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技術 燃料電池システム、燃料電池の制御方法、および、燃料電池の判定方法

出願人 トヨタ自動車株式会社アイシン精機株式会社
発明者 増井孝年
出願日 2011年1月28日 (9年9ヶ月経過) 出願番号 2012-503039
公開日 2013年6月24日 (7年5ヶ月経過) 公開番号 WO2011-108317
状態 特許登録済
技術分野 燃料電池(本体) 燃料電池(システム)
主要キーワード 運転条件変更 入力振幅値 出力振幅値 隠しコード 供給量制御装置 指標演算 目標供給量 累積発電
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (18)

課題・解決手段

燃料電池システムは、燃料電池への入力値振幅値を取得する入力振幅値取得部と、燃料電池からの出力値の振幅値を取得する出力振幅値取得部と、入力振幅値取得部が取得した入力値の振幅値と出力振幅値取得部が取得した出力値の振幅値との比較に基づいて、燃料電池の運転条件を変更する運転条件変更部と、を備える。他の燃料電池システムは、燃料電池への入力値の振幅値を取得する入力振幅値取得部と、燃料電池からの出力値の振幅値を取得する出力振幅値取得部と、入力振幅値取得部が取得した入力値の振幅値と出力振幅値取得部が取得した出力値の振幅値との比較に基づいて、燃料電池の劣化判定を行う劣化判定部と、を備える。

概要

背景

燃料電池は、一般的には水素および酸素燃料として電気エネルギを得る装置である。この燃料電池は、環境面において優れており、また高いエネルギ効率を実現できることから、今後のエネルギ供給システムとして広く開発が進められてきている。

燃料電池またはその補機は、発電を継続にするにつれて劣化することがある。燃料電池または補機の劣化は外見では判定しにくいため、燃料電池の出力から劣化を判定できることが好ましい。例えば、特許文献1は、改質器の出力(改質ガス)に基づいて改質器の劣化を判定する技術を開示している。

概要

燃料電池システムは、燃料電池への入力値振幅値を取得する入力振幅値取得部と、燃料電池からの出力値の振幅値を取得する出力振幅値取得部と、入力振幅値取得部が取得した入力値の振幅値と出力振幅値取得部が取得した出力値の振幅値との比較に基づいて、燃料電池の運転条件を変更する運転条件変更部と、を備える。他の燃料電池システムは、燃料電池への入力値の振幅値を取得する入力振幅値取得部と、燃料電池からの出力値の振幅値を取得する出力振幅値取得部と、入力振幅値取得部が取得した入力値の振幅値と出力振幅値取得部が取得した出力値の振幅値との比較に基づいて、燃料電池の劣化判定を行う劣化判定部と、を備える。

目的

本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、燃料電池の劣化または補機の異常を簡易に判定することができる燃料電池システム、燃料電池の制御方法、および、燃料電池の判定方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

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請求項1

燃料電池への入力値振幅値を取得する入力振幅値取得部と、前記燃料電池からの出力値の振幅値を取得する出力振幅値取得部と、前記入力振幅値取得部が取得した入力値の振幅値と前記出力振幅値取得部が取得した出力値の振幅値との比較に基づいて、前記燃料電池の運転条件を変更する運転条件変更部と、を備えることを特徴とする燃料電池システム

請求項2

前記運転条件変更部は、前記入力値の振幅値と前記出力値の振幅値との差が所定値以下になった場合に、前記燃料電池の運転条件を変更することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。

請求項3

前記燃料電池への入力値として、アノード圧力を用いることを特徴とする請求項1または2記載の燃料電池システム。

請求項4

前記アノード圧力は、改質水を用いた水蒸気改質反応によって水素を含む燃料ガスを生成し前記燃料電池のアノードに供給する改質器内の圧力であることを特徴とする請求項3記載の燃料電池システム。

請求項5

前記燃料電池の出力値として、前記燃料電池の発電電力発電電流および発電電圧の少なくともいずれか1つを用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料電池システム。

請求項6

前記燃料電池の出力値として、前記燃料電池のアノードオフガスカソードオフガス燃焼させた場合の排気ガス中の酸素濃度を用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料電池システム。

請求項7

前記入力値の振幅値と前記出力値の振幅値との比較において、前記入力値および前記出力値の標準偏差を用いることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の燃料電池システム。

請求項8

前記入力値の振幅値と前記出力値の振幅値との比較において、前記入力値および前記出力値の標準偏差の乗算値または除算値を用いることを特徴とする請求項7記載の燃料電池システム。

請求項9

前記入力値の振幅値と前記出力値の振幅値との比較において、前記入力値および前記出力値の標準偏差の乗算値または除算値の移動平均値を用いることを特徴とする請求項8記載の燃料電池システム。

請求項10

前記運転条件変更部は、前記入力値の振幅値と前記出力値の振幅値との差が所定値以下になった場合に、前記燃料電池の定格出力を低下させることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の燃料電池システム。

請求項11

前記運転条件変更部は、前記入力値の振幅値と前記出力値の振幅値との差が所定値以下になった場合に、前記燃料電池への燃料ガスおよび酸化剤ガスの少なくとも一方の供給量を増加させることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の燃料電池システム。

請求項12

燃料電池への入力値の振幅値を取得する入力振幅値取得部と、前記燃料電池からの出力値の振幅値を取得する出力振幅値取得部と、前記入力振幅値取得部が取得した入力値の振幅値と前記出力振幅値取得部が取得した出力値の振幅値との比較に基づいて、前記燃料電池の劣化判定を行う劣化判定部と、を備えることを特徴とする燃料電池システム。

請求項13

反応ガス燃料電池セルに供給するために必要とされる流体の供給量を制御するための供給量制御装置と、前記反応ガスもしくは前記燃料電池セルから排出される反応オフガス性質または前記燃料電池セルの出力を検出するセンサと、前記供給量制御装置への制御指令値に所定の周期および振幅付加信号重畳する重畳部と、前記付加信号が前記制御指令値に重畳された場合に、前記制御指令値の振幅と前記センサの検出値の振幅との関係を判定する判定部と、を備えることを特徴とする燃料電池システム。

請求項14

前記判定部は、前記制御指令値の振幅と前記センサの検出値の振幅との比の、基準値からの乖離度が所定値を上回るか下回るかいずれかの場合に、前記供給量制御装置および前記センサのいずれかに異常が生じていると判定することを特徴とする請求項13記載の燃料電池システム。

請求項15

前記判定部は、前記制御指令値の振幅と前記センサの検出値の振幅との比を求める際に、前記制御指令値の振幅の標準偏差および前記センサの検出値の振幅の標準偏差を用いることを特徴とする請求項14記載の燃料電池システム。

請求項16

前記判定部は、前記反応ガスもしくは前記反応オフガスの性質または前記燃料電池セルの出力を検出する複数のセンサの検出値を用いることを特徴とする請求項13〜15のいずれか一項に記載の燃料電池システム。

請求項17

前記判定部は、前記複数のセンサのうち、前記供給量制御装置および前記センサのいずれかに異常が生じていると判定されたセンサに異常が生じていると判定することを特徴とする請求項16記載の燃料電池システム。

請求項18

前記供給量制御装置は、前記燃料電池セルの発電に用いる燃料ガスを生成するための改質器に供給される原燃料の供給量を制御する装置であり、前記複数のセンサは、前記燃料電池セルからのオフガスを燃焼させる燃焼室の温度を検出する温度センサ、および、前記燃焼室から排出される排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサであることを特徴とする請求項16または17記載の燃料電池システム。

請求項19

前記重畳部は、前記制御指令値に、振幅の小さい第1付加信号および振幅の大きい第2付加信号を重畳することを特徴とする請求項13〜18のいずれか一項に記載の燃料電池システム。

請求項20

前記供給量制御装置および前記センサのいずれかに異常が生じていると判定された場合に、警報を報知する報知手段をさらに備えることを特徴とする請求項13〜19のいずれか一項に記載の燃料電池システム。

請求項21

前記供給量制御装置および前記センサのいずれかに異常が生じていると判定された場合に、前記燃料電池セルの運転条件を変更する運転条件変更部をさらに備えることを特徴とする請求項13〜20のいずれか一項に記載の燃料電池システム。

