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技術 内燃機関のオイル劣化判定装置

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 伊藤雄介
出願日 2011年10月20日 (7年4ヶ月経過) 出願番号 2013-539416
公開日 2015年4月2日 (3年10ヶ月経過) 公開番号 WO2013-057768
状態 特許登録済
技術分野 内燃機関潤滑の細部、換気
主要キーワード 走行距離カウンタ 蓄積カウンタ 交換期間 エンジンオイル交換 酸中和性 検知期間 ポリイソブテニルコハク酸イミド 清浄性能
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年4月2日)のものです。
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図面 (5)

課題

車両の運転状態にかかわらずにオイル劣化を正確に判定することができる内燃機関オイル劣化判定装置を提供すること。

解決手段

EFI−ECU41が、エンジン1の温度と燃料噴射量とに基づいてオイルパン4に蓄積されるスラッジプリカーサ量を推定する。特に、EFI−ECU41は、検知時機を含む一定の検知期間毎にエンジン1の燃焼室7に噴射された燃料量を算出し、エンジン1の現在の温度に基づいて算出された単位燃料量当たりのスラッジプリカーサの蓄積量の算出値と、前回の検知時機から今回の検知時機の間の検知期間に噴射された燃料量の算出値とに基づいてオイルパン4に蓄積されるスラッジプリカーサ量を推定し、このスラッジプリカーサの蓄積量が一定値以上となったときに、エンジンオイルOが劣化したものと判断する。

概要

背景

自動車等の車両に搭載されるエンジンでは、ピストンクランクシャフトコネクティングロッド等の各摺動部位を、エンジン内を循環するエンジンオイルによって潤滑および冷却しているが、このエンジンオイルは、エンジンの使用に伴って劣化する。

エンジンオイルには、エンジンオイルの性能を付与するために添加剤混入されており、エンジンオイルを使用すると、添加剤が消耗することで、付与されているエンジンオイルの性能が低下する。

また、エンジンの使用に伴いエンジンオイルに汚れが混入する。この結果、エンジンオイルが劣化し、エンジンオイルが潤滑剤として十分に機能し難くなるため、エンジンオイルを交換する必要がある。

オイルが劣化した際に発生する現象の一つとしてスラッジがある。スラッジの生成過程としては、まず、燃料中のオレフィンアロマティクス等の構造を有する炭化水素燃焼室燃焼した際に、スラッジプリカーサ(スラッジ前駆体)が生成される。

このスラッジプリカーサは、主に燃焼室内のピストンを潤滑するエンジンオイルに捕捉される。エンジンオイルに捕捉されたスラッジプリカーサは、シリンダとピストンとの間を通してオイルパン内に落下する。
一方、エンジンオイルには、エンジンオイルの性能を付与するために数十%程度の添加剤が付与されている。

添加剤コンポーネントには様々な種類があり、エンジンオイルに分散および清浄性能を付与する添加剤コンポーネントとして、例えば、ポリイソブテニルコハク酸イミド系の無灰分散剤がある。

また、特に高温時に酸中和および清浄性能を付与する添加剤コンポーネントとしては、Caフォネート、Caスルフォネート、Caサリシレート等の金属系清浄剤等がある。
エンジンオイル中に上述したスラッジプリカーサが混入すると、スラッジプリカーサが無灰分散剤によってエンジンオイル中に分散するようになる。

ところが、エンジンの使用に応じてエンジンオイルの分散性能の低下が進行するとともに、エンジンオイル中に捕捉されたスラッジプリカーサ量が運転状態に応じて増大してくると、スラッジプリカーサ同士が重合して、分子量の大きい不溶解成分となる。この不溶解成分が凝集若しくは沈殿してスラッジとなる。

ここで、不溶解成分が凝集若しくは沈殿する反応は、エンジン内部で燃焼によって生じた水分が冷やされることにより生成される水と、シリンダとピストンとの間を通過するブローバイガス中に含まれるNOx(窒素酸化物)やSOx硫黄酸化物)との反応によって発生する酸性物質、特に硝酸によって促進される。

このため、エンジンオイルに酸中和能力を付与してNOx(窒素酸化物)やSOx(硫黄酸化物)との反応によって発生する酸性物質、特に硝酸と、不溶解成分との反応を阻害して、不溶解成分が凝集若しくは沈殿してスラッジが形成されるのを抑制するようにしている。

したがって、エンジンオイル中にスラッジプリカーサが増大すると、不溶解成分も増大することとなり、エンジンオイルの分散性能、酸中和性能を超えるとスラッジが生成される。

エンジンオイルの性能を考慮してエンジンオイルの交換を適切な時機に行うものとしては、エンジンオイルの交換後に、車両の走行距離走行期間等の運転状態が、エンジンオイルの性能を考慮してある程度の安全率を見込んで設定した上限値に達すると、エンジンオイルの交換の実施を促す警告を行うオイル劣化判定装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。

概要

車両の運転状態にかかわらずにオイルの劣化を正確に判定することができる内燃機関のオイル劣化判定装置を提供すること。EFI−ECU41が、エンジン1の温度と燃料噴射量とに基づいてオイルパン4に蓄積されるスラッジプリカーサ量を推定する。特に、EFI−ECU41は、検知時機を含む一定の検知期間毎にエンジン1の燃焼室7に噴射された燃料量を算出し、エンジン1の現在の温度に基づいて算出された単位燃料量当たりのスラッジプリカーサの蓄積量の算出値と、前回の検知時機から今回の検知時機の間の検知期間に噴射された燃料量の算出値とに基づいてオイルパン4に蓄積されるスラッジプリカーサ量を推定し、このスラッジプリカーサの蓄積量が一定値以上となったときに、エンジンオイルOが劣化したものと判断する。

目的

本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、車両の運転状態にかかわらずにオイルの劣化を正確に判定することができる内燃機関のオイル劣化判定装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

内燃機関循環するオイル劣化を判定する内燃機関のオイル劣化判定装置であって、前記内燃機関の温度と燃料噴射量とに基づいて、前記オイル貯留手段に蓄積されるスラッジプリカーサ量を推定することにより、オイルの劣化を判定するオイル劣化判定手段を有することを特徴とする内燃機関のオイル劣化装置。

