫理的な問題もないという大きな利点がある。
また、上記幹細胞の培養上清(pSHED-CM)は、上述したVEGF、HGF、IGF、PDGF及びTGF−βからなる群より選択された2つ以上の組み合わせを含むことが、コラーゲンの再形成能の高さの点から好ましい。
なお、上述した幹細胞培養上清に、1以上の公知の対応するサイトカインを添加して使用することもできる。

0030

上記幹細胞上清は、上記の幹細胞を所定の条件で培養し、その後、遠心分離等によって細胞を除去することによって得られる。こうして得た培養上清に、例えば、遠心、濃縮、溶媒置換透析、凍結乾燥、脱塩その他の各種処理を行い、それらを使用することもできる。例えば、ドライアイスアセトン中で凍結させた後に乾燥させると、上記培養上清の凍結乾燥粉末を得ることができる。

0031

幹細胞の培養液には、基本培地又は基本培地に血清等を添加した培地を使用することができる。基本培地としては、上述したDMEMの他、イスコフ改変ダルベッコ培地(IMDM;GIBCO社製等)、ハムF12培地(HamF12;SIGMA社製、GIBCO社製等)、RPMI1640培地等を用いることができる。また、二種以上の基本培地を併用する混合培地を使用することもできる。混合培地の一例として、IMDMとHamF12を等量混合した培地(例えば商品名:IMDM/HamF12(GIBCO社製)として市販される)を挙げることができる。

0032

また、培地に添加することができる成分としては、例えば、血清(ウシ胎仔血清、ウマ胎仔血清、ヒト血清血清等)、血清代替物(Knockout serum replacement(KSR)など)、ウシ血清アルブミンBSA)、抗生物質、各種ビタミン、各種ミネラルを挙げることができる。
なお、血清を含まない上述した「幹細胞の培養上清」を得るためには、幹細胞培養の全過程を通して、又は最後若しくは最後から数回の継代培養の際に、無血清培地を使用することが好ましい。上記幹細胞の培養は、通常用いられる条件をそのまま適用して行うことができる。

0033

本発明の化粧品に含まれるpSHEDは、その中に上述したように各種の成長因子を含む。このため、皮膚に塗布等することによって、これらの成長因子を経皮吸収させることができる。本発明の化粧品に添加することができる成分としては、ヒアルロン酸、コラーゲン、フィブリノーゲン(例えば、ボルヒール登録商標))その他の有機生体吸収性材料;ヒアルロン酸、コラーゲン、フィブリン糊その他の生体親和性が高いゲル化材料を挙げることができる。また、製剤学的許容される他の成分(例えば、担体、賦形剤崩壊剤緩衝剤乳化剤懸濁剤無痛化剤、安定剤、保存剤防腐剤、生理食塩水等)を添加することもできる。

0034

ここで使用するコラーゲンは、可溶性酸可溶性コラーゲンアルカリ可溶性コラーゲン、酵素可溶性コラーゲン等)のものであることが、本発明の化粧品への適合性の点から好ましい。
賦形剤としては、例えば、乳糖デンプンソルビトール、D-マンニトール白糖等を用いることができ、崩壊剤としては、カルボキシメチルセルロース炭酸カルシウム等を用いることができる。緩衝剤としては、リン酸塩クエン酸塩酢酸塩等を用いることができ、乳化剤としては、アラビアゴムアルギン酸ナトリウムトラガントゴム等を用いることができる。懸濁剤としては、モノステアリン酸グリセリンモノステアリン酸アルミニウムメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースラウリル硫酸ナトリウム等を用いることができる。

0035

安定剤としては、プロピレングリコールアスコルビン酸等を用いることができ、保存剤としては、フェノール塩化ベンザルコニウムベンジルアルコールクロロブタノールメチルパラベン等を用いることができる。防腐剤としては、塩化ベンザルコニウム、パラオキシ安息香酸、クロロブタノール等を用いることができる。これら以外にも、pH調整剤等を含有させることもできる。
本発明の化粧品の最終的な形態は特に限定されず、例えば、化粧水、乳液、ローションゲルクリーム等にすることができる。
また、前記化粧品は、頭皮を含む皮膚又は毛髪に適用するものであることが好ましい。

