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技術 超音波診断装置、及び体内観察方法

出願人 パナソニック株式会社
発明者 田路文平
出願日 2011年10月3日 (9年4ヶ月経過) 出願番号 2012-515040
公開日 2014年2月24日 (7年0ヶ月経過) 公開番号 WO2012-046433
状態 特許登録済
技術分野 超音波診断装置
主要キーワード 略四角形形状 形状拘束 輪郭探索 輪郭抽出ステップ パラーメータ 略円形形状 Bモード 変形エネルギー
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (17)

課題・解決手段

超音波プローブ(101)により被験者体内から取得された反射超音波(201)に基づいて体内観察を行う超音波診断装置(150)であって、前記反射超音波(201)に基づいてBモード画像(202)を生成するBモード画像生成部(104)と、前記反射超音波(201)に基づいて、血流が流れている領域を示す血流画像(203)を生成する血流画像生成部(105)と、前記血流画像(203)に基づいて血管の内腔輪郭(402)を抽出する内腔輪郭抽出部(106)と、前記内腔輪郭(402)を内包する仮外膜輪郭(407)を設定する仮外膜輪郭設定部(107)と、前記仮外膜輪郭(407)を初期輪郭として、前記Bモード画像(202)を用いて血管の外膜輪郭(401)を抽出する外膜輪郭抽出部(108)とを備える。

概要

背景

近年、動脈硬化及び血管疾患等を早期に発見するために、超音波診断装置が用いられている。具体的には、超音波診断装置を用いて、血管壁内膜中膜とをあわせた膜の厚さである内膜中膜複合体厚(Intima Media Thickness、以下IMT)が計測されている。また、超音波診断装置を用いて、血管の内腔狭窄することによって発生するプラークの有無が確認されている。これは動脈硬化が進行するほどIMTが厚くなったり、プラークが形成されたりすることが明らかになってきたからである。なお、動脈硬化は全身的に進行すると考えられており、主に表在性頚動脈IMT計測時及びプラークの有無を判断する際の計測対象となっている。ここでプラークとは、血管の内壁局所的に血管の内側(内腔)に突出した隆起性病変を意味している。このプラークは、血栓脂肪性、及び繊維性など様々な形態をとり、頚動脈の狭窄及び閉塞、並びに、脳梗塞及び脳虚血を起こす原因になる恐れがある。

超音波診断装置によるプラーク形状の検出は、血管の超音波画像を用いて行われる。超音波診断装置は、探触子を介して被検体内に超音波送波し、被検体から発生する反射波に基づき超音波画像(例えばBモード画像)を形成する。そして検査者が、この超音波画像を見てプラーク有無を判断する。

ここで、検査者がプラークの有無を判断する際には、検査者は、超音波画像内の血管外膜及び血管内膜の形状を手動で指定(スケッチ)し、このスケッチを元に診断を行っていた。具体的には、検査者は、Bモード画像に対し、外膜辺縁形状を外膜輪郭線としてスケッチし、さらに内腔の辺縁形状を内腔輪郭線としてスケッチする。そして最終的にこのスケッチの形状をもとに、検査者は、プラークの有無などの診断を行う(例えば、非特許文献1参照)。

しかしながら、非特許文献1の手法では、画像取得後にオフライン状態において、超音波画像上に血管壁の外膜輪郭及び内腔輪郭の位置を手動で指定する必要があった。つまり、この従来の診断方法によってプラーク検出を行う場合には手動での輪郭指定が必要となり、検査者の手間がかかる。その結果、検査時間が長くなったり、検査者による検査結果揺らぎが発生したりするという課題を有していた。

この課題に対して、非特許文献2及び特許文献1には、超音波診断画像であるBモード画像に対して動的輪郭探索処理を適用することで、自動的に血管壁輪郭を抽出する手法が記載されている。この方法により、手動の手間を減らして検査者の負荷を低減したり、検査時間を短縮したりすることが可能となる。

概要

超音波プローブ(101)により被験者体内から取得された反射超音波(201)に基づいて体内観察を行う超音波診断装置(150)であって、前記反射超音波(201)に基づいてBモード画像(202)を生成するBモード画像生成部(104)と、前記反射超音波(201)に基づいて、血流が流れている領域を示す血流画像(203)を生成する血流画像生成部(105)と、前記血流画像(203)に基づいて血管の内腔輪郭(402)を抽出する内腔輪郭抽出部(106)と、前記内腔輪郭(402)を内包する仮外膜輪郭(407)を設定する仮外膜輪郭設定部(107)と、前記仮外膜輪郭(407)を初期輪郭として、前記Bモード画像(202)を用いて血管の外膜輪郭(401)を抽出する外膜輪郭抽出部(108)とを備える。

目的

本発明は、上記従来の課題を解決するもので、血管壁の輪郭をより正確に抽出することができる超音波診断装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

超音波プローブにより被験者体内から取得された反射超音波に基づいて体内観察を行う超音波診断装置であって、前記反射超音波に基づいてBモード画像を生成するBモード画像生成部と、前記反射超音波に基づいて、血流が流れている領域を示す血流情報を生成する血流情報生成部と、前記血流情報に基づいて血管の内腔輪郭を抽出する内腔輪郭抽出部と、前記内腔輪郭を内包する仮外膜輪郭を設定する仮外膜輪郭設定部と、前記仮外膜輪郭を第1の初期輪郭として、前記Bモード画像を用いて血管の外膜輪郭を抽出する外膜輪郭抽出部とを備える超音波診断装置。

請求項2

前記超音波診断装置は、さらに、前記内腔輪郭と前記外膜輪郭とから血管壁が存在する血管壁領域を抽出する血管壁抽出部と、前記血管壁領域からプラークが存在するプラーク領域を抽出するプラーク領域抽出部とを備える請求項1記載の超音波診断装置。

請求項3

前記超音波診断装置は、さらに、前記血管壁領域及び前記プラーク領域を示す3次元データを生成する3次元データ生成部と、前記3次元データを表示する表示部とを備える請求項2記載の超音波診断装置。

請求項4

前記仮外膜輪郭設定部は、前記内腔輪郭を内包する、円形状の前記仮外膜輪郭を設定する請求項1〜3のいずれか1項に記載の超音波診断装置。

請求項5

前記仮外膜輪郭設定部は、前記内腔輪郭の中心点を中心とし、かつ当該中心点から前記内腔輪郭までの最大距離よりも大きい半径を有する円を設定し、設定した前記円を第2の初期輪郭として用いて、前記血流情報に対して、輪郭線の内部変形エネルギーと、輪郭線と画像との適合度を表す画像エネルギーとの和が最小となる輪郭を探索する第1の動的輪郭探索処理を行い、探索により得られた輪郭を前記仮外膜輪郭として設定する請求項4記載の超音波診断装置。

