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技術 無線通信装置及び通信方法

出願人 富士通株式会社
発明者 長谷川剛
出願日 2011年11月2日 (8年0ヶ月経過) 出願番号 2013-541548
公開日 2015年4月2日 (4年7ヶ月経過) 公開番号 WO2013-065156
状態 特許登録済
技術分野 時分割方式以外の多重化通信方式 無線伝送方式一般(ダイバーシチ方式等) 交流方式デジタル伝送
主要キーワード アルゴリズム毎 切り替え判断 動作率 電力処理 アナログ素子 レイリー分布 信号分離処理 回転成分
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図面 (18)

課題・解決手段

複数の受信アンテナで、複数の送信アンテナから送信された信号を受信する無線通信装置は、受信信号に基づいて生成される、送信アンテナと受信アンテナとの間の伝送路の特性を表すチャネル行列から、回転成分を除去する回転成分除去部と、少なくとも、第1の信号分離アルゴリズムを受信信号の復調処理に利用する信号分離部と、第2の信号分離アルゴリズムを受信信号の復調処理に利用する信号分離部とを含む複数の信号分離部と、回転成分が除去されたチャネル行列の所定の成分に基づいて、複数の信号分離部のうち、受信信号の復調処理に用いる信号分離部を決定する制御を行う制御部とを有する。

概要

背景

近年、移動無線通信の方式として、無線信号送受信に、複数のアンテナを利用するMIMO(Multiple Input Multiple Output)方式が使用されはじめている。特に、直交周波数分割多重(OFDM: Orthogonal Frequency Division Multiplexing)アクセスに、MIMO多重伝送を用いた場合、MIMO復調が容易になる。信号分離処理マルチパス干渉の影響を受けることなく高精度に実現できるためである。

直交周波数分割多重アクセスに、MIMO多重伝送を用いる具体的な無線通信方式には、LTE(Long Term Evolution)が含まれる。

MIMO技術における信号分離技術として、様々な方式が提案されている。

MIMO技術における信号分離技術のうち、MLD(Maximum Likelihood Detection)法を採用することが現実的とされている。MLD法を利用して復調処理を行うことにより、他の信号分離技術を利用して復調処理を行う場合と比較して、よい特性が得られるためである。しかし、演算処理量が大きい課題がある。

信号分離技術に関して、特性の劣化を抑えつつ、演算量を減少させたMLD法について知られている(例えば、非特許文献1参照)。このため、ユーザ端末へ、MLD法を利用した信号分離技術の実装が進むと想定される。

また、MIMO技術における信号分離技術として、MMSE(Minimum Mean Square Error)法を利用して復調処理を行うことも提案されている。MMSE法を利用して復調処理を行うことにより、MLD法を利用して復調処理を行う場合と比較して、演算量を減少させることができる。しかし、MLD法を利用して復調処理を行う場合と比較して、特性が劣る。

従って、演算量より、特性を優先させる場合には、MLD法を採用するのが好ましい。

概要

複数の受信アンテナで、複数の送信アンテナから送信された信号を受信する無線通信装置は、受信信号に基づいて生成される、送信アンテナと受信アンテナとの間の伝送路の特性を表すチャネル行列から、回転成分を除去する回転成分除去部と、少なくとも、第1の信号分離アルゴリズムを受信信号の復調処理に利用する信号分離部と、第2の信号分離アルゴリズムを受信信号の復調処理に利用する信号分離部とを含む複数の信号分離部と、回転成分が除去されたチャネル行列の所定の成分に基づいて、複数の信号分離部のうち、受信信号の復調処理に用いる信号分離部を決定する制御を行う制御部とを有する。

目的

開示の無線通信装置は、演算処理量の増大を抑えつつ、特性を改善することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

複数の受信アンテナで、複数の送信アンテナから送信された信号を受信する無線通信装置であって、受信信号に基づいて生成される、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間の伝送路の特性を表すチャネル行列から、回転成分を除去する回転成分除去部と、少なくとも、第1の信号分離アルゴリズムを前記受信信号の復調処理に利用する信号分離部と、第2の信号分離アルゴリズムを前記受信信号の復調処理に利用する信号分離部とを含む複数の信号分離部と、前記回転成分が除去されたチャネル行列の所定の成分に基づいて、前記複数の信号分離部のうち、前記受信信号の復調処理に用いる信号分離部を決定する制御を行う制御部と、を有する、無線通信装置。

請求項2

請求項1に記載の無線通信装置において、前記制御部は、前記回転成分除去部により回転成分が除去されたチャネル行列の所定の成分と、所定の閾値とに基づいて、前記複数の信号分離部のうち、前記受信信号の復調処理に用いる信号分離部を決定する制御を行う、無線通信装置。

請求項3

請求項2に記載の無線通信装置において、前記所定の閾値は、前記回転成分除去部により回転成分が除去されたチャネル行列の所定の成分により表される伝搬環境で、前記複数の信号分離部で利用されているアルゴリズムで復調された結果に基づいて設定される、無線通信装置。

請求項4

請求項1に記載の無線通信装置において、前記制御部は、前記回転成分除去部により回転成分が除去されたチャネル行列の所定の成分により表される伝搬環境で、前記複数の信号分離部で利用されているアルゴリズムで復調処理された結果受信誤りとなる割合に基づいて、前記複数の信号分離部のうち前記受信信号の復調処理に用いる信号分離部を決定する制御を行う、無線通信装置。

請求項5

請求項4に記載の無線通信装置において、前記制御部は、前記複数の信号分離部で利用されているアルゴリズム毎に用意された伝搬環境と、受信誤りとなる割合との間の関係を表すテーブルに基づいて、前記複数の信号分離部のうち前記受信信号の復調処理に用いる信号分離部を決定する制御を行う、無線通信装置。

請求項6

請求項1に記載の無線通信装置において、さらに、前記受信信号をサブキャリアの信号に変換する高速フーリエ変換部と、前記高速フーリエ変換部により変換されたそれぞれのサブキャリアの信号に基づいて、前記チャネル行列を生成するチャネル推定部と、を有し、前記回転成分除去部は、受信信号の第1のサブキャリアの信号について生成された第1のチャネル行列から回転成分を除去し、前記制御部は、前記回転成分が除去された前記第1のチャネル行列の所定の成分に基づいて、前記複数の信号処理部のうち、前記第1のサブキャリアの信号の復調処理に用いる信号分離部を決定する制御を行う、無線通信装置。

請求項7

請求項1に記載の無線通信装置において、前記回転成分除去部は、チャネル推定部により生成されたチャネル行列をQR分解することにより、回転成分を除去し、前記制御部は、前記QR分解されたチャネル行列のR行列の所定の成分に基づいて、前記複数の信号分離部のうち、前記受信信号の復調処理に用いる信号分離部を決定する制御を行う、無線通信装置。

請求項8

請求項7に記載の無線通信装置において、前記R行列は、で表わされる行列であり、前記所定の成分は、該R行列のa成分とc成分である、無線通信装置。

請求項9

請求項1に記載の無線通信装置において、前記制御部は、スロット毎に、前記複数の信号分離部のうち前記受信信号の復調処理に用いる信号分離部を決定する、無線通信装置。

請求項10

請求項9に記載の無線通信装置において、前記制御部は、前記スロットに含まれる所定のシンボルを利用して、前記複数の信号分離部のうち前記受信信号の復調処理に用いる信号分離部を決定する、無線通信装置。

請求項11

請求項9に記載の無線通信装置において、前記制御部は、前記スロットより前のスロットに含まれる所定のシンボルを利用して、前記複数の信号分離部のうち前記受信信号の復調処理に用いる信号分離部を決定する、無線通信装置。

請求項12

請求項6に記載の無線通信装置において、前記回転成分除去部は、前記チャネル推定部によりサブキャリアの信号毎に生成されたチャネル行列のうち、連続する複数のサブキャリアにより設定されたサブキャリアブロックに含まれる所定のサブキャリアの信号に対応するチャネル行列から回転成分を除去し、前記制御部は、前記回転成分除去部により回転成分が除去されたチャネル行列の所定の成分と、所定の閾値とに基づいて、前記複数の信号分離部から、前記所定のサブキャリア以外のサブキャリアの復調処理に用いる信号分離部を決定する、無線通信装置。

請求項13

請求項1に記載の無線通信装置において、前記複数の信号分離部により利用される信号分離アルゴリズムには、MLD法が含まれ、かつ、MMSE法及びZF法の少なくとの一方が含まれる、無線通信装置。

