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課題・解決手段

本発明の目的は、移植治療において、レシピエントドナー特異的な免疫寛容を効果的に誘導するための医薬及び方法を提供することである。共刺激因子に対するsiRNAとシゾフィランとの複合体は、シゾフィランを特異的に認識するDectin-1発現細胞デリバリーされてDectin-1発現細胞の機能を調節し、免疫抑制効果だけではなく、効果的に免疫寛容を誘導できる。

概要

背景

1998年に発見されたRNA干渉(RNAi)、その効果の大きさや持続性が従来のアンチセンス法に比較して顕著に優れており、画期的な遺伝子発現阻害方法であることから医薬応用が期待されてきた。しかしながら、RNAi活性を示す2本鎖RNA(すなわちsiRNA)は、投与から標的細胞に取り込まれる過程、もしくは細胞内で分解されることが多く、その活性本体であるRISC複合体を細胞内で形成することが困難であった。従って、優れた遺伝子発現阻害方法であるにも関わらず、十分な効果が得られないことから、いまだsiRNAを利用した医薬品は存在しない。

未修飾のsiRNAは血中等に存在するヌクレアーゼにより分解され、標的細胞でRNAi効果を発揮するものは少ない。従って、ヌクレアーゼ耐性となるような様々な化学修飾をsiRNAに施すことが試みられてきた。それにもかかわらず、有効に細胞内に導入するには高い用量が必要であった。また、2本鎖ヌクレオチドを高用量で生体に投与すると、自然免疫反応を高めることから、意図しない免疫賦活反応の効果が現われることが知られている。従って標的細胞内に特異的にsiRNAを導入するデリバリー技術が必要である。siRNAのデリバリー技術としては、リポソーム高分子ナノミセル等、siRNAを包埋する技術が開発されてきた。しかしながら、依然として標的性としてはパッシブターゲティングの域を超えず、これを克服するために例えば標的細胞と結合する分子をsiRNAの製剤に付与するなどの工夫が必要とされている。

このような背景から、ポジティブターゲティングや当該標的細胞内において有意にRNAi活性を示すsiRNAのデリバリー技術が求められていた。そこで、siRNAの樹状細胞へのデリバリー方法として、シゾフィランとsiRNAにポリデオキシアデニンが付加したものの複合体(特許文献1を参照)が提案されている。

一方、臓器不全血液悪性疾患等の患者に対して、ドナー細胞組織、又は臓器移植する移植治療確立され、移植治療は臨床で不可欠な治療法となっている。しかしながら、現在でもなお、移植治療において、レシピエントドナー特異的な免疫を抑制する技術の向上が望まれている。これまでに、臓器移植における臓器の生着延長のために、CD40-CD40L経路又はCD28-B7経路の遮断が様々な抗体等を用いた試みがなされているが、有効にドナー特異的な寛容誘導でき、実用化された技術はない(非特許文献2及び3参照)。

概要

本発明の目的は、移植治療において、レシピエントにドナー特異的な免疫寛容を効果的に誘導するための医薬及び方法を提供することである。共刺激因子に対するsiRNAとシゾフィランとの複合体は、シゾフィランを特異的に認識するDectin-1発現細胞にデリバリーされてDectin-1発現細胞の機能を調節し、免疫抑制効果だけではなく、効果的に免疫寛容を誘導できる。

目的

しかしながら、現在でもなお、移植治療において、レシピエントのドナー特異的な免疫を抑制する技術の向上が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

ドナー細胞組織又は臓器移植治療において、レシピエントに対してドナー特異的な免疫寛容誘導するために用いられる免疫寛容誘導剤であって、共刺激因子に対するsiRNAとシゾフィランとの核酸多糖複合体を含む、免疫寛容誘導剤。

請求項2

前記siRNAにおけるセンス鎖及びアンチセンス鎖の少なくとも1つの末端に、ポリデオキシアデニンが付加されている、請求項1に記載の免疫寛容誘導剤。

請求項3

前記ポリデオキシアデニン中のホスホジエステル結合の内、少なくとも一部がホスホロチオエート化されている、請求項2に記載の免疫寛容誘導剤。

請求項4

ドナーの細胞、組織または臓器が、骨髄由来の細胞である、請求項1〜3のいずれかに記載の免疫寛容誘導剤。

請求項5

前記共刺激因子が、Dectin-1発現細胞において発現している共刺激因子である、請求項1〜4のいずれかに記載の免疫寛容誘導剤。

請求項6

前記共刺激因子が、CD40、B7.1及びB7.2よりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれかに記載の免疫寛容誘導剤。

請求項7

前記共刺激因子が、CD40である、請求項1〜5のいずれかに記載の免疫寛容誘導剤。

請求項8

移植治療が、腎臓移植心臓移植移植、骨髄移植皮膚移植、または角膜移植である、請求項1〜7のいずれかに記載の免疫寛容誘導剤。

請求項9

共刺激因子に対するsiRNAとシゾフィランとの核酸多糖複合体を、ドナー細胞、臓器又は組織に対する免疫寛容が必要とされる動物投与する工程を含む、移植治療における免疫寛容の誘導方法

請求項10

ドナーの細胞、組織又は臓器の移植治療において、レシピエントに対してドナー特異的な免疫寛容を誘導するために用いられる免疫寛容誘導剤の製造のための、共刺激因子に対するsiRNAとシゾフィランとの核酸多糖複合体の使用。

技術分野

0001

本発明は、共刺激因子に対するsiRNAとシゾフィランとの核酸多糖複合体を用いた免疫寛容誘導剤に関する。また、本発明は、該核酸多糖複合体を用いて共刺激因子の遺伝子発現を抑制することにより、樹状細胞等のDectin-1発現細胞の機能を制御して免疫寛容を誘導する方法、及び該方法に使用される医薬に関する。特に、本発明は共刺激因子に対するsiRNAとシゾフィランとの核酸多糖複合体を用いた臓器移植における拒絶反応を抑制し免疫寛容を誘導する医薬に関する。

背景技術

0002

1998年に発見されたRNA干渉(RNAi)、その効果の大きさや持続性が従来のアンチセンス法に比較して顕著に優れており、画期的な遺伝子発現阻害方法であることから医薬応用が期待されてきた。しかしながら、RNAi活性を示す2本鎖RNA(すなわちsiRNA)は、投与から標的細胞に取り込まれる過程、もしくは細胞内で分解されることが多く、その活性本体であるRISC複合体を細胞内で形成することが困難であった。従って、優れた遺伝子発現阻害方法であるにも関わらず、十分な効果が得られないことから、いまだsiRNAを利用した医薬品は存在しない。

0003

未修飾のsiRNAは血中等に存在するヌクレアーゼにより分解され、標的細胞でRNAi効果を発揮するものは少ない。従って、ヌクレアーゼ耐性となるような様々な化学修飾をsiRNAに施すことが試みられてきた。それにもかかわらず、有効に細胞内に導入するには高い用量が必要であった。また、2本鎖ヌクレオチドを高用量で生体に投与すると、自然免疫反応を高めることから、意図しない免疫賦活反応の効果が現われることが知られている。従って標的細胞内に特異的にsiRNAを導入するデリバリー技術が必要である。siRNAのデリバリー技術としては、リポソーム高分子ナノミセル等、siRNAを包埋する技術が開発されてきた。しかしながら、依然として標的性としてはパッシブターゲティングの域を超えず、これを克服するために例えば標的細胞と結合する分子をsiRNAの製剤に付与するなどの工夫が必要とされている。

0004

このような背景から、ポジティブターゲティングや当該標的細胞内において有意にRNAi活性を示すsiRNAのデリバリー技術が求められていた。そこで、siRNAの樹状細胞へのデリバリー方法として、シゾフィランとsiRNAにポリデオキシアデニンが付加したものの複合体(特許文献1を参照)が提案されている。

0005

一方、臓器不全血液悪性疾患等の患者に対して、ドナー細胞組織、又は臓器移植する移植治療確立され、移植治療は臨床で不可欠な治療法となっている。しかしながら、現在でもなお、移植治療において、レシピエントドナー特異的な免疫を抑制する技術の向上が望まれている。これまでに、臓器移植における臓器の生着延長のために、CD40-CD40L経路又はCD28-B7経路の遮断が様々な抗体等を用いた試みがなされているが、有効にドナー特異的な寛容誘導でき、実用化された技術はない(非特許文献2及び3参照)。

0006

Bull. Chem. Soc. Jpn., 77, 1101?1110 (2004)
Exp Neurol. 2004 Mar;186(1):59-69
Transplantation 2003; 75(5): 637-643

先行技術

0007

WO2009/078470公報

発明が解決しようとする課題

0008

本発明は、移植治療において、レシピエントにドナー特異的な免疫寛容を効果的に誘導するための医薬及び方法を提供することを主な目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、驚くべきことに、共刺激因子に対するsiRNAとシゾフィランとの複合体は、シゾフィランを特異的に認識するDectin-1発現細胞にデリバリーされてDectin-1発現細胞の機能を調節し、免疫抑制効果だけではなく、効果的に免疫寛容を誘導できることを見出した。実際に、CD40に対するsiRNAとシゾフィランとの複合体を用いた心移植モデルにおいて、非常に優れた免疫寛容効果を示すことを見出した。本発明は、これらの知見に基づいてさらに研究を重ねた結果、完成されたものである。