請求項2

前記オイル劣化判定手段は、検知時機を含む一定の検知期間毎に前記内燃機関の気筒内に噴射された燃料量を算出し、前記内燃機関の現在の温度に基づいて算出された単位燃料量当たりのスラッジプリカーサの蓄積量の算出値と、前回の検知時機から今回の検知時機の間の前記検知期間に噴射された燃料量の算出値とに基づいて前記オイル貯留手段に蓄積されるスラッジプリカーサ量を推定することを特徴とする請求項1に記載のオイル劣化判定装置。

請求項3

前記オイル劣化判定手段は、前記スラッジプリカーサの蓄積量が一定値以上となったことを条件として、オイルが劣化しているものと判定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のオイル劣化判定装置。

請求項4

前記内燃機関の温度を検知する温度検知手段を有し、オイル劣化判定手段は、前記温度検知手段の検知情報に基づいて単位燃料量当たりのスラッジプリカーサの蓄積量を算出することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1の請求項に記載のオイル劣化判定装置。

請求項5

前記オイル劣化判定手段から入力した駆動信号に基づいてオイルが劣化したことを警告する警告手段を備え、前記オイル劣化判定手段は、スラッジプリカーサの蓄積量が一定値以上となったことを条件として、前記警告手段に前記駆動信号を出力することを特徴とする請求項3または請求項4に記載のオイル劣化判定装置。

請求項6

前記オイル貯留手段に貯留されるオイルの交換期間の上限値を設定するオイル交換期間設定手段を有し、前記オイル劣化判定手段は、前記オイル交換期間設定手段に設定された交換期間の上限値に到達する前に前記スラッジプリカーサの蓄積量が一定値以上となったことを条件として、オイルが劣化しているものと判定することを特徴とする請求項3ないし請求項5のいずれか1の請求項に記載のオイル劣化判定装置。

請求項7

車両の走行距離の上限値を設定する走行距離設定手段を有し、前記オイル劣化判定手段は、前記走行距離設定手段に設定された走行距離の上限値に到達する前に前記スラッジプリカーサの蓄積量が一定値以上となったことを条件として、オイルが劣化しているものと判定することを特徴とする請求項3ないし請求項5のいずれか1の請求項に記載のオイル劣化判定装置。

技術分野

0001

本発明は、内燃機関オイル劣化判定装置に関し、特に、内燃機関を循環するオイル劣化したことを判定する内燃機関のオイル劣化判定装置に関する。

背景技術

0002

自動車等の車両に搭載されるエンジンでは、ピストンクランクシャフトコネクティングロッド等の各摺動部位を、エンジン内を循環するエンジンオイルによって潤滑および冷却しているが、このエンジンオイルは、エンジンの使用に伴って劣化する。

0003

エンジンオイルには、エンジンオイルの性能を付与するために添加剤混入されており、エンジンオイルを使用すると、添加剤が消耗することで、付与されているエンジンオイルの性能が低下する。

0004

また、エンジンの使用に伴いエンジンオイルに汚れが混入する。この結果、エンジンオイルが劣化し、エンジンオイルが潤滑剤として十分に機能し難くなるため、エンジンオイルを交換する必要がある。

0005

オイルが劣化した際に発生する現象の一つとしてスラッジがある。スラッジの生成過程としては、まず、燃料中のオレフィンアロマティクス等の構造を有する炭化水素燃焼室燃焼した際に、スラッジプリカーサ(スラッジ前駆体)が生成される。

0006

このスラッジプリカーサは、主に燃焼室内のピストンを潤滑するエンジンオイルに捕捉される。エンジンオイルに捕捉されたスラッジプリカーサは、シリンダとピストンとの間を通してオイルパン内に落下する。
一方、エンジンオイルには、エンジンオイルの性能を付与するために数十%程度の添加剤が付与されている。

0007

添加剤コンポーネントには様々な種類があり、エンジンオイルに分散および清浄性能を付与する添加剤コンポーネントとして、例えば、ポリイソブテニルコハク酸イミド系の無灰分散剤がある。

0008

また、特に高温時に酸中和および清浄性能を付与する添加剤コンポーネントとしては、Caフォネート、Caスルフォネート、Caサリシレート等の金属系清浄剤等がある。
エンジンオイル中に上述したスラッジプリカーサが混入すると、スラッジプリカーサが無灰分散剤によってエンジンオイル中に分散するようになる。

0009

ところが、エンジンの使用に応じてエンジンオイルの分散性能の低下が進行するとともに、エンジンオイル中に捕捉されたスラッジプリカーサ量が運転状態に応じて増大してくると、スラッジプリカーサ同士が重合して、分子量の大きい不溶解成分となる。この不溶解成分が凝集若しくは沈殿してスラッジとなる。

0010

ここで、不溶解成分が凝集若しくは沈殿する反応は、エンジン内部で燃焼によって生じた水分が冷やされることにより生成される水と、シリンダとピストンとの間を通過するブローバイガス中に含まれるNOx(窒素酸化物)やSOx硫黄酸化物)との反応によって発生する酸性物質、特に硝酸によって促進される。

0011

このため、エンジンオイルに酸中和能力を付与してNOx(窒素酸化物)やSOx(硫黄酸化物)との反応によって発生する酸性物質、特に硝酸と、不溶解成分との反応を阻害して、不溶解成分が凝集若しくは沈殿してスラッジが形成されるのを抑制するようにしている。

0012

したがって、エンジンオイル中にスラッジプリカーサが増大すると、不溶解成分も増大することとなり、エンジンオイルの分散性能、酸中和性能を超えるとスラッジが生成される。

0013

エンジンオイルの性能を考慮してエンジンオイルの交換を適切な時機に行うものとしては、エンジンオイルの交換後に、車両の走行距離走行期間等の運転状態が、エンジンオイルの性能を考慮してある程度の安全率を見込んで設定した上限値に達すると、エンジンオイルの交換の実施を促す警告を行うオイル劣化判定装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。

先行技術

0014

特開2004−156455号公報

発明が解決しようとする課題

0015

しかしながら、このような従来のオイル劣化判定装置にあっては、運転状態によっては、十分な潤滑性能が残存しているエンジンオイルを早期に交換してしまうことや、エンジンオイルが劣化した後にエンジンオイルを交換するおそれがあり、エンジンを汚損するおそれがある。
これは、スラッジプリカーサは、主に燃料の燃焼によって生成され、低温になる程、エンジンオイルに溶解し易くエンジンオイルへの捕集率が高くなる性質を有する。

