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技術 超音波診断装置、超音波診断装置の作動方法および超音波診断装置の作動プログラム

出願人 オリンパスメディカルシステムズ株式会社
発明者 宮木浩仲神原忠明和田安広
出願日 2011年11月11日 (9年3ヶ月経過) 出願番号 2012-522867
公開日 2014年5月12日 (6年9ヶ月経過) 公開番号 WO2012-063976
状態 特許登録済
技術分野 超音波診断装置
主要キーワード 増幅率情報 減衰率α 一次元空間 近似多項式 距離算出結果 サンプリング距離 表示レンジ Bモード
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年5月12日)のものです。
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図面 (20)

課題・解決手段

超音波診断装置は、受信した超音波周波数解析することによって周波数スペクトルを算出する周波数解析部と、前記周波数解析部が算出した周波数スペクトルに対し、近似処理ならびに超音波の受信深度および周波数に依存する超音波の減衰の寄与を削減する補正処理を行うことにより、前記周波数スペクトルの特徴量を抽出する特徴量抽出部と、複数の既知検体によってそれぞれ反射された超音波をもとに抽出された周波数スペクトルの特徴量を前記複数の既知検体の組織性状と関連付けて記憶する記憶部と、前記記憶部が前記複数の既知検体の組織性状と関連付けて記憶する特徴量および前記特徴量抽出部が抽出した特徴量を用いることによって検体の所定領域の組織性状を判定する組織性状判定部と、を備える。

概要

背景

従来、超音波を用いた乳がん等の検査技術として、超音波エラストグラフィという技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。超音波エラストグラフィは、生体内の癌や腫瘍組織の硬さが病気進行状況生体によって異なることを利用する技術である。この技術では、外部から検査箇所圧迫した状態で、超音波を用いてその検査箇所における生体組織の歪量や弾性率を計測し、この計測結果を断層像として画像表示している。

概要

超音波診断装置は、受信した超音波の周波数解析することによって周波数スペクトルを算出する周波数解析部と、前記周波数解析部が算出した周波数スペクトルに対し、近似処理ならびに超音波の受信深度および周波数に依存する超音波の減衰の寄与を削減する補正処理を行うことにより、前記周波数スペクトルの特徴量を抽出する特徴量抽出部と、複数の既知検体によってそれぞれ反射された超音波をもとに抽出された周波数スペクトルの特徴量を前記複数の既知検体の組織性状と関連付けて記憶する記憶部と、前記記憶部が前記複数の既知検体の組織性状と関連付けて記憶する特徴量および前記特徴量抽出部が抽出した特徴量を用いることによって検体の所定領域の組織性状を判定する組織性状判定部と、を備える。

目的

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、組織性状を精度よく鑑別することを可能にするとともに、測定結果信頼性を向上させることができる超音波診断装置、超音波診断装置の作動方法および超音波診断装置の作動プログラムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

検体に対して超音波を送信するとともに前記検体によって反射された超音波を受信することにより、受信した超音波に基づく前記検体の組織性状を判定する超音波診断装置であって、受信した超音波の周波数解析することによって周波数スペクトルを算出する周波数解析部と、前記周波数解析部が算出した周波数スペクトルに対し、超音波が伝播する際に該超音波の受信深度および周波数に応じて発生する減衰の寄与を削減する減衰補正処理と近似処理とを行うことにより、前記検体の特徴量を抽出する特徴量抽出部と、複数の既知検体によってそれぞれ反射された超音波をもとに抽出された周波数スペクトルの特徴量を前記複数の既知検体の組織性状と関連付けて記憶する記憶部と、前記記憶部が前記複数の既知検体の組織性状と関連付けて記憶する特徴量および前記特徴量抽出部が抽出した特徴量を用いることによって前記検体の所定領域の組織性状を判定する組織性状判定部と、を備えたことを特徴とする超音波診断装置。

請求項2

前記特徴量抽出部は、前記周波数解析部が算出した周波数スペクトルに対して前記近似処理を行うことにより、前記減衰補正処理を行う前の補正前特徴量を抽出する近似部と、前記近似部が抽出した補正前特徴量に対して前記減衰補正処理を行うことにより、前記周波数スペクトルの特徴量を抽出する減衰補正部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。

請求項3

前記特徴量抽出部は、前記周波数スペクトルに対して前記減衰補正処理を行う減衰補正部と、前記減衰補正部が補正した周波数スペクトルに対して前記近似処理を行うことにより、前記周波数スペクトルの特徴量を抽出する近似部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。

請求項4

前記減衰補正部は、超音波の受信深度が大きいほど大きな補正を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の超音波診断装置。

請求項5

前記近似部は、回帰分析によって前記周波数スペクトルを多項式で近似することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の超音波診断装置。

請求項6

前記近似部は、前記周波数スペクトルを一次式で近似し、前記一次式の傾き、前記一次式の切片、および前記傾きと前記切片と前記周波数スペクトルの周波数帯域に含まれる特定の周波数とを用いて定まる強度、のうち少なくとも2つを含む複数の特徴量を抽出することを特徴とする請求項5に記載の超音波診断装置。

請求項7

前記減衰補正部は、少なくとも前記傾きおよび前記強度に対して補正を行うことを特徴とする請求項6に記載の超音波診断装置。

請求項8

前記記憶部は、前記複数の既知検体に対して組織性状ごとに分類されたグループにおける各特徴量の平均を記憶し、前記組織性状判定部は、前記複数の特徴量の少なくともいずれか一つを成分とする特徴量空間を設定し、前記検体の周波数スペクトルの特徴量のうち前記特徴量空間の成分をなす特徴量を前記特徴量空間の座標として有する検体点と、前記複数の既知検体の前記グループにおける各特徴量のうち前記特徴量空間の成分をなす特徴量の平均を前記特徴量空間の座標として有する既知検体平均点との前記特徴量空間上の距離に基づいて、前記検体の組織性状を判定することを特徴とする請求項6または7に記載の超音波診断装置。

請求項9

前記組織性状判定部は、前記複数の既知検体における組織性状ごとに分類されたグループに前記検体の特徴量を加えた母集団における特徴量の標準偏差を算出し、この標準偏差と前記グループにおける特徴量の標準偏差との差が最小である特徴量を有するグループに対応した組織性状を前記検体の組織性状とすることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の超音波診断装置。

請求項10

前記検体から受信した超音波の受信信号増幅する信号増幅部と、前記信号増幅部が増幅した前記受信信号の振幅輝度に変換して表示するBモード表示画像データを生成するBモード表示画像データ生成部と、をさらに備え、前記信号増幅部は、前記Bモード表示画像データ生成部へ出力する信号に対して受信深度に応じて増幅率を変化させながら増幅を行う一方、前記周波数解析部へ出力する信号に対して一定の増幅率で増幅を行うことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の超音波診断装置。

請求項11

前記Bモード表示画像データ生成部へ出力する信号に対する増幅率は、所定の受信深度まで単調増加することを特徴とする請求項10に記載の超音波診断装置。

請求項12

受信した超音波の信号の振幅を輝度に変換して表示するBモード表示画像データを生成するBモード表示画像データ生成部と、前記検体の特徴量に対応する視覚情報を生成し、この生成した視覚情報、前記Bモード表示画像データ生成部が生成したBモード表示画像データ、および前記組織性状判定部が判定した結果を用いることによって前記検体の組織性状の判定結果を表示する判定結果表示画像データを生成する判定結果表示画像データ生成部と、前記判定結果表示画像データ生成部が生成した判定結果表示画像データに対応する画像を表示する表示部と、をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。

請求項13

前記判定結果表示画像データは、前記組織性状判定部によって判定された組織性状を強調する組織性状強調画像を含み、前記判定結果表示画像データ生成部は、前記Bモード表示画像において、前記組織性状判定部によって所定の組織性状と判定された領域を、前記検体の特徴量に対応する視覚情報を有する特徴量画像置換することにより、前記組織性状強調画像を生成することを特徴とする請求項12に記載の超音波診断装置。

請求項14

前記判定結果表示画像データは、前記組織性状判定部によって判定された組織性状を強調する組織性状強調画像を含み、前記判定結果表示画像データ生成部は、前記Bモード表示画像において、前記組織性状判定部によって所定の組織性状と判定された領域以外の領域を、前記検体の特徴量に対応する視覚情報を有する特徴量画像へ置換することにより、前記組織性状強調画像を生成することを特徴とする請求項12に記載の超音波診断装置。