請求項22

燃料電池への入力値の振幅値を取得する入力振幅値取得ステップと、前記燃料電池からの出力値の振幅値を取得する出力振幅値取得ステップと、前記入力振幅値取得ステップにおいて取得した入力値の振幅値と前記出力振幅値取得ステップにおいて取得した出力値の振幅値との比較に基づいて、前記燃料電池の運転条件を変更する運転条件変更ステップと、を含むことを特徴とする燃料電池の制御方法

請求項23

燃料電池への入力値の振幅値を取得する入力振幅値取得ステップと、前記燃料電池からの出力値の振幅値を取得する出力振幅値取得ステップと、前記入力振幅値取得ステップにおいて取得した入力値の振幅値と前記出力振幅値取得ステップにおいて取得した出力値の振幅値との比較に基づいて、前記燃料電池の劣化判定を行う劣化判定ステップと、を含むことを特徴とする燃料電池の判定方法

請求項24

反応ガスを燃料電池セルに供給するために必要とされる流体の供給量を制御するための供給量制御装置への制御指令値に所定の周期および振幅の付加信号を重畳する重畳ステップと、前記重畳ステップで前記付加信号が前記制御指令値に重畳された場合に、前記制御指令値の振幅と、前記反応ガスもしくは前記燃料電池セルから排出される反応オフガスの性質または前記燃料電池セルの出力を検出するセンサの検出値の振幅との関係を判定する判定ステップと、を含むことを特徴とする燃料電池の制御方法。

技術分野

0001

本発明は、燃料電池システム燃料電池制御方法、および、燃料電池の判定方法に関する。

背景技術

0002

燃料電池は、一般的には水素および酸素燃料として電気エネルギを得る装置である。この燃料電池は、環境面において優れており、また高いエネルギ効率を実現できることから、今後のエネルギ供給システムとして広く開発が進められてきている。

0003

燃料電池またはその補機は、発電を継続にするにつれて劣化することがある。燃料電池または補機の劣化は外見では判定しにくいため、燃料電池の出力から劣化を判定できることが好ましい。例えば、特許文献1は、改質器の出力(改質ガス)に基づいて改質器の劣化を判定する技術を開示している。

先行技術

0004

国際公開第2005/018035号

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、特許文献1の技術では、燃料電池の劣化または補機の異常を判定することはできない。

0006

本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、燃料電池の劣化または補機の異常を簡易に判定することができる燃料電池システム、燃料電池の制御方法、および、燃料電池の判定方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明に係る燃料電池システムは、燃料電池への入力値振幅値を取得する入力振幅値取得部と、燃料電池からの出力値の振幅値を取得する出力振幅値取得部と、入力振幅値取得部が取得した入力値の振幅値と出力振幅値取得部が取得した出力値の振幅値との比較に基づいて、燃料電池の運転条件を変更する運転条件変更部と、を備えることを特徴とするものである。本発明に係る燃料電池システムによれば、燃料電池の入出力を用いて燃料電池の劣化を簡易に判定することができる。その結果、燃料電池の劣化に応じて運転条件を変更することができる。

0008

運転条件変更部は、入力値の振幅値と出力値の振幅値との差が所定値以下になった場合に、燃料電池の運転条件を変更してもよい。燃料電池への入力値として、アノード圧力を用いてもよい。アノード圧力は、改質水を用いた水蒸気改質反応によって水素を含む燃料ガスを生成し燃料電池のアノードに供給する改質器内の圧力であってもよい。燃料電池の出力値として、燃料電池の発電電力発電電流および発電電圧の少なくともいずれか1つを用いてもよい。燃料電池の出力値として、燃料電池のアノードオフガスカソードオフガス燃焼させた場合の排気ガス中の酸素濃度を用いてもよい。

0009

入力値の振幅値と出力値の振幅値との比較において、入力値および出力値の標準偏差を用いてもよい。入力値の振幅値と出力値の振幅値との比較において、入力値および出力値の標準偏差の乗算値または除算値を用いてもよい。入力値の振幅値と出力値の振幅値との比較において、入力値および出力値の標準偏差の乗算値または除算値の移動平均値を用いてもよい。

0010

運転条件変更部は、入力値の振幅値と出力値の振幅値との差が所定値以下になった場合に、燃料電池の定格出力を低下させてもよい。運転条件変更部は、入力値の振幅値と出力値の振幅値との差が所定値以下になった場合に、燃料電池への燃料ガスおよび酸化剤ガスの少なくとも一方の供給量を増加させてもよい。

0011

本発明に係る他の燃料電池システムは、燃料電池への入力値の振幅値を取得する入力振幅値取得部と、燃料電池からの出力値の振幅値を取得する出力振幅値取得部と、入力振幅値取得部が取得した入力値の振幅値と出力振幅値取得部が取得した出力値の振幅値との比較に基づいて、燃料電池の劣化判定を行う劣化判定部と、を備えることを特徴とするものである。本発明に係る他の燃料電池システムによれば、燃料電池の入出力を用いて燃料電池の劣化を簡易に判定することができる。

0012

本発明に係る他の燃料電池システムは、反応ガス燃料電池セルに供給するために必要とされる流体の供給量を制御するための供給量制御装置と、前記反応ガスもしくは前記燃料電池セルから排出される反応オフガス性質または前記燃料電池セルの出力を検出するセンサと、前記供給量制御装置への制御指令値に所定の周期および振幅付加信号重畳する重畳部と、前記付加信号が前記制御指令値に重畳された場合に、前記制御指令値の振幅と前記センサの検出値の振幅との関係を判定する判定部と、を備えることを特徴とするものである。本発明に係る燃料電池システムにおいては、センサの検出値のバラツキ誤差などの影響を回避して、補機に異常が生じているか否かを判定することができる。

0013

前記判定部は、前記制御指令値の振幅と前記センサの検出値の振幅との比の、基準値からの乖離度が所定値を上回るか下回るかのいずれかの場合に、前記供給量制御装置および前記センサのいずれかに異常が生じていると判定してもよい。前記判定部は、前記制御指令値の振幅と前記センサの検出値の振幅との比を求める際に、前記制御指令値の振幅の標準偏差および前記センサの検出値の振幅の標準偏差を用いてもよい。

0014

前記判定部は、前記反応ガスもしくは前記反応オフガスの性質または前記燃料電池セルの出力を検出する複数のセンサの検出値を用いてもよい。前記判定部は、前記複数のセンサのうち、前記供給量制御装置および前記センサのいずれかに異常が生じていると判定されたセンサに異常が生じていると判定してもよい。

0015

前記供給量制御装置は、前記燃料電池セルの発電に用いる燃料ガスを生成するための改質器に供給される原燃料の供給量を制御する装置であり、前記複数のセンサは、前記燃料電池セルからのオフガスを燃焼させる燃焼室の温度を検出する温度センサ、および、前記燃焼室から排出される排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサであってもよい。

0016

前記重畳部は、前記制御指令値に、振幅の小さい第1付加信号および振幅の大きい第2付加信号を重畳してもよい。前記供給量制御装置および前記センサのいずれかに異常が生じていると判定された場合に、警報を報知する報知手段をさらに備えていてもよい。前記供給量制御装置および前記センサのいずれかに異常が生じていると判定された場合に、前記燃料電池セルの運転条件を変更する運転条件変更部をさらに備えていてもよい。

0017

本発明に係る燃料電池の制御方法は、燃料電池への入力値の振幅値を取得する入力振幅値取得ステップと、燃料電池からの出力値の振幅値を取得する出力振幅値取得ステップと、入力振幅値取得ステップにおいて取得した入力値の振幅値と出力振幅値取得ステップにおいて取得した出力値の振幅値との比較に基づいて、燃料電池の運転条件を変更する運転条件変更ステップと、を含むことを特徴とするものである。本発明に係る燃料電池の制御方法によれば、燃料電池の入出力を用いて燃料電池の劣化を簡易に判定することができる。その結果、燃料電池の劣化に応じて運転条件を変更することができる。