請求項14

請求項1に記載の無線通信装置において、前記制御部により決定された信号分離部により復調された前記受信信号の対数尤度比を計算する対数尤度比計算部と、該対数尤度比計算部により計算された対数尤度比に、前記信号分離の際に利用されたアルゴリズムに応じて、出力レベルを調整するための重み係数乗算する重み係数乗算部と、該重み係数乗算部により重み係数が乗算された対数尤度比に基づいて、前記受信信号を復号する復号部とを有する、無線通信装置。

請求項15

複数の受信アンテナで、複数の送信アンテナから送信された信号を受信する無線通信装置における通信方法であって、受信信号に基づいて生成される、前記送信アンテナと、前記受信アンテナとの間の伝送路の特性を表すチャネル行列から回転成分を除去し、前記回転成分が除去されたチャネル行列の所定の成分に基づいて、異なる複数の信号分離アルゴリズムのうち、前記受信信号の復調処理に用いる信号分離アルゴリズムを決定する、通信方法。

技術分野

0001

本発明は、無線通信システムに関する。

背景技術

0002

近年、移動無線通信の方式として、無線信号送受信に、複数のアンテナを利用するMIMO(Multiple Input Multiple Output)方式が使用されはじめている。特に、直交周波数分割多重(OFDM: Orthogonal Frequency Division Multiplexing)アクセスに、MIMO多重伝送を用いた場合、MIMO復調が容易になる。信号分離処理マルチパス干渉の影響を受けることなく高精度に実現できるためである。

0003

直交周波数分割多重アクセスに、MIMO多重伝送を用いる具体的な無線通信方式には、LTE(Long Term Evolution)が含まれる。

0004

MIMO技術における信号分離技術として、様々な方式が提案されている。

0005

MIMO技術における信号分離技術のうち、MLD(Maximum Likelihood Detection)法を採用することが現実的とされている。MLD法を利用して復調処理を行うことにより、他の信号分離技術を利用して復調処理を行う場合と比較して、よい特性が得られるためである。しかし、演算処理量が大きい課題がある。

0006

信号分離技術に関して、特性の劣化を抑えつつ、演算量を減少させたMLD法について知られている(例えば、非特許文献1参照)。このため、ユーザ端末へ、MLD法を利用した信号分離技術の実装が進むと想定される。

0007

また、MIMO技術における信号分離技術として、MMSE(Minimum Mean Square Error)法を利用して復調処理を行うことも提案されている。MMSE法を利用して復調処理を行うことにより、MLD法を利用して復調処理を行う場合と比較して、演算量を減少させることができる。しかし、MLD法を利用して復調処理を行う場合と比較して、特性が劣る。

0008

従って、演算量より、特性を優先させる場合には、MLD法を採用するのが好ましい。

先行技術

0009

Kenichi Higuchi, Hiroyuki Kawai、 Noriyuki Maeda, and Mamoru Sawahashi, “Adaptive Selection of Surviving Symbol Replica Candidates Based on Maximum Reliability in QRM−MLDfor OFCDMMIMO Multiplexing”、IEEE Communications Society Globecom 2004

発明が解決しようとする課題

0010

3GPP(3rd Generation Partnership Project)において、LTE(Long Term Evolution)から、さらなる高速大容量通信を実現するLTE−Advancedの検討が進められている。

0011

LTE−Advancedでは、高速・大容量通信を行うことが目標の1つとされている。高速・大容量通信を行うために、伝送帯域幅広帯域化する方向で検討されている。例えば、MLD法などのより大きな演算量を要する信号分離法を利用して復調処理を行う場合、伝送帯域幅が広帯域化するに従って当該演算量がさらに増大し、これにより、携帯電話端末などの受信機において消費電力が増大することが予想される。また、伝送帯域幅が広帯域化するに従って、MLD法により信号分離を行う回路規模も増大する。

0012

一方、MMSE法などのより演算量の小さい信号分離法を採用した場合は、消費電力や回路規模をより小さく抑えることができるが、十分な特性が得られない場合がある。

0013

開示の無線通信装置は、演算処理量の増大を抑えつつ、特性を改善することを目的とする。

課題を解決するための手段

0014

開示の一実施例の無線通信装置は、
複数の受信アンテナで、複数の送信アンテナから送信された信号を受信する無線通信装置であって、
受信信号に基づいて生成される、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間の伝送路の特性を表すチャネル行列から、回転成分を除去する回転成分除去部と、
少なくとも、第1の信号分離アルゴリズムを前記受信信号の復調処理に利用する信号分離部と、第2の信号分離アルゴリズムを前記受信信号の復調処理に利用する信号分離部とを含む複数の信号分離部と、
前記回転成分が除去されたチャネル行列の所定の成分に基づいて、前記複数の信号分離部のうち、前記受信信号の復調処理に用いる信号分離部を決定する制御を行う制御部と、
を有する。

発明の効果

0015

開示の実施例によれば、演算処理量の増大を抑えつつ、特性を改善することができる。

図面の簡単な説明

0016

無線通信装置の一実施例を示す図である。
伝搬環境受信誤りとの関係の一例を示す図である。
MMSE法と、MLD法との間で、復調処理を切り替えた場合の受信S/Nと、受信誤りとの間の関係の一例を示す図である。
MMSE法と、MLD法との間で、復調処理を切り替えた場合の受信S/Nと、受信誤りとの間の関係の一例を示す図である。
復調回路の一実施例を示す図である。
MMSE法と、MLD法との間で切り替え判断を行うタイミングの一例を示す図である。
MMSE法と、MLD法との間で切り替え判断を行うタイミングの一例を示す図である。
無線通信装置の動作の一実施例を示す図である。
MMSE法と、MLD法との間で切り替え判断を行うサブキャリアの一例を示す図である。
復調回路の一実施例を示す図である。
割当判断部の一実施例を示す図である。
伝搬環境と受信誤り率との関係の一例を示す図である。
伝搬環境と受信誤り率との関係の一例を示す図である。
無線通信装置の動作の一実施例を示す図である。
割当判断部の一実施例を示す図である。
無線通信装置の動作の一実施例を示す図である。
デジタル信号処理回路の一実施例を示す図である。

0017

100無線通信装置
102アンテナ
104AGCアンプ
106 A/Dコンバータ
108復調回路
110復号
112デジタル信号処理回路
202MMSE受信誤り取得部
204MLD受信誤り取得部
206加算
208サブキャリア割当設定部
210割当指示部
212成分抽出
214電力処理
1081FFT
1082チャネル推定
1083回転成分除去部
1084切替判断部
1085 スイッチ
1086j(jは、j>0の整数) 第1の信号分離部
1087k(kは、k>0の整数) 第2の信号分離部
1088 割当判断部
1089割当スイッチ
1090j+k(j、kは、j>0、0≦kの整数)LLR計算部
1091k(kは、k>0の整数)乗算

実施例

0018

以下、図面に基づいて、実施例を説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。

0019

<第1の実施例>
<無線通信装置>
図1は、無線通信装置100の一実施例を示す。無線通信装置100は、ユーザ端末に適用されてもよいし、基地局に適用されてもよい。図1には、主に、ハードウェア構成について示される。図1では、アナログ素子は省略される。具体的には、デュプレクサフィルタダウンコンバータ低雑音増幅回路(LNA: Low Noise Amplifier)等は省略される。また、図1には、1アンテナブランチについて示されるが、複数のアンテナ、AGC、A/Dコンバータを用意して復調回路108に入力することにより、MIMO多重された無線信号を受信することができる。

0020

無線通信装置100は、アンテナ102と、AGC(Automatic Gain Control)アンプ104と、A/Dコンバータ106と、復調回路108と、デジタル信号処理回路112とを有する。

0021

アンテナ102は、複数のアンテナを有する他の無線通信装置から送信された信号が多重された信号を受信する。

0022

AGCアンプ104は、アンテナ102と接続される。AGCアンプ104は、アンテナ102により受信され、さらにIF帯にダウンコンバートされた受信信号の振幅が変動する場合において、内蔵する増幅回路の利得を自動的に調整する。AGCアンプ104は、内蔵する増幅回路の利得を自動的に調節することにより線増幅された一定の信号をA/Dコンバータ106に出力する。

0023

A/Dコンバータ106は、AGCアンプ104と接続される。A/Dコンバータ106は、デジタル信号に、AGCアンプ104からのアナログ信号を変換する。A/Dコンバータ106は、デジタル信号を復調回路108に入力する。

0024

復調回路108は、A/Dコンバータ106と接続される。復調回路108は、A/Dコンバータ106からのデジタル信号に基づいて、同期検波、MIMO多重された信号を分離する処理等を行う。復調回路108により信号分離されたMIMO多重された信号は、ビット毎に対数尤度比(LLR: Log Likelihood Ratio)が計算され、デジタル信号処理回路112に入力される。