0036

上述した化粧品の製造方法は特に限定されず、例えば、ブタの下顎を使用する場合には、以下のようにして製造されることが好ましい。
まず、上述したようにして得られたブタの下顎から歯髄幹細胞を得る。ブタの下顎に代えて脂肪組織を使用し、上述したようにして脂肪幹細胞を得る。次いで、例えば、無血清培地を用いて上述した条件の下に歯髄幹細胞を培養し、例えば、スポイトピペット等を用いてそれらの培養上清を回収する。回収した培養上清は、そのまま使用してもよく、又は、遠心、濃縮、透析、凍結乾燥、希釈、及び脱塩等のうちから一以上の処理を行った後に使用することもできる。
なお、後述する実施例に示す通り、得られた幹細胞の培養上清は、高度な精製を行わない状態でも、所望の作用を示す。このことは、本発明の化粧品に使用する組成物を、簡便かつ迅速に製造できることを意味しており、精製中に生じ得る活性の低下を回避できるというメリットもある。

0037

上記のようにして得られた培養上清は、まず、タンパク量を測定し、その後コラーゲンの精製活性を測定して、比活性を求める。比活性を指標とすることにより、品質を一定に保つことができるからである。
比活性が低い場合には、スピンカラム濃縮又はエタノール沈殿により、濃縮をすることができる。スピンカラム濃縮を行う場合には、そのカラムにかけることができる最大量の培養上清を所望のスピンカラムへ移し、3,000×g〜5,000×gで約30〜90分間遠心する。得られた濃縮培養上清と同量無血清の溶媒を、このチューブに加え、再度3,000×g〜5,000×gで約30〜90分間遠心することによって、培養上清の溶媒を無血清の溶媒に交換することができる。
例えば、スピンカラムとして、Amicon Ultra Centrifugal Filter Units-10K(ミリポア社製)を使用する場合、ロードできる最大量は15mLである。このため、約15mLの培養上清をロードし、4,000×gで約60分間、4℃にて遠心すると、200μLまで濃縮することができる。200μLまで濃縮した培養上清と同量の滅菌PBSを加え、再度、4,000×gで約60分間、4℃にて遠心し、培養上清の溶媒をPBSに交換する。得られた溶液をマイクロテストチューブへ回収し、濃縮幹細胞培養上清とする。最終的に得られる量が約200μLとなった場合には、濃縮度は75倍となる。

0038

また、エタノール沈殿の場合には、例えば、以下の手順で行う。まず、ある量の培養上清に対して、9倍容の100%エタノールを加えて混和し、約-10〜30℃で30〜90分間放置する。次いで、約4℃にて、10,000〜20,000×gで約10〜20分間遠心する。上澄みを除去し、1/5溶の90%エタノールを加えてよく攪拌する。引き続き、約4℃にて、10,000〜20,000×gで3〜10分間遠心する。上澄みを除去し、得られたペレットを、所望の量の滅菌水、例えば、500μLの滅菌水に溶解してマイクロテストチューブへ回収し、濃縮幹細胞培養上清を得ることができる。
例えば、5mLの培養上清に対して45mLの100%エタノールを加えてよく混和し、−20℃で60分間静置する。次いで、4℃にて、15,000×gで15分間遠心し、上澄みを除去する。その後、10mLの90%エタノールを加えてよく攪拌する。再び、4℃にて、15,000×gで5分間遠心し、上澄みを除去する。得られたペレットを滅菌水500μlに懸濁させ、マイクロテストチューブへ回収し、濃縮幹細胞培養上清とする。この場合、最初に用いた培養上清が5mLであれば、濃縮度は10倍となる。

0039

また、本発明の化粧品に使用する幹細胞の培養上清は、以下のようにして凍結乾燥品とすることもできる。まず、上記ようにして得られた幹細胞の培養上清又は濃縮幹細胞培養上清を、約50〜150mLの容量の容器に一定量ずつ入れ、サンプルチューブの蓋を締めて、約−100℃〜約−60℃で、2時間から半日かけて凍結させる。これらの上清が凍結した後に、サンプルチューブの蓋を開け、凍結乾燥機へセットする。次いで、1〜2日間、凍結乾燥を行い、得られた試料を凍結乾燥幹細胞培養上清とする。この凍結乾燥幹細胞上清は、約−100℃〜−60℃で保存することができる。
例えば、50mLの容量のバイアルビンゴム栓付き)8本に約20mLずつ培養上清を入れて、ゴム栓をし、約−30℃で数時間かけて凍結させる。次いで、このバイアルビンの蓋を開け、凍結乾燥機(ヤマト科学(株)製、DC41A)へセットする。次いで、試料が乾燥するまで凍結乾燥を行い、凍結乾燥培養上清を得ることができる。
以上の操作によって、良好な保存安定性を有する培養上清の凍結乾燥品が得られる。

