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技術 磁気冷凍材料及び磁気冷凍デバイス

出願人 株式会社三徳
発明者 入江年雄
出願日 2012年6月22日 (9年2ヶ月経過) 出願番号 2013-522810
公開日 2015年2月23日 (6年6ヶ月経過) 公開番号 WO2013-005579
状態 特許登録済
技術分野 その他の冷凍機械 粉末冶金 硬質磁性材料
主要キーワード 山形曲線 消費施設 熱交換用媒体 家庭用空調機 再結晶化熱処理 結晶構造相 半値半幅 合金溶融物
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年2月23日)のものです。
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課題・解決手段

キュリー温度が250K以上であり、かつ永久磁石による磁場変化が可能と考えられる2テスラ付近までで、従来の冷凍性能を大幅に超える磁気冷凍材料を提供する。該磁気冷凍材料は、式La1-fREf(Fe1-a-b-c-d-eSiaCobXcYdZe)13(RE:Laを除く、Sc、Yを含む希土類元素の少なくとも1種、X:Ga及び/又はAl、Y:Ge、Sn、B、Cの少なくとも1種、Z:Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn、Zrの少なくとも1種、0.03≦a≦0.17、0.003≦b≦0.06、0.02≦c≦0.10、0≦d≦0.04、0≦e≦0.04、0≦f≦0.50)で表され、平均結晶粒径が0.01μm以上3μm以下、キュリー温度が250K以上、かつ2テスラまでの磁場変化における磁気エントロピー変化量(−ΔSM)の最大値(−ΔSmax)が5J/kgK以上である物性を有する。

概要

背景

近年、地球温暖化などの環境問題を引き起こすフロン系ガス冷媒とする従来の気体冷凍方式に替わる磁気冷凍方式が提案されている。
この磁気冷凍方式では、磁気冷凍材料を冷媒とし、等温状態で磁性材料磁気秩序を磁場で変化させた際に生じる磁気エントロピー変化および断熱状態で磁性材料の磁気秩序を磁場で変化させた際に生じる断熱温度変化を利用する。したがって、この磁気冷凍方式によれば、フロンガスを使用せずに冷凍を行なうことができ、従来の気体冷凍方式に比べて冷凍効率が高いという利点がある。

この磁気冷凍方式に用いられる磁気冷凍材料としてGd(ガドリニウム)又は/及びGd系化合物などのGd系材料が知られている。これらのGd系材料は動作温度範囲の広い材料として知られているが、磁気エントロピー変化量(−ΔSM)が小さいという欠点がある。またGdは希土類元素の中でも希少で高価な金属であり、工業的に実用性のある材料とは言い難い。

そこで、Gd系材料よりも大きな磁気エントロピー変化量(−ΔSM)を示す材料で、NaZn13型La(FeSi)13系化合物が提案されている。また、さらなる特性向上のため、例えば、非特許文献1には、コバルト(Co)置換をはじめとした多様な置換元素の検討がなされている。特許文献1には、Laの一部をCeで置換および水素を吸収させることによりLa1-zCez(FexSi1-x)13Hyとし、キュリー温度高温化する工夫がなされている。特許文献2には、La(Fe1-x-yCoySix)13でのCo、Fe、Siの比率を調整することにより、動作温度範囲を拡大する工夫がなされている。
また、これらの材料を製造するための手段として、例えば、特許文献3には、ロール急冷法により凝固させる方法、特許文献4には、加圧処理しつつ通電加熱焼結する方法、特許文献5には、Fe−Si合金酸化Laとを反応させる方法が提案されている。

概要

キュリー温度が250K以上であり、かつ永久磁石による磁場変化が可能と考えられる2テスラ付近までで、従来の冷凍性能を大幅に超える磁気冷凍材料を提供する。該磁気冷凍材料は、式La1-fREf(Fe1-a-b-c-d-eSiaCobXcYdZe)13(RE:Laを除く、Sc、Yを含む希土類元素の少なくとも1種、X:Ga及び/又はAl、Y:Ge、Sn、B、Cの少なくとも1種、Z:Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn、Zrの少なくとも1種、0.03≦a≦0.17、0.003≦b≦0.06、0.02≦c≦0.10、0≦d≦0.04、0≦e≦0.04、0≦f≦0.50)で表され、平均結晶粒径が0.01μm以上3μm以下、キュリー温度が250K以上、かつ2テスラまでの磁場変化における磁気エントロピー変化量(−ΔSM)の最大値(−ΔSmax)が5J/kgK以上である物性を有する。

