図面 (/)

技術 金属用研磨液及び研磨方法

出願人 日立化成株式会社
発明者 市毛康裕芳賀浩二近藤誠一
出願日 2013年1月29日 (7年9ヶ月経過) 出願番号 2013-556408
公開日 2015年5月11日 (5年6ヶ月経過) 公開番号 WO2013-115172
状態 特許登録済
技術分野 洗浄、機械加工 抗スリップ物質 仕上研磨、刃砥ぎ、特定研削機構による研削 火薬、マッチ等
主要キーワード 基準モード アクリル酸ポリマ 窒化ルテニウム 錯体形成能 アクリル酸骨格 速度評価 相対速 純タングステン
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年5月11日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題・解決手段

本発明は、金属を有する基板の少なくとも前記金属の一部を研磨するための金属用研磨液であって、A成分:アミノ酸を含む金属溶解剤、B成分:ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物、C成分:重量平均分子量10,000以上のアクリル酸ポリマを含有し、前記B成分と前記C成分との質量比(B成分:C成分)が1:1〜1:5である金属用研磨液に関する。これによれば、高い研磨速度と低いエッチング速度とをより高いレベル両立し、より信頼性の高い埋め込みパターン形成を可能とする。

概要

背景

近年、半導体集積回路(以下、「LSI」という。)の高集積化高性能化に伴って新たな微細加工技術が開発されている。化学機械研磨(以下、「CMP」という。)法もその一つであり、LSI製造工程において頻繁に利用される技術である。特に多層配線形成工程における絶縁体平坦化、金属プラグ形成、埋め込みパターン(埋め込み配線)の形成においてCMPが利用される。

また、最近はLSIを高性能化するために、配線材料として銅、銅合金、銅の酸化物及び銅合金の酸化物(以下、これらをまとめて「銅系金属」という。)の利用が試みられている。しかし、銅系金属は、従来のアルミニウム合金配線の形成で頻繁に用いられた、ドライエッチング法による微細加工が困難である。そこで、あらかじめ溝部を形成してある絶縁体上に、前記溝部を埋め込むように銅系金属を堆積し、溝部以外の銅系金属をCMPにより除去して埋め込みパターンを形成する、いわゆるダマシン法が主に採用されている。

金属のCMPの一般的な方法は、円形研磨定盤プラテン)上に研磨布を貼り付け、研磨布表面金属用研磨液で浸し、基体の金属を形成した面を押し付けて、その裏面から所定の圧力(以下、「研磨圧力」という。)を加えた状態で研磨定盤を回し、研磨液と金属の凸部との機械的摩擦によって凸部の金属を除去するものである。

CMPに用いられる金属用研磨液は、一般には酸化剤及び固体砥粒を含む。また、CMPによる研磨速度を高める方法として金属を溶解する成分(金属溶解剤酸化金属溶解剤エッチング剤等)を添加することが有効とされている。しかし、凹部の金属表面の酸化層も溶解(以下、「エッチング」という。)されて金属表面が露出すると、酸化剤によって金属表面が更に酸化される。これが繰り返されると凹部の金属のエッチングが進行してしまい、平坦化効果が損なわれることが懸念される。これを防ぐために更に保護膜形成剤が添加される。

このように金属溶解剤と保護膜形成剤を添加して化学反応の効果を加えることにより、CMPによる研磨速度(以下、「研磨速度」ということがある。)が向上すると共に、CMPされる金属表面の損傷も低減される効果が得られる。現在では金属溶解剤と保護膜形成剤とのほかに、添加剤として高分子電解質ホスホン酸等の様々な物質を用いることが検討されており、これらによって比較的高い研磨速度と、低いエッチング速度とが得られる。これらの技術は、例えば特許文献1及び2に開示されている。

銅系金属を研磨するための研磨液として、酸化剤、金属溶解剤、第1の保護膜形成剤、該第1の保護膜形成剤とは異なる第2の保護膜形成剤及び水を含有し、上記第1の保護膜形成剤は、金属表面に物理的吸着及び/又は化学的結合を形成することにより保護膜を形成する化合物であり、上記第2の保護膜形成剤は、第1の保護膜形成剤が保護膜を形成するのを補助する化合物である金属用研磨液が知られている(特許文献3参照)。より具体的には、上記第1の保護膜形成剤が、ベンゾトリアゾール及びその誘導体のうちから選ばれた少なくとも一種であり、上記第2の保護膜形成剤が、ポリアクリル酸ポリメタクリル酸ポリアミド酸ポリアクリル酸アンモニウム、ポリメタクリル酸アンモニウム、ポリアミド酸アンモニウム及びポリアクリルアミドのうちから選ばれた少なくとも一種である金属用研磨液が開示されている。このような金属用研磨液は、銅系金属に対するエッチングを抑制しつつ、銅系金属を良好な研磨速度で研磨することができるとされている。

また、同様な研磨液として、金属溶解剤、金属防食剤(保護膜形成剤)、ポリアクリル酸系ポリマ及び水を含有し、過酸化水素を金属用研磨液質量に対して多量(12〜30質量%)添加する金属用研磨液が知られている(特許文献4参照)。このような研磨液によれば、低い研磨圧力でも銅系金属に対して良好な研磨速度を得ることができるため、平坦性にも優れた被研磨面を得ることができるとされている。

概要

本発明は、金属を有する基板の少なくとも前記金属の一部を研磨するための金属用研磨液であって、A成分:アミノ酸を含む金属溶解剤、B成分:ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物、C成分:重量平均分子量10,000以上のアクリル酸ポリマを含有し、前記B成分と前記C成分との質量比(B成分:C成分)が1:1〜1:5である金属用研磨液に関する。これによれば、高い研磨速度と低いエッチング速度とをより高いレベル両立し、より信頼性の高い埋め込みパターン形成を可能とする。

