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図面 (8)

課題・解決手段

有効な骨形成促進効果、歯胚発育促進、歯根形成促進、および歯周組織再生促進等をもつとともに、副作用のより軽減された安全性の高い化合物または組成物が求められている。本発明は、特定の種類のグリコーゲンが、骨形成、歯胚発育、歯根形成、歯周組織再生等を促進することを見出し、上記課題を解決した。本発明は、重量平均分子量が約8700kDa未満であるグリコーゲンを含む骨形成、骨形成促進、歯胚発育促進、歯根形成促進、および歯周組織再生促進からなる群より選択される少なくとも1つのための組成物を提供する。

概要

背景

現在の再生医療で行われている骨組織再生療法には、自家骨ないし骨代替材移植する方法、サイトカイン等の因子局所投与することにより骨形成を促進する方法などがある。前者は骨増量法として一般的な方法であるが、骨採取に伴う身体への侵襲が大きく、また採取可能な骨量も限定されるという問題点がある。そこで、近年では後者の外来性因子を局所投与する方法も広く用いられており、とくにサイトカイン療法として、血小板由来成長因子(platelet−derived growth factor: PDGF)、骨形成因子(bone morphogenetic protein: BMP)や塩基性線維芽細胞増殖因子basic−fibroblast growth factor: bFGF)が注目されている。BMPは未分化間葉細胞骨芽細胞分化させる蛋白性因子で、米国では臨床応用のためのリコンビナントタンパクの作製が行われており、製品化が開始されている。また、bFGFは強力な血管新生作用ならびに間葉系細胞増殖誘導能をもち、細胞外基質の産生を促し骨増加作用を有するため、骨折治癒促進薬および歯周組織再生薬として臨床応用が期待されている。しかし、いずれの因子も実際の骨欠損治療には多くの量が必要となるが、大量生産に有効とされる遺伝子導入法の安全性の問題が現時点では完全にはクリアされていない。また、コスト面においても、一般の医科および歯科臨床で広く使用するには問題が多い。そこで、大量生産が可能で安価に臨床現場へ提供でき、安全性の高い骨形成促進剤の開発が求められていた。

グリコーゲンは、動物真菌酵母および細菌の主な貯蔵多糖である。グリコーゲンは、水に可溶性であり、乳白色の溶液となる。動物のグリコーゲンの分子構造はよく研究されている。天然グリコーゲンは、ブドウ糖グルコース)のα−1,4−グルコシド結合を介して直鎖状に連結した糖鎖からα−1,6−グルコシド結合で枝分れし、さらにそれも枝分かれして網状構造を形成したホモグルカンである。天然グリコーゲンは、α−1,6−グルコシド結合によって連結された、平均重合度約10〜約14のα−1,4−グルコシド結合鎖から構成されている。天然グリコーゲンの分子量については、色々な説があるが、約105〜約108とされている。天然グリコーゲンは、分子量約107の粒子β粒子)またはβ粒子の凝集により形成されたさらに大きな粒子(α粒子)として存在する。細菌のグリコーゲンの構造は、動物のグリコーゲンの構造と類似すると考えられる。ある種の植物(たとえばスイートコーン)にもグリコーゲンと類似した構造のグルカンが存在し、植物グリコーゲン(フィトグリコーゲン)と呼ばれる。

非特許文献1において、グリコーゲンが、骨芽細胞の前駆細胞に有され、骨芽細胞に分化するとグリコーゲンが消失することが報告されている。しかし、グリコーゲンを投与することで骨形成に寄与しうることは知られていない。

非特許文献1および非特許文献2は、グリコーゲン陽性部位とアルカリホスファターゼ(骨芽細胞への分化マーカー)陽性部位がほぼ一致することを記載している。生体内で、「グリコーゲンを含有する細胞出現が骨形成に関与している可能性」が示唆されている。しかし、グリコーゲンを外的に付与したときの事象についてはなんら記載していない。

非特許文献3は、5000〜6500kDaのグリコーゲンが、免疫細胞活性化することを記載している。しかし、増殖を促進することは記載していない。しかし、骨芽細胞に関する記載はない。

特許文献1は、線維芽細胞増殖剤およびこれを配合した皮膚外用剤を開示しており、グリコーゲンが線維芽細胞増殖効果を有することを記載しているが、浮遊系細胞用のプレートへのコート剤として用いているものが記載されているのみである。しかし、骨芽細胞に関する記載はない。

特許文献2は、表皮細胞賦活剤、およびATP産生促進剤を開示しており、グリコーゲンが表皮細胞ATP産生を促進することを開示する。しかし、骨芽細胞に関する記載はない。

上述のように、グリコーゲンはグルコースからなる多糖体で、動物の肝臓筋肉に蓄えられており、細胞のエネルギー源として重要な役割を果たしている。近時、高純度構造安定性が高いグリコーゲンを大量に得ることが可能な、酵素を用いた製造方法の開発に成功し(非特許文献4および特許文献3)、得られた酵素合成グリコーゲン生理活性作用解析が進められている。その結果、酵素合成グリコーゲンは天然グリコーゲンと比較してほぼ同様の化学構造と物性をもっているものの、αアミラーゼによる分解を受けにくく(非特許文献5)、さらに免疫賦活機能(非特許文献3)、保湿作用があること(特許文献4)が明らかになりつつある。しかし、骨形成に関する報告はなんらされていない。

概要

有効な骨形成促進効果、歯胚発育促進、歯根形成促進、および歯周組織再生促進等をもつとともに、副作用のより軽減された安全性の高い化合物または組成物が求められている。本発明は、特定の種類のグリコーゲンが、骨形成、歯胚発育、歯根形成、歯周組織再生等を促進することを見出し、上記課題を解決した。本発明は、重量平均分子量が約8700kDa未満であるグリコーゲンを含む骨形成、骨形成促進、歯胚発育促進、歯根形成促進、および歯周組織再生促進からなる群より選択される少なくとも1つのための組成物を提供する。

目的

本発明は、現在市販されている骨粗鬆症等の骨形成または骨形成の増殖の必要な疾患の治療剤または予防剤に関する有効成分の副作用の問題を解決し、有効な骨形成促進効果をもつとともに、副作用のより軽減された安全性の高い化合物または組成物を提供し、骨形成を促進するために生体適合性素材を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

重量平均分子量が約8700kDa未満であるグリコーゲンを含む骨形成骨形成促進歯胚発育促進、歯根形成促進、および歯周組織再生促進からなる群より選択される少なくとも1つのための組成物

請求項2

前記重量平均分子量が約8000kDa以下である請求項1に記載の組成物。

請求項3

前記重量平均分子量が約3000kDa以上約7000kDa以下である請求項1に記載の組成物。

請求項4

前記重量平均分子量が約4900〜約7000kDaである請求項1に記載の組成物。

請求項5

前記グリコーゲンは、酵素合成グリコーゲンESG)を含む請求項1に記載の組成物。

請求項6

前記グリコーゲンは、重量平均分子量約5200kDaの酵素合成グリコーゲン、重量平均分子量約3200kDaの酵素合成グリコーゲン、重量平均分子量約5000kDaの酵素合成グリコーゲン、重量平均重合度約7000kDaの酵素合成グリコーゲンおよびイガイグリコーゲンからなる群より選択される少なくとも1つを含む請求項1に記載の組成物。

請求項7

前記骨形成または骨形成促進は骨芽細胞増殖が促進されることにより達成される、請求項1に記載の組成物。

請求項8

前記組成物は、食品添加剤医療デバイスまたは医薬である、請求項1に記載の組成物。

請求項9

重量平均分子量が約8700kDa未満であるグリコーゲンを含む、骨形成、骨形成促進、歯胚発育促進、歯根形成促進、および歯周組織再生促進からなる群より選択される少なくとも1つのための医薬。

請求項10

薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含む、請求項9に記載の医薬。

請求項11

骨形成のための薬剤をさらに含む、請求項9に記載の医薬。

請求項12

前記医薬は、1日〜10日間にわたり投与されることを特徴とする請求項9に記載の医薬。

請求項13

重量平均分子量が約8700kDa未満であるグリコーゲンを含む、骨形成、骨形成促進、歯胚発育促進、歯根形成促進、および歯周組織再生促進からなる群より選択される少なくとも1つのための医療デバイス。

請求項14

骨セメントステントカテーテル骨補填材またはインプラントである、請求項13に記載の医療デバイス。

請求項15

骨形成、骨形成促進、歯胚発育促進、歯根形成促進、および歯周組織再生促進からなる群より選択される少なくとも1つのための医薬を生産する方法であって、重量平均分子量が約8700kDa未満であるグリコーゲンを薬学的に許容可能な賦形剤と混合する工程を包含する方法。

請求項16

骨形成、骨形成促進、歯胚発育促進、歯根形成促進、および歯周組織再生促進からなる群より選択される少なくとも1つのための医療デバイスを生産する方法であって、重量平均分子量が約8700kDa未満であるグリコーゲンを医療デバイスまたは医療デバイスの材料に含ませる工程を包含する方法。

請求項17

骨を形成すること、骨形成を促進すること、歯胚発育を促進すること、歯根形成を促進すること、および歯周組織再生を促進することからなる群より選択される少なくとも1つのための方法であって、該方法は、骨形成または骨形成の促進を必要とする患者に重量平均分子量が約8700kDa未満であるグリコーゲンが骨形成または骨形成の促進を必要とする部位に送達されるように投与する工程を包含する方法。

請求項18

骨形成、骨形成促進、歯胚発育促進、歯根形成促進、および歯周組織再生促進からなる群より選択される少なくとも1つのための食品、添加剤、医療デバイスまたは医薬を製造するための、重量平均分子量が約8700kDa未満であるグリコーゲンの使用。

請求項19

骨形成、骨形成促進、歯胚発育促進、歯根形成促進、および歯周組織再生促進からなる群より選択される少なくとも1つのための、重量平均分子量が約8700kDa未満であるグリコーゲン。

請求項20

前記グリコーゲンは、食品、添加剤、医療デバイスまたは医薬の形態で提供される、請求項19に記載のグリコーゲン。

技術分野

0001

本発明はグリコーゲンを有効成分とする骨形成剤骨形成促進剤歯胚発育促進剤、歯根形成促進剤、および歯周組織再生促進剤等に関する。本発明は骨形成剤、骨形成促進剤、歯胚発育促進、歯根形成促進、および歯周組織再生促進等に関するものであり、グリコーゲンの新規用途に関する。

背景技術

0002

現在の再生医療で行われている骨組織再生療法には、自家骨ないし骨代替材移植する方法、サイトカイン等の因子局所投与することにより骨形成を促進する方法などがある。前者は骨増量法として一般的な方法であるが、骨採取に伴う身体への侵襲が大きく、また採取可能な骨量も限定されるという問題点がある。そこで、近年では後者の外来性因子を局所投与する方法も広く用いられており、とくにサイトカイン療法として、血小板由来成長因子(platelet−derived growth factor: PDGF)、骨形成因子(bone morphogenetic protein: BMP)や塩基性線維芽細胞増殖因子basic−fibroblast growth factor: bFGF)が注目されている。BMPは未分化間葉細胞骨芽細胞分化させる蛋白性因子で、米国では臨床応用のためのリコンビナントタンパクの作製が行われており、製品化が開始されている。また、bFGFは強力な血管新生作用ならびに間葉系細胞増殖誘導能をもち、細胞外基質の産生を促し骨増加作用を有するため、骨折治癒促進薬および歯周組織再生薬として臨床応用が期待されている。しかし、いずれの因子も実際の骨欠損治療には多くの量が必要となるが、大量生産に有効とされる遺伝子導入法の安全性の問題が現時点では完全にはクリアされていない。また、コスト面においても、一般の医科および歯科臨床で広く使用するには問題が多い。そこで、大量生産が可能で安価に臨床現場へ提供でき、安全性の高い骨形成促進剤の開発が求められていた。

