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技術 硬化シリコーンゴムの耐水性を改善するためのマグネシウム化合物の使用

出願人 東レ・ダウコーニング株式会社
発明者 長谷川知一郎森田好次
出願日 2012年1月12日 (8年11ヶ月経過) 出願番号 2012-553671
公開日 2014年6月9日 (6年6ヶ月経過) 公開番号 WO2012-098990
状態 特許登録済
技術分野 剛性・可とう管 高分子組成物
主要キーワード シリコーンゴム部材 移送用チューブ 劣化加速試験 ウイリアムス可塑度 医療用用途 硬化性液状シリコーン マグネシウム炭酸塩 耐塩素
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課題・解決手段

本発明は、水と接触して使用される各種の水回り部材用の硬化性シリコーンゴム組成物、並びに、前記組成物硬化物である耐水性硬化シリコーンゴム及びその利用に関する。本発明は、水と接触して使用されるシリコーンゴム部材に良好な耐水性を付与して、例えば、白化等の外観不良、又は、高温蒸気に対する強度不足の発生を防止乃至低減する。

概要

背景

食品及び飲料に対する低汚染性及び耐熱性の面から、シリコーンゴム製品食品分野で広く使用されている。また、近年普及している夜間電力による給湯機用途等で、温水又は熱水シリコーンゴム部材が接触する用途が増加している。

水道水等の食品及び飲料に使用される水には、主に、殺菌のために塩化物イオン塩素イオン)が含まれている。この塩化物イオンは主に次亜塩素酸ナトリウムとして水に添加されたものであり、その水に長時間接触するシリコーンゴム部材の水密性の低下を招く。

特開平6−200080号公報では、シリコーンゴム部材にハイドロタルサイトを配合することにより、シリコーンゴム部材の水密性を向上させることが提案されている。

概要

本発明は、水と接触して使用される各種の水回り部材用の硬化性シリコーンゴム組成物、並びに、前記組成物硬化物である耐水性硬化シリコーンゴム及びその利用に関する。本発明は、水と接触して使用されるシリコーンゴム部材に良好な耐水性を付与して、例えば、白化等の外観不良、又は、高温蒸気に対する強度不足の発生を防止乃至低減する。

目的

本発明は、水と接触して使用されるシリコーンゴム部材に、良好な耐水性を付与して、白化等の外観不良、又は、高温の蒸気に対する強度不足の発生を防止乃至低減することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

請求項2

前記マグネシウム化合物の配合量が、組成物全重量を基準にして、0.01重量%以上である、請求項1記載の組成物。

請求項3

前記マグネシウム化合物の平均粒子径が10μm以下である、請求項1又は2記載の組成物。

請求項4

前記マグネシウム化合物が表面処理されている、請求項1乃至3のいずれかに記載の組成物。

請求項5

シリカ微粒子を更に含む、請求項1乃至4のいずれかに記載の組成物。

請求項6

前記シリカ微粒子の配合量が、組成物の全重量を基準にして、2重量%以上である、請求項5記載の組成物。

請求項7

前記シリカ微粒子のBET比表面積が30〜400m2/gである、請求項5又は6記載の組成物。

請求項8

前記シリカ微粒子が乾式法シリカ湿式法シリカ又はそれらの混合物である、請求項5乃至7のいずれかに記載の組成物。

請求項9

ヒドロシリル化反応硬化型又は過酸化物硬化型である、請求項1乃至8のいずれかに記載の組成物。

請求項10

前記水回り部材が弁、ホースチューブパッキンシール又はジョイントである、請求項1乃至9のいずれかに記載の組成物。

請求項11

請求項1乃至10のいずれかに記載の硬化性シリコーンゴム組成物を硬化して得られる、水と接触して使用される耐水性硬化シリコーンゴム

請求項12

前記水の温度が25℃〜100℃である、請求項11記載の耐水性硬化シリコーンゴム。

請求項13

前記水が塩化物イオンを含む、請求項11又は12記載の耐水性硬化シリコーンゴム。

請求項14

前記塩化物イオン濃度が1ppm以上である、請求項13記載の耐水性硬化シリコーンゴム。

請求項15

前記水が水道水である、請求項11乃至14のいずれかに記載の耐水性硬化シリコーンゴム。

請求項16

請求項11乃至15のいずれかに記載の耐水性硬化シリコーンゴムを含む水回り部材。

請求項17

酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム及びマグネシウム炭酸塩からなる群から選択される少なくとも1種のマグネシウム化合物を含む硬化性シリコーンゴム組成物を硬化させる、耐水性硬化シリコーンゴムの製造方法。

請求項18

酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム及びマグネシウム炭酸塩からなる群から選択される少なくとも1種のマグネシウム化合物を硬化シリコーンゴム中に存在させる、硬化シリコーンゴムの耐水性改善方法

請求項19

硬化シリコーンゴムの耐水性を改善するための、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム及びマグネシウム炭酸塩からなる群から選択される少なくとも1種のマグネシウム化合物の使用。

請求項20

酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム及びマグネシウム炭酸塩からなる群から選択される少なくとも1種のマグネシウム化合物からなる、硬化シリコーンゴム耐水性改善剤

請求項21

硬化シリコーンゴムの耐水性を改善するのに使用するための、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム及びマグネシウム炭酸塩からなる群から選択される少なくとも1種のマグネシウム化合物。

技術分野

0001

本発明は、水と接触して使用される、各種の水回り部材用の硬化性シリコーンゴム組成物、並びに、当該組成物硬化物である、耐水性硬化シリコーンゴム及びその利用に関する。

0002

本願は、2011年1月20日に日本国に出願された特願2011−009673号に基づいて優先権を主張し、その内容をここに援用する。

背景技術

0003

食品及び飲料に対する低汚染性及び耐熱性の面から、シリコーンゴム製品食品分野で広く使用されている。また、近年普及している夜間電力による給湯機用途等で、温水又は熱水シリコーンゴム部材が接触する用途が増加している。