0010

本発明は、以下の免疫寛容誘導剤、免疫寛容の誘導方法等を提供するものである。
項1.ドナー細胞、組織又は臓器の移植治療において、レシピエントに対してドナー特異的な免疫寛容を誘導するために用いられる免疫寛容誘導剤であって、
共刺激因子に対するsiRNAとシゾフィランとの核酸多糖複合体を含む、免疫寛容誘導剤。
項2. 前記siRNAにおけるセンス鎖及びアンチセンス鎖の少なくとも1つの末端に、ポリデオキシアデニンが付加されている、項1に記載の免疫寛容誘導剤。
項3. 前記ポリデオキシアデニン中のホスホジエステル結合の内、少なくとも一部がホスホロチオエート化されている、項2に記載の免疫寛容誘導剤。
項4. ドナーの細胞、組織または臓器が、骨髄由来の細胞である、項1〜3のいずれかに記載の免疫寛容誘導剤。
項5. 前記共刺激因子が、Dectin-1発現細胞において発現している共刺激因子である、項1〜4のいずれかに記載の免疫寛容誘導剤。
項6. 前記共刺激因子が、CD40、B7.1及びB7.2よりなる群から選択される少なくとも1種である、項1〜5のいずれかに記載の免疫寛容誘導剤。
項7. 前記共刺激因子が、CD40である、項1〜5のいずれかに記載の免疫寛容誘導剤。
項8. 移植治療が、腎臓移植心臓移植移植、骨髄移植皮膚移植、または角膜移植である、項1〜7のいずれかに記載の免疫寛容誘導剤。
項9. 共刺激因子に対するsiRNAとシゾフィランとの核酸多糖複合体を、ドナー細胞、臓器又は組織に対する免疫寛容が必要とされる動物に投与する工程を含む、移植治療における免疫寛容の誘導方法。
項10. ドナーの細胞、組織又は臓器の移植治療において、レシピエントに対してドナー特異的な免疫寛容を誘導するために用いられる免疫寛容誘導剤の製造のための、共刺激因子に対するsiRNAとシゾフィランとの核酸多糖複合体の使用。

発明の効果

0011

本発明の免疫寛容誘導剤によれば、ドナーの細胞、組織又は臓器が移植されるレシピエントにおいてドナー特異的な免疫寛容を効果的に誘導することができる。より具体的には、本発明によれば、移植治療を受けた又は受けるレシピエント体内のDectin-1発現細胞に対して共刺激因子に対するsiRNAを導入してRNAi活性を誘導することができ、当該Dectin-1発現細胞の機能を調節することによって、レシピエントに対して免疫寛容を誘導することができる。

0012

更に、本発明の免疫寛容誘導剤を利用することにより、低用量のsiRNA医薬で免疫抑制を誘導できる治療方法を提供することも可能である。特に、本発明の免疫寛容誘導剤を利用することにより、移植治療における拒絶反応を効果的に抑制することができる。

図面の簡単な説明

0013

実施例4の結果、即ち、S化poly(dA)が連結されたsiRNAはDicerに切断されなくてもRNA干渉効果が得られることを示す図である。
実施例8の結果、即ち、アロ反応による増殖の抑制率を示す図である。
実施例8の結果、即ち、dA40(s)-siCD40(27nt)/SPG複合体と共存させたCD11c陽性細胞は、前培養MLRにおいて免疫抑制を誘導することを示す図である。
実施例9の(9-B)の結果、即ち、dA40(s)-siCD40(21nt)/SPG複合体が、ex vivo MLRにおいてリンパ球の活性化を有意に抑制したことを示す図である。
実施例10の結果、即ち、Alexa647標識dA40(s)-siLuc(21nt)/SPG複合体で処理したHEK293T細胞及びdHEK細胞を観察した像を示す。
実施例10の結果を示す。即ち、Alexa647標識dA40(s)-siLuc(21nt)/SPG複合体で処理したHEK293T細胞及びdHEK細胞について、当該複合体の取り込み量(Alexa647の蛍光強度)(図6のA)及び細胞表面のDectin-1発現量(FITCの蛍光強度)(図6のB)を測定した結果を示す図である。
実施例11の(11-A)の結果、即ち、dA40(s)-siCD40(21nt)/SPG複合体の投与によって、リンパ球の活性化を有意に抑制したことを示す図である。
実施例11の(11-B)の結果、即ち、dA40(s)-siCD40(21nt)/SPG複合体の投与によって、リンパ球の活性化を有意に抑制したことを示す図である。
実施例13の結果、即ち、dA40(s)-siCD40(21nt)/SPG複合体を投与した異所心移植モデルマウスにおいて、移植心臓拍動が長期に亘って正常であり、移植後の生存率も高いことを示す図である。
実施例14において、異所心移植モデルマウスを利用し、養子免疫細胞移入(adoptive transfer)におけるdA40(s)-siCD40(21nt)/SPG複合体の免疫寛容効果を評価した結果を示す。
実施例15において、MLRによってdA40(s)-siCD40(21nt)/SPG複合体の免疫寛容効果を評価した結果を示す。

0014

本発明は、ドナー細胞、組織又は臓器の移植治療において、レシピエントに対してドナー特異的な免疫寛容を誘導するために用いられる免疫寛容誘導剤であって、共刺激因子に対するsiRNAとシゾフィランとの核酸多糖複合体を含むことを特徴とする。以下、本発明の免疫寛容誘導剤について詳述する。

0015

共刺激因子に対するsiRNA
本発明で使用されるsiRNAの標的は、共刺激因子(共刺激分子ともいう)であればよいが、好ましくは、Dectin-1発現細胞において発現されている共刺激因子が挙げられる。Dectin-1とは、細胞膜上に存在するC型レプチンタイプの糖鎖認識ドメインを有する受容体(Pattern Recognition Receptor)である。Dectin-1は、細胞外にβ-1,3-グルカンを特異的に認識する領域を有し、細胞内にITAM(immunoreceptor tyrosinase-based activation motif-1)と呼ばれる活性化シグナルを伝えるモチーフを持つ。Dectin-1はβ-1,3-グルカンを認識すると、NF-κBや炎症性サイトカインの産生を促し、生体防御反応惹起する。本発明においてDectin-1発現細胞とは、マクロファージ、樹状細胞、好中球等を挙げることができる。シゾフィランはβ-1,3-グルカン骨格を有しており、Dectin-1発現細胞の細胞膜に存在するDectin-1と結合することによって誘導されるシグナルを通じ、Dectin-1発現細部内に送達されることが知られている。本発明で使用される核酸多糖複合体は、その構成成分であるシゾフィランがDectin-1に認識されることにより、Dectin-1発現細胞内に送達される。また、本発明で使用される核酸多糖複合体に含まれるsiRNAは、Dectin-1発現細胞において発現される共刺激因子を選択することにより、レシピエントにおいて免疫寛容を効率的に誘導させることができる。

0016

Dectin-1発現細胞において発現される共刺激因子として、具体的には、CD40、B7.1(CD80)及びB7.2(CD86)等が挙げられる。本発明で使用されるsiRNAの標的遺伝子として、これらの少なくとも1つの遺伝子が挙げられるが、特に好適なものとしてCD40遺伝子が挙げられる。

0017

本発明で使用される「共刺激因子に対するsiRNA」の塩基配列については、標的となる共刺激因子の種類に応じて適宜決定できる。共刺激因子に対するsiRNAは、標的となる共刺激因子の塩基配列の一部に対して100%一致する配列を含んでいてもよく、また、所望のRNA干渉効果が得られる限り、前記100%一致する配列に対して1又は数個塩基置換・付加されている配列を含んでいてもよい。

0018

本発明で使用される「共刺激因子に対するsiRNA」の好適な態様の一例として、センス鎖RNA及びアンチセンス鎖が共に21個のリボヌクレオチドから構成されており、且つ前記センス鎖RNAの5'末端及び前記アンチセンス鎖RNAの5'末端に2個のリボヌクレオチドからなるダングリングエンドが形成されているものが挙げられる。即ち、このような2本鎖RNAの場合には、アンチセンス鎖RNAの3'末端側から1〜19個目のリボヌクレオチド配列は、センス鎖RNAの5'末端側から3〜21番目のリボヌクレオチドに相補的な配列である。このような21merのsiRNAを本明細書において21mer型siRNAとも呼ぶ。21mer型siRNAはダイサーに切断されない特性を備えている。

0019

共刺激因子に対するsiRNAは、シゾフィランとの複合化が可能なものであればよく、例えば、共刺激因子遺伝子に対するsiRNAを構成するセンス鎖又はアンチセンス鎖の少なくとも1つの末端に、シゾフィランとの複合化を可能にする分子(以下、「SPG結合性分子」と表記することもある)が付加されていればよい。

0020

前記SPG結合性分子は、共刺激因子に対するsiRNAのセンス鎖RNA及び/又はアンチセンス鎖RNAの末端リボヌクレオチドに直接結合していてもよいが、リンカースペーサー)を介して結合していてもよい。

0021

前記siRNAに付加されているSPG結合性分子の数については、特に制限されない。

0022

SPG結合性分子が付加されているsiRNAの好適な一例として、siRNAに対するSPG結合性分子の結合本数が1であり、且つSPG結合性分子が前記siRNAのセンス鎖の5'末端に結合しているものが挙げられる。このように、前記siRNAのセンス鎖の5'末端に対してのみSPG結合性分子が結合している場合には、siRNAに基づく、RNA干渉効果を顕著ならしめることができる。

0023

また、例えば、前記siRNAが21mer型siRNAである場合には、センス鎖/アンチセンス鎖、5'末端/3'末端のいずれにSPG結合性分子が結合していてもよいが、特にセンス鎖の5'末端に結合している場合には、優れたRNA干渉効果を発揮することができる。

