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技術 波長分散量推定方法、波長分散補償回路、及び受信装置

出願人 日本電信電話株式会社
発明者 山崎悦史小林孝行富沢将人工藤理一石原浩一中川匡夫石川光映
出願日 2012年1月24日 (8年11ヶ月経過) 出願番号 2012-554799
公開日 2014年6月30日 (6年5ヶ月経過) 公開番号 WO2012-102264
状態 特許登録済
技術分野 光通信システム
主要キーワード 残留波形 最適化シーケンス 検出信号値 デジタル信号処理器 各段階毎 光アナログ シフト幅 到来タイミング
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題・解決手段

本発明は、光ファイバ伝送路における波形歪み補償する受信装置において、補償すべき波長分散量高速に、かつ高精度に推定及び設定する波長分散量推定方法波長分散補償回路、及び受信装置を提供することを目的とする。本発明に係る波長分散補償回路101は、光ファイバ伝送路から受信した光アナログ波形デジタル信号に変換するアナログデジタル変換器11と、アナログデジタル変換器11が出力するデジタル信号が持つ光ファイバ伝送路の波長分散による波形歪みを、波長分散量推定方法で推定した分散補償量で補償するデジタル信号処理器12と、アナログデジタル変換器11が出力するデジタル信号に含まれる受信データのシンボル到来タイミングクロックを抽出し、シンボル到来タイミングクロックの強度を前記クロック検出値として出力するシンボルクロック抽出器13と、を備える。

概要

背景

光通信の分野において、周波数利用効率飛躍的に向上する同期検波方式信号処理を組み合わせた通信ステムが注目されている。直接検波により構築されていたシステムと比較すると、受信感度を向上することができるだけでなく、デジタル信号として受信することで、光ファイバ伝送によって受ける波長分散偏波モード分散による送信信号波形歪み補償することができることが知られており、次世代の光通信技術として導入が検討されている。

非特許文献1および2に代表されるデジタルコヒーレント方式は、準静的な波長分散を固定のデジタルフィルタ(例えば、28Gbaudの信号に対し、20000ps/nmの分散でタップ数が2048tap)で補償し、変動のある偏波モード分散を、ブラインドアルゴリズムを用いた小さいタップ数(例えば、50psの偏波モード分散で10〜12tap程度)の適応フィルタで補償する方法を採用している。

概要

本発明は、光ファイバ伝送路における波形歪みを補償する受信装置において、補償すべき波長分散量高速に、かつ高精度に推定及び設定する波長分散量推定方法波長分散補償回路、及び受信装置を提供することを目的とする。本発明に係る波長分散補償回路101は、光ファイバ伝送路から受信した光アナログ波形をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換器11と、アナログデジタル変換器11が出力するデジタル信号が持つ光ファイバ伝送路の波長分散による波形歪みを、波長分散量推定方法で推定した分散補償量で補償するデジタル信号処理器12と、アナログデジタル変換器11が出力するデジタル信号に含まれる受信データのシンボル到来タイミングクロックを抽出し、シンボル到来タイミングクロックの強度を前記クロック検出値として出力するシンボルクロック抽出器13と、を備える。

目的

本発明は、光ファイバ伝送路における波形歪みを補償する受信装置において、補償すべき波長分散量を高速に、かつ高精度に推定及び設定する波長分散量推定方法、波長分散補償回路、及び受信装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

光ファイバ伝送路波長分散による波形歪み補償する際の分散補償量推定する波長分散量推定方法であって、第k(kは整数番目の分散補償量D(k)の初期値(k=0)である分散補償量D(0)を設定する初期値設定手順と、受信データに含まれるシンボル到来タイミングクロックの分散補償量D(k)における強度をクロック検出値S(k)として検出し、記憶するクロック検出手順と、前記分散補償量D(k)を所定量ΔDだけプラス側にシフトした分散補償量D(k)+ΔDにおける前記シンボル到来タイミングクロックの強度をクロック検出値S(k+)として検出し、記憶するプラス側シフト手順と、前記分散補償量D(k)を所定量ΔDだけマイナス側にシフトした分散補償量D(k)−ΔDにおける前記シンボル到来タイミングクロックの強度をクロック検出値S(k−)として検出し、記憶するマイナス側シフト手順と、前記クロック検出値S(k)、前記クロック検出値S(k+)及び前記クロック検出値S(k−)を比較する比較手順と、前記比較手順の結果、前記クロック検出値S(k)が最大である場合、前記分散補償量D(k)を最適分散補償量として決定して前記分散補償量の推定を完了し、前記クロック検出値S(k+)又は前記クロック検出値S(k−)が最大である場合、最大の前記クロック検出値の前記分散補償量を第k+1番目の分散補償量D(k+1)として前記クロック検出手順、前記プラス側シフト手順、前記マイナス側シフト手順及び前記比較手順を再度行うことを決定する判定手順と、を行うことを特徴とする波長分散量推定方法。

請求項2

前記初期値設定手順の前に前記分散補償量の概略値を取得し、前記分散補償量の概略値を前記初期値設定手順における前記分散補償量D(0)とする概略分散補償量取得手順を有することを特徴とする請求項1に記載の波長分散量推定方法。

請求項3

許容繰返し回数K(Kは自然数)が設定されており、前記判定手順で、kとKを比較し、k=Kとなったときに前記分散補償量の推定を完了することを特徴とする請求項1又は2に記載の波長分散量推定方法。

請求項4

前記プラス側シフト手順及び前記マイナス側シフト手順で前記分散補償量をシフトする前記所定量ΔDが、前記シンボル到来タイミングクロックを検出可能な分散耐力を前記許容繰返し回数Kで割った量であることを特徴とする請求項3に記載の波長分散量推定方法。

