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技術 焼成用バインダ樹脂およびその製造方法、ペースト組成物並びに無機焼結体

出願人 三菱ケミカル株式会社
発明者 佐藤陽佐伯慎二渡邉富二男藤田沙紀
出願日 2011年5月6日 (9年6ヶ月経過) 出願番号 2011-523630
公開日 2013年7月22日 (7年3ヶ月経過) 公開番号 WO2011-138961
状態 特許登録済
技術分野 セラミック製品3 高分子組成物 グラフト、ブロック重合体 付加系(共)重合体、後処理、化学変成 酸化物セラミックスの組成1
主要キーワード 高せん断領域 チャンバー出口 チャンバー入口 低融点ガラス粉 無機焼結体 過塩素酸化合物 バインダ樹脂溶液 蛍光粉末
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重要な関連分野

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課題・解決手段

アルキルメタアクリレート(A−1)60〜99.8質量%と、ラジカル重合可能な不飽和二重結合を2個以上有する化合物(A−2)0.1〜5質量%と、水溶性不飽和単量体(A−3)(但し、前記ラジカル重合可能な不飽和二重結合を2個以上有する化合物(A−2)以外の単量体とする。)0.1〜30質量%と、その他共重合可能な単量体(A−4)0〜39.8質量%と、を含む単量体混合物(A)を共重合して得られる焼成用バインダ樹脂であって、前記樹脂ターピネオール中に溶解して得られる前記樹脂の15質量%溶液が、η1/η10が2.5未満、かつ、η1/η5000が5以上の条件を満足する樹脂。

概要

背景

電子材料等の分野においては、無機物による成形体やその成形体により形成されるパターン(例えば配線パターン絶縁パターン等)が使用されることがある。このような成形体やパターンを形成する方法として、金属粉末金属酸化物粉末蛍光粉末ガラスフリット等の無機粉末バインダ樹脂と混合してペースト組成物を調製し、このペースト組成物を用いて所定の形状やパターンを形成した後、焼成してバインダ樹脂を熱分解する方法が知られている。

その際に使用されるバインダ樹脂は、成形加工時の加工性向上や、移動時に損傷しないように無機粉末をつなぎ止める役割を果たす。このバインダ樹脂は、最終製品となる前に無機粉末を焼結させる際に熱分解により除去されるから、熱分解性が高く、各加工時の作業性に優れることが求められる。

ペースト組成物の加工方法としては、スクリーン印刷する方法、ドクターブレード等によりシート状に成形する方法、ディップ法ディスペンス法などが知られている。
これらのうち、スクリーン印刷法を適用する場合、ペースト組成物は高せん断領域におけるチキソトロピー性が高いほど、印刷性が向上する。また、印刷後のレベリング性においては、低せん断領域におけるチキソトロピー性が低いほどよい。従って、スクリーン印刷する場合には、ペースト組成物として、チキソトロピー性が高せん断領域で高く、低せん断領域で低いものが求められる。

この要求に対し、特許文献1では、アルキルメタアクリレートと、ラジカル重合可能な不飽和二重結合を2個以上有する化合物と、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとが重合されたバインダ樹脂が提案されている。
また、特許文献2では、メタクリル酸アルキルエステル単量体の少なくとも2種以上を90〜99重量%と、不飽和カルボン酸単量体アミノ基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体水酸基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体の群より選ばれる少なくとも1種を0.1〜5重量%と、多官能性(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体0.001〜0.1重量%とを必須成分とするバインダ樹脂が提案されている。

概要

アルキル(メタ)アクリレート(A−1)60〜99.8質量%と、ラジカル重合可能な不飽和二重結合を2個以上有する化合物(A−2)0.1〜5質量%と、水溶性不飽和単量体(A−3)(但し、前記ラジカル重合可能な不飽和二重結合を2個以上有する化合物(A−2)以外の単量体とする。)0.1〜30質量%と、その他共重合可能な単量体(A−4)0〜39.8質量%と、を含む単量体混合物(A)を共重合して得られる焼成用バインダ樹脂であって、前記樹脂ターピネオール中に溶解して得られる前記樹脂の15質量%溶液が、η1/η10が2.5未満、かつ、η1/η5000が5以上の条件を満足する樹脂。

目的

本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、レベリング性とスクリーン印刷における印刷性が共に優れたペースト組成物、そのペースト組成物を容易に得るための焼成用バインダ樹脂およびその製造方法と、そのペースト組成物を焼成して得られる無機焼結体を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

アルキルメタアクリレート(A−1)60〜99.8質量%と、ラジカル重合可能な不飽和二重結合を2個以上有する化合物(A−2)0.1〜5質量%と、水溶性不飽和単量体(A−3)(但し、前記ラジカル重合可能な不飽和二重結合を2個以上有する化合物(A−2)以外の単量体とする。)0.1〜30質量%と、その他共重合可能な単量体(A−4)0〜39.8質量%と、を含む単量体混合物(A)を共重合して得られる焼成用バインダ樹脂であって、前記樹脂ターピネオール中に溶解して得られる前記樹脂の15質量%溶液が次の条件を満足する樹脂。η1/η10が2.5未満η1/η5000が5以上ここで、η1、η10及びη5000は、粘弾性測定装置アントンパール社製、「PhyscaMCR300」)を用いて、コーンプレート0.5°/25mm、測定温度23℃の条件で測定した樹脂溶液の粘度であり、η1はせん断速度1(1/s)のときの粘度、η10はせん断速度10(1/s)のときの粘度、η5000はせん断速度5000(1/s)のときの粘度である。