0024

前記SPG結合性分子の種類は、シゾフィランと複合化できることを限度として、特に制限されないが、好ましくは核酸、更に好ましくはポリデオキシアデニン(以下、「poly(dA)」と表記することもある)が挙げられる。poly(dA)の1本鎖とシゾフィランの2本鎖により、安定な三重螺旋構造を形成できる。

0025

前記SPG結合性分子としてpoly(dA)を使用する場合、当該poly(dA)を構成するデオキシアデニンの数としては、後述するシゾフィランとの複合体形成が可能であることを限度として、特に限定されるものではないが、例えば、10〜100個、好ましくは20〜100個、より好ましくは20〜80個、更に好ましくは30〜50個が挙げられる。

0026

また、前記SPG結合性分子としてpoly(dA)を使用する場合、当該poly(dA)のホスホジエステル結合は、少なくとも一部がホスホロチオエート化(S化)されていることが望ましい。poly(dA)のS化率としては、通常50%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは100%が挙げられる。本明細書において、poly(dA)のS化率とは、poly(dA)中のホスホジエステル結合の総数に対して、S化されているホスホジエステル結合の割合(%)を示す。また、S化されているホスホジエステル結合とは、ホスホジエステル結合部分のリン酸残基酸素原子の一つが硫黄原子に置換されている結合構造を示す。

0027

poly(dA)のS化は、従来公知の方法に従って行うことができる。poly(dA)におけるS化の分布は特に限定されず、任意の位置に所望のS化を行えばよい。

0028

S化されたpoly(dA)は、シゾフィランと良好な複合体を形成し、このようにして得られる核酸多糖複合体は高い分解酵素耐性を有する。また、21mer型siRNAにおいて、センス鎖にS化されたpoly(dA)が付加されいる場合には、当該siRNAとシゾフィランとの核酸多糖複合体は、アンチセンス鎖をRISC複合体に取り込ませることによって、RNA干渉効果を有効に奏させることができる。

0029

シゾフィラン
シゾフィラン(以下、「SPG」と表記することがある)は、β-1,3-グルカン骨格を有する多糖であり、Dectin-1発現細胞表面に存在する受容体(Dctin-1)と結合することによって誘導されるシグナルを通じ、細部内に送達される。

0030

SPGは、文献(A.C.S.38(1),253(1997);Carbohydrate Research, 89, 121-135(1981))記載の定法に従って製造することができる。このようにして得られたSPGは、超音波処理により所望の分子量のシゾフィランを得ることができる。

0031

本発明で使用されるSPGは、種々の機能性分子を結合させたものであってもよい。SPGに機能性分子を結合させる場合、機能性分子の結合割合としては、例えば、SPGの側鎖100個当たり、機能性分子が1〜200個、好ましくは1〜100個、特に好ましくは1〜50個が例示される。このような機能性分子の結合割合は、上記製造法において、分枝グルコース残基に対する過ヨウ素酸ナトリウム等の酸化剤の添加量を制御することにより調整できる。また、SPGへの機能性分子の結合部位や当該機能性分子を連結させるリンカーを結合する部位については、特に限定されるものではないが、SPGのβ-1,3-グルカンの主鎖から分枝された1,6-グルコピラノシド結合を持つグルコースの1,2-ジオール部位と置換されて結合していることが好ましい。

0032

本発明で使用されるSPGの分子量については、特に制限されず、前述のpoly(dA)等のSPG結合性分子の鎖長等に応じて適宜設定すればよい。具体的には、SPGの分子量として、通常25,000〜500,000、好ましくは25,000〜250,000が例示される。

0033

共刺激因子に対するsiRNAとシゾフィランとの核酸多糖複合体
本発明の免疫寛容誘導剤は、共刺激因子に対するsiRNAとSPGとの核酸多糖複合体を使用する。当該核酸多糖複合体は、共刺激因子に対するsiRNAに付加されているSPG結合性分子と、シゾフィランとを複合化させることにより得ることができる。

0034

当該核酸多糖複合体の好適な例として、共刺激因子遺伝子に対するsiRNAを構成するセンス鎖又はアンチセンス鎖の少なくとも1つの末端に、S化されていてもよいpoly(dA)が付加され、当該poly(dA)の1本鎖とシゾフィランの2本鎖により三重螺旋を形成している複合分子が挙げられる。

0035

当該核酸多糖複合体は、公知の方法に従って調製することができる。具体的には、以下の(1)〜(3)の工程で製造する方法が例示される:(1)前記SPG結合性分子が直接又はリンカーを介して結合したsiRNAを公知の方法に従って調製する、(2)また、別途、SPGを用意する、或いは機能性分子が直接又はリンカーを介して結合しているSPG(修飾型SPG)を調製する、(3)次いで、siRNAに結合したSPG結合性分子と前記SPG又は前記修飾型SPGとを用いて複合体を形成させる。

0036

前記方法の(3)の工程において、前記siRNAと、前記SPG又は前記修飾型SPGとの混合比は、SPG結合性分子の鎖長や前記SPG又は前記修飾型SPGの鎖長に応じて適宜選択することができる。SPG結合性分子としてpoly(dA)を使用する場合には、poly(dA)のアデニン1分子に対してSPGの主鎖のグルコース1分子が対応して、poly(dA)1本とSPG2本が3重らせん構造を取る。即ち、poly(dA)が付加されたsiRNAを使用する場合、核酸多糖複合体は、2本のSPGで形成された2重らせん構造の1カ所又は2カ所以上にpoly(dA)が取り込まれて3重らせん構造が形成される。例えば、40merのpoly(dA)を付加したsiRNAと分子量150000のSPGであれば、分子量150000のSPG2分子に40merのpoly(dA)を付加したsiRNAを17分子含んで3重らせん構造を取ることができる。poly(dA)を付加したsiRNAとSPGの好ましいモル比としては、20:1〜1:5、好ましくは10:1〜1:1で混合し、前記ポリヌクレオチド結合2本鎖RNAの1本鎖ポリデオキシアデニン領域と前記SPG又は前記修飾型SPGを複合化させることが好ましい。このようなモル比で、前記siRNAと、前記SPG又は前記修飾型SPGとを複合体形成条件下に晒すことにより、両者を効率的に相互作用させることが可能になり、本発明で使用される核酸多糖複合体の製造効率を向上させることができる。

0037

poly(dA)が付加されたsiRNAとシゾフィラン用いて3重鎖螺旋構造を形成した核酸多糖複合体は、具体的には以下の方法に従って調製される。SPGは、天然若しくは水中では、3重螺旋構造をとっている。このSPGを、DMSO(ジメチルスルホオキシド)等の極性溶媒水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液に溶解して1本鎖に変性させた後、poly(dA)を付加したsiRNAを加え、溶媒を水に戻すこと又はアルカリ水溶液を中和すること(再生過程)によって、siRNAに連結したpoly(dA)の1本鎖部分と2本のSPGからなる3重螺旋型に複合化された構造(会合構造)が形成される。このようなポリヌクレオチドと多糖の複合化は、主に、水素結合疎水性相互作用を介して形成されると考えられる。

0038

免疫寛容の誘導
本発明の免疫寛容誘導剤は、ドナーの細胞、組織又は臓器の移植を受けた又は受けるレシピエントにおいて、ドナー特異的な免疫寛容を誘導するために用いられる。上記核酸多糖複合体を使用することにより、移植治療を受ける又は受けたレシピエントにおいて、共刺激因子の遺伝子の発現をDectin-1発現細胞特異的に抑制でき、ドナー特異的な免疫寛容を効果的に誘導することができる。

0039

本発明の免疫寛容誘導剤は、例えば、ヒト、サルマウスラットイヌウサギネコウシニワトリ等の動物に適用できるが、好ましくはヒトが挙げられる。

0040

本発明の免疫寛容誘導剤は、上記核酸多糖複合体を免疫寛容の誘導に有効な量を含有させ、更に薬学的に許容される担体を適宜組み合わせて調製することができる。このような担体としては、精製水糖含有水溶液緩衝液生理食塩水、ヌクレアーゼフリーの水等の水性担体賦形剤等が挙げられる。

0041

本発明の免疫寛容誘導剤の投与経路は、経口、非経口静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、直腸内、内投与を含む)、吸入全身投与局所投与(皮膚や頬面窩洞への外用;眼、等の実質的に血流侵入しない部位への点滴注入を含む)等、患者の症状、病態、疾患の種類等に基づいて従来利用されている方法から適宜選択することができる。

0042

本発明の免疫寛容誘導剤を用いた移植治療は、本発明の免疫寛容誘導剤を移植細胞、組織又は臓器を提供するドナーに投与する方法、移植細胞、組織又は臓器を本免疫寛容誘導剤で処置する方法、細胞、組織又は臓器の移植を受けるレシピエントに投与する方法、或いはこれら2又は3つを組み合わせた方法によって行われる。

0043

本発明の免疫寛容誘導剤を用いた移植治療において、移植される細胞、臓器又は組織については、特に制限されず、例えば、骨髄由来の細胞、腎臓、心臓、肺、骨髄、皮膚、角膜等が挙げられる。

