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技術 製剤安定性に優れた軟膏剤

出願人 マルホ株式会社田辺三菱製薬株式会社
発明者 坂口智紀江見英敏
出願日 2012年3月28日 (7年10ヶ月経過) 出願番号 2013-507654
公開日 2014年7月28日 (5年6ヶ月経過) 公開番号 WO2012-133492
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 硬度比 分離抑制剤 ペネトロメーター 製剤品質 クエン酸水和物 ペンタエリスチル 判定基準値 pH調節剤
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年7月28日)のものです。
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課題・解決手段

薬物安定性及び薬物均一性に優れた軟膏剤を提供する。 本発明の軟膏剤は、1〜5重量%の1−[2−[(4S)−4−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イル]−4−ピリジル]−2,3−ビスヒドロキシメチル)−6,7−ジメトキシナフタレン・3/2水和物、3〜7重量%の分離抑制剤、15〜50重量%のゲル化炭化水素pH調節剤及び、0.05〜0.4重量%の抗酸化剤を含有し、薬物の安定性・分散性に優れている。この際、分離抑制剤としては、ポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコールが、pH調節剤としては、ジイソプロパノールアミンが、抗酸化剤としては、ジブチルヒドロキシトルエンが好ましい。

概要

背景

これまでに、PDE4阻害作用を有する有効成分として、特定の化学構造を有するナフタレン誘導体報告されてきており、その作用効果を利用した喘息の予防・治療用医薬組成物皮膚炎治療剤皮膚損傷治療剤なども知られている(例えば、下記の特許文献1〜4)。
しかしながら、このような有効成分は、製剤の安定性を確保することが困難な薬剤であった。又、軟膏剤中の薬物の均一性ブリーディングを確保するための解決方法として、製剤の硬度を硬くすることが容易に考えられるが、その場合には、塗布することが難しくなるという問題点があった。

概要

薬物安定性及び薬物均一性に優れた軟膏剤を提供する。 本発明の軟膏剤は、1〜5重量%の1−[2−[(4S)−4−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イル]−4−ピリジル]−2,3−ビスヒドロキシメチル)−6,7−ジメトキシナフタレン・3/2水和物、3〜7重量%の分離抑制剤、15〜50重量%のゲル化炭化水素pH調節剤及び、0.05〜0.4重量%の抗酸化剤を含有し、薬物の安定性・分散性に優れている。この際、分離抑制剤としては、ポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコールが、pH調節剤としては、ジイソプロパノールアミンが、抗酸化剤としては、ジブチルヒドロキシトルエンが好ましい。

目的

本発明は、従来技術における上述の問題点を解消し、PDE4阻害作用を有する薬物を安定に保つことが可能であり、且つ、製剤中の薬物均一性にも優れ、また、塗布しやすい適切な硬度、物理的安定性(ブリーディング等)を有した軟膏剤を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
- 件
牽制数
- 件

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請求項1

1〜5重量%の、1−[2−[(4S)−4−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イル]−4−ピリジル]−2,3−ビスヒドロキシメチル)−6,7−ジメトキシナフタレン・3/2水和物、3〜7重量%の、ポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコールセトステアリルアルコールベヘニルアルコールパルミチン酸セチル、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールおよびポリオキシエチレン(54)ポリオキシプロピレン(39)グリコールから成る群より選ばれる分離抑制剤、15〜50重量%の、ゲル化炭化水素ジイソプロパノールアミンクエン酸水和物乳酸トリイソプロパノールアミントリエタノールアミンおよびモノエタノールアミンから成る群より選ばれるpH調節剤、及び、0.05〜0.4重量%の、ジブチルヒドロキシトルエンブチルヒドロキシアニソール没食子酸プロピルトコフェロールおよびペンタエリスチルテトラキス[3‐(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニルプロピオネート]から成る群より選ばれる抗酸化剤を含有することを特徴とする軟膏剤

請求項2

前記分離抑制剤がポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコールであり、前記pH調節剤がジイソプロパノールアミンであり、前記抗酸化剤がジブチルヒドロキシトルエンであることを特徴とする請求項1に記載の軟膏剤。