請求項6

前記仮外膜輪郭設定部は、前記第1の動的輪郭探索処理において前記内部変形エネルギーよりも前記画像エネルギーの重みを小さくして収束処理を行う請求項5記載の超音波診断装置。

請求項7

前記外膜輪郭抽出部は、前記仮外膜輪郭を前記第1の初期輪郭として用いて、前記Bモード画像に対して、輪郭線の内部変形エネルギーと、輪郭線と画像との適合度を表す画像エネルギーとの和が最小となる輪郭を探索する第2の動的輪郭探索処理を行い、探索により得られた輪郭を前記外膜輪郭として抽出する請求項1〜6のいずれか1項に記載の超音波診断装置。

請求項8

前記外膜輪郭抽出部は、前記Bモード画像の明瞭度が第1の値の場合、前記第2の動的輪郭探索処理における、前記内部変形エネルギーに対する前記画像エネルギーの重みを第2の値に設定し、前記明瞭度が前記第1の値より大きい第3の値の場合、前記重みを前記第2の値より大きい第4の値に設定する請求項7記載の超音波診断装置。

請求項9

前記外膜輪郭抽出部は、前記Bモード画像における輪郭点毎に、前記明瞭度に応じて前記重みを変更する請求項8記載の超音波診断装置。

請求項10

前記血流情報生成部は、カラードプラ法を用いて前記血流情報を生成する請求項1〜9のいずれか1項に記載の超音波診断装置。

請求項11

前記外膜輪郭抽出部は、さらに、初期輪郭位置調整部を備え、前記初期輪郭位置調整部は、前記Bモード画像から血管領域の中心点を算出し、当該中心点に前記仮外膜輪郭の中心点を近づけるように、前記仮外膜輪郭を移動させる請求項1〜10のいずれか1項に記載の超音波診断装置。

請求項12

超音波プローブにより被験者の体内から取得された反射超音波に基づいて体内観察を行う超音波診断方法であって、前記反射超音波に基づいてBモード画像を生成するBモード画像生成ステップと、前記反射超音波に基づいて、血流が流れている領域を示す血流情報を生成する血流情報生成ステップと、前記血流情報に基づいて血管の内腔輪郭を抽出する内腔輪郭抽出ステップと、前記内腔輪郭を内包する仮外膜輪郭を設定する仮外膜輪郭設定ステップと、前記仮外膜輪郭を初期輪郭として、前記Bモード画像を用いて血管の外膜輪郭を抽出する外膜輪郭抽出ステップとを含む超音波診断方法。

技術分野

0001

本発明は超音波診断装置及び超音波診断方法に関し、特に、超音波プローブにより被験者体内から取得された反射超音波に基づいて体内観察を行う超音波診断装置に関する。

背景技術

0002

近年、動脈硬化及び血管疾患等を早期に発見するために、超音波診断装置が用いられている。具体的には、超音波診断装置を用いて、血管壁内膜中膜とをあわせた膜の厚さである内膜中膜複合体厚(Intima Media Thickness、以下IMT)が計測されている。また、超音波診断装置を用いて、血管の内腔狭窄することによって発生するプラークの有無が確認されている。これは動脈硬化が進行するほどIMTが厚くなったり、プラークが形成されたりすることが明らかになってきたからである。なお、動脈硬化は全身的に進行すると考えられており、主に表在性頚動脈IMT計測時及びプラークの有無を判断する際の計測対象となっている。ここでプラークとは、血管の内壁局所的に血管の内側(内腔)に突出した隆起性病変を意味している。このプラークは、血栓脂肪性、及び繊維性など様々な形態をとり、頚動脈の狭窄及び閉塞、並びに、脳梗塞及び脳虚血を起こす原因になる恐れがある。

0003

超音波診断装置によるプラーク形状の検出は、血管の超音波画像を用いて行われる。超音波診断装置は、探触子を介して被検体内に超音波送波し、被検体から発生する反射波に基づき超音波画像(例えばBモード画像)を形成する。そして検査者が、この超音波画像を見てプラーク有無を判断する。

0004

ここで、検査者がプラークの有無を判断する際には、検査者は、超音波画像内の血管外膜及び血管内膜の形状を手動で指定(スケッチ)し、このスケッチを元に診断を行っていた。具体的には、検査者は、Bモード画像に対し、外膜辺縁形状を外膜輪郭線としてスケッチし、さらに内腔の辺縁形状を内腔輪郭線としてスケッチする。そして最終的にこのスケッチの形状をもとに、検査者は、プラークの有無などの診断を行う(例えば、非特許文献1参照)。

0005

しかしながら、非特許文献1の手法では、画像取得後にオフライン状態において、超音波画像上に血管壁の外膜輪郭及び内腔輪郭の位置を手動で指定する必要があった。つまり、この従来の診断方法によってプラーク検出を行う場合には手動での輪郭指定が必要となり、検査者の手間がかかる。その結果、検査時間が長くなったり、検査者による検査結果揺らぎが発生したりするという課題を有していた。

0006

この課題に対して、非特許文献2及び特許文献1には、超音波診断画像であるBモード画像に対して動的輪郭探索処理を適用することで、自動的に血管壁輪郭を抽出する手法が記載されている。この方法により、手動の手間を減らして検査者の負荷を低減したり、検査時間を短縮したりすることが可能となる。

0007

特許第3468869号公報

先行技術

0008

Ainsworth CD、Blake CC、Tamayo A、Beletsky V、Fenster A、Spence JD、“3D ultrasound measurement of change in carotid plaque volume:a tool for rapid evaluation of new therapies.”、Stroke 2005、36(9):1904−1909.
J.C.R.Seabra、L.M.Pedro、J.F.e Fernandes and J.M.Sanches “A 3−D ultrasound−based framework to characterize the echo morphology of carotid plaques”、IEEE Trans.Biomed.Eng.、vol.56、pp.1442 2009.

