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技術 炭化珪素基板研磨用組成物及び炭化珪素基板の研磨方法

出願人 日産化学株式会社
発明者 関口和敏西村透
出願日 2011年6月21日 (8年8ヶ月経過) 出願番号 2012-521484
公開日 2013年8月22日 (6年6ヶ月経過) 公開番号 WO2011-162265
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード アルカリ金属イオン濃度 遊離アルカリ 限外ろ過器 研削剤 遠心分離式 アルカリ性シリカゾル 酸性シリカゾル 炭化珪素基板表面
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (2)

課題・解決手段

炭化珪素基板の表面を研磨するための炭化珪素基板研磨用組成物であって、真比重が2.10以上2.30以下のコロイダルシリカ粒子と水とを含み、遊離しているアルカリ金属イオンの濃度が1ppm以上150ppm以下である炭化珪素基板研磨用組成物とする。

概要

背景

電子デバイス基板として、一般的なシリコン基板の他、4H−SiC単結晶基板や6H−SiC単結晶基板等の炭化珪素基板が知られている。この炭化珪素基板は機械的強度を有する等の特長を有するため注目されている。

このような炭化珪素基板は、炭化珪素結晶成長させ、得られた単結晶インゴットを所望の形状に切断することにより製造されるが、表面が平坦であることが望まれているため、通常ダイヤモンドで表面を研磨する。そしてダイヤモンドによる研磨により微細凹凸が発生してしまうため、仕上げ研磨としてダイヤモンド以外の研磨剤を用いて表面を研磨する。このような研磨剤としては、例えば、水と所定の粒径シリカ酸化剤とを有する研磨組成物を用いて炭化珪素基板表面化学的機械的研磨(CMP)を施す技術がある(特許文献1等参照)。

概要

炭化珪素基板の表面を研磨するための炭化珪素基板研磨用組成物であって、真比重が2.10以上2.30以下のコロイダルシリカ粒子と水とを含み、遊離しているアルカリ金属イオンの濃度が1ppm以上150ppm以下である炭化珪素基板研磨用組成物とする。

目的

このような炭化珪素基板は、炭化珪素を結晶成長させ、得られた単結晶インゴットを所望の形状に切断することにより製造されるが、表面が平坦であることが望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
- 件
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- 件

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請求項1

炭化珪素基板の表面を研磨するための炭化珪素基板研磨用組成物であって、真比重が2.10以上2.30以下のコロイダルシリカ粒子と水とを含み、遊離しているアルカリ金属イオンの濃度が1ppm以上150ppm以下であることを特徴とする炭化珪素基板研磨用組成物。

請求項2

前記コロイダルシリカ粒子として、平均一次粒子径が20nm以上500nm以下のコロイダルシリカ粒子を含有することを特徴とする請求項1に記載する炭化珪素基板研磨用組成物。

請求項3

前記コロイダルシリカ粒子として、さらに平均一次粒子径が5nm以上20nm未満のコロイダルシリカ粒子を含有することを特徴とする請求項2に記載する炭化珪素基板研磨用組成物。

請求項4

平均一次粒子径が20nm以上500nm以下のコロイダルシリカ粒子の平均一次粒子径が5nm以上20nm未満のコロイダルシリカ粒子に対する割合が、質量比で50/50〜90/10であることを特徴とする請求項3に記載する炭化珪素基板研磨用組成物。

請求項5

pHが4未満であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載する炭化珪素基板研磨用組成物。

請求項6

酸化剤を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載する炭化珪素基板研磨用組成物。

請求項7

酸化剤と共に用いて炭化珪素基板を研磨する炭化珪素基板研磨用組成物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載する炭化珪素基板研磨用組成物。

請求項8

前記酸化剤が、過酸化水素塩素酸過塩素酸、過臭素酸ヨウ素酸、過ヨウ素酸、過硫酸、過ホウ素酸、過マンガン酸クロム酸重クロム酸バナジン酸塩素化シアヌル酸及びこれらのアンモニウム塩からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項6または7に記載する炭化珪素基板研磨用組成物。