0003

グリコーゲンは、動物真菌酵母および細菌の主な貯蔵多糖である。グリコーゲンは、水に可溶性であり、乳白色の溶液となる。動物のグリコーゲンの分子構造はよく研究されている。天然グリコーゲンは、ブドウ糖グルコース)のα−1,4−グルコシド結合を介して直鎖状に連結した糖鎖からα−1,6−グルコシド結合で枝分れし、さらにそれも枝分かれして網状構造を形成したホモグルカンである。天然グリコーゲンは、α−1,6−グルコシド結合によって連結された、平均重合度約10〜約14のα−1,4−グルコシド結合鎖から構成されている。天然グリコーゲンの分子量については、色々な説があるが、約105〜約108とされている。天然グリコーゲンは、分子量約107の粒子β粒子)またはβ粒子の凝集により形成されたさらに大きな粒子(α粒子)として存在する。細菌のグリコーゲンの構造は、動物のグリコーゲンの構造と類似すると考えられる。ある種の植物(たとえばスイートコーン)にもグリコーゲンと類似した構造のグルカンが存在し、植物グリコーゲン(フィトグリコーゲン)と呼ばれる。

0004

非特許文献1において、グリコーゲンが、骨芽細胞の前駆細胞に有され、骨芽細胞に分化するとグリコーゲンが消失することが報告されている。しかし、グリコーゲンを投与することで骨形成に寄与しうることは知られていない。

0005

非特許文献1および非特許文献2は、グリコーゲン陽性部位とアルカリホスファターゼ(骨芽細胞への分化マーカー)陽性部位がほぼ一致することを記載している。生体内で、「グリコーゲンを含有する細胞出現が骨形成に関与している可能性」が示唆されている。しかし、グリコーゲンを外的に付与したときの事象についてはなんら記載していない。

0006

非特許文献3は、5000〜6500kDaのグリコーゲンが、免疫細胞活性化することを記載している。しかし、増殖を促進することは記載していない。しかし、骨芽細胞に関する記載はない。

0007

特許文献1は、線維芽細胞増殖剤およびこれを配合した皮膚外用剤を開示しており、グリコーゲンが線維芽細胞増殖効果を有することを記載しているが、浮遊系細胞用のプレートへのコート剤として用いているものが記載されているのみである。しかし、骨芽細胞に関する記載はない。

0008

特許文献2は、表皮細胞賦活剤、およびATP産生促進剤を開示しており、グリコーゲンが表皮細胞ATP産生を促進することを開示する。しかし、骨芽細胞に関する記載はない。

0009

上述のように、グリコーゲンはグルコースからなる多糖体で、動物の肝臓筋肉に蓄えられており、細胞のエネルギー源として重要な役割を果たしている。近時、高純度構造安定性が高いグリコーゲンを大量に得ることが可能な、酵素を用いた製造方法の開発に成功し(非特許文献4および特許文献3)、得られた酵素合成グリコーゲン生理活性作用解析が進められている。その結果、酵素合成グリコーゲンは天然グリコーゲンと比較してほぼ同様の化学構造と物性をもっているものの、αアミラーゼによる分解を受けにくく(非特許文献5)、さらに免疫賦活機能(非特許文献3)、保湿作用があること(特許文献4)が明らかになりつつある。しかし、骨形成に関する報告はなんらされていない。

0010

日本国特開平11−255657号公報
日本国特開2003−321373号公報
日本国特許第4086312号公報
日本国特開2009−227632号公報

先行技術

0011

大島勇人 “歯の発生におけるグリコーゲンの機能的意義” 新歯学会誌29(2) 185−186:1999
依田ら “マウス歯胚発育過程におけるグリコーゲンおよびグルコース輸送体局在” 第51回歯科基礎医学会学術大会2009 (新潟)
R. Kakutani, et al.(2007) Carbohydr Res 342, 2371−2379.
H. Kajiura, et al. (2008) Biocatal. Biotransform. 26, 133−140.
H. Takata, et al. (2009) Carbohydr. Res. 344, 654−659.

課題を解決するための手段

0012

本発明は、特定の種類のグリコーゲンが、骨形成を促進することを見出し、新規の骨形成剤、骨形成促進剤、歯胚発育促進剤、歯根形成促進剤、および歯周組織再生促進剤を完成させた。

0013

本発明は、現在市販されている骨粗鬆症等の骨形成または骨形成の増殖の必要な疾患の治療剤または予防剤に関する有効成分の副作用の問題を解決し、有効な骨形成促進効果をもつとともに、副作用のより軽減された安全性の高い化合物または組成物を提供し、骨形成を促進するために生体適合性素材を提供する。

0014

したがって、本発明は、以下を提供する。
(1)重量平均分子量が約8700kDa未満であるグリコーゲンを含む骨形成、骨形成促進、歯胚発育促進、歯根形成促進、および歯周組織再生促進からなる群より選択される少なくとも1つのための組成物。
(2)前記重量平均分子量が約8000kDa以下である項目1に記載の組成物。
(2A)前記重量平均分子量が約5000kDa以下である項目1または2に記載の組成物。
(3)前記重量平均分子量が約3000kDa以上約8000kDa以下である項目1、2または2Aに記載の組成物。
(3A)前記重量平均分子量が約3000kDa以上約5000kDa以下である項目1、2、2Aまたは3に記載の組成物。
(4)前記重量平均分子量が約4900〜約7000kDaである項目1、2、2A、3または3Aのいずれかに記載の組成物。
(4A)前記重量平均分子量が約4900〜約5000kDaである項目1、2、2A、3、3Aまたは4のいずれかに記載の組成物。
(5)前記グリコーゲンは、酵素合成グリコーゲン(ESG)を含む項目1、2、2A、3、3A、4または4Aのいずれかに記載の組成物。
(6)前記グリコーゲンは、ESG−5M(重量平均分子量約5200kDaの酵素合成グリコーゲン)、ESG−3M(重量平均分子量約3200kDaの酵素合成グリコーゲン)、ESGB(重量平均分子量約5000kDaの酵素合成グリコーゲン)、重量平均重合度約7000kDaの酵素合成グリコーゲンおよびイガイグリコーゲンからなる群より選択される少なくとも1つを含む項目1、2、2A、3、3A、4、4Aまたは5のいずれかに記載の組成物。
(7)前記骨形成または骨形成促進は骨芽細胞増殖が促進されることにより達成される、項目1、2、2A、3、3A、4、4A、5または6のいずれかに記載の組成物。
(8)前記組成物は、食品添加剤医療デバイスまたは医薬である、項目1、2、2A、3、3A、4、4A、5、6または7のいずれかに記載の組成物。
(9)重量平均分子量が約8700kDa未満であるグリコーゲンを含む、骨形成、骨形成促進、歯胚発育促進、歯根形成促進、および歯周組織再生促進からなる群より選択される少なくとも1つのための医薬。
(10)薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含む、項目9に記載の医薬。
(11)骨形成のための薬剤をさらに含む、項目9または10に記載の医薬。
(12)前記医薬は、1日〜10日間にわたり投与されることを特徴とする項目9〜11のいずれかに記載の医薬。
(13)重量平均分子量が約8700kDa未満であるグリコーゲンを含む、骨形成、骨形成促進、歯胚発育促進、歯根形成促進、および歯周組織再生促進からなる群より選択される少なくとも1つのための医療デバイス。
(14)骨セメントステントカテーテル骨補填材またはインプラントである、項目13に記載の医療デバイス。
(15)骨形成、骨形成促進、歯胚発育促進、歯根形成促進、および歯周組織再生促進からなる群より選択される少なくとも1つのための医薬を生産する方法であって、重量平均分子量が約8700kDa未満であるグリコーゲンを薬学的に許容可能な賦形剤と混合する工程を包含する方法。
(16)骨形成、骨形成促進、歯胚発育促進、歯根形成促進、および歯周組織再生促進からなる群より選択される少なくとも1つのための医療デバイスを生産する方法であって、重量平均分子量が約8700kDa未満であるグリコーゲンを医療デバイスまたは医療デバイスの材料に含ませる工程を包含する方法。
(17)骨を形成すること、骨形成を促進すること、歯胚発育を促進すること、歯根形成を促進すること、および歯周組織再生を促進することからなる群より選択される少なくとも1つのための方法であって、該方法は、骨形成または骨形成の促進を必要とする患者に重量平均分子量が約8700kDa未満であるグリコーゲンが骨形成または骨形成の促進を必要とする部位に送達されるように投与する工程を包含する方法。
(18)骨形成、骨形成促進、歯胚発育促進、歯根形成促進、および歯周組織再生促進からなる群より選択される少なくとも1つのための食品、添加剤、医療デバイスまたは医薬を製造するための、重量平均分子量が約8700kDa未満であるグリコーゲンの使用。
(19)骨形成、骨形成促進、歯胚発育促進、歯根形成促進、および歯周組織再生促進からなる群より選択される少なくとも1つのための、重量平均分子量が約8700kDa未満であるグリコーゲン。
(20)前記グリコーゲンは、食品、添加剤、医療デバイスまたは医薬の形態で提供される、項目19に記載のグリコーゲン。

0015

これらのすべての局面において、本明細書に記載される各々の実施形態(例えば、分子量等)は、適用可能である限り、他の局面において適用されうることが理解される。

0016

複数の実施形態が開示されるが、本発明のなお他の実施形態は、以下の詳細な説明から当業者には明らかになる。当業者に明らかであるように、本発明は、すべて本発明の技術思想および範囲から逸脱することなく、種々の明白な態様において修飾が可能である。従って、図面および詳細な説明は、事実上例示的であると見なされ、制限的であるとは見なされない。

発明の効果

0017

本発明は、特定のグリコーゲンが骨形成に有用であることを証明した。このような生体に適合性のある材料が骨形成に有用であることを見出したことは医薬品業界における応用が期待され、従来技術にない効果を達成することができると考えられる。

図面の簡単な説明

0018

図1は、グリコーゲン添加後の骨芽細胞(MC3T3−E1)の増殖曲線を示したグラフである。黒四角はグリコーゲン(ESM−5M)を示し、菱形コントロールを示す。*は統計学有意性(p<0.05)を示す。5日目でグリコーゲン添加群がコントロールに比べて有意に増加していることがわかる。使用したグリコーゲンの濃度は、300μg/mlである。
各種グリコーゲンの骨芽細胞(MC3T3−E1)増殖促進効果試験の結果を示す。各種グリコーゲン(300μg/ml)またはコントロールを用いて経時的に細胞増殖を観察して細胞数を記録した。左の群は、1日目、右の群は3日目を示す。各群中、左からコントロール(模様なし)、ESG−B(グレイ)、ESG−3M(破線の模様)、ESG−20M(チェック模様)、および天然グリコーゲン(NSG(Corn)、黒)を示す。
図3は、MC3T3−E1細胞増殖試験を示す。各種グリコーゲン(500μg/ml)またはコントロールを用いて経時的に細胞増殖を観察して細胞数を記録した。NSG(イガイ)では、統計学的有意性(p<0.05)も認められた。各群は、左から、3日目、5日目、7日目、10日目の結果を示す。各群において、左からコントロール(黒)、ESG−B(破線模様)、ESG−20M(チェック)、天然グリコーゲン(イガイ;斜線)、および天然グリコーゲン(ウサギ;白)を示す。
酵素合成グリコーゲン添加によるMC3T3−E1のALP、OC遺伝子発現変化をRTPCR法にて解析した結果である。2%アガロースゲル電気泳動エチジウムブロマイド染色像。グリコーゲン添加群でALPmRNAおよびOCmRNAの発現上昇が認められる。使用したグリコーゲンの濃度は、300μg/mlである。各レーンは、左から1日目(1day)でのグリコーゲン刺激なし(−)、1日目でのグリコーゲン刺激あり(+;300μg/ml)、3日目でのグリコーゲン刺激なし(−)、3日目でのグリコーゲン刺激あり(+;300μg/ml)、5日目でのグリコーゲン刺激なし(−)、5日目でのグリコーゲン刺激あり(+;300μg/ml)、7日目でのグリコーゲン刺激なし(−)、および7日目でのグリコーゲン刺激あり(+;300μg/ml)を示す。
酵素合成グリコーゲン添加によるMC3T3−E1の石灰化物形成を示す図である。左は、非添加群を示し、右は添加群を示す。コッサ染色像で、黒褐色部位カルシウム沈着を表す(矢印)。バーは250μmを示す。培養7日目のグリコーゲン添加群のみにカルシウム沈着が確認される。使用したグリコーゲンの濃度は、300μg/mlである。
図6は、酵素合成グリコーゲンが骨再生へ及ぼす影響:in vivo実験を示す写真である。マウスの頭蓋骨に穴を開け、そこに、ESGを注入し、数日後にCT−Scanにかけることにより、骨再生促進が起こるかを調べた。左はコントロール、右はグリコーゲン(ESG 070223−5M)添加を示す。矢印は、グリコーゲン添加した場所を示す。グリコーゲン添加において有意な骨再生促進が認められる。使用したグリコーゲンの濃度は、300μg/mlである。
器官培養系における酵素合成グリコーゲン添加による歯胚発育への影響を示す写真である。妊娠16.5日目のマウス胎児より、下顎第一・第二臼歯歯胚を採取し、生体外で培養した。酵素合成グリコーゲン(5000kDa)を500μg/mlになるように添加し4日間培養した後、歯胚発育の状態を観察した。グリコーゲン添加により明らかに発育促進が起こり、大きく、分化が進んだ歯胚が形成された。