請求項3

更に、少なくとも3重量%の1,3‐ブチレングリコールを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の軟膏剤。

技術分野

0001

本発明は、製剤安定性に優れた軟膏剤、特に、PDE4阻害剤として有用なナフタレン誘導体を安定に保つことが可能で、製剤中の薬物の均一性に優れ、塗布しやすい適切な硬度及び物理的安定性を有した軟膏剤に関する。

背景技術

0002

これまでに、PDE4阻害作用を有する有効成分として、特定の化学構造を有するナフタレン誘導体が報告されてきており、その作用効果を利用した喘息の予防・治療用医薬組成物皮膚炎治療剤皮膚損傷治療剤なども知られている(例えば、下記の特許文献1〜4)。
しかしながら、このような有効成分は、製剤の安定性を確保することが困難な薬剤であった。又、軟膏剤中の薬物の均一性やブリーディングを確保するための解決方法として、製剤の硬度を硬くすることが容易に考えられるが、その場合には、塗布することが難しくなるという問題点があった。

先行技術

0003

特開平9−59255号公報
特開平10−226647号公報
WO2007/043426
特開2006−151964号公報

発明が解決しようとする課題

0004

本発明は、従来技術における上述の問題点を解消し、PDE4阻害作用を有する薬物を安定に保つことが可能であり、且つ、製剤中の薬物均一性にも優れ、また、塗布しやすい適切な硬度、物理的安定性(ブリーディング等)を有した軟膏剤を提供することを課題とする。
本発明者等は、種々検討を行った結果、適切なpH調節剤抗酸化剤基剤及び分離抑制剤を選択して配合することによって、PDE4阻害作用を有する薬物の安定化及び薬物の均一化を達成でき、且つ、ブリーディングを抑制でき、塗布に適した製剤硬度が得られることを見出して、本発明を完成した。

課題を解決するための手段

0005

上記の課題を解決可能な本発明の軟膏剤においては、ポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコールセトステアリルアルコールベヘニルアルコールパルミチン酸セチル、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールおよびポリオキシエチレン(54)ポリオキシプロピレン(39)グリコールから成る群より選ばれる分離抑制剤が配合され、かつ、基剤としてゲル化炭化水素が配合されることによって、優れた薬物安定性及び薬物均一性が達成されており、この軟膏剤は、
1〜5重量%の1−[2−[(4S)−4−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イル]−4−ピリジル]−2,3−ビスヒドロキシメチル)−6,7−ジメトキシナフタレン・3/2水和物、
3〜7重量%の、ポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコール、セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、パルミチン酸セチル、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールおよびポリオキシエチレン(54)ポリオキシプロピレン(39)グリコールから成る群より選ばれる1種以上の分離抑制剤、
15〜50重量%の、ゲル化炭化水素、
ジイソプロパノールアミンクエン酸水和物乳酸トリイソプロパノールアミントリエタノールアミンおよびモノエタノールアミンから成る群より選ばれるpH調節剤、及び、
0.05〜0.4重量%の、ジブチルヒドロキシトルエンブチルヒドロキシアニソール没食子酸プロピルトコフェロールおよびペンタエリスチルテトラキス[3‐(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニルプロピオネート]から成る群より選ばれる抗酸化剤
を含有することを特徴とする。

0006

又、本発明は、上記の特徴を有した軟膏剤において、前記分離抑制剤がポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコールであり、前記pH調節剤がジイソプロパノールアミンであり、前記抗酸化剤がジブチルヒドロキシトルエンであることを特徴とするものでもある。
又、本発明は、上記の特徴を有した軟膏剤において、更に少なくとも3重量%の1,3‐ブチレングリコールを含有することを特徴とするものでもある。

発明の効果

0007

本発明によって、これまで製剤安定性の確保が困難であったPDE4阻害作用薬物を含む薬剤(軟膏剤)が提供され、医薬品に求められる品質確保が可能となった。

0008

以下、本発明の軟膏剤中に含まれる各成分について説明する。
本発明における有効成分は、PDE4阻害作用を有することが知られているナフタレン誘導体の1種である
1−[2−[(4S)−4−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イル]−4−ピリジル]−2,3−ビス(ヒドロキシメチル)−6,7−ジメトキシナフタレン・3/2水和物であり、この化合物分子式:C28H28N2O5・3/2H2O)は、以下の構造式を有する。

