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技術 光指向性制御ユニット及びその製造方法、2D/3D切替可能表示モジュール、並びに液晶配向剤

出願人 JSR株式会社
発明者 徳久博昭西川通則
出願日 2011年7月20日 (9年5ヶ月経過) 出願番号 2012-528624
公開日 2013年10月28日 (7年2ヶ月経過) 公開番号 WO2012-020628
状態 拒絶査定
技術分野 要素組合せによる可変情報用表示装置1 液晶3(基板、絶縁膜及び配向部材) 液晶3-2(配向部材) 液晶1(応用、原理) 光学要素・レンズ
主要キーワード 凹型面 レンチキュラー層 感光性構造 形成空間 D表示 本体裏 理論強度 偏光放射線
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図面 (9)

課題・解決手段

本発明は、透明基板と、この透明基板の表面側に対向配設され、裏面にレンチキュラーレンズアレイを有するレンチキュラー層と、このレンチキュラー層の裏面に積層され、感放射線性液晶配向剤により形成される液晶配向膜と、この液晶配向膜を介してレンチキュラー層の裏面側に積層される液晶レンズ層とを備える光指向性制御ユニットである。上記液晶レンズ層の裏面に積層され、感放射線性液晶配向剤により形成される他の液晶配向膜を備えるとよい。

概要

背景

近年、立体3次元(3D)表示を行う液晶表示装置として、視聴者側において特殊メガネ等の視覚補助具を使用しなくても3D画像が認識される自動立体表示(オートステレオスコピックモジュールが開発されている。このような自動立体表示モジュールの一例として、2次元液晶表示パネル上に縦方向かつ平行に延在する細長レンチキュラー素子アレイを備え、2次元(2D)モードと3次元(3Dステレオスコピック)モードとの切り替えが可能な表示モジュールが提案されている(特許文献1及び非特許文献1参照)。

上述の2D/3D切替可能表示モジュールにおいては、上記レンチキュラー素子は一般的に液晶で形成されているが、表示良好性を確保するため、この液晶の配向均一性を高くする必要がある。そのため、従来は液晶の形成空間の周囲に液晶配向膜を形成して、ラビング処理を行った後に、液晶を形成させることにより、液晶の配向性を高めている。

ラビング処理は通常、ローラー外周面に貼り付けられたラビング布を用い、このローラーを回転させながら液晶配向膜表面にラビング布を接触させて、液晶配向膜を形成する面を擦ることにより行われる。このようなラビング処理は、凹型レンチキュラー等のように、微細凹凸を有する面に対して行うと、処理の方向が不均一になり易い。従って、形成される液晶の配向の均一性を高くすることができず、その結果、得られる表示の解像度等が低下するという不都合を有している。

概要

本発明は、透明基板と、この透明基板の表面側に対向配設され、裏面にレンチキュラーレンズアレイを有するレンチキュラー層と、このレンチキュラー層の裏面に積層され、感放射線性液晶配向剤により形成される液晶配向膜と、この液晶配向膜を介してレンチキュラー層の裏面側に積層される液晶レンズ層とを備える光指向性制御ユニットである。上記液晶レンズ層の裏面に積層され、感放射線性液晶配向剤により形成される他の液晶配向膜を備えるとよい。

目的

本発明の主な目的は、配向均一性に優れる液晶レンズ層を備えることで、解像度等の良好な表示を得ることができる光指向性制御ユニット、及びこの光指向性制御ユニットを備える2D/3D切替可能表示モジュールを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
2件

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請求項1

透明基板と、この透明基板の表面側に対向配設され、裏面にレンチキュラーレンズアレイを有するレンチキュラー層と、このレンチキュラー層の裏面に積層され、感放射線性液晶配向剤により形成される液晶配向膜と、この液晶配向膜を介してレンチキュラー層の裏面側に積層される液晶レンズ層とを備える光指向性制御ユニット

請求項2

上記液晶レンズ層の裏面に積層され、感放射線性液晶配向剤により形成される他の液晶配向膜を備える請求項1に記載の光指向性制御ユニット。

請求項3

上記液晶レンズ層の両面側に積層される一対の透明電極層を備える請求項1に記載の光指向性制御ユニット。

請求項4

上記透明基板に重畳される液晶層と、この液晶層の両面側に配設される一対の透明電極層とを備える請求項1に記載の光指向性制御ユニット。

請求項5

上記感放射線性液晶配向剤が、[A]光配向性基を有するポリオルガノシロキサンを含有する請求項1に記載の光指向性制御ユニット。

請求項6

上記光配向性基が、桂皮酸構造を有する基である請求項5に記載の光指向性制御ユニット。

請求項7

上記桂皮酸構造を有する基が、下記式(1)で表される化合物由来する基及び式(2)で表される化合物に由来する基からなる群より選択される少なくとも1種の基である請求項6に記載の光指向性制御ユニット。(式(1)中、R1は、フェニレン基ビフェニレン基ターフェニレン基又はシクロヘキシレン基である。このフェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基及びシクロヘキシレン基の水素原子の一部又は全部は、フッ素原子を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基若しくは炭素数1〜10のアルコキシ基、フッ素原子又はシアノ基置換されていてもよい。R2は、単結合、炭素数1〜3のアルカンジイル基酸素原子硫黄原子、−CH=CH−、−NH−、−COO−又は−OCO−である。aは、0〜3の整数である。但し、aが2以上の場合、複数のR1及びR2はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。R3は、フッ素原子又はシアノ基である。bは、0〜4の整数である。式(2)中、R4は、フェニレン基又はシクロヘキシレン基である。このフェニレン基及びシクロヘキシレン基の水素原子の一部又は全部は、炭素数1〜10の鎖状若しくは環状のアルキル基、炭素数1〜10の鎖状若しくは環状のアルコキシ基、フッ素原子又はシアノ基で置換されていてもよい。R5は、単結合、炭素数1〜3のアルカンジイル基、酸素原子、硫黄原子又は−NH−である。cは、1〜3の整数である。但し、cが2以上の場合、複数のR4及びR5はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。R6は、フッ素原子又はシアノ基である。dは、0〜4の整数である。R7は、酸素原子、−COO−又は−OCO−である。R8は、2価の芳香族基、2価の脂環式基、2価の複素環式基又は2価の縮合環式基である。R9は、単結合、−OCO−(CH2)f−*又は−O(CH2)g−*である。*は、カルボキシル基との結合部位を示す。f及びgは、それぞれ1〜10の整数である。eは、0〜3の整数である。但し、eが2以上の場合、複数のR7及びR8はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)

請求項8

[A]光配向性基を有するポリオルガノシロキサンが、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンと、上記式(1)で表される化合物及び上記式(2)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物との反応生成物である請求項7に記載の光指向性制御ユニット。

請求項9

上記感放射線性液晶配向剤が、[C]カルボン酸アセタールエステル構造、カルボン酸のケタールエステル構造、カルボン酸の1−アルキルシクロアルキルエステル構造及びカルボン酸のt−ブチルエステル構造からなる群より選択される1種又は2種以上の構造を有し、この構造が1種の場合は複数有する化合物をさらに含有する請求項5に記載の光指向性制御ユニット。

請求項10

上記感放射線性液晶配向剤が、[B]ポリアミック酸ポリイミドエチレン性不飽和化合物重合体及び光配向性基を有さないポリオルガノシロキサンからなる群より選択される少なくとも1種の重合体をさらに含有する請求項5に記載の光指向性制御ユニット。

請求項11

表示パネルと、請求項3に記載の光指向性制御ユニットとを備える2D/3D切替可能表示モジュール

請求項12

透明基板と、この透明基板の表面側に対向配設され、裏面にレンチキュラーレンズアレイを有するレンチキュラー層と、このレンチキュラー層の裏面に積層される液晶配向膜と、この液晶配向膜を介してレンチキュラー層の裏面側に積層される液晶レンズ層とを備える光指向性制御ユニットの製造方法であって、(1)レンチキュラー層の裏面に感放射線性液晶配向剤を塗布し、塗膜を形成する工程、(2)上記塗膜への放射線照射により液晶配向膜を形成する工程、及び(3)この液晶配向膜及び透明基板間に液晶レンズ層を形成する工程を有する光指向性制御ユニットの製造方法。

請求項13

上記(3)工程が、(3−1)この液晶配向膜と透明基板とを対向配設させ、これらに挟まれた空間を形成する工程、及び(3−2)この空間に液晶材料充填し、液晶レンズ層を形成する工程を有する請求項12に記載の光指向性制御ユニットの製造方法。

請求項14

(3−2)工程が、(3−2−1)この空間に重合性液晶吸入する工程、及び(3−2−2)この重合性液晶を重合させて液晶レンズ層を形成する工程を有する請求項13に記載の光指向性制御ユニットの製造方法。

請求項15

上記(3)工程が、(3−1’)この液晶配向膜の裏面側に液晶材料を塗布し、液晶レンズ層を形成する工程、及び(3−2’)この液晶レンズ層の裏面側に透明基板を配設する工程を有する請求項12に記載の光指向性制御ユニットの製造方法。

請求項16

上記(3−1’)工程が、(3−1’−1)この液晶配向膜の裏面側に重合性液晶を塗布する工程、及び(3−1’−2)この重合性液晶を重合させて液晶レンズ層を形成する工程を有する請求項15に記載の光指向性制御ユニットの製造方法。

請求項17

2D/3D切替可能表示モジュールの液晶レンズ層配向用液晶配向剤であって、感放射線性を有することを特徴とする液晶配向剤。

技術分野

0001

本発明は、光指向性制御ユニット及びその製造方法、2D/3D切替可能表示モジュール、並びに液晶配向剤に関する。

背景技術

0002

近年、立体3次元(3D)表示を行う液晶表示装置として、視聴者側において特殊メガネ等の視覚補助具を使用しなくても3D画像が認識される自動立体表示(オートステレオスコピックモジュールが開発されている。このような自動立体表示モジュールの一例として、2次元液晶表示パネル上に縦方向かつ平行に延在する細長レンチキュラー素子アレイを備え、2次元(2D)モードと3次元(3Dステレオスコピック)モードとの切り替えが可能な表示モジュールが提案されている(特許文献1及び非特許文献1参照)。

0003

上述の2D/3D切替可能表示モジュールにおいては、上記レンチキュラー素子は一般的に液晶で形成されているが、表示良好性を確保するため、この液晶の配向均一性を高くする必要がある。そのため、従来は液晶の形成空間の周囲に液晶配向膜を形成して、ラビング処理を行った後に、液晶を形成させることにより、液晶の配向性を高めている。

0004

ラビング処理は通常、ローラー外周面に貼り付けられたラビング布を用い、このローラーを回転させながら液晶配向膜表面にラビング布を接触させて、液晶配向膜を形成する面を擦ることにより行われる。このようなラビング処理は、凹型レンチキュラー等のように、微細凹凸を有する面に対して行うと、処理の方向が不均一になり易い。従って、形成される液晶の配向の均一性を高くすることができず、その結果、得られる表示の解像度等が低下するという不都合を有している。

0005

特表2009−528565号公報

先行技術

0006

DW,Vol.11,pp.1495−1496,2004

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は以上のような不都合を解消するためになされたものである。すなわち、本発明の主な目的は、配向均一性に優れる液晶レンズ層を備えることで、解像度等の良好な表示を得ることができる光指向性制御ユニット、及びこの光指向性制御ユニットを備える2D/3D切替可能表示モジュールを提供することである。また、本発明の別の目的は、そのような光指向性制御ユニットの製造方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0008

上記課題を解決するためになされた発明は、
透明基板と、
この透明基板の表面側に対向配設され、裏面にレンチキュラーレンズアレイを有するレンチキュラー層と、
このレンチキュラー層の裏面に積層され、感放射線性液晶配向剤により形成される液晶配向膜と、
この液晶配向膜を介してレンチキュラー層の裏面側に積層される液晶レンズ層と
を備える光指向性制御ユニットである。

0009

本発明の光指向性制御ユニットは、上記構成を有しており、レンチキュラー層と、一定方向に配向した液晶レンズ層とが積層されている。当該ユニットを通過する偏光振動方向と、液晶レンズ層の液晶の配向方向とのなす角度によって、液晶の屈折率は変わってくる。すなわち、所定方向に振動する偏光に対しては、レンチキュラー層と液晶レンズ層の屈折率は同じであり、それと異なる振動面を有する偏光に対しては、レンチキュラー層と液晶レンズ層の屈折率は異なるよう構成することができる。このため、当該光指向性制御ユニットによれば、光が単純透過するか、液晶レンズ層において屈折するかにより、光の指向性を切り替えることができる。また、当該光指向性制御ユニットは、上記液晶配向膜が感放射線性液晶配向剤により形成されるため、従来のラビング処理を施した液晶配向膜に比べて、配向膜の配向均一性に優れる。それにより、当該光指向性制御ユニットにおいて、この液晶配向膜を介して形成される液晶レンズ層の配向均一性が高くなる。その結果、当該光指向性制御ユニットを備える2次元モードと3次元モードとの切替可能な表示モジュールは、その表示の良好性を高めることができる。

0010

当該光指向性制御ユニットにおいて、上記液晶レンズ層の裏面に積層され、感放射線性液晶配向剤により形成される他の液晶配向膜を備えるとよい。液晶レンズ層の表面側に加えて、裏面側も感放射線性液晶配向剤により形成される液晶配向膜を積層することで、当該光指向性制御ユニットにおける液晶レンズ層の液晶の配向均一性がさらに高まる。その結果、当該光指向性制御ユニットを備える2D/3D切替可能表示モジュールの表示の良好性をさらに高めることができる。

0011

当該光指向性制御ユニットにおいては、上記液晶レンズ層の両面側に積層される一対の透明電極層を備えるとよい。当該光指向性制御ユニットによれば、上記液晶レンズ層の両面側に積層される一対の透明電極層を有することで、この透明電極層間の電圧印可の有無により、液晶レンズ層の液晶の配向性を変化させることによって、光指向性を切り替えることができる。

0012

当該光指向性制御ユニットにおいては、上記透明基板に重畳される液晶層と、この液晶層の両面側に配設される一対の透明電極層とを備えるとよい。上記液晶層と、この液晶の両面側に配設される一対の透明電極層との組み合わせは、この一対の透明電極層間の電圧印可の有無により、これら透明電極層間の液晶層の配向が変化し、進行する偏光の偏光面の回転角度を変えることができる液晶スイッチを構成する。従って、当該光指向性制御ユニットは、このような液晶スイッチをさらに有することにより、この一対の透明電極層間の電圧印可の有無によって光指向性を切り替えることができる。

0013

上記感放射線性液晶配向剤が、[A]光配向性基を有するポリオルガノシロキサン(以下、「[A]光配向性ポリオルガノシロキサン」と称することがある)を含有するとよい。上記[A]光配向性ポリオルガノシロキサンを含有する液晶配向剤から形成された塗膜に、放射線照射することで得られる液晶配向膜においては、配向膜を形成する分子の配向性を高くすることができる。その結果、この液晶配向膜を介して形成される液晶レンズ層の配向均一性が向上する。

0014

上記光配向性基が、桂皮酸構造を有する基であることが好ましい。光配向性基として桂皮酸又はその誘導体基本骨格とする桂皮酸構造を有する基を用いることで、上記液晶配向剤におけるポリオルガノシロキサンへの光配向性基の導入が容易となり、かつそのような液晶配向剤から形成される液晶配向膜は、さらに高い光配向性能を有する。その結果、当該光指向性制御ユニットにおける液晶レンズ層の配向均一性をさらに高くすることができる。