0040

上記の化粧品を、イオン導入法によって皮膚から導入する場合には、前記化粧品をシート状の保湿性の部材に吸収させて、吸収させたい部位に載せ、プラスに帯電した電極を所望の部位に接触させ、−に帯電した棒状の電極を、前記シートの上を回転させながら移動させる。
ここで、前記所望の部位は特に限定されないが、例えば、腕、手、掌、脚、膝の裏、及び足の裏からなる群から選ばれるものであることが、プラスに帯電した電極を安定して接触させることができるために好ましい。
上記シート状の保湿部材としては、不織布で作られた市販のパック用のシート、ガーゼコットン等を使用することができる。上述した化粧品が液状又は乳液状である場合には、上記シート状の保湿部材に含浸させて使用すればよい。また、上述した化粧品が、クリーム又はジェルである場合には、皮膚に塗布しその上にこうした保湿部材を載せることとすればよい。

0041

以下に、上記化粧品が化粧水である場合を例に挙げて説明する。
まず、上記の培養上清粉末を、適当な量の生理食塩水等に溶解させて粉末溶解液とし、これを保湿部材から滴り落ちる程度に含浸させる。次に、この保湿部材を所望の部位、例えば、顔全体に載せ、体の一部をプラスに帯電した電極に接触させる。例えば、一方の手でプラスに帯電した電極を握る。
ついで、マイナスに帯電したローラーを保湿部材の上に載せ、ゆっくりと保湿部材上を転がす。このとき、特に力を入れる必要はない。上述した粉末溶解液中に含まれる成長因子は、いずれも負に帯電しているため、ローラーのマイナス荷電と反発し、プラスに帯電した電極側に移動する。この移動によって、成長因子が皮膚から吸収される。

0042

また、上記化粧品は、上記の溶解液プラスチック製又はガラス製のボトル、プラスチック製又はガラス製のスポイト付きのボトル、細い排出口のついたプラスチック製容器等、種々の容器に保存して使用することができるが、頭皮用又は毛髪用の化粧品とする場合には、細い排出口のついたプラスチック製容器を使用することが、頭皮に付着させる上で好適である。
頭皮及び毛髪に上記化粧品を付着させ、頭皮全体にまんべんなくいきわたらせた後に、上記と同様にしてイオン導入を行う。その後、プラスチック製のフィルム、例えば、ポリエチレンフィルム、等を用いて頭髪全体包み、パックを行う。
上記のいずれの場合も、蒸気を発生させる装置を、頭部から所定の距離に置き、蒸気を噴霧するようにすると、導入効率が高い。

0043

以下に本発明の実施例について説明するが、これに限定されるものではない。また実施例中の%は、特に断らない限り、重量(質量)基準である。
また、この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。以下に、実施例を用いて、本発明をさらに詳細に説明する。

0044

ブタSHED/BM/脂肪組織由来の成長因子の製造及び品質評価
<材料及び方法>
(1)細胞の分取及び培養
食肉公社(日本国愛知県名古屋市区)より、生後5〜6ヶ月のブタの顎骨(下顎歯のついた下顎骨)及び腸間膜を入手した。屠殺直後の食肉用ブタの下顎歯、顎骨及び腸間膜は、保冷剤入りのアイスボックス(-30℃)にて搬送した。
上記のブタの歯と下顎骨とから、以下の手順に従って、ブタの歯髄幹細胞(SHED)を得た。

0045

搬送したブタの歯と下顎骨をイソジンで消毒し、その後、歯科用ダイヤモンドポイントを用いて、下顎骨についている下顎歯の歯冠を水平方向に切断し、次いで、髄腔に沿って垂直方向に切削して天蓋を除去した。このように処理した歯冠及び歯根部より、歯科用手用スケーラーを用いて歯髄を採取した。
得られた歯髄を眼下用穿刀を用いてチョッピングし、2mg/mLのコラゲナーゼ溶液に懸濁した。この懸濁液を、37℃の恒温槽中に1時間おき、細胞を単離した。単離した細胞を10%FBS及び1%Anti-Anti(Invitrogen社製, Carlsbad, CA)を含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM;SIGMA社製, St. Louis, MO)中にて、37℃、5%CO2の条件下で、継代用の細胞を得るために予備培養した。