目的

本発明の課題は、キュリー温度が250K以上であり、かつ永久磁石による磁場変化が可能と考えられる2テスラ付近までで、従来の冷凍性能を大幅に超える磁気冷凍材料を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

式La1-fREf(Fe1-a-b-c-d-eSiaCobXcYdZe)13(式中、REはLaを除く、Sc及びYを含む希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素、XはGa及びAlの少なくとも1種の元素、YはGe、Sn、B及びCからなる群より選択される少なくとも1種の元素、ZはTi、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn及びZrからなる群より選択される少なくとも1種の元素を示す。aは0.03≦a≦0.17、bは0.003≦b≦0.06、cは0.02≦c≦0.10、dは0≦d≦0.04、eは0≦e≦0.04、fは0≦f≦0.50である。)で表される組成からなり、平均結晶粒径が0.01μm以上3μm以下、キュリー温度が250K以上であり、かつ2テスラまでの磁場変化における磁気エントロピー変化量(−ΔSM)の最大値(−ΔSmax)が5J/kgK以上を示す物性を有する磁気冷凍材料

請求項2

2テスラまでの磁場変化における磁気冷凍能力を示す相対冷却力が300J/kg以上を示す物性を有する請求項1記載の磁気冷凍材料。

請求項3

請求項1又は2記載の磁気冷凍材料を用いた磁気冷凍デバイス

技術分野

0001

本発明は、冷凍庫冷蔵庫などの家電製品自動車用エアコンなどに好適に用いられる磁気冷凍材料およびこれを用いた磁気冷凍デバイスに関する。

背景技術

0002

近年、地球温暖化などの環境問題を引き起こすフロン系ガス冷媒とする従来の気体冷凍方式に替わる磁気冷凍方式が提案されている。
この磁気冷凍方式では、磁気冷凍材料を冷媒とし、等温状態で磁性材料磁気秩序を磁場で変化させた際に生じる磁気エントロピー変化および断熱状態で磁性材料の磁気秩序を磁場で変化させた際に生じる断熱温度変化を利用する。したがって、この磁気冷凍方式によれば、フロンガスを使用せずに冷凍を行なうことができ、従来の気体冷凍方式に比べて冷凍効率が高いという利点がある。

0003

この磁気冷凍方式に用いられる磁気冷凍材料としてGd(ガドリニウム)又は/及びGd系化合物などのGd系材料が知られている。これらのGd系材料は動作温度範囲の広い材料として知られているが、磁気エントロピー変化量(−ΔSM)が小さいという欠点がある。またGdは希土類元素の中でも希少で高価な金属であり、工業的に実用性のある材料とは言い難い。

0004

そこで、Gd系材料よりも大きな磁気エントロピー変化量(−ΔSM)を示す材料で、NaZn13型La(FeSi)13系化合物が提案されている。また、さらなる特性向上のため、例えば、非特許文献1には、コバルト(Co)置換をはじめとした多様な置換元素の検討がなされている。特許文献1には、Laの一部をCeで置換および水素を吸収させることによりLa1-zCez(FexSi1-x)13Hyとし、キュリー温度高温化する工夫がなされている。特許文献2には、La(Fe1-x-yCoySix)13でのCo、Fe、Siの比率を調整することにより、動作温度範囲を拡大する工夫がなされている。
また、これらの材料を製造するための手段として、例えば、特許文献3には、ロール急冷法により凝固させる方法、特許文献4には、加圧処理しつつ通電加熱焼結する方法、特許文献5には、Fe−Si合金酸化Laとを反応させる方法が提案されている。

