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技術 熱伝導性感圧接着剤組成物、熱伝導性感圧接着性シート状成形体、これらの製造方法、及び電子部品

出願人 日本ゼオン株式会社
発明者 熊本拓朗川村明子
出願日 2012年2月22日 (5年10ヶ月経過) 出願番号 2013-507269
公開日 2014年7月24日 (3年5ヶ月経過) 公開番号 WO2012-132657
状態 拒絶査定
技術分野 接着剤、接着方法 接着テープ
主要キーワード リン酸エステル部位 攪拌用ロータ 熱伝導性プラスチック スライダック ボックス体 B型粘度計 処理対象体 金属塩水和物

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課題・解決手段

メタアクリル酸エステル重合体(A1)、及び、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)を含む(メタ)アクリル樹脂組成物と、平均粒径が50μm以下の熱伝導性フィラー(B)と、針状部を有し、該針状部の長さが2μm以上50μm以下である酸化亜鉛(C)と、をそれぞれ所定量含む混合組成物中において、(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物重合反応と、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)及び/又は(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)由来構造単位を含む重合体架橋反応とが行われてなることを特徴とし、熱伝導性及び絶縁性バランスよく備え熱伝導性感圧接着剤組成物及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体と、これらの製造方法と、該熱伝導性感圧接着剤組成物又は該熱伝導性感圧接着性シート状成形体を備えた電子部品とを提供する。

概要

背景

近年、プラズマディスプレイパネル(PDP)、集積回路(IC)チップ等のような電子部品は、その高性能化に伴って発熱量が増大している。その結果、温度上昇による機能障害対策を講じる必要性が生じている。一般的には、金属製のヒートシンク放熱板放熱フィン等の放熱体を電子部品等に備えられる発熱体取り付けることによって放熱させる方法が採られている。発熱体から放熱体への熱伝導を効率よく行うためには、各種熱伝導シートが使用されている。一般的に、発熱体と放熱体とを固定する用途においては、熱伝導性に加えて感圧接着性も備えた組成物(以下、「熱伝導性感圧接着剤組成物」という。)、又は熱伝導性に加えて感圧接着性も備えたシート(以下、「熱伝導性感圧接着性シート状成形体」という。)が必要とされている。

上記熱伝導性感圧接着剤組成物及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体は、発熱体から放熱体へと熱を伝えることを目的の一つとして用いられるため、熱抵抗を低くすることが好ましい。熱伝導性感圧接着剤組成物及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体の熱抵抗を低くするためには、例えば、熱伝導性感圧接着剤組成物及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体に膨張化黒鉛粉等を添加することが考えられる。しかしながら、膨張化黒鉛粉は高い熱伝導性を有するとともに、高い導電性も有する。したがって、絶縁性要求される用途には、膨張化黒鉛粉によって熱伝導性を向上させた熱伝導性感圧接着剤組成物及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体は使用できない場合があった。

また、特許文献1乃至3に記載されているように、膨張化黒鉛粉以外に熱伝導性感圧接着剤組成物及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体の熱伝導性を向上させることができるフィラーとして、酸化亜鉛も用いられている。

概要

メタアクリル酸エステル重合体(A1)、及び、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)を含む(メタ)アクリル樹脂組成物と、平均粒径が50μm以下の熱伝導性フィラー(B)と、針状部を有し、該針状部の長さが2μm以上50μm以下である酸化亜鉛(C)と、をそれぞれ所定量含む混合組成物中において、(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物重合反応と、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)及び/又は(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)由来構造単位を含む重合体架橋反応とが行われてなることを特徴とし、熱伝導性及び絶縁性をバランスよく備えた熱伝導性感圧接着剤組成物及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体と、これらの製造方法と、該熱伝導性感圧接着剤組成物又は該熱伝導性感圧接着性シート状成形体を備えた電子部品とを提供する。

目的

本発明は、熱伝導性及び絶縁性をバランスよく備えた熱伝導性感圧接着剤組成物及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体と、これらの製造方法と、該熱伝導性感圧接着剤組成物又は該熱伝導性感圧接着性シート状成形体を備えた電子部品とを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

メタアクリル酸エステル重合体(A1)、及び、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)を含む(メタ)アクリル樹脂組成物(A)を100質量部と、平均粒径が50μm以下の熱伝導性フィラー(B)を600質量部以上1400質量部以下と、針状部を有し、該針状部の長さが2μm以上50μm以下である酸化亜鉛(C)を0.5質量部以上40質量部以下と、を含む混合組成物中において、前記(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)の重合反応と、前記(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)及び/又は前記(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)由来構造単位を含む重合体架橋反応とが行われてなる、熱伝導性感圧接着剤組成物(F)。

請求項2

前記混合組成物が、さらにリン酸エステルを20質量部以上100質量部以下含む、請求項1に記載の熱伝導性感圧接着剤組成物(F)。

請求項3

平均粒径が50μm以下の前記熱伝導性フィラー(B)が、平均粒径が50μm以下の、酸化アルミニウム及び/又は水酸化アルミニウムである、請求項1又は2に記載の熱伝導性感圧接着剤組成物(F)。

請求項4

(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)、及び、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)を含む(メタ)アクリル樹脂組成物(A)を100質量部と、平均粒径が50μm以下の熱伝導性フィラー(B)を600質量部以上1400質量部以下と、針状部を有し、該針状部の長さが2μm以上50μm以下である酸化亜鉛(C)を0.5質量部以上40質量部以下と、を含む混合組成物をシート状に成形した後、又は前記混合組成物をシート状に成形しながら、前記(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)の重合反応と、前記(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)及び/又は前記(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)由来の構造単位を含む重合体の架橋反応とが行われてなる、熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)。

請求項5

前記混合組成物が、さらにリン酸エステルを20質量部以上100質量部以下含む、請求項4に記載の熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)。

請求項6

平均粒径が50μm以下の前記熱伝導性フィラー(B)が、平均粒径が50μm以下の、酸化アルミニウム及び/又は水酸化アルミニウムである、請求項4又は5に記載の熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)。

請求項7

(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)、及び、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)を含む(メタ)アクリル樹脂組成物(A)を100質量部と、平均粒径が50μm以下の熱伝導性フィラー(B)を600質量部以上1400質量部以下と、針状部を有し、該針状部の長さが2μm以上50μm以下である酸化亜鉛(C)を0.5質量部以上40質量部以下と、を含む混合組成物を作製する工程、並びに、前記混合組成物中において、前記(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)の重合反応と、前記(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)及び/又は前記(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)由来の構造単位を含む重合体の架橋反応とを行う工程、を含む、熱伝導性感圧接着剤組成物(F)の製造方法

請求項8

前記混合組成物が、さらにリン酸エステルを20質量部以上100質量部以下含む、請求項7に記載の熱伝導性感圧接着剤組成物(F)の製造方法。

請求項9

平均粒径が50μm以下の前記熱伝導性フィラー(B)が、平均粒径が50μm以下の、酸化アルミニウム及び/又は水酸化アルミニウムである、請求項7又は8に記載の熱伝導性感圧接着剤組成物(F)の製造方法。

請求項10

(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)、及び、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)を含む(メタ)アクリル樹脂組成物(A)を100質量部と、平均粒径が50μm以下の熱伝導性フィラー(B)を600質量部以上1400質量部以下と、針状部を有し、該針状部の長さが2μm以上50μm以下である酸化亜鉛(C)を0.5質量部以上40質量部以下と、を含む混合組成物を作製する工程、並びに、前記混合組成物をシート状に成形した後、又は、前記混合組成物をシート状に成形しながら、前記(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)の重合反応と、前記(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)及び/又は前記(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)由来の構造単位を含む重合体の架橋反応とを行う工程、を含む、熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)の製造方法。

請求項11

前記混合組成物が、さらにリン酸エステルを20質量部以上100質量部以下含む、請求項10に記載の熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)の製造方法。