請求項2

アルキル(メタ)アクリレート(a−1)35〜99.7質量%と、ラジカル重合可能な不飽和二重結合を2個以上有する化合物(a−2)0.3〜5質量%と、水溶性不飽和単量体(a−3)(但し、前記ラジカル重合可能な不飽和二重結合を2個以上有する化合物(a−2)以外の単量体とする。)0〜40質量%と、その他の単量体(a−4)0〜64.7質量%と、を含む単量体混合物(1)をラジカル重合して得られる第1重合体の存在下で、アルキル(メタ)アクリレート(b−1)35〜99.9質量%と、ラジカル重合可能な不飽和二重結合を2個以上有する化合物(b−2)0〜1質量%と、水溶性不飽和単量体(b−3)(但し、前記ラジカル重合可能な不飽和二重結合を2個以上有する化合物(b−2)以外の単量体とする。)0.1〜30質量%と、その他の単量体(b−4)0〜64.9質量%と、を含む単量体混合物(2)をラジカル重合して得られる第2重合体を含む焼成用バインダ樹脂。

請求項3

焼成用バインダ樹脂が体積平均粒子径100μm以下の粒子である、請求項1または請求項2に記載の樹脂。

請求項4

請求項1〜3のいずれかに記載の焼成用バインダ樹脂と、無機粉末と、有機溶剤とを含むペースト組成物

請求項5

請求項4に記載のペースト組成物を焼成して得られる無機焼結体

請求項6

アルキル(メタ)アクリレート(a−1)35〜99.7質量%と、ラジカル重合可能な不飽和二重結合を2個以上有する化合物(a−2)0.3〜5質量%と、水溶性不飽和単量体(a−3)(但し、前記ラジカル重合可能な不飽和二重結合を2個以上有する化合物(a−2)以外の単量体とする。)0〜40質量%と、その他の単量体(a−4)0〜64.7質量%と、を含む単量体混合物(1)をラジカル重合して第1重合体を得る第1重合工程と、前記第1重合体の存在下で、アルキル(メタ)アクリレート(b−1)35〜99.9質量%と、ラジカル重合可能な不飽和二重結合を2個以上有する化合物(b−2)0〜1質量%と、水溶性不飽和単量体(b−3)(但し、前記ラジカル重合可能な不飽和二重結合を2個以上有する化合物(b−2)以外の単量体とする。)0.1〜30質量%と、その他の単量体(b−4)0〜64.9質量%と、を含む単量体混合物(2)をラジカル重合して第2重合体を得る第2重合工程と、を含む焼成用バインダ樹脂の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、金属粉末金属酸化物粉末蛍光粉末ガラスフリット等の無機粉末賦形する際に使用される焼成用バインダ樹脂の製造方法とこれより得られたバインダ樹脂、およびペースト組成物に関する。
本願は、2010年5月6日に、日本に出願された特願2010−106439号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

背景技術

0002

電子材料等の分野においては、無機物による成形体やその成形体により形成されるパターン(例えば配線パターン絶縁パターン等)が使用されることがある。このような成形体やパターンを形成する方法として、金属粉末、金属酸化物粉末、蛍光粉末、ガラスフリット等の無機粉末をバインダ樹脂と混合してペースト組成物を調製し、このペースト組成物を用いて所定の形状やパターンを形成した後、焼成してバインダ樹脂を熱分解する方法が知られている。

0003

その際に使用されるバインダ樹脂は、成形加工時の加工性向上や、移動時に損傷しないように無機粉末をつなぎ止める役割を果たす。このバインダ樹脂は、最終製品となる前に無機粉末を焼結させる際に熱分解により除去されるから、熱分解性が高く、各加工時の作業性に優れることが求められる。

0004

ペースト組成物の加工方法としては、スクリーン印刷する方法、ドクターブレード等によりシート状に成形する方法、ディップ法ディスペンス法などが知られている。
これらのうち、スクリーン印刷法を適用する場合、ペースト組成物は高せん断領域におけるチキソトロピー性が高いほど、印刷性が向上する。また、印刷後のレベリング性においては、低せん断領域におけるチキソトロピー性が低いほどよい。従って、スクリーン印刷する場合には、ペースト組成物として、チキソトロピー性が高せん断領域で高く、低せん断領域で低いものが求められる。

0005

この要求に対し、特許文献1では、アルキルメタアクリレートと、ラジカル重合可能な不飽和二重結合を2個以上有する化合物と、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとが重合されたバインダ樹脂が提案されている。
また、特許文献2では、メタクリル酸アルキルエステル単量体の少なくとも2種以上を90〜99重量%と、不飽和カルボン酸単量体アミノ基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体水酸基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体の群より選ばれる少なくとも1種を0.1〜5重量%と、多官能性(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体0.001〜0.1重量%とを必須成分とするバインダ樹脂が提案されている。

先行技術

0006

特開2003−183331号公報
特開2004−217686号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、特許文献1に記載のバインダ樹脂を用いたペースト組成物でも、レベリング性とスクリーン印刷における印刷性とを共に十分満足させることが困難であった。
また、特許文献2に記載のバインダ樹脂を用いたペースト組成物ではチキソトロピー性の発現が少なく、スクリーン印刷には適さないものであった。

0008

本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、レベリング性とスクリーン印刷における印刷性が共に優れたペースト組成物、そのペースト組成物を容易に得るための焼成用バインダ樹脂およびその製造方法と、そのペースト組成物を焼成して得られる無機焼結体を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