0005

特開2006−089839号公報
特開2009−221494号公報
特開2005−200749号公報
特開2006−316324号公報
特開2006−274345号公報

先行技術

0006

磁気冷凍技術の常温域への展開」 まぐね Vol.1,No.7(2006)

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、非特許文献1や特許文献1で報告されているLaFeSi系材料は、磁気エントロピー変化量(−ΔSM)の最大値(−ΔSmax)を保ちつつキュリー温度を上昇させるものの、Gd系材料よりも磁気冷凍材料の動作温度範囲が狭いため、動作温度範囲が異なる複数種の材料で磁気冷凍システムを構成する必要があり、取り扱いが難しいという問題がある。また一般的にLaFeSi系材料は、キュリー温度が200K付近であるため、このままでは室温域を対象にした磁気冷凍材料として用いることができないといった問題がある。
また特許文献2には、磁気冷凍性能を示す指標として相対冷却力(Relative Cooling Power,以下RCP)が提示されている。この指標で判断するとこれらに記載されている磁気冷凍材料では、磁気エントロピー変化量(−ΔSM)の最大値は大きいが動作温度範囲が狭い、もしくは動作温度範囲が広くなるが磁気エントロピー変化量(−ΔSM)の最大値(−ΔSmax)が減少傾向にあるため、RCPはGd系材料とほぼ同等であり、性能を大きく上回る磁気冷凍材料とは言い難い。

0008

本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。従来技術では着目されていなかった結晶粒径合金組成について詳細に検討することにより上記課題を解決するに至った。
本発明の課題は、キュリー温度が250K以上であり、かつ永久磁石による磁場変化が可能と考えられる2テスラ付近までで、従来の冷凍性能を大幅に超える磁気冷凍材料を提供することにある。
本発明の別の課題は、磁気エントロピー変化量(−ΔSM)が大きいだけでなく動作温度範囲も広い、即ち、RCPが大きい磁気冷凍材料を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

本発明によれば、式La1-fREf(Fe1-a-b-c-d-eSiaCobXcYdZe)13
(式中、REはLaを除く、Sc及びYを含む希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素、XはGa及びAlの少なくとも1種の元素、YはGe、Sn、B及びCからなる群より選択される少なくとも1種の元素、ZはTi、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn及びZrからなる群より選択される少なくとも1種の元素を示す。aは0.03≦a≦0.17、bは0.003≦b≦0.06、cは0.02≦c≦0.10、dは0≦d≦0.04、eは0≦e≦0.04、fは0≦f≦0.50である。)で表される組成からなり、平均結晶粒径が0.01μm以上3μm以下、キュリー温度が250K以上であり、かつ2テスラまでの磁場変化における磁気エントロピー変化量(−ΔSM)の最大値(−ΔSmax)が5J/kgK以上を示す物性を有することを特徴とする磁気冷凍材料が提供される。
また本発明によれば、前記磁気冷凍材料を用いた磁気冷凍デバイス、さらには磁気冷凍システムが提供される。
更に本発明によれば、キュリー温度250K以上で、かつ2テスラまでの磁場変化における磁気エントロピー変化量(−ΔSM)の最大値(−ΔSmax)が5J/kgK以上を示す物性を有する磁気冷凍材料を製造するための、上記式で表される組成であり、平均結晶粒径が0.01μm以上3μm以下であり、キュリー温度が250K以上である合金の使用が提供される。

発明の効果

0010

本発明は、キュリー温度250K以上で、磁気エントロピー変化量(−ΔSM)が大きいだけでなく動作温度範囲も広い、つまり従来材料で得られる冷凍性能を大幅に超える物性を有する磁気冷凍材料を提供することができる。さらには本発明の磁気冷凍材料を用いることで、これまでよりも少ない種類の材料で磁気冷凍システムを構成することが可能となる。また、異なるキュリー温度を持つ本発明の磁気冷凍材料を選択することにより、例えば、家庭用空調機産業用冷凍冷蔵庫といった異なる用途に応じた磁気冷凍システムを構成することが可能となる。