請求項5

前記プラス側シフト手順及び前記マイナス側シフト手順で前記分散補償量をシフトする前記所定量ΔDより小さい微少量δDが設定されており、前記クロック検出手順において、前記分散補償量D(k)におけるクロック検出値S(k±0)、及び前記分散補償量D(k)を中心として分散補償量D(k)±nδD(nは自然数)におけるクロック検出値S(k±nδ)を検出し、クロック検出値S(k±0)及びクロック検出値S(k±nδ)を平均化して前記クロック検出値S(k)とし、前記プラス側シフト手順において、前記分散補償量D(k)+ΔDにおけるクロック検出値S(k±0+)、及び前記分散補償量D(k)+ΔDを中心として分散補償量D(k)+ΔD±nδD(nは自然数)におけるクロック検出値S(k±nδ+)を検出し、クロック検出値S(k±0+)及びクロック検出値S(k±nδ+)を平均化して前記クロック検出値S(k+)とし、前記マイナス側シフト手順において、前記分散補償量D(k)−ΔDにおけるクロック検出値S(k±0−)、及び前記分散補償量D(k)−ΔDを中心として分散補償量D(k)−ΔD±nδD(nは自然数)におけるクロック検出値S(k±nδ−)を検出し、クロック検出値S(k±0−)及びクロック検出値S(k±nδ−)を平均化して前記クロック検出値S(k−)とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の波長分散量推定方法。

請求項6

前記クロック検出手順、前記プラス側シフト手順及び前記マイナス側シフト手順の少なくとも1つは、所定時間間隔で複数回繰り返されることを特徴とする請求項1又は2に記載の波長分散量推定方法。

請求項7

前記判定手順で、前記クロック検出値S(k)と前記クロック検出値S(k+)との差及び前記クロック検出値S(k)と前記クロック検出値S(k−)との差が所定の閾値未満の場合、前記分散補償量D(k)を最適分散補償量として決定して前記分散補償量の推定を完了することを特徴とする請求項1又は2に記載の波長分散量推定方法。

請求項8

前記光ファイバ伝送路から受信した光アナログ波形デジタル信号に変換するアナログデジタル変換器と、前記アナログデジタル変換器が出力する前記デジタル信号が持つ前記光ファイバ伝送路の波長分散による波形歪みを、請求項1から7のいずれかに記載の波長分散量推定方法で推定した前記分散補償量で補償するデジタル信号処理器と、前記アナログデジタル変換器が出力する前記デジタル信号に含まれる受信データのシンボル到来タイミングクロックを抽出し、前記シンボル到来タイミングクロックの強度を前記クロック検出値として出力するシンボルクロック抽出器と、を備える波長分散補償回路

請求項9

請求項8に記載の波長分散補償回路を含む受信装置

技術分野

0001

本発明は,光通信において用いられるものであり、光ファイバ伝送路における波長分散偏波干渉偏波モード分散などによる波形歪みデジタル信号処理を用いて補償する波長分散量推定方法波長分散補償回路、及び受信装置に関する。

背景技術

0002

光通信の分野において、周波数利用効率飛躍的に向上する同期検波方式信号処理を組み合わせた通信ステムが注目されている。直接検波により構築されていたシステムと比較すると、受信感度を向上することができるだけでなく、デジタル信号として受信することで、光ファイバ伝送によって受ける波長分散、偏波モード分散による送信信号の波形歪みを補償することができることが知られており、次世代の光通信技術として導入が検討されている。

0003

非特許文献1および2に代表されるデジタルコヒーレント方式は、準静的な波長分散を固定のデジタルフィルタ(例えば、28Gbaudの信号に対し、20000ps/nmの分散でタップ数が2048tap)で補償し、変動のある偏波モード分散を、ブラインドアルゴリズムを用いた小さいタップ数(例えば、50psの偏波モード分散で10〜12tap程度)の適応フィルタで補償する方法を採用している。

0004

特開2001−053679号公報
WO/2009/144997パンフレット
特願2009−169518号公報
WO/2011/007803パンフレット

先行技術

0005

H. Masuda, et. al., “13.5−Tb/s(135x111−Gb/s/ch)No−Guard−Interval Coherent OFDMTransmission over 6,248 km using SNR Maximized Second−order DRA in the Extended L−band,” OSA/OFC/NFOEC 2009, PDPB5.
Jianjun Yu, et. al., “17 Tb/s(161x114 Gb/s)PolMux−RZ−8PSKtransmission over 662 km of ultra−low loss fiber using C−band EDFA amplification and digital coherent detection,” ECOC 2008, Th.3.E.2, Brussels,Belgium,21−25 September 2008.
L. liu, et al., “Initial Tap Setup of Constant Modulus Algorithm for Polarization De−multiplexing in Optical Coherent Receivers,” OSA/OFC/NFOEC 2009, OMT2.

発明が解決しようとする課題

0006

伝送システムでは、受信端において伝送路で付加された波長分散による波形歪みを、受信端のデジタル信号処理によって補償する。このとき、伝送路において受ける波長分散量は、伝送路ファイバには、シングルモードファイバ分散シフトファイバノンゼロ分散シフトファイバなどの種類があり、信号が受ける波長分散量が異なる。また、信号光伝搬した伝送路ファイバの長さに比例して、累積波長分散量が増加するため、伝送距離によっても累積分散量が変化する。また、伝送システムの中継器において光分散補償器を挿入する場合もあり、その補償量によって残留分散量が変化する。また、海底システムなどでは、分散補償ファイバを伝送路として用いる場合もある。さらに、信号光のキャリア波長によって、波長分散係数が異なるため、累積分散量は信号光波長にも依存する。上記の理由により、受信端では累積波長分散量に合わせて、分散補償フィルタ係数を制御すべきである。したがって、信号が受けた累積波長分散量を推定する機構が必要になる。

