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技術 引出し式加熱装置

出願人 パナソニックIPマネジメント株式会社
発明者 信江等隆大森義治藤井優子
出願日 2011年3月23日 (9年9ヶ月経過) 出願番号 2012-506846
公開日 2013年7月4日 (7年5ヶ月経過) 公開番号 WO2011-118204
状態 特許登録済
技術分野 高周波加熱(3)制御、回路 高周波加熱[構造] 電子レンジ
主要キーワード 寸法距離 抑制空間 組み立て実装 抑制突起 加熱ケース 壁面位置 抑制板 加熱空間内
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題・解決手段

引出し式加熱装置は、加熱空間を構成する加熱ケース(11)に対して引出し式により移動して開口部を開閉する開閉扉(12)が、加熱ケースの開口部における内壁面と対向する電波伝送抑制部(19)を有しており、開閉扉の閉成状態において、加熱ケースの開口部における内壁面の全周囲において、電波伝送抑制部が所定の隙間を有して配置され、電波伝送抑制部が、複数の段差を有する面で構成された第1の電波伝搬方向抑制領域(34A)と、第1の電波伝搬方向抑制領域に対向して所定間隔を有して配置された抑制突起部(31a,131a)を周期的に形成した第2の電波伝搬方向抑制領域(34B)と、を備えている。

概要

背景

従来の引出し式加熱装置としては、引出し機構に関するもの、加熱手段の配置に関わるものなどのいろいろな加熱装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一般的なマイクロ波加熱装置においては、開閉扉開閉機構ヒンジ結合を用いた回転式である。このような回転式開閉扉のマイクロ波加熱装置においては、被加熱物収納する加熱室内に供給されたマイクロ波が開閉扉から漏洩することを抑制するため、加熱室内壁面に対向した長方形の板状のチョーク部(電波伝送抑制部)を開閉扉に設けた構成が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、加熱室内に供給するマイクロ波の周波数を変化させて、加熱室から戻ってくる反射電力を検出し、加熱室内の被加熱物の解凍状態を判定する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。

概要

引出し式加熱装置は、加熱空間を構成する加熱ケース(11)に対して引出し式により移動して開口部を開閉する開閉扉(12)が、加熱ケースの開口部における内壁面と対向する電波伝送抑制部(19)を有しており、開閉扉の閉成状態において、加熱ケースの開口部における内壁面の全周囲において、電波伝送抑制部が所定の隙間を有して配置され、電波伝送抑制部が、複数の段差を有する面で構成された第1の電波伝搬方向抑制領域(34A)と、第1の電波伝搬方向抑制領域に対向して所定間隔を有して配置された抑制突起部(31a,131a)を周期的に形成した第2の電波伝搬方向抑制領域(34B)と、を備えている。

目的

本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、加熱室の内壁面と開閉扉との間の対向部分に信頼性の高い電波伝送抑制機構を設けることにより、開閉扉を加熱室の開口面に比して大きく構成する必要が無く、コンパクト化することができる引出し式加熱装置の提供を目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

被加熱物が配置される加熱空間内マイクロ波放射するマイクロ波放射部、および前記加熱空間内に放射されたマイクロ波を閉じ込め加熱室構成体、を備えており、前記加熱室構成体は、曲面で構成された開口部を有する加熱ケースと、前記加熱ケースに対して引出し式により移動して前記加熱ケースの開口部を開閉し、前記加熱ケースの開口部における内壁面と対向する電波伝送抑制部を有する開閉扉と、を備え、前記開閉扉の閉成状態において、前記加熱ケースの開口部における内壁面の全周囲において、前記電波伝送抑制部が所定の隙間を有して配置され、前記電波伝送抑制部が、複数の段差を有する面で構成された第1の電波伝搬方向抑制領域と、前記第1の電波伝搬方向抑制領域に対向して所定間隔を有して配置された抑制突起部を周期的に形成した第2の電波伝搬方向抑制領域と、を備えた引出し式加熱装置

請求項2

前記開閉扉は、複数の段差が絞り加工により形成された前記第1の電波伝搬方向抑制領域を有するベースプレートと、前記抑制突起部が周期的に形成された第2の電波伝搬方向抑制領域を有する抑制板と、を備えた請求項1に記載の引出し式加熱装置。

請求項3

前記開閉扉は、前記ベースプレートおよび前記抑制板を介して当該開閉扉の加熱空間側に固定された支持部を有して、前記支持部が被加熱物を載置する収納容器を保持するよう構成されており、前記加熱ケースは、前記支持部の一部と係合して前記支持部の可動領域を規定し、当該加熱ケースの内壁面に固定されたガイド部を有する請求項2に記載の引出し式加熱装置。

請求項4

加熱空間内にマイクロ波を供給するためのマイクロ波発生部を備え、前記マイクロ波発生部からのマイクロ波を前記加熱空間内へ放射するマイクロ波放射部が、加熱空間内の前記収納容器における収納位置を規定した領域の中央に対向する前記加熱ケースの壁面位置に設けられた請求項3に記載の引出し式加熱装置。

請求項5

前記マイクロ波発生部は、加熱空間に供給するマイクロ波供給電力と前記加熱空間から反射するマイクロ波反射電力とにおいて少なくともマイクロ波反射電力を検出する電力検出部を備え、マイクロ波反射電力の信号に基づいて前記マイクロ波発生部の発振周波数を制御する制御部を有する請求項4に記載の引出し式加熱装置。

請求項6

前記マイクロ波発生部の出力を前記マイクロ波放射部に伝送する伝送線路として同軸伝送線路を設けた請求項4に記載の引出し式加熱装置。

請求項7

マイクロ波放射部は、パッチアンテナで構成された請求項4に記載の引出し式加熱装置。

請求項8

マイクロ波放射部は、円偏波を放射するアンテナで構成された請求項4に記載の引出し式加熱装置。

技術分野

0001

本発明は、加熱室内被加熱物に対してマイクロ波加熱を行うマイクロ波加熱装置に関し、特に開閉扉を引くことにより、加熱室内部の被加熱物を加熱室外部に引き出すことができる引出し式加熱装置に関する。

