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課題・解決手段

容易にかつ大量に産生することが可能であり、低濃度でも抗菌力が高く、その上抗菌スペクトルが広く、さらには耐性菌の生じる可能性が低いバクテリオシンを提供する。当該バクテリオシンは、配列表の配列番号1もしくは配列番号2に示すアミノ酸配列、または、配列表の配列番号1もしくは配列番号2に示すアミノ酸配列において1もしくは数個アミノ酸欠失置換、挿入および/もしくは付加され抗菌活性をもたらすアミノ酸配列を有し、かつ等電点が12以上であることを特徴とする。

概要

背景

現在、う蝕症および歯周疾患等の口腔内疾患全身の健康との関連性が重視されている。そこで、う蝕症および歯周疾患等の口腔内疾患の治療方法として、これらの原因菌に対して抗菌力を発揮するペプチドが多く開発されている。例えば、非特許文献1には、ラクトバチルスラムノーサスstrain68株によって産生される、低分子バクテリオシンラムシンA(rhamnosin A)について記載されている。

また、う蝕菌および歯周病菌等の口腔内疾患の原因菌に対して抗菌力を発揮する、新規乳酸菌分離同定についても近年よく行われている。例えば、本発明者は以前、口腔内疾患の原因菌に対して抗菌スペクトルが広く、風味が良く、かつ嗜好性に優れた発酵物を製造可能である、新規乳酸菌株ラクトバチルス・ラムノーサスKO3株(L8020菌)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)YU3株およびラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)YU4株を提案した(特許文献1参照)。さらに、口腔内疾患の治療方法のうち、抗菌ペプチドおよび乳酸菌分離株以外の技術では、抗生物質による治療方法も提案されている。

概要

容易にかつ大量に産生することが可能であり、低濃度でも抗菌力が高く、その上抗菌スペクトルが広く、さらには耐性菌の生じる可能性が低いバクテリオシンを提供する。当該バクテリオシンは、配列表の配列番号1もしくは配列番号2に示すアミノ酸配列、または、配列表の配列番号1もしくは配列番号2に示すアミノ酸配列において1もしくは数個アミノ酸欠失置換、挿入および/もしくは付加され抗菌活性をもたらすアミノ酸配列を有し、かつ等電点が12以上であることを特徴とする。

目的

本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、容易にかつ大量に産生することが可能であり、低濃度でも抗菌力が高く、その上抗菌スペクトルが広く、さらには耐性菌の生じる可能性が低いバクテリオシンの提供を目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

配列表の配列番号1もしくは配列番号2に示すアミノ酸配列、または、配列表の配列番号1もしくは配列番号2に示すアミノ酸配列において1もしくは数個アミノ酸欠失置換、挿入および/もしくは付加され抗菌活性をもたらすアミノ酸配列を有し、かつ等電点が12以上であることを特徴とする、バクテリオシン

請求項2

前記バクテリオシンは、う蝕菌、歯周病菌およびカンジダ菌の全てに対して抗菌性を有することを特徴とする、請求項1に記載のバクテリオシン。

請求項3

請求項1または2に記載のバクテリオシン、または、前記バクテリオシンにおいて薬学的に許容される誘導体もしくは薬学的に許容される塩類を有効成分とすることを特徴とする、口腔内疾患の予防、改善および/または治療用組成物

請求項4

前記口腔内疾患の予防、改善および/または治療用組成物は、う蝕菌、歯周病菌および/またはカンジダ菌の増殖抑制剤であることを特徴とする、請求項3に記載の口腔内疾患の予防、改善および/または治療用組成物。

請求項5

請求項1または2に記載のバクテリオシンをコードすることを特徴とする、遺伝子。

請求項6

請求項5に記載の遺伝子を組み込んで得られることを特徴とする、組み換え発現ベクター

請求項7

請求項6に記載の組み換え発現ベクターを保有することを特徴とする、宿主細胞

請求項8

請求項6に記載の組み換え発現ベクターにより形質転換されたことを特徴とする、形質転換体

請求項9

前記形質転換体は、細菌であることを特徴とする、請求項8に記載の形質転換体。

請求項10

ラクトバチルスラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)を培養する培養工程と、前記培養工程によって得られた菌体培養物から、請求項1または2に記載のバクテリオシンを抽出する抽出工程と、を含むことを特徴とする、バクテリオシンの生産方法

請求項11

前記ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)は、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)KO1株(独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに2011年1月24日に寄託申請受託番号NITEP−1065として受託)、および/または、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)KO3株(独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに2009年6月10日に寄託申請し受託番号NITEBP−771として受託)であることを特徴とする、請求項10に記載のバクテリオシンの生産方法。

請求項12

前記培養工程において、カンジダ菌の死菌を添加することを特徴とする、請求項10または11に記載のバクテリオシンの生産方法。

請求項13

独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに2011年1月24日に寄託申請し受託番号NITEP−1065として受託されたことを特徴とする、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)KO1株。

技術分野

0001

本発明は、口腔内病気原因菌に対して抗菌力を発揮するバクテリオシン、該バクテリオシンを有効成分とする口腔内疾患の予防、改善および/または治療用組成物、該バクテリオシンをコードする遺伝子、該遺伝子を組み込んで得られる組み換え発現ベクター、該組み換え発現ベクターを保有する宿主細胞、該組み換え発現ベクターにより形質転換された形質転換体、該バクテリオシンの生産方法、ならびに、該バクテリオシンを産生する新規乳酸菌株ラクトバチルスラムノーサスKO1株に関する。

背景技術

0002

現在、う蝕症および歯周疾患等の口腔内疾患と全身の健康との関連性が重視されている。そこで、う蝕症および歯周疾患等の口腔内疾患の治療方法として、これらの原因菌に対して抗菌力を発揮するペプチドが多く開発されている。例えば、非特許文献1には、ラクトバチルス・ラムノーサスstrain68株によって産生される、低分子量バクテリオシンのラムシンA(rhamnosin A)について記載されている。

0003

また、う蝕菌および歯周病菌等の口腔内疾患の原因菌に対して抗菌力を発揮する、新規な乳酸菌分離同定についても近年よく行われている。例えば、本発明者は以前、口腔内疾患の原因菌に対して抗菌スペクトルが広く、風味が良く、かつ嗜好性に優れた発酵物を製造可能である、新規乳酸菌株ラクトバチルス・ラムノーサスKO3株(L8020菌)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)YU3株およびラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)YU4株を提案した(特許文献1参照)。さらに、口腔内疾患の治療方法のうち、抗菌ペプチドおよび乳酸菌分離株以外の技術では、抗生物質による治療方法も提案されている。

0004

国際公開第2011/007584号

先行技術

0005

R. Dimitrijevic, M. Stojanovic, I. Petersen, R. M. Jankov, L. Dimitrijevic, M. Gavrovic-Jankulovic、2009、Journal of Applied Microbiology(107)、2108−2115

発明が解決しようとする課題

0006

しかし、前述したような種々の抗菌ペプチドの大部分は、ヒト等の哺乳類由来のペプチドであったり、人工的に合成されたペプチドである為、容易にかつ大量にこれらのペプチドを産生することができない。その上、低濃度では抗菌力が弱い為、これらを使用する際には高濃度、すなわち大量の抗菌ペプチドが必要となる。