0007

最適な波長分散補償量を検出する従来技術としては、波長分散による波形歪みが残留することで発生する受信信号品質劣化する特徴を用いる方法がある。例えば、波長分散による残留波形歪みは誤り率を増大させる。従って、例えば既知信号パターン受信パターンを比較して誤り率を算出し、その値が低くなるように波長分散補償回路への設定値を制御する方法がある。また、一般に波長分散による波形歪みが残留する場合、クロック抽出同期回路における同期検出信号が小さくなる。これの特徴を利用することで、波長分散補償量を制御する方法がある(例えば、特許文献1を参照。)。また、アイパターン開口度を利用する方法も提案されている(例えば、特許文献2を参照。)。

0008

しかし、これらの方法では、受信信号が受けてきた累積波長分散量と、分散補償回路における補償量が大きく異なる場合には、補償の残留分散量とモニタ信号変化との相関極端に低くなり、モニタ信号を用いて分散補償量を制御することが不可能である。そのため、残留分散量とモニタ信号の相関が得られるような残留分散量となるように、網羅的に分散補償量を変化させて掃引するなどのプロセスが必要であり、設定時間が長くなる問題があった。

0009

一方、高速に補償すべき波長分散量を検知する方法として、既知信号送信信号光に挿入して、既知信号の波形変化から受信端において既知信号部分を利用して波長分散量を推定する方法などがある(例えば、特許文献3を参照。)。

0010

しかしながら、既知信号を用いた分散推定法は高速であるが、偏波モード分散、非線形波形歪みなど波長分散以外の波形歪みによって推定量誤差が生じてしまう問題があった。

0011

分散補償回路に対して波長分散の推定値を補償量として設定すると、実際補償すべき値と推定値に誤差があった場合、補償後にも波長分散による波形歪みが残留し、誤り率を増加させてしまう。また、例えば偏波モード分散など波長分散以外の歪み要因に対する耐力を低減させてしまう。従って、波長分散補償量に対する誤差を低減することが重要になる。

0012

上記で示したように、モニタ信号を用いた制御では検出までに長時間を要すること、また、既知信号を用いた分散推定法では推定誤差の発生を考慮する必要があること、という課題があった。

0013

そこで、前記課題を解決するために、本発明は、光ファイバ伝送路における波形歪みを補償する受信装置において、補償すべき波長分散量を高速に、かつ高精度に推定及び設定する波長分散量推定方法、波長分散補償回路、及び受信装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0014

上記目的を達成するために、本発明に係る波長分散量推定方法は、
(1)任意の値を波長分散量の第1の候補値とするステップ
(2)第1の候補値の近傍値を第2の候補値として複数抽出するステップ、
(3)各候補値に対応するデジタルクロック抽出信号強度を測定するステップ、
(4)複数の信号強度の増減の傾向から最適値(最大となる値)を抽出し、次の第1の候補値とするステップ、
(5)所定の条件を満たすまで、(2)〜(4)を繰り返す判定ステップ、
を有することとした。

0015

具体的には、本発明に係る波長分散量推定方法は、光ファイバ伝送路の波長分散による波形歪みを補償する際の分散補償量を推定する波長分散量推定方法であって、
第k(kは整数番目の分散補償量D(k)の初期値(k=0)である分散補償量D(0)を設定する初期値設定手順と、
受信データに含まれるシンボル到来タイミングクロックの分散補償量D(k)における強度をクロック検出値S(k)として検出し、記憶するクロック検出手順と、
前記分散補償量D(k)を所定量ΔDだけプラス側にシフトした分散補償量D(k)+ΔDにおける前記シンボル到来タイミングクロックの強度をクロック検出値S(k+)として検出し、記憶するプラス側シフト手順と、
前記分散補償量D(k)を所定量ΔDだけマイナス側にシフトした分散補償量D(k)−ΔDにおける前記シンボル到来タイミングクロックの強度をクロック検出値S(k−)として検出し、記憶するマイナス側シフト手順と、
前記クロック検出値S(k)、前記クロック検出値S(k+)及び前記クロック検出値S(k−)を比較する比較手順と、
前記比較手順の結果、前記クロック検出値S(k)が最大である場合、前記分散補償量D(k)を最適分散補償量として決定して前記分散補償量の推定を完了し、前記クロック検出値S(k+)又は前記クロック検出値S(k−)が最大である場合、最大の前記クロック検出値の前記分散補償量を第k+1番目の分散補償量D(k+1)として前記クロック検出手順、前記プラス側シフト手順、前記マイナス側シフト手順及び前記比較手順を再度行うことを決定する判定手順と、
を行うことを特徴とする。

0016

ある分散補償量のクロック検出値とその前後の分散補償量のクロック検出値とを比較したとき、クロック検出値が大きい分散補償量の方向に最適クロック検出値、すなわち最適分散補償量が存在すると考えられる。このため、比較手順でクロック検出値を比較し、クロック検出値が大きくなる方向へ分散補償量を調整することで、最適分散補償量を得ることができる。

0017

従って、本発明は、光ファイバ伝送路における波形歪みを補償する受信装置において、補償すべき波長分散量を高速に、かつ高精度に推定及び設定する波長分散量推定方法を提供することができる。

0018

本発明に係る波長分散量推定方法は、前記初期値設定手順の前に前記分散補償量の概略値を取得し、前記分散補償量の概略値を前記初期値設定手順における前記分散補償量D(0)とする概略分散補償量取得手順を有することを特徴とする。

0019

段ステップとして、既知信号を用いた波長分散推定法(例えば、特許文献4を参照。)などによって推定された粗推定値を分散補償量の初期値とする。初段ステップの後に、微調整を行うステップを行うことで最適分散補償量の推定を短時間で行うことができる。

