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技術 量子ナノドット、二次元量子ナノドットアレイ及びこれを用いた半導体装置並びに製造方法

出願人 国立大学法人東北大学
発明者 寒川誠二
出願日 2012年6月13日 (8年6ヶ月経過) 出願番号 2013-520571
公開日 2015年7月30日 (5年5ヶ月経過) 公開番号 WO2012-173162
状態 特許登録済
技術分野 半導体レーザ 光起電力装置 本体に特徴のある半導体装置
主要キーワード 寸法効果 包絡関数 垂直遷移 トンネル移動 面積形状 エネルギー帯構造 酸化チャンバー 中間バンド
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

量子ナノドット、二次元量ナノドットアレイ及びこれらを用いた半導体装置並びに製造方法を提供する。量子ナノドット3は、半導体からなり、二次元方向の外径が半導体中の励起子ボーア半径の2倍以下である。二次元量子ナノドットアレイ1は、量子ナノドット3を二次元に均一に配設し、量子ナノドット3の間隔が1nmよりも大きい間隔で配設して構成される。さらに、量子ナノドットアレイ10の間に充填される半導体または絶縁体からなる中間層6を含んでもよい。量子ナノドットは高配向でかつ高密度であるので、量子閉じ込め効果が高い。このため、Siからなる量子ナノドット3は、直接遷移発光が生じる。また、中間層6を含む二次元量子ナノドットアレイ10は、光学特性輸送特性を制御することができる。

概要

背景

半導体集積回路微細加工における最小加工寸法は22nmの露光が実用化されている。さらに、10nm程度までの加工には、電子ビーム収束イオンビーム(FIB)が用いられている。電子ビームやFIBを用いた加工では、10nm以下の加工は困難とされている。このような加工方法は上から削って小さくする手法であり、所謂トップダウンの技術と呼ばれている。

半導体中の励起子エキシトン)のボーア半径に相当する材料、即ちナノ材料は、キャリアの三次元量閉じ込めによる量子ドットとして振る舞い、さらに量子寸法効果を示す。量子寸法効果は、量子ドットの寸法を変えることによってバンドギャップエネルギー(Eg)を制御できる。複数の量子ドット中ではミニバンド生起する。このミニバンドは、閉じ込められるエネルギー準位に密接に結びついている。量子ドットの応用を考えた場合、nmのオーダーに加工された量子ドットは、タンデム型のSiからなる太陽電池新規吸収層として大きな可能性を有している(非特許文献1〜4参照)。

複数の量子ドットの間に配置される層は、中間層と呼ばれている。この中間層の材料として、SiCが有望である。このSiCからなる中間層とSi量子ドットからなる太陽電池ではミニバンドを形成し易くなる。本発明者等は、SiやGaAsからなる量子ドットを、金属を含むタンパク質であるフェリチンを用いて製作し、約12nmの量子ドットを作製している(非特許文献5、6参照)。

概要

量子ナノドット、二次元量子ナノドットアレイ及びこれらを用いた半導体装置並びに製造方法を提供する。量子ナノドット3は、半導体からなり、二次元方向の外径が半導体中の励起子のボーア半径の2倍以下である。二次元量子ナノドットアレイ1は、量子ナノドット3を二次元に均一に配設し、量子ナノドット3の間隔が1nmよりも大きい間隔で配設して構成される。さらに、量子ナノドットアレイ10の間に充填される半導体または絶縁体からなる中間層6を含んでもよい。量子ナノドットは高配向でかつ高密度であるので、量子閉じ込め効果が高い。このため、Siからなる量子ナノドット3は、直接遷移発光が生じる。また、中間層6を含む二次元量子ナノドットアレイ10は、光学特性輸送特性を制御することができる。

目的

本発明は、上記課題に鑑み、従来の方法では困難であった約10nm以下の寸法を有する量子ナノドット、二次元量子ナノドットアレイ及びこれを用いた半導体装置並びに製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

半導体からなり、二次元方向の外径が該半導体中の励起子ボーア半径の2倍以下である、量子ナノドット

請求項2

前記半導体はSiであり、前記二次元方向の外径が10nm以下である、請求項1に記載の量子ナノドット。

請求項3

発光が生じる、請求項2に記載の量子ナノドット。

請求項4

前記量子ナノドットは、400nmで励起されるフォトルミネッセンス特性において、665nmの発光ピ−クの半値幅が約0.2eVである、請求項2又は3に記載の量子ナノドット。

請求項5

前記量子ナノドットは、厚さと前記二次元方向の寸法とを変えることで量子閉じ込め効果を制御できる、請求項1〜4の何れかに記載の量子ナノドット。

請求項6

前記量子ナノドットの面密度は、1×1012/cm2から5×1012/cm2である、請求項2〜5の何れかに記載の量子ナノドット。

請求項7

半導体からなり、二次元方向の外径が該半導体中の励起子のボーア半径の2倍以下である量子ナノドットが、二次元に均一に配設され、上記量子ナノドット間の間隔が1nm〜10nmで配設される、二次元量ナノドットアレイ

請求項8

前記半導体はSiであり、前記二次元方向の外径が10nm以下である、請求項7に記載の二次元量子ナノドットアレイ。

請求項9

発光が生じる、請求項8に記載の量子ナノドット。

請求項10

前記量子ナノドットは、400nmで励起されるフォトルミネッセンス特性において、665nmの発光ピ−クの半値幅が約0.2eVである、請求項8又は9に記載の二次元量子ナノドットアレイ。

請求項11

前記量子ナノドットの面密度は、1×1012/cm2から5×1012/cm2である、請求項10に記載の量子ナノドット。

請求項12

さらに、前記二次元量子ナノドットアレイの間に半導体または絶縁体からなる中間層が充填される、請求項10に記載の二次元量子ナノドットアレイ。

請求項13

前記隣接する量子ナノドット間の距離によって前記二次元量子ナノドットアレイの輸送特性が制御される、請求項7〜12の何れかに記載の二次元量子ナノドットアレイ。

請求項14

前記隣接する量子ナノドット間の距離によって前記二次元量子ナノドットアレイの光学吸収特性及びキャリア輸送特性が制御される、請求項7〜13の何れかに記載の二次元量子ナノドットアレイ。

請求項15

前記中間層は、前記量子ナノドットよりもバンドギャップの大きい半導体又は絶縁体からなる、請求項12に記載の二次元量子ナノドットアレイ。

請求項16

前記中間層は、SiO2、Si3O4、SiCの何れかである、請求項15に記載の二次元量子ナノドットアレイ。

請求項17

前記中間層と前記隣接する量子ナノドット間の距離とによって前記二次元量子ナノドットアレイの輸送特性が制御される、請求項15に記載の二次元量子ナノドットアレイ。

請求項18

前記中間層と前記隣接する量子ナノドット間の距離とによって前記二次元量子ナノドットアレイの光学吸収特性が制御される、請求項15に記載の二次元量子ナノドットアレイ。

請求項19

前記請求項7〜18の何れかに記載の二次元量子ナノドットアレイを含む、半導体装置

請求項20

前記半導体装置は、太陽電池である、請求項19に記載の半導体装置。

請求項21

前記太陽電池は、少なくとも前記二次元量子ナノドットアレイからなり、バンドギャップエネルギーの異なる層を2層以上備えている、請求項20に記載の半導体装置。

請求項22

前記太陽電池は、同じバンドギャップの二次元量子ナノドットアレイを複数積層された構造を備えている、請求項19に記載の半導体装置。

請求項23

前記半導体装置は、半導体レーザであり、該半導体レーザの活性層が前記二次元量子ナノドットアレイからなる、請求項19に記載の半導体装置。

請求項24

二次元方向の外径が半導体中の励起子のボーア半径の2倍以下である金属を内包したタンパク質を、量子ナノドットとなる半導体層上に、二次元方向に形成し、上記タンパク質をエッチングし、上記エッチングにより露出した金属を含む化合物マスクとして上記半導体層をエッチングして、上記半導体層からなる二次元配置された量子ナノドットを形成し、前記金属を含む化合物をエッチングする、二次元量子ナノドットアレイの製造方法。

請求項25

前記金属を内包したタンパク質は、リステリアフェリチンである、請求項24に記載の二次元量子ナノドットアレイの製造方法。

請求項26

前記半導体層を、中性粒子を用いて堆積する、請求項24に記載の二次元量子ナノドットアレイの製造方法。

請求項27

前記半導体層を、中性粒子を用いてエッチングする、請求項24に記載の二次元量子ナノドットアレイの製造方法。

請求項28

前記金属を含む化合物をエッチングした後に形成された二次元量子ナノドット上に、中間層となる層を堆積する、請求項24〜27の何れかに記載の二次元量子ナノドットアレイの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、量子ナノドット、二次元量ナノドットアレイ及びこれらを用いた半導体装置並びに製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、約10nm以下の均一性が高い量子ナノドットと、この量子ナノドットを二次元に配設した高密度の二次元量子ナノドットアレイと、この二次元量子ナノドットアレイの量子ナノドットの間に半導体又は絶縁物からなる中間層が充填され、光吸収特性及びキャリア輸送特性を制御できる二次元量子ナノドットアレイと、さらには、これを用いた半導体装置並びに製造方法に関する。