0004

水道水等の食品及び飲料に使用される水には、主に、殺菌のために塩化物イオン塩素イオン)が含まれている。この塩化物イオンは主に次亜塩素酸ナトリウムとして水に添加されたものであり、その水に長時間接触するシリコーンゴム部材の水密性の低下を招く。

0005

特開平6−200080号公報では、シリコーンゴム部材にハイドロタルサイトを配合することにより、シリコーンゴム部材の水密性を向上させることが提案されている。

先行技術

0006

特開平6−200080号公報

発明が解決しようとする課題

0007

ところが、水道水等の塩化物イオンを含む水に接触して使用されるホースパッキン等のシリコーンゴム製部材は、長期間の使用により、白化等の外観不良、又は、高温蒸気に対する強度不足をきたす場合があることが見出された。このような不都合は、温水、特に40℃以上の温水で顕著であり、例えば、ポット給湯機等におけるシリコーンゴム製の弁、ホース、パッキン、ジョイント、或いは、飲料及び食品等の移送用チューブにおいて、白化等の外観不良が発生しうる。このような外観不良はシリコーンゴム部材にハイドロタルサイトを配合しても防止することはできない。

0008

上記外観不良及び強度不足は、水中の塩化物イオンによりシロキサン結合が切断されて起こるものと推測される。しかし、水の無塩素化は、一部天然水を除いて困難であることから、シリコーンゴム製品の改良が求められる。

0009

本発明は、水と接触して使用されるシリコーンゴム部材に、良好な耐水性を付与して、白化等の外観不良、又は、高温の蒸気に対する強度不足の発生を防止乃至低減することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明の目的は、酸化マグネシウム水酸化マグネシウム及びマグネシウム炭酸塩からなる群から選択される少なくとも1種のマグネシウム化合物を含むことを特徴とする、水回り部材用硬化性シリコーンゴム組成物によって達成される。

0011

前記マグネシウム化合物の配合量は、組成物の全重量(質量)を基準にして、0.01重量(質量)%以上であることが好ましい。

0012

前記マグネシウム化合物の平均粒子径は10μm以下であることが好ましい。

0013

前記マグネシウム化合物は表面処理されていてもよい。

0014

前記硬化性シリコーンゴム組成物はシリカ微粒子を更に含むことが好ましい。

0015

前記シリカ微粒子の配合量は、組成物の全重量(質量)を基準にして、2重量(質量)%以上であることが好ましい。

0016

前記シリカ微粒子のBET比表面積は30〜400m2/gであることができる。

0017

前記シリカ微粒子は乾式法シリカ湿式法シリカ又はそれらの混合物であることができる。

0018

前記硬化性シリコーンゴム組成物はヒドロシリル化反応硬化型又は過酸化物硬化型のいずれであってもよい。

0019

本発明において「水回り部材」とは、水と接触して使用される部材を意味しており、洗浄装置配管プール及び水道設備等に用いてもよく、温水、熱水若しくは水蒸気等を使用する飲料・食品用途を対象としてもよく、又は医療用用途を対象としてもよい。「水回り部材」は、例えば、弁、ホース、チューブ、パッキン、シール又はジョイントであることができる。

0020

本発明は、上記硬化性シリコーンゴム組成物を硬化して得られる、水と接触して使用される耐水性硬化シリコーンゴムにも関する。

0021

前記水の温度は25℃〜100℃であってよい。

0022

前記水は塩化物イオンを含んでもよい。

0023

前記塩化物イオン濃度は1ppm以上であることができる。

0024

前記水は水道水でもよい。

0025

前記耐水性硬化シリコーンゴムは水回り部材に使用することができる。

0026

前記耐水性硬化シリコーンゴムは、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム及びマグネシウム炭酸塩からなる群から選択される少なくとも1種のマグネシウム化合物を含む硬化性シリコーンゴム組成物を硬化させることにより製造することができる。

0027

本発明は、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム及びマグネシウム炭酸塩からなる群から選択される少なくとも1種のマグネシウム化合物を硬化シリコーンゴム中に存在させることを特徴とする、硬化シリコーンゴムの耐水性改善方法にも関する。

0028

本発明は、硬化シリコーンゴムの耐水性を改善するための、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム及びマグネシウム炭酸塩からなる群から選択される少なくとも1種のマグネシウム化合物の使用にも関する。

0029

本発明は、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム及びマグネシウム炭酸塩からなる群から選択される少なくとも1種のマグネシウム化合物からなる、硬化シリコーンゴム耐水性改善剤にも関する。

0030

本発明は、硬化シリコーンゴムの耐水性を改善するのに使用するための、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム及びマグネシウム炭酸塩からなる群から選択される少なくとも1種のマグネシウム化合物にも関する。

発明の効果

0031

本発明の硬化性シリコーンゴム組成物は、当該組成物を硬化して得られる硬化シリコーンゴムの耐水性を高めることができる。例えば、本発明の硬化シリコーンゴム又はそれからなる水回り部材は、塩化物イオンを含む水と長期間接触しても、白化等の外観不良、又は、高温の蒸気に対する強度不足の発生を防止乃至低減することができる。したがって、本発明の水回り部材は、例えば、水道水と長期間接触しても、外観が許容範囲を超えて悪化することがなく、また、高温蒸気存在下での強度が許容範囲を超えて低下することがない。

0032

本発明では、特に、温水、熱水又は水蒸気に対する硬化シリコーンゴムの耐水性が向上するので、本発明の硬化シリコーンゴム又はそれからなる水回り部材は、例えば、温水、熱水又は水蒸気を使用する飲料及び食品分野において好適に使用することができる。

0033

本発明の耐水性改善方法、耐水性改善方法の使用(方法)、耐水性改善剤も、同様に、シリコーンゴムの硬化物である硬化シリコーンゴムの耐水性を改善することができる。したがって、本発明によって、前記硬化シリコーンゴムからなる水回り部材の耐水性を高めることができる。これにより、本発明の水回り部材は、たとえ高温下で水道水と接触する条件下であっても、長期間に亘って良好に使用することができる。