請求項15

前記判定結果表示画像データは、前記組織性状判定部によって判定された組織性状を強調する組織性状強調画像を含み、前記判定結果表示画像データ生成部は、前記Bモード表示画像および前記検体の特徴量に対応する視覚情報を有する特徴量画像において互いに対応する画素値重み付けして平均した値を画素値とすることにより、前記組織性状強調画像を生成することを特徴とする請求項12に記載の超音波診断装置。

請求項16

前記視覚情報は、色空間を構成する変数であることを特徴とする請求項12〜15のいずれか1項に記載の超音波診断装置。

請求項17

検体に対して超音波を送信するとともに前記検体によって反射された超音波を受信することにより、受信した超音波に基づく前記検体の組織性状を判定する超音波診断装置の作動方法であって、受信した超音波の周波数を解析することによって周波数スペクトルを周波数解析部により算出する周波数解析ステップと、前記周波数解析ステップで算出した周波数スペクトルに対し、超音波が伝播する際に該超音波の受信深度および周波数に応じて発生する減衰の寄与を削減する減衰補正処理と近似処理とを行うことにより、前記検体の特徴量を特徴量抽出部により抽出する特徴量抽出ステップと、複数の既知検体によってそれぞれ反射された超音波をもとに抽出された周波数スペクトルの特徴量および前記特徴量抽出ステップで抽出した特徴量を用いることによって前記検体の所定領域の組織性状を組織性状判定部により判定する組織性状判定ステップと、を有することを特徴とする超音波診断装置の作動方法。

請求項18

検体に対して超音波を送信するとともに前記検体によって反射された超音波を受信することにより、受信した超音波に基づく前記検体の組織性状を判定する超音波診断装置に、受信した超音波の周波数を解析することによって周波数スペクトルを周波数解析部により算出する周波数解析ステップと、前記周波数解析ステップで算出した周波数スペクトルに対し、超音波が伝播する際に該超音波の受信深度および周波数に応じて発生する減衰の寄与を削減する減衰補正処理と近似処理とを行うことにより、前記検体の特徴量を特徴量抽出部により抽出する特徴量抽出ステップと、複数の既知検体によってそれぞれ反射された超音波をもとに抽出された周波数スペクトルの特徴量および前記特徴量抽出ステップで抽出した特徴量を用いることによって前記検体の所定領域の組織性状を組織性状判定部により判定する組織性状判定ステップと、を実行させることを特徴とする超音波診断装置の作動プログラム

技術分野

0001

本発明は、超音波を用いて検体組織性状を判定する超音波診断装置、超音波診断装置の作動方法および超音波診断装置の作動プログラムに関する。

背景技術

0002

従来、超音波を用いた乳がん等の検査技術として、超音波エラストグラフィという技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。超音波エラストグラフィは、生体内の癌や腫瘍組織の硬さが病気進行状況生体によって異なることを利用する技術である。この技術では、外部から検査箇所圧迫した状態で、超音波を用いてその検査箇所における生体組織の歪量や弾性率を計測し、この計測結果を断層像として画像表示している。

先行技術

0003

国際公開第2005/122906号

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、上述した超音波エラストグラフィでは、血管やリンパ管などの脈管の下部には押し付ける圧力が伝わりにくいという問題があった。そのため、脈管の近傍に腫瘍が形成されている場合、腫瘍の境界が不明りょうであり、脈管内への腫瘍の浸潤鑑別も難しかった。このように、超音波エラストグラフィでは、組織性状の鑑別を精度よく行うことができない場合があった。

0005

また、超音波エラストグラフィでは、検査者が検査箇所を圧迫する際の圧力や圧迫速度個人差が生じやすいため、測定結果信頼性が低いという問題もあった。

0006

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、組織性状を精度よく鑑別することを可能にするとともに、測定結果の信頼性を向上させることができる超音波診断装置、超音波診断装置の作動方法および超音波診断装置の作動プログラムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る超音波診断装置は、検体に対して超音波を送信するとともに前記検体によって反射された超音波を受信することにより、受信した超音波に基づく前記検体の組織性状を判定する超音波診断装置であって、受信した超音波の周波数解析することによって周波数スペクトルを算出する周波数解析部と、前記周波数解析部が算出した周波数スペクトルに対し、超音波が伝播する際に該超音波の受信深度および周波数に応じて発生する減衰の寄与を削減する減衰補正処理と近似処理とを行うことにより、前記検体の特徴量を抽出する特徴量抽出部と、複数の既知検体によってそれぞれ反射された超音波をもとに抽出された周波数スペクトルの特徴量を前記複数の既知検体の組織性状と関連付けて記憶する記憶部と、前記記憶部が前記複数の既知検体の組織性状と関連付けて記憶する特徴量および前記特徴量抽出部が抽出した特徴量を用いることによって前記検体の所定領域の組織性状を判定する組織性状判定部と、を備えたことを特徴とする。

0008

また、本発明に係る超音波診断装置は、上記発明において、前記特徴量抽出部は、前記周波数解析部が算出した周波数スペクトルに対して前記近似処理を行うことにより、前記減衰補正処理を行う前の補正前特徴量を抽出する近似部と、前記近似部が抽出した補正前特徴量に対して前記減衰補正処理を行うことにより、前記周波数スペクトルの特徴量を抽出する減衰補正部と、を有することを特徴とする。

0009

また、本発明に係る超音波診断装置は、上記発明において、前記特徴量抽出部は、前記周波数スペクトルに対して前記減衰補正処理を行う減衰補正部と、前記減衰補正部が補正した周波数スペクトルに対して前記近似処理を行うことにより、前記周波数スペクトルの特徴量を抽出する近似部と、を有することを特徴とする。

0010

また、本発明に係る超音波診断装置は、上記発明において、前記減衰補正部は、超音波の受信深度が大きいほど大きな補正を行うことを特徴とする。

0011

また、本発明に係る超音波診断装置は、上記発明において、前記近似部は、回帰分析によって前記周波数スペクトルを多項式で近似することを特徴とする。

0012

また、本発明に係る超音波診断装置は、上記発明において、前記近似部は、前記周波数スペクトルを一次式で近似し、前記一次式の傾き、前記一次式の切片、および前記傾きと前記切片と前記周波数スペクトルの周波数帯域に含まれる特定の周波数とを用いて定まる強度、のうち少なくとも2つを含む複数の特徴量を抽出することを特徴とする。

0013

また、本発明に係る超音波診断装置は、上記発明において、前記減衰補正部は、少なくとも前記傾きおよび前記強度に対して補正を行うことを特徴とする。

0014

また、本発明に係る超音波診断装置は、上記発明において、前記記憶部は、前記複数の既知検体に対して組織性状ごとに分類されたグループにおける各特徴量の平均を記憶し、前記組織性状判定部は、前記複数の特徴量の少なくともいずれか一つを成分とする特徴量空間を設定し、前記検体の周波数スペクトルの特徴量のうち前記特徴量空間の成分をなす特徴量を前記特徴量空間の座標として有する検体点と、前記複数の既知検体の前記グループにおける各特徴量のうち前記特徴量空間の成分をなす特徴量の平均を前記特徴量空間の座標として有する既知検体平均点との前記特徴量空間上の距離に基づいて、前記検体の組織性状を判定することを特徴とする。

0015

また、本発明に係る超音波診断装置は、上記発明において、前記組織性状判定部は、前記複数の既知検体における組織性状ごとに分類されたグループに前記検体の特徴量を加えた母集団における特徴量の標準偏差を算出し、この標準偏差と前記グループにおける特徴量の標準偏差との差が最小である特徴量を有するグループに対応した組織性状を前記検体の組織性状とすることを特徴とする。

0016

また、本発明に係る超音波診断装置は、上記発明において、前記検体から受信した超音波の受信信号増幅する信号増幅部と、前記信号増幅部が増幅した前記受信信号の振幅輝度に変換して表示するBモード表示画像データを生成するBモード表示画像データ生成部と、をさらに備え、前記信号増幅部は、前記Bモード表示画像データ生成部へ出力する信号に対して受信深度に応じて増幅率を変化させながら増幅を行う一方、前記周波数解析部へ出力する信号に対して一定の増幅率で増幅を行うことを特徴とする。

0017

また、本発明に係る超音波診断装置は、上記発明において、前記Bモード表示画像データ生成部へ出力する信号に対する増幅率は、所定の受信深度まで単調増加することを特徴とする。

