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技術 カンデサルタンシレキセチル含有医薬組成物

出願人 東洋カプセル株式会社
発明者 高橋雅人後藤正浩遠藤隆浩吉野愛
出願日 2012年7月9日 (7年4ヶ月経過) 出願番号 2013-532485
公開日 2015年3月23日 (4年7ヶ月経過) 公開番号 WO2013-035423
状態 特許登録済
技術分野 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 医薬品製剤 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 粒単位 多層カプセル 中心ノズル 多重ノズル 外側ノズル 平衡相対湿度 スティック形状 ゲル化前
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題・解決手段

薬物の安定性溶出率が従来可能であったよりも高められたカンデサルタンシレキセチル含有医薬組成物を提供する。ゲル化剤含水ゲル結晶状態のカンデサルタンシレキセチルを担持させてなる医薬組成物。

概要

背景

カンデサルタンシレキセチルは、アンジオテンシンIIAII)受容体拮抗作用を示す高血圧治療薬である。市販されている製剤は、経口投与用錠剤であるが、カンデサルタンシレキセチルは水に極めて難溶性である。(溶解度0.05μg/ml未満)

溶出率を高めるため、実質的に非晶質の形態のこの化合物を含んでいる経口投与用固形製剤が提案されている。特表2010−502698(特許文献1)参照。具体的には、この化合物をポリビニルピロリドンPVP)、またはこの化合物とPVPと非イオン界面活性剤エタノールに溶かし、この溶液結合液として用いて賦形成分造粒し、錠剤へ圧縮成形することよりなる。この文献では、実質的に非晶質のカンデサルタンシレキセチルの固体分散体を得る目的で化合物とエチレンオキシドプロピレンオキシド共重合体ポロキサマー)またはポリエチレングリコール6000の混合物溶融し、冷却固化して固体分散体とする実験を行っているが、いずれの場合も分散体中薬剤結晶質であったことを報告している。

カンデサルタンシレキセチルは単独で固体状態では、温度、湿度、光に対して安定であるが、製剤化において安定性が低下することが知られている。特に製造過程に加えられる圧力、摩擦、熱等により結晶の歪みが生じることがあり、経日的な含量低下加速される。特許第2682353号(特許文献2)は、カンデサルタンシレキセチル(化合物V)を含む錠剤等の固形製剤において、有効成分の経時的分解を抑制する安定剤としてポリエチレングリコール6000を使用することを提案している。しかしながらこの技術は溶出率の改良については十分に考慮されていない。

概要

薬物の安定性と溶出率が従来可能であったよりも高められたカンデサルタンシレキセチル含有医薬組成物を提供する。ゲル化剤含水ゲル結晶状態のカンデサルタンシレキセチルを担持させてなる医薬組成物。

目的

実質的に非晶質形態のカンデサルタンシレキセチルおよび可溶化剤を含む前述の経口投与用固形製剤は、エタノールのような有機溶媒の使用を含む複雑な工程が必要である上、熱などに対して不安定なこの化合物の製剤化工程および貯蔵時の安定性について十分に考慮されていない。また、カンデサルタンシレキセチルの安定性を改善した前述の固形製剤では、溶出率については十分に考慮されていない。それ故本発明の課題は、これらの欠点が改良されたカンデサルタンシレキセチルの新しい経口投与用製剤、特に溶出率と安定性の両面に関して先行技術によって可能であったよりもさらに高められた製剤を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

請求項2

ゲル化剤は、ゼラチンヒドロキシプロピルスターチカラギーナンデキストリン寒天、またはそれらの混合物から選ばれる請求項1の医薬組成物。

請求項3

含水ゲルが可塑剤を含んでいる請求項1または2の医薬組成物。

請求項4

ゲル化剤がゼラチンであり、可塑剤がグリセリンおよび/またはD−ソルビトールである請求項3の医薬組成物。

請求項5

カンデサルタンシレキセチルを担持させた含水ゲルは、含水ゲル中のカンデサルタンシレキセチルの貯蔵安定性および/または溶出性を向上させるための補助添加剤をさらに含んでいる請求項1ないし4のいずれかの医薬組成物。