請求項9

請求項1〜8のいずれか一項に記載する炭化珪素基板研磨用組成物により、炭化珪素基板の表面を研磨することを特徴とする炭化珪素基板の研磨方法

技術分野

0001

本発明は、炭化珪素基板研磨用組成物及び炭化珪素基板の研磨方法に関する。

背景技術

0002

電子デバイス基板として、一般的なシリコン基板の他、4H−SiC単結晶基板や6H−SiC単結晶基板等の炭化珪素基板が知られている。この炭化珪素基板は機械的強度を有する等の特長を有するため注目されている。

0003

このような炭化珪素基板は、炭化珪素結晶成長させ、得られた単結晶インゴットを所望の形状に切断することにより製造されるが、表面が平坦であることが望まれているため、通常ダイヤモンドで表面を研磨する。そしてダイヤモンドによる研磨により微細凹凸が発生してしまうため、仕上げ研磨としてダイヤモンド以外の研磨剤を用いて表面を研磨する。このような研磨剤としては、例えば、水と所定の粒径シリカ酸化剤とを有する研磨組成物を用いて炭化珪素基板表面化学的機械的研磨(CMP)を施す技術がある(特許文献1等参照)。

先行技術

0004

特開2010−503232号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、上述した技術による表面平坦化では不十分であり、電子デバイスの微細化に伴い表面がより平坦な炭化珪素基板が求められている。

0006

本発明の課題は、上述の従来技術の問題点を解決することにあり、表面が平坦な炭化珪素基板を得ることができる炭化珪素基板研磨用組成物及び炭化珪素基板の研磨方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

上記課題を解決する本発明の炭化珪素基板研磨用組成物は、炭化珪素基板の表面を研磨するための炭化珪素基板研磨用組成物であって、真比重が2.10以上2.30以下のコロイダルシリカ粒子と水とを含み、遊離しているアルカリ金属イオンの濃度が1ppm以上150ppm以下であることを特徴とする。

0008

また、前記コロイダルシリカ粒子として、平均一次粒子径が20nm以上500nm以下のコロイダルシリカ粒子を含有することが好ましい。

0009

さらに、前記コロイダルシリカ粒子として、さらに平均一次粒子径が5nm以上20nm未満のコロイダルシリカ粒子を含有することが好ましく、平均一次粒子径が20nm以上500nm以下のコロイダルシリカ粒子の平均一次粒子径が5nm以上20nm未満のコロイダルシリカ粒子に対する割合が、質量比で50/50〜90/10であることが好ましい。

0010

また、pHが4未満であることが好ましい。
そして、酸化剤を含むことが好ましい。
また、酸化剤と共に用いて炭化珪素基板を研磨する炭化珪素基板研磨用組成物であってもよい。

0011

前記酸化剤は、過酸化水素塩素酸過塩素酸、過臭素酸ヨウ素酸、過ヨウ素酸、過硫酸、過ホウ素酸、過マンガン酸クロム酸重クロム酸バナジン酸塩素化シアヌル酸及びこれらのアンモニウム塩からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。

0012

本発明の他の態様は、上記炭化珪素基板研磨用組成物により、炭化珪素基板の表面を研磨することを特徴とする炭化珪素基板の研磨方法にある。

発明の効果

0013

本発明によれば、表面が平坦な炭化珪素基板を得ることができる炭化珪素基板研磨用組成物を提供できる。そして、この炭化珪素基板研磨用組成物で炭化珪素基板の表面を研磨することにより、表面が平坦な炭化珪素基板を製造することができる。

図面の簡単な説明

0014

炭化珪素基板の断面図である。

0015

炭化珪素基板の表面を研磨するための本発明の炭化珪素基板研磨用組成物は、真比重が2.10以上2.30以下のコロイダルシリカ粒子と水とを含み、遊離しているアルカリ金属イオンが1ppm以上150ppm以下である。

0016

本発明の炭化珪素基板研磨用組成物が研磨する対象である炭化珪素基板の種類に特に限定はないが、例えば、六方晶型4H−SiC単結晶基板や6H−SiC単結晶基板が挙げられる。なお、炭化珪素基板は通常の製造方法、例えば、改良レーリー法等により結晶成長させ、得られた単結晶インゴットを切断することにより製造されるものである。

