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技術 IQミスマッチ補正方法およびRF送受信装置

出願人 株式会社メガチップス
発明者 佐藤秀幸
出願日 2013年1月8日 (7年10ヶ月経過) 出願番号 2013-553284
公開日 2015年5月11日 (5年6ヶ月経過) 公開番号 WO2013-105538
状態 未査定
技術分野 交流方式デジタル伝送 送受信機 時分割方式以外の多重化通信方式 伝送の細部、特殊媒体伝送方式 送信機 受信機の回路一般
主要キーワード 事前補正 Qチャネル テスト信号生成回路 ループバック経路 チャンネルベース 位相誤差φ 両ベース プレアンブル
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図面 (12)

課題

IQミスマッチ補正に際して、規格依存性なし、インターオペラビリティの問題なし、テスト信号生成回路などの面積増加が懸念される追加部品なしを実現する。

解決手段

パターン1の信号を用いる第1のステップで得られた受信機の受信結果と、パターン2の信号を用いる第2のステップで得られた受信機の受信結果とに基づき、送信機での利得誤差および位相誤差キャンセルするとともに、受信機の補正用行列を求め、受信機の各サブキャリアのデータに対して補正する。

概要

背景

ダイレクトコンバージョン方式は、ベースバンド信号RF信号直接変換(アップコンバージョン)、もしくはRF信号をベースバンド信号に直接変換(ダウンコンバージョン)する方法である。図1(a)にダイレクトコンバージョン方式の送信機受信機の例を示す。

図1(a)に示す送信機10では、複数のサブキャリアdk,d-k,・・がIDFT回路11で逆離散フーリエ変換され、周波数領域の信号から時間領域の信号に変換される際に、同時に、互いに直交関係にあるIチャネルベースバンド信号TxIとQチャネルベースバンド信号TxQに分離される。そして、Iチャネルベースバンド信号TxIは、DA変換器12Iでデジタル信号からアナログ信号に変換され、ローパスフィルタ13Iで高周波成分が除去され、増幅器14Iでゲイン調整され、ミキサ15IでIチャネルローカル信号TxLo_Iが乗算されて、RF信号として加算器16に入力される。また、Qチャネルベースバンド信号TxQは、DA変換器12Qでデジタル信号からアナログ信号に変換され、ローパスフィルタ13Qで高周波成分が除去され、増幅器14Qでゲイン調整され、ミキサ15QでQチャネルローカル信号TxLo_Qが乗算されて、RF信号として加算器16に入力される。そして、加算器16の出力RF信号は電力増幅器17で電力増幅されて、アンテナ(図示せず)から送信信号Tx_outとして放射される。

送信機10におけるIQミスマッチとは、例えば、IチャネルルートとQチャネルルートの間における利得誤差位相誤差のことを指す。以下では、図2(a)に示すように、Qチャネル側のミキサ15Qに入力するQチャネルローカル信号TxLo_Qに、利得誤差g、位相誤差φがあるものとして説明する。つまり、ローカル信号TxLo_Qは、理想的には−sinωctであるが、−g・sin(ωct+φ)であるとする。なお、利得誤差gと位相誤差φには、キャリア周波数に対する依存性があり、各サブキャリア毎誤差は異なる。そのため、サブキャリアに対してg,φの仮定を行う。

図1(b)に示す受信機20では、アンテナ(図示せず)から入力し、低ノイズ増幅器21で増幅されたアナログのRF信号Rx_inは、ミキサ22IでIチャネルローカル信号TxLo_Iが乗算され、ローパスフィルタ23Iで高域成分が除去され、増幅器24Iでゲイン調整され、AD変換器25Iでアナログ信号からデジタル信号に変換され、Iチャネルベースバンド信号RxIとなる。また、RF信号Rx_inは、ミキサ22QでQチャネルローカル信号TxLo_Qが乗算されて、ローパスフィルタ23Qで高域成分が除去され、増幅器24Qでゲイン調整され、AD変換器25Qでアナログ信号からデジタル信号に変換され、Qチャネルベースバンド信号RxQとなる。そして、両ベースバンド信号RxI,RxQは、DFT回路26で離散フーリエ変換され、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換されて、複数のサブキャリアRk,R-k,・・が生成される。

受信機20におけるIQミスマッチとは、例えば、IチャネルルートとQチャネルルートの間における利得誤差と位相誤差のことを指す。以下では、図2(b)に示すように、Qチャネル側のミキサ15Qに入力するQチャネルローカル信号RxLo_Qに、利得誤差h、位相誤差ψがあるものとして説明する。つまり、ローカル信号RxLo_Qは、理想的には、−sinωctであるが、−h・sin(ωct+ψ)であるとする。

FDMダイレクトコンバージョン方式で信号を送る場合、サブキャリアにデータが乗せられているベースバンド信号は、図3のように表される(サブキャリア数をNとしている)。IQミスマッチの影響を考える際には、あるサブキャリア(k番目のサブキャリア)のデータとそのサブキャリアの原点を中心とした反対側のサブキャリア(−k番目のサブキャリア)のデータのペアを考えれば良いため、以下ではこのペアに注目してダイレクトコンバージョンについて説明する。

図4において、送信機10におけるIQミスマッチの影響を説明する。この図4では、k番目のサブキャリアでdk、−k番目のサブキャリアでd-kというデータを送信することを想定している。図4で表されるように、送信機10の入力ベースバンド信号TxI,TxQとして、下記のような信号が入力される。*は共役複素数を示す。

上記ベースバンド信号TxI,TxQが入力された場合、送信出力Tx_outは、特にTkとT*−kに注目すると、IQミスマッチの影響によって、下記のように表すことができる。

ただし、

である。

IQミスマッチがない場合は、g=1およびφ=0となるため、J1=1,J2=0となり、式(2)は、下記の式(4)のようにTkとT*−kには、それぞれdkとd*−kの成分のみが残るはずである。

しかし、IQミスマッチがあることで、Tkにはd*−kの成分、T*−kにはdkの成分が影響を与えることになる。

次に、図5において、受信機20におけるIQミスマッチの影響を説明する。この図5では、受信機20の入力信号Rx_inとして、下記のような信号が入力されていると考える。ck、c−kは、k番目、−k番目のサブキャリアに乗せられたデータ(dk,d−k)に対応する受信機20の入力信号内のデータである。

このRF受信信号をDFT回路26で処理してベースバンド信号に変換すると、その信号は、特にRkとR*−kに注目すると、下記のように表すことができる。

ただし、

である。

IQミスマッチがない場合は、h=1およびψ=0となるため、K1=1およびK2=0となり、式(6)は下記の式(8)のように、RkとR*−kにはそれぞれckとc*−kの成分のみが残るはずである。

しかし、IQミスマッチがあることで、Rkにはc*−kの成分、R*−kにはckの成分がそれぞれ影響を与えることになる。

さて、上記で説明したIQミスマッチの影響を抑制するため、特許文献1、および非特許文献1に記載の従来技術が存在する。この2つの文献では、既知パイロット信号送信機側から受信機側へ送信することで、IQミスマッチの検出と補正を行う方法を紹介している。これは、「規格によってプレアンブルパイロットトーン(テスト信号)を含めることを規定する」、もしくは「(規格とは無関係でも)送受信機を作る各社が周波数同期タイミング同期用のパイロットトーンに特定の信号パターンを含める」などの方法がとられるが、いずれにせよ規格依存性やインターオペラビリティの問題を含むため、汎用性にかける。

また、検出されるミスマッチは、受信機側のIQミスマッチだけでなく送信側のIQミスマッチも含まれた形となるため、ネットワーク上で受信および送信相手次々と変わる場合、送受信毎にミスマッチの検出を必要とする問題がある。