0019

以下、本発明を説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。従って、単数形の詞(例えば、英語の場合は「a」、「an」、「the」など)は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当上記分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用されるすべての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。

0020

(定義)
本明細書では、「グリコーゲン」とは、D−グルコースを構成単位とする糖であって、α−1,4−グルコシド結合およびα−1,6−グルコシド結合のみによって連結されており、分子量が100万Da以上であるものをいう。特に、本発明で用いられるものは、50U/g基質プルラナーゼを、以下の条件(特許4086312号参照)で作用させた場合に得られる生成物MALLS法によって分析した場合のMwが50万Da以上であり、かつ300U/g基質のα−アミラーゼを以下の条件(特許4086312号を参照)で作用させた場合に得られる生成物をMALLS法によって分析した場合のMwが50万Da以上である糖をいう。

0021

プルラナーゼによるテスト法の試験条件:プルラナーゼの活性は、プルランを基質として1分間に1μmolのグルコースに相当する還元力を生成するのに必要な量を1Uとしてあらわされる。プルラナーゼとしては、例えば大和化成株式会社製のBacillusbrevis由来酵素剤であるクライスターゼPLF、あるいはクライスターゼPL45や、SigmaAldrich製のBacillus acidopullulyticus由来のプルラナーゼ、同社製Klebsilla pneumoniae由来のプルラナーゼなど任意のプルラナーゼを使用できる。反応温度と反応pHは、それぞれの酵素の反応に最も適する温度、pHを選択する。

0022

α−アミラーゼによるテスト法の試験条件:α−アミラーゼとしては、ヒト唾液由来のα−アミラーゼ(例えばSigmaAldrich社製Type XIII−A)や、ブタすい臓由来のα−アミラーゼ(例えばSigma Aldrich社製Type I−Aを用いることができる。α−アミラーゼの活性1Uは、20℃、pH6.9で、デンプンを基質として、3分間に1.0mgのマルトース遊離する酵素量として定義される。

0023

本明細書において「重量平均分子量(Mw)」、および数平均分子量(Mn)は以下のように説明される。すなわち、グリコーゲンのような高分子は、一般に均一な分子ではなく、種々の大きさの分子の混合物であるため、その分子量は数平均分子量(Mn)もしくは重量平均分子量(Mw)で評価する。Mnは、その系の全質量を、その系に含まれる分子の個数で割ったものである。すなわち数分率による平均である。一方、Mwは重量分率による平均である。完全に均一な物質であれば、Mw=Mnとなるが、高分子は一般に分子量分布を有するためMw>Mnとなる。したがって、Mw/Mnが1より大きいほど、分子量の不均一度が大きい(分子量分布が広い)ということになる。本発明では、グリコーゲンについては、重量平均分子量をおもに使用する。

0024

本発明に用いるグリコーゲンは、動物の肝臓や骨格筋貯蔵されることが知られているものであり、特に限定はされない。その由来としては動物が挙げられるが、植物ないし微生物がグリコーゲンないしグリコーゲンと同様な構造を有する物質を産生することも知られており、これらはすべて本発明のグリコーゲンとして使用することができる。さらに本発明に用いるグリコーゲンを、酵素を用いて合成することもできる。例えば、砂糖プライマー分子(マルトオリゴ等やデキストリン)にスクロースホスホリラーゼ(EC2.4.1.7)とα−グルカンホスホリラーゼ(EC2.4.1.1)およびブランチングエンザイム(EC2.4.1.18)を作用させる方法、および短鎖アミロースにブランチングエンザイム(EC2.4.1.18)を作用させる方法などがある。これらの方法で合成したグリコーゲンも、天然グリコーゲンと同様の化学的構造、および物理的構造を持つことが知られており、これらの酵素合成グリコーゲンも本発明の安定化方法に使用することができる。また、天然或いは合成のグリコーゲンを用いる以外に、それらの誘導体を用いても良く、それらの同等物であっても良い。そのような誘導体または同等物の作製は、例えば、以下の方法で行なうことが可能である。

0025

本発明のグリコーゲンは、当業者に周知の分離方法、例えば、クロマト分離(例えば、ゲル濾過クロマトグラフィーHPLC)、膜分離等で適当な分子量分布を持つ画分に分離することができる。また、溶媒(例えば、メタノールエタノール)を用いる沈澱等の方法を、単独で、あるいは組み合わせて用いて適当な分子量分布を持つ画分に分離することができる。また、天然或いは合成のグリコーゲンを当業者に周知の方法でエーテル化エステル化架橋化、およびグラフト化したものを使用することができる。誘導体化の方法としては、通常、澱粉の修飾に用いられる方法が用いられ得る(生物化学実験法19,「澱粉・関連糖質実験法」:中ら、学会出版センター、1986年273〜303頁)。リン酸化の例としては、本発明のグリコーゲンをジメチルホルムアミド中でオキシ塩化リンと反応させることにより、リン酸化したグリコーゲンを得ることができる。

0026

本明細書において「骨形成」とは、骨芽細胞によって、新しい骨がつくられることをいう。骨形成は、実際に肉眼で観察したり、レントゲン写真等により確認することができるほか、指標をもとに評価することができる。骨形成の指標としては、アルカリホスファターゼの発現増加、骨芽細胞の増殖促進、および石灰化などを挙げることができる。本明細書における「骨形成」には、当業者に通常理解されるように、硬骨の形成のほか、歯の形成等も包含されることが理解される。

0027

本明細書において「骨形成促進」とは、骨形成がなかった状態をある状態にすること、およびすでにある骨形成の状態を加速させることの両方を包含する。

0028

骨形成を促進する活性は、後述の実施例に例示するもののほか、培養した2.0x104cells/well の骨芽細胞培養株MC3T3−E1に、培地中濃度0.1〜10.0μMとなるように該化合物を添加し4日間培養し、骨芽細胞の分化指標であるアルカリホスファターゼ(ALP)活性(特開2003−155236)と、細胞数の指標であるDNA量(C.Labarca and K.Paigen,Analytical Biochemistry 102:344−352,1980)を測定し、DNA量に対するALP活性を決定することによって実施することができる。このALP活性が対照と比べて有意に高いほど、化合物の骨形成促進活性が高いことを示す。

0029

あるいは、骨形成促進活性は、実施例においてした石灰化の実験等のほか、試験物ラットなどの実験動物病態モデル動物などを含む)にゾンデの投与、または試験飼料給餌によって4週間以上飼育し、動物の大腿骨骨幹部および骨幹端部組織骨成分の変動をカルシウム量アルカリホスファターゼ活性、DNA量を指標として測定することによって決定することができる。骨組織のカルシウム量は、骨組織を0.25Mショ糖溶液洗浄し、100℃で6時間乾燥したのち、乾燥重量を測定し、濃硝酸を添加して24時間120℃で分解し、カルシウム量を原子吸光光度計で定量する。アルカリホスファターゼ活性は、骨組織を冷0.25Mショ糖溶液で洗浄後、6.5mMバルビタール緩衝液(pH7.4)中で破砕し、60秒間超音波処理、3000rpmで遠心し、上清画分酵素活性を公知の方法(Methodsof Enzymatic Analysis,Vol.1−2,Academic Press,New York,pp856−860,1965)で測定することができる。DNA量は、骨組織を冷0.25Mショ糖溶液で洗浄し、水分除去後、0.1N水酸化ナトリウム溶液中で破砕し、抽出し、3000rpmで遠心し、その上清画分をDNA測定試料とし公知の方法(J.Biol.Chem.214:39−77,1955)で測定することができる。

0030

本明細書において「歯胚」とは、歯および歯周組織のもととなる細胞集団をいい、エナメル器歯乳頭および歯小嚢が含まれる。したがって、本明細書において「歯胚発育促進」とは、歯胚の発育が促進することをいい、後述の実施例に例示するもののほか、(1)歯胚の発育が早い(歯胚全体の発生段階が進んでいる、歯胚上皮・間葉細胞の個々の分化が進んでいる)、および(2)歯胚のサイズが大きいかどうかを指標に評価することができる。歯胚の発育については、通常よりも早いかどうかを判断し、早ければ歯胚全体の発生段階が進んでいる、歯胚上皮・間葉細胞の個々の分化が進んでいるということができる。歯胚発育促進に該当する歯胚のサイズかどうかを判断することによって判断しうる。歯胚のサイズが大きいかどうかは、各々の歯種のサイズの平均値と比較して大きいかどうかを判断指標とすることができる。歯の大きさの平均値は、例えば、田恒太郎、第22版 歯の解剖学(ISBN4-307-45007-8)を参考にすることができる。歯胚器官培養系においては、同時に培養したグリコーゲン非添加群の歯胚の大きさと比較して、歯のサイズが大きい場合を「歯胚発育促進」ということができる。歯胚発育については、例えば、Antonio Nanci 編著7版TenCate's Oral Histology: Development, Structure, and Function(ISBN4−263−45444−8)を参照することができる。なお、歯胚発育促進については、厳密には、骨形成または骨形成作用に含まれない作用も含むが、生体内での作用を考慮する場合は、歯胚は周囲の歯槽骨同調しながら発育することから、実質的には骨形成促進に含まれるともいいうる。

0031

本明細書において「歯周組織」とは、歯を支え周囲組織の総称である。軟組織歯肉および歯根膜、ならびに硬組織であるセメント質および歯槽骨の4つの組織を含む。従って、本明細書では、「歯周組織再生」とは、歯周組織の再生を意味する。「歯周組織再生」の評価は、後述の実施例に例示するもののほか、歯肉、歯根膜、セメント質および歯槽骨の再生について、個々の構成要素の再生レベル動物実験モデルで評価することができる。そのような評価方法の例としては、例えば、S. Murakami, et al. J Periodont Res 2003; 38; 97-103(例えば、101頁の図4参照)をもとに行なうことができる。bFGFおよび歯周組織再生については、S.Murakami, Periodontology 2000, Vol. 56, 2011, 188-208等を参考にすることができる。

0032

本明細書において「歯根」とは、歯の下部の歯槽骨の中に入っている部分をいう。従って、本明細書において「歯根形成促進」とは、任意の形態で歯根の形成が促進されることをいう。歯根形成促進の評価は、後述の実施例に例示するもののほか、例えば、(1)歯根の伸長速度が速い、および(2)歯根が長いことなどを指標に行なうことができる。歯根形成については、Ohshima H., J.Oral.Biosci.50(3)、147-153 (2008)等を参考にすることができる。なお、歯根形成促進については、厳密には、骨形成または骨形成作用に含まれない作用も含むが、生体内での作用を考慮する場合は、歯根は周囲の歯槽骨と同調しながら発育することから、実質的には骨形成促進に含まれるともいいうる。