[1]アルキル(メタ)アクリレート(A−1)60〜99.8質量%と、ラジカル重合可能な不飽和二重結合を2個以上有する化合物(A−2)0.1〜5質量%と、
水溶性不飽和単量体(A−3)(但し、前記ラジカル重合可能な不飽和二重結合を2個以上有する化合物(A−2)以外の単量体とする。)0.1〜30質量%と、その他共重合可能な単量体(A−4)0〜39.8質量%と、
を含む単量体混合物(A)を共重合して得られる焼成用バインダ樹脂であって、前記樹脂ターピネオール中に溶解して得られる前記樹脂の15質量%溶液が次の条件を満足する樹脂。
η1/η10が2.5未満
η1/η5000が5以上
ここで、η1、η10及びη5000は、粘弾性測定装置アントンパール社製、「PhyscaMCR300」)を用いて、コーンプレート0.5°/25mm、測定温度23℃の条件で測定した樹脂溶液の粘度であり、η1はせん断速度1(1/s)のときの粘度、η10はせん断速度10(1/s)のときの粘度、η5000はせん断速度5000(1/s)のときの粘度である。

0010

[2]アルキル(メタ)アクリレート(a−1)35〜99.7質量%と、
ラジカル重合可能な不飽和二重結合を2個以上有する化合物(a−2)0.3〜5質量%と、
水溶性不飽和単量体(a−3)(但し、前記ラジカル重合可能な不飽和二重結合を2個以上有する化合物(a−2)以外の単量体とする。)0〜40質量%と、
その他の単量体(a−4)0〜64.7質量%と、
を含む単量体混合物(1)をラジカル重合して得られる第1重合体の存在下で、
アルキル(メタ)アクリレート(b−1)35〜99.9質量%と、
ラジカル重合可能な不飽和二重結合を2個以上有する化合物(b−2)0〜1質量%と、
水溶性不飽和単量体(b−3)(但し、前記ラジカル重合可能な不飽和二重結合を2個以上有する化合物(b−2)以外の単量体とする。)0.1〜30質量%と、
その他の単量体(b−4)0〜64.9質量%と、
を含む単量体混合物(2)をラジカル重合して得られる第2重合体を含む焼成用バインダ樹脂。

0011

[3]焼成用バインダ樹脂が体積平均粒子径100μm以下の粒子である、[1]または[2]に記載の樹脂。

0012

[4] [1]〜[3]のいずれかに記載の焼成用バインダ樹脂と、無機粉末と、有機溶剤とを含むペースト組成物。

0013

[5] [4]に記載のペースト組成物を焼成して得られる無機焼結体。

0014

[6]アルキル(メタ)アクリレート(a−1)35〜99.7質量%と、
ラジカル重合可能な不飽和二重結合を2個以上有する化合物(a−2)0.3〜5質量%と、
水溶性不飽和単量体(a−3)(但し、前記ラジカル重合可能な不飽和二重結合を2個以上有する化合物(a−2)以外の単量体とする。)0〜40質量%と、
その他の単量体(a−4)0〜64.7質量%と、
を含む単量体混合物(1)をラジカル重合して第1重合体を得る第1重合工程と、前記第1重合体の存在下で、
アルキル(メタ)アクリレート(b−1)35〜99.9質量%と、
ラジカル重合可能な不飽和二重結合を2個以上有する化合物(b−2)0〜1質量%と、
水溶性不飽和単量体(b−3)(但し、前記ラジカル重合可能な不飽和二重結合を2個以上有する化合物(b−2)以外の単量体とする。)0.1〜30質量%と、
その他の単量体(b−4)0〜64.9質量%と、
を含む単量体混合物(2)をラジカル重合して第2重合体を得る第2重合工程を含む焼成用バインダ樹脂の製造方法。

発明の効果

0015

本発明の焼成用バインダ樹脂を用いれば、レベリング性とスクリーン印刷における印刷性が共に優れたペースト組成物を容易に得ることができる。
また、本発明の焼成用バインダ樹脂の製造方法によれば、レベリング性とスクリーン印刷における印刷性が共に優れたペースト組成物を容易に得ることができる焼成用バインダ樹脂を製造できる。
また、本発明のペースト組成物は、レベリング性とスクリーン印刷における印刷性が共に優れている。

0016

以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートは、アクリレートとメタクリレートの両方を示し、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸とメタクリル酸の両方を示すものとする。

0017

(焼成用バインダ樹脂およびその製造方法)
本発明の焼成用バインダ樹脂は、アルキル(メタ)アクリレート(A−1)(以下、「(A−1)成分」という。)60〜99.8質量%と、ラジカル重合可能な不飽和二重結合を2個以上有する化合物(A−2)(以下、「(A−2)成分」という。)0.1〜5質量%と、水溶性不飽和単量体(A−3)(以下、「(A−3)成分」という。)0.1〜30質量%と、その他共重合可能な単量体(A−4)(以下、「(A−4)成分」という。)0〜39.8質量%と、を含む単量体混合物(A)を共重合して製造される。好ましい製造方法としては、次の方法が挙げられる。

0018

アルキル(メタ)アクリレート(a−1)(以下、「(a−1)成分」という。)35〜99.7質量%と、ラジカル重合可能な不飽和二重結合を2個以上有する化合物(a−2)(以下、「(a−2)成分」という。)0.3〜5質量%と、水溶性不飽和単量体(a−3)(但し、前記ラジカル重合可能な不飽和二重結合を2個以上有する化合物(a−2)以外の単量体とする。)(以下、「(a−3)成分」という。)0〜40質量%と、その他の単量体(a−4)(以下、「(a−4)成分」という。)0〜64.7質量%と、を含む単量体混合物(1)をラジカル重合して第1重合体を得る第1重合工程と、
前記第1重合体の存在下で、アルキル(メタ)アクリレート(b−1)(以下、「(b−1)成分」という。)35〜99.9質量%と、ラジカル重合可能な不飽和二重結合を2個以上有する化合物(b−2)(以下、「(b−2)成分」という。)0〜1質量%と、水溶性不飽和単量体(b−3)(但し、前記ラジカル重合可能な不飽和二重結合を2個以上有する化合物(b−2)以外の単量体とする。)(以下、「(b−3)成分」という。)0.1〜30質量%と、その他の単量体(b−4)(以下、「(b−4)成分」という。)0〜64.9質量%と、を含む単量体混合物(2)をラジカル重合して第2重合体を得る第2重合工程と、
を含む焼成用バインダ樹脂の製造方法である。