0044

本発明の免疫寛容誘導剤は、移植細胞、臓器又は組織に対する抵抗または拒絶の治療又は予防ばかりでなく、免疫寛容誘導することができるため、移植後早い時期に本免疫抑制剤の投与を中止しても免疫拒絶が生じるのを抑制することができる。また、生体肝移植、生体腎移植等に先立ち、ドナーの骨髄由来の細胞の移植を行うことにより、レシピエントに対して免疫寛容を誘導させる際に、本発明の免疫寛容誘導剤を投与することにより、移植した肝臓や腎臓の生着を促進し拒絶反応を避けることもできる。更に、本発明の免疫寛容剤は、自己免疫疾患炎症疾患増殖性および過増殖性疾患、および免疫学的媒体された疾患の皮膚症状(例えば、慢性関節リウマチエリテマトーデス全身性エリテマトーデス橋本甲状腺炎多発性硬化症重症筋無力症1型糖尿病、ぶどう膜炎、ネフローゼ症候群乾癬アトピー性皮膚炎接触皮膚炎湿疹性皮膚炎脂漏性皮膚炎偏平せん、天疱瘡水泡性天疱瘡、表皮水泡症、蕁麻疹、血管浮腫脈管炎紅斑、皮膚好酸球増加症円形脱毛症等)の治療または予防;可逆性閉塞性気道疾患(reversible obstructive airways disease)、胃腸炎症、アレルギー(例えば、炎症性胆汁疾患、小児脂肪便症直腸炎好酸球増加性胃腸炎、肥満細胞症クローン病および潰瘍性大腸炎)、食物関連アレルギー(例えば、偏頭痛鼻炎および湿疹)および他のタイプのアレルギーの治療のために使用することができる。
また、移植治療において本発明の免疫寛容誘導剤の投与量については、免疫寛容の誘導に有効かつ非毒性の量であればよく、当該投与量は当業者であれば日常的な実験により決定することが可能であり、特に限定されないが、例えば、前記核酸多糖複合体として、CD40に対するsiRNAとSPGの複合体を用いる場合の有効投与量は、通常、1日当たり体重1kg当たり約0.001〜10mgの範囲から選択される。

0045

また、本発明は、ドナーの細胞、組織または臓器をレシピエントに移植した際にドナー特異的な免疫寛容を誘導するために用いられる免疫寛容誘導剤の製造のための、上記核酸多糖複合体の使用をも提供する。更に、本発明は、上記核酸多糖複合体を、ドナー細胞、臓器又は組織に対する免疫寛容が必要とされる動物に投与する工程を含む、免疫寛容誘導方法を提供する。特に、本発明は、移植治療における拒絶反応を抑制し免疫寛容を誘導するための製剤の製造のための、上記核酸多糖複合体の使用をも提供する。更に、本発明は、上記核酸多糖複合体を、移植臓器または組織に対する拒絶の治療または予防が必要とされる動物に投与する工程を含む、移植治療における拒絶反応の抑制方法、或いは免疫寛容の誘導方法を提供する。

0046

本出願は、2011年8月10日出願のPCT/JP2011/68265及び2012年2月15日出願のPCT/JP2012/53583に基づく優先権を主張し、当該PCT出願に記載されたすべての記載内容を援用するものである。

0047

以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、本実施例において、シゾフィランを「SPG」と表記することがある。また、本実施例において、ルシフェラーゼに対するsiRNAを「siLuc」と表記し、CD40に対するsiRNAを「siCD40」と表記することもある。

0048

実施例1:SPGとsiRNAの核酸多糖複合体の形成
以下の実施例で用いた核酸多糖複合体は次のようにして形成した。分子量約15万のSPGを、0.25N水酸化ナトリウム水溶液に最終濃度15mg/ml になるように調製した後、1時間振動攪拌して4℃で1日静置し変性させた。330mMの第1リン酸ナトリウムに溶解させたS化poly(dA)を付加したsiRNAの溶液を、この変性SPG溶液に加えて中和し4℃で24時間以上静置した。この時、siRNA 1モルに対してSPGが0.27モルとなるようにした。なお、S化poly(dA)を付加したsiRNAは、siRNAのセンス鎖5’末端にホスホロチオエート化された40個のデオキシアデニンが、リン酸エステル結合によって連結されたものである。以下の実施例において、S化poly(dA)をdA40(s)と略記することがある。また、以下の実施例で使用されるS化ポリデオキシアデニンのS化率はいずれも100%である。

0049

実施例2: S化poly(dA)を付加したsiRNAとSPGとの核酸多糖複合体の細胞培養培地中での安定性
表1に記載の条件になるように、試料リン酸緩衝液PBS)もしくは細胞培養培地(10%FBS+RPMI(FBS;バイオロジカルインダストリー社 Cat# 04-001-1A、RPMI;和光純薬工業社Cat# 189-02025))を加え調製した。その試料を37℃で4時間もしくは24時間インキュベートした後、12.5%ポリアクリルアミドゲル(Tris-ホウ酸-EDTA(TBE))を用いて100ボルト、60分の条件で電気泳動を行い、SYBRGold(ライフテクノロジージャパン社)で染色した。

0050

表1中、dA40(s)- siLuc(21nt)は、ルシフェラーゼに対する21merのsiRNA(配列番号1)にホスホチオエート化した40merのポリデオキシアデニンがセンス鎖の5’末端に付加したものを表す。dA40(s)-siLuc(27nt)は、ルシフェラーゼに対する27merのsiRNA(配列番号3)にホスホチオエート化した40merのポリデオキシアデニンがセンス鎖の5’末端に付加したものを表す。

0051

0052

その結果、ホスホチオエート化した40merのpoly(dA)を付加したsiRNAについて、分解酵素が存在する細胞培養培地でsiRNAとSPGが複合体を形成していないもの(レーン2及び5)は、対照のレーン1及び4の位置のバンドは薄く分解されるが、siRNAとSPGが複合体を形成したもの(レーン3、6、7)は、濃いバンドであり、核酸多糖複合体として安定であることが示された。なお、ホスホロチオエート化していないpoly(dA)を付加したsiRNAに比べ、ホスホチオエート化したものは、分解酵素が存在する細胞培養培地でより安定であった。

0053

実施例3:核酸多糖複合体のDicer感受性
(3-1)非S化dAテイル核酸多糖複合体のDicer感受性
本実施例においては、Recombinant human dicer enzymeキット(Genlantis社製:Cat# T510002)を使用した。また、下記組成(A〜E)のプレミックスを調製した。

0054

A.核酸試料: 2.5μl(25ng)
B. 10mMATP: 1μl
C. 50mM MgCl2 : 0.5μl
D. Dicer Reactionバッファー: 4μl
E. Recombinant Dicer Enzyme (1 Unit) : 2μl
PCRチューブに上記のB〜DもしくはB〜Eのサンプルを混合した後、Aの核酸試料を添加した。その後ヌクレアーゼフリーの蒸留水により最終容量を10μlに合わせた。その後、37℃にて15時間インキュベーションした。インキュベーション終了後、反応停止液で反応を終了させた。15%ポリアクリルアミドゲル(Tris-borate-EDTA(TBE))を用いて150V、80分で電気泳動を行い、SYBR(r)Gold(ライフテクノロジーズジャパン社)で染色した。

0055

表2中のsiCD40(21nt)はCD40に対する21merのsiRNA(配列番号5及び6)を表す。dA40-siCD40(21nt)は、CD40に対する21merのsiRNA(配列番号5及び6)においてセンス鎖(配列番号5)の5’末端に40merのポリデオキシアデニンを付加したものを表す。siLuc21は、配列番号1及び2に示されるルシフェラーゼに対する21merのsiRNAを表す。dA40-siLuc(21nt)は、ルシフェラーゼに対する21merのsiRNA(配列番号1及び2)においてセンス鎖(配列番号1)の5’末端に40merのポリデオキシアデニンを付加したものを表す。

0056

0057

以上の結果より、電気泳動によるバンドの濃さはレーン2と3は同等の濃さであり、また、レーン6と7は同等の濃さであったので、poly(dA)-siRNA(21nt)はDicerによって切断されないが、一方、レーン10のバンドは、レーン9より薄く、poly(dA)-siRNA(27nt)はDicerによって切断されることが示された。

0058

(3-2)S化dAテイル核酸多糖複合体のDicer感受性
上記(3-1)と同様の方法により、S化されたdAテイルを有する核酸多糖複合体のDicer感受性を評価した。

0059

0060

表3中のsiLuc(21nt)は、ルシフェラーゼに対する21merのsiRNA(配列番号1及び2)を表す。siLuc(27nt)は、ルシフェラーゼに対する27merのsiRNA(配列番号3及び4)を表す。dA40(s)-siCD40(21nt)は、CD40に対する21merのsiRNA(配列番号5及び6)においてセンス鎖(配列番号5)の5’末端にホスホチオエート化した40merのポリデオキシアデニンを付加したものを表す。dA40(s)-siCD40(27nt)は、CD40に対する27merのsiRNA(配列番号7及び8)においてセンス鎖(配列番号7)の5’末端にホスホチオエート化した40merのポリデオキシアデニンを付加したものを表す。

0061

電気泳動の結果より、レーン6のバンドは対照のレーン4及びレーン5のバンドの濃さは同程度であり、S化されたポリdAを付加した場合でも21nt型siRNAはDicerによって切断されなかったが、一方、レーン12のバンドは、対照のレーン10およびレーン11のバンドより薄く、27nt型siRNAはDicerによって切断されることが示された。

0062

実施例4: poly(dA)が連結されたsiRNAのRNA干渉効果
Dual Luciferase発現ベクターpsiCHECKTM-2(プロメガ社 Cat# C8021)を、LipofectamineTMLTX(ライフテクノロジーズジャパン社 Cat# 15338-500)を用いHEK293細胞に導入した。この時、1ウェルあたりの細胞数を5万個となるよう揃えた。これに、dA40-siLuc (21nt)又はdA40-siLuc (27nt)を、TransITTM-TKO(タカラバイオ社、Cat# V2154)を用いて細胞に導入し、CO2インキュベーターで37℃、20時間インキュベーションをした。その後、Dual Luciferaseアッセイ(プロメガ社製, Dual-Glo Luciferase assay system , Cat# E2920)を行い、RNA干渉効果を測定した。コントロールとして、核酸試料を用いずに同様の操作を行った。RNA干渉効果は、コントロールにおける2つのルシフェラーゼの発現を比較し、その時のRNA干渉効果を0%とし、各試料における発現抑制の割合を%で表した。