0033

本明細書において「酵素合成グリコーゲン(ESG)」とは、酵素で合成されたグリコーゲンをいう。グリコーゲンを酵素を用いて合成する方法は、たとえば、WO2006/035848号、特許4086312号に記載されている。得られた酵素合成グリコーゲンは、高純度であり分子量や分岐度が制御されている。さらに、酵素合成グリコーゲンの場合、天然グリコーゲンと比較して、各種消化酵素に対する抵抗性が高いという優れた特徴を有する。この酵素合成グリコーゲンにも、天然グリコーゲンと同程度以上の保湿効果、皮膚機能改善効果、および皮膚老化防止が認められる。

0034

本明細書でいう酵素合成グリコーゲンはWO2006/035848号記載の酵素合成グリコーゲンを含む。すなわち、これは、グリコーゲンを合成する能力を有するブランチングエンザイムを溶液中で基質に作用させてグリコーゲンを生産する工程により製造されるものであり、該基質が主にα−1,4−グルコシド結合で連結された重合度4以上のα−グルカンであり、該基質が澱粉枝切り物、デキストリン枝切り物または酵素合成アミロースであり、該グリコーゲンの重量平均分子量が100万Da以上であり、該グリコーゲンに50U/g基質のプルラナーゼを60℃で30分作用させた場合に得られる生成物をMALLS法によって分析した場合の重量平均分子量が50万Da以上であり、かつ該グリコーゲンに300U/g基質のα−アミラーゼを37℃で30分作用させた場合に得られる生成物をMALLS法によって分析した場合の重量平均分子量が50万Da以上であるグリコーゲンである。

0035

ESGと天然のグリコーゲンとを識別する方法としては、抵抗性でんぷん(Resistant Starch)を測定する手法がある。ESGは、Megazymes社のResistant Starchアッセイキットで定量した時、約20%程度の「Resistant Starch含量である」、と定量される。これは、ESGの分子コア部分に比較的大きな、αアミラーゼに耐性を示す部分があることによる。NSGの場合、そのような耐性のコア部分を持つ分子の割合が少ないため、本キット定量値は非常に低くなることによって識別できる。

0036

MALLS法とは、多角度光散乱検出器と、示差屈折計を検出器として併用したHPLCゲルろ過分析法であり、Takataら、J. Appl. Glycosci. 50巻, 15−20頁、2003年に記述されている。該グリコーゲンの重量平均分子量は、100万Daから1億Daであり、より好ましくは100万から5000万Daであり、より好ましくは200万から3000万Daであり、さらにより好ましくは300万から2000万でありうる。グリコーゲン合成に用いる、グリコーゲンを合成する能力を有するブランチングエンザイムはAquifex aeolicus、Aquifex pyrophilus、Rhodothermus obamensis、Rhodothermus marinus、Bacillus stearothermophilus、Bacillus caldovelox、Bacillus thermocatenulatus、Bacillus caldolyticus、Bacillus flavothermus、Bacillus acidocaldarius、Bacillus caldotenax、Bacillus smithii、Thermosynechococcus elongatusおよびEscherichia coliからなる群より選択される細菌に由来し得る。

0037

本発明に用いることができる酵素合成グリコーゲンは、天然のグリコーゲンとほぼ同様の大きさと形状を持つ高分子である。さらに、本発明に用いる酵素合成グリコーゲンは、天然のグリコーゲンと比較して、電解質などの不純物含量が少なく、皮膚への安全性が高い。また、分岐結合の分子内での配置が若干異なることから、溶液の経時安定性が高く、酵素や微生物などの生物的分解への耐性が高く、化学的、物理的分解に対する耐性も高い。このような特徴から、各種の補助成分との併用により、本来単独で有する効果を相乗的に高めることができる。酵素合成グリコーゲンの配合量は、任意の量であり得る。

0038

本明細書において「骨芽細胞」とは、間葉組織からできた骨形成細胞であり、未分化間葉系細胞から前駆骨芽細胞幼若骨芽細胞を経て成熟骨芽細胞へと分化し形成される。骨基質は骨芽細胞から形成され、骨芽細胞は骨細胞として骨基質の中に封入される。前駆細胞の段階から成熟細胞の段階の間にI型コラーゲン、アルカリホスファターゼ(ALP)、オステオネクチンが産生され、幼若骨芽細胞まで分化するとオステオポンチン、成熟細胞まで分化すると骨シアロタンパクBSP)、オステオカルシン(BGP)がそれぞれ産生し始める(H.Komori,The Bone 12:49−59,1998)。大きさは20〜30μmで、形状は立方体または円柱状の細胞である。骨芽細胞は骨組織表面に存在し盛んにコラーゲンなどの骨基質蛋白質分泌する。基質蛋白質リン酸カルシウムヒドロキシアパタイト結晶沈着し硬い骨組織ができあがる。リン酸カルシウムの結晶の沈着は「石灰化」と呼ばれる。骨表面の骨芽細胞および石灰化のはじまった直後の骨基質との間は類骨と呼ばれ、骨軟化症のように石灰化の障害があると類骨は増加する。骨芽細胞はこの基質の中に埋め込まれて、やがて骨細胞となる。通常、細胞核は骨とは反対側に位置し、細胞質にはゴルジ体粗面小胞体発達していて、盛んに基質を合成し骨の側に分泌している。骨芽細胞は高いアルカリホスファターゼ活性(ALP)を示し、骨芽細胞の組織化学生化学的マーカーとして用いられている。あるいは上記の細胞マーカーのいずれをも用いることができる。インビトロでは、MC3T3−E1等の骨芽細胞の細胞株を用いて骨芽細胞の増殖をみることができる。

0039

本発明の組成物は、医薬のほか、培養等の目的の添加剤、医療デバイス、食品、健康食品もしくは機能性食品などとして用いられる。

0040

本明細書において「医薬」とは、当該分野でもっとも広義解釈され、任意の薬を含み、薬事法上の医薬品、医薬部外品等のほか、骨形成による治療または予防を意図する任意の用途の薬剤、組成物等を包含することが理解される。そのような例として、医療分野歯科分野等における応用が挙げられ、たとえば、治療補助剤(例えば、患部に投与するもの)、骨充填剤(例えば、骨欠損部へ直接補填する等)、骨補填材等における主成分または副成分としての使用、あるいは、メンブレンへの塗布、抜歯創用保護剤なども挙げられる。通常、医薬は固体または液体の賦形剤を含むとともに、必要に応じて崩壊剤香味剤遅延放出剤滑沢剤結合剤着色剤などの添加剤を含むことができる。医薬品の形態は、錠剤注射剤カプセル剤顆粒剤散剤細粒剤徐放製剤などを含むが、これらに限定されない。

0041

本明細書において「医療デバイス」とは、当該分野でもっとも広義に解釈され、任意のデバイス機器を含み、薬事法上の医療機器のほか、骨形成を意図する任意の用途の装置、デバイス、器具を包含することが理解される。医療デバイスとしては、たとえば、骨セメント、ステント、カテーテル、骨補填材またはインプラントなどが例示される。

0042

本明細書において「食品」とは、当該分野で日常的に使用される意味を有し、人間が食することができるすべての食料を指し、一実施形態としては加工品を挙げることができる。たとえば菓子類乳製品穀類加工品などの加工食品に、本発明のグリコーゲン等の成分を混入させることができる。また、「健康食品」および「機能性食品」とは、業界で一般的に使用される意味を有し、骨粗鬆症の症状または兆候を示す骨量の減少や骨の脆弱性を予防するために特別に処方された、医薬品または一般の食品とは区別される食品の一種を指す。このような食品の例としては、例えば、歯や骨の治療前に患者に一定期間摂取させる食品を想定することができるがこれに限定されない。

0043

本明細書において「添加剤」とは、主成分に対して、何らかの目的で添加される任意の薬剤をいう。例えば、発育促進のための添加剤等を例示することができる。本発明の添加剤は、例えば、研究用途で、歯胚器官培養における、発育促進用の添加剤(培養添加剤等)を例示することができるがこれに限定されない。

0044

本明細書において「治療」または「予防」とは、骨形成を促進することによって、骨粗鬆症の発症前後の骨量の減少や骨の脆弱性を有意に改善、緩和または予防することを意味する。本発明により骨芽細胞の分化を促進することによって成熟骨芽細胞の形成が促進され、その結果、骨形成が促進されるとともに、骨形成と破骨細胞による骨吸収不均衡が改善または緩和される。

0045

(好ましい実施形態)
本発明の好ましい実施形態を、以下に掲げる。以下に提供される実施形態は、本発明のよりよい理解のために提供されるものであり、本発明の範囲は以下の記載に限定されるべきでない。従って、当業者は、本明細書中の記載を参酌して、本発明の範囲内で適宜改変を行うことができることは明らかである。

0046

1つの局面において、本発明は、重量平均分子量が約8700kDa未満であるグリコーゲンを含む骨形成または骨形成促進のための組成物を提供する(なお、本明細書では、重量平均分子量は、有効数字は2桁で表示する。)。したがって、本発明は、骨疾患骨折骨損傷、および他の骨異常の治療等の骨形成、骨形成促進(これらは、石灰化促進、骨芽細胞増殖促進、指標としうる)、骨形成促進、歯胚発育促進、歯根形成促進、および/または歯周組織再生促進のための方法、組成物、食品、添加剤、医療デバイスまたは医薬等を提供する。グリコーゲンを哺乳類等の対象に投与し、石灰化の刺激または強化をもたらす工程によって達成される。このような方法等の具体的な例としては、例えば、歯や骨の治療前に患者に一定期間摂取させる食品、患部に投与する治療補助剤、研究用途で、歯胚器官培養における、発育促進用の添加剤などを挙げることができるがこれらに限定されない。

0047

本発明で使用されるグリコーゲンは、重量平均分子量が約8700kDa未満のものであれば、どのようなものでも使用しうる。特定の分子量を有するグリコーゲンに骨形成活性があることは従来知られておらず、予想外の効果であるといえる。

0048

種々の実施形態において、本発明において使用されるグリコーゲンの重量平均分子量の上限は、約8700kDa、約8600kDa、約8500kDa、約8400kDa、約8300kDa、約8200kDa、約8100kDa、約8000kDa、約7900kDa、約7800kDa、約7700kDa、約7600kDa、約7500kDa、約7400kDa、約7300kDa、約7200kDa、約7100kDa、約7000kDa、約6900kDa、約6800kDa、約6700kDa、約6600kDa、約6500kDa、約6400kDa、約6300kDa、約6200kDa、約6100kDa、約6000kDa、約5900kDa、約5800kDa、約5700kDa、約5600kDa、約5500kDa、約5400kDa、約5300kDa等でありうる。本発明によれば、約7000kDaの分子量でも、効果が観察されていることから、本発明において使用されるグリコーゲンの重量平均分子量の上限としては、好ましくは、約8000kDa以上でありうる。

0049

本発明において使用されるグリコーゲンの重量平均分子量の下限は、グリコーゲン自体の下限である約1000kDa、約1100kDa、約1200kDa、約1300kDa、約1400kDa、約1500kDa、約1600kDa、約1700kDa、約1800kDa、約1900kDa、約2000kDa、約2100kDa、約2200kDa、約2300kDa、約2400kDa、約2500kDa、約2600kDa、約2700kDa、約2800kDa、約2900kDa、約3000kDa、約3100kDa、約3200kDa、約3300kDa、約3400kDa、約3500kDa、約3600kDa、約3700kDa、約3800kDa、約3900kDa、約4000kDa、約4100kDa、約4200kDa、約4300kDa、約4400kDa、約4500kDa、約4600kDa、約4700kDa、約4800kDa、約4900kDa等でありうる。これらの下限は、本明細書に記載された上限のいずれかの数値と任意に組合されうる。たとえば、このような範囲は、製造の面を考慮して、約3000kDa〜約8000kDaなどを例示することができるがこれに限定されない。