次に、非特許文献2では、規格依存性のない、周波数領域でのIQミスマッチの検出と補正を説明している。ただし、この文献では、「受信機側のみの補正」に焦点を絞って説明している。本発明に関わる内容のため、その詳細を下記で説明する。

図6に補正の方法を示す。非特許文献2では、受信信号RxI,RxQをDFT回路26で離散フーリエ変換してサブキャリアを得た後、下記式で表されるような計算を行って得た補正用行列27により、補正部28で補正している。

とすると、補正出力

と表される。ただし

である。

であるとすると、式(10)は、

となり、補正が完了する。

補正用行列27の検出方法は下記の通りである。

ただし、

である。
E{ }は、平均をとった場合の期待値を表す。つまり、E{RkR−k}は、受信したシンボルでRkR−kの計算を行って、その時間的平均を取ることを意味する。ckとc−kには相関がないと仮定すると、E{ckc−k}=0、E{c*kc*−k}=0が成立することもある。

よって、



によって、K1K2が求まる。このK1K2は

であるので、


により、hとψが求まり、式(7)からK1とK2が個々に求まるので、補正用行列27を実現することができる。

概要

IQミスマッチ補正に際して、規格依存性なし、インターオペラビリティの問題なし、テスト信号生成回路などの面積増加が懸念される追加部品なしを実現する。パターン1の信号を用いる第1のステップで得られた受信機の受信結果と、パターン2の信号を用いる第2のステップで得られた受信機の受信結果とに基づき、送信機での利得誤差および位相誤差をキャンセルするとともに、受信機の補正用行列を求め、受信機の各サブキャリアのデータに対して補正する。

目的

本発明は上記の点に鑑みたもので、その目的は、規格依存性なし、インターオペラビリティの問題なし、受信機の補正にテスト信号が不要であるためテスト信号生成回路が不要であり、追加回路による面積増加を最小限に抑える、といった特徴を兼ね備えたIQミスマッチの補正方法およびその補正方法を実施したRF送受信装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

送信機において、互いに直交関係にある複数のサブキャリア逆フーリエ変換して互いに直交関係にある送信Iチャネルベースバンド信号と送信Qチャネルベースバンド信号を生成し、該送信Iチャネルベースバンド信号と該送信Qチャネルベースバンド信号を直交変調した後に加算してRF信号として送信し、受信機において、RF信号を受信して直交復調することで受信Iチャネルベースバンド信号と受信Qチャネルベースバンド信号に分離し、該受信Iチャネルベースバンド信号と該受信Qチャネルベースバンド信号をフーリエ変換して、互いに直交関係にある複数のサブキャリアを生成させるOFDMダイレクトコンバージョン方式RF送受信装置における、IQミスマッチ補正方法であって、前記送信機のk番目のサブキャリアにデータを入力したときに得られる前記送信機の互いに直交関係にある第1の送信ベースバンド信号と第2の送信ベースバンド信号のうちの前記第1の送信ベースバンド信号を送信Iチャネルベースバンド信号とし、前記第2の送信ベースバンド信号を送信Qチャネルベースバンド信号としたパターン1の信号を生成し、かつ前記パターン1の信号の内の前記送信Iチャネルベースバンド信号を前記送信機のIチャネルローカル信号で直交変調し、前記パターン1の信号の内の前記送信Qチャネルベースバンド信号を前記送信機のQチャネルローカル信号で直交変調し、両直交変調された信号を加算してRF信号としてループバック経由で前記受信機に入力させる第1のステップと、前記第1の送信ベースバンド信号を送信Qチャネルベースバンド信号とし、前記第2の送信ベースバンド信号を送信Iチャネルベースバンド信号としたパターン2の信号を生成し、かつ前記パターン2の信号の内の前記送信Iチャネルベースバンド信号を前記Qチャネルローカル信号で直交変調し、前記パターン2の信号の内の前記送信Qチャネルベースバンド信号を前記Iチャネルローカル信号で直交変調し、両直交変調された信号を加算してRF信号としてループバック経由で前記受信機に入力させる第2のステップとを備え、前記第1のステップで得られた前記受信機の受信結果と、前記第2のステップで得られた前記受信機の受信結果とに基づき、前記送信機での利得誤差および位相誤差キャンセルするとともに、前記受信機の補正用行列を求め、得られた該補正用行列によって前記受信機で得られるk番目のサブキャリアのデータに対して利得誤差および位相誤差を補正することを特徴とするIQミスマッチ補正方法。

請求項2

請求項1に記載のIQミスマッチ補正方法において、により、前記受信機の補正用行列としてのK1,K2,K*1,K*2を求めて、前記受信機のk番目のサブキャリアのデータに対して補正を行うことを特徴とするIQミスマッチ補正方法。ただし、*は、複素共役である。RK1 は、前記送信機のk番目のサブキャリアに配置したデータをdkとし、送信Iチャネルベースバンド信号をTxI1とし、送信Qチャネルベースバンド信号をTxQ1とし、前記パターン1の信号を、とするとき、前記送信機から出力する前記RF信号をループバック経由で前記受信機に入力させて前記k番目のサブキャリアに得られる受信データである。R−k1 は、前記パターン1の信号を用いるとき、IQミスマッチのために前記受信機で−k番目のサブキャリアに得られる受信データである。Rk2 は、送信Iチャネルベースバンド信号をTxI2とし、送信Qチャネルベースバンド信号をTxQ2とし、前記パターン2の信号を、とし、かつ前記送信機のローカル信号をIチャネルとQチャネルで互いに入れ替え、前記送信機から出力する前記RF信号をループバック経由で前記受信機に入力させたとき、前記受信機でk番目のサブキャリアに得られる受信データである。R−k2 は、前記パターン2の信号を用いかつ前記ローカル信号をIチャネルとQチャネルで互いに入れ替えた条件のとき、IQミスマッチのために受信機で−k番目のサブキャリアに得られる受信データである。hは、前記受信機における利得誤差である。ψは、前記受信機における位相誤差である。Re[]は、実数部を示す。Im[]は、虚数部を示す。

請求項3

請求項1に記載のIQミスマッチ補正方法において、前記受信機のk番目のサブキャリアのデータを前記受信機の前記補正用行列によって補正した上で、前記パターン1の信号を生成し、かつ前記パターン1の信号の内の前記送信Iチャネルベースバンド信号を前記送信機のIチャネルローカル信号で直交変調し、前記パターン1の信号の内の前記送信Qチャネルベースバンド信号を前記送信機のQチャネルローカル信号で直交変調し、両直交変調された信号を加算してRF信号としてループバック経由で前記受信機に入力させる第3のステップと、前記受信機のk番目のサブキャリアのデータを前記受信機の前記補正用行列によって補正した上で、前記第1の送信ベースバンド信号を送信Iチャネルベースバンド信号とし、前記第2の送信ベースバンド信号の極性反転した信号を送信Qチャネルベースバンド信号としたパターン3の信号を生成し、前記パターン3の信号の内の前記送信Iチャネルベースバンド信号を前記送信機のIチャネルローカル信号で直交変調し、前記パターン3の信号の内の前記送信Qチャネルベースバンド信号を前記送信機のQチャネルローカル信号で直交変調し、両直交変調された信号を加算してRF信号としてループバック経由で前記受信機に入力させる第4のステップとを備え、前記第3のステップで得られた前記受信機の受信結果と、前記第4のステップで得られた前記受信機の受信結果基づき、前記送信機の補正用行列を求め、得られた該補正用行列により前記送信機のk番目のサブキャリアのデータに対して利得誤差および位相誤差を補正することを特徴とするIQミスマッチ補正方法。