0018

また、本発明に係る超音波診断装置は、上記発明において、受信した超音波の信号の振幅を輝度に変換して表示するBモード表示画像データを生成するBモード表示画像データ生成部と、前記検体の特徴量に対応する視覚情報を生成し、この生成した視覚情報、前記Bモード表示画像データ生成部が生成したBモード表示画像データ、および前記組織性状判定部が判定した結果を用いることによって前記検体の組織性状の判定結果を表示する判定結果表示画像データを生成する判定結果表示画像データ生成部と、前記判定結果表示画像データ生成部が生成した判定結果表示画像データに対応する画像を表示する表示部と、をさらに備えたことを特徴とする。

0019

また、本発明に係る超音波診断装置は、上記発明において、前記判定結果表示画像データは、前記組織性状判定部によって判定された組織性状を強調する組織性状強調画像を含み、前記判定結果表示画像データ生成部は、前記Bモード表示画像において、前記組織性状判定部によって所定の組織性状と判定された領域を、前記検体の特徴量に対応する視覚情報を有する特徴量画像置換することにより、前記組織性状強調画像を生成することを特徴とする。

0020

また、本発明に係る超音波診断装置は、上記発明において、前記判定結果表示画像データは、前記組織性状判定部によって判定された組織性状を強調する組織性状強調画像を含み、前記判定結果表示画像データ生成部は、前記Bモード表示画像において、前記組織性状判定部によって所定の組織性状と判定された領域以外の領域を、前記検体の特徴量に対応する視覚情報を有する特徴量画像へ置換することにより、前記組織性状強調画像を生成することを特徴とする。

0021

また、本発明に係る超音波診断装置は、上記発明において、前記判定結果表示画像データは、前記組織性状判定部によって判定された組織性状を強調する組織性状強調画像を含み、前記判定結果表示画像データ生成部は、前記Bモード表示画像および前記検体の特徴量に対応する視覚情報を有する特徴量画像において互いに対応する画素値重み付けして平均した値を画素値とすることにより、前記組織性状強調画像を生成することを特徴とする。

0022

また、本発明に係る超音波診断装置は、上記発明において、前記視覚情報は、色空間を構成する変数であることを特徴とする。

0023

また、本発明に係る超音波診断装置の作動方法は、検体に対して超音波を送信するとともに前記検体によって反射された超音波を受信することにより、受信した超音波に基づく前記検体の組織性状を判定する超音波診断装置の作動方法であって、受信した超音波の周波数を解析することによって周波数スペクトルを周波数解析部により算出する周波数解析ステップと、前記周波数解析ステップで算出した周波数スペクトルに対し、超音波が伝播する際に該超音波の受信深度および周波数に応じて発生する減衰の寄与を削減する減衰補正処理と近似処理とを行うことにより、前記検体の特徴量を特徴量抽出部により抽出する特徴量抽出ステップと、複数の既知検体によってそれぞれ反射された超音波をもとに抽出された周波数スペクトルの特徴量および前記特徴量抽出ステップで抽出した特徴量を用いることによって前記検体の所定領域の組織性状を組織性状判定部により判定する組織性状判定ステップと、を有することを特徴とする。

0024

また、本発明に係る超音波診断装置の作動プログラムは、検体に対して超音波を送信するとともに前記検体によって反射された超音波を受信することにより、受信した超音波に基づく前記検体の組織性状を判定する超音波診断装置に、受信した超音波の周波数を解析することによって周波数スペクトルを周波数解析部により算出する周波数解析ステップと、前記周波数解析ステップで算出した周波数スペクトルに対し、超音波が伝播する際に該超音波の受信深度および周波数に応じて発生する減衰の寄与を削減する減衰補正処理と近似処理とを行うことにより、前記検体の特徴量を特徴量抽出部により抽出する特徴量抽出ステップと、複数の既知検体によってそれぞれ反射された超音波をもとに抽出された周波数スペクトルの特徴量および前記特徴量抽出ステップで抽出した特徴量を用いることによって前記検体の所定領域の組織性状を組織性状判定部により判定する組織性状判定ステップと、を実行させることを特徴とする。

発明の効果

0025

本発明によれば、受信した超音波の周波数を解析することによって得た周波数スペクトルに対し、超音波が伝播する際に該超音波の受信深度および周波数に応じて発生する減衰の寄与を削減する減衰補正処理と近似処理とを行うことにより、検体の特徴量を抽出し、この抽出した検体の特徴量および複数の既知検体の特徴量を用いることによってその検体の所定領域の組織性状を判定するため、生体組織の歪量や弾性率を用いることなく、組織の違いを明確に峻別することができる。したがって、組織性状を精度よく鑑別することを可能にするとともに、測定結果の信頼性を向上させることができる。

図面の簡単な説明

0026

図1は、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図である。
図2は、Bモード画像用エコー信号の増幅率と受信深度との関係を示す図である。
図3は、演算用エコー信号の増幅率と受信深度との関係を示す図である。
図4は、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の処理の概要を示すフローチャートである。
図5は、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の表示部におけるBモード画像の表示例を示す図である。
図6は、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の周波数解析部が行う処理の概要を示すフローチャートである。
図7は、一つの音線データ配列を模式的に示す図である。
図8は、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の周波数解析部が算出した周波数スペクトルの例(第1例)を示す図である。
図9は、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の周波数解析部が算出した周波数スペクトルの例(第2例)を示す図である。
図10は、図8に示す直線に関連する特徴量に対して減衰補正を行った後の特徴量から定まる新たな直線を示す図である。
図11は、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の組織性状判定部が行う処理の概要を示すフローチャートである。
図12は、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の組織性状判定部が設定する特徴量空間の一例を示す図である。
図13は、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の表示部が表示する判定結果表示画像の表示例を示す図である。
図14は、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置が行う減衰補正処理の効果を説明する図である。
図15は、カラー画像を用いた場合の組織性状強調画像の表示例(第1例)を示す図である。
図16は、図15に示す画像を白黒で模式的に示す図である。
図17は、カラー画像を用いた場合の組織性状強調画像の表示例(第2例)を示す図である。
図18は、図17に示す画像を白黒で模式的に示す図である。
図19は、カラー画像を用いた場合の組織性状強調画像の表示例(第3例)を示す図である。
図20は、図19に示す画像を白黒で模式的に示す図である。
図21は、本発明の実施の形態2に係る超音波診断装置の処理の概要を示すフローチャートである。
図22は、本発明の実施の形態2に係る超音波診断装置が行う減衰補正処理の概要を模式的に示す図である。
図23は、本発明の実施の形態5に係る超音波診断装置の組織性状判定部が行う組織性状判定処理の概要を説明する図である。

実施例

0027

以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)を説明する。

0028

(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図である。同図に示す超音波診断装置1は、超音波を用いて診断対象である検体の組織性状を判定する装置である。

0029

超音波診断装置1は、外部へ超音波パルスを出力するとともに、外部で反射された超音波エコーを受信する超音波探触子2と、超音波探触子2との間で電気信号送受信を行う送受信部3と、超音波エコーを変換した電気的なエコー信号に対して所定の演算を施す演算部4と、超音波エコーを変換した電気的なエコー信号に対応する画像データの生成を行う画像処理部5と、キーボードマウスタッチパネル等のインタフェースを用いて実現され、各種情報の入力を受け付ける入力部6と、液晶または有機EL等からなる表示パネルを用いて実現され、画像処理部5が生成した画像を含む各種情報を表示する表示部7と、既知検体の組織性状に関する情報を含む各種情報を記憶する記憶部8と、超音波診断装置1の動作制御を行う制御部9と、を備える。

0030

超音波探触子2は、送受信部3から受信した電気的なパルス信号を超音波パルス(音響パルス信号)に変換するとともに、外部の検体で反射された超音波エコーを電気的なエコー信号に変換する信号変換部21を有する。超音波探触子2は、超音波振動子メカ的に走査させるものであってもよいし、複数の超音波振動子を電子的に走査させるものであってもよい。

0031

送受信部3は、超音波探触子2と電気的に接続され、パルス信号を超音波探触子2へ送信するとともに、超音波探触子2から受信信号であるエコー信号を受信する。具体的には、送受信部3は、予め設定された波形および送信タイミングに基づいてパルス信号を生成し、この生成したパルス信号を超音波探触子2へ送信する。