請求項12

平均粒径が50μm以下の前記熱伝導性フィラー(B)が、平均粒径が50μm以下の、酸化アルミニウム及び/又は水酸化アルミニウムである、請求項10又は11に記載の熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)の製造方法。

請求項13

放熱体及び該放熱体に貼合された請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱伝導性感圧接着剤組成物(F)、又は、放熱体及び該放熱体に貼合された請求項4〜6のいずれか1項に記載の熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)、を備え電子部品

技術分野

0001

本発明は、熱伝導性感圧接着剤組成物熱伝導性感圧接着性シート状成形体、これらの製造方法、及び該熱伝導性感圧接着剤組成物又は該熱伝導性感圧接着性シート状成形体を備え電子部品に関する。

背景技術

0002

近年、プラズマディスプレイパネル(PDP)、集積回路(IC)チップ等のような電子部品は、その高性能化に伴って発熱量が増大している。その結果、温度上昇による機能障害対策を講じる必要性が生じている。一般的には、金属製のヒートシンク放熱板放熱フィン等の放熱体を電子部品等に備えられる発熱体取り付けることによって放熱させる方法が採られている。発熱体から放熱体への熱伝導を効率よく行うためには、各種熱伝導シートが使用されている。一般的に、発熱体と放熱体とを固定する用途においては、熱伝導性に加えて感圧接着性も備えた組成物(以下、「熱伝導性感圧接着剤組成物」という。)、又は熱伝導性に加えて感圧接着性も備えたシート(以下、「熱伝導性感圧接着性シート状成形体」という。)が必要とされている。

0003

上記熱伝導性感圧接着剤組成物及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体は、発熱体から放熱体へと熱を伝えることを目的の一つとして用いられるため、熱抵抗を低くすることが好ましい。熱伝導性感圧接着剤組成物及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体の熱抵抗を低くするためには、例えば、熱伝導性感圧接着剤組成物及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体に膨張化黒鉛粉等を添加することが考えられる。しかしながら、膨張化黒鉛粉は高い熱伝導性を有するとともに、高い導電性も有する。したがって、絶縁性要求される用途には、膨張化黒鉛粉によって熱伝導性を向上させた熱伝導性感圧接着剤組成物及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体は使用できない場合があった。

0004

また、特許文献1乃至3に記載されているように、膨張化黒鉛粉以外に熱伝導性感圧接着剤組成物及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体の熱伝導性を向上させることができるフィラーとして、酸化亜鉛も用いられている。

先行技術

0005

特開2008−163145号公報
特開2008−127482号公報
特開2008−127481号公報

発明が解決しようとする課題

0006

酸化亜鉛は膨張化黒鉛粉より導電性が低いため、熱伝導性感圧接着剤組成物及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体に酸化亜鉛を添加した場合、膨張化黒鉛粉を添加するよりは、熱伝導性感圧接着剤組成物及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体の導電性の上昇を抑えることができると考えられる。

0007

しかしながら、酸化亜鉛の導電性が膨張化黒鉛粉より低いとはいえ、酸化亜鉛によって熱伝導性感圧接着剤組成物及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体の熱伝導性を向上させるために特許文献1乃至3に記載された技術のように多量の酸化亜鉛を添加すると、熱伝導性感圧接着剤組成物及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体の導電性が高くなり、絶縁性が要求される用途では使用できない場合があった。このように、従来の技術では、熱伝導性感圧接着剤組成物及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体に要求される諸性能をバランスよく備えさせることが困難であった。

0008

そこで、本発明は、熱伝導性及び絶縁性をバランスよく備えた熱伝導性感圧接着剤組成物及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体と、これらの製造方法と、該熱伝導性感圧接着剤組成物又は該熱伝導性感圧接着性シート状成形体を備えた電子部品とを提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らは、所定の酸化亜鉛と酸化亜鉛以外の所定の熱伝導性フィラーとを組み合わせて使用することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。

0010

本発明の第1の態様は、(メタアクリル酸エステル重合体(A1)、及び、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)を含む(メタ)アクリル樹脂組成物(A)を100質量部と、平均粒径が50μm以下の熱伝導性フィラー(B)を600質量部以上1400質量部以下と、針状部を有し、該針状部の長さが2μm以上50μm以下である酸化亜鉛(C)を0.5質量部以上40質量部以下と、を含む混合組成物中において、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)の重合反応と、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)及び/又は(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)由来構造単位を含む重合体架橋反応とが行われてなる、熱伝導性感圧接着剤組成物(F)である。

0011

以下に、本明細書中で用いる文言定義を記載する。「(メタ)アクリル」とは、「アクリル、及び/又は、メタクリル」を意味する。また、「平均粒径」とは、以下に説明する方法で測定したものを意味する。すなわち、レーザー粒度測定機(株式会社セイシン企業製)を用い、マイクロソーティング制御方式(測定領域内にのみ測定対象粒子を通過させ、測定の信頼性を向上させる方式)により測定する。この測定方法によれば、セル中に測定対象粒子0.01g〜0.02gが流されることで、測定領域内に流れてくる測定対象粒子に波長670nmの半導体レーザー光照射され、その際のレーザー光散乱回折測定機にて測定されることにより、フランホーファの回折原理から、平均粒径及び粒径分布算出される。また、「熱伝導性フィラー」とは、添加することによって熱伝導性感圧接着剤組成物(F)又は後に説明する熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)の熱伝導性を向上させることができるフィラーを意味する。また、酸化亜鉛(C)の「針状部の長さ」とは、走査電子顕微鏡観察して測定した長さを意味する。また、「(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)の重合反応」とは、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)由来の構造単位を生じる重合体を得る重合反応を意味する。また、「(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)及び/又は(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)由来の構造単位を含む重合体の架橋反応」とは、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)同士の架橋反応、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)由来の構造単位を含む重合体同士の架橋反応、及び、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)と(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)由来の構造単位を含む重合体との架橋反応のうち、一又は複数の架橋反応を意味する。

0012

本発明の第1の態様の熱伝導性感圧接着剤組成物(F)において、混合組成物が、さらにリン酸エステルを20質量部以上100質量部以下含むことが好ましい。また、平均粒径が50μm以下の熱伝導性フィラー(B)が、平均粒径が50μm以下の、酸化アルミニウム及び/又は水酸化アルミニウムであることが好ましい。

0013

本発明の第2の態様は、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)、及び、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)を含む(メタ)アクリル樹脂組成物(A)を100質量部と、平均粒径が50μm以下の熱伝導性フィラー(B)を600質量部以上1400質量部以下と、針状部を有し、該針状部の長さが2μm以上50μm以下である酸化亜鉛(C)を0.5質量部以上40質量部以下と、を含む混合組成物をシート状に成形した後、又は該混合組成物をシート状に成形しながら、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)の重合反応と、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)及び/又は(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)由来の構造単位を含む重合体の架橋反応とが行われてなる、熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)である。

0014

本発明の第2の態様の熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)において、混合組成物が、さらにリン酸エステルを20質量部以上100質量部以下含むことが好ましい。また、平均粒径が50μm以下の熱伝導性フィラー(B)が、平均粒径が50μm以下の、酸化アルミニウム及び/又は水酸化アルミニウムであることが好ましい。

0015

本発明の第3の態様は、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)、及び、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)を含む(メタ)アクリル樹脂組成物(A)を100質量部と、平均粒径が50μm以下の熱伝導性フィラー(B)を600質量部以上1400質量部以下と、針状部を有し、該針状部の長さが2μm以上50μm以下である酸化亜鉛(C)を0.5質量部以上40質量部以下と、を含む混合組成物を作製する工程、並びに、該混合組成物中において、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)の重合反応と、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)及び/又は(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)由来の構造単位を含む重合体の架橋反応とを行う工程、を含む、熱伝導性感圧接着剤組成物(F)の製造方法である。