0017

コロイダルシリカ粒子は、真比重が2.10以上2.30以下のものを用いる。真比重が2.10以上2.30以下のコロイダルシリカ粒子とは、いわゆる水ガラス法で得られたコロイド状のシリカ粒子であり、メチルシリケート法とも呼ばれるゾルゲル法で得られ真比重が小さいシリカ粒子(たとえば、真比重が1.70〜2.00程度)とは異なり、硬い粒子である。このように真比重が2.10以上2.30以下の硬いコロイダルシリカ粒子を用いることにより、硬度が9以上である炭化珪素基板であっても、酸化剤と共に用いることにより、ダイヤモンド等により凹凸が形成された炭化珪素基板の表面を良好に研磨することができる。なお、水ガラス法とは、珪酸ナトリウム等のアルカリ金属珪酸塩水溶液を所望の濃度に希釈した後に脱陽イオン処理して得られる活性珪酸アルカリ溶液中で加熱して粒子成長させてコロイダルシリカを得る方法やアルカリ金属珪酸塩の水溶液を鉱酸により中和して得られるシリカゲルアルカリにより解膠してコロイダルシリカを得る方法である。ゾルゲル法とは塩基性触媒の存在下でアルコキシシランと水をアルコール溶液中で反応させてシリカ粒子を得る方法である。

0018

また、コロイダルシリカ粒子の粒子径は特に限定されないが、平均一次粒子径が20nm以上500nm以下のコロイダルシリカ粒子を主成分、例えば、コロイダルシリカ粒子全体に対して50質量%以上とすることが好ましい。なお、平均一次粒子径は、窒素吸着法によって求めることができる。平均一次粒子径が20nm未満のコロイダルシリカ粒子のみを用いると、マイクロパイプ転移といった炭化珪素基板表面に形成された孔の角を削ってしまうことにより孔が広がり、深さ方向に深くしてしまう傾向があり、原子間力顕微鏡で孔を観察した際には探針が孔内部へ入り込むようになる。また、平均一次粒子径が500nmより大きいコロイダルシリカ粒子は、静定時に時間の経過と共にコロイダルシリカ粒子が自然沈降して層分離しやすいため取り扱いにくい。なお、コロイダルシリカ粒子として、平均一次粒子径の異なる2種類以上のコロイダルシリカ粒子群の混合物を用いてもよい。

0019

そして、コロイダルシリカ粒子として、平均一次粒子径が20nm以上500nm以下のものに加えて、平均一次粒子径が5nm以上20nm未満のコロイダルシリカ粒子をさらに含有することが好ましい。このように、コロイダルシリカ粒子として、平均一次粒子径が20nm以上500nm以下のものに加えて、さらに平均一次粒子径が5nm以上20nm未満のものを用いた炭化珪素基板研磨用組成物とすることにより、表面が平坦な炭化珪素基板を製造でき、且つ、研磨速度が速くなるため研磨時間を短時間にすることができる。コロイダルシリカ粒子群の混合割合は特に限定されないが、平均一次粒子径が20以上500nm以下のコロイダルシリカ粒子の、平均一次粒子径が5nm以上20nm未満のコロイダルシリカ粒子に対する割合、すなわち、平均一次粒子径が20nm以上500nm以下のコロイダルシリカ粒子/平均一次粒子径が5nm以上20nm未満のコロイダルシリカ粒子が、質量比で50/50〜90/10であることが好ましい。

0020

また、本発明の炭化珪素基板研磨用組成物は、遊離しているアルカリ金属イオンの濃度が1ppm以上150ppm以下、好ましくは、100ppm以下である。遊離しているアルカリ金属イオンの濃度が150ppmより高いと、本発明のように表面が平坦な炭化珪素基板を得ることはできない。

0021

ここで、炭化珪素基板は、その製造中に結晶成長機構に伴って発生する例えば平面視の直径が1〜10μm程度の大きさの菅状の空隙であるマイクロパイプや、結晶構造の違いにより発生する直径0.5〜10μm程度の転移(結晶欠陥)等の孔が、表面に形成される。そして、このマイクロパイプや転移等の孔が形成された炭化珪素基板に対して、ダイヤモンドでの研磨等により発生した凹凸を除去するために、シリカ粒子等を含有する研磨剤組成物が用いられている。