0046

まず、培養初期は、サブコンフルエントになるまで、週2〜3回の頻度で培地を交換ながら培養した。サブコンフルエントとなった細胞を、0.05%トリプシンを含むHepes溶液を用いて剥離させ、1,500rpmで、室温にて、3分間遠心分離して集めた。新鮮な培地に得られた細胞を移し、上記と同様の条件の下に、全量を用いて継代培養を行った。
ブタ骨髄(BM)は、ブタの下顎骨の下顎骨体部皮質骨から得た。まず、前記の下顎前歯部舌側を歯科用ダイヤモンドポイントで穿孔し、この穴に18Gの注射針を付けた5mLのシリンジを挿入して骨髄を吸引し、採取した。採取した骨髄を、10%ウシ血清、100U/mLのペニシリン及び100μg/mLのストレプトマイシンを含有するDMEM中に移して、上記と同様の条件下に予備培養し、ついで、上記DMEM中で、37℃、5%CO2の条件下でサブコンフレントになるまで培養した。上記の添加量は、すべて終濃度で表示した。

0047

ブタSHEDと同様に、上記の0.05%トリプシン溶液を使用して剥離し、1,500rpmで3分間遠心分離し、継代培養した。
ブタの腸間膜から、解剖用はさみ及び穿刀にて脂肪組織を切り出して集め、余分な組織を除去し、生理食塩水中で血液を洗い流した。これ以外は、上記と同様にして脂肪細胞を単離させ、脂肪幹細胞を得た。

0048

(2)細胞の増殖状況分析
BrdU染色キット(Invitrogen社製, Carlsbad, CA)に添付された取扱説明書に従って、ブロモデオキシウリジン(BrdU)を、上記のようにして得られたSHED又はBMに取り込ませ、それぞれの細胞の12時間における増殖速度を評価した。各群の試料1つについて3枚のスライドを準備し、これらを用いて評価を行った。この実験を5回繰り返した。1元配置分散分析後に、テューキークレイマー検定(Tukey-Kramer test)によって有意差検定を行った。

0049

STRO-1の免疫蛍光染色を行うために、ブタSHED又はブタBMを、3%パラホルムアルデヒドで固定した。その後、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で2回リンスし、100mMのグリシン溶液で20分間処理した。次いで、0.2%のTriton-X(Sigma-Aldrich社製, St. Louis, MO)溶液で、これらの細胞を30分間、室温にて透過処理した。その後、5%のロバ血清及び0.5%のウシ血清アルブミンを含有するPBSを加え、この溶液中で、20分間、37℃にてインキュベートした。

0050

次に、一次抗体のマウス抗ヒトSTRO-1抗体(いずれも、R&D社製, Minneapolis, MN)と細胞とを1:100の割合となるように混合し、PBS中で1時間、室温でインキュベートした。次いで、PBSを吸引によって除去し、二次抗体ヤギ抗マウス免疫グロブリンM-FITC抗体(Southern Biotech社製, Birmingham, AL)とこれらの細胞とを、1:500となるように混合し、30分間、37℃でインキュベートした。その後、ベクタシールドとDAPI(Vector Laboratories Inc社製, Burlingame, CA)とを用いてマウントした。

0051

(3)動物実験図1参照)
週齢の雌無毛マウス(Hos;HR-1)はSLC社(SLC Inc.社製, 日本国、静岡)から提供された。全マウスを、温度及び湿度を制御した条件(22±1℃、湿度50%)下に、12時間明暗サイクルに置いた。これらの動物には、水及び固形飼料を自由に摂取させるようにし、放射線暴露中、各動物がケージ中を自由に移動できるようにした。観察は、毎日行った。UVB放射装置RMX−3W(Handok Biotech社製, Seoul, Korea)を用いて、マウスの背中に1週間に5回、ランプから動物の背中までの距離を89cmとして10週間照射した。この照射は、10個のSEランプ((株)東製)で列を構成し、UVB用のフィルター処理なしで行った。照射する放射線の波長ピークは312nm付近とした。また、照射量は、290〜320nmの波長を持つ放射線の照射量が、UVB全量の55%に相当する量となるようにした。

0052

照射線量は、最初の2週間は1MED最小紅斑量;60mJ/cm2)、3週目は2MED(120mJ/cm2)、4週目は3MED(180mJ/cm2)、5〜8週目は4MED(240mJ/cm2)とした。全UVB線量は約115MED(6.9J/cm2)として、しわ形成を誘導した。
しわ誘導後5週間で、マウスの背中の限定的な領域に、pSHED-CM(100%)を皮下注射した。陽性対照として、PBSに懸濁したブタSHED(4×105)を直接真皮に注射し、陰性対照としてPBSのみを直接皮下に注射した。

0053

(4)ブタSH-CMの調製
ブタSHED(4×105細胞)をDMEM/F12(Invitrogen-Gibco-BRL社製, Grand Island, NY)無血清培地中、37℃、5%CO2の条件下で培養した。培養72時間後にブタSHEDの培養上清を回収し、300×gで5分間、室温にて遠心し、孔径0.22mmのシリンジ用フィルター(ミリポア社製)を用いて濾過した。