0032

送受信部3は、エコー信号を増幅する信号増幅部31を有する。信号増幅部31は、画像処理部5がエコー信号の振幅を輝度に変換することによってBモード画像データを生成するために用いるエコー信号(以下、「Bモード画像用エコー信号」という)および演算部4が演算を施すために用いるエコー信号(以下、「演算用エコー信号」という)に対し、互いに異なる増幅率でそれぞれ増幅する。具体的には、信号増幅部31は、Bモード画像用エコー信号に対しては、受信深度が大きいエコー信号ほど高い増幅率で増幅するSTC(Sensitivity Time Control)補正を行う一方、演算用エコー信号に対しては、受信深度によらず一定の増幅率で増幅する処理を行う。信号増幅部31は、Bモード画像用エコー信号の増幅と演算用エコー信号の増幅とをフレーム単位またはライン単位切り換えながら行う。

0033

図2は、Bモード画像用エコー信号の増幅率と受信深度との関係を示す図である。図2に示す受信深度zは、超音波の受信開始時点からの経過時間に基づいて算出される量である。図2に示すように、増幅率βは、受信深度zが閾値zthより小さい場合、受信深度zの増加に伴ってβOからβth(>β0)へ線型に増加する。また、増幅率βは、受信深度zが閾値zth以上である場合、一定値βthをとる。閾値zthの値は、検体から受信する超音波信号がほとんど減衰してしまい、ノイズが支配的になるような値である。なお、より一般に、増幅率βは、受信深度zが閾値zthより小さい場合、受信深度zの増加に伴って単調増加すればよい。

0034

図3は、演算用エコー信号の増幅率と受信深度との関係を示す図である。図3における受信深度zも、図2に示す場合と同様に超音波の受信開始時点からの経過時間に基づいて算出される量である。図3に示すように、信号増幅部31は、演算用エコー信号に対しては、受信深度zによらず一定の増幅率β1で増幅を行う。

0035

送受信部3は、信号増幅部31によって増幅されたエコー信号に対してフィルタリング等の処理を施した後、A/D変換することによってデジタルRF信号を生成して出力する。なお、超音波探触子2が複数の超音波振動子を電子的に走査させるものである場合、送受信部3は、複数の超音波振動子に対応したビーム合成用の多チャンネル回路を有する。

0036

演算部4は、送受信部3が出力したデジタルRF信号に高速フーリエ変換FFT)を施すことによってエコー信号の周波数解析を行う周波数解析部41と、周波数解析部41が算出した周波数スペクトル(パワースペクトル)に対し、超音波が伝播する際に該超音波の受信深度および周波数に応じて発生する減衰の寄与を削減する減衰補正処理と近似処理とを行うことにより、検体の特徴量を抽出する特徴量抽出部42と、特徴量抽出部42が抽出した特徴量を用いて検体の所定領域の組織性状を判定する組織性状判定部43と、を有する。

0037

周波数解析部41は、各音線(ラインデータ)に対し、所定のデータ量からなるFFTデータ群を高速フーリエ変換することによって周波数スペクトルを算出する。周波数スペクトルは、検体の組織性状によって異なる傾向を示す。これは、周波数スペクトルが、超音波を散乱する散乱体としての検体の大きさ、密度音響インピーダンス等と相関を有しているためである。

0038

特徴量抽出部42は、周波数解析部41が算出した周波数スペクトルに対し、近似処理を行うことによって減衰補正処理を行う前の補正前特徴量を算出する近似部421と、近似部421が近似した補正前特徴量に対して減衰補正処理を行うことによって特徴量を抽出する減衰補正部422と、を有する。

0039

近似部421は、回帰分析によって周波数スペクトルを一次式で近似することにより、この近似した一次式を特徴付ける補正前特徴量を抽出する。具体的には、近似部421は、回帰分析によって一次式の傾きa0および切片b0を算出するとともに、周波数スペクトルにおける周波数帯域内特定周波数における強度を補正前特徴量として算出する。本実施の形態1において、近似部421は、中心周波数MID=(fLOW+fHIGH)/2における強度(Mid−band fit)c0=a0fMID+b0を算出するものとするが、これはあくまでも一例に過ぎない。ここでいう「強度」とは、電圧電力音圧音響エネルギー等のパラメータのいずれかを指す。

0040

三つの特徴量のうち、傾きa0は、超音波の散乱体の大きさと相関を有し、一般に散乱体が大きいほど傾きが小さな値を有すると考えられる。また、切片b0は、散乱体の大きさ、音響インピーダンスの差、散乱体の密度(濃度)等と相関を有している。具体的には、切片b0は、散乱体が大きいほど大きな値を有し、音響インピーダンスが大きいほど大きな値を有し、散乱体の密度(濃度)が大きいほど大きな値を有すると考えられる。中心周波数fMIDにおける強度(以下、単に「強度」という)c0は、傾きa0と切片b0から導出される間接的なパラメータであり、有効な周波数帯域内の中心におけるスペクトル強度を与える。このため、強度c0は、散乱体の大きさ、音響インピーダンスの差、散乱体の密度に加えて、Bモード画像の輝度とある程度の相関を有していると考えられる。なお、特徴量抽出部42が算出する近似多項式は一次式に限定されるわけではなく、二次以上の近似多項式を用いることも可能である。

0041

減衰補正部422が行う補正について説明する。超音波の減衰量Aは、
A=2αzf ・・・(1)
と表すことができる。ここで、αは減衰率であり、zは超音波の受信深度であり、fは周波数である。式(1)からも明らかなように、減衰量Aは、周波数fに比例している。減衰率αの具体的な値は、生体の場合、0〜1.0(dB/cm/MHz)、より好ましくは0.3〜0.7(dB/cm/MHz)であり、観察対象臓器の種類に応じて定まる。例えば、観察対象の臓器が膵臓である場合、α=0.6(dB/cm/MHz)と定められる。なお、本実施の形態1において、減衰率αの値を入力部6からの入力によって変更することが可能な構成とすることも可能である。

0042

減衰補正部422は、近似部421が抽出した補正前特徴量(傾きa0,切片b0,強度c0)を、次のように補正する。
a=a0+2αz ・・・(2)
b=b0 ・・・(3)
c=c0+2αzfMID(=afMID+b) ・・・(4)
式(2)、(4)からも明らかなように、減衰補正部422は、超音波の受信深度zが大きいほど、補正量が大きい補正を行う。また、式(3)によれば、切片に関する補正は恒等変換である。これは、切片が周波数0(Hz)に対応する周波数成分であって減衰を受けないためである。

0043

組織性状判定部43は、特徴量抽出部42によって抽出された周波数スペクトルの特徴量の平均および標準偏差を特徴量ごとに算出する。組織性状判定部43は、算出した平均および標準偏差と、記憶部8が記憶する既知検体の周波数スペクトルの特徴量の平均および標準偏差とを用いることにより、検体の所定領域の組織性状を判定する。ここでいう「所定領域」は、画像処理部5によって生成された画像を見た超音波診断装置1の操作者が入力部6によって指定した画像中の領域(以下、「関心領域」という)のことである。また、ここでいう「組織性状」とは、例えば癌、内分泌腫瘍粘液性腫瘍、正常組織、脈管などのいずれかである。なお、検体が膵臓である場合には、組織性状として慢性膵炎自己免疫性膵炎なども含まれる。

0044

組織性状判定部43が算出する特徴量の平均および標準偏差は、核の腫大異形などの細胞ベルの変化、間質における線維増生実質組織の線維への置換などの組織的な変化を反映しており、組織性状に応じて特有の値を示す。したがって、そのような特徴量の平均および標準偏差を用いることにより、検体の所定領域の組織性状を正確に判定することが可能となる。

0045

画像処理部5は、エコー信号からBモード画像データを生成するBモード画像データ生成部51と、Bモード画像データ生成部51および演算部4によってそれぞれ出力されたデータを用いて関心領域の組織性状の判定結果および該判定結果に関連する情報を表示する判定結果表示画像データを生成する判定結果表示画像データ生成部52と、を有する。

0046

Bモード画像データ生成部51は、デジタル信号に対してバンドパスフィルタ対数変換ゲイン処理コントラスト処理等の公知の技術を用いた信号処理を行うとともに、表示部7における画像の表示レンジに応じて定まるデータステップ幅に応じたデータの間引き等を行うことによってBモード画像データを生成する。

0047

判定結果表示画像データ生成部52は、Bモード画像データ生成部51が生成したBモード画像データ、特徴量抽出部42が抽出した特徴量、および組織性状判定部43が判定した判定結果を用いることにより、関心領域の組織性状の判定結果とその組織性状を強調する組織性状強調画像とを含む判定結果表示画像データを生成する。