目的

本発明は、上記問題点に鑑み、金属(特に銅系金属)に対して、高い研磨速度と低いエッチング速度とをより高いレベルで両立し、より信頼性の高い埋め込みパターン形成を可能とする金属用研磨液を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

金属を有する基板の少なくとも前記金属の一部を研磨するための金属用研磨液であって、A成分:アミノ酸を含む金属溶解剤B成分:ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物C成分:重量平均分子量10,000以上のアクリル酸ポリマを含有し、前記B成分と前記C成分との質量比(B成分:C成分)が1:1〜1:5である金属用研磨液。

請求項2

pHが2〜6の範囲内である請求項1記載の金属用研磨液。

請求項3

更に砥粒を含有する請求項1記載の金属用研磨液。

請求項4

前記金属が、銅、銅合金、銅の酸化物及び銅合金の酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む請求項1記載の金属用研磨液。

請求項5

請求項1〜4のいずれか記載の金属用研磨液を用いて、金属を有する基板の少なくとも前記金属の一部を研磨することを特徴とする研磨方法

技術分野

0001

本発明は、化学機械研磨に使用する金属用研磨液組成及び研磨方法に関する。

背景技術

0002

近年、半導体集積回路(以下、「LSI」という。)の高集積化高性能化に伴って新たな微細加工技術が開発されている。化学機械研磨(以下、「CMP」という。)法もその一つであり、LSI製造工程において頻繁に利用される技術である。特に多層配線形成工程における絶縁体平坦化、金属プラグ形成、埋め込みパターン(埋め込み配線)の形成においてCMPが利用される。

0003

また、最近はLSIを高性能化するために、配線材料として銅、銅合金、銅の酸化物及び銅合金の酸化物(以下、これらをまとめて「銅系金属」という。)の利用が試みられている。しかし、銅系金属は、従来のアルミニウム合金配線の形成で頻繁に用いられた、ドライエッチング法による微細加工が困難である。そこで、あらかじめ溝部を形成してある絶縁体上に、前記溝部を埋め込むように銅系金属を堆積し、溝部以外の銅系金属をCMPにより除去して埋め込みパターンを形成する、いわゆるダマシン法が主に採用されている。

0004

金属のCMPの一般的な方法は、円形研磨定盤プラテン)上に研磨布を貼り付け、研磨布表面を金属用研磨液で浸し、基体の金属を形成した面を押し付けて、その裏面から所定の圧力(以下、「研磨圧力」という。)を加えた状態で研磨定盤を回し、研磨液と金属の凸部との機械的摩擦によって凸部の金属を除去するものである。

0005

CMPに用いられる金属用研磨液は、一般には酸化剤及び固体砥粒を含む。また、CMPによる研磨速度を高める方法として金属を溶解する成分(金属溶解剤酸化金属溶解剤エッチング剤等)を添加することが有効とされている。しかし、凹部の金属表面の酸化層も溶解(以下、「エッチング」という。)されて金属表面が露出すると、酸化剤によって金属表面が更に酸化される。これが繰り返されると凹部の金属のエッチングが進行してしまい、平坦化効果が損なわれることが懸念される。これを防ぐために更に保護膜形成剤が添加される。

0006

このように金属溶解剤と保護膜形成剤を添加して化学反応の効果を加えることにより、CMPによる研磨速度(以下、「研磨速度」ということがある。)が向上すると共に、CMPされる金属表面の損傷も低減される効果が得られる。現在では金属溶解剤と保護膜形成剤とのほかに、添加剤として高分子電解質ホスホン酸等の様々な物質を用いることが検討されており、これらによって比較的高い研磨速度と、低いエッチング速度とが得られる。これらの技術は、例えば特許文献1及び2に開示されている。

0007

銅系金属を研磨するための研磨液として、酸化剤、金属溶解剤、第1の保護膜形成剤、該第1の保護膜形成剤とは異なる第2の保護膜形成剤及び水を含有し、上記第1の保護膜形成剤は、金属表面に物理的吸着及び/又は化学的結合を形成することにより保護膜を形成する化合物であり、上記第2の保護膜形成剤は、第1の保護膜形成剤が保護膜を形成するのを補助する化合物である金属用研磨液が知られている(特許文献3参照)。より具体的には、上記第1の保護膜形成剤が、ベンゾトリアゾール及びその誘導体のうちから選ばれた少なくとも一種であり、上記第2の保護膜形成剤が、ポリアクリル酸ポリメタクリル酸ポリアミド酸ポリアクリル酸アンモニウム、ポリメタクリル酸アンモニウム、ポリアミド酸アンモニウム及びポリアクリルアミドのうちから選ばれた少なくとも一種である金属用研磨液が開示されている。このような金属用研磨液は、銅系金属に対するエッチングを抑制しつつ、銅系金属を良好な研磨速度で研磨することができるとされている。

0008

また、同様な研磨液として、金属溶解剤、金属防食剤(保護膜形成剤)、ポリアクリル酸系ポリマ及び水を含有し、過酸化水素を金属用研磨液質量に対して多量(12〜30質量%)添加する金属用研磨液が知られている(特許文献4参照)。このような研磨液によれば、低い研磨圧力でも銅系金属に対して良好な研磨速度を得ることができるため、平坦性にも優れた被研磨面を得ることができるとされている。