請求項6

補助添加剤は、ポリビニルピロリドンポリエチレングリコールまたはヒドロキシプロピルセルロースから選ばれる請求項5の医薬組成物。

請求項7

粒子状製剤カプセル製剤の内容物もしくはカプセル皮膜、または多層カプセル製剤の最外層の形にある請求項1ないし6のいずれかの医薬組成物。

請求項8

血圧降下剤または高脂血症用剤が請求項7の医薬組成物と同じ製剤に含まれている固形製剤

請求項9

請求項7の医薬組成物または請求項8の固形製剤が投与量ごとに分包包装されてなる医薬品。

技術分野

0001

本発明は、カンデサルタンシレキセチル活性成分として含み、活性成分の溶出率と安定性が高められた医薬組成物に関する。

背景技術

0002

カンデサルタンシレキセチルは、アンジオテンシンIIAII)受容体拮抗作用を示す高血圧治療薬である。市販されている製剤は、経口投与用錠剤であるが、カンデサルタンシレキセチルは水に極めて難溶性である。(溶解度0.05μg/ml未満)

0003

溶出率を高めるため、実質的に非晶質の形態のこの化合物を含んでいる経口投与用固形製剤が提案されている。特表2010−502698(特許文献1)参照。具体的には、この化合物をポリビニルピロリドンPVP)、またはこの化合物とPVPと非イオン界面活性剤エタノールに溶かし、この溶液結合液として用いて賦形成分造粒し、錠剤へ圧縮成形することよりなる。この文献では、実質的に非晶質のカンデサルタンシレキセチルの固体分散体を得る目的で化合物とエチレンオキシドプロピレンオキシド共重合体ポロキサマー)またはポリエチレングリコール6000の混合物溶融し、冷却固化して固体分散体とする実験を行っているが、いずれの場合も分散体中薬剤結晶質であったことを報告している。

0004

カンデサルタンシレキセチルは単独で固体状態では、温度、湿度、光に対して安定であるが、製剤化において安定性が低下することが知られている。特に製造過程に加えられる圧力、摩擦、熱等により結晶の歪みが生じることがあり、経日的な含量低下加速される。特許第2682353号(特許文献2)は、カンデサルタンシレキセチル(化合物V)を含む錠剤等の固形製剤において、有効成分の経時的分解を抑制する安定剤としてポリエチレングリコール6000を使用することを提案している。しかしながらこの技術は溶出率の改良については十分に考慮されていない。

先行技術

0005

特表2010−502698号公報
特許第2682353号公報

発明が解決しようとする課題

0006

実質的に非晶質形態のカンデサルタンシレキセチルおよび可溶化剤を含む前述の経口投与用固形製剤は、エタノールのような有機溶媒の使用を含む複雑な工程が必要である上、熱などに対して不安定なこの化合物の製剤化工程および貯蔵時の安定性について十分に考慮されていない。また、カンデサルタンシレキセチルの安定性を改善した前述の固形製剤では、溶出率については十分に考慮されていない。それ故本発明の課題は、これらの欠点が改良されたカンデサルタンシレキセチルの新しい経口投与用製剤、特に溶出率と安定性の両面に関して先行技術によって可能であったよりもさらに高められた製剤を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

本発明によれば、本発明の医薬組成物はゲル化剤を含む担体にカンデサルタンシレキセチルを結晶状態のまま均一に分散させることにより提供される。ゲル化剤を含む担体には薬物の溶出速度および/または製剤の粘度調節および/または薬物の安定化等の機能を兼ね備えることができる補助剤アジュバント)を含むことができる。

0008

従って本発明との医薬組成物は、医薬分野で使用されるゲル化剤の含水ゲルに結晶状態のカンデサルタンシレキセチルを担持させてなる医薬組成物である。

0009

本発明の医薬組成物は、常法の製剤化技術により錠剤、カプセル剤顆粒剤散剤経口ゼリー剤等の固形製剤とすることができる。特に、粒子状製剤カプセル製剤多層カプセル製剤とすることが望ましい。粒子状製剤とは、医薬組成物を医薬組成物と相溶性のない冷却媒体滴下し、固化することにより製した固形製剤である。カプセル製剤とは、医薬組成物をカプセル充てん又はカプセル皮膜被包成形する方法や、医薬組成物をカプセル皮膜として用いる方法により製した固形製剤である。多層カプセル製剤とは、医薬組成物を少なくとも三重以上の順次増大する同心円状の多重ノズルを用い、最外層より滴下される溶液と相溶性のない冷却媒体に滴下し、固化することによって製した固形製剤である。