0015

上記桂皮酸構造を有する基が下記式(1)で表される化合物由来する基及び式(2)で表される化合物に由来する基からなる群より選択される少なくとも1種の基であるとよい。



(式(1)中、R1は、フェニレン基ビフェニレン基ターフェニレン基又はシクロヘキシレン基である。このフェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基及びシクロヘキシレン基の水素原子の一部又は全部は、フッ素原子を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基若しくは炭素数1〜10のアルコキシ基、フッ素原子又はシアノ基置換されていてもよい。R2は、単結合、炭素数1〜3のアルカンジイル基酸素原子硫黄原子、−CH=CH−、−NH−、−COO−又は−OCO−である。aは0〜3の整数である。但し、aが2以上の場合、複数のR1及びR2はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。R3は、フッ素原子又はシアノ基である。bは0〜4の整数である。
式(2)中、R4は、フェニレン基又はシクロヘキシレン基である。このフェニレン基及びシクロヘキシレン基の水素原子の一部又は全部は、炭素数1〜10の鎖状若しくは環状のアルキル基、炭素数1〜10の鎖状若しくは環状のアルコキシ基、フッ素原子又はシアノ基で置換されていてもよい。R5は、単結合、炭素数1〜3のアルカンジイル基、酸素原子、硫黄原子又は−NH−である。cは、1〜3の整数である。但し、cが2以上の場合、複数のR4及びR5はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。R6は、フッ素原子又はシアノ基である。dは、0〜4の整数である。R7は、酸素原子、−COO−又は−OCO−である。R8は、2価の芳香族基、2価の脂環式基、2価の複素環式基又は2価の縮合環式基である。R9は、単結合、−OCO−(CH2)f−*又は−O(CH2)g−*である。*は、カルボキシル基との結合部位を示す。f及びgは、それぞれ1〜10の整数である。eは、0〜3の整数である。但し、eが2以上の場合、複数のR7及びR8はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)

0016

上記桂皮酸構造を有する基として上記特定桂皮酸誘導体に由来する基を用いることにより、得られる液晶配向膜の光配向性能をさらに向上でき、その結果、当該光指向性制御ユニットにおける液晶レンズ層の配向均一性をさらに向上することができる。

0017

[A]光配向性基を有するポリオルガノシロキサンが、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンと、上記式(1)で表される化合物及び上記式(2)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物との反応生成物であることが好ましい。当該光指向性制御ユニットにおいて、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンと特定桂皮酸誘導体との間の反応性を利用することにより、主鎖としてのポリオルガノシロキサンに光配向性基を有する特定桂皮酸誘導体に由来する側鎖基を容易に導入できる。

0018

上記液晶配向剤が、[C]カルボン酸アセタールエステル構造、カルボン酸のケタールエステル構造、カルボン酸の1−アルキルシクロアルキルエステル構造及びカルボン酸のt−ブチルエステル構造からなる群より選択される少なくとも1種又は2種以上の構造を有し、この構造が1種の場合は複数有する化合物(以下、「[C]エステル構造含有化合物」と称することがある)をさらに含有することが好ましい。上記液晶配向剤が[C]エステル構造含有化合物を含有することにより、焼成工程(ポストベーク)において酸が発生し、発生した酸によって、[A]ポリオルガノシロキサンの架橋を促進させ、その結果、得られる光指向性制御ユニットの耐熱性を向上することができる。

0019

上記液晶配向剤が、[B]ポリアミック酸ポリイミドエチレン性不飽和化合物重合体及び光配向性基を有さないポリオルガノシロキサンからなる群より選択される少なくとも1種の重合体(以下、「[B]他の重合体」と称することがある)をさらに含有することが好ましい。上記液晶配向剤に他の重合体を含有させることにより上記液晶配向剤中における光配向性ポリオルガノシロキサンの含有量を減らしても、光配向性ポリオルガノシロキサンは液晶配向層表面に偏在するので、液晶配向膜の光配向性能を高くすることができ、その結果、液晶レンズ層の液晶の配向均一性を高く維持することができる。従って、製造コストの高い光配向性ポリオルガノシロキサンの上記液晶配向剤中における含有量を減らすことが可能となり、結果として、当該光指向性制御ユニットの製造コストを低減できる。

0020

本発明の2D/3D切替可能表示モジュールは、
表示パネルと、
当該光指向性制御ユニットと
を備える。

0021

当該2D/3D切替可能表示モジュールは、液晶レンズ層の液晶の配向均一性に優れる上述の光指向性制御ユニットを備えているので、2次元及び3次元の表示の質のレベルをほとんど低下させることなく、視聴者に良好な表示を提供することができる。

0022

本発明の光指向性制御ユニットの製造方法は、
透明基板と、この透明基板の表面側に対向配設され、裏面にレンチキュラーレンズアレイを有するレンチキュラー層と、このレンチキュラー層の裏面に積層される液晶配向膜と、この液晶配向膜を介してレンチキュラー層の裏面側に積層される液晶レンズ層とを備える光指向性制御ユニットの製造方法であって、
(1)レンチキュラー層の裏面に感放射線性液晶配向剤を塗布し、塗膜を形成する工程、
(2)上記塗膜への放射線の照射により液晶配向膜を形成する工程、及び
(3)この液晶配向膜及び透明基板間に液晶レンズ層を形成する工程
を有する。

0023

また、上記(3)工程が、
(3−1)この液晶配向膜と透明基板とを対向配設させ、これらに挟まれた空間を形成する工程、及び
(3−2)この空間に液晶材料充填し、液晶レンズ層を形成する工程
を有することが好ましい。

0024

さらに、(3−2)工程が、
(3−2−1)この空間に重合性液晶吸入する工程、及び
(3−2−2)この重合性液晶を重合させて液晶レンズ層を形成する工程
を有することがより好ましい。

0025

また、上記(3)工程が、
(3−1’)この液晶配向膜の裏面側に液晶材料を塗布し、液晶レンズ層を形成する工程、及び
(3−2’)この液晶レンズ層の裏面側に透明基板を配設する工程
を有することが好ましい。

0026

さらに、上記(3−1’)工程が、
(3−1’−1)この液晶配向膜の裏面側に重合性液晶を塗布する工程、及び
(3−1’−2)この重合性液晶を重合させて液晶レンズ層を形成する工程
を有することがより好ましい。

0027

本発明の製造方法によれば、液晶レンズ層の配向均一性に優れる光指向性制御ユニットを効率よく製造でき、生産性の向上及び製造コストの低減化を促進することができる。

0028

本発明の液晶配向剤は、
2D/3D切替可能表示モジュールの液晶レンズ層配向用液晶配向剤であって、
感放射線性を有することを特徴とする。

0029

本発明の液晶配向剤によれば、2D/3D切替可能表示モジュールの光指向性制御ユニットの液晶レンズ層に積層される液晶配向膜の配向性を高めることができ、その結果、液晶レンズ層の配向均一性を高めることができる。

発明の効果

0030

本発明の光指向性制御ユニットによれば、液晶レンズ層の配向均一性を向上させることができ、その結果、これを用いる2D/3D切替可能表示モジュールの解像度等の表示精度を向上することができる。

図面の簡単な説明

0031

本発明の第1実施形態に係る光指向性制御ユニットの断面図である。
本発明の第2実施形態に係る光指向性制御ユニットの断面図である。
本発明の第3実施形態に係る光指向性制御ユニットの断面図である。
本発明の第4実施形態に係る光指向性制御ユニットの断面図である。
本発明の第1実施形態の2D/3D切替可能表示モジュール断面図である。
本発明の第2実施形態の2D/3D切替可能表示モジュール断面図である。
本発明の第3実施形態の2D/3D切替可能表示モジュール断面図である。
本発明の第4実施形態の2D/3D切替可能表示モジュール断面図である。

0032

<光指向性制御ユニット>
まず、第1実施形態に係る光指向性制御ユニットについて、図1を参照しつつ、以下説明する。光指向性制御ユニット1は、一対の透明基板11、12と、レンチキュラー層13と、液晶レンズ層14と、2つの液晶配向膜15、16を有している。この光指向性制御ユニット1は、レンチキュラー層13の屈折率よりも、液晶レンズ層14の異常屈折率(液晶の光軸に平行な方向に振動する偏光に対する屈折率)が大きい場合の形態である。図1の光指向性制御ユニットにおいて、一方の透明基板12側が裏側、すなわち、表示パネルからの光が入射する側であり、他方の透明基板11側が表側、すなわち、光が視聴者へ向けて出射する側である。

0033

上記一対の透明基板11、12は、対向して配設されており、一方の透明基板12の表面側に他方の透明基板11が略平行に配設されている。この透明基板11の裏面には、レンチキュラー層13が積層されている。レンチキュラー層13は、裏面に凹型のレンチキュラーレンズアレイを有している。このレンチキュラーレンズ層13の稜線方向は一方向となるよう構成されている。液晶配向膜15が、レンチキュラー層13の裏面の凹型レンチキュラーレンズアレイの面に積層され、液晶配向膜16が、一方の透明基板12の表面に積層されている。液晶レンズ層14は、上記2つの液晶配向膜15、16の間に形成されている。

0034

上記レンチキュラー層13の裏面及び透明基板12の表面にそれぞれ形成された2つの液晶配向膜は、放射線照射により同一方向、すなわちどちらもz方向の液晶配向能を有している。

0035

上記液晶レンズ層14は、上記2つの液晶配向層15、16の間に充填される液晶から構成され、その結果、液晶レンズ層14は、その表面にレンチキュラー層13とは凹凸が逆のレンチキュラーレンズアレイを有している。この液晶レンズ層14の液晶は、上記液晶配向膜15、16の液晶配向能に従って、z方向に配向している。従って、液晶レンズ層14の屈折率は、振動方向がz方向の偏光に対しては高く、一方、振動方向がx方向の偏光に対しては低く、レンチキュラー層13とほぼ同等の屈折率を有している。

0036

光指向性制御ユニット1は、液晶レンズ層14を形成する液晶の配向方向がz方向であるので、光指向性制御ユニット1に入射する偏光の振動方向がz方向である場合は、液晶レンズ層14とレンチキュラー層13との屈折率が異なり、液晶レンズ層14の屈折率の方が大きいため、液晶レンズ層14とレンチキュラー層13との組み合わせは、液晶レンズ層14の形状を有するレンチキュラーレンズとして機能し、光指向性制御ユニット1は、屈折型の光指向性機能を提供する。一方、光指向性制御ユニット1に入射する偏光の方向がx方向である場合は、液晶レンズ層14とレンチキュラー層13の屈折率はほぼ同じであるため、液晶レンズ層14とレンチキュラー層13との組み合わせにおいては、光は屈折することなく単純透過し、光指向性制御ユニット1は、通過型の光指向性機能を提供する。なお、上記2つの液晶配向膜の有する液晶配向能としては、z方向以外にもx方向であってもよいが、z方向が好ましい。

0037

本発明の第2実施形態に係る光指向性制御ユニット2について、図2を参照しつつ、以下説明する。光指向性制御ユニット2は、一対の透明基板11、12と、レンチキュラー層13と、液晶レンズ層14と、2つの液晶配向膜15、16と、透明基板(スイッチ透明基板)21と、一対の透明電極層(スイッチ透明電極)22、23と、液晶層(スイッチ液晶層)24とを有している。スイッチ透明基板21と、一対のスイッチ透明電極層22、23と、スイッチ液晶層24との組み合わせは、一対のスイッチ透明電極層22、23間の電圧印可の有無により、スイッチ液晶層24を形成する液晶の配向方向が変わることで円偏光の回転が0°と90°との間で変化する「液晶スイッチ」として機能する。すなわち、光指向性制御ユニット2は、第1実施形態の光指向性制御ユニット1の構成に、液晶スイッチが付加された構成を有している。図2において、第1実施形態の光指向性制御ユニット1と同様の構成は、同一番号を付して説明を省略する。なお、本明細書において、液晶スイッチを構成する透明基板、透明電極層及び液晶層をそれぞれスイッチ透明基板、スイッチ透明電極層及びスイッチ液晶層ともいう。

0038

光指向性制御ユニット2においては、透明基板11の表面側に、スイッチ透明基板21が対向して配設される。透明基板11及びスイッチ透明基板21のそれぞれ対向する面に一対の透明電極層22、23が一定の隙間をもって配置され、これら一対の透明導電層22、23の間に、スイッチ液晶層24が配設される。

0039

光指向性制御ユニット2は、光指向性制御ユニット1の構成に加えて、上記液晶スイッチの構成をさらに有しているので、透明電極層22、23間の電圧印可の有無によって、液晶レンズ層14に入射する所望の振動方向の偏光が、光指向性制御ユニット2から出射するように切り替えることができる。すなわち、光指向性制御ユニット2によれば、z方向に偏光した入射光を液晶レンズ層14とレンチキュラー層13とにより屈折させた後、液晶スイッチにより所望する方向に偏光させて出射させることができ、また、x方向に偏光した入射光を液晶レンズ層14とレンチキュラー層13とにより単純透過させた後、液晶スイッチにより所望する方向に偏光させて出射させることができる。従って、光指向性制御ユニット2によれば、所望の振動方向を有する出射光について、透過型と屈折型の光指向性機能を切り替えることができる。

0040

本発明の第3実施形態に係る光指向性制御ユニット3について、図3を参照しつつ、以下説明する。光指向性制御ユニット3は、一対の透明基板11、12と、レンチキュラー層13と、液晶レンズ層14と、2つの液晶配向膜15、16と、スイッチ透明電極基板25、透明電極層26と、スイッチ液晶層24とを有している。スイッチ透明電極基板25は、透明基板の裏面側に透明電極層を積層させたものである。すなわち、光指向性制御ユニット3は、第1実施形態の光指向性制御ユニット1の構成に、スイッチ透明電極基板25、透明電極層26及びスイッチ液晶層24による液晶スイッチが付加された構成を有している。図3において、第1実施形態の光指向性制御ユニット1と同様の構成は、同一番号を付して説明を省略する。

0041

光指向性制御ユニット3は、第1実施形態の光指向性制御ユニット1における液晶配向膜16と一方の透明基板12の間に、スイッチ透明電極基板25、スイッチ液晶層24及び透明電極層26がこの順に配置された構成を有する。これらのスイッチ透明電極基板25及び透明電極層26、並びにこれらの間に挟持されるスイッチ液晶層24は、上述のように液晶スイッチとして機能する。従って、光指向性制御ユニット3は、第2実施形態の光指向性制御ユニット2と同様に、スイッチ透明電極基板25及び透明電極層26間の電圧印可の有無により、所望の振動方向を有する出射光について、透過型と屈折型の光指向性機能を切り替えることができる。すなわち、光指向性制御ユニット3によれば、x−z平面上の特定方向に偏光した入射光を液晶スイッチによりz方向の偏光とし、液晶レンズ層14とレンチキュラー層13とにより屈折させて出射させることができ、また、x−z平面上の特定方向に偏光した入射光を液晶スイッチによりx方向の偏光とし、液晶レンズ層14とレンチキュラー層13とにより単純透過させて出射させることができる。

0042

本発明の第4実施形態に係る光指向性制御ユニット4について、図4を参照しつつ、以下説明する。光指向性制御ユニット4は、一対の透明基板11、12と、レンチキュラー13と、液晶レンズ層14と、2つの液晶配向膜15、16と、一対の透明電極層27、28を有している。すなわち、光指向性制御ユニット4は、第1実施形態の光指向性制御ユニット1の構成に、一対の透明導電層27、28が付加された構成を有している。図4において、第1実施形態の光指向性制御ユニット1と同様の構成は、同一番号を付して説明を省略する。

0043

光指向性制御ユニット4においては、一対の透明基板11、12には、その対向する面側にそれぞれ透明電極層27、28が積層されている。そして、一方の透明電極層27の裏面には、レンチキュラー層13が積層されている。また、他方の透明電極層28の表面には、液晶配向膜16が積層されている。光指向性制御ユニット4においては、一対の透明電極層27、28の間の電圧印可の有無により、その間に配置する液晶レンズ層14を形成する液晶の配向方向を変化させることができる。従って、光指向性制御ユニット4によれば、所定の振動方向の入射光について、液晶レンズ層14とレンチキュラー層13との組み合わせによるレンズ機能を切り替えることができ、透過型と屈折型の光指向性機能を切り替えることができる。

0045

レンチキュラー層13を形成する材料としては、その屈折率が、液晶レンズ層14の常光屈折率と同程度であることが好ましく、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート等のアクリル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニルポリオレフィン等の樹脂が好適に用いられる。