先行技術

0009

特表2010−538457号公報
特表2009−514219号公報
国際公開第00/13217号公報
国際公開第08/108301号公報

発明が解決しようとする課題

0010

しかしながら、近年、高い研磨速度と低いエッチング速度とを、より高いレベル両立し、信頼性の高い埋め込みパターン形成を得ることが求められており、従来の研磨液では、これらの要求に充分対応できなくなってきている。本発明は、上記問題点に鑑み、金属(特に銅系金属)に対して、高い研磨速度と低いエッチング速度とをより高いレベルで両立し、より信頼性の高い埋め込みパターン形成を可能とする金属用研磨液を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0011

本発明の具体的な態様は、以下のものに関する。
金属を有する基板の少なくとも前記金属の一部を研磨するための金属用研磨液であって、
A成分:アミノ酸を含む金属溶解剤
B成分:ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物
C成分:重量平均分子量10,000以上のアクリル酸ポリマ
を含有し、前記B成分と前記C成分との質量比(B成分:C成分)が1:1〜1:5である金属用研磨液に関する。

0012

このような金属用研磨液によれば、金属(特に銅系金属)に対して、高い研磨速度と低いエッチング速度とをより高いレベルで両立し、より信頼性の高い埋め込みパターン形成を可能とする金属用研磨液を提供できる。

0013

また、本発明は、pHが2〜6の範囲内である前記の金属用研磨液に関する。このような金属用研磨液によれば、より銅系金属に対する研磨速度に優れ、研磨速度とエッチング速度とのバランスが優れた金属用研磨液を提供できる。

0014

また、本発明は、更に砥粒を含有する前記金属用研磨液に関する。このような金属用研磨液によれば、金属(特に銅系金属)をより高い研磨速度で研磨可能な金属用研磨液を提供できる。

0015

また、本発明は、研磨される金属が、銅系金属からなる群、すなわち、銅、銅合金、銅の酸化物及び銅合金の酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む前記金属用研磨液に関する。このような金属用研磨液によれば、研磨速度とエッチング速度とのバランスが優れた金属用研磨液を提供できる。

0016

また、本発明は前記金属用研磨液を用いて、金属を有する基板の少なくとも前記金属の一部を研磨する研磨方法に関する。このような研磨方法によれば、金属(特に銅系金属)を有する基板を良好な研磨速度で研磨でき、かつ、エッチング速度が低いため、より信頼性の高い埋め込みパターンを形成することができる。

0017

本願の開示は、2012年2月1日に出願された、特願2012−019571号に記載の主題と関連しており、その開示内容引用によりここに援用される。

発明の効果

0018

本発明の金属用研磨液は、高い研磨速度と低いエッチング速度とをより高いレベルで両立し、より信頼性の高い埋め込みパターンを形成することができる。

図面の簡単な説明

0019

(a)〜(d)は本発明の一実施形態に係る基板の研磨方法を説明するための模式断面図である。

0020

本発明の実施形態の金属用研磨液は、金属を有する基板の少なくとも前記金属の一部を研磨するための金属用研磨液であって、アミノ酸を含む金属溶解剤(A成分)、ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物(B成分)及び重量平均分子量10,000以上のアクリル酸ポリマ(C成分)を含有し、前記B成分と前記C成分との質量比(B成分:C成分)が1:1〜1:5である金属用研磨液である。以下、金属用研磨液に含まれる各成分と、任意で添加可能な他の成分について順に説明する。

0021

(A成分:アミノ酸を含む金属溶解剤)
実施形態の金属用研磨液は金属溶解剤を含有し、該金属溶解剤はアミノ酸(A成分)を含有する。ここで、金属溶解剤とは、金属(特に銅系金属)に対して錯体形成能を有し、溶出速度及び研磨速度を速める作用を有する成分である。

0023

その中でも高い研磨速度と低いエッチング速度とを両立する観点から、低分子量のアミノ酸が好ましい。具体的には、分子量が200以下のアミノ酸が好ましく、150以下のアミノ酸がより好ましい。また、第一アミノ基(−NH2)をもつ一級アミノ酸が好ましい。

0024

中でも、分子量が200以下の一級アミノ酸が好ましく、具体的には、グリシン、アラニン、β−アラニン(3−アミノプロパン酸)、4−アミノ酪酸等が挙げられる。

0025

本発明における金属溶解剤の配合量は、金属を充分に溶解できる点で、研磨液全100質量部に対して、0.001質量部以上が好ましく、0.01質量部以上がより好ましく、0.1質量部以上が更に好ましく、0.3質量部以上が特に好ましく、0.5質量部以上が非常に好ましく、0.7質量部以上が極めて好ましい。エッチングの抑制が容易である点で、この配合量は研磨液全100質量部に対して10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましく、3質量部以下が更に好ましく、2質量部以下が特に好ましく、1.5質量部以下が極めて好ましい。

0026

また、研磨速度を高めることを目的として、アミノ酸以外の金属溶解剤を含有しても良い。アミノ酸以外の金属溶解剤としては、無機酸化合物有機酸化合物(但しアミノ酸は除く。)等が挙げられる。ただし、銅系金属に対する高い研磨速度と低いエッチング速度との両立の点では、金属溶解剤におけるアミノ酸のモル比が90mol%以上であることが好ましく、95mol%以上であることがより好ましく、97mol%以上であることが更に好ましく、99mol%以上であることが特に好ましく、99.9mol%以上であることが非常に好ましく、100mol%であること(金属溶解剤としてアミノ酸のみを含み、前記無機酸化合物及び有機酸化合物を含まない)ことが極めて好ましい。なお、後述するpH調整剤として酸を添加する場合は、その添加量も金属溶解剤の添加量として計算する。