0018

本発明に係る燃料電池の判定方法は、燃料電池への入力値の振幅値を取得する入力振幅値取得ステップと、燃料電池からの出力値の振幅値を取得する出力振幅値取得ステップと、入力振幅値取得ステップにおいて取得した入力値の振幅値と出力振幅値取得ステップにおいて取得した出力値の振幅値との比較に基づいて、燃料電池の劣化判定を行う劣化判定ステップと、を含むことを特徴とするものである。本発明に係る他の燃料電池の判定方法によれば、燃料電池の入出力を用いて燃料電池の劣化を簡易に判定することができる。

0019

本発明に係る燃料電池システムの制御方法は、反応ガスを燃料電池セルに供給するために必要とされる流体の供給量を制御するための供給量制御装置への制御指令値に所定の周期および振幅の付加信号を重畳する重畳ステップと、前記重畳ステップで前記付加信号が前記制御指令値に重畳された場合に、前記制御指令値の振幅と、前記反応ガスもしくは前記燃料電池セルから排出される反応オフガスの性質または前記燃料電池セルの出力を検出するセンサの検出値の振幅との関係を判定する判定ステップと、を含むことを特徴とするものである。本発明に係る燃料電池システムの制御方法においては、センサの検出値のバラツキ、誤差などの影響を回避して、補機に異常が生じているか否かを判定することができる。

発明の効果

0020

本発明によれば、燃料電池の劣化または補機の異常を簡易に判定することができる燃料電池システム、燃料電池の制御方法、および、燃料電池の判定方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0021

第1の実施形態に係る燃料電池システムの全体構成を示すブロック図である。
燃料電池を構成する単セルの断面を含む部分斜視図である。
(a)および(b)は燃料電池のアノード圧力と発電電流との関係を示す図である。
燃料電池の劣化を判定する場合に実行されるフローチャートの一例を示す図である。
燃料電池の入力値の振幅値と出力値の振幅値との比較の具体例を示すフローチャートの一例を示す図である。
第2の実施形態に係る燃料電池システムの全体構成を示すブロック図である。
燃料電池の劣化を判定する場合に実行されるフローチャートの一例を示す図である。
第3の実施形態に係る燃料電池システムの全体構成を示すブロック図である。
燃料電池が備える燃料電池スタックを説明するための斜視図である。
(a)〜(c)は燃料電池の全体構成を示す斜視図である。
供給量制御装置に対する制御指令値の一例として原燃料ポンプ駆動電圧を示し、センサの検出値として電流センサが検出する発電電流値および温度センサが検出する温度値を示す図である。
制御指令値および付加信号の例を示す図である。
供給量制御装置に対する制御指令値の振幅とセンサの検出値の振幅との関係を取得する際に実行されるフローチャートの一例を示す図である。
自己診断指標演算処理の詳細を示すフローチャートの一例である。
燃料電池の累積発電時間が所定時間を超えた場合に実行されるフローチャートの一例を示す図である。
図15のフローチャートの実行タイミングを判定する際に実行されるフローチャートの一例である。
いずれの補機に異常が生じているかを特定する際に実行されるフローチャートの一例を示す図である。

実施例

0022

以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。

0023

(第1の実施形態)

0024

図1は、第1の実施形態に係る燃料電池システム100の全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、燃料電池システム100は、制御部10、原燃料供給部20、改質水供給部30、酸化剤ガス供給部40、改質器50、燃焼室60、燃料電池70、および熱交換器90を備える。また、燃料電池システム100は、センサ部として、電圧センサ81、電流センサ82、酸素濃度センサ83、および圧力センサ84を備える。

0025

制御部10は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、インタフェース等から構成され、入出力ポート11、CPU12、記憶部13等を含む。入出力ポート11は、制御部10と各機器とのインタフェースである。記憶部13は、CPU12が実行するためのプログラムを記憶するROM、演算に用いる変数等を記憶するRAM等を含むメモリである。

0026

原燃料供給部20は、炭化水素等の原燃料を改質器50に供給するための燃料ポンプ等を含む。改質水供給部30は、改質器50における水蒸気改質反応に必要な改質水を貯蔵する改質水タンク31、改質水タンク31に貯蔵された改質水を改質器50に供給するための改質水ポンプ32等を含む。酸化剤ガス供給部40は、燃料電池70のカソード71にエア等の酸化剤ガスを供給するためのエアポンプ等を含む。改質器50は、改質水を気化させるための気化部51、および、水蒸気改質反応によって燃料ガスを生成するための改質部52を含む。燃料電池70は、カソード71とアノード72とによって電解質73が挟持された構造を有する。

0027

図2は、燃料電池70を構成する燃料電池セル74の断面を含む部分斜視図である。図2に示すように、燃料電池セル74は、平板柱状の全体形状を有する。ガス透過性を有する導電性支持体21の内部に、軸方向(長手方向)に沿って貫通する複数の燃料ガス通路22が形成されている。導電性支持体21の外周面における一方の平面上に、燃料極23、固体電解質24、および酸素極25がこの順に積層されている。酸素極25に対向する他方の平面上には、接合層26を介してインターコネクタ27が設けられ、その上に接触抵抗低減用のP型半導体層28が設けられている。燃料極23が図1のアノード72として機能し、酸素極25が図1のカソード71として機能し、固体電解質24が図1の電解質73として機能する。なお、燃料電池70は、図2に示す燃料電池セル74が複数積層されたスタック構造を有していてもよい。

0028

燃料ガス通路22に水素を含む改質ガスが供給されることによって、燃料極23に水素が供給される。一方、燃料電池セル74の周囲に酸素を含む酸化剤ガスが供給されることによって、酸素極25に酸素が供給される。それにより、酸素極25及び燃料極23において下記の電極反応が生じることによって発電が行われる。発電反応は、例えば、600℃〜1000℃で行われる。
酸素極:1/2O2+2e−→O2−(固体電解質)
燃料極:O2−(固体電解質)+H2→H2O+2e−

0029

酸素極25の材料は、耐酸化性を有し、気体の酸素が固体電解質24との界面に到達できるように多孔質である。固体電解質24は、酸素極25から燃料極23へ酸素イオンO2−を移動させる機能を有する。固体電解質24は、酸素イオン導電性酸化物によって構成される。また、固体電解質24は、燃料ガスと酸化剤ガスとを物理的に隔離するため、酸化還元雰囲気中において安定でありかつ緻密質である。燃料極23は、還元雰囲気中で安定でありかつ水素との親和性を有する材料によって構成される。インターコネクタ27は、燃料電池セル74同士を電気的に直列に接続するために設けられており、燃料ガスと酸化剤ガスとを物理的に隔離するために緻密質である。

0030

例えば、酸素極25は、電子およびイオンの双方の導電性が高いランタンコバルタイト系のペロブスカイト型複合酸化物等から形成される。固体電解質24は、イオン導電性の高いY2O3を含有するZrO2(YSZ)等によって形成される。燃料極23は、電子導電性の高いNiとY2O3を含有するZrO2(YSZ)との混合物等によって形成される。インターコネクタ27は、電子導電性の高い、アルカリ土類酸化物を固溶したLaCrO3等によって形成される。これらの材料は、熱膨張率が近いものが好適である。

0031

続いて、図1を参照しつつ、燃料電池システム100の発電時の動作の概要を説明する。原燃料供給部20は、制御部10の指示に従って必要量原燃料ガスを改質器50に供給する。改質水ポンプ32は、制御部10の指示に従って必要量の改質水を改質器50に供給する。改質水は、燃焼室60における燃焼熱を利用して、気化部51において気化して水蒸気となる。改質部52においては、燃焼室60の燃焼熱を利用した水蒸気改質反応が生じる。それにより、改質部52において、水素を含む燃料ガスが生成される。改質部52において生成された燃料ガスは、燃料電池70のアノード72に供給される。

