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技術 超音波診断装置および内中膜の厚さを計測する方法

出願人 コニカミノルタ株式会社
発明者 福元剛智高木一也鈴木隆夫川端章裕
出願日 2010年11月12日 (10年1ヶ月経過) 出願番号 2011-553664
公開日 2013年6月13日 (7年6ヶ月経過) 公開番号 WO2011-099102
状態 特許登録済
技術分野 超音波診断装置
主要キーワード 基準パタン 検出境界 連続度 可変長領域 境界決定 超音波集束 高エコー 境界候補
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2013年6月13日)のものです。
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図面 (20)

課題・解決手段

中膜厚さ計測における内腔境界外膜境界の検出において、内腔側と外膜側とのエコー強度変化の大小関係に依存しない境界検出方法を提供する。超音波診断装置は、超音波を被検体に送信し、受信した被検体からのエコー信号に基づいて生体情報を取得する。超音波診断装置は、エコー信号から血管壁に関する深さ方向のエコー強度分布を生成する強度分布生成部と、予め用意された、エコー強度分布の基準パタンを表すテンプレートに基づいて、境界検出に用いるテンプレートを生成するテンプレート生成部と、テンプレートと強度分布との類似度を計算するパタン類似度計算部であって、テンプレートを深さ方向に変化させ、かつ、テンプレートの内中膜厚に対応するパタンを変化させて、変化ごとにテンプレートと強度分布との類似度を計算するパタン類似度計算部と、変化ごとに計算された類似度に基づいて、内腔境界および外膜境界を決定する境界決定部とを備えている。

概要

背景

音波を被検体送受信し、前記被検体からのエコー信号を基に生体情報を取得する超音波診断装置を用いて、動脈硬化診断が行われている。動脈硬化の診断において、頸動脈内中膜複合体厚初期粥状硬化を知る重要な指標として知られている。「内中膜複合体」または「内中膜」は血管内腔外膜との間に存在する、血管壁内膜および中膜をまとめた呼称である。そして内中膜複合体厚または内中膜厚は「IMT」(Intima−Media Thickness)とも呼ばれており、本願明細書では「IMT」と記述する。

図1は、血管内腔1と外膜2との間に存在する内中膜3を示している。検査では、この血管内腔1と内膜との境界である内腔境界4と、中膜と外膜2との境界である外膜境界5とを検出し、その厚さを計測する。このIMTを自動的に計測する方法としては、例えば、特許文献1の技術が知られている。

図2は、特許文献1の技術において、外膜境界および内腔境界を定める際に利用されるエコー強度分布を示している。特許文献1では、図2に示す通り、深さ方向のエコー強度分布において、強度変化所定値以上の位置を境界候補とし、大きい方を外膜境界、小さい方を内腔境界と定める方法が開示されている。

概要

内中膜の厚さ計測における内腔境界と外膜境界の検出において、内腔側と外膜側とのエコー強度変化の大小関係に依存しない境界検出方法を提供する。超音波診断装置は、超音波を被検体に送信し、受信した被検体からのエコー信号に基づいて生体情報を取得する。超音波診断装置は、エコー信号から血管壁に関する深さ方向のエコー強度分布を生成する強度分布生成部と、予め用意された、エコー強度分布の基準パタンを表すテンプレートに基づいて、境界検出に用いるテンプレートを生成するテンプレート生成部と、テンプレートと強度分布との類似度を計算するパタン類似度計算部であって、テンプレートを深さ方向に変化させ、かつ、テンプレートの内中膜厚に対応するパタンを変化させて、変化ごとにテンプレートと強度分布との類似度を計算するパタン類似度計算部と、変化ごとに計算された類似度に基づいて、内腔境界および外膜境界を決定する境界決定部とを備えている。

目的

本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、内腔側と外膜側とのエコー強度変化の大小関係に依存することなく、正確に内腔境界と外膜境界とを検出し、正確なIMT計測を実現することにある