0025

デジタル信号処理回路112は、復調回路108と接続される。デジタル信号処理回路112は、復号部110を有する。復号部110は、復調回路108からの出力信号に基づいて、誤り訂正を行う。復号部110は、誤り訂正を行った結果得られた「0」、「1」からなるビット列を出力する。

0026

<復調処理>
図2は、伝搬環境と受信誤りとの関係を示す。図2には、伝送路を変化させた際の受信誤りの分布が示される。具体的には、2送受信アンテナブランチのMIMO多重伝送において、レイリー分布となるようなチャネル行列HをQR分解する。

0027

具体的に説明する。

0028

2本の送信アンテナから送信された信号を、2本の受信アンテナにより受信する場合を考える。2次元送信ベクトルをx、2次元受信ベクトルをy、2次元雑音ベクトルをn、2×2のチャネル行列をHとする。受信ベクトルyは、式(1)により表される。

0029

y=Hx+n (1)
また、チャネル行列は、送受信アンテナ間のチャネル応答値に表される成分を有する。「成分」は、「要素」と呼ばれてもよい。式(1)は、式(2)のように表すことができる。

0030

式(2)において、y0、y1は受信信号点、x0、x1は送信信号点(又は送信信号候補点)、h11、h12、h21、h22はチャネル行列Hの各成分、n0、n1は雑音の各成分を示す。

0031

ここで、チャネル行列Hは、式(3)に示されるように、ユニタリー行列Q(複素共役転置行列Q*との行列積が単位行列に等しい行列)と上三角行列Rとに分解できる(QR分解)。

0032

H=QR (3)
ここで、Rは、式(4)により表される。

0033

チャネル行列HをQR分解することにより得られる直交行列ユニタリ行列)Q、上三角行列Rのうち、上三角行列Rを正規化する。正規化された上三角行列Rの対角成分のうち、左上の成分(以下、「a」という)の2乗をX軸とし、右下の成分(以下、「c」という)の2乗をY軸とし、a2とc2により表される伝搬環境で、受信誤りが生じるかどうかをプロットする。成分aの絶対値をX軸とし、成分cの絶対値をY軸として、同様の処理を行ってもよい。Hの電力の大きい列が左側に来るように入れ替え処理をしてからQR分解をして、さらに求められた上三角行列Rを正規化してから用いることにより、図2において略三角形の形状となる分布に、全伝送路を収めることができる。

0034

図2には、MLD法及びMMSE法を利用して復調処理を行った結果エラーが生じなかった伝送路(All Points)、MMSE法を利用して復調処理を行った結果エラーが生じた伝送路(MMSE error)、MLD法を利用して復調処理を行った結果エラーが生じた伝送路(MLD error)について示される。MMSE法を利用して復調処理を行った結果エラーが生じた伝送路は、略三角形の形状となる分布の底辺付近に分布している。

0035

具体的には、c2が略0.1未満となる伝送路に大部分が該当する。MLD法を利用して復調処理を行った結果エラーが生じた伝送路は、略三角形の形状となる分布の底辺の両端付近に分布している。具体的には、c2が略0.1未満となる伝送路で、且つa2が略0.5以上略0.65未満、略0.85以上1未満に分布している。

0036

ここで、従来技術であるMMSE法とMLD法について簡単に説明する。

0037

<MMSE法>
受信アンテナqでの受信信号yqで表される受信ベクトルYは、式(5)で表される。一例として、送信アンテナの数が4(p=4)、受信アンテナの数が4(q=4)の場合について示す。

0038

ここで、Hは送信アンテナpと、受信アンテナqとの間のフェージング変動ξp,qにより表されるチャネル行列である。また、Xは送信アンテナpの送信信号dpにより表される送信ベクトル、Nは、受信アンテナqについて生じるガウス雑音nqにより表わされる雑音ベクトルである。式(5)はOFDMAの場合、各サブキャリアの受信シンボルに対応する。

0039

無線通信装置100は、受信したパイロットシンボルを用いてチャネル行列の推定値^Hを求め、該^Hから、式(6)に示されるウエイト行列を生成する。

0040

式(6)において、Iは単位行列を表し、AHは行列Aのエルミート転置を表す。無線通信装置100は、受信信号ベクトルに上記のウエイトWを乗算する。これにより、一の送信アンテナからの送信信号について、他の送信アンテナからの送信信号からの干渉抑圧するような等化処理を実行する。

0041

<MLD法>
MLD法は、最尤判定に基づく信号分離法である。全送信アンテナpのデジタル変調における送信信号点候補cpの全ての組み合わせについて、推定されたチャネル行列を用いて受信信号レプリカを生成する。全候補について受信信号と受信信号レプリカとの2乗のユークリッド距離に基づいて、式(7)に示されるように、メトリックeが計算される。一例として、送信アンテナが4(p=4)の場合について示す。

0042

式(7)において、メトリックeが最小となる送信シンボル候補cp(p=1...4)の組合せを選択することにより、信号分離を行う。

0043

図2によれば、同じS/Nであっても、c2がある程度の値より大きい場合には、MMSE法を利用して復調処理を行っても、ほとんど誤りが生じていないことが分かる。従って、c2がある程度の値より大きい伝送路ではMMSE法を利用して復調処理を行っても、特性に大きな影響を与えることはないと想定される。具体的には、c2が略0.1以上となる伝搬環境では、MMSE法を利用して復調処理を行っても、MLD法を利用して復調処理を行った場合と同様の特性が得られる。

0044

復調回路の一実施例では、MMSE法を利用して復調処理を行っても問題がないと想定される場合には、MMSE法を利用して復調処理を行う。具体的には、図2に示されるような、伝搬環境と受信誤りとの関係が得られる場合、c2が0.1以上となるときには、MMSE法を利用して復調処理を行う。

0045

伝送帯域幅が広帯域化された場合には、サブキャリア全体に渡って様々な伝搬路が分布すると想定される。伝搬路に応じて、MMSE法を利用して復調処理を行うことにより、全サブキャリアについてMLD法を利用して復調処理を行う場合よりも、復調に関する演算量を減少させることができる。

0046

図3は、MMSE法を利用した復調処理と、MLD法を利用した復調処理と、MMSEとMLDを、c2をもとに切り替えた場合のBER特性比較を示す。2本の送信アンテナから送信された信号を、2本の受信アンテナにより受信する場合について示す。また図3には、MMSE法を利用して復調処理を行った割合(using MMSE rate)も示す。送信信号の変調には、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)を用いた。

0047

図3に示される例では、c2が0.1以上である場合にはMMSE法を利用して復調処理を行い、c2が0.1未満である場合にはMLD法を利用して復調処理を行った。MMSE法を利用して復調処理された割合は、約0.6である。

0048

図3によれば、MMSE法とMLD法を切り替えて復調処理を行った場合の特性(SwitchBER)は、MMSE法を利用して復調処理を行った場合の特性(MMSE BER)よりも受信誤りが改善する。また、MMSE法とMLD法を切り替えて復調処理を行った場合の特性は、MLD法を利用して復調処理を行った場合の特性(MLD BER)とほぼ同様の特性が得られる。具体的にはMMSE法とMLD法を切り替えて復調処理を行った場合の特性は、MLD法を利用して復調処理を行った場合の特性と比較して、0.3dB程度の特性劣化で済んでいる。

0049

図4は、送信信号に16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)変調を用いた場合の、MMSE法を利用した復調処理と、MLD法を利用した復調処理と、MMSEとMLDをc2をもとに切り替えた場合のBER特性比較を示す。2本の送信アンテナから送信された信号を、2本の受信アンテナにより受信する場合について示す。図4には、MMSE法を利用して復調処理を行った割合(using MMSE rate)も示す。

0050

図4に示される例では、c2が0.1以上である場合にはMMSE法を利用して復調処理を行い、c2が0.1未満である場合にはMLD法を利用して復調処理を行った。MMSE法を利用して復調処理された割合は、約0.6である。

0051

図4によれば、MMSE法とMLD法を切り替えて復調処理を行った場合の特性(SwitchBER)は、MMSE法を利用して復調処理を行った場合の特性(MMSE BER)よりも受信誤りが改善する。また、MMSE法とMLD法を切り替えて復調処理を行った場合の特性は、MLD法を利用して復調処理を行った場合の特性(MLD BER)とほぼ同様の特性が得られ、最悪でも0.3dB程度の特性劣化である。

