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技術 透明導電性フィルムの製造方法

出願人 日東電工株式会社
発明者 拝師基希山本祐輔梨木智剛佐々和明
出願日 2012年11月28日 (7年11ヶ月経過) 出願番号 2013-547181
公開日 2015年4月27日 (5年6ヶ月経過) 公開番号 WO2013-080995
状態 特許登録済
技術分野 非絶縁導体 積層体(2) 電線ケーブルの製造(1)
主要キーワード 圧力調節室 低圧環境下 常圧環境 低圧環境 インジウムスズ酸化物層 超ミクロトーム デジタルダイ ネオジム磁石
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年4月27日)のものです。
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図面 (3)

課題・解決手段

光透過性に優れ、且つ比抵抗の小さい透明導電性フィルムの製造方法を開示する。 本発明は、フィルム基材と、前記フィルム基材上に形成された結晶化したインジウムスズ酸化物層とを備える透明導電性フィルムの製造方法である。本発明は、インジウムスズ酸化物ターゲット材として用いるスパッタ装置内に、前記フィルム基材を入れ、前記ターゲット材上の水平方向磁場が50mT以上であるマグネトロンスパッタリング法により、前記フィルム基材上に非晶質部分を含むインジウムスズ酸化物を堆積させる工程と、前記非晶質部分を含むインジウムスズ酸化物を堆積する工程の後に、前記非晶質部分を含むインジウムスズ酸化物を加熱処理することによって、前記非晶質部分を含む前記インジウムスズ酸化物を結晶化させて、前記結晶化したインジウムスズ酸化物層を形成する工程とを有する。

概要

背景

透明導電性薄膜の製造方法として、マグネトロンスパッタリング法が知られている。この方法は、プラズマターゲット材衝突させることによって、ターゲット粒子基板に向けて飛散させ、基板上にターゲット粒子を堆積させて、成膜する方法であり、特に、ターゲット材の近辺磁界を発生させて、ターゲット材近辺のプラズマの密度を増加させることによって、成膜速度を向上させる点に特徴がある。

特許文献1は、実施例として、ターゲット材上の水平方向磁場を40mTとするマグネトロンスパッタリング法により、基材上に結晶性薄膜を形成する方法を開示している。この方法は、低圧環境下で、ターゲット材である二酸化チタンを基材に堆積させると同時に結晶化させるという一つの工程で成膜を行う方法である。しかし、この方法では、インジウムスズ酸化物のターゲット材を用いて、光透過性に優れ、且つ比抵抗の小さい透明導電性フィルムを得ることができないという課題があった。

概要

光透過性に優れ、且つ比抵抗の小さい透明導電性フィルムの製造方法を開示する。 本発明は、フィルム基材と、前記フィルム基材上に形成された結晶化したインジウムスズ酸化物層とを備える透明導電性フィルムの製造方法である。本発明は、インジウムスズ酸化物をターゲット材として用いるスパッタ装置内に、前記フィルム基材を入れ、前記ターゲット材上の水平方向磁場が50mT以上であるマグネトロンスパッタリング法により、前記フィルム基材上に非晶質部分を含むインジウムスズ酸化物を堆積させる工程と、前記非晶質部分を含むインジウムスズ酸化物を堆積する工程の後に、前記非晶質部分を含むインジウムスズ酸化物を加熱処理することによって、前記非晶質部分を含む前記インジウムスズ酸化物を結晶化させて、前記結晶化したインジウムスズ酸化物層を形成する工程とを有する。

目的

本発明は、光透過性に優れ、且つ比抵抗の小さい透明導電性フィルムの製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

フィルム基材と、前記フィルム基材上に形成された結晶化したインジウムスズ酸化物層とを備える透明導電性フィルムの製造方法であって、インジウムスズ酸化物ターゲット材として用いるスパッタ装置内に、前記フィルム基材を入れ、前記ターゲット材上の水平方向磁場が50mT以上であるマグネトロンスパッタリング法により、前記フィルム基材上に非晶質部分を含むインジウムスズ酸化物を堆積させる工程と、前記非晶質部分を含むインジウムスズ酸化物を堆積する工程の後に、前記非晶質部分を含むインジウムスズ酸化物を加熱処理することによって、前記非晶質部分を含む前記インジウムスズ酸化物を結晶化させて、前記結晶化したインジウムスズ酸化物層を形成する工程と、を有する透明導電性フィルムの製造方法。