0054

(5)皮膚レプリカ及び画像解析
しわ誘導時及び上記の注射を行った1週間後に、シリコーン系印象材フレックスタイム1(Flextime 1;Heraeus Kulzer社製, New York, NY)を用いて背中の皮膚表面のネガ型レプリカを取った。同じ皮膚領域からしわのレプリカを得るために、油性マーカーペンで皮膚に印を付けた。

0055

皮膚にブタSH-CM及びブタSHEDを最後に注射してから5週間後に、印をつけた領域から印象を取った。測定し易いように、全レプリカを1cm四方に切り、同じ印象材を用いて各レプリカの裏を平坦な面に加工した。208°の角度で光を当て、CCDカメラを用いてレプリカから画像を取り込んだ。
ネガ型レプリカの画像を、しわ解析装置スキンビジオメーター(skin visiometer)SV600(Courage & Khazaka社製, Cologne, Germany)を用いて観察した。皮膚のしわの評価に用いたパラメータは、単位面積当たりのしわの数、深さ、及びしわの面積とした。

0056

(6)組織学解析
背中の皮膚(1cm×1cm)を10%(v/v)のホルマリンを含有する中性緩衝溶液で固定した。次いで、ポリエステルワックス中に包埋し、6mmの切片を作製した。切片をヘマトキシリンエオシン(H&E)にさらし、マッソントリクローム染色を行った。
まず、ヘマトキシリン&エオシン染色(以下、「H&E染色」と略す)を行った。キシレン(レゾモール)で3槽、脱パラフィン処理を行った。純エタノールで4槽、脱水を行い、流水で3分間洗浄した。次いで、マイヤーヘマトキシリン液に5分間浸漬して核を染色し、約45℃の流水で3分間、水洗した。

0057

次に、エオシン液に5分間浸漬し、その後」、純エタノールで4槽、組織の脱水を行い、キシレンで4回処理し、ソフトマウントし、透徹封入処理を行った。
引き続き、マッソントリクローム染色を行った。ヘマトキシリン&エオシン染色と同様に切片の脱パラフィンを行って水洗した。10%トリクロロ酢酸和光純薬工業(株)製、特級)水溶液と10%重クロム酸カリ(和光純薬工業(株)製、特級)水溶液との等量混合液を用いて、第1媒染を行った。次に、3分間水洗し、蒸留水で1分間洗浄した。
1.0gのヘマトキシリン(MERCK社製)を含む100mLの95%エタノール(A液)と、2gの塩化第二鉄と1mLの塩酸及び95mLの蒸留水を含むB液(いずれも和光純薬工業(株)製、特級)とを使用時に混合してワイゲルトの鉄ヘマトキシリンとし、10分間ここに浸漬した。次いで、10分間水洗した。

0058

2.5%リンタングステン酸(和光純薬工業(株)製、特級)水溶液と2.5%リンモリブデン酸(和光純薬工業(株)製、特級)水溶液とを等量混合し、1分間、この溶液中に浸漬して第2媒染を行った。次いで、0.75%オレンジG(和光純薬工業(株)製、1級)液に、2分間浸漬した。1%酢酸水2槽処理を行った。
次いで、ポンソー・キシリジン(CHROMA社製)を1%酢酸水に1%の割合で溶かした溶液を2倍容,酸性フクシン(和光純薬工業(株)製、化学用)を1%酢酸水に1%の割合で溶かした溶液を1容の割合で混和し、ポンソー・キシリジン・酸フクシン液を調製し、この溶液に20分間浸漬した。1%酢酸水で2槽処理を行った。
引き続き、2.5%リンタングステン酸溶液に7分間浸漬し、1%酢酸水で2槽処理を行った。次いで、アニリンブルーで間染色し、1%%酢酸水溶液で2槽処理を行い、イソプロパノールに1枚ずつ浸漬して、ヘマトキシリン&エオシン染色と同様に透徹・封入処理を行った。

0059

(7)ヒト真皮中の皮膚線維芽細胞(HDF)の培養及びUVB照射線量
10%のウシ胎児血清、100U/mLのペニシリン、及び100mg/mLのストレプトマイシンを添加したDMEM中で、5%CO2、37℃の条件下でHDFを培養した。無血清培地中で24時間培養した後に、培養フラスコ中の細胞をPBSで洗浄し、3〜4滴のPBSと一緒に、50〜250mJ/cm2の範囲となるようにUVBに暴露した。UVB照射は、上述したUV光源(Waldmann社製, Schwenningen, Germany)を用いて行った。照射後すぐに、PBSを吸引除去して完全培地に置き換えた。UVB照射線量は、最終的に、以降の実験用に70mJ/cm2に固定した。