0032

酸化剤ガス供給部40は、制御部10の指示に従って必要量の酸化剤ガスを燃料電池70のカソード71に供給する。それにより、燃料電池70において発電が行われる。カソード71から排出された酸化剤オフガスおよびアノード72から排出された燃料オフガスは、燃焼室60に流入する。燃焼室60においては、燃料オフガスが酸化剤オフガス中の酸素によって燃焼する。燃焼によって得られた熱は、改質器50および燃料電池70に与えられる。このように、燃料電池システム100においては、燃料オフガス中に含まれる水素、一酸化炭素等の可燃成分を燃焼室60において燃焼させることができる。熱交換器90は、燃焼室60から排出された排気ガスと熱交換器90内を流れる水道水との間で熱交換する。熱交換によって排気ガスから得られた凝縮水は、改質水タンク31に貯蔵される。

0033

電圧センサ81は、燃料電池70の発電電圧を検出し、その検出結果を制御部10に与える。燃料電池70がスタック構造を有する場合には、電圧センサ81は、スタック全体の発電電圧を検出してもよく、スタックの一部の単セルの発電電圧を検出してもよい。電流センサ82は、燃料電池70の発電電流を検出し、その検出結果を制御部10に与える、酸素濃度センサ83は、燃焼室60から排出された排気ガス中の酸素濃度を検出し、その検出結果を制御部10に与える。圧力センサ84は、燃料電池70のアノード72に供給される燃料ガスの圧力を検出し、その検出結果を制御部10に与える。本実施形態においては、アノード圧力として、改質器50内のガス圧力を検出する。圧力センサ84は、原燃料供給部20から燃料電池70のアノード72までの配管のいずれの箇所に設けられていてもよい。

0034

制御部10は、各センサの検出結果に基づいて、燃料電池70の劣化判定を行い、その判定結果に基づいて燃料電池70の運転条件を変更する。したがって、制御部10が運転条件変更部として機能する。以下、燃料電池70の劣化の判定について説明する。なお、燃料電池70の劣化とは、例えば、燃料電池70を構成する部材が経年変化した場合等のことをいう。

0035

燃料電池70の性能が良好であれば、燃料電池70への何らかの入力値の振幅は吸収され、所期の性能が実現される。すなわち、健全な燃料電池70は、入力値の平均値が所定値を満足していれば、一時的に比較的微小な入力値不足が生じてもそれ以前の比較的余裕がある入力値の時に蓄積された過剰分を放出して出力値を補償する。したがって、出力値の変動は小さい。このように、健全な燃料電池70は、バッファ機能を有している。しかしながら、燃料電池70の劣化が進行するに従って、燃料電池70への入力値の振幅が吸収されなくなり、燃料電池70の出力値の振幅が大きくなる。以上のことから、この現象を利用して、燃料電池70の劣化を判定することができる。

0036

例えば、燃料電池70への入力値として、燃料電池70に供給される反応ガス量、反応ガス圧力等を用いることができる。反応ガス量として、燃料電池70に供給される燃料ガス量および酸化剤ガス量の少なくともいずれか一方を用いることができる。改質器50に供給される原燃料量によって燃料ガス量が決定されるので、原燃料量から反応ガス量を導くこともできる。例えば、原燃料タンクから改質器50に供給される原燃料量を用いてもよく、都市ガス配管から改質器50に供給される原燃料量を用いてもよい。反応ガス圧力として、アノード圧力およびカソード圧力の少なくともいずれか一方を用いてもよい。

0037

ただし、ランニングコストの観点から、酸化剤ガスとしてエアを用いることが多い。エアには酸素以外の成分が多く含まれることから、発電時において、燃料ガスに比べて多量の酸化剤ガスを必要とする。この場合、燃料電池70の出力値に対する酸化剤ガス量または圧力の影響が、燃料ガスに比較して小さくなる。したがって、燃料電池70への入力値として、アノード圧力または燃料ガス量を用いることが好ましい。

0038

なお、反応ガス量を変動させようとすると、アクチュエータ等の作動回数を増加させる必要がある。この場合、アクチュエータの耐久性を考慮する必要がある。したがって、燃料電池70の入力値として、反応ガス量に比較して反応ガス圧力を用いることが好ましい。なお、改質水の気化によって生じる水蒸気を用いた水蒸気改質反応を生じさせる改質器を備えている場合には、改質水の突沸を利用することができる。この場合、アノード圧力を容易に変動させることができる。したがって、改質水の気化によって生じる水蒸気を利用する改質器を備えていることが好ましい。

0039

また、燃料電池70の出力値として、燃料電池70の発電電流、発電電圧もしくは発電電力を用いることができる。この場合、燃料電池70の発電状態を直接的に指標として用いることができる。なお、燃料電池70におけるガス分配悪化に伴う性能劣化を発電状態で検出するのは比較的困難である。特に、燃料電池70の低負荷運転時においては、燃料電池70の性能劣化を発電状態で検出するのは困難である。しかしながら、ガス分配が悪化した場合には、アノードオフガスにもばらつきが生じる。例えば、ガス分配悪化に伴ってアノードオフガスが欠乏すれば、燃焼室60において失火し、排気ガス中の酸素濃度が上昇する。したがって、ガス分配悪化等を考慮すれば、燃料電池70の出力値として、排気ガス中の酸素濃度を用いることもできる。

0040

図3(a)および図3(b)は、燃料電池70のアノード圧力と発電電流との関係を示す図である。図3(a)は、劣化していない燃料電池70の結果を示す。図3(b)は、劣化が進行した燃料電池70の結果を示す。図3(a)および図3(b)において、横軸は、経過時間を示し、縦軸は、アノード圧力、発電電流、および劣化判定指標を示す。図3(a)および図3(b)においては、劣化判定指標として、発電電流変動/アノード圧力変動を用いている。

0041

図3(a)に示すように、劣化していない燃料電池70においては、アノード圧力が変動しても発電電流はほとんど変動していない。したがって、図3(a)の例では、アノード圧力の振幅値と発電電流の振幅値との差が大きくなっている。これに対して、図3(b)に示すように、劣化した燃料電池70においては、アノード圧力の変動に合わせて、発電電流も大きく変動している。したがって、図3(b)の例では、アノード圧力の振幅値と発電電流の振幅値との差が小さくなっている。燃料電池70のその他の入力値および出力値に着目しても、図3(a)および図3(b)と同様の結果が得られる。したがって、燃料電池70の入力値の振幅値と出力値の振幅値とを用いて、燃料電池70の劣化を判定することができる。

0042

図4は、燃料電池70の劣化を判定する場合に実行されるフローチャートの一例を示す図である。まず、CPU12は、燃料電池70への入力値を取得する(ステップS1)。次に、CPU12は、燃料電池70からの出力値を取得する(ステップS2)。次いで、CPU12は、入力値の振幅値と出力値の振幅値とを比較する(ステップS3)。

0043

次に、CPU12は、ステップS3の比較の結果が所定の条件を満足するか否かを判定する(ステップS4)。なお、ステップS4において、複数種類の入力値および複数種類の出力値が同時に所定の条件を満足するか否かを判定してもよい。この場合、劣化の判定精度が向上する。ステップS4において「Yes」と判定された場合、CPU12は、燃料電池70の運転条件を変更する(ステップS5)。その後、CPU12は、フローチャートの実行を終了する。また、ステップS4において「No」と判定された場合にも、CPU12は、フローチャートの実行を終了する。図4のフローチャートによれば、燃料電池70の劣化に応じた適切な運転条件を設定することができる。

0044

例えば、燃料電池70の最大発電電力は、劣化に伴って低下することがある。そこで、燃料電池70の定格出力を引き下げることによって、燃料電池70に過度負荷がかかることを回避することができる。また、改質器50から燃料電池70に供給される燃料ガス量および酸化剤ガス供給部40から燃料電池70に供給される酸化剤ガス量の少なくともいずれか一方を増量してもよい。この場合、劣化に伴って不足する発電電力を補うことができる。

0045

続いて、燃料電池70の入力値の振幅値と出力値の振幅値との比較の具体例について説明する。例えば、図3(a)および図3(b)の結果からすれば、入力値の振幅値と出力値の振幅値との差が所定値以下になった場合に、燃料電池70が劣化していると判定することができる。この場合の振幅値として、所定期間の振幅の平均値を用いてもよく、特定の波形の振幅(例えば、最大振幅)を用いてもよい。