0010

カンデサルタンシレキセチルを均一に分散させた医薬組成物を粒子状製剤若しくはカプセル製剤、多層カプセル製剤とした場合、製造工程中に圧力、摩擦、熱等の負荷がかからないため、製造工程においても安定性が保たれた製剤を提供することが可能である。また、本発明の医薬組成物はカンデサルタンシレキセチルを均一に分散させているため、含量均一性が高い製剤を提供することができる。さらに、本発明の医薬組成物を用いて調製した固形製剤は、カンデサルタンシレキセチルを均一に分散させる工程と製剤化工程のみからなり、極めて簡単な製造工程で製剤を提供することができる。

0011

本発明の医薬組成物は血圧降下剤もしくは高脂血症用剤に分類される配合成分を配合することが可能である。配合成分はカンデサルタンシレキセチルを含む医薬組成物中に含有することができる。また、カンデサルタンシレキセチルと一緒に配合すると安定性が低下する場合や、配合成分が液体・半固形成分である場合など、一緒に配合することが難しい場合は、カプセル製剤若しくは多層カプセル製剤などとし、カンデサルタンシレキセチルと配合成分とを同一の製剤中に別々に配合することもできる。これにより安定性に優れた配合剤を提供することが可能となる。

発明の効果

0012

本発明により、カンデサルタンシレキセチル原体よりも高い溶出率が得られる。これは、ゲル化剤を含む担体にカンデサルタンシレキセチルを均一に分散させることにより、カンデサルタンシレキセチルの濡れ性を大幅に改善させたためである。また、カンデサルタンシレキセチルを均一に分散させたことにより、溶出バラツキが軽減され、安定した溶出率を有する。

0013

カンデサルタンシレキセチルは熱や圧力、摩擦等に起因する結晶の歪みにより不安定化することが知られているが、カンデサルタンシレキセチルをゲル化剤を含む担体に結晶状態のまま均一に分散させることにより製剤中での安定性が確保され、貯蔵安定性も確保される。

図面の簡単な説明

0014

医薬組成物を医薬組成物と相溶性のない冷却媒体に滴下し、固化することによって製した粒子状製剤の例。
医薬組成物をカプセル内容物としたカプセル製剤の例。
医薬組成物をカプセル皮膜としたカプセル製剤の例。
医薬組成物を少なくとも三重以上の順次増大する同心円状の多重ノズルを用い、最外層より滴下される溶液と相溶性のない冷却媒体に滴下し、固化することによって製した多層カプセル製剤の例。
医薬組成物と配合成分を含む配合製剤の例。
試験例2においてテストした検体1〜検体6の組成物の溶出率を測定したグラフ
試験例2においてテストした検体7〜検体12の組成物の溶出率を測定したグラフ。
試験例2においてテストした検体13〜検体18の組成物の溶出率を測定したグラフ。
試験例3においてテストした処方1〜処方6の組成物の溶出率を対照(カンデサルタンシレキセチル原体)の溶出率と比較したグラフ。
試験例3においてテストした処方7〜処方11の組成物の溶出率を対照(カンデサルタンシレキセチル原体)の溶出率と比較したグラフ。

0015

本発明の医薬組成物の製造は、使用するゲル化剤の含水ゾルをあらかじめ調製し、これに結晶状態のカンデサルタンシレキセチルを担持させる工程から出発するのが便利である。その際グリセリンのような可塑剤を含む各種添加剤もゲル化剤と共に水に溶解し、添加剤を含んでいる含水ゾルを調製し、これにカンデサルタンシレキセチルを均一に分散させる。カンデサルタンシレキセチルを担持させた含水ゾルはその後粒子状製剤、カプセル製剤、多層カプセル製剤、カプセル皮膜などの経口投与製剤に加工することができる。