背景技術

0002

半導体集積回路微細加工における最小加工寸法は22nmの露光が実用化されている。さらに、10nm程度までの加工には、電子ビーム収束イオンビーム(FIB)が用いられている。電子ビームやFIBを用いた加工では、10nm以下の加工は困難とされている。このような加工方法は上から削って小さくする手法であり、所謂トップダウンの技術と呼ばれている。

0003

半導体中の励起子エキシトン)のボーア半径に相当する材料、即ちナノ材料は、キャリアの三次元量子閉じ込めによる量子ドットとして振る舞い、さらに量子寸法効果を示す。量子寸法効果は、量子ドットの寸法を変えることによってバンドギャップエネルギー(Eg)を制御できる。複数の量子ドット中ではミニバンド生起する。このミニバンドは、閉じ込められるエネルギー準位に密接に結びついている。量子ドットの応用を考えた場合、nmのオーダーに加工された量子ドットは、タンデム型のSiからなる太陽電池新規吸収層として大きな可能性を有している(非特許文献1〜4参照)。

0004

複数の量子ドットの間に配置される層は、中間層と呼ばれている。この中間層の材料として、SiCが有望である。このSiCからなる中間層とSi量子ドットからなる太陽電池ではミニバンドを形成し易くなる。本発明者等は、SiやGaAsからなる量子ドットを、金属を含むタンパク質であるフェリチンを用いて製作し、約12nmの量子ドットを作製している(非特許文献5、6参照)。

0005

特開2009−290026号公報

先行技術

0006

G. Conibeer, Thin Solid Films 511, (2009), p. 654
Y. Okada, R. Oshima and A. Takata, J. Appl. Phys., 106, (2009), p. 024306
R. B. Laghumavarapu, M. El-Emawy, N. Nuntawong, A. Moscho, L. F. Lester, and D. L. Huffaker, Appl. Phys. Lett., 91, (2007), p. 243115
R. P. Raffaelle, S. L. Castro, A. F. Hepp, and S. G. Bailey, Prog. Photovolt., Res. Appl., 10, (2002), p. 433
C. H. Huang, X. Y. Wang, M.Igarashi, A. Murayama, Y. Okada, I. Yamashita and S. Samukawa, Nanotechnology,22, (2011), p. 105301
M. Igarashi et al., "Direct fabrication of uniform and high density of sub-10nm etching mask using ferritin molecules on Si andGaAssurface for actual quantum-dot superlattice.", Appl. Phys. Expres., 4, (2011), p.015202
江崎玲於奈監修、榊裕之編「超格子ヘテロ構造デバイス」、株式会社工業調査会、1988年9月10日発行、p.72参照。
W. Xiaoming, L. V. Dao, P. Hannaford, J. Phys. D: Appl. Phys.40 (2007), p. 3573
W. de Boer, H. Zhang, and T. Gregorkiewicz, Mater. Sci. Eng.,B190 (2009), p. 159
K. Kusova, O.Cibulka, K. Dohnalova, I. Pelant, J. Valenta, A. Fucikova, K. Zidek, J. Lang, J. Englich, P. Matejka, P. Stepanek, and S. Bakardjieva, ACS Nano 4 (2010), p. 4495
T. Yoshikawa et al., "Dry etching and consequent burring regrowth of nanosize quantum wells stripes using an in situ ultrahigh vacuum multichamber system", J. Vac. Sci. Technol., B 16, (1998), pp. 1-8

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、リソグラフィーを伴うプラズマプロセス、そしてアニーリングを伴うスパッタリング技術のような従来技術では、nmオーダー、特に10nmよりも寸法の小さい量子ドットを作製するのは困難である。さらに、Siと化合物半導体のような異なる量子ドット材料と量子ナノドットを応用した半導体装置には、柔軟なプロセスが要求されるが未だに実現されていない。

0008

本発明は、上記課題に鑑み、従来の方法では困難であった約10nm以下の寸法を有する量子ナノドット、二次元量子ナノドットアレイ及びこれを用いた半導体装置並びに製造方法を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0009

本発明者は、二次元方向の寸法が数nmの直径を有する金属を内包したタンパク質の単分子層を用い、さらに、量子ナノドットとなる半導体等に欠陥を生じないようにすることで、Siの量子ナノドットを形成し、量子ナノドットの直径、厚さ等の量子閉じ込め効果の制御を行い、光吸収特性、発光を制御し、Siの量子ナノドットから直接遷移的な発光及び発光波長の制御ができることを世界に先駆けて観測し、本発明に到達した。

0010

上記第1の目的を達成するため、本発明の量子ナノドットは、半導体からなり、二次元方向の外径が該半導体中の励起子のボーア半径の2倍以下である。
上記構成において、好ましくは、半導体はSiであり、二次元方向の外径が10nm以下である。
本発明の量子ナノドットは、発光を生じ得る。本発明の量子ナノドットは、好ましくは、400nmで励起されるフォトルミネッセンス特性において、665nmの発光ピ−クの半値幅が約0.2eVである。
量子ナノドットは、好ましくは、厚さと二次元方向の寸法とを変えることで量子閉じ込め効果を制御できる。
量子ナノドットの面密度は、好ましくは、1×1012/cm2から5×1012/cm2である。

0011

上記第2の目的を達成するため、本発明の二次元量子ナノドットアレイは、量子ナノドットが半導体からなり、二次元方向の外径が半導体中の励起子のボーア半径の2倍以下であって、この量子ナノドットが、二次元に均一に多数配設され、量子ナノドット間の間隔が1nm〜10nmで配設される。
上記構成において、好ましくは、半導体はSiであり、二次元方向の外径が10nm以下である。
量子ナノドットは、好ましくは発光が生じる。量子ナノドットは、好ましくは、400nmで励起されるフォトルミネッセンス特性において、665nmの発光ピ−クの半値幅が約0.2eVである。
量子ナノドットの面密度は、好ましくは、1×1012/cm2から5×1012/cm2である。
さらに、好ましくは、二次元量子ナノドットアレイの間に半導体または絶縁体からなる中間層が充填される。
好ましくは、隣接する量子ナノドット間の距離によって二次元量子ナノドットアレイの輸送特性が制御される。
好ましくは、隣接する量子ナノドット間の距離によって二次元量子ナノドットアレイの光学吸収特性及びキャリア輸送特性が制御される。
中間層は、好ましくは、量子ナノドットよりもバンドギャップの大きい半導体又は絶縁体からなる。中間層は、好ましくは、SiO2、Si3O4、SiCの何れかである。
好ましくは、中間層と、隣接する量子ナノドット間の距離と、によって二次元量子ナノドットアレイの輸送特性が制御される。
二次元量子ナノドットアレイの光学吸収特性は、中間層と、隣接する量子ナノドット間の距離とによって制御され得る。

0012

上記第3の目的を達成するため、本発明の半導体装置は、上記の何れかに記載された二次元量子ナノドットアレイを含む。
上記構成において、半導体装置は、好ましくは太陽電池である。太陽電池は、好ましくは、少なくとも二次元量子ナノドットアレイからなり、バンドギャップエネルギーの異なる層を2層以上備えている。また、同じバンドギャップの二次元量子ナノドットアレイを複数積層して用いてもよい。
半導体装置は、好ましくは半導体レーザであり、半導体レーザの活性層が二次元量子ナノドットアレイからなる。

0013

上記第4の目的を達成するため、本発明の二次元量子ナノドットアレイの製造方法は、二次元方向の外径が半導体中の励起子のボーア半径の2倍以下である金属を内包したタンパク質を、量子ナノドットとなる半導体層上に二次元方向に形成し、タンパク質をエッチングし、エッチングにより露出した金属を含む化合物マスクとして半導体層をエッチングして、半導体層からなる二次元配置された量子ナノドットを形成し、金属を含む化合物をエッチングする。
上記構成において、金属を内包したタンパク質は、好ましくは、リステリアフェリチンである。
半導体層を、好ましくは、中性粒子を用いて堆積する。半導体層を、好ましくは、中性粒子を用いてエッチングする。
好ましくは、金属を含む化合物をエッチングした後に形成された二次元量子ナノドット上に、中間層となる層を堆積する。

発明の効果

0014

本発明の量子ナノドットは、二次元方向の寸法が半導体中の励起子のボーア半径の2倍以下であり、高配向でかつ高密度であるので、量子閉じ込め効果が高い。このため、Siからなる量子ナノドットは、直接遷移的発光が生じる。

0015

本発明の二次元量子ナノドットアレイは、二次元方向の寸法が半導体中の励起子のボーア半径の2倍以下であり、高配向でかつ高密度であるので、量子閉じ込め効果、光吸収特性及び輸送特性が良好である。

0016

本発明の量子ナノドット及び二次元量子ナノドットアレイを用いた半導体装置では、量子閉じ込め効果により効率の良い半導体装置が得られる。

0017

本発明の二次元量子ナノドットアレイの製造方法によれば、金属を内包したタンパク質をテンプレートとして、約10nmよりも小さい二次元量子ナノドットアレイを高配向でかつ高密度に製造することができる。