0052

図3図4から、チャネル推定等を行うことにより求められた伝送路(伝搬路)の情報に基づいて、MMSE法を利用した復調処理とMLD法を利用した復調処理とを切り替えることにより、特性劣化を抑えつつ演算処理量を減少させることができる。

0053

<復調回路108>
図5は、復調回路108の一実施例を示す。

0054

復調回路108は、高速フーリエ変換部(FFT: Fast Fourier Transform)1081と、チャネル推定部1082と、回転成分除去部1083と、切替判断部1084と、スイッチ1085と、第1の信号分離部1086と、第2の信号分離部1087とを有する。回転成分除去部1083、切替判断部1084、スイッチ1085、第1の信号分離部1086、第2の信号分離部1087の数は、サブキャリア数と同じであってもよいし、サブキャリア数以上であってもよい。図5には、一例として、1つのサブキャリアの信号(以下、「サブキャリア信号」という)に対応するものについて示す。

0055

高速フーリエ変換部1081、チャネル推定部1082、回転成分除去部1083、スイッチ1085、第1及び第2の信号分離部1086、1087の機能は、それぞれ、ハードウェアデジタル回路)、または、DSP(Digital Signal Processor)などのプロセッサにより実現することができる。また、切替判断部1084の機能は例えば、ファームウェアなどにより実現することができる。

0056

高速フーリエ変換部1081は、A/Dコンバータ106と接続される。高速フーリエ変換部1081は、A/Dコンバータ106からの時間領域のデジタル信号を周波数領域により表される信号に変換することにより各サブキャリア信号に分離する。

0057

チャネル推定部1082は、高速フーリエ変換部1081と接続される。チャネル推定部1082は、高速フーリエ変換部1081からの各サブキャリア信号に基づいて、サブキャリア信号毎に、送信アンテナと、受信アンテナとの間の伝送路の特性を表すチャネル推定を行う。例えば、チャネル推定部1082は、チャネル推定値として、チャネル行列を求める。チャネル推定部1082は、回転成分除去部1083に、チャネル行列を入力する。チャネル推定部1082は、回転成分除去部1083に、1つのサブキャリア信号に対応するチャネル行列を入力する。また、チャネル推定部1082は、第1の信号分離部1086、及び第2の信号分離部1087に、チャネル行列を入力する。

0058

回転成分除去部1083は、チャネル推定部1082と接続される。回転成分除去部1083は、チャネル推定部1082からのチャネル行列に基づいて、回転成分を除去する。具体的には、回転成分除去部1083には、チャネル推定部1082からのチャネル行列に基づいて、回転成分を取り除いた行列を求める。例えば、回転成分除去部1083は、チャネル推定部1082から、チャネル行列Hが入力された場合、チャネル行列Hを、ユニタリー行列(回転成分)と、それ以外の行列との積に分解する。この場合、回転成分除去部1083には、QR分解を用いてもよい。QR分解を用いた場合、回転成分を取り除いた行列は、上三角行列であり、対角成分が実数である。回転成分除去部1083は、切替判断部1084に、回転成分を取り除いた行列を表す情報を入力する。

0059

切替判断部1084は、回転成分除去部1083と接続される。切替判断部1084は、回転成分除去部1083からの回転成分を除去した行列に基づいて、MLD法を利用して復調処理を行うか、MMSE法を利用して復調処理を行うかを判断(決定)する。具体的には、切替判断部1084は、回転成分を除去した行列の成分に基づいて、MLD法を利用して復調処理を行うか、MMSE法を利用して復調処理を行うかを判断する。例えば、切替判断部1084は、回転成分を除去した行列の右下の成分の値に基づいて、該右下の成分の値の2乗が0.1未満である場合にはMLD法を利用して復調処理を行うと判断する。また、該右下の成分の値の2乗が0.1以上である場合にはMMSE法を利用して復調処理を行うと判断する。

0060

切替判断部1084は、MLD法を利用して復調処理を行うと判断した場合、第1の信号分離部1086側に高速フーリエ変換部1081からの出力信号つまり、サブキャリア信号が入力されるように切替えるための切替信号を出力する。また、切替判断部1084は、MMSE法を利用して復調処理を行うと判断した場合、第2の信号分離部1087側に高速フーリエ変換部1081からの出力信号つまり、サブキャリア信号が入力されるように切替えるための切替信号を出力する。

0061

<切替判断のタイミング(その1)>
切替判断部1084は、所定のタイミングで、MLD法を利用して復調処理を行うか、MMSE法を利用して復調処理を行うかを判断する。

0062

図6は、切替判断部1084が、MLD法を利用して復調処理を行うか、MMSE法を利用して復調処理を行うかを判断するタイミングの一例を示す。

0063

理想的には全シンボルで、MLD法を利用して復調処理を行うか、MMSE法を利用して復調処理を行うかを判断するのが好ましい。しかし、全シンボルで、復調処理を行うアルゴリズムを判断するのは、電力消費が大きくなること、処理負荷が大きくなること等の点からは好ましくない。また、現実には、伝搬環境が急激に変化することは少ないと想定される。従って、図6に示される例では、全シンボルで切替の判断をするのではなく、スロット毎に判断する。また、所定の間隔を空けたスロット毎に判断するようにしてもよい。

0064

スロット毎に判断する際に、該スロットに含まれる複数のOFDMシンボルのうち、所定のシンボルで判断を行うようにしてもよい。具体的には、1スロットに含まれる7つのOFDMシンボルのうち、先頭のOFDMシンボルで切替の判断を行う。切替の判断に利用されたOFDMシンボル以外のOFDMシンボルでは、切替の判断に利用されたOFDMシンボルの判断結果を利用する。つまり、切替の判断に利用されたOFDMシンボル以外のOFDMシンボルでは、切替の判断に利用されたOFDMシンボルの判断結果と同様のアルゴリズムにより復調処理を行う。

0065

このようにすることにより、切替えの判断に要する処理量を減少させることができる。

0066

<切替判断のタイミング(その2)>
切替判断部1084は、所定のタイミングで、MLD法を利用して復調処理を行うか、MMSE法を利用して復調処理を行うかを判断する。

0067

図7は、切替判断部1084が、MLD法を利用して復調処理を行うか、MMSE法を利用して復調処理を行うかを判断するタイミングの一例を示す。

0068

図7に示される例では、全シンボルで切替の判断をするのではなく、スロット毎に判断する。また、所定の間隔を空けたスロット毎に判断するようにしてもよい。

0069

スロット毎に判断する際に、該スロットより前のスロットに含まれる複数のOFDMシンボルのうち、所定のシンボルで切替の判断を行うようにしてもよい。具体的には、1スロットに含まれる7つのOFDMシンボルのうち、先頭のOFDMシンボルで切替の判断を行い、該先頭のOFDMシンボルを含むスロットより後のスロットで、切替の判断結果を利用する。

0070

<切替判断のタイミング(その1)>では、7OFDMシンボル毎に切替の判断が行われる。つまり、7OFDMシンボルの先頭のOFDMシンボルで、切替の判断が行われるとともに、切替の処理が行われる。切替の判断が行われるとともに、切替の処理が行われるため、この瞬間に演算量が増大する。<切替判断のタイミング(その2)>では、切替の対象となるスロットより前のスロットに含まれるOFDMシンボルで、切替の判断を行う。例えば、切替の対象となるスロットより前のスロットに含まれるOFDMシンボルの先頭のOFDMシンボルで判断を行う場合には、7OFDMシンボルの時間をかけて判断する処理を行うことができる。このため、演算の時間率を減少させることができる。

0071

スイッチ1085は、高速フーリエ変換部1081と、切替判断部1084と接続される。スイッチ1085は、切替判断部1084からの切替信号に従って、第1の信号分離部1086又は第2の信号分離部1087に、高速フーリエ変換部1081からのサブキャリア信号が入力されるように切替える。該サブキャリア信号は、チャネル推定部1082から、回転成分除去部1083に入力されたチャネル行列に対応するサブキャリア信号である。

0072

第1の信号分離部1086は、スイッチ1085と接続される。第1の信号分離部1086は、MLD法により高速フーリエ変換部1081からのサブキャリア信号の分離を行う。第1の信号分離部1086は、チャネル推定部1082からのチャネル行列を利用して、MLD法により高速フーリエ変換部1081からのサブキャリア信号の分離を行う。第1の信号分離部1086は、MLD法により高速フーリエ変換部1081からのサブキャリア信号の分離を行う際に、回転成分除去部1083によるQR分解の結果を利用するようにしてもよい。第1の信号分離部1086により信号分離されたサブキャリア信号は、ビット毎に対数尤度比が計算される。対数尤度比が計算された後、受信シンボルに信頼度情報を付加して、該信頼度情報が付加された受信シンボルを利用して復号を行う軟判定チャネル復号が行われる。