0034

水道水、特に40℃以上の水道水に長期間接した硬化シリコーンゴムは、水道水との接触面近くのゴム内部に水泡状の空洞が生じ、白斑となったり、表面全体白濁したり、ひどい場合は水道水との接触面が剥離する。しかしながら、本発明者らの鋭意検討の結果、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム及びマグネシウム炭酸塩からなる群から選択される少なくとも1種のマグネシウム化合物を硬化シリコーンゴムに配合すると、水道水、特に40℃以上の水道水に長期間接触しても、外観不良が防止乃至低減されることが判明した。

0035

したがって、本発明では、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム及びマグネシウム炭酸塩からなる群から選択される少なくとも1種のマグネシウム化合物を硬化シリコーンゴムの耐水性改善のために使用する。以下、詳細に説明する。

0036

本発明の水回り部材用硬化性シリコーンゴム組成物は、酸化マグネシウム(MgO)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)及びマグネシウム炭酸塩からなる群から選択される少なくとも1種のマグネシウム化合物を含む。マグネシウム炭酸塩としては、炭酸マグネシウム(MgCO3)、塩基性炭酸マグネシウム(mMgCO3・Mg(OH)2・nH2O、例えば、3MgCO3・Mg(OH)2・3H2O)等が挙げられる。これらのマグネシウム化合物は水和物であっても無水和物であってもよい。また、2種類以上のマグネシウム化合物を併用してもよい。このようなマグネシウム化合物はFDAでも使用が認められているため、本発明の水回り部材用硬化性シリコーンゴム組成物は飲料・食品用途に好適である。

0037

酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム及びマグネシウム炭酸塩からなる群から選択される少なくとも1種のマグネシウム化合物は、本発明の硬化性シリコーンゴム組成物の硬化物である硬化シリコーンゴムの耐水性を向上させる作用を有する。したがって、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム及びマグネシウム炭酸塩からなる群から選択される少なくとも1種のマグネシウム化合物は、硬化シリコーンゴム耐水性改善剤として機能する。

0038

前記マグネシウム化合物の配合量の下限は、本発明の効果を発揮できる範囲内であれば特に限定されるものではないが、硬化性シリコーンゴム組成物の全重量(質量)を基準にして、0.01重量(質量)%以上であることが好ましく、0.03重量(質量)%以上がより好ましく、0.05重量(質量)%以上が更により好ましく、0.1重量(質量)%以上が特に好ましい。また、前記マグネシウム化合物の配合量の上限も、本発明の効果を発揮できる範囲内であれば特に限定されるものではないが、硬化性シリコーンゴム組成物の全重量(質量)を基準にして5重量(質量)%以下であることが好ましく、3重量(質量)%以下がより好ましく、1重量(質量)%以下が更により好ましく、0.5重量(質量)%以下が特に好ましい。

0039

前記マグネシウム化合物の形状は特に限定されず、例えば、バルク状又は粒子状が挙げられるが、粒子状のものが好ましい。ここでの粒子状とは、真球状のみならず、略球状をも含んでよい。粒子状のマグネシウム化合物の平均粒子径は10μm以下であることが好ましく、8μm以下であることがより好ましく、6μm以下であることが更により好ましく、1μm以下であることが特に好ましい。粒子状のマグネシウム化合物の平均粒子径の下限は特に限定されるものではないが、1nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましく、100nm以上であることが更により好ましく、500nm以上であることが特に好ましい。

0040

前記マグネシウム化合物は表面処理されていてもよい。表面処理の態様としては、例えば、アルミニウム化合物亜鉛化合物ケイ素化合物高級脂肪酸等の表面処理剤による表面処理が挙げられるが、ケイ素化合物による表面処理が好ましく、シリコーンシラン又は1種若しくは2種以上のシランの部分加水分解縮合物による表面処理がより好ましく、シランによる表面処理が特に好ましい。前記シランとしては、例えば、下記一般式(1):

R1(4−a)Si(OR2)a (1)

(式中、
R1は、一価炭化水素基又は反応性官能基を表し、
R2は、それぞれ独立して、一価炭化水素基を表し、
aは1〜3の整数であり、好ましくは3である)で表されるものが好ましい。

0041

一価炭化水素基としては、炭素原子数1〜30の、置換若しくは非置換の、直鎖状若しくは分岐状の一価炭化水素基が好ましく、例えば、メチル基エチル基プロピル基ブチル基、ペンチル基ヘキシル基、ヘプチル基オクチル基等の炭素原子数1〜30の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素原子数3〜30のシクロアルキル基ビニル基アリル基ブテニル基等の炭素数2〜30のアルケニル基フェニル基トリル基等の炭素原子数6〜30のアリール基ベンジル基フェネチル基等の炭素原子数7〜30のアラルキル基;及び、これらの基の炭素原子に結合した水素原子が少なくとも部分的にフッ素等のハロゲン原子、又は、水酸基エポキシ基グリシジル基アシル基カルボキシル基エステル基アミノ基、アミド基、(メタアクリル基、水酸基、メルカプト基イソシアナート基等を含む有機基で置換された基(但し、総炭素原子数は1〜30)が挙げられる。直鎖状の炭素原子数1〜6のアルキル基又はフェニル基が好ましく、メチル基、エチル基、又はフェニル基が更に好ましい。

0042

本発明において、反応性官能基とは、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、並びに、水酸基、エポキシ基、グリシジル基、アシル基、カルボキシル基、エステル基、アミノ基、アミド基、(メタ)アクリル基、水酸基、メルカプト基、イソシアナート基等の反応性を有する官能基又は前記官能基を有する一価有機基を意味する。前記一価有機基に存在する官能基は1つであっても、複数であってもよい。好ましい反応性官能基は、上記の官能基を少なくとも1つ有する、一価飽和若しくは芳香族炭化水素基である。反応性官能基としては、具体的には、3−ヒドロキシプロピル基、3−(2−ヒドロキシエトキシ)プロピル基、3−メルカプトプロピル基、2,3−エポキシプロピル基、3,4−エポキシブチル基、4,5−エポキシペンチル基、2−グリドキシエチル基、3−グリシドキシプロピル基、4−グリシドキシブチル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル基、アミノプロピル基、N−メチルアミノプロピル基、N−ブチルアミノプロピル基、N,N−ジブチルアミノプロピル基、3−(2−アミノエトキシ)プロピル基、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピル基、3−メタクリロキシプロピル基、4−メタクリロキシブチル基、3−アクリロキシプロピル基、4−アクリロキシシブチル基、3−カルボキシプロピル基、10−カルボキシデシル基、3−イソシアネートプロピル基等を挙げることができる。