発明が解決しようとする課題

0009

しかしながら、特許文献1及び非特許文献2の診断方法では、超音波診断装置により血管壁の輪郭を正しく抽出しようとしても、正確に血管壁の輪郭を抽出できない場合がある。例えば、対象物の輪郭(境界)が、超音波振動子から送信される超音波と、平行、又は平行に近い状態に位置している場合は、この輪郭線の境界が超音波画像上で明確に表示されないことがある。そのため、血管の走行方向に垂直な画像を生成した場合、上下の血管壁の輪郭に比べて、左右の血管壁の輪郭が明確に表示されにくい傾向がある。この傾向は、血管の内腔輪郭、及び外膜輪郭のどちらの輪郭を表示する場合にも見られる傾向である。このため、超音波画像のデータにより輪郭を探索する従来の手法によると、正確に血管壁の輪郭をトレースすることができなかった。

0010

本発明は、上記従来の課題を解決するもので、血管壁の輪郭をより正確に抽出することができる超音波診断装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

前記従来の課題を解決するために、本発明の一形態に係る超音波診断装置は、超音波プローブにより被験者の体内から取得された反射超音波に基づいて体内観察を行う超音波診断装置であって、前記反射超音波に基づいてBモード画像を生成するBモード画像生成部と、前記反射超音波に基づいて、血流が流れている領域を示す血流情報を生成する血流情報生成部と、前記血流情報に基づいて血管の内腔輪郭を抽出する内腔輪郭抽出部と、前記内腔輪郭を内包する仮外膜輪郭を設定する仮外膜輪郭設定部と、前記仮外膜輪郭を第1の初期輪郭として、前記Bモード画像を用いて血管の外膜輪郭を抽出する外膜輪郭抽出部とを備える。

0012

この構成によれば、本発明の一形態に係る超音波診断装置は、血流情報に基づいて内腔輪郭を抽出する。これにより、当該超音波診断装置は、Bモード画像を用いて内腔輪郭を抽出する場合に比べて、正確に内腔輪郭を抽出できる。さらに、当該超音波診断装置は、血流情報に基づいて抽出した内腔輪郭を用いて仮外膜輪郭を設定し、当該仮外膜輪郭を用いて外膜輪郭を抽出する。これにより、当該超音波診断装置は、より正確に外膜輪郭を抽出できる。このように、当該超音波診断装置は、血管壁の輪郭をより正確に抽出することができる。

0013

また、前記超音波診断装置は、さらに、前記内腔輪郭と前記外膜輪郭とから血管壁が存在する血管壁領域を抽出する血管壁抽出部と、前記血管壁領域からプラークが存在するプラーク領域を抽出するプラーク領域抽出部とを備えてもよい。

0014

この構成によれば、本発明の一形態に係る超音波診断装置は、プラーク領域をより正確に抽出することができる。

0015

また、前記超音波診断装置は、さらに、前記血管壁領域及び前記プラーク領域を示す3次元データを生成する3次元データ生成部と、前記3次元データを表示する表示部とを備えてもよい。

0016

この構成によれば、本発明の一形態に係る超音波診断装置は、プラーク領域を3次元データで表示できる。

0017

また、前記仮外膜輪郭設定部は、前記内腔輪郭を内包する、円形状の前記仮外膜輪郭を設定してもよい。

0018

この構成によれば、本発明の一形態に係る超音波診断装置は、外膜輪郭の形状に近い仮外膜輪郭を設定できる。

0019

また、前記仮外膜輪郭設定部は、前記内腔輪郭の中心点を中心とし、かつ当該中心点から前記内腔輪郭までの最大距離よりも大きい半径を有する円を設定し、設定した前記円を第2の初期輪郭として用いて、前記血流情報に対して、輪郭線の内部変形エネルギーと、輪郭線と画像との適合度を表す画像エネルギーとの和が最小となる輪郭を探索する第1の動的輪郭探索処理を行い、探索により得られた輪郭を前記仮外膜輪郭として設定してもよい。

0020

この構成によれば、本発明の一形態に係る超音波診断装置は、外膜輪郭の形状に近い仮外膜輪郭を設定できる。

0021

また、前記仮外膜輪郭設定部は、前記第1の動的輪郭探索処理において前記内部変形エネルギーよりも前記画像エネルギーの重みを小さくして収束処理を行ってもよい。

0022

この構成によれば、本発明の一形態に係る超音波診断装置は、動的輪郭探索において、輪郭線が内側に凸とならないような形状拘束を行うことができる。

0023

また、前記外膜輪郭抽出部は、前記仮外膜輪郭を前記第1の初期輪郭として用いて、前記Bモード画像に対して、輪郭線の内部変形エネルギーと、輪郭線と画像との適合度を表す画像エネルギーとの和が最小となる輪郭を探索する第2の動的輪郭探索処理を行い、探索により得られた輪郭を前記外膜輪郭として抽出してもよい。

0024

この構成によれば、本発明の一形態に係る超音波診断装置は、外膜輪郭をより正確に抽出できる。

0025

また、前記外膜輪郭抽出部は、前記Bモード画像の明瞭度が第1の値の場合、前記第2の動的輪郭探索処理における、前記内部変形エネルギーに対する前記画像エネルギーの重みを第2の値に設定し、前記明瞭度が前記第1の値より大きい第3の値の場合、前記重みを前記第2の値より大きい第4の値に設定してもよい。

0026

この構成によれば、本発明の一形態に係る超音波診断装置は、血管輪郭描写状態に応じて、精度よく外膜輪郭を抽出することができる。

0027

また、前記外膜輪郭抽出部は、前記Bモード画像における輪郭点毎に、前記明瞭度に応じて前記重みを変更してもよい。

0028

この構成によれば、本発明の一形態に係る超音波診断装置は、より精度よく外膜輪郭を抽出することができる。

0029

また、前記血流情報生成部は、カラードプラ法を用いて前記血流情報を生成してもよい。

0030

また、前記外膜輪郭抽出部は、さらに、初期輪郭位置調整部を備え、前記初期輪郭位置調整部は、前記Bモード画像から血管領域の中心点を算出し、当該中心点に前記仮外膜輪郭の中心点を近づけるように、前記仮外膜輪郭を移動させてもよい。

0031

この構成によれば、本発明の一形態に係る超音波診断装置は、Bモード画像と血流情報との間で像のずれが発生するような場合にも、安定して正しい外膜輪郭を抽出できる。

0032

なお、本発明は、このような超音波診断装置として実現できるだけでなく、超音波診断装置に含まれる特徴的な手段をステップとする超音波診断方法、血管輪郭抽出方法、血管壁抽出方法、又はプラーク領域抽出方法として実現したり、そのような特徴的なステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体、及びインターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。

0033

さらに、本発明は、このような超音波診断装置の機能の一部又は全てを実現する半導体集積回路(LSI)として実現したり、このような超音波診断装置を含む超音波診断システムとして実現したりできる。