0073

第2の信号分離部1087は、スイッチ1085と接続される。第2の信号分離部1087は、MMSE法により高速フーリエ変換部1081からのサブキャリア信号に対して等化処理を行う。第2の信号分離部1087は、チャネル推定部1082からのチャネル行列を利用して、MMSE法により高速フーリエ変換部1081からのサブキャリア信号に対して等化処理を行う。第2の信号分離部1087により等化処理されたサブキャリア信号は、他のアンテナからの干渉が抑圧されている。第2の信号分離部1087により等化処理された信号は、ビット毎に対数尤度比が計算される。対数尤度比が計算された後、受信シンボルに信頼度情報を付加して、該信頼度情報が付加された受信シンボルを利用して復号を行う軟判定チャネル復号が行われる。

0074

MMSE法とMLD法を切り替えて復調処理を行うことにより、少なくとも一部のサブキャリア信号は、MMSE法を利用して復調処理が行われる。このため、MLD法を利用して信号分離を行う回路の動作率を減少させることができ、MLD法を利用して全サブキャリア信号の復調処理を行うより演算処理量を低減できる。MLD法を利用して信号分離を行う回路の動作率を減少させることにより消費電力を低減できる。

0075

復号回路108の一実施例では、信号分離処理の際に利用するアルゴリズムとして、MMSE法、MLD法から選択される場合について説明したが、他のアルゴリズムを含めて選択するようにしてもよい。具体的には、ZF(Zero−Forcing)法を含めたアルゴリズムから選択されてもよい。ZF法では、式(1)の両辺にチャネル行列の逆行列(H−1)を乗算することにより、2次元送信ベクトルxが検出される。

0076

<無線通信装置100の動作>
図8は、無線通信装置100の動作の一実施例を示す。図8には、主に、切替判断部1084による動作が示される。

0077

無線通信装置100は、信号分離の際に利用するアルゴリズムを選択する(ステップS802)。つまり、切替判断部1084は、サブキャリア信号毎に、MLD法を利用して復調処理を行うか、MMSE法を利用して復調処理を行うかを判断する。切替判断部1084は、チャネル行列Hを、回転成分を表すユニタリー行列と、チャネル行列から回転成分を取り除いた行列との積に分解した際に得られる回転成分を取り除いた行列に基づいて、MLD法を利用して復調処理を行うか、MMSE法を利用して復調処理を行うかを判断する。

0078

無線通信装置100は、ステップS802により選択されたアルゴリズムを利用して復調処理を行うように制御する(ステップS804)。つまり、切替判断部1084は、ステップS802により選択されたアルゴリズムに応じてスイッチ1085を切替えることにより選択したアルゴリズムで信号分離を行うように制御する。

0079

本実施例において、一部のサブキャリア信号について、MLD法を利用して復調処理を行うか、MMSE法を利用して復調処理を行うかを判断するようにしてもよい。

0080

図9は、一部のサブキャリアについてMLD法を利用して復調処理を行うか、MMSE法を利用して復調処理を行うかを判断する処理を示す。伝送路においては、
近い周波数のサブキャリアでは伝播チャネルも似たものになると想定される。

0081

図9に示される例では、複数のサブキャリアがグループ化される。ここでは、グループ化された複数のサブキャリアを、サブキャリアブロックという。サブキャリアブロックを単位として、MLD法を利用して復調処理を行うか、MMSE法を利用して復調処理を行うかが判断される。具体的には、サブキャリアブロックに含まれる複数のサブキャリアのうち、一部のサブキャリアを利用してMLD法を利用して復調処理を行うか、MMSE法を利用して復調処理を行うかが判断される。判断に利用されたサブキャリア以外のサブキャリアについては、判断に利用されたサブキャリアの判断結果が利用される。

0082

図9に示される例では、5サブキャリアによりサブキャリアブロックが形成される。サブキャリアブロックを単位として、MLD法を利用して復調処理を行うか、MMSE法を利用して復調処理を行うかが判断される。サブキャリアブロックを単位として、MLD法を利用して復調処理を行うか、MMSE法を利用して復調処理を行うかが判断される際に、サブキャリアブロックに含まれる1のサブキャリアが利用される。サブキャリアブロックを単位として、MLD法を利用して復調処理を行うか、MMSE法を利用して復調処理を行うかが判断される際に、サブキャリアブロックに含まれる複数のサブキャリアが利用されてもよい。

0083

図5に示される例では、サブキャリア信号毎に用意された複数の切替判断部から、サブキャリアブロック毎に切替の判断に利用される切替判断部が設定される。切替の判断に利用される切替判断部は、同じサブキャリアブロックに含まれるサブキャリアに対応する他の切替判断部に、切替の判断結果を通知する。

0084

このようにすることにより、切替えの判断に要する処理量を減少させることができる。

0085

<第2の実施例>
<無線通信装置>
無線通信装置100の一実施例は、図1を参照して説明した無線通信装置と略同一である。復調回路108の処理が、図1に示される無線通信装置と異なる。

0086

<復調回路108>
図10は、復調回路108の一実施例を示す。

0087

復調回路108は、高速フーリエ変換部1081と、チャネル推定部1082と、回転成分除去部1083と、割当判断部1088と、割当スイッチ1089と、第1の信号分離部10861−1086j(jは、0<jの整数)と、第2の信号分離部10861−1086k(kは、0<kの整数)とを有する。jとkとの和は、サブキャリア数と同じであってもよいし、サブキャリア数以上であってもよい。jとkとの和は、サブキャリア数の2倍未満であるのが好ましい。jの値とkの値は予め設定される。

0088

高速フーリエ変換部1081、チャネル推定部1082、回転成分除去部1083、割当スイッチ1089、第1及び第2の信号分離部10861−1086j、10861−1086kの機能は、それぞれ、ハードウェア(デジタル回路)、または、DSP(Digital Signal Processor)などのプロセッサにより実現することができる。また、割当判断部1088の機能は例えば、ファームウェアなどにより実現することができる。

0089

マルチキャリア通信では、一般にサブキャリア毎に異なる伝送路を有する。このため、伝送帯域幅が広帯域化した場合、MMSE法を利用した復調処理でよい特性が得られる伝送路と、MLD法を利用した復調処理の方が好ましい伝送路とが混在する。

0090

割当判断部1088は、回転成分除去部1083からのチャネル行列から回転成分を取り除いた行列に基づいて、サブキャリア毎に、MLD法を利用して復調処理を行うか、MMSE法を利用して復調処理を行うかを判断(決定)する。具体的には、チャネル行列から回転成分を取り除いた行列の成分に基づいて、MLD法を利用して復調処理を行うか、MMSE法を利用して復調処理を行うかを判断する。例えば、割当判断部1088は、チャネル行列から回転成分を取り除いた行列の右下の成分の値に基づいて、該右下の成分の値の2乗が0.1未満である場合にはMLD法を利用して復調処理を行うと判断する。該右下の成分の値の絶対値が0.1未満である場合にはMLD法を利用して復調処理を行うと判断するようにしてもよい。また、該右下の成分の値の2乗が0.1以上である場合にはMMSE法を利用して復調処理を行うと判断する。該右下の成分の絶対値が0.1以上である場合にはMMSE法を利用して復調処理を行うと判断するようにしてもよい。

0091

割当判断部1088は、MLD法を利用して復調処理を行うと判断した場合、第1の信号分離部1086jに高速フーリエ変換部1081からの出力信号が入力されるように割り当てるための割当信号を出力する。

0092

また、割当判断部1088は、MMSE法を利用して復調処理を行うと判断した場合、第2の信号分離部1087kに高速フーリエ変換部1081からの出力信号が入力されるように割り当てるための割当信号を出力する。

0093

割当スイッチ1089は、高速フーリエ変換部1081と、割当判断部1088と接続される。割当スイッチ1089は、割当判断部1088からの割当信号に従って、第1の信号分離部1086j又は第2の信号分離部1087kに、高速フーリエ変換部1081からの各サブキャリア信号が入力されるように割り当てる。

0094

第1の信号分離部1086jは、割当スイッチ1089と接続される。第1の信号分離部1086jは、MLD法により高速フーリエ変換部1081からのサブキャリア信号の分離を行う。第1の信号分離部1086jは、チャネル推定部1082からのチャネル行列を利用して、MLD法により高速フーリエ変換部1081からのサブキャリア信号の分離を行う。第1の信号分離部1086jは、MLD法により高速フーリエ変換部1081からのサブキャリア信号の分離を行う際に、回転成分除去部1083によるQR分解の結果を利用するようにしてもよい。第1の信号分離部1086jにより信号分離された信号は、ビット毎に対数尤度比が計算される。対数尤度比が計算された後、受信シンボルに信頼度情報を付加して、該信頼度情報が付加された受信シンボルを利用して復号を行う軟判定チャネル復号が行われる。