0043

R2としての一価炭化水素基の定義又は例示は上記のとおりであるが、一価炭化水素基上の水素原子は、炭素数1〜12のアルコキシ基で置換されていてもよい。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基エトキシ基プロポキシ基等が挙げられる。

0044

一般式(1)で表されるシラン化合物として、例えば、γ−メタクリロキシ基含有オルガノアルコキシシランエポキシ基含有オルガノアルコキシシラン、アルケニル基含有オルガノアルコキシシラン、アルケニル基含有アセトキシシラン等も挙げることができる。このうち、γ−メタクリロキシ基含有オルガノアルコキシシランとしては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランが例示され、エポキシ基含有オルガノシランとしては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリメトキシシランが例示され、アルケニル基含有オルガノアルコキシシランとしては、ビニルトリメトキシシランビニルトリエトキシシランビニルメチルジメトキシシラン、アリルトリメトキシシランアリルトリエトキシシラン、アリルトリエトキシメトキシ)シラン、ブテニルトリメトキシシラン、ヘキセニルトリメトキシシラン、ヘキセニルトリエトキシシランが例示される。これらのオルガノアルコキシシランの1種又は2種以上の部分加水分解縮合物を使用してもよい。

0045

表面処理剤の使用量は、マグネシウム化合物100重量(質量)部に対して、0.005〜10重量(質量)部の範囲内が好ましく、0.01〜10重量(質量)部の範囲内がより好ましく、0.1〜5重量(質量)部の範囲内が更により好ましい。

0046

マグネシウム化合物の表面を表面処理剤で処理する方法としては、例えば、マグネシウム化合物と表面処理剤を混合して、十分な時間、両者を接触させる方法が挙げられる。なお、マグネシウム化合物を表面処理剤により処理する際、その処理を促進するために、加熱したり、或いは、触媒量の、酢酸リン酸等の酸性物質、又は、触媒量の、トリアルキルアミン、第4級アンモニウム塩類、アンモニアガス炭酸アンモニウム等の塩基性物質を併用したりしてもよい。

0047

本発明の水回り部材用硬化性シリコーンゴム組成物は、シリカ微粒子を更に含むことができる。これにより、前記組成物の硬化物の物理的強度を向上させることができる。特に、得られる硬化物の物理的強度を十分に向上させるためには、BET比表面積が30〜400m2/gのシリカ微粉末を使用することが好ましく、50〜400m2/gのシリカ微粉末の使用がより好ましく、100〜400m2/gのシリカ微粉末の使用が更により好ましい。シリカ微粒子としては、例えば、乾式法シリカ、湿式法シリカ又はそれらの混合物を使用することができる。なお、シリカ微粉末の表面は、オルガノアルコキシシラン、オルガノハロシランオルガノシラザン等のケイ素化合物;オクタメチルテトラシロキサンデカメチルペンタシロキサン等の環状ジオルガノシロキサンオリゴマーで表面処理されていてもよい。

0048

本発明の硬化性シリコーンゴム組成物においてシリカ微粉末の配合量の下限は任意であるが、得られる硬化物の物理的強度を十分に向上させるためには、硬化性シリコーンゴム組成物の全重量(質量)を基準にして、1重量(質量)%以上が好ましく、2重量(質量)%以上がより好ましく、5重量(質量)%以上が更により好ましい。シリカ微粉末の配合量の上限も特に限定されるものではないが、硬化性シリコーンゴム組成物の全重量(質量)を基準にして、80重量(質量)%以下であることが好ましく、50重量(質量)%以下がより好ましく、30重量(質量)%以下が更により好ましい。

0049

本発明の硬化性シリコーンゴム組成物はヒドロシリル化反応硬化型又は過酸化物硬化型であることができる。

0050

ヒドロシリル化反応硬化型の場合、本発明の硬化性シリコーンゴム組成物は、ミラブルタイプヒドロシリル化反応硬化型シリコーンゴム組成物、又は、液状ヒドロシリル化反応硬化型シリコーンゴム組成物であってよく、一般的には
(A)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン
(B)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
(C)ヒドロシリル化反応触媒
を含む。

0051

(A)成分のオルガノポリシロキサンはシリコーンゴム組成物の主成分であり、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合アルケニル基を有する。アルケニル基として、ビニル基、アリル基、プロペニル基等が例示され、アルケニル基以外の有機基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等で例示されるアルキル基;フェニル基、トリル基等で例示されるアリール基;ベンジル基、β−フェニルエチル基等のアラルキル基;3,3,3−トリフロロプロピル基、3−クロロプロピル基等で例示されるハロゲン置換アルキル基等が挙げられる。(A)成分の分子構造は、直鎖状、分岐を含む直鎖状、環状、網目状のいずれであってもよく、2種以上のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを併用してもよい。(A)成分の分子量は特に限定はなく、粘度の低い液状のものから粘度の高い生ゴム状のものまで使用できる。しかしながら、硬化してゴム状弾性体になるためには25℃での粘度が100mPa・s以上であることが好ましい。

0052

(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサンはシリコーンゴム組成物の架橋剤であり、(C)ヒドロシリル化反応触媒存在下、(B)成分中のケイ素原子結合水素原子が、(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基と付加反応することで架橋し硬化するものである。(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有する。ケイ素原子結合水素原子以外の有機基としてはメチル基、エチル基、プロピル基等で例示されるアルキル基;フェニル基、トリル基等で例示されるアリール基;3,3,3−トリフロロルロピル基、3−クロロプロピル基等で例示される置換アルキル基等が挙げられる。(B)成分の分子構造としては直鎖状、分岐を含む直鎖状、環状、網目状のいずれでもよく、2種以上のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを併用してもよい。