発明の効果

0034

上より、本発明は、血管壁の輪郭をより正確に抽出することができる超音波診断装置を提供できる。

図面の簡単な説明

0035

図1は、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置のブロック図である。
図2は、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置のブロック図である。
図3は、本発明の実施の形態1に係る血管の断面図である。
図4は、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置による血管壁抽出処理フローチャートである。
図5Aは、本発明の実施の形態1に係る、血管のBモード画像を示す図である。
図5Bは、本発明の実施の形態1に係る、Bモード画像に輪郭を表示した図である。
図6Aは、本発明の実施の形態1に係る、通常のエネルギー関数を設定した場合の動的輪郭探索結果を示す図である。
図6Bは、本発明の実施の形態1に係る、外方向への探索を重視するようなエネルギー関数を設定した場合の動的輪郭探索結果を示す図である。
図7は、本発明の実施の形態1に係る、血管壁内の高輝度領域ノイズ)を示す図である。
図8は、本発明の実施の形態1に係る、仮外膜輪郭の抽出処理を示す図である。
図9は、本発明の実施の形態1に係る、抽出された仮外膜輪郭を示す図である。
図10は、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置による輪郭抽出処理のフローチャートである。
図11は、本発明の実施の形態1の変形例に係る超音波診断装置のブロック図である。
図12Aは、本発明の実施の形態1の変形例に係る3次元データ生成処理を示す図である。
図12Bは、本発明の実施の形態1の変形例に係る3次元データ生成処理を示す図である。
図13は、本発明の実施の形態2に係る超音波診断装置のブロック図である。

実施例

0036

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、請求の範囲だけによって限定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。

0037

(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置は、血流画像に基づいて血管の内腔輪郭を抽出し、抽出した内腔輪郭を内包する仮外膜輪郭を設定する。さらに、当該超音波診断装置は、設定した仮外膜輪郭を初期輪郭として用い、Bモード画像を用いて、血管の外膜輪郭を抽出する。

0038

これにより、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置は、血管壁の輪郭をより正確に抽出することができる。

0039

まず、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の概略構成を説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の概略構成を示すブロック図である。

0040

図1に示す超音波診断装置150は、超音波プローブにより被験者の体内から取得された反射超音波201に基づいて体内観察を行う。この超音波診断装置150は、Bモード画像生成部104と、血流画像生成部105と、内腔輪郭抽出部106と、仮外膜輪郭設定部107と、外膜輪郭抽出部108とを備える。

0041

Bモード画像生成部104は、反射超音波201に基づいてBモード画像202を生成する。

0042

血流画像生成部105は、本発明の血流情報生成部に相当する。この血流画像生成部105は、反射超音波201に基づいて、血流が流れている領域を示す血流画像203を生成する。ここで、血流画像203は、本発明の血流情報に相当する。

0043

内腔輪郭抽出部106は、血流画像203に基づいて血管の内腔輪郭402を抽出する。

0044

仮外膜輪郭設定部107は、内腔輪郭402を内包する仮外膜輪郭407を設定する。

0045

外膜輪郭抽出部108は、仮外膜輪郭407を初期輪郭として、Bモード画像202を用いて血管の外膜輪郭401を抽出する。

0046

以下、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置150の構成を詳細に説明する。

0047

図2は、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置150の詳細な構成を示すブロック図である。

0048

図2に示す超音波診断装置150は、超音波診断装置本体100と、超音波診断装置本体100に接続されたプローブ101及び表示部113とを備える。超音波診断装置本体100は、制御部102と、送受信部103と、Bモード画像生成部104と、血流画像生成部105と、内腔輪郭抽出部106と、仮外膜輪郭設定部107と、外膜輪郭抽出部108と、血管壁抽出部109と、プラーク領域抽出部110と、プラーク領域合成部111と、データ格納部112とを備える。

0049

プローブ101は、超音波を送受信する超音波振動子を備える超音波プローブである。このプローブ101は、送受信部103の指示に従い超音波を送受信する。また、プローブ101は、被検体からの反射超音波201(超音波反射信号)をエコー信号として受信する。なお、プローブ101は、超音波振動子が1次元方向に配列されているプローブであってもよいし、超音波振動子がマトリックス状に配置された2次元アレイプローブであってもよい。

0050

制御部102は、超音波診断装置本体100に含まれる各処理部の制御を行う。以降、特に明記しないが、各処理部の動作は、制御部102が司り、当該制御部102が動作タイミングなどを制御しながら各処理部の動作を実行する。

0051

送受信部103は、プローブ101の超音波振動子を駆動させて超音波を発生させる。また、送受信部103は、プローブ101が受信した反射超音波201を受信する。

0052

Bモード画像生成部104は、送受信部103が受信した反射超音波201を基に、Bモード画像202を生成する。具体的には、Bモード画像生成部104は、反射超音波201に対しフィルタ処理を行ったのち、包絡線検波を行う。さらに、Bモード画像生成部104は、検波された信号に対数変換及びゲイン調整を行うことでBモード画像202を生成する。

0053

血流画像生成部105は、送受信部103が受信した反射超音波201を基に、血流画像203を生成する。ここで、血流画像203とは、血流が流れている領域を示す画像である。具体的には、血流画像生成部105は、超音波が血流に反射されることによる周波数の変化を用いて血管内の血流の速度を検出する。そして、血流画像生成部105は、検出した血流の速度を、カラーデータとして画像化することで血流画像203を生成する。なお、血流速度を画像化する方法としては、例えばカラードプラ法又はパワードプラ法を用いることができる。なお、本実施の形態では、血流画像がカラーデータの場合について記載しているが、血流画像203は白黒表示であってもよく、カラーデータに限定されない。

0054

内腔輪郭抽出部106は、血流画像生成部105によって生成された血流画像203を用いて、血管の内腔輪郭402を抽出する。

0055

以下、血管壁にプラークが存在する場合の血管の形状について説明する。図3は、プラークが存在する場合の血管の断面図である。

0056

図3に示すように、血管は、内腔404と、血管壁410とを含む。また、内腔404の外周部に内腔輪郭402が存在する。つまり、内腔輪郭402とは、血管の内側の輪郭であり、言い換えると、内腔404と血管壁410との境界である。

0057

また、内腔輪郭402の外側に血管の外膜輪郭401が存在する。つまり、外膜輪郭401とは血管の外側の輪郭である。

0058

また、内腔404には凹部が存在し、凹部が存在する血管壁410の領域にプラーク403が存在している。

0059

ここで、血流画像203では、血流が検出された部分がカラー表示される。そして、内腔輪郭抽出部106は、この血流画像203に対して、特定の輝度値よりも明るい領域を抽出することで、カラーデータが表示されている部分を抽出する。ここで、カラーデータが表示されている部分の辺縁は、血管の内腔輪郭402として抽出される。なお、内腔輪郭抽出部106は、検出されたカラーデータが表示されている部分の辺縁をそのまま内腔輪郭402として抽出してもよいし、その辺縁を内腔輪郭402として抽出してもよい。