図面の簡単な説明

0018

本発明に従う二次元配置された量子ナノドットアレイの構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のI−I線に沿った断面図である。
図1の量子ナノドットの拡大断面図である。
量子ナノドットの寸法を示す図である。
直接遷移と間接遷移を説明するエネルギー帯構造である。
二次元配置された量子ナノドットアレイの別の構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のII−II線に沿った断面図である。
図5の二次元配置された量子ナノドットアレイのバンド図である。
量子ナノドットをSiとし、種々の中間層を用いたバンド図の具体例であって、中間層が、(a)SiO2、(b)Si3O4、(c)SiCの場合を示す。
(a)は中間層を有している二次元量子ナノドットアレイ構造の断面を示し、(b)はその輸送特性を説明するための模式的なIV特性を示している。
中間層を有している二次元量子ナノドットアレイ構造の光の吸収特性を説明する図である。
本発明の中間層を有している二次元量子ナノドットアレイを用いた太陽電池の断面構造を示す斜視図である。
本発明の中間層を有している二次元量子ナノドットアレイを用いた半導体レーザダイオードの構造を示す断面図である。
(a)〜(h)は二次元量子ナノドットアレイの製造方法を順次示す図である。
中性粒子を用いた堆積装置の構成を示す模式図である。
図12に示す製造方法で作製した中間層を有する二次元量子ナノドットアレイの走査型電子顕微鏡像の図で、(a)は表面、(b)は断面を示している。
従来のフェリチンを用いて作製した中間層を有する二次元量子ナノドットアレイの表面の走査型電子顕微鏡像の図である。
時間分解フォトルミネッセンス法の測定結果を示す図であり、(a)はPLスペクトル、(b)は(a)のPLスペクトルの減衰特性であり、(c)はPLスペクトルの拡大図である。
時間分解フォトルミネッセンス法の減衰特性を示す図であり、(a)は実施例の高密度の量子ナノドット、(b)は比較例を示している。
PLスペクトルのピーク波長光子エネルギーに対するSi量子ナノドットの厚さ依存性を示すグラフである。
バンドギャップに対する量子ナノドットの直径依存性を示すグラフである。
バンドギャップに対する量子ナノドットの厚さ依存性を示すグラフである。
中間層を有する二次元量子ナノドットアレイのIV特性を示す図であり、(a)は実施例の量子ナノドットの間隔が12nmの場合、(b)は比較例の量子ナノドットの間隔が30nm以上の場合を示している。
紫外可視近赤外分光測定から計測した吸収係数の測定結果を示すグラフであり、(a)は5nmの厚さのSiC膜、(b)は実施例のSiC膜からなる中間層を有する二次元Si量子ナノドットアレイ、(c)は実施例のSiO2膜からなる中間層を有する二次元Si量子ナノドットアレイの場合を示している。
Taucプロットを示すグラフであり、(a)は5nmの厚さのSiC膜、(b)は実施例のSiC膜からなる中間層を有する二次元Si量子ナノドットアレイ、(c)は実施例のSiO2膜からなる中間層を有する二次元Si量子ナノドットアレイの場合を示している。
二次元配置された量子ナノドットアレイの吸収係数の測定結果を比較するグラフであり、(a)は実施例、(b)は比較例である。
(a)〜(g)は、GaAsからなる二次元量子ナノドットアレイの製造方法を順次に示す図である。
NBエッチングと従来のプラズマエッチングを行った後のGaAsのPLスペクトルである。
GaAsに形成したNB酸化膜上に二次元配置されたリステリアフェリチン表面の走査型電子顕微鏡像である。
酸素ラジカル処理後のGaAs表面をフーリエ分光分析法で測定したFTIRスペクトル図である。
GaAsをNBエッチングした後の断面を示す走査型電子顕微鏡像の図である。
二次元配置されたGaAs量子ナノドットアレイの表面における走査型電子顕微鏡像の図である。
太陽電池の構造を示す断面図であり、(a)はSi量子ナノドットを用いた場合、(b)はSiC層を単独で用いた場合の構造を示している。
製造したSi量子ナノドットを用いた太陽電池の断面の走査電子顕微鏡(SEM)像を示す図である。
紫外−可視−近赤外の分光測定から計測した吸収係数の測定結果を示すグラフであり、(a)は厚さが3nmのSiC層とSi量子ナノドットからなる膜、(b)は厚さが3nmのSiO2層とSi量子ナノドットからなる膜、(c)は厚さが5nmのSiC層単独の膜の場合を示している。
中間層を有する二次元量子ナノドットにおいて、(a)はIV特性を、(b)は電子の空間確率を示す図である。
太陽電池の光吸収係数の測定結果を示すグラフであり、(a)は厚さが2nmのSiC層と厚さが4nmのSi量子ナノドットを有している太陽電池、(b)は厚さが2nmのSiC層を有している太陽電池の場合を示している。
太陽電池のIV特性を示す図である。
太陽電池の波長外部量子効率の関係を示す図である。

0019

1,10,15:二次元配置された量子ナノドットアレイ
2:基板
3:量子ナノドット
4:絶縁層
6:中間層
6a:第1の中間層
6b:第2の中間層
7:p層
8,24:n層電極
9,25:p層電極
10a:活性層
11:n層
20,25,28:太陽電池
21:第1の太陽電池層
22:第2の太陽電池層
23:第3の太陽電池層
26:保護膜
30:半導体レーザダイオード
31:ポリSi
32:SiO2膜
33:リステリアフェリチン
34:酸化鉄コアからなる二次元アレイ
34a:酸化鉄コア
36:自然酸化膜
38:GaAs酸化膜
40:中性粒子を用いた堆積装置
50:反応室
53:半導体ウェハ
54:支持台
55,67:ガス導入
56:排気機構
60:中性粒子ビーム生成部
62:プラズマ室
68:コイル
69:高周波電源
71,73:直流電源
70:アノード電極
72:カソード電極
74:低周波電源

0020

以下、図面を参照しながら本発明を実施形態により具体的に説明する。
図1は、本発明に従う二次元配置された量子ナノドットアレイ1の構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のI−I線に沿った断面図である。図2は、図1の量子ナノドット3の模式的な拡大断面図である。
図1に示すように、二次元配置された量子ナノドット(以下、二次元量子ナノドットと略する。)1は基板2上に形成されている。各量子ナノドット3は半導体からなり、量子効果が生じるような寸法を有している。半導体は、無機物又は有機物からなる材料を使用できる。無機物からなる半導体としては、Si,Geのような単元素半導体や化合物半導体、複数の化合物半導体の混晶等が挙げられる。基板2としては、基板2の表面に量子ナノドット3が形成できる基板材料を使用できる。具体的には、上記の半導体の基板2やガラス石英ガラスからなる基板2を用いてもよい。図1図2に示すように、半導体の基板2上に酸化膜等の絶縁膜4を形成した基板を使用してもよい。

0021

図2に示すように、量子ナノドット3は、二次元方向の寸法が半導体中の励起子のボーア半径の2倍以下の大きさを有している。量子ナノドット3は、二次元方向に対して垂直方向に厚さを有している。半導体がSiの場合、Si中の励起子のボーア半径は約5nmである。以下、明細書では、Si中の励起子のボーア半径は単にボーア半径とも呼ぶ。

0022

図3は、量子ナノドット3の寸法を示す図である。図3に示すように、量子ナノドット3は、xyz方向にLx,Ly,Lzの寸法を有している。ここで、z方向は、図1に示す断面構造の厚さ方向である。
図3に示す量子ナノドット3の電子のエネルギーは、下記(1)式で表わされる(非特許文献7参照)。



ここで、n,m,lは量子数、hバーはプランク定数/2π、m*は量子ナノドット3を形成する半導体の有効質量である。
n=m=l=1の基底状態においては、電子のエネルギーは、Lx,Ly,Lzが決まれば求まる。以下、明細書では、量子ナノドットの寸法を外径と呼ぶ。外径は、量子ナノドットの面積形状を円で近似したときの直径である。

0023

量子ナノドットの間隔は、1nmから10nmの間隔で配設される。量子ナノドット3がSiからなる場合、二次元方向の直径が6nmから10nmで、発光させることができる。量子ナノドット3の発光は、欠陥由来オージェ効果由来、直接遷移型由来の3種類があるが、本発明では、後述するように直接遷移型及びオージェ効果型が考えられる。直接遷移型、つまり直接遷移的な発光とは、直接遷移に近づいた遷移である。図4は、直接遷移と間接遷移を説明するエネルギー帯構造である。図4に示すように、直接遷移はk空間において垂直遷移する。一方、間接遷移の場合には、水平遷移が含まれるので発光に際しては必要のないエネルギーである熱や音にも変化、つまり格子振動関与するので効率的に発光しない。

0024

量子ナノドット3がSiからなる場合には、量子ナノドット3の面密度は、1×1012/cm2〜5×1012/cm2とすることができる。面密度は、上記した量子ナノドットの間隔を1nm〜10nmの範囲で変化させて調整できる。このような量子ナノドットをSiで形成すると、例えば、400nmで励起されるフォトルミネッセンス特性において、665nmの発光ピ−クの半値幅が約0.2eVである。