0046

なお、上記透明基板の裏面を、凸状や凹状のレンチキュラー形状とし、透明基板とレンチキュラー層とを一体化させてもよい。

0047

<液晶配向膜>
上述したいずれの実施形態の光指向性制御ユニットにおいても、液晶配向膜15、16を有している。液晶配向膜は、それに隣接して形成される液晶の配向方向を規制し、配向性を高める機能を有する。本発明においては、液晶レンズ層14の表面、すなわち、レンチキュラー層13の裏面に積層される液晶配向膜15は、感放射線性液晶配向剤により形成される液晶配向膜であることを要する。感放射線性液晶配向剤は、通常のラビング処理の代わりに、所定の振動方向の偏光を用いて、配向膜形成分子の配向性を高め、液晶配向性能を高めるものである。感放射線性液晶配向剤を用いることで、ラビング処理が困難なレンチキュラー層裏面の微細な凹凸表面等に対しても、配向性に優れる液晶配向膜を形成することができ、その結果、得られる液晶レンズ層の配向均一性を高めることができる。

0048

また、液晶レンズ層14の裏面側、すなわち、透明基板12の表面上等に形成される液晶配向膜16についても、感放射線性液晶配向剤により形成されることが好ましい。液晶レンズ層14の裏面に積層される液晶配向膜も、感放射線性液晶配向剤により形成することにより、液晶レンズ層14の配向均一性をさらに高めることができ、その結果、当該光指向性制御ユニットを備える2D/3D切替可能表示モジュールの解像度等の表示精度をさらに向上させることができる。

0049

<感放射線性液晶配向剤>
液晶配向膜15は、感放射線性液晶配向剤(以下、単に「液晶配向剤」ともいう。)から形成される。感放射線性液晶配向剤から形成されることによって、レンチキュラー層の微細な凹凸表面に形成され、ラビング処理によっては配向性を高めることが困難であると考えられる液晶配向膜15でも、配向膜形成分子の配向性を高めることができ、その結果、得られる液晶レンズ層14の配向均一性を向上させることができる。従って、当該光指向性制御ユニットを備える2D/3D切替可能表示モジュールの解像度等の表示精度をさらに向上させることができる。液晶配向膜16も、感放射線性液晶配向剤から形成することができる。液晶レンズ層14の両面側に積層させる一対の液晶配向膜15、16をどちらも感放射線性液晶配向剤を用い、かつ同一の偏光放射線によって配向させると、一対の液晶配向膜15、16の両膜における配向膜形成分子の配向方向の高いレベルで一致させることができ、その結果、得られる液晶レンズ層14の配向均一性をさらに高めることができるため好ましい。

0050

上記液晶配向剤としては、感放射線性である限り特に限定されず、種々の液晶配向剤を用いることができ、例えば、特開平9−297313号公報に記載されている特定のポリイミド樹脂を含有するもの、特開平6−287453号公報に記載されている光化学異性化二量化を起こすことができる分子単位を有するポリマーを含有するもの等が挙げられる。

0051

上記液晶配向剤としては、光配向性基を有する無機高分子を含有する液晶配向剤が好ましい。光配向性基を有する無機高分子を含有する液晶配向剤を用いることにより、液晶配向性能及び熱安定性に優れる液晶配向膜を形成することができる。

0052

また、上記光配向性基を有する無機高分子を含有する液晶配向剤の中でも[A]光配向性基を有するポリオルガノシロキサンを含有する液晶配向剤がより好ましい。上記液晶配向剤が[A]光配向性ポリオルガノシロキサンを含有することで、さらに、透明性に優れる液晶配向膜を形成することができ、高感度の光配向性により配向に必要な光照射量を低減することができる。焼成温度を低くすることができるので用いる基板の選択の幅を広げることができ、さらに、放射線照射中及び照射後の加熱工程が不要なため効率よく液晶配向膜を形成することができる。

0053

[A]光配向性ポリオルガノシロキサンを含有する液晶配向剤は、[B]他の重合体、[C]エステル構造含有化合物を含有することが好ましく、さらに本発明の効果を損なわない限り、その他の任意成分を含有してもよい。以下、[A]光配向性ポリオルガノシロキサン、[B]他の重合体、[C]エステル構造含有化合物及び任意成分について詳述する。

0054

<[A]光配向性ポリオルガノシロキサン>
[A]光配向性ポリオルガノシロキサンは、主鎖としてのポリオルガノシロキサン、その加水分解物及びその加水分解物の縮合物からなる群より選択される少なくとも1種に由来する部分に、光配向性基が導入されている。光配向性基により、光配向感度が良好となり、低光照射量を実現でき、また液晶配向膜の液晶配向性に優れる。また、主鎖としてポリオルガノシロキサンを採用しているので、上記液晶配向剤から形成される液晶配向膜は、優れた化学的定性・熱的安定性を有する。

0055

光配向性基としては、光配向性を示す種々の化合物由来の基を採用でき、例えばアゾベンゼン又はその誘導体を基本骨格として含有するアゾベンゼン含有基、桂皮酸又はその誘導体を基本骨格として含有する桂皮酸構造を有する基、カルコン又はその誘導体を基本骨格として含有するカルコン含有基、ベンゾフェノン又はその誘導体を基本骨格として含有するベンゾフェノン含有基、クマリン又はその誘導体を基本骨格として有するクマリン含有基等が挙げられる。これらの光配向性基のうち、高い配向能と導入の容易性を考慮すると、桂皮酸又はその誘導体を基本骨格として含有する桂皮酸構造を有する基が好ましい。

0056

桂皮酸構造を有する基の構造は、桂皮酸又はその誘導体を基本骨格として含有していれば特に限定されないが、上記特定桂皮酸誘導体に由来する基が好ましい。なお、R1は、フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基又はシクロヘキシレン基である。このフェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基及びシクロヘキシレン基の水素原子の一部又は全部は、フッ素原子を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基若しくは炭素数1〜10のアルコキシ基、フッ素原子又はシアノ基で置換されていてもよい。R2は、単結合、炭素数1〜3のアルカンジイル基、酸素原子、硫黄原子、−CH=CH−、−NH−、−COO−又は−OCO−である。aは、0〜3の整数である。但し、aが2以上の場合、複数のR1及びR2はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。R3はフッ素原子又はシアノ基である。bは0〜4の整数である。

0057

上記式(1)で表される化合物としては例えば下記式で表される化合物が挙げられる。

0058

0059

これらのうちR1としては、無置換のフェニレン基、又はフッ素原子若しくは炭素数1〜3のアルキル基で置換されたフェニレン基が好ましい。R2は単結合、酸素原子又は−CH2=CH2−が好ましい。bは0〜1が好ましい。aが1〜3のときはbが0であることが特に好ましい。

0060

上記式(2)中、R4はフェニレン基又はシクロヘキシレン基である。このフェニレン基又はシクロヘキシレン基の水素原子の一部又は全部は、炭素数1〜10の鎖状若しくは環状のアルキル基、炭素数1〜10の鎖状若しくは環状のアルコキシ基、フッ素原子又はシアノ基で置換されていてもよい。R5は単結合、炭素数1〜3のアルカンジイル基、酸素原子、硫黄原子又は−NH−である。cは1〜3の整数である。但し、cが2以上の場合、複数のR4及びR5はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。R6はフッ素原子又はシアノ基である。dは0〜4の整数である。R7は酸素原子、−COO−又は−OCO−である。R8は2価の芳香族基、2価の脂環式基、2価の複素環式基又は2価の縮合環式基である。R9は単結合、−OCO−(CH2)f−*又は−O(CH2)g−*である。*は、カルボキシル基との結合部位を示す。f及びgはそれぞれ1〜10の整数である。eは0〜3の整数である。但し、eが2以上の場合、複数のR7及びR8はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。

0061

上記式(2)で表される化合物としては、例えば下記式(2−1)〜(2−2)で表される化合物が挙げられる。

0062

(式中、Qは炭素数1〜10の鎖状又は環状のアルキル基、炭素数1〜10の鎖状又は環状のアルコキシ基、フッ素原子又はシアノ基である。fは、式(2)と同義である。)

0063

特定桂皮酸誘導体の合成手順は特に限定されず、従来公知の方法を組み合わせて行うことができる。代表的な合成手順としては、例えば、(i)塩基性条件下、ハロゲン原子で置換されたベンゼン環骨格を有する化合物と、アクリル酸とを遷移金属触媒存在下で反応させて特定桂皮酸誘導体を得る方法、(ii)塩基性条件下、ベンゼン環の水素原子がハロゲン原子で置換された桂皮酸と、ハロゲン原子で置換されたベンゼン環骨格を有する化合物とを遷移金属触媒存在下で反応させて特定桂皮酸誘導体とする方法等が挙げられる。

0064

[A]光配向性ポリオルガノシロキサンに主鎖として含まれるポリオルガノシロキサン、その加水分解物及びその加水分解物の縮合物からなる群より選択される少なくとも1種に由来する部分としては、それ自体に上記光配向性基を導入し得る構造に由来した部分を有する限り特に限定されない。[A]光配向性ポリオルガノシロキサンは、このようなポリオルガノシロキサン、その加水分解物、その加水分解物の縮合物からなる群より選択される少なくとも1種に由来する部分と、上記光配向性を示す化合物に由来する基とを有する。

0065

上記光配向性基を導入し得る構造としては、例えば水酸基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基エステル基アミド基等が挙げられる。この中でも、導入及び調製の容易性を考慮すると、エポキシ基が好ましい。

0066

[A]光配向性ポリオルガノシロキサンは、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンと、上記式(1)及び/又は(2)で表される化合物との反応生成物であることが好ましい。上記液晶配向剤において、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンと特定桂皮酸誘導体との間の反応性を利用することにより、主鎖としてのポリオルガノシロキサンに光配向性を有する特定桂皮酸誘導体に由来する基を容易に導入することができる。

0067

上記エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンは、ポリオルガノシロキサンに側鎖としてエポキシ基が導入されていれば特に限定されない。上記エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンは、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンの加水分解物であってもよく、その加水分解物の縮合物であってもよい。上記エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンとしては、下記式(3)で表される構造単位を有するポリオルガノシロキサン、その加水分解物及びその加水分解物の縮合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。

0068

(式(3)中、X1はエポキシ基を有する1価の有機基である。Y1は水酸基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基である。)

0069

なお、上記式(3)で表される構造単位を有するポリオルガノシロキサンの加水分解縮合物は、そのポリオルガノシロキサン同士の加水分解縮合物だけでなく、上記式(3)で表される構造単位の加水分解縮合によりポリオルガノシロキサンが生成される過程において、主鎖の枝分かれや架橋等が生じて得られるポリオルガノシロキサンが上記式(3)で表される構造単位を有する場合の加水分解縮合物をも含む概念である。

0070

上記式(3)におけるX1は、エポキシ基を有する1価の有機基であれば特に限定されず、例えばグリシジル基グリシジルオキシ基エポキシシクロヘキシル基を含む基等が挙げられる。X1としては、下記式(X1−1)又は(X1−2)で表されることが好ましい。

0071

(式(X1−1)中、Aは酸素原子又は単結合である。hは1〜3の整数である。iは0〜6の整数である。但し、iが0の場合、Aは単結合である。
式(X1−2)中、jは1〜6の整数である。
式(X1−1)及び(X1−2)中、*はそれぞれ結合手であることを示す。)

0072

さらに上記式(X1−1)又は(X1−2)で表されるエポキシ基のうち、下記式(X1−1−1)又は(X1−2−1)で表される基が好ましい。

0073

(式(X1−1−1)又は式(X1−2−1)中、*は結合手であることを示す。)

0074

上記式(3)中のY1において、
炭素数1〜10のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基エトキシ基等;
炭素数1〜20のアルキル基として、例えばメチル基エチル基、n−プロピル基n−ブチル基、n−ペンチル基n−ヘキシル基、n−ヘプチル基n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基等;
炭素数6〜20のアリール基としては、例えばフェニル基等が挙げられる。

0075

エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)としては、500〜100,000が好ましく、1,000〜10,000がより好ましく、1,000〜5,000が特に好ましい。
なお、本明細書におけるMwは、下記仕様のGPCにより測定したポリスチレン換算値である。
カラム:東ソー製、TSKgelGRCXLII
溶媒テトラヒドロフラン
温度:40℃
圧力:6.8MPa

0076

このようなエポキシ基を有するポリオルガノシロキサンは、好ましくはエポキシ基を有するシラン化合物、又はエポキシ基を有するシラン化合物と他のシラン化合物の混合物を、好ましくは適当な有機溶媒、水及び触媒の存在下において加水分解又は加水分解・縮合することにより合成できる。

0077

上記エポキシ基を有するシラン化合物としては、例えば3−グリシジロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルジメチルエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等が挙げられる。

0078

上記他のシラン化合物としては、例えばテトラクロロシランテトラメトキシシランテトラエトキシシランテトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシラン、テトラ−sec−ブトキシシラントリクロロシラントリメトキシシラントリエトキシシラントリ−n−プロポキシシラン、トリ−i−プロポキシシラン、トリ−n−ブトキシシラン、トリ−sec−ブトキシシラン、フルオロトリクロロシラン、フルオロトリメトキシシラン、フルオロトリエトキシシラン、フルオロトリ−n−プロポキシシラン、フルオロトリ−i−プロポキシシラン、フルオロトリ−n−ブトキシシラン、フルオロトリ−sec−ブトキシシラン、メチルトリクロロシランメチルトリメトキシシランメチルトリエトキシシランメチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−i−プロポキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、メチルトリ−sec−ブトキシシラン、2−(トリフルオロメチルエチルトリクロロシラン、2−(トリフルオロメチル)エチルトリメトキシシラン、2−(トリフルオロメチル)エチルトリエトキシシラン、2−(トリフルオロメチル)エチルトリ−n−プロポキシシラン、2−(トリフルオロメチル)エチルトリ−i−プロポキシシラン、2−(トリフルオロメチル)エチルトリ−n−ブトキシシラン、2−(トリフルオロメチル)エチルトリ−sec−ブトキシシラン、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチルトリクロロシラン、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチルトリ−n−プロポキシシラン、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチルトリ−i−プロポキシシラン、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチルトリ−n−ブトキシシラン、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチルトリ−sec−ブトキシシラン、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチルトリクロロシラン、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチルトリメトキシシラン、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチルトリエトキシシラン、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチルトリ−n−プロポキシシラン、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチルトリ−i−プロポキシシラン、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチルトリ−n−ブトキシシラン、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチルトリ−sec−ブトキシシラン、ヒドロキシメチルトリクロロシラン、ヒドロキシメチルトリメトキシシラン、ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、ヒドロキシメチルトリ−n−プロポキシシラン、ヒドロキシメチルトリ−i−プロポキシシラン、ヒドロキシメチルトリ−n−ブトキシシラン、ヒドロキシメチルトリ−sec−ブトキシシラン、3−(メタアクリロキシプロピルトリクロロシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリ−n−プロポキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリ−i−プロポキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリ−n−ブトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリ−sec−ブトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリクロロシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリ−n−プロポキシシラン、3−メルカプトプロピルトリ−i−プロポキシシラン、3−メルカプトプロピルトリ−n−ブトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリ−sec−ブトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシランメルカプトメチルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシランビニルトリメトキシシランビニルトリエトキシシランビニルトリ−n−プロポキシシラン、ビニルトリ−i−プロポキシシラン、ビニルトリ−n−ブトキシシラン、ビニルトリ−sec−ブトキシシラン、アリルトリクロロシランアリルトリメトキシシランアリルトリエトキシシラン、アリルトリ−n−プロポキシシラン、アリルトリ−i−プロポキシシラン、アリルトリ−n−ブトキシシラン、アリルトリ−sec−ブトキシシラン、フェニルトリクロロシランフェニルトリメトキシシランフェニルトリエトキシシランフェニルトリ−n−プロポキシシラン、フェニルトリ−i−プロポキシシラン、フェニルトリ−n−ブトキシシラン、フェニルトリ−sec−ブトキシシラン、メチルジクロロシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルジ−n−プロポキシシラン、メチルジ−i−プロポキシシラン、メチルジ−n−ブトキシシラン、メチルジ−sec−ブトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジメトキシシランジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ−n−プロポキシシラン、ジメチルジ−i−プロポキシシラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジメチルジ−sec−ブトキシシラン、(メチル)〔2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル〕ジクロロシラン、(メチル)〔2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル〕ジメトキシシラン、(メチル)〔2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル〕ジエメトキシシラン、(メチル)〔2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル〕ジ−n−プロポキシシラン、(メチル)〔2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル〕ジ−i−プロポキシシラン、(メチル)〔2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル〕ジ−n−ブトキシシラン、(メチル)〔2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル〕ジ−sec−ブトキシシラン、(メチル)(3−メルカプトプロピル)ジクロロシラン、(メチル)(3−メルカプトプロピル)ジメトキシシラン、(メチル)(3−メルカプトプロピル)ジエトキシシラン、(メチル)(3−メルカプトプロピル)ジ−n−プロポキシシラン、(メチル)(3−メルカプトプロピル)ジ−i−プロポキシシラン、(メチル)(3−メルカプトプロピル)ジ−n−ブトキシシラン、(メチル)(3−メルカプトプロピル)ジ−sec−ブトキシシラン、(メチル)(ビニル)ジクロロシラン、(メチル)(ビニル)ジメトキシシラン、(メチル)(ビニル)ジエトキシシラン、(メチル)(ビニル)ジ−n−プロポキシシラン、(メチル)(ビニル)ジ−i−プロポキシシラン、(メチル)(ビニル)ジ−n−ブトキシシラン、(メチル)(ビニル)ジ−sec−ブトキシシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、ジビニルジ−n−プロポキシシラン、ジビニルジ−i−プロポキシシラン、ジビニルジ−n−ブトキシシラン、ジビニルジ−sec−ブトキシシラン、ジフェニルジクロロシランジフェニルジメトキシシランジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジ−n−プロポキシシラン、ジフェニルジ−i−プロポキシシラン、ジフェニルジ−n−ブトキシシラン、ジフェニルジ−sec−ブトキシシラン、クロロジメチルシランメトキシジメチルシランエトキシジメチルシラン、クロロトリメチルシランブロモトリメチルシランヨードトリメチルシラン、メトキシトリメチルシラン、エトキシトリメチルシラン、n−プロポキシトリメチルシラン、i−プロポキシトリメチルシラン、n−ブトキシトリメチルシラン、sec−ブトキシトリメチルシラン、t−ブトキシトリメチルシラン、(クロロ)(ビニル)ジメチルシラン、(メトキシ)(ビニル)ジメチルシラン、(エトキシ)(ビニル)ジメチルシラン、(クロロ)(メチル)ジフェニルシラン、(メトキシ)(メチル)ジフェニルシラン、(エトキシ)(メチル)ジフェニルシラン等のケイ素原子を1個有するシラン化合物等が挙げられる。