背景技術

0002

従来の引出し式加熱装置としては、引出し機構に関するもの、加熱手段の配置に関わるものなどのいろいろな加熱装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一般的なマイクロ波加熱装置においては、開閉扉の開閉機構ヒンジ結合を用いた回転式である。このような回転式開閉扉のマイクロ波加熱装置においては、被加熱物を収納する加熱室内に供給されたマイクロ波が開閉扉から漏洩することを抑制するため、加熱室内壁面に対向した長方形の板状のチョーク部(電波伝送抑制部)を開閉扉に設けた構成が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、加熱室内に供給するマイクロ波の周波数を変化させて、加熱室から戻ってくる反射電力を検出し、加熱室内の被加熱物の解凍状態を判定する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。

先行技術

0003

特開2005−164091号公報
特開2005−090942号公報
特開2006−086004号公報

発明が解決しようとする課題

0004

前記の特許文献1に開示されたような従来の引出し式加熱装置においては、加熱室内に供給されたマイクロ波の開閉扉からの漏洩を抑制するため、電波伝送を抑制する機構は、加熱室の開口部分の周縁から外側方向に突出するよう形成されたフランジ部分と、そのフランジ部分と対向する開閉扉の外周部分に形成されていた。したがって、開閉扉には加熱室の開口部分の周縁から外側方向に形成されたフランジ部分と対向する面が必要となり、加熱空間内部にマイクロ波を閉じ込めるために、開閉扉は加熱室の開口面積に比して大きな対向面積を有する構成となっていた。

0005

特許文献2に開示された従来のマイクロ波加熱装置は、ヒンジ結合による回転式の開閉扉に設けた構成であるが、電波伝送を抑制する機構として、四角い板状のフィルタープレートの周縁を直角に折り曲げた折り曲げ領域にスリットを形成してチョーク部を構成した例が示されている。このチョーク部は回転式の開閉扉を閉じることにより、加熱室内に入り、加熱室の壁面の近傍に配置されるよう構成されている。したがって、加熱室内の加熱空間を形成するための開閉扉としては、加熱室の開口部分の面積に比してわずかに大きい面積を持つ構成で可能となる。このため、特許文献2に開示された従来のマイクロ波加熱装置においては、開閉扉を加熱室の開口部分に比して小型化することは可能である。

0006

上記のように、特許文献2に開示された従来のマイクロ波加熱装置においては、回転式の開閉扉に電波の波長の1/4の長さを有するスリットにてチョーク部を設けて、そのチョーク部が加熱室内に入り込むよう構成されている。したがって、開閉扉に設けたチョーク部は、加熱室内の方向に少なくとも電波の波長の1/4以上の厚みの構成と成らざるを得ない。特許文献2における開閉扉に設けたチョーク部は、加熱室の四角い開口部分の内壁面に対向しており、4つの辺部分が加熱室の辺部分と対向している。そして、厚みのあるチョーク部を加熱室内壁面に対向させる回転式の開閉扉にあっては、開閉扉のチョーク部が加熱室開口部分の内壁面と一番最後に対向する開口の辺における加熱室内壁面とチョーク部との間の隙間が開口の他の辺に対して大きくならざるを得なかった。また、4つのコーナー部分が加熱室のコーナー部分と対向している。これらのコーナー部分において対向している面の間の隙間は、他の部分における隙間と同じではなかった。すなわち、加熱室と開閉扉のチョーク部とが対向する周縁部分において、対向するコーナー部分の隙間は、対向する直線部分の隙間に比べて大きくなっていた。

0007

したがって、電波伝送の抑制機構としてのチョーク部は、そのコーナー部分において、電波伝送抑制機能が有効に働かないという課題があった。このように、回転式の開閉扉が設けられたマイクロ波加熱装置においては、加熱室の開口部分の内壁面と、開閉扉のチョーク部の対向面との間の対向距離が、外周部分の全体で一定ではないため、信頼性の高い電波伝送抑制効果を期待することができなかった。

0008

本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、加熱室の内壁面と開閉扉との間の対向部分に信頼性の高い電波伝送抑制機構を設けることにより、開閉扉を加熱室の開口面に比して大きく構成する必要が無く、コンパクト化することができる引出し式加熱装置の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明に係る第1の態様の引出し式加熱装置は、
被加熱物が配置される加熱空間内にマイクロ波を放射するマイクロ波放射部、および
前記加熱空間内に放射されたマイクロ波を閉じ込める加熱室構成体、を備えており、
前記加熱室構成体は、曲面で構成された開口部を有する加熱ケースと、
前記加熱ケースに対して引出し式により移動して前記加熱ケースの開口部を開閉し、前記加熱ケースの開口部における内壁面と対向する電波伝送抑制部を有する開閉扉と、を備え、
前記開閉扉の閉成状態において、前記加熱ケースの開口部における内壁面の全周囲において、前記電波伝送抑制部が所定の隙間を有して配置され、
前記電波伝送抑制部が、複数の段差を有する面で構成された第1の電波伝搬方向抑制領域と、前記第1の電波伝搬方向抑制領域に対向して所定間隔を有して配置された抑制突起部を周期的に形成した第2の電波伝搬方向抑制領域と、を備えている。このように構成された本発明に係る第1の態様の引出し式加熱装置は、加熱空間の開口部における内壁面は曲面で構成されコーナー部分が無い構成となり、開口部の内壁面と電波伝送抑制部とにより形成される隙間を全周にわたって略同等に配置することができ、引出し式の開閉扉に設けた電波伝送抑制部の機能を全周にわたって確実に作用させることができる。したがって、加熱ケースの内壁面と開閉扉との間の対向部分に信頼性の高い電波伝送抑制機構を設けることができ、コンパクトな開閉扉を備えた引出し式加熱装置を提供することができる。

0010

本発明に係る第2の態様の引出し式加熱装置において、前記の第1の態様における前記開閉扉は、複数の段差が絞り加工により形成された前記第1の電波伝搬方向抑制領域を有するベースプレートと、前記抑制突起部が周期的に形成された第2の電波伝搬方向抑制領域を有する抑制板と、を備えている。このように構成された本発明に係る第2の態様の引出し式加熱装置においては、電波伝送抑制部の機能を発揮させるために、ベースプレートの第1の電波伝搬方向抑制領域と、抑制板の第2の電波伝搬方向抑制領域との間にインピーダンス無限大となる空間を形成することが可能となる。ベースプレートの第1の電波伝搬方向抑制領域および抑制板の第2の電波伝搬方向抑制領域を設けて、互いの隙間を複数段に変化させた空間構成とすることにより、複数段構造のベースプレートに対向する抑制板の根元側の段の第1の電波伝搬方向抑制領域により形成される特性インピーダンス値を、先端側の段の第2の電波伝搬方向抑制領域により形成される特性インピーダンス値よりも大きく設定することができる。この結果、インピーダンス変換作用によって電波伝送抑制部を形成する空間の長さを伝送波長の1/4より充分に小さい短い長さで構成することが可能となり、厚み方向においてもコンパクトな開閉扉を構成できる。このように構成された開閉扉は、加熱ケースの開口部の内壁面に対向する面積をコンパクトに形成することができ、総合的に軽量でコンパクトな開閉扉構成とすることができる。