0027

前記無機酸化合物としては、塩酸硫酸硝酸リン酸クロム酸等の無機酸、これらの無機酸の塩などが挙げられる。

0029

(B成分:ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物)
本発明の実施形態の金属用研磨液は、ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物(B成分)を含む。ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物は金属(特に銅系金属)表面に対して保護膜を形成して防食作用を発揮すると考えられる。機構はこれに限定されないが、本明細書では、このような化合物を便宜的に「保護膜形成剤」という。また、ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物は、その疎水性構造を研磨布と接触する側に向けるため、研磨布との摩擦が高まり、研磨速度を高める機能があると考えられる。なお、ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物が酸基(例えばカルボン酸)を有する場合は、前記有機酸化合物としてではなく、ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物として数える。

0030

ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物としては、ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、5−ニトロ(−1H−)ベンゾトリアゾール、5−クロロ(−1H−)ベンゾトリアゾール、1−メチル(−1H−)ベンゾトリアゾール、1−エチル(−1H−)ベンゾトリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボン酸メチル、6−ブロモ−1H−ベンゾトリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボン酸、2−アミノ−2H−ベンゾトリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール−1−アミン、1−アセチル−1H−ベンゾトリアゾール、1−アミノ−7−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、1−アミノ−5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、5−メトキシ−1H−ベンゾトリアゾール、1−クロロ−1H−ベンゾトリアゾール、1−ビニル−1H−ベンゾトリアゾール、4−アミノ−1−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、1−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−5−アミン、1−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−5−アミン、2−メチル−2H−ベンゾトリアゾール、2H−ベンゾトリアゾール、5,6−ジメチル−1H−ベンゾトリアゾール、4,7−ジメチル−1H−ベンゾトリアゾール、1−ジヒドロキシプロピルベンゾトリアゾール、2,3−ジカルボキシプロピルベンゾトリアゾール、4−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4−カルボキシ(−1H−)ベンゾトリアゾール、4−カルボキシ(−1H−)ベンゾトリアゾールメチルエステル、4−カルボキシ(−1H−)ベンゾトリアゾールブチルエステル、4−カルボキシ(−1H−)ベンゾトリアゾールオクチルエステル、5−ヘキシルベンゾトリアゾール、5−メチル(−1H−)ベンゾトリアゾール(トリルトリアゾール)、ナフトトリアゾール等が挙げられる。

0031

その中でも銅系金属に対する高い研磨速度と低いエッチング速度とを両立する観点から、ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、5−メチル(−1H−)ベンゾトリアゾールが好ましい。

0032

また、ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物以外にも、金属に対する防食作用を有する公知の保護膜形成剤を含むことができる。このような化合物としては例えば、チアゾール類イミダゾール類ピラゾール類等のようなアゾール類(ただし、ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物を除く)、ピリミジン類グアニジン類キナルジン酸サリチルアルドキシムなどが挙げられる。

0033

本発明の実施形態の金属用研磨液におけるB成分(ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物)の配合量は、エッチングの抑制に優れる点で、研磨液全100質量部に対して、0.0001質量部以上が好ましく、0.001質量部以上がより好ましく、0.005質量部以上が更に好ましく、0.01質量部以上が特に好ましい。また、金属に対する充分な研磨速度が得られる点で、この配合量が研磨液全100質量部に対して0.5質量部以下が好ましく、0.2質量部以下がより好ましく、0.1質量部以下が更に好ましく、0.05質量部以下が特に好ましい。

0034

また、ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物以外に保護膜形成剤を含む場合は、両者の合計含有量(保護膜形成剤の合計含有量)が前記範囲を満たすことが好ましい。

0035

(C成分:重量平均分子量10,000以上のアクリル酸ポリマ)
本発明の実施形態の金属用研磨液は、重量平均分子量10,000以上のアクリル酸ポリマ(C成分)を含む。重量平均分子量10,000以上のアクリル酸ポリマは、金属(特に銅系金属)表面に吸着し、その表面を親水性とすると考えられる。これにより、研磨液成分が金属近傍に近づくことを容易になるため、研磨速度を高める作用があると考えられる。

0036

ここで、アクリル酸ポリマとは、アクリル酸骨格(C=C−C(=O)−骨格)を有する化合物を含む単量体成分重合して得られるポリマとして定義される。前記アクリル酸ポリマは、一種類の単量体からなる単量体成分を重合して得られる単独重合体ホモポリマ)であってもよいし、二種類以上の単量体からなる単量体成分を重合して得られる共重合体コポリマ)であってもよい。中でも、金属(特に銅系金属)表面の親水性を向上させる点でホモポリマであることが好ましい。アクリル酸ポリマは一種類を単独で又は二種類以上を併用できる。

0037

前記アクリル酸骨格を有する化合物としては、C=C−C(=O)−OH骨格を有する化合物(すなわち、C=C−COOH骨格を有する化合物)として、アクリル酸メタクリル酸クロトン酸ビニル酢酸チグリン酸、2−トリフルオロメチルアクリル酸イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸メサコン酸、グルコン酸等が挙げられる。

0038

前記アクリル酸ポリマは、カルボン酸基の少なくとも一部が塩を形成して、C=C−C(=O)−O−X+構造(すなわち、C=C−COO−X+構造)となっていてもよい。前記塩としては、アンモニウム塩、アルカリ金属塩アルキルアミン塩等が挙げられる。本発明の実施形態では、塩を形成可能なカルボン酸基の少なくとも一部が塩を形成しているものが、アクリル酸ポリマの塩として定義される。例えば、ポリアクリル酸(アクリル酸のホモポリマ)におけるカルボン酸基の少なくとも一部がカルボン酸アンモニウム塩基に置換されたポリマを「ポリアクリル酸アンモニウム塩」という。