0016

本発明の第3の態様の熱伝導性感圧接着剤組成物(F)の製造方法において、混合組成物が、さらにリン酸エステルを20質量部以上100質量部以下含むことが好ましい。また、平均粒径が50μm以下の熱伝導性フィラー(B)が、平均粒径が50μm以下の、酸化アルミニウム及び/又は水酸化アルミニウムであることが好ましい。

0017

本発明の第4の態様は、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)、及び、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)を含む(メタ)アクリル樹脂組成物(A)を100質量部と、平均粒径が50μm以下の熱伝導性フィラー(B)を600質量部以上1400質量部以下と、針状部を有し、該針状部の長さが2μm以上50μm以下である酸化亜鉛(C)を0.5質量部以上40質量部以下と、を含む混合組成物を作製する工程、並びに、該混合組成物をシート状に成形した後、又は、該混合組成物をシート状に成形しながら、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)の重合反応と、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)及び/又は(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)由来の構造単位を含む重合体の架橋反応とを行う工程、を含む、熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)の製造方法である。

0018

本発明の第4の態様の熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)の製造方法において、混合組成物が、さらにリン酸エステルを20質量部以上100質量部以下含むことが好ましい。また、平均粒径が50μm以下の熱伝導性フィラー(B)が、平均粒径が50μm以下の、酸化アルミニウム及び/又は水酸化アルミニウムであることが好ましい。

0019

本発明の第5の態様は、放熱体及び該放熱体に貼合された本発明の第1の態様の熱伝導性感圧接着剤組成物(F)、又は、放熱体及び該放熱体に貼合された本発明の第2の態様の熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)、を備えた電子部品である。

発明の効果

0020

本発明によれば、熱伝導性及び絶縁性をバランスよく備えた熱伝導性感圧接着剤組成物及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体と、これらの製造方法と、該熱伝導性感圧接着剤組成物又は該熱伝導性感圧接着性シート状成形体を備えた電子部品とを提供することができる。

0021

1.熱伝導性感圧接着剤組成物(F)、熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)
本発明の熱伝導性感圧接着剤組成物(F)は、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)、及び、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)を含む(メタ)アクリル樹脂組成物(A)と、平均粒径が50μm以下の熱伝導性フィラー(B)(以下、単に「熱伝導性フィラー(B)」という場合がある。)と、針状部を有し、該針状部の長さが2μm以上50μm以下である酸化亜鉛(C)(以下、単に「酸化亜鉛(C)」という場合がある。)と、を含む混合組成物中において、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)由来の構造単位を生じる重合体を得る重合反応、並びに、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)同士の架橋反応、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)由来の構造単位を含む重合体同士の架橋反応、及び、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)と(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)由来の構造単位を含む重合体との架橋反応のうちいずれかの架橋反応が、少なくとも行われてなるものである。

0022

また、本発明の熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)は、上記混合組成物をシート状に成形した後、又は上記混合組成物をシート状に成形しながら、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)由来の構造単位を生じる重合体を得る重合反応、並びに、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)同士の架橋反応、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)由来の構造単位を含む重合体同士の架橋反応、及び、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)と(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)由来の構造単位を含む重合体との架橋反応のうちいずれかの架橋反応が、少なくとも行われてなるものである。

0023

このような熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)を構成する物質について以下に説明する。

0024

<(メタ)アクリル樹脂組成物(A)>
本発明に用いる(メタ)アクリル樹脂組成物(A)は、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)、及び、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)を含んでいる。なお、上述したように、熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)を得る際には(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)由来の構造単位を生じる重合体を得る重合反応と、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)及び/又は(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)由来の構造単位を含む重合体の架橋反応とが行われる。当該重合反応及び架橋反応を行うことによって(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)由来の構造単位を含む重合体は、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)の成分と混合及び/又は一部結合する。

0025

本発明において、アクリル酸エステル重合体(A1)及び(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)の使用量は、(メタ)アクリル樹脂組成物(A)100質量%に対して、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)5質量%以上40質量%以下、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)60質量%以上95質量%以下であることが好ましい。(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)の含有比率を上記範囲とすることによって、熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)を成形することが容易になる。

0026

((メタ)アクリル酸エステル重合体(A1))
本発明に用いることができる(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)は特に限定されないが、ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸エステル単量体の単位(a1)、及び、有機酸基を有する単量体単位(a2)を含有することが好ましい。

0027

上記(メタ)アクリル酸エステル単量体の単位(a1)を与える(メタ)アクリル酸エステル単量体(a1m)は特に限定はないが、例えば、アクリル酸エチル(単独重合体のガラス転移温度は、−24℃)、アクリル酸n−プロピル(同−37℃)、アクリル酸n−ブチル(同−54℃)、アクリル酸sec−ブチル(同−22℃)、アクリル酸n−ヘプチル(同−60℃)、アクリル酸n−ヘキシル(同−61℃)、アクリル酸n−オクチル(同−65℃)、アクリル酸2−エチルヘキシル(同−50℃)、アクリル酸2−メトキシエチル(同−50℃)、アクリル酸3−メトキシプロピル(同−75℃)、アクリル酸3−メトキシブチル(同−56℃)、アクリル酸エトキシメチル(同−50℃)、メタクリル酸n−オクチル(同−25℃)、メタクリル酸n−デシル(同−49℃)などを挙げることができる。中でも、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−メトキシエチルが好ましく、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルがより好ましく、アクリル酸2−エチルヘキシルがさらに好ましい。

0028

これらの(メタ)アクリル酸エステル単量体(a1m)は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。

0029

(メタ)アクリル酸エステル単量体(a1m)は、それから導かれる単量体単位(a1)が、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)中、好ましくは80質量%以上99.9質量%以下、より好ましくは85質量%以上99.5質量%以下となるような量で重合に使用することが好ましい。(メタ)アクリル酸エステル単量体(a1m)の使用量が上記範囲内であると、重合時の重合系の粘度を適正な範囲に保つことが容易になる。

0030

次に、有機酸基を有する単量体単位(a2)について説明する。有機酸基を有する単量体単位(a2)を与える単量体(a2m)は特に限定されないが、その代表的なものとして、カルボキシル基酸無水物基スルホン酸基などの有機酸基を有する単量体を挙げることができる。また、これらのほか、スルフェン酸基、スルフィン酸基燐酸基などを含有する単量体も使用することができる。

0031

カルボキシル基を有する単量体の具体例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸や、イタコン酸マレイン酸フマル酸などのα,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸の他、イタコン酸モノメチルマレイン酸モノブチル、フマル酸モノプロピルなどのα,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸部分エステルなどを挙げることができる。また、無水マレイン酸無水イタコン酸などの、加水分解などによりカルボキシル基に誘導することができる基を有するものも同様に使用することができる。

0032

スルホン酸基を有する単量体の具体例としては、アリスルホン酸メタリルスルホン酸、ビニルスルホン酸スチレンスルホン酸アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸などのα,β−不飽和スルホン酸、及び、これらの塩を挙げることができる。

0033

単量体(a2m)としては、上に例示した有機酸基を有する単量体のうち、カルボキシル基を有する単量体がより好ましく、中でも、アクリル酸又はメタクリル酸を有する単量体が特に好ましい。これらの単量体は工業的に安価で容易に入手することができ、他の単量体成分との共重合性も良く、生産性の点でも好ましい。なお、単量体(a2m)は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。

0034

有機酸基を有する単量体(a2m)は、それから導かれる単量体単位(a2)が(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)中、0.1質量%以上20質量%以下、好ましくは0.5質量%以上15質量%以下となるような量で重合に使用することが好ましい。有機酸基を有する単量体(a2m)の使用量が上記範囲内であると、重合時の重合系の粘度を適正な範囲に保つことが容易になる。

0035

なお、有機酸基を有する単量体単位(a2)は、前述のように、有機酸基を有する単量体(a2m)の重合によって、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)中に導入するのが簡便であり好ましいが、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)生成後に、公知の高分子反応により、有機酸基を導入してもよい。