0016

すなわち、例えば、エンジンを低温で運転する機会が多い運転者は、エンジンを高温で運転する機会が多い運転者に比較してエンジンオイルに捕集されるスラッジプリカーサ量が多くなり、比較的早期にスラッジが形成される可能性がある。

0017

このため、エンジンオイル交換後の車両の走行距離や走行期間(経過期間)が上限値に達する前にエンジンオイルが劣化してしまうおそれがある。

0018

本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、車両の運転状態にかかわらずにオイルの劣化を正確に判定することができる内燃機関のオイル劣化判定装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0019

本発明に係る内燃機関のオイル劣化判定装置は、上記目的を達成するため、内燃機関を循環するオイルの劣化を判定する内燃機関のオイル劣化判定装置であって、前記内燃機関の温度と燃料噴射量とに基づいて、前記オイル貯留手段に蓄積されるスラッジプリカーサ量を推定することにより、オイルの劣化を判定するオイル劣化判定手段を有するものから構成されている。

0020

スラッジプリカーサは、オイル中に混入した不純物一種であり、スラッジの原料となる。スラッジプリカーサ同士が重合し、分子量の大きい不溶解成分となり、不溶解成分は、凝集若しくは沈殿してスラッジとなる。

0021

不溶解成分となる前のスラッジプリカーサは、主に燃料の燃焼によって生成され、低温になる程、オイルに溶解し易くオイルへの捕集率が高くなる性質を有する。
このスラッジプリカーサは、燃料の一次生成物であって、生成過程にはオイルの性能は、関与しない。

0022

このスラッジプリカーサの性質に基づき、内燃機関のオイル劣化判定装置は、内燃機関の温度と燃料噴射量とに基づいて、オイル貯留手段に蓄積されるスラッジプリカーサ量を推定してオイルの劣化を判定することにより、オイル交換後の車両の走行距離や経過期間等の運転状態にかかわらずオイルの劣化を正確に判定することができる。このため、運転者に対して適切な時機でオイルの交換の実施を促すことができる。

0023

好ましくは、オイル劣化判定装置の前記オイル劣化判定手段は、検知時機を含む一定の検知期間毎に前記内燃機関の気筒内に噴射された燃料量を算出し、前記内燃機関の現在の温度に基づいて算出された単位燃料量当たりのスラッジプリカーサの蓄積量の算出値と、前回の検知時機から今回の検知時機の間の前記検知期間に噴射された燃料量の算出値とに基づいて前記オイル貯留手段に蓄積されるスラッジプリカーサ量を推定するものから構成されてもよい。

0024

このオイル劣化判定装置は、内燃機関の現在の温度に基づいて算出された単位燃料量当たりのスラッジプリカーサの蓄積量の算出値と、前回の検知時機から今回の検知時機の間の検知期間に噴射された燃料量の算出値とに基づいてオイル貯留手段に蓄積されるスラッジプリカーサ量を推定するので、スラッジプリカーサの蓄積量を精度良く推定してオイルの劣化を高精度に判定することができる。このため、運転者に対して適切な時機にオイルの交換の実施を促すことができる。

0025

好ましくは、オイル劣化判定装置の前記オイル劣化判定手段は、前記スラッジプリカーサの蓄積量が一定値以上となったことを条件として、オイルが劣化しているものと判定するものから構成されてもよい。

0026

このオイル劣化判定装置は、スラッジプリカーサの蓄積量が一定値以上となったことを条件として、オイルが劣化しているものと判定するので、オイル交換後の車両の走行距離や経過期間等の運転状態に応じてオイルの交換期間を設定するのを不要にしてオイルの劣化を正確に判定することができ、運転者に対して適切な時機にオイルの交換の実施を促すことができる。

0027

好ましくは、前記内燃機関の温度を検知する温度検知手段を有し、オイル劣化判定手段は、前記温度検知手段の検知情報に基づいて単位燃料量当たりのスラッジプリカーサの蓄積量を算出するものから構成されてもよい。

0028

このオイル劣化判定装置は、温度検知手段によって内燃機関の温度を検知し、この温度検知手段の検知情報に基づいて単位燃料量当たりのスラッジプリカーサの蓄積量を算出するので、内燃機関の負荷等に応じた、すなわち、実際の運転状態に応じたスラッジプリカーサの蓄積量を推定することができる。このため、オイル交換後の車両の走行距離や経過期間等の運転状態にかかわらず、オイルの劣化を正確に判定することができる。

0029

好ましくは、前記オイル劣化判定手段から入力した駆動信号に基づいてオイルが劣化したことを警告する警告手段を備え、前記オイル劣化判定手段は、スラッジプリカーサの蓄積量が一定値以上となったことを条件として、前記警告手段に前記駆動信号を出力するものから構成されてもよい。

0030

このオイル劣化判定装置は、オイルの劣化を判定したときに警告手段によって運転者に警告を行うことができるため、運転者に対して適切な時機にオイルの交換の実施を確実に促すことができる。

0031

好ましくは、オイル劣化判定装置は、前記オイル貯留手段に貯留されるオイルの交換期間の上限値を設定するオイル交換期間設定手段を有し、前記オイル劣化判定手段は、前記オイル交換期間設定手段に設定された交換期間の上限値に到達する前に前記スラッジプリカーサの蓄積量が一定値以上となったことを条件として、オイルが劣化しているものと判定するものから構成されてもよい。

0032

内燃機関の負荷が小さい運転状態、例えば、内燃機関を低温で運転する機会が多い運転者は、内燃機関の負荷が大きい運転状態、例えば、内燃機関を高温で運転する機会が多い運転者に比較してオイルに捕集されるスラッジプリカーサ量が多くなり、比較的早期にスラッジが形成される可能性がある。このため、オイル貯留手段内のオイルの交換期間の上限値に到達する前にオイルが劣化してしまうおそれがあり、内燃機関が汚損してしまう。

