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技術 電解コンデンサ用電解液

出願人 日本ケミコン株式会社
発明者 川上淳一坂倉正郎小澤正
出願日 2011年3月25日 (10年2ヶ月経過) 出願番号 2012-506865
公開日 2013年7月4日 (7年11ヶ月経過) 公開番号 WO2011-118234
状態 特許登録済
技術分野 電解コンデンサのセパレータ等 電解コンデンサ
主要キーワード 疎水性皮膜 静電容量特性 水分添加量 水和反応抑制 火花電圧 初期静電容量 高周波リップル電流 高温放置試験
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課題・解決手段

低インピーダンス化高信頼性両立できる、中高圧電コンデンサ用電解液により、中高圧用電解コンデンサにおいて、高周波低インピーダンスで、さらに信頼性も良好な電解コンデンサを提供する。 中高圧電解コンデンサ用電解液に一般式:HOOC(CH2)nCOOH(式中、nは9〜11の整数を表す。)で表される直鎖の飽和ジカルボン酸を添加することで、電極箔表面疎水性皮膜が形成され、この疎水性皮膜が電極箔と水との水和反応を抑制することで、電解液への水の多量添加を可能とし、また、エチレングリコールを主成分とする溶媒に、アゼライン酸セバシン酸、1−メチル−アゼライン酸、1,6−デカンジカルボン酸、またはそれらの塩を溶解した中高圧用電解液において、低比抵抗特性を有し、電極箔の水和劣化を抑えることで電解コンデンサの寿命特性を良好に保つことを可能とする。

概要

背景

電解コンデンサは、アルミニウムまたはタンタルなどの表面に絶縁性酸化皮膜が形成された弁金属陽極電極箔に使用し、前記酸化皮膜層誘電体とし、この酸化皮膜層の表面に電解質層となる電解液を接触させ、さらに通常陰極と称する集電用の電極箔を配置して構成される。

電解コンデンサ用電解液は、上述のように誘電体層に直接に接触し、真の陰極として作用する。即ち、電解液は電解コンデンサの誘電体と集電陰極との間に介在して、電解液の抵抗分が電解コンデンサに直列に挿入されることになる。故に、その電解液の特性が電解コンデンサ特性を左右する大きな要因となる。

電解コンデンサの従来技術においては、中高圧用の電解コンデンサに用いられる電解液として、中高電圧における特性の安定化を図るために、耐電圧が高く電極箔の劣化が少ない電解液として、エチレングリコール溶媒とし、アゼライン酸セバシン酸、1−メチル−アゼライン酸、1,6−デカンジカルボン酸、あるいはそれらの塩を溶質として用いた電解液を用いることが一般的である。

ところで、近年、電源の一次側には高周波対策のために力率改善回路が組み込まれるようになり、これに伴って、大きな高周波リップル電流に耐えられる中高圧用の高周波低インピーダンス電解コンデンサが望まれている。

従来、電解コンデンサの高周波における低インピーダンス化の方法としては、電解液の比抵抗下げることによって対応してきている。電解液の比抵抗を下げる方法としては、電解液中に水を多量に混合する方法が知られている。(特許文献1)

しかし、中高圧電コンデンサ用電解液として水を多量に含むものを用いると、高温放置試験を行った場合に、中高圧電解コンデンサ用陽極電極箔の酸化皮膜が電解液中の水によって溶解(水和劣化)し、静電容量値初期特性に対して増大し、また、耐圧が低下するなど、電解コンデンサとしての信頼性が低下してしまうものであった。

このような、電極箔の水和劣化を緩慢にする方法としては、電極箔と水との水和反応を抑制する添加剤を添加する方法が知られている。(特許文献2)

概要

低インピーダンス化と高信頼性両立できる、中高圧電解コンデンサ用電解液により、中高圧用電解コンデンサにおいて、高周波低インピーダンスで、さらに信頼性も良好な電解コンデンサを提供する。 中高圧電解コンデンサ用電解液に一般式:HOOC(CH2)nCOOH(式中、nは9〜11の整数を表す。)で表される直鎖の飽和ジカルボン酸を添加することで、電極箔表面疎水性皮膜が形成され、この疎水性皮膜が電極箔と水との水和反応を抑制することで、電解液への水の多量添加を可能とし、また、エチレングリコールを主成分とする溶媒に、アゼライン酸、セバシン酸、1−メチル−アゼライン酸、1,6−デカンジカルボン酸、またはそれらの塩を溶解した中高圧用電解液において、低比抵抗特性を有し、電極箔の水和劣化を抑えることで電解コンデンサの寿命特性を良好に保つことを可能とする。