0025

図5は、二次元配置された量子ナノドットアレイの別の技術構成を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のII−II線に沿った断面図である。
図5に示す二次元量子ナノドットアレイ10が、図1の二次元量子ナノドットアレイ1と異なるのは、各量子ナノドット3の間に中間層6が配設されている点にある。中間層6は半導体又は絶縁体からなる。中間層6は、量子ナノドット3よりもバンドギャップの大きい半導体又は絶縁体としてもよい。中間層6は、例えば、SiO2、Si3O4、SiCの何れかとしてもよい。

0026

図5に示す二次元配置された量子ナノドットアレイ10は、さらに量子ナノドット3からなる層が多層に形成されていてもよい。

0027

中間層6と隣接する量子ナノドット3間の距離とによって二次元量子ナノドットアレイ10の光学吸収特性や輸送特性が制御される。

0028

図6は、図5の二次元量子ナノドットアレイ10のバンド図である。図6は、二次元量子ナノドットアレイ10の量子ナノドット3からなる層が多層に形成されたときのバンド図である。図6では、中間層6のバンドギャップが量子ナノドット3のバンドギャップよりも大きい場合を示しており、量子ナノドット3のバンドギャップはEg1、中間層6のバンドギャップはEg2である。

0029

図7は、量子ナノドット3をSiとし、種々の中間層6を用いたバンド図の具体例で、中間層6が、それぞれ(a)SiO2、(b)Si3O4、(c)SiCの場合を示す。
図7は、中間層6のバンドギャップが量子ナノドット3のバンドギャップよりも大きい場合を示しており、量子ナノドット3のバンドギャップはEg1、中間層6のバンドギャップはEg2である。図7に示すように、Siのバンドギャップが1.1eVであるのに対して、SiC、Si3N4、SiO2のバンドギャップは、それぞれ2.5eV、5.3eV、9eVである。

0030

中間層6を有している二次元量子ナノドットアレイ10は、所謂超格子構造となっている。本明細書では、中間層6を有している二次元量子ナノドットアレイ15を、超格子量子ナノドット層とも呼ぶ。

0031

図8は、中間層6を有している二次元量子ナノドットアレイ構造15の輸送特性を説明する図であり、(a)は構造を、(b)は(a)の模式的なIV特性を示している。
図8(a)の二次元配置された量子ナノドットアレイ構造15はダイオードとなっており、中間層6を有している二次元量子ナノドットアレイ10が、n型の基板2上に形成され、さらに中間層6上には、p層7が形成された構造を示している。量子ナノドットアレイ10がSiからなる場合、n型の基板2及びp層7は、同様にSiで形成することができる。
図8(b)は、上記ダイオード構造15においては、隣接する量子ナノドット3間の間隔S、即ち隣接する量子ナノドット3の間に挿入される中間層6の幅によって、IV特性は変化することを示している。間隔Sを短くすると電流が流れ易くなる、つまり輸送特性が向上する。間隔Sをnmオーダーにすることで、直接トンネル注入により、さらに輸送特性が向上する。輸送特性は、中間層6の材料によっても変えることができる。Siからなる量子ナノドット3とSiCからなる中間層6とを有している二次元量子ナノドットアレイ10では、中間層6がSiO2の場合と比較して電気電導性が高く、輸送特性が向上する。

0032

以上のように、二次元配置された量子ナノドットアレイ10においては、中間層6と隣接する量子ナノドット3間の距離及び中間層6を形成する材料のバンドギャップとの組み合わせによって二次元量子ナノドットアレイ10の輸送特性が制御される。キャリアの輸送特性の改善は量子ドット同士の波動関数の重なり方に依存する。つまり、量子ナノドット間の距離を短くし、且つ、バンドギャップが小さい中間層6を用いると量子ナノドット3同士の波動関数が重なり、ミニバンドを形成する。その結果、量子ナノドット3で形成されたキャリアのトンネル移動が促進されてキャリア輸送特性が促進される。量子ナノドットの間隔が短くなると、単一電子トンネル効果が生じ、つまり、クーロンブロケードが生じ、このための電圧も低くなる。

0033

図9は、中間層6を有している二次元量子ナノドットアレイ10の光の吸収特性を説明する図である。図9に示すように、中間層6を有している二次元量子ナノドットアレイ10においては、例えば中間層6の材料をSiO2からSiCとすることによって、光の吸収特性を増加させることができる。量子ナノドット3の間の領域、つまり中間層6、又はインターレイヤーを、SiO2、Si3O4、SiCなどを用いることで、光吸収及びキャリアの輸送特性を制御できる。

0034

次に、本発明の中間層6を有している二次元配置の量子ナノドットアレイ10を用いた半導体装置について説明する。
(太陽電池)
図10は、本発明の中間層6を有している量子ナノドットアレイ10を二次元配置することで形成した太陽電池20の構造を示す斜視図である。
図10に示すように、太陽電池20は、Siからなる第1の太陽電池層21と、第1の太陽電池層21上に形成される第2の太陽電池層22と、第2の太陽電池層22上に形成される第3の太陽電池層23と、さらに、第1の太陽電池層21に形成されるp層電極24と、第3の太陽電池層23の最上層となるn層23cに形成されるn層電極25とから構成されている。

0035

第1の太陽電池層21は、Siからなるp層21aとi層21bとn層21cとが順に積層された所謂、pinダイオードであり、バンドギャップ(Eg)は、1.1eVであり、波長が約1100nmに応答する。

0036

第2の太陽電池層22は、n層21c上に形成されるp層22aと、p層22a上に形成される第1の超格子量子ナノドット層22bと、第1の超格子量子ナノドット層22b上に形成されるn層22cとから構成されている。第2の太陽電池層22の構成は、第1の太陽電池層21のi層21bを、i層21bとは異なるバンドギャップを有している第1の超格子量子ナノドット層22bとしたものである。第1の超格子量子ナノドット層22bにおける量子ナノドット3のバンドギャップ(Eg)は、1.5eVであり、波長が約800nmに応答する。量子ナノドット3のバンドギャップ(Eg)は、上述したように、量子ナノドット3の大きさを調整することによって制御することができる。第1の超格子量子ナノドット層22bは、図5に示す量子ナノドット3と中間層6とからなる単層構造の二次元量子ナノドットアレイから構成される。第1の超格子量子ナノドット層22bは、同じバンドギャップの二次元量子ナノドットアレイを複数積層して用いてもよい。つまり、単層構造の二次元量子ナノドットアレイを複数、例えば5層〜10層積層した構造としてもよい。

0037

第3の太陽電池層23の構成も、第2の太陽電池層22の構成と同様である。第3の太陽電池層23は、第2の太陽電池層22のn層22c上に形成されるp層23aと、p層23a上に形成される第2の超格子量子ナノドット層23bと、第2の超格子量子ナノドット層23b上に形成されるn層23cとから構成されている。第2の超格子量子ナノドット層23bにおける量子ナノドット3のバンドギャップ(Eg)は、第1の超格子量子ナノドット層22bとは異なり、2eVであり、波長約600nmに応答する。量子ナノドット3のバンドギャップ(Eg)は、上述したように、量子ナノドット3の大きさを調整することによって制御することができる。第2の超格子量子ナノドット層23bは、図5に示す量子ナノドット3と中間層6とからなる単層構造の二次元量子ナノドットアレイから構成される。第2の超格子量子ナノドット層23bは、同じバンドギャップの二次元量子ナノドットアレイを複数積層して用いてもよい。つまり、単層構造の二次元量子ナノドットアレイを複数、例えば5層〜10層積層した構造としてもよい。

0038

第3の太陽電池層23の最上層に形成されるn層電極25上には、さらに保護膜26で被覆されてもよい。保護膜26は、光透過性の材料がよい。保護膜26としては、インジウムと錫とからなる酸化物(Indium Tin Oxide、以下ITOと呼ぶ。)のような透明電極が使用できる。

0039

以上説明した太陽電池20は、p−i−n型の第1の太陽電池層21と、第2の太陽電池層22と、第3の太陽電池層23とが直列接続された所謂、タンデム型の太陽電池構造を有している。これらの各層21,22,23は、それぞれの波長が、約1100nm、約800nm、約600nmに相当しているので、太陽光赤外領域と可視光領域で電子、正孔が効率良く形成される。

0040

第1及び第2の超格子量子ナノドット層の中間層6は、太陽光の照射で生成される電子、正孔が効率良く電極に輸送されるようにする。このため、中間層6は例えばSiCとして、量子ナノドット3間の間隔をトンネル注入が生起し易いようなnmオーダーの間隔とすればよい。この間隔は例えば2nm〜6nm、望ましくは3nm以下である。

0041

(半導体レーザ)
図11は、本発明の二次元配置された量子ナノドットアレイ10を用いた半導体レーザダイオード30の構造を示す断面図である。量子ナノドット3の間には中間層6が充填されている。
図11に示すように、中間層6を有する二次元量子ナノドットアレイ10を用いた半導体レーザダイオード30は、基板2上に形成されるn層11と、n層11上に形成される二次元配置された量子ナノドットアレイ10aからなる活性層と、二次元配置された量子ナノドットアレイ10上に形成されるp層7と、が順に積層された層を含んで構成されている。基板2側にはn層電極8が、p層7上にはp層電極9が形成されている。