0063

結果を図1に示す。poly(dA)が連結された21merのdA40-siLuc (21nt)はDicerに切断されなくても、27merのdA40-siLuc(27nt)と同様のRNA干渉効果活性が得られることが示された。

0064

実施例5:S化poly(dA)が連結されたsiRNA/SPG複合体のRNA干渉効果
ホスホロチオエート化poly(dA)を有するキメラsiRNAとSPGの複合体を用いたRNA干渉効果を、Dual Luciferaseアッセイ(プロメガ社製、Dual-Glo Luciferase assay system, Cat# E2920)を用いて評価した。細胞はDectin-1を強く発現するRAW264.7細胞(dRAW細胞)(東京薬科大学薬学部免疫学安達禎之准教授より入手)を使用した。使用した試料は、下表4に示す通りである。下表3において試料4は、TransITTM-TKO(タカラバイオ社、Cat# V2154)を用いてdA40(s)-siLuc(21nt)を導入したものである。

0065

結果を下表4に併せて示す。

0066

0067

表4より、poly(dA)(s)-siRNA/SPG複合体でRNA干渉効果が得られることが示された。

0068

実施例6: poly(dA)(s)-siRNA複合体によるRNA干渉効果の用量依存
本実施例においては、siRNA活性の用量依存性を確認した。細胞は、10%血清培養において増殖性を示すdRAW 細胞を用いた。本実施例で使用した試料は下表5に示される。

0069

本実施例は下記手順に従って行った。
dRAW細胞を回収し、48ウェルプレートに20000細胞/ウェル/200μlになるように播種して、37℃のCO2インキュベーターで20時間インキュベーションを行った。psiCHECKTM-2/LTX複合体を20μl/ウェル、培地を180μl/ウェルで混合し、48ウェルプレートに添加した。その後、Dual Lucアッセイ(プロメガ社製, Dual-Glo Luciferase assay system, Cat#: E2920)を行った。結果を下表5に示す。

0070

0071

表5より、poly(dA)(s)-siRNA複合体の用量依存的にRNA干渉効果が得られることが示された。

0072

実施例7:poly(dA)(s)-siRNA複合体の細胞導入
(7-A)dRAW細胞への導入性
dRAW細胞を、1000000細胞/ディッシュ(5ml)になるように播種して、37℃のCO2インキュベーターで20時間インキュベーションを行った。その後、Alexa 647標識ネイキッドdA40(s)siLuc(21nt)、及びAlexa 647標識dA40(s)siLuc(21nt)/SPG複合体をそれぞれ100nMの濃度で培地に添加し、dRAW細胞に接触させた。各siRNA添加後、1,2,4,8時間後に、細胞を回収した。回収した細胞を10%平衡化ホルムアルデヒド(100μl/dish)で固定し、フローサイトメトリーFACS)で、Alexia647で標識されている細胞数を測定した。

0073

この結果、ネイキッドdA40(s)siLuc(21nt)と比較すると、dA40(s)siLuc(21nt)/SPG複合体は、Alexia647で標識されている細胞数は2倍以上であり、dA40(s)siLuc(21nt)/SPG複合体の細胞内取り込みが2倍以上になっていると考えられる。

0074

(7-B)CD11c(+)への導入性
マウス(C57BL/6,雄,7週齢;4匹)から常法に従い脾臓細胞を得た。得られた脾臓細胞の一部をコントロールとして使用するために氷冷保存した。残りの脾臓細胞をMACS MSカラムによりCD11c(-)細胞群とCD11c(+)細胞群に分離した。カラムによる細胞の分離は2回行った。CD11c(+)細胞群を7×105cellsに調製し、下表6に示す各条件で、6ウェルプレート(容量2ml)で48時間(37℃;5% CO2)培養した。培養後、表6中の括弧内に示すFACS抗体を用いてFACS解析を行った。表中、Dectin-1-FITCはFITCで修飾された抗Dectin-1抗体を、CD11c-FITCはFITCで修飾された抗CD11c抗体を、PE Isotype controlはPEで修飾されたアイソタイプコントロール抗体を表す。

0075

0076

この結果から、試料5は試料4よりDectin-1陽性細胞の割合は少なく、また試料7は試料4や試料6よりDectin-1陽性細胞の割合は少なく、siRNA/SPG複合体がDectin-1発現細胞内へ取り込まれると、その細胞のDectin-1の発現量が減少することが確認された。

0077

(7-C)RLC(RISCLoading Complex)への取り込み
マウス(C57BL/6,雄,7週齢;4匹)から常法に従って脾臓細胞を得た。得られた脾臓細胞の一部をコントロールとして使用するために氷冷保存した。残りの脾臓細胞をMACS MSカラムによりCD11c(-)細胞群とCD11c(+)細胞群に分離した。カラムによる細胞の分離は2回行った。CD11c(+)細胞群を2×104細胞になるように調製し、チャンバーカバーガラス(4ウェル、容量1ml/ウェル)で24時間(37℃;5% CO2)培養した。その後、アンチセンス鎖の5'末端にAlexa647標識したsiLucおよびアンチセンス鎖の5'末端にAlexa647標識したdA40(s)siLuc/SPG複合体を100 nMとなるようにCD11c(+)細胞に添加し、1時間培養(37℃;5% CO2)した。

0078

1時間経過後、培養上清吸引により取り除いた。各ウェル500 mlの4%パラホルムアルデヒド/PBS溶液を加えて、15分間、室温でインキュベーションした。パラホルムアルデヒド/PBS溶液を吸引により取り除いた後、各ウェル1 mlのPBSを加え、室温で5分間、インキュベーションし、その後、PBSを吸引により取り除いた。この操作をもう一度繰り返した(以下、PBSによる室温での5分間インキュベーションの操作を洗浄操作と記載する)。各ウェル500 mlの0.1% Triton X-100/PBS溶液を加え、室温で10分間、インキュベーションし、その後、0.1% Triton X-100/PBS溶液を吸引により取り除いた。洗浄操作を2回行った。10% Normal Goat Serum (NGS)/PBS溶液を 各ウェルに500 ml加え、室温で30分間インキュベーションした。10% NGS/PBS溶液を吸引により取り除いた後、抗TRBP2マウス抗体を0.1% Triton X-100, 1.5% NGS,BSA/PBSで130 ng/mlに調製し、それを各ウェルに500 ml加え、室温で2時間、インキュベーションした。抗体溶液を吸引により取り除き、洗浄操作を3回行った。Alexa-488-anti-mouseIgG抗体(ライフテクノロジーズジャパン社)をTriton X-100, 1.5% NGS, BSA/PBSで750倍に希釈し、室温で1時間、インキュベーションした。抗体溶液を吸引により取り除き、洗浄操作を3回行った。PBSを吸引により取り除いた後、チャンバーを取り外し、退色防止剤入り封入剤マウントした。この試料をレーザー共焦点顕微鏡撮影、解析した。

0079

この結果、dA40(s)siLuc/SPG複合体によって細胞内に取り込まれたsiRNAと、RLCのコアタンパクであるTRBP2が、同じ位置に局在し、且つ同一焦点深度で画像が一致していることが確認された。この結果から、細胞内に取り込まれたsiRNAとTRBP2が相互作用できる距離に存在している、即ち siRNAがRLCに取り込まれていることが明らかになった。一方、Alexa647で標識されたsiLucのみの場合は、取り込まれたsiLucは観察できなかった。

0080

(7-D) in vitroでのCD40mRNAの発現抑制
(i) Real TimePCR
継代培養しているdRAW細胞(80% confluency)を培地(10 % FBS-RPMI(ライフテクノロジーズジャパン社, cat No 12718011S ))に懸濁し、1×105個/mlに調製した。その細胞懸濁液を各ウェル10000 個ずつ(100μl/well)、96ウェルプレートに加え、37℃、5% CO2条件下で一晩、培養した。培養後、培養上清をアスピレーターで取り除き、各ウェル100μlずつ培地を加えた。この操作を2回繰り返した。予め培地を用いて100nMの濃度に調整した各試料(表7)を各ウェル100μlずつ加え、37℃、5% CO2条件下で20時間、培養した。培養後、各ウェルに100μlの培地を加え、その後、アスピレーターで培地を取り除いた。予め培地を用いて調製した60ng/ml interferon-gamma(IFN-γ、PEPRTOTECH社、cat No 315-05)を各ウェル100μlずつ加え、37℃、5% CO2条件下で4時間、培養した。培養後、各ウェルの細胞からCellAmp Direct RNA Prep kit (タカラバイオ社、cat No 37329)を用いてtotal RNAを調製した。調製したtotal RNAをテンプレートとして、PrimerScriptRTreagent Kit (タカラバイオ社、cat NoRR037A)を用いてcDNAを合成した。合成したcDNAをSYBR Prime Ex Taq II (タカラバイオ社、cat No RR081A)を用いてreal time qPCR を行い、CD40 mRNA発現量を測定した。同時にbeta-actin mRNAの発現量を測定し、これを用いてCD40 mRNAの測定値補正を行った。補正後の値を各条件におけるCD40 mRNA 発現量とした。qPCRに用いたプライマー配列は表8に示す通りである。