目的

ところで、近年、電源の一次側には高周波対策のために力率改善回路が組み込まれるようになり、これに伴って、大きな高周波リップル電流に耐えられる中高圧用の高周波低インピーダンス電解コンデンサが望まれている

効果

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請求項1

エチレングリコールと、電解液全体の15〜50wt%の水に、アゼライン酸セバシン酸、1−メチル−アゼライン酸、1,6−デカンジカルボン酸、および、その塩のうち少なくとも1種類を溶質として溶解し、一般式(化1)で表される直鎖の飽和ジカルボン酸を添加し、電極箔疎水性皮膜を形成したことを特徴とする電解コンデンサ用電解液。(化1)HOOC(CH2)nCOOH(式中、nは9〜11の整数を表す。)

請求項2

エチレングリコールと、電解液全体の15〜50wt%の水に、アゼライン酸、セバシン酸、1−メチル−アゼライン酸、1,6−デカンジカルボン酸、および、その塩のうち少なくとも1種類を溶質として溶解し、脂肪酸アルカノールアミドを添加し、電極箔に疎水性皮膜を形成したことを特徴とする電解コンデンサ用電解液。

請求項3

エチレングリコールと、電解液全体の15〜50wt%の水に、アゼライン酸、セバシン酸、1−メチル−アゼライン酸、1,6−デカンジカルボン酸、および、その塩のうち少なくとも1種類を溶質として溶解し、一般式(化1)で表される直鎖の飽和ジカルボン酸及び脂肪酸アルカノールアミドを添加し、電極箔に疎水性皮膜を形成したことを特徴とする電解コンデンサ用電解液。(化1)HOOC(CH2)nCOOH(式中、nは9〜11の整数を表す。)

請求項4

前記脂肪酸アルカノールアミドとして、ラウリン酸ジエタノールアミドを用いたことを特徴とする請求項2又は3記載の電解コンデンサ用電解液。

請求項5

請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電解コンデンサ用電解液を用いたことを特徴とする電解コンデンサ

請求項6

エチレングリコールと、電解液全体の15〜50wt%の水に、アゼライン酸、セバシン酸、1−メチル−アゼライン酸、1,6−デカンジカルボン酸、および、その塩のうち少なくとも1種類を溶質として溶解した電解液と、脂肪酸アルカノールアミドを含む疎水性皮膜を形成した電極箔と、を含むことを特徴とする電解コンデンサ。

技術分野

0001

本発明は電解コンデンサ、特に、高周波低インピーダンス特性を有し、中高圧における特性が安定な電解コンデンサに用いる電解コンデンサ用電解液に関する。

背景技術

0002

電解コンデンサは、アルミニウムまたはタンタルなどの表面に絶縁性酸化皮膜が形成された弁金属陽極電極箔に使用し、前記酸化皮膜層誘電体とし、この酸化皮膜層の表面に電解質層となる電解液を接触させ、さらに通常陰極と称する集電用の電極箔を配置して構成される。

0003

電解コンデンサ用電解液は、上述のように誘電体層に直接に接触し、真の陰極として作用する。即ち、電解液は電解コンデンサの誘電体と集電陰極との間に介在して、電解液の抵抗分が電解コンデンサに直列に挿入されることになる。故に、その電解液の特性が電解コンデンサ特性を左右する大きな要因となる。

0004

電解コンデンサの従来技術においては、中高圧用の電解コンデンサに用いられる電解液として、中高電圧における特性の安定化を図るために、耐電圧が高く電極箔の劣化が少ない電解液として、エチレングリコール溶媒とし、アゼライン酸セバシン酸、1−メチル−アゼライン酸、1,6−デカンジカルボン酸、あるいはそれらの塩を溶質として用いた電解液を用いることが一般的である。

0005

ところで、近年、電源の一次側には高周波対策のために力率改善回路が組み込まれるようになり、これに伴って、大きな高周波リップル電流に耐えられる中高圧用の高周波低インピーダンス電解コンデンサが望まれている。

0006

従来、電解コンデンサの高周波における低インピーダンス化の方法としては、電解液の比抵抗下げることによって対応してきている。電解液の比抵抗を下げる方法としては、電解液中に水を多量に混合する方法が知られている。(特許文献1)

0007

しかし、中高圧電コンデンサ用電解液として水を多量に含むものを用いると、高温放置試験を行った場合に、中高圧電解コンデンサ用陽極電極箔の酸化皮膜が電解液中の水によって溶解(水和劣化)し、静電容量値初期特性に対して増大し、また、耐圧が低下するなど、電解コンデンサとしての信頼性が低下してしまうものであった。