0048

記憶部8は、既知検体の情報を記憶する既知検体情報記憶部81と、信号増幅部31が増幅処理を行う際に参照する増幅率の情報を記憶する増幅率情報記憶部82と、周波数解析部41が行う周波数解析処理の際に使用する窓関数を記憶する窓関数記憶部83と、減衰補正部422が処理を行う際に参照する補正情報を記憶する補正情報記憶部84と、を有する。

0049

既知検体情報記憶部81は、既知検体に対して抽出された周波数スペクトルの特徴量を既知検体の組織性状と関連付けて記憶している。また、既知検体情報記憶部81は、既知検体に関連した周波数スペクトルの特徴量に対し、既知検体の組織性状に基づいて分類されたグループごとに算出された平均および標準偏差を、既知検体の特徴量の全データとともに記憶している。ここで、既知検体の特徴量は、本実施の形態1と同様の処理によって抽出されたものである。ただし、既知検体の特徴量抽出処理を超音波診断装置1で行う必要はない。既知検体情報記憶部81が記憶する既知検体の情報は、組織性状に関する信頼度の高い情報であることが望ましい。増幅率情報記憶部82は、図2および図3に示す増幅率と受信深度との関係を記憶している。窓関数記憶部83は、Hamming,Hanning,Blackmanなどの窓関数のうち少なくともいずれか一つの窓関数を記憶している。補正情報記憶部84は、式(2)〜(4)の変換に関する情報を記憶している。

0050

記憶部8は、本実施の形態1に係る超音波診断装置の作動プログラムや所定のOSを起動するプログラム等が予め記憶されたROM、および各処理の演算パラメータやデータ等を記憶するRAM等を用いて実現される。

0051

以上の機能構成を有する超音波診断装置1の超音波探触子2以外の構成要素は、演算および制御機能を有するCPUを備えたコンピュータを用いて実現される。超音波診断装置1が備えるCPUは、記憶部8が記憶、格納する情報および上述した超音波診断装置の作動プログラムを含む各種プログラムを記憶部8から読み出すことにより、本実施の形態1に係る超音波診断装置の作動方法に関連した演算処理を実行する。

0052

なお、本実施の形態1に係る超音波診断装置の作動プログラムは、ハードディスクフラッシュメモリCD−ROM、DVD−ROM、フレキシブルディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して広く流通させることも可能である。

0053

図4は、以上の構成を有する超音波診断装置1の処理の概要を示すフローチャートである。図4において、超音波診断装置1は、まず超音波探触子2によって新規の検体の測定を行う(ステップS1)。

0054

続いて、超音波探触子2からエコー信号を受信した信号増幅部31は、そのエコー信号に対し、Bモード画像用と演算用とを区別して増幅を行う(ステップS2)。信号増幅部31は、図2および図3に示す増幅率と受信深度との関係に基づいて増幅を行う。また、Bモード画像用と演算用を行うタイミングは、フレーム単位で切換えてもよいし、ライン単位で切換えてもよい。

0055

この後、Bモード画像データ生成部51は、送受信部3から出力されたBモード画像用エコー信号を用いてBモード画像データを生成する(ステップS3)。

0056

続いて、制御部9は、Bモード画像データ生成部51が生成したBモード画像データに対応するBモード画像を表示部7に表示させる制御を行う(ステップS4)。図5は、表示部7におけるBモード画像の表示例を示す図である。同図に示すBモード画像100は、色空間としてRGB表色系を採用した場合の変数であるR(赤)、G(緑)、B(青)の値を一致させたグレースケール画像である。

0057

その後、入力部6を介して関心領域の設定がなされた場合(ステップS5:Yes)、周波数解析部41は、FFT演算による周波数解析を行うことによって周波数スペクトルを算出する(ステップS6)。このステップS6では、画像の全領域を関心領域として設定することも可能である。一方、関心領域の設定がなされていない場合(ステップS5:No)において、処理を終了する指示が入力部6によって入力されたとき(ステップS7:Yes)、超音波診断装置1は処理を終了する。これに対し、関心領域の設定がなされていない場合(ステップS5:No)において、処理を終了する指示が入力部6によって入力されないとき(ステップS7:No)、超音波診断装置1はステップS5へ戻る。

0058

ここで、周波数解析部41が行う処理(ステップS6)について、図6に示すフローチャートを参照して詳細に説明する。まず、周波数解析部41は、最初に解析対象とする音線の音線番号Lを初期値L0とする(ステップS21)。初期値L0は、例えば送受信部3が最初に受信する音線に対して付与してもよいし、入力部6によって設定される関心領域の左右の一方の境界位置に対応する音線に対して付与してもよい。

0059

続いて、周波数解析部41は、一つの音線上に設定した複数のデータ位置全ての周波数スペクトルを算出する。まず、周波数解析部41は、FFT演算用に取得する一連のデータ群(FFTデータ群)を代表するデータ位置Z(受信深度に相当)の初期値Z0を設定する(ステップS22)。図7は、一つの音線のデータ配列を模式的に示す図である。同図に示す音線LDにおいて、白または黒の長方形は、一つのデータを意味している。音線LDは、送受信部3が行うA/D変換におけるサンプリング周波数(例えば50MHz)に対応した時間間隔離散化されている。図7では、音線LDの1番目のデータをデータ位置Zの初期値Z0として設定した場合を示している。なお、図7はあくまでも一例に過ぎず、初期値Z0の位置は任意に設定することができる。例えば、関心領域の上端位置に対応するデータ位置Zを初期値Z0として設定してもよい。

0060

その後、周波数解析部41は、データ位置ZのFFTデータ群を取得し(ステップS23)、取得したFFTデータ群に対し、窓関数記憶部83が記憶する窓関数を作用させる(ステップS24)。このようにFFTデータ群に対して窓関数を作用させることにより、FFTデータ群が境界で不連続になることを回避し、アーチファクトが発生するのを防止することができる。

0061

続いて、周波数解析部41は、データ位置ZのFFTデータ群が正常なデータ群であるか否かを判定する(ステップS25)。ここで、FFTデータ群は、2のべき乗のデータ数を有している必要がある。以下、FFTデータ群のデータ数を2n(nは正の整数)とする。FFTデータ群が正常であるとは、データ位置ZがFFTデータ群で前から2n−1番目の位置であること意味する。換言すると、FFTデータ群が正常であるとは、データ位置Zの前方に2n−1−1(=Nとする)個のデータがあり、データ位置Zの後方に2n−1(=Mとする)個のデータがあることを意味する。図7に示す場合、FFTデータ群F2、F3、FK−1は正常である一方、FFTデータ群F1、FKは異常である。ただし、図7ではn=4(N=7,M=8)としている。

0062

ステップS25における判定の結果、データ位置ZのFFTデータ群が正常である場合(ステップS25:Yes)、周波数解析部41は、後述するステップS27へ移行する。

0063

ステップS25における判定の結果、データ位置ZのFFTデータ群が正常でない場合(ステップS25:No)、周波数解析部41は、不足分だけゼロデータを挿入することによって正常なFFTデータ群を生成する(ステップS26)。ステップS25において正常でないと判定されたFFTデータ群は、ゼロデータを追加する前に窓関数が作用されている。このため、FFTデータ群にゼロデータを挿入してもデータの不連続は生じない。ステップS26の後、周波数解析部41は、後述するステップS27へ移行する。

0064

ステップS27において、周波数解析部41は、FFTデータ群を用いてFFT演算を行うことにより、周波数スペクトルを得る(ステップS27)。図8および図9は、周波数解析部41が算出した周波数スペクトルの例を示す図である。図8および図9では、横軸fが周波数であり、縦軸Iが強度である。図8および図9にそれぞれ示す周波数スペクトル曲線C1およびC2において、周波数スペクトルの下限周波数fLOWおよび上限周波数fHIGHは、超音波探触子2の周波数帯域、送受信部3が送信するパルス信号の周波数帯域などをもとに決定されるパラメータであり、例えばfLOW=3MHz、fHIGH=10MHzである。なお、図8に示す直線L1および図9に示す直線L2については、後述する特徴量抽出処理で説明する。本実施の形態1において、曲線および直線は、離散的な点の集合からなる。この点については、後述する実施の形態においても同様である。