0019

<単量体混合物(A)>
単量体混合物(A)は、(A−1)成分、(A−2)成分および(A−3)成分を含む。
(A−1)成分は、アルキル(メタ)アクリレートである。(A−1)成分としては、アルキル基炭素数が1〜8であるアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。(A−1)成分は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。

0020

単量体混合物(A)における(A−1)成分の質量比率は、単量体混合物(A)を100質量%とした際の60〜99.8質量%である。(A−1)成分の比率が60〜99.8質量%であることによって、得られる焼成用バインダ樹脂に優れた焼成性を付与することができ、焼成材として好適に使用できる。(A−1)成分の比率の下限値は65質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。

0021

(A−2)成分は、ラジカル重合可能な不飽和二重結合を2個以上有する化合物である。(A−2)成分としては、例えば、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,3−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,4−ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリル酸エステル、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリテトラメチレングリコールトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、エトキシレーテッドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、プロポキシレーテッドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、グリセリントリ(メタ)アクリル酸エステル、エトキシレーテッドグリセリントリ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは、粘性増加効果と熱分解性とのバランスに優れるとともに、高粘性化しても糸引きを起こしにくいので、特に好ましい。(A−2)成分は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。

0022

単量体混合物(A)における(A−2)成分の質量比率は、単量体混合物(A)を100質量%とした際の0.1〜5質量%である。(A−2)成分の比率が0.1〜5質量%であることによって、得られる焼成用バインダ樹脂を含むペースト組成物の粘性を向上させて印刷性を高めることができ、また、焼成材として好適に使用できる。

0023

(A−2)成分の比率の下限値は0.5質量%以上が好ましい。(A−2)成分の比率が0.5質量%以上であれば、粘性増加効果と熱分解性とのバランスが良くなる上に、優れたスクリーン印刷での印刷性を付与できる。一方、(A−2)成分の比率の上限値は、有機溶剤への溶解性の点から3質量%以下が好ましい。

0024

(A−3)成分は、(A−2)成分以外の水溶性不飽和単量体である。(A−3)成分としては、不飽和結合を有し、かつ水への溶解度が10%以上である化合物が挙げられ、具体的には、(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートアクリルアミドマレイン酸フマル酸などが挙げられる。(A−3)成分は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。

0025

単量体混合物(A)における(A−3)成分の質量比率は、単量体混合物(A)を100質量%とした際の0.1〜30質量%である。(A−3)成分の比率が0.1質量%以上であることによって、得られる焼成用バインダ樹脂を含むペースト組成物の粘性を向上させて印刷性を高めることができる上に、優れたレベリング性を付与できる。また、ペースト組成物にした際に、無機粉末の分散安定性を向上させることができる。(A−3)成分の比率が30質量%以下であることによって、焼成用バインダ樹脂の焼成性を向上させることができるからである。

0026

単量体混合物(A)には、上述した(A−1)成分、(A−2)成分および(A−3)成分以外に(A−4)成分を含有してもよい。

0027

(A−4)成分としては、例えばスチレンα−メチルスチレンアクリロニトリルジエチルアミノエチルメタクリレート、酢酸ビニル等が挙げられる。これらラジカル重合性単量体の種類は、焼成用バインダ樹脂に配合される無機粉末や有機溶剤等の種類に応じて、適宜、選択される。

0028

単量体混合物(A)における(A−4)成分の質量比率は、単量体混合物(A)を100質量%とした際の0〜39.8質量%であり、30質量%以下であることが好ましい。特に、30質量%以下とすることで、効率よく焼成用バインダ樹脂を製造できるからである。(A−4)成分の比率は、20質量%以下がより好ましい。

0029

<単量体混合物(1)>
単量体混合物(1)は、(a−1)成分と(a−2)成分を含む。
(a−1)成分は、アルキル(メタ)アクリレートであり、上述した(A−1)成分と同様である。(a−1)成分の質量比率は、単量体混合物(1)を100質量%とした際の35〜99.7質量%である。(a−1)成分の比率が35〜99.7質量%であることによって、得られる焼成用バインダ樹脂に優れた焼成性を付与することができ、焼成材として好適に使用できる。(a−1)成分の比率の下限値は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。

0030

(a−2)成分は、ラジカル重合可能な不飽和二重結合を2個以上有する化合物であり、上述した(A−2)成分と同様である。(a−2)成分の質量比率は、単量体混合物(1)を100質量%とした際の0.3〜5質量%である。(a−2)成分の比率が0.3〜5質量%であることによって、得られる焼成用バインダ樹脂を含むペースト組成物の粘性を向上させて印刷性を高めることができ、また、焼成材として好適に使用できる。(a−2)成分の比率の下限値は0.5質量%以上が好ましい。(a−2)成分の比率が0.5質量%以上であれば、粘性増加効果と熱分解性とのバランスが良くなる上に、スクリーン印刷において優れた印刷性を付与できる。一方、(a−2)成分の比率の上限値は、有機溶剤への溶解性の点から3質量%以下が好ましい。

0031

単量体混合物(1)は、(a−3)成分を含んでいてもよい。(a−3)成分は、水溶性不飽和単量体であり、上述した(A−3)成分と同様である。(a−3)成分の質量比率は、単量体混合物(1)を100質量%とした際の0〜40質量%である。(a−3)成分の上限値は30質量%以下が好ましい。これは、30質量%以下とすることで、焼成用バインダ樹脂の焼成性を向上させることができるからである。