0036

また、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)は、有機酸基以外の官能基を有する単量体(a3m)から誘導される単量体単位(a3)を含有していてもよい。

0037

上記有機酸基以外の官能基としては、水酸基アミノ基、アミド基エポキシ基メルカプト基などを挙げることができる。

0038

水酸基を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルなどの、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルなどを挙げることができる。

0039

アミノ基を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、アミノスチレンなどを挙げることができる。

0040

アミド基を有する単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミドN−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドなどのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸アミド単量体などを挙げることができる。

0041

エポキシ基を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸グリシジルアリルグリシジルエーテルなどを挙げることができる。

0042

有機酸基以外の官能基を有する単量体(a3m)は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。

0043

これらの有機酸基以外の官能基を有する単量体(a3m)は、それから導かれる単量体単位(a3)が、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)中、10質量%以下となるような量で重合に使用することが好ましい。10質量%以下の単量体(a3m)を使用することにより、重合時の重合系の粘度を適正な範囲に保つことが容易になる。

0044

(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)は、上述したガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を形成する(メタ)アクリル酸エステル単量体単位(a1)、有機酸基を有する単量体単位(a2)、及び、有機酸基以外の官能基を有する単量体単位(a3)以外に、上述した単量体と共重合可能な単量体(a4m)から誘導される単量体単位(a4)を含有していてもよい。単量体(a4m)は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。

0045

単量体(a4m)から導かれる単量体単位(a4)の量は、アクリル酸エステル重合体(A1)の10質量%以下が好ましく、より好ましくは、5質量%以下である。

0046

単量体(a4m)は、特に限定されないが、その具体例として、上記(メタ)アクリル酸エステル単量体(a1m)以外の(メタ)アクリル酸エステル単量体、α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸完全エステルアルケニル芳香族単量体共役ジエン系単量体非共役ジエン系単量体シアン化ビニル単量体カルボン酸不飽和アルコールエステル、オレフィン系単量体などを挙げることができる。

0047

上記(メタ)アクリル酸エステル単量体(a1m)以外の(メタ)アクリル酸エステル単量体の具体例としては、アクリル酸メチル(単独重合体のガラス転移温度は、10℃)、メタクリル酸メチル(同105℃)、メタクリル酸エチル(同63℃)、メタクリル酸n−プロピル(同25℃)、メタクリル酸n−ブチル(同20℃)などを挙げることができる。

0048

α,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸完全エステルの具体例としては、フマル酸ジメチルフマル酸ジエチルマレイン酸ジメチルマレイン酸ジエチルイタコン酸ジメチルなどを挙げることができる。

0049

アルケニル芳香族単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルα−メチルスチレン、ビニルトルエン、及び、ジビニルベンゼンなどを挙げることができる。

0050

共役ジエン系単量体の具体例としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン同義)、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、シクロペンタジエンなどを挙げることができる。

0051

非共役ジエン系単量体の具体例としては、1,4−ヘキサジエンジシクロペンタジエンエチリデンノルボルネンなどを挙げることができる。

0052

シアン化ビニル単量体の具体例としては、アクリロニトリルメタクリロニトリル、α−クロロアクリニトリル、α−エチルアクリロニトリルなどを挙げることができる。

0053

カルボン酸不飽和アルコールエステル単量体の具体例としては、酢酸ビニルなどを挙げることができる。

0054

オレフィン系単量体の具体例としては、エチレンプロピレンブテンペンテンなどを挙げることができる。

0055

(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC法)で測定して、標準ポリスチレン換算で10万以上100万以下の範囲にあることが好ましく、20万以上50万以下の範囲にあることが、より好ましい。

0056

(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)は、ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を成形する(メタ)アクリル酸エステル単量体(a1m)、有機酸基を有する単量体(a2m)、必要に応じて使用する、有機酸基以外の官能基を含有する単量体(a3m)、及び、必要に応じて使用するこれらの単量体と共重合可能な単量体(a4m)を共重合することによって特に好適に得ることができる。

0057

重合の方法は、特に限定されず、溶液重合乳化重合懸濁重合塊状重合などのいずれであってもよく、これ以外の方法でもよい。好ましくは、溶液重合であり、中でも重合溶媒として、酢酸エチル乳酸エチルなどのカルボン酸エステルベンゼントルエンキシレンなどの芳香族溶媒を用いた溶液重合がより好ましい。重合に際して、単量体は、重合反応容器分割添加してもよいが、全量を一括添加するのが好ましい。重合開始の方法は、特に限定されないが、重合開始剤として熱重合開始剤を用いるのが好ましい。熱重合開始剤は、特に限定されず、過酸化物及びアゾ化合物のいずれでもよい。

0058

過酸化物重合開始剤としては、t−ブチルヒドロペルオキシドのようなヒドロペルオキシドや、ベンゾイルペルオキシドシクロヘキサノンペルオキシドのようなペルオキシドの他、過硫酸カリウム過硫酸ナトリウム過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩などを挙げることができる。これらの過酸化物は、還元剤と適宜組み合わせて、レドックス系触媒として使用することもできる。

0059

アゾ化合物重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などを挙げることができる。

0060

重合開始剤の使用量は、特に限定されないが、単量体100質量部に対して、0.01質量部以上50質量部以下の範囲であるのが好ましい。

0061

これらの単量体のその他の重合条件重合温度圧力撹拌条件など)は、特に制限がない。

0062

重合反応終了後、必要により、得られた重合体を重合媒体から分離する。分離の方法は特に限定されない。例えば、溶液重合の場合、重合溶液減圧下に置き、重合溶媒を留去することにより、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)を得ることができる。

0063

(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)の重量平均分子量は、重合の際に使用する重合開始剤の量や、連鎖移動剤の量を適宜調整することによって制御することができる。

0064

((メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(α1))
(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)は、(メタ)アクリル酸エステル単量体を含有するものであれば特に限定されないが、ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を成形する(メタ)アクリル酸エステル単量体(a5m)を含有するものであることが好ましい。

0065

ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を成形する(メタ)アクリル酸エステル単量体(a5m)の例としては、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)の合成に用いる(メタ)アクリル酸エステル単量体(a1m)と同様の(メタ)アクリル酸エステル単量体を挙げることができる。(メタ)アクリル酸エステル単量体(a5m)は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。

0066

(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)における(メタ)アクリル酸エステル単量体(a5m)の比率は、好ましくは50質量%以上100質量%以下、より好ましくは75質量%以上100質量%以下である。(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)における(メタ)アクリル酸エステル単量体(a5m)の比率を上記範囲とすることによって、感圧接着性や柔軟性に優れた熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)を得やすくなる。

0067

また、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)は、(メタ)アクリル酸エステル単量体(a5m)及びそれと共重合可能な単量体との混合物としてもよい。

0068

特に好ましい(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)は、ガラス転移温度が−20℃以下となる単独重合体を成形する(メタ)アクリル酸エステル単量体(a5m)、及び、これらと共重合可能な有機酸基を有する単量体(a6m)を含むものである。

0069

上記単量体(a6m)の例としては、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)の合成に用いる単量体(a2m)として例示したものと同様の有機酸基を有する単量体を挙げることができる。単量体(a6m)は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。

0070

(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)における単量体(a6m)の比率は、30質量%以下が好ましく、より好ましくは10質量%以下である。(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)における単量体(a6m)の比率を上記範囲とすることによって、感圧接着性や柔軟性に優れた熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)を得やすくなる。

0071

(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)は、(メタ)アクリル酸エステル単量体(a5m)及び所望により共重合させることができる有機酸基を有する単量体(a6m)の他に、これらと共重合可能な単量体(a7m)との混合物としてもよい。(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)における単量体(a7m)の比率は、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。

0072

上記単量体(a7m)の例としては、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)の合成に用いる単量体(a3m)、及び単量体(a4m)として例示したものと同様の単量体を挙げることができる。単量体(a7m)は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。