請求項4

請求項2に記載のIQミスマッチ補正方法において、前記受信機の補正用行列としてのK1,K2,K*1,K*2による補正を前記受信機のk番目のサブキャリアのデータについて行い、により、前記送信機の補正用行列としてのJ1,J2,J*1,J*2を求めて、前記送信機のサブキャリアのデータに対して補正を行うことを特徴とするIQミスマッチ補正方法。ただし、RCk1 は、前記送信機で前記パターン1の信号を用い、前記受信機の補正用行列としてのK1,K2,K*1,K*2による補正を前記受信機の各サブキャリアのデータについて行ったときの、前記受信機でk番目のサブキャリアに得られる受信データである。RCk3 は、送信Iチャネルベースバンド信号をTxI3とし、送信Qチャネルベースバンド信号をTxQ3とし、パターン3の信号をとして、前記送信機から出力するRF信号をループバック経由で前記受信機に入力させ、前記受信機の補正用行列としてのK1,K2,K*1,K*2による補正を前記受信機の各サブキャリアのデータについて行ったときの、前記受信機でk番目のサブキャリアに得られる受信データである。gは、前記送信機における利得誤差である。φは、前記送信機における位相誤差である。

請求項5

請求項1に記載のIQミスマッチ補正方法において、前記受信機のk番目のサブキャリアのデータを前記受信機の前記補正用行列によって補正した上で、前記パターン1の信号を生成し、かつ前記パターン1の信号の内の前記送信Iチャネルベースバンド信号を前記送信機のIチャネルローカル信号で直交変調し、前記パターン1の信号の内の前記送信Qチャネルベースバンド信号を前記送信機のQチャネルローカル信号で直交変調し、両直交変調された信号を加算してRF信号としてループバック経由で前記受信機に入力させる第3Aのステップと、前記受信機のk番目のサブキャリアのデータを前記受信機の前記補正用行列によって補正した上で、前記第1の送信ベースバンド信号を送信Iチャネルベースバンド信号とし、前記第2の送信ベースバンド信号を送信Qチャネルベースバンド信号としたパターン3Aの信号を生成し、前記パターン3Aの信号の内の前記送信Iチャネルベースバンド信号を前記送信機のIチャネルローカル信号で直交変調し、前記パターン3Aの信号の内の前記送信Qチャネルベースバンド信号を前記送信機のQチャネルローカル信号を極性反転した信号で直交変調し、両直交変調された信号を加算してRF信号としてループバック経由で前記受信機に入力させる第4Aのステップとを備え、前記第3Aのステップで得られた前記受信機の受信結果と、前記第4Aのステップで得られた前記受信機の受信結果基づき、前記送信機の補正用行列を求め、得られた該補正用行列により前記送信機のk番目のサブキャリアのデータに対して利得誤差および位相誤差を補正することを特徴とするIQミスマッチ補正方法。

請求項6

請求項2に記載のIQミスマッチ補正方法において、前記受信機の補正用行列としてのK1,K2,K*1,K*2による補正を前記受信機のk番目のサブキャリアのデータについて行い、により、前記送信機の補正用行列としてのJ1,J2,J*1,J*2を求めて、前記送信機のサブキャリアのデータに対して補正を行うことを特徴とするIQミスマッチ補正方法。ただし、RCk1 は、前記送信機で前記パターン1の信号を用い、前記受信機の補正用行列としてのK1,K2,K*1,K*2による補正を前記受信機の各サブキャリアのデータについて行ったときの、前記受信機でk番目のサブキャリアに得られる受信データである。RCk3 は、送信Iチャネルベースバンド信号をTxI3とし、送信Qチャネルベースバンド信号をTxQ3とし、パターン3Aの信号をとし、かつ前記送信器のローカル信号のうちのQチャンネルのローカル信号の極性反転して、前記送信機から出力するRF信号をループバック経由で前記受信機に入力させ、前記受信機の補正用行列としてのK1,K2,K*1,K*2による補正を前記受信機の各サブキャリアのデータについて行ったときの、前記受信機でk番目のサブキャリアに得られる受信データである。gは、前記送信機における利得誤差である。φは、前記送信機における位相誤差である。

請求項7

互いに直交関係にある複数のサブキャリアを入力し逆フーリエ変換して互いに直交関係にある送信Iチャネルベースバンド信号と送信Qチャネルベースバンド信号とを生成する逆フーリエ変換手段と、該送信Iチャネルベースバンド信号をIチャンネルローカル信号で直交変調するとともに前記送信Qチャネルベースバンド信号をQチャンネルローカル信号で直交変調する直交変調手段と、該直交変調手段で該直交変調した後の両信号を加算してRF信号にする加算手段とを備えた送信機と、RF信号を受信して直交復調することで受信Iチャネルベースバンド信号と受信Qチャネルベースバンド信号に分離する直交復調手段と、該受信Iチャネルベースバンド信号と該受信Qチャネルベースバンド信号をフーリエ変換して互いに直交関係にある複数のサブキャリアを生成するフーリエ変換手段とを備えた受信機と、を有するOFDMダイレクトコンバージョン方式のRF送受信装置において、前記送信機のk番目のサブキャリアにデータを入力したときに得られる前記送信機の互いに直交関係にある第1の送信ベースバンド信号と第2の送信ベースバンド信号のうちの前記第1の送信ベースバンド信号を送信Iチャネルベースバンド信号とし、前記第2の送信ベースバンド信号を送信Qチャネルベースバンド信号としたパターン1の信号を生成し、かつ前記パターン1の信号の内の前記送信Iチャネルベースバンド信号を前記送信機のIチャネルローカル信号で直交変調し、前記パターン1の信号の内の前記送信Qチャネルベースバンド信号を前記送信機のQチャネルローカル信号で直交変調し、両直交変調された信号を加算してRF信号としてループバック経由で前記受信機に入力させる第1の制御手段と、前記第1の送信ベースバンド信号を送信Qチャネルベースバンド信号とし、前記第2の送信ベースバンド信号を送信Iチャネルベースバンド信号としたパターン2の信号を生成し、かつ前記パターン2の信号の内の前記送信Iチャネルベースバンド信号を前記Qチャネルローカル信号で直交変調し、前記パターン2の信号の内の前記送信Qチャネルベースバンド信号を前記Iチャネルローカル信号で直交変調し、両直交変調された信号を加算してRF信号としてループバック経由で前記受信機に入力させる第2の制御手段とを備え、前記第1の制御手段で得られた前記受信機の受信結果と、前記第2の制御手段で得られた前記受信機の受信結果とに基づき、前記送信機での利得誤差および位相誤差をキャンセルするとともに、前記受信機の補正用行列を求め、得られた該補正用行列によって前記受信機で得られるk番目のサブキャリアのデータに対して利得誤差および位相誤差を補正することを特徴とするRF送受信装置。

請求項8

請求項1に記載のRF送受信装置において、前記受信機のk番目のサブキャリアのデータを前記受信機の前記補正用行列によって補正した上で、前記パターン1の信号を生成し、かつ前記パターン1の信号の内の前記送信Iチャネルベースバンド信号を前記送信機のIチャネルローカル信号で直交変調し、前記パターン1の信号の内の前記送信Qチャネルベースバンド信号を前記送信機のQチャネルローカル信号で直交変調し、両直交変調された信号を加算してRF信号としてループバック経由で前記受信機に入力させる第3の制御手段と、前記受信機のk番目のサブキャリアのデータを前記受信機の前記補正用行列によって補正した上で、前記第1の送信ベースバンド信号を送信Iチャネルベースバンド信号とし、前記第2の送信ベースバンド信号の極性反転した信号を送信Qチャネルベースバンド信号としたパターン3の信号を生成し、前記パターン3の信号の内の前記送信Iチャネルベースバンド信号を前記送信機のIチャネルローカル信号で直交変調し、前記パターン3の信号の内の前記送信Qチャネルベースバンド信号を前記送信機のQチャネルローカル信号で直交変調し、両直交変調された信号を加算してRF信号としてループバック経由で前記受信機に入力させる第4の制御手段とを備え、前記第3の制御手段で得られた前記受信機の受信結果と、前記第4の制御手段で得られた前記受信機の受信結果基づき、前記送信機の補正用行列を求め、得られた該補正用行列により前記送信機のk番目のサブキャリアのデータに対して利得誤差および位相誤差を補正することを特徴とするRF送受信装置。