0022

しかしながら、従来の研磨剤組成物での研磨では、炭化珪素基板表面のマイクロパイプや転移等の孔がさらに広がり、深さ方向に深くなってしまい、原子間力顕微鏡で孔を観察した際には探針が孔内部へ入り込むようになること、及び、このように研磨剤組成物で研磨することにより孔が広がる原因は、研磨剤組成物が含有する遊離しているアルカリ金属イオンの濃度が高いことであることを、本発明において知見した。

0023

具体的には、マイクロパイプを有する炭化珪素基板の断面図である図1を用いて説明すると、マイクロパイプ2を有する炭化珪素基板1(図1(a))を、遊離しているアルカリ金属イオン濃度が150ppm以下である本発明の炭化珪素基板研磨用組成物を用いて研磨しても、マイクロパイプ2は広がらない(図1(b))。一方、遊離しているアルカリ金属イオン濃度が高い従来の研磨剤組成物を用いると、研磨によりマイクロパイプ2の表面側が広がり(図1(c))、本発明の炭化珪素基板研磨用組成物を用いた場合と比較して表面の粗い炭化珪素基板となる。

0024

例えば、特許文献1の実施例に記載される研削剤Nalco 1034(Nalco社製)等の水ガラス法で作製されたコロイダルシリカ粒子を用いる研磨剤組成物においては、コロイダルシリカ粒子の製造段階アルカリ金属が混合されるため、遊離しているアルカリ金属イオン濃度を150ppm以下にするという操作を行わない限り、研磨剤組成物の遊離しているアルカリ金属イオン濃度は150ppmを超える。このように遊離しているアルカリ金属イオン濃度が150ppmを超える従来の研磨剤組成物を用いて炭化珪素基板表面を研磨すると、表面が平坦な炭化珪素基板を得ることはできず、むしろさらに孔を大きくしてしまう。

0025

一方、特許文献1に記載されるFusoPL−1(扶化学工業(株)社製)等のゾルゲル法により形成されたシリカ粒子を用いた研磨剤組成物では、上述したように、シリカ粒子の硬度が低く硬度が高い炭化珪素基板表面を研磨し難いため、ダイヤモンドでの研磨等で形成された凹凸を除去することはできず、炭化珪素基板研磨用組成物として使用できない。

0026

また、本発明の炭化珪素基板研磨用組成物のpHは特に限定されないが、pHが4未満であることが好ましく、さらに好ましくは2超4未満である。pHが2以下になると研磨機腐食が大きくなる傾向がある。一方、pHが4以上になるとコロイダルシリカ粒子の分散安定性が低下する傾向がある。

0027

そして、本発明の炭化珪素基板研磨用組成物は、酸化剤を含有するものでもよく、また、酸化剤を含有せずに酸化剤と共に用いて炭化珪素基板を研磨するものでもよい。勿論、本発明の炭化珪素基板研磨用組成物は、酸化剤を含有するものであって、且つ、酸化剤と共に用いて炭化珪素基板を研磨するものでもよい。このような酸化剤により、炭化珪素基板の表面を酸化して炭化珪素基板の表面を酸化珪素とし、この酸化珪素をコロイダルシリカ粒子が研磨することにより、炭化珪素基板の表面がより平坦になると推定される。

0028

酸化剤に特に限定はないが、例えば、過酸化水素、塩素酸、過塩素酸、過臭素酸、ヨウ素酸、過ヨウ素酸、過硫酸、過ホウ素酸、過マンガン酸、クロム酸、重クロム酸、バナジン酸、塩素化シアヌル酸や、これらのアンモニウム塩が挙げられる。勿論、2種類以上の酸化剤を併用してもよい。

0029

また、本発明の炭化珪素基板研磨用組成物は、公知なpH調整剤、pH緩衝剤界面活性剤、分散安定剤、ゲル化防止剤消泡剤キレート剤殺生剤等の添加剤を含有していてもよい。

0030

なお、本発明の炭化珪素基板用研磨剤組成物は、アルカリ金属イオン濃度が150ppm以下なので、酸化剤や添加剤は、遊離するアルカリ金属イオン濃度が低いものを用いる必要がある。

0031

本発明の炭化珪素基板研磨用組成物が含有する各成分の含有率は特に限定されないが、たとえば、コロイダルシリカ粒子は炭化珪素基板研磨用組成物中に1〜50質量%程度とすることが好ましい。また、酸化剤の含有量は、炭化珪素基板研磨用組成物中に0.1〜5質量%程度とすることが好ましい。