0011

本発明に係る第3の態様の引出し式加熱装置において、前記の第2の態様における前記開閉扉は、前記ベースプレートおよび前記抑制板を介して当該開閉扉の加熱空間側に固定された支持部を有して、前記支持部が被加熱物を載置する収納容器を保持するよう構成されており、
前記加熱ケースは、前記支持部の一部と係合して前記支持部の可動領域を規定し、当該加熱ケースの内壁面に固定されたガイド部を有する。このように構成された本発明に係る第3の態様の引出し式加熱装置においては、強度が確保された開閉扉に支持部が固定されて、信頼性の高い構造を有するとともに、ガイド部が支持部の上下変動を規定して、開閉扉を大きく引き出すことが可能な構成となっている。

0012

本発明に係る第4の態様の引出し式加熱装置において、前記の第3の態様における加熱空間内にマイクロ波を供給するためのマイクロ波発生部を備え、
前記マイクロ波発生部からのマイクロ波を前記加熱空間内へ放射するマイクロ波放射部が、加熱空間内の前記収納容器における収納位置を規定した領域の中央に対向する前記加熱ケースの壁面位置に設けられている。このように構成された本発明に係る第4の態様の引出し式加熱装置においては、被加熱物にマイクロ波を直接入射させることにより、被加熱物での損失量を大きくして、加熱空間全体を伝搬するマイクロ波のエネルギ量を減少させ、加熱空間内に収納した収納容器、支持部あるいはガイド部における不要な発熱スパーク発生を抑制することができる。

0013

本発明に係る第5の態様の引出し式加熱装置において、前記の第4の態様における前記マイクロ波発生部は、加熱空間に供給するマイクロ波供給電力と前記加熱空間から反射するマイクロ波反射電力とにおいて少なくともマイクロ波反射電力を検出する電力検出部を備え、マイクロ波反射電力の信号に基づいて前記マイクロ波発生部の発振周波数を制御する制御部を有する。このように構成された本発明に係る第5の態様の引出し式加熱装置は、加熱開始初期において規定の帯域で周波数をスイープさせて得られるマイクロ波反射電力が最小となる発振周波数を加熱時の動作周波数選定して加熱を継続することにより、マイクロ波発生部の発生電力を最も効率よく被加熱物に対して供給することができる。このように構成された本発明に係る第5の態様の引出し式加熱装置においては、発生電力を小さくしたマイクロ波発生部を利用することが可能となり、加熱装置全体のコンパクト化を促進させることができる。

0014

本発明に係る第6の態様の引出し式加熱装置は、前記の第4の態様における前記マイクロ波発生部の出力を前記マイクロ波放射部に伝送する伝送線路として同軸伝送線路を設けている。このように構成された本発明に係る第6の態様の引出し式加熱装置においては、同軸伝送線路の伝送損失量を利用して、マイクロ波発生部に反射するマイクロ波電力量を低減することができ、マイクロ波発生部の発熱を抑え、信頼性の高い性能を保証することができる。このように構成することにより、一般的に用いられている、反射電力の対策部品であるアイソレータを省くことが可能となる。

0015

本発明に係る第7の態様の引出し式加熱装置において、前記の第4の態様におけるマイクロ波放射部は、パッチアンテナで構成されている。このように構成された本発明に係る第7の態様の引出し式加熱装置においては、加熱空間の内壁面のごく近傍にアンテナを配設することが可能となり、加熱空間内のフリー空間を大きく採ることができる。

0016

本発明に係る第8の態様の引出し式加熱装置において、前記の第4の態様におけるマイクロ波放射部は、円偏波を放射するアンテナで構成されている。このように構成された本発明に係る第8の態様の引出し式加熱装置においては、マイクロ波発生部の2つの出力を90度の位相差で一つのアンテナに供給することができ、加熱空間に対する円偏波放射を実現することができる。このため、アンテナの加熱空間内での占有空間はパッチアンテナ構成とほぼ同等の空間でよく、円偏波を直接被加熱物へ入射させることにより、被加熱物の加熱を促進させることができるとともに、加熱空間内を伝搬するマイクロ波のエネルギ量をより低減させることが可能となる。

発明の効果

0017

本発明によれば、開閉扉からの電波の漏洩を確実に防止することができ、開閉扉が加熱室の開口面に比して大きく構成する必要が無く、コンパクトに構成することができる引出し式加熱装置の提供することができる。

図面の簡単な説明

0018

本発明に係る実施の形態1の引出し式加熱装置の構成を示す断面図
実施の形態1の引出し式加熱装置おける加熱空間を構成する加熱ケースを示す斜視図
実施の形態1の引出し式加熱装置における開閉扉の断面を示す斜視図
実施の形態1の引出し式加熱装置におけるマイクロ波発生部の構成を示すブロック図
実施の形態1の引出し式加熱装置における電波伝送抑制部の具体的な構成を示した側面断面図
実施の形態1の引出し式加熱装置における電波伝送抑制部における抑制板の複数の抑制突起部の形状を示す平面図
実施の形態1の引出し式加熱装置における他の構成の電波伝送抑制部の具体的な構成を示した側面断面図である。
図7に示した電波伝送抑制部における抑制板の複数の抑制突起部の形状を示す平面図
本発明に係る実施の形態2の引出し式加熱装置におけるマイクロ波発生部の構成を示すブロック図

実施例

0019

以下、本発明の引出し式加熱装置に係る好適な実施の形態について、添付の図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態の引出し式加熱装置においては、開閉扉を水平方向に移動して加熱空間の開閉を行う引出し式のマイクロ波加熱装置を単体で構成した例で説明するが、本発明の引出し式加熱装置は実施の形態に記載したマイクロ波加熱装置の構成に限定されるものではなく、マイクロ波加熱装置を台所システムキッチン引出し部へ実装した構成や、他の機器、例えば冷蔵庫自販機に一体的に組み込んだ構成などに対応可能である。また、本発明は、以下の実施の形態の具体的な構成に限定されるものではなく、同様の技術的思想に基づき構成された加熱装置が本発明に含まれる。