0053

(B)成分の分子量は特に限定はないが、25℃における粘度が3〜10,000センチポイズの範囲であることが好ましい。また、(B)成分のシリコーンゴム組成物中の配合量は、組成物中のケイ素原子結合水素原子のモル数とケイ素原子結合アルケニル基のモル数の比が(0.5:1)〜(20:1)となるような量であり、好ましくは(1:1)〜(3:1)が好ましい。これは組成物中のケイ素原子結合アルケニル基のモル数1に対して組成物中のケイ素原子結合水素原子のモル数が、0.5より小さいとシリコーンゴム組成物が充分に硬化することができず、20より大きいと硬化物が発泡することがあるからである。

0054

(C)ヒドロシリル化反応触媒はヒドロシリル化反応硬化型シリコーンゴム組成物を硬化させるための触媒である。(C)成分のヒドロシリル化反応触媒は従来公知のものを使用することができ、例えば、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸とオレフィン類ビニルシロキサン又はアセチレン化合物との錯化合物白金黒白金固体表面に担持させたもの等の白金系触媒テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム等のパラジウム系触媒クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等のロジウム系触媒が例示される。中でも白金系触媒であることが好ましい。(C)成分の配合量は(A)成分と(B)成分の合計量100万重量(質量)部に対して触媒金属元素換算で0.1〜500重量(質量)部が好ましく、1〜50重量(質量)部がより好ましい。これは0.1重量(質量)部未満では硬化が充分に進行せず、500重量(質量)部を超えると不経済となる恐れがあるためである。

0055

ヒドロシリル化反応硬化型の本発明の硬化性シリコーンゴムにおいては、既述したシリカ微粉末を含むことが特に好ましい。

0056

前記ヒドロシリル化反応硬化型シリコーンゴム組成物は、その硬化速度又は作業可使時間を調整するために、硬化遅延剤を含んでもよい。硬化遅延剤としては、例えば、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル1−ヘキシン−3−オール、フェニルブチノール、1−エチニル−1−シクロヘキサノール等の炭素−炭素三重結合を有するアルコール誘導体;3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等のエンイン化合物テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンテトラメチルテトラヘキセニルシクロテトラシロキサン等のアルケニル基含有低分子量シロキサン;メチル−トリス(3−メチル−1−ブチン−3−オキシ)シラン、ビニル−トリス(3−メチル−1−ブチン−3−オキシ)シラン等のアルキン含有シランが例示される。

0057

硬化遅延剤の配合量は、ヒドロシリル化反応硬化型シリコーンゴム組成物の使用方法成形方法等に応じて適宜選択されてよい。一般的な配合量は、ヒドロシリル化反応硬化型シリコーンゴム組成物の全重量(質量)を基準にして、0.001%〜5重量(質量)%の範囲である。

0058

過酸化物硬化型の場合、本発明の硬化性シリコーンゴム組成物は、ミラブルタイプ過酸化物硬化型シリコーンゴム組成物であることが好ましく、一般的には
(D)オルガノポリシロキサン生ゴム
(E)有機過酸化物
を含む。

0059

(D)成分はこの組成物の主剤となるものであり、オルガノポリシロキサン生ゴムと呼称されているものが使用可能である。このようなオルガノポリシロキサン生ゴムは、25℃における粘度が100万mPa・s以上であることが好ましく、500万mPa・s以上であることがより好ましい。また、このような(D)成分は、その性状が生ゴム状であり、そのウイリアムス可塑度が50以上であることが好ましく、100以上であることがさらに好ましい。また、その重合度は、通常、1,000〜20,000であり、重量平均分子量は20×104以上である。

0060

オルガノポリシロキサン生ゴムとしては、次に示す平均単位式(2):

R3SiO(4−b/2) (2)

(式中、
R3は一価炭化水素基を表し
bは1.8〜2.3の数である)
で表されるオルガノポリシロキサンが例示される。一価炭化水素基の定義及び例示は既述したとおりであるが、過酸化物硬化型の本発明の硬化性シリコーンゴムにおいて、(D)成分は一分子中に少なくとも2つのアルケニル基を有するアルケニル基含有オルガノポリシロキサン生ゴムであることが好ましい。例えば、硬化剤として、2,5−ジメチル−2,5-ジ-t-ブチルパーオキシヘキサンなどのアルキル系有機過酸化物を使用しても、良好な硬化特性物理特性が得られる。

0061

(D)成分の分子構造は直鎖状、分枝を含む直鎖状のいずれであってもよい。本成分は単一重合体でも共重合体でもよく、あるいはこれらの重合体の混合物でもよい。本成分を構成するシロキサン単位の具体例としては、ジメチルシロキサン単位メチルビニルシロキサン単位メチルフェニルシロキサン単位、メチル(3,3,3—トリフロロプロピル)シロキサン単位が挙げられる。分子鎖末端に存在する基としては、トリメチルシロキシ基ジメチルビニルシロキシ基メチルビニルヒドロキシシロキシ基、ジメチルヒドロキシシロキシ基が例示される。このようなオルガノポリシロキサン生ゴムとしては、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン生ゴム、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴム、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン生ゴム、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴム、両末端ジメチルヒドロキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴム,両末端メチルビニルヒドロキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体生ゴム、両末端メチルビニルヒドロキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・(3,3,3−トリフルオロプロピルメチルシロキサン共重合体生ゴムが例示される。

0062

(E)成分は硬化剤であり、シリコーンゴム組成物の硬化剤として知られる公知の有機過酸化物が使用可能である。このような有機過酸化物としては、ベンゾイルパーオキサイドジクミルパーオキサイドクミル-t-ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5-ジ-t-ブチルパーオキシヘキサン、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ビスパラメチルベンゾイル)パーオキサイド等が例示される。有機過酸化物の配合量は、(D)成分100重量(質量)部に対して0.05〜15重量(質量)部の範囲内が好ましく、0.1〜5重量(質量)部の範囲内がより好ましい。