0032

このような炭化珪素基板研磨用組成物の製造方法は特に限定されず、例えば、真比重が2.10以上2.30以下のコロイダルシリカ粒子、すなわち、水ガラス法で得られたコロイダルシリカ粒子を強酸性水型陽イオン交換樹脂と接触させる等の処理をすることにより遊離したアルカリ金属イオンの量を低減した後、この遊離したアルカリ金属イオンの量を低減したコロイダルシリカ粒子と水とを混合すればよい。また、酸化剤を含有する炭化珪素基板研磨用組成物とする場合は、さらに酸化剤を混合すればよい。なお、上記では水等と混合する前にコロイダルシリカ粒子の遊離したアルカリ金属イオン濃度を低減する操作を行ったが、水ガラス法で得られたコロイダルシリカ粒子を水等と混合した後に、遊離するアルカリ金属イオンの量を低減する処理を行ってもよい。このように、本発明の炭化珪素基板研磨用組成物が含有するコロイダルシリカ粒子は、上述したように真比重が2.10以上2.30以下のもの、すなわち、水ガラス法で得られたものであるので、製造工程中にアルカリ金属が混合されるため、コロイダルシリカ粒子を混合する前でも後でもよいが、遊離したアルカリ金属イオンを除去するという操作が必要である。

0033

このような本発明の炭化珪素基板研磨用組成物を用いて、炭化珪素基板の表面を研磨することにより、従来の研磨剤組成物において内在していたマイクロパイプや転移等の孔が広がるという問題が生じないため、非常に平坦な表面を有する炭化珪素基板を得ることができる。そして、本発明の炭化珪素基板研磨用組成物は、水ガラス法により得られたコロイダルシリカ粒子を用いているため、ダイヤモンド等により形成された凹凸も十分除去できるものである。

0034

本発明の炭化珪素基板研磨用組成物を用いた研磨方法は特に限定されず、従来の研磨剤組成物と同様の操作により、炭化珪素基板表面を研磨すればよい。例えば、研磨対象の炭化珪素基板に炭化珪素基板研磨用組成物を塗布して、研磨パッド等で擦ることにより、研磨することができる。

0035

以下、実施例に基づいてさらに詳述するが、本発明はこの実施例により何ら限定されるものではない。

0036

(実施例1)
水ガラス法で製造されたコロイダルシリカ粒子(窒素吸着法により求めた平均一次粒子径:22nm、真比重:2.18)が分散されたアルカリ性シリカゾルを、強酸性水素型陽イオン交換樹脂アンバーライト登録商標)IR−120B(オルガノ(株)社製)で処理してアルカリ金属イオンを除去した。このアルカリ金属イオンを除去する操作を行って得た酸性シリカゾル(コロイダルシリカ粒子濃度40質量%)9000gに、純水2660gおよび35質量%の過酸化水素水340gを混合し、炭化珪素基板研磨用組成物12000gを調製した。なお、得られた炭化珪素基板研磨用組成物は、コロイダルシリカ粒子の濃度は30質量%、pH2.4、遊離アルカリ金属イオン濃度100ppmであった。以下にコロイダルシリカ粒子の真比重の測定方法、コロイダルシリカ粒子の平均一次粒子径の測定方法及び遊離アルカリ金属イオン濃度の測定方法を示す。

0037

<コロイダルシリカ粒子の真比重の測定>
炭化珪素基板研磨用組成物を100℃で12時間乾燥させ、さらに150℃で1時間乾燥させたものを1g量し、乾式自動密度計(アキュピック1330 (株)島津製作所製)にて測定した。

0038

<コロイダルシリカ粒子の平均一次粒子径の測定>
コロイダルシリカ粒子の水分散液を乾燥させて得られる粒子について、MONOSORB(シスメックス(株)社製)を用いてBET法比表面積を測定し、この比表面積値から等価球換算粒径として算出した。

0039

<遊離アルカリ金属イオン濃度の測定>
炭化珪素基板研磨用組成物をコロイダルシリカ粒子濃度が3質量%になるように純水で希釈した後、分画分子量1万の遠心分離式限外ろ過器セントリカットU−10紡績(株)製)に9g秤量し、遠心分離機(SRX−201(株)トミー精工製)で440G、30分間処理して回収したろ液を必要に応じて適宜希釈し、ICP発光分光分析装置SPS−7800エスアイアイナノテクノロジー(株)製)を用いて測定した。