0011

以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の磁気冷凍材料は、式La1-fREf(Fe1-a-b-c-d-eSiaCobXcYdZe)13で表される組成であり、特定の平均結晶粒径及び特定のキュリー温度を有する合金を用いる。
式中、REはLaを除く、Sc及びYを含む希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素、XはGa及びAlの少なくとも1種の元素、YはGe、Sn、B及びCからなる群より選択される少なくとも1種の元素、ZはTi、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn及びZrからなる群より選択される少なくとも1種の元素を示す。aは0.03≦a≦0.17、bは0.003≦b≦0.06、cは0.02≦c≦0.10、dは0≦d≦0.04、eは0≦e≦0.04、fは0≦f≦0.50である。

0012

本発明の磁気冷凍材料は、合金中のLaの一部を、上記REで置換することが可能である。fは、Laの一部を置換する元素REの含有量を示す。fは、0≦f≦0.50である。LaとRE元素はキュリー温度や動作温度範囲、さらにはRCPを調整することが可能である。ただし、fが0.50を超えると磁気エントロピー変化量(−ΔSM)が低下する。

0013

aは、Si元素の含有量を表す。aは0.03≦a≦0.17である。Siは、キュリー温度や動作温度範囲、さらにはRCPを調整することが可能である。また、化合物の融点の調整、機械強度の増加などの効果がある。aが0.03より小さいとキュリー温度が下がる。一方、aが0.17より大きいと磁気エントロピー変化量(−ΔSM)が下がる。

0014

bは、Co元素の含有量を表す。bは0.003≦b≦0.06である。Coはキュリー温度や磁気エントロピー変化量(−ΔSM)を調整するのに効果がある元素である。bが0.003より小さいと磁気エントロピー変化量(−ΔSM)が下がる。一方、bが0.06を超えると磁気エントロピー変化量(−ΔSM)における温度曲線半値幅が狭くなる。

0015

cは、X元素の含有量を表す。cは0.02≦c≦0.10である。Xは、動作温度範囲を調整するのに効果がある元素である。cが0.02より小さいと磁気エントロピー変化量(−ΔSM)における温度曲線の半値幅が狭くなる。一方、cが0.10より大きいと磁気エントロピー変化量(−ΔSM)が下がる。

0016

dは、Y元素の含有量を表す。dは0≦d≦0.04である。Yは、キュリー温度や動作温度範囲、さらにはRCPを調整することが可能である。また、化合物の融点の調整、機械強度の増加などの効果がある。dが0.04より大きいと磁気エントロピー変化量(−ΔSM)が下がる、もしくは磁気エントロピー変化量(−ΔSM)における温度曲線の半値幅が狭くなる。

0017

eは、Z元素の含有量を表す。eは0≦e≦0.04である。Zは、α−Feの析出を抑制したり、キュリー温度を制御したり、粉末耐久性を改善したりすることが可能である。ただし、所定の範囲を外れると所望量のNaZn13型結晶構造相を有する化合物相が得られず、磁気エントロピー変化量(−ΔSM)が低下する。eが0.04より大きいと磁気エントロピー変化量(−ΔSM)が下がる、もしくは磁気エントロピー変化量(−ΔSM)における温度曲線の半値幅が狭くなる。

0018

1−a−b−c−d−eは、Feの含有量を表す。1−a−b−c−d−eは、0.75≦1−a−b−c−d−e≦0.947が好ましい。Feは、NaZn13型結晶構造相を有する化合物相の生成効率に影響を及ぼす。

0019

本発明の磁気冷凍材料の平均結晶粒径は、0.01μm以上3μm以下である。
磁気冷凍材料の合金組織は、上記範囲の結晶粒径を持つ粒子が等軸的に存在しており、それぞれの粒子は異なる結晶方位を持っている。結晶粒径は、SEMまたはTEM等の電子顕微鏡を用いて確認することができ、結晶粒径は視野内に確認できる粒子の短径長径平均値である。平均結晶粒径は、視野内に確認できる粒子100個の結晶粒径の平均値とした。
磁気冷凍材料の合金を製造するあたり、比較的遅い速度で鋳造を行った場合、合金組織は柱状晶となる。しかし、そのような組織では、結晶短軸方向の長さは小さくても長軸方向の長さが大きくなり、方位の揃った結晶粒となり好ましくない。平均結晶粒径が0.01μmより小さいと、磁場中での磁化が小さくなり、磁気エントロピー変化が小さくなる。また、平均結晶粒径が3μmより大きい場合も、磁気エントロピー変化が小さくなる。