0008

このような、電極箔の水和劣化を緩慢にする方法としては、電極箔と水との水和反応を抑制する添加剤を添加する方法が知られている。(特許文献2)

先行技術

0009

特開平11−145004号公報
特開2002−164260号公報

発明が解決しようとする課題

0010

しかしながら、特許文献2のような中高圧用電解コンデンサにおいて、水の混合量を10wt%より多くすると、添加剤の電極箔に対する水和反応抑制効果が不十分となってしまうので、従来では、中高圧用電解コンデンサにおいて、水の添加を10wt%より多くすることができず、高周波におけるインピーダンスを十分に低くすることができなかった。このため、中高圧用電解コンデンサにおいて、高周波における十分な低インピーダンス特性が得られ、さらに信頼性の高い電解コンデンサは提案されていなかった。

0011

そこで、本発明は、中高圧用電解コンデンサにおいて、高周波低インピーダンスで、さらに信頼性も良好な電解コンデンサを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0012

本発明は、上記課題を解決するため、鋭意研究したものであり、その一つの態様として、電解液に一般式:HOOC(CH2)nCOOH(式中、nは9〜11の整数を表す。)で表される直鎖の飽和ジカルボン酸を添加することで、この直鎖の飽和ジカルボン酸の有する2つのカルボン酸水酸基(−OH基)の酸素電極箔表面のアルミニウムに配位結合したと思われる疎水性皮膜が形成され、この疎水性皮膜が電極箔と水との水和反応を抑制することで、電解液への水の多量添加を可能とすることを明らかにしたものであり、この直鎖の飽和ジカルボン酸の添加によって、エチレングリコールに多量の水を添加した溶媒に、アゼライン酸、セバシン酸、1−メチル−アゼライン酸、1,6−デカンジカルボン酸、またはそれらの塩を溶解した中高圧用電解液において、低比抵抗特性を有し、電極箔の水和劣化を抑えることで電解コンデンサの寿命特性を良好に保つことを可能とすることを明らかにしたものである。

0013

すなわち、本発明の一つの実施形態に係る電解コンデンサ用電解液は、エチレングリコールと、電解液全体の15〜50wt%の水に、アゼライン酸、セバシン酸、1−メチル−アゼライン酸、1,6−デカンジカルボン酸、および、その塩のうち少なくとも1種類を溶質として溶解し、一般式:HOOC(CH2)nCOOH(式中、nは9〜11の整数を表す。)で表される直鎖の飽和ジカルボン酸を添加し、電極箔に疎水性皮膜を形成した電解コンデンサ用電解液である。

0014

さらに、本発明は、別の態様として、電解液に脂肪酸アルカノールアミドを添加することで、この脂肪酸アルカノールアミドが有する窒素又はアルコールの部分の水酸基(−OH基)の酸素が、電極箔表面のアルミニウムと配位結合したと思われる疎水性皮膜が形成され、この疎水性皮膜が電極箔と水との水和反応を抑制することで、電解液への水の多量添加を可能とすることを明らかにしたものであり、この脂肪酸アルカノールアミドの添加によって、エチレングリコールに多量の水を添加した溶媒に、アゼライン酸、セバシン酸、1−メチル−アゼライン酸、1,6−デカンジカルボン酸、またはそれらの塩を溶解した中高圧用電解液において、低比抵抗特性を有し、電極箔の水和劣化を抑えることで電解コンデンサの寿命特性を良好に保つことを可能とすることを明らかにしたものである。

0015

すなわち、本発明の別の実施形態に係る電解コンデンサ用電解液は、エチレングリコールと、電解液全体の15〜50wt%の水に、アゼライン酸、セバシン酸、1−メチル−アゼライン酸、1,6−デカンジカルボン酸、および、その塩のうち少なくとも1種類を溶質として溶解し、脂肪酸アルカノールアミドを添加し、電極箔に疎水性皮膜を形成した電解コンデンサ用電解液である。

発明の効果

0016

本発明によれば、中高圧電解コンデンサ用電解液において、電解液に上述のn=9〜11の直鎖の飽和ジカルボン酸又は脂肪酸アルカノールアミドを添加することで、これらが電極箔表面に配位結合したと思われる疎水性皮膜が形成され、この疎水性皮膜が電極箔と水との水和反応を抑制することで、電解液への水の多量添加を可能とした、低インピーダンス化と信頼性が両立できる電解液を用いることで、中高圧用電解コンデンサにおいて、高周波低インピーダンスで、さらに信頼性も良好な電解コンデンサを提供することができる。