0007

また、抗生物質による治療方法においても、抗生物質の濫用による多剤耐性菌の出現により、その治療効果を得ることができなくなる場合がある。その為、容易にかつ大量に産生でき、低濃度でも抗菌力が高く、さらに耐性菌の生じる可能性が低い、新規なバクテリオシンが求められている。

課題を解決するための手段

0008

本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、容易にかつ大量に産生することが可能であり、低濃度でも抗菌力が高く、その上抗菌スペクトルが広く、さらには耐性菌の生じる可能性が低いバクテリオシンの提供を目的とする。また、該バクテリオシン(薬学的に許容される誘導体等を含む)を有効成分とする口腔内疾患の予防、改善および/または治療用組成物、該バクテリオシンをコードする遺伝子、該遺伝子を組み込んで得られる組み換え発現ベクター、該組み換え発現ベクターを保有する宿主細胞、該組み換え発現ベクターにより形質転換された形質転換体、該バクテリオシンの生産方法、ならびに、該バクテリオシンを産生する新規乳酸菌株のラクトバチルス・ラムノーサスKO1株の提供も目的とする。

0009

本発明者が鋭意研究を行った結果、特許文献1において提案されているラクトバチルス・ラムノーサスKO3株(L8020菌)(独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(〒292−0818 日本国千葉県木更津市かずさ足2−5−8)に2009年6月10日に寄託申請し、その後ブダペスト条約に基づく寄託への移管請求を行い受託番号NITEBP−771として受託)において産生される、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するペプチド(hypothetical proteinHMPREF0539_2969、アクセッション番号ZP_04442437.1、以下Kog1)および配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するペプチド(hypothetical protein HMPREF0539_1169、アクセッション番号ZP_04440638.1、以下Kog2)が、抗菌スペクトルが広く、低濃度において抗菌力が高く、その上耐性菌の生じる可能性が低い等電点が12以上のバクテリオシンとして機能することを発見した。

0010

また、本発明者が鋭意研究を行った結果、同様にKog1およびKog2を産生する新規乳酸菌株である、ラクトバチルス・ラムノーサスKO1株(独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに2011年1月24日に寄託申請し受託番号NITEP−1065として受託)の分離同定にも成功した。すなわち、ラクトバチルス・ラムノーサスKO3株およびラクトバチルス・ラムノーサスKO1株を用いることにより、抗菌スペクトルが広く、低濃度において抗菌力が高く、その上耐性菌の生じる可能性が低いバクテリオシンKog1およびKog2を、容易にかつ大量に産生することが可能であることを見出した。

0011

さらに、本発明者が鋭意研究を行った結果、バクテリオシンKog1およびKog2の、抗菌スペクトルが広く、低濃度において抗菌力が高く、耐性菌の生じる可能性が低い理由について解明した。後の実施例7において詳細に述べるが、これは、バクテリオシンKog1およびKog2が、歯周病菌等のグラム陰性菌が持つ内毒素LPS、Lipopolysaccharide)の不活性化作用を有するためであった。

0012

そこで、本発明の第1の態様に係るバクテリオシンは、配列表の配列番号1もしくは配列番号2に示すアミノ酸配列、または、配列表の配列番号1もしくは配列番号2に示すアミノ酸配列において1もしくは数個アミノ酸欠失置換、挿入および/もしくは付加され抗菌活性をもたらすアミノ酸配列を有し、かつ等電点が12以上であることを特徴とする。

0013

好ましくは、前記バクテリオシンは、う蝕菌、歯周病菌およびカンジダ菌の全てに対して抗菌性を有することを特徴とする。

0014

本発明の第2の態様に係る口腔内疾患の予防、改善および/または治療用組成物は、第1の態様に係るバクテリオシン、または、前記バクテリオシンにおいて薬学的に許容される誘導体もしくは薬学的に許容される塩類を有効成分とすることを特徴とする。

0015

好ましくは、前記口腔内疾患の予防、改善および/または治療用組成物は、う蝕菌、歯周病菌および/またはカンジダ菌の増殖抑制剤であることを特徴とする。

0016

本発明の第3の態様に係る遺伝子は、第1の態様に係るバクテリオシンをコードすることを特徴とする。

0017

本発明の第4の態様に係る組み換え発現ベクターは、第3の態様に係る遺伝子を組み込んで得られることを特徴とする。

0018

本発明の第5の態様に係る宿主細胞は、第4の態様に係る組み換え発現ベクターを保有することを特徴とする。

0019

本発明の第6の態様に係る形質転換体は、第4の態様に係る組み換え発現ベクターにより形質転換されたことを特徴とする。

0020

好ましくは、前記形質転換体は、細菌であることを特徴とする。

0021

本発明の第7の態様に係るバクテリオシンの生産方法は、
ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)を培養する培養工程と、
前記培養工程によって得られた菌体培養物から、第1の態様に係るバクテリオシンを抽出する抽出工程と、
を含むことを特徴とする。

0022

好ましくは、前記ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)は、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)KO1株(独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに2011年1月24日に寄託申請し受託番号NITEP−1065として受託)、および/または、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)KO3株(独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに2009年6月10日に寄託申請し受託番号NITE BP−771として受託)であることを特徴とする。

0023

さらに好ましくは、前記培養工程において、カンジダ菌の死菌を添加することを特徴とする。

0024

本発明の第8の態様に係るラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)KO1株は、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに2011年1月24日に寄託申請し受託番号NITEP−1065として受託されたことを特徴とする。

発明の効果

0025

本発明によれば、容易にかつ大量に産生することが可能であり、抗菌スペクトルが広く、その上耐性菌の生じる可能性が低いバクテリオシン、該バクテリオシン(薬学的に許容される誘導体等を含む)を有効成分とする口腔内疾患の予防、改善および/または治療用組成物、該バクテリオシンをコードする遺伝子、該遺伝子を組み込んで得られる組み換え発現ベクター、該組み換え発現ベクターを保有する宿主細胞、該組み換え発現ベクターにより形質転換された形質転換体、該バクテリオシンの生産方法、ならびに、該バクテリオシンを産生する新規乳酸菌株ラクトバチルス・ラムノーサスKO1株を提供することができる。更に、本発明に係るバクテリオシンは耐熱性が高く、例えば煮沸条件下でも抗菌性能は維持されるものである。