0060

なお、カラーデータが表示されている部分を全て検出すると、血管ではないノイズ等まで検出してしまう可能性がある。そこで、内腔輪郭抽出部106は、カラーデータが表示されている部分を抽出する際、又は抽出した後で、予め定めた面積よりも大きい面積をもつ領域を血流領域として抽出する。

0061

なお、内腔輪郭抽出部106は、隣り合う領域との輝度差が所定の輝度差以上になる領域を検出し、その境界が内腔輪郭402であると指定してもよい。

0062

また、ここでは、血流画像生成部105は、血流画像203を生成するとしたが、必ずしも画像を生成する必要は無い。つまり、血流画像生成部105は、血流が流れている領域を示す情報(血流情報)を生成し、内腔輪郭抽出部106は、この血流情報を用いて内腔輪郭402を抽出してもよい。

0063

また、内腔輪郭抽出部106は、抽出した血管の内腔輪郭402を示す内腔輪郭情報を制御部102、及び血管壁抽出部109に出力する。なお、仮外膜輪郭設定部107が、内腔輪郭情報を血管壁抽出部109に出力してもよい。また、各処理部は、後述するように内腔輪郭情報、及び仮外膜輪郭情報、外膜輪郭情報を、データ格納部112に格納し、データ格納部112から、それぞれの処理部が必要な情報を取得してもよい。

0064

仮外膜輪郭設定部107は、内腔輪郭抽出部106が抽出した血管の内腔輪郭402をもとに、血流画像203を用いて仮の外膜輪郭である仮外膜輪郭407を設定する。そして、仮外膜輪郭設定部107は、設定した仮外膜輪郭407を示す仮外膜輪郭情報を外膜輪郭抽出部108に送る。この仮外膜輪郭407の設定方法については後ほど詳述する。

0065

外膜輪郭抽出部108は、仮外膜輪郭情報で示される仮外膜輪郭407を、Bモード画像202に使用した上で、この仮外膜輪郭407を初期輪郭として用い、Bモード画像202からより詳細な外膜輪郭401を抽出する。そして、外膜輪郭抽出部108は、抽出した外膜輪郭401を示す外膜輪郭情報を、血管壁抽出部109へ出力する。

0066

血管壁抽出部109は、内腔輪郭抽出部106が抽出した内腔輪郭402と、外膜輪郭抽出部108が抽出した外膜輪郭401とを用いて、血管壁410が存在する領域である血管壁領域を抽出する。具体的には、血管壁抽出部109は、外膜輪郭401と内腔輪郭402との間の領域を血管壁領域として抽出する。

0067

プラーク領域抽出部110は、血管壁抽出部109で抽出された血管壁領域から、プラーク403が存在する領域であるプラーク領域を抽出する。具体的には、プラーク領域抽出部110は、血管壁410の厚みが予め定められた閾値よりも大きい領域をプラーク領域として抽出する。ここで用いられる閾値は、例えば1.1mmである。また、この閾値は、被験者の性別及び年齢等に応じて変更されてもよい。

0068

なお、プラーク領域抽出部110は、プラーク領域の抽出においては、所定の領域ごとに血管壁410の厚みの平均値を算出し、各位置の血管壁410の厚みと、算出した平均値とを比較し、各位置の血管壁410の厚みが、平均値より所定の厚み以上厚い箇所をプラーク領域として抽出してもよい。

0069

また、プラーク領域抽出部110は、外膜輪郭401の重心位置から放射線状に延びる直線のうち、血管壁領域と重複する重複部分の長さを算出し、その長さが、その他の場所における重複部分の長さの平均値よりも大きい場所をプラーク領域として抽出してもよい。

0070

なお、本実施の形態では、血管壁抽出部109において外膜輪郭401と内腔輪郭402との間の領域を血管壁領域として抽出した上でプラーク領域の有無を判断している。しかし、内腔輪郭及び外膜輪郭が抽出された後に、プラーク領域抽出部110は、各輪郭の間の距離を算出し、算出した距離が所定の距離以上である場合に、プラーク領域であると判断してもよい。言い換えると、超音波診断装置150は、血管壁領域を抽出せずに、プラーク領域を抽出してもよい。

0071

プラーク領域合成部111は、抽出したプラーク領域をBモード画像202に合成する。プラーク領域をBモード画像に合成することで、プラークが存在する領域を検査者(観測者)が視認することが可能になる。例えば、プラークが存在する領域を、高輝度値で表示することにより、観測者が容易にプラークを認識することが可能になる。

0072

データ格納部112は、Bモード画像生成部104が生成するBモード画像202、血流画像生成部105が生成する血流画像203、内腔輪郭抽出部106が生成する内腔輪郭情報、仮外膜輪郭設定部107が生成する仮外膜輪郭情報、外膜輪郭抽出部108が生成する外膜輪郭情報を格納する。

0073

表示部113は、LCD(液晶ディスプレイ)などの表示装置であり、Bモード画像202、血流画像203、血管壁410のデータ、プラーク403のデータなどを表示する。なお、実施の形態1は、血管の内腔輪郭402及び外膜輪郭401をより正確に求める輪郭抽出方法を特に特徴とする。よって、超音波診断装置150が、血管壁抽出部109、プラーク領域抽出部110、プラーク領域合成部111、データ格納部112、及び表示部113等を具備するかどうかは任意である。

0074

次に、図4に示すフローチャートを参照して、超音波診断装置150による血管壁410を抽出する画像処理のフローを説明する。

0075

まず、ステップS201において、Bモード画像生成部104はBモード画像202を生成し、血流画像生成部105は血流画像203を生成する。具体的には、送受信部103は、プローブ101を通じて被検体に超音波を発信し、プローブ101を通じて反射超音波201を受信する。Bモード画像生成部104及び血流画像生成部105は、送受信部103が受信したデータを処理することで、Bモード画像202及び血流画像203を生成し、生成したBモード画像202及び血流画像203をデータ格納部112に保存する。