0032

単量体混合物(1)には、上述した(a−1)成分、(a−2)成分および(a−3)成分以外に(a−4)成分を含有してもよい。(a−4)成分は上述した(A−4)成分と同様である。(a−4)成分の質量比率は、単量体混合物(1)を100質量%とした際の0〜64.7質量%であり、40質量%以下であることが好ましい。これは、40質量%以下とすることで、効率よく焼成用バインダ樹脂を製造できるからである。(a−4)成分の比率は、30質量%以下がより好ましい。

0033

<単量体混合物(2)>
単量体混合物(2)は、(b−1)成分と(b−3)成分を含む。
(b−1)成分は、アルキル(メタ)アクリレートであり、上述した(A−1)成分と同様である。(b−1)成分としては、アルキル基の炭素数が2〜8であるアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートであることが好ましく、具体的には、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類が挙げられる。アルキル基の炭素数が2〜8であるアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートは、有機溶剤への溶解性が良く、焼成用バインダ樹脂に好適に用いることができる。(b−1)成分は(a−1)成分と同じであっても、異なっていてもよい。(b−1)成分は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。

0034

単量体混合物(2)における(b−1)成分の質量比率は、単量体混合物(2)を100質量%とした際の35〜99.9質量%である。(b−1)成分の比率が35〜99.9質量%であることによって、得られる焼成用バインダ樹脂が有機溶剤中で膨潤し、良好な印刷性を発現できる。(b−1)成分の比率の下限値は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。

0035

単量体混合物(2)は、(b−2)成分を含んでいてもよい。(b−2)成分は、ラジカル重合可能な不飽和二重結合を2個以上有する化合物であり、上述した(A−2)成分と同様である。(b−2)成分は(a−2)成分と同じであっても、異なっていてもよい。(b−2)成分の質量比率は、単量体混合物(2)を100質量%とした際の0〜1質量%である。1質量%以下とすることで、得られる焼成用バインダ樹脂の有機溶剤中における膨潤度が大きくなり、印刷性が発現しやすいためである。単量体混合物(2)中における(b−2)成分の質量比率は、0.5質量%以下が好ましい。

0036

(b−3)成分は、水溶性不飽和単量体であり、上述した(A−3)成分と同様である。(b−3)成分は(a−3)成分と同じであっても、異なっていてもよい。(b−3)成分は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。

0037

単量体混合物(2)における(b−3)成分の質量比率は、単量体混合物(2)を100質量%とした際の0.1〜30質量%である。(b−3)成分の比率が0.1質量%以上であることによって、得られる焼成用バインダ樹脂を含むペースト組成物の粘性を向上させて印刷性を高めることができる上に、優れたレベリング性を付与できる。また、ペースト組成物にした際に、無機粉末の分散安定性を向上させることができる。また(b−3)成分の比率が30質量%以下であることによって、焼成用バインダ樹脂の焼成性を向上させることができるからである。

0038

単量体混合物(2)には、上述した(b−1)成分、(b−2)成分および(b−3)成分以外の(b−4)成分を含有してもよい。(b−4)成分は、上述した(A−4)成分と同様である。(b−4)成分は(a−4)成分と同じであっても、異なっていてもよい。(b−4)成分の質量比率は、単量体混合物(2)を100質量%とした際の0〜64.9質量であり、30質量%以下であることが好ましい。30質量%以下とすることで、効率よく焼成用バインダ樹脂を製造できるからである。

0039

本発明の焼成用バインダ樹脂の製造方法は、単量体混合物(1)をラジカル重合して得られる重合体の存在下で、単量体混合物(2)をラジカル重合することで製造することが出来る。

0040

単量体混合物(1)の質量比率は、全単量体合物を100質量%とした際に、20〜80質量%であることが好ましい。単量体混合物(1)の比率が20〜80質量%であることによって、ペースト組成物のチキソ性を発現し、印刷性が良好となる。

0041

一方、単量体混合物(2)の質量比率は、全単量体混合物を100質量%とした際に、20〜80質量%であることが好ましい。単量体混合物(2)の比率が20〜80質量%であることによって、ペースト組成物の粘度が適度になり、タレ等を防止できる。

0042

なお、本発明においては、焼成用バインダ樹脂を製造するに際して、単量体混合物(1)、(2)以外の他の単量体混合物(0)をラジカル重合する工程を、単量体混合物(1)をラジカル重合する第1重合工程の前および/または単量体混合物(2)をラジカル重合する第2重合工程の後、あるいはこれらの工程の間に行ってもよい。なお、単量体混合物(1)をラジカル重合する前に、他の単量体混合物(0)をラジカル重合する場合は、他の単量体混合物(0)の重合体がシード粒子の役割を果たす。

0043

他の単量体混合物(0)には、ラジカル重合可能な1種または2種以上の単量体が含まれ、その種類については特に制限されないが、他の単量体混合物(0)の重合のタイミングによって、上述した(a−1)〜(a−4)、(b−1)〜(b−4)成分の少なくとも1つが含まれるのが好ましい。また、他の単量体混合物(0)は、単量体混合物(1)または(2)と同じ組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。

0044

他の単量体混合物(0)の質量比率は、全単量体混合物を100質量%とした際に、50質量%未満が好ましい。これは、50質量%未満とすることで、得られる焼成用バインダ樹脂の粒子径の制御が容易にできるからである。他の単量体混合物(0)の比率の上限値は30質量%未満がより好ましい。特に、単量体混合物(1)よりも前でのみ、他の単量体混合物(0)を重合する場合、他の単量体混合(0)の比率は20質量%未満が好ましい。