図面の簡単な説明

0026

実施例2に係る0.39から25μMにおけるKog1のカンジダアルビカンスGDH18株に対する抗菌力を示す図である。
実施例2に係る0.39から12μMにおけるKog2のカンジダ・アルビカンスGDH18株に対する抗菌力を示す図である。
実施例3に係るKog1、Kog2および他の抗菌ペプチドのストレプトコッカスソブリナスB−13株に対する抗菌力を示す図である。
実施例4に係るKog1、Kog2および他の抗菌ペプチドのストレプトコッカス・ミュータンスNCTC10449株に対する抗菌力を示す図である。
実施例4に係るKog1、Kog2および他の抗菌ペプチドのストレプトコッカス・ミュータンスIngbritt株に対する抗菌力を示す図である。
実施例5に係るKog1、Kog2および他の抗菌ペプチドのアグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンスHudoe001株に対する抗菌力を示す図である。
実施例6に係るカンジダの死菌を添加したラクトバチルス・ラムノーサスKO1株における、DNAマイクロアレイでのKog1の発現量を示す図である。
実施例6に係るカンジダの死菌を添加したラクトバチルス・ラムノーサスKO1株における、DNAマイクロアレイでのKog2の発現量を示す図である。
実施例7に係るLPSとKog1の量との関係によるccl2の分泌量を示す図である。
実施例7に係るLPSとKog1の量との関係によるTNF−αの分泌量を示す図である。
実施例8に係るLPSとKog2の量との関係によるccl2の分泌量を示す図である。
実施例8に係るLPSとKog2の量との関係によるTNF−αの分泌量を示す図である。
LPSが原因となる種々の疾患等との関係を示す図である。
実施例8に係るreal-time quantitativeRTPCRのType I collagen/β−アクチンの値を示す図である。
実施例9に係る煮沸実験による耐熱データの結果を示す図である。

0027

以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書において「有する」、「含む」または「含有する」といった表現は、「からなる」または「から構成される」という意も含むものとする。

0028

(バクテリオシン)
本発明の実施の形態1に係るバクテリオシンは、特定のアミノ酸配列を有し、特定の効果をもたらし、特定の特徴を有する塩基性抗菌ペプチドに関する。より具体的には、本明細書における「バクテリオシン」とは、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する塩基性抗菌ペプチド(Kog1)、または、配列番号2に記載のアミノ酸配列を有する塩基性抗菌ペプチド(Kog2)を挙げることができる。さらに、配列番号1および配列番号2に記載のアミノ酸配列を有する塩基性抗菌ペプチドにおいて、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されており、抗菌活性をもたらし、かつ等電点が12以上である塩基性抗菌ペプチドも含まれる。「数個」とは、2ないし8個、好ましくは2ないし6個、より好ましくは2ないし5個、さらに好ましくは2ないし4個である。

0029

このようなKog1またはKog2のアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されているアミノ酸配列を有し、かつ抗菌活性をもたらすバクテリオシンの場合、好ましくは、Kog1またはKog2と同等の抗菌力および近似した塩基性(等電点)を有する。さらに好ましくは、う蝕菌、歯周病菌およびカンジダ菌の全てに対して抗菌性を有する。

0030

本実施の形態1に係るバクテリオシンは、後の実施の形態4において詳細に述べるラクトバチルス・ラムノーサスKO1株またはKO3株等を用いる方法により産生しても構わない。しかし、ペプチド合成法または遺伝子工学的方法等の当該技術分野における人工的な常法によって産生してもよい。遺伝子工学的方法については、後の実施の形態3において詳細に述べる。

0031

ペプチド合成法の場合、液相法または固相法を挙げることができる。液相法は、反応を溶液状態で行い、反応混合物から生成物を単離精製し、この生成物を中間体として次のペプチド伸長反応に用いる方法である。一方、固相法は、反応溶媒に対して不溶固相担体にアミノ酸を結合させ、このアミノ酸に順次縮合反応を行い、ペプチド鎖伸長させていく方法である。

0032

具体的に、ペプチド合成は、まず、カルボキシル基を保護したアミノ酸にアミノ基を保護したアミノ酸を脱水縮合させ、ペプチド結合を形成させる。次に、アミノ保護基を除去後、遊離したアミノ基に次のアミノ基保護アミノ酸C末端からN末端に向かって一つずつ順次延長させていく。脱水縮合反応では、カルボキシル基を活性化し、結合させようとするアミノ基と反応させる。活性化にはジシクロへキシカルボジイミド(DCC)法、活性エステル法、酸無水物法またはアジド法等が挙げられるが、その反応性の高さ、ラセミ化およびその他の副反応を考慮し、適宜選択すればよい。縮合反応時の副反応を防止する為、アミノ酸のアミノ基、カルボキシル基および/または側鎖の官能基には保護基が導入される。これらの保護基は、縮合反応での条件において安定であり、必要な時には速やかに除去可能であるものが好ましい。また、アミノ基の保護基とカルボキシル基の保護基とは、互いに選択的に除去可能であることが好ましい。

0033

アミノ基の保護基としては、例えば、ベンジルオキシカルボニル(Bz)、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)、p−ビフェニルイソプロピオキシカルボニルまたは9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)等を挙げることができる。カルボキシ基の保護基としては、例えば、アルキルエステルまたはベンジルエステル等を形成し得る基を挙げることができる。

0034

ただし、固相法の場合、C末端のカルボキシル基はクロロトリチル樹脂クロルメチル樹脂オキシメチル樹脂またはp−アルコキシベンジルアルコール樹脂等の担体に結合している為、縮合反応はカルボジイミド等の縮合剤の存在下、またはN保護アミノ酸活性エステルもしくはペプチド活性エステルを用いて実施すると好ましい。縮合反応終了後、保護基は除去される。固相法の場合、ペプチドのC末端と樹脂との結合も切断される。その後、化学合成されたペプチドは、例えば、イオン交換クロマトグラフィー高速液体クロマトグラフィーHPLC)、逆相クロマトグラフィーアフィニティークロマトグラフィーエドマン分解法またはガスクロマトグラフィー質量分析GC−MS)等により精製、解析をすることができる。

0035

このようなペプチド合成法等、または後述の遺伝子工学的方法およびラクトバチルス・ラムノーサスKO1株またはKO3株を用いる方法によって産生した本実施の形態1に係るバクテリオシンは、薬学的に許容される該バクテリオシンの誘導体等も含め、次に述べる実施の形態2に係る口腔内疾患の予防、改善および/または治療用組成物の有効成分として利用することが可能となる。

0036

(口腔内疾患の予防、改善および/または治療用組成物)
本発明の実施の形態2は、前述の実施の形態1に係るバクテリオシンおよびその薬学的に許容される誘導体等を有効成分とする、口腔内疾患の予防、改善および/または治療用組成物に関する。本実施の形態2に係る口腔内疾患の予防、改善および/または治療用組成物は、前述の実施の形態1に係るバクテリオシンおよびその薬学的に許容される誘導体等を有効成分としている為、同様の特性を有する。

0037

ここで、実施の形態1において述べたバクテリオシンKog1およびKog2のアミノ酸配列およびその特徴について簡単に説明すると、塩基性アミノ酸および疎水性アミノ酸の割合が多いという特徴を有する。この特徴は、哺乳類由来の抗菌ペプチドと近似している為、耐性菌が生じる可能性が低い。また、等電点が12以上であり、高い塩基性の抗菌ペプチドとなることから、細胞毒性が小さくなる。さらに、後述の実施例に示すように、優れた抗菌力を有する。これらのKog1またはKog2における効果についての詳細は、後述の実施例を参照されたい。

0038

なお、本明細書において、「口腔内疾患」とは、例えば、う蝕菌、歯周病菌および/またはカンジダ菌等によって引き起こされる、口腔内における疾患を意味する。具体的には、例えば、う蝕症(虫歯)、歯肉炎歯周炎舌炎鵞口瘡または口角炎等を挙げることができる。