0039

また、前記アクリル酸骨格を有する化合物としては、C=C−C(=O)−R骨格を有する化合物(すなわち、C=C−COR骨格を有する化合物。Rは有機基を示す。)でもよく、具体的には、前記C=C−COOH骨格を有する化合物として例示した化合物のアルキルエステルアクリルアミド化合物(C=C−CONR2、Rは水素又はアルキル基である)、アクリル酸ヒドラジド化合物(C=C−CONHーNR2、Rは水素又はアルキル基である)等が挙げられる。例えば、アクリル酸メチルアクリル酸ブチルメタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチルアクリルアミド、アクリル酸ヒドラジド等が挙げられる。

0040

前記アクリル酸ポリマは、アクリル酸、アクリルアミド、アクリル酸ヒドラジドの少なくともいずれかを含む単量体成分を重合して得られるポリマであることが好ましい。

0041

上記より、具体的なアクリル酸ポリマとしては、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、アミノポリアクリルアミド、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム塩が好ましく、中でも、金属に対する研磨速度と低いエッチング速度とを両立する観点で、ポリアクリル酸(アクリル酸のホモポリマ)、ポリアクリル酸アンモニウム塩が好ましい。

0042

本発明の実施形態において、前記アクリル酸ポリマの重量平均分子量は、金属に対する高い研磨速度を発現する点で、10,000以上とする。同様の観点で、前記重量平均分子量は、20,000以上が好ましく、30,000以上がより好ましい。重量平均分子量の上限は特に規定するものではないが、溶解性の観点から500万以下が好ましい。金属に対する高い研磨速度と低いエッチング速度とを両立する観点では、重量平均分子量はある程度小さいことが好ましい。具体的には、100万以下が好ましく、50万以下が好ましい。更に金属に対する研磨速度をより優先する場合は、重量平均分子量は10万以下とすることが極めて好ましい。

0043

前記重量平均分子量は、例えば、以下の条件で、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー=Gel Permeation Chromatography)を用いて測定することができる。

0044

(GPC測定条件
試料:10μL(Lはリットルを示す。以下同じ。)
標準ポリスチレン:東ソー株式会社製標準ポリスチレン(分子量;190,000、17,900、9,100、2,980、578、474、370及び266)
検出器:株式会社日立製作所製、RIモニター商品名「L−3000」
インテグレーター:株式会社日立製作所製、GPCインテグレーター、商品名「D−2200」
ポンプ:株式会社日立製作所製、商品名「L−6000」
ガス装置:昭和電工株式会社製、商品名「Shodex DEGAS」
カラム:日立化成工業株式会社製、商品名「GL−R440」、「GL−R430」及び「GL−R420」をこの順番で連結して使用
溶離液テトラヒドロフラン(THF)
測定温度:23℃
流速:1.75mL/分
測定時間:45分

0045

重量平均分子量10,000以上のアクリル酸ポリマの配合量は、エッチングの抑制においてB成分との併用効果が現れる点で、研磨液全100質量部に対して、0.0005質量部以上が好ましく、0.005質量部以上がより好ましく、0.01質量部以上が更に好ましく、0.02質量部以上が特に好ましい。また、上限は、金属に対する研磨速度を良好なレベルに維持できる点で、研磨液全100質量部に対して2.5質量部以下が好ましく、1質量部以下がより好ましく、0.5質量部以下が更に好ましく、0.1質量部以下が特に好ましい。

0046

(B成分とC成分との質量比)
本発明の実施形態の金属用研磨液は、金属に対する充分な研磨速度と、エッチング速度の充分な抑制とを両立する観点で、B成分(ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物)と、C成分(重量平均分子量10,000以上のアクリル酸ポリマ)の含有量のバランスを取ることが重要である。具体的には、本発明の実施形態の金属用研磨液は、B成分とC成分との質量比(B成分:C成分)を1:1〜1:5とすることが必要である。

0047

このような質量比とすることで研磨速度とエッチングのバランスがとれる理由は明らかではないが、本発明者らは次のように考えている。すなわち、金属(特に銅系金属)表面に対して吸着したB成分(ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物)と、C成分(重量平均分子量10,000以上のアクリル酸ポリマ)とにより、金属(特に銅系金属)表面が研磨布との最適な摩擦を生じさせ、かつ表面が親水性となると考える。これらにより金属用研磨液成分が金属(特に銅系金属)表面に供給されやすくなったために高い速度で金属(特に銅系金属)が溶解し、研磨が可能となっていると考える。

0048

前記の通り、前記B成分とC成分との比(B成分:C成分)は質量比で1:1〜1:5であるが、金属に対する充分な研磨速度と、エッチング速度の充分な抑制とを両立する観点で、前記の比は1:1〜1:4が好ましく、1:2〜1:4が更に好ましく、1:2〜1:3が特に好ましい。質量比が1:1以上であればエッチング速度が抑制されかつ充分な研磨速度が発現する傾向がある。質量比が1:5以下であれば高い研磨速度が発現する傾向がある。また、保護膜形成剤として前記B成分以外の保護膜形成剤を含む場合は、前記B成分とC成分との比を満たしつつ、両者の合計含有量とC成分との比(保護膜形成剤の合計含有量:C成分)が前記範囲を満たすことが好ましい。

0049

(pH)
本発明の実施形態の金属用研磨液は、エッチングの抑制が容易となる点で、pHを2以上とすることが好ましい。同様の観点で、pHは3以上がより好ましく、4以上が更に好ましい。また、金属に対する充分な研磨速度が得られる点で、pHは6以下とすることが好ましく、5以下がより好ましい。上記の観点からpHは2〜6の範囲が好ましい。