0017

ゲル化剤を含む担体には上記ゲル化剤を単独で使用するほか、それらの混合物を使用することができる。ゲル化剤を含む担体には可塑剤や防腐剤などを使用することができる。

0018

ゲル化剤は、カンデサルタンシレキセチル1重量部に対して0.01〜10000重量部、好ましくは0.1〜1000重量部、より好ましくは1〜100重量部である。

0019

カンデサルタンシレキセチルは結晶状態のままゲル化剤を含む担体に均一に分散させる。このとき、カンデサルタンシレキセチルを均一に分散させるため、予めゲル化剤は可塑剤や防腐剤などと共に加温、溶解、混合しておくことが好ましい。

0020

カンデサルタンシレキセチルを担体に分散させるため、担体に対して任意の比率で分散することが可能である。

0021

本発明の組成物には可塑性、防腐剤以外の補助添加剤を用いることができる。補助添加剤は、薬物溶出率の制御、粘度の調節、薬物の安定化などの機能を兼ね備えることができる。使用可能な補助添加剤の例は以下のものを含む。

0022

ショ糖脂肪酸エステル、ポリビニルピロリドン、クロスポビドン結晶セルロース、ポリエチレングリコール、酸化チタン軽質無水ケイ酸ステアリン酸マグネシウムヒプロメロースメチルセルロースなど。ショ糖脂肪酸エステルとしては、たとえばDKエステルSS、F-160、F-140、F-110、F-90、F-70、F-50、F-20W、F-10)(第一工業製薬製)などが挙げられる。ポリビニルピロリドンとしては、たとえばコリドンK25、コリドンK30、コリドンK90(BASFジャパン製)などが挙げられる。クロスポビドンとしては、たとえばコリドンCL-M(BASFジャパン製)などが挙げられる。結晶セルロースとしては、たとえばセオラス三栄源エフエフアイ製)などが挙げられる。ポリエチレングリコールとしては、マクロゴール200、マクロゴール300、マクロゴール400、マクロゴール600、マクロゴール1000、マクロゴール1500、マクロゴール1540、マクロゴール4000マクロゴール6000マクロゴール20000、マクロゴール35000(三洋化成工業製)などが挙げられる。酸化チタンとしては、たとえば酸化チタン(堺化学工業製)、酸化チタンA-HR(フロイント産業製)などが挙げられる。軽質無水ケイ酸としては、たとえばアドソリダー-101(フロイント産業製)などが挙げられる。ステアリン酸マグネシウムとしては、たとえばステアリン酸マグネシウム(三栄源エフ・エフ・アイ製、日本油脂製)などが挙げられる。ヒドロキシプロピルセルロースとしては、たとえばTC-5(三栄源エフ・エフ・アイ製)などが挙げられる。メチルセルロースとしては、たとえばMETOLOSESM(信越化学工業)などが挙げられる。

0023

添加する場合、補助添加剤は、カンデサルタンシレキセチル1重量部に対して0.1〜100重量部、好ましくは20重量部まで添加することができる。

0024

含水ゲルに結晶状態のカンデサルタンシレキセチルを担持させてなる本発明の医薬組成物(以下単に「本発明の医薬組成物」という。)は、常法の製剤化技術により、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、経口ゼリー剤等の固形製剤となることができる。

0025

本発明の医薬組成物を医薬組成物と相溶性のない冷却媒体に滴下し、固化することにより粒子状製剤とすることも可能である。この方法により、粒単位の質量が極めて均一な製剤とすることができる。製剤の具体例を図1に示す。

0026

本発明の医薬組成物をカプセル内容物若しくはカプセル皮膜とすることによりカプセル製剤とすることもできる。カプセル製剤は、常法の軟カプセル剤又は硬カプセル剤の製造方法により製造することができる。軟カプセル剤は、シームレス方式、平板方式、ロータリーダイ方式のいずれかにより製造することができる。また硬カプセル剤は、顆粒、液体、ペースト状のカプセル内容物を充てんする手法により製造することができる。製剤の具体例を図2図3に示す。