0033

本発明は、オイル交換期間設定手段に設定された交換期間の上限値に到達する前にスラッジプリカーサの蓄積量が一定値以上となったことを条件として、オイルが劣化しているものと判定するので、内燃機関の運転状態が低温で運転する機会が多く、スラッジプリカーサがオイルに捕集される量が多い状況下にある場合等に、オイル交換期間設定手段に設定された交換期間の上限値に到達する前にオイルの劣化を判定することができる。

0034

このため、実際の内燃機関の運転状態に応じてスラッジプリカーサの蓄積量を推定することができ、オイル交換後の経過期間等の運転状態にかかわらず、オイルの劣化を正確に判定することができる。

0035

好ましくは、車両の走行距離の上限値を設定する走行距離設定手段を有し、前記オイル劣化判定手段は、前記走行距離設定手段に設定された走行距離の上限値に到達する前に前記スラッジプリカーサの蓄積量が一定値以上となったことを条件として、オイルが劣化しているものと判定するものから構成されてもよい。

0036

このようにしても実際の内燃機関の運転状態に応じてスラッジプリカーサの蓄積量を推定することができ、車両の走行距離等の運転状態にかかわらず、オイルの劣化を正確に判定することができる。

発明の効果

0037

本発明によれば、車両の運転状態にかかわらずにオイルの劣化を正確に判定することができる内燃機関のオイル劣化判定装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0038

本発明に係る内燃機関のオイル劣化判定装置の一実施の形態を示す図であり、内燃機関のオイル劣化判定装置を備えたエンジンの概略構成図である。
本発明に係る内燃機関のオイル劣化判定装置の一実施の形態を示す図であり、エンジンを制御するシステム構成図である。
本発明に係る内燃機関のオイル劣化判定装置の一実施の形態を示す図であり、スラッジプリカーサ蓄積マップを示す図である。
本発明に係る内燃機関のオイル劣化判定装置の一実施の形態を示す図であり、オイル劣化判定処理フローチャートである。

実施例

0039

以下、本発明に係る内燃機関のオイル劣化判定装置の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1図4は、本発明に係る内燃機関のオイル劣化判定装置の一実施の形態を示す図である。

0040

まず、構成を説明する。
図1において、内燃機関としてのエンジン1は、シリンダブロック2と、シリンダブロック2の上部に締結されたシリンダヘッド3と、シリンダヘッド3の下部に締結され、エンジンオイルOが貯留されたオイルパン4とを含んで構成されている。

0041

シリンダブロック2には気筒を構成するシリンダボア5が形成されており、このシリンダボア5にはピストン6が収納されている。また、シリンダボア5の上部には燃焼室7が形成されており、この燃焼室7は、シリンダボア5、ピストン6の頂面およびシリンダヘッド3の下面によって囲まれる空間から構成されている。

0042

このエンジン1は、シリンダボア5内でピストン6が往復する間に、吸気行程圧縮行程膨張行程および排気行程からなる一連の4行程を行う、所謂4サイクルガソリンエンジンである。

0043

本実施の形態のエンジン1は、例えば、シリンダボア5およびピストン6をそれぞれ4つずつ備える直列4気筒のエンジンである。なお、気筒数は一例を示すもので4気筒に限られるものではない。

0044

ピストン6にはコネクティングロッド8を介してクランクシャフト9に連結されており、ピストン6の往復運動がコネクティングロッド8によってクランクシャフト9の回転運動に変換されるようになっている。

0045

本実施の形態では、オイルパン4がオイル貯留手段を構成しており、オイルパン4に貯留されたエンジンオイルOは、エンジン1の運転時に、異物を除去するオイルストレーナ35を介してオイルポンプ36によって汲み上げられる。

0046

オイルポンプ36によって汲み上げられたエンジンオイルは、オイルフィルタ37で浄化された後に、ピストン6、クランクシャフト9、コネクティングロッド8等の摺動部位に供給され、摺動部位の潤滑・冷却等に使用される。

0047

摺動部位に供給されたエンジンオイルは、摺動部位の潤滑・冷却等のために使用された後、オイルパン4に回収され、再びオイルポンプ36によって汲み上げられるまでオイルパン4内に貯留される。

0048

オイルポンプ36は、クランクシャフト9に機械的に結合されており、エンジン1の駆動力を用いてオイル通路にエンジンオイルを吐出させる機械式オイルポンプから構成されている。なお、このオイルポンプは、エンジン1の作動とは独立して駆動される電動ポンプから構成されてもよい。但し、図1ではエンジンオイルOの循環経路を模式的に示している。

0049

また、シリンダボア5の周囲のシリンダブロック2にはウォータジャケット12が設けられており、このウォータジャケット12には図示しないラジエータによって冷却された冷却水が導入されるようになっている。

0050

ウォータジャケット12に導入された冷却水は、シリンダボア5を冷却した後に、再びラジエータに戻され、ラジエータによって冷却された冷却水は、再びウォータジャケット12に還流される。
エンジン1のシリンダヘッド3には点火プラグ13が設けられており、この点火プラグ13の点火時機は、イグナイタ14(図2参照)によって調整されるようになっている。

0051

シリンダヘッド3には吸気管15および排気管16が接続されており、この吸気管15および排気管16は、それぞれ燃焼室7に連通している。吸気管15と燃焼室7との間には吸気バルブ17が設けられており、この吸気バルブ17を開閉駆動することにより、吸気管15と燃焼室7とが連通および遮断される。

0052

また、排気管16と燃焼室7との間には排気バルブ18が設けられており、この排気バルブ18を開閉駆動することにより、排気管16と燃焼室7とが連通および遮断される。

0053

吸気バルブ17および排気バルブ18の開閉駆動は、クランクシャフト9の回転が伝達される図示しない吸気カムシャフトおよび排気カムシャフトのそれぞれの回転によって行われる。

0054

一方、吸気管15には、エアクリーナ19、熱線式のエアフローメータ20、吸気温センサ21およびエンジン1の吸入空気量を調整するための電子制御式スロットルバルブ22が設けられている。
スロットルバルブ22は、スロットルモータ23によって駆動されるようになっており、スロットルバルブ22の開度は、スロットルポジションセンサ24によって検知される。