0020

本発明に係る波長分散量推定方法は、許容繰返し回数K(Kは自然数)が設定されており、前記判定手順で、kとKを比較し、k=Kとなったときに前記分散補償量の推定を完了することを特徴とする。無限に最適分散補償量の推定を行うことを防止できる。

0021

本発明に係る波長分散量推定方法は、前記プラス側シフト手順及び前記マイナス側シフト手順で前記分散補償量をシフトする前記所定量ΔDが、前記シンボル到来タイミングクロックを検出可能な分散耐力を前記許容繰返し回数Kで割った量であることを特徴とする。最適分散補償量の推定を精度よく行うことができる。

0022

本発明に係る波長分散量推定方法は、前記プラス側シフト手順及び前記マイナス側シフト手順で前記分散補償量をシフトする前記所定量ΔDより小さい微少量δDが設定されており、
前記クロック検出手順において、前記分散補償量D(k)におけるクロック検出値S(k±0)、及び前記分散補償量D(k)を中心として分散補償量D(k)±nδD(nは自然数)におけるクロック検出値S(k±nδ)を検出し、クロック検出値S(k±0)及びクロック検出値S(k±nδ)を平均化して前記クロック検出値S(k)とし、
前記プラス側シフト手順において、前記分散補償量D(k)+ΔDにおけるクロック検出値S(k±0+)、及び前記分散補償量D(k)+ΔDを中心として分散補償量D(k)+ΔD±nδD(nは自然数)におけるクロック検出値S(k±nδ+)を検出し、クロック検出値S(k±0+)及びクロック検出値S(k±nδ+)を平均化して前記クロック検出値S(k+)とし、
前記マイナス側シフト手順において、前記分散補償量D(k)−ΔDにおけるクロック検出値S(k±0−)、及び前記分散補償量D(k)−ΔDを中心として分散補償量D(k)−ΔD±nδD(nは自然数)におけるクロック検出値S(k±nδ−)を検出し、クロック検出値S(k±0−)及びクロック検出値S(k±nδ−)を平均化して前記クロック検出値S(k−)とすることを特徴とする。

0023

分散補償量の周辺でクロック検出値を平均化することで、局所的な変動がある場合でも安定化することができる。

0024

本発明に係る波長分散量推定方法は、前記クロック検出手順、前記プラス側シフト手順及び前記マイナス側シフト手順の少なくとも1つは、所定時間間隔で複数回繰り返されることを特徴とする。

0025

クロック検出値を時間平均することで、局所的な変動がある場合でも安定化することができる。

0026

本発明に係る波長分散量推定方法は、前記判定手順で、前記クロック検出値S(k)と前記クロック検出値S(k+)との差及び前記クロック検出値S(k)と前記クロック検出値S(k−)との差が所定の閾値未満の場合、前記分散補償量D(k)を最適分散補償量として決定して前記分散補償量の推定を完了することを特徴とする。

0027

クロック検出値の差が小さく、最適値がどちらの方向にあるか不確定な状態で推定を行うことを避けることで、推定動作を安定化することができる。

0028

本発明に係る波長分散補償回路は、前記光ファイバ伝送路から受信した光アナログ波形をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換器と、
前記アナログデジタル変換器が出力する前記デジタル信号が持つ前記光ファイバ伝送路の波長分散による波形歪みを、前記波長分散量推定方法で推定した前記分散補償量で補償するデジタル信号処理器と、
前記アナログデジタル変換器が出力する前記デジタル信号に含まれる受信データのシンボル到来タイミングクロックを抽出し、前記シンボル到来タイミングクロックの強度を前記クロック検出値として出力するシンボルクロック抽出器と、
を備える。

0029

本発明に係る波長分散補償回路は、前記波長分散量推定方法を採用する。従って、本発明は、光ファイバ伝送路における波形歪みを補償する受信装置において、補償すべき波長分散量を高速に、かつ高精度に推定及び設定する波長分散補償回路を提供することができる。

0030

本発明に係る受信装置は、前記波長分散補償回路を含む。

0031

本発明に係る受信装置は、前記波長分散補償回路を備える。従って、本発明は、光ファイバ伝送路における波形歪みを補償する受信装置において、補償すべき波長分散量を高速に、かつ高精度に推定及び設定する受信装置を提供することができる。

発明の効果

0032

本発明は、光ファイバ伝送路における波形歪みを補償する受信装置において、補償すべき波長分散量を高速に、かつ高精度に推定及び設定する波長分散量推定方法、波長分散補償回路、及び受信装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0033

本発明に係る波長分散量推定方法を説明する図である。
本発明に係る波長分散量推定方法を説明するフロー図である。
本発明に係る波長分散量推定方法を説明する図である。
本発明に係る波長分散量推定方法を説明するフロー図である。
本発明に係る波長分散量推定方法を説明するフロー図である。
本発明に係る波長分散量推定方法を説明する図である。
本発明に係る波長分散量推定方法を説明するフロー図である。
本発明に係る受信装置を説明する図である。

実施例

0034

添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。

0035

図8は、本実施形態の受信装置300を説明する図である。受信装置300は波長分散補償回路101を含む。波長分散補償回路101は、光ファイバ伝送路から受信した光アナログ波形をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換器11と、アナログデジタル変換器11が出力するデジタル信号が持つ光ファイバ伝送路の波長分散による波形歪みを、以下で説明する波長分散量推定方法で推定した分散補償量で補償するデジタル信号処理器12と、アナログデジタル変換器11が出力するデジタル信号に含まれる受信データのシンボル到来タイミングクロックを抽出し、シンボル到来タイミングクロックの強度をクロック検出値として出力するシンボルクロック抽出器13と、を備える。

0036

デジタル信号処理器12が行う波長分散量推定方法の実施形態を説明する。

0037

(実施形態1)
まず、粗調整プロセスとして、既知信号を用いた波長分散推定法などによって推定された粗推定値を初期値として分散補償回路に設定する。このとき、波長分散の大部分が補償され、推定誤差などによって生じる残留分散による波形歪みを受けた波形が分散補償回路から出力される。