0060

(8)細胞増殖アッセイ
96ウェルプレートの各ウェルに、HDFを5×103細胞/ウェルで播種し、CCK-8キット(Dojindo社製, Gaithersburg, MD)を用いてHDFの増殖速度を測定した。無血清培地で24時間培養した後、ブタSH-CMと一緒に又はブタSH-CMなしで、HDFを24時間連続培養し、次いで、UVB(70mJ/cm2)に90秒間暴露した。
引き続き、UVB照射細胞を完全培地中で24時間培養して回収した。HDF-Fを10mLのCCK-8溶液に入れ、3時間インキュベートした。マイクロプレートリーダー(TECAN社製, Gro¨ dig, Austria)を用いて450nmの吸収を測定した。
対照群を用いて作成した標準曲線に基づき、各ウェルのOD値から細胞数を求めた。

0061

(9)ウェスタンブロット解析
HDF(2×104細胞/ウェル)を24ウェルプレートに播種し、前述したように前処理を行った。次いで、RIPA緩衝液(0.15MのNaCl、1mMのEDTA、1%のTriton X-100、1%のSDS、50mMのNaF、1mMのNa3VO4、5mMのジチオスレイトール、1mg/mLのロイペプチン、及び20mg/mLのPMSFを含む50mMのTris-HCl(pH 7.4))中で、細胞を溶解させた。この細胞溶解液のタンパク量をビウレット試薬を用いて測定し、50μgのタンパク質を8%SDS-ポリアクリルアミドゲル(SDS-PAGE)電気泳動に供した。SDS-PAGE終了後、ゲル電気泳動泳動パターンを、PVDF膜転写した。
この膜を、I型コラーゲンに対する抗体(Santa Cruz社製, Saint Louis, MO)、マトリックスメタロプロテイナーゼ1(MMP-1)に対する抗体(Calbiochem社製, Darmstadt, Germany)と一緒に、室温で15分間インキュベートした。次いで、このPVDF膜を、PBSを用いて洗浄し、西ワサビペルオキシダーゼコンジュゲート抗ヤギIgG抗体(1:100,000、Santa Cruz社製, Saint Louis, MO)と一緒に、室温で15分間インキュベートした。この後、免疫グロブリンウェスタン試薬ブロッティングし、X線フィルムを重ねて感光させた。

0062

<結果>
(1)pSHED及びpBMSCの特徴解析
pSHED及びpDPSCはpBMSCと同様な線維芽細胞の形態を示した。免疫蛍光の解析から、pSHED及びpBMSCがSTRO-1陽性細胞を含むことが示された。また、pSHEDの増殖速度は、pBMSCよりも有意に速いことが示された(図2参照)。

0063

(2)UVにより誘導されたしわのブタSHED-CMによる軽減
UV暴露期間中、マウスの皮膚の細かいしわを観察した。処置中、pSHED-CM処置群及びpSHED注射群は、PBSのみを注射したPBS投与群よりも、しわが少ないようことが観察された(図3(A)及び(B)参照、各群についてn=8)。
図3(A)及び図3(B)にpSHED-CMの反復投与によって軽減されたことが示された(図中、pSHED-CMの反復投与群は、「pGF」と示した。)。pSHED注射群もpSHED-CM群と同じ傾向を示した。
図4に示すように、スキン・ビジオメーターSV600でレプリカのしわのパラメータを測定したところ、天然ベルのpSHED-CM(100%)を注射した時に、しわの全パラメータが有意に低下していた。また、pSHED処置は、pSHED-CM処置よりも高い有効性を示した。

0064

(3)組織学的観察
UVB照射無毛マウスでは、皮膚の付属器に大きな変化が見られたため、UVB照射無毛マウスでの真皮の厚さに対するpSHED-CMの影響を調べた。
図5に、ヘマトキシリン−エオシン染色(H&E染色)による、ヘアレスマウスの皮膚の真皮厚さの組織染色結果を示す。図5(A)〜(C)に示されるように、コラーゲン線維の量が(図中の上下の矢印で挟まれた部分)が、pSHED-CM処理群(図5(B))とpSHED注入群(図5(C))において、対照群に対し、有意に多くなっていた。
また、真皮厚みの測定から、pSHED注射群及びpSHED-CM処置群において、真皮厚みが有意に増加していることが示された(図5(B)及び(C))。また、膠原線維束の顕著な増加が上記両群で観察されたが、対照群では観察されなかった(図5(A))。