請求項9

請求項1に記載のRF送受信装置において、前記受信機のk番目のサブキャリアのデータを前記受信機の前記補正用行列によって補正した上で、前記パターン1の信号を生成し、かつ前記パターン1の信号の内の前記送信Iチャネルベースバンド信号を前記送信機のIチャネルローカル信号で直交変調し、前記パターン1の信号の内の前記送信Qチャネルベースバンド信号を前記送信機のQチャネルローカル信号で直交変調し、両直交変調された信号を加算してRF信号としてループバック経由で前記受信機に入力させる第3Aの制御手段と、前記受信機のk番目のサブキャリアのデータを前記受信機の前記補正用行列によって補正した上で、前記第1の送信ベースバンド信号を送信Iチャネルベースバンド信号とし、前記第2の送信ベースバンド信号を送信Qチャネルベースバンド信号としたパターン3Aの信号を生成し、前記パターン3Aの信号の内の前記送信Iチャネルベースバンド信号を前記送信機のIチャネルローカル信号で直交変調し、前記パターン3Aの信号の内の前記送信Qチャネルベースバンド信号を前記送信機のQチャネルローカル信号を極性反転した信号で直交変調し、両直交変調された信号を加算してRF信号としてループバック経由で前記受信機に入力させる第4Aの制御手段とを備え、前記第3Aの制御手段で得られた前記受信機の受信結果と、前記第4Aの制御手段で得られた前記受信機の受信結果基づき、前記送信機の補正用行列を求め、得られた該補正用行列により前記送信機のk番目のサブキャリアのデータに対して利得誤差および位相誤差を補正することを特徴とするRF送受信装置。

技術分野

0001

本発明は、OFDMダイレクトコンバージョン方式RF送受信におけるIQミスマッチ補正方法およびその方法を実施したRF送受信装置に関するものである。

背景技術

0002

ダイレクトコンバージョン方式は、ベースバンド信号RF信号直接変換(アップコンバージョン)、もしくはRF信号をベースバンド信号に直接変換(ダウンコンバージョン)する方法である。図1(a)にダイレクトコンバージョン方式の送信機受信機の例を示す。

0003

図1(a)に示す送信機10では、複数のサブキャリアdk,d-k,・・がIDFT回路11で逆離散フーリエ変換され、周波数領域の信号から時間領域の信号に変換される際に、同時に、互いに直交関係にあるIチャネルベースバンド信号TxIとQチャネルベースバンド信号TxQに分離される。そして、Iチャネルベースバンド信号TxIは、DA変換器12Iでデジタル信号からアナログ信号に変換され、ローパスフィルタ13Iで高周波成分が除去され、増幅器14Iでゲイン調整され、ミキサ15IでIチャネルローカル信号TxLo_Iが乗算されて、RF信号として加算器16に入力される。また、Qチャネルベースバンド信号TxQは、DA変換器12Qでデジタル信号からアナログ信号に変換され、ローパスフィルタ13Qで高周波成分が除去され、増幅器14Qでゲイン調整され、ミキサ15QでQチャネルローカル信号TxLo_Qが乗算されて、RF信号として加算器16に入力される。そして、加算器16の出力RF信号は電力増幅器17で電力増幅されて、アンテナ(図示せず)から送信信号Tx_outとして放射される。

0004

送信機10におけるIQミスマッチとは、例えば、IチャネルルートとQチャネルルートの間における利得誤差位相誤差のことを指す。以下では、図2(a)に示すように、Qチャネル側のミキサ15Qに入力するQチャネルローカル信号TxLo_Qに、利得誤差g、位相誤差φがあるものとして説明する。つまり、ローカル信号TxLo_Qは、理想的には−sinωctであるが、−g・sin(ωct+φ)であるとする。なお、利得誤差gと位相誤差φには、キャリア周波数に対する依存性があり、各サブキャリア毎誤差は異なる。そのため、サブキャリアに対してg,φの仮定を行う。

0005

図1(b)に示す受信機20では、アンテナ(図示せず)から入力し、低ノイズ増幅器21で増幅されたアナログのRF信号Rx_inは、ミキサ22IでIチャネルローカル信号TxLo_Iが乗算され、ローパスフィルタ23Iで高域成分が除去され、増幅器24Iでゲイン調整され、AD変換器25Iでアナログ信号からデジタル信号に変換され、Iチャネルベースバンド信号RxIとなる。また、RF信号Rx_inは、ミキサ22QでQチャネルローカル信号TxLo_Qが乗算されて、ローパスフィルタ23Qで高域成分が除去され、増幅器24Qでゲイン調整され、AD変換器25Qでアナログ信号からデジタル信号に変換され、Qチャネルベースバンド信号RxQとなる。そして、両ベースバンド信号RxI,RxQは、DFT回路26で離散フーリエ変換され、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換されて、複数のサブキャリアRk,R-k,・・が生成される。

0006

受信機20におけるIQミスマッチとは、例えば、IチャネルルートとQチャネルルートの間における利得誤差と位相誤差のことを指す。以下では、図2(b)に示すように、Qチャネル側のミキサ15Qに入力するQチャネルローカル信号RxLo_Qに、利得誤差h、位相誤差ψがあるものとして説明する。つまり、ローカル信号RxLo_Qは、理想的には、−sinωctであるが、−h・sin(ωct+ψ)であるとする。

0007

OFDMダイレクトコンバージョン方式で信号を送る場合、サブキャリアにデータが乗せられているベースバンド信号は、図3のように表される(サブキャリア数をNとしている)。IQミスマッチの影響を考える際には、あるサブキャリア(k番目のサブキャリア)のデータとそのサブキャリアの原点を中心とした反対側のサブキャリア(−k番目のサブキャリア)のデータのペアを考えれば良いため、以下ではこのペアに注目してダイレクトコンバージョンについて説明する。

0008

図4において、送信機10におけるIQミスマッチの影響を説明する。この図4では、k番目のサブキャリアでdk、−k番目のサブキャリアでd-kというデータを送信することを想定している。図4で表されるように、送信機10の入力ベースバンド信号TxI,TxQとして、下記のような信号が入力される。*は共役複素数を示す。

0009

上記ベースバンド信号TxI,TxQが入力された場合、送信出力Tx_outは、特にTkとT*−kに注目すると、IQミスマッチの影響によって、下記のように表すことができる。

ただし、

である。

0010

IQミスマッチがない場合は、g=1およびφ=0となるため、J1=1,J2=0となり、式(2)は、下記の式(4)のようにTkとT*−kには、それぞれdkとd*−kの成分のみが残るはずである。

しかし、IQミスマッチがあることで、Tkにはd*−kの成分、T*−kにはdkの成分が影響を与えることになる。

0011

次に、図5において、受信機20におけるIQミスマッチの影響を説明する。この図5では、受信機20の入力信号Rx_inとして、下記のような信号が入力されていると考える。ck、c−kは、k番目、−k番目のサブキャリアに乗せられたデータ(dk,d−k)に対応する受信機20の入力信号内のデータである。

0012

このRF受信信号をDFT回路26で処理してベースバンド信号に変換すると、その信号は、特にRkとR*−kに注目すると、下記のように表すことができる。

ただし、

である。

0013

IQミスマッチがない場合は、h=1およびψ=0となるため、K1=1およびK2=0となり、式(6)は下記の式(8)のように、RkとR*−kにはそれぞれckとc*−kの成分のみが残るはずである。