0020

(実施の形態1)
図1は、本発明に係る実施の形態1の引出し式加熱装置としての引出し式のマイクロ波加熱装置の内部構成を示す断面図である。図2は、実施の形態1の引出し式加熱装置おける加熱空間を構成する加熱ケースを示す斜視図である。図3は、実施の形態1の引出し式加熱装置における開閉扉の断面を示す斜視図である。図4は、実施の形態1の引出し式加熱装置におけるマイクロ波発生部の構成を示すブロック図である。

0021

図1図4に示す実施の形態1の引出し式加熱装置10は、解凍用のマイクロ波加熱装置を引出し方式で構成したものである。したがって、実施の形態1の引出し式加熱装置10は最大出力が小さく、例えば500W未満の仕様である。

0022

実施の形態1の引出し式加熱装置10においては、加熱ケース11と開閉扉12により加熱空間が構成されており、加熱空間内に放射されたマイクロ波が加熱空間内に閉じ込められるよう構成されている。即ち、実施の形態1の構成においては、加熱ケース11と開閉扉12が加熱室構成体となる。加熱ケース11は、引出し式加熱装置10における本体の内壁面を構成しており、金属材料により形成されている。開閉扉12は、加熱ケース11に対して水平方向に移動して、加熱空間内に収納された被加熱物を引出し可能に構成されており、加熱空間の開閉機能を有する。

0023

また、実施の形態1の引出し式加熱装置10には、マイクロ波を発生するマイクロ波発生部13、マイクロ波を加熱空間内に放射するアンテナであるマイクロ波放射部14、マイクロ波発生部13において発生したマイクロ波をマイクロ波放射部14に伝送する同軸伝送線路15、マイクロ波発生部13の駆動電源16、マイクロ波発生部13における出力側に配設した電力検出部17、マイクロ波発生部13およびその駆動電源16の動作を制御する制御部18が設けられている。

0024

[開閉扉の構成]
開閉扉12には電波伝送抑制部19が設けられている。電波伝送抑制部19は、開閉扉12において、加熱ケース11における開口部の内壁面と対向する領域に設けられている。電波伝送抑制部19が内接する加熱ケース11における開口部の内壁面における四隅のコーナー部分は、曲面で構成されている。一方、開閉扉12に設けられた電波伝送抑制部19においても、加熱ケース11の開口部の四隅のコーナー部分と対向する部分が曲面で構成されており、加熱ケース11の開口部の内壁面との対向距離が同じとなるよう構成されている。このように、加熱ケース11の開口部の内壁面に対して、電波伝送抑制部19の全周にわたって等間隙となるように、開閉扉12における加熱空間側に電波伝送抑制部19が形成されている。

0025

また、開閉扉12における加熱空間側には、金属材料で形成された支持部21が固定されている。支持部21は被加熱物を収納載置する収納容器20の底面を支持している。支持部21は、開閉扉12における加熱空間側の左右の位置に固定された2つの支持部材を有する枠形状である。左右両側の支持部材は、加熱空間の背面側(図1における加熱空間の左側)において連結棒22により連結されている。この連結棒22が、収納容器20における背面部分が当設して、加熱空間内における収納容器20の位置規制部材となっている。

0026

なお、図1においては、支持部21の支持部材における片側(右側の支持部材)のみを記載している。支持部21の支持部材の一端は、開閉扉12に対してネジ組立により連結されて固定されている。また、このネジ組立において、後述する構成を有する電波伝送抑制部19が同時に開閉扉12に固定されている。

0027

開閉扉12は、取っ手が形成された扉部12a、およびこの扉部12aと一体的に形成された扉ボディ部12bを有して構成されている。扉部12aおよび扉ボディ部12bは樹脂材料で形成されている。この扉ボディ部12bに対して電波伝送抑制部19および支持部21がネジ組立により同時に固定される構造である(図1参照)。

0028

支持部21における両側の支持部材の他端側(背面側端部)は、樹脂材料で形成された連結部22により所定の間隔を有して連結されている。支持部材において、連結部22が固定された位置の手前には、開閉扉12を滑らかに移動させるためのローラー23が回転可能に取り付けられている。

0029

体内部の加熱空間を構成する加熱ケース11の左右壁面には、ガイド部24が設けられている。ガイド部24にはレールが形成されており、このレールに支持部21に設けたローラー23が嵌め込まれて案内されている。ガイド部24のレールにおいては、加熱空間の背面側(図1における左側)の端部を下方に傾斜させた傾斜面24aが形成されている。この傾斜面24aにローラー23が移動することにより、支持部21が背面側へ押圧された状態となり、開閉扉12が加熱ケース11の開口周縁部分に当接する。この結果、開閉扉12は加熱空間内にマイクロ波を閉じ込める閉成状態となり、この閉成状態が確実に保持される。

0030

また、支持部21に設けられた連結部22には突出部26が形成されている。開閉扉12が閉成状態のとき、突出部26が加熱空間の背面壁に形成された開口を貫通してスイッチ27を押圧するよう構成されている。開閉扉12を閉めたとき、突出部26がスイッチ27を押圧することにより、開閉扉12の閉成状態が検知され、制御部18にその検知信号が入力される。

0031

一方、開閉扉12が加熱室11から水平方向に引き出されて、加熱空間が開成状態の時、開閉扉12が所定位置で停止するように、加熱ケース11の開口側には、ローラー23の移動を停止させるストッパ25が設けられている(図1および図2参照)。

0032

図3に示すように、開閉扉12の加熱空間側には電波伝送抑制部19が形成されている。電波伝送抑制部19は、2枚の板材加工成形して構成されている。電波伝送抑制部19は、外周部分に2つの段差を有する絞り加工を施して形成された金属材料からなるベースプレート30と、このベースプレート30の外周部分の段差に対して所定間隔を有して配設された抑制板31とにより構成されている。ベースプレート30において、2つの段差を有する絞り加工を施した外周部分が第1の電波伝搬方向抑制領域34Aである。