0095

第2の信号分離部1087kは、割当スイッチ1089と接続される。第2の信号分離部1087kは、MMSE法により高速フーリエ変換部1081からのサブキャリア信号に対して等化処理を行う。第2の信号分離部1087kは、チャネル推定部1082からのチャネル行列を利用して、MMSE法により高速フーリエ変換部1081からのサブキャリア信号に対して等化処理を行う。第2の信号分離部1087kにより等化処理された信号は、他のアンテナからの干渉が抑圧されている。第2の信号分離部1087kにより等化処理された信号は、ビット毎に対数尤度比が計算される。対数尤度比が計算された後、受信シンボルに信頼度情報を付加して、該信頼度情報が付加された受信シンボルを利用して復号を行う軟判定チャネル復号が行われる。

0096

MLD法を利用して復調処理を行う第1の信号分離部1086j、及びMMSE法を利用して復調処理を行う第2の信号分離部1086kが予め用意される。第1の信号分離部1086j、又は第2の信号分離部1086kに、高速フーリエ変換部1081からのサブキャリア信号を割り当てる。このようにすることにより、第1の信号分離部1086j、及び第2の信号分離部1086kの数を減少させることができるため、第1の実施例に示される無線通信装置よりも回路規模を縮小できる。

0097

復号回路108の一実施例では、信号分離処理の際に利用するアルゴリズムとして、MMSE法、MLD法から選択される場合について説明したが、他のアルゴリズムを含めて選択するようにしてもよい。具体的には、ZF法を含めたアルゴリズムから選択されてもよい。

0098

また、<切替判断のタイミング(その1)>及び<切替判断のタイミング(その1)>に示される方法に従って、割当判断部1088は、割当の判断を行うようにしてもよい。

0099

<無線通信装置100の動作>
無線通信装置100の動作の一実施例は、図8を参照して説明した動作と略同一である。但し、ステップ804における処理が異なる。ステップS804では、選択されたアルゴリズムを利用して復調処理を行うように制御する際に、割当判断部1088からの割当信号に基づいて行われる。つまり、割当判断部1088からの割当信号に従って、割当スイッチ1089が、選択されたアルゴリズムで信号分離を行うように制御する。

0100

本実施例において、一部のサブキャリア信号について、MLD法を利用して復調処理を行うか、MMSE法を利用して復調処理を行うかを判断するようにしてもよい。

0101

図9には、一部のサブキャリア信号についてMLD法を利用して復調処理を行うか、MMSE法を利用して復調処理を行うかを判断する処理を示す。伝送路においては、近い周波数のサブキャリアでは伝播チャネルも似たものになると想定される。

0102

サブキャリアブロックを単位として、MLD法を利用して復調処理を行うか、MMSE法を利用して復調処理を行うかが判断される。具体的には、サブキャリアブロックに含まれる複数のサブキャリア信号のうち、一部のサブキャリア信号を利用してMLD法を利用して復調処理を行うか、MMSE法を利用して復調処理を行うかが判断される。判断に利用されたサブキャリア信号以外のサブキャリア信号については、判断に利用されたサブキャリア信号の判断結果が利用される。

0103

例えば、図9に示される例では、5サブキャリア信号によりサブキャリアブロックが形成される。サブキャリアブロックを単位として、MLD法を利用して復調処理を行うか、MMSE法を利用して復調処理を行うかが判断される。サブキャリアブロックを単位として、MLD法を利用して復調処理を行うか、MMSE法を利用して復調処理を行うかが判断される際に、サブキャリアブロックに含まれる1のサブキャリア信号が利用される。該判断の際に、サブキャリアブロックに含まれる複数のサブキャリア信号が利用されてもよい。

0104

割当判断部1088は、サブキャリアブロックを単位として、該サブキャリアブロックに含まれる所定のサブキャリア信号を利用して、MLD法を利用して復調処理を行うか、MMSE法を利用して復調処理を行うかを判断する。割当判断部1088は、該所定のサブキャリア信号以外のサブキャリア信号については、該所定のサブキャリア信号の判断結果を利用して、第1の信号分離部1086j及び第2の信号分離部1087kのうち、同じものにサブキャリア信号を割り当てる。

0105

<割当判断部1088の変形例(その1)>
図11は、割当判断部1088の一変形例を示す。

0106

割当判断部1088は、MMSE受信誤り取得部202と、MLD受信誤り取得部204と、加算部206と、サブキャリア割当設定部208と、割当指示部210とを有する。

0107

割当判断部1088の一変形例では、信号分離に利用されるアルゴリズムに応じて、誤り率の分布が予め求められる。

0108

図12図13は、伝搬環境と受信誤り率との関係を示す。図12図13には、伝送路を変化させた際の受信誤り率の分布が示される。S/Nが既知である場合には、図2を参照して説明した伝送環境と受信誤りとの関係において誤り率の分布を求めることができる。

0109

図12には、MMSE法を利用して復調処理を行った場合の受信誤り率の分布の一実施例を示す。図12に示されている数値は一例であり、S/Nに応じて異なる値を取り得る。

0110

図13には、MLD法を利用して復調処理を行った場合の受信誤り率の分布の一実施例を示す。図13に示されている数値は一例であり、S/Nに応じて異なる値を取り得る。

0111

MMSE受信誤り取得部202は、回転成分除去部1083と接続される。MMSE受信誤り取得部202は、回転成分除去部1083からのチャネル行列から回転成分を取り除いた行列に基づいて、MMSE法を利用して復調処理を行った場合における受信誤り率を取得する。具体的には、MMSE受信誤り取得部202には、図12に示されるMMSE受信誤りテーブルが格納される。MMSE受信誤り取得部202は、回転成分除去部1083からのチャネル行列から回転成分を取り除いた行列を表す情報に含まれる対角成分「a」と、「c」に基づいて、受信誤り率を取得する。

0112

例えば、図12に示されるMMSE受信誤りテーブルから受信誤り率として、「0.5」が取得されてもよい。MMSE受信誤り取得部202は、加算部206に、MMSE受信誤りテーブルから取得された受信誤り率を入力する。MMSE受信誤り取得部202は、加算部206に、MMSE受信誤りテーブルから取得された受信誤り率を入力する際に、符号を反転する。

0113

MLD受信誤り取得部204は、回転成分除去部1083と接続される。MLD受信誤り取得部204は、回転成分除去部1083からのチャネル行列から回転成分を取り除いた行列に基づいて、MLD法を利用して復調処理を行った場合における受信誤り率を取得する。具体的には、MLD受信誤り取得部204には、図13に示されるMLD受信誤りテーブルが格納される。MLD受信誤り取得部204は、回転成分除去部1083からのチャネル行列から回転成分を取り除いた行列を表す情報に含まれる対角成分「a」と、「c」に基づいて、受信誤り率を取得する。

0114

例えば、図13に示されるMLD受信誤りテーブルから受信誤り率として、「0.2」が取得される。MLD受信誤り取得部204は、加算部206に、MLD受信誤りテーブルから取得された受信誤り率を入力する。

0115

加算部206は、MMSE受信誤り率取得部202と、MLD受信誤り取得部204と接続される。加算部206は、MMSE受信誤り取得部202からの符号が反転された受信誤り率と、MLD受信誤り取得部204からの受信誤り率とを加算する。加算部206は、サブキャリア割当設定部208に、MMSE受信誤り取得部202からの符号が反転された受信誤り率と、MLD受信誤り取得部204からの受信誤り率とが加算された値(以下、「加算値」という)を入力する。

0116

サブキャリア割当設定部208は、加算部206と接続される。また、サブキャリア割当設定部208には、サブキャリア番号を表す情報が入力される。サブキャリア割当設定部208は、加算部206からの加算値に従って、サブキャリア番号を表す情報を並べ替える。サブキャリア番号は、回転成分除去部1083から割当判断部1088に入力されるチャネル行列から回転成分を取り除いた行列に対応するサブキャリア信号を表す番号である。つまり、全サブキャリア信号に対して、加算値が求められる。サブキャリア割当設定部208は、加算値の値が大きい順に並べ替えるようにしてもよい。

0117

サブキャリア番号を表す情報を並べ替えることにより、サブキャリアを割り当てる第1の信号分離部1086j又は第2の信号分離部1087kを設定する。サブキャリア割当設定部208は、割当指示部210に、サブキャリア番号を表す情報を並べ替えることにより得られるサブキャリア番号の順序を表す情報を入力する。