0076

次にステップS202において、内腔輪郭抽出部106は血流画像203から内腔輪郭402を抽出する。本実施の形態では、内腔輪郭抽出部106は、まず、予め定めた値より大きい面積を持つ血流領域を抽出する。血流画像203には、血流画像203を生成する過程において誤って血流領域と判定される小領域が存在する場合がある。よって、このような処理を行うことで、血流画像203の中から効率よく頚動脈を抽出することができる。さらに、内腔輪郭抽出部106は、Sobelオペレータなどを用いて当該血流領域のエッジ検出を行う。さらに、内腔輪郭抽出部106は、孤立線の除去を行った上で、血流領域の辺縁形状を表す1閉曲線を抽出する。内腔輪郭抽出部106は、この閉曲線を示す情報を内腔輪郭情報として、データ格納部112に保存する。

0077

このように、本実施の形態に係る超音波診断装置150は、血管の内腔輪郭402をBモード画像202から抽出するのではなく血流画像203に基づいて抽出する。Bモード画像202を用いる場合は、血管の走行方向によっては、血管壁410の輪郭が明確に表示されない場合があり、血管壁410の正確な検出が困難な場合があった。それに対して、超音波診断装置150は、血流画像203に基づいて血管の内腔輪郭402を抽出することで、血管の走行方向に関わらず血管の内壁をより正確にトレースすることができる。

0078

なお、本実施の形態では面積値から所望の血流領域を特定したが、拍動など血流画像203の時間的変化を加味して血流領域を特定してもよい。また、その場合、血流領域の面積が最大となるフレームにて内腔輪郭402を抽出することが望ましい。

0079

次に、超音波診断装置150は、ステップS202で抽出した内腔輪郭402を使用して、血管の外膜輪郭401を算出する。まず、外膜輪郭401を算出するにあったっての問題点を説明する。

0080

図5Aは、血管のBモード画像202の一例を示すである。また、図5Bは、図5Aに示すBモード画像202に、内腔輪郭402及び外膜輪郭401を図示した図である。図5Bから明らかなように、血管壁410にプラーク403が存在し、内腔輪郭402の形状が血管内部に向かって凹状に湾曲している場合であっても、外膜輪郭401には凹部(又は凸部)が形成されず、外膜輪郭401は略円形形状をしていることが多い。

0081

以下、内腔輪郭402を初期輪郭として使用して、動的輪郭探索処理により外膜輪郭401を算出する場合について説明する。

0082

図6Aは、動的輪郭探索処理において通常のエネルギー関数を設定した場合に、抽出される外膜輪郭405Aの形状を示す図である。ここでは、抽出される外膜輪郭405Aを点線で示している。通常のエネルギー関数を設定した場合、抽出される外膜輪郭405Aは、初期輪郭である内腔輪郭402の形状に引っ張られる。これにより、プラーク403が存在する部分の輪郭が実際の輪郭よりも凹んだ形状となってしまう。

0083

そのため、ステップS202で得られた内腔輪郭402を初期輪郭として用いて、Bモード画像202から血管の外膜輪郭401を抽出する場合、動的輪郭探索処理(例えばスネークス)において、外方向への探索を重視するようなエネルギー関数を設定する必要がある。

0084

次に、外方向への探索を重視するようなエネルギー関数を設定した場合を説明する。この場合の、抽出される外膜輪郭405Bの形状を図6Bに示す。

0085

前述したようにBモード画像202においては、血管の輪郭側面が一部明確に表示されない場合がある。例えば、図5Aにおいても血管の外膜輪郭401の縦方向の輪郭はほぼ表示されていない。そのため、動的輪郭探索処理を行った場合、このように輝度差が明確に表示されていない領域において、輪郭がうまく抽出されず、更に外側方向へと動的輪郭探索が行われる可能性がある。そのため、外方向への探索を重視するようなエネルギー関数を設定した場合、図6Bに示すように、抽出される外膜輪郭405Bの形状が、外側に突出した形状となってしまうことがある。

0086

なお、血管の内腔輪郭402が図5Bに示すように歪んだ形状である場合でも、動的輪郭探索処理の方法を工夫することによって、略円形の外膜輪郭401の抽出を図る方法も考えられる。しかしながら、プラーク403が存在する領域では、必然的に血管の内膜壁と外膜壁との間の間隔が広くなる。つまり、初期輪郭と、実際に探索される外膜輪郭401との間の距離が多くなると、図7に示すように探索領域に高輝度領域406が存在する確率が高くなる。なお、高輝度領域406は、ここではノイズを意味する。具体的には、石灰化部分、又は超音波の散乱によるノイズが高輝度値となって現れる。そして、この高輝度領域406において動的輪郭探索が収束してしまうので、所望の外膜輪郭401を得ることが難しいという課題があった。

0087

そこで、本実施の形態に係る超音波診断装置150は、血流画像203を用いて得られた内腔輪郭402から、血流画像203を用いて仮の外膜輪郭形状である仮外膜輪郭407を設定する。その上で、超音波診断装置150は、Bモード画像202を用いてこの仮外膜輪郭407を初期値として用いて、血管の外膜輪郭401を算出することを特徴とする。

0088

ステップS203では、仮外膜輪郭設定部107は、ステップS202で抽出した内腔輪郭402を基に、血流画像203を用いて仮外膜輪郭407を設定する。以下、この工程について述べる。

0089

上述したように、外膜輪郭401を探索する際の初期輪郭である仮外膜輪郭407は、外膜輪郭401の形状に近い略円形形状であることが好ましい。よって、図8に示すように、仮外膜輪郭設定部107は、まず内腔輪郭402の仮中心点411の座標を算出する。例えば、仮外膜輪郭設定部107は、内腔輪郭402の線上に一定間隔で複数の輪郭点を設定し、これらの輪郭点の座標値の平均値を求めることで、仮中心点411の座標を算出する。

0090

次に、仮外膜輪郭設定部107は、算出した仮中心点411を中心とし、内腔輪郭402が内包される円412を決定する。例えば、この円412は、仮中心点411から内腔輪郭402上の輪郭点までの長さの最大値(最大距離)より大きい半径を有する円である。そして、仮外膜輪郭設定部107は、この円412を初期輪郭として用いて、血流画像203に対する動的輪郭探索処理(スネークスなど)を行った結果得られる輪郭を、仮外膜輪郭407に決定する。ここで、動的輪郭探索処理とは、エネルギー最小化処理を行うことにより初期輪郭の輪郭点を移動させることで輪郭を抽出する処理である。この仮外膜輪郭407を図9に示す。

0091

ここで、血管壁410にプラーク403が存在する場合は、内腔輪郭402の正確な中心座標を算出することが難しい。これに対して、本実施の形態では、上述したように、内腔輪郭402が内包される円412を設定した上で、その円412を初期輪郭として用い内部に向けて動的輪郭探索処理を行う。これにより、たとえ仮中心点411の座標が本来の座標からずれて設定されていたとしても、内腔輪郭402に沿った略円形形状の仮外膜輪郭407を得ることができる。