0033

一方、抑制板31は、その外周部分が加熱ケース11の開口部の内壁面と対向するよう折り曲げられている。抑制板31においては、加熱ケース11の開口部の内壁面と対向する外周部分に複数の切り込み部分35が周期的に形成されており、これらの切り込み部分35により形成された領域が第2の電波伝搬方向抑制領域34Bである。抑制板31における電波伝搬方向抑領域34Bには、切り込み部分35により形成され、略T字形状を有する複数の抑制突起部31aが周期的に配列されている。

0034

また、抑制板31における外周部分の第2の電波伝搬方向抑制領域34Bは、低誘電損失誘電材料で形成された保護カバー32により覆われており、電波伝送抑制部19に異物が入らないように構成されている。

0035

図3に示すように、ベースプレート30は扉ボディ部12bの加熱空間側に張り付けられるように固定されている。開閉扉12における抑制板31は、ベースプレート30の加熱空間側を覆うように設けられている。抑制板31における外周部分において切り込み部分35が形成された第2の電波伝搬方向抑制領域34Bは、ベースプレート30における外周部分の絞り加工部分である第1の電波伝搬方向抑制領域34Aに対して所定間隔を有して対向して配置されている。

0036

支持部21の支持部材を開閉扉12に固定するネジが、抑制板31の加熱空間側に形成された組立孔33およびベースプレート30の組立孔を貫通して、開閉扉12の扉ボディ部12bにネジ込まれている。このように支持部21の支持部材が開閉扉12に固定されることにより、ベースプレート30および抑制板31は同時に一体的に組立固定される。

0037

[マイクロ波発生部の構成]
図4に示すように、実施の形態1の引出し式加熱装置におけるマイクロ波発生部13は、マイクロ波発振器41、マイクロ波発振器41の出力を増幅する2段の増幅器42,43、および電力検出部17を有して構成されている。

0038

マイクロ波発生部13の出力は、同軸伝送線路15を介してマイクロ波放射部14に伝送され、マイクロ波放射部14から加熱空間内に放射される。その結果、加熱空間内に収納された被加熱物44がマイクロ波加熱される。

0039

実施の形態1の引出し式加熱装置におけるマイクロ波放射部14は、空気層を利用したいわゆるパッチアンテナで構成されている。マイクロ波放射部14は、加熱ケース11の上面壁に設けられており、加熱空間における左右方向の中央であり、加熱空間における前後方向の中央より前方側となる位置に配置されている。また、加熱空間内に収納された収納容器20に対する、マイクロ波放射部14の配設位置としては、被加熱物44を載置すべき領域として指定した領域(指定領域)の中心位置に対向する加熱ケース11の上面壁の位置である。また、マイクロ波放射部14は、低誘電損失材料で構成されたアンテナカバー45により覆われて保護されている(図1参照)。

0040

[引出し式加熱装置の加熱動作
次に、上記のように構成された実施の形態1の引出し式加熱装置における加熱動作について説明する。

0041

開閉扉12が加熱ケース11から引き出された開成状態において、収納容器20の指定領域内に被加熱物44が載置されて、開閉扉12が閉成される。この閉成状態において、スイッチ27が連結棒22により押圧されて、スイッチ27の接点が閉成する。スイッチ27の閉成により、制御部18には電力が供給される。

0042

制御部18は、操作部(図示なし)において入力される被加熱物44に対する加熱条件および加熱開始指令を受け取ることにより、駆動電源16を動作させてマイクロ波発生部13の動作を開始させる。

0043

マイクロ波発生部13内の出力側に配設した電力検出部17は、加熱空間に供給するマイクロ波供給電力と、加熱空間からマイクロ波発生部13側に戻ってくるマイクロ波反射電力を検出する。制御部18は、被加熱物44の本加熱前にマイクロ波発生部13の出力周波数を規定した帯域(例えば2400MHz〜2500MHz)にわたって発振周波数を所定周波数毎(例えば、1MHz毎)にスイープさせて、各発振周波数におけるマイクロ波反射電力に相当する信号を電力検出部17より取り込む。そして、制御部18は、マイクロ波反射電力が最小を呈する発振周波数を抽出する。マイクロ波発生部13は、抽出された発振周波数を加熱周波数として設定し、操作部から入力された加熱条件に対応するマイクロ波出力により、被加熱物44の本加熱を開始させる。本加熱において、制御部18は所定の加熱条件を満たすようにマイクロ波出力を制御し、所望の条件(温度、加熱時間など)が満たされることにより、マイクロ波発生部13の動作を停止して加熱動作を終了する。

0044

実施の形態1の引出し式加熱装置においては、加熱空間を構成する加熱ケース11における開口部の四隅のコーナー部分が曲面形状であり、この開口部のコーナー部分と対向する開閉扉12における電波伝送抑制部19も同じ曲面で構成されている。このため、加熱ケース11の開口部の内壁面の全周において、電波伝送抑制部19と同距離で対向する構成となる。このように、実施の形態1の引出し式加熱装置においては、電波伝送抑制部19の全周において加熱ケース11における開口部の内壁面と同距離で対向するため、電波伝送抑制部19の機能を確実に発揮させることができ、加熱空間からの電波の漏洩を防止することができる。

0045

[電波伝送抑制部19]
次に、実施の形態1の引出し式加熱装置における加熱空間を構成する加熱ケース11と開閉扉12との間に設けた電波伝送抑制部19の機能および構成について説明する。

0046

電波伝送抑制部19において電波伝送の抑制機能を発揮させるためには、抑制板31の外周部分である第2の電波伝搬方向抑制領域34Bと、ベースプレート30の絞り加工部分である第1の電波伝搬方向抑制領域34Aとの間の空間を利用して、第1の電波伝搬方向抑制領域34Aと第2の電波伝搬方向抑制領域34Bの先端との間の開口36にインピーダンス無限大を形成する必要がある。

0047

図5は、実施の形態1の引出し式加熱装置における電波伝送抑制部19の具体的な構成を示した側面断面図である。図6は、電波伝送抑制部19における抑制板31の第2の電波伝搬方向抑制領域34Bに形成されている複数の抑制突起部31aの形状を示す平面図である。