請求項2

前記非晶質部分を含むインジウムスズ酸化物を堆積させる工程は、大気圧よりも低い気圧下で実施され、前記結晶化したインジウムスズ酸化物層を形成する工程は、大気圧下で実施されることを特徴とする請求項1に記載の透明導電性フィルムの製造方法。

請求項3

前記水平方向磁場が、80mTから200mTであることを特徴とする請求項1又は2に記載の透明導電性フィルムの製造方法。

請求項4

前記水平方向磁場が、100mTから200mTであることを特徴とする請求項1又は2に記載の透明導電性フィルムの製造方法。

請求項5

前記非晶質部分を含むインジウムスズ酸化物を堆積させる工程は、40℃から200℃の温度で実施されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の透明導電性フィルムの製造方法。

請求項6

前記非晶質部分を含むインジウムスズ酸化物を堆積させる工程は、40℃から150℃の温度で実施されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の透明導電性フィルムの製造方法。

請求項7

前記結晶化したインジウムスズ酸化物層を形成する工程は、120℃から200℃の温度で実施されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の透明導電性フィルムの製造方法。

請求項8

前記フィルム基材は、ポリエチレンテレフタレートポリシクロオレフィン又はポリカーボネートのいずれかによって構成されることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の透明導電性フィルムの製造方法。

請求項9

前記フィルム基材は、前記インジウムスズ酸化物の堆積側の表面に易接着層を備えることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の透明導電性フィルムの製造方法。

請求項10

前記フィルム基材は、前記インジウムスズ酸化物の堆積側の表面に屈折率調整層を備えることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の透明導電性フィルムの製造方法。

請求項11

前記フィルム基材は、前記インジウムスズ酸化物の堆積側の表面にハードコート層を備えることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の透明導電性フィルムの製造方法。

請求項12

前記結晶化したインジウムスズ酸化物層は、厚みが175nmから250nmであることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の透明導電性フィルムの製造方法。

請求項13

前記フィルム基材は、厚みが15μmから50μmであることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の透明導電性フィルムの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、透明導電性フィルムの製造方法に関する。特に、本発明は、光透過性に優れ、且つ比抵抗の小さい透明導電性フィルムの製造方法に関する。

背景技術

0002

透明導電性薄膜の製造方法として、マグネトロンスパッタリング法が知られている。この方法は、プラズマターゲット材衝突させることによって、ターゲット粒子基板に向けて飛散させ、基板上にターゲット粒子を堆積させて、成膜する方法であり、特に、ターゲット材の近辺磁界を発生させて、ターゲット材近辺のプラズマの密度を増加させることによって、成膜速度を向上させる点に特徴がある。

0003

特許文献1は、実施例として、ターゲット材上の水平方向磁場を40mTとするマグネトロンスパッタリング法により、基材上に結晶性薄膜を形成する方法を開示している。この方法は、低圧環境下で、ターゲット材である二酸化チタンを基材に堆積させると同時に結晶化させるという一つの工程で成膜を行う方法である。しかし、この方法では、インジウムスズ酸化物のターゲット材を用いて、光透過性に優れ、且つ比抵抗の小さい透明導電性フィルムを得ることができないという課題があった。

先行技術

0004

特開2007−308728

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は、光透過性に優れ、且つ比抵抗の小さい透明導電性フィルムの製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

晶質部分を含むインジウムスズ酸化物を堆積させる工程で水平方向磁場を大きくすると、該非晶質部分を含むインジウムスズ酸化物を結晶化させる工程後の結晶質結晶粒径が大きくなることが見出された。そのため、光透過性に優れ、且つ比抵抗が小さい(電気伝導性に優れる)透明導電性フィルムを得ることができる本発明に到った。