0065

続いて、周波数解析部41は、データ位置Zに所定のデータステップ幅Dを加算して次の解析対象のFFTデータ群のデータ位置Zを算出する(ステップS28)。ここでのデータステップ幅Dは、Bモード画像データ生成部51がBモード画像データを生成する際に利用するデータステップ幅と一致させることが望ましいが、周波数解析部41における演算量を削減したい場合には、Bモード画像データ生成部51が利用するデータステップ幅より大きい値を設定してもよい。図7では、D=15の場合を示している。

0066

その後、周波数解析部41は、データ位置Zが最終データ位置Zmaxより大きいか否かを判定する(ステップS29)。ここで、最終データ位置Zmaxは、音線LDのデータ長としてもよいし、関心領域の下端に対応するデータ位置としてもよい。判定の結果、データ位置Zが最終データ位置Zmaxより大きい場合(ステップS29:Yes)、周波数解析部41は、音線番号Lを1だけ増加する(ステップS30)。一方、データ位置Zが最終データ位置Zmax以下である場合(ステップS29:No)、周波数解析部41はステップS23へ戻る。このようにして、周波数解析部41は、一つの音線LDに対して、[{(Zmax−Z0)/D}+1](=K)個のFFTデータ群に対するFFT演算を行う。ここで、[X]は、Xを超えない最大の整数を表す。

0067

ステップS30で増加した後の音線番号Lが最終音線番号Lmaxより大きい場合(ステップS31:Yes)、周波数解析部41は図4に示すメインルーチンへ戻る。一方、ステップS30で増加した後の音線番号Lが最終音線番号Lmax以下である場合(ステップS31:No)、周波数解析部41はステップS22へ戻る。

0068

このようにして、周波数解析部41は、(Lmax−L0+1)本の音線の各々についてK回のFFT演算を行う。なお、最終音線番号Lmaxは、例えば送受信部3が受信する最終の音線に付与してもよいし、関心領域の左右のいずれか一方の境界に対応する音線に付与してもよい。以下、周波数解析部41が全ての音線に対して行うFFT演算の総数(Lmax−L0+1)×KをPとおく。

0069

以上説明したステップS6の周波数解析処理に続いて、近似部421は、近似処理として周波数解析部41が算出したP個の周波数スペクトルを回帰分析することにより、補正前特徴量を抽出する(ステップS8)。具体的には、近似部421は、周波数帯域fLOW<f<fHIGHの周波数スペクトルを近似する一次式を回帰分析によって算出することにより、この一次式を特徴づける傾きa0,切片b0,強度c0を補正前特徴量として抽出する。図8に示す直線L1および図9に示す直線L2は、このステップS8において、周波数スペクトル曲線C1およびC2に対して回帰分析をそれぞれ行うことによって得られる回帰直線である。

0070

この後、減衰補正部422は、近似部421が抽出した補正前特徴量に対して減衰補正処理を行う(ステップS9)。例えば、データのサンプリング周波数が50MHzである場合、データのサンプリングの時間間隔は20(nsec)である。ここで、音速を1530(m/sec)とすると、データのサンプリング距離間隔は、1530(m/sec)×20(nsec)/2=0.0153(mm)となる。処理対象のFFTデータ群のデータ位置までの音線LDの1番目のデータからのデータステップ数がkであるとすると、そのデータ位置Zは0.0153k(mm)となる。減衰補正部422は、このようにして求まるデータ位置Zの値を上述した式(2)〜(4)の受信深度zへ代入することにより、周波数スペクトルの特徴量である傾きa,切片b,強度cを算出する。図10は、図8に示す直線L1に関連する特徴量に対して減衰補正を行った後の特徴量から定まる直線を示す図である。図10に示す直線L1’を表す式は、
I=af+b=(a0+2αZ)f+b0 ・・・(5)
である。この式(5)からも明らかなように、直線L1’は、直線L1と比較して、傾きが大きく、かつ切片の値が同じである。

0071

この後、組織性状判定部43は、特徴量抽出部42によって抽出された特徴量と既知検体情報記憶部81が記憶する既知検体情報に基づいて、検体の関心領域における組織性状を判定する(ステップS10)。

0072

ここで、組織性状判定部43が行う処理(ステップS10)について、図11に示すフローチャートを参照して詳細に説明する。まず、組織性状判定部43は、組織性状を判定する際に使用する特徴量空間を設定する(ステップS41)。本実施の形態1において、三つの特徴量である傾きa,切片b,強度cのうち、独立なパラメータは二つである。したがって、三つの特徴量のうち任意の二つの特徴量を成分とする二次元空間を特徴量空間として設定することができる。また、三つの特徴量のうち任意の一つの特徴量を成分とする一次元空間を特徴量空間として設定することもできる。このステップS41では、設定すべき特徴量空間が予め定められているものとしているが、操作者が入力部6によって所望の特徴量空間を選択するようにしてもよい。

0073

図12は、組織性状判定部43が設定する特徴量空間の一例を示す図である。図12に示す特徴量空間は、横軸が切片b、縦軸が強度cである。図12に示す点Spは、判定対象の検体に対して算出した切片bおよび強度cを特徴量空間の座標として有する点(以下、この点を「検体点」という)を示している。また、図12に示す領域Gμ,Gν,Gρは、既知検体情報記憶部81が記憶する既知検体の組織性状が、それぞれμ,ν,ρであるグループを示している。図12に示す場合、三つのグループGμ,Gν,Gρは、特徴量空間上において、互いに他のグループと交わりを有しない領域に存在している。

0074

本実施の形態1では、既知検体の特徴量を求める際にも、周波数解析によって得られた周波数スペクトルの補正前特徴量を減衰補正することによって得られる特徴量を指標として組織性状の分類、判定を行うため、互いに異なる組織性状を峻別することができる。特に、本実施の形態1では、減衰補正を行った特徴量を用いているため、減衰補正を行わずに抽出した特徴量を用いる場合と比較して、特徴量空間における各組性状の領域をより明確に分離した状態で得ることができる。

0075

ステップS41の後、組織性状判定部43は、検体点Spと、グループGμ,Gν,Gρにそれぞれ含まれるFFTデータ群の周波数スペクトルの切片bおよび強度cの各平均を特徴量空間の座標として有する点μ0,ν0,ρ0(以下、これらの点を「既知検体平均点」という)との間の特徴量空間上の距離dμ,dν,dρをそれぞれ算出する(ステップS42)。ここで、特徴量空間におけるb軸成分とc軸成分のスケールが大きく異なる場合には、各距離の寄与を略均等にするための重み付けを適宜行うことが望ましい。

0076

続いて、組織性状判定部43は、ステップS42で算出した距離に基づいて、検体点Spを含む全ての検体点の組織性状を判定する(ステップS43)。例えば、図12に示す場合には、距離dμが最小なので、組織性状判定部43は、検体の組織性状がμであると判定する。なお、検体点Spが既知検体平均点μ0,ν0,ρ0と極端に離れている場合には、たとえ距離dμ,dν,dρの最小値が求まったとしても組織性状の判定結果の信頼度は低い。そこで、dμ,dν,dρが所定の閾値より大きい場合、組織性状判定部43はエラー信号を出力するようにしてもよい。また、dμ,dν,dρのうち最小値が二つ以上生じた場合、組織性状判定部43は、最小値に対応するすべての組織性状を候補として選択してもよいし、所定の規則にしたがっていずれか一つの組織性状を選択してもよい。後者の場合、例えば癌などの悪性の高い組織性状の優先順位を高く設定する方法を挙げることができる。また、dμ,dν,dρのうち最小値が二つ以上生じた場合、組織性状判定部43はエラー信号を出力してもよい。

0077

この後、組織性状判定部43は、ステップS42における距離算出結果、およびステップS43における判定結果を出力する(ステップS44)。これにより、ステップS10の組織性状判定処理が終了する。

0078

以上説明したステップS10の後、判定結果表示画像データ生成部52は、Bモード画像データ生成部51が生成したBモード画像データ、特徴量抽出部42が算出した特徴量、および組織性状判定部43が判定した判定結果を用いることにより、判定結果表示画像データを生成する(ステップS11)。

0079

続いて、表示部7は、判定結果表示画像データ生成部52が生成した判定結果表示画像を表示する(ステップS12)。図13は、表示部7が表示する判定結果表示画像の表示例を示す図である。同図に示す判定結果表示画像200は、組織性状の判定結果を含む各種関連情報を表示する情報表示部201と、Bモード画像に基づいて組織性状を強調する組織性状強調画像を表示する画像表示部202とを有する。