0063

過酸化物硬化型の本発明の硬化性シリコーンゴムにおいては、既述したシリカ微粉末を含むことが特に好ましい。

0064

本発明の硬化性シリコーンゴム組成物は、本発明の効果を損なわない限り、その他の各種の添加剤、例えば、ヒュームド酸化チタン等のシリカ微粉末以外の補強充填剤粉砕石英結晶性シリカ珪藻土アスベストアルミノ珪酸酸化鉄酸化亜鉛炭酸カルシウム等の非補強充填剤、これらの充填剤をオルガノシラン、オルガノポリシロキサン等の有機ケイ素化合物で表面処理したもの、を添加配合してもよい。また、アセチレンブラックファーネスブラックチャンネルブラック等のカーボンブラックを配合してもよい。また必要に応じて顔料耐熱剤難燃剤内部離型剤可塑剤、無官能シリコーンオイル等の添加剤を配合してもよい。

0065

本発明の硬化性シリコーンゴム組成物は、上記各成分あるいはこれらに必要に応じて各種添加剤を配合した組成物をロスミキサー、2本ロールニーダーミキサー等の公知の混練手段により、均一に混合することによって容易に製造することができる。

0066

なお、飲料、食品用途としては、硬化反応残渣の無い点からヒドロシリル化反応硬化型のシリコーンゴムが好ましく、飲料移送用チューブ等においては押出し成形が可能なことからヒドロシリル化反応硬化型ミラブルシリコーンゴムであることが好ましい。

0067

本発明の硬化性シリコーンゴム組成物は、高温、例えば100〜250℃の温度範囲で、加熱することによって硬化して硬化シリコーンゴムとなる。加熱は1段階で行ってもよく、2段階以上に亘って行ってもよい。本発明の硬化シリコーンゴムは耐水性に優れており、水と接触する状態でも長期に亘って使用することができる。したがって、本発明は、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム及びマグネシウム炭酸塩からなる群から選択される少なくとも1種のマグネシウム化合物を含む硬化性シリコーンゴム組成物を硬化させることを特徴とする、耐水性硬化シリコーンゴムの製造方法;酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム及びマグネシウム炭酸塩からなる群から選択される少なくとも1種のマグネシウム化合物を硬化シリコーンゴム中に存在させることを特徴とする、硬化シリコーンゴムの耐水性改善方法;又は、硬化シリコーンゴムの耐水性を改善するための、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム及びマグネシウム炭酸塩からなる群から選択される少なくとも1種のマグネシウム化合物の使用;硬化シリコーンゴムの耐水性を改善するのに使用するための、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム及びマグネシウム炭酸塩からなる群から選択される少なくとも1種のマグネシウム化合物としての側面を有する。

0068

本発明の耐水性硬化シリコーンゴムは水回り部材に好適に使用することができる。前記水回り部材の種類は、水と接触して使用される限り特に限定されるものではないが、洗浄装置、配管、プール及び水道設備等に用いてもよく、温水、熱水若しくは水蒸気等を使用する飲料・食品用途を対象としてもよく、又は医療用用途を対象としてもよい。「水回り部材」としては、例えば、弁、ホース、チューブ、パッキン、シール、ジョイント等が挙げられる。このような水回り部材を製造する方法としては、従来公知の方法を用いることができる。具体的には、射出成形押出成形圧縮成形等が例示される。

0069

成形時の取り扱い作業性や、水周り部材としての強度の点から、上記硬化シリコーンゴムは、JISK6251に規定された引張強度が2MPa以上であり、伸びが50%以上であることが好ましい。

0070

本発明の耐水性硬化シリコーンゴムに接触する水の種類及び温度は特に限定されるものではなく、任意のタイプの水であってよいが、当該硬化シリコーンゴムは特に塩化物イオンを含む水(水道水、プール貯留水等)、及び、25℃から100℃の水、特に40℃以上の温水又は80℃以上の熱水に対して優れた耐水性を発揮することができる。なお、人体への影響上、水道水中の塩化物イオン濃度は10ppm以下であることが好ましく、5ppm以下であることが好ましく、1ppm以下であることがより好ましいが、本発明の耐水性硬化シリコーンゴムに接触する水中の塩化物イオンの濃度は特に限定されるものではなく、1ppm以上であってもよく、5ppm以上であってよく、10ppm以上であってもよい。

0071

以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、以下において、「部」は重量(質量)部を表す。

0072

表1〜表4に示す組成を有する実施例1〜19及び比較例1〜11のシリコーンゴム硬化物試験片を調製した。表1〜4表中の各用語の意味は以下のとおりである。

0073

シリコーンゴムベースコンパウンドA]
ジメチルシロキサン単位99.8モル%とメチルビニルシロキサン単位0.13モル%からなり、両末端がジメチルビニルシロキサン基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴム(重合度6,000) 100重量部、BET法における比表面積が300mm2/gの乾式法シリカ微粉末42重量部、可塑剤として粘度30mPa・sの両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサンオリゴマー14重量部をニーダーミキサーに投入して均一に混練した。次いで175℃で60分間混練してシリコーンゴムベースコンパウンドAを調製した。

0074

[シリコーンゴムベースコンパウンドB]
ジメチルシロキサン単位99.8モル%とメチルビニルシロキサン単位0.13モル%からなり、両末端がジメチルビニルシロキサン基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴム(重合度6,000) 100重量部、比表面積300m2/gの乾式法シリカ(アエロジル300)をジメチルジクロロシラン疎水化した表面疎水化処理シリカ平均粒径0.01μmの煙霧質シリカ) 42重量部、可塑剤として粘度30mPa・sの両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサンオリゴマー7.5重量部をニーダーミキサーに投入して均一に混練した。次いで175℃で60分間混練してシリコーンゴムベースコンパウンドBを調製した。