0020

上記式で表される合金は、酸素窒素及び原料不可避的不純物の含有量は少ない方が好ましいが微量であれば含有しても良い。

0021

本発明の磁気冷凍材料を製造する方法は、結晶粒径を微細化可能な方法であれば特に限定されず、例えば、メルトスパンのようなロールを用いた超急冷法によって、一旦、アモルファス状態の合金を作製し、再結晶化熱処理によって微細結晶を得る方法や、アーク溶解法金型鋳造法ストリップキャストなどの単ロール鋳造法アトマイズ法によって、一旦母合金を作製した後、特定温度範囲で水素ガス吸放出を行わせることによって微細結晶を得るHDDR法、前記母合金の平均粒径が3μm以下になるように粉砕した後、粒成長が起きない条件で焼結させる焼結法が好ましく挙げられる。更に、得られた合金を、粗粉砕してから、例えば、18メッシュ〜30メッシュのふるいにより分級し、粉末とすることが好ましい。

0022

本発明において、磁気エントロピー変化量(−ΔSM)、磁気冷凍能力を示すRCP、並びに磁気エントロピー変化量(−ΔSM)における温度曲線の半値幅は以下の方法により求められる。
まず磁気エントロピー変化量(−ΔSM)は、SQUID磁束計カンタムデザイン社製、商品名MPMS−7)を用いて特定温度範囲において2テスラまでの一定強度印加磁場のもとで磁化を測定した磁化−温度曲線から、下記に示すMaxwellの関係式を用いて求めることができる。

0023

但し、Mは磁化、Tは温度、Hは印加磁場を表す。

0024

磁気冷凍能力を示すRCPは、上記で得られた磁気エントロピー変化量(−ΔSM)の最大値(−ΔSmax)と、磁気エントロピー変化量(−ΔSM)における温度曲線の半値幅の積により、次式より算出することができる。
RCP=−ΔSmax×δT
但し、−ΔSmaxは−ΔSMの最大値を示し、δTは−ΔSMのピークの半値幅を示す。ここで半値幅とは、磁気エントロピー変化量(−ΔSM)における温度曲線での磁気エントロピー変化量(−ΔSM)の最大値(−ΔSmax)の半分の値における半値半幅、即ち、最大値をピークとした山形曲線広がりの程度を示す指標を意味する。

0025

本発明の磁気冷凍材料は、従来のNaZn13型La(FeSi)13系化合物の磁気冷凍材料に比べて、磁気エントロピー変化量(−ΔSM)の最大値(−ΔSmax)を示す温度であるキュリー温度を高くすることができる。
本発明の磁気冷凍材料は、キュリー温度250K以上という高い温度域において使用することが可能である。さらに磁気エントロピー変化量(−ΔSM)における温度曲線の半値幅が広いため、従来の材料よりも少ない材料で磁気冷凍システムを構成することが可能である。

0026

本発明の磁気冷凍材料は、2テスラまでの磁場変化における磁気エントロピー変化量(−ΔSM)(J/kgK)の最大値(−ΔSmax)が5J/kgK以上を示す物性を有する。磁気エントロピー変化量(−ΔSM)の最大値(−ΔSmax)が5J/kgKより低い場合は、磁気冷凍性能が不足し、磁気冷凍の効率が低下する。

0027

本発明の磁気冷凍材料は、2テスラまでの磁場変化において測定・算出された磁気エントロピー変化量(−ΔSM)における温度曲線の半値幅(K)が40K以上を示す物性を有することが好ましい。該半値幅が40K以上を示す物性を有する場合は、使用温度領域が広くなる。一方、該半値幅が40K未満の物性である場合は、使用温度領域が狭くなり、取り扱いが困難になるおそれがある。