0080

情報表示部201には、例えば検体の識別情報(ID番号、名前性別等)、組織性状判定部43が算出した組織性状判定結果、組織性状判定を行う際の特徴量に関する情報、ゲインやコントラスト等の超音波画質情報が表示される。ここで、特徴量に関する情報として、関心領域の内部に位置するQ組のFFTデータ群の周波数スペクトルの特徴量の平均、標準偏差を利用した表示を行うことが可能である。具体的には、情報表示部201では、例えば傾き=1.5±0.3(dB/MHz)、切片=−60±2(dB)、強度=−50±1.5(dB)、と表示することができる。

0081

画像表示部202に表示されている組織性状強調画像300は、図5に示すBモード画像100に対して、切片bをR(赤),G(緑),B(青)に対して均等に割り当てたグレースケール画像である。

0082

以上の構成を有する判定結果表示画像200を表示部7が表示することにより、操作者はより正確に関心領域の組織性状を把握することが可能となる。なお、判定結果表示画像は上述した構成に限られるわけではない。たとえば、判定結果表示画像として、組織性状強調画像とBモード画像とを並べて表示するようにしてもよい。これにより、両画像の違いを一つの画面上で認識することができる。

0083

図14は、超音波診断装置1が行う減衰補正処理の効果を説明する図である。図14に示す画像400は、減衰補正を行わなかった場合の組織性状強調画像である。組織性状強調画像400は、受信深度が大きい領域(図の下方領域)で減衰の影響により信号強度下がり、画像が暗くなっている。これに対し、減衰補正を行った組織性状強調画像300では、画面全体にわたって均一な明るさの画像が得られていることがわかる。

0084

以上説明した本発明の実施の形態1によれば、受信した超音波の周波数を解析することによって得た周波数スペクトルに対して近似処理を行った後、超音波の受信深度および周波数に依存する超音波の減衰の寄与を削減する減衰補正処理を行うことによって検体の特徴量を抽出し、この抽出した検体の特徴量および複数の既知検体の特徴量を用いることによってその検体の所定領域の組織性状を判定するため、生体組織の歪量や弾性率を用いることなく、組織の違いを明確に峻別することができる。したがって、組織性状を精度よく鑑別することを可能にするとともに、測定結果の信頼性を向上させることができる。

0085

また、本実施の形態1によれば、抽出した特徴量に対して減衰補正を施しているため、超音波の伝播に伴う減衰の影響を取り除くことができ、一段と高精度な組織性状判定を行うことができる。

0086

なお、本実施の形態1において、上述した組織性状強調画像300はあくまでも一例に過ぎない。他にも、例えば視覚情報としてのR(赤)、G(緑)、B(青)を三つの特徴量である傾きa,切片b,強度cにそれぞれ割り当てることにより、組織性状強調画像をカラー画像によって表示することも可能である。この場合、組織性状強調画像では、組織性状に応じた色が表示されるため、操作者は画像の色分布をもとに関心領域の組織性状を把握することができる。以下、カラー画像を用いた場合の具体例を説明する。

0087

図15は、カラー画像を用いた場合の組織性状強調画像の表示例(第1例)を示す図である。図16は、図15に示す画像を白黒で模式的に示す図である。これらの図に示す組織性状強調画像500は、特定の領域501のみがカラー画像で表示されており、それ以外の領域はBモード画像のままで表示されている。特定の領域501は、大別して緑色系領域501gおよび赤色系領域501rからなり、2つの領域の境界部は黄色系の色で表示されている(図16では図示せず)。図15に示すように、各領域は単一の色によって構成されるわけではない。例えば、緑色系領域501gは、緑色に近い色からなる画素が集まっている領域である。同様に、赤色系領域501rは、赤色に近い色からなる画素が集まっている領域である。

0088

判定結果表示画像データ生成部52は、特徴量空間上において所定のグループに入る検体点に対応するBモード画像の画素値を特徴量に応じて色付けされた画素値へ置換することによって領域501をカラー画像で表示した組織性状強調画像500を生成する。このような組織性状強調画像500によれば、所定の組織性状を有する部分をカラー画像で強調表示することができるため、診断者は特定の組織の存在領域を容易に把握して検出率を向上させることができる。

0089

図17は、カラー画像を用いた場合の組織性状強調画像の表示例(第2例)を示す図である。図18は、図17に示す画像を白黒で模式的に示す図である。これらの図に示す組織性状強調画像600は、図15図16に示す組織性状強調画像500と同じBモード画像を用いて生成された画像であるが、領域501に対応する領域601がBモード画像のまま表示される一方、それ以外の領域602がカラー画像で表示されている。より具体的には、領域602は、大別して緑色系領域602gおよび赤色系領域602rからなり、2つの領域の境界部は黄色系の色で表示されている(図18では図示せず)。図18においても、図16と同様に、緑色系領域602gは、緑色に近い色からなる画素が集まっている領域であり、赤色系領域602rは、赤色に近い色からなる画素が集まっている領域である。

0090

判定結果表示画像データ生成部52は、特徴量空間上において所定のグループ以外に属さない検体点に対応するBモード画像の画素値を特徴量に応じて色付けされた画素値に置換することにより、領域601以外の領域をカラー画像で表示した組織性状強調画像600を生成する。このような組織性状強調画像600によれば、所定の組織性状を有する部分をBモード画像で表示するとともにそれ以外の領域をカラー画像で表示するため、診断者は特定の組織の存在領域を容易に把握して検出率を向上させることができるとともに、その組織の内部構造をBモード画像に基づいて正確に把握することができる。

0091

図19は、カラー画像を用いた場合の組織性状強調画像の表示例(第3例)を示す図である。図20は、図19に示す画像を白黒で模式的に示す図である。これらの図に示す組織性状強調画像700は、図15図16に示す組織性状強調画像500と同じBモードを用いて生成された画像であるが、領域501に対応する領域701はカラー表示されているだけでなく、内部の構造も分かるような表示になっている。判定結果表示画像データ生成部52は、特徴量空間上において所定のグループに入る検体点に対応する画素に対し、Bモード画像の画素値と、組織性状に応じて定まるカラー画像の画素値とを重み付けして平均した値を新たな画素値とする処理を行うことにより、Bモード画像とカラー画像を重畳して表示する領域701を有する組織性状強調画像700を生成する。このような組織性状強調画像700によれば、所定の組織性状を有する領域701のみがカラー画像で表示されるため、診断者は特定の組織の存在領域を容易に把握して検出率を向上させることができるとともに、その組織の内部構造をBモード画像の情報から正確に把握することができる。

0092

なお、色空間をRGB表色系で構成する代わりに、シアンマゼンダイエローのような補色系の変数によって構成し、各変数に対して特徴量を割り当ててもよい。

0093

(実施の形態2)
本発明の実施の形態2は、特徴量抽出部が行う特徴量抽出処理が、実施の形態1と異なる。本実施の形態2に係る超音波診断装置の構成は、実施の形態1で説明した超音波診断装置1の構成と同様である。そこで、以下の説明において、超音波診断装置1の構成要素と対応する構成要素には同一の符号を付すものとする。

0094

本実施の形態2における特徴量抽出処理においては、まず減衰補正部422が、周波数解析部41によって算出された周波数スペクトルに対して減衰補正処理を行う。その後、近似部421は、減衰補正部422によって減衰補正された周波数スペクトルに対して近似処理を行うことにより、周波数スペクトルの特徴量を抽出する。

0095

図21は、本実施の形態2に係る超音波診断装置の処理の概要を示すフローチャートである。図21において、ステップS51〜S57の処理は、図4のステップS1〜S7の処理に順次対応している。

0096

ステップS58において、減衰補正部422は、周波数解析部41がFFT演算によって算出した全ての周波数スペクトルに対して減衰補正を行う(ステップS58)。図22は、このステップS58の処理の概要を模式的に示す図である。図22に示すように、減衰補正部422は、周波数スペクトル曲線C3に対し、上述した式(1)の減衰量Aを強度Iに加える補正を全ての周波数fに対して行うことにより、新たな周波数スペクトル曲線C3’を得る。これにより、超音波の伝播に伴う減衰の寄与を削減した周波数スペクトルを得ることができる。

0097

この後、近似部421は、減衰補正部422によって減衰補正された全ての周波数スペクトルを回帰分析することによって周波数スペクトルの特徴量を抽出する(ステップS59)。具体的には、近似部421は、回帰分析によって一次式の傾きa、切片bおよび中心周波数fMIDにおける強度cを算出する。図22に示す直線L3は、このステップS59で周波数スペクトル曲線C3に対して特徴量抽出処理を行うことによって得られる回帰直線(切片b3)である。