0009

0010

本発明の軟膏剤における上記薬物の配合量は1〜5重量%、より好ましくは1.25〜5重量%であり、1重量%未満の低濃度の場合には、薬物の安定性及び分散性を確保することが困難となり、逆に5重量%を超える濃度の場合には,薬物の析出が生じるため好ましくない。

0011

本発明の軟膏剤において分離抑制剤として配合される、ポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコール、セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、パルミチン酸セチル、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールまたはポリオキシエチレン(54)ポリオキシプロピレン(39)グリコールの配合量は3〜7重量%であり、3重量%未満の配合量の場合には、薬物均一性を確保することが困難となり、一方、7重量%を超えると、製剤の硬度が高くなって塗布しにくくなり、また付着性も低下するので好ましくない。本発明では、ポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコールとして、市販品、例えば日油株式会社製のユニルーブ70DP-950B(商品名)が利用できる。このポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコールは、ポリオキシエチレン(200)ポリオキシプロピレングリコール(70)とも称される化合物である。また、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールとして、市販品、例えば株式会社ADEKA製のアデカプルロニックF-68(商品名)、ポリオキシエチレン(54)ポリオキシプロピレン(39)グリコールとして、市販品、例えば株式会社ADEKA製のアデカプルロニックP-85(商品名)が利用できる。

0012

本発明におけるゲル化炭化水素は、外用軟膏基剤として用いられているものであり、例えばプラスチベース登録商標)等が使用できる。このゲル化炭化水素の配合量は15〜50重量%であり、15重量%未満の配合量の場合には、薬物均一性及びブリーディングの点で製剤品質を確保することが困難となり、一方、50重量%を超えると、製剤の硬度が高くなって塗布しにくくなるので好ましくない。

0013

本発明の軟膏剤においてpH調節剤として配合される、ジイソプロパノールアミン(DIPA)、クエン酸水和物、乳酸、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、モノエタノールアミンの配合量は、軟膏剤の主薬相pHを8〜10.5の範囲に調節できる量であれば良い。ここで、主薬相とは、水性基剤(例えば、1,3−ブチレングリコール)に薬物、pH調節剤及び抗酸化剤を溶解させた均一な一相系の溶液を指し、主薬相pHとは、その主薬相のpHを測定したものである。pH調節剤としてDIPAを用いる場合、その配合量は0.04〜5重量%であり、0.04重量%未満の配合量の場合には、薬物の安定性が悪く、調製直後から分解物の生成が生じ、逆に5重量%(医薬品の一般外用剤おける使用前例の上限量)を超える濃度は、医薬品における一般外用剤の使用濃度を超え、これまで安全性の確保が確認されていないので好ましくない。

0014

本発明の軟膏剤において抗酸化剤(安定化剤)として配合される、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、トコフェロール、ペンタエリスチル‐テトラキス[3‐(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロピオネート]の配合量は0.05〜0.4重量%であり、0.05重量%未満では薬物の安定性が悪く、分解物が生成する。抗酸化剤としてBHTを添加する場合、医薬品として不必要にBHTを添加することは適切ではなく、最適範囲は上記の範囲である。

0015

尚、本発明では、上記の構成成分の他に、溶解剤として1,3−ブチレングリコールが少なくとも3重量%、好ましくは3〜20重量%配合されても良い。又、本発明の軟膏剤には、上記のゲル化炭化水素以外の基剤として、サラシミツロウステアリルアルコールが配合されても良く、全量が100重量%となる量のワセリン(好ましくは白色ワセリン)が配合されても良い。