0118

割当指示部210は、サブキャリア割当設定部208からのサブキャリア番号の順序を表す情報に従って、割当スイッチ1089に、サブキャリアの割当を指示するための割当信号を生成する。割当指示部210は、割当スイッチ1089に、割当信号を入力する。

0119

本実施例によれば、MMSE法を利用して復調処理を行う場合の受信誤り率と、MLD法を利用して復調処理を行う場合の受信誤り率との差が大きい方からj番目まではMLD法を利用して復調処理を行う第1の信号分離部1086jに割り当てられる。j+1番目からj+k番目まではMMSE法を利用して復調処理を行う第2の信号分離部1086kに割り当てられる。MMSE法を利用して復調処理を行う場合の受信誤り率と、MLD法を利用して復調処理を行う場合の受信誤り率との差が大きくなるに従って、図2においてc2が小さくなる場合の伝搬環境に近づくと想定される。従って、MLD法を利用して復調処理を行う。

0120

一方、MMSE法を利用して復調処理を行う場合の受信誤り率と、MLD法を利用して復調処理を行う場合の受信誤り率との差が小さくなるに従って、図2においてc2が大きくなる場合の伝搬環境に近づくと想定される。従って、MMSE法を利用して復調処理を行う。

0121

<無線通信装置100の動作>
図14は、無線通信装置100の動作の一実施例を示す。図14には、主に、割当判断部1088により実行される動作が示される。

0122

無線通信装置100は、各サブキャリアのチャネル行列から回転成分を取り除いた行列の要素に基づいて、MMSE受信誤りテーブルから、MMSE受信誤り率を取得する(ステップS1402)。つまり、MMSE受信誤り取得部202は、MMSE受信誤りテーブルから、チャネル行列から回転成分を取り除いた行列の要素「a」と、「c」に基づいて、MMSE受信誤り率を取得する。

0123

無線通信装置100は、各サブキャリアのチャネル行列から回転成分を取り除いた行列の要素に基づいて、MLD受信誤りテーブルから、MLD受信誤り率を取得する(ステップS1404)。つまり、MLD受信誤り取得部204は、MLD受信誤りテーブルから、チャネル行列から回転成分を取り除いた行列の要素「a」と、「c」に基づいて、MLD受信誤り率を取得する。

0124

無線通信装置100は、MMSE受信誤り率と、MLD受信誤り率との差が大きい順に、サブキャリア番号を並べ替える(ステップS1406)。つまり、加算部206は、MMSE受信誤り取得部202により取得され、符号が反転されたMMSE受信誤り率と、MLD受信誤り取得部204により取得されたMLD受信誤り率とを加算する。加算部206により求められた加算値に対応するサブキャリア番号は、サブキャリア割当設定部208により、加算値が大きい順に並べ替えられる。

0125

無線通信装置100は、ステップS1406により並べ替えられたサブキャリア番号の順序に従って、MLD法を利用した復調処理と、MMSE法を利用した復調処理にサブキャリアを割り当てる(ステップS1408)。つまり、割当指示部210は、サブキャリア割当設定部208からのサブキャリア番号の順序を表す情報に従って、割当スイッチ1089に、サブキャリアの割当を指示するための割当信号を生成する。割当指示部210は、割当スイッチ1089に、割当信号を入力する。

0126

また、信号分離処理の際に利用するアルゴリズムとして、MMSE法、MLD法以外のアルゴリズムを含めて割り当てるようにしてもよい。具体的には、ZF法を含めたアルゴリズムを含めて、割り当てるようにしてもよい。

0127

また、第1の実施例における切替判断部1084に、割当判断部1088の処理を適用してもよい。この場合、加算値に閾値を設定し、閾値以上であれば第1の信号分離部1086により処理されるように、切替判断部1084は切替信号を出力する。また、閾値未満であれば第2の信号分離部1087により処理されるように、切替判断部1084は切替信号を出力する。

0128

<割当判断部1088の変形例(その2)>
図15は、割当判断部1088の一変形例を示す。

0129

割当判断部1088は、成分抽出部212と、電力化処理部214と、サブキャリア割当設定部208と、割当指示部210とを有する。

0130

成分抽出部212は、回転成分除去部1083と接続される。成分抽出部212は、回転成分除去部1083からのチャネル行列から回転成分を取り除いた行列に基づいて、所定の成分を取得する。具体的には、成分抽出部212は、チャネル行列から回転成分を取り除いた行列を表す情報に含まれる対角成分の1つである「c」を取得する。成分抽出部212は、電力化処理部214に、取得した成分(以下、「取得成分」という)を表す情報を入力する。

0131

電力化処理部214は、成分抽出部212と接続される。電力化処理部214は、成分抽出部212からの取得成分を表す情報を2乗することにより電力化処理を行う。電力化処理部214は、成分抽出部212からの取得成分を表す情報の絶対値をとることにより電力化処理を行うようにしてもよい。電力化処理部214は、サブキャリア割当設定部208に、電力化処理された取得成分を示す情報を入力する。

0132

サブキャリア割当設定部208は、電力化処理部214と接続される。また、サブキャリア割当設定部208には、サブキャリア番号を表す情報が入力される。サブキャリア割当設定部208は、電力化処理部214からの電力化処理された取得成分を示す情報に従って、サブキャリア番号を表す情報を並べ替える。サブキャリア番号は、回転成分除去部1083から割当判断部1088に入力されるチャネル行列から回転成分を取り除いた行列に対応するサブキャリア信号を表す番号である。つまり、全サブキャリア信号に対して、電力化処理された取得成分が求められる。

0133

サブキャリア割当設定部208は、電力化処理された取得成分の値が小さい順に並べ替えるようにしてもよい。サブキャリア番号を表す情報を並べ替えることにより、サブキャリアを割り当てる第1の信号分離部1086j又は第2の信号分離部1087kを設定する。サブキャリア割当設定部208は、割当指示部210に、サブキャリア番号を表す情報を並べ替えることにより得られるサブキャリア番号の順序を表す情報を入力する。

0134

割当指示部210は、サブキャリア割当設定部208からのサブキャリア番号の順序を表す情報に従って、割当スイッチ1089に、サブキャリアの割当を指示するための割当信号を生成する。割当指示部210は、割当スイッチ1089に、割当信号を入力する。

0135

図12図13によれば、チャネル行列から回転成分を取り除いた行列に含まれる成分cの絶対値が小さくなるに従って、BER(Bit Error Rate)が大きくなる傾向が見られる。さらに、MMSE法を利用して復調処理を行う場合のBERと、MLD法を利用して復調処理を行う場合のBERとの間の差分も、成分cの絶対値が小さくなるに従って、大きくなる傾向が見られる。

0136

本実施例によれば、チャネル行列から回転成分を取り除いた行列に含まれる成分cを抽出し、該成分cの絶対値が小さい順序となるように、サブキャリアを並べ替える。成分cの絶対値が小さい方からj番目までは第1の信号分離部1086jに割り当てられる。j+1番目からj+k番目までは第2の信号分離部1086kに割り当てられる。このようにすることにより、MMSE法を利用した復調処理、MLD法を利用した復調処理を有効に利用することができる。

0137

<無線通信装置100の動作>
図16は、無線通信装置100の動作の一実施例を示す。図16には、主に、割当判断部1088により実行される動作が示される。

0138

無線通信装置100は、各サブキャリアのチャネル行列から回転成分を取り除いた行列から所定の成分を抽出する(ステップS1602)。つまり、成分抽出部212は、チャネル行列から回転成分を取り除いた行列から、成分cを抽出する。

0139

無線通信装置100は、ステップS1602により取得された所定の成分に対して電力化処理を行う(ステップS1604)。つまり、電力化処理部214は、成分cを2乗することにより電力化処理を行う。成分cを2乗する代わりに、成分cの絶対値を求めるようにしてもよい。

0140

無線通信装置100は、電力化処理された所定の成分の値に基づいて、サブキャリア番号を並べ替える(ステップS1606)。つまり、サブキャリア割当設定部208は、成分cの2乗又は成分cの絶対値が小さい順に、サブキャリア番号を並べ替える。

0141

無線通信装置100は、ステップS1606により並べ替えられたサブキャリア番号の順序に従って、MLD法を利用した復調処理と、MMSE法を利用した復調処理にサブキャリアを割り当てる(ステップS1608)。つまり、割当指示部210は、サブキャリア割当設定部208からのサブキャリア番号の順序を表す情報に従って、割当スイッチ1089に、サブキャリアの割当を指示するための割当信号を生成する。割当指示部210は、割当スイッチ1089に、割当信号を入力する。