0039

う蝕菌としては、例えば、ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)またはストレプトコッカス・ソブリナス(Streptococcus sobrinus)等を挙げることができる。歯周病菌としては、例えば、アグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンスHudoe001(Aggregatibacter actinomycetemcomitans Hudoe001)、ポルフィロモナスジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)、プレボテラインターメディア(Prevotella intermedia)、トレポネーマ・デンティコーラ(Treponema denticola)、タンネレラ・フォーサセンシス(Tannerella forsythensis)、アクチノバチルス・アクチノミセテムコミタンス(Actinobacillus actinomycetemcomitans)またはフソバクテリウムヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)等を挙げることができる。カンジダ菌としては、例えば、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・グラブレータ(Candida glabrata)またはカンジダ・トロピカリス(Candida tropicalis)等を挙げることができる。

0040

本明細書において、「口腔内疾患の予防、改善および/または治療用組成物」とは、好ましくは、前述の、う蝕菌、歯周病菌および/またはカンジダ菌の増殖抑制剤となる組成物を意味する。具体的には、う蝕菌、歯周病菌および/またはカンジダ菌の増殖を抑制することができる、食品医薬品または口腔用組成物等を挙げることができる。

0041

さらに詳細には、食品の場合、例えば、虫歯、歯周病または口腔内感染症等の予防・改善をコンセプトとした、健康食品、サプリメント特定保健用食品乳飲料ヨーグルトまたはチーズ等を挙げることができる。医薬品の場合、例えば、液剤錠剤顆粒剤細粒剤粉剤タブレットカプセル剤口腔用スプレーまたはトローチ等を挙げることができ、経口投与投与形態が好ましい。口腔用組成物の場合、例えば、洗口剤マウスウォッシュ練歯磨、粉歯磨、水歯磨、口腔用軟膏剤ゲル剤、錠剤、顆粒剤、細粒剤、グミゼリー、トローチ、タブレット、カプセルキャンディーまたはチューインガム等を挙げることができる。

0042

なお、本実施の形態2に係る口腔内疾患の予防、改善および/または治療用組成物において、種々の食品、医薬品または口腔用組成物等を調整する為、薬学的に許容される他の組成物を適宜組み合わせてもよい。さらには、当該バクテリオシンおよび当該組成物を誘導体または塩の形態として使用しても構わない。

0043

誘導体としては、バクテリオシンの一部置換体または付加化合物等のペプチド誘導体を挙げることができる。さらに具体的には、例えば、カルボキシル基をアミド化またはアシル化した誘導体を例示することができる。塩の形態としては、塩酸塩硝酸塩もしくは臭化水素酸塩等の無機酸塩、または、p−トルエンスルホン酸塩、メタスルホン酸塩フマル酸塩コハク酸塩もしくは乳酸塩等の有機酸塩等を挙げることができる。

0044

また、これらの食品、医薬品または口腔用組成物等において、前述の実施の形態1に係るバクテリオシンの有効成分としての含有量および一日における投与量は、当該組成物等の種類によって適宜調節することが可能である。

0045

(遺伝子)
本発明の実施の形態3は、前述の実施の形態1に係るバクテリオシンをコードする遺伝子に関する。具体的には、例えば、配列番号3(Kog1)または配列番号4(Kog2)に記載の塩基配列(および/またはその相補鎖)を有する遺伝子、ポリヌクレオチドを挙げることができる。

0046

このような配列番号3(Kog1)または配列番号4(Kog2)に記載の塩基配列を有する遺伝子は、当該技術分野の当業者であれば常法を用い、ラクトバチルス・ラムノーサスKO1株またはKO3株からDNAの分離精製、抽出を行うことが可能である。また、例えば、DNA合成キット等を使用し人工的にDNA合成を行っても構わない。

0047

(組み換え発現ベクター)
分離精製またはキット等を用いDNA合成した遺伝子配列は、前述の実施の形態1に係るバクテリオシンを遺伝子工学的方法において産生する際に用いる、組み換え発現ベクターに利用することができる。本実施の形態4は、前述の実施の形態3の遺伝子を組み込んで得られる、組み換え発現ベクターに関する。当該組み換え方法は、当業者が利用する任意の方法で構わない。組み換え発現ベクターの構築方法としては、例えば、まず、配列番号3(Kog1)または配列番号4(Kog2)の塩基配列を有する遺伝子の合成を行う。次に、合成した遺伝子と当該遺伝子を宿主細胞内で発現させる為の種々の調節エレメントプロモーターリボゾーム結合部位ターミネーターエンハンサーおよび/または発現レベルを制御する種々のシスエレメント等)とからなる、発現用遺伝子構築物を有する組み換え発現ベクターを宿主細胞に応じて構築する。

0048

(宿主細胞、形質転換体)
このようにして構築した組み換え発現ベクターは、所定の宿主細胞に発現可能に導入される。当該導入方法は、当業者が利用する任意の方法で構わない。本実施の形態5は、該組み換え発現ベクターを保有する、宿主細胞に関する。好ましくは、宿主細胞は、細菌である。例えば、乳酸菌、大腸菌または酵母等を挙げることができる。さらに、実施の形態6は、該組み換え発現ベクターにより形質転換された形質転換体に関する。すなわち、例えば、前述の実施の形態5の組み換え発現ベクターを保有する宿主細胞において形質転換が起こった形質転換細胞が挙げられる。好ましくは、形質転換体は、細菌である。前述と同様に、例えば、乳酸菌、大腸菌または酵母等を挙げることができる。これらの細菌を所定の条件で培養する。これにより、前述の実施の形態1に係るバクテリオシンの宿主細胞(細菌)内での発現および産生が可能となり、容易にかつ大量に抽出、精製することができる。詳細な生産方法については、後述の実施の形態7での乳酸菌ラクトバチルス・ラムノーサスを培養する場合とほぼ同様であるため、参照されたい。

0049

(バクテリオシンの生産方法)
本発明の実施の形態7は、ラクトバチルス・ラムノーサスを用いる、前述の実施の形態1に係るバクテリオシンの生産方法に関する。

0050

具体的には、ラクトバチルス・ラムノーサスを培養する工程と、培養工程によって得られた菌体培養物から、前述の実施の形態1に係るバクテリオシンを抽出する工程と、を含む。好ましくは、当該ラクトバチルス・ラムノーサスは、ラクトバチルス・ラムノーサスKO3株および/または新規乳酸菌株ラクトバチルス・ラムノーサスKO1株である。

0051

なお、ラクトバチルス・ラムノーサスKO1株およびKO3株は、例えば、121度で20分間滅菌したMR培地等に接種し、37度において48時間大気下で前培養し、蒸留水超純水または緩衝液等で洗浄後、遠心分離等で集菌し、菌体を得ることができる。

0052

ラクトバチルス・ラムノーサスKO1株およびKO3株はKog1およびKog2を産生する為、ラクトバチルス属ラムノーサス種の菌株であれば、Kog1およびKog2を産生することが示唆される。従って、ラクトバチルス属ラムノーサス種の菌株を大量に培養し、当該技術分野におけるタンパク質抽出の常法(例えば、細胞破砕法等)を用いることにより、産生されたKog1およびKog2ペプチドを容易にかつ大量に得ることが可能となる。