0050

ある実施形態において、本発明において使用される重量平均分子量は約3000kDa以上約8000kDa以下である。これらの使用される重量平均分子量のグリコーゲンは、いずれも、骨芽細胞増殖促進およびALP発現促進および実際の動物実験での効果、または歯の治癒促進等が立証されており、このような効果は、他のグリコーゲン(たとえば、特許文献1のグリコーゲン(キューピー製フィトグリコーゲン))では認められないことが判明しており、まさに予想外の効果であるといえる。

0051

好ましい実施形態では、本発明において使用される重量平均分子量は約4900〜約7000kDaである。理論に束縛されることを望まないが、この範囲が好ましいのは、まず、動物実験での石灰化、器官培養における歯胚の形成促進または歯の治癒促進等が確実に確認されているからである。

0052

1つの実施形態では、本発明で使用されるグリコーゲンは、酵素合成グリコーゲン(ESG)を含む。

0053

別の実施形態では、本発明で使用されるグリコーゲンは、特許4086312号の方法に基づいて合成可能であり、たとえば、実施例で使用したESG−5M(重量平均分子量約5200kDaの酵素合成グリコーゲン)、ESG−3M(重量平均分子量約3200kDaの酵素合成グリコーゲン)、ESGB(重量平均分子量約5000kDaの酵素合成グリコーゲン)、ESG−7M(重量平均重合度約7000kDaの酵素合成グリコーゲン)、イガイグリコーゲン(フランス、Laboratoires Serobiologiques製造、山川貿易株式会社輸入。Sigma Aldrichからも入手可能)、牡蠣グリコーゲン(和光純薬工業株式会社、またはSigma Aldrich、ナカライテスク株式会社などから入手可能)、フナガイ(Slipper Limpet)グリコーゲン(Sigma Aldrich)、ウシ肝臓グリコーゲン(ナカライテスク株式会社またはSigma Aldrich)などである。

0054

理論に束縛されることを望まないが、本発明のグリコーゲンの骨形成または骨形成促進の効果は、少なくとも一部は骨芽細胞増殖が促進されることにより達成されるものと考えられる。

0055

(医薬等)
1つの局面において、本発明は、重量平均分子量が約8700kDa未満であるグリコーゲンを含む、骨形成、骨形成促進(これらは、石灰化促進、骨芽細胞増殖促進、指標としうる)、骨形成促進、歯胚発育促進、歯根形成促進、および/または歯周組織再生促進のための医薬を提供する。ここで、本発明の医薬に含まれるグリコーゲンの種々の実施形態としては、骨形成または骨形成促進のための組成物等に用いられるもの、たとえば、本明細書のこれらの組成物の項において説明されている任意のものを用いることができる。本発明の医薬は、患部に投与する治療補助剤等の形態としても用いることができるが、これに限定されない。

0056

1つの実施形態では、本発明の医薬は、薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含む。本発明の組成物を医薬または医薬品として使用する場合、その投与剤型としては、例えば錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、被覆錠剤、徐放製剤、カプセル剤、注射剤などが挙げられる。該医薬品は賦形剤、必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、香味剤、着色剤、遅延放出剤などの添加剤を含むことができる。経口製剤の場合、賦形剤として、例えば乳糖コーンスターチ白糖、ブドウ糖、マンニトールソルビット結晶セルロースなど、結合剤として、例えばポリビニルアルコールポリビニルエーテルメチルセルロースヒドロキシプロピルセルロースアラビアゴムトラガントゼラチンシェラックポリビニルピロリドンブロックコポリマーなど、崩壊剤として、例えば澱粉、寒天、ゼラチン末、結晶セルロース、炭酸カルシウム炭酸水素ナトリウムクエン酸カルシウム、デキストリン、ペクチンなど、滑沢剤として、例えばステアリン酸マグネシウムタルクポリエチレングリコールシリカ硬化植物油など、香味剤として、例えばココア末ハッカ油桂皮末などが使用できるが、これらに限定されない。必要により、徐放性または腸溶性製剤とするためのコーティングを施すことができる。注射用製剤の場合には、pH調整剤溶解剤等張化剤緩衝化剤などが使用されるが、これらに限定されない。

0057

本発明の医薬において、含まれていてもよいさらなる医薬は、目的に応じ種々考えられるが、たとえば、骨粗鬆症の治療薬として現在使用されているもの、たとえば、カルシウム剤商品アスパラCA、カルコール乳酸カルシウムなど)、ビタミンD剤(商品名アルファロールワンアルファ、ロカルトロール、ハイティクロールなど)、女性ホルモン剤(商品名エストリールなど)、イプリフラボン(商品名オステンアスオストなど)、ビタミンK2製剤(例えばグラケーなど)、ビスホスホネート類(商品名ファマックスリセドロネートチルドロネート、イバンドロネートなど)、などを挙げることができるがこれらに限定されない。

0058

上記の治療薬若しくは予防薬に加えて、骨形成促進剤を含む種々の骨粗鬆症等の疾患の治療剤が報告されている。例えば、このような薬としては、プテロカルパン[(5αR,11αR)−3−ヒドロキシ−9,10−ジメトキシプテロカルパン](特開2003−155236)(プテロカルパンはマメ科のアストラガラス属植物であるオウギに含まれるイソフラボン化合物);ドロロキシフェンなどのエストロゲンアゴニストアンタゴニスト、または骨形成を促進し骨量を増加させる薬物(フッ化ナトリウム副甲状腺ホルモン成長ホルモンまたは成長ホルモン分泌物質など)、またはそれらの混合物(特開2002−308771);ポリホスホネート類アレンドロネード、シマドロネードなど)および/またはスタチン類シンバスタチンブラバスタチン、セリバスタチンなど)(特開2001−253827);ホスホジエステラーゼIV阻害活性のあるキサンチン類(特開平9−169665号);黄体ホルモンおよび抗エストロゲン作用物質(エストラジオール誘導体トリフェニルエチレン誘導体ベンゾチオフェン誘導体など)(特開平6−312930号);単球マクロファージコロニー形成刺激因子(特開平5−17367号)などを挙げることができるこれらに限定されない。

0059

あるいは、骨形成成分としては、骨形成タンパク質(BMP等)も挙げることができる。本発明におけるBMPとしては、未分化間葉系細胞に対して骨芽細胞への分化を誘導することにより骨形成を促す活性を有するものであればよく、特に限定されないが、例えば、BMP−1、BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−7、BMP−8、BMP−9、BMP−12(以上、ホモダイマー)、もしくは、これらのBMPのヘテロダイマーまたは改変体(すなわち、天然に存在するBMPのアミノ酸配列において1以上のアミノ酸欠失置換および/または付加されたアミノ酸配列を有し、かつ、天然に存在するBMPと同じ活性を有するタンパク質)等が挙げられる。あるいは、このようなタンパク質の場合は、それをコードする核酸であってもよい。たとえば、天然に存在するBMPをコードする塩基配列と同一、または、天然に存在するBMPをコードする塩基配列において1以上の塩基が欠失、置換および/または付加されたものであればよい。また、これらのものは、1種または2種以上を組み合わせて用いるようにしてもよい。

0060

1つの実施形態において、本発明の医薬は、1日〜10日間、あるいは、3〜10日間などにわたり投与されることを特徴とする。理論に束縛されることを望まないが、骨芽細胞の増殖効果がよく促進される期間であるからである。この期間は、グリコーゲンが投与された箇所において存在する細胞の数に依存することが理解され、当業者は、投与されるべき箇所の状態(例えば、細胞の集密状態等)に応じて、適宜これを変更することができる。

0061

本明細書において薬剤等の「有効量」とは、その薬剤が目的とする薬効を発揮することができる量をいう。本明細書において、そのような有効量のうち、最小の濃度を最小有効量ということがある。そのような最小有効量は、当該分野において周知であり、通常、薬剤の最小有効量は当業者によって決定されているか、または当業者は適宜決定することができる。そのような有効量の決定には、実際の投与のほか、動物モデルなどを用いることも可能である。本発明はまた、このような有効量を決定する際に有用である。

0062

本明細書において「薬学的に受容可能なキャリア」は、医薬または動物薬のような農薬を製造するときに使用される物質であり、有効成分に有害な影響を与えないものをいう。そのような薬学的に受容可能なキャリアとしては、例えば、抗酸化剤保存剤着色料風味料、および希釈剤乳化剤懸濁化剤、溶媒、フィラー増量剤緩衝剤送達ビヒクル、賦形剤および/または農学的もしくは薬学的アジュバント以下が挙げられるがそれらに限定されない。

0063

(医療デバイス等)
別の局面において、本発明は、重量平均分子量が約8700kDa未満であるグリコーゲンを含む、骨形成、骨形成促進(これらは、石灰化促進、骨芽細胞増殖促進、指標としうる)、骨形成促進、歯胚発育促進、歯根形成促進、および/または歯周組織再生促進のための医療デバイスを提供する。ここで、本発明の医療デバイスに含まれるグリコーゲンの種々の実施形態としては、骨形成または骨形成促進のための組成物、医薬等に用いられるもの、たとえば、本明細書のこれらの組成物または医薬の項において説明されている任意のものを用いることができる。

0064

1つの実施形態では、本発明の医療デバイスは、骨セメント、ステント、カテーテル、骨補填材またはインプラントであってもよいがこれらに限定されない。

0065

1つの実施形態では、本発明の医療デバイスは、骨欠損部位、例えば、損傷、手術の間にもたらされた欠損感染症悪性腫瘍あるいは発育上の奇形から生じる部位に施すように、意図されている。必要に応じて適切な大きさと形状に作られたインプラントは、単純骨折や複雑骨折および癒合不全修復外固定および内固定関節固定術のような関節再形成、一般的な関節形成術股関節カップ関節形成術、大腿骨頭面置換および全関節置換脊椎癒合および内固定が含まれる脊柱の修復、例えば、欠損充填術・分離切除術椎弓切除術脊髄腫瘍切除術・前方頸部および胸部の手術のような腫瘍手術、脊椎損傷の修復、脊柱側彎・脊柱前彎および脊柱後彎の処置、骨折の顎骨間固定、顎矯正手術顎関節置換、歯槽の拡大および再形成、埋め込み骨移植、インプラントの置換および修正、洞の引き上げなどのような広範囲整形外科的神経外科的、口部および顎顔面手術処置に利用することができる。この明細書における骨由来インプラントで修復あるいは置換することのできる特定の骨としては、篩骨前頭骨鼻骨後頭骨頭頂骨側頭骨下顎骨上顎骨頬骨、頸部椎骨、胸部椎骨、腰椎仙骨肋骨胸骨鎖骨肩甲骨上腕骨橈骨尺骨手根骨掌骨指骨腸骨座骨恥骨、大腿骨、脛骨腓骨膝蓋骨踵骨足根骨および中足骨が含まれる。

0066

1つの実施形態では、本発明のデバイスは、生体適合性を有する基体マトリクス)を有していてもよい。この基体は、未分化間葉系細胞から分化した骨芽細胞による骨形成の場(フィールド)あるいは足場スキャフォールド)、あるいは歯の治癒もしくは歯胚形成の場(フィールド)あるいは足場(スキャフォールド)となることができる。基体の形態は、ブロック体塊状物)が好適である。ブロック体(例えば焼結体等)は、形状安定性を有しており、生体に骨形成治療デバイスを移植した際に、骨形成治療デバイスが早期に移植部位から散逸するのを防止することができるとともに、骨形成をブロック体の形状に沿って進行させることができるので、特に、移植部位が比較的大きな骨欠損部等である場合に有効である。

0067

なお、1つの実施形態では、基体の形態は、骨形成治療デバイスの適用部位(移植部位)に応じて、適宜選択するようにすればよく、例えば、粉末状、顆粒状、ペレット状(小塊状)等であってもよい。このような形態の基体を用いる場合には、グリコーゲン等の有効成分と混合した組成物を、骨形成治療デバイスとすることができ、かかる骨形成治療デバイスを、骨欠損部に充填する(詰め込む)ようにして用いることができる。