0038

この後、微調整プロセスに入る。図1及び図2は、本実施形態の微調整プロセスを説明する図である。D(k)はデジタル信号処理器12に設定する分散補償量を示す。まず、第一段階として、初期値k=0の分散補償量D(0)を設定し、クロック同期検出信号値を測定してメモリに記憶する。これをクロック検出値S(0)とする。次に、図1(a)にあるように、第一段階として、
[1]分散補償量D(0)からある一定量ΔDだけ正の方向にシフトさせる(分散補償量D(0)+Δ)。そして、クロック同期のクロック検出値S(0+)を測定して記憶する。
[2]同様に、分散補償量D(0)からある一定量ΔDだけ負の方向にシフトさせ(分散補償量D(0)−Δ)、その際のクロック同期のクロック検出値S(0−)を測定して格納する。
一定量ΔDは、500psec/nm以下に設定することができるが、微調整プロセスで調整した後の波長分散ずれ量の目標値に基づいて設定することが好ましい。例えば、タップ数10〜20であり、1タップあたりの遅延量が15〜20psec/nmである適応フィルタを採用し、当該目標値が±100〜150psec/nmであるならば、ΔDを25〜150psec/nmに設定する。ΔDを細かく設定すれば微調整する精度が向上するが、微調整完了までに時間がかかることになる。従って、精度と時間とのバランスを考慮してΔDを設定することが望ましい。例えば、上記目標値であるならば、精度と時間とのバランスを考慮してΔDを50psec/nmに設定する。

0039

クロック検出値が大きい符号方向に最適値が存在すると考えられる。このため、S(0),S(0+),S(0−)を比較する。クロック検出値がS(0+)>S(0−)の場合、D(0)+ΔDを次の分散補償量D(1)に設定する。逆に、クロック検出値がS(0+)<S(0−)の場合、D(0)−ΔDを次の分散補償量D(1)に設定する。S(0+),S(0−)ともにS(0)より小さい場合、すなわち、S(0)>S(0+)かつS(0)>S(0−)の場合、分散補償量D(1)=D(0)とする。

0040

ここでは、S(0+)>S(0−)であった場合を想定し、分散補償量D(1)=D(0)+ΔDに設定したとして、以降のプロセスを説明する。

0041

図1(b)の第二段階として、分散補償量D(1)=D(0)+ΔDのクロック検出値S(1)を測定して記憶する。
[3]次に、分散補償量をさらに正の方向へΔDだけシフトさせ、D1+ΔDに設定した場合のクロック検出値S(1+)を検出してメモリに格納する。
第一段階にて正の方向にシフトしたため、分散補償量を正の方向D(1)+ΔDへシフトしたが、第一段階にて負の方向へシフトした場合は、第二段階でも分散補償量を負の方向D(1)−ΔDへシフトすることになる。両者のクロック検出値S(1)とS(1+)を比較して、S(1+)>S(1)の場合には、分散補償量をD(2)=D(1)+ΔDに、S(1+)<S(1)の場合には、これで完了となる。

0042

上記の例では、分散補償量D(1)とD(1)+ΔDのみを比較したが、逆側D(1)=D(0)−ΔDへもシフトして、検出信号の値S(1−)を測定、記憶するプロセスを追加してもよい。一方の符号方向のみシフトさせて最適化シーケンスを進める場合、第一ステップでの判定方向で、それ以降の全ステップのシフト方向が決定されるため、クロック検出信号には時間変動検出誤差が想定される状況では、本来の最適な分散補償値収束しない可能性がある。ステップ毎に正側へシフトした点、負側へシフトした点での検出信号を測定し、毎ステップにおいてシフト方向を判断することが可能になるメリットがある。ただし、D(1)−ΔD と D(0)は同じ値となるため、既に測定済みポイントであるため、必ずしも検出する必要はない。

0043

ここでは、S(1+)<S(1)であった場合を想定し、分散補償量をD(2)=D(1)+ΔDに設定したとして、以降を説明する。

0044

図1(c)の第三段階としては、まず分散補償量D(2)でのクロック検出値S(2)を測定する。
[4]次に、分散補償量をD(2)を中心として、正方向にΔDだけシフトさせ、そこでのクロック検出値S(2+)を測定、メモリ格納する。そして、両者を比較して、S(2+)>S(2)の場合には、分散補償量をD(3)=D(2)+ΔDに、S(2+)<S(2)の場合には、これで完了となる。

0045

本実施形態の波長分散量推定方法は、以降同様のプロセスを繰り返すことで、最適な分散補償量に漸近させる方法である。

0046

ここで、本来検出信号には誤差が含まれるため、S(k+),S(k−),及びS(k)の差分が小さい場合には、再度S(k)を設定し、やり直し測定する選択がある。これにより、差分が小さく、最適値が正負どちらの方向に存在するか不確定な状況で、不確定な情報を元にシフトさせることは不安定な動作を引き起こす危険性を低減することができる。

0047

上記の手法では、各設定値におけるクロック検出信号の1回の測定値によって、分散補償量の設定値を決定していくプロセスになっている。従って、その測定における誤差が大きい場合には、最適化のシーケンスが不安定な動作となってしまう可能性がある。安定化するための手法として、各設定値に対して異なる時刻において複数回測定して、その平均値を比較することで正負符号のどちらの方向にシフトすべきかを判断することで、動作の安定化が期待される。

0048

上記の例では、分散補償量の初期値として、分散推定回路の粗推定値を利用したが、外部から与えられた分散値を設定する場合もある。このような例として、伝送路の分散量を予め分散測定器などで測定した場合などが考えられる。