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

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請求項1

音波を被検体に送信し、受信した前記被検体からのエコー信号に基づいて生体情報を取得する超音波診断装置であって、前記エコー信号から血管壁に関する深さ方向のエコー強度分布を生成する強度分布生成部と、予め用意された、エコー強度分布の基準パタンを表すテンプレートに基づいて、境界検出に用いるテンプレートを生成するテンプレート生成部と、前記テンプレートと前記強度分布との類似度を計算するパタン類似度計算部であって、前記テンプレートを前記深さ方向に変化させ、かつ、前記テンプレートの内中膜厚に対応するパタンを変化させて、変化ごとに前記テンプレートと前記強度分布との類似度を計算するパタン類似度計算部と、前記変化ごとに計算された前記類似度に基づいて、内腔境界および外膜境界を決定する境界決定部とを備えた、超音波診断装置。

請求項2

超音波を被検体に送信し、受信した前記被検体からのエコー信号に基づいて生体情報を取得する超音波診断装置であって、前記エコー信号から血管壁に関する深さ方向のエコー強度分布を生成する強度分布生成部と、予め用意された、エコー強度分布の基準パタンを表すテンプレートに基づいて、境界検出に用いるテンプレートを生成するテンプレート生成部と、前記テンプレートと前記強度分布との類似度を計算するパタン類似度計算部であって、前記深さ方向の異なる位置に存在する境界の各候補の組み合わせについて、前記テンプレートの内中膜厚に対応するパタンを変化させて、変化ごとに前記テンプレートと前記強度分布との類似度を計算するパタン類似度計算部と、隣接する複数の音響線に関して定まる前記組み合わせについて、各音響線のエコー信号の強度値の差分に基づいて境界連続度を計算する境界連続度計算部と、前記組み合わせについて、前記パタン類似度と前記境界連続度とを統合した評価値を生成する境界評価部と、前記統合した評価値に基づき、内腔境界と外膜境界を決定する境界決定部とを備えた、超音波診断装置。

請求項3

前記テンプレート生成部が生成するテンプレートは、少なくとも3つの領域を含み、前記少なくとも3つの領域には、前記領域の範囲を変えることができる可変長領域が少なくとも1つ含まれる、請求項1または請求項2に記載の超音波診断装置。

請求項4

前記少なくとも3つの領域は順に配列されており、前記可変長領域は、前記少なくとも3つの領域のうちの中央の領域である、請求項3に記載の超音波診断装置。

請求項5

前記少なくとも3つの領域の一方の端部の領域は、低エコー組織領域に対応し、前記少なくとも3つの領域の他方の端部の領域は、高エコーの組織領域に対応する、請求項3に記載の超音波診断装置。

請求項6

前記低エコーの組織領域は血流領域に対応し、前記高エコーの組織領域は血管外膜壁および体組織に対応する、請求項5に記載の超音波診断装置。

請求項7

前記可変長領域は、血管の内中膜領域に対応する、請求項4に記載の超音波診断装置。

請求項8

前記パタン類似度計算部は、前記可変長領域の長さを正規化した類似度を計算する、請求項3に記載の超音波診断装置。

請求項9

前記パタン類似度計算部は、前記可変長領域の平均強度を前記可変長領域の強度として用いることにより、前記可変長領域の長さを正規化する、請求項8に記載の超音波診断装置。

請求項10

前記テンプレート生成部が生成するテンプレートは、2種類のサブテンプレートから構成されており、前記2種類のサブテンプレートは、それぞれ、少なくとも2つの領域から構成され、2種類のテンプレートの距離を変えることができ、前記パタン類似度計算部は、前記2種類のサブテンプレートを用いて、それぞれ類似度を計算し、両者を合わせた統合した値を類似度とする、請求項1または請求項2に記載の超音波診断装置。

請求項11

前記2種類のテンプレートを構成する2つの領域は、低エコーおよび高エコーの組織領域にそれぞれ対応する、請求項10に記載の超音波診断装置。

請求項12

前記2種類のテンプレートの低エコーおよび高エコーの組織領域は、それぞれ、血流領域および内中膜領域に対応し、または、内腔境界および所定の組織領域に対応し、前記所定の組織領域は、外膜境界、動脈外膜壁および体組織である、請求項10に記載の超音波診断装置。