0081

0082

0083

この結果、SPGのみ、或いはネイキッドsiCD40をDectin-1発現細胞に添加しても、コントロール(No sample)に比べて、CD40の発現量は減少せず、RNAi活性を誘導しなかったが、siCD40/SPG複合体をDectin-1発現細胞に添加すると、siRNAが有する本来のRNAi活性を減弱することなくCD40mRNA発現を抑制することが確認された。

0084

(ii)FACS
マウス脾臓細胞中のCD11(+)細胞を分離し、CD11(+)細胞におけるCD40陽性細胞の割合をFACSにて解析した。さらに、細胞培養と同様の環境、すなわち、10%FBS+RPMI培地に添加し、CO2インキュベーションで37℃に加温して指定の4時間〜48時間培養した。この時、CD11(+)細胞にSPG、ネイキッドdA40(s)siCD40(27nt)及びdA40(s)siCD40(27nt)/SPG複合体で処理し、その後のCD40発現をFACSで解析した。脾臓細胞の処理方法は上記(7-B)に記載の通りである。FACSで用いた抗体を下表9の括弧内に示す。表中、PE Isotype controlはPEで修飾されたアイソタイプ・コントロール抗体を、CD40-PEはPEで修飾された抗CD40抗体を表す。

0085

0086

その結果、試料4ではCD陽性細胞の発現細胞は少なくなっており、siCD40/SPG複合体は、プライマリ細胞表面上のCD40発現を抑制することが示された。一方、SPGを複合化させていないsiCD40では、CD40陽性細胞の数は減少が見られず、CD40発現を十分に抑制できなかった。

0087

本実施例においては、siRNAとSPGとの複合体を形成してsiRNAを血清下、血中下で安定化させることにより、ネイキッドのsiRNAよりも細胞内への導入効率が向上し、細胞質内までsiRNAが届けられた結果、mRNAの発現が抑制され、細胞膜表面の標的分子の発現が抑制されたと考えられる。

0088

実施例8
免疫反応初期応答因子として知られる共刺激因子CD40を標的分子として設定し、本分子に対するsiRNAによりResponder mouseの細胞を処理した。薬理効果はStimulator細胞とsiRNA未処理あるいは処理Responder細胞群とのMLR(Mixed Lymphocyte Reaction)を行い、それぞれの細胞増殖率をBrdU化学発光キットで測定することによって評価した。

0089

MLRを行う際、CD11c(-) Responder脾臓細胞を用いると、抗原提示細胞(Antigen Presenting Cells;APC)が欠乏して正常なリンパ球反応が抑えられ細胞増殖が抑制される。ここにsiCD40/SPG複合体で処理したCD11c(+)脾臓細胞を添加し細胞増殖の回復程度を観察した。dA40(s)-siCD40(27nt)/SPG複合体を添加又は非添加のアロジェニックMLR及びシンジェニックMLRをそれぞれ比較したところ、dA40(s)-siCD40(27nt)/SPG複合体の添加によって顕著な免疫抑制の誘導が達成されることが確認された(細胞増殖の回復程度が下がった:図2及び図3)。

0090

本実施例においては、ResponderマウスとしてC57BL/6マウス、StimulatorマウスとしてBalb/cを用いた。MLR時には、Stimulator脾臓細胞は、採取時にマイトマイシンCMMC)を添加して細胞増殖を制止させて使用した。

0091

前培養in vitro MLRとは、Responderマウス脾臓細胞から分離したCD11c陽性細胞にsiCD40/SPG複合体を添加後、CD11陰性細胞群に戻し、その後マイトマイシンC(MMC)処理したStimulator脾臓細胞と混合してMLR反応を観察する方法を指す。即ち、予め標的細胞にdA40(s) siRNA/SPG複合体を結合(または導入)させてMLR反応において免疫抑制誘導を評価した。

0092

(8-A):CD11c陽性細胞を用いた前培養MLRでの核酸多糖複合体による免疫抑制効果
試験においては、dA40(s)-siCD40(27nt)/SPG複合体が免疫抑制作用を発揮することを確認した。

0093

細胞の調製
マウス(Balb/c(雄9週齢;2匹)、C57BL/6(雄9週齢;2匹))から脾臓細胞を回収した。溶血剤塩化アンモニウムカリウム)を添加して赤血球を溶解させた(溶血剤 5 ml, RPMI5ml)。10% FBS(DSファーマバイオメディカル社)、RPMI 5mlで細胞を懸濁し、responder 側の脾臓細胞にマイトマイシンC(MMC)処理を行った(最終107細胞に対して25μgのMMC添加)。

0094

CD11c陽性細胞の精製(磁気標識
脾臓細胞より回収した細胞を108細胞/試料に調整し、緩衝溶液(400μl)に懸濁した。CD11cマイクロビーズを100μl添加し、15分間冷蔵庫(2〜8℃)で静置した。

0095

磁気分離
カラムを緩衝溶液(MACSバッファー:2mMEDTA, 0.5%BSA inPBS(1×)の溶液を調製後、脱気)でリンスした後、磁気標識された細胞の懸濁液500μlをピペットで注いで流出させた。流出した液を回収し、CD11c(-)細胞として用いた。

0096

複合体群添加操作
回収したCD11c陽性細胞を1.0×10 5 cells/conditionに分けた。そこにネイキッドsiCD40、siCD40/SPG複合体を最終濃度100 nMになるように添加し、37℃で4時間インキュベーションを行った。MLRは、5×105responder (splenocyte) 、5×105stimulator(CD11c陽性細胞 2.5×10 4とCD11c陰性細胞4.75×10 5の混合)を用いた。MLR条件を下表10に示す。

0097

0098

結果を図2に示す。図2はアロ反応による増殖回復の抑制率を示す。Balb/c全脾臓細胞とC57BL/6から分離したCD11c(-)細胞をMLRにかけると細胞増殖は確認されなかった。一方、Balb/c全脾臓細胞と、C57BL/6から分離したCD11c(-/+)細胞のMLRをおこなうと、アロジェニック反応が活性化し、細胞増殖反応が回復した。標的細胞であるCD11c(+)細胞に複合体を接触させた後、CD11c(-)細胞と混ぜ戻してBalb脾臓細胞とMLRを行うと、細胞増殖回復が抑制された。すなわち、CD11c陽性細胞は前培養MLRにおいて免疫抑制を誘導することが示された。

0099

(8-B):CD11c陽性細胞を用いた核酸多糖複合体による免疫抑制作用の用量依存性
本試験においては、dA40(s)-siCD40(27nt)/SPG複合体が用量依存的に免疫抑制作用を発揮することを確認した。細胞の調製は、マウス(Balb/c(雄7週齢;2匹)、C57BL/6(雄7週齢;2匹))を用い、上記(A)に記載の方法と同様に行った。また、CD11c陽性細胞の精製、磁気分離についても上記(A)の方法に従った。MLR条件を下表11に示す。

0100

0101

MLRの結果を図3に示す。図3より、CD11c陽性細胞は、前培養MLRにおいて免疫抑制を用量依存的に誘導することが示された。

0102

実施例9
(9-A)in vitro MLR
本試験においては、in vitroでdA40(s)-siCD40(21nt)/SPG複合体を投与した場合のリンパ球の増殖抑制効果を評価した。細胞の調製方法は次の通りである。

0103

マウス(stimulator:Balb/c(雄7週齢;2匹)、responder:C57BL/6(雄7週齢;2匹))から脾臓細胞を回収した。溶血剤(塩化アンモニウム、カリウム)を添加して赤血球を溶解させた(溶血剤 3ml、2分)。RPMI8mlを添加し、300×g、10分間遠心分離を行った。上清をアスピレーターで取り除き、そこに10mlのRPMIを加え、細胞を懸濁した。遠心分離操作以降、同様の操作を繰り返して行った。上清をアスピレーターで除去後、10%FBS/RPMI 5mlで細胞を懸濁し、細胞数を計数した。stimulator側の脾臓細胞にマイトマイシンC(MMC)処理(37℃、30分)を行った(最終107細胞に対して25μgのMMC添加)。MMC処理後、細胞をRPMI 10mlで懸濁し、300×g、10分間遠心分離を行った。上清をアスピレーターで取り除き、そこに10mlのRPMIを加え、遠心分離操作以降、同様の操作を4回繰り返した。上清をアスピレーターで除去後、10%FBS/RPMI 3mlで細胞を懸濁し、細胞数を計数し、細胞濃度を5×106個/mlに調製した。Responder側の脾臓細胞(各条件5×106個)に複合体(又はsiMOCK)を最終濃度10nMになるように添加し、4時間、37℃で培養した。培養後、細胞液に10mlのRPMI加えて懸濁し、300×g、10分間遠心分離を行った。上清をアスピレーターで取り除き、そこに10mlのRPMIを加え、遠心分離操作以降、同様の操作を2回繰り返した。10%FBS/RPMI 1mlで細胞を懸濁し、細胞数を計数し、細胞濃度を5×106個/mlに調製した。Stimulator細胞、Responder細胞それぞれ5×105個ずつを1ウェル中で混ぜ合わせ(最終容量200ml/well)、37℃、5%CO2環境下で72時間培養した。培養後、BrdU取り込みによる化学発光を用いたアッセイ(Cell ProliferationELISA、BrdU)(Roche Applied Science社)により細胞増殖を測定した。

0104

また、siRNAをStimulator脾臓細胞に対して処理したin vitro MLRも行った。Stimulator細胞のMMC処理後、siRNA処理を行ったこと、Responder細胞は細胞数計数後、無処理でMLR開始まで氷冷保存していること以外は、上記操作準じて行った。MLRの条件を表12に示す。