0142

また、信号分離処理の際に利用するアルゴリズムとして、MMSE法、MLD法以外のアルゴリズムを含めて割り当てるようにしてもよい。具体的には、ZF法を含めたアルゴリズムを含めて、割り当てるようにしてもよい。

0143

また、第1の実施例における切替判断部1084に、割当判断部1088の処理を適用してもよい。この場合、成分cの絶対値に閾値を設定し、閾値未満であれば第1の信号分離部1086により処理されるように、切替判断部1084は切替信号を出力する。また、閾値以上であれば第2の信号分離部1087により処理されるように、切替判断部1084は切替信号を出力する。

0144

<割当判断部1088の変形例(その3)>
割当判断部1088の一変形例は、図15と略同一である。

0145

成分抽出部212は、回転成分除去部1083と接続される。成分抽出部212は、回転成分除去部1083からのチャネル行列から回転成分を取り除いた行列に基づいて、所定の成分を取得する。具体的には、成分抽出部212は、チャネル行列から回転成分を取り除いた行列を表す情報に含まれる対角成分「a」と、「c」を取得する。成分抽出部212は、電力化処理部214に、取得した成分(以下、「取得成分」という)を表す情報を入力する。

0146

電力化処理部214は、成分抽出部212からの取得成分を表す情報に基づいて、成分aを、成分cで除算し、さらに、除算された値を2乗することにより電力化処理を行う。電力化処理部214は、成分抽出部212からの取得成分を表す情報に基づいて、成分aを、成分cで除算し、さらに、除算された値の絶対値をとることにより電力化処理を行うようにしてもよい。電力化処理部214は、サブキャリア割当設定部208に、電力化処理された取得成分を示す情報を入力する。

0147

サブキャリア割当設定部208は、電力化処理部214からの電力化処理された取得成分を示す情報に従って、サブキャリア番号を表す情報を並べ替える。サブキャリア番号は、回転成分除去部1083から割当判断部1088に入力されるチャネル行列から回転成分を取り除いた行列に対応するサブキャリア信号を表す番号である。つまり、全サブキャリア信号に対して、電力化処理された取得成分が求められる。サブキャリア割当設定部208は、電力化処理された取得成分の値が大きい順に並べ替えるようにしてもよい。サブキャリア番号を表す情報を並べ替えることにより、サブキャリアを割り当てる第1の信号分離部1086j又は第2の信号分離部1087kを設定する。サブキャリア割当設定部208は、割当指示部210に、サブキャリア番号を表す情報を並べ替えることにより得られるサブキャリア番号の順序を表す情報を入力する。

0148

割当指示部210は、サブキャリア割当設定部208からのサブキャリア番号の順序を表す情報に従って、割当スイッチ1089に、サブキャリアの割当を指示するための割当信号を生成する。割当指示部210は、割当スイッチ1089に、割当信号を入力する。

0149

本実施例によれば、チャネル行列から回転成分を取り除いた行列に含まれる成分aと、成分cを抽出し、該成分aを、成分cで除算し、該除算された値の絶対値が大きい順序となるように、サブキャリアを並べ替える。該除算された値の絶対値が大きい方からj番目まではMLD法を利用して復調処理を行う第1の信号分離部1086jに割り当てられる。j+1番目からj+k番目まではMMSE法を利用して復調処理を行う第2の信号分離部1086kに割り当てられる。このようにすることにより、MMSE法を利用した復調処理、MLD法を利用した復調処理を有効に利用することができる。

0150

<無線通信装置100の動作>
無線通信装置100の動作の一実施例は、図16と略同一である。

0151

ステップS1602では、無線通信装置100は、各サブキャリアのチャネル行列から回転成分を取り除いた行列から所定の成分を抽出する。つまり、成分抽出部212は、チャネル行列から回転成分を取り除いた行列から、成分aと、成分cを抽出する。

0152

ステップS1604では、無線通信装置100は、ステップS1602により取得された所定の成分に基づいて電力化処理を行う。つまり、電力化処理部214は、成分aを、成分cで除算し、該除算された値を2乗することにより電力化処理を行う。成分aを、成分cで除算し、該除算された値を2乗する代わりに、成分aを、成分cで除算し、該除算された値の絶対値を求めるようにしてもよい。

0153

ステップS1606では、無線通信装置100は、電力化処理された所定の成分に基づいて、サブキャリア番号を並べ替える。つまり、サブキャリア割当設定部208は、成分aを、成分cで除算し、該除算された値を2乗した値又は成分aを、成分cで除算し、該除算された値の絶対値が大きい順に、サブキャリア番号を並べ替える。

0154

ステップS1608では、無線通信装置100は、ステップS1606により並べ替えられたサブキャリア番号の順序に従って、MLD法を利用した復調処理と、MMSE法を利用した復調処理にサブキャリアを割り当てる。つまり、割当指示部210は、サブキャリア割当設定部208からのサブキャリア番号の順序を表す情報に従って、割当スイッチ1089に、サブキャリアの割当を指示するための割当信号を生成する。割当指示部210は、割当スイッチ1089に、割当信号を入力する。

0155

また、信号分離処理の際に利用するアルゴリズムとして、MMSE法、MLD法以外のアルゴリズムを含めて割り当てるようにしてもよい。具体的には、ZF法を含めたアルゴリズムを含めて、割り当てるようにしてもよい。

0156

また、第1の実施例における切替判断部1084に、割当判断部1088の処理を適用してもよい。この場合、成分aを、成分cで除算し、該除算された値を2乗した値又は成分aを、成分cで除算し、該除算された値の絶対値に閾値を設定し、閾値以上であれば第1の信号分離部1086により処理されるように、切替判断部1084は切替信号を出力する。また、閾値未満であれば第2の信号分離部1087により処理されるように、切替判断部1084は切替信号を出力する。

0157

<第3の実施例>
<無線通信装置>
無線通信装置100の一実施例は、図1を参照して説明した無線通信装置と略同一である。

0158

<復調回路108>
復調回路108の一実施例は、図10と略同一である。但し、第1の信号分離部10861−1086j、第2の信号分離部10871−1087kとそれぞれ接続されたLLR計算部10901−1090j+kと、LLR計算部1090j+1−1090j+kとそれぞれ接続された乗算部10911−1091kを有する点で異なる。

0159

LLR計算部10901−1090jから出力される信号、及び乗算部10911−1091kから出力される信号は、復号部110に入力される。

0160

LLR計算部10901−1090jは、第1の信号分離部10861−1086jから出力される信号に基づいて、ビット毎に対数尤度比を計算する。LLR計算部10901−1090jは、復号部110に、ビット毎に計算された対数尤度比を表す情報を入力する。

0161

LLR計算部1090j+1−1090j+kは、第2の信号分離部10871−1087kから出力される信号に基づいて、ビット毎に対数尤度比を計算する。LLR計算部1090j+1−1090j+kは、乗算部10911−1091kに、ビット毎に計算された対数尤度比を表す情報を入力する。

0162

乗算部10911−1091kは、LLR計算部1090j+1−1090j+kからのビット毎に計算された対数尤度比と、ウエイトとを乗算する。乗算部10911−1091kは、ウエイトが乗算された対数尤度比を復号部110に入力する。

0163

復号部110は、誤り訂正符号を用いて復号を行う。復号部110は、復号を行う際に、復調結果から生成されるLLRに基づいて、復号を行う。復調結果から生成されるLLRは、復調処理の際に利用されるアルゴリズムにより信号レベルが異なる場合がある。復調処理の際に利用されるアルゴリズムが異なる場合には、振幅レベルを調整することが好ましい。図17に示される例では、LLR計算部1090j+1−1090j+kにより出力される信号に重み係数が乗算される。LLR計算部10901−1090jにより出力される信号に重み係数が乗算されるようにしてもよい。このようにすることにより、復調処理の際に利用されるアルゴリズムが異なっていてもLLR計算部からの出力信号の振幅レベルを合わせることができる。従って、復調処理の際に利用されるアルゴリズムが異なっていても、整合性のとれた軟判定ビットを復号部110に渡すことができる。

0164

本実施例によれば、QR分解された伝搬路行列を用いて、MMSE法を利用した復調処理と、MLD法を利用した復調処理とを切替える。つまり、MMSE法を利用した復調処理でもよい特性が得られる伝搬路では、MMSE法を利用して復調処理を行う。具体的には、約6割のサブキャリアについて、MMSE法を利用して復調処理を行った結果、0.2dB程度の特性劣化に抑えることができる。

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