実施例

0017

(第1実施形態)
本発明の第1実施形態の電解コンデンサ用電解液としては、エチレングリコールと、電解液全体の15〜50wt%の水に、アゼライン酸、セバシン酸、1−メチル−アゼライン酸、1,6−デカンジカルボン酸、および、その塩のうち少なくとも1種類を溶質として溶解し、一般式:HOOC(CH2)nCOOH(式中、nは9〜11の整数を表す。)で表される直鎖の飽和ジカルボン酸を添加した電解コンデンサ用電解液を用いている。

0018

一般式:HOOC(CH2)nCOOH(式中、nは9〜11の整数を表す。)で表される直鎖の飽和ジカルボン酸の添加量は、電解液全体の0.1wt%以上、好ましくは0.5wt%以上で良好な電極箔の水和劣化抑制効果があり、この範囲未満では水和劣化の抑制効果が低くなる。また、この直鎖の飽和ジカルボン酸は溶解限界付近まで添加しても低抵抗の電解コンデンサ用電解液が得られる。

0019

水の含有量は、15〜50wt%、好ましくは15〜35wt%であるが、この範囲未満では十分な比抵抗低減効果が得られず、この範囲を超えると電極箔の水和劣化を抑制できなくなる。

0020

本発明の電解液に用いるアゼライン酸、セバシン酸、1−メチル−アゼライン酸、1,6−デカンジカルボン酸の塩としては、アンモニウム塩のほか、メチルアミンエチルアミン、t−ブチルアミンn−プロピルアミン等の一級アミン塩、ジメチルアミンエチルメチルアミンジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン等の二級アミン塩、トリ−n−プロピルアミン、トリメチルアミントリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミンジメチルエチルアミン、等の三級アミン塩ジエタノールアミントリエタノールアミンナフタレンジアミンベンジルアミン等の塩を例示することが出来るが、特に二級アミン塩を用いると、より良好な水和抑制効果が見られる。

0021

また、ポリオキシエチレングリセリンポリグリセリングリセリンからなる多価アルコールのうちから選ばれる、1種または2種以上を添加すると、火花電圧は上昇する。

0022

そして、ニトロ安息香酸ニトロフェノールニトロアニソールからなるニトロ化合物うちから選ばれる、1種または2種以上を添加すると、この電解液を用いた電解コンデンサの内圧上昇を低減できるので、電解コンデンサの高温寿命特性は向上する。

0023

(実施例)
以下に実施例により本発明の第1実施形態をさらに具体的に説明する。(表1)に本発明の第1実施形態の実施例、比較例について、電解コンデンサ用電解液の組成と、比抵抗を示した。

0024

0025

次に、陽極箔陰極箔とを電解紙を介して巻回しコンデンサ素子に、(表1)に示す電解液を含浸して、450V−6.8μF(φ10×20mmL)の電解コンデンサを作成した。尚、比較例3の電解液を用いた電解コンデンサは耐圧が低いため、電解コンデンサを製造するエージング工程における印加電圧を300Vとして作成した。そして、これらの電解コンデンサの初期静電容量特性測定後、高温無負荷試験(105℃、1000時間放置)後の静電容量特性変化率を確認した。上記試験の結果を(表2)に示す。

0026

0027

(表1)から分かるように、比較例1のように電解液中の水の添加量が15wt%未満の場合には、電解液の比抵抗が高く、高周波低インピーダンス電解コンデンサ用途に不向きとなるのに対し、各実施例では、電解液の比抵抗が十分に抑えられており、高周波低インピーダンス電解コンデンサ用途に適した電解液が得られる。

0028

そして、(表2)から分かるように、水の添加量を25wt%とした実施例2〜4と比較例2を比べると、一般式:HOOC(CH2)nCOOH(式中、nは9〜11の整数を表す。)で表される直鎖の飽和ジカルボン酸を添加した実施例2〜4では、添加していない比較例2に比べて、105℃高温無負荷放置試験後の静電容量変化率が低く抑えられており、この一般式:HOOC(CH2)nCOOH(式中、nは9〜11の整数を表す。)で表される直鎖の飽和ジカルボン酸を添加することで、陽極電極箔の酸化皮膜劣化が抑制され、電解コンデンサの信頼性が向上することが確認された。特に、トリデカン二酸を添加した実施例2では顕著な酸化皮膜劣化抑制効果が見られた。