0007

本発明は、フィルム基材と、前記フィルム基材上に形成された結晶化したインジウムスズ酸化物層とを備える透明導電性フィルムの製造方法であって、インジウムスズ酸化物をターゲット材として用いるスパッタ装置内に、前記フィルム基材を入れ、前記ターゲット材上の水平方向磁場が50mT以上であるマグネトロンスパッタリング法により、前記フィルム基材上に非晶質部分を含むインジウムスズ酸化物を堆積させる工程と、前記非晶質部分を含むインジウムスズ酸化物を堆積する工程の後に、前記非晶質部分を含むインジウムスズ酸化物を加熱処理することによって、前記非晶質部分を含む前記インジウムスズ酸化物を結晶化させて、前記結晶化したインジウムスズ酸化物層を形成する工程と、を有する透明導電性フィルムの製造方法を提供する。前記非晶質部分を含むインジウムスズ酸化物を堆積させる工程は、大気圧よりも低い気圧下で実施され、前記結晶化したインジウムスズ酸化物層を形成する工程は、大気圧下で実施されることが好ましい。例えば、前記非晶質部分を含むインジウムスズ酸化物を堆積させる工程は、0.1Paから1Paの気圧下で行われることが好ましい。

0008

前記水平方向磁場は、80mTから200mTであることが好ましく、100mTから200mTであることがさらに好ましい。前記非晶質部分を含むインジウムスズ酸化物を堆積させる工程は、40℃から200℃の温度で実施されることが好ましく、40℃から150℃の温度で実施されることがさらに好ましい。また、前記結晶化したインジウムスズ酸化物層を形成する工程は、120℃から200℃の温度で実施されることが好ましい。前記非晶質部分を含むインジウムスズ酸化物を堆積させる工程の実施時間は、典型的には、1分以下である。また、前記結晶化したインジウムスズ酸化物層を形成する工程の実施時間は、典型的には、10分から90分である。

0009

前記フィルム基材が、ポリエチレンテレフタレートポリシクロオレフィン又はポリカーボネートのいずれかによって構成されることが好ましい。前記フィルム基材が、前記インジウムスズ酸化物の堆積側の表面に易接着層を備えることが好ましい。また、前記フィルム基材が、前記インジウムスズ酸化物の堆積側の表面に屈折率調整層を備えることが好ましい。さらに、前記フィルム基材が、前記インジウムスズ酸化物の堆積側の表面にハードコート層を備えることも好ましい。また、前記結晶化したインジウムスズ酸化物層は、厚みが20nmから50nmであることが好ましい。前記フィルム基材の厚みが15μmから50μmであることも好ましい。

0010

本発明により、フィルム基材と、平均の結晶粒径が、典型的には150nm以上であるインジウムスズ酸化物層とを備える透明導電性フィルムが製造される。平均の結晶粒径は、好ましくは175nmから250nmである

発明の効果

0011

本発明により、光透過性に優れ、且つ比抵抗の小さい透明導電性フィルムを製造することができる。

図面の簡単な説明

0012

非晶質部分を含むインジウムスズ酸化物を堆積させるスパッタ装置を示す概略図である。
インジウムスズ酸化物を結晶化させる加熱装置を示す概略図である。

実施例

0013

以下に図面を参照して、本発明の実施の一形態について説明する。図1は、非晶質部分を含むインジウムスズ酸化物を堆積させる工程を実施するためのスパッタ装置100を示す概略図である。

0014

インジウムスズ酸化物のターゲット材108を配置したスパッタ装置100のチャンバ104内に、フィルム基材112を入れ、ターゲット材108上に発生させた水平方向磁場を利用するマグネトロンスパッタリング法により、フィルム基材112上に非晶質部分を含むインジウムスズ酸化物(図示せず。)を堆積させる。磁場の強さは、50mT(ミリテスラ)以上とする。