0045

各単量体混合物をラジカル重合する際の重合方法としては、懸濁重合法、乳化重合法溶液重合法等の公知の方法が挙げられるが、中でも、得られる焼成用バインダ樹脂の粒子径を制御しやすい点で、乳化重合法が好ましい。

0046

乳化重合法では、具体的には、水中に単量体混合物(1)と乳化剤重合開始剤を添加し、加熱して重合する。その後、この反応系中に単量体混合物(2)を添加して重合する。

0050

乳化重合を行う際は、少量の他の単量体混合物(0)を一括で重合してシード粒子を作成し、その後、単量体混合物を滴下重合する、シード重合を用いることが好ましい。これは、シード重合を用いることによって、得られる焼成用バインダ樹脂の粒子径をより制御しやすいためである。シード粒子を作成する場合、他の単量体混合物(0)の質量比率は、全単量体混合物を100質量%とした際に1〜10質量%であることが好ましい。
なお、シード粒子を形成する際は、他の単量体混合物(0)として単量体混合物(1)の一部を用いてもよい。

0051

このようにして得られる焼成用バインダ樹脂は、その粒子径が小さくなる程、有機溶剤への溶解性が向上する。そのため、焼成用バインダ樹脂の体積平均粒子径は100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。さらに好ましくは5μm以下である。焼成用バインダ樹脂の体積平均粒子径が100μm以下であれば、焼成用バインダ樹脂の有機溶剤への溶解性を十分に向上させることができる。

0052

ここで、体積平均粒子径は光散乱光度計を用いて測定した値である。なお、本発明における粒子径とは、ラジカル重合によって製造された時点での1次粒子径のことであり、ラジカル重合の後、顆粒化等を行った際の粒子径である2次粒子径とは異なる。

0053

本発明者らが調べた結果、本発明により得られる焼成用バインダ樹脂を用いることにより、レベリング性とスクリーン印刷における印刷性が共に優れたペースト組成物が容易に得られることが判明した。これは、上述したように、単量体混合物(1)の重合体の存在下、単量体混合物(2)をラジカル重合することで焼成用バインダ樹脂を製造することで、構造粘性によるチキソ性の発現と、ペーストでの流動性が向上するためであると考えられる。

0054

上記製造方法により得られる焼成用バインダ樹脂は、単量体混合物(1)をラジカル重合して得られる重合体をコア、単量体混合物(2)をラジカル重合して得られる重合体をシェルとするコアシェル構造を有していると考えられ、この構造がチキソ性と流動性に寄与していると推定される。

0055

本発明の焼成用バインダ樹脂は、ターピネオールに溶解して得られた前記樹脂の15質量%溶液が次の条件を満足するものであることが好ましい。
η1/η10が2.5未満
η1/η5000が5以上
ここで、η1、η10及びη5000は、粘弾性測定装置(アントンパール社製、「PhyscaMCR300」)を用いて、コーンプレート0.5°/25mm、測定温度23℃の条件で測定した樹脂溶液の粘度であり、η1はせん断速度1(1/s)のときの粘度、η10はせん断速度10(1/s)のときの粘度、η5000はせん断速度5000(1/s)のときの粘度である。なお、粘度測定の際に使用するターピネオールは、α−ターピネオールとβ−ターピネオールとγ−ターピネオールの混合物であり、日本香料薬品株式会社製の「ターピネオール(商品名)」のことである。

0056

(ペースト組成物)
本発明のペースト組成物は、上記焼成用バインダ樹脂と、無機粉末と、有機溶剤とを含む。
また、ペースト組成物は、必要に応じて、可塑剤分散助剤消泡剤などが含まれてもよい。

0057

無機粉末は、焼成用バインダ樹脂に分散できるものであれば特に制限されない。
無機粉末の具体例としては、例えば、アルミナジルコニア酸化チタンチタン酸バリウム等の酸化物窒化アルミナ、窒化珪素窒化ホウ素等の窒化物、銅、銀、ニッケル等の金属、低融点ガラス粉等のシリカ粉体、各種蛍光体などが挙げられる。

0058

焼成用バインダ樹脂と無機粉末との好ましい質量比率は、無機粉末の比重により異なるが、例えば、無機粉末100質量部に対して焼成用バインダ樹脂の固形分が3〜30質量部であることが好ましい。焼成用バインダ樹脂の固形分が3質量部以上であれば、無機粉末を容易に成形でき、30質量部以下であれば、焼成後に確実に目的の成形体やパターンを得ることができる。

0059

有機溶剤は、焼成用バインダ樹脂を溶解可能なものが使用される。
有機溶剤としては、沸点が100℃以上のものが好ましく、120℃以上のものがより好ましい。沸点が100℃以上であれば、有機溶剤が蒸発しにくくなるので、得られるペースト組成物の印刷または塗工時の作業性が良好にある。なお、本発明において「沸点」とは、1気圧(1013hPa)における沸点である。

0060

沸点が100℃以上の有機溶剤としては、例えば、α,β,γ−ターピネオール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチル−3−エトキシプロピオネートエチレングリコールモノメチルエーテルエチレングリコールモノブチルエーテルエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートジエチレングリコールモノエチルエーテルジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートイソホロン、3−メトキシブチルアセテートベンジルアルコール、1−オクタノール、1−ノナオール2−エチル−1−ヘキサノール、1−デカノール、1−ウンデカノール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオールトルエンジメチルスルホキシドジメチルホルムアミドジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。有機溶剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。

0061

前記有機溶剤の中でも、溶解性に優れることから、α,β,γ−ターピネオール、プロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。
スクリーン印刷やディップ塗布を可能にするために、ペースト組成物の粘性を高くするためには、有機溶剤中にα,β,γ−ターピネオールを50質量%以上含有することが好ましく、70質量%以上含有することがより好ましい。