0065

(4)pSHED-CMによるHDFの増殖促進
ブタSHEDによる皮膚のしわの改善に関するパラクリン機構を調べるために、pSHED-CMと一緒に、上記と同様の条件で一次培養したHDFを用いて、細胞増殖アッセイを行った。図6に示すように、UVB照射によりHDFの増殖は有意に低下したが(図6中、「UVS」と表わす)、ブタSHED-CMによる前処理を行うと増殖の低下幅が減少し(図6中、「pGF」と表わす。)、pSHED-CMがHDFに対して保護効果を有することが示された。
上記pSHED-CMは多様な成長因子を含むため、上記ブタSHED-CMによる増殖促進は、pSHEDから分泌された成長因子が仲介するものであることが示唆された。
上記ブタSHED-CMは多様な成長因子を含むため、上記ブタSHED-CMによる増殖促進は、ブタSHEDから分泌された成長因子が仲介するものであることが示唆された。

0066

(5)I型コラーゲン及びMMP1の発現
上記ブタSHED-CM処置したヘアレスマウスにおいて、真皮中のコラーゲン含有量が有意に増加していた。このため、上記pSHED-CM処理後のHDF中におけるI型コラーゲン及びMMP1のタンパク質発現を調べた。UVB照射により、明らかにI型コラーゲンの発現量が低下し、MMP1の発現が誘導されて増加していた。
また、I型コラーゲンの発現量はpSHED-CM前処理後に有意に増加したが、逆に、MMP1の発現量pSHED-CM前処理後に低下していた。以上から、pSHED-CM処理を行ったヘアレスマウスの真皮で見られたコラーゲン含有量の増加は、真皮線維芽細胞中でコラーゲン合成刺激されたこと、及びコラーゲン分解が抑制されたことによって生じたことが示された。

0067

ブタSHED/BM/脂肪幹細胞由来の成長因子混合物の製造及び品質評価
(1)成長因子混合物(粉末)の調製
上記ブタSHED、ブタBM又はブタ歯髄幹細胞を、ブタ成長因子(pGF)混合物の調製に用いた。10%FCSを含むDMEMを用いて、ブタSHED、ブタBM又はブタ歯髄幹細胞を2〜8代、継代培養し、培養ディッシュ中の細胞が80%コンフルエントになった段階で、10mLの上清(培養培地:CM)をサンプリングし、9倍容のエタノールを加えてエタノール希釈CMとした。このエタノール希釈CMを、−20℃で60分間インキュベートした後、50mL容量のスピンカラムに入れて、4℃にて15,000rpmで15分間遠心し、沈殿物を得た。この沈殿物を、90%エタノールで-20℃にて洗浄し、再度スピンカラムにかけて同様に遠心処理した。
以上のようにして濃縮した沈殿物を凍結乾燥し、成長因子を含む粉末を得た。

0068

(2)粉末中の成長因子
粉末中に含まれる各成長因子を、上述したウェスタンブロッティング法で解析した。検出された成長因子は、PDGF、VEGF、IGF、KGF、HGF、及びTGFであった。
(3)品質評価
細胞の培養時に、ブタ培養幹細胞又はブタ骨髄幹細胞の培養上清を加えた結果を図7(A)〜(D)に示す。いずれも、増殖速度がこれらを加えない場合よりも速いことが観察された。

0069

非ヒト由来歯髄幹細胞の培養上清の皮膚に対する効果
(1)非ヒト由来歯髄幹細胞の培養上清の調製
実施例2で得られた非ヒト由来(ブタ)の歯髄幹細胞の培養上清液から1mLをとり、凍結乾燥して粉末を得た。
この凍結乾燥粉末を、30mLの生理食塩水に溶解させて洗ビンに入れ、皮膚用試料1とし、皮膚に対する効果を検討した。

0070

(2)皮膚に対する試験の条件等
皮膚に対する試験は、以下の手順で行った。まず、被験者の皮膚の状態を確認し、被験者自身が、現在、どのような状態であると認識しているかについて、カウンセリングを行った。次に、試験開始前の顔全体の状態をカメラ撮影し(図8(A)参照)、皮膚の状態をマイクロスコープ(200倍)で撮影した(図10(A)参照)。
次いで、試料1の全量をフェイスパック用不織布1(富士紙化学(株)製、フェイスマスク)に含浸させた。この不織布を被検者の顔の上に載せ、実施時間20分/回、実施回数1〜2回/週、0.2〜1mAの条件でイオン導入を行った。
イオン導入中、顔全体に蒸気を当てられるように、スチーマータカラベルモント(株)製、ノアージュ)を顔から30〜50cm離れた位置に置いた。その後、フェイスパックを顔から外し、クリーム等で肌を整えて仕上げを行った。被験者は女性7名で、年齢は20代〜70代、平均41であった。