0055

排気管16には、排気ガス中の酸素濃度を検知する酸素センサ25および排気ガスを浄化する三元触媒26が設けられている。
吸気管15には燃料噴射用のインジェクタ27が設けられている。このインジェクタ27には燃料タンクから燃料ポンプによって所定圧力の燃料が供給されるようになっており、インジェクタ27は、吸気管15に燃料を噴射する。

0056

吸気管15に噴射された燃料は吸入空気と混合されて混合気となって燃焼室7に導入されるようになっており、燃焼室7に導入された混合気は、点火プラグ13によって点火されて燃焼および爆発する。
この混合気の燃焼室7内での燃焼および爆発によりピストン6が往復運動してクランクシャフト9が回転する。

0057

クランクシャフト9には、外周面に複数の歯10aを有するシグナルロータ10が取り付けられており、シグナルロータ10の側方近傍にはクランクポジションセンサ11が配置されている。

0058

クランクポジションセンサ11は、例えば電磁ピックアップであって、クランクシャフト9が回転する際にシグナルロータ10の歯10aに対応するパルス状の信号(出力パルス)を発生する。
また、エンジン1のシリンダブロック2には、エンジン水温冷却水温)を検知する温度検知手段としての水温センサ28が配置されている。

0059

本実施の形態では、点火プラグ13およびインジェクタ27は、EFI(Electronic Fuel Injection)−ECU(Electronic Control Unit)41の出力信号に基づいて制御されるようになっている。

0060

このEFI−ECU41は、さらにオイルパン4内のエンジンオイルOの劣化を判定するオイル劣化制御を実行するようになっている。

0061

図2に示すように、ECU41は、CPU(Central Processing Unit)42、ROM(Read Only Memory)43、RAM(Random Access Memory)44、入力インターフェース45および出力インターフェース46等を含んで構成されている。
ROM43は、オイル劣化判定制御プログラムを含んだ各種制御プログラムや、これら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。

0062

CPU42は、ROM43に記憶された各種制御プログラムやマップに基づいてオイル劣化判定処理を含んだ各種演算処理を実行する。RAM44は、CPU42での演算結果や上述した各種センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、ワークエリアの一部も構成する不揮発性のメモリである。

0063

これらCPU42、ROM43およびRAM44は、バス47を介して互いに接続されるとともに、入力インターフェース45および出力インターフェース46に接続されている。

0064

入力インターフェース45には、クランクポジションセンサ11、エアフローメータ20、吸気温センサ21、酸素センサ25、スロットルポジションセンサ24、水温センサ28および操作スイッチ29等が接続されている。

0065

操作スイッチ29は、エンジンオイルOの交換時に運転者によって操作されるスイッチである。操作スイッチ29は、運転者から操作可能な位置、例えば、車室内インストルメントパネル上部に設置される。

0066

操作スイッチ29は、通常はオフ状態にあり、運転者による操作に応じてオン信号をEFI−ECU41に出力する。EFI−ECU41は、操作スイッチ29のオン信号を認識した場合に、現在の日時をオイル交換情報としてRAM44の記憶領域に記憶する。

0067

現在の日時は、CAN(Controller Area Network)等の車載ネットワークによってEFI−ECU41に接続される図示しないナビゲーション装置時刻データや、ラジオアンテナを介して受信されるFM多重放送の時刻データから取得されてもよい。

0068

出力インターフェース46には、点火プラグ13のイグナイタ14、スロットルバルブ22のスロットルモータ23、インジェクタ27およびエンジンオイルOが劣化して交換時機に至ったことを運転者等に警告するためのウォーニングランプ30等が接続されている。

0069

このEFI−ECU41は、上記した各種センサの出力信号に基づいて、エンジン1の各種制御と共にオイル劣化判定処理を実行する。

0070

本実施の形態のEFI−ECU41は、エンジン1の温度とインジェクタ27から噴射された燃料噴射量とに基づいて、オイルパン4に蓄積されるスラッジプリカーサ量を推定することにより、エンジンオイルOの劣化を判定するオイル劣化判定手段を構成している。

0071

EFI−ECU41のROM43には、図3に示すスラッジプリカーサ蓄積マップ32が格納されており、このスラッジプリカーサ蓄積マップ32は、エンジン1の温度、すなわち、冷却水温とスラッジプリカーサの蓄積速度とが関連付けられている。

0072

スラッジプリカーサは、噴射燃料の燃焼によって生成され、低温になる程、エンジンオイルに溶解し易くエンジンオイルへの捕集率が高くなる性質を有する。本実施の形態のEFI−ECU41は、この関係に基づいて冷却水温と、スラッジプリカーサの蓄積速度、すなわち、単位燃料量当たりのスラッジプリカーサの蓄積量とを関連付けてスラッジプリカーサ蓄積マップ32としてROM43に記憶している。

0073

EFI−ECU41は、スラッジプリカーサ蓄積マップ32を参照し、水温センサ28から取得した冷却水温に対応する単位燃料量当たりのスラッジプリカーサの蓄積量を取得する。

0074

EFI−ECU41は、検知時機を含む一定の検知期間毎にシリンダボア5に噴射された燃料量を算出する。

0075

ここで、本実施の形態の期間とは、ある時機から次の時機に至るまでの間のことを指し、時機とは、時点を指している。

0076

EFI−ECU41は、エアフローメータ20から取得した吸入空気量およびクランクポジションセンサ11から取得したエンジン回転数に基づいて基本燃料噴射量を演算し、水温センサ28から取得した冷却水温、スロットルポジションセンサ24から取得したスロットル開度に応じて、基本燃料噴射量を補正する補正演算を行い、インジェクタ27から噴射する実燃料噴射量を決定するようになっている。

0077

このため、EFI−ECU41は、今回の検知時機と前回の検知時機との間の一定の期間に噴射された合計燃料噴射量を算出し、この合計燃料噴射量から生成されるスラッジプリカーサの蓄積量を算出する。なお、燃料噴射量に対するスラッジプリカーサの生成量は、計算式を用いて算出してもよい。

0078

なお、一定期間という時間情報を取得するためには、EFI−ECU41に設けられたタイマー31によって時間を計測してもよく、ナビゲーション装置やFM多重放送の時刻データに基づいて経過期間を取得してもよい。本実施の形態では、CPU43がタイマー31によって時間情報を取得するものとする。