0049

(実施形態2)
クロック同期回路の検出信号の残留分散依存性が局所的に揺らぐ可能性がある。この場合、第一の実施例では、局所的な変化のために正方向にシフトすべきか、負方向にシフトすべきかの判断が困難となる場合がある。本実施形態は、局所的な残留分散依存性がある状況であっても、平均化することで高精度に分散補償量のシフト方向を判定し、安定的に分散補償量の推定を行うことができる。

0050

図3は、本実施形態の微調整プロセスを説明する図である。図3(a)に示すように、それぞれの分散補償量D(k)において、D(k)からある微小量δDだけ分散補償量を正の方向にシフトさせる。そして、クロック同期のクロック検出値S(k+δ)を測定して記憶する。次に、D(k)から負の方向にδDだけシフトさせ、その際のクロック同期のクロック検出値S(k−δ)を測定してメモリに格納する。また、D(k)から2δDだけ正方向にシフトさせて、クロック同期のクロック検出値S(k+2δ)を測定してメモリに格納する。同様に、D(k)から−2δDだけシフトさせ、クロック同期のクロック検出値S(k−2δ)を測定してメモリに格納する。このように、正方向及び負方向にδDステップで分散補償量をシフトさせ、クロック検出値S(k±nδ)を検出してメモリに格納する。
微少量δDは、図3の分散補償量に対するクロック検出値S(k)に発生するリップル周期及び振幅に基づいて設定する。具体的には、微少量δDはリップルの周期以下とすればよい。例えば、リップルの振幅がクロック検出値S(k)の10%程度である場合、設定分散補償量D(k)をΔDシフトした際のクロック検出値S(k)の平均的な変動量はクロック検出値S(k)の10%未満とする。また、他の具体例として、微少量δDを一定量ΔDの1/3〜1/50、好ましくは1/5〜1/10とすることができる。さらに、具体的数値として、ΔDが25〜150psec/nmである場合、δDを5〜25psec/nm、好ましくは5〜15psec/nmに設定する。

0051

これを定められたN回だけ繰り返す。Nも精度と時間とのバランスを考慮して設定する。例えば、Nは3以上7以下に設定する。そして、D(k)を中心としてδDステップでシフトして測定・記憶したクロック検出S(k±nδ)からD(k)での代表値を算出する。代表値を算出する方法としては、nに対する平均化処理加算処理)を施し、平均値Savg(k)を算出する方法がある。例えば、Savg(k)の算出例を式で記述すると、次式のようになる。

0052

図3(b)に示すように、ある分散補償量D(k)でSavg(k)を取得した後は、実施形態1で説明したように、ΔDだけ分散補償量をプラス側又はマイナス側にシフトさせ、上述のようにSavg(k+1)を取得する([1][2])。そして、分散補償量の方向を決定してさらにΔDだけ分散補償量をシフトさせてSavg(k+2)以降を順に取得する([3])。

0053

このように、本実施形態の波長分散量推定方法は、分散補償量D(k)のそれぞれにおいて、δDステップでシフトさせた周囲複数ポイントでのクロック検出値を平均化することで、局所的な変動がある場合でも安定化することができる。

0054

(実施形態3)
実施形態1及び2では、分散シフト幅がΔDであるため、これ以上細かく最適化することが不可能であった。本実施形態では、この点を解決する方法を述べる。

0055

まず、粗調整プロセス及び微調整プロセスの第一段階は、実施形態1の説明と同様である。なお、実施形態1では、kを設定番号として分散補償量D(k)を説明したが、本実施形態では、k,mを設定番号とし、分散補償量をD(k,m)で表すことにする。kは、正又は負方向のクロック検出値を比較する前半工程の試行番号であり、mは判定した方向へシフトする後半工程の試行回数に相当する。

0056

すなわち、S(0),S(0+),S(0−)を比較した結果、クロック検出値がS(0+)>S(0−)の場合、分散補償量をD(1,0)=D(0)+ΔDに設定する。逆に、クロック検出値がS(0+)<S(0−)の場合、分散補償量をD(1,0)=D(0)−ΔDに設定する。また、S(0)>S(0+)かつS(0)>S(0−)の場合、分散補償量をD(1,0)=D0とする。

0057

ここでは、S(0+)>S(0−)であった場合を想定し、分散補償量D(1,0)=D(0)+ΔDに設定したとして、以降のプロセスを説明する。

0058

前述のように第一段階の前半にて分散補償量が正の方向にシフトすると判定したため、第一段階の後半として、さらにΔDだけ正の方向にシフトし、分散補償量をD(1,0)+ΔDとする。第一段階の前半にて分散補償量が負の方向へシフトした場合は、第一段階の後半でも負の方向へΔDシフトすることになる。

0059

分散補償量D(1,0)+ΔDに設定した場合のクロック検出値S(1,0+)を検出してメモリに格納する。そして、D(1,0)のときのクロック検出値S(1,0)とD(1,0)+ΔDのときのクロック検出値S(1,0+)を比較して、S(1,0+)>S(1,0)の場合には、分散補償量をD(1,1)=D(1,0)+ΔDにシフトすると判断する。

0060

これは、図4のシフト是非判定において、Yesを選択した場合に相当する。この場合、さらに、ΔDだけ正方向にシフトさせ、D(1,1)+ΔDに設定してクロック検出値S(1,1+)を測定して記憶し、D(1,1)のクロック検出値S(1,1)とD(1,1)+ΔDのクロック検出値S(1,1+)を比較する。図中のシフト是非判定において、Yesを選択した場合は、シフト是非判定の手順を繰り返すことになる。

0061

一方、S(1,0+Δ)<S(1,0)の場合には、これ以上のΔDの幅でシフトする必要はないと判断する。これは、図4のシフト是非判定において、Noを選択した場合に相当する。この場合は、前半の試行回数カウントkをインクリメントして、シフト量をΔDからΔD/2に半減させ、正又は負方向の両シフト方向での検出信号強度の比較のステップに戻る。