0071

(3)効果
イオン導入を14回行った結果を試験後として、試験開始前と同様にマイクロスコープで皮膚の状態を確認した。試験前後の皮膚の状態を比較したところ、被検者の肌の色が、試験開始前に比べて全体的に白くなっていた。また、シミが薄くなるとともに(図8(A)及び(B))、皺(図9(A)及び(B))も薄くなっていた。
皮膚の状態をマイクロスコープで観察すると、明らかな変化が認められ、シワの部分のへこみが少なくなっていた(図10(A)及び(B))。
ブタ歯髄幹細胞の培養上清を含む化粧品を使用することにより、しわを薄くする効果及び肌の色を白くする効果があることが示された。

0072

発毛及び育毛効果の検討
(1)非ヒト由来脂肪幹細胞の培養上清の調製
実施例2で得られた非ヒト由来(ブタ)の脂肪幹細胞の培養上清液から1mLをとり、凍結乾燥して粉末を得た。
この凍結乾燥粉末を、30mLの生理食塩水に溶解させて発毛・育毛試験用の試料2とし、洗ビンに入れた。
(2)発毛・育毛試験の条件等
発毛・育毛用試験は、以下の手順で行った。まず、被験者の頭髪及び頭皮の状態を確認し、被験者自身が、現在、どのような状態であると認識しているかについて、カウンセリングを行った。次に、試験開始前の頭髪の状態をカメラで撮影し、また、頭皮の状態をマイクロスコープ(20〜200倍)で撮影した。図13〜16は200倍で撮影したものである。

0073

次いで、適量のクレンジングジェルナシナルトータルプロダクト(株)製、プレジャークレンジングジェル)を掌にとり、これを頭皮に塗布して頭皮のマッサージを行い、毛穴の周囲及び毛穴に詰まった汚れを浮き立たせた。引き続き、市販のシャンプー((株)コスメ・ニスト製、プレジャーCシャンプー)を用いて浮き上がった汚れを落とした。汚れがひどい場合には、2回、シャンプーを行った。
その後、洗ビンの口を頭皮に接触させるようにして上記のように調整した試料2を頭皮に付着させた。また、毛髪にも付着させた。
実施時間は15分/回、実施回数を週1〜2回、0.2〜1mAとしてイオン導入を行った。引き続き、ポリエチレンフィルムで頭皮及び毛髪全体ラップし、その上からタオルターバンのように巻いて、10〜20分間パックを行った。その後、タオルとポリエチレンフィルムをはずし、タオルドライ又はドライヤーで仕上げを行った。被験者8名の内訳は、男性6名、女性2名(年齢:30代〜50代、平均38歳)であった。

0074

上記のようにイオン導入を行った後は、被験者自身が、洗髪後のきれいな頭皮(地肌)に試料1又は2を適用することとした。地肌に容器の口の部分を押し付けて直接付着させ、その後手で地肌に擦り込むように、頭皮マッサージを2〜3分行った。また、毛髪に付着させた。
(3)発毛及び育毛効果
男性被験者の毛髪が、試験の前後でどのように変化したかを図11〜16に示す。
図11は、試験開始時の頭髪の状態を示す。また、試験開始7日後の頭髪の状態を図12に示す。図11と12とを対比すると明らかなように、目視でも頭髪が増加していることが確認された。
試験開始後の頭皮の変化を、図13(試験開始前)、図14(試験開始3日後)、図15(5日後)、及び図16(7日後)に示した。この観察の結果、試験開始3日後で発毛が確認され(図14の矢印参照)、7日後には、ひとつの毛穴から、複数の毛髪が生えてきていることが確認された(図16の矢印参照)。

0075

8人の被験者全員において発毛及び育毛効果が観察された。具体的には、新たに生えてきた毛髪は、白髪のある被験者の場合でも、白髪ではなく、黒い毛髪であった。また、いずれの被験者においても、毛髪の伸びが速く、毛髪自体も太いため、頭頂部の毛髪のボリュームが多くなっていた。
被験者のうち、最も早い時期に発毛があることが指先感知されたのは、試験開始翌日(1日後)であった。
以上から、ブタ脂肪幹細胞の培養上清を含む化粧品を使用することにより、発毛及び育毛効果が顕著に表れたことが確認された。

0076

pSHED/pBMSC由来の成長因子を含有する化粧品の製造例を以下に示す。

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実施例

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本発明は化粧品の分野で有用である。

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