0053

培養工程では、果汁培地、野菜汁培地、牛乳培地、脱脂粉乳培地、乳成分を含む培地または乳成分を含まない半合成培地等、種々の培地を使用することが可能である。具体的には、例えば、脱脂乳還元して加熱滅菌した還元脱脂乳培地酵母エキスを添加した脱脂粉乳培地、MRS培地またはGAM培地等を挙げることができる。

0054

培養方法は、静地培養、pHを一定にした中和培養回転培養または連続培養等、当該ラクトバチルス・ラムノーサスが良好に生育する条件であれば特に制限はない。ラクトバチルス・ラムノーサスKO3株の詳細な菌学的性質は、実施の形態8において後述する新規乳酸菌株ラクトバチルス・ラムノーサスKO1株の詳細な菌学的性質とほぼ同様である。

0055

なお、培養工程においてカンジダ属の菌の死菌を添加すると、より大量にKog1およびKog2を得ることができる為、好ましい(実施例6参照)。

0056

(ラクトバチルス・ラムノーサスKO1株)
ラクトバチルス・ラムノーサスKO1株(独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに2011年1月24日に寄託申請し受託番号NITEP−1065として受託)は、本発明者によってヒトの口腔内から新規に分離同定された乳酸菌株である。なお、ラクトバチルス・ラムノーサスKO1株は、ラクトバチルス・ラムノーサスKO3株と同様、Kog1およびKog2を産生するラクトバチルス属ラムノーサス種に分類されるが、種々のタンパク質の発現量およびゲノム情報が異なる新規な乳酸菌株である。

0057

ラクトバチルス・ラムノーサスKO1株は、16SrRNAの塩基配列がラクトバチルス・ラムノーサスstrainIDCC3201の塩基配列と1443/1443の間で100%の相同性を示し、グラム染色後の顕微鏡下においてグラム陽性桿菌様相を呈することから、ラクトバチルス属ラムノーサス種であると同定された。当該ラクトバチルス・ラムノーサスKO1株の菌学的性質は、グラム陽性乳酸桿菌ホモ型乳酸発酵カタラーゼ陰性芽胞形成能無し、好気条件下でも培養可能、菌体外多糖類を形成することを特徴とする。

0058

実施の形態7において前述したとおり、本実施の形態8に係る新規乳酸菌株ラクトバチルス・ラムノーサスKO1株を培養することにより、培養によって得られた菌体培養物から、前述の実施の形態1に係る塩基性抗菌ペプチドKog1およびKog2を容易にかつ大量に抽出することが可能となるため効果的である。

0059

以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、実施例は本発明を限定するものではない。

0060

(調製例)
本調製例では、被験菌株の調製・培養方法について説明する。

0061

カンジダ菌、う蝕菌および歯周病菌としては、カンジダ・アルビカンスGDH18株、ストレプトコッカス・ソブリナスB−13株、ストレプトコッカス・ミュータンスNCTC10449株、ストレプトコッカス・ミュータンスIngbritt株、ポルフィロモナス・ジンジバリスHudoi001株、および、アグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンスHudoe001株を使用し、各被験菌株は日本国国立大学法人広島大歯学部および歯科病院において提供を受けた。

0062

カンジダ・アルビカンスGDH18株は、SD培地(Difco社)を用い、37度で24時間好気条件下で前培養を行った。ストレプトコッカス・ソブリナスB−13株、ストレプトコッカス・ミュータンスNCTC10449株およびストレプトコッカス・ミュータンスIngbritt株は、5%の酵母エキス(Difco社)を添加したTSB培地(Difco社)を用い、37度で24時間好気条件下で前培養を行った。ポルフィロモナス・ジンジバリスHudoi001株、および、アグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンスHudoe001株は、ヘミン(5mg/L)およびビタミンK3(1mg/L)を添加したBHI培地(Difco社)を用い、37度で96時間Anaero Pack System(三菱ガス化学株式会社)を使用した嫌気条件下で前培養を行った。

0063

培養後、これらのカンジダ菌、う蝕菌および歯周病菌は、1000×gでの遠心分離において集菌し、1mM、pH6.8のリン酸塩緩衝液を用いて二回洗浄し、最終濃度が1×108cfu/mlまたは1×107cells/mlとなるよう懸濁した。ストレプトコッカス属の菌株の懸濁には超音波処理も行った。

0064

(実施例1)
本実施例1は、Kog1およびKog2の合成に関する。

0065

まず、バクテリオシンとしての機能を確認する為、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するKog1、および、配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するKog2を、9−フルオレニルメチルオキシカルボニルを保護基、p−ベンゾイルオキシベンジルアルコールを樹脂として用いたティーバッグ法(Helmerhorstらの方法(1999))にて合成した。塩基性抗菌ペプチド完成後、5%チオアニソール、5%フェノール、5%精製水および85%トリフルオロ酢酸の混合物を用い、樹脂からの切断および側鎖での脱保護基を行った。

0066

合成後のKog1およびKog2の等電点(pI)および分子量(MW)を測定すると、Kog1はpI=12.90、MW=5485.5であり、Kog2はpI=12.38、MW=4686.6であった。抗菌ペプチドにおいて、hBD2(ヒトβ−ディフェンシン−2(Eur J.、2002、Oral Sci.(109)、121−124参照))が、塩基性の抗菌ペプチドとして有名であり、等電点は10程度である。しかし、本実施例2に係るKog1およびKog2の等電点は、当該hBD2の等電点よりも高く、哺乳類由来の抗菌ペプチドにより近似しており、すなわち細胞毒性が小さいということが確認された。

0067

なお、合成後のペプチドの精製および純度分析は、高速液体クロマトグラフィーおよび逆相クロマトグラフィーによって行った。さらに、分子量の確認は質量分析計(MALDI−TOF)によって行った。

0068

(実施例2)
本実施例2は、カンジダ・アルビカンスGDH18株に対するKog1およびKog2の抗菌力の分析に関する。

0069

抗菌活性の評価は、Edgertonらの方法(1998)にいくらかの変更を加えた方法において行った。前述の調製例に記載の方法において培養・調製しておいたカンジダ・アルビカンスGDH18株の懸濁液20μlを、前述の実施例1において合成したKog1またはKog2を0から25μM含ませた1mMリン酸塩緩衝液20mlに混合し、振動させながら37度において90分間インキュベートした。なお、コントロールとしては、1mMリン酸塩緩衝液20mlのみのものを用いた。反応を360mlのYNB培地(Difco社)を加える事によって停止させ、形成されるコロニー(colony forming units;CFUs)をコントロールのものと共にカウントすることによって、生存する菌のパーセンテージとした。すなわち、(Kog1またはKog2を含む懸濁液のCFUs/コントロールの懸濁液のCFUml−1)×100の式を用い、パーセンテージを算出した。

0070

図1は、実施例2に係る0.39から25μMにおけるKog1のカンジダ・アルビカンスGDH18株に対する抗菌力を示す図である。図2は、実施例2に係る0.39から12μMにおけるKog2のカンジダ・アルビカンスGDH18株に対する抗菌力を示す図である。図1および図2に示すように、Kog1およびKog2とも、いずれも0.39μMのペプチド濃度において、カンジダ・アルビカンスGDH18株を100%死滅させていた。