0105

0106

その結果、dA40(s)-siCD40/SPG複合体で処理したResponder細胞のMLRでは、対照であるsiMockに比べて、約60%の細胞増殖抑制が確認された。また、dA40(s)-siCD40/SPG複合体で処理したStimulator細胞のMLRでは、対照であるsiMockに比べて、約50%の細胞増殖抑制が確認された。即ち、dA40(s)-siCD40/SPG複合体添加群を、Stimulaor脾臓細胞に添加しても、Responder脾臓細胞に添加しても、Allogenic MLR応答を Syngenic MLR応答まで抑制することが確認された。これらのことからdA40(s)-siCD40/SPG複合体が有意にリンパ球の活性化を抑制していることが明らかになった。

0107

(9-B)ex vivo MLR
本試験では、ResponderマウスにdA40(s)-siCD40(21nt)/SPG複合体を尾静脈注射(i.v.)により投与して4時間経過後に脾臓細胞を採取し、Stimulatorマウス脾臓細胞とのMLRを行って、生体内におけるsiRNAの挙動を確認した。細胞の調製方法は以下の通りである。

0108

マウス(stimulator:Balb/c(雄8週齢;3匹)、responder:C57BL/6(雄8週齢;3匹))から脾臓細胞を回収した。Responderマウスには、脾臓細胞を回収する4時間前にsiRNA/SPG複合体を静脈注射で投与した。溶血剤(塩化アンモニウム、カリウム)を添加して赤血球を溶解させた(溶血剤 5 ml, RPMI5ml)。10% FBS(DSファーマバイオメディカル社)、RPMI 5mlで細胞を懸濁し(4×105/ウェル)、stimulator側の脾臓細胞にマイトマイシンC(MMC)処理を行った(最終107細胞に対して25μgのMMC添加)。MLR条件を下表13に示す。

0109

0110

結果を、図4に示す。図4には、コントロールのアロジェニック反応の数値からシンジェニック反応の数値を差し引いた値(splenocyte Activity)(試料6の細胞数から試料2の細胞数を引いた値)を100%としてプロットされており、アロジェニック反応によってリンパ球が増殖する反応をdA40(s)-siCD40(21nt)/SPG複合体の投与でどれほど抑制できたかを示している。この結果より、dA40(s)-siCD40(21nt)/SPG複合体は、生体内投与においてリンパ球の活性化を有意に抑制することが明らかとなった。

0111

実施例10:Dectin-1発現細胞に特異的な細胞内への取り込み
本試験では、Alexa647標識dA40(s)-siLuc(21nt)/SPG複合体について、Dectin-1発現細胞への特異的な取り込みについて評価した。試験方法は次の通りである。

0112

4 well chamber に collagen Type I-Pをコーティングした。次いで、HEK293T細胞及びdHEK細胞1×105個/mlの濃度でを 500μl添加し、終夜培養(37℃、5%CO2)した。その後、培地交換を行い、10nM及び100nMのAlexa647標識dA40(s)-siLuc(21nt)/SPG複合体を含む培地を添加し、2〜8時間インキュベート37℃、5% CO2)した。次いで、PBSで2回洗浄し、10%平衡化ホルムアルデヒドで固定した。固定した細胞について、レーザー共焦点顕微鏡(Carl Zeiss LSM710NLO System)で細胞を観察し、更に、フローサイトメトリーにて細胞が呈するAlexa647の蛍光強度を測定した。更に、固定した細胞について、FITC標識抗体を用いて細胞表面に発現しているDectin-1量をフローサイトメトリーにて測定した。

0113

なお、本試験に使用したHEK293T細胞は、Dectin-1未発現のヒト胎児腎臓上皮細胞であり、dHEK細胞は、HEK293T細胞にDectin-1を発現するように形質転換が行われた細胞である。

0114

得られた結果を図5及び6に示す。図5には、Alexa647標識dA40(s)-siLuc(21nt)/SPG複合体で処理した細胞を観察した像を示し、図6のAには、Alexa647標識dA40(s)-siLuc(21nt)で処理した細胞についてAlexa647の蛍光強度を測定した結果を示し、図6のBには、Alexa647標識dA40(s)-siLuc(21nt)で処理した細胞についてFITCの蛍光強度を測定した結果を示す。この結果から、Dectin-1を発現しているdHEK細胞においてのみ、Alexa647標識dA40(s)-siLuc(21nt)/SPG複合体の取り込みが確認され、本発明の核酸多糖複合体は、Dectin-1発現細胞においてエンドサイトーシスにより取り込まれることが明らかとなった。また、dHEK細胞に発現しているDectin-1量は、dA40(s)-siLuc(21nt)/SPG複合体の取り込みに伴って減少しており、Dectin-1はdA40(s)-siLuc(21nt)/SPG複合体と共に細胞内に取り込まれることも明らかとなった。

0115

実施例11
(11-A)
本試験では、ResponderマウスにdA40(s)-siCD40(21nt)/SPG複合体を尾静脈注射(i.v.)により投与して4時間経過後に脾臓細胞を採取し、Stimulatorマウス脾臓細胞とのMLRを行って、生体内におけるsiRNAの挙動を確認した。細胞の調製方法は以下の通りである。

0116

マウス(stimulator:Balb/c(雄8週齢;3匹)、responder:C57BL/6(雄8週齢;3匹))から脾臓細胞を回収した。Responderマウスには、脾臓細胞を回収する4時間前にsiRNA/SPG複合体を静脈注射で投与した。溶血剤(塩化アンモニウム、カリウム)を添加して赤血球を溶解させた(溶血剤 5 ml, RPMI5ml)。10% FBS(DSファーマバイオメディカル社)、RPMI 5mlで細胞を懸濁し(4×105/ウェル)、stimulator側の脾臓細胞にマイトマイシンC(MMC)処理を行った(最終107細胞に対して25μgのMMC添加)。MLR条件を表14に示す。

0117

0118

得られた結果を図7に示す。図7には、コントロールのアロジェニック反応の数値からシンジェニック反応の数値を差し引いた値(splenocyte Activity)(試料6の細胞数から試料2の細胞数を引いた値)を100%としてプロットされており、アロジェニック反応によってリンパ球が増殖する反応をdA40(s)-siCD40(21nt)/SPG複合体の投与でどれほど抑制できたかを示している。この結果から、dA40(s)-siCD40(21nt)/SPG複合体は、生体内投与においてリンパ球の活性化を有意に抑制することが明らかとなった。

0119

(11-B)
本試験では、ResponderマウスおよびStimulatorマウスの双方に、dA40(s)-siCD40(21nt)/SPG複合体を尾静脈注射(i.v.)により投与して12時間経過後に脾臓細胞を採取し、Stimulatorマウス脾臓細胞とのMLRを行って、生体内におけるsiRNAの挙動を確認した。細胞の調製方法は以下の通りである。

0120

マウス(stimulator:Balb/c(雄8週齢;3匹)、responder:C57BL/6(雄8週齢;3匹))から脾臓細胞を回収した。StimulatorマウスとResponderマウスの双方に、脾臓細胞を回収する12時間前にsiRNA/SPG複合体を静脈注射で投与した。溶血剤(塩化アンモニウム、カリウム)を添加して赤血球を溶解させた(溶血剤 5 ml, RPMI5ml)。10% FBS(DSファーマバイオメディカル社)、RPMI 5mlで細胞を懸濁し(4×105/ウェル)、stimulator側の脾臓細胞にマイトマイシンC(MMC)処理を行った(最終107細胞に対して25μgのMMC添加)。MLR条件を表15に示す。

0121

0122

得られた結果を図8に示す。図8は、コントロールのアロジェニック反応の数値からシンジェニック反応の数値を差し引いた値(splenocyte Activity)(試料6の細胞数から試料2の細胞数を引いた値)を100%としてプロットされており、アロジェニック反応によってリンパ球が増殖する反応をdA40(s)-siCD40(21nt)/SPG複合体の投与でどれほど抑制できたかを示している。この結果からも、上記(9-A)の結果と同様に、dA40(s)-siCD40(21nt)/SPG複合体は、生体内投与においてリンパ球の活性化を有意に抑制することが確認された。

0123

実施例12
Balb/cマウスから脾臓細胞を回収した。24穴プレート上に5×106/wellで細胞を播種して1 ml/wellになるように10容量%FBSを含むRPMI培地を加えた。そのプレートに、ビオチンを側鎖修飾したSPGを用いたdA40(s)-siCD40(21nt)/SPG複合体をsiRNA量として300ng/well、又はsiMockとしてのPBSを含むコントールサンプルを添加し、CO2インキュベーター(37℃)で一晩培養した。培地を吸引除去後、100 mM NaCl及び1 mMEDTAを含む10 mM Tris-HCl(pH7.5)に再懸濁し、ソニケーターで細胞を15秒間破砕し、50 mlのstreptavidin labeled magnetic particles (Roche Applied Science社、cat# 11641778001)を加え、室温で撹拌しながら15分間反応した。遠心分離を行い沈殿を回収し、得られた沈殿を100μlのSDS(ドデシル酸ナトリウム)バッファーに再懸濁し、SDS-ポリアクリルアミド電気泳動に供して、ニトロセルロースメンブレン転写した。次いで、マウス抗TRBP2抗体及びペルオキシダーゼ結合抗マウスIgG抗体でTRBP2を検出した。