0073

<重合開始剤>
熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)を得る際に、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)及び後述する多官能性単量体は重合する。その重合を促進するため、重合開始剤を用いることが好ましい。

0074

本発明に用いることができる重合開始剤としては、光重合開始剤、アゾ系熱重合開始剤、有機過酸化物熱重合開始剤などが挙げられる。得られる熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)に優れた接着性付与する等の観点からは、有機過酸化物熱重合開始剤を用いることが好ましい。

0075

光重合開始剤としては、公知の各種光重合開始剤を用いることができる。その中でも、アシルホスフィンオキサイド系化合物が好ましい。好ましい光重合開始剤であるアシルホスフィンオキサイド系化合物としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。

0076

アゾ系熱重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などが挙げられる。

0077

有機過酸化物熱重合開始剤としては、t−ブチルヒドロペルオキシドのようなヒドロペルオキシドや、ベンゾイルペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、1,6−ビス(t−ブチルペルオキシカルボニルオキシヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンのようなペルオキシドなどを挙げることができる。ただし、熱分解時に臭気原因となる揮発性物質を放出しないものが好ましい。また、有機過酸化物熱重合開始剤の中でも、1分間半減期温度が100℃以上かつ170℃以下のものが好ましい。

0078

重合開始剤の使用量は、(メタ)アクリル樹脂組成物(A)100質量部に対し、0.01質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上5質量部以下であることがより好ましく、0.3質量部以上1質量部以下であることがさらに好ましい。重合開始剤の使用量を上記範囲とすることによって、(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(α1)の重合転化率を適正な範囲にし易くなり、熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)に単量体臭が残ることを防止し易くなる。なお、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)の重合転化率は、95質量%以上であることが好ましい。(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)の重合転化率が95質量%以上であれば、熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)に単量体臭が残ることを防止し易くなる。また、重合開始剤の使用量を上記範囲とすることによって、重合開始剤を添加することにより重合反応の進行を過度に誘発し、その結果、熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)が平滑なシート状にならず、材料破壊を起こす事態を防止し易くなる。

0079

<多官能性単量体>
本発明の熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)には、多官能性単量体も用いることが好ましい。多官能性単量体としては、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)に含まれる単量体と共重合可能なものを用いる。また、多官能性単量体は重合性不飽和結合を複数有しており、該不飽和結合末端に有することが好ましい。このような多官能性単量体を用いることによって、共重合体分子内及び/又は分子間架橋を導入して、熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)の感圧接着剤としての凝集力を高めることができる。

0080

通常、ラジカル熱重合などの重合時には、多官能性単量体を用いずとも、ある程度の架橋反応は進行する。しかしながら、より確実にしかも所望の量の架橋構造を形成させるためには、多官能性単量体を用いることが好ましい。

0081

多官能性単量体としては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの多官能性(メタ)アクリレートや、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチレン−5−トリアジンなどの置換トリアジンの他、4−アクリルオキシベンゾフェノンのようなモノエチレン系飽和芳香族ケトンなどを用いることができる。中でも、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートが好ましい。多官能性単量体は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。

0082

熱伝導性感圧接着剤組成物(F)又は熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)に用いる多官能性単量体の量は、アクリル樹脂組成物(A)を100質量部として、0.1質量部以上15質量部以下であることが好ましく、0.2質量部以上8質量部以下であることがより好ましく、0.5質量部以上2質量部以下であることがさらに好ましい。多官能性単量体の使用量を上記範囲とすることによって、熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)に感圧接着剤としての適正な凝集力を付与し易くなる。

0083

<熱伝導性フィラー(B)>
本発明の熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)には、熱伝導性フィラー(B)を用いる。熱伝導性フィラー(B)は、添加することによって熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)の熱伝導性を向上させることができるフィラーであり、平均粒径が50μm以下である。ただし、熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)に絶縁性を備えさせ易くする観点からは、後述する酸化亜鉛(C)より導電性の低いものが好ましい。

0084

熱伝導性フィラー(B)の具体例としては、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化マグネシウムシリカガラス繊維窒化ホウ素及び窒化アルミニウム等を挙げることができる。この中でも、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム及び酸化アルミニウムが、入手が容易で、化学的に安定であり、かつ、多量の配合が可能であることから好ましく、酸化アルミニウム、及び水酸化アルミニウムが特に好ましい。熱伝導性フィラー(B)は一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。

0085

また、本発明に用いる熱伝導性フィラー(B)の平均粒径は、50μm以下である。熱伝導性フィラー(B)の平均粒径の好ましい範囲は、後に説明するように酸化亜鉛(C)の大きさにもよると推察されるが、例えば、30μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、0.5μm以上10μm以下がさらに好ましい。後に説明するように、熱伝導性フィラー(B)の平均粒径を上記範囲とすることによって、後述する酸化亜鉛(C)との組み合わせで熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)に高い熱伝導性を付与することができる。

0086

熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)に使用する熱伝導性フィラー(B)の量は、(メタ)アクリル樹脂組成物(A)100質量部に対して、600質量部以上1400質量部以下である。熱伝導性フィラー(B)の含有量の上限は、好ましくは1300質量部であり、より好ましくは1200質量部である。一方、熱伝導性フィラー(B)の含有量の下限は、好ましくは700質量部であり、より好ましくは800質量部である。熱伝導性フィラー(B)の含有量を上記範囲とすることによって、後述する酸化亜鉛(C)との組み合わせで熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)に高い熱伝導性を付与することができる。一方、熱伝導性フィラー(B)の含有量が1400質量部を超えると、熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)の素となる混合組成物の粘度が増し、熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)の生産性が低下するとともに、硬度が増大して形状追随性が低下する傾向にある。形状追随性が低下すると、発熱体から放熱体へと熱を伝え難くなる。また、熱伝導性フィラー(B)の含有量が600質量部未満であると、熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)の熱伝導性を向上させる効果が不十分になる虞がある。

0087

<酸化亜鉛(C)>
本発明に用いる酸化亜鉛(C)は、針状部を有し、該針状部の長さが2μm以上50μm以下である。後に説明するように、酸化亜鉛(C)の針状部の長さを上記範囲とすることによって、熱伝導性フィラー(B)との組み合わせで熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)に高い熱伝導性を付与することができる。

0088

本発明で用いる酸化亜鉛(C)は、針状部を有していればよく、核となる部分の周囲に1又は複数の針状部が備えられていてもよく、針状部のみで構成されていてもよい。ただし、後述するように、熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)内に充填された或る熱伝導性フィラー(B)と他の熱伝導性フィラー(B)との間を酸化亜鉛(C)によって繋ぎ易くする観点からは、核となる部分の周囲に複数の針状部がそれぞれ異なる方向に伸びて備えられていることが好ましい。より好ましくは、核となる部分とその周囲に存在する3つ以上の針状部があり、前記針状部のうちの少なくとも1つは、他の針状部とは同一平面上にないものであることが望ましい。なお、1つの核の周囲に存在する針状部の数は、3〜6個が好ましい。この範囲の数であると、針状部の配向が3次元的になり、かつ、他のフィラーとの結びつきが良いものとなる。核となる部分の周囲に複数の針状部が備えられている酸化亜鉛の市販品としては、例えば、株式会社アムテック製の「パナテトラ登録商標)」を挙げることができる。

0089

熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)に使用する酸化亜鉛(C)の量は、(メタ)アクリル樹脂組成物(A)100質量部に対して、0.5質量部以上40質量部以下であり、0.5質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上5質量部以下であることがより好ましい。酸化亜鉛(C)の含有量を上記範囲とすることによって、熱伝導性フィラー(B)との組み合わせで熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)に高い熱伝導性を付与することができる。一方、酸化亜鉛(C)の含有量が40質量部を超えると、熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)の絶縁性が低下し、絶縁性を要求される用途には使用できなくなる虞がある。また、酸化亜鉛(C)の含有量が0.5質量部未満であると、熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)の熱伝導性を向上させる効果が不十分になる虞がある。