0048

図5に示すように、ベースプレート30は、その外周部分において2段の絞り加工が施されて第1の電波伝搬方向抑制領域34Aを構成している。ベースプレート30における第1の電波伝搬方向抑制領域34Aに対向して抑制板31における第2の電波伝搬方向抑制領域34Bが配置されており、ベースプレート30の第1の電波伝搬方向抑制領域34Aと、抑制板31の第2の電波伝搬方向抑制領域34Bとの間には、隙間寸法がH1の第1の抑制空間と隙間寸法H2の第2の抑制空間が形成されている。このように、ベースプレート30の第1の電波伝搬方向抑制領域34Aと抑制板31の第2の電波伝搬方向抑制領域34Bとの間には、異なる隙間寸法を有する2つの抑制空間が形成されている。

0049

また、抑制板31における第2の電波伝搬方向抑制領域34Bには、略T字形状の複数の抑制突起部31aが同一ピッチ(P1)間隔で周期的に配列されている。これらの抑制突起部31aのそれぞれは、幅W1を有する幅狭部31bと、幅W2(W2>W1)を有する幅広部31cとを有して形成されている。また、幅狭部31bの長さはL1であり、幅広部31cの長さがL2である。ここで、抑制突起部31aにおける幅とは、抑制板31における外周である周縁の方向の長さである。また、抑制突起部31aにおける長さとは、抑制板31における周縁方向に直交する方向の長さである(図6参照)。

0050

上記のように構成された抑制突起部31aを有する抑制板31は、幅狭部31bの面が、ベースプレート30の2段絞り加工部分(第1の電波伝搬方向抑制領域34A)の1段目(中央側の段差)の面30aと対向するように配置されて第1の抑制空間が形成されている。このときの第1の抑制空間の隙間寸法はH1である(図5参照)。また、抑制突起部31aの幅広部31cの面が、ベースプレート30の2段絞り加工部分(第1の電波伝搬方向抑制領域34A)の2段目(外周側の段差)の面30bと対向するように配置されて第2の抑制空間が形成されている。このときの第2の抑制空間の隙間寸法はH2(H2<H1)である(図5参照)。

0051

実施の形態1の構成では、抑制板31は、外周部分が加熱ケース11の開口部の内壁面と対向するように折り曲げられて第2の電波伝搬方向抑制領域34Bが形成されている。実施の形態1の引出し式加熱装置においては、抑制板31の第2の電波伝搬方向抑制領域34Bと、ベースプレート30の2段絞り加工部分である第1の電波伝搬方向抑制領域34Aが電波伝送抑制部19となる。

0052

図6に示すように、抑制板31の第2の電波伝搬方向抑制領域34Bにおいて、周期的に形成されている抑制突起部31aの根元を連結している領域31dは、長さL0を有して形成されており、抑制板31における機械的強度を確保している。抑制突起部31aの根元を繋ぐ連結領域31dは、切り込み部分がなく、連続した板面により構成されている。抑制板31において、連結領域31dは、加熱空間に対向する中央部分の板面に略90度に曲がった曲面部分を介して続いており、抑制板31の機械的強度が確保されている。

0053

実施の形態1の引出し式加熱装置においては、上記のように構成された抑制板31およびベースプレート30が開閉扉12の扉ボディ部12bに対して、支持部21をネジ組立することにより固定されている。このため、支持部21は機械的に強固な構成となり、確実に収納容器20を保持できるよう構成となる。

0054

なお、ベースプレート30の第1の電波伝搬方向抑制領域34Aと抑制板31の第2の電波伝搬方向抑制領域34Bとの間に形成される複数の抑制空間を有する電波伝送抑制部19は、抑制板31の第1の電波伝搬方向抑制領域34Aの抑制突起部31aの形状をI字形状とすることも可能である。即ち、図6に示したT字形状の抑制突起部31aにおいて、幅狭部31bの幅W1と幅広部31cの幅W2が同じ寸法(幅W)とした場合である。このようなI字形状の抑制突起部の場合には、電波伝送抑制部19の1段目部分の第1の抑制空間により形成される特性インピーダンスは、2段目部分の第2の抑制空間により形成される特性インピーダンスより大きく、少なくとも約2倍に設定する必要がある。このように構成することにより、電波伝送抑制部19を形成する空間の長さ(図6のL0+L1+L2参照)を伝送波長の1/4の長さより充分に短い長さで構成することが可能となる。ここで、電波伝送抑制部19の1段目部分の第1の抑制空間により形成される特性インピーダンスは、抑制板31における抑制突起部のI字形状の根元部分(図6の31b参照)と、ベースプレート30の1段目部分の面30a(図5参照)との間の寸法H1、および抑制突起部の幅Wに基づき決定される。また、電波伝送抑制部19の2段目部分の第2の抑制空間により形成される特性インピーダンスは、抑制板31における抑制突起部のI字形状の先端部分(図6の31c参照)と、ベースプレート30の2段目部分の面30b(図5参照)との間の寸法距離H2、および抑制突起部の幅Wに基づき決定される。したがって、上記のように電波伝送抑制部19を構成することにより、抑制板31の形状をI字形状とすることによっても電波伝送抑制部19の形成空間の長さ(図6のL0+L1+L2参照)を伝送波長の1/4の長さより充分に短い長さで構成することが可能となる。

0055

前述のように、実施の形態1の引出し式加熱装置においては、抑制板31の電波伝搬方向抑制部34Bが切り込み部分35により離隔された複数の抑制突起部31aの周期的な配置で構成されており、かつそれぞれの抑制突起部31aが幅狭部31b(幅W1)と幅広部31c(幅W2>幅W1)とにより構成されている。この結果、抑制突起部31aの根元部分である幅狭部31bと、ベースプレート30の1段目部分の面30a(図5参照)との間の寸法H1、および幅狭部31bの幅W1に基づき決定される特性インピーダンスは、抑制突起部31aの先端部分である幅広部31cと、ベースプレート30の2段目部分の面30b(図5参照)との間の寸法H2、および幅広部31cの幅W2に基づき決定される特性インピーダンスよりさらに大きくなり(約2倍以上)、電波伝送抑制部19を形成する空間の長さ(L0+L1+L2)を伝送波長の1/4の長さよりさらに充分に短い長さで構成することが可能となる。このため、開閉扉12においては、加熱ケース11の内壁面に内接する部分の領域を小さくすることが可能となる。この結果、実施の形態1の引出し式加熱装置においては、開閉扉12のコンパクト化および軽量化の両立を達成することができる。

0056

なお、実施の形態1の引出し式加熱装置の構成においては、電波伝送抑制部19を形成するためのベースプレート30の絞り段数として2段の場合について説明したが、本発明における電波伝送抑制部19のベースプレート30としては2段に限定されるものではなく、3段以上の複数段の絞り加工により電波伝送の抑制を図ることが可能である。