0075

[シリコーンゴムベースコンパウンドC]
ジメチルシロキサン単位99.8モル%とメチルビニルシロキサン単位0.13モル%からなり、両末端がジメチルビニルシロキサン基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴム(重合度6,000) 100重量部、湿式法シリカシリカ(ニプシールLP) 42重量部、可塑剤として粘度30mPa・sの両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサンオリゴマー4.0重量部をニーダーミキサーに投入して均一に混練した。次いで175℃で60分間混練してシリコーンゴムベースコンパウンドCを調製した。

0076

硬化性液状シリコーンゴム組成物
粘度40,000mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン100重量部、BET比表面積225m2/gの乾式法シリカ47重量部、ヘキサメチルジシラザン8重量部、水 3重量部、粘度20mPa・sの分子鎖両末端ジメチルヒドロキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体(ビニル基含有量約10.9質量%) 0.6重量部をロスミキサーに投入し、室温で均一になるまで混合した後、減圧下200℃で2時間加熱処理して流動性のあるシリカマスターバッチを調製した。
得られたシリカマスターバッチ100重量部に、粘度350mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体(ビニル基含有量約1.17質量%) 8重量部、動粘度44mm2/sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体ケイ素原子結合水素原子含有量約0.7質量%) 3重量部、エチニルシクロヘキサノール0.07重量部、メチルビニルシクロシロキサン(主に四量体) 0.08重量部を加えて室温で均一に混合し、硬化試験片作製直前に白金の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体白金金属として組成物中8ppmとなる量を配合し、均一に混合して硬化性液状シリコーンゴム組成物を調製した。

0077

[酸化マグネシウムのマスターバッチA、B、C]
酸化マグネシウムA(協和化学工業社製、平均粒径0.7μm)、酸化マグネシウムB(協和化学工業社製、平均粒径5.6μm)、又は、酸化マグネシウムC(協和化学工業社製、平均7.8μm)をそれぞれ20重量部と、ジメチルシロキサン単位99.8モル%とメチルビニルシロキサン単位0.13モル%からなり、両末端がジメチルビニルシロキサン基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴム(重合度6,000)80重量部を2ロールで混連して調製した。

0078

[表面処理酸化マグネシウムのマスターバッチ]
酸化マグネシウムA(協和化学工業社製、平均粒径0.7μm)を乳鉢に20gとり、ビニルトリメトキシシラン0.6g(3%)を添加して乳棒で5分間磨り潰して酸化マグシウムの表面処理品を得た。得られた表面処理酸化マグネシウム20重量部と、ジメチルシロキサン単位99.8モル%とメチルビニルシロキサン単位0.13モル%からなり、両末端がジメチルビニルシロキサン基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴム(重合度6,000)80重量部を2ロールで混連して調製した。

0079

[水酸化マグネシウムのマスターバッチ]
水酸化マグネシウム(神島化学工業株式会社製マグシーズX−6:平均粒子径:1.0μm)20重量部と、ジメチルシロキサン単位99.8モル%とメチルビニルシロキサン単位0.13モル%からなり、両末端がジメチルビニルシロキサン基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴム(重合度6,000)80重量部を2ロールで混連して調製した。

0080

[マグネシウム炭酸塩のマスターバッチ]
マグネシウム炭酸塩(神島化学工業株式会社製金星:平均粒子径:5.5μm)20重量部と、ジメチルシロキサン単位99.8モル%とメチルビニルシロキサン単位0.13モル%からなり、両末端がジメチルビニルシロキサン基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴム(重合度6,000)80重量部を2ロールで混連して調製した。

0081

[ハイドロタルサイトのマスターバッチ]
ハイドロタルサイト(協和化学工業社製DHT−4A)20重量部と、ジメチルシロキサン単位99.8モル%とメチルビニルシロキサン単位0.13モル%からなり、両末端がジメチルビニルシロキサン基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴム(重合度6,000)80重量部を2ロールで混連して調製した。

0082

水酸化カルシウムのマスターバッチ]
水酸化カルシウム(宇部マテリアルズ社製CH−2N)20重量部と、ジメチルシロキサン単位99.8モル%とメチルビニルシロキサン単位0.13モル%からなり、両末端がジメチルビニルシロキサン基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴム(重合度6,000)80重量部を2ロールで混連して調製した。

0083

シリコーン生ゴム
ジメチルシロキサン単位99.8モル%とメチルビニルシロキサン単位0.13モル%からなり、両末端がジメチルビニルシロキサン基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴム(重合度6,000)

0084

過酸化物1]
アルキル系過酸化物:2,5−ジメチル−2,5−ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン

0085

[過酸化物2]
アシル系過酸化物:ビス(パラメチルベンゾイル)パーオキサイド

0086

[架橋剤]
動粘度15mm2/sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(ケイ素原子結合水素原子含有量約0.8質量%)

0087

[白金系触媒]
白金の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体

0088

[硬化遅延剤]
1−エチニル−1−シクロヘキサノール

0089

(過酸化物1を使用した場合の試験片の作製方法
表1又は表3に記載の各成分を2本ロール上で均一に混合し、170℃で10分のプレス加硫後、200℃で4時間のオーブン加硫を行って厚さ2mmの試験片を得た。

0090

(過酸化物2を使用した試験片の作製方法)
表3に記載の各成分を2本ロール上で均一に混合し、120℃で10分のプレス加硫後、200℃で4時間のオーブン加硫を行って厚さ2mmの試験片を得た。

0091

ヒドロシリル化触媒を使用した試験片の作製方法)
表1〜3に記載の各成分を2本ロール上で均一に混合し、120℃で10分のプレス加硫後、200℃で4時間のオーブン加硫を行って厚さ2mmの試験片を得た。なお、表4の液状シリコーンゴム組成物硬化条件も同様である。

0092

実施例1〜19及び比較例1〜11の各試験片について、以下に示すテストを適宜選択して実施した。

0093

耐塩素水溶液浸漬テスト(50℃)]
試験片(約10cm角で厚さ2mm)を、塩素濃度を50ppmに調整した次亜塩素酸ナトリウム水溶液[バイヤクス(カズサ社製)0.83重量部+イオン交換水999.2重量部]中に50℃で30日間浸漬した。