0015

マグネトロンスパッタリング法に用いるスパッタ装置100は、例えば、図1に示すように、1Pa以下の低圧環境を作るためのチャンバ104と、フィルム基材112を繰り出す繰り出しロール116と、フィルム基材112の搬送方向を変更するガイドロール128、132と、温度制御可能な成膜ロール120と、直流電源136と、成膜ロール120に向かい合うように配置され、且つ直流電源136に電気的に接続されたターゲット材108と、ターゲット材108の温度上昇を防ぐ冷却ステージ140と、ターゲット材108の背後(成膜ロール120と逆側)に配置され、且つターゲット材108上に水平方向磁場を発生させる磁石144と、フィルム基材112を巻き取る巻き取りロール124とを有する。図1においては、成膜ロール120を接地し、直流電源136により、ターゲット材108に負電荷印加しているが、成膜ロール120よりもターゲット材108の電位を低くするのであれば、異なる電位を成膜ロール120及びターゲット材108に印加してもよい。

0016

本実施形態における非晶質部分を含むインジウムスズ酸化物を堆積させる工程では、0.1Paから1Paといった大気圧よりも低い気圧中で発生させたプラズマ中の陽イオンを、表面上に磁場を持つ負電極として機能するターゲット材108に衝突させることによって、ターゲット材108の表面から飛散した物質(ターゲット粒子)をフィルム基材112に付着させるプラズマを発生させるための物質として、例えば、アルゴンガス99体積%と酸素ガス1体積%との混合ガスを用いることができる。チャンバ104内に混合ガスを封入し、成膜ロール120とターゲット材108との間の電位差によって発生させた電子を混合ガスに衝突させて、混合ガスを電離させることによって、プラズマを発生させる。直流電源136の電力を一定にし、電圧を、例えば−400Vから−100Vの範囲で制御し、電流(電子の量)を調整することによって、プラズマの発生量を調整することができるが、他の手段によってプラズマの発生量を調整してもよい。マグネトロンスパッタリング法では、磁場によって多量のプラズマをターゲット材108の近辺に閉じ込めて、ターゲット材108に衝突させることができる。ターゲット材に衝突させるプラズマの量が増えると、多量のターゲット粒子を飛散させることができるため、成膜速度を大きくしやすいという特徴がある。また、水平方向磁場によって、基材の温度上昇も抑制できるため、基材として耐熱性に乏しいプラスチックフィルムを用いることができるという特徴を有する。

0017

ターゲット材108は、典型的には、酸化インジウム(In2O3)と酸化スズ(SnO2)の混合粉末成形し、焼結することによって得られる。ターゲット材108は、比抵抗の小さい透明導電性フィルムを得るために、典型的には、酸化スズを3重量%以上含み、好ましくは酸化スズを5重量%から15重量%含む。なお、酸化スズの含有量重量比)は、式:{(SnO2)/(In2O3+SnO2)}×100で表す。

0018

比抵抗の小さい透明導電性フィルムを得るためには、ターゲット材108上の水平方向磁場を、50mT(ミリテスラ)以上とする必要がある。また、80mTから200mTとすることが好ましく、100mTから200mTとすることがさらに好ましい。

0019

ここで、「水平方向磁場」とは、ターゲット材108のフィルム基材112側の表面と平行方向の磁場をいい、該表面で測定される磁場の最大値である。上記水平方向磁場は、磁石144の強度を大きくすることにより、或いは磁石144の位置をターゲット材に接近させることにより、適宜、増加させることができる。例えば、50mT以上の水平方向磁場は、ネオジム、鉄、及びホウ素を原料とするネオジム磁石を用いることにより達成できる。

0020

フィルム基材112の温度は、成膜ロール120の温度により適宜、調整される。すなわち、成膜ロール120の温度によって、非晶質部分を含むインジウムスズ酸化物を堆積させる工程の温度を設定することができる。成膜ロール120の温度は、例えば、40℃から200℃であり、好ましくは40℃から150℃である。また、非晶質部分を含むインジウムスズ酸化物の堆積時間は、膜厚に応じて、典型的には、1分以下に調整されるが、1分を超えてもよい。