0062

上記の例では、シフト是非判定のステップにおいて、分散補償量D(1,0)とD(1,0)+ΔDのみを比較したが、逆側D(1,0)−ΔDへもシフトして、検出信号の値S(1,0−Δ)を測定して記憶するプロセスを追加してもよい。

0063

一方の符号方向のみシフトさせる最適化シーケンスの場合、第一段階での判定方向で、それ以降の後半工程のシフト方向が決定されるため、クロック検出値には時間変動や検出誤差が想定される状況では、本来の最適な分散補償値に収束しない可能性もある。本実施形態では、各段階毎に分散補償値を正側へシフトした点、負側へシフトした点でのクロック検出値を測定し、毎段階においてシフト方向を判断することが可能になる。このため、本実施形態では、クロック検出値には時間変動や検出誤差が想定される状況でも本来の最適な分散補償値に収束できるメリットがある。なお、例えば上記の例ではD(1,0)−ΔDと既に測定済みのD(0)は同じ値となるため、必ずしもクロック検出値を検出する必要はない。

0064

次に第二段階の前半工程でを説明する。ここで第一段階の前半工程でプラス側へのシフトを選択し、後半工程の1回目のシフト是非判定ステップにおいてYes、2回目のシフト是非判定ステップにてNoとなった場合を想定して以下の説明を進める。つまり、第一段階での分散補償量はD(1,1)=D(0)+2ΔDで完了した場合を想定する。

0065

第二段階の前半では、k=2とした上で、D(1,1)=D0+2ΔDを中心として正方向及び負方向にΔD/2だけ変化させて、それぞれでの検出信号強度を測定して記憶し、より検出信号強度が大きくなる方向を判定する。それぞれD(1,1)+ΔD/2、D(1,1)−ΔD/2に設定した場合のクロック検出値S(1,1+ΔD/2)、S(1,1−ΔD/2)を検出してメモリに格納する。

0066

そして、両者を比較して、S(1,1+ΔD/2)>S(1,1−ΔD/2)の場合には、シフト方向は正側と判断し、分散補償量をD(2,0)=D(1,1)+ΔD/2に設定する。一方、S(1,1+ΔD/2)<S(1,1−ΔD/2)の場合には、シフト方向は負側と判断し、D(2,0)=D(1,1)−ΔD/2に設定する。

0067

また、S(1,1+ΔD/2),S(1,1−ΔD/2)ともにS(1,1)より小さい場合、すなわちS(1,1)>S(1,1+ΔD/2)かつS(1,1)>S(1,1−ΔD/2)の場合、D(2,0)=D(1,1)とする。

0068

次に、第二段階の後半の説明を行う。ここでは、第一段階と同様であり、第二段階の前半にて、分散補償量が正方向と判定された場合には、正の方向にΔD/2だけ更にシフトする。一方、分散補償量が負方向と判定された場合には、負の方向にΔD/2だけ更にシフトする。一方、分散補償量がシフトしないと判定された場合、これ以上ΔD/2の幅でシフトする必要がないと判断されるため、シフト是非判定にてNoの手順に進む。

0069

ここでは、分散補償量が負方向へシフトすると判断された場合を想定して説明する。分散補償量をさらに負方向へΔD/2だけシフトさせ、D(2,0)−ΔD/2に設定し、クロック検出値S(2,0−ΔD/2)を検出してメモリに格納する。そして、D(2,0)とD(2,0)−ΔD/2を比較して、S(2,0−ΔD/2)>S(2,0)の場合には、分散補償量をD(2,1)=D(2,0)−ΔD/2にシフトすると判断する。これは、図4のシフト是非判定において、Yesを選択した場合に相当する。この場合、さらに、ΔD/2だけ負方向にシフトさせて、検出信号を測定・記憶の手順し、シフト是非判定の手順を繰り返すことになる。

0070

一方、S(2,0−ΔD/2)<S(2,0)の場合には、これ以上のΔD/2の幅でシフトする必要はないと判断する。これは、図4のシフト是非判定において、Noを選択した場合に相当する。この場合は、試行回数カウント(k,n)をインクリメントして、正負方向の両シフト方向での検出信号強度の比較の第一段階に戻る。ただし、ここではシフト量をΔD/2からΔD/4に更に半減させる。以降、同様なプロセスを繰り返すことで、最適な分散補償量を検索する。

0071

このように、試行回数kが大きくなるにつれて、分散補償量のシフト幅をΔD/(2k−1)のように半減させていくことで、分散補償量の最適値を精度よく、さらに効率的に検索することができる。

0072

(実施形態4)
クロック同期回路の検出信号の残留分散依存性が局所的に揺らぐ可能性がある。この場合、実施形態3の波長分散量推定方法では、局所的な変化のために正方向にシフトすべきか、負方向にシフトすべきかの判断が困難になる可能性がある。また、シフト是非判定においても、シフト回数の判断が困難となる可能性がある。本実施形態では、局所的な残留分散依存性がある状況であっても、平均化することで、高精度に分散補償量のシフト方向を判定し、安定に動作させることができる。

0073

図5は、本実施形態の微調整プロセスを説明する図である。図5に示すように、それぞれの分散補償量設定値D(k,m)において、D(k,m)からある微小量δDだけ、分散補償設定値を正の方向にシフトさせる。そして、クロック同期のクロック検出値S(k,m+δ)を測定し、記憶する。次に、D(k,m)を中心として負の方向にδDだけシフトさせ、その際のクロック同期のクロック検出値S(k,m−δ)を測定し、メモリに格納する。また、初期設定値から2δDだけ正方向にシフトさせて、クロック同期のクロック検出値S(k,m+2δ)を測定、メモリに格納する。同様に、負方向にも初期値から−2δDだけシフトさせた設定値において、クロック同期のクロック検出信号S(k,m−2δ)を測定し、メモリに格納する。このように、正方向及び負方向にδDステップで分散補償量をシフトさせ、クロック検出値S(k,m±nδ)を検出し、メモリに格納する。これを定められたN回だけ繰り返す。