0042

上記の半導体レーザダイオード30では、中間層6を有する二次元量子ナノドットアレイ10が、活性層10aとして動作する。活性層10aでは、量子ナノドット3をGaAsとし、中間層6をAlGaAsとすることができる。量子ドットレーザーの場合には、高い発光強度を必要とするので、活性層10aはミニバンドが形成されないような量子ナノドット3の間隔とする。このため、活性層10a内にミニバンドが実現されないように、量子ナノドット3の間隔は、好ましくは6〜10nmである。

0043

さらに、キャリアと光の閉じ込めを効率良く行うために、n層11と活性層10aとの間にn型のクラッド層、p層7と活性層10aとの間にp型のクラッド層を、それぞれ設けてもよい。n型及びp型のクラッド層は、n層11及びp層7よりもバンドギャップの大きい材料とする。

0044

(製造方法)
次に、本発明の二次元配置された量子ナノドットアレイ1、10の製造方法について説明する。
図12は、二次元量子ナノドットアレイ1,10の製造方法を工程順に示す図である。以下、(a)〜(h)に分けて説明する。
(a)基板2上に半導体層31を形成する。以下の説明では、半導体層31をポリSi層として説明する。
(b)本発明者が開発した中性粒子を用いた装置(特許文献1参照)によって、ポリSi層31上に3nmの表面酸化膜(SiO2)32を堆積する。以下、中性粒子を用いた装置で堆積した膜をNB(Neutral Beam)膜とも呼ぶ。中性粒子を用いた装置ではエッチングも可能であり、このエッチングをNBエッチングと呼ぶ。

0045

(c)SiO232上に金属を内包したタンパク質33を二次元に堆積する。量子ナノドット3の寸法はタンパク質に内包される金属の寸法で決まるので、10nm以下の量子ナノドット3が得られるような金属を内包したタンパク質を使用する。金属を内包したタンパク質は、例えば、リステリアフェリチン33である。
ここで、リステリアフェリチン33は、たんぱく質と金属とからなる複合体であり、バイオコンジュゲートとも呼ばれている。生体内では酸化鉄(Fe2O3)コアポルフィリンという環状の化合物の中心に結合しているヘム基を含む、たんぱく質4分子からできているのがヘモグロビンである。リステリアフェリチンは大腸菌の中で培養して得られる。酸化鉄(Fe2O3)コアは、単に鉄コアとも呼ばれている。

0046

(d)次に、リステリアフェリチン33のシェル酸素雰囲気中でアニールして除去する。SiO2上には、酸化鉄コアからなる二次元アレイ34が堆積した状態となる。これらの酸化鉄コアからなる二次元アレイ34が次の工程のエッチング用マスクとなる。

0047

(e)エッチングを、NF3ガス水素ラジカル処理で行い、表面のSiO232を除去し、ポリSi31をNBエッチングで除去する。この工程では、酸化鉄コア34aをマスクとしてNF3ガス/水素ラジカル処理でSiO232を等方性エッチングするため、エッチング時間を変化させると、酸化鉄コア34aの下部にあるSiO232の寸法を変化させることができる。このNF3ガス/水素ラジカル処理の後で、さらに、酸化鉄コア34aとSiO232をマスクにして異方性(垂直)のNBエッチングを行ってもよい。この工程で、マスクの形状がSi量子ナノドットとして転写される。異方性エッチングは、塩素を用いた中性粒子ビーム(NB)により行うことができる。異方性エッチングでは、シリコン酸化膜のエッチング速度は遅いが、さらにエッチングされる。これにより、量子ナノドット3の寸法はSiO232の寸法により決めることができる。このようにして、量子ナノドット3の寸法制御が可能になる。上記の説明では、量子ナノドットに用いる半導体をSiとして説明したが、GaAsのような化合物半導体にも適用できる。

0048

(f)最後に、酸化鉄コア34aをHClのウェットエッチングで除去する。ここまでの工程で、二次元配置された量子ナノドットアレイ1を作製することができる。

0049

次に、本発明の中間層6を有し二次元に配置された量子ナノドットアレイ10の製造方法について図12(g)〜(h)を参照して説明する。
上記した二次元量子ナノドットアレイ1における、(a)〜(f)の工程の後で次の工程を行う。中間層6の材料はSiCとして説明する。
(g)表面SiO2層をNF3処理等で除去する。量子ナノドット3よりも厚いSiCを、スパッタリング等でSiの量子ドット上に堆積する。
上記工程によって、図12(h)に示すように、各量子ナノドット3の隙間に中間層6を形成し、中間層6を有する二次元量子ナノドットアレイ10を製造することができる。
下記に示す実施例により本発明をさらに詳細に説明する。

0050

従来のフェリチンをリステリアフェリチン33に代えて、直径が10μm未満の均一な量子ナノドット3をSiによって製作した。結晶性を向上させるために、中性ビームエッチングを用いた。製造方法を以下に説明する。以下に説明する工程は、図12に対応している。リステリアフェリチンは、大腸菌の中で培養し、余分な塩基を除去したものを使用した。
(a)酸化膜付きSi基板2又は石英基板に6nmのアモルファスSi31を、電子ビーム蒸着法によって6nm堆積した。次に、窒素雰囲気中でアニールしてポリSi31とした。
(b)中性粒子を用いた装置40(特許文献1参照)によって、ポリSi31上に厚さが3nmの表面酸化膜32(SiO2)を堆積した。

0051

ここで、中性粒子を用いた堆積やエッチングができる装置について説明する。
図13は、中性粒子を用いた堆積装置40の構成を示す図である。この中性粒子を用いた堆積装置40は、反応室50の例えば上部に、中性粒子ビーム生成部60が設けられている。

0052

反応室50内には、処理対象の半導体ウェハ53が載置される支持台54が設けられている。支持台54は温度制御装置(図示省略)を有し、半導体ウェハ53は所定の温度に制御される。反応室50は、ガス導入口55と、排気機構56を有している。反応室50内は、排気機構56により所定の圧力に保持され、原料ガスは、ガス導入口55から支持台54上の半導体ウェハ53上に導かれる。原料ガスとしてエッチング用のガスを用いれば、中性粒子を用いた堆積装置40は、エッチング装置となる。

0053

中性粒子ビーム生成部60は、例えば石英製のプラズマ室62を有している。プラズマ室62の上部には、ガス導入口67が設けられ、このガス導入口67から反応に使用するガスがプラズマ室62内に導入される。プラズマ室62の周囲にはコイル68が巻回されている。このコイル68の一端は接地され、他端は高周波電源69に接続されている。プラズマ室62の内部の上部には、上部電極としてのアノード電極70が設けられている。このアノード電極70は、直流電源71及び高周波電源69に接続されている。プラズマ室62の下部で反応室50との境界部には、下部電極としてのカソード電極72が設けられている。このカソード電極72は、スイッチSWを介してバイアス用の直流電源73に接続されている。直流電源73は可変電源であり、この直流電源73により、アノード電極70とカソード電極72との間の電界が変化可能とされている。直流電源73は、スイッチSWを介してバイアス用の低周波電源74に接続されてもよい。

0054

カソード電極72は、例えばカーボン製であり、複数の開口部72aを有している。この開口部72aは、アスペクト比(カソード電極72の厚みと開口部72aの直径との比)が例えば10以上、20以下の範囲に設定され、且つ、開口率(カソード電極72の表面積に対する複数の開口部72aによる開口面積の比)が例えば50%以下、30%以上の範囲に設定されている。

0055

カソード電極72は、正の荷電粒子中性化して通過させ、且つプラズマから発生される電子やUV光あるいはフォトン遮断している。

0056

さらに、反応室50内のガスがプラズマ室62内に流入することを防止するため、反応室50とプラズマ室62の圧力差を設けている。具体的には、反応室50の圧力は、例えば100mmTorr以上に設定され、プラズマ室62内の圧力は、例えば1Torr以上に設定される。

0057

(c)次に、再び図12を参照すると、(c)に示すように、SiO232上にリステリアフェリチン33の二次元アレイを堆積した。
(d)リステリアフェリチン33のシェルを酸素雰囲気中でアニールして除去した。SiO2上には、酸化鉄コア34aからなる二次元アレイ34が堆積した状態となる。これらの酸化鉄コア34aからなる二次元アレイ34が次の工程のエッチング用マスクとなる。
(e)酸化鉄コア34aをマスクとして、最初に、表面側のSiO232をNF3ガス/水素ラジカル処理エッチングを行い、表面側のSiO232を除去した。
次に、酸化鉄コア34aをマスクとして、ポリSi31をNBエッチングで除去した。
形成されたSiからなる量子ナノドットの厚さは4nmで、直径は6〜7nm、量子ナノドット間の平均間隔は12.2nmであった。これらの量子ナノドットの寸法分布は8.3%であった。
(f)酸化鉄コア34aをHClのウェットエッチングで除去した。