0071

同方法および同条件下において、抗真菌剤であるアンホテリシンB牛乳由来抗菌ペプチドであるラクトフェリシンB(配列番号5に記載のアミノ酸配列を有する)、ヒト唾液由来抗菌ペプチドであるヒスタチン5(配列番号6に記載のアミノ酸配列を有する)、および、特許第3472821号の抗菌ペプチドであるJH8194(配列番号7に記載のアミノ酸配列を有する)の抗菌力を測定したところ、それぞれ、5μMで100%、5μMで100%、100μMで100%、2.5μMで100%死滅させていた。なお、いずれも実施例1と同様にティーバッグ法でペプチド合成を行った。

0072

この結果から、抗菌ペプチドKog1およびKog2は、これらいずれの抗真菌剤および抗菌ペプチドよりも低濃度において、すなわち少量でカンジダ菌を死滅させることができるということが証明された。

0073

(実施例3)
本実施例3は、ストレプトコッカス・ソブリナスB−13株に対するKog1およびKog2の抗菌力の分析に関する。具体的には、hBD2およびリゾチームタンパク(Lysozyme)と抗菌力を比較した実施例を示す。

0074

ストレプトコッカス・ソブリナスB−13株は、調製例にて述べた方法において培養、調製しておいた。抗菌力の評価方法は、前述の実施例2と同様の方法を用いて評価した。なお、各抗菌ペプチドの濃度が0から100μMの場合について評価した。

0075

図3は、実施例3に係るKog1、Kog2および他の抗菌ペプチドのストレプトコッカス・ソブリナスB−13株に対する抗菌力を示す図である。なお、図3横軸のペプチド濃度(Concentration of peptide)については、対数軸で示されている。図3に示すように、hBD2は、濃度が3.125μMでストレプトコッカス・ソブリナスB−13株を100%死滅させていた。リゾチームタンパクは、完全にストレプトコッカス・ソブリナスB−13株を死滅させることはできなかった。一方、Kog1は濃度が1.56μMで、Kog2は濃度が0.39μMで、ストレプトコッカス・ソブリナスB−13株を100%死滅させていた。従って、被験菌株がストレプトコッカス・ソブリナスB−13株の場合でも、低濃度で死滅可能ということが証明された。

0076

(実施例4)
本実施例4は、ストレプトコッカス・ミュータンス菌に係るKog1およびKog2の抗菌力の分析に関する。具体的には、前述の実施例3と同様に、hBD2およびリゾチームタンパクと抗菌力を比較した実施例を示す。

0077

ストレプトコッカス・ミュータンスNCTC10449株およびストレプトコッカス・ミュータンスIngbritt株は、前述の調製例の方法において培養、調製しておいた。抗菌力の評価方法は、前述の実施例3と同様の方法を用いて評価、比較した。なお、いずれのミュータンス菌についても、抗菌ペプチドの濃度が0から100μMの場合について評価、比較した。

0078

図4は、実施例4に係るKog1、Kog2および他の抗菌ペプチドのストレプトコッカス・ミュータンスNCTC10449株に対する抗菌力を示す図である。図5は、実施例4に係るKog1、Kog2および他の抗菌ペプチドのストレプトコッカス・ミュータンスIngbritt株に対する抗菌力を示す図である。図4および図5の横軸のペプチド濃度(Concentration of peptide)については、対数軸で示されている。図4および図5に示すように、やはり、ミュータンス菌に関しても、他の抗菌ペプチドと比べると、Kog1およびKog2は比較的低濃度において多量のミュータンス菌を死滅させることができると評価される。

0079

また、図示していないが、Kog1およびKog2はポルフィロモナス・ジンジバリスHudoi001株に対しても抗菌力を発揮することが評価された。この結果は、本発明者の発見したラクトバチルス・ラムノーサスKO3株が、ポルフィロモナス・ジンジバリスHudoi001株についても抗菌力を発揮することが特許文献1の実施例により評価、記載されていることからも示唆されることである。すなわち、特許文献1に記載の実施例を考慮すると、ラクトバチルス・ラムノーサスKO3株がKog1およびKog2を発現し、該Kog1およびKog2がポルフィロモナス・ジンジバリスHudoi001株に対する抗菌力を発揮していたと推測される。これらを踏まえると、Kog1およびKog2は、他のポルフィロモナス属ジンジバリス種の菌株(歯周病菌等)に対しても同様の抗菌力を発揮することが示唆される。

0080

(実施例5)
さらに、本発明者はその他の歯周病菌に対する抗菌力についても分析した。本実施例5は、歯周病菌アグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンスHudoe001株に係るバクテリオシンKog1およびKog2の抗菌力の分析に関する。具体的には、前述と同様のhBD2およびヒスタチン5、さらにラクトフェリシンBおよびラクトフェリシンH(ヒト由来ラクトフェリシン)と抗菌力を比較した実施例を示す。

0081

アグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンスHudoe001株は、前述の調製例の方法において培養、調製しておいた。抗菌力の評価方法は、前述の実施例3と同様の方法を用いて評価、比較した。なお、それぞれの抗菌ペプチドの濃度が0から50μMの場合について評価、比較した。

0082

図6は、実施例5に係るKog1、Kog2および他の抗菌ペプチドのアグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンスHudoe001株に対する抗菌力を示す図である。なお、図6の横軸のペプチド濃度(Concentration of peptide)については、対数軸で示されている。図6に示すように、Kog1が3.13μM、Kog2が1.56μMにおいて、歯周病菌アグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンスHudoe001株を100%死滅させた。これは、ラクトフェリシンBまたはhBD2と同等か、それ以上の抗菌性である。

0083

(実施例6)
本実施例6は、カンジダの死菌を添加しながらのラクトバチルス・ラムノーサスKO1株の培養に関する。具体的には、カンジダ・アルビカンスGDH18株の死菌の非存在下および存在下において、ラクトバチルス・ラムノーサスKO1株を培養し、Kog1およびKog2の発現量をDNAマイクロアレイシステムによって測定した。

0084

まず、0、2、4および6μgのカンジダ・アルビカンスGDH18株の死菌を含む5mlのMRS培地の中に、20μlのラクトバチルス・ラムノーサスKO1株懸濁液を接種し、37℃において48時間インキュベートした。インキュベート後、菌をすぐに100mlのRNAprotect reagent(Qiagen)および900mlのリフピン(25mg/mlメタノール)(Sigma-Aldrich)の中へ懸濁した。その後、ボルテックスによって15分間混合し、室温において10分間インキュベートした。これらの処理の後、遠心分離により菌を集菌し、上清廃棄し、−20℃において保存しておいたペレットからRNA抽出キットによって精製した。このように前処理を行い、その後、マイクロアレイデータ統計分析をNimbleGenマイクロアレイ解析ソフトウェアを用い、分析を行った。