0092

ここでの輪郭探索処理は、正しい輪郭を探す目的ではなく、略円形形状である外膜輪郭401の概形を得るために実施される。そのため、輪郭探索処理において、輪郭線が内側に凸とならないような形状拘束を行うことが望ましい。この形状拘束は、例えば、スネークスアルゴリズムを適用する場合には、内部変形エネルギーの重みを大きくすることで実現できる。つまり、仮外膜輪郭設定部107は、エネルギー最小化処理において内部変形エネルギーよりも画像エネルギーの重みを小さくして収束処理を行う。

0093

スネークスアルゴリズムでは、例えば下記(式1)〜(式3)で定義されるエネルギーEsnakesを最小化するように輪郭を決定する。

0094

0095

0096

0097

ここでEintは輪郭線の内部変形エネルギーであり、Eimageは輪郭線と画像との適合度を表す画像エネルギーである。vは輪郭線のパラーメータ表現であり、vsはvの1階微分、vssはvの2階微分を示している。α、β、w1、w2は重みを示す定数である。Gσはガウシアンフィルタであり、∇2はラプラシアンフィルタであり、Iは画像の輝度値である。より具体的には、スネークスアルゴリズムは、輪郭線を、当該輪郭線を離散化した輪郭点として表現し、輪郭点ごとにエネルギーEsnakesが最小化されるような点を決定する。例えば、α=0.8、β=0.2とすることで、もとの略円形形状を保ちながら輪郭を探索することができる。

0098

また、血流画像203からは、血管の外膜輪郭401を抽出することは不可能である。しかし、後述するように最終的にBモード画像202を用いて外膜輪郭401を抽出する場合、初期輪郭が実際の外膜輪郭401の形状に近い略円形形状をしているため、Bモード画像202において外膜輪郭401が不明瞭な場合であっても、精度よく外膜輪郭401を抽出することができる。このように、上記の方法で算出した仮外膜輪郭407を用いて外膜輪郭401を抽出する方法は、内腔輪郭402を初期輪郭として用いて外膜輪郭401を抽出する方法に比べて、より精度よく外膜輪郭401を抽出することができる。

0099

このように、仮外膜輪郭設定部107は、内腔輪郭402を内包する、円形状の仮外膜輪郭407を設定する。ここで円形状とは、円形、楕円形、及び上述したような略円形形状を意味する。

0100

また、仮外膜輪郭407は血流画像203を用いて設定されている。血流画像203では、Bモード画像202と異なり、プラーク領域にノイズ等の高輝度領域406が存在しない。そのため、血流画像203を用いて、内腔輪郭402よりも外膜輪郭401に近い側に仮外膜輪郭407を設定することで、たとえBモード画像202において内腔輪郭402と仮外膜輪郭407との間にノイズが存在していても、その影響を受けずに仮外膜輪郭407を設定することができる。よって、外膜輪郭探索の際に、ノイズの影響を受けて誤った輪郭に収束する確率を低減することができる。

0101

次にステップS204において外膜輪郭抽出部108は、ステップS203で設定された仮外膜輪郭407を初期輪郭として用いて、Bモード画像202から外膜輪郭401を抽出する。本実施の形態では、外膜輪郭抽出部108は、仮外膜輪郭407を初期輪郭として用いた動的輪郭探索処理を行った結果得られる輪郭を、外膜輪郭401として抽出する。

0102

例えば、前述のスネークスアルゴリズムを適用すればよい。外膜輪郭抽出部108は、このときの重みを例えばα=0.5、β=0.5に設定する。なお、外膜輪郭抽出部108は、この重みをBモード画像202の描写状態によって変化させることが望ましい。具体的には、血管輪郭が明瞭な場合にはβの割合を大きく(画像エネルギーの割合を大きく)し、不明瞭な場合にはαの割合を大きく(内部変形エネルギーの重みを大きく)することで、血管輪郭の描写状態に応じてより精度よく外膜輪郭を抽出することができる。つまり、外膜輪郭抽出部108は、Bモード画像202の明瞭度が第1の値の場合、エネルギー最小化処理における、内部変形エネルギーに対する画像エネルギーの重みを第2の値に設定し、当該明瞭度が第1の値より大きい第3の値の場合、上記重みを第2の値より大きい第4の値に設定する。

0103

より望ましくは、外膜輪郭抽出部108は、輪郭点ごとに明瞭度に応じて重みを変えてもよい。具体的には、外膜輪郭抽出部108は、描写が明瞭な血管の前後壁に位置する輪郭点ではβの割合を大きく(画像エネルギーの割合を大きく)し、描写が不明瞭な左右壁に位置する輪郭点ではαの割合を大きく(内部変形エネルギーの重みを大きく)する。これにより、血管壁410の局所的な描写の違いに応じて精度よく外膜輪郭401を抽出することができる。このとき、外膜輪郭抽出部108は、輪郭点の位置(例えば、前後壁、左右壁)に基づいて重みを変化させてもよいし、各輪郭点近辺の描写の明瞭度に基づいて重みを変化させても構わない。描写の明瞭度は例えば、輪郭点近傍における輝度値の最大値と最小値との差によって測ることができる。この差が大きい方が壁描写は明瞭であるといえる。なお、外膜輪郭抽出部108は、明瞭度の算出方法として、他の算出方法を使っても構わない。

0104

ステップS205では、血管壁抽出部109は、ステップS202及びS204で得られた内腔輪郭402と外膜輪郭401との間の領域を、血管壁領域として抽出する。そして、プラーク領域抽出部110は、その血管壁領域のうち、予め定めた値より厚い厚みを持つ領域をプラーク領域として抽出する(S206)。そして、プラーク領域合成部111は、そのプラーク領域を示す情報をBモード画像に重畳することで合成画像を生成し(S207)、表示部113は、生成された合成画像を表示する(S208)。

0105

なお、前述したように血管壁抽出ステップS205、プラーク抽出ステップS206、画像合成ステップS207、及び表示ステップS208を採用するかどうかは任意である。つまり、超音波診断装置150は、図10に示すように、ステップS201〜S204の処理のみを行なってもよい。

0106

また、ステップS207において、プラーク領域合成部111は、プラーク領域に加え、血管壁領域と、内腔輪郭402及び外膜輪郭401との少なくとも一方を示す情報をBモード画像に重畳することで合成画像を生成してもよい。