0046

なお、振幅値同士の比較が困難な場合においては、各振幅値の乗算値または除算値を用いてもよい。例えば、上記劣化判定指標を用いてもよい。図3(a)の例では発電電流がほとんど変動していないため、劣化判定指標もほとんど検出されていない。これに対して、図3(b)の例では発電電流もアノード圧力変動に合わせて変動しているため、劣化判定指標が大きくなっている。したがって、劣化判定指標が所定値以上になった場合に、燃料電池70が劣化していると判定することができる。

0047

図5は、燃料電池70の入力値の振幅値と出力値の振幅値との比較の具体例を示すフローチャートの一例を示す図である。図5のフローチャートは、周期的に実行され、例えば、1秒ごとに実行される。まず、CPU12は、電圧センサ81および電流センサ82の検出結果に基づいて、燃料電池70の発電電力P_fcを取得し、記憶部13に記憶させる(ステップS11)。

0048

次に、CPU12は、発電過渡状態判定指標σ(P_fc)を算出して記憶部13に記憶させる(ステップS12)。発電過渡状態判定指標σ(P_fc)は、燃料電池70に要求される発電電力が変更されたか否かを判定するための指標である。発電過渡状態判定指標σ(P_fc)として、例えば、発電電力P_fcの標準偏差の移動平均値を用いることができる。上記移動平均値は、下記式(1)のように表すことができる。なお、標準偏差は、記憶部13に記憶された発電電力P_fcに基づいて算出されたものであり、例えば、直近で記憶された50個程度の発電電力P_fcから算出されたものである。また、下記式(1)右辺の各係数は、下記に限られるものではない。なお、「前回」とは、前回のフローチャートの実行時のことであり、「今回」とは、今回のフローチャートの実行時のことである。
σ(P_fc) = 1/4・[前回のσ(P_fc)] + 3/4・[今回の標準偏差] (1)

0049

次に、CPU12は、圧力センサ84の検出結果に基づいて、アノード圧力P_andを取得し、記憶部13に記憶させる(ステップS13)。次に、CPU12は、アノード圧力P_andの標準偏差σ(P_and)を算出し、記憶部13に記憶させる(ステップS14)。標準偏差σ(P_and)は、記憶部13に記憶されたアノード圧力P_andに基づいて算出されたものであり、例えば、直近で得られた50個程度のアノード圧力P_andから算出されたものである。

0050

次に、CPU12は、電流センサ82の検出結果に基づいて、燃料電池70の発電電流I_fcを取得し、記憶部13に記憶させる(ステップS15)。次に、CPU12は、発電電流I_fcの標準偏差σ(I_fc)を算出し、記憶部13に記憶させる(ステップS16)。標準偏差σ(I_fc)は、記憶部13に記憶された発電電流I_fcに基づいて算出されたものであり、例えば、直近で得られた50個程度の発電電流I_fcから算出されたものである。

0051

次に、CPU12は、標準偏差σ(P_and)が標準偏差σ(P_and)の判定値σ(P_and)_refを上回っているか否かを判定する(ステップS17)。判定値σ(P_and)_refは、特に限定されるものではないが、例えば0.01程度に設定される。ステップS17において「Yes」と判定された場合、CPU12は、下記式(2)に従って、det_fcを算出する(ステップS18)。ステップS17において「No」と判定された場合、CPU12は、det_fcをゼロに設定する(ステップS19)。ステップS19の実行によって、アノード圧力の変動が小さい場合にdet_fcが大きくなることが回避される。それにより、劣化の誤判定が回避される。
det_fc = σ(I_fc)/σ(P_and) (2)

0052

ステップS18またはステップS19の実行後、CPU12は、劣化判定指標χ(det_fc)を算出する(ステップS20)。劣化判定指標χ(det_fc)は、上記のdet_fcのそのままの値でもよいが、本フローチャートではdet_fcの移動平均値とする。劣化判定指標χ(det_fc)は、例えば、下記式(3)のように表すことができる。なお、下記式(3)右辺の各係数は、下記に限られるものではない。
χ(det_fc)=31/32・[前回のχ(det_fc)]+1/32・[今回のdet_fc] (3)

0053

次に、CPU12は、発電過渡状態判定指標σ(P_fc)が判定値σ(P_fc)_ref未満であるか否かを判定する(ステップS21)。判定値σ(P_fc)_refは、特に限定されるものではないが、例えば、「2」程度に設定される。ステップS21において「No」と判定された場合、CPU12は、フローチャートの実行を終了する。この場合、燃料電池70の発電状態が過渡期における燃料電池70の劣化判定が回避される。それにより、燃料電池70の劣化の誤判定が回避される。

0054

ステップS21において「Yes」と判定された場合、CPU12は、劣化判定指標χ(det_fc)が判定値χ(det_fc)_refを上回っているか否かを判定する(ステップS22)。ステップS22において「Yes」と判定された場合、CPU12は、劣化判定カウンタnに「1」を加える(ステップS23)。次に、CPU12は、劣化判定カウンタnが判定値n_refを上回っているか否かを判定する(ステップS24)。判定値n_refは、特に限定されるものではないが、例えば「120」程度に設定される。なお、本フローチャートが1秒ごとに実行されていれば、判定値n_ref=120は、2分間を意味する。ステップS24は、劣化判定指標χ(det_fc)が判定値χ(det_fc)_refを所定期間上回る場合にのみ劣化と判定することによって、誤判定を回避するためのステップである。

0055

ステップS24において「Yes」と判定された場合、CPU12は、燃料電池70の運転条件を変更する(ステップS25)。その後、CPU12は、フローチャートの実行を終了する。ステップS24において「No」と判定された場合、CPU12は、ステップS25を実行せずにフローチャートの実行を終了する。また、ステップS22において「No」と判定された場合、CPU12は、劣化判定カウンタnをゼロに設定し(ステップS25)、その後にフローチャートの実行を終了する。

0056

なお、ステップS14のn>n_refを満足しない場合であっても、例えば100回以上のカウントが3回以上計測された場合等には、記憶部13はその履歴隠しコードとして記憶していてもよい。この場合、定期点検時等の際に記憶部13に隠しコードとして上記履歴が記憶されていた場合に、通常点検よりも厳密な点検を行う等の処置を施すことができる。

0057

図5のフローチャートによれば、燃料電池70の入力値の振幅値と出力値の振幅値との比較に応じて、燃料電池70の運転条件を変更することができる。また、比較の際の誤判定を抑制することができる。なお、図5のフローチャートでは、燃料電池70への入力値としてアノード圧力を用い、燃料電池70の出力値として発電電流を用いたが、それに限定されるものではない。例えば、上述したように、燃料電池70への入力値として、燃料ガス流量酸化剤ガス流量酸化剤ガス圧力等を用いてもよい。また、燃料電池70の出力値として、発電電力、発電電流、発電電圧、排気ガス中の酸素濃度等を用いてもよい。

0058

(第2の実施形態)

0059

燃料電池70の運転条件を変更することなく、燃料電池70の劣化を判定してもよい。例えば、定期点検時に劣化を判定する場合には、点検後に燃料電池70を交換する場合もある。この場合においては、劣化の判定後に燃料電池70の発電が不要になることがある。したがって、燃料電池70の交換が必要か否かを判定できればよい。そこで、第2の実施形態においては、運転条件を変更せずに、燃料電池70の劣化を判定する例について説明する。

0060

図6は、第2の実施形態に係る燃料電池システム101の全体構成を示すブロック図である。燃料電池システム101が図1の燃料電池システム100と異なる点は、表示装置80をさらに備える点である。例えば、表示装置80は、燃料電池70が劣化していると判定された場合に、ユーザ等に点検を促す告知等を表示する。それにより、燃料電池70の交換等を早期に実施することができる。

0061

図7は、燃料電池70の劣化を判定する場合に実行されるフローチャートの一例を示す図である。まず、CPU12は、燃料電池70への入力値を取得する(ステップS31)。次に、CPU12は、燃料電池70からの出力値を取得する(ステップS32)。次いで、CPU12は、入力値の振幅値と出力値の振幅値とを比較する(ステップS33)。