0085

図7は、実施例6に係るカンジダの死菌を添加したラクトバチルス・ラムノーサスKO1株における、DNAマイクロアレイでのKog1の発現量を示す図である。図8は、実施例6に係るカンジダの死菌を添加したラクトバチルス・ラムノーサスKO1株における、DNAマイクロアレイでのKog2の発現量を示す図である。図7および図8のいずれにおいても、左端のKO1株のみの培養に比べ、カンジダ(CaGDH18)の死菌を共存させて培養した場合の方が、その量に依存し(左から2、4および6μg)、Kog1およびKog2とも発現量が増加していた。

0086

これらの実施例の結果から、新規乳酸菌株ラクトバチルス・ラムノーサスKO1株、ならびに同様にKog1およびKog2を産生するラクトバチルス・ラムノーサスKO3株を培養することにより、抗菌スペクトルが広く(う蝕菌、歯周病菌およびカンジダ菌)、その上耐性菌の生じる可能性が低い等電点12以上のバクテリオシンKog1およびKog2を、容易にかつ大量に産生することが可能であることが証明された。さらに、ラクトバチルス属ラムノーサス種の他の菌株においても、バクテリオシンKog1およびKog2を容易にかつ大量に産生することが可能であることが示唆される。また、これらの結果から、当該バクテリオシンKog1またはKog2をコードする遺伝子を組み込んで得られる組み換え発現ベクターで形質転換させた乳酸菌または大腸菌等の細菌を培養することによっても、優れた抗菌力を有するバクテリオシンKog1またはKog2を容易にかつ大量に産生することができることは、当該技術分野の当業者にとって当然である。

0087

(実施例7)
本実施例7では、実施例1ないし6において証明された、バクテリオシンKog1およびKog2の抗菌スペクトルの広さ、および塩基性の等電点による耐性菌の生じ難さについて検討した。なお、本発明者は、バクテリシオンKog1およびKog2が、歯周病菌等のグラム陰性菌の持つLPSを不活性化しているのではないかと予測し、LPSとバクテリオシンKog1およびKog2との関係について分析した。

0088

まず、培地には、10%FBS(Fetal Bovine Serum)(Biological industries, Haemek, Israel)、1%抗生物質、および1%L−グルタミンを添加したRPMI1640培地を使用した。24−well plateに、それぞれ前述の培地400μlずつを添加し、マウス由来RAW264.7マクロファージ様細胞を、100,000cells/well播種しておいた。

0089

なお、バクテリオシンKog1またはKog2は、実施例1と同様のものを使用し、エッペンチューブにおいて、次の四つの条件で、Porphyromonas gingivalisLPS(InvivoGen社製)(以下、P.g−LPS)と、前述と同様の培地と共に、37度、5%CO2気相下において2時間インキュベートを行った。(1)100ng/ml P.g−LPS positive control、(2)100ng/ml P.g−LPS+5μMKog1またはKog2、(3)100ng/ml P.g−LPS+10μMKog1またはKog2、(4)100ng/ml P.g−LPS+20μMKog1またはKog2。

0090

最初に述べたそれぞれの24−well plateの培地をピペットマンを用いて吸った後、前述の四つの条件のそれぞれのエッペンチューブの培地を入れて、well plateの細胞と共に、37度、5%CO2気相下において12時間培養した。その後、培養上清回収し、ELISA法で培地中に分泌されたケモカインのccl2の量、またはサイトカインのTNF−αの量を、吸光度450nmマイクロプレートリーダーを用いて定量した。これらはいずれも炎症の形成に関与する為、内毒素であるLPSと、バクテリオシンKog1およびKog2との関係を分析することができる。

0091

図9は、実施例7に係るLPSとKog1の量との関係によるccl2の分泌量を示す図である。すなわち、LPSとKog1とを用いて2時間のインキュベートを行った際の、分泌されたケモカインのccl2の量(Kog1が0μMの場合を100%とする)を示す(LPS+kog1→cell ccl2)。図9では、*(有意水準)=p<0.05、**(有意水準)=p<0.01であり、n=3である。図9に示すように、Kog1の添加量が増加するほど、分泌されたケモカインのccl2の量が減少していた。すなわち、バクテリオシンKog1は、LPSの不活性化作用を有するということが解った。

0092

図10は、実施例7に係るLPSとKog1の量との関係によるTNF−αの分泌量を示す図である。すなわち、LPSとKog1とを用いて2時間のインキュベートを行った際の、分泌されたサイトカインのTNF−αの量(Kog1が0μMの場合を100%とする)を示す(LPS+kog1→cell TNF−α)。図10では、**(有意水準)=p<0.01であり、n=3である。図10に示すように、Kog1の添加量が増加するほど、分泌されたサイトカインのTNF−αの量が減少していた。すなわち、図9に示す結果と同様に、バクテリオシンKog1は、LPSの不活性化作用を有するということが解った。

0093

図11は、実施例7に係るLPSとKog2の量との関係によるccl2の分泌量を示す図である。すなわち、LPSとKog2とを用いて2時間のインキュベートを行った際の、分泌されたケモカインのccl2の量(Kog2が0μMの場合を100%とする)を示す(LPS+kog2→cell ccl2)。図11では、*(有意水準)=p<0.05、**(有意水準)=p<0.01であり、n=3である。図11に示すように、Kog2の添加量が少量の場合(5μM)は分泌されたケモカインのccl2の量は増加してしまうが、添加量がある一定量を超えると、添加量が増加するほどccl2の量が減少していくことが示唆される。すなわち、Kog2も、多量を添加することによって、LPSの不活性化作用を有するということが解った。

0094

図12は、実施例7に係るLPSとKog2の量との関係によるTNF−αの分泌量を示す図である。すなわち、LPSとKog2とを用いて2時間のインキュベートを行った際の、分泌されたサイトカインのTNF−αの量(Kog2が0μMの場合を100%とする)を示す(LPS+kog2→cell TNF−α)。図12では、**(有意水準)=p<0.01であり、n=3である。図12に示すように、Kog2の添加量が少量の場合(5μM)は分泌されたサイトカインのTNF−αの量は増加してしまうが、添加量がある一定量を超えると、添加量が増加するほどTNF−αの量が減少していくことが示唆される。すなわち、図11に示す結果と同様に、多量を添加することによって、LPSの不活性化作用を有するということが解った。

0095

このように図9ないし図12の結果から、バクテリオシンKog1およびKog2の優れた抗菌力等は、少なくともバクテリオシンKog1およびKog2が有するLPSの不活性化作用に関連していることが解った。また、バクテリオシンKog1およびKog2がLPSの不活性化作用を有するということは、これまでに解明されている、内毒素であるLPSが関連するその他の疾患等の予防、または治療法に利用できることが示唆される。このような疾患には、口腔内疾患以外にも、骨吸収慢性炎症の助長、肝障害糖尿病および動脈硬化等を挙げることができる。図13は、LPSが原因となる種々の疾患等との関係を示す図である。図13に示すように、内毒素であるLPSは様々な物質を経由し、多くの疾患または治療機構に関与している。

0096

(実施例8)
そこで、本発明者は、口腔内疾患以外にも、Kog2が骨芽細胞分化に影響を与えるか否かをreal-time quantitativeRT(Reverse transcriptase)−PCRによって調べた。