0027

本発明の医薬組成物を少なくとも三重以上の順次増大する同心円状の多重ノズルを用い、最外層より滴下される溶液と相溶性のない冷却媒体に滴下し、固化することにより多層カプセル製剤とすることも可能である。多層カプセル製剤は、多重ノズルの各ノズルから滴下されて形成された層により構成され、中心から第1層、第2層、第3層、(以降同様)とあらわされる。本発明の医薬組成物を含む多層カプセル製剤は、医薬組成物を多重ノズルのいずれかのノズルより滴下し形成される。また、この時いずれかのノズルより配合成分を滴下することにより配合製剤とすることもできる。製剤の具体例を図4に示す。

0028

例えばゲル化剤がゼラチンの場合、熱水には良く溶け、35℃以下でゲル化する。従って薬物を均一に分散させるためにはゼラチン溶液ゲル化前に添加する必要がある。また薬物を担持させたゲルの粒子状製剤を望む場合には、薬物を分散させた熱いゼラチン溶液を植物油中鎖脂肪酸トリグリセリドのような冷たい疎水性液体中へ液滴として滴下し、ゲル化させて製造することができる。ゼラチンを溶かすための熱水の量は必要最低限であることが望ましいが、一般に可塑剤として添加されるグリセリンと合計してゼラチン重量と同量〜5倍が適当である。

0029

薬物を担持させたカプセル皮膜の場合も同じであるが、薬物の担持させたゲルよりなる粒子製剤は、スティッキング微生物増殖等の防止のため、乾燥してゲルの水分を減らす必要がある。乾燥の方法は任意であるが、40℃以上の高温は避けた方が良い。可塑剤を含む場合、原料の乾燥ゼラチンの水分9〜12%と同程度まで乾燥しても脆くなることはない。ゲルの乾燥の程度を測定する簡便な方法として、ゲルの水分活性を測定する方法がある。「水分活性」は、試料を入れた密閉容器内の平衡相対湿度の1/100と考えることができ、微生物が増殖に利用できる食品中の自由水の量を示す数値として利用されており、そのための測定器具が市販されている。本発明の場合、粒状製剤またはカプセル皮膜の乾燥の程度は水分活性が0.8を下廻れば十分である。

0030

本発明の医薬組成物は、血圧降下剤もしくは高脂血症用剤に分類される1種又は2種以上の配合成分をも配合することができる。
血圧降下剤には、例えば、アムロジピンベシル酸塩アゼルニジピンアラニジピン、エホニジピン塩酸塩シルニジピンニカルジピン塩酸塩、ニソルジピンニトレンジピンニフェジピンニルバジピン塩酸バルニジピン、フェロジピンベニジピン塩酸塩マニジピン塩酸塩、アゼルニジピン、ジルチアゼム塩酸塩、ベニジピン塩酸塩などのカルシウム拮抗作用を有する化合物や、ヒドロクロロチアジドトリクロルメチアジドベンチルヒドロクロロチアジド、メチクランインダパミドクロルタリドンメフルシドフロセミドピレタニドブメタニドスピロノラクトントリアムテレンカンレノ酸カリウムなどの利尿作用を有する化合物、カプトプリルエナラプリルマレイン酸塩アラセプリルデラプリル塩酸塩シラザプリルリシノプリルベナゼプリル塩酸塩イミダプリル塩酸塩、テモカプリル塩酸塩キナプリル塩酸塩、トランドラプリルペリンドプリルエルブミンなどのアンジオテンシン転換酵素阻害作用を有する化合物や、プロプラノロール塩酸塩、ナドロールピンドロールニプラジロールチリソロール塩酸塩、インデノロール塩酸塩、カルテオロール塩酸塩、ピンドロール、塩酸ブニトロロール硫酸ペンブトロールボピンドロールマロン酸塩アテノロールビソプロロールフマル酸塩ベタキソロール塩酸塩、メトプロロール酒石酸塩、塩酸ベバントロールアセブトロール塩酸塩、セリプロロール塩酸塩などのβ受容体遮断作用を有する化合物などが挙げられる。
高脂血症用剤には、例えば、プラバスタチンナトリウムシンバスタチンフルバスタチンナトリウムアトルバスタチンカルシウム水和物ピタバスタチンカルシウムロスバスタチンカルシウム、などのスタチン系化合物、コレスチミランコレスチミドなどの陰イオン交換樹脂クロフィブラートクリノフィブラートベザフィブラートフェノフィブラート、などのフィブラート系化合物、ニコチン酸トコフェロールニコモールニセリトロール、などのニコチン酸誘導体コレステロール吸収阻害薬エゼチミブプロブコールイコサペント酸エチルなどが挙げられる。