0124

その結果、SPGと複合体を形成しているdA40(s)-siCD40(21nt)は、TRBP2と複合体を形成していることが分かった。

0125

実施例13
異所心移植モデルマウスを利用し、心臓同種移植におけるdA40(s)-siCD40(21nt)/SPG複合体の効果を試験した。

0126

具体的には、dA40(s)-siCD40(21nt)/SPG複合体2μg/headをDonorマウス(C57/BL10、male)及びRecipientマウス(CBA、male)に尾静脈より投与した。投与スケジュールは、次の通りである。donorマウスには心臓摘出の3日前(day -3)及び1日前(day -1)に一回当たり2μg/headで投与し、Recipient マウスには移植の3日前(day -3)及び1日前(day -1)に同じく一回当たり2mg/headで投与した。day 0に、Donorマウスから心臓を摘出し、Recipientマウスに外科的に異所移植した。移植後、Recipientマウスに対して、更に心臓移植の1日後(day 1)、3日後(day 3)、5日後(day 5)、及び7日後(day 7)にdA40(s)-siCD40(21nt)/SPG複合体を一回当たり2μg/head ずつ、尾静脈より投与した。投与終了後、経時的にRecipientマウスの移植心臓の拍動を観察した。また、比較として、dA40(s)-siCD40(21nt)/SPG複合体の代わりに、dA40(s)-siGAPDH(Glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase)(21nt)/SPG複合体を同量投与した場合、及びdA40(s)-siCD40(21nt)/SPG複合体を投与しなかった場合についても、上記と同様に試験を行った。

0127

得られた結果を図9に示す。図9中、「siCD40/SPG複合体」はdA40(s)-siCD40(21nt)/SPG複合体を示し、「siGAPDH/SPG複合体」はdA40(s)-siGAPDH(21nt)/SPG複合体を示す。図9から明らかなように、dA40(s)-siCD40(21nt)/SPG複合体を投与した場合には、移植後全てのRecipientマウスにおいて移植心臓が長期に亘り正常に拍動しており、移植90日後でも全てのRecipientマウスの生存が確認された。一方、dA40(s)-siGAPDH(21nt)/SPG複合体を投与した場合、または何も投与しなかった場合には、移植後10日でRecipientマウスの生存率が0%になった。

0128

更に、dA40(s)-siCD40(21nt)/SPG複合体 2μg/headをdonorマウス(C57/BL10、male)のみ、またはRecipientマウス(CBA、male)のみに投与し、移植心臓の拍動を観察した結果、Donorのみ、またはRecipientのみに投与した場合であっても、移植心臓の拍動が長時間にわたって観察された。

0129

本結果から、dA40(s)-siCD40(21nt)が、効果的に抗原提示細胞に導入されておりCD40の発現を抑制し、抗原特異的なT細胞の活性化を抑制したと考えられる。

0130

実施例14
異所心移植モデルマウスを利用し、養子免疫細胞移入(adoptive transfer)におけるdA40(s)-siCD40(21nt)/SPG複合体の免疫寛容効果を試験した。

0131

具体的には、dA40(s)-siCD40(21nt)/SPG複合体2μg/headを第1Donorマウス(C57BL/10、male)及び第1Recipientマウス(CBA/N、male)に尾静脈より投与した。投与スケジュールは、次の通りである。第1Donorマウスには心臓摘出の3日前(day -3)及び1日前(day -1)に一回当たり2μg/headで投与し、第1Recipientマウスには移植の3日前(day -3)及び1日前(day -1)に同じく一回当たり2mg/headで投与した。day 0に、第1Donorマウスから心臓を摘出し、第1Recipientマウスに外科的に異所移植した。移植後、第1Recipientマウスに対して、更に心臓移植の1日後(day 1)、3日後(day 3)、5日後(day 5)、及び7日後(day 7)にdA40(s)-siCD40(21nt)/SPG複合体を一回当たり2μg/head ずつ、尾静脈より投与した。投与終了後、経時的に第1Recipientマウスの移植心臓の拍動を観察した。その後、移植心臓の拍動日数が30日に達した時点で第1Recipientマウスから脾臓細胞を取り出し、5×107cellsを新たな第2Recipientマウス(CBA/N、male)に尾静脈より投与した第2Recipientマウスに脾臓細胞を投与した後に、新たな第2Donorマウス(C57BL/10、male)から心臓を摘出し、第2Recipientマウスに外科的に異所移植した(30 Day A.T.(B10 to CBA)群)。異所心臓移植終了後、経時的に第2Recipientマウスの移植心臓の拍動を観察した。

0132

また、比較として、第1RecipientマウスとしてBalb/c(male)を使用すること以外は上記と同条件で異所心移植を行った場合(30 Day A.T.( Balb/c to CBA)群);第1Recipientマウスの移植心臓の拍動日数が100日に達した時点で第1Recipientマウスから脾臓細胞を取り出したこと以外は上記と同条件で異所心移植を行った場合(100 Day A.T.(B10 to CBA)群);及び第1Recipientマウスと第1DonorマウスにdA40(s)-siCD40(21nt)/SPG複合体の投与を行わなかったこと以外は上記と同条件で異所心移植を行った場合(Naive A.T.(B10 to CBA)群)についても、上記と同様に試験を行った。

0133

得られた結果を図10に示す。図10から明らかなように、dA40(s)-siCD40(21nt)/SPG複合体を投与した場合には、第2Recipientマウスの移植心臓が長期に亘り正常に拍動している割合が格段に高く、移植50日後でも、第2Recipientマウスの生存率は90%を維持していた。一方、30 Day A.T.( Balb/c to CBA)群、100 Day A.T.(B10 to CBA)群、及びNaive A.T.(B10 to CBA)群では、移植後20日には、第2Recipientマウスの移植心臓が正常に拍動しなくなり、これらの全ての群で、移植後30日で第2Recipientマウスの生存率が0%になった。

0134

以上の結果から、dA40(s)-siCD40(21nt)/SPG複合体には、ドナー特異的免疫寛容を誘導する作用が高いことが明らかとなった。

0135

実施例15
MLRによってdA40(s)-siCD40(21nt)/SPG複合体の免疫寛容効果を試験した。具体的には、以下に示す方法でMLRを行った。

0136

Recipient(Responder)細胞の調製
マウス(CBA、male)から脾臓細胞を回収し、T細胞エンリッチメント (nylon fiber)カラムを用いて、T細胞を分取し、Recipient細胞として準備した。

0137

Donor(Stimulator)細胞の調製
マウス(C57BL/10、male)からBMDC(骨髄由来樹状細胞)を回収し、20Gy放射線照射することにより、Donor細胞として準備した。

0138

また、別途、マウス(CBA、male)からにより脾臓細胞を回収した後、得られた脾臓細胞からCD11c(+)樹状細胞を分離し、Donor細胞として準備した。

0139

Regulator細胞の調製
dA40(s)-siCD40(21nt)/SPG複合体2μg/headをDonorマウス(C57BL/10、male)及びRecipientマウス(CBA、male)に尾静脈より投与した。投与スケジュールは、次の通りである。Donorマウスには心臓摘出の3日前(day -3)及び1日前(day -1)に一回当たり2μg/headで投与し、Recipientマウスには移植の3日前(day -3)及び1日前(day -1)に同じく一回当たり2mg/headで投与した。day 0に、Donorマウスから心臓を摘出し、Recipientマウスに外科的に異所移植した。day 0に、Donorマウスから心臓を摘出し、Recipientマウスに外科的に異所移植した。移植後、Recipientマウスに対して、更に心臓移植の1日後(day 1)、3日後(day 3)、5日後(day 5)、及び7日後(day 7)にdA40(s)-siCD40(21nt)/SPG複合体を一回当たり2μg/head ずつ、尾静脈より投与した。投与終了後、経時的にRecipientマウスの移植心臓の拍動を観察した。その後、移植心臓の拍動日数が30日に達した時点でRecipientマウスからによって脾臓細胞を回収した。回収した脾臓細胞から、セルソーターにより、異所心臓移植CBA由来のCD4(+)CD25(-)T細胞、CD11c(-)T細胞(マクロファージ)、CD4(+)CD25(+)T細胞(Treg、制御性T細胞)、及びCD11C(+)樹状細胞を各々分取し、Regulator細胞とした。

0140

また、別途、dA40(s)-siCD40(21nt)/SPG複合体の投与及び異所心臓移植を行っていないマウス(CBA、male)からによって脾臓細胞を回収した。次いで、得られた脾臓細胞から、Naive CBA由来のCD11c(+)樹状細胞を分離し、Stimulator細胞として準備した。

0141

MLR条件
10%FBS/RPMIを含むウェル中で、Donor細胞、Regulator細胞、及びRecipient細胞を混ぜ合わせ、7℃、5%CO2環境下で培養した。培養後、BrdU取り込みによる化学発光を用いたアッセイ(Cell ProliferationELISA、BrdU)(Roche Applied Science社)により、Recipient細胞の増殖を測定した。MLR条件を下表16に示す。

0142

0143

得られた結果を図11に示す。この結果から、Regulator細胞として、Naive CBA由来CD11c(+)樹状細胞を用いた場合には、Recipient細胞数が大幅に増加した。これに対して、Regulator細胞として、dA40(s)-siCD40(21nt)/SPG複合体を投与して異所心臓移植を行ったCBA由来のT細胞及び樹状細胞を用いた場合には、Recipient細胞数の増加を抑制できていた。とりわけ、異所心臓移植CBA由来のCD4(+)CD25(+)T細胞及びCD11C(+)樹状細胞を用いた場合には、Recipient細胞数の増加を顕著に抑制できていた。

0144

以上のMLRの結果からも、dA40(s)-siCD40(21nt)/SPG複合体は、ドナー特異的な免疫寛容効果が高いことが示された。

0145

なお、実施例1〜15において使用したsiLuc及びsiCD40のヌクレオチド配列は、下表17に示される通りである。

実施例

0146

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