0097

細胞は、マウス由来骨芽細胞様細胞のMC3T3−E1細胞を使用した。当該MC3T3−E1細胞を、10%FBS(Biological industries, Haemek, Israel)、L−グルタミン、抗生物質混合物(Invitrogen)、50μg/mlアスコルビン酸(Sigma)、および、Kog2を0nM、250nM、500nMまたは1000nMを含有したα変法イーグル培地(α−MEM)中において、37度、5%CO2の下、プラスチック上またはチタン上において培養した。このように培養したMC3T3−E1細胞から、TRIzol reagent(Invitrogen)を用いて全RNAを抽出し、ReverTra Ace reverse transcriptase(東洋紡)を用いてcDNAを作製した。その後、作製したcDNAを用い、real-time quantitativeRT−PCRによって、骨芽細胞の分化マーカーであるType-I collagenと、内在性コントロールであるβ−アクチンの発現を解析した。

0098

real-time quantitativeRT−PCRにおいて、Type-I collagenでは配列番号8に記載のフォワードプライマー、配列番号9に記載のリバースプライマー、配列番号10に記載のプローブを使用した。β−アクチンでは、配列番号11に記載のフォワードプライマー、配列番号12に記載のリバースプライマー、配列番号13に記載のプローブを使用した。

0099

図14は、実施例8に係るreal-time quantitativeRT−PCRのType I collagen/β−アクチンの値を示す図である。図14に示すように、Kog2を250nM添加した場合が、全くKog2を添加していない場合(ctrl(0μM))と比較して、3倍近くType I collagen/β−アクチンの値が増加していた。今回の実験においては、Kog2を250nM程度添加した場合、骨芽細胞の分化が最も促進されるということが判った。すなわち、バクテリオシンKog2は、種々の骨疾患にも利用できることが充分に示唆される。

0100

(実施例9)
さらに、本発明者は、バクテリオシンKog1およびKog2が加熱された場合でも同様の抗菌力を有するか否かを煮沸実験によって調べた。

0101

本実施例9では、カンジダ・アルビカンスMYA274株を対象として抗菌力を調べた。まず、カンジダ・アルビカンスMYA274株をサブローブドウ糖液状培地(Sabouraud Dextrose Broth)(Difco)を用いて37度で24時間前培養し、MQ水で2回洗浄後、OD600で0.3(1.0×107cells/ml)となるよう調製しておいた。

0102

なお、本実施例9では、バクテリオシンKog1もしくはKog2、またはラクトバチルス・ラムノーサスKO1株もしくはKO3株を直接使用せず、ラクトバチルス・ラムノーサスKO3株が含まれた乳酸菌培地である、8020ヨーグルト(ドリンクタイプ)を使用して実験を行った。具体的には、当該8020ヨーグルト(ドリンクタイプ)は、15%脱脂乳+3%ブドウ糖培地に、ラクトバチルス・ラムノーサスKO3株1%とYF−L811スターター1%とを添加し、35度で二日間培養したものである。より詳細には、その他の原材料として、果糖ブドウ糖液糖乳製品砂糖、安定剤(ペクチン)、酸味料および香料を含み、Brixが17.4%、乳酸酸度が0.57%、pHが3.96、無脂乳固形分が3.0%に調製されているものである。

0103

実験には、このような8020ヨーグルト(ドリンクタイプ)を遠沈し、乳酸菌を除去した上清(以下、上清B)と、当該上清Bを100度20分間で煮沸したもの(以下、上清Boil)とを使用した。なお、これまでの実施例の結果から、上清Bにはラクトバチルス・ラムノーサスKO3株より抽出されたバクテリオシンKog1およびKog2が含有されているものと考えられる。

0104

煮沸による抗菌力の変化を調べるため、24−well plateを用い、以下に述べる三種類の試料注入し、37度24時間後のATPの値(pmol/L)を測定した。三種類の試料は、1)サブロー液状培地(Sabouraud Broth)1ml、上清B1mlおよび前述のカンジダ・アルビカンスMYA274株調製液50μlを含むものと、2)サブロー液状培地(Sabouraud Broth)1ml、上清Boil1mlおよび前述のカンジダ・アルビカンスMYA274株調製液50μlを含むものと、3)コントロールとしてのサブロー液状培地(Sabouraud Broth)1ml、15%脱脂乳+3%ブドウ糖培地1mlおよび前述のカンジダ・アルビカンスMYA274株調製液50μlを含むものである。

0105

図15は、実施例9に係る煮沸実験による耐熱データの結果を示す図である。当該耐熱データは、各々の試料を四つずつ作製し、平均値±SDを算出したものである。図15に示すように、100度20分間煮沸した上清Boilでも上清Bと同様のATPの量が測定されているため、煮沸した上清Boilでも上清Bと同様の高い抗菌性を有することが確認された。すなわち、バクテリオシンKog1およびKog2が加熱された場合でも同様の抗菌力を有することが確認された。

0106

本発明は、上記発明の実施の形態および実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。

0107

本明細書の中で明示した論文および公開特許公報等の内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。

実施例

0108

本出願は、2011年2月10日に出願された日本国特許出願2011−27882号および2011年8月26日に出願された日本国特許出願2011−184655号に基づく。本明細書中に、日本国特許出願2011−27882号および日本国特許出願2011−184655号の、明細書、特許請求の範囲、図面全体を参照として取り込むものとする。

0109

本発明者らは、ラクトバチルス・ラムノーサスKO3株(独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに2009年6月10日に寄託申請し受託番号NITEBP−771として受託)において、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するKog1および配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するKog2が、抗菌スペクトルが広く、低濃度において抗菌力が高く、その上耐性菌の生じる可能性が低いバクテリオシンとして機能していることを発見した。さらに、同様にKog1およびKog2を産生する新規乳酸菌株ラクトバチルス・ラムノーサスKO1株(独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに2011年1月24日に寄託申請し受託番号NITE P−1065として受託)の分離同定にも成功した。

0110

そこで、本発明によれば、容易にかつ大量に産生することが可能であり、抗菌スペクトルが広く、その上耐性菌の生じる可能性が低いバクテリオシン、該バクテリオシン(薬学的に許容される誘導体等を含む)を有効成分とする口腔内疾患の予防、改善および/または治療用組成物、該バクテリオシンをコードする遺伝子、該遺伝子を組み込んで得られる組み換え発現ベクター、該組み換え発現ベクターを保有する宿主細胞、該組み換え発現ベクターにより形質転換された形質転換体、ならびに、該バクテリオシンの生産方法を提供することができる。また、該バクテリオシンを産生する新規乳酸菌ラクトバチルス・ラムノーサスKO1株も提供することができる。更に、本発明に係るバクテリオシンは耐熱性が高いため、工業加工が容易となる。特に、グミゼリー、トローチ、タブレット、キャンディーまたはチューインガム等は、成形加工時に熱を伴うため、耐熱性を有する本発明に係るバクテリオシンを用いる際に、抗菌効果を落とすことなく加工することが可能となる。また、例えば、ご飯またはスープ等の調理を行う食品に添加しても当該バクテリオシンの効果を失うことはないため、様々な用途に繋がることが期待される。

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