0057

図7は、実施の形態1の引出し式加熱装置における他の構成の電波伝送抑制部119の具体的な構成を示した側面断面図である。図8は、図7に示した電波伝送抑制部119における抑制板131の複数の抑制突起部131aの形状を示す平面図である。

0058

図7に示すように、電波伝送抑制部119のベースプレート130は、3段の絞り加工が施されて第1の電波伝搬方向抑制領域34Aが構成されている。ベースプレート130の第1の電波伝搬方向抑制領域34Aに対向する抑制板131には、複数の抑制突起131aが形成されて第2の電波伝搬方向抑制領域34Bが構成されている。すなわち、ベースプレート130の3段の絞り加工部分の第1の電波伝搬方向抑制領域34Aと、抑制板131の第2の電波伝搬方向抑制領域34Bとの間には、隙間寸法がH11の第1の抑制空間と、隙間寸法H12の第2の抑制空間と、そして隙間寸法H13の第3の抑制空間が形成されている。このように、ベースプレート130第1の電波伝搬方向抑制領域34Aと、抑制板131の第2の電波伝搬方向抑制領域34Bとの間には、異なる隙間寸法を有する3つの抑制空間が形成されている。また、抑制板131における第2の電波伝搬方向抑制領域34Bには、階段状に形成された複数の抑制突起部131aが同一ピッチ(P11)間隔で周期的に配列されている。これらの抑制突起部131aのそれぞれは、幅W11を有する幅狭部131bと、幅W12(W12>W11)を有する幅中部131cと、幅W13(W13>W12)を有する幅広部131dとを有している。また、幅狭部131bの長さはL11であり、幅中部131cの長さがL12であり、幅広部131dの長さがL13である。ここで、抑制突起部131aにおける幅とは、抑制板31における外周である周縁の方向の長さである。また、抑制突起部131aにおける長さとは、抑制板31における周縁方向に直交する方向の長さである(図8参照)。

0059

上記のように構成された抑制突起部131aを有する抑制板131は、幅狭部131bの面が、ベースプレート130の3段絞り加工部分(第1の電波伝搬方向抑制領域34A)の1段目の面130aと対向するように配置されて第1の抑制空間が形成されている。このときの第1の抑制空間の隙間寸法はH11である(図8参照)。また、抑制突起部131aの幅中部131cの面が、ベースプレート130の3段絞り加工部分(第1の電波伝搬方向抑制領域34A)の2段目の面130bと対向するように配置されて第2の抑制空間が形成されている。このときの第2の抑制空間の隙間寸法はH12である(図8参照)。さらに、抑制突起部131aの幅広部131dの面が、ベースプレート130の3段絞り加工部分(第1の電波伝搬方向抑制領域34A)の3段目の面130cと対向するように配置されて第3の抑制空間が形成されている。このときの第3の抑制空間の隙間寸法はH13(H13<H12<H11)である(図8参照)。

0060

上記のように、電波伝送抑制部119はベースプレート130における第1の電波伝搬方向抑制領域34Aおよび抑制板131における第2の電波伝搬方向抑制領域34Bにより構成されて、特性インピーダンスの比を大きく採れる構成とできる。このように第1の電波伝搬方向抑制領域34Aと第2の電波伝搬方向抑制領域34Bの先端との間の開口136にインピーダンス無限大を形成できるので、電波伝送抑制部119を形成する空間の長さ(図8のL10+L11+L12+L13参照)を伝送波長の1/4の長さよりさらに充分に短い長さで構成することが可能となる。このため、開閉扉12における加熱ケース11の内壁面に内接する部分の領域を小さくすることが可能となり、開閉扉12のコンパクト化および軽量化の両立を達成することができる。

0061

実施の形態1の引出し式加熱装置においては、マイクロ波放射部14が空気層を用いたパッチアンテナで構成されている。このようにパッチアンテナを用いることにより、加熱ケース11により構成される加熱空間内においてマイクロ波放射部14が占める空間を極力小さくすることができる。

0062

また、実施の形態1の引出し式加熱装置において、マイクロ波発生部13とマイクロ波放射部14との間のマイクロ波伝送として同軸伝送線路15が用いられている。このように同軸伝送線路15を用いているため、その伝送損失量を利用して、加熱空間内に供給するマイクロ波供給電力が100%反射した場合でもマイクロ波発生部13に戻ってくるマイクロ波電力量を規定値以下に抑制することが可能となる。例えば、伝送損失が1.5dBの同軸伝送線路15を用いた場合には、マイクロ波発生部13の出力電力に対して、加熱空間から戻ってきてマイクロ波発生部13が受け取るマイクロ波反射電力は出力電力の約50%となる。このように、同軸伝送線路15の伝送損失作用を利用することにより、マイクロ発生部13を反射電力から保護するためのアイソレータなどの保護部品を削除することができ、マイクロ波発生部13の構成をコンパクト化することができる。

0063

実施の形態1の引出し式加熱装置においては、加熱ケース11の両側面にガイド部24を設けて、閉扉12に固定した支持部21の移動領域を規定し、さらに開土部24が支持部21の上下方向の変動を規制している。このため、支持部21が固定された開閉扉12の移動が所定の移動範囲に規定されている。また、開閉扉12は、支持部21がガイド部24のレールに保持された状態で大きく引き出すことが可能な構成となっている。

0064

実施の形態1の引出し式加熱装置においては、加熱空間内へマイクロ波を放射するマイクロ波放射部14が、加熱空間内の収納容器20における被加熱物44の収納位置を規定した領域の中央に対向する位置に配置されている。このように、被加熱物44が収納容器20における規定領域に配置されて、被加熱物44に対してその上方からマイクロ波を直接入射させる構成であるため、被加熱物44により吸収されるマイクロ波電力量が大きなものとなる。この結果、加熱空間全体を伝搬するマイクロ波のエネルギ量が減少するため、加熱空間内に収納された収納容器20、支持部21あるいはガイド部24のレールなどにおける不要な発熱やスパーク発生を抑制することができる。

0065

(実施の形態2)
次に、本発明に係る実施の形態2の引出し式加熱装置としての引出し式のマイクロ波加熱装置について説明する。図9は、実施の形態2の引出し式加熱装置におけるマイクロ波発生部の構成を示すブロック図である。実施の形態2の引出し式加熱装置においては、円偏波放射を利用したマイクロ波加熱装置である。