0040

(実施例2)
水ガラス法で製造されたコロイダルシリカ粒子(窒素吸着法により求めた平均一次粒子径:22nm、真比重:2.18)が分散されたアルカリ性シリカゾルの代わりに、水ガラス法で製造されたコロイダルシリカ粒子(窒素吸着法により求めた平均一次粒子径:35nm、真比重:2.19)が分散されたアルカリ性シリカゾル9000gを用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。なお、得られた炭化珪素基板研磨用組成物は、コロイダルシリカ粒子の濃度30質量%、pH2.0、遊離アルカリ金属イオン濃度53ppmであった。

0041

(実施例3)
水ガラス法で製造されたコロイダルシリカ粒子(窒素吸着法により求めた平均一次粒子径:22nm、真比重:2.18)が分散されたアルカリ性シリカゾルの代わりに、水ガラス法で製造されたコロイダルシリカ粒子(窒素吸着法により求めた平均一次粒子径:45nm、真比重:2.21)が分散されたアルカリ性シリカゾル9000gを用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。なお、得られた炭化珪素基板研磨用組成物は、コロイダルシリカ粒子の濃度は30質量%、pH2.4、遊離アルカリ金属イオン濃度17ppmであった。

0042

(実施例4)
水ガラス法で製造されたコロイダルシリカ粒子(窒素吸着法により求めた平均一次粒子径:85nm、真比重:2.19)が分散されたアルカリ性シリカゾルを、強酸性水素型陽イオン交換樹脂アンバーライトIR−120B(オルガノ(株)社製)で処理してアルカリ金属イオンを除去した。このアルカリ金属イオンを除去する操作を行って得た酸性シリカゾル(コロイダルシリカ粒子濃度35質量%)6857gに、純水4802gおよび35質量%の過酸化水素水340gを混合し、炭化珪素基板研磨用組成物12000gを調製した。得られた炭化珪素基板研磨用組成物は、コロイダルシリカ粒子の濃度20質量%、pH1.9、遊離アルカリ金属イオン濃度81ppmであった。なお、コロイダルシリカ粒子の真比重及び平均一次粒子径や遊離アルカリ金属イオン濃度の測定方法は実施例1と同様である。

0043

(実施例5)
水ガラス法で製造されたコロイダルシリカ粒子(窒素吸着法により求めた平均一次粒子径:160nm、真比重:2.20)が分散されたアルカリ性シリカゾルを、強酸性水素型陽イオン交換樹脂アンバーライトIR−120B(オルガノ(株)社製)で処理してアルカリ金属イオンを除去した。このアルカリ金属イオンを除去する操作を行って得た酸性シリカゾル(コロイダルシリカ粒子濃度40質量%)11660gに、35質量%の過酸化水素水340gを混合し、炭化珪素基板研磨用組成物12000gを調製した。得られた炭化珪素基板研磨用組成物は、コロイダルシリカ粒子の濃度39質量%、pH1.9、遊離アルカリ金属イオン濃度100ppmであった。なお、コロイダルシリカ粒子の真比重及び平均一次粒子径や遊離アルカリ金属イオン濃度の測定方法は実施例1と同様である。

0044

(実施例6)
水ガラス法で製造されたコロイダルシリカ粒子(窒素吸着法により求めた平均一次粒子径:160nm、真比重:2.20)が分散されたアルカリ性シリカゾルの代わりに、水ガラス法で製造されたコロイダルシリカ粒子(窒素吸着法により求めた平均一次粒子径:310nm、真比重:2.21)が分散されたアルカリ性シリカゾルを用いた以外は、実施例5と同様の操作を行った。なお、得られた炭化珪素基板研磨用組成物は、コロイダルシリカ粒子の濃度39質量%、pH3.2、遊離アルカリ金属イオン濃度14ppmであった。