0079

市販品としては、例えば
KC−89、KC−89S、X−21−3153、X−21−5841、X−21−5842、X−21−5843、X−21−5844、X−21−5845、X−21−5846、X−21−5847、X−21−5848、X−22−160AS、X−22−170B、X−22−170BX、X−22−170D、X−22−170DX、X−22−176B、X−22−176D、X−22−176DX、X−22−176F、X−40−2308、X−40−2651、X−40−2655A、X−40−2671、X−40−2672、X−40−9220、X−40−9225、X−40−9227、X−40−9246、X−40−9247、X−40−9250、X−40−9323、X−41−1053、X−41−1056、X−41−1805、X−41−1810、KF6001、KF6002、KF6003、KR212、KR−213、KR−217、KR220L、KR242A、KR271、KR282、KR300、KR311、KR401N、KR500、KR510、KR5206、KR5230、KR5235、KR9218、KR9706(以上、信越化学工業製);
グラスレジン(昭和電工製);
SH804、SH805、SH806A、SH840、SR2400、SR2402、SR2405、SR2406、SR2410、SR2411、SR2416、SR2420(以上、東レ・ダウコーニング製);
FZ3711、FZ3722(以上、日本ユニカー製);
DMS−S12、DMS−S15、DMS−S21、DMS−S27、DMS−S31、DMS−S32、DMS−S33、DMS−S35、DMS−S38、DMS−S42、DMS−S45、DMS−S51、DMS−227、PSD−0332、PDS−1615、PDS−9931、XMS−5025(以上、チッソ製);
メチルシリケートMS51、メチルシリケートMS56(以上、三菱化学製);
エチルシリケート28、エチルシリケート40、エチルシリケート48(以上、コルコート製);
GR100、GR650、GR908、GR950(以上、昭和電工製)等の部分縮合物が挙げられる。

0080

これらの他のシラン化合物のうち、得られる液晶配向膜の配向性及び化学的安定性の観点から、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン又はジメチルジエトキシシランが好ましい。

0081

本発明に用いられるエポキシ基を有するポリオルガノシロキサンは、光配向性を有する側鎖を充分な量で導入しつつ、エポキシ基の導入量が過剰となることによる意図しない副反応等を抑制するために、そのエポキシ当量としては100g/モル〜10,000g/モルが好ましく、150g/モル〜1,000g/モルがより好ましい。従って、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンを合成するにあたっては、エポキシ基を有するシラン化合物と他のシラン化合物との使用割合を、得られるポリオルガノシロキサンのエポキシ当量が上記の範囲となるように調製することが好ましい。

0082

具体的には、このような他のシラン化合物は、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンと他のシラン化合物との合計に対して0質量%〜50質量%用いることが好ましく、5質量%〜30質量%用いることがより好ましい。

0083

エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンを合成するにあたって使用することのできる有機溶媒としては、例えば炭化水素化合物ケトン化合物エステル化合物エーテル化合物アルコール化合物等が挙げられる。

0084

上記炭化水素化合物としては、例えばトルエンキシレン等;上記ケトンとしては、例えばメチルエチルケトンメチルイソブチルケトン、メチルn−アミルケトン、ジエチルケトンシクロヘキサノン等;上記エステルとしては、例えば酢酸エチル酢酸n−ブチル、酢酸i−アミルプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート乳酸エチル等;上記エーテルとしては、例えばエチレングリコールジメチルエーテルエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等;上記アルコールとしては、例えば1−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノールエチレングリコールモノメチルエーテルエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピレングリコールモノエチルエーテルプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル等が挙げられる。これらのうち非水溶性のものが好ましい。これらの有機溶媒は、単独で又は2種以上を混合して使用できる。

0085

有機溶媒の使用量としては、全シラン化合物100質量部に対して、10質量部〜10,000質量部が好ましく、50質量部〜1,000質量部がより好ましい。また、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンを製造する際の水の使用量としては、全シラン化合物に対して、0.5倍モル〜100倍モルが好ましく、1倍モル〜30倍モルがより好ましい。

0086

上記触媒としては例えば酸、アルカリ金属化合物有機塩基チタン化合物ジルコニウム化合物等を用いることができる。

0088

上記有機塩基としては、例えば
エチルアミンジエチルアミンピペラジンピペリジンピロリジンピロール等の1〜2級有機アミン
トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミンピリジン、4−ジメチルアミノピリジンジアザビシクロウンデセン等の3級の有機アミン
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の4級の有機アンモニウム塩等が挙げられる。これらの有機塩基のうち、反応が穏やかに進行する点を考慮して、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の3級の有機アミン;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の4級の有機アンモニウム塩が好ましい。

0089

エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンを製造する際の触媒としては、アルカリ金属化合物又は有機塩基が好ましい。アルカリ金属化合物又は有機塩基を触媒として用いることにより、エポキシ基の開環等の副反応を生じることなく、高い加水分解・縮合速度で目的とするポリオルガノシロキサンを得ることができることになり、生産安定性に優れることとなって好ましい。また、触媒としてアルカリ金属化合物又は有機塩基を用いて合成されたエポキシ基を有するポリオルガノシロキサンと特定桂皮酸誘導体との反応生成物を含有する上記感放射線性液晶配向剤は、保存安定性が極めて優れるため好都合である。

0090

その理由は、Chemical Reviews、95巻、p1409(1995年)に指摘されているように、加水分解、縮合反応において触媒としてアルカリ金属化合物又は有機塩基を用いると、ランダム構造はしご型構造又はかご型構造が形成され、シラノール基含有割合が少ないポリオルガノシロキサンが得られるためではないかと推察される。シラノール基の含有割合が少ないため、シラノール基同士の縮合反応が抑えられ、さらに、本発明の有機半導体配向用組成物が後述の他の重合体を含有するものである場合には、シラノール基と他の重合体との縮合反応が抑えられるため、保存安定性に優れる結果になるものと推察される。

0091

触媒としては、特に有機塩基が好ましい。有機塩基の使用量は、有機塩基の種類、温度等の反応条件等により異なり、適宜に設定することができる。有機塩基の具体的な使用量としては、例えば全シラン化合物に対して、好ましくは0.01倍モル〜3倍モルであり、より好ましくは0.05倍モル〜1倍モルである。

0092

エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンを製造する際の加水分解又は加水分解・縮合反応は、エポキシ基を有するシラン化合物と必要に応じて他のシラン化合物とを有機溶媒に溶解し、この溶液を有機塩基及び水と混合して、例えば油浴等により加熱することにより実施することが好ましい。

0093

加水分解・縮合反応時には、油浴の加熱温度を好ましくは130℃以下、より好ましくは40℃〜100℃として、好ましくは0.5時間〜12時間、より好ましくは1時間〜8時間加熱するのが望ましい。加熱中は、混合液撹拌してもよいし、還流下に置いてもよい。

0094

反応終了後反応液から分取した有機溶媒層を水で洗浄することが好ましい。この洗浄に際しては、洗浄操作が容易になる点で、少量の塩を含む水、例えば0.2質量%程度の硝酸アンモニウム水溶液等で洗浄することが好ましい。洗浄は洗浄後の水層中性になるまで行い、その後有機溶媒層を、必要に応じて無水硫酸カルシウムモレキュラーシーブス等の乾燥剤で乾燥した後、溶媒を除去することにより、目的とするエポキシ基を有するポリオルガノシロキサンを得ることができる。

0095

本発明においては、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンとして市販されているものを用いてもよい。このような市販品としては、例えばDMS−E01、DMS−E12、DMS−E21、EMS−32(以上、チッソ製)等が挙げられる。

0096

[A]光配向性ポリオルガノシロキサン化合物は、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサン自体が加水分解されて生じる加水分解物に由来する部分や、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサン同士が加水分解縮合した加水分解縮合物に由来する部分を含んでいてもよい。上記部分の構成材料であるこれらの加水分解物や加水分解縮合物もエポキシ基を有するポリオルガノシロキサンの加水分解ないし縮合条件と同様に調製することができる。

0097

<[A]光配向性ポリオルガノシロキサンの合成方法
本発明で使用される[A]光配向性ポリオルガノシロキサンは、例えば上記のエポキシ基を有するポリオルガノシロキサンと特定桂皮酸誘導体とを、好ましくは触媒の存在下に反応させることにより合成できる。

0098

ここで特定桂皮酸誘導体の使用量としては、ポリオルガノシロキサンの有するエポキシ基1モルに対して0.001モル〜10モルが好ましく、0.01モル〜5モルがより好ましく、0.05モル〜2モルが特に好ましい。

0099

上記触媒としては、有機塩基、又はエポキシ化合物酸無水物との反応を促進するいわゆる硬化促進剤として公知の化合物を用いることができる。上記有機塩基としては、例えば上述したものと同様のものが挙げられる。

0100

上記硬化促進剤としては、例えば
ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチルフェノールシクロヘキシルジメチルアミントリエタノールアミン等の3級アミン;
2−メチルイミダゾール、2−n−ヘプチルイミダゾール、2−n−ウンデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−n−ウンデシルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジ(ヒドロキシメチル)イミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−フェニル−4,5−ジ〔(2’−シアノエトキシ)メチル〕イミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−n−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテート、1−(2−シアノエチル)−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾリウムトリメリテート、2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−n−ウンデシルイミダゾリル)エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−〔2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)〕エチル−s−トリアジン、2−メチルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物、及び2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕エチル−s−トリアジンのイソシアヌル酸付加物等のイミダゾール化合物
ジフェニルフォスフィントリフェニルフォスフィン亜リン酸トリフェニル等の有機リン化合物
ベンジルトリフェニルフォスフォニウムクライド、テトラ−n−ブチルフォスフォニウムブロマイド、メチルトリフェニルフォスフォニウムブロマイド、エチルトリフェニルフォスフォニウムブロマイド、n−ブチルトリフェニルフォスフォニウムブロマイド、テトラフェニルフォスフォニウムブロマイド、エチルトリフェニルフォスフォニウムヨーダイド、エチルトリフェニルフォスフォニウムアセテート、テトラ−n−ブチルフォスフォニウムo,o−ジエチルフォスフォロジチオネート、テトラ−n−ブチルフォスフォニウムベンゾトリアゾレート、テトラフェニルフォスフォニウムテトラフェニルボレート、テトラ−n−ブチルフォスフォニウムテトラフルオロボレート、テトラ−n−ブチルフォスフォニウムテトラフェニルボレート等の4級フォスフォニウム塩;
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7やその有機酸塩等のジアザビシクロアルケン
オクチル酸亜鉛オクチル酸錫アルミニウムアセチルアセトン錯体等の有機金属化合物
テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩
三フッ化ホウ素ホウ酸トリフェニル等のホウ素化合物
塩化亜鉛塩化第二錫等の金属ハロゲン化合物
ジシアンジアミドやアミンとエポキシ樹脂との付加物等のアミン付加型促進剤等の高融点分散型潜在性硬化促進剤
上記イミダゾール化合物、有機リン化合物や4級フォスフォニウム塩等の硬化促進剤の表面をポリマーで被覆したマイクロカプセル型潜在性硬化促進剤;
アミン塩型潜在性硬化促進剤;
ルイス酸塩ブレンステッド酸塩等の高温解離型の熱カチオン重合型潜在性硬化促進剤等の潜在性硬化促進剤等が挙げられる。

0101

これらの触媒の中でも、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩が好ましい。

0102

触媒の使用量としては、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサン100質量部に対して100質量部以下が好ましく、0.01質量部〜100質量部がより好ましく、0.1質量部〜20質量部が特に好ましい。

0103

反応温度としては、0℃〜200℃が好ましく、50℃〜150℃がより好ましい。反応時間としては、0.1時間〜50時間が好ましく、0.5時間〜20時間がより好ましい。

0104

[A]光配向性ポリオルガノシロキサンは、必要に応じて有機溶媒の存在下に合成できる。かかる有機溶媒としては、例えば炭化水素化合物、エーテル化合物、エステル化合物、ケトン化合物、アミド化合物、アルコール化合物等が挙げられる。これらのうち、エーテル化合物、エステル化合物、ケトン化合物が、原料及び生成物溶解性並びに生成物の精製のし易さの観点から好ましい。溶媒は、固形分濃度反応溶液中の溶媒以外の成分の質量が溶液の全質量に占める割合)が、好ましくは0.1質量%以上70質量%以下、より好ましくは5質量%以上50質量%以下となる量で使用される。

0105

このようにして得られた[A]光配向性ポリオルガノシロキサンのMwとしては、特に限定されないが、1,000〜20,000が好ましく、3,000〜15,000がより好ましい。このような分子量範囲とすることで、液晶配向膜の良好な配向性及び安定性を確保できる。

0106

[A]光配向性ポリオルガノシロキサンは、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンに、特定桂皮酸誘導体のカルボキシル基のエポキシへの開環付加により特定桂皮酸誘導体に由来する構造を導入している。この製造方法は簡便であり、しかも特定桂皮酸誘導体に由来する構造の導入率を高くすることができる点で極めて好適な方法である。

0107

本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲で上記特定桂皮酸誘導体の一部を下記式(4)で表される化合物で置き換えて使用してもよい。この場合、[A]光配向性ポリオルガノシロキサン化合物の合成は、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンと、特定桂皮酸誘導体及び下記式(4)で表される化合物の混合物とを反応させることにより行われる。