0079

EFI−ECU41は、上述したスラッジプリカーサ蓄積マップ32から取得した現在の冷却水温に基づいて算出された単位燃料量当たりのスラッジプリカーサの蓄積量の算出値と、前回の検知時機から今回の検知時機の間の検知期間に噴射された燃料量の算出値とに基づいて、オイルパン4に蓄積されるスラッジプリカーサ量を推定する。

0080

RAM44の記憶領域には、スラッジプリカーサの生成量を加算してスラッジプリカーサの蓄積量を記憶する蓄積カウンタ48が割り当てられており、EFI−ECU41は、蓄積カウンタ48に蓄積されたスラッジプリカーサの蓄積量が一定値以上となったことを条件として、エンジン1を循環するエンジンオイルOが劣化しているものと判定し、ウォーニングランプ30に駆動信号CAを出力する。
ウォーニングランプ30は、運転者が目視可能な位置、例えば、インストルメントパネル上のスピードメータタコメータ等の計器類に設置されている。

0081

ウォーニングランプ30は、EFI−ECU41から入力した駆動信号CAに基づいて点灯または点滅することにより、運転者にエンジンオイルOが劣化したことを警告する。本実施の形態では、ウォーニングランプ30が警告手段を構成している。
なお、ウォーニングランプ30の代わりに、音声による警告を行うスピーカー等を警告手段として用いてもよく、音による警告を行うブザー等を警告手段として用いてもよい。

0082

また、RAM44の記憶領域には、エンジンオイルOの交換後の車両の走行距離を計測する走行距離カウンタ49と、エンジンオイルOの交換後の経過期間を計測する経過期間カウンタ50とが割り当てられている。

0083

CPU42は、タイマー31の時間情報に基づいてエンジンオイルOの交換後の経過期間を計測して経過期間カウンタ50に経過期間を記憶する。また、CPU42は、クランクポジションセンサ11の検知情報に基づいてエンジンオイルOの交換後の車両の走行距離を計測して走行距離カウンタ49に走行距離を記憶する。

0084

また、走行距離カウンタ49および経過期間カウンタ50のカウント値には上限値が設定されており、EFI−ECU41は、走行距離カウンタ49のカウント値が上限値に達したこと、または、経過期間カウンタ50のカウント値が上限値に達したことを条件として、ウォーニングランプ30に駆動信号CAを出力するようになっている。

0085

また、走行距離カウンタ49および経過期間カウンタ50のカウント値の上限値は、ROM43の上限値記憶領域51に記憶されている。
ウォーニングランプ30は、EFI−ECU41から入力した駆動信号CAに基づいて点灯または点滅することにより、運転者にエンジンオイルOが劣化したことを警告する。

0086

また、EFI−ECU41は、走行距離カウンタ49のカウント値が上限値に到達する前、または、経過期間のカウント値が上限値に到達する前に、スラッジプリカーサの蓄積量が一定値以上となったものと判断した場合には、ウォーニングランプ30に駆動信号CAを出力する。

0087

本実施の形態では、走行距離カウンタ49を有するRAM44および上限値記憶領域51を有するROM43が走行距離設定手段を構成している。また、経過期間カウンタ50を有するRAM44および上限値記憶領域51を有するROM43がオイル交換期間設定手段を構成している。

0088

次に、作用を説明する。
スラッジの生成過程としては、燃料中のオレフィンやアロマティクス等の構造を有する炭化水素が燃焼室で燃焼した際に、スラッジ前駆体であるスラッジプリカーサが生成される。

0089

このスラッジプリカーサは、主に燃焼室内の燃料の一部が完全燃焼せず、酸化反応により構造が変化することで、ピストン6を潤滑するエンジンオイルに捕捉される。
エンジンオイルに捕捉されたスラッジプリカーサは、シリンダボア5とピストン6との間を通してオイルパン4内に落下する。

0090

エンジンオイルOには、エンジンオイルOの性能を付与するために数十%程度の添加剤が付与されているため、
添加剤コンポーネントには様々な種類があり、エンジンオイルOに分散および清浄性能を付与する添加剤コンポーネントとして、例えば、ポリイソブテニルコハク酸イミド系の無灰分散剤がある。
また、特に高温時に酸中和および清浄性能を付与する添加剤コンポーネントとしては、Caフォネート、Caスルフォネート、Caサリシート等の金属系清浄剤等がある。

0091

エンジンオイルO中にスラッジプリカーサが混入すると、スラッジプリカーサが無灰分散剤によってエンジンオイルO中に分散するようになる。

0092

ところが、エンジン1の使用に応じてエンジンオイルOの分散性能の低下が進行するとともに、エンジンオイルO中に捕捉されたスラッジプリカーサが運転状態に応じて増大していくと、スラッジプリカーサ同士が重合して、分子量の大きい不溶解成分となり、この不溶解成分が凝集若しくは沈殿すると、スラッジとなる。

0093

ここで、不溶解成分が凝集若しくは沈殿する反応は、エンジン1内部で燃焼によって生じた水分が冷やされることにより生成される水と、シリンダとピストンとの間を通過するブローバイガス中に含まれるNOx(窒素酸化物)、やSOx(硫黄酸化物)との反応によって発生する酸性物質、特に硝酸によって促進される。

0094

このため、エンジンオイルOに酸中和能力を付与してNOx(窒素酸化物)やSOx(硫黄酸化物)との反応によって発生する酸性物質、特に硝酸と、不溶解成分との反応を阻害して、不溶解成分が凝集若しくは沈殿してスラッジが形成されるのを抑制するようにしている。

0095

上述したように不溶解成分となる前のスラッジプリカーサは、主に燃料の燃焼によって生成され、低温になる程、エンジンオイルOに溶解し易くエンジンオイルOへの捕集率が高くなる性質を有する。
このスラッジプリカーサは、燃料の一次生成物であって、生成過程にはエンジンオイルOの性能は、関与しない。

0096

本実施の形態では、このスラッジプリカーサの性質に基づき、エンジン1の温度と燃料噴射量とに基づいて、オイルパン4に蓄積されるスラッジプリカーサ量を推定してエンジンオイルOの劣化を判定することにより、エンジンオイル交換後の車両の走行距離や経過期間等の運転状態やエンジンオイルOの性能にかかわらずにエンジンオイルOの劣化を判定するものである。