0031

配合成分はカンデサルタンシレキセチルを含む医薬組成物に配合することも可能であり、また、カンデサルタンシレキセチルと一緒に配合すると安定性が低下する場合や、配合成分が液体・半固形成分である場合など、一緒に配合することが難しい場合は、カプセル製剤又は多層カプセル製剤などとしカンデサルタンシレキセチルと配合成分とを別々に配合することもできる。製剤の具体例を図5に示す。

0032

現在国内では、1錠あたりのカンデサルタンシレキセチル含有量が2、4、8、12mgの4規格の製剤が販売されている。しかしながら、同一製剤に対して複数の規格が存在する場合、投与の際に製剤の取り違いが起こりやすく薬物の過少投与または過量投与の危険がある。このような危険を回避するため、医薬組成物の薬物濃度を一定とした1種類の製剤のみを用意し、製剤の個数によって各規格に対応することが好ましい。

0033

また、本発明の医薬組成物を用いて調製した固形製剤を1回投与量ごと分包包装することも可能である。カンデサルタンシレキセチルは2mg〜12mgの間で細かい投与量の調節が行われているため、患者の1回投与量を分包化した製剤を提供することは服用量の間違いの防止や、服用しやすさの観点からも利点となる。包装形態については特に限定されないが、服用しやすさを考慮した包装形態が望ましく、スティック形状などが好ましい。

0034

以下に試験例および実施例により、本発明を例証する。これらにおいて、特記しない限り、部および%は重量基準による。

0035

試験例1
最初に各種補助添加剤中のカンデサルタンシレキセチル(以下単に「薬物」という。)の貯蔵安定性を調べるため、以下の苛酷安定性試験を行った。
薬物30mgと、各種添加成分0.9gとをそれぞれ透明ガラス容器取し、約80℃で30分間加温し、薬物がこれらの成分に溶解するか否かを目視により観察した。次に液体をガラス瓶に移して密栓し、温度50℃湿度75%RHの環境で2週間保管し、保管後の薬物含量HPLCにより定量し、残存率を算出した。結果を表1に示す。

0036

0037

試験例2
次に補助添加剤による薬物の溶出性を確認するため、倍散末による溶出試験を行った。薬物50mgに対し、表2に示す各種補助添加剤0.95gを均一になるよう混合し検体1〜検体18とした。薬物2mgに対応する量の各検体をとり、硬カプセルに充てんし、溶出試験を行った。溶出試験は日本薬局方一般試験法・溶出試験法パドル法により試験を行い、試験液には1.0%ポリソルベート20溶液、900mLを用い、回転数は50回転/分とした。なお、シンカーを用いた。規定の時間に20mLをサンプリングし、薬物含量をHPLCにより測定した。結果を図6図7図8に示す。

0038

0039

以上の結果から、各種補助添加剤により薬物の溶解性の制御が可能であることが確かめられた。

0040

試験例3
試験例2により溶出性の向上が見られた検体につき、薬物の溶出性に与える影響を観察するため、表3に示す処方1〜11について、粒子状製剤を調製し薬物の溶出性に与える影響を観察した。
薬物を除く成分に適量の水を加えて混合し、約70℃で加温してゼラチンを溶解させた。溶解後薬物を加え、均一になるよう分散させ、医薬組成物とした。医薬組成物をこの場合は中鎖脂肪酸トリグリセリドである相溶性のない冷却媒体に滴下し、固化させて得た粒子を水分活性0.3になるまで乾燥し、含水ゲルの形の粒子状製剤を調製した。溶出試験は日本薬局方・一般試験法・溶出試験法のパドル法により試験を行い、試験液には1.0%ポリソルベート20溶液、900mLを用い、回転数は50回転/分とした。各粒子状製剤につき薬物2mgに相当する量をとり試験を行った。なお、対照については採取量の都合上10mgで試験を行った。規定の時間に20mLをサンプリングし、薬物含量をHPLCにより測定した。それぞれの結果については、有効成分量に対する溶出率に換算し溶出性を比較した。