0090

本発明によれば、熱伝導性フィラー(B)及び酸化亜鉛(C)を所定量で組み合わせて用いることによって、熱伝導性フィラー(B)及び酸化亜鉛(C)の使用量をそれぞれ従来の熱伝導性感圧接着性シート状成形体より少なくしても、熱伝導性及び絶縁性をバランスよく備えた熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)を得ることができる。

0091

熱伝導性フィラー(B)及び酸化亜鉛(C)を組み合わせて用いることによって熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)の熱伝導性が向上されるのは、熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)内に充填された或る熱伝導性フィラー(B)と他の熱伝導性フィラー(B)との間を酸化亜鉛(C)が繋ぐことによって、熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)内で熱が伝わり易くなるためであると推察される。通常、熱伝導性の向上を図るために熱伝導性フィラーを添加する場合、熱伝導性を向上させ易くする観点からは、該熱伝導性フィラーの粒径は大きい方が良いと考えられる。しかしながら、本発明者らは、上述したように、所定の平均粒径以下の熱伝導性フィラー(B)と所定の長さの針状部を有する酸化亜鉛(C)とを組み合わせて用いることによって、熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)の熱伝導性を向上させることができることを見出した。これは、熱伝導性フィラー(B)の平均粒径を所定の値以下とすることによって、熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)内に充填された或る熱伝導性フィラー(B)と他の熱伝導性フィラー(B)との間を酸化亜鉛(C)で繋ぎ易くなったためであると推察される。したがって、本発明では、熱伝導性フィラー(B)の粒径と酸化亜鉛(C)の針状部の長さとの関係が、熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)の熱伝導性に影響を与えると推察される。

0092

また、熱伝導性フィラー(B)及び酸化亜鉛(C)を組み合わせて用いることによって熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)の熱伝導性を向上させつつ絶縁性が低下するのを抑制できるのは、酸化亜鉛(C)のみが連なって熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)の熱伝導性を向上させるのではなく、或る酸化亜鉛(C)と他の酸化亜鉛(C)との間に、酸化亜鉛(C)よりも導電性が低い熱伝導性フィラー(B)が介在しているためであると推察される。

0093

<リン酸エステル>
本発明の熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)には、リン酸エステルを用いることもできる。リン酸エステルを用いることによって、熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)の難燃性を向上させ易くなる。

0094

本発明に用いるリン酸エステルは、25℃における粘度が3000mPa・s以上であることが好ましい。リン酸エステルの粘度を上記範囲とすることで、熱伝導性感圧接着剤組成物(F)又は熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)の成形性が悪くなることを防止し易くなる。なお、本発明においてリン酸エステルの「粘度」とは、以下に説明する方法によって測定した粘度を意味する。

0095

(リン酸エステルの粘度測定方法)
リン酸エステルの粘度測定には、B型粘度計(東京計器株式会社製)を用いて、以下に示す手順で行う。
(1)常温環境でリン酸エステルを300ml計量し、500mlの容器入れる。
(2)攪拌用ロータNo.1、2、3、4、5、6、7から、いずれかを選択し、粘度計に取り付ける。
(3)リン酸エステルが入った容器を粘度計の上に置き、ロータを該容器内の縮合リン酸エステルに沈める。このとき、ロータの目印となる凹みが丁度、リン酸エステルの液状界面にくるように沈める。
(4)回転数を20、10、4、2の中から選択する。
(5)攪拌スイッチを入れ、1分後の数値を読み取る。
(6)読み取った数値に、係数Aを掛け算した値が粘度[mPa・s]となる。
なお、係数Aは、下記表1に示すように、選択したロータNo.と回転数とから決まる。

0096

0097

また、本発明に用いるリン酸エステルは、大気圧下での15℃以上100℃以下の温度領域において常に液体であることが好ましい。リン酸エステルは、混合する際に液体であれば、作業性が良く、熱伝導性感圧接着剤組成物(F)又は熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)を成形することが容易になる。リン酸エステルを含んだ熱伝導性感圧接着剤組成物(F)又は熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)を成形する際、15℃以上100℃以下の環境で、熱伝導性感圧接着剤組成物(F)又は熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)を構成する各物質を混合することが好ましい。混合時の温度を上記範囲とすることによって、アクリル樹脂組成物(A)のガラス転移温度以上とし、アクリル樹脂組成物(A)に含まれる単量体等の揮発あるいは重合反応が始まってしまうことを防止し易くなるため、環境性及び作業性を良くすることができる。

0098

本発明には、リン酸エステルとして、縮合リン酸エステルも非縮合リン酸エステルも用いることができる。ここでいう「縮合リン酸エステル」とは、1分子内にリン酸エステル部位が複数存在するものを意味し、「非縮合リン酸エステル」とは、1分子内にリン酸エステル部位が1つだけ存在するものを意味する。これまでに説明した条件を満たすリン酸エステルの具体例を以下に列記する。

0099

縮合リン酸エステルの具体例としては、1,3−フェニレンビスジフェニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)などの芳香族縮合リン酸エステルポリオキシアルキレンビスジクロロアルキルホスフェートなどの含ハロゲン系縮合リン酸エステル;非芳香族非ハロゲン系縮合リン酸エステル;などが挙げられる。これらの中でも、比重が比較的小さく、有害物質ハロゲンなど)の放出の危険がなく、入手も容易であることなどから、芳香族縮合リン酸エステルが好ましく、1,3−フェニレンビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)がより好ましい。

0100

非縮合リン酸エステルの具体例としては、トリフェニルホスフェートトリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェートクレジルジフェニルホスフェートクレジル−2,6−キシレニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェートなどの芳香族リン酸エステル;トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェートなどの含ハロゲン系リン酸エステル;などが挙げられる。この中でも、有害物質(ハロゲンなど)が発生しないことなどから、芳香族リン酸エステルが好ましい。

0101

リン酸エステルは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。

0102

本発明の熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)に使用するリン酸エステルの量は、(メタ)アクリル樹脂組成物(A)を100質量部として、20質量部以上100質量部以下であることが好ましい。リン酸エステルの含有量を上記範囲とすることによって、熱伝導性感圧接着剤組成物(F)又は熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)の難燃性を向上させやすくなる。

0103

<その他の添加剤
本発明の熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)には、上述した成分以外にも、上述した成分を添加することによる上記効果を妨げない範囲で公知の各種添加剤を添加することもできる。公知の添加剤としては、発泡剤発泡助剤を含む。);金属の水酸化物金属塩水和物等の難燃性熱伝導無機化合物;ガラス繊維;膨張化黒鉛粉、アルミナ、PITCH系炭素繊維等の熱伝導性無機化合物;外部架橋剤;カーボンブラック二酸化チタンなど顔料クレーなどのその他の充填材フラーレンカーボンナノチューブなどのナノ粒子ポリフェノール系、ハイドロキノン系、ヒンダードアミン系などの酸化防止剤アクリル系ポリマー粒子微粒シリカ、酸化マグネシウムなど増粘剤;等を挙げることができる。

0104

2.製造方法
本発明の熱伝導性感圧接着剤組成物(F)は、これまでに説明した材料を混合した後、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)の重合反応と、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)及び/又は(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)由来の構造単位を含む重合体の架橋反応とを行うことにより得ることができる。

0105

すなわち、本発明の熱伝導性感圧接着剤組成物(F)の製造方法は、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)、及び、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)を含む(メタ)アクリル樹脂組成物(A)と、平均粒径が50μm以下の熱伝導性フィラー(B)と、針状部を有し、該針状部の長さが2μm以上50μm以下である酸化亜鉛(C)と、を含む混合組成物を作製する工程、並びに、該混合組成物中において、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)の重合反応と、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)及び/又は(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)由来の構造単位を含む重合体の架橋反応とを行う工程、を含んでいる。なお、その他に使用できる物質や、各物質の好ましい含有比率や、各物質の好ましい平均粒径等は上述した通りであり、説明を省略する。