0062

ペースト組成物における有機溶剤の含有量は、ペースト組成物を100質量%とした際の5〜70質量%であることが好ましい。有機溶剤の含有量が5質量%以上であれば、ペーストに流動性を付与でき、70質量%以下であれば、高い印刷性を発現することができる。

0063

上述したペースト組成物は、本発明の焼成用バインダ樹脂を含むため、レベリング性とスクリーン印刷における印刷性が共に優れている。
このペースト組成物は、スクリーン印刷での印刷性に優れるから、基材上にパターンを形成する際に、スクリーン印刷を適用することが好ましいが、スクリーン印刷以外の方法を適用しても構わない。ペースト組成物の粘度が高い場合には、ディップ塗布法、ディスペンス塗布法を適用でき、粘度が低い場合には、ドクターブレード塗布法やキャスト塗布法を適用できる。
ペースト組成物が印刷または塗布される基材としては、例えば、セラミックス基板コンデンサ等が挙げられる。

0064

(無機焼結体)
本発明の無機焼結体は、上記ペースト組成物を焼成して得られる無機焼結体である。焼成方法としては、上記ペースト組成物が印刷または塗布された基材を高温雰囲気下に配置する方法が挙げられるが、これに限るものではない。焼成の過程で、ペースト組成物に含有されている焼成用バインダ樹脂を含む有機物質分解除去され、無機粉末が溶融し、焼結することによって、無機焼結体が得られる。焼成温度としては、基板溶融温度や無機粉末、ペースト組成物中に含まれる有機物質の種類などによって適宜決めることができるが、通常200〜1500℃、好ましくは300〜1000℃である。

0065

以下、本発明について実施例および比較例により説明する。なお、以下の例における「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。
以下の例における測定・評価方法、および焼成用バインダ樹脂の製造方法は、次の通りである。

0066

<測定・評価方法>
(体積平均粒子径の測定)
焼成用バインダ樹脂の粒子の体積平均粒子径を、光散乱光度計(大塚電子株式会社製、「FPAR−1000型」)を用いて測定した。

0067

(レベリング性の評価)
焼成用バインダ樹脂溶液の粘度を、粘弾性測定装置(アントンパール社製、「PhyscaMCR300」)を用いて、コーンプレート0.5°/25mm、測定温度23℃の条件で測定した。せん断速度1(1/s)のときの粘度をη1、せん断速度10(1/s)のときの粘度をη10とした際のη1/η10の値を求めた。そして、以下の評価基準でレベリング性を評価した。なお、η1/η10の値が小さい程、レベリング性に優れる。
◎:η1/η10が2.0未満。
○:η1/η10が2.0以上、2.5未満。
×:η1/η10が2.5以上。

0068

(印刷性の評価)
レベリング性の評価と同様にして粘度を測定し、せん断速度1(1/s)のときの粘度をη1、せん断速度5000(1/s)のときの粘度をη5000とした際のη1/η5000の値を求めた。そして、以下の評価基準で印刷性を評価した。なお、η1/η5000の値が大きい程、印刷性に優れる。
◎:η1/η5000が10以上。
○:η1/η5000が5以上、10未満。
×:η1/η5000が5未満。

0069

熱減量率の評価)
示差熱天秤TG−DTA(株式会社リガク製、商品名:Thermo plusEVO)を用いて、測定サンプル5mgを空気中で(開始温度)30℃から500℃まで15℃/minの速度で昇温した際の、450℃での熱減量率(%)を以下の式に従って求めた。
熱減量率(%)=(サンプリング質量(mg)−残渣の質量(mg))/サンプリング質量(mg)

0070

<焼成用バインダ樹脂の製造方法>
(製造例1〜9)
加熱および冷却が可能な重合装置に、水100部と、乳化剤として表1に示す量のジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(花王株式会社製、「ペレックスTP」)と、重合開始剤として過硫酸カリウム0.05部を投入した。さらに、この重合装置に、イソブチルメタクリレート4部を添加し、窒素雰囲気中、回転数150rpmで攪拌しながら80℃で0.5時間加熱し、重合させて、シード粒子を含む乳化液を得た。
このシード粒子を含む乳化液に、脱イオン水25部と、乳化剤としてジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(花王株式会社製、「ペレックスOTP」)1部と、表1、2に示す質量比率(配合組成)の単量体混合物(1)を48部、乳化処理し、2時間かけて滴下した後、80℃で0.5時間加熱して重合させた。
引き続き、脱イオン水25部と、乳化剤としてジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(花王株式会社製、「ペレックスOTP」)1部と、表1、2に示す質量比率の単量体混合物(2)を48部、乳化処理し、反応溶液中に2時間かけて滴下した後、80℃で1時間保持して、焼成用バインダ樹脂の乳化液を得た。
得られた焼成用バインダ樹脂の乳化液を、噴霧乾燥装置(大川原化工機株式会社製、「L−8型」)を用い、チャンバー入口温度150℃、チャンバー出口温度55℃、アトマイザー回転数20000rpmの条件で噴霧乾燥して、焼成用バインダ樹脂の粒子(A1〜A9)を得た。
得られた焼成用バインダ樹脂の体積平均粒子径の測定結果を表1に示す。

0071

(製造例10)
製造例1〜9と同様にして、シード粒子を含む乳化液を調製した。
このシード粒子を含む乳化液に、脱イオン水15部と、乳化剤としてジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(花王株式会社製、「ペレックスOTP」)0.5部と、表2に示す質量比率の単量体混合物(1)を30部、乳化処理し、1.5時間かけて滴下した後、80℃で0.5時間加熱して重合させた。
引き続き、脱イオン水35部と、乳化剤としてジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(花王株式会社製、「ペレックスOTP」)1.5部と、表2に示す質量比率の単量体混合物(2)を66部、乳化処理し、反応溶液中に2.5時間かけて滴下した後、80℃で1時間保持して、焼成用バインダ樹脂の乳化液を得た。
得られた焼成用バインダ樹脂の乳化液を、製造例1〜9と同様にして噴霧乾燥して、焼成用バインダ樹脂(A10)を得た。
得られた焼成用バインダ樹脂の体積平均粒子径の測定結果を表1に示す。