0041

0042

結果を図9図10に示す。処方例1〜処方例11は対照と比べて、溶出率曲線のAUCにおいて少なくとも2倍に増加した。

0043

試験例4
試験例3で調製した粒子状製剤の貯蔵安定性を調べるため、以下の苛酷安定性試験を行った。
粒子状製剤をガラス瓶に入れて密栓し、温度50℃湿度75%RHの環境で保管し、2週間、4週間後に取り出し薬物含量をHPLCにより定量し、残存率を算出した。結果を表4に示す。

0044

0045

以下に限定の意図しない実施例により本発明を説明する。なお処方例中の各種成分の数値は重量部を意味する。

0046

〔処方例1〕
粒子状製剤
薬物を除く下記の成分を混合し、約70℃で加温してゼラチンを溶解させた。溶解後薬物を加え、均一に分散させ、医薬組成物とした。
医薬組成物を相溶性のない冷却媒体(例えば、中鎖脂肪酸トリグリセリド)に滴下し、水分活性が0.3となるよう乾燥して粒子状製剤を製造した。この時、1粒当たりの薬物含量が例えば0.125〜1mgになるように製造した。

0047

〔処方例2〕
粒子状製剤
処方例1に準じ粒子状製剤を製造した。

0048

〔処方例3〕
粒子状製剤
処方例1に準じ粒子状製剤を製造した。

0049

〔処方例4〕
粒子状製剤
処方例1に準じ粒子状製剤を製造した。

0050

〔処方例5〕
粒子状製剤
処方例1に準じ粒子状製剤を製造した。

0051

〔処方例6〕
粒子状製剤(配合剤)
薬物及び配合成分を除く下記の成分を混合し、約70℃で加温してゼラチンを溶解させた。溶解後薬物及び配合成分を加え、均一に分散させることにより医薬組成物とした。
医薬組成物を相溶性のない冷却媒体(例えば、中鎖脂肪酸トリグリセリド)に滴下し、水分活性が0.3となるよう乾燥して粒子状製剤を製造した。この時、1粒当たりの薬物含量が例えば0.125〜1mgになるように製造した。

0052

〔処方例7〕
粒子状製剤(配合剤)
処方例6に準じ粒子状製剤を製造した。

0053

〔処方例8〕
粒子状製剤(配合剤)
処方例6に準じ粒子状製剤を製造した。

0054

〔処方例9〕
粒子状製剤(配合剤)
処方例6に準じ粒子状製剤を製造した。

0055

〔処方例10〕
カプセル製剤
薬物を除くカプセル内容物成分を混合し、約70℃で加温して溶解させた。溶解後薬物を加え、均一に分散させることにより医薬組成物を製造した。
医薬組成物を常法の軟カプセル剤の製造方法によりカプセル皮膜に充てんしカプセル製剤を製造した。この時1カプセル当たりの薬物含量が例えば2mgになるような分量で充てんした。また、カプセル製剤は水分活性が0.5となるよう乾燥した。

0056

〔処方例11〕
カプセル製剤
処方例10に準じカプセル製剤を製造した。

0057

〔処方例12〕
カプセル製剤
処方例10に準じカプセル製剤を製造した。

0058

〔処方例13〕
カプセル製剤
処方例10に準じカプセル製剤を製造した。

0059

〔処方例14〕
カプセル製剤(配合剤)
薬物及び配合成分を除くカプセル内容物成分を混合し、約70℃で加温して溶解させた。溶解後薬物及び配合成分を加え、医薬組成物を製造した。
医薬組成物を常法の軟カプセル剤の製造方法によりカプセル皮膜に充てんしカプセル製剤を製造した。この時1カプセル当たりの薬物含量が例えば2mgになるような分量で充てんした。また、カプセル製剤は水分活性が0.5となるよう乾燥した。