0108

0109

上記式(4)におけるR10としては、炭素数8〜20のアルキル基若しくはアルコキシ基、又は炭素数4〜21のフルオロアルキル基若しくはフルオロアルコキシ基であることが好ましい。R11としては、単結合、1,4−シクロヘキシレン基又は1,4−フェニレン基であることが好ましい。R12としてはカルボキシル基であることが好ましい。

0110

上記式(4)で表される化合物としては、例えば下記式(4−1)〜式(4−3)で表される化合物が挙げられる。

0111

0112

上記式(4)で表される化合物は、[A]光配向性ポリオルガノシロキサンの活性部位失活させて上記液晶配向剤の安定性向上に寄与し得る。本発明において、特定桂皮酸誘導体とともに上記式(4)で表される化合物を使用する場合、特定桂皮酸誘導体及び上記式(4)で表される化合物の合計の使用割合としては、ポリオルガノシロキサンの有するエポキシ基1モルに対して0.001モル〜1.5モルが好ましく、0.01モル〜1モルがより好ましく、0.05モル〜0.9モルが特に好ましい。この場合、上記式(4)で表される化合物の使用量としては、特定桂皮酸誘導体との合計に対して50モル%以下が好ましく、25モル%以下がより好ましい。上記式(4)で表される化合物の使用割合が50モル%を超えると、液晶配向膜における配向性が低下する不具合を生じるおそれがある。

0113

<[B]他の重合体>
上記液晶配向剤は、好適成分として[B]他の重合体を含有できる。[B]他の重合体としては、ポリアミック酸、ポリイミド、エチレン性不飽和化合物重合体、光配向性基を有さないポリオルガノシロキサンからなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。これら[B]他の重合体を含有する場合、上記液晶配向剤から形成される液晶配向膜においては、その表層付近に光配向性ポリオルガノシロキサンが偏在することが明らかとなっている。この為、他の重合体の含有量を増やすことにより上記液晶配向剤中における光配向性ポリオルガノシロキサンの含有量を減らしても、光配向性ポリオルガノシロキサンは配向膜表面に偏在するので、十分な液晶配向性が得られる。従って、本発明では製造コストの高い光配向性ポリオルガノシロキサンの上記液晶配向剤中における含有量を減らすことが可能となり、結果として上記液晶配向剤の製造コストを低下できる。

0114

[ポリアミック酸]
ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物ジアミン化合物とを反応させることにより得られる。

0115

テトラカルボン酸二無水物としては、例えば脂肪族テトラカルボン酸二無水物脂環式テトラカルボン酸二無水物芳香族テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらのテトラカルボン酸二無水物は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。

0116

脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、例えばブタンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。

0117

脂環式テトラカルボン酸二無水物としては、例えば1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,5,6−トリカルボキシ−2−カルボキシメチルノルボルナン−2:3,5:6−二無水物、2,4,6,8−テトラカルボキシビシクロ[3.3.0]オクタン−2:4,6:8−二無水物、4,9−ジオキサトリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカン−3,5,8,10−テトラオン等が挙げられる。

0118

芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えばピロメリット酸二無水物等が挙げられる他、特開2010−97188号に記載のテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。

0119

これらのテトラカルボン酸二無水物のうち、脂環式テトラカルボン酸二無水物が好ましく、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物又は1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物がより好ましく、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物が特に好ましい。

0120

2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物又は1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物の使用量としては、全テトラカルボン酸二無水物に対して、10モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましく、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物又は1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物のみからなることが、特に好ましい。

0121

ジアミン化合物としては、例えば脂肪族ジアミン脂環式ジアミン芳香族ジアミン、ジアミノオルガノシロキサン等が挙げられる。これらジアミン化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。

0123

脂環式ジアミンとしては、例えば1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−メチレンビスシクロヘキシルアミン)、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等が挙げられる。

0124

芳香族ジアミンとしては、例えばp−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニルフルオレン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、3,6−ジアミノアクリジン、3,6−ジアミノカルバゾール、N−メチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−エチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−フェニル−3,6−ジアミノカルバゾール、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−ベンジジン、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−N,N’−ジメチルベンジジン、1,4−ビス−(4−アミノフェニル)−ピペラジン、3,5−ジアミノ安息香酸ドデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、テトラデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ペンタデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ヘキサデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、オクタデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ドデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、テトラデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、ペンタデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、ヘキサデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、オクタデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、コレスタニルオキシ−3,5−ジアミノベンゼン、コレステニルオキシ−3,5−ジアミノベンゼン、コレスタニルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、コレステニルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸コレスタニル、3,5−ジアミノ安息香酸コレステニル、3,5−ジアミノ安息香酸ラノスタニル、3,6−ビス(4−アミノベンゾイルオキシコレスタン、3,6−ビス(4−アミノフェノキシ)コレスタン、4−(4’−トリフルオロメトキシベンゾイロキシ)シクロヘキシル−3,5−ジアミノベンゾエート、4−(4’−トリフルオロメチルベンゾイロキシ)シクロヘキシル−3,5−ジアミノベンゾエート、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−ブチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−ヘプチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−((アミノフェノキシ)メチル)フェニル)−4−ヘプチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−(4−ヘプチルシクロヘキシル)シクロヘキサン、2,4−ジアミノーN,N—ジアリルアニリン、4−アミノベンジルアミン、3−アミノベンジルアミン及び下記式(A−1)で表されるジアミン化合物等が挙げられる。

0125

(式(A−1)中、XIは炭素数1〜3のアルキル基、*−O−、*−COO−又は*−OCO−である。但し、*を付した結合手がジアミノフェニル基と結合する。rは0又は1である。sは0〜2の整数である。tは1〜20の整数である。)

0126

ジアミノオルガノシロキサンとしては、例えば、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−テトラメチルジシロキサン等が挙げられる他、特開2010−97188号に記載のジアミンが挙げられる。

0127

ポリアミック酸の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の使用割合としては、ジアミン化合物に含まれるアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2当量〜2当量が好ましく、0.3当量〜1.2当量がより好ましい。

0128

合成反応は、有機溶媒中において行うことが好ましい。反応温度としては、−20℃〜150℃が好ましく、0℃〜100℃がより好ましい。反応時間としては、0.5時間〜24時間が好ましく、2時間〜12時間がより好ましい。

0129

有機溶媒としては、合成されるポリアミック酸を溶解できるものであれば特に制限はなく、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノンジメチルスルホキシドγ−ブチロラクトンテトラメチル尿素ヘキサメチルホスホトリアミド等の非プロトン系極性溶媒m−クレゾールキシレノール、フェノール、ハロゲン化フェノール等のフェノール系溶媒が挙げられる。

0130

有機溶媒の使用量(a)としては、テトラカルボン酸二無水物及びジアミン化合物の総量(b)と有機溶媒の使用量(a)の合計(a+b)に対して、0.1質量%〜50質量%が好ましく、5質量%〜30質量%がより好ましい。

0131

反応後に得られるポリアミック酸溶液は、そのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、反応溶液中に含まれるポリアミック酸を単離した上で液晶配向剤の調製に供してもよく、単離したポリアミック酸を精製した上で液晶配向剤の調製に供してもよい。ポリアミック酸の単離方法としては、例えば反応溶液を大量の貧溶媒中に注いで得られる析出物減圧下乾燥する方法、反応溶液をエバポレーターで減圧留去する方法等が挙げられる。ポリアミック酸の精製方法としては、単離したポリアミック酸を再び有機溶媒に溶解し、貧溶媒で析出させる方法、エバポレーターで有機溶媒等を減圧留去する工程を1回若しくは複数回行う方法が挙げられる。

0132

[ポリイミド]
ポリイミドは、上記ポリアミック酸の有するアミック酸構造脱水閉環してイミド化することにより製造できる。ポリイミドは、その前駆体であるポリアミック酸が有しているアミック酸構造の全てを脱水閉環した完全イミド化物であってもよく、アミック酸構造の一部のみを脱水閉環し、アミック酸構造とイミド環構造とが併存している部分イミド化物であってもよい。

0133

ポリイミドの合成方法としては、例えば(i)ポリアミック酸を加熱する方法(以下、「方法(i)」と称することがある)、(ii)ポリアミック酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤及び脱水閉環触媒を添加し、必要に応じて加熱する方法(以下、「方法(ii)」と称することがある)等のポリアミック酸の脱水閉環反応による方法が挙げられる。

0134

方法(i)における反応温度としては、50℃〜200℃が好ましく、60℃〜170℃がより好ましい。反応温度が50℃未満では、脱水閉環反応が十分に進行せず、反応温度が200℃を超えると得られるポリイミドの分子量が低下することがある。反応時間としては、0.5時間〜48時間が好ましく、2時間〜20時間がより好ましい。

0135

方法(i)において得られるポリイミドはそのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、ポリイミドを単離した上で液晶配向剤の調製に供してもよく又は単離したポリイミドを精製した上で又は得られるポリイミドを精製した上で液晶配向剤の調製に供してもよい。

0136

方法(ii)における脱水剤としては、例えば無水酢酸無水プロピオン酸無水トリフルオロ酢酸等の酸無水物が挙げられる。

0137

脱水剤の使用量としては、所望のイミド化率により適宜選択されるが、ポリアミック酸のアミック酸構造1モルに対して0.01モル〜20モルが好ましい。

0138

方法(ii)における脱水閉環触媒としては、例えばピリジン、コリジンルチジン、トリエチルアミン等が挙げられる。

0139

脱水閉環触媒の使用量としては、含有する脱水剤1モルに対して0.01モル〜10モルが好ましい。なお、イミド化率は上記脱水剤及び脱水閉環剤の含有量が多いほど高くできる。

0140

方法(ii)に用いられる有機溶媒としては、例えばポリアミック酸の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒と同様の有機溶媒等が挙げられる。

0141

方法(ii)における反応温度としては、0℃〜180℃が好ましく、10℃〜150℃がより好ましい。反応時間としては、0.5時間〜20時間が好ましく、1時間〜8時間がより好ましい。反応条件を上記範囲とすることで、脱水閉環反応が十分に進行し、また、得られるポリイミドの分子量を適切なものとできる。

0142

方法(ii)においてはポリイミドを含有する反応溶液が得られる。この反応溶液をそのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、反応溶液から脱水剤及び脱水閉環触媒を除いたうえで液晶配向剤の調製に供してもよく、ポリイミドを単離した上で液晶配向剤の調製に供してもよく又は単離したポリイミドを精製した上で液晶配向剤の調製に供してもよい。反応溶液から脱水剤及び脱水閉環触媒を除く方法としては、例えば溶媒置換の方法等が挙げられる。ポリイミドの単離方法及び精製方法としては、例えばポリアミック酸の単離方法及び精製方法として例示したものと同様の方法等が挙げられる。

0143

[エチレン性不飽和化合物重合体]
[B]他の重合体としてのエチレン性不飽和化合物重合体は、公知のエチレン性不飽和化合物を公知の方法で重合させることにより得られる。例えば、(a)エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物(以下、「(a)不飽和化合物」と称することがある)と(b1)エチレン性不飽和カルボン酸及び/又は重合性不飽和多価カルボン酸無水物(以下、「(b1)不飽和化合物」と称することがある)と(a)不飽和化合物及び(b1)不飽和化合物以外の重合性不飽和化合物(以下、「(b2)不飽和化合物」と称することがある)とを共重合することで得られる。(この共重合により得られる共重合体を、以下、「(B1)共重合体」と称することがある)

0144

(a)不飽和化合物としては、例えば(メタ)アクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリルグリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシブチル、α−エチルアクリル酸3,4−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸6,7−エポキシヘプチル等が挙げられる。

0145

(b1)不飽和化合物としては、例えば
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α−エチルアクリル酸、α−n−プロピルアクリル酸、α−n−ブチルアクリル酸、マレイン酸フマル酸シトラコン酸メサコン酸イタコン酸等の不飽和カルボン酸類
無水マレイン酸無水イタコン酸無水シトラコン酸、シス−1,2,3,4−テトラヒドロフタル酸無水物等の不飽和多価カルボン酸無水物類等が挙げられる。

0146

(b2)不飽和化合物としては、例えば
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類;
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類
(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(以下、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルを「ジシクロペンタニル」という。)、(メタ)アクリル酸2−ジシクロペンタニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸イソボロニル等の(メタ)アクリル酸脂環式エステル類;
(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル類;
マレイン酸ジエチルフマル酸ジエチルイタコン酸ジエチル等の不飽和ジカルボン酸ジエステル類
N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジル)マレイミド等の不飽和ジカルボニルイミド誘導体
(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリニトリルシアン化ビニリデン等のシアン化ビニル化合物
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド化合物;
スチレンα−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレン等の芳香族ビニル化合物
インデン、1−メチルインデン等のインデン誘導体類;
1,3−ブタジエンイソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等の共役ジエン系化合物の他、塩化ビニル塩化ビニリデン酢酸ビニル等が挙げられる。

0147

(B1)共重合体において、(a)不飽和化合物に由来する構造単位の含有率としては、全構造単位に対して、10質量%〜70質量%が好ましく、20質量%〜60質量%がより好ましく、(b1)不飽和化合物に由来する構造単位の合計含有率としては、全構造単位に対して、5質量%〜40質量%が好ましく、10質量%〜30質量%がより好ましく、(b2)不飽和化合物に由来する構造単位の含有率としては、全構造単位に対して、10質量%〜70質量%が好ましく、20質量%〜50質量%がより好ましい。

0148

(B1)共重合体は、各不飽和化合物を、適当な溶媒及び重合開始剤の存在下、例えばラジカル重合によって合成することができる。有機溶媒としては、例えばポリアミック酸の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒と同様の有機溶媒等が挙げられる。

0149

重合開始剤としては、例えば
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物
ベンゾイルペルオキシドラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1’−ビス−(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物
過酸化水素
これらの過酸化物還元剤とからなるレドックス型開始剤等が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。

0150

[光配向性基を有さないポリオルガノシロキサン]
上記液晶配向剤は、[A]光配向性ポリオルガノシロキサン以外にも[B]他の重合体としての光配向性基を有さないポリオルガノシロキサンをさらに含有していてもよい。光配向性基を有さないポリオルガノシロキサンとしては、下記式(5)で表される構造単位を有するポリオルガノシロキサン、その加水分解物及び加水分解物の縮合物よりなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。なお、上記液晶配向剤が光配向性基を有さないポリオルガノシロキサンを含む場合、光配向性基を有さないポリオルガノシロキサンの大部分は、[A]光配向性ポリオルガノシロキサンとは独立して存在していればその一部は[A]光配向性ポリオルガノシロキサンとの縮合物として存在していても良い。

0151

0152

上記式(5)中、X2は水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜20のアリール基である。Y2は水酸基又は炭素数1〜10のアルコキシ基である。

0153

炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば直鎖状又は分岐状の、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等が挙げられる。

0154

炭素数1〜6のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基等が挙げられる。

0155

炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。

0156

光配向性基を有さないポリオルガノシロキサンは、例えばアルコキシシラン化合物及びハロゲン化シラン化合物からなる群より選択される少なくとも1種のシラン化合物(以下、「原料シラン化合物」と称することがある)を、好ましくは適当な有機溶媒中で、水及び触媒の存在下において加水分解又は加水分解・縮合することにより合成できる。

0157

原料シラン化合物としては、例えば
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラクロロシラン等;
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−iso−プロポキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、メチルトリ−sec−ブトキシシラン、メチルトリ−tert−ブトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ−n−プロポキシシラン、エチルトリ−iso−プロポキシシラン、エチルトリ−n−ブトキシシラン、エチルトリ−sec−ブトキシシラン、エチルトリ−tert−ブトキシシラン、エチルトリクロロシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリクロロシラン等;
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジクロロシラン等;
トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラントリメチルクロロシラン等が挙げられる。

0158

これらのうち、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン又はトリメチルエトキシシランが好ましい。

0159

光配向性基を有さないポリオルガノシロキサンを合成する際に、任意的に使用できる有機溶媒としては、例えば、アルコール化合物、ケトン化合物、アミド化合物、エステル化合物又はその他の非プロトン性化合物が挙げられる。これらは単独で又は2種以上組合せて使用できる。