0072

(製造例11)
加熱および冷却が可能な重合装置に、水100部と、重合開始剤として過硫酸カリウム0.05部を投入した。窒素雰囲気中、回転数150rpmで攪拌しながら80℃に加熱した。
ここに、脱イオン水35部と、乳化剤としてジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(花王株式会社製、「ペレックスOTP」)1.5部と、表2に示す質量比率の単量体混合物(1)を75部、乳化処理し、2.5時間かけて滴下した後、80℃で0.5時間加熱して重合させた。
引き続き、脱イオン水15部と、乳化剤としてジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(花王株式会社製、「ペレックスOTP」)0.5部と、表2に示す質量比率の単量体混合物(2)を25部、乳化処理し、反応溶液中に1.5時間かけて滴下した後、80℃で1時間保持して、焼成用バインダ樹脂の乳化液を得た。
得られた焼成用バインダ樹脂の乳化液を、製造例1〜9と同様にして噴霧乾燥して、焼成用バインダ樹脂(A11)を得た。
得られた焼成用バインダ樹脂の体積平均粒子径の測定結果を表1に示す。

0073

(比較製造例1)
昇温、冷却可能な2L(リットル)の四つ口フラスコに、純水1000部にポリビニルアルコール7.5部を溶解させた溶液を投入した。ここに、イソブチルメタクリレートを225部、2−エチルヘキシルメタクリレートを269.75部、メタクリル酸を5部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製、「カヤラッドDPHA」)を0.25部含む単量体混合物(1)と、ラウリルパーオキサイド2.5部をさらに投入し、300rpmで激しく攪拌して懸濁状態にし、80℃に昇温して5時間反応させ重合を終了した。
得られた懸濁物洗浄脱水、乾燥して焼成用バインダ樹脂(A12)を得た。
単量体混合物(1)を100質量%とした際の各単量体成分の質量比率、および得られた焼成用バインダ樹脂の平均粒子径の測定結果を表2に示す。

0074

(比較製造例2)
加熱および冷却が可能な重合装置に、水100部と、乳化剤として表2に示す量のジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(花王株式会社製、「ペレックスOTP」)と、重合開始剤として過硫酸カリウム0.05部を投入した。さらに、この重合装置に、メチルメタクリレート2部とイソブチルメタクリレート2部を添加し、窒素雰囲気中、回転数150rpmで攪拌しながら80℃で0.5時間加熱し、重合させて、シード粒子を含む乳化液を得た。
このシード粒子を含む乳化液に、脱イオン水50部と、乳化剤としてジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(花王株式会社製、「ペレックスOTP」)2部と、表2に示す質量比率(配合組成)の単量体混合物(1)を96部、乳化処理し、4時間かけて滴下した後、80℃で1時間加熱して、焼成用バインダ樹脂の乳化液を得た。
得られた焼成用バインダ樹脂の乳化液を、噴霧乾燥装置(大川原化工機株式会社製、「L−8型」)を用い、チャンバー入口温度150℃、チャンバー出口温度55℃、アトマイザー回転数20000rpmの条件で噴霧乾燥して、焼成用バインダ樹脂(A13)を得た。
得られた焼成用バインダ樹脂の体積平均粒子径の測定結果を表2に示す。

0075

[実施例1〜11、比較例1〜2]
表1及び2に示す種類の焼成用バインダ樹脂(A1〜A13)150部を2Lの3口フラスコ内に入れ、さらに、その3口フラスコにターピネオール(α−、β−、γ−ターピネオールの混合物、日本香料薬品株式会社製(商品名))850部を投入した。その後、80℃に昇温して3時間溶解させて、焼成用バインダ樹脂溶液を得た。
得られた焼成用バインダ樹脂溶液について、レベリング性および印刷性の評価を行った。その結果を表1に示す。

0076

[実施例12、13]
焼成用バインダ樹脂A1およびA4について熱減量率の評価を行った。その結果を表3に示す。

0077

[参考例]
エチルセルロース(日新化成株式会社社製、商品名:STD100)について熱減量率の評価を行った。その結果を表3に示す。

0078

0079

0080

0081

表1、2中の記号は以下の通りである。なお、表1、2に示す単量体混合物(0)〜(2)中の各単量体の量は、単量体混合物(0)〜(2)をそれぞれ100質量%とした際の質量比率である。また、表1,2中のシード(0)は、他の単量体混合物(0)と同じ意味を表す。
・IBMA:イソブチルメタクリレート
・nBMA:n−ブチルメタクリレート
・MMA:メチルメタクリレート
・EHMA:2−エチルヘキシルメタクリレート
・EDMAジメタクリル酸エチレングリコール
・DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
・MAA:メタクリル酸
・AA:アクリル酸

実施例

0082

表1、2から明らかなように、各実施例で得られた焼成用バインダ樹脂溶液は、いずれもレベリング性と印刷性とが共に良好であった。
また、表3から明らかなように、焼成用バインダ樹脂A1とA4はエチルセルロースと比べて熱分解性に優れていた。

0083

本発明の焼成用バインダ樹脂は、レベリング性とスクリーン印刷における印刷性が共に優れたペースト組成物の成分として有用である。また、本発明の製造方法によれば、このような焼成用バインダ樹脂を容易に得ることができるため有用である。

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