0050

本発明の金属用研磨液のpHは酸又は塩基をpH調整剤として調整してもよい。前記pH調整剤としては硫酸、塩酸、硝酸等の無機酸、水酸化ナトリウム水酸化カリウムアンモニア等の無機塩基などが挙げられる。その中でも硫酸、アンモニアがpH調整の容易性から好ましい。

0051

(酸化剤)
本発明の実施形態の金属用研磨液には、酸化剤を含むことができる。酸化剤を含むことで金属(特に銅系金属)表面を、より研磨のしやすい酸化金属とし、研磨可能とする効果が得られる傾向がある。前記酸化剤としては、過酸化水素(H2O2)、過ヨウ素酸カリウムオゾン水等が挙げられる。中でも過酸化水素が安定性の点で好ましい。

0052

本発明の実施形態の金属用研磨液が酸化剤を含む場合、その配合量は、充分に金属を酸化し、良好な研磨速度が得やすい点で、研磨液全100質量部に対して、0.01質量部以上が好ましく、0.1質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上が更に好ましく、1.0質量部以上が特に好ましい。一方、研磨後の表面に荒れが生じるのを防ぐ点で、前記酸化剤の含有量は、研磨液全100質量部に対して、10.0質量部以下が好ましく、7.0質量部以下がより好ましく、5.0質量部以下が更に好ましく、3.0質量部以下が特に好ましく、2.0質量部以下が非常に好ましい。

0053

(砥粒)
本発明の実施形態の金属用研磨液は、砥粒を含まない場合でも金属に対する充分な研磨速度が得られる。しかしながら、本発明の実施形態の金属用研磨液は、金属に対する研磨速度を向上させたり、エッチングの抑制とのバランスを取ったりするために、砥粒を含むことができる。

0054

前記砥粒としては、シリカアルミナセリアチタニアジルコニアゲルマニア炭化珪素等の無機物砥粒、ポリスチレン、ポリアクリルポリ塩化ビニル等の有機物砥粒、前記無機物砥粒と前記有機物砥粒との複合砥粒などが挙げられる。これらの砥粒は一種類単独で又は二種類状を組み合わせて使用できる。中でも、研磨液中での分散安定性が良く、研磨時に発生する研磨傷数が少ない点でシリカ及びアルミナが好ましく、コロイダルシリカ及びコロイダルアルミナがより好ましく、コロイダルシリカが更に好ましい。

0055

前記砥粒は、分散安定性の観点から二次粒子径平均粒径が120nm以下であることが好ましい。また、エッチングの充分な抑制との観点から、前記平均粒径は、100nm以下がより好ましく、90nm以下が更に好ましく、80nm以下が特に好ましい。金属に対する充分な研磨速度の観点から、前記二次粒子径の平均粒径は10nm以上であることが好ましく、30nm以上であることがより好ましく、50nm以上であることが更に好ましく、60nm以上であることが特に好ましい。このように、金属に対する充分な研磨速度とエッチングの充分な抑制との観点から、前記二次粒子径の平均粒径は10〜120nmであることが好ましい。

0056

本発明において、平均粒径は、光回折散乱粒度分布計(例えば、COULTER Electronics社製の商品名COULTER N5)を用いて測定することができる。具体的には、適量の砥粒分散液(例えば原料のコロイダルシリカ、金属研磨液等)を量り取り、光回折散乱式粒度分布計が必要とする散乱光強度の範囲に入るように必要に応じて水で希釈して測定サンプルを調製する。次にこの測定サンプルを、光回折散乱式粒度分布計に投入し、散乱光基準モードで測定し、D50として得られる値を平均粒径とする。

0057

砥粒を配合する場合、砥粒の配合量は、研磨液中での分散安定性を維持する点で、研磨液全100質量部に対して、10.0質量部以下が好ましく、5.0質量部以下がより好ましく、1.0質量部以下が特に好ましく、0.5質量部以下が極めて好ましい。また、砥粒による研磨速度の向上の効果を得るために、研磨液全100質量部に対して、0.01質量部以上がより好ましく、0.05質量部以上が特に好ましい。

0058

(研磨方法)
次に本発明の研磨方法の好適な実施形態について説明する。本実施形態の金属を有する基板の研磨方法は、前記金属用研磨液を用いて、金属を有する基板の少なくとも前記金属の一部を研磨することを特徴とする研磨方法である。すなわち、金属を有する基板の少なくとも前記金属の一部を研磨することを特徴とする研磨方法への、前記金属用研磨液の応用である。

0059

より具体的には、基板の研磨される面を研磨定盤の研磨布に押し付けた状態で、上述の金属用研磨液を基板の研磨される面と研磨布との間に供給しながら、研磨布と基板とを相対的に動かして(例えば、回転させて)基板を研磨する研磨方法である。

0060

本発明の金属用研磨液は、あらかじめ溝を形成してある絶縁体上に銅系金属を堆積して埋め込み、溝部以外の銅系金属をCMPにより除去して埋め込みパターンを形成する、いわゆるダマシン法に好適に用いられる。以下、図面を用いて本発明の研磨方法について詳細に説明する。