0029

また、水分添加量を15〜50wt%とした実施例1〜6では、105℃高温無負荷放置試験を1000時間行っても、静電容量変化率が20%以下に抑えられており、信頼性の良好な電解コンデンサが得られるのに対し、水分添加量が50wt%を超える比較例3では、105℃高温無負荷放置試験1000時間後の静電容量変化率が36%と著しく増大しており、一般式:HOOC(CH2)nCOOH(式中、nは9〜11の整数を表す。)で表される直鎖の飽和ジカルボン酸を添加しても電極箔の水和劣化を抑制することができなくなる。

0030

更に、105℃高温無負荷試験を2000時間まで継続したところ、電解液中の水分添加量が15〜35wt%である実施例1〜5の静電容量変化率は安定した特性が得られた。

0031

(第2実施形態)
本発明の第2実施形態の電解コンデンサ用電解液としては、前記第1実施形態において用いた直鎖の飽和ジカルボン酸に代えて脂肪酸アルカノールアミドを添加する以外は、前記第1実施形態と同様にして電解コンデンサ用電解液を調製する。

0033

脂肪酸アルカノールアミドの添加量は、電解液全体の1〜10wt%、好ましくは3〜7wt%、特に好ましくは5wt%である。この範囲未満では、水和劣化の抑制効果が低くなり、この範囲を超えると十分な比抵抗低減効果が得られない。

0034

さらに、第1実施形態で使用した、一般式:HOOC(CH2)nCOOH(式中、nは9〜11の整数を表す。)で表される直鎖の飽和ジカルボン酸を併用して電解液に添加することもできる。これによってさらなる比抵抗低減効果及び水和抑制効果を得ることができる。

0035

(実施例)
以下に、実施例により本発明の第2実施形態をさらに具体的に説明する。
まず、下記表3〜5に示すように、第2実施形態の実施例及び比較例となる電解コンデンサ用電解液を調製し、それぞれの比抵抗を測定した。さらに第1実施形態と同様の方法で高温無負荷試験(105℃、1000時間放置)を行い、試験後の静電容量特性の変化率を確認した。

0036

まず、電解液の水分含有量の変化を検証した結果を(表3)に示す。

0037

0038

(表3)から分かるように、比較例4のように電解液中の水の添加量が15wt%未満の場合には、105℃高温無負荷放置試験後の静電容量変化率は低いものの、電解液の比抵抗が高く、高周波低インピーダンス電解コンデンサ用途に不向きとなる。また、比較例5のように電解液中の水の添加量が50wt%を超えた場合には、電極箔の水和劣化が著しく、水分率60wt%の比較例5は、比抵抗及び静電容量特性の変化率は測定不可能であった。これに対して、各実施例では、電解液の比抵抗が十分に抑えられており、かつ静電容量変化率についても低く抑えることができ、高周波低インピーダンス電解コンデンサ用途に適した電解液が得られる。

0039

次に、脂肪酸アルカノールアミドの添加量の変化を検証した結果を、(表4)に示す。

0040

0041

(表4)から分かるように、実施例8,11〜14は、脂肪酸アルカノールアミドを添加していない実施形態1の実施例2と比べると、比抵抗はやや上昇するが静電容量変化率はより低く抑えられている。特に、脂肪酸アルカノールアミドの添加量が3〜7wt%の範囲内である実施例8,12及び13、とりわけ5wt%である実施例8において、比抵抗及び静電容量変化率は双方とも良好な範囲に保たれていることがわかる。

0042

上述した実施例は、いずれも脂肪酸アルカノールアミドと直鎖の飽和ジカルボン酸を併用しているが、脂肪酸アルカノールアミドを単独で添加した場合でも、(表5)に示すように同様の効果を得ることができる。

0043

0044

(表5)に示すように、脂肪酸アルカノールアミドのみを添加した実施例15及び16は、比較例2に比べて比抵抗及び静電容量の変化率が低く抑えられている。脂肪酸アルカノールアミドと直鎖の飽和ジカルボン酸を併用して添加した実施例11と比較してみても、実施例15及び16の比抵抗及び静電容量の変化率は良好な範囲に保たれていることがわかる。

0045

尚、第1及び第2実施形態の各実施例では溶質としてアゼライン酸を用いているが、セバシン酸、1−メチル−アゼライン酸、1,6−デカンジカルボン酸、および、それらの塩を用いた場合においても、同様の効果が確認される。

0046

本発明の中高圧電解コンデンサ用電解液は、水を多量に添加しても電極箔の水和劣化が抑制されるので、中高圧用電解コンデンサにおいて、高周波低インピーダンスで、さらに信頼性も良好な電解コンデンサの製造を可能とするものである。

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