0106

本発明の熱伝導性感圧接着剤組成物(F)の製造方法において、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)の重合反応と、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)及び/又は(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)由来の構造単位を含む重合体の架橋反応とを行う際には、加熱することが好ましい。当該加熱には、例えば、熱風電気ヒーター赤外線などを用いることができる。このときの加熱温度は、重合開始剤が効率良く分解し、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)及び多官能性単量体の重合が進行する温度が好ましい。温度範囲は、用いる重合開始剤の種類により異なるが、100℃以上200℃以下が好ましく、130℃以上180℃以下がより好ましい。

0107

本発明の熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)は、これまでに説明した材料を混合してシート状に成形した後、又はシート状に成形しながら、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)の重合反応と、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)及び/又は(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)由来の構造単位を含む重合体の架橋反応とを行うことにより得ることができる。

0108

すなわち、本発明の熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)の製造方法は、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)、及び、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)を含む(メタ)アクリル樹脂組成物(A)と、平均粒径が50μm以下の熱伝導性フィラー(B)と、針状部を有し、該針状部の長さが2μm以上50μm以下である酸化亜鉛(C)と、を含む混合組成物を作製する工程、並びに、混合組成物をシート状に成形した後、又は、混合組成物をシート状に成形しながら、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)の重合反応と、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)及び/又は(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)由来の構造単位を含む重合体の架橋反応とを行う工程を含んでいる。なお、その他に使用できる物質や、各物質の好ましい含有比率や、各物質の好ましい平均粒径等は上述した通りであり、説明を省略する。

0109

本発明の熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)の製造方法において、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)の重合反応と、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)及び/又は(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)由来の構造単位を含む重合体の架橋反応とを行う際には、加熱することが好ましい。当該加熱には、例えば、熱風、電気ヒーター、赤外線などを用いることができる。このときの加熱温度は、重合開始剤が効率良く分解し、(メタ)アクリル酸エステル単量体(α1)及び多官能性単量体の重合が進行する温度が好ましい。温度範囲は、用いる重合開始剤の種類により異なるが、100℃以上200℃以下が好ましく、130℃以上180℃以下がより好ましい。

0110

上記混合組成物をシート状に成形する方法は、特に限定されない。好適な方法としては、例えば、混合組成物を、剥離処理したポリエステルフィルムなどの工程紙の上に塗布するキャスト法、混合組成物を、必要ならば二枚の剥離処理した工程紙間に挟んで、ロールの間を通す方法、及び、押出機を用いて、混合組成物を押出す際にダイスを通して厚さを制御する方法などが挙げられる。

0111

熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)の厚さは0.05mm以上5mm以下にすることができる。熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)の厚さを薄くすることによって、熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)の厚み方向の熱抵抗を低くすることができる。かかる観点から、熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)の厚さの上限は、好ましくは2mmである。一方、熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)の厚さの下限は、好ましくは0.1mmである。伝導性感圧接着性シート状成形体(G)を0.05mm以上とすることによって、当該熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)を発熱体及び放熱体に貼付する際に空気巻き込むことを防止し易く、結果として熱抵抗の増加を防止し、被着体への貼り付け工程における作業性を良好にし易くなる。

0112

また、熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)は、基材の片面又は両面に成形することもできる。当該基材を構成する材料は特に限定されない。当該基材の具体例としては、アルミニウム、銅、ステンレス鋼ベリリウム銅などの熱伝導性に優れる金属、及び、合金の箔状物や、熱伝導性シリコーンなどのそれ自体熱伝導性に優れるポリマーからなるシート状物や、熱伝導性添加物を含有させた熱伝導性プラスチックフィルムや、各種不織布や、ガラスクロスや、ハニカム構造体などを挙げることができる。プラスチックフィルムとしては、ポリイミドポリエチレンテレフタレートポリエチレンナフタレートポリテトラフルオロエチレンポリエーテルケトンポリエーテルスルホンポリメチルペンテンポリエーテルイミドポリスルホンポリフェニレンスルフィドポリアミドイミドポリエステルイミド芳香族ポリアミドなどの耐熱性ポリマーのフィルムを使用することができる。

0113

3.使用例
本発明の熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)は、電子部品の一部として用いることができる。その際、放熱体のような基材上に直接的に成形して、電子部品の一部として提供することもできる。当該電子部品の具体例としては、エレクトロルミネッセンス(EL)、発光ダイオードLED)光源を有する機器における発熱部周囲の部品自動車等のパワーデバイス周囲の部品、燃料電池太陽電池バッテリー携帯電話携帯情報端末(PDA)、ノートパソコン液晶表面伝導型電子放出素子ディスプレイ(SED)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、又は集積回路(IC)など発熱部を有する機器や部品を挙げることができる。

0114

なお、本発明の熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)の電子機器への使用方法の一例として、LED光源を具体例に下記に記述するような使用方法を挙げることができる。すなわちLED光源に直接貼り付ける;LED光源と放熱材料(ヒートシンク、ファンペルチェ素子ヒートパイプグラファイトシートなど)との間に挟みこむ;LED光源に接続された放熱材料(ヒートシンク、ファン、ペルチェ素子、ヒートパイプ、グラファイトシートなど)に貼り付ける;LED光源を取り囲む筐体として使用する;LED光源を取り囲む筐体に貼り付ける;LED光源と筐体との隙間を埋める;などの方法である。LED光源の用途例としては、透過型液晶パネルを有する表示装置バックライト装置テレビ携帯、PC、ノートPC、PDAなど);車両用灯具工業用照明;商業用照明;一般住宅用照明;などが挙げられる。

0115

また、LED光源以外の具体例としては、以下が挙げられる。すなわち、PDPパネル;IC発熱部;冷陰極管CCFL);有機EL光源;無機EL光源高輝度発光LED光源;高輝度発光有機EL光源;高輝度発光無機EL光源;CPU;MPU;半導体素子;などである。

0116

更に本発明の熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)の使用方法としては、装置の筐体に貼り付けることなどを挙げることができる。例えば、自動車などに使用される装置では、自動車に備えられる筐体の内部に貼り付ける;自動車に備えられる筐体の外側に貼り付ける;自動車に備えられる筐体の内部にある発熱部(カーナビ/燃料電池/熱交換器)と該筐体とを接続する;自動車に備えられる筐体の内部にある発熱部(カーナビ/燃料電池/熱交換器)に接続した放熱板に貼り付ける;ことなどが挙げられる。

0117

なお、自動車以外にも、同様の方法で本発明の本発明の熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)を使用することができる。その対象としては、例えばパソコン;住宅;テレビ;携帯電話機自動販売機冷蔵庫;太陽電池;表面伝導型電子放出素子ディスプレイ(SED);有機ELディスプレイ;無機ELディスプレイ有機EL照明;無機EL照明;有機ELディスプレイ;ノートパソコン;PDA;燃料電池;半導体装置炊飯器洗濯機洗濯乾燥機光半導体素子蛍光体とを組み合わせた光半導体装置;各種パワーデバイス;ゲーム機キャパシタ;などが挙げられる。