0097

図4は、オイル劣化判定処理を実行するためのオイル劣化判定制御プログラムのフローチャートであり、このオイル劣化判定制御プログラムは、CPU42によって実行される。
まず、CPU42は、経過期間カウンタ50のカウント値に基づいてエンジンオイルOの交換後の経過期間を取得する(ステップS1)。

0098

CPU42は、経過期間カウンタ50のカウント値が上限値(例えば、365日)に達したか否かを判別し(ステップS2)、カウント値が上限値に達したものと判断した場合には、ウォーニングランプ30に駆動信号CAを出力してウォーニングランプ30を点灯あるいは点滅させ(ステップS7)、今回の処理を終了する。

0099

ウォーニングランプ30が点灯あるいは点滅すると、運転者は、オイルパン4内のエンジンオイルOを交換する作業を実施することになる。なお、オイルパン4内のエンジンオイルOが交換され、運転者により操作スイッチ29が操作されると、操作スイッチ29からオン信号がEFI−ECU41に出力される。

0100

EFI−ECU41のCPU42は、操作スイッチ29のオン信号を認識した場合に、走行距離カウンタ49、経過期間カウンタ50および蓄積カウンタ48のカウント値をリセットする。

0101

そして、CPU42は、現在の日時をエンジンオイル交換情報として経過期間カウンタ50に記憶するとともに、走行距離カウンタ49のカウント値および蓄積カウンタ48のカウント値をにリセットする初期化処理を実行する。

0102

一方、CPU42は、経過期間カウンタ50のカウント値が上限値未満であるものと判断した場合には、走行距離カウンタ49のカウント値に基づいてエンジンオイルOの交換後の走行距離を取得する(ステップS3)。

0103

CPU42は、走行距離カウンタ49のカウント値が上限値(例えば、50000km)に達したか否かを判別し(ステップS4)、カウント値が上限値に達したものと判断した場合には、ウォーニングランプ30に駆動信号CAを出力してウォーニングランプ30を点灯あるいは点滅させ(ステップS7)、今回の処理を終了する。

0104

ウォーニングランプ30が点灯あるいは点滅すると、運転者は、オイルパン4内のエンジンオイルOを交換する作業を実施することになる。なお、オイルパン4内のエンジンオイルOが交換され、運転者により操作スイッチ29が操作されると、操作スイッチ29からオン信号がEFI−ECU41に出力される。

0105

EFI−ECU41のCPU42は、操作スイッチ29のオン信号を認識した場合に、走行距離カウンタ49、経過期間カウンタ50および蓄積カウンタ48のカウント値をリセットして上述した初期化処理を実行する。

0106

一方、CPU42は、走行距離カウンタ49のカウント値が上限値未満であるものと判断した場合には、スラッジプリカーサの蓄積量を算出する処理を実行する(ステップS5)。
このスラッジプリカーサの蓄積量を算出する処理にあっては、CPU42は、タイマー31からの時間情報に基づいて前回の検知時機から今回の検知時機の間の検知期間にインジェクタ27から噴射された燃料量を算出する。

0107

次いで、水温センサ28の検知情報に基づいてエンジン1の温度を検知し、このエンジン1の温度からエンジンオイルに捕捉されたスラッジプリカーサの温度を推定する。

0108

次いで、CPU42は、図3のスラッジプリカーサ蓄積マップ32を参照し、水温センサ28の検知情報に基づいてエンジン1の温度に対応する単位燃料量当たりのスラッジプリカーサの蓄積量Yを取得する。

0109

また、CPU42は、前回の検知時機から今回の検知時機の間の検知期間Tにインジェクタ27から噴射された燃料量Qを算出する。
CPU42は、スラッジプリカーサの蓄積量Yと、検知期間Tの間の燃料量Qとに基づき、下記(1)式に従って検知期間TにエンジンオイルOに蓄積されたスラッジプリカーサの蓄積量ACを算出する。
AC=Y×Q.........(1)

0110

CPU42は、スラッジプリカーサの蓄積量ACを蓄積カウンタ48に加算することにより、一定期間毎、すなわち、検知期間T毎にエンジンオイルOに蓄積されたスラッジプリカーサの総蓄積量を把握することができる。

0111

CPU42は、スラッジプリカーサの蓄積量を算出する処理を実行する毎に、蓄積カウンタ48に蓄積(加算)されるスラッジプリカーサの蓄積量が一定値である上限値に到達したか否かを判別する(ステップS6)。

0112

CPU42は、蓄積カウンタ48に蓄積されるスラッジプリカーサの蓄積量が上限値に到達していないものと判断した場合には、ステップS1に処理を移す。また、CPU42は、蓄積カウンタ48に蓄積されるスラッジプリカーサの蓄積量が上限値に到達したものと判断した場合には、ウォーニングランプ30に駆動信号CAを出力してウォーニングランプ30を点灯あるいは点滅させ(ステップS7)、今回の処理を終了する。

0113

ウォーニングランプ30が点灯あるいは点滅すると、運転者は、オイルパン4内のエンジンオイルOを交換する作業を実施することになる。なお、オイルパン4内のエンジンオイルOが交換され、運転者により操作スイッチ29が操作されると、操作スイッチ29からオン信号がEFI−ECU41に出力される。

0114

EFI−ECU41のCPU42は、操作スイッチ29のオン信号を認識した場合に、走行距離カウンタ49、経過期間カウンタ50および蓄積カウンタ48のカウント値をリセットして上述した初期化処理を実行する。

0115

このように本実施の形態のオイル劣化判定装置は、EFI−ECU41のCPU42が、検知時機を含む一定の検知期間毎にエンジン1の燃焼室7に噴射された燃料量を算出し、エンジン1の現在の温度に基づいて算出された単位燃料量当たりのスラッジプリカーサの蓄積量の算出値と、前回の検知時機から今回の検知時機の間の検知期間に噴射された燃料量の算出値とに基づいてオイルパン4に蓄積されるスラッジプリカーサ量を推定し、このスラッジプリカーサの蓄積量が一定値以上となったときに、エンジンオイルOが劣化したものと判断する。