しかし、IQミスマッチがあることで、Rkにはc*−kの成分、R*−kにはckの成分がそれぞれ影響を与えることになる。

0014

さて、上記で説明したIQミスマッチの影響を抑制するため、特許文献1、および非特許文献1に記載の従来技術が存在する。この2つの文献では、既知パイロット信号送信機側から受信機側へ送信することで、IQミスマッチの検出と補正を行う方法を紹介している。これは、「規格によってプレアンブルパイロットトーン(テスト信号)を含めることを規定する」、もしくは「(規格とは無関係でも)送受信機を作る各社が周波数同期タイミング同期用のパイロットトーンに特定の信号パターンを含める」などの方法がとられるが、いずれにせよ規格依存性やインターオペラビリティの問題を含むため、汎用性にかける。

0015

また、検出されるミスマッチは、受信機側のIQミスマッチだけでなく送信側のIQミスマッチも含まれた形となるため、ネットワーク上で受信および送信相手次々と変わる場合、送受信毎にミスマッチの検出を必要とする問題がある。

0016

次に、非特許文献2では、規格依存性のない、周波数領域でのIQミスマッチの検出と補正を説明している。ただし、この文献では、「受信機側のみの補正」に焦点を絞って説明している。本発明に関わる内容のため、その詳細を下記で説明する。

0017

図6に補正の方法を示す。非特許文献2では、受信信号RxI,RxQをDFT回路26で離散フーリエ変換してサブキャリアを得た後、下記式で表されるような計算を行って得た補正用行列27により、補正部28で補正している。

とすると、補正出力

と表される。ただし

である。

0018

であるとすると、式(10)は、

となり、補正が完了する。

0019

補正用行列27の検出方法は下記の通りである。

ただし、

である。
E{ }は、平均をとった場合の期待値を表す。つまり、E{RkR−k}は、受信したシンボルでRkR−kの計算を行って、その時間的平均を取ることを意味する。ckとc−kには相関がないと仮定すると、E{ckc−k}=0、E{c*kc*−k}=0が成立することもある。

0020

よって、



によって、K1K2が求まる。このK1K2は

であるので、


により、hとψが求まり、式(7)からK1とK2が個々に求まるので、補正用行列27を実現することができる。

0021

特開2008−17145号公報

先行技術

0022

Andreas Schuchert, Ralph Hasholzner, and Patrick Antoine,“A novelIQimbalance compensation scheme for the reception of OFDMsignals,”IEEE Trans. Consumer Electron. vol. 47, no. 3, pp. 313?318, Aug. 2001.
M. Windisch and G. Fettweis.Standard-Independent I/Q Imbalance Compensation in OFDM Direct-Conversion Receivers 9th International OFDM Workshop (InOWo'04), Dresden, Germany, September 2004

発明が解決しようとする課題

0023

しかしながら、特許文献1と非特許文献1に記載のような方法は、規格に依存するため汎用的ではない。このため、非特許文献2のように規格に依存しない方法が望ましい。しかし、非特許文献2にも下記の問題がある。まず、通信前に検出や補正が行えず、通信初期の段階ではIQミスマッチが補正できない。これは、送受信機内部にテスト信号を生成するための回路を設ければ解決するが、そのための面積増加は避けられない。次に、送信機側のIQミスマッチに関しては検出と補正ができない。これは、通信のペアとなるもう一方の送受信機も同様の装置を内蔵して送信側のミスマッチを含めて補正すればよいが、これは当然インターオペラビリティの問題を含む。

0024

本発明は上記の点に鑑みたもので、その目的は、規格依存性なし、インターオペラビリティの問題なし、受信機の補正にテスト信号が不要であるためテスト信号生成回路が不要であり、追加回路による面積増加を最小限に抑える、といった特徴を兼ね備えたIQミスマッチの補正方法およびその補正方法を実施したRF送受信装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0025

上記目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、送信機において、互いに直交関係にある複数のサブキャリアを逆フーリエ変換して互いに直交関係にある送信Iチャネルベースバンド信号と送信Qチャネルベースバンド信号を生成し、該送信Iチャネルベースバンド信号と該送信Qチャネルベースバンド信号を直交変調した後に加算してRF信号として送信し、受信機において、RF信号を受信して直交復調することで受信Iチャネルベースバンド信号と受信Qチャネルベースバンド信号に分離し、該受信Iチャネルベースバンド信号と該受信Qチャネルベースバンド信号をフーリエ変換して、互いに直交関係にある複数のサブキャリアを生成させるOFDMダイレクトコンバージョン方式のRF送受信装置における、IQミスマッチ補正方法であって、前記送信機のk番目のサブキャリアにデータを入力したときに得られる前記送信機の互いに直交関係にある第1の送信ベースバンド信号と第2の送信ベースバンド信号のうちの前記第1の送信ベースバンド信号を送信Iチャネルベースバンド信号とし、前記第2の送信ベースバンド信号を送信Qチャネルベースバンド信号としたパターン1の信号を生成し、かつ前記パターン1の信号の内の前記送信Iチャネルベースバンド信号を前記送信機のIチャネルローカル信号で直交変調し、前記パターン1の信号の内の前記送信Qチャネルベースバンド信号を前記送信機のQチャネルローカル信号で直交変調し、両直交変調された信号を加算してRF信号としてループバック経由で前記受信機に入力させる第1のステップと、前記第1の送信ベースバンド信号を送信Qチャネルベースバンド信号とし、前記第2の送信ベースバンド信号を送信Iチャネルベースバンド信号としたパターン2の信号を生成し、かつ前記パターン2の信号の内の前記送信Iチャネルベースバンド信号を前記Qチャネルローカル信号で直交変調し、前記パターン2の信号の内の前記送信Qチャネルベースバンド信号を前記Iチャネルローカル信号で直交変調し、両直交変調された信号を加算してRF信号としてループバック経由で前記受信機に入力させる第2のステップとを備え、前記第1のステップで得られた前記受信機の受信結果と、前記第2のステップで得られた前記受信機の受信結果とに基づき、前記送信機での利得誤差および位相誤差をキャンセルするとともに、前記受信機の補正用行列を求め、得られた該補正用行列によって前記受信機で得られるk番目のサブキャリアのデータに対して利得誤差および位相誤差を補正することを特徴とする。
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載のIQミスマッチ補正方法において、





により、前記受信機の補正用行列としてのK1,K2,K*1,K*2を求めて、前記受信機のk番目のサブキャリアのデータに対して補正を行うことを特徴とするIQミスマッチ補正方法。
ただし、*は、複素共役である。RK1 は、前記送信機のk番目のサブキャリアに配置したデータをdkとし、送信Iチャネルベースバンド信号をTxI1とし、送信Qチャネルベースバンド信号をTxQ1とし、前記パターン1の信号を、


とするとき、前記送信機から出力する前記RF信号をループバック経由で前記受信機に入力させて前記k番目のサブキャリアに得られる受信データである。R−k1 は、前記パターン1の信号を用いるとき、IQミスマッチのために前記受信機で−k番目のサブキャリアに得られる受信データである。Rk2 は、送信Iチャネルベースバンド信号をTxI2とし、送信Qチャネルベースバンド信号をTxQ2とし、前記パターン2の信号を、