0021

本実施形態においては、非晶質部分を含むインジウムスズ酸化物を堆積させる工程においてフィルム基材112を巻き取りロール124によって巻き取った後に、これに続くインジウムスズ酸化物を結晶化させる工程で用いる別のチャンバ内にフィルム基材112を移動させているが、フィルム基材112を巻き取ることなく、圧力調節室などを介して、インジウムスズ酸化物を結晶化させる工程に用いるチャンバにフィルム基材112を移動させてもよい。また、複数のチャンバを用いないで、一つのチャンバ内で、気圧を調整し、非晶質部分を含むインジウムスズ酸化物を堆積させる工程とインジウムスズ酸化物を結晶化させる工程とを行ってもよい。

0022

非晶質部分を含むインジウムスズ酸化物を堆積させる工程の実施後に、非晶質部分を加熱処理することによりインジウムスズ酸化物を結晶化させる工程が実施される。図2は、該工程の実施に用いる加熱装置200を示す概略図である。

0023

加熱装置200は、スパッタ装置100の巻き取りロール124から移された、非晶質部分を含むインジウムスズ酸化物が堆積したフィルム基材204を繰り出すための繰り出しロール208と、非晶質部分を含むインジウムスズ酸化物を加熱処理して、インジウムスズ酸化物を結晶化させる加熱室212と、フィルム基材204を巻き取る巻き取りロール216とを備える。また、加熱装置200は、安全等のためにチャンバ220を備えてもよい。加熱処理は、例えば、120℃から200℃の加熱室212に、非晶質部分を含むインジウムスズ酸化物が堆積したフィルム基材204を通過させることによって行う。加熱処理は、常圧(大気圧)環境下で行うことが好ましい。常圧環境下の加熱処理では、フィルム基材から発生する揮発成分量を低く抑えることができるので、結晶粒径の大きい結晶が得られやすい。結果として、光透過性に優れ、且つ比抵抗の小さい透明導電性フィルムを得ることができる。

0024

加熱時間は、インジウムスズ酸化物の結晶度に応じて、典型的には、10分から90分の範囲で調整されるが、この範囲外であってもよい。なお、インジウムスズ酸化物が結晶質化したことは、透過型電子顕微鏡TEM:Transmission Electron Microscope)を用いて面方向の結晶粒界成長を観察することにより確認できる。

0025

非晶質部分を含むインジウムスズ酸化物を加熱処理することにより結晶化させる工程を実施することで、フィルム基材と、該フィルム基材上に形成された結晶化したインジウムスズ酸化物層とを備える透明導電性フィルムを得ることができる。非晶質部分を含むインジウムスズ酸化物を堆積させる工程によって得られたインジウムスズ酸化物は、該工程で用いる水平方向磁場の大きさに関わらず、同一に見える。しかし、非晶質部分を含むインジウムスズ酸化物を堆積させる工程で水平方向磁場を大きくすると、インジウムスズ酸化物を結晶化させる工程後の結晶の結晶粒径が大きくなる。そのため、光透過性に優れ、且つ比抵抗が小さい(電気伝導性に優れる)透明導電性フィルムを得ることができる。これは、水平方向磁場を大きくすることにより、放電による膜への損傷も低減でき、結晶核が少ないインジウムスズ酸化物の非晶質が得られるため、結晶粒径が大きくなると考えられる。

0026

なお、フィルム基材の材料には、透明性と耐熱性に優れる点から、好ましくはポリエチレンテレフタレート、ポリシクロオレフィン又はポリカーボネートが用いられる。フィルム基材は、その表面に易接着層や、反射率を調整するための屈折率調整層(Index matching layer)、耐擦傷性を付与するためのハードコート層を備えていてもよい。

0027

フィルム基材の厚みは、例えば、10μmから200μmである。フィルム基材から発生する揮発成分量を少なくしてインジウムスズ酸化物の成膜性を向上させる点から、好ましくは15μmから50μmである。

0028

上記結晶化したインジウムスズ酸化物層の厚みは、好ましくは20nmから50nmであり、比抵抗は、好ましくは3.3×10-4以下Ω・cmであり、さらに好ましくは2.5×10-4Ω・cmから3.2×10-4Ω・cmである。上記結晶化したインジウムスズ酸化物の結晶の平均の結晶粒径は、好ましくは150nm以上であり、さらに好ましくは175nmから250nmである。