0058

(a)〜(f)の後に次の工程を行い、SiCからなる中間層6を形成した。
(g)表面SiO2層をNF3処理で除去する。5nmの厚さのSiCを、高真空スパッタリングチャンバー内で、Siの量子ナノドット上に堆積する。基板の温度は550℃、SiCのスパッタ速度は、1nm/分であった。

0059

図14は、図12に示す製造方法で作製した中間層6を有する二次元配置された量子ナノドットアレイ10の走査型電子顕微鏡像の図で、(a)は表面、(b)は断面を示している。図14(a)の左下には、拡大したSEM像も挿入している。
図14(a)から明らかなように、作製した中間層6を有し二次元に配置した量子ナノドットアレイ10において、各量子ナノドット3の直径は、6.4nmであり、量子ナノドット3の面密度は1.2×1012/cm2であり、後述するフェリチンタンパク質を用いて作製した中間層6を有する二次元配置された量子ナノドットアレイ10の約1.7倍の面密度が得られた。

0060

図14(b)から明らかなように、基板上のSiO2層32とSi量子ナノドット3と中間層6とが形成されていることが分かる。Si量子ナノドット3の直径と厚さは均一で、中間層6がSi量子ナノドット3間とそれらの上部に形成されていることが分かる。

0061

図15は、従来のフェリチンを用いて作製した中間層6を有する二次元配置された量子ナノドットアレイ10の表面の走査型電子顕微鏡像の図であり、量子ナノドット3の面密度は、7×1011/cm2であった。

0062

図14及び図15から、上記製造方法によって作製された、中間層6を有して二次元配置された量子ナノドットアレイ10における量子ナノドット3は、高配向でかつ高密度であることが判明した。
ここで、高配向とは、量子ナノドット3自体の大きさが揃い、かつ量子ナノドット3間の間隔、つまり、中間層6の二次元方向の間隔が同じであることを意味している。また、量子ナノドット3が高密度とは、量子ナノドット3の面密度が、1×1012/cm2以上であることを意味している。

0063

次に、作製した中間層6を有して二次元配置された量子ナノドットアレイ10の時間分解フォトルミネッセンス法の測定結果について説明する。
時間分解フォトルミネッセンス法の測定は、作製した上記試料を150Kに冷却し、波長が400nmのレーザ光(出力50mW)を照射して行った。
図16は、時間分解フォトルミネッセンス法の測定結果を示す図で、(a)はPLスペクトル、(b)は(a)のPLスペクトルの減衰特性であり、(c)はPLスペクトルの拡大図である。
図16(a)及び(c)に示すように、中間層6を有し二次元配置された量子ナノドットアレイ10からフォトルミネッセンススペクトル(PLスペクトルとも呼ぶ。)が得られ、中心波長は665nm(1.85eV)であった。このスペクトルの半値幅は0.2eVであった。この値は、従来のSiナノクリスタルや、熱アニールによる自己組織化又はイオン注入で作製した試料の半値幅(0.5eV)(非特許文献8、9参照)よりも著しく狭いことが判明した。さらに、単結晶からなるSiナノクリスタルのPLスペクトルの半値幅として、0.1eVが最近報告されている(非特許文献10参照)。

0064

図16(b)に示す中心波長が665nmのPLスペクトルの減衰特性から、この遷移時間、つまり寿命が1ns以下のps(ピコ秒)台であり、非常に早いことが分かった。

0065

図17は、時間分解フォトルミネッセンス法の減衰特性を示す図であり、(a)は実施例の高密度の量子ナノドット、(b)は比較例を示している。比較例は、低密度の量子ナノドットである。図17から明らかなように、低密度の量子ナノドットからの発光の寿命は実施例の場合よりも長いことが判明した。

0066

以上のことから、実施例で得たPLスペクトルの著しく狭い半値幅は、Siの量子ナノドット3が均一な寸法と形状から構成されており、バルクのSiのような間接遷移ではなく、直接遷移的な遷移が生じていることを示している。

0067

(PLスペクトルに対する量子ナノドットの厚さ依存性)
図18は、PLスペクトルのピーク波長の光子エネルギーに対するSi量子ナノドット3の厚さ依存性を示すグラフである。図18横軸はSi量子ナノドット3の厚さ(nm)で、縦軸はPLスペクトルピーク波長の光子エネルギー(eV)である。
図18から明らかなように、Si量子ナノドット3の厚さが4nm、6nm、8nmの場合の光子エネルギーは、それぞれ約1.78eV、1.82eV、1.85eVであった。これから、Si量子ナノドット3の厚さを変えることによって、PLスペクトルのピーク波長を変えることができることが分かった。

0068

図19は、バンドギャップに対する量子ナノドット3の直径依存性を示すグラフである。図19の横軸はSiからなる量子ナノドット3の直径と自然酸化膜の厚さ(nm)で、縦軸はPLスペクトルから求めたバンドギャップエネルギー(eV)である。比較のために、従来のフェリチンを用いて作製した量子ナノドット3のデータも併せて示している。
図19から明らかなように、実施例のSi量子ナノドット3の直径が約6nmのバンドギャップは約2eVであることが分かる。
一方、比較例のSi量子ナノドットの直径が約10.5nm及び12.5nmのバンド
ギャップは、それぞれ約1.9eV、1.8eVであった。
これから、Si量子ナノドット3の直径を変えることによって、量子ナノドット3のバンドギャップ、つまり量子閉じ込めの状態を変化させることができる。

0069

図20は、バンドギャップに対する量子ナノドット3の厚さ依存性を示すグラフである。図20の横軸はSiからなる量子ナノドット3の厚さ(nm)で、縦軸はPLスペクトルから求めたバンドギャップエネルギー(eV)である。比較のために、図20で示した従来のフェリチンで作製した量子ナノドット3と、厚さが2〜8nmの多結晶Siからなる量子ナノドットのデータも併せて示している。
図20から明らかなように、実施例のSi量子ナノドット3の厚さが2〜6nmであり、この厚さがボーア半径(約5nm)よりも小さい場合には、厚さと直径方向に量子閉じ込め効果があることが分かる。
従来のSi量子ナノドット3の厚さが10nmで、この厚さがボーア半径(約5nm)よりも大きい場合には、直径方向にのみ弱い量子閉じ込め効果があることが分かる。
一方、ポリSiの量子ナノドットの場合には、厚さ方向のみに弱い量子閉じ込め効果があることが分かった。
これから、実施例のSi量子ナノドット3の直径のみならず厚さを変えることによって、量子ナノドット3のバンドギャップ、つまり量子閉じ込めの状態を変化させることができる。量子ナノドット3の間隔を数nm以下にすると、量子ナノドット3間の波動関数が重なってミニバンドが形成され、後述するように光吸収特性を向上させる。

0070

以上のことから、実施例で得たPLスペクトルの著しく狭い半値幅は、Siの量子ナノドット3が均一な寸法と形状から構成されていること、得られたSi量子ナノドット3には欠陥がないことが分かった。さらに、時間分解フォトルミネッセンス法の減衰特性が短いことや、Si量子ナノドット3の厚さ依存性から、量子閉じ込め効果によって直接遷移的な発光が得られることが判明した。

0071

次に、作製した中間層6を有し二次元配置された量子ナノドットアレイ10のIV特性について説明する。
IV特性は、作製した中間層6を有する二次元量子ナノドットアレイ10の表面を、導電性原子間力顕微鏡AFM)を用いて測定した。
図21は、中間層6を有する二次元量子ナノドットアレイ10のIV特性であり、(a)は実施例の量子ナノドット3の間隔が12nmの場合、(b)は比較例の量子ナノドットの間隔が30nm以上の場合を示している。
図21(a)から、実施例の高密度なSi量子ナノドット3では、高いコンダクタンスと、階段状に変化する非線形なIV特性が得られることが分かった。
一方、図21(b)から、比較例のSi量子ナノドット3では、実施例よりも遙かに電流が流れ難く、コンダクタンスが低いことが分かった。
以上のことから、実施例のIV特性から、Siの量子ナノドット3が密接して配設され、面内で中間層6と結合しているので、中間層6を有する二次元量子ナノドットアレイ10においてはミニバンドが形成されていると推定することができる。

0072

次に、作製した中間層6を有する二次元量子ナノドットアレイ10の吸収特性について説明する。
作製したSiC中間層6を有する二次元量子ナノドットアレイ10の吸収特性を、紫外−可視−近赤外(UV−Vis−FIR)の分光光度計を用いて測定した。5nmの厚さのSiC膜も比較例として測定した。
各光子エネルギーにおける吸収係数(α)は、下記に示す(2)式によって算出した。