0068

また、1つの実施形態では、基体は、多孔質なもの(多孔質体)であるのが好ましい。基体として多孔質体を用いることにより、グリコーゲン等の有効成分を、より容易かつ確実に基体に担持させることができるとともに、骨形成に関与する細胞が基体内侵入し易くなり、骨形成にとって有利である。

0069

この場合、その空孔率は、特に限定されないが、30〜95%程度であるのが好ましく、55〜90%程度であるのがより好ましい。空孔率が前記範囲とすることにより、基体の機械的強度を好適に維持しつつ、骨形成に関与する細胞の基体内への侵入がさらに容易となり、基体をより好適な骨形成の場とすることができる。

0070

また、基体の構成材料としては、生体適合性を有するものであればよく、特に限定されないが、例えば、ハイドロキシアパタイトフッ素アパタイト炭酸アパタイトリン酸二カルシウムリン酸三カルシウムリン酸四カルシウムリン酸八カルシウムのようなリン酸カルシウム系化合物アルミナチタニアジルコニアイットリア等のセラミックス材料チタンまたはチタン合金ステンレス鋼、Co−Cr系合金、Ni−Ti系合金等の各種金属材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、基体の構成材料としては、リン酸カルシウム系化合物、アルミナ、ジルコニア等のセラミックス材料(いわゆる、バイオセラミックス)が好ましく、特に、ハイドロキシアパタイトまたはリン酸三カルシウムを主材料とするものが頻繁に使用される。

0071

ハイドロキシアパタイトやリン酸三カルシウムは、骨の無機質主成分と同様の構造であるため、特に優れた生体適合性を有している。また、正負両荷電を有しているため、特に、キャリアとしてリポソームを用いる場合には、このリポソームを基体に長時間、安定的に担持させることができる。その結果、リポソームに吸着または封入されたグリコーゲン等の有効成分も基体に長時間、安定的に保持されることになり、より迅速な骨形成に寄与する。また、骨芽細胞との親和性も高いことから新生骨を維持する上でも好ましい。

0072

このような基体は、種々の方法により作製(製造)することができる。基体として、セラミックス材料で構成される多孔質ブロック体を作製する場合を一例に説明すると、このような多孔質ブロック体は、例えば、セラミックス材料の粉体を含むスラリーを、骨欠損部等の移植部位に対応した形状に、例えば圧縮成形等により成形した成形体を得、かかる成形体を焼結焼成)することによって作製することができる。以上のような骨形成治療デバイスは、グリコーゲンを基体に混合することにより作製(製造)することができる。

0073

なお、基体として、粉末状、顆粒状、ペレット状等のものを用いる場合には、例えば、基体とバインダーと前述したような液体とを混練した混練物を、成形することにより骨形成デバイスを作製することもできる。

0074

(食品等)
1つの局面において、本発明は、重量平均分子量が約8700kDa未満であるグリコーゲンを含む、骨形成、骨形成促進(これらは、石灰化促進、骨芽細胞増殖促進、指標としうる)、骨形成促進、歯胚発育促進、歯根形成促進、および/または歯周組織再生促進のための添加剤、食品、健康食品または機能性食品を提供する。ここで、本発明の添加剤、食品、健康食品または機能性食品に含まれるグリコーゲンの種々の実施形態としては、骨形成または骨形成促進のための組成物、医薬、医療デバイス等に用いられるもの、たとえば、本明細書のこれらの組成物、医薬、医療デバイス等の項において説明されている任意のものを用いることができる。このような添加剤、食品、健康食品または機能性食品としては、例えば、歯や骨の治療前に患者に一定期間摂取させる食品等、あるいは、研究用途で、歯胚器官培養における、発育促進用の添加剤を挙げることができるがこれらに限定されない。

0075

本発明を添加剤、食品、健康食品または機能性食品として使用する場合、これらは骨粗鬆症等の骨形成増殖活性を必要とする疾患または状態の予防用として骨形成促進のために使用される。たとえば菓子類、乳製品、穀類加工品などの加工食品に、本発明のグリコーゲン等の成分を、適当な賦型剤と一緒に、また必要に応じて香味剤、着色剤などの添加剤を加えて、混入させることができる。また、「健康食品」および「機能性食品」の場合、たとえばゼラチンカプセル内に本発明の化合物またはその混合物を封入し、あるいは本発明の化合物またはその混合物を含む飲料を調製し、骨粗鬆症の症状または兆候を示す骨量の減少や骨の脆弱性を予防するための、即ち骨形成促進のための、健康維持食品として使用することができる。有効成分の添加量は、通常成人の場合1日あたり約0.1mg〜約5,000mgに相当する量であるが、この範囲に限定されない。歯や骨の治療前に患者に一定期間摂取させる食品の場合、本発明の化合物またはその混合物を封入したカプセル、あるいは本発明の化合物またはその混合物を含む飲料を調製し使用することができ、および研究用途で、歯胚器官培養における、発育促進用の添加剤の場合、例えば、本発明の化合物を直接培養液に溶解させることにより、あるいは別途溶解したものを培養液に加えること等によって調製し使用することができる。このようなカプセルの場合、賦型剤または滑沢剤等とともにカプセルに封入することができる。飲料の場合、甘味料酸味料、pH調整剤、香料、着色料などを混入することができる。

0076

(医薬等の生産方法
1つの実施形態において、本発明の方法は、骨形成、骨形成促進(これらは、石灰化促進、骨芽細胞増殖促進、指標としうる)、骨形成促進、歯胚発育促進、歯根形成促進、および歯周組織再生促進のための医薬を生産する方法であって、重量平均分子量が約8700kDa未満であるグリコーゲンを薬学的に許容可能な賦形剤と混合する工程を包含する。添加剤、食品、健康食品、機能性食品なども同様に製造することができる。その場合、薬学的に許容可能な賦形剤に代えて、目的に応じた二次成分を用いることができる。ここで、本発明に含まれるグリコーゲンの種々の実施形態としては、骨形成、骨形成促進(これらは、石灰化促進、骨芽細胞増殖促進、指標としうる)、骨形成促進、歯胚発育促進、歯根形成促進、および/または歯周組織再生促進のための組成物、医薬、医療デバイス等に用いられるもの、たとえば、本明細書のこれらの組成物、医薬または医療デバイスの項において説明されている任意のものを用いることができる。

0077

本発明は、骨形成、骨形成促進(これらは、石灰化促進、骨芽細胞増殖促進、指標としうる)、骨形成促進、歯胚発育促進、歯根形成促進、および/または歯周組織再生促進のための医療デバイスを生産する方法であって、重量平均分子量が約8700kDa未満であるグリコーゲンを医療デバイスまたは医療デバイスの材料に含ませる工程を包含する方法を提供する。医療デバイスまたは医療デバイスの材料としては、当該分野において公知の任意のものを利用することができる。医療デバイスの場合においても、医薬と同様、薬学的に許容可能な賦形剤に代えて、目的に応じた二次成分を用いることができる。ここで、本発明に含まれるグリコーゲンの種々の実施形態としては、骨形成、骨形成促進(これらは、石灰化促進、骨芽細胞増殖促進、指標としうる)、骨形成促進、歯胚発育促進、歯根形成促進、および/または歯周組織再生促進のための組成物、医薬、医療デバイス等に用いられるもの、たとえば、本明細書のこれらの組成物、医薬または医療デバイスの項において説明されている任意のものを用いることができる。

0078

(骨形成法、治療および予防)
1つの局面において、本発明は、骨を形成すること、骨形成を促進すること、歯胚発育を促進すること、歯根形成を促進すること、および歯周組織再生を促進することからなる群より選択される少なくとも1つのための方法であって、該方法は、骨形成、骨形成促進(これらは、石灰化促進、骨芽細胞増殖促進、指標としうる)、骨形成促進、歯胚発育促進、歯根形成促進、および/または歯周組織再生促進を必要とする患者に重量平均分子量が約8700kDa未満であるグリコーゲンが骨形成、骨形成促進(これらは、石灰化促進、骨芽細胞増殖促進、指標としうる)、骨形成促進、歯胚発育促進、歯根形成促進、および/または歯周組織再生促進を必要とする部位に送達されるように投与する工程を包含する方法を提供する。ここで、本発明に含まれるグリコーゲンの種々の実施形態としては、骨形成、骨形成促進(これらは、石灰化促進、骨芽細胞増殖促進、指標としうる)、骨形成促進、歯胚発育促進、歯根形成促進、および/または歯周組織再生促進のための組成物、医薬、医療デバイス等に用いられるもの、たとえば、本明細書のこれらの組成物、医薬または医療デバイスの項において説明されている任意のものを用いることができる。本発明は、骨疾患、骨折、骨損傷、および他の骨異常の治療のための方法および組成物を提供する。これらは、少なくともその一部において、グリコーゲンを哺乳類等の対象に投与し、骨形成、骨形成促進(これらは、石灰化促進、骨芽細胞増殖促進、指標としうる)、骨形成促進、歯胚発育促進、歯根形成促進、および/または歯周組織再生促進に関連する事象の促進、例えば、石灰化の刺激または強化をもたらす工程によって達成される。

0079

本発明の骨の形成または骨形成の促進方法において、骨折、骨粗鬆症等骨形成を必要とする疾患または処置等の処置、治療または予防を必要とする患者が対象とされ得、そしてこの患者には、経口投与静脈内投与動脈内投与、筋肉内投与腹腔内投与直腸内投与などの投与法を、患者の状態、年齢性別などに応じて適宜選択される。有効成分の用量は、通常成人の場合1日あたり約0.1mg〜約5,000mgであり、この範囲に限定されないが、患者の状態、年齢、性別などに応じて適宜選択される。本発明で使用されるグリコーゲンは無毒性ないし低毒性であると考えられる。本発明の歯胚発育促進、歯根形成促進、および/または歯周組織再生促進の方法において、歯胚発育促進、歯根形成促進、および/または歯周組織再生促進を必要とする疾患または状態等の処置、治療または予防を必要とする患者が対象とされ得、そしてこの患者には、経口投与、静脈内投与などの投与法を、患者の状態、年齢、性別などに応じて適宜選択される。有効成分の用量は、通常成人の場合1日あたり約0.1mg〜約5,000mgであり、この範囲に限定されないが、患者の状態、年齢、性別などに応じて適宜選択される。本発明で使用されるグリコーゲンは無毒性ないし低毒性であると考えられる。歯胚発育促進、歯根形成促進、および/または歯周組織再生促進は、インプラントまたは歯の再植もしくは移植を行う場合に、その処置の際にグリコーゲンを応用して歯髄や歯周組織の治癒を促進させるという利用方法が考えられる。したがって、歯胚発育促進、歯根形成促進、および/または歯周組織再生促進は、インプラントまたは歯の再植もしくは移植において併用される療法としての位置づけが期待される。

0080

別の局面において、本発明は、骨形成、骨形成促進(これらは、石灰化促進、骨芽細胞増殖促進、指標としうる)、骨形成促進、歯胚発育促進、歯根形成促進、および/または歯周組織再生促進のための食品、添加剤、医療デバイスまたは医薬を製造するための、重量平均分子量が約8700kDa未満であるグリコーゲンの使用を提供する。あるいは、本発明は、骨形成または骨形成の促進のための、重量平均分子量が約8700kDa未満であるグリコーゲンを提供する。

0081

本発明の処置方法または予防方法において使用される有効成分の量は、使用目的、対象疾患(種類、重篤度など)、患者の年齢、体重、性別、既往歴、細胞の形態または種類などを考慮して、当業者が容易に決定することができる。本発明の処置方法を被検体(または患者)に対して施す頻度もまた、使用目的、対象疾患(種類、重篤度など)、患者の年齢、体重、性別、既往歴、および治療経過などを考慮して、当業者が容易に決定することができる。頻度としては、例えば、毎日〜数ヶ月に1回(例えば、1週間に1回〜1ヶ月に1回)の投与が挙げられる。1週間〜1ヶ月に1回の投与を、経過を見ながら施すことが好ましい。