0160

光配向性基を有さないポリオルガノシロキサンの合成に際して使用する水の量としては、原料シラン化合物の有するアルコキシ基及びハロゲン原子の合計1モルに対して、0.01モル〜100モルが好ましく、0.1モル〜30モルがより好ましく、1モル〜1.5モルが特に好ましい。

0161

光配向性基を有さないポリオルガノシロキサンの合成に際して使用できる触媒としては、例えば金属キレート化合物有機酸無機酸、有機塩基、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物アンモニア等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上組合せて使用できる。

0162

触媒の使用量としては、原料シラン化合物100質量部に対して0.001質量部〜10質量部が好ましく、0.001質量部〜1質量部がより好ましい。

0163

光配向性基を有さないポリオルガノシロキサンの合成に際して添加される水は、原料であるシラン化合物中又はシラン化合物を有機溶媒に溶解した溶液中に、断続的又は連続的に添加できる。触媒は、原料であるシラン化合物中又はシラン化合物を有機溶媒に溶解した溶液中に予め添加しておいてもよく、添加される水中に溶解又は分散させておいてもよい。

0164

光配向性基を有さないポリオルガノシロキサンの合成の際の反応温度としては、0℃〜100℃が好ましく、15℃〜80℃がより好ましい。反応時間としては、0.5時間〜24時間が好ましく、1時間〜8時間がより好ましい。

0165

上記液晶配向剤が、[B]他の重合体を含有する場合、[B]他の重合体の含有割合としては、[B]他の重合体の種類により異なるが、[A]光配向性ポリオルガノシロキサン100質量部に対して10,000質量部以下が好ましく、5,000質量部以下がより好ましく、2,000質量部以下がさらに好ましい。

0166

<[C]エステル構造含有化合物>
上記液晶配向剤は[C]エステル構造含有化合物を含むことにより、耐熱性等に優れる液晶配向膜を形成し得る。また、上記液晶配向剤に[C]エステル構造含有化合物を含有させることにより、液晶配向膜をより低温で焼成することが可能になるので、液晶配向膜を形成する基板の選択の幅が広がる。

0167

[C]エステル構造含有化合物は、分子内にカルボン酸のアセタールエステル構造、カルボン酸のケタールエステル構造、カルボン酸の1−アルキルシクロアルキルエステル構造及びカルボン酸のt−ブチルエステル構造からなる群より選択される1種又は2種以上を有し、この構造が1種の場合は複数有する化合物である。すなわち、[C]エステル構造含有化合物は、これらの構造のうちの同じ種類の構造を2個以上有する化合物であってもよく、これらの構造のうちの異なる種類の構造を合わせて2個以上有する化合物であってもよい。上記カルボン酸のアセタールエステル構造を含む基としては、下記式(C−1)及び式(C−2)で表される基が挙げられる。

0168

(式(C−1)中、R13及びR14はそれぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜10の脂環式基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数7〜10のアラルキル基である。
式(C−2)中、n1は2〜10の整数である。)

0169

上記式(C−1)におけるR13において、炭素数1〜20のアルキル基としてはメチル基が好ましく、炭素数3〜10の脂環式基としてはシクロヘキシル基が好ましく、炭素数6〜10のアリール基としてはフェニル基が好ましく、炭素数7〜10のアラルキル基としてはベンジル基が好ましい。R14の炭素数1〜20のアルキル基としては炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数3〜10の脂環式基としては炭素数6〜10の脂環式基が好ましく、炭素数6〜10のアリール基としてはフェニル基が好ましく、炭素数7〜10のアラルキル基としてはベンジル基又は2−フェニルエチル基が好ましい。式(C−2)におけるn1としては、3又は4が好ましい。

0170

上記式(C−1)で表される基としては、例えば1−メトキシエトキシカルボニル基、1−エトキシエトキシカルボニル基、1−n−プロポキシエトキシカルボニル基、1−n−ブトキシエトキシカルボニル基、1−i−ブトキシエトキシカルボニル基、1−sec−ブトキシエトキシカルボニル基、1−t−ブトキシエトキシカルボニル基、1−シクロヘキシルオキシエトキシカルボニル基、1−ノルボルニルオキシエトキシカルボニル基、1−フェノキシエトキシカルボニル基、(シクロヘキシル)(メトキシ)メトキシカルボニル基、(シクロヘキシル)(シクロヘキシルオキシ)メトキシカルボニル基、(シクロヘキシル)(フェノキシ)メトキシカルボニル基、(シクロヘキシル)(ベンジルオキシ)メトキシカルボニル基、(フェニル)(メトキシ)メトキシカルボニル基、(フェニル)(シクロヘキシルオキシ)メトキシカルボニル基、(フェニル)(フェノキシ)メトキシカルボニル基、(フェニル)(ベンジルオキシ)メトキシカルボニル基、(ベンジル)(メトキシ)メトキシカルボニル基、(ベンジル)(シクロヘキシルオキシ)メトキシカルボニル基、(ベンジル)(フェノキシ)メトキシカルボニル基、(ベンジル)(ベンジルオキシ)メトキシカルボニル基等が挙げられる。

0171

上記式(C−2)で表される基としては、例えば2−テトラヒドロフラニルオキシカルボニル基、2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニル基等が挙げられる。

0172

これらのうち、1−エトキシエトキシカルボニル基、1−n−プロポキシエトキシカルボニル基、1−シクロヘキシルオキシエトキシカルボニル基、2−テトラヒドロフラニルオキシカルボニル基、2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニル基が好ましい。

0173

上記カルボン酸のケタールエステル構造を含む基としては、例えば下記式(C−3)〜(C−5)で表される基が挙げられる。

0174

(式(C−3)中、R15は炭素数1〜12のアルキル基である。R16及びR17はそれぞれ独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜20の脂環式基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基である。
式(C−4)中、R18は炭素数1〜12のアルキル基である。n2は2〜8の整数である。
式(C−5)中、R19は炭素数1〜12のアルキル基である。n3は2〜8の整数である。)

0175

上記式(C−3)におけるR15の炭素数1〜12のアルキル基としてはメチル基が好ましく、R16における炭素数1〜12のアルキル基としてはメチル基が好ましく、炭素数3〜20の脂環式基としてはシクロヘキシル基が好ましく、炭素数6〜20のアリール基としてはフェニル基が好ましく、炭素数7〜20のアラルキル基としてはベンジル基が好ましい。R17における炭素数7〜20のアルキル基としては炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。炭素数3〜20の脂環式基としては炭素数6〜10の脂環式基が好ましい。炭素数6〜20のアリール基としてはフェニル基が好ましい。炭素数7〜20のアラルキル基としてはベンジル基又は2−フェニルエチル基が好ましい。式(C−4)におけるR18の炭素数1〜12のアルキル基としてはメチル基が好ましい。n2としては3又は4が好ましい。式(C−5)におけるR19の炭素数1〜12のアルキル基としてはメチル基が好ましい。n3としては3又は4が好ましい。

0176

上記式(C−3)で表される基としては、例えば1−メチル−1−メトキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−n−プロポキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−n−ブトキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−i−ブトキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−sec−ブトキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−t−ブトキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−シクロヘキシルオキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−ノルボルニルオキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−フェノキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−ベンジルオキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−フェネチルオキシエトキシカルボニル基、1−シクロヘキシル−1−メトキシエトキシカルボニル基、1−シクロヘキシル−1−シクロヘキシルオキシエトキシカルボニル基、1−シクロヘキシル−1−フェノキシエトキシカルボニル基、1−フェニル−1−メトキシエトキシカルボニル基、1−フェニル−1−エトキシエトキシカルボニル基、1−フェニル−1−フェノキシエトキシカルボニル基、1−フェニル−1−ベンジルオキシエトキシカルボニル基、1−ベンジル−1−メトキシエトキシカルボニル基、1−ベンジル−1−シクロヘキシルオキシエトキシカルボニル基、1−ベンジル−1−フェノキシエトキシカルボニル基、1−ベンジル−1−ベンジルオキシエトキシカルボニル基等が挙げられる。

0177

上記式(C−4)で表される基としては、例えば2−(2−メチルテトラヒドロフラニル)オキシカルボニル基、2−(2−メチルテトラヒドロピラニル)オキシカルボニル基等が挙げられる。

0178

上記式(C−5)で表される基としては、例えば1−メトキシシクロペンチルオキシカルボニル基、1−メトキシシクロヘキシルオキシカルボニル基等が挙げられる。

0179

これらのうち、1−メチル−1−メトキシエトキシカルボニル基、1−メチル−1−シクロヘキシルオキシエトキシカルボニル基が好ましい。

0180

上記カルボン酸の1−アルキルシクロアルキルエステル構造を含む基としては、例えば下記式(C−6)で表される基が挙げられる。

0181

(式(C−6)中、R20は炭素数1〜12のアルキル基である。n4は1〜8の整数である。)

0182

上記式(C−6)におけるR20の炭素数1〜12のアルキル基としては炭素数1〜10のアルキル基が好ましい。

0183

上記式(C−6)で表される基としては、例えば1−メチルシクロプロポキシカルボニル基、1−メチルシクロブトキシカルボニル基、1−メチルシクロペントキシカルボニル基、1−メチルシクロへキシロキシカルボニル基、1−メチルシクロデシロキシカルボニル基、1−エチルシクロブトキシカルボニル基、1−エチルシクロペントキシカルボニル基、1−エチルシクロヘキシロキシカルボニル基、1−エチルシクロデシロキシカルボニル基、1−(イソ)プロピルシクロプロポキシカルボニル基、1−(イソ)プロピルシクロブトキシカルボニル基、1−(イソ)プロピルシクロデシロキシカルボニル基、1−(イソ)ブチルシクロブトキシカルボニル基、1−(イソ)ブチルシクロペントキシカルボニル基、1−(イソ)ブチルシクロヘキシロキシカルボニル基、1−(イソ)ブチルシクロヘプチロシカルボニル基、1−(イソ)ブチルシクロデシロキシカルボニル基、1−(イソ)ペンチルシクロヘプチロキシカルボニル基、1−(イソ)ペンチルシクロオクチロキシカルボニル基、1−(イソ)ヘキシルシクロプロポキシカルボニル基、1−(イソ)ヘキシルシクロブトキシカルボニル基、1−(イソ)ヘキシルシクロペントキシカルボニル基、1−(イソ)ヘキシルシクロヘキシロキシカルボニル基、1−(イソ)ヘキシルシクロノニロキシカルボニル基、1−(イソ)ヘキシルシクロデシロキシカルボニル基、1−(イソ)オクチルシクロプロポキシカルボニル基、1−(イソ)オクチルシクロブトキシカルボニル基、1−(イソ)オクチルシクロペントキシカルボニル基、1−(イソ)オクチルシクロヘキシロキシカルボニル基、1−(イソ)オクチルシクロヘプチロキシカルボニル基、1−(イソ)オクチルシクロオクチロキシカルボニル基、1−(イソ)オクチルシクロデシロキシカルボニル基等を挙げることができる。

0184

上記カルボン酸のt−ブチルエステル構造を含む基とは、t−ブトキシカルボニル基である。

0185

本発明における[C]エステル構造含有化合物としては、下記式(C)で表される化合物が好ましい。

0186

TnR (C)
(式(C)中、Tは上記式(C−1)〜(C−6)のいずれかで表される基若しくはt−ブトキシカルボニル基であり、nが2であってRが単結合であるか、又はnが2〜10の整数であってRが炭素数3〜10の複素環化合物から水素を除去して得られるn価の基若しくは炭素数1〜18のn価の炭化水素基である。)

0187

nは、2又は3が好ましい。

0188

上記式(C)におけるRとしてはnが2である場合としては単結合、炭素数1〜12のアルカンジイル基、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、2,6−ナフタレニル基、5−ナトリウムスルホ−1,3−フェニレン基、5−テトラブチルホスホニウムスルホ−1,3−フェニレン基等が挙げられる。

0189

nが3である場合、上記Rとしては下記式で表される基、ベンゼン−1,3,5−トリイル基等が挙げられる。

0190

0191

上記アルカンジイル基としては、直鎖状が好ましい。

0192

上記式(C)で表される[C]エステル構造含有化合物は、有機化学の定法により、又は有機化学の定法を適宜に組み合わせることにより合成できる。

0193

例えば上記式(C)におけるTが上記式(C−1)で表される基である化合物(但し、R13がフェニル基である場合を除く)は、好ましくはリン酸触媒の存在下で化合物R−(COOH)n(但し、R及びnは、それぞれ上記式(C)と同義である)及び化合物R14−O−CH=R13’(但し、R14は上記式(C−1)と同義である。R13’は上記式(C−1)におけるR13の一位炭素から水素原子を除去して得られる基である)を付加することにより合成できる。

0194

上記式(C)におけるTが上記式(C−2)で表される基である化合物は、好ましくはp−トルエンスルホン酸触媒の存在下で、化合物R−(COOH)n(但し、R及びnは上記式(C)と同義である)及び下記式で表される化合物を付加することにより合成できる。

0195

(式中、n1は上記式(C−2)と同義である。)

0196

上記液晶配向剤中の[C]エステル構造含有化合物の含有量としては、要求される耐熱性等を考慮して決めれば特に限定されないが、[A]光配向性ポリオルガノシロキサン100質量部に対して[C]エステル構造含有化合物0.1質量部〜50質量部が好ましく、1質量部〜20質量部がより好ましく、2質量部〜10質量部が特に好ましい。

0197

<その他の任意成分>
上記液晶配向剤は、上記の他に、本発明の効果を損なわない範囲で硬化剤硬化触媒、硬化促進剤、分子内に少なくとも一つのエポキシ基を有する化合物(以下、「エポキシ化合物」と称することがある)、官能性シラン化合物界面活性剤光増感剤等を含有できる。以下、これらのその他の任意成分について詳述する。

0198

[硬化剤、硬化触媒及び硬化促進剤]
硬化剤及び硬化触媒は、[A]光配向性ポリオルガノシロキサンの架橋反応をより強固にする目的で上記液晶配向剤に含有できる。また、上記硬化促進剤は、硬化剤の司る硬化反応を促進する目的で上記液晶配向剤に含有できる。

0199

硬化剤としては、エポキシ基を有する硬化性化合物又はエポキシ基を有する化合物を含有する硬化性組成物硬化用として一般に用いられている硬化剤を用いることができ、例えば多価アミン、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸等が挙げられる。

0200

多価カルボン酸無水物としては、例えばシクロヘキサントリカルボン酸の無水物及びその他の多価カルボン酸無水物等が挙げられる。シクロヘキサントリカルボン酸無水物としては、例えばシクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸、シクロヘキサン−1,3,5−トリカルボン酸、シクロヘキサン−1,2,3−トリカルボン酸、シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物、シクロヘキサン−1,3,5−トリカルボン酸−3,5−無水物、シクロヘキサン−1,2,3−トリカルボン酸−2,3−酸無水物等が挙げられる。

0201

その他の多価カルボン酸無水物としては、例えば4−メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルナジック酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、無水こはく酸、無水マレイン酸、無水フタル酸無水トリメリット酸、下記式(6)で表される化合物、及びポリアミック酸の合成に一般に用いられるテトラカルボン酸二無水物の他、α−テルピネンアロオシメン等の共役二重結合を有する脂環式化合物と無水マレイン酸とのディールスアルダー反応生成物及びこれらの水素添加物等が挙げられる。

0202

(式(6)中、pは1〜20の整数である。)

0203

硬化触媒としては、例えばジアゾニウム塩ヨードニウム塩スルホニウム塩アルミニウムアルコレートアルミニウムキレート等が挙げられる。市販品としては、AMERICURE(BF4)(ACC製のジアゾニウム塩)、ULTRASET(BF4,PF6)(旭電化工業製のジアゾニウム塩)、UVEシリーズ(GE製のヨードニウム塩)、Photoinitiator2074((C6F6)4B)(ローヌ・プーラン製のヨードニウム塩)、CYRACURE UVI−6974、CYRACURE UVI−6990(以上、UCC製のスルホニウム塩)、UVI−508、UVI−509(以上、GE製のスルホニウム塩)、OPTOMER SP−150、OPTOMER SP−170(旭電化工業製のスルホニウム塩)、サンエイド SI−60L、サンエイド SI−80L、サンエイド SI−100L(以上、三新化学工業製のスルホニウム塩)、IRUGACURE 261(チバガイギー製メタロセン化合物)、アルミキレートA(W)(川研ファインケミカル製)等が挙げられる。これらの硬化触媒は、単独でも2種類以上の混合物であってもよい。