0062

次に、CPU12は、ステップS33の比較の結果が所定の条件を満足するか否かを判定する(ステップS34)。ステップS34において「Yes」と判定された場合、CPU12は、ユーザに対する部品交換等の告知を表示装置80に表示させる(ステップS35)。その後、CPU12は、フローチャートの実行を終了する。また、ステップS34において「No」と判定された場合にも、CPU12は、フローチャートの実行を終了する。図7のフローチャートによれば、燃料電池70の劣化に応じて、ユーザに適切な告知を行うことができる。

0063

なお、第1の実施形態および第2の実施形態は、固体高分子型固体酸化物型、炭酸溶融塩型等の他のいずれのタイプの燃料電池にも適用可能である。ただし、固体酸化物型のように高温の反応ガスを用いる燃料電池においては、入力値の振幅が大きくなる。その結果、入力値の振幅値と出力値の振幅値との比較が容易となる。したがって、上記実施形態は、固体酸化物型燃料電池に対して特に有効である。また、第2の実施形態に係る表示装置80を第1の実施形態に組み入れてもよい。この場合、劣化判定に応じて、運転条件を変更するとともに、燃料電池70の交換を促すことができる。

0064

(第3の実施形態)

0065

図8は、第3の実施形態に係る燃料電池システム102の全体構成を示すブロック図である。図8を参照して、燃料電池システム102においては、改質水供給部30は、改質器50に供給される改質水の供給量を調整するための調量弁33を備える。また、原燃料供給部20は、炭化水素等の原燃料を改質器50に供給するための原燃料ポンプ20a、原燃料中の硫黄成分を除去するための脱硫器20b等を含む。また、燃焼室60のいずれかの箇所に配置された温度センサ85がさらに備わっている。

0066

図9は、燃料電池70が備える燃料電池スタック75を説明するための斜視図である。燃料電池スタック75においては、複数の燃料電池セル74が互いに集電部材を介して積層されている。各燃料電池セル74は、燃料極43と酸素極45とが対向するように積層されている。なお、図9において、細線矢印は燃料ガスの流れを示し、太線矢印は酸化剤ガスの流れを示す。

0067

図10(a)は、燃料電池70の全体構成を示す斜視図である。図10(b)は、図10(a)に示す燃料電池70の酸化剤ガス導入部材76を抜粋して示す斜視図である。図10(a)に示すように、燃料電池70においては、マニホールド77の上に、2組の燃料電池スタック75a,75b(燃料電池セル74)が、互いの積層方向が略並行になるように並列配置されている。燃料電池スタック75a,75bは、固体酸化物形の燃料電池セル74が複数枚積層された構造を有する。

0068

図10(a)のマニホールド77には、各燃料電池セル74の燃料ガス通路42に連通する孔が形成されている。それにより、マニホールド77を流動する燃料ガスが燃料ガス通路42に流入する。改質器50は、燃料電池スタック75a,75bのマニホールド77と反対側に配置されている。例えば、改質器50は、一方の燃料電池スタックの積層方向に延び、一端側で折り返し、他方の燃料電池スタックの積層方向に延びる構造を有する。本実施形態においては、改質器50における改質水入口側に燃料電池スタック75aが配置され、燃料ガス出口側に燃料電池スタック75bが配置されている。

0069

また、図10(b)に示すように、燃料電池スタック75aと燃料電池スタック75bとの間には、酸化剤ガス導入部材76が配置されている。酸化剤ガス導入部材76には、酸化剤ガスが流動するための空間が形成されている。酸化剤ガス導入部材76のマニホールド77側端部には、孔78が形成されている。それにより、各燃料電池セル74の外側を酸化剤ガスが流動する。燃料電池セル74の燃料ガス通路42を燃料ガスが流動しかつ燃料電池セル74の外側を酸化剤ガスが流動することによって、燃料電池セル74において発電が行われる。

0070

燃料電池セル74において発電に供された後の燃料ガス(燃料オフガス)と発電に供された後の酸化剤ガス(酸化剤オフガス)とは、各燃料電池セル74のマニホールド77と反対側の端部において合流する。燃料オフガスには未燃の水素等の可燃物が含まれていることから、燃料オフガスは、酸化剤オフガスに含まれる酸素を利用して燃焼する。本例においては、燃焼室60は、燃料電池セル74(燃料電池スタック75a,75b)の上端と改質器50との間において燃料オフガスが燃焼する空間のことをいう。

0071

改質器50の上流側が気化部51として機能し、改質器50の下流側が改質部52として機能する。図10(c)に示すように、改質器50に炭化水素等の原燃料および改質水が供給されると、気化部51においては、改質水が蒸発して水蒸気が発生し、発生した水蒸気と炭化水素等の原燃料とが混合される。改質部52においては、触媒を介して水蒸気と炭化水素等の原燃料とが水蒸気改質反応を起こして燃料ガスが生成される。

0072

続いて、図8を参照しつつ、燃料電池システム102の発電時の動作の概要を説明する。原燃料ポンプ20aは、制御部10から与えられる制御指令値に従って、必要量の原燃料を脱硫器20b経由で改質器50に供給する。なお、原燃料ポンプ20aに与えられる制御指令値は、記憶部13に記憶される。改質水ポンプ32は、制御部10から与えられる制御指令値に従って、必要量の改質水を調量弁33に供給する。なお、改質水ポンプ32に与えられる制御指令値は、記憶部13に記憶される。調量弁33は、制御部10から与えられる制御指令値に従って、必要量の改質水を改質器50に供給する。なお、調量弁33に与えられる制御指令値は、記憶部13に記憶される。

0073

酸化剤ガス供給部40は、制御部10から与えられる制御指令値に従って、必要量の酸化剤ガスをカソード71に供給する。それにより、燃料電池70において発電が行われる。なお、酸化剤ガス供給部40に与えられる制御指令値は、記憶部13に記憶される。

0074

電圧センサ81は、燃料電池70に含まれる1枚以上の燃料電池セル74の発電電圧を検出し、その検出結果を制御部10に与える。なお、複数枚の燃料電池セル74の発電電圧を検出する場合、該複数枚の燃料電池セル74は、連続していてもよく連続していなくてもよい。また、電圧センサ81は、燃料電池70に含まれる全ての燃料電池セル74の発電電圧を検出してもよい。電圧センサ81の検出結果は、記憶部13に記憶される。

0075

温度センサ85は、燃焼室60内の温度を検出し、その検出結果を制御部10に与える。なお、図10で説明したように、燃焼室60は燃料電池スタック75と改質器50との間の空間である。燃焼室60の内の温度を検出することによって、燃料電池スタック75の温度を検出していると看做し得る。圧力センサ84は、燃料電池70のアノード72に供給される燃料ガスの圧力を検出し、その検出結果を制御部10に与える。圧力センサ84の検出結果は、記憶部13に記憶される。

0076

制御部10は、各センサの検出結果に基づいて、燃料電池70の補機の異常判定を行い、その判定結果を報知装置91に報知させる。報知装置91は、ディスプレイなどの表示装置であってもよく、音声発生装置であってもよい。または、制御部10は、上記判定結果に基づいて燃料電池70の運転条件を変更する。したがって、制御部10が判定部として機能するとともに、運転条件変更部として機能する。以下、燃料電池70の補機の異常判定について説明する。

0077

ここで、燃料電池70の補機は、必要量の燃料ガスおよび酸化剤ガス(以下、反応ガスと総称する。)を燃料電池70に供給するために必要となる流体の供給量を制御するための供給量制御装置を含む。本実施形態においては、燃料電池70に必要量の酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス供給部40が供給量制御装置に含まれる。また、本実施形態においては改質器50で必要量の燃料ガスを生成するため、必要量の原燃料を改質器50に供給するための原燃料ポンプ20aおよび必要量の改質水を改質器50に供給るするための調量弁33も、供給量制御装置に含まれる。なお、改質器の代わりに水素ボンベなどが設けられている場合には、水素ボンベから燃料電池70に供給される燃料ガス量を制御するための流量制御弁などが供給量制御装置に含まれる。