0107

また、超音波診断装置150は、ステップS206の処理を行わずに、血管壁領域を示す情報をBモード画像に重畳することで合成画像を生成し、当該合成画像を表示してもよい。また、超音波診断装置150は、ステップS205及びS206の処理を行わずに、内腔輪郭402及び外膜輪郭401を示す情報をBモード画像に重畳することで合成画像を生成し、当該合成画像を表示してもよい。

0108

以上より、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置150は、血流領域の形状から血管内膜の形状を求め、その内膜の形状情報を利用して外膜の輪郭を抽出する。これにより、超音波診断装置150は、より安定、かつより正確に血管の内膜及び外膜の位置情報を得ることができる。その結果、超音波診断装置150は、より正確にプラークの有無の判断をすることができる。

0109

なお、上記実施の形態では、超音波診断装置150が、プラーク領域をBモード画像202に重畳した合成画像を表示する場合を説明したが、超音波診断装置は、走査位置の異なる複数の断層像の各々に対して上述した処理を行い、抽出した複数のプラーク領域を3次元データに再構成することで、プラーク領域を示す情報をボリュームデータとして表現してもよい。

0110

図11は、この場合の超音波診断装置151の構成を示す図である。図11に示す超音波診断装置151は、図2に示す構成に加え、さらに、3次元データ生成部115を備える。

0111

まず、超音波診断装置151は、上述した血管壁領域及びプラーク領域を抽出する処理を、複数の断層像の各々に対して行う。3次元データ生成部115は、複数の断層像に対して抽出された複数の血管壁領域及び複数のプラーク領域の情報に基づき、血管壁領域及びプラーク領域を示す3次元データを生成する。例えば、3次元データ生成部115は、図12Aに示すように、内腔輪郭402及び外膜輪郭401、又は、血管壁領域を抽出した複数の断層像から血管の3次元データを生成する。さらに、3次元データ生成部115は、図12Bに示すように、複数の断面像において抽出されたプラーク領域を用いて、3次元データにおけるプラーク領域を強調表示した3次元データを生成する。そして表示部113は、3次元データ生成部115により生成された3次元データを表示する。

0112

なお、超音波診断装置150は、上述したステップS206の処理を行わずに、図12Aに示す3次元データを表示してもよい。

0113

(実施の形態2)
本発明の実施の形態2では、上述した実施の形態1の変形例について説明する。

0114

図13は、本発明の実施の形態2に係る超音波診断装置152の構成を示すブロック図である。なお、図13において、図2と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。

0115

図13に示す超音波診断装置152は、図2に示す超音波診断装置150の構成に加え、初期輪郭位置調整部114を備える。

0116

初期輪郭位置調整部114は、Bモード画像202を基に仮外膜輪郭407の位置を調整する。具体的には、血流画像203とBモード画像202との取得タイミングの違いにより、それぞれの画像中での血管像の位置が異なることがある。仮外膜輪郭407は血流画像203を基に得られているため、この仮外膜輪郭407をBモード画像202における外膜輪郭401の位置に合わせる必要がある。本実施の形態では、初期輪郭位置調整部114は、Bモード画像202の輝度データから、Bモード画像202中の血管像の略中心座標を算出し、算出した略中心座標に仮外膜輪郭407の中心を近づけるように、仮外膜輪郭407を移動させる。具体的には、初期輪郭位置調整部114は、算出した略中心座標に仮外膜輪郭407の中心を合わせるように仮外膜輪郭407の位置を調整する。一般に血管内腔はBモード画像202中では低輝度で描写されるため、初期輪郭位置調整部114は、もともとの仮外膜輪郭407の位置の近辺で低輝度の領域を探索し、当該低輝度の領域の中心を血管像の中心位置とする。

0117

かかる構成によれば、本発明の実施の形態2に係る超音波診断装置152は、Bモード画像202と血流画像203との間で像のずれが発生するような場合にも、安定して正しい外膜輪郭401を得ることができる。このように、超音波診断装置152は、より正確にプラークの有無の判断をすることができる。

0118

以上、本発明の実施の形態に係る超音波診断装置について説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。

0119

例えば、上述した超音波診断装置本体100に含まれる処理部の一部又は全てが、プローブ101に含まれてもよい。

0120

また、上記説明では、Bモード画像及び血流画像として、血管が延在する方向に垂直な、当該血管の断面を示す所謂短軸像を用いる場合を例に説明したが、本発明は、血管が延在する方向に平行な、当該血管の断面図である所謂長軸像を用いる場合にも適用できる。この場合、仮外膜輪郭設定部107は、内腔輪郭を内包する四角形形状の仮外膜輪郭を決定する。ここで四角形形状とは、長方形平行四辺形及び略四角形形状を意味する。

0121

また、上記実施の形態に係る超音波診断装置に含まれる各処理部は典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。

0122

また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブルプロセッサを利用してもよい。

0123

また、本発明の実施の形態に係る、超音波診断装置の機能の一部又は全てを、CPU等のプロセッサがプログラムを実行することにより実現してもよい。

0124

さらに、本発明は上記プログラムであってもよいし、上記プログラムが記録された非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよい。また、上記プログラムは、インターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。

0125

また、上記実施の形態1〜2に係る超音波診断装置、及びその変形例の機能のうち少なくとも一部を組み合わせてもよい。

0126

また、上記で用いた数字は、全て本発明を具体的に説明するために例示するものであり、本発明は例示された数字に制限されない。

0127

また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェア並列又は時分割に処理してもよい。

0128

また、上記のステップが実行される順序は、本発明を具体的に説明するために例示するためのものであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。

0129

更に、本発明の主旨を逸脱しない限り、本実施の形態に対して当業者が思いつく範囲内の変更を施した各種変形例も本発明に含まれる。

0130

本発明は、超音波診断装置に適用できる。また、本発明は、超音波診断装置を用いた動脈硬化の診断に有用である。また、本発明は、超音波診断装置を用いた狭窄率の測定にも応用できる。

0131

100超音波診断装置本体
101プローブ
102 制御部
103送受信部
104Bモード画像生成部
105血流画像生成部
106内腔輪郭抽出部
107 仮外膜輪郭設定部
108 外膜輪郭抽出部
109血管壁抽出部
110プラーク領域抽出部
111 プラーク領域合成部
112データ格納部
113 表示部
114初期輪郭位置調整部
115 3次元データ生成部
150、151、152超音波診断装置
201反射超音波
202 Bモード画像
203 血流画像
401 外膜輪郭
402 内腔輪郭
403プラーク
404 内腔
405A、405B 抽出される外膜輪郭
406高輝度領域(ノイズ)
407 仮外膜輪郭
410 血管壁
411 仮中心点
412 円

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