0204

硬化触媒の使用割合としては、[A]光配向性ポリオルガノシロキサン100質量部に対して、20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。上記液晶配向剤が硬化触媒を含有する場合、その含有割合としては、上記の[A]光配向性ポリオルガノシロキサンと任意的に使用される[B]他の重合体の合計100質量部に対して、30質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましい。

0205

これらの硬化触媒のうち、スルホニウム塩、アルミニウムキレートが好ましく、スルホニウム塩のうち、アニオン種として6フッ化アンチモン、6フッ化リン等を含む化合物がより好ましい。これらのスルホニウム塩としては、例えばメチルフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモン塩、エチルフェニルジメチルスルホニウムのヘキサフルオロアンチモン塩、メチルフェニルジメチルスルホニウムのヘキサフルオロホスフェート塩等が挙げられる。これらのスルホニウム塩は、単独でも2種類以上の混合物であってもよい。これらのスルホニム塩の市販品としては、サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−100L(以上、三新化学工業製)、UVI−6990、UVI−6992、UVI−6974(以上、ユニオンカーバイド製)、アデカオプトマーSP−150、アデカオプトマーSP−170、アデカオプトンCP−66、アデカオプトンCP−77(以上、旭電化工業製)、IRGACURE 261(チバガイギー製)等が挙げられる。

0206

硬化促進剤としては、例えば
イミダゾール化合物;
級リン化合物
級アミン化合物
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7やその有機酸塩の如きジアザビシクロアルケン;
オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、アルミニウムアセチルアセトン錯体の如き有機金属化合物;
三フッ化ホウ素、ホウ酸トリフェニルの如きホウ素化合物;塩化亜鉛、塩化第二錫の如き金属ハロゲン化合物;
ジシアンジアミド、アミンとエポキシ樹脂との付加物の如きアミン付加型促進剤等の高融点分散型潜在性硬化促進剤;
4級フォスフォニウム塩等の表面をポリマーで被覆したマイクロカプセル型潜在性硬化促進剤;
アミン塩型潜在性硬化促進剤;
ルイス酸塩、ブレンステッド酸塩の如き高温解離型の熱カチオン重合型潜在性硬化促進剤等が挙げられる。

0207

硬化促進剤の使用割合としては、[A]光配向性ポリオルガノシロキサン100質量部に対して、10質量部以下が好ましい。

0208

上記液晶配向剤が硬化剤及び硬化触媒を含有する場合、その含有割合としては、上記の[A]光配向性ポリオルガノシロキサンと任意的に使用される[B]他の重合体の合計100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、1質量部以下がより好ましい。

0209

[エポキシ化合物]
エポキシ化合物は、形成される液晶配向膜の基板表面に対する接着性をより向上する目的で上記液晶配向剤に含有できる。

0210

エポキシ化合物としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテルポリエチレングリコールジグリシジルエーテルプロピレングリコールジグリシジルエーテルトリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N−ジグリシジル−ベンジルアミン、N,N−ジグリシジル−アミノメチルシクロヘキサン等が挙げられる。

0211

エポキシ化合物の含有割合としては、[A]光配向性ポリオルガノシロキサンと任意に含有される[B]他の重合体との合計100質量部に対して、40質量部以下が好ましく、0.1質量部〜30質量部がより好ましい。なお、上記液晶配向剤がエポキシ化合物を含有する場合、架橋反応を効率良く起こす目的で、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール等の塩基触媒を併用してもよい。

0212

[官能性シラン化合物]
上記官能性シラン化合物は、形成される液晶配向膜の基板表面に対する接着性を向上する目的で使用できる。

0213

官能性シラン化合物としては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、テトラカルボン酸二無水物とアミノ基を有するシラン化合物との反応物等の他、特開昭63−291922号公報に記載されている、テトラカルボン酸二無水物とアミノ基を有するシラン化合物との反応物等が挙げられる。

0214

官能性シラン化合物の含有割合としては、[A]光配向性ポリオルガノシロキサンと任意に含有される[B]他の重合体との合計100質量部に対して、50質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましい。

0216

界面活性剤の使用割合としては、上記液晶配向剤の全体100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、1質量部以下がより好ましい。

0217

[光増感剤]
上記液晶配向剤に含有され得る光増感性剤は、カルボキシル基、水酸基、−SH、−NCO、−NHR(但し、Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である)、−CH=CH2及びSO2Clからなる群より選択される少なくとも1種の基並びに光増感性構造を有する化合物である。上記エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンと、特定桂皮酸誘導体及び光増感性剤の混合物とを反応させることにより、上記液晶配向剤に含有される[A]光配向性ポリオルガノシロキサンは、特定桂皮酸誘導体に由来する感光性構造(桂皮酸構造)と光増感性剤に由来する光増感性構造とを併有することとなる。この光増感性構造は、光の照射により励起し、この励起エネルギーを重合体内で近接する感光性構造に与える機能を有する。この励起状態一重項であってもよく、三重項であってもよいが、長寿命や効率的なエネルギー移動に鑑み、三重項であることが好ましい。上記光増感性構造が吸収する光は、波長150nm〜600nmの範囲の紫外線又は可視光線であることが好ましい。波長が上記下限より短い光は、通常の光学系で取り扱うことができないため、光配向法に好適に用いることができない。一方、上記上限より波長の長い光は、エネルギーが小さく、上記光増感性構造の励起状態を誘起し難い。

0218

かかる光増感性構造としては、例えばアセトフェノン構造、ベンゾフェノン構造アントラキノン構造ビフェニル構造カルバゾール構造ニトロアリール構造、フルオレン構造ナフタレン構造アントラセン構造、アクリジン構造、インドール構造等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。これらの光増感性構造は、それぞれ、アセトフェノン、ベンゾフェノン、アントラキノン、ビフェニル、カルバゾール、ニトロベンゼンもしくはジニトロベンゼンナフタレン、フルオレン、アントラセン、アクリジン又はインドールから、1〜4個の水素原子を除去して得られる基からなる構造をいう。ここで、アセトフェノン構造、カルバゾール構造及びインドール構造のそれぞれは、アセトフェノン、カルバゾール又はインドールのベンゼン環が有する水素原子のうちの1〜4個を除去して得られる基からなる構造であることが好ましい。これらの光増感性構造のうち、アセトフェノン構造、ベンゾフェノン構造、アントラキノン構造、ビフェニル構造、カルバゾール構造、ニトロアリール構造及びナフタレン構造からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、アセトフェノン構造、ベンゾフェノン構造及びニトロアリール構造からなる群より選択される少なくとも1種であることが特に好ましい。

0219

光増感性剤としては、カルボキシル基及び光増感性構造を有する化合物であることが好ましく、さらに好ましい化合物として、例えば下記式(H−1)〜(H−10)で表される化合物等が挙げられる。

0220

(式中、qは1〜6の整数である。)

0221

本発明で使用される光配向性ポリオルガノシロキサン化合物は、上記のエポキシ基を有するポリオルガノシロキサン及び特定桂皮酸誘導体に加え、光増感性剤を合わせて、好ましくは触媒の存在下において、好ましくは有機溶媒中で反応させることにより合成してもよい。

0222

この場合、特定桂皮酸誘導体の使用量としては、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンのケイ素原子1モルに対して、0.001モル〜10モルが好ましく、0.01モル〜5モルがより好ましく、0.05モル〜2モルが特に好ましい。光増感性剤の使用量としては、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンのケイ素原子1モルに対して、0.0001モル〜0.5モルが好ましく、0.0005モル〜0.2モルがより好ましく、0.001モル〜0.1モルが特に好ましい。

0223

<液晶配向剤の調製方法
上記液晶配向剤は、上述の通り、例えば、[A]光配向性ポリオルガノシロキサンを含有し、必要に応じて好適成分、その他の任意成分を含有することができるが、好ましくは各成分が有機溶媒に溶解された溶液状の組成物として調製される。

0224

有機溶媒としては、[A]光配向性ポリオルガノシロキサン及び任意に使用される他の成分を溶解し、これらと反応しないものが好ましい。上記液晶配向剤に好ましく使用できる有機溶媒としては、任意に含有される他の重合体の種類により異なる。

0225

上記液晶配向剤が[A]光配向性ポリオルガノシロキサンと、[B]他の重合体を含有するものである場合における好ましい有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒が挙げられる。これらの有機溶媒は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。

0226

上記液晶配向剤の調製に用いられる好ましい溶媒は、他の重合体の使用の有無及びその種類に従い、上記した有機溶媒の1種又は2種以上を組み合わせて得られる。このような溶媒は、下記の好ましい固形分濃度において液晶配向剤に含有される各成分が析出せず、且つ液晶配向剤の表面張力が25mN/m〜40mN/mの範囲となるものである。

0227

上記液晶配向剤の固形分濃度、すなわち上記液晶配向剤中の溶媒以外の全成分の質量が液晶配向剤の全質量に占める割合は、粘性揮発性等を考慮して選択されるが、好ましくは1質量%〜10質量%である。固形分濃度が1質量%未満では、上記液晶配向剤から形成される液晶配向膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜が得られない場合がある。一方、固形分濃度が10質量%を超えると、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜を得られない場合があり、また、液晶配向剤の粘性が増大して塗布特性不足する場合がある。好ましい固形分濃度の範囲は、基板に液晶配向剤を塗布する際に採用する方法によって異なる。例えばスピンナー法による場合の固形分濃度の範囲としては、1.5質量%〜4.5質量%が好ましい。印刷法による場合、固形分濃度を3質量%〜9質量%の範囲とし、それによって溶液粘度を12mPa・s〜50mPa・sの範囲とすることが好ましい。インクジェット法による場合、固形分濃度を1質量%〜5質量%の範囲とし、それによって溶液粘度を3mPa・s〜15mPa・sの範囲とすることが好ましい。

0228

上記液晶配向剤を調製する際の温度としては、0℃〜200℃が好ましく、0℃〜40℃がより好ましい。

0229

<光指向性制御ユニットの製造方法>
本発明の光指向性制御ユニットは、例えば以下のようにして製造できる。本発明の光指向性制御ユニットの製造方法は、
透明基板と、この透明基板の表面側に対向配設され、裏面にレンチキュラーレンズアレイを有するレンチキュラー層と、このレンチキュラー層の裏面に積層される液晶配向膜と、この液晶配向膜を介してレンチキュラー層の裏面側に積層される液晶レンズ層とを備える光指向性制御ユニットの製造方法であって、
(1)レンチキュラー層の裏面に感放射線性液晶配向剤を塗布し、塗膜を形成する工程、
(2)上記塗膜への放射線の照射により液晶配向膜を形成する工程、及び
(3)この液晶配向膜及び透明基板間に液晶レンズ層を形成する工程
を有する。

0230

(1)工程及び(2)工程では、感放射線性液晶配向剤により液晶配向膜を形成する。

0231

<液晶配向膜の形成方法
当該光指向性制御ユニットにおいて、液晶配向膜15、16を形成する方法としては、例えば、レンチキュラー層13の裏面のレンチキュラーレンズアレイが形成された面上、及び透明基板12の表面上に、感放射線性液晶配向膜の塗膜を形成し、次いでこの塗膜に光配向法により液晶配向能を付与する方法が挙げられる。

0232

液晶配向膜は、上記液晶配向剤を利用して、例えば次の方法によって製造できる。上記液晶配向剤を、例えば、スプレーコーティング法スリットコーティング法ロールコーター法、スピンナー法、印刷法、インクジェット法、蒸着法等の適宜の塗布方法により基板に塗布する。次に、該塗布面を予備加熱プレベーク)し、次いでポストベークすることにより塗膜を形成する。プレベーク条件としては、例えば40℃〜120℃において0.1分〜5分である。ポストベーク条件としては、120℃〜300℃が好ましく、130℃〜220℃がより好ましく、5分〜200分が好ましく、10分〜100分がより好ましい。ポストベーク後の塗膜の膜厚は、好ましくは0.001μm〜1μmであり、より好ましくは0.005μm〜0.5μmである。

0233

上記液晶配向剤の塗布に際しては、塗膜を形成する各層と塗膜との接着性をさらに良好にするために基板上に予め官能性シラン化合物、チタネート等を塗布しておいてもよい。

0234

次いで、上記塗膜に直線偏光若しくは部分偏光された放射線又は無偏光の放射線を照射することにより、液晶配向能を付与する。放射線としては、例えば150nm〜800nmの波長の光を含む紫外線及び可視光線を用いることができるが、300nm〜400nmの波長の光を含む紫外線が好ましい。用いる放射線が直線偏光又は部分偏光している場合には、照射は基板面に垂直の方向から行っても、プレチルト角を付与するために斜め方向から行ってもよく、また、これらを組み合わせて行ってもよい。無偏光の放射線を照射する場合には、照射の方向は斜め方向である必要がある。なお、本明細書における「プレチルト角」とは、基板面と平行な方向からの液晶分子の傾きの角度をいう。

0235

使用する光源としては、例えば低圧水銀ランプ高圧水銀ランプ重水素ランプメタルハライドランプアルゴン共鳴ランプキセノンランプエキシマーレーザー水銀−キセノンランプ(Hg−Xeランプ)等が挙げられる。上記の好ましい波長領域の紫外線は、上記光源を、例えばフィルター回折格子等と併用する手段等により得られる。

0236

放射線の照射量としては、1J/m2以上10,000J/m2未満が好ましく、10J/m2〜3,000J/m2がより好ましい。なお、従来知られている液晶配向剤から形成される塗膜に光配向法により液晶配向能を付与する場合、10,000J/m2以上の放射線照射量が必要であるところ、上記液晶配向剤を用いると、光配向法の際の放射線照射量が3,000J/m2以下、さらに1,000J/m2以下であっても良好な液晶配向能を付与でき液晶表示素子の製造コストの削減に資する。

0237

(3)工程では、液晶配向膜15と透明基板12との間(液晶配向膜15、16間)に液晶レンズ層を形成する。(3)工程を行う方法としては、例えば、(A)液晶配向膜15と透明基板12との間とを接合して空間を形成させ、この空間に液晶材料を充填させて液晶レンズ層14を形成させる方法、(B)液晶配向膜15に隣接させて液晶材料を用い液晶レンズ層14を形成させた後に、透明基板12を配設させる方法等が挙げられる。

0238

上記方法(A)の場合、(3)工程は、
(3−1)この液晶配向膜と透明基板とを対向配設させ、これらに挟まれた空間を形成する工程、及び
(3−2)この空間に液晶材料を充填し、液晶レンズ層を形成する工程
を有する。

0239

上記(3−1)工程では、液晶配向膜15と透明基板12とを対向配設して接合することにより、液晶配向膜15と透明基板12との間(液晶配向膜15、16間)に挟まれた空間を形成する。

0240

レンチキュラー層13と透明基板12等を接合する方法としては、特に限定されないが、接着剤を用いる方法、粘着剤を用いる方法、ヒートシール法、エキシマUVを用いる方法等が挙げられる。上記接着剤としては、アクリル系接着剤等が好適に用いられる。

0241

上記(3−2)工程では、液晶配向膜15、16間の空間に、液晶材料を充填し、液晶レンズ層14を形成させる。

0242

上記液晶材料としては、液状の高分子液晶、重合性液晶、非重合性液晶等が挙げられる。液晶材料として重合性液晶を用いる場合には、後述するように、重合性液晶を重合させることが必要となる。

0243

液晶材料を充填する方法としては、例えば、液晶配向膜15、16間の空間を減圧とし、液晶材料を吸引する方法、液晶配向膜15、16間の空間を液晶材料中に浸漬して、毛細管現象等により液晶材料を充填させる方法、液晶材料を液晶配向膜15、16間の空間に注入する方法等が挙げられる。