とし、かつ前記送信機のローカル信号をIチャネルとQチャネルで互いに入れ替え、前記送信機から出力する前記RF信号をループバック経由で前記受信機に入力させたとき、前記受信機でk番目のサブキャリアに得られる受信データである。R−k2 は、前記パターン2の信号を用いかつ前記ローカル信号をIチャネルとQチャネルで互いに入れ替えた条件のとき、IQミスマッチのために受信機で−k番目のサブキャリアに得られる受信データである。hは、前記受信機における利得誤差である。ψは、前記受信機における位相誤差である。Re[ ]は、実数部を示す。Im[ ]は、虚数部を示す。
請求項3にかかる発明は、請求項1に記載のIQミスマッチ補正方法において、前記受信機のk番目のサブキャリアのデータを前記受信機の前記補正用行列によって補正した上で、前記パターン1の信号を生成し、かつ前記パターン1の信号の内の前記送信Iチャネルベースバンド信号を前記送信機のIチャネルローカル信号で直交変調し、前記パターン1の信号の内の前記送信Qチャネルベースバンド信号を前記送信機のQチャネルローカル信号で直交変調し、両直交変調された信号を加算してRF信号としてループバック経由で前記受信機に入力させる第3のステップと、前記受信機のk番目のサブキャリアのデータを前記受信機の前記補正用行列によって補正した上で、前記第1の送信ベースバンド信号を送信Iチャネルベースバンド信号とし、前記第2の送信ベースバンド信号の極性反転した信号を送信Qチャネルベースバンド信号としたパターン3の信号を生成し、前記パターン3の信号の内の前記送信Iチャネルベースバンド信号を前記送信機のIチャネルローカル信号で直交変調し、前記パターン3の信号の内の前記送信Qチャネルベースバンド信号を前記送信機のQチャネルローカル信号で直交変調し、両直交変調された信号を加算してRF信号としてループバック経由で前記受信機に入力させる第4のステップとを備え、前記第3のステップで得られた前記受信機の受信結果と、前記第4のステップで得られた前記受信機の受信結果基づき、前記送信機の補正用行列を求め、得られた該補正用行列により前記送信機のk番目のサブキャリアのデータに対して利得誤差および位相誤差を補正することを特徴とする。
請求項4にかかる発明は、請求項2に記載のIQミスマッチ補正方法において、前記受信機の補正用行列としてのK1,K2,K*1,K*2による補正を前記受信機のk番目のサブキャリアのデータについて行い、





により、前記送信機の補正用行列としてのJ1,J2,J*1,J*2を求めて、前記送信機のサブキャリアのデータに対して補正を行うことを特徴とする。ただし、RCk1 は、前記送信機で前記パターン1の信号を用い、前記受信機の補正用行列としてのK1,K2,K*1,K*2による補正を前記受信機の各サブキャリアのデータについて行ったときの、前記受信機でk番目のサブキャリアに得られる受信データである。RCk3 は、送信Iチャネルベースバンド信号をTxI3とし、送信Qチャネルベースバンド信号をTxQ3とし、パターン3の信号を

として、前記送信機から出力するRF信号をループバック経由で前記受信機に入力させ、前記受信機の補正用行列としてのK1,K2,K*1,K*2による補正を前記受信機の各サブキャリアのデータについて行ったときの、前記受信機でk番目のサブキャリアに得られる受信データである。gは、前記送信機における利得誤差である。φは、前記送信機における位相誤差である。
請求項5にかかる発明は、請求項1に記載のIQミスマッチ補正方法において、前記受信機のk番目のサブキャリアのデータを前記受信機の前記補正用行列によって補正した上で、前記パターン1の信号を生成し、かつ前記パターン1の信号の内の前記送信Iチャネルベースバンド信号を前記送信機のIチャネルローカル信号で直交変調し、前記パターン1の信号の内の前記送信Qチャネルベースバンド信号を前記送信機のQチャネルローカル信号で直交変調し、両直交変調された信号を加算してRF信号としてループバック経由で前記受信機に入力させる第3Aのステップと、前記受信機のk番目のサブキャリアのデータを前記受信機の前記補正用行列によって補正した上で、前記第1の送信ベースバンド信号を送信Iチャネルベースバンド信号とし、前記第2の送信ベースバンド信号を送信Qチャネルベースバンド信号としたパターン3Aの信号を生成し、前記パターン3Aの信号の内の前記送信Iチャネルベースバンド信号を前記送信機のIチャネルローカル信号で直交変調し、前記パターン3Aの信号の内の前記送信Qチャネルベースバンド信号を前記送信機のQチャネルローカル信号を極性反転した信号で直交変調し、両直交変調された信号を加算してRF信号としてループバック経由で前記受信機に入力させる第4Aのステップとを備え、前記第3Aのステップで得られた前記受信機の受信結果と、前記第4Aのステップで得られた前記受信機の受信結果基づき、前記送信機の補正用行列を求め、得られた該補正用行列により前記送信機のk番目のサブキャリアのデータに対して利得誤差および位相誤差を補正することを特徴とする。
請求項6にかかる発明は、請求項2に記載のIQミスマッチ補正方法において、前記受信機の補正用行列としてのK1,K2,K*1,K*2による補正を前記受信機のk番目のサブキャリアのデータについて行い、





により、前記送信機の補正用行列としてのJ1,J2,J*1,J*2を求めて、前記送信機のサブキャリアのデータに対して補正を行うことを特徴とする。ただし、RCk1 は、前記送信機で前記パターン1の信号を用い、前記受信機の補正用行列としてのK1,K2,K*1,K*2による補正を前記受信機の各サブキャリアのデータについて行ったときの、前記受信機でk番目のサブキャリアに得られる受信データである。RCk3 は、送信Iチャネルベースバンド信号をTxI3とし、送信Qチャネルベースバンド信号をTxQ3とし、パターン3Aの信号を