0061

図1は、ダマシン工程を示す模式断面図である。まず、図1中(a)に示す基板100が準備される。基板100は、層間絶縁材料10と、バリア金属20と、導電性物質層金属層)30とを備える。前記層間絶縁材料10は、相互に隣接する溝部11及び隆起部12からなる段差部13を一方の面14側に有する。前記バリア金属20は、段差部13を有する前記面14に追従して層間絶縁材料10を被覆するように設けられる。前記導電性物質層30は、バリア金属20の溝部11に充填されると共にバリア金属20を被覆するように設けられる。なお、半導体デバイス配線形成工程においては、通常、層間絶縁材料10、バリア金属20及び導電性物質層30はシリコン基板等の基体上に形成されるが、図1では層間絶縁材料10の下層の構造が省略されている。

0062

本実施形態に係る基板の研磨方法は、図1中(b)に示されるように、基板100の導電性物質層30を研磨してバリア金属20における隆起部12の上方に位置する部分を露出させる第1工程と、図1中(c)に示されるように、バリア金属20と溝部11に充填された導電性物質層30とを少なくとも研磨して、層間絶縁材料10の隆起部12を露出させる第2工程と、を備える。本実施形態に係る基板の研磨方法では、第2工程の後、図1中(d)に示されるように、層間絶縁材料10の隆起部12の一部を更に研磨する工程(オーバー研磨工程)を備えていてもよい。

0063

本発明の金属用研磨液は、前記第1工程の研磨に好適に用いられる。導電性物質層30は、銅(純銅、銅合金、銅の酸化物、銅合金の酸化物等)、タングステン純タングステンタングステン合金等)、銀、金などの金属を主成分として含む。これらの中でも、導電性物質層30は、銅系金属を主成分として含むことが好ましい。

0064

第2工程では、バリア金属20及び導電性物質層30を研磨可能であれば、研磨液は限定されるものではないが、本実施形態において得られた前記金属用研磨液を用いることが好ましい。以上の工程により得られた基板200は、溝部11の内部の壁面に沿ってバリア金属20が形成され、溝部11を埋めるように導電性物質層30がバリア金属20上に形成されている。また、基板200では、層間絶縁材料10における隆起部12が露出した状態となる。

0065

層間絶縁材料10としては、シリコン被膜及び有機ポリマ膜から選ばれる少なくとも一種が好ましい。シリコン系被膜としては、二酸化ケイ素フルオロシリケートガラスオルガノシリケートグラストリメチルシランジメトキシジメチルシラン等を出発原料として得られるシリケートグラス)、シリコンオキシナイトライド水素化シルセスキオキサン等のシリカ系被膜シリコンカーバイドシリコンナイトライド等の被膜などが挙げられる。また、有機ポリマ膜としては、例えば全芳香族系誘電率層絶縁材料が挙げられる。層間絶縁材料10の形成には、CVD法スピンコート法ディップコート法スプレー法等を適用することができる。また、層間絶縁材料10における段差部13の形成には、フォトリソグラフィ法等を適用することができる。

0066

バリア金属20は、導電性物質層30から層間絶縁材料10への金属の拡散を抑制すると共に、層間絶縁材料10と導電性物質層30との密着性を向上させる機能を有する。バリア金属20の構成材料としては、タンタルタンタル合金タンタル化合物(例えば窒化タンタル)、チタンチタン合金チタン化合物(例えば窒化チタン)、タングステン、タングステン合金、タングステン化合物(例えば窒化タングステン)、ルテニウムルテニウム合金、及びルテニウム化合物(例えば窒化ルテニウム)から選ばれる少なくとも一種が好ましい。なお、図1にはバリア金属20が単層構造である場合の例を示したが、バリア金属20は二層以上の積層構造であってもよい。

0067

研磨装置としては、例えば、基板を保持するホルダーと、研磨パッドが貼り付けられる研磨定盤と、研磨パッド上に研磨液を供給する手段とを備える装置が好適である。例えば、株式会社荏原製作所製の研磨装置(型番:EPO−111)、Applied Materials社製の研磨装置(商品名:Mirra3400、Reflextion、Reflextion LK)等が挙げられる。研磨パッドとしては、特に制限はなく、例えば、一般的な不織布、発泡ポリウレタン多孔質フッ素樹脂等を使用することができる。また、研磨パッドは、研磨液が溜まるような溝加工が施されたものが好ましい。

0068

研磨条件としては、特に制限はないが、基板が飛び出さないようにという見地から、研磨定盤の回転速度は200min−1以下が好ましく、基板にかける圧力(加工荷重)は、研磨面の傷を抑制するという見地から、100kPa以下が好ましい。研磨している間、ポンプ等によって研磨パッドに研磨液を連続的に供給することが好ましい。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に研磨液で覆われていることが好ましい。

0069

研磨終了後流水中で基板を充分に洗浄し、更にスピンドライヤ等を用いて基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。このように研磨することによって、表面の凹凸を解消し、基板全面にわたって平滑な面を得ることができる。膜の形成及びこれを研磨する工程を所定の回数繰り返すことによって、所望の層数を有する基板を製造することができる。

0070

本発明の研磨液は、上記のような半導体基板に形成された金属の研磨だけでなく、磁気ヘッド等の基板を研磨するためにも使用することができる。

0071

以下、実施例により本発明を説明する。本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。

0072

(金属用研磨液の調製)
(実施例1)
1Lのプラスチック製容器に、純水を80質量部入れ、グリシン(A成分)を、表1に記載の配合量となるように、溶解させた。なお、表1〜3における配合量は質量部である。
次に、重量平均分子量40,000のポリアクリル酸(C成分)を、表1に記載の配合量となるように、溶解させた。
次に、ベンゾトリアゾール(B成分)を、表1に記載の配合量となるように、溶解させた。
次に、過酸化水素(30質量/体積水溶液)を、表1に記載の配合量となるように、混合した。
最後に、純水を適量混合して、合計100質量部の金属用研磨液を調製した。