0078

また、燃料電池70の補機は、燃料電池70に供給される反応ガスおよび燃料電池70から排出される燃料オフガスおよび酸化剤オフガス(以下、反応オフガスと総称する。)の性質を検出するためのセンサ、および、燃料電池70の出力を検出するためのセンサを含む。燃料電池70の出力には、電気的出力および熱量が含まれる。本例においては、反応ガスおよび反応オフガスの性質を検出するためのセンサには、温度センサ85、酸素濃度センサ83、および圧力センサ84が含まれる。燃料電池70の電気的出力を検出するためのセンサには、電圧センサ81および電流センサ82が含まれる。また、燃料電池70の熱量を検出するためのセンサに、温度センサ85が含まれる。

0079

供給量制御装置は、正常であれば、制御部10から入力される制御指令値に対応して、誤差の範囲で流体の供給量を制御できる。しかしながら、上記供給量制御装置は、異常が生じれば、制御部10から入力される制御指令値に対応する目標供給量を維持できなくなる。反応ガスおよび反応オフガスの性質を検出するためのセンサは、正常であれば、誤差の範囲で反応ガスおよび反応オフガスの性質を検出できる。しかしながら、反応ガスおよび反応オフガスの性質を検出するためのセンサに異常が生じれば、検出値が誤差の範囲から外れる。燃料電池70の出力を検出するためのセンサは、正常であれば、誤差の範囲で燃料電池70の出力を検出できる。しかしながら、燃料電池70の出力を検出するためのセンサに異常が生じれば、検出値が誤差の範囲を外れる。これらの現象を利用して、燃料電池70の補機の異常を判定することができる。

0080

ここで、供給量制御装置に対する制御指令値に所定の振幅の付加信号を重畳すると仮定する。この場合、正常なセンサによって検出される検出値にも所定の振幅が現れる。図11は、供給量制御装置に対する制御指令値の一例として原燃料ポンプ20aの駆動電圧を示し、センサの検出値として電流センサ82が検出する発電電流値および温度センサ85が検出する温度値を示す。図11の横軸は、経過時間を示す。また、図11は、原燃料ポンプ20a、電流センサ82および温度センサ85が正常である場合を示している。

0081

原燃料量が変動すると、生成される燃料ガス量が変化する。それにより、燃料電池70における発電電流も変動する。さらに、原燃料量が変動すると、燃料オフガスに含まれる可燃成分量が変動する。それにより、燃焼室60内の温度も変動する。したがって、図11に示すように、原燃料ポンプ20a、電流センサ82および温度センサ85が正常であれば、原燃料ポンプ20aの駆動電圧に振幅を与えると、電流センサ82が検出する発電電流値および温度センサ85が検出する温度値にも振幅が現れる。

0082

しかしながら、センサの応答性は、センサに異常が生じると劣化してしまう。したがって、異常が生じているセンサによって検出される検出値に現れる振幅は小さくなる。また、供給量制御装置の応答性も、供給量制御装置に異常が生じると劣化してしまう。したがって、供給量制御装置に異常が生じた場合にも、センサによって検出される検出値に現れる振幅が小さくなる。以上のことから、供給量制御装置に対する制御指令値に与えられる振幅とセンサが検出する検出値の振幅との関係を得ることによって、供給量制御装置およびセンサの少なくともいずれか一方に異常が生じているているか否かを判定することができる。例えば、制御指令値の振幅とセンサの検出値の振幅との比の、基準値からの乖離度が所定値を上回るか下回る場合に、供給量制御装置およびセンサの少なくともいずれか一方に異常が生じているていると判定することができる。なお、乖離度が所定値を上回る場合とは上記比が基準値よりも大きい場合であり、乖離度が所定値を下回る場合とは上記比が基準値よりも小さい場合である。なお、制御指令値の振幅とセンサの検出値の振幅との比を求める際に、制御指令値の振幅の標準偏差およびセンサの検出値の振幅の標準偏差を用いることによって、異常判定精度が向上する。

0083

ただし、突発要因に起因してセンサの検出値にばらつきが生じることがある。そこで、本実施形態においては、制御指令値に、所定の振幅を所定の周期で繰り返す付加信号を重畳する。それにより、センサの検出値のバラツキ、誤差などを回避して、供給量制御装置およびセンサに異常が生じているか否かを判定することができる。なお、供給量制御装置への制御指令値に振幅を重畳した際にセンサの検出値に振幅が現れることが必要であるため、センサとして圧力センサ84を用いる場合には、供給量制御装置には酸化剤ガス供給部40は含まれない。

0084

図12は、制御指令値および付加信号の例を示す図である。図12に示すように、付加信号は、所定の周期で所定の振幅を繰り返す。制御部10は、付加信号を制御指令値に重畳する。したがって、制御部10は、重畳部として機能する。付加信号は、複数種類の振幅を有していてもよい。この場合、補機の異常判定の精度が向上する。例えば、振幅の大きい付加信号を用いることによって供給量制御装置またはセンサに異常が生じているか否かを判定することができ、振幅の小さい付加信号を用いることによって供給量制御装置またはセンサの分解能が低下しているか否かを判定することができる。一例として、小さい振幅を制御指令値の2%程度とし、大きい振幅を制御指令値の10%程度としてもよい。

0085

図13は、供給量制御装置およびセンサが正常である場合において、供給量制御装置に対する制御指令値の振幅とセンサの検出値の振幅との関係を取得する際に実行されるフローチャートの一例を示す図である。図13のフローチャートは、例えば、燃料電池システム102が稼動された後、燃料電池70の累積発電時間が100時間程度経過した場合に実行される。

0086

まず、制御部10は、いずれかの供給量制御装置に対する制御指令値に、第1付加信号を重畳する(ステップS41)。本実施形態においては、供給量制御装置は、原燃料ポンプ20a、調量弁33および酸化剤ガス供給部40のいずれかである。第1付加信号は、対象とするセンサの検出値に辛うじて検出可能な振幅が現れる程度の振幅を有する信号である。本実施形態においては、対象とするセンサは、電圧センサ81、電流センサ82、酸素濃度センサ83、圧力センサ84、および温度センサ85のいずれかである。

0087

次に、制御部10は、自己診断指標演算処理を実行する(ステップS42)。図14は、自己診断指標演算処理の詳細を示すフローチャートの一例である。図14に示すように、自己診断指標演算処理が実行されると、制御部10は、制御指令値の標準偏差を算出する(ステップS51)。この場合の標準偏差は、記憶部13に記憶された制御指令値に基づいて算出されたものであり、例えば、直近で記憶された50個程度の制御指令値から算出されたものである。ステップS51で得られた制御指令値の標準偏差は、記憶部13に記憶される。

0088

次に、制御部10は、ステップS51で得られた標準偏差に移動平均処理を施して移動平均値を取得する(ステップS52)。例えば、下記式(4)に従って移動平均値を取得することができる。ステップS52で得られた制御指令値の移動平均値は、記憶部13に記憶される。
今回の移動平均値
=(63/64)×前回の移動平均値+(1/64)×今回の標準偏差 (4)

0089

次に、制御部10は、センサの検出値の標準偏差を算出する(ステップS53)。この場合の標準偏差は、記憶部13に記憶された検出値に基づいて算出されたものであり、例えば、直近で記憶された50個程度の検出値から算出されたものである。ステップS53で得られた検出値の標準偏差は、記憶部13に記憶される。

0090

次に、制御部10は、ステップS53で得られた標準偏差に移動平均処理を施して移動平均値を取得する(ステップS54)。この場合、上記式(4)に従って移動平均値を取得することができる。ステップS54で得られた検出値の移動平均値は、記憶部13に記憶される。次に、制御部10は、自己診断指標を算出する(ステップS55)。ステップS55で得られた自己診断指標は、第1自己診断指標として、記憶部13に記憶される。例えば、第1自己診断指標は、下記式(5)に従って取得される。その後、制御部10は、フローチャートの実行を終了する。
自己診断指標=制御指令値の移動平均値/検出値の移動平均値 (5)

0091

再度図13を参照して、制御部10は、所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS44)。この場合の所定時間は、例えば、150秒程度である。ステップS43で「No」と判定された場合には、ステップS41が再度実行される。ステップS43で「Yes」と判定された場合には、制御部10は、第1自己診断指標の平均値を算出する(ステップS44)。ステップS44で得られた第1自己診断指標の平均値は、記憶部13に記憶される。