とし、かつ前記送信器のローカル信号のうちのQチャンネルのローカル信号の極性反転して、前記送信機から出力するRF信号をループバック経由で前記受信機に入力させ、前記受信機の補正用行列としてのK1,K2,K*1,K*2による補正を前記受信機の各サブキャリアのデータについて行ったときの、前記受信機でk番目のサブキャリアに得られる受信データである。gは、前記送信機における利得誤差である。φは、前記送信機における位相誤差である。
請求項7にかかる発明は、互いに直交関係にある複数のサブキャリアを入力し逆フーリエ変換して互いに直交関係にある送信Iチャネルベースバンド信号と送信Qチャネルベースバンド信号とを生成する逆フーリエ変換手段と、該送信Iチャネルベースバンド信号をIチャンネルローカル信号で直交変調するとともに前記送信Qチャネルベースバンド信号をQチャンネルローカル信号で直交変調する直交変調手段と、該直交変調手段で該直交変調した後の両信号を加算してRF信号にする加算手段とを備えた送信機と、RF信号を受信して直交復調することで受信Iチャネルベースバンド信号と受信Qチャネルベースバンド信号に分離する直交復調手段と、該受信Iチャネルベースバンド信号と該受信Qチャネルベースバンド信号をフーリエ変換して互いに直交関係にある複数のサブキャリアを生成するフーリエ変換手段とを備えた受信機と、を有するOFDMダイレクトコンバージョン方式のRF送受信装置において、前記送信機のk番目のサブキャリアにデータを入力したときに得られる前記送信機の互いに直交関係にある第1の送信ベースバンド信号と第2の送信ベースバンド信号のうちの前記第1の送信ベースバンド信号を送信Iチャネルベースバンド信号とし、前記第2の送信ベースバンド信号を送信Qチャネルベースバンド信号としたパターン1の信号を生成し、かつ前記パターン1の信号の内の前記送信Iチャネルベースバンド信号を前記送信機のIチャネルローカル信号で直交変調し、前記パターン1の信号の内の前記送信Qチャネルベースバンド信号を前記送信機のQチャネルローカル信号で直交変調し、両直交変調された信号を加算してRF信号としてループバック経由で前記受信機に入力させる第1の制御手段と、前記第1の送信ベースバンド信号を送信Qチャネルベースバンド信号とし、前記第2の送信ベースバンド信号を送信Iチャネルベースバンド信号としたパターン2の信号を生成し、かつ前記パターン2の信号の内の前記送信Iチャネルベースバンド信号を前記Qチャネルローカル信号で直交変調し、前記パターン2の信号の内の前記送信Qチャネルベースバンド信号を前記Iチャネルローカル信号で直交変調し、両直交変調された信号を加算してRF信号としてループバック経由で前記受信機に入力させる第2の制御手段とを備え、前記第1の制御手段で得られた前記受信機の受信結果と、前記第2の制御手段で得られた前記受信機の受信結果とに基づき、前記送信機での利得誤差および位相誤差をキャンセルするとともに、前記受信機の補正用行列を求め、得られた該補正用行列によって前記受信機で得られるk番目のサブキャリアのデータに対して利得誤差および位相誤差を補正することを特徴とする。
請求項8にかかる発明は、請求項1に記載のRF送受信装置において、前記受信機のk番目のサブキャリアのデータを前記受信機の前記補正用行列によって補正した上で、前記パターン1の信号を生成し、かつ前記パターン1の信号の内の前記送信Iチャネルベースバンド信号を前記送信機のIチャネルローカル信号で直交変調し、前記パターン1の信号の内の前記送信Qチャネルベースバンド信号を前記送信機のQチャネルローカル信号で直交変調し、両直交変調された信号を加算してRF信号としてループバック経由で前記受信機に入力させる第3の制御手段と、前記受信機のk番目のサブキャリアのデータを前記受信機の前記補正用行列によって補正した上で、前記第1の送信ベースバンド信号を送信Iチャネルベースバンド信号とし、前記第2の送信ベースバンド信号の極性反転した信号を送信Qチャネルベースバンド信号としたパターン3の信号を生成し、前記パターン3の信号の内の前記送信Iチャネルベースバンド信号を前記送信機のIチャネルローカル信号で直交変調し、前記パターン3の信号の内の前記送信Qチャネルベースバンド信号を前記送信機のQチャネルローカル信号で直交変調し、両直交変調された信号を加算してRF信号としてループバック経由で前記受信機に入力させる第4の制御手段とを備え、前記第3の制御手段で得られた前記受信機の受信結果と、前記第4の制御手段で得られた前記受信機の受信結果基づき、前記送信機の補正用行列を求め、得られた該補正用行列により前記送信機のk番目のサブキャリアのデータに対して利得誤差および位相誤差を補正することを特徴とする。
請求項9にかかる発明は、請求項1に記載のRF送受信装置において、前記受信機のk番目のサブキャリアのデータを前記受信機の前記補正用行列によって補正した上で、前記パターン1の信号を生成し、かつ前記パターン1の信号の内の前記送信Iチャネルベースバンド信号を前記送信機のIチャネルローカル信号で直交変調し、前記パターン1の信号の内の前記送信Qチャネルベースバンド信号を前記送信機のQチャネルローカル信号で直交変調し、両直交変調された信号を加算してRF信号としてループバック経由で前記受信機に入力させる第3Aの制御手段と、前記受信機のk番目のサブキャリアのデータを前記受信機の前記補正用行列によって補正した上で、前記第1の送信ベースバンド信号を送信Iチャネルベースバンド信号とし、前記第2の送信ベースバンド信号を送信Qチャネルベースバンド信号としたパターン3Aの信号を生成し、前記パターン3Aの信号の内の前記送信Iチャネルベースバンド信号を前記送信機のIチャネルローカル信号で直交変調し、前記パターン3Aの信号の内の前記送信Qチャネルベースバンド信号を前記送信機のQチャネルローカル信号を極性反転した信号で直交変調し、両直交変調された信号を加算してRF信号としてループバック経由で前記受信機に入力させる第4Aの制御手段とを備え、前記第3Aの制御手段で得られた前記受信機の受信結果と、前記第4Aの制御手段で得られた前記受信機の受信結果基づき、前記送信機の補正用行列を求め、得られた該補正用行列により前記送信機のk番目のサブキャリアのデータに対して利得誤差および位相誤差を補正することを特徴とする。

発明の効果

0026

本発明によれば、受信機のサブキャリア補正用の補正用行列はパターン1,2の信号を用いて求め、送信機のサブキャリア補正用の補正用行列は受信機のサブキャリアを補正用行列で補正した上でパターン1,3の信号を用いて求める。したがって、ハードウエア立ち上げ時や非通信時にその補正を行うことができ、規格依存性がなく、インターオペラビリティの問題がない。また、受信機の補正にテスト信号が不要であるためテスト信号生成回路が不要であり、追加回路による面積増加を最小限に抑える、の効果を得ることができる。

図面の簡単な説明

0027

従来のダイレクトコンバージョン方式の送信機と受信機の構成を示す回路図である。
従来のダイレクトコンバージョン方式の送信機と受信機の利得誤差と位相誤差の説明図である。
サブキャリアの説明図である。
送信機におけるIQミスマッチの影響の説明図である。
受信機におけるIQミスマッチの影響の説明図である。
受信機のサブキャリア補正の説明図である。
送信機のサブキャリア補正の説明図である。
送信機にパターン1の信号を入力したときの動作の説明図である。
送信機にパターン2の信号を入力したときの動作の説明図である。
送信機にパターン3の信号を入力したときの動作の説明図である。
本発明の実施例のRF送受信装置の構成を示す回路図である。

実施例

0028

本発明では、送信機と受信機の双方のIQミスマッチの補正を行う。また、テスト信号として、送受信機内において送信機側の任意の信号を受信機側にループバックすることで、追加するハードウェアを最小限に抑える。さらに、規格依存性やインターオペラビリティの問題が無いよう、別の送受信機とペアで検出と補正を行うようなことはしない。

0029

このために、送受信機内において、送信機側の信号を受信機側に渡すループバック経路を形成する。また、送信機側と受信機側の双方において、非特許文献2と同様の計算(検出と補正)を行うためのベースバンド信号処理手段を設ける。また、送信Iチャネルローカル信号TxLo_Iと送信Qチャネルローカル信号TxLo_Qの位相関係を入れ替えることができ、さらには送信Qチャネルローカル信号TxLo_Qの極性を反転できるローカル発振器を用意する。

0030

<第1の実施例>
図7に送信機10の側の補正方法を示す。図6で説明した受信機20の側での補正と同様に、IDFT回路11の前段の周波数領域にて、IQミスマッチ要因逆行列としての補正用行列

を用いて、以下のような計算で補正を行う。dCk,dC*−kは、サブキャリアのデータdk,d*−kを補正した後のサブキャリアのデータである。

0031

よって、補正後の送信信号は、

となる。

0032

補正用行列の算出は、以下のステップで行う。
(1)パターン1のベースバンド信号に基づく送信信号を送信機10から受信機20へループバックする。具体的には、本実施例では加算器16の出力から受信機20の低ノイズ増幅器21に入力する経路をもつ。
(2)パターン2のベースバンド信号に基づく送信信号を送信機10から受信機20へループバックする(ただし、送信機10のローカル信号TxLo_IとTxLo_Qの位相関係を逆転させる。)。
(3)受信機20の補正用行列を算出する。
(4)パターン1のベースバンド信号に基づく送信信号を送信機10から受信機20へループバックする(受信機20の側は補正用行列で補正済みとする。)。
(5)パターン3のベースバンド信号に基づく送信信号を送信機10から受信機20へループバックする(受信機20の側は補正用行列で補正済みとする。)。
(6)送信機10の側の補正用行列を算出する。
以下、上記の順で説明する。

0033

(1)パターン1のベースバンド信号に基づく送信信号を、送信機10から受信機20へループバックする。具体的には、本実施例では加算器16の出力から受信機20の低ノイズ増幅器21に入力する経路をもつ。また、その動作を図9に示す。
送信機10の出力信号Tx_outが受信機20の入力信号Rx_inとなるように送受信機を接続し、図8で示すようなk番目のサブキャリアのデータdkに基づくパターン1の信号を、送信機10にベースバンド信号TxI1およびTxQ1として入力する。パターン1の信号は、式で表すと下記の式(26)のようになる。