0118

更に、本発明の本発明の熱伝導性感圧接着剤組成物(F)及び熱伝導性感圧接着性シート状成形体(G)は上記の使用方法に留まらず、用途に応じて他の方法で使用することも可能である。例えば、カーペットや温暖マットなどの熱の均一化のために使用する;LED光源/熱源封止剤として使用する;太陽電池セルの封止剤として使用する;太陽電池のバックシ−トとして使用する;太陽電池のバックシ−トと屋根との間に使用する;自動販売機内部の断熱層の内側に使用する;有機EL照明の筐体内部に、乾燥剤吸湿剤と共に使用する;有機EL照明の筐体内部の熱伝導層及びその上に、乾燥剤や吸湿剤と共に使用する;有機EL照明の筐体内部の熱伝導層、放熱層、及びその上に、乾燥剤や吸湿剤と共に使用する;有機EL照明の筐体内部の熱伝導層、エポキシ系の放熱層、及びその上に、乾燥剤や吸湿剤と共に使用する;人や動物冷やすための装置、衣類タオル、シートなどの冷却部材に対し、身体と反対の面に使用する;電子写真複写機電子写真プリンタなどの画像形成装置に搭載する定着装置加圧部材に使用する;電子写真複写機、電子写真プリンタなどの画像形成装置に搭載する定着装置の加圧部材そのものとして使用する;制膜装置処理対象体を載せる熱流制御用伝熱部として使用する;制膜装置の処理対象体を載せる熱流制御用伝熱部に使用する;放射性物質格納容器外層内装の間に使用する;太陽光線吸収するソーラパネルを設置したボックス体の中に使用する;CCFLバックライト反射シートアルミシャーシの間に使用する;ことなどを挙げることができる。

0119

以下に、実施例にて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、ここで用いる「部」や「%」は、特に断らない限り、質量基準である。

0120

流動性
後述する第1及び第2混合工程を経て得られた混合組成物の流動性を評価した。具体的には、混合組成物が入れられたホバート容器を水平面に対して30°傾け、1分後の該混合組成物の状態で評価した。その結果を表2及び表3に示した。混合組成物が傾斜に沿って流れた場合を「○」、動かなかった場合を「×」とした。混合組成物に流動性がある方が、該混合組成物をシート化し易くなる。すなわち、熱伝導性感圧接着性シート状成形体を製造し易くなる。

0121

体積抵抗率(絶縁性)>
後述する方法で作製した熱伝導性感圧接着性シートを80mm×80mmの大きさに裁断した試験片を用意した。デジタル超高抵抗微少電流計(商品名「8340A」、株式会社エーディーシー製)に試験片をセットして、該試験片の左右両端電流を流して抵抗率を測定した。電圧は500Vから開始して測定できる電圧まで徐々に下げていき、測定できる電圧での抵抗率を測定した。なお、チャージ時間は1分とした。該測定を3回行い、その平均値を熱伝導性感圧接着性シートの体積抵抗率(単位:Ω・cm)とした。結果を表2及び表3に示した。この評価による結果が1.0×1010Ω・cm以上であれば、絶縁性が優れていると言える。

0122

クールダウン効果>
後述する方法で作製した熱伝導性感圧接着性シート状成形体を25mm×25mmの大きさに裁断した試験片を用意した。試験片を150mm×150mm×厚さ3mmのアルミニウム板に貼り付け、試験片の、アルミニウム板に貼り付けた側とは反対側の面に、マイクロセラミックヒーター坂口電熱株式会社製、商品名:MS−5、25mm×25mm)を両面テープで固定し、該アルミニウム板を宙吊りにした。その後、マイクロセラミックヒーターをスライダックに接続し、60Wで60分間加熱したときのマイクロセラミックヒーターの表面をサーモグラフィー撮影した。そのときの最高温度を表2及び表3に示した。当該温度が低くなった方がマイクロセラミックヒーターからアルミニウム板に多くの熱を伝えられていることを意味するので、当該温度が低い程、熱伝導性感圧接着性シート状成形体の熱抵抗が低いと言える。なお、本評価は23℃雰囲気下で行った。

0123

(実施例1)
反応器に、アクリル酸2−エチルヘキシル94%とアクリル酸6%とからなる単量体混合物100部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.03部及び酢酸エチル700部を入れて均一に溶解し、窒素置換後、80℃で6時間重合反応を行った。重合転化率は97%であった。得られた重合体を減圧乾燥して酢酸エチルを蒸発させ、粘性のある固体状の(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1−1)を得た。(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1−1)の重量平均分子量(Mw)は270,000、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)は3.1であった。重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、テトラヒドロフラン溶離液とするゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、標準ポリスチレン換算で求めた。

0124

次に、ペンタエリスリトールトリアクリレートペンタエリスリトールテトラアクリレート及びペンタエリスリトールジアクリレートを60:35:5の割合で混合した多官能性単量体1.0部と、アクリル酸2−エチルヘキシル(表2及び表3では、「2EHA」と略記している。)88部と、有機過酸化物熱重合開始剤(1,6−ビス(t−ブチルペルオキシカルボニルオキシ)ヘキサン(1分間半減期温度は150℃である。))1.0部と、を電子天秤で計量し、これらを上記(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1−1)13部と混合した。混合には、恒温槽(東機産業株式会社製、商品名「ビスコメイト150III」)及びホバートミキサー(株式会社小平製作所製、商品名「ACM−5LVT型」、容量:5L)を用いた。ホバート容器の温調は60℃に設定し、回転数目盛を3にして10分間攪拌した。この工程を第1混合工程という。

0125

次に、リン酸エステル(味の素ファインテクノ株式会社製、商品名「レオフォス65」、化合物名「リン酸トリアリールイソプロピル化物」)50部と、アルミナ(昭和電工株式会社製、商品名「AL−47−H」、平均粒径:2μm、BET比表面積:1.1m2/g)1000部と、酸化亜鉛(株式会社アムテック製、パナテトラWZ−0511)2部と、を計量して上記ホバート容器に投入し、ホバート容器の温調を60℃に設定し、回転数目盛を5にして10分間攪拌した。この工程を第2混合工程という。

0126

次に、上記第1及び第2混合工程を経て得た混合組成物を離型PETフィルム上に垂らし、当該混合組成物上にさらに離型PETフィルムを被せた。混合組成物が離型PETフィルムに挟持されたこの積層体を、両者の間隔を0.3mmにしたロールの間を通し、シート状にした。その後、当該積層体をオーブンに投入し、150℃で15分間加熱した。この加熱工程によって、アクリル酸エステル単量体を重合及び架橋反応させ、熱伝導性感圧接着性シート状成形体(以下、単に「シート」と表記する。)(G1)を得た。なお、シート(G1)中の残存単量体量から(メタ)アクリル酸エステル単量体の重合転化率を計算したところ、99.9%であった。

0127

(実施例2乃至6、及び比較例1乃至6)
各材料の配合を表2及び表3に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、シート(G2〜6、GC1〜6)を得た。

0128

実施例2乃至6、及び比較例1乃至6で使用した、これまでに説明していない添加剤は、下記の通りである。
・水酸化アルミニウム(日本軽金属株式会社製、商品名「BF−083」、平均粒径:8μm、BET比表面積:0.8m2/g)
・アルミナ:昭和電工株式会社製、商品名「A−13−H」、平均粒径:57μm、BET比表面積:0.8m2/g

0129

0130

実施例

0131

表2に示すように、実施例にかかるシート(G1)乃至(G8)は、いずれもシート化する前の混合組成物の流動性が良く、シート化後、該シートは体積抵抗率が高く、クールダウン効果が優れていた。一方、表3に示すように、比較例にかかるシート(GC1)乃至(GC8)は上記性能のいずれかが劣っていた。具体的には、以下の通りであった。
・比較例1:酸化亜鉛を含まない比較例1のシート(GC1)は、クールダウン効果が劣っていた。
・比較例2:酸化亜鉛の含有量が本発明で規定する範囲に満たない比較例2のシート(GC2)も、クールダウン効果が劣っていた。
・比較例3:酸化亜鉛の含有量が本発明で規定する範囲を超えた比較例3のシート(GC3)は、体積抵抗率が低くなった。
・比較例4:熱伝導性フィラーの含有量が本発明で規定する範囲に満たない比較例4のシート(GC4)は、クールダウン効果が劣っていた。
・比較例5:熱伝導性フィラーの含有量が本発明で規定する範囲を超えた比較例5のシート(GC5)は、シート化する前の混合組成物に流動性がなく、シート化できなかった。
・比較例6:本発明で規定する範囲より大きな粒径の熱伝導性フィラーを用いた比較例6のシート(GC6)は、クールダウン効果が劣っていた。

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