0092

次に、制御部10は、ステップS41で対象とした供給量制御装置に対する制御指令値に、第2付加信号を重畳する(ステップS45)。第2付加信号は、第1付加信号よりも大きい振幅を有する信号である。次に、制御部10は、図14の自己診断指標演算処理を実行する(ステップS46)。図14の自己診断指標演算処理で得られた自己診断指標は、第2自己診断指標として、記憶部13に記憶される。

0093

次に、制御部10は、所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS47)。この場合の所定時間は、例えば、150秒程度である。ステップS47で「No」と判定された場合には、ステップS45が再度実行される。ステップS47で「Yes」と判定された場合には、制御部10は、第2自己診断指標の平均値を算出する(ステップS48)。ステップS48で得られた第2自己診断指標の平均値は、記憶部13に記憶される。その後、制御部10は、フローチャートの実行を終了する。

0094

図13および図14のフローチャートによれば、供給量制御装置およびセンサが正常である場合の、供給量制御装置に対する制御指令値の振幅とセンサの検出値の振幅との関係を取得することができる。具体的には、初期の第1自己診断指標および初期の第2自己診断指標を取得することができる。初期の第1自己診断指標および初期の第2自己診断指標は、基準値として用いられる。

0095

図15は、燃料電池70の累積発電時間が所定時間を超えた場合に実行されるフローチャートの一例を示す図である。図15のフローチャートは、例えば、燃料電池システム102が稼動された後、燃料電池70の累積発電時間が1000時間程度経過した場合に実行される。図15に示すように、制御部10は、ステップS61〜ステップS64を実行する。ステップS61〜ステップS64は、図13のステップS41〜ステップS44と同様である。それにより、第1自己診断指標が得られる。

0096

次に、制御部10は、第1自己診断指標が所定値を満足しているか否かを判定する(ステップS65)。ここで、制御部10は、供給量制御装置に対する制御指令値の振幅とセンサの検出値の振幅との関係が変化しているか否かを判定する。例えば、制御部10は、下記式(6)が成立するか否かを判定する。下記式(6)では、センサの検出値の振幅が制御指令値の振幅に対して相対的に低下した場合に、供給量制御装置に対する制御指令値の振幅とセンサの検出値の振幅との関係が変化していると判定することができる。
自己診断指標1>(初期の自己診断指標1)×0.5 (6)

0097

ステップS65において「Yes」と判定された場合、制御部10は、ステップS66〜ステップS69を実行する。ステップS66〜ステップS69は、図13のステップS45〜ステップS48と同様である。それにより、第2自己診断指標が得られる。

0098

次に、制御部10は、第2自己診断指標が所定値を満足しているか否かを判定する(ステップS70)。ここで、制御部10は、供給量制御装置に対する制御指令値の振幅とセンサの検出値の振幅との関係が変化しているか否かを判定する。例えば、制御部10は、下記式(7)が成立するか否かを判定する。下記式(7)では、センサの検出値の振幅と制御指令値の振幅との比が変動した場合に、供給量制御装置に対する制御指令値の振幅とセンサの検出値の振幅との関係が変化していると判定することができる。
(初期の自己診断指標2)×1.1>自己診断指標2>(初期の自己診断指標2)×0.9 (7)

0099

ステップS70において「Yes」と判定された場合、制御部10は、フローチャートの実行を終了する。ステップS65またはステップS70において「No」と判定された場合、制御部10は、報知装置91に警報を報知させる(ステップS71)。この場合、報知装置91は、ステップS65およびステップS70のいずれで「No」と判定されたか識別できる情報を報知する(ステップS71)。その後、制御部10は、フローチャートの実行を終了する。

0100

図15のフローチャートによれば、供給量制御装置に対する制御指令値の振幅とセンサの検出値の振幅との関係が変化したか否かを判定することができる。その結果、いずれかの供給量制御装置およびセンサに異常が生じているか否かを判定することができる。また、複数種類の振幅を設定することにより、供給量制御装置とセンサとの関係をより正確に判定することができる。なお、ステップS71において、燃料電池70の発電負荷を低下させてもよい。

0101

なお、図15のフローチャートは、燃料電池70の発電量の変動が小さい場合に実行されることが好ましい。燃料電池70の発電量の変動が大きい場合には、判定精度が低下するからである。図16は、図15のフローチャートの実行タイミングを判定する際に実行されるフローチャートの一例である。

0102

図16に示すように、制御部10は、図15のフローチャートが前回実行されてから所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS81)。この場合の所定時間は、例えば1週間程度である。ステップS81で「Yes」と判定された場合、制御部10は、現在時刻が深夜であるか否かを判定する(ステップS82)。深夜とは、例えば午前1時〜午前3時などである。

0103

ステップS82で「Yes」と判定された場合、制御部10は、燃料電池70に要求される発電量が減少中であるか否かを判定する(ステップS83)。例えば、要求される発電量が−3W/秒以上に減少する場合には、要求される発電量が減少中であると判定される。ステップS82で「No」と判定された場合、制御部10は、燃料電池70の発電負荷増幅に上限を設定する(ステップS84)。この場合の上限を、例えば3W/秒とすることができる。

0104

次に、制御部10は、図15のフローチャートを実行する(ステップS85)。次に、制御部10は、図15のフローチャートの実行が終了したか否かを判定する(ステップS86)。ステップS86で「Yes」と判定された場合、制御部10は、図15のフローチャートの実行が完了した日時を記憶部13に記憶させる。その後、制御部10は、フローチャートの実行を終了する。なお、ステップS81,82,86で「No」と判定された場合には、制御部10は、フローチャートの実行を終了する。

0105

図16のフローチャートによれば、燃料電池70の発電量の変動が小さい場合に、図15のフローチャートが実行される。それにより、補機の異常の判定精度が向上する。

0106

なお、センサとして酸素濃度センサ83を用いる場合、酸素濃度センサ83に大気酸素濃度を検出させることによって、酸素濃度センサ83に異常が生じているか否かを容易に判定することができる。したがって、センサとして酸素濃度センサ83を用いることによって、供給量制御装置に異常が生じているか否かを容易に判定することができる。

0107

また、複数のセンサの検出値の振幅を用いることによって、いずれの補機に異常が生じているか否かを判定することができる。具体的には、複数のセンサを対象として図15のフローチャートの実行した際に、特定のセンサを対象とした場合にのみ異常が生じていると判定された場合には、当該センサに異常が生じていると特定することができる。また、複数のセンサを対象として図15のフローチャートを実行した際に、いずれのセンサを対象とした場合にも異常が生じていると判定された場合には、供給量制御装置に異常が生じていると特定することができる。したがって、複数のセンサを対象とすることにより、異常が生じている補機を特定することができる。

0108

図17は、いずれの補機に異常が生じているかを特定する際に実行されるフローチャートの一例を示す図である。図17に示すように、制御部10は、複数のセンサの検出値を取得する(ステップS91)。次に、制御部10は、各センサを対象として、図15のフローチャートを実行する(ステップS92)。次に、制御部10は、異常が生じている補機を特定する(ステップS93)。その後、制御部10は、フローチャートの実行を終了する。図17のフローチャートによれば、異常が生じている補機の特定が容易である。

0109

なお、上記実施形態は、固体高分子形、固体酸化物形、炭酸溶融塩形等の他のいずれのタイプの燃料電池セルにも適用可能である。ただし、固体酸化物形のように高温で作動する燃料電池セルの場合、温度変動が大きくなる。したがって、温度センサ85を用いることによって、補機の異常の判定精度が向上する。

0110

10 制御部
11入出力ポート
12 CPU
13 記憶部
20原燃料供給部
30改質水供給部
33調量弁
40酸化剤ガス供給部
50改質器
60燃焼室
70燃料電池
71カソード
72アノード
80表示装置
81電圧センサ
82電流センサ
83酸素濃度センサ
84圧力センサ
85温度センサ
90熱交換器
91報知装置
100 燃料電池システム

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