0082

本発明の処置方法または予防方法において使用される薬剤の種類および量は、本発明の方法によって得られた情報(例えば、疾患に関する情報)を元に、使用目的、対象疾患(種類、重篤度など)、患者の年齢、体重、性別、既往歴、投与される被検体の部位の形態または種類などを考慮して、当業者が容易に決定することができる。本発明のモニタリング方法を被検体(または患者)に対して施す頻度もまた、使用目的、対象疾患(種類、重篤度など)、患者の年齢、体重、性別、既往歴、および治療経過などを考慮して、当業者が容易に決定することができる。疾患状態モニタリングする頻度としては、例えば、毎日−数ヶ月に1回(例えば、1週間に1回−1ヶ月に1回)のモニタリングが挙げられる。1週間−1ヶ月に1回のモニタリングを、経過を見ながら施すことが好ましい。

0083

本発明は、キットなどとして使用されてもよく、その場合、指示書を伴うこともありうる。本明細書において「指示書」は、本発明の治療方法などを医師、患者など投与を行う人に対して記載したものである。この指示書は、本発明の医薬などを例えば、適切な部位(例えば、骨欠損部)に適切な量および適切な時期に投与することを指示する文言が記載されている。この指示書は、本発明が実施される国の監督官庁(例えば、日本であれば厚生労働省、米国であれば食品医薬品局FDA)など)が規定した様式に従って作成され、その監督官庁により承認を受けた旨が明記される。指示書は、いわゆる添付文書(package insert)であり、通常は紙媒体で提供されるが、それに限定されず、例えば、電子媒体(例えば、インターネットで提供されるホームページ電子メール)のような形態でも提供され得る。

0084

必要に応じて、本発明の治療では、2種類以上の薬剤が使用され得る。2種類以上の薬剤を使用する場合、類似の性質または由来の物質を使用してもよく、異なる性質または由来の薬剤を使用してもよい。このような2種類以上の薬剤を投与する方法のための疾患レベルに関する情報も、本発明の方法によって入手することができる。

0085

(本明細書において用いられる一般的技術)
本明細書において使用される技術は、そうではないと具体的に指示しない限り、当該分野の技術範囲内にある、糖科学、医療器具製造技術、製剤技術、微細加工有機化学生化学遺伝子工学分子生物学微生物学遺伝学および関連する分野における周知慣用技術を使用する。そのような技術は、例えば、以下に列挙した文献および本明細書において他の場所おいて引用した文献においても十分に説明されている。本発明で使用される培養方法は、例えば、動物培養細胞マニュアル野ら編著、共立出版、1993年などに記載され支持されており、本明細書においてこのすべての記載を援用する。

0086

本明細書において引用された、科学文献、特許、特許出願などの参考文献は、その全体が、各々具体的に記載されたのと同じ程度に本明細書において参考として援用される。

0087

以上、本発明を、理解の容易のために好ましい実施形態を示して説明してきた。以下に、実施例に基づいて本発明を説明するが、上述の説明および以下の実施例は、例示の目的のみに提供され、本発明を限定する目的で提供したのではない。従って、本発明の範囲は、本明細書に具体的に記載された実施形態にも実施例にも限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。

0088

以下に、実施例に基づいて本発明を説明するが、以下の実施例は、例示の目的のみに提供される。従って、本発明の範囲は、上記実施形態にも下記実施例にも限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。以下に示した実施例において使用した試薬樹脂等は、特に言及しない限り、和光純薬、Sigma−Aldrich、キューピー株式会社、山川貿易株式会社、ナカライテスク株式会社、Invitrogenから得ることができる。

0089

(調製実施例)
実施例で使用した酵素合成グリコーゲンは、以下のように製造した。

0090

(ESG−5Mの製造)
デキストリン(MAX1000、化学工業製)を8重量%になるように、100mLの0.01重量%の塩化カルシウム水溶液に溶解し、Pseudomonas由来イソアミラーゼ(Sigma Aldrich)を、基質1gあたり5000単位添加した。50℃で4時間反応を行い、短鎖アミロースに分解した後、温度を65℃に上げ、5mLの1Mクエン酸緩衝液(pH6.7)、Aquifex aeolicus由来ブランチングエンザイム(5000単位/g基質)およびThermus aquaticus由来アミロマルターゼ(2単位/g基質)を添加し、48時間反応させた。反応液のpHを塩酸で約3.5に調製し、100℃15分加熱することによって反応を停止した。この反応液に、100mLのエタノールを添加し、約10,000×gで5分遠心分離することによって、沈殿回収し、さらに100mLの50%エタノールにより沈殿を3回洗浄した。沈殿を50mLの蒸留水に溶解し、凍結乾燥することにより粉末の酵素合成グリコーゲン(ESG−5M)を得た。

0091

(ESG−3Mの製造)
イソアミラーゼによる反応時間を3.5時間とすること以外は、ESG−5Mと同様に製造した。

0092

(ESG−7Mの製造)
イソアミラーゼの反応時間を4.5時間にすること以外は、ESG−5Mと同様に製造した。

0093

(ESG−8Mの製造)
イソアミラーゼの反応時間を5時間にすること以外は、ESG−5Mと同様に製造した。

0094

(ESG−20Mの製造)
イソアミラーゼの反応時間を9時間にすること以外は、ESG−5Mと同様に製造した。

0095

(ESG−Bの製造)
非特許文献3に示された方法により製造した。

0096

(実施例1)
本実施例では、以下に示す各種グリコーゲンについて、骨芽細胞増殖促進効果を調べた。

0097

(骨芽細胞増殖促進効果)
骨芽細胞の分化マーカーは、アルカリホスファターゼを使用した。

0098

骨髄細胞増殖促進効果は、MC3T3−E1を用いて測定した。

0099

(方法および材料)
ESG−5M(ロット070223−5M)
ESG−3M(ロット070312−3M)
ESGB(ロット050225)(別名GlyB)
ESG−20M(ロット070312−20M)
ESG−8M(ロット070315−8M)
NSG(Corn)(ロットZG7002)(別名Pytoglycogen)
NSG(Mussel)(ロット127K3775)(別名Sigma Type VII)
NSG (Rabbit liver)(ロット039K3775)(別名Sigma Type III)
(細胞増殖実験)
マウス頭蓋骨から樹立された骨芽細胞様細胞株(MC3T3−E1)を用いて以下の実験を行った。培地は10%ウシ胎児血清、1%ペニシリンストレプトマイシンを含むα−minimum essential medium (α−MEM)中に、β−グリセロリン酸ナトリウムL−アスコルビン酸デキサメタゾンを加えて石灰化培地とし、37℃、5%CO2/95%air条件下にて細胞培養を行った。同石灰化培地に酵素合成グリコーゲン(平均分子量約5000kDa)300μg/mlを添加または非添加条件下にて培養し実験に用いた。培養液は2日毎に交換した。

0100

細胞増殖実験では、各5000個のMC3T3−E1を6穴プレートに播種し、1日・3日・5日後にトリプシンEDTA溶液にて細胞を回収し、セルカウントプレートにて総細胞数計測した。各々の条件で3回計測を行い、統計学的解析を行った。その結果、グリコーゲン添加培地では培養5日目で、非添加群と比較して有意に細胞数の増加が確認された(図1)。従って、培地中の合成グリコーゲンは骨芽細胞様細胞の増殖を促進することが示された。

0101

(結果)
結果を、以下の表1(表中ESG:酵素合成グリコーゲン;NSG:天然グリコーゲンを示す。)、および図1〜3に示す。表1に示すように、少なくとも重量平均分子量約3000kDa〜約6400kDaのものに骨芽細胞増殖促進効果が見られた。

0102

0103

以上から、約8700kDa程度未満のESGおよびNSGにのみ骨芽細胞増殖促進効果があることがわかった。このことは、非特許文献1、2の知見からは全く予想されない効果であった。理論に束縛されることを望まないが、メカニズムとしては、GLUT−1(グルコーストランスポーター)の発現亢進が起こっていることと関連すると考えられる。このようなメカニズムは、従来技術からは予想されなかったことであり、本発明の顕著な効果の一端を示す例である。

0104

(実施例2:遺伝子発現検索
合成グリコーゲン(ESG−5M)添加・非添加培地にて1日、3日、5日または7日間培養したMC3T3−E1よりtotal RNAを抽出し、cDNAを合成してPCR反応を行い、骨芽細胞分化ならびに石灰化に関与する因子(アルカリホスフォターゼ(ALP)、オステオカルシン(OC))について遺伝子発現変化を解析した。

0105

6穴プレートで培養したMC3T3−E1をTrisol(Invitrogen製)1 mlにて製品プロトコールに従いRNAを抽出した。Total RNA 2μgからcDNA合成キット(Roche Applied Science製)にてcDNAを合成した。ALP遺伝子およびOC遺伝子に対する特異的プライマーとして、それぞれALP−Forward(5’−CCAGCAGTTTCTCT CTT GG−3’(配列番号1))およびALP−Reverse(5’−CTG GGA GTC TCA TCC TGAGC− 3’(配列番号2))、OC−Forward (5’−CTT GGT GCA CAC CTA GCA GA−3’(配列番号3))およびOC−Reverse(5’−ACCTTA TTG CCC TCCTGCTT−3’(配列番号4))を用いて、PTC−100TM Programmable Thermal Controller(MJ Research製)にてPCR増幅を行った。最初に94℃、2分間の熱変性を行った後、94℃、1分間の熱変性、62℃、1分間のアニーリング、72℃、1分間の伸長反応を30サイクル行った。内部標準にはβ−actin(Forward:5’−TGG AATCCTGTG GCA TCC ATG AAA C−3’(配列番号5),Reverse:5’−TAA AAC GCA GCT CAG TAA CAG TCC G−3’(配列番号6))を用いた。2%アガロースゲル上で電気泳動後、PCR産物をエチジウムブロマイドで染色して写真撮影した。

0106

(結果)
結果を、以下の表2(表中ESG:酵素合成グリコーゲン;NSG:天然グリコーゲンを示す。)および図4に示す。表2に示すように、少なくとも重量平均分子量約3000kDa〜約6400kDaのものに骨芽細胞の分化マーカーであるアルカリホスファターゼ発現促進効果について効果が見られた。

0107

0108

その結果、培養3日目よりグリコーゲン添加群にALP遺伝子発現が開始され、5日および7日目では添加群で同遺伝子発現の上昇が確認された。また、骨芽細胞マーカーのオステオカルシンは、培養7日目の合成グリコーゲン添加群で遺伝子発現の上昇が認められた(図4)。したがって、培地中の合成グリコーゲンが骨芽細胞への分化ならびに石灰化能を亢進させることが明らかとなった。

0109

(実施例3)
本実施例では、各種グリコーゲンについて、石灰化促進効果の有無について調べた。

0110

合成グリコーゲン(ESG−5M)の添加・非添加培地にて7日間(コンフルエント状態)培養したMC3T3−E1を4%パラホルムアルデヒド溶液にて固定し、石灰化の指標となるコッサ染色を施した。

0111

4%パラホルムアルデヒド固定後の培養細胞を蒸留水にて洗浄後、5%硝酸銀液中で1時間、間接光下にて反応させた。蒸留水で洗浄後、5%チオ硫酸ナトリウム液にて3分間定着反応を行った。再度蒸留水にて洗浄後、ケルンエヒトロート液にて核染色を施し、水溶性封入剤を用いてカバーガラスで封入して光学顕微鏡にて観察した。

0112

(結果)
その結果、グリコーゲン添加群にのみ小石灰化物の沈着が確認され(図5)、培地中の合成グリコーゲンがMC3T3−E1の骨芽細胞分化ならびにカルシウム沈着を促進することが示された。