0060

〔処方例15〕
カプセル製剤(配合剤)
処方例14に準じカプセル製剤を製造した。

0061

〔処方例16〕
カプセル製剤(配合剤)
処方例14に準じカプセル製剤を製造した。

0062

〔処方例17〕
カプセル製剤
薬物を除くカプセル内容物成分を混合し、約70℃で加温して溶解させた。溶解後薬物を加え、均一に分散させることにより医薬組成物を製造した。
医薬組成物を常法の硬カプセル剤の製造方法により1カプセル当たりの薬物含量が例えば2mgになるような分量で硬カプセルに充てんしカプセル製剤とした。

0063

〔処方例18〕
カプセル製剤
処方例17に準じカプセル製剤を製造した。

0064

〔処方例19〕
カプセル製剤
薬物を除くカプセル内容物成分を混合し、約70℃で加温して溶解させた。溶解後薬物を加え、均一に分散させたものを顆粒状とし、水分活性が0.3となるよう乾燥させることにより医薬組成物を製造した。
医薬組成物を常法の硬カプセル剤の製造方法により1カプセル当たりの薬物含量が例えば2mgになるような分量で硬カプセルに充てんした。

0065

〔処方例20〕
カプセル製剤
薬物を除くカプセル皮膜成分を混合し、約70℃で加温して溶解させた。溶解後薬物を加え、均一に分散させることにより医薬組成物を製造した。
常法の軟カプセル剤の製造方法によりカプセル皮膜(医薬組成物)にカプセル内容物を充てんしカプセル製剤を製造した。この時1カプセル当たりの薬物含量が例えば2mgになるように製造した。また、カプセル製剤は水分活性が0.5となるよう乾燥した。

0066

〔処方例21〕
カプセル製剤
処方例20に準じカプセル製剤を製造した。

0067

〔処方例22〕
カプセル製剤
処方例20に準じカプセル製剤を製造した。

0068

〔処方例23〕
カプセル製剤(配合剤)
処方例20に準じカプセル製剤を製造した。

0069

〔処方例24〕
カプセル製剤(配合剤)
処方例20に準じカプセル製剤を製造した。

0070

〔処方例25〕
カプセル製剤(配合剤)
処方例20に準じカプセル製剤を製造した。

0071

〔処方例26〕
カプセル製剤
薬物を除くカプセル皮膜成分を混合し、約70℃で加温してゼラチンを溶解させた。溶解後薬物を加え、均一に分散させることにより医薬組成物を製造した。
中心ノズルからカプセル内容物、外側ノズルから医薬組成物を同時に滴下し、常法のシームレスカプセルの製造方法に従ってカプセル製剤を製造した。この時、カプセル製剤は水分活性が0.5となるよう乾燥した。

0072

〔処方例27〕
カプセル製剤
処方例26に準じカプセル製剤を製造した。

0073

〔処方例28〕
カプセル製剤(配合剤)
処方例26に準じカプセル製剤を製造した。

0074

〔処方例29〕
カプセル製剤(配合剤)
処方例26に準じカプセル製剤を製造した。

0075

〔処方例30〕
多層カプセル製剤
薬物を除く第3層成分を混合し、約70℃で加温してゼラチンを溶解させた。溶解後薬物を加え、均一に分散させることにより医薬組成物を製造した。
中心から第1層、第2層、第3層(医薬組成物)を同時に滴下し、常法のシームレスカプセルの製造方法に従って多層カプセル製剤を製造した。この時、多層カプセル製剤は水分活性が0.3となるよう乾燥した。

0076

1製剤当り有効成分0.125mg〜1mgを含むよう調製した処方例1〜9及び処方例26〜30の製剤は、表5に示す1回投与量に対応した個数に計数し、分包包装する。包装形態は例えばスティック形状の分包に包装する。

実施例

0077

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