0016

本発明の軟膏製剤は、一般的な軟膏製造法に従って製造することができる。例えば、(1)基剤成分(ゲル化炭化水素、白色ワセリン、サラシミツロウ、ステアリルアルコール)及び分離抑制剤(ポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコール等)を加温及び撹拌下で均一に混合することにより、油相を調製し、ついで(2)当該油相に、薬物、溶解剤(1,3−ブチレングリコール等)、pH調整剤(ジイソプロパノールアミン、クエン酸水和物等)および抗酸化剤(ジブチルヒドロキシトルエン等)を加温及び撹拌下で添加し、混合することにより、所望の軟膏製剤を得ることができる。
以下に、本発明の軟膏剤の実施例を示す。
なお、比較例6または7の軟膏製剤は、ゲル化炭化水素に代えてマイクロクリスタリンワックスまたはセレシンを用い、比較例12、13、14、15または16の軟膏製剤は、ポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコールに代えてモノステアリン酸ポリオキシエチレングリコールモノステアリン酸ソルビタンモノステアリン酸グリセリン、ステアリン酸またはショ糖脂肪酸エステルを用いて製造した。

0017

1.薬物の安定性に関する比較試験
以下の表1に示される組成を有した軟膏剤(実施例1〜6及び比較例1,2)を調製し、調製時(Initial)と、40℃/75%RH・1ヶ月保存後、及び40℃/75%RH・3ヶ月保存後、及び、60℃・4週間保存後の分解物生成量を測定することによって薬物の安定性を評価した。安定性の判断基準(品質確保の指標)としては、40℃/75%RH・3ヶ月保存後の分解生成物が0.1%を超えない場合、又は、60℃・2週間保存後の分解生成物が0.1%を超えない場合、又は、60℃・4週間保存後の分解生成物が0.2%を超えない場合を「薬物の安定性が良好」と判断した。
尚、この比較試験では、「ゲル化炭化水素」として、市販の「プラスチベース」(ブリストルマイヤーズ社製)を使用し、「ポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコール(分離抑制剤)」として、市販の「ユニルーブ70DP-950B」(日油株式会社製)を使用した。クエン酸水和物の配合量は0.02重量%、サラシミツロウの配合量は5重量%、ステアリルアルコールの配合量は5重量%、白色ワセリンの配合量は、全量が100重量%となる量とした。

0018

0019

上記表1の試験結果に示されるように、BHTを含まない比較例1の軟膏剤は、40℃/75%RH・1ヶ月保存後において分解物生成量が0.15%で、40℃/75%RH・3ヶ月保存後において分解物生成量が0.19%であり、薬物の安定性が確保できない処方であった。これに対し、BHTを0.05重量%、0.2重量%、0.4重量%を含む実施例1〜6の軟膏剤はいずれも、薬物の安定性が良好であった。
同様に、DIPAを含まない比較例2では、Initial(調製直後)からすでに分解物が生成しており、薬物の安定性が確保できない処方であることがわかった。一方、DIPAを0.04重量%、0.8重量%及び5重量%含有する実施例1〜6の軟膏剤の場合には、薬物の安定性は良好であった。上記実施例1〜6の軟膏剤の主薬相pHは、8〜10.5の範囲であった。

0020

2.薬物の均一性、製剤の硬度及びブリーディングに関する比較試験
以下の表2に示される組成を有した軟膏剤(実施例1、7、8及び比較例3〜5)を調製し、ゲル化炭化水素の配合量の違いによる薬物均一性、製剤硬度、ブリーディングを比較した。上記の3つの評価項目は、それぞれが製剤の品質を評価したものである。そのうち、硬度とブリーディングについては、使用感につながる評価である。
表2における薬物均一性については、含量相対標準偏差が、調製時(Initial)では3%を超えないこと、経時的評価(40℃・1ヶ月又は2ヶ月)では6%を超えないことを、均一性良好の判断基準とした。なお、含量相対標準偏差は、保存容器の上部、中部、下部からそれぞれ試料採取し、その含量の相対標準偏差を示したものである。又、製剤硬度は、ペネトロメーターを用いて25℃における針入度を測定し、市販されている一般外用剤のものと比較して劣らないことを品質の基準とし、6.0mm以上を良好と判断した。尚、ブリーディングについては、5%以下の場合を「良好」と判断した。