0045

(実施例7)
水ガラス法で製造されたコロイダルシリカ粒子(窒素吸着法により求めた平均一次粒子径:85nm、真比重:2.20)が分散されたアルカリ性シリカゾル5485gと、水ガラス法で製造されたコロイダルシリカ粒子(窒素吸着法により求めた平均一次粒子径:22nm、真比重:2.18)が分散されたアルカリ性シリカゾル1200gとを混合したアルカリ性シリカゾルを、強酸性水素型陽イオン交換樹脂アンバーライトIR−120B(オルガノ(株)社製)で処理してアルカリ金属イオンを除去した。このアルカリ金属イオンを除去する操作を行って得た酸性シリカゾル(コロイダルシリカ粒子濃度36質量%)に、純水4975gおよび35質量%の過酸化水素水340gを混合し、炭化珪素基板研磨用組成物12000gを調製した。得られた炭化珪素基板研磨用組成物は、コロイダルシリカ粒子の濃度20質量%、pH2.1、遊離アルカリ金属イオン濃度78ppm、真比重2.19であり、平均一次粒子径85nmのコロイダルシリカ粒子の平均一次粒子径22nmのコロイダルシリカ粒子に対する割合は、質量比で80/20であった。なお、コロイダルシリカ粒子の真比重及び平均一次粒子径や遊離アルカリ金属イオン濃度の測定方法は実施例1と同様である。

0046

(実施例8)
水ガラス法で製造されたコロイダルシリカ粒子(窒素吸着法により求めた平均一次粒子径:35nm、真比重:2.19)が分散されたアルカリ性シリカゾル5400gと、水ガラス法で製造されたコロイダルシリカ粒子(窒素吸着法により求めた平均一次粒子径:12nm、真比重:2.18)が分散されたアルカリ性シリカゾル960gとを混合したアルカリ性シリカゾルを、強酸性水素型陽イオン交換樹脂アンバーライトIR−120B(オルガノ(株)社製)で処理してアルカリ金属イオンを除去した。このアルカリ金属イオンを除去する操作を行って得た酸性シリカゾル(コロイダルシリカ粒子濃度38質量%)に、純水5300gおよび35質量%の過酸化水素水340gを混合し、炭化珪素基板研磨用組成物12000gを調製した。得られた炭化珪素基板研磨用組成物は、コロイダルシリカ粒子の濃度20質量%、pH2.2、遊離アルカリ金属イオン濃度37ppm、真比重2.19であり、平均一次粒子径35nmのコロイダルシリカ粒子の平均一次粒子径12nmのコロイダルシリカ粒子に対する割合は、質量比で90/10であった。なお、コロイダルシリカ粒子の真比重及び平均一次粒子径や遊離アルカリ金属イオン濃度の測定方法は実施例1と同様である。

0047

(比較例1)
水ガラス法で製造されたコロイダルシリカ粒子(窒素吸着法により求めた平均一次粒子径:12nm、真比重:2.18)が分散されたアルカリ性シリカゾル(コロイダルシリカ粒子濃度40質量%)6000gに、純水5660gおよび35質量%の過酸化水素水340gを混合し、炭化珪素基板研磨用組成物12000gを調製した。得られた炭化珪素基板研磨用組成物は、コロイダルシリカ粒子の濃度20質量%、pH10.3、遊離アルカリ金属イオン濃度1700ppmであった。なお、コロイダルシリカ粒子の真比重及び平均一次粒子径や遊離アルカリ金属イオン濃度の測定方法は実施例1と同様である。

0048

(比較例2)
水ガラス法で製造されたコロイダルシリカ粒子(窒素吸着法により求めた平均一次粒子径:12nm、真比重:2.18)が分散されたアルカリ性シリカゾルの代わりに、水ガラス法で製造されたコロイダルシリカ粒子(窒素吸着法により求めた平均一次粒子径:35nm、真比重:2.18)が分散されたアルカリ性シリカゾル6000gを用いた以外は比較例1と同様の操作を行った。得られた炭化珪素基板研磨用組成物は、コロイダルシリカ粒子の濃度20質量%、pH9.5、遊離アルカリ金属イオン濃度450ppmであった。なお、コロイダルシリカ粒子の真比重及び平均一次粒子径や遊離アルカリ金属イオン濃度の測定方法は実施例1と同様である。