0066

なお、実施の形態2の引出し式加熱装置において、前述の実施の形態1の構成と異なる点は、マイクロ波放射部51およびマイクロ波発生部52の構成であり、その他の構成、特に開閉扉および加熱空間内の構成については実施の形態1の構成と実質的に同じである。そのため、実施の形態2の説明において、実施の形態1の引出し式加熱装置における部品と同様の構成を有するものには同じ符号を付して、その説明は省略する。

0067

実施の形態2の引出し式加熱装置においては、加熱空間内に配設されるマイクロ波放射部51が、円偏波放射を行うように、マイクロ波放射部51で有るアンテナにおいて、その中心点と2つの給電点を結ぶ各線が直交するよう構成されており、各給電点に供給するマイクロ波の位相差が90度である。

0068

実施の形態2の引出し式加熱装置におけるマイクロ波発生部52は、マイクロ波発振器53、マイクロ波発振器53の出力を増幅する2段の増幅器54,55、最終段の増幅器55の出力に設けたアイソレータ56、アイソレータ56の出力に設けた電力検出部57、および電力検出部57の出力を2分配するとともに位相差90度を形成する電力分配器58を有して構成されている。また、マイクロ波発生部52においては、電力分配部58の各出力とマイクロ波放射部51の各給電点との間のごく短い距離を接続する伝送路59a,59bが設けられている。

0069

また、実施の形態2の引出し式加熱装置には制御部60が設けられており、制御部60には電力検出器57が検出した加熱空間側に供給するマイクロ波供給電力と、加熱空間からアイソレータ56側に反射するマイクロ波反射電力とをそれぞれ示す信号が入力される。加熱空間からのマイクロ波反射電力は、それぞれの伝送路59a,59bを伝送して、電力分配器58において電力合成される。

0070

制御部60は、マイクロ波発生部52の発生周波数および出力電力を制御する。実施の形態2の引出し式加熱装置における制御方法は、前述の実施の形態1の引出し式加熱装置において説明した制御方法と同じあるため、その説明は省略する。

0071

実施の形態2の引出し式加熱装置において、円偏波を放射するマイクロ波放射部51は、実施の形態1と同様に空気層を利用し、円形板により構成されている。この円形板の中心から所定距離離れた点に2つの給電点を備えており、各給電点と円形板の中心を結ぶ直線が直交関係を有している。

0072

以上のように、実施の形態2の引出し式加熱装置におけるマイクロ波放射部51は、円偏波を放射するアンテナ構成としたことにより、アンテナとしての加熱空間内での占有空間が実施の形態1の引出し式加熱装置におけるパッチアンテナ構成とほぼ同等の空間でよく、加熱空間内において被加熱物44の収納空間を大きくすることが可能となる。

0073

また、実施の形態2の引出し式加熱装置においては、加熱空間内へマイクロ波を放射するマイクロ波放射部51が、加熱空間内の収納容器20における被加熱物44の収納位置を規定した領域の中央に対向する位置としている。このように、被加熱物44が収納容器20における規定領域に配置されて、被加熱物44に対してその上方からマイクロ波を直接入射させる構成であるため、被加熱物44により吸収されるマイクロ波電力量が大きなものとなる。この結果、加熱空間全体を伝搬するマイクロ波のエネルギ量が減少するため、加熱空間内に収納された収納容器20、支持部21あるいはガイド部24のレールなどにおける不要な発熱やスパーク発生を抑制することができる。

0074

また、マイクロ波放射部51の給電点に供給されるマイクロ波の位相差が90度となることを保証するために、電力分配部58からの各伝送路59a,59bは、きわめて短く配線とするのが好ましい。例えば、マイクロ波発生部52自体をマイクロ波放射部51が配置されている加熱ケース11の壁面に実装する構成とすることが望ましい。したがって、実施の形態2の引出し式加熱装置においては、実施の形態1の構成のように、同軸伝送線路を用いない構成であるため、マイクロ波発生部52は、加熱空間から反射して電力分配部に戻ってくるマイクロ波反射電力を熱損失させて吸収するアイソレータ56が配設されている。

0075

なお、実施の形態1および実施の形態2における引出し式加熱装置の構成においては、被加熱物が加熱空間内に収納されて開閉扉12が閉成した状態を検知するスイッチとして、加熱空間の背面壁に設けた例で説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。例えば、開閉扉12が閉成した状態を検知するスイッチが、加熱空間における前面側の壁面に設けることも可能である。

0076

また、実施の形態1および実施の形態2における引出し式加熱装置の構成においては、アンテナとしてのマイクロ波放射部が加熱空間の上面壁に配置された構成について説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、いずれの壁面に設けてもよく、さらには複数のマイクロ波放射部を配置させてもよい。

0077

上記のように、本発明の引出し式加熱装置は、引出し式の開閉扉に設けた電波伝送抑制部が被加熱物を収納する加熱空間の開口部の内壁面と一定間隔で対向して配置されるよう構成されている。このため、電波伝送抑制部の全周にわたってその機能を確実に発揮する構成となっている。したがって、本発明によれば、加熱空間の開口面積に対向する面積がコンパクトな開閉扉になるとともに、奥行き方向の長さ(厚み)が小さい開閉扉を構成することが可能となる。このように構成された本発明の引出し式加熱装置は、開閉扉の形状に対して大きな開口面積を有する加熱空間を実現することができ、台所のシステムキッチンの引出し部への実装や、他の機器、例えば冷蔵庫や自販機に一体的な組立実装が可能となる。

0078

本発明の引出し式加熱装置は、安全性が高く小型のマイクロ波加熱装置を引出し式の構成とすることができるため、台所におけるシステムキッチンの引出し部への実装、他の機器、たとえば冷蔵庫や自販機に対して一体的な組み立て実装が可能となり、汎用性の高い加熱装置となる。

0079

11加熱ケース
12開閉扉
13,52マイクロ波発生部
14,51マイクロ波放射部
15同軸伝送線路
17,57電力検出部
18,60 制御部
19電波伝送抑制部
20収納容器
21 支持部
24ガイド部
30ベースプレート
31抑制板
31a抑制突起部
31b 幅狭部
31c幅広部
34A 第1の電波伝搬方向抑制領域
34B 第2の電波伝搬方向抑制領域
51 マイクロ波放射部

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