0244

上記方法(B)の場合、(3)工程は、
(3−1’)この液晶配向膜の裏面側に液晶材料を塗布し、液晶レンズ層を形成する工程、及び
(3−2’)この液晶レンズ層の裏面側に透明基板を配設する工程
を有する。

0245

上記(3−1’)では、液晶配向膜15の裏面側に液晶材料を塗布し、液晶レンズ層14を形成させる。この液晶材料としては、例えば、上記(3−1)工程で用いられる液晶材料の例等が挙げられる。

0246

液晶材料を液晶配向膜15の裏面側に塗布する方法としては、例えば、ピペットを用いて滴下する方法、ハケを用いる方法、スプレーコーティングによる方法、ロールコーティングによる方法等が挙げられる。

0247

上記(3−2’)では、上記形成した液晶レンズ層14の裏面側に透明基板12を配設し、例えば、レンチキュラー層13と透明基板12とを接合させる。この接合する方法としては、例えば、上記(3−1’)工程におけるレンチキュラー層13と透明基板12とを接合する方法の例等が挙げられる。

0248

上記(3−2)工程及び(3−1’)工程において、液晶材料として重合性材料を用いる場合には、加熱及び/又は非偏光の放射線照射等により重合性液晶を重合させる。すなわち、この場合、
上記(3−2)工程は、
(3−2−1)この空間に重合性液晶を吸入する工程、及び
(3−2−2)この重合性液晶を重合させて液晶レンズ層を形成する工程
を有する。
また、上記(3−1’)工程は、
(3−1’−1)この液晶配向膜の裏面側に重合性液晶を塗布する工程、及び
(3−1’−2)この重合性液晶を重合させて液晶レンズ層を形成する工程
を有する。

0249

上記重合性液晶としては、加熱又は放射線照射によって重合できる化合物であれば特に限定されない。例えば、UVキュアラブル液晶とその応用(液晶第3巻 第1号 1999年 第34頁〜第42頁参照)に記載されているようなネマティック液晶化合物でも良く、複数の化合物との混合物でも良い。また公知の光重合開始剤又は熱重合開始剤を含んでいても良い。これらの重合性液晶化合物やその混合物は適切な溶媒に溶解して使用できる。さらに、カイラル剤等を加えることで基板に垂直方向ねじれツイストネマティック配向をする液晶や、コレステリック液晶を用いても良く、ディスコティック液晶を用いても良い。

0250

重合性液晶を加熱する場合の温度としては、良好な配向が得られる温度を選択する。例えば、メルク製重合性液晶、RMS03−013Cを使用した場合では40℃〜80℃の範囲で選択される。

0251

上記放射線を照射する場合の放射線としては、例えば非偏光の紫外線等が挙げられる。放射線の照射量としては、1,000J/m2〜100,000J/m2未満が好ましく、10,000J/m2〜50,000J/m2がより好ましい。

0252

上記重合性液晶の重合は空気下で行ってもよく、窒素等の不活性ガス雰囲気下で行ってもよく、用いる重合性液晶の重合性基開始剤によって適した条件を選択できる。

0253

このようにして得られた光指向性制御ユニットにおいては、均一性の高い配向状態で重合性液晶を固定化できる。従って、得られた光指向性制御ユニットは、液晶レンズ層の配向均一性に優れるので、当該光指向性制御ユニットを備える2D/3D切替可能表示モジュールは、解像度等の表示精度を高めることができる。

0254

<2D/3D切替可能表示モジュール>
本発明には、当該光指向性制御ユニットを備える切替可能表示モジュールも好適に含まれる。

0255

本発明の第1実施形態に係る光指向性制御ユニット1を備える2D/3D切替可能表示モジュール71について、図5を参照しつつ、以下説明する。2D/3D切替可能表示モジュール71は、上述した光指向性制御ユニット1と、表示パネル31と、液晶スイッチユニット41とを備えている。表示パネル31は、液晶等による通常の表示装置(表示パネル本体)に加えて、入射光偏光子61、及び出射光偏光子62が含まれる。

0256

表示パネル31(表示パネル本体)は、上記光指向性制御ユニット1の裏面側(視聴者の反対側)に配置されており、表示パネル本体裏面側には、入射光偏光子61が取り付けられている。表示パネル31は、液晶表示装置において通常用いられるものであり、例えば、裏面側に設けられたバックライトから光を画素ごとに透過の制御を行い得る液晶パネルから構成される。

0257

液晶スイッチユニット41は、光指向性制御ユニット1の表面側(視聴者側)に配置されている。また、液晶スイッチユニット41は、対向配置される一対のスイッチ透明基板51、52と、これら透明基板の内側に隣接して対向配置される一対の透明電極層53、54と、これら透明導電層の内側に挟持されるスイッチ液晶層55とを備える。

0258

上記液晶スイッチユニット41は、一対の透明電極層53、54の間の電圧印可の有無によって、円偏光の回転が0°と90°との間で切り替えることができる。

0259

入射光偏光子61は、振動方向がx方向である偏光のみを通過させるように配置されている。また、出射光偏光子62は、振動方向がx方向である偏光のみを通過させるように配置されている。なお、出射光偏光子62は、上記液晶スイッチユニット41の視聴者側に配されている。

0260

当該2D/3D切替可能表示モジュールは、上記の構成を有しているので、液晶スイッチユニット41の一対の透明電極層53、54に電圧印可をしない場合は、液晶スイッチユニット41において偏光面の回転がないため、表示パネル31から光指向性制御ユニット1に入射するx方向に振動する偏光が、出射光偏光子62から出射する。この偏光に対しては、光指向性制御ユニット1は、通過型の光指向性を発揮するため、当該表示モジュールは、2D表示用とすることができる。また、液晶スイッチユニット41の一対の透明電極層53、54に電圧印可する場合は、液晶スイッチユニット41において偏光面が90°回転させることができる。従って、表示パネル31から光指向性制御ユニット1に入射するz方向に振動する偏光が、出射光偏光子62から出射する。この偏光に対しては、光指向性制御ユニット1は、屈折型の光指向性を発揮するため、当該表示モジュールは、3D表示用とすることができる。このように、2D/3D切替可能表示モジュール71によれば、2D及び3D表示をそれぞれ切り替えて表示させることができる。

0261

本発明の第2実施形態の光指向性制御ユニット2を備える2D/3D切替可能表示モジュール72について、図6を参照しつつ、以下説明する。2D/3D切替可能表示モジュール72は、上述した光指向性制御ユニット2と、表示パネル31とを備えている。表示パネル本体は、光指向性制御ユニット2の裏面側に、表示パネルの一部である入射光偏光子61は、表示パネル本体の裏面側に、出射光偏光子62は、光指向性制御ユニット2の表面側にそれぞれ配設される。なお、同一符号である場合、説明を省略する。

0262

本発明の第3実施形態の光指向性制御ユニット3を備える2D/3D切替可能表示モジュール73について、図7を参照しつつ、以下説明する。2D/3D切替可能表示モジュール73は、上述した光指向性制御ユニット3と、表示パネル31を備えている。表示パネル31は、光指向性制御ユニット3の裏面側に配設されている。表示パネル31に含まれる入射光偏光子61と、出射光偏光子62とは、表示パネル31(表示パネル本体)の裏面側と表面側にそれぞれ配設される。

0263

本発明の第4実施形態の光指向性制御ユニット4を備える2D/3D切替可能表示モジュール74について、図8を参照しつつ、以下説明する。2D/3D切替可能表示モジュール74は、上述した光指向性制御ユニット4と、表示パネル31とを備えている。表示パネル31は、光指向性制御ユニット4の裏面側に配設されている。表示パネル31に含まれる入射光偏光子61は、表示パネル31(表示パネル本体)の裏面側に配設される。

0264

上記第2、第3及び第4実施形態に係る2D/3D切替可能表示モジュール72、73及び74においても、第1実施形態の場合と同様に、一対の透明電極層間の電圧印可の有無により、2D及び3D表示をそれぞれ切り替えて表示させることができる。

0265

これらの2D/3D切替可能表示モジュール71〜74によれば、液晶レンズ層の液晶の配向均一性に優れる光指向性制御ユニット1、2、3又は4を備えているので、表示パネルにおける2次元及び3次元の表示の質のレベルをほとんど低下させることなく、視聴者に良好な表示を提供することができる。

0266

なお、本発明の光指向性制御ユニットは、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、レンチキュラー層としては、レンチキュラー層を構成する材質の屈折率と、液晶レンズ層の異常屈折率の大小関係によっては、凹型の代わりに、凸型のものを使用することができる。また、本発明の2D/3D切替可能表示モジュールは、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、表示パネルとして、液晶ディスプレイの代わりに、プラズマディスプレイを用いることもできる。

0267

以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。なお、以下の実施例において用いた原料化合物及び重合体の必要量は、下記の合成例に示す合成スケールでの原料化合物及び重合体の合成を必要に応じて繰り返すことにより確保した。

0268

<エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンの合成>
[合成例1]
撹拌機温度計滴下漏斗及び還流冷却管を備えた反応容器に、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(ECETS)100.0g、メチルイソブチルケトン500g及びトリエチルアミン10.0gを仕込み、室温で混合した。次いで、脱イオン水100gを滴下漏斗より30分かけて滴下した後、還流下で混合しつつ、80℃で6時間反応させた。反応終了後、有機層を取り出し、0.2質量%硝酸アンモニウム水溶液により洗浄後の水が中性になるまで洗浄したのち、減圧下で溶媒及び水を留去することにより、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンを粘稠な透明液体として得た。

0269

このエポキシ基を有するポリオルガノシロキサンについて、1H−NMR分析を行なったところ、化学シフト(δ)=3.2ppm付近にエポキシ基に基づくピーク理論強度どおりに得られ、反応中にエポキシ基の副反応が起こっていないことが確認された。得られたエポキシ基を有するポリオルガノシロキサンのMwは2,200であり、エポキシ当量は186g/モルであった。

0270

<特定桂皮酸誘導体の合成>
特定桂皮酸誘導体の合成反応は全て不活性雰囲気中で行った。

0271

[合成例2]
冷却管を備えた300mLの三口フラスコに4−フルオロフェニルボロン酸6.5g、4−ブロモ桂皮酸10g、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム2.7g、炭酸ナトリウム4g、テトラヒドロフラン80mL、純水39mLを混合した。引き続き反応溶液を80℃で8時間加熱撹拌し、反応終了をTLCで確認した。反応溶液を室温まで冷却後、1N−塩酸水溶液200mLに注ぎ、析出固体をろ別した。得られた固体を酢酸エチルに溶解させ、1N−塩酸水溶液100mL、純水100mL、飽和食塩水100mLの順で分液洗浄した。次に有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた固体を真空乾燥し、下記式(K−1)で表される化合物(特定桂皮酸誘導体(K−1))を9g得た。

0272

0273

[合成例3]
冷却管を備えた200mLの三口フラスコに4−ビニルビフェニル9.5g、4−ブロモ桂皮酸10g、酢酸パラジウム0.099g、トリス(2−トリルホスフィン0.54g、トリエチルアミン18g、ジメチルアセトアミド80mLを混合した。この溶液を120℃で3時間加熱撹拌し、TLCで反応の終了を確認した後、反応溶液を室温まで冷却した。沈殿物をろ別した後、ろ液を1N塩酸水溶液500mLに注ぎ、沈殿物を回収した。これらの沈殿物をジメチルアセトアミド、エタノール1:1溶液で再結晶することにより下記式(K−2)で表される化合物(特定桂皮酸誘導体(K−2))を11g得た。

0274

0275

<[A]光配向性ポリオルガノシロキサンの合成>
[合成例4]
100mLの三口フラスコに、合成例1で得たエポキシ基を有するポリオルガノシロキサン9.3g、メチルイソブチルケトン26g、合成例2で得た特定桂皮酸誘導体(K−1)3g及び4級アミン塩サンアプロ製、UCAT18X)0.10gを仕込み、80℃で12時間撹拌した。反応終了後、メタノール再沈殿を行い、沈殿物を酢酸エチルに溶解して溶液を得、この溶液を3回水洗した後、溶媒を留去することにより、[A]光配向性ポリオルガノシロキサン(S−1)を白色粉末として6.3g得た。光配向性ポリオルガノシロキサン化合物(S−1)の重量平均分子量Mwは3,500であった。

0276

[合成例5]
合成例2で得た特定桂皮酸誘導体(K−2)3gを用いたこと以外は合成例4と同様に操作して、[A]光配向性ポリオルガノシロキサン(S−2)の白色粉末を7.0g得た。光配向性ポリオルガノシロキサン化合物(S−2)の重量平均分子量Mwは4,900であった。

0277

<[B]他の重合体の合成>
[合成例6]
2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物22.4g(0.1モル)とシクロヘキサンビスメチルアミン)14.23g(0.1モル)とをNMP329.3gに溶解し、60℃で6時間反応させた。次いで、反応混合物を大過剰のメタノール中に注ぎ、反応生成物を沈澱させた。沈殿物をメタノールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥することにより、ポリアミック酸(PA−2)を32g得た。
この(PA−2)を17.5gとり、これにNMP232.5g、ピリジン3.8g及び無水酢酸4.9gを添加し、120℃において4時間反応させてイミド化を行った。次いで、反応混合液を大過剰のメタノール中に注ぎ、反応生成物を沈澱させた。沈殿物をメタノールで洗浄し、減圧下で15時間乾燥することにより、ポリイミド(PI−1)を15g得た。

0278

[合成例7]
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5質量部とジエチレングリコールメチルエチルエーテル(DEGME)200質量部を仕込んだ。引き続きメタクリル酸グリシジル40質量部、スチレン10質量部、メタクリル酸30質量部及びシクロヘキシルマレイミド20質量部を仕込み窒素置換した後ゆるやかに攪拌を始めた。溶液温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持ポリ(メタ)アクリレートの共重合体(MA−1)を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は33.1質量%であった。得られた重合体の数平均分子量は7,000であった。

0279

<[C]エステル構造含有化合物の合成>
下記スキームに従って、エステル構造含有化合物(C−1−1)を合成した。

0280

0281

[合成例8]
還流管、温度計及び窒素導入管を備えた500mLの三口フラスコにトリメシン酸21g、n−ブチルビニルエーテル60g及びリン酸0.09gを仕込み、50℃で30時間撹拌下に反応を行った。反応終了後、反応混合物にヘキサン500mLを加えて得た有機層につき、1M水酸化ナトリウム水溶液で2回及び水で3回、順次に分液洗浄した。その後、有機層から溶媒を留去することにより、エステル構造含有化合物(C−1−1)を無色透明の液体として50g得た。

0282

<液晶配向剤の調製>
[実施例1]
[B]他の重合体として合成例6で得たポリイミド(PI−1)を含有する溶液を、これに含有されるポリイミド(PI−1)に換算して1,000質量部に相当する量を取り、ここに合成例4で得た[A]光配向性ポリオルガノシロキサン(S−1)100質量部を加え、さらにNMP及びジエチレングリコールメチルエチルエーテル(DEGME)を混合し、溶媒組成がNMP:DEGME=90:10(質量比)、固形分濃度が4.0質量%の溶液とした。この溶液を孔径1μmのフィルターで濾過することにより、実施例1に係る液晶配向剤(A−1)を調製した。

0283

[実施例2]
[B]他の重合体として合成例7で得たポリ(メタ)アクリレートの共重合体(MA−1)を含有する溶液を、これに含有されるポリ(メタ)アクリレートの共重合体(MA−1)に換算して1,000質量部に相当する量を取り、ここに合成例5で得た[A]光配向性ポリオルガノシロキサン(S−2)100質量部を加え、さらにNMP及びエチレングリコールモノブチルエーテル(EGMB)を混合し、溶媒組成がNMP:EGMB=50:50(質量比)、固形分濃度が4.0質量%の溶液とした。この溶液を孔径1μmのフィルターで濾過することにより、実施例2に係る液晶配向剤(A−2)を調製した。

0284

[実施例3]
実施例1において、[C]エステル構造含有化合物として合成例8で得た(C−1−1)50質量部をさらに加えた以外は、実施例1と同様にして、実施例3に係る液晶配向剤(A−3)を調製した。

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