0029

[実施例1]
酸化スズを10重量%、酸化インジウムを90重量%として混合し、焼結して作られたターゲット材を配置したスパッタ装置に、厚み23μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなるフィルム基材を入れた。次いで、スパッタ装置のチャンバ内に、アルゴンガス99体積%と酸素ガス1体積%の混合ガスを封入し、チャンバ内を0.4Paの低圧環境に調整した。焼結して作られたターゲット材上の水平方向磁場を50mTとして、マグネトロンスパッタリング法により、フィルム基材上に、厚み32nmの非晶質を含むインジウムスズ酸化物を堆積させた。水平方向の磁場は、テスラメータ(カネテック製 TM—701)を用いて、JIS C2501に準じて測定した。

0030

その後、フィルム基材に堆積した非晶質部分を含むインジウムスズ酸化物を、140℃の加熱室内で、常圧環境下で90分間加熱処理した。フィルム基材上に形成された非晶質部分を含むインジウムスズ酸化物は、加熱処理することにより結晶化したことを確認した。

0031

結晶化したインジウムスズ酸化物の膜厚は、透過型電子顕微鏡(日立製作所製 H−7650)を用いて、断面を観察して測定した。また、フィルム基材の膜厚は、膜厚計(Peacock社製デジタルダイアルゲージDG−205)を用いて測定した。また、JIS K7194に準じて四端子法を用いて測定した表面抵抗値(Ω/□(ohms per square))に膜厚(cm)を乗算することによって、比抵抗を算出した。比抵抗の算出結果を表1に示す。

0032

結晶粒径は、結晶化したインジウムスズ酸化物を超ミクロトーム切削し、直接倍率6000倍で、透過型電子顕微鏡(日立製作所製 H−7650)を用いて撮影された写真から算出した。撮影された写真を画像解析処理して、結晶粒界の形状において最も長い径を、各粒子の径(nm)とし、25nm刻みのヒストグラムにして、ヒストグラムの平均値を得られた結晶の平均の結晶粒径とした。結晶粒径の値を表1に示す。

0033

全光線透過率は、デジタルヘーズメータ(日本電色工業製 NDH−20D)を用いて、JISK7105に準じて測定した。測定結果を表1に示す。

0034

[実施例2]
水平方向磁場を80mTに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で、透明導電性フィルムを作製し、各値の測定を行った。スパッタ装置の磁石の位置を調整することによって、水平方向磁場を調整した。測定結果を表1に示す。

0035

[実施例3]
水平方向磁場を130mTに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で、透明導電性フィルムを作製し、各値の測定を行った。測定結果を表1に示す。

0036

[実施例4]
水平方向磁場を150mTに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で、透明導電性フィルムを作製し、各値の測定を行った。測定結果を表1に示す。

0037

[実施例5]
水平方向磁場を180mTに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で、透明導電性フィルムを作製し、各値の測定を行った。測定結果を表1に示す。

0038

[比較例]
水平方向磁場を30mTに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で、透明導電性フィルムを作製し、各値の測定を行った。測定結果を表1に示す。

0039

0040

表1に示すように、ターゲット材上の水平方向磁場が、50mTから185mTである場合には、30mTの場合よりも光透過性に優れ、且つ比抵抗が小さい(電気伝導性に優れる)透明導電性フィルムが得られた。

0041

本発明の製造方法によって得られる透明導電性フィルムには、様々な用途があり、例えば、タッチパネル、好ましくは静電容量方式のタッチパネルに用いることができる。

0042

100スパッタ装置
104チャンバ
108ターゲット材
112フィルム基材
116繰り出しロール
120成膜ロール
124巻き取りロール
128ガイドロール
132 ガイドロール
136直流電源
140冷却ステージ
144磁石
200加熱装置
204 フィルム基材
208 繰り出しロール
212加熱室
216 巻き取りロール
220 チャンバ

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