0073

(実施例2)
1Lのプラスチック製容器に、純水を80質量部入れ、グリシン(A成分)を、表1に記載の配合量となるように、溶解させた。
次に、重量平均分子量40,000のポリアクリル酸(C成分)を、表1に記載の配合量となるように、溶解させた。
次に、ベンゾトリアゾール(B成分)を、表1に記載の配合量となるように、溶解させた。
次に、平均粒子径70nmのコロイダルシリカ(シリカ粒子の含有量:20質量%)を、シリカ粒子としての配合量が、表1に記載の配合量となるように、混合した。
次に、過酸化水素(30質量/体積%水溶液)を、表1に記載の配合量となるように、混合した。
最後に、純水を適量混合して、合計100質量部の金属用研磨液を調製した。

0074

(実施例3〜9、比較例1〜12)
最終的な金属用研磨液に含まれる各成分が表1〜3に記載の通りになるように、添加する成分、添加量を変更した以外は、実施例2と同様にして100質量部の金属用研磨液を調製した。
上記で得られた金属用研磨液を、以下に示す評価項目で評価した。結果を表1〜表3に示す。

0075

(研磨速度評価条件)
(1)基板:厚さ1μmの銅を形成したシリコン基板(ブランケットウエハ)
(2)研磨圧力:21kPa
(3)基板と研磨定盤との相対速度:36m/min
(4)研磨液供給量:200mL/min
(5)研磨布:発泡ポリウレタン樹脂(ニッタ・ハース社製IC−1010)

0076

(エッチング評価条件
(1)基板:厚さ1μmの銅を形成したシリコン基板チップ(20mm×20mm)
(2)研磨液温度:60℃±3℃
(3)攪拌速度:100min−1
(4)測定時間:2min
(5)研磨液量:100mL

0077

(評価項目)
(1)研磨速度:銅のCMP前後での膜厚差電気抵抗値から換算して求めた。
(2)エッチング速度:100mL容器に金属用研磨液を100mL入れ、温度を60℃に維持し、100min−1で撹拌している金属用研磨液中に、前記エッチング評価用基板を2分間浸漬した、浸漬前後の銅の膜厚差を電気抵抗値から換算して求めた。

0078

0079

0080

0081

実施例1〜4に示したように、金属溶解剤としてA成分のグリシン、保護膜形成剤としてB成分のベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール又は5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、添加剤としてC成分の重量分子量40,000のアクリル酸ポリマを用いた場合、良好な研磨速度、実用的なエッチング速度を示した。いずれもB成分とC成分の質量比は1:2.5となっている(保護膜形成剤とポリアクリル酸との質量比が1:2.5であり、保護膜形成剤がB成分に該当するものであり、ポリアクリル酸がC成分に該当するものである)。実施例5で示した、アクリル酸ポリマの重量平均分子量を500,000とした場合も同様に良好な研磨速度を示した。実施例6で示した、金属溶解剤としてA成分のアラニンを用いた場合も良好な研磨速度を示した。更に実施例7〜9で示すようにpHを高くした場合、良好な研磨速度を維持しながら低いエッチング速度を実現することができる。

実施例

0082

一方で、比較例1で示すようにアクリル酸ポリマを添加しない場合、実施例よりも研磨速度が劣る傾向がある。
比較例2で示すようにアクリル酸ポリマの重量平均分子量が1,000と低い場合(保護膜形成剤とポリアクリル酸との質量比が1:2.5であるが、ポリアクリル酸がC成分に該当しないものである場合)、実施例よりも研磨速度が劣る傾向がある。比較例3〜6に示すようにB成分とC成分との質量比が1:1〜1:5の範囲外である場合、実施例よりも研磨速度、エッチングが劣る傾向がある。また、比較例7に示すように金属溶解剤をA成分の代わりにリンゴ酸とすると、実施例よりもエッチング速度が劣る傾向がある。更に比較例9〜12に示すように、ベンゾトリアゾール骨格を有しない保護膜形成剤を用いた場合(保護膜形成剤がB成分に該当しないものである場合)は、実施例よりも研磨速度が劣る傾向がある。

0083

本発明の金属用研磨液及びこれを用いる研磨方法によれば、金属(特に銅系金属)に対して、高い研磨速度と低いエッチング速度とをより高いレベルで両立し、より信頼性の高い埋め込みパターンを形成することができる。

0084

10層間絶縁膜
11 溝部(凹部)
12隆起部(凸部)
13段差部
14 段差部が形成された面
20バリア層
30金属層
100、200 基板

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • サンーゴバンアブレイシブズ,インコーポレイティドの「 研磨品とその形成方法」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題・解決手段】本体を含み得る研磨品が提供される。本体は、結合成分及び結合成分内の研磨粒子を含み得る。結合成分は、Fe‐Co‐Cu‐Ni‐Sn系結合材料と性能向上材料を含み得る。性能向上材料は、六方... 詳細

  • 三菱製紙株式会社の「 湿式摩擦材」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】本発明の課題は、高い動摩擦係数を有し、耐摩耗性に優れた湿式摩擦材を提供することである。【解決手段】炭素繊維に熱硬化性樹脂を含浸して加熱硬化した湿式摩擦材において、該炭素繊維不織布が炭素繊維と熱... 詳細

  • 東芝メモリ株式会社の「 研磨装置及び研磨方法」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】基板の表面の凸欠陥を効果的に除去する研磨装置を提供する。【解決手段】研磨装置100は、基板Wを保持する保持部10と、基板の表面に研磨剤を供給する供給部14と、弾性体16aを有し、弾性体を用いて... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