0074

そして、D(k)を中心としてδDステップでシフトして測定し記憶したクロック検出S(k,m±nδ)からD(k,m)での代表値を算出する。代表値を算出する方法としては、nに対する平均化処理(加算処理)を施し、平均値Savg(k,m)を算出する方法がある。例えば、Savg(k,m)の算出例を式で記述すると、次式のようになる。



このように、本実施形態の波長分散量推定方法は、分散補償量D(k,m)のそれぞれにおいて、δDステップでシフトさせた周囲複数ポイントでのクロック検出値を平均化することで、局所的な変動がある場合でも安定化することができる。

0075

(実施形態5)
クロック同期回路の検出信号の残留分散依存性が局所的に揺らぐ可能性がある。この場合、実施形態3の波長分散量推定方法では、局所的な変化のために正方向にシフトすべきか、負方向にシフトすべきかの判断が困難になる可能性がある。本実施形態では、局所的な残留分散依存性がある状況であっても、平均化することで、高精度に分散補償量のシフト方向を判定し、安定に動作させることができる。

0076

図7は、本実施形態の波長分散量推定方法の微調整プロセスを説明する図である。事前に行う粗調整プロセスは実施形態1の説明と同様である。

0077

続く微調整プロセスは以下の通りである。分散補償回路に分散補償量の初期値D(0)を設定した場合のサンプリングクロック抽出回路のクロック検出信号値を測定して記憶する。これをS(0)とする。次に、図6(a)に示すように、初期値D(0)からある微小量δDだけ分散補償量を正の方向にシフトさせる。そして、クロック検出値S(0+δ)を測定して記憶する。次に、初期値D(0)からある微小量δDだけ分散補償量を負の方向にシフトさせ、その際のクロック検出値S(0−δ)を測定してメモリに格納する。また、初期値D(0)から2δDだけ正方向にシフトさせて、クロック同期のクロック検出値S(0+2δ)を測定してメモリに格納する。同様に、負方向にも初期値D(0)から−2δDだけシフトさせて、クロック同期のクロック検出値S(0−2δ)を測定してメモリに格納する。このように、正方向及び負方向にδDステップでクロック検出値S(0±nδ)を検出し、メモリに格納する。これをN回だけ繰り返す。

0078

次の段階として、図6(b)に示すように、D(0)を中心としてΔDだけ正方向にシフトさせ、クロック検出値S(0+Δ)を検出してメモリに格納する([1])。さらに、δDステップで正方向及び負方向にシフトさせて、クロック検出値S(0+Δ±nδ)を検出してメモリに格納する。これをN回だけ繰り返す。ここで、一般には、δDはΔDに比較して小さい量を考える。

0079

同様に、図6(b)に示すように、D(0)を中心としてΔDだけ負方向にシフトさせてクロック検出値S(0−Δ)を検出してメモリに格納する([2])。加えて、δDステップで正方向及び負方向にシフトさせて、クロック検出値S(0−Δ±nδ)を検出し、メモリに格納する。これをN回だけ繰り返す。

0080

さらに次の段階として、図6(c)に示すように、D(0)を中心として、2ΔDだけ正方向にシフトさせ、クロック検出値S(0+2Δ)を検出してメモリに格納する([3])。さらに、δDステップで正方向及び負方向にシフトさせて、クロック検出値S(0+2Δ±nδ)を検出し、メモリに格納する。同様に、D(0)を中心として、2ΔDだけ負方向にシフトさせてクロック検出値S(0−2Δ)を検出してメモリに格納する([4])。加えて、δDステップで正方向及び負方向にシフトさせて、クロック検出値S(0−2Δ±nδ)を検出し、メモリに格納する。これをN回だけ繰り返す。

0081

以降のステップとしても、同様の手順を繰り返し、自然数kが設定された最大値Kとなるまでクロック検出値S(0+kΔ±nδ)を検出、メモリ格納を繰り返す。ただし、n=0,1,・・・,Nである。

0082

k=0,1,・・・,Kにおいて得られたクロック検出値S(0+kΔ±nδ)についてnに対して平均化してk=0,1,・・・,Kの中から最適値を判断する。平均化の一例としては、それぞれのkにおけるクロック検出値S(0+kΔ±nδ)に対して、nで平均化処理(加算処理)を施し、それぞれの平均値Savg(0+kΔ)を算出する。例えば、Savg(0+kΔ)の算出例を式で記述すると、次式のようになる。

0083

他の実施形態として、忘却係数を用いた平均化の方法も考えられる。平均化途中の値をSavg(0+kΔ,n)と定義すると、以下の演算を忘却係数をα、Savg(0+kΔ,0)=0を初期値として、n=0,1,・・・,Nまで繰り返すことで、最終的な平均値Savg(0+kΔ)= Savg(0+kΔ,N)を得ることができる。

0084

そして、分散補償量の最適値の選択方法としては、クロック検出値の平均値Savg(0+kΔ)が最大となるkを検索し、それを最適なkとしてもよい。

0085

以上説明した様に,本発明によれば,光通信システムの波長分散補償回路の補償量に対して微小な変化を与え、クロック検出信号をモニタ信号として最適な補償量を探索する際に、与える変化量を試行回数の度に半減させていくことで効率的に最適な分散補償量を検出することができる。

0086

11:アナログデジタル変換器
12:デジタル信号処理器
13:シンボルクロック抽出器
15:光ファイバ
101:波長分散補償回路
300:受信装置

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