0034

送信機10の出力信号を

とし、送信機10と受信機20の間のループバック経路での利得と位相回転

とすると、ループバックを経由した受信機20の入力信号は、

となるので、受信機20のDFT回路26による離散フーリエ変換の後の信号は、

となる。

0035

(2)パターン2のベースバンド信号に基づく送信信号を、送信機10から受信機20へループバックする。パターン2のベースバンド信号TxI2およびTxQ2を式(31)に示す。また、その動作を図9に示す。

ただし、その際に、Iチャネルのミキサ15Iに−sinωctを、Qチャネルのミキサ15Qにcosωctを入力して、位相関係を逆転させる。

0036

この時、送信機10の出力信号は、

となり、ループバックを経由した受信機20の入力信号は、

となり、受信機20のDFT回路26による離散フーリエ変換の後の信号は、

となる。

0037

(3)受信機の補正用行列の算出
パターン1とパターン2のベースバンド信号を入力して得られた結果から、受信機の補正用行列を算出する。式(30)と式(34)から、

となるので、

となり、


となる。なお、

であり、パワーを表す。

0038

よって、

により、K1K2が求まる。このK1K2は

であるので、


により、hとψが求まり、式(7)からK1とK2が個々に求まるので、K1、K2、K*1、K*2からなる補正用行列27を取得することができる。

0039

以上で、受信機20側の補正用行列27の取得が完了する。この補正用行列27を図6に適用することで、補正部28で受信機20側の各サブキャリアに配置されたデータの補正が行われ、IQミスマッチが補償される。なお、この(1)〜(3)のステップによって、送信機10側の利得誤差gと位相誤差φはキャンセルされている。すなわち、式(39)をみると、一連のプロセスによってJ1(を構成するgとφ)が消え、K1K2のみの式が出てきていて、これをここではキャンセルという語に集約している。パターン1もパターン2も送信器10→受信機20という経路を通るため、式(30)と(34)をみると分かるように、受信機20の出力で得られる値Rk1、Rk2には、J1とJ2の影響が入っている。式(30)ではRk1,R*-k1の2つの方程式しか得られないにも拘わらず、K1、K2、LkJ1dk、L*-kJ*2dkの変数入り、それぞれの値をもとめることができない。そこで、パターン2を用意する(ここで重要な点は送信機10のローカル信号の入れ替え)と、変数を増やすことなく、L*-kJ*2dkを消すことができる。これが1つ目のキャンセルである。このことを分かりやすく説明しているのが、図8図9である。送信機出力Tx_outをみると、J*2dkの符号が、図8図9で反転している。式(35)までくると、LkJ1dkという変数は式(36)〜(39)で消去されるので、これが2つ目のキャンセルとなる。

0040

(4)前記したパターン1のベースバンド信号に基づく送信信号を、送信機10から受信機20へループバックする(受信機20側は先に求めた補正用行列を適用しておく。)。
受信機20側では、受信機20のサブキャリアの補正後の結果は下記のようになる。

0041

(5)パターン3のベースバンド信号に基づく送信信号を、送信機10から受信機20へループバックする(受信機20側は先に求めた補正用行列を適用しておく。)。
パターン3のベースバンド信号として、次に示すベースバンド信号TxI3およびTxQ3を送信機10に入力する。この信号は、パターン1のベースバンド信号において、Qチャネルベースバンド信号TxQ3を極性反転したものである。その動作を図10に示す。

0042

このとき、送信機10の出力信号は、

であり、ループバックを経由した受信機20の入力信号は、

であるので、受信機のDFT回路26による離散フーリエ変換後に更に補正したサブキャリア信号は、

となる。

0043

(6)送信機10側の補正用行列18を算出する。
上記パターン1とパターン3のベースバンド信号に基づく送信信号を受信した受信機20のDFT回路による離散フーリエ変換後の補正結果の出力を用いて、送信機側の補正用行列を求める。式(43)と式(47)から、

となり、


である。

0044

よって、式(49)と式(50)から、

により、J1J*2が求まる。このJ1J*2は

であるので、


により、gとφが求まり、式(3)からJ1とJ2が個々に求まるので、J1、J2、J*1、J*2からなる補正用行列18を取得することができる。

0045

以上の操作が各サブキャリアそれぞれに対して実施され、送信機10側の補正用行列18の取得が完了する。この補正用行列18を図7に適用することで、補正部19で送信機10側の各サブキャリアに配置されたデータに対して事前補正が行われ、送信機側のIQミスマッチが補償される。

0046

以上の補正用行列27,18は、RF送受信装置を起動する際や非通信時間に求めておいてメモリに格納しておく。そして、実際の通信時には、この補正用行列27,18によって、送信機10側、受信機20側の双方で補正を行う。

0047

<第2の実施例>
以上説明した第1の実施例では、(5)のステップにおいて、パターン3のベースバンド信号に式(44)に示す信号TxI3,TxQ3を用いたが、この信号TxI3,TxQ3に代えて、次の式(44’)に示すパターン3Aの信号を使用することができる。この信号は式(26)で示したパターン1の信号と同じである。

ただし、このときは、Qチャンネルローカル信号TxLo_Qの極性を反転させる。このようにしても、送信機10の出力信号は式(45)で表されるので、第1の実施例と全く同様に、式(47)のサブキャリア信号を得ることができる。

0048

<第3の実施例>
図11に、第1の実施例を実施したRF送受信装置の構成を示す。本実施例のRF送受信装置は、図1に示した送信機10および受信機20の構成に対して、図6に示した補正部19、図7に示した補正部28を追加し、さらに制御部31、ローカル信号生成部32、およびスワップ部33を追加している。制御部31は、受信機20の補正行列27(図6)、送信機10の補正行列18(図7)を推定する補正行列推定部と、推定した補正行列を格納する補正行列格納部と、離散逆フーリエ変換器11から出力する送信I,Qチャンネルベースバンド信号TxI,TxQがパターン1,2,3あるいは3Aの信号となるような信号をサブキャリアとして生成して送信機10に入力させるパターン生成部と、ローカル信号生成部32を制御するローカル信号制御部とを備える。この制御部31では、前記した(1)〜(6)のステップの処理が行なわれる。ローカル信号生成部32は、送信機10に送るIチャンネルローカル信号TxLo_IとQチャンネルローカル信号TxLo_Qを生成し、また、受信機20に送るIチャンネルローカル信号Rxo_IとQチャンネルローカル信号RxLo_Qを生成する。第2の実施例を実施するときは、Qチャンネルローカル信号TxLo_Qの極性を反転させることもある。スワップ部33は、ステップ(2)における処理時に送信機10側のIチャンネルローカル信号TxLo_IとQチャンネルローカル信号TxLo_Qを入れ替える。

0049

なお、前記した第2の実施例を実施する際には、ステップ(5)においてパターン3Aの信号を入力させるとともに、ローカル信号生成部32から出力する送信機10へのQチャンネルローカル信号TxLo_Qの極性を反転させる。

0050

10:送信機、11:離散逆フーリエ変換器、12(I,Q):DA変換機、13(I,Q):ローパスフィルタ、14(I,Q):増幅器、15(I,Q):ミキサ、16:加算器、17:増幅器、18:補正用行列、19:補正部
20:受信機、21:低ノイズ増幅器、22(I,Q):ミキサ、23(I,Q):ローパスフィルタ、24(I,Q):増幅器、25(I,Q):AD変換器、26:離散フーリエ変換器、27:補正用行列、28:補正部
31:制御部、32:ローカル信号生成部、33:スワップ部

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