0021

0022

上記表2の試験結果に示されるように、ゲル化炭化水素を添加しない場合(比較例3)、及び5重量%を添加した製剤(比較例4)では、薬物均一性及びブリーディング基準値から外れ外用製剤としての品質を確保することができなかった。これに対して、ゲル化炭化水素を15〜50重量%を添加した場合(実施例1、7、8)は、薬物均一性、硬度及びブリーディングにおいて優れた値が得られ、外用製剤としての品質を確保できる製剤であることが確認された。しかし、ゲル化炭化水素を、添加できる最大量程度である64重量%添加した軟膏剤(比較例5)は、硬度が基準値未満(針入度6.0mm未満)となり、使用感において塗布し難く、製剤として適さないものであることがわかった。

0023

次に、以下の表3及び表4に示される組成を有した軟膏剤を調製し、ゲル化炭化水素以外の飽和炭化水素系の基剤であるマイクロクリスタリンワックス、セレシンを用いた場合の製剤の物性評価を行い(表3参照)、分離抑制剤として添加されるポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコールの最適配合量についても検討した(表4参照)。製剤の付着性については、25℃の条件下にてレオメーターを用いて測定を行い、市販されている一般外用剤のものと比較して劣らないことを品質の基準とし、測定値が10.0mJ以下であるものを「良好」と判断した。

0024

0025

0026

その結果、マイクロクリスタリンワックスやセレシンを用いた場合(比較例6及び7)には、硬度の判定基準値を外れ、非常に硬い製剤となることがわかった。この結果より、これらの基剤を使用すると、使用感の良い製剤は得られないと判断した。
又、分離抑制剤として添加されるポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコールの配合量については、2重量%の配合で、製剤の硬度及び付着性は問題なく適切な値を示したが、薬物均一性を確保することはできなかった(比較例8)。また、ポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコールの配合量が8重量%以上の場合(比較例9〜11)には、製剤の硬度及び付着性が判定基準を外れ、使用感が悪くなる傾向があった。これに対して、本発明の軟膏剤(実施例2、9、10)は、薬物均一性、硬度、ブリーディング及び付着性において優れた値が得られ、外用製剤としての品質を確保できる製剤であることが確認された。このような結果から、ポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコールの最適配合量は3〜7重量%であると判断した。

0027

3.薬物の安定性、均一性についての比較試験
軟膏剤に配合される分離抑制剤を、ポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコールから他の化合物に変更した製剤についての検討を実施した。分離抑制剤として検討した化合物は、以下の表5に記載されるモノステアリン酸エステル系の界面活性剤高級脂肪酸化合物及びショ糖脂肪酸エステルである。

0028

0029

上記表5に示されるように、モノステアリン酸エステル系の界面活性剤、高級脂肪酸化合物及びショ糖脂肪酸エステルを配合した場合(比較例12〜16)には、薬物の均一性を確保できる可能性は認められたものの、薬物の安定性を確保することができなかった。具体的には、安定性に関して分解物生成量を評価したところ、比較例12〜16では60℃・2週間にて0.1%を超えたことから、薬剤の安定性を確保することができない製剤であることがわかった。

0030

4.市販の軟膏剤との硬度比
市販されている一般外用剤と、前記実施例1及び2の組成を有した本発明の軟膏剤との硬度比較を行った。測定結果を以下の表6に示す。尚、測定方法は前記と同様である。

0031

0032

上記表6の測定結果より、実施例1及び2の組成を有した本発明の軟膏剤は、市販されている一般外用剤と同様、塗布に適した硬度を有するものであることがわかった。

0033

5.市販の軟膏剤との付着性比較
市販されている一般外用剤と、前記実施例2の組成を有した本発明の軟膏剤との付着性比較を行った。測定結果を以下の表7に示す。測定方法は前記と同様である。

0034

実施例

0035

上記表7の測定結果より、実施例2の組成を有した本発明の軟膏剤は、製剤のべとつきを評価する指標である付着性の点においても、市販されている一般外用剤と同様に問題のないものであることが確認された。

0036

本発明の軟膏剤は、製剤中の薬物の安定性、均一性に優れ、塗布に適した硬度及び物理的安定性を有しており、本発明によって、医薬品に求められる品質確保が可能である。

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