0098

ステップS60〜S62の処理は、図4のステップS10〜S12の処理に順次対応している。

0099

以上説明した本発明の実施の形態2によれば、受信した超音波の周波数を解析することによって得た周波数スペクトルに対して超音波の受信深度および周波数に依存する超音波の減衰の寄与を削減する減衰補正処理を行った後、近似処理を行うことによって検体の特徴量を抽出し、この抽出した検体の特徴量および複数の既知検体の特徴量を用いることによってその検体の所定領域の組織性状を判定するため、生体組織の歪量や弾性率を用いることなく、組織の違いを明確に峻別することができる。したがって、組織性状を精度よく鑑別することを可能にするとともに、測定結果の信頼性を向上させることができる。

0100

また、本実施の形態2によれば、周波数スペクトルに対して減衰補正を施しているため、超音波の伝播に伴う減衰の影響を取り除くことができ、一段と高精度な組織性状判定を行うことができる。

0101

(実施の形態3)
本発明の実施の形態3は、組織性状判定部における組織性状判定処理が実施の形態1と異なる。本実施の形態3に係る超音波診断装置の構成は、実施の形態1で説明した超音波診断装置1の構成と同様である。そこで、以下の説明において、超音波診断装置1の構成要素と対応する構成要素には同一の符号を付すものとする。

0102

組織性状判定部43は、特徴量(a,b,c)を、組織性状μ,ν,ρを構成するグループGμ,Gν,Gρ(図12を参照)にそれぞれ加えて新たな母集団を構成した後、各組織性状を構成するデータの特徴量ごとの標準偏差を求める。

0103

その後、組織性状判定部43は、既知検体のみからなる元の母集団におけるグループGμ,Gν,Gρの各特徴量の標準偏差と、新規の検体をそれぞれ加えた新たな母集団におけるグループGμ,Gν,Gρの各特徴量の標準偏差との差(以下、単に「標準偏差の差」という)を算出し、この標準偏差の差が最も小さい特徴量を含むグループに対応する組織性状を検体の組織性状と判定する。

0104

ここで、組織性状判定部43は、複数の特徴量の中から予め選択された特徴量の標準偏差に対してのみ、標準偏差の差を算出するようにしてもよい。この場合の特徴量の選択は、操作者が任意に行うようにしてもよいし、超音波診断装置1が自動的に行うようにしてもよい。

0105

また、組織性状判定部43が、グループ毎に全ての特徴量の標準偏差の差に適宜重み付けして加算した値を算出し、この値が最小となるグループに対応する組織性状を検体の組織性状と判定するようにしてもよい。この場合において、例えば特徴量が傾きa,切片b,強度cであるとき、組織性状判定部43は、傾きa,切片b,強度cにそれぞれ対応する重みをwa,wb,wcとしてwa・(aの標準偏差の差)+wb・(bの標準偏差の差)+wc・(cの標準偏差の差)を算出し、この算出した値をもとに検体の組織性状を判定することとなる。なお、重みwa,wb,wcの値は、操作者が任意に設定するようにしてもよいし、超音波診断装置1が自動的に設定するようにしてもよい。

0106

また、組織性状判定部43が、グループ毎に全ての特徴量の標準偏差の差の2乗に適宜重み付けして加算した値の平方根を算出し、この平方根が最小となるグループに対応する組織性状を検体の組織性状と判定するようにしてもよい。この場合において、例えば特徴量が傾きa,切片b,強度cであるとき、組織性状判定部43は、傾きa,切片b,強度cにそれぞれ対応する重みをw’a,w’b,w’cとして{w’a・(aの標準偏差の差)2+w’b・(bの標準偏差の差)2+w’c・(cの標準偏差の差)2}1/2を算出し、この算出した値をもとに組織性状を判定することとなる。なお、この場合にも、重みw’a,w’b,w’cの値は、操作者が任意に設定するようにしてもよいし、超音波診断装置1が自動的に設定するようにしてもよい。

0107

以上説明した本発明の実施の形態3によれば、上述した実施の形態1と同様、組織性状を精度よく鑑別することを可能にするとともに、測定結果の信頼性を向上させることができ、超音波の伝播に伴う減衰の影響を取り除くことによって一段と高精度な組織性状判定を行うことができる。

0108

なお、本実施の形態3では、組織性状判定部43が、もとの母集団と新規の検体を加えた母集団との間の各特徴量の標準偏差の変化に基づいて組織性状の判定を行っていたが、これは一例に過ぎない。例えば、組織性状判定部43は、もとの母集団と新規の検体を加えた母集団との間の各特徴量の平均の変化に基づいて組織性状の判定を行うようにしてもよい。

0109

(実施の形態4)
本発明の実施の形態4は、組織性状判定部における組織性状判定処理が実施の形態1と異なる。本実施の形態4に係る超音波診断装置の構成は、実施の形態1で説明した超音波診断装置1の構成と同様である。そこで、以下の説明において、超音波診断装置1の構成要素と対応する構成要素には同一の符号を付すものとする。

0110

組織性状判定部43は、特徴量空間における検体点と既知検体平均点との距離を用いることにより、各組織性状に属する確率を算出する。具体的には、図12に示す特徴量空間(b,c)の場合、検体点Spと既知検体平均点μ0,ν0,ρ0との距離dμ,dν,dρを用いることにより、各組織性状に属する確率を算出する。各既知検体に属する確率は、距離が小さい方が大きくなるように設定する。例えば、λ=100/(α−1+β−1+γ−1)(%)として、組織性状Aに属する確率をλ/α(%)、組織性状Bに属する確率をλ/β(%)、組織性状Cに属する確率をλ/γ(%)と定義することができる。

0111

本実施の形態4では、表示部7が判定結果表示画像を表示する際、情報表示部において各組織性状に属する確率を表示する。例えば、表示部7が判定結果表示画像200を表示する場合、情報表示部201において、判定結果を「組織性状がμである確率=60%、組織性状がνである確率=5%、組織性状がρである確率=35%」と表示する。

0112

以上説明した本発明の実施の形態4によれば、上述した実施の形態1と同様、組織性状を精度よく鑑別することを可能にするとともに、測定結果の信頼性を向上させることができ超音波の伝播に伴う減衰の影響を取り除くことによって一段と高精度な組織性状判定を行うことができる。

0113

(実施の形態5)
本発明の実施の形態5は、組織性状判定部における組織性状判定処理が実施の形態1と異なる。本実施の形態5に係る超音波診断装置の構成は、実施の形態1で説明した超音波診断装置1の構成と同様である。そこで、以下の説明において、超音波診断装置1の構成要素と対応する構成要素には同一の符号を付すものとする。

0114

図23は、本実施の形態5において組織性状判定部43が行う組織性状判定処理の概要を説明する図である。図23に示す特徴量空間は、横軸が減衰補正後の切片b、縦軸が減衰補正後の強度cである。この特徴量空間は、組織性状に応じて領域がグループ分けされている。組織性状判定部43は、検体点の位置に応じて組織性状を判定する。図23では、検体点Sp’がグループGν’(組織性状がνである領域)に属している場合を示している。この場合、組織性状判定部43は、検体の関心領域の組織性状がνであると判定する。

0115

以上説明した本発明の実施の形態5によれば、上述した実施の形態1と同様、組織性状を精度よく鑑別することを可能にするとともに、測定結果の信頼性を向上させることができ、超音波の伝播に伴う減衰の影響を取り除くことによって一段と高精度な組織性状判定を行うことができる。

0116

ここまで、本発明を実施するための形態を説明してきたが、本発明は上述した実施の形態1〜5によってのみ限定されるべきものではない。すなわち、本発明は、特許請求の範囲に記載した技術的思想を逸脱しない範囲内において、様々な実施の形態を含みうるものである。

0117

1超音波診断装置
2 超音波探触子
3送受信部
4演算部
5画像処理部
6 入力部
7 表示部
8 記憶部
9 制御部
21信号変換部
31信号増幅部
41周波数解析部
42特徴量抽出部
43組織性状判定部
51Bモード画像データ生成部
52判定結果表示画像データ生成部
81既知検体情報記憶部
82増幅率情報記憶部
83窓関数記憶部
84補正情報記憶部
100 Bモード画像
200 判定結果表示画像
201情報表示部
202画像表示部
300、400、500、600、700組織性状強調画像
421近似部
422減衰補正部

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