ここで、I0は入射光強度、Iは透過光強度、Rは反射率、dは量子ナノドット3の厚さである。

0073

図22は、紫外−可視−近赤外の分光測定から計測した吸収係数の測定結果を示すグラフであり、(a)は5nmの厚さのSiC膜、(b)は実施例のSiC膜からなる中間層6を有する二次元配置されたSi量子ナノドットアレイ、(c)は実施例のSiO2膜からなる中間層6を有する二次元Si量子ナノドットアレイの場合を示している。図22の横軸は光子エネルギー(eV)で、縦軸は吸収係数(cm-1)である。実施例のSiC膜からなる中間層6を有する二次元Si量子ナノドットアレイ10において、SiC膜及びSiの厚さは何れも4nmである。実施例のSiO2膜からなる中間層6を有する二次元Si量子ナノドットアレイにおいて、SiO2膜の厚さは3nmで、Siの厚さは4nmである。
図22(b)及び(c)から、実施例の二次元配置されたSi量子ナノドットアレイ10の吸収端は殆ど変わらない。実施例において、SiC膜からなる中間層6を有する二次元量子ナノドットアレイ10は、SiO2膜からなる中間層6を有する二次元量子ナノドットアレイ10の場合よりも吸収係数が大きいことが分かった。中間層6がSiC膜からなる二次元配置された量子ナノドットアレイ10の吸収係数が大きいのは、SiC膜の光子吸収に起因している。

0074

図22で測定した各吸収係数から、下記の(3)式に示すTaucプロットによって、バンドギャップ(Eg)を求めた。



ここで、αは吸収係数、hはプランク定数、νは光子周波数、Egはバンドギャップエネルギーである。
(2)式左辺のべき乗である1/2は、間接遷移を仮定している。Y軸に(αhν)1/2を、X軸に光子エネルギーをプロットし、得られた曲線直線近似でX軸に外挿したときのX軸との交点、つまり切片がEgとして求まる。

0075

図23は、Taucプロットを示すグラフであり、(a)は5nmの厚さのSiC膜、(b)は実施例のSiC膜からなる中間層6を有する二次元Si量子ナノドットアレイ10、(c)は実施例のSiO2膜からなる中間層6を有する二次元Si量子ナノドットアレイ10の場合を示している。図23の横軸は光子エネルギー(eV)で、縦軸は(αhν)1/2(cm-1eV1/2)である。実施例のSiC膜からなる中間層6を有する二次元Si量子ナノドットアレイ10において、SiC膜及びSiの厚さは何れも4nmである。実施例のSiO2膜からなる中間層6を有する二次元Si量子ナノドットアレイ10において、SiO2膜の厚さは3nmであり、Siの厚さは4nmである。
図23(a)から、厚さが5nmのSiC膜のEgは、3.4eVであることが分かる。図23(b)から、実施例の厚さが4nmのSiC膜からなる中間層6を有して二次元配置され、厚さが4nmのSi量子ナノドットアレイ10のEgは、2.0eVであることが分かる。この値は、図23(c)に示すSiO2膜からなる中間層6を有し二次元配置されたSi量子ナノドットアレイ10と同じ値である。
これから、SiのバンドギャップはSiCのバンドギャップよりも小さいので、SiC膜からなる中間層6を有し二次元配置されたSi量子ナノドットアレイ10のバンドギャップは、Siからなる量子ナノドットアレイ10の構造で決定されていることが分かる。
以上のことから、実施例のSiC膜からなる中間層6を有して二次元配置されたSi量子ナノドットアレイ10のEgを変化させないで、中間層6がSiO2の場合よりも吸収係数が大きくできることが判明した。

0076

図24は、二次元配置された量子ナノドットアレイ10の実施例及び比較例の吸収係数を比較するグラフであり、(a)は測定値、(b)は(a)中の点線で示す丸印の拡大図である。図24の横軸は光子エネルギー(eV)で、縦軸は吸収係数(cm-1)である。実施例ではリステリアフェリチン33を用いており、比較例は従来のフェリチンを用いている。
図24から、リステリアフェリチン33を用いた実施例の吸収係数は、フェリチンを用いた比較例の場合に比較して約5倍に増加することが判明した。

0077

(GaAsからなる量子ナノドットの実施例)
次に、量子ナノドットをGaAsで形成した二次元量子ナノドットアレイ1の実施例について説明する。
図25(a)〜(g)は、GaAsからなる二次元量子ナノドットアレイ1の製造方法を工程順に示している。
(a)GaAs基板2を用意する。GaAs基板2の表面には自然酸化膜36が形成されている。
(b)GaAs基板2上の自然酸化膜36を水素ラジカルによって除去した。水素の流量は40sccmとし、水素ラジカルは13.56MHzで200Wの高周波電源によって生成した。
(c)自然酸化膜36の除去後、GaAs基板をNB装置の酸化チャンバーに挿入し、GaAs基板上に1nm厚さの酸化膜38を室温で形成した。この酸化膜38をGaAs酸化膜又はNB酸化膜と呼ぶ。酸素の流量は5sccmとし、圧力を0.14Paとした。13.56MHzの高周波電源は500W出力である。
(d)SiO2上にリステリアフェリチン33の二次元アレイを堆積した。
(e)リステリアフェリチン33のシェルを酸素ラジカル処理で除去した。GaAs酸化膜上には、酸化鉄コア34aからなる二次元アレイ34が堆積した状態となる。これらの酸化鉄コアからなる二次元アレイ34が次の工程のエッチング用マスクとなる。
(f)GaAsエッチングをNBで行った。
(g)酸化鉄コア34aをHClのウェットエッチングで除去した。

0078

図26は、NBエッチングと従来のプラズマエッチングを行った後のGaAsのPLスペクトルである。NBエッチングでは幅が5、3、1、0.7μmのストライプパターンを使用した。比較試料は、パターン無しのエッチングをしないGaAs基板である。図26の横軸は、ストライプ幅(μm)、縦軸は比較試料のPLスペクトル強度で規格化したPLスペクトル強度である。図26から明らかなように、NBエッチングの場合は、エッチング後のGaAsのPLスペクトル強度は、エッチング前と殆ど同じであり、ストライプの幅にも依存しないことが分かった。
NBエッチングに対して、従来のプラズマエッチングを行った後のGaAsのPLスペクトルは、ダメージによる損傷によって非発光再結合が増大し、PLスペクトル強度は減少し、その度合いはストライプの幅が狭い程顕著になった(非特許文献11参照)。
これから、NBエッチングは、GaAs表面にダメージを与えないという利点があることが分かる。よって、このNBエッチングは、GaAsの量子ナノドット3の製造方法に適した方法である。

0079

(リステリアフェリチンの配列)
リステリアフェリチン33は、DNA情報から生成され、均一な7nmの酸化鉄(Fe2O3)からなるコアを内包している。
均一で面内密度の高い二次元配置されたリステリアフェリチン33の単分子層を形成するためには、表面酸化膜の条件は、重要な要因である。従来のフェリチンの自己組織化の機構が検討されている(非特許文献6参照)。
親水性の高い表面は、リステリアフェリチン33の吸着力を減少することができ、リステリアフェリチン33の移動に対して十分な自由度を有し得るように助力できる。
一方、リステリアフェリチン33自体の負電荷による反発力は、リステリアフェリチン33の移動の間に生じる多層化を防止するように助力できる。
これにより、リステリアフェリチン33のスピンコーティング工程の後には、面内密度の高い二次元配置されたリステリアフェリチン33の単分子層を自己組織化によって形成することができる。
上記したNB装置でGaAs表面に形成したNB酸化膜(GaAs−NBO)は、親水性が高く、−20mVという高いゼータ電位を有している(非特許文献6)。

0080

図27は、GaAsに形成したNB酸化膜上に形成され二次元配置されたリステリアフェリチン33表面の走査型電子顕微鏡像である。図27から明らかなように、GaAsに形成されたリステリアフェリチン33には、空位がないことが分かる。

0081

(タンパク質シェルの除去)
リステリアフェリチン33のシェルを酸素ラジカル処理で除去した。
酸素ラジカル処理を室温(RT)、200℃、280℃で行い、処理時間を30分とした。リステリアフェリチン33の除去を調べるために、C=O結合とN−H結合との存在をフーリエ分光分析装置(FTIR)を用いて調べた。
図28は、酸素ラジカル処理後のGaAs表面をフーリエ分光分析法で測定したFTIRスペクトルである。図28の横軸は、波数(cm-1)であり、縦軸は吸収率任意目盛)である。比較のために、酸素ラジカル処理を行っていないリステリアフェリチン33のFTIRスペクトルも併せて示している。
図28から明らかなように、酸素ラジカル処理温度が室温と200℃ではC=O結合及びN−H結合とが観察されることが分かる。酸素ラジカル処理温度が280℃に増大したとき、C=O結合及びN−H結合が観察されなくなり、リステリアフェリチン33のシェルが除去されたことを意味している。この場合でも、酸化鉄からなるコアは高密度二次元配置されていた。

0082

(NBエッチングと酸化鉄コアの除去)
GaAsエッチングは以下の条件で行った。
エッチング条件
エッチングガス:塩素(Cl2)とアルゴン(Ar)との混合ガス
塩素ガス流量:9sccm
アルゴンガス流量:31sccm
13.56MHz電源の出力:800W
低周波バイアス電源の出力:16W
基板温度:−16℃