0094

[耐塩素水溶液浸漬テスト(85℃)](劣化加速試験
試験片(約10cm角で厚さ2mm)を、塩素濃度を50ppmに調整した次亜塩素酸ナトリウム水溶液[バイヤラクス(カズサ社製)0.83重量部+イオン交換水999.2重量物]に85℃で浸漬した。1週間毎に次亜塩素酸ナトリウム水溶液を交換し、2週間後に白化等の外観異常が認められた場合は試料を取り出し、外観異常が認められなかった場合は、42日又は45日後まで浸漬時間を延長した。

0095

外観評価
次亜塩素酸ナトリウム水溶液中から取り出した直後の試験片の外観を肉眼で観察した。
試験片全体が白く濁っている場合を××(白濁)とした。
直径1mm以上の水泡が確認された場合を×とした。
直径1mm未満の微小な水泡が確認された場合は、このような微小な水泡は試験片の乾燥後には消失し、白点等の外観異常は肉眼で確認されず、強度の劣化も認められなかったので○とした。
なお、全ての外観異常は試験片の表面付近のゴム内部の白化であり、表面そのものは浸漬前と変化していなかった。
一方、外観に変化がない場合は◎とした。

0096

重量変化率
上記の次亜塩素酸ナトリウム水溶液中から取り出した試料を3日間室温で放置後、85℃で60分間乾燥して重量を測定し、浸漬前の重量と比較した。以下の式により、重量変化率を決定した。

重量変化率(%)=((浸漬後の重量)−(浸漬前の重量))/(浸漬前の重量)

0097

白色度及び色差
試験片下に黒い紙を敷いて色差計[ミノルタカメラ社製色彩色差計CR−200]でL値(白色度(処理前))を測定した。
次に、上記の次亜塩素酸ナトリウム水溶液中から取り出した試料を85℃で60分間乾燥した試料を下に黒い紙を敷いて色差計[ミノルタカメラ社製色彩色差計CR−200]でL値(白色度(処理後))を測定した。以下の式により、色差を決定した。

ΔL(色差)=L値(処理後)−L値(処理前)

ΔLが正の場合は試験片の白化(白点、白斑状の白化も含む)が進行していることを示している。使用した黒い紙のみのL値は28.0であった。

0098

[耐スチームテスト]
試験片(厚さ2m、JIS3号ダンベル形状)をオートクレーブに入れ、スチーム圧力を調整して160℃に維持し、200時間保持した。試験片をオートクレーブから取り出し、室温での引張強度を測定し、処理前の引張強度を100%とした時の処理後の引張強度を残存%で表した。

0099

初期物理特性
JIS K6251に準じてシリコーンゴム硬化物の試験片の硬さ(JISタイプAデュロメーター使用)、引張強度、及び、伸びを測定した。

0100

0101

0102

0103

0104

表1は、酸化マグネシウムの配合の効果を示す。特に、酸化マグネシウムを配合した実施例1と酸化マグネシウムを配合しない比較例1では、50℃という比較的低温の耐塩素水溶液浸漬テストにおいてでさえ、耐塩素水性に大きな差が生じることが分かる。また、酸化マグネシウムに代えてハイドロタルサイトを配合した比較例3では耐塩素水性が十分でないことがわかる。そして、酸化マグネシウムに代えて水酸化カルシウムを配合した比較例2では耐スチーム性が劣化することがわかる。

0105

表2は、ヒドロシリル化反応硬化型シリコーンゴム組成物を用いた場合の評価結果を示す。実施例1〜11と比較例5〜8の対比から、85℃の加速劣化試験においても酸化マグネシウムの配合効果が認められた。酸化マグネシウムの配合量が少ない場合(実施例9)、酸化マグネシウムの粒子径が大きい場合(実施例10)は試験結果が若干悪化したが実用性には問題がなかった。また、シリカを配合しない場合(実施例11)は劣化が若干大きくなることがわかる。実施例9〜11は、硬化物の透明性が十分であること、物理特性に影響を与えるほどの大きさの水泡が認められないことから合格とした。

0106

表3は、シリコーンゴムの硬化方法の違い、及び、マグネシウム化合物の違いの影響を示す。水酸化マグネシウム、マグネシウム炭酸塩にも、酸化マグネシウムと同様な効果が認められた。なお、マグネシウム炭酸塩の効果は他のマグネシウム化合物と比較して劣ることがわかる。また、酸化マグネシウム表面をシランカップリング剤で処理しても効果が変わらないことが確認された。したがって、必要に応じてマグネシウム化合物の表面処理をおこなってもよいことがわかる。

実施例

0107

表4は、硬化性液状シリコーンゴム組成物を用いた場合の評価結果を示す。実施例19と比較例11の対比から、酸化マグネシウムの配合効果が認められた。なお、液状シリコーンゴムにおいては、ミラブル系シリコーンゴム組成物と比較して良好な耐塩素水性を示した。

0108

本発明の硬化シリコーンゴムは、水と接触して使用される水回り部材に使用することができる。前記水回り部材としては、例えば、弁、ホース、チューブ、パッキン、シール又はジョイントが挙げられる。また、本発明の硬化性シリコーンゴム組成物は、そのような硬化シリコーンゴムの製造に好適である。

0109

本発明は、水道水等の塩化物イオンを含む水と長期間に亘って接触するシリコーン製部材に好適に使用することができるので、飲料及び食品の分野において特に好適に実施することができる。

0110

特に、本発明は、温水、熱水又は水蒸気と接触するシリコーン製の水回り部材に好適に使用することができるので、例えば、台所浴室等で使用される調理器具風呂器具、洗浄装置、配管、プール及び水道設備等にも好適である。

0111

また、本発明のシリコーンゴムは、胃酸酸性洗浄液に接触して使用される医療用部材に使用することができる。例えば、カテーテルバルーンカテーテルバルーン人工透析装置血液透析装置インプラント部材にも好適である。

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