0049

(比較例3)
水ガラス法で製造されたコロイダルシリカ粒子(窒素吸着法により求めた平均一次粒子径:12nm、真比重:2.18)が分散されたアルカリ性シリカゾルの代わりに、水ガラス法で製造されたコロイダルシリカ粒子(窒素吸着法により求めた平均一次粒子径:85nm、真比重:2.19)が分散されたアルカリ性シリカゾル6000gを用いた以外は比較例1と同様の操作を行った。得られた炭化珪素基板研磨用組成物は、コロイダルシリカ粒子の濃度20質量%、pH9.5、遊離アルカリ金属イオン濃度320ppmであった。なお、コロイダルシリカ粒子の真比重及び平均一次粒子径や遊離アルカリ金属イオン濃度の測定方法は実施例1と同様である。

0050

(比較例4)
水ガラス法で製造されたコロイダルシリカ粒子(窒素吸着法により求めた平均一次粒子径:40nm、真比重:2.16)が分散されたアルカリ性シリカゾル(コロイダルシリカ粒子濃度40質量%)9000gに、純水2660gおよび35質量%の過酸化水素水340gを混合し、炭化珪素基板研磨用組成物12000gを調製した。得られた炭化珪素基板研磨用組成物は、コロイダルシリカ粒子の濃度30質量%、pH10.0、遊離アルカリ金属イオン濃度1000ppmであった。なお、コロイダルシリカ粒子の真比重及び平均一次粒子径や遊離アルカリ金属イオン濃度の測定方法は実施例1と同様である。

0051

(比較例5)
メチルシリケート法で製造されたコロイダルシリカ粒子(窒素吸着法により求めた平均一次粒子径:35nm、真比重:2.00)が分散された中性シリカゾル(コロイダルシリカ粒子濃度35質量%)10286gに、純水1250g、10質量%の硫酸124gおよび35質量%の過酸化水素水340gを混合し、炭化珪素基板研磨用組成物12000gを調製した。得られた炭化珪素基板研磨用組成物は、コロイダルシリカ粒子の濃度30質量%、pH2.1、遊離アルカリ金属イオン濃度1ppm未満であった。なお、コロイダルシリカ粒子の真比重及び平均一次粒子径や遊離アルカリ金属イオン濃度の測定方法は実施例1と同様である。

0052

試験例)
実施例1〜8及び比較例1〜5で得られた炭化珪素基板研磨用組成物をそれぞれ用いて、以下の研磨条件にて炭化珪素基板を研磨した。研磨前及び研磨後の炭化珪素基板の表面を原子間力顕微鏡(AFM:Dimension 3100 Veeco Instruments製)で観察し、炭化珪素基板表面に形成されているマイクロパイプ部分の深さを3箇所測定し、その平均値をRmaxとして求めた。結果を表1に示す。また、研磨後、炭化珪素基板を純水で洗浄した後に乾燥し、重量減少から研磨速度を求めた。結果を表1に示す。

0053

<研磨条件>
研磨対象物:直径2インチ、Off角4°のn型4H−SiC単結晶基板(0001)Si面
研磨試験機:ラップマスターLM18S研磨機(ラップマスターSFT(株)製)
研磨パッド:18インチΦ Suba 600(ニッタ・ハース(株)製)
炭化珪素基板研磨用組成物の供給速度:20ml/分(1pass)
定盤回転数:60rpm
ヘッド回転数:60rpm
加工圧力:300g/cm2
研磨時間:8時間

0054

この結果、遊離アルカリ金属イオン濃度が150ppm以下である実施例1〜8では、マイクロパイプ部分のRmaxの値は研磨前後で変わらず、マイクロパイプの孔は広がらなかった。一方、遊離アルカリ金属イオン濃度が高い比較例1〜4では、研磨後にマイクロパイプ部分のRmaxの値が大きくなり、マイクロパイプの孔が広がっていた。即ちマイクロパイプ近辺では、研磨前よりも炭化珪素基板の表面が粗くなっていた。また、本発明の炭化珪素基板研磨用組成物は、ダイヤモンドでの研磨等で形成された凹凸を除去することができるものであった。比較例5では、マイクロパイプ部分のRmaxの値は研磨前後で変わらず、マイクロパイプの孔は広がらなかったが、研磨速度が低く、ダイヤモンドでの研磨等で形成された凹凸を除去することができなかった。

実施例

0055

0056

1炭化珪素基板
2 マイクロパイプ

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