0083

図29は、GaAsをNBエッチングした後の断面の走査型電子顕微鏡像である。図29から明らかなように、直径が9nmで、深さが30nmという高アスペクト比のGaAsからなるナノオーダの寸法を有している柱が形成されていることが分かる。また、GaAsのNBエッチングされた底面側の表面、つまりエッチング表面平坦であり、このエッチング表面の凹凸は1nmであった。

0084

(酸化鉄コアの除去)
酸化鉄コアは、希塩酸溶液(HCl:H2O=1:10)を用いたウェットエッチングを10分間行って除去した。酸化鉄コアが除去されたことは、X線光電子分光(XPS)の測定で確認した。これにより図25を参照して説明した工程、つまり、酸化鉄コアをマスクとしたトップダウンの製造方法によって、高密度な二次元配置されたGaAs量子ナノドットアレイ1を実現した。

0085

図30は、二次元配置されたGaAs量子ナノドットアレイ1の表面における走査型電子顕微鏡像である。倍率は、4万倍である。図30から明らかなように、直径は約7nmである。各量子ナノドット3の厚さは約10nmであり、量子ナノドット3の面密度は、7×1011/cm2であった。

0086

(Si量子ナノドットアレイを用いた太陽電池)
Si量子ナノドットアレイを用いて太陽電池を製造した。
図31は、太陽電池25、28の構造を示す断面図であり、(a)はSi量子ナノドット3を用いた場合、(b)はSiC層6を単独で用いた場合の構造を示している。
図31(a)に示すように、Si量子ナノドット3を用いた太陽電池25は、p層電極9、p型Siからなる基板2、Si量子ナノドット3、中間層6、n型Siからなるn層11、保護膜26、n層電極8を含んで構成されている。Si量子ナノドット3は、第1の中間層層6aと、第2の中間層6bとの間にSi量子ナノドット3が形成されている。中間層6としては、SiCやSiO2が使用される。以下、Si量子ナノドット3を用いた太陽電池25は、2nmSiC/2nmSiND/2nmと表記する。ここで、2nmSiCは、厚さが2nmのSiC層6であり、2nmSiNDは厚さが2nmのSi量子ナノドット3である。

0087

図31(b)に示すように、SiC層6を用いた太陽電池28は、p層電極9、p型Siからなる基板2、SiC層6、n型Siからなるn層11、保護膜26、n層電極8を含んで構成されている。以下、SiC層6を用いた太陽電池28は、2nmSiCと表記する。ここで、2nmはSiC層6の厚さである。

0088

SiC層6及びSi量子ナノドット3を用いた太陽電池25、28を以下のようにして製造した。
厚さが400μmで1.0〜1.5Ωのp基板2を使用して、図12に示す方法により、二次元量子ナノドットアレイ1を製造した。最上層は、SiC層6である。形成した二次元量子ナノドットアレイ1は、直径が約6.4nmであった(図14参照)。
SiC層6上に、600℃で厚さが30nmのSi層を電子ビーム蒸着法によりエピタキシャル成長をした。この成長したSi層は、RTA(Rapid Thermal Annealing)による拡散法リン(P)が不純物添加されたn層11にした。この層は、非常に薄いn+層であり、nエミッタ層とも呼ばれる。n層11上には、保護膜26となる70nmの厚さのITO膜が形成される。ITO膜26は所謂透明電極である。

0089

p基板2には、アルミニウムペーストにより電極9が形成される。表面のITO膜26上には、銀ペーストによりフィンガー電極8が形成される。

0090

図32は、製造したSi量子ナノドット3を用いた太陽電池25の断面の走査電子顕微鏡(SEM)像を示す図である。図32に示すように、p型基板2上に厚さが2nmのSiC層6aと、Si量子ナノドット3と、厚さが2nmのSiC層6bと、厚さが30nmのn層11と、厚さが70nmのITO層26と、がこの順に積層されていることが分かる。

0091

図33は、紫外−可視−近赤外の分光測定から計測した吸収係数の測定結果を示すグラフであり、(a)は厚さが3nmのSiC層6とSi量子ナノドット3からなる膜、(b)は厚さが3nmのSiO2層6とSi量子ナノドット3からなる膜、(c)は厚さが5nmのSiC層6単独の膜の場合を示している。
図33から、厚さが3nmのSiC層6とSi量子ナノドット3からなる膜では、2eVから3eVにおける光吸収が、中間層としてSiO2層6とSi量子ナノドット3からなる膜やSiC層6単独の膜に比較して、著しく増大することが分かる。

0092

次に、作製した中間層6を有し二次元配置された量子ナノドット3のIV特性について説明する。IV特性は、図21で説明した導電性の原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定した。
図34は、中間層6を有する二次元量子ナノドット3において、(a)がIV特性を、(b)は電子の空間確率を示す図である。
図34(a)から、中間層6がSiCからなる場合には、中間層6がSiO2からなる場合に比較して、大きな電流と低い閾値電圧が得られることが分かった。これは、中間層6がSiCからなる場合には、Siの量子ナノドット3間の波動関数の結合が強くなり、広い中間バンドを形成することによる。

0093

図34(b)は、中間層6と3個の近接する量子ナノドット3におけるシュレジンガー方程式を、古典的な包絡関数理論で計算して得た電子の空間確率を示す図である。図の横軸は、量子ナノドットアレイの間隔であり、縦軸は対数目盛の電子の空間確率である。
図34(b)から、中間層6がSiCからなる場合には、中間層6がSiO2からなる場合に比較して、波動関数の結合が強くなることが分かった。この現象は、SiC層6とSiナノドット3との界面における障壁のエネルギーが、SiO2層6とSiナノドット3との界面における障壁のエネルギーよりも低いことに起因している。つまり、SiC層6とSiナノドット3との界面では波動関数は障壁を超えてより拡散し易いので、互いに結合し易くなる。これにより、中間層6としてSiCを用いたSi量子ナノドット3の場合には、中間層6がSiO2層の場合に比較して波動関数の結合が強くなるので、光吸収及びキャリヤ移動度が増大する。

0094

(太陽電池の光吸収特性)
図35は、太陽電池25、28の光吸収係数の測定結果を示すグラフであり、(a)は厚さが2nmのSiC層6と厚さが4nmのSi量子ナノドット3を有している太陽電池25、(b)は厚さが2nmのSiC層6を有している太陽電池28の場合を示している。
図35から、厚さが2nmのSiC層6と厚さが4nmの量子ナノドット3を有している太陽電池25の場合には、厚さが2nmのSiC層6を有している太陽電池28に比較して、遥かに光吸収特性が良好であることが判明した。

0095

(太陽電池の諸特性)
光源としてAM1.5ソーラーシミュレータ(100mW/cm2、298K)を使用した評価装置(JASCO社製、YQ−250BX)により太陽電池25、28の特性を評価した。
図36は、太陽電池25、28のIV特性を示す図である。図36の横軸は太陽電池に生じる電圧(V)で、縦軸は太陽電池に流れる電流密度(mA/cm2)である。
図36から、SiC層6とSi量子ナノドット3を有している太陽電池25の場合には、厚さが2nmのSiC層6を有している太陽電池28に比較して、大きな電流密度が得られることが分かった。

0096

図37は、太陽電池25、28の波長と外部量子効率の関係を示す図である。図37の横軸は波長(nm)で、縦軸は太陽電池の外部量子効率(%)である。
図37から、SiC層6とSi量子ナノドット3を有している太陽電池25の場合には、約620nmにおいて外部量子効率のピークが得られた。厚さが2nmのSiC層6を有している太陽電池28では、外部量子効率のピークが短波長側に移動、つまりブルーシフトすることが分かった。

0097

表1は、各太陽電池短絡電流密度Jsc(mA/cm2)、開放電圧Voc(V)、曲線因子(Fill Factor、FFとも呼ぶ。)及び太陽電池の効率(%)を纏めて示している。
曲線因子(FF)は、下記の(4)式で表される。



ここで、Vmax、Imaxは、それぞれ太陽電池の最大出力点の電圧及び電流であり、Iscは短絡電流である。太陽電池の効率は、Voc、Isc、曲線因子に比例して増加する。

0098

表1に示すように、厚さが2nmのSiC層6と厚さが2nmのSi量子ナノドット3を有している太陽電池25では、短絡電流密度は29.9mA/cm2、開放電圧は0.539V、曲線因子は58%、効率は9.3%であった。
厚さが2nmのSiCと厚さが4nmのSiNDを有している太陽電池25では、短絡電流密度は31.3mA/cm2、開放電圧は0.556V、曲線因子は72%、効率は12.6%であった。
厚さが2nmのSiC層6を有している太陽電池28では、短絡電流密度は29.0mA/cm2、開放電圧は0.544V、曲線因子は34%、太陽電池28の効率は5.4%であった。

0099

上記結果から、厚さが2nmのSiC層6と厚さが4nmのSi量子ナノドット3を有している太陽電池25によれば、短絡電流密度、開放電圧、曲線因子、効率の何れもが大きいという優れた結果が得られた。上記の太陽電池25では、量子ナノドット3と中間層6とからなる単層構造の二次元量子ナノドットアレイを用いたが、5層程度の多層構造の二次元量子ナノドットアレイにすればさらに、太陽電池の効率が向上する。

実施例

0100

本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれることはいうまでもない。

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