0113

酵素合成グリコーゲンがin vitro実験系にて、骨芽細胞様細胞株MC3T3−E1の増殖、分化および石灰化能を促進することが明らかとなったが、その具体的な分子メカニズムは未だ不明である。酵素合成グリコーゲンの細胞内への取り込みの有無については、ビオチン標識した酵素合成グリコーゲンを培地中に添加した状態でMC3T3−E1を1時間培養後、FITCストレプトアビジンにて反応させ、蛍光顕微鏡にて細胞質内蛍光反応を観察した。その結果、明らかな合成グリコーゲンの取り込みが確認された。他方、同じ条件で、1日・3日・5日・7日間培養後、FITC−ストレプトアビジンにて反応させ、蛍光顕微鏡にて細胞質内の蛍光反応を観察した場合、明らかな合成グリコーゲンの取り込みは確認されなかった。これらの結果から、細胞内へのグリコーゲン分子取り込みが刺激となって、何らかの細胞内シグナル伝達の活性化を引き起こし、細胞増殖ならびに分化を促進し、骨形成をもたらす可能性が推察されている。

0114

(実施例4:酵素合成グリコーゲンが骨再生へ及ぼす影響:in vivo実験
本実施例では、骨再生(形成)効果が本発明のグリコーゲンで達成されるか観察した。マウス頭頂骨の左右に2個の穴をあけ、グリコーゲン添加と不添加のコラーゲンゲルをそれぞれ穴に埋め、骨形成を評価マウスの頭蓋骨に穴を開け、そこに、ESGを注入し、数日後にCT−Scanにかけることにより、骨再生促進が起こるかを調べた。

0115

麻酔を施したICRマウスの頭頂部に、皮膚骨膜弁を形成して頭頂骨を露出させ、直径4mmのリンデマンバーを付けた歯科用タービンにて、左右計2個の骨窩洞を形成した。対照側の骨窩洞にはコラーゲンゲル(Cellmatrix;新田ゼラチン(株)製)のみ、実験側の骨窩洞には500μg/mlのESG−5Mを混合したコラーゲンゲルを埋入後、皮膚骨膜弁を戻して縫合し手術を終了した。2週間後に同マウスを4%パラホルムアルデヒドにて灌流固定し頭部を切離し、15μmのスライス幅にてマイクロCT(Elescan; 日鉄エレクス(株)製)を撮影した。撮影画像をNDTView(ソニー(株)製)および3D bone(ラトックシステムエンジニアリング(株)製)にて三次元構築した。

0116

(結果)
結果を図6に示す。図6に示すように、ESG 070223−5Mに有効性が認められた。本来、グリコーゲンは牡蠣、ホタテ等の貝類トウモロコシ等の食物に多く含まれている天然分子であり、本発明で使用した酵素合成グリコーゲンは天然グリコーゲンとほぼ同様な化学構造よりなり、細胞毒性も無く人体に安全に使用可能な化合物である。したがって、本発明により、酵素合成グリコーゲンを有効成分として含有する、新たな骨形成促進剤が提供でき、骨折または歯周病などの骨欠損を伴う疾患の治療に広く適用することが可能となる。つまり、骨形成促進、石灰化促進、骨芽細胞増殖促進、歯胚発育促進、歯根形成促進、および歯周組織再生促進への応用が期待できる。さらに酵素合成グリコーゲンはαアミラーゼによる分解を受けにくいことより、経口摂取も可能であると予想されるため、骨欠損部位への局所的な投与のみならず、骨形成促進剤としての全身投与も可能となることが見込まれる。

0117

(実施例5:歯の治癒促進用飲料としての有効性を示す実験例)
(A.仔マウスにおける効果)
ICRマウス<日本クレア>に妊娠0日目から、水(水群)または調製実施例で記載されるように調製した酵素合成グリコーゲン水溶液(重量平均重合度約7000kDa(ESG−7M(ロット070808−7M))、2mg/mL)(ESG群)<この水溶液は、滅菌水100mlに酵素合成グリコーゲン200mgを溶解して調製した。>を経口投与し(自由飲水)生まれた仔マウスを3週齢まで飼育した。歯の再植のモデルとして、仔マウスの歯を抜き、同部位に再移植して歯髄治癒の状況、象牙芽細胞分化の状況を調べた。

0118

その結果、ESG群では、歯髄の治癒、象牙芽細胞の分化が促進された。詳細には、表3の最右欄の象牙芽細胞分化が歯髄全体に及んだ%を比較すれば分かるように、いずれの実験例でも、ESGによって、顕著に歯髄の治癒、象牙芽細胞の分化が促進していた。

0119

また、本実験に用いたマウス全例において、抜歯時に歯根破折が起こった例は、水群で22例中19例(86.4%)、ESG群では26例中11例(42.3%)であり、ESG群において顕著に少なかった。このことは、ESG群において、夫な歯が形成されたことを示唆している。

0120

(歯の再植実験)

0121

0122

*1 右に行くほど治癒が進んでいる([治癒効果低い]なし<歯根尖のみ<歯根全体<歯冠+歯根[治癒効果高い])ことを示す。

0123

このように上記結果から、本発明の組成物が、歯胚発育促進に有効であることが明らかになった。なお、本実施例では、上記実施例において示された骨形成または骨形成促進に加え、歯髄の治癒促進をも有することが明らかになり、歯の周囲の骨(歯槽骨)の骨形成または骨形成促進等に加え、歯胚発育を総合的に促進することが示されたことになる。

0124

また、本実施例で用いた重量平均重合度約7000kDaのものでも、歯の治癒促進という骨形成に関連する効果が見出されたことから、本発明の目的で使用される約8700kDa程度未満のグリコーゲンは、約7000kDa程度のものであってもよいことが理解される。

0125

(B.母マウスにおける効果)
ICRマウス<日本クレア>に3週齢から、水(水群)または調製実施例で記載されるように調製した酵素合成グリコーゲン水溶液(重量平均重合度約7000kDa、2mg/mL)(ESG群)<この水溶液は、滅菌水100mlに酵素合成グリコーゲン200mgを溶解して調製する>を経口投与し(自由飲水)、1週間後にマウスの歯を抜き、同部位に再移植して歯髄治癒の状況、象牙芽細胞分化の状況を調べることにより、酵素合成グリコーゲンを用いた場合に治癒促進効果があるかを確認することができる。

0126

(実施例6:器官培養における歯胚の形成促進)
ICRマウス(日本クレア)を妊娠させ、妊娠16.5日のマウス胎仔摘出したものを本実施例の胎仔として使用した。詳細には、妊娠15日のマウス胎仔を日本クレアより入手し、本実施例で用いた。その胎仔より、下顎第一・第二臼歯歯胚を採取し、生体外で培養した。より詳細には、10%ウシ胎仔血清、1%ペニシリンーストレプトマイシン、100μg/mlアスコルビン酸を含むDMEM培地にて、Trowell法を用いて歯胚の器官培養を行った。調製実施例で記載されるように調製したESGB(5000kDa)を500μg/mLになるように上記培地に直接添加し、4日間培養した後、歯胚形成の状態を観察した。ESGにより明らかに発育促進が起こり、大きな歯胚が形成された(図7を参照)。培養後の第一臼歯の平均幅径は、コントロール群では0.63mmであり、ESG群では0.72mmであった(いずれも、n=7)。

0127

以上の結果から、本発明は、歯胚発育促進に対する効果があることが確認された。なお、本実施例では、上記実施例において示された骨形成または骨形成促進に加え、歯胚部分のみの発育の促進作用をも有することが明らかになり、周囲の骨の骨形成または骨形成促進等に加え、歯胚発育を総合的に促進することが示されたことになる。

0128

(実施例7:分子量の範囲の測定、細胞レベルの実験)
平均分子量約2000kDa、約7000kDa、約12000kDaの酵素合成グリコーゲンを用いて、実施例1、2,3と同様に、骨芽細胞様細胞株(MC3T3−E1)を用いた細胞増殖実験、遺伝子発現検討、石灰化促進効果検討を実施する。このようにして、約2000kDa、約7000kDaおよび約12000kDaの酵素合成グリコーゲンを用いた場合に有意な効果があるかを確認することができる。

0129

(実施例8:分子量の範囲の測定、動物実験)
平均分子量約2000kDa、約7000kDa、約12000kDaの酵素合成グリコーゲンを用いて、実施例4と同様の実験を行い、骨再生効果を検討する。その結果、約2000kDa、約7000kDaおよび約12000kDaの酵素合成グリコーゲンを用いた場合に骨再生効果の有意な効果があるかを確認することができる。

0130

(実施例9:錠剤の製剤例)
本発明により同定した、医薬成分について、常法により次の組成からなる錠剤を製造する。
本発明の化合物100mg
乳 糖 60mg
馬鈴薯でんぷん30mg
ポリビニルアルコール2mg
ステアリン酸マグネシウム1mg
タール色素微量。

0131

このような錠剤を用いてグリコーゲンを用いた場合に骨再生効果の有意な効果があるかを確認することができる。

0132

(実施例10:注射剤の製剤例)
塩化ナトリウム0.9g
酵素合成グリコーゲン5g
精製水100ml
以上の固形成分を精製水に溶解して注射剤とする。

0133

このような注射剤を用いてグリコーゲンを用いた場合に骨再生効果の有意な効果があるかを確認することができる。

0134

(実施例11:歯科用の応用例)
本実施例では、歯科用の応用例として、創部に挿入することで、周辺組織から血管や細胞を呼び込み、新しい組織の再生に使用される剤形を実施する。以下のその調合例を示す。
酵素合成グリコーゲン5mg
生理食塩水0.1ml
コラーゲンゲルスポンジ適量
(実施例12:医療デバイスの応用例)
本実施例では、医療デバイスの応用例として、骨補填材の剤形を実施する。以下のその調合例を示す。
酵素合成グリコーゲン 100mg
β型リン酸三カルシウム(β−TCP) 190mg
デキストラン100mg
生理食塩水 0.4ml
(実施例13:歯や骨の治療前に患者に一定期間摂取させる食品の例)
本実施例では、食品の応用例として、歯や骨の治療前に患者に一定期間摂取させる食品形態を実施する。以下のその調合例を示す。

0135

酵素合成グリコーゲン5g
クエン酸0.03g
スクラロース0.005g
香料適量
精製水100ml。

0136

(実施例14:患部に投与する治療補助剤の例)
本実施例では、治療補助剤の応用例として、患部に投与する治療補助剤を実施する。以下のその調合例を示す。

0137

塩化ナトリウム0.9g
酵素合成グリコーゲン5g
精製水100ml。

0138

(実施例15:研究用途で、歯胚器官培養における、発育促進用の添加剤
の例)
本実施例では、添加剤の応用例として、歯胚器官培養における、発育促進用の添加剤を実施する。以下のその調合例を示す。

0139

酵素合成グリコーゲン5mg
DMEM培地8.9ml
ウシ胎児血清1ml
ペニシリンーストレプトマイシン0.1ml
Lアスコルビン酸1mg。

0140

以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。

実施例

0141

本出願は、2010年9月15日に出願された日本国特許出願特願2010−207293号に対して優先権を主張するものであり、その全体の内容は、具体的に本明細書に記載されているのと同様に本明細書の一部を構成するものとして援用されるべきであることが理解される。

0142

本発明は、特定のグリコーゲンが骨形成に有用であることを証明した。このような生体に適合性のある材料が骨形成に有用であることを見出したことは医薬品業界における応用が期待され、従来技術にない効果を達成することができる医薬等の分野で産業上の利用性がある。

0143

配列番号1:実施例2で使用したPCRプライマー(ALP-Forward)
配列番号2:実施例2で使用したPCRプライマー(ALP-Reverse)
配列番号3:実施例2で使用したPCRプライマー(OC-Forward)
配列番号4:実施例2で使用したPCRプライマー(OC-Reverse)
配列番号5:実施例2で使用したPCRプライマー(β-actin-Forward)
配列番号6:実施例2で使用したPCRプライマー(β-actin-Reverse)

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