0116

このため、CPU42は、燃料の一次生成物であって、生成過程にエンジンオイルOの性能が関与しないスラッジプリカーサの蓄積量に基づいてエンジンオイルOの劣化を判定することができる。

0117

したがって、CPU42は、エンジンオイルOの劣化を正確に判定することができる。この結果、運転者に対して適切な時機にエンジンオイルOの交換の実施を促すことができる。

0118

また、本実施の形態のオイル劣化判定装置は、エンジン1の温度を検知する水温センサ28を有し、CPU42は、水温センサ28の検知情報に基づいて単位燃料量当たりのスラッジプリカーサの蓄積量を算出するようになっている。

0119

このため、エンジン1の温度、すなわち、エンジン1に加わる負荷等のように実際の運転状態に応じたスラッジプリカーサの蓄積量を推定することができ、エンジンオイル交換後の車両の走行距離や経過期間等の運転状態にかかわらず、エンジンオイルOの劣化を正確に判定することができる。

0120

また、本実施の形態のオイル劣化判定装置は、EFI−ECU41から入力した駆動信号CAに基づいてエンジンオイルOが劣化したことを警告するウォーニングランプ30を有するので、運転者に対して適切な時機にエンジンオイルOの交換の実施を確実に促すことができる。

0121

また、本実施の形態のオイル劣化判定装置は、オイルパン4に貯留されるエンジンオイルOの交換期間を設定する手段として、エンジンオイルOの交換後の経過期間を計測する経過期間カウンタ50とエンジンオイルOの交換後の車両の走行距離を計測する走行距離カウンタ49とを有するRAM44と、上限値記憶領域51を有するROM43とを備えている。

0122

そして、CPU42は、ROM43の上限値記憶領域51に設定された経過期間や走行距離の上限値に到達する前に蓄積カウンタ48のスラッジプリカーサの蓄積量のカウント値が上限値以上となったことを条件として、エンジンオイルOが劣化しているものと判定するので、エンジンオイルOの交換後のエンジンオイルOの経過期間や走行距離の上限値に到達する前にエンジンオイルOの劣化を判定することができる。

0123

すなわち、エンジン1の負荷が小さい運転状態、例えば、エンジン1を低温で運転する機会が多い運転者は、エンジン1の負荷が大きい運転状態、例えば、エンジン1を高温で運転する機会が多い運転者に比較してスラッジプリカーサがエンジンオイルOに捕集される量が多くなり、比較的早期にスラッジが形成される可能性がある。

0124

このため、エンジンオイル交換後のオイルパン4内のエンジンオイルOの経過期間や走行距離の上限値に到達する前にエンジンオイルOが劣化してしまうおそれがあり、エンジン1が汚損してしまう。

0125

本実施の形態のCPU42は、上限値記憶領域51に設定された経過期間や走行距離の上限値の上限値に到達する前にスラッジプリカーサの蓄積量が一定値以上となったことを条件として、エンジンオイルOが劣化しているものと判定するよう構成した。

0126

したがって、エンジン1の運転状態が低温で運転する機会が多く、スラッジプリカーサがエンジンオイルOに捕集される量が多い状況下にある場合等に経過期間や走行距離の上限値に到達する前にエンジンオイルOの劣化を判定することができる。

0127

このため、実際のエンジン1の運転状態に応じてスラッジプリカーサの蓄積量を推定することができ、エンジンオイル交換後の車両の走行距離を経過期間等の運転状態にかかわらず、エンジンオイルOの劣化を正確に判定することができる。

0128

また、実際のエンジン1の運転状態に応じてスラッジプリカーサの蓄積量を推定することができるため、経過期間の上限値を長くしたり、走行距離の上限値を大きくすることができ、経過期間や走行距離に余裕を持たせることができる。

0129

これに加えて、運転者等のユーザやディーラーが、エンジンオイルOの交換を実施する時機を厳密に管理しなくても、運転状態に応じた最適な交換時機をユーザやディーラーに通知することができる。

0130

また、運転を長期間行わずに車両を放置することにより、経過期間が上限値に達した場合には、CPU42は、エンジンオイルOが酸化劣化したものと判断してウォーニングランプ30による警告を行うので、運転者に対して適切な時機にエンジンオイルOの交換の実施を促すことができる。

0131

なお、本実施の形態では、温度検知手段を水温センサ28から構成し、エンジン1の温度を水温センサ28に基づいて検知しているが、オイルパン4に温度検知手段としての油温センサを設け、この油温センサからエンジン1の温度を検知するようにしてもよい。
また、温度検知手段として、シリンダボア5の温度を直接的に検知するセンサをシリンダボア5に取付け、このセンサによってエンジン1の温度を検知するようにしてもよい。

0132

また、クランクポジションセンサ11、エアフローメータ20、吸気温センサ21、スロットルポジションセンサ24、酸素センサ25等の各センサの少なくとも1つ以上のセンサから入力された情報に基づいてエンジン1の負荷を推定し、エンジン1の負荷に応じてエンジン1の温度を推定するようにしてもよい。

0133

この場合には、上記各センサの検知情報とエンジン1の温度とを関連付けたマップを用いるようにすればよい。

0134

また、本実施の形態の内燃機関のオイル劣化判定装置は、オイル劣化判定装置を車両用内燃機関に適用した例について説明したが、動力源として内燃機関を用いるものであれば適用可能であり、例えば、所謂ハイブリッド車自動二輪車等に搭載される内燃機関はもとより、船舶建設機械等のように車両以外のものに搭載される内燃機関にも適用可能である。

0135

以上のように、本発明に係る内燃機関のオイル劣化判定装置は、車両の運転状態にかかわらずにオイルの劣化を正確に判定することができるという効果を有し、内燃機関を循環するオイルが劣化したことを判定する内燃機関のオイル劣化判定装置等として有用である。

0136

1エンジン(内燃機関)
4オイルパン(オイル貯留手段)
5シリンダボア(気筒)
28水温センサ(温度検知手段)
30ウォーニングランプ(警告手段)
41 EFI−ECU(オイル劣化判定手段)
43 ROM(オイル交換期間設定手段、走行距離設定手段)
44 RAM(オイル交換期間設定手段、走行距離設定手段)
Oエンジンオイル(オイル)

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