0028

本発明の磁気冷凍材料は、2テスラまでの磁場変化における磁気冷凍能力を示すRCPが300J/kg以上を示す物性を有することが好ましい。RCPが300J/kg以上を示す物性を有する場合は、磁気冷凍材料による冷凍能力が高く、磁気冷凍材料の使用量を低減できる。

0029

本発明の磁気冷凍デバイス、さらに磁気冷凍システムは、本発明の磁気冷凍材料を使用する。本発明の磁気冷凍材料は、各種の形状に加工したものが使用できる。例えば、短冊状等に機械加工した形状、粉末形状、粉末を焼結した形状が挙げられる。この磁気冷凍デバイス、さらに磁気冷凍システムは、その種類によって特に限定されない。例えば、磁気冷凍作業室内に配置した本発明の磁気冷凍材料の表面を熱交換媒体流通するように、磁気冷凍作業室の一方の端部に熱交換媒体の導入配管、他方の端部に熱交換媒体の排出配管を設けるとともに、磁気冷凍作業室の近傍に永久磁石を配置し、かつ本発明の磁気冷凍材料に対する永久磁石の相対位置を変化させて磁界印加及び除去を行う駆動装置を備えるものが好ましく挙げられる。

0030

上記好ましい磁気冷凍デバイスやシステムの主な作用は、例えば、上記駆動装置を作動させて磁気冷凍作業室と永久磁石との相対位置を変化させると、本発明の磁気冷凍材料に対して磁界が印加された状態から、除去された状態に切り替わる際、結晶格子から電子スピンエントロピーが移動し、電子スピン系のエントロピーが増加する。それによって、本発明の磁気冷凍材料の温度が低下し、それが熱交換用媒体に伝達され、熱交換用媒体の温度が低下する。このようにして温度が低下した熱交換用媒体は、磁気冷凍作業室から排出配管を通って排出され、外部の低温消費施設に冷媒を供給することができる。

0031

以下、実施例および比較例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
製法
各種原料を量した後、高周波溶解炉にてアルゴンガス雰囲気中で溶解し、合金溶融物とした。続いて、この合金溶融物を、周速度40m/sで回転する銅製ロールに注湯して厚み約50μmの合金リボンを得た。その後、得られた合金をアルゴンガス雰囲気中において850℃、20分間で再結晶化熱処理を行ない、その後乳鉢により粉砕を行った。粉砕した粉末を、18メッシュ〜30メッシュのふるいで分級して合金粉末を得た。

0032

製法2
各種原料を秤量した後、高周波溶解炉にてアルゴンガス雰囲気中で溶解し、合金溶融物とした。続いて、この合金溶融物を、銅製金型に注湯して厚み10mmの合金を得た。得られた合金をアルゴンガス雰囲気中において1150℃、120時間で熱処理を行ない、その後乳鉢により粗粉砕を行った。粉砕した粉末を18メッシュ〜30メッシュのふるいで分級して合金粉末を得た。

0033

製法3
再結晶化熱処理の条件を500℃、20分間とした以外は製法1と同様にして合金粉末を得た。

0034

実施例1〜9
表1に示す組成1〜9の合金原料を用い、上記製法1により、磁気冷凍材料用合金粉末を作製した。得られた磁気冷凍材料用合金粉末の組成を表1の1〜9に示す。次に、得られた合金粉末の平均結晶粒径及び該合金粉末を用いてキュリー温度、2テスラまでの磁場変化における磁気エントロピー変化量最大値(−ΔSmax)、磁気エントロピー変化量(−ΔSM)における温度曲線の半値幅およびRCPを上述の方法に従って評価した。結果を表2に示す。

0035

比較例1〜12
表1に示す組成2〜7、9〜14の合金原料を用い、それぞれ表1に示す上記製法1〜3により、磁気冷凍材料用合金粉末を作製した。得られた磁気冷凍材料用合金粉末の組成を表1に示す。次、得られた合金粉末について、実施例1〜9と同様に各評価を行った。結果を表2に示す。

0036

実施例

0037

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