請求項13

前記テンプレート生成部は、前記強度分布生成部が生成した強度分布のコントラストに応じて、生成するテンプレートの係数値を変える、請求項1または請求項2記載の超音波診断装置。

請求項14

前記パタン類似度計算部が評価する類似度は、前記テンプレート生成部が生成したテンプレートで指定される境界間の強度差で定義される、請求項1または請求項2に記載の超音波診断装置。

請求項15

前記パタン類似度計算部が評価する類似度は、前記テンプレート生成部が生成したテンプレートと前記強度分布生成部が生成した強度分布との正規化相関で定義される、請求項1または請求項2に記載の超音波診断装置。

請求項16

前記強度分布生成部が生成した強度分布から高エコーの領域を検出する後壁検出部を更に備え、前記境界決定部は、検出した後壁範囲内に絞って、境界を決定する、請求項1または請求項2に記載の超音波診断装置。

請求項17

前記後壁検出部が検出する高エコー領域は、血管壁に対応する、請求項16に記載の超音波診断装置。

請求項18

前記境界評価部は、動的計画法を用いて前記評価値を計算する、請求項2に記載の超音波診断装置。

請求項19

前記境界評価部は、解像度下げた強度分布を用いて前記評価値を計算し、前記境界決定部は、前記解像度を下げた強度分布に基づいて候補を仮決定し、その後、元の解像度の強度分布において、前記仮決定した候補の周辺の領域から、内腔境界と外膜境界とを決定する、請求項18に記載の超音波診断装置。

請求項20

前記境界評価部は、動的計画法を利用して、前記評価値の良い上位候補、または、所定の評価値を有する候補に絞りながら音響線方向に前記評価値計算する、請求項18に記載の超音波診断装置。

請求項21

前記境界連続度計算部は、音響線方向の境界位置の差で定義される境界連続度を計算する、請求項18に記載の超音波診断装置。

請求項22

前記パタン類似度計算部、前記境界連続度計算部、前記境界評価部、および、前記境界決定部は、前記取り得る境界候補を、内腔境界および外膜境界の二つの境界を対象に評価し、前記境界決定部は、前記内腔境界および外膜境界を同時に決定する、請求項18に記載の超音波診断装置。

請求項23

前記境界連続度計算部は、音響線方向の内腔境界および外膜境界の位置で決まる厚さの差で定義される境界連続度を計算する、請求項18に記載の超音波診断装置。

請求項24

前記境界決定部が、内腔境界と外膜境界を決められた順序に基づいて決定する際に、前記パタン類似度計算部は、他方の境界位置が決まっていない段階で類似度を計算する場合、一方の境界を固定し、他方の境界位置に対応した複数の厚さを有するテンプレートに対して、類似度を計算し、前記計算した類似度の最大値、又は、平均値を、前記一方の境界の類似度とする、請求項18に記載の超音波診断装置。

請求項25

前記境界決定部は、内腔境界を検出した後、前記内腔境界の下方に絞って、外膜境界を検出した場合と、外膜境界を検出した後、前記外膜境界の上方に絞って、内腔境界を検出した場合とで、それぞれの検出に用いた評価値を比較し、評価値の良い検出境界を最終的な境界として採用する、請求項18に記載の超音波診断装置。

請求項26

前記内腔境界と外膜境界から内中膜の厚さを計算するIMT計算部をさらに備えた、請求項1から25のいずれかに記載の超音波診断装置。

請求項27

超音波を被検体に送信し、受信した前記被検体からのエコー信号に基づいて血管壁の内中膜の厚さを計測する方法であって、前記エコー信号から血管壁に関する深さ方向のエコー強度分布を生成するステップと、予め用意された、エコー強度分布の基準パタンを表すテンプレートに基づいて、境界検出に用いるテンプレートを生成するステップと、前記テンプレートと前記強度分布との類似度を計算するステップであって、前記テンプレートを前記深さ方向に変化させ、かつ、前記テンプレートの内中膜厚に対応するパタンを変化させて、変化ごとに前記テンプレートと前記強度分布との類似度を計算するステップと、前記変化ごとに計算された前記類似度に基づいて、内腔境界および外膜境界を決定するステップと、決定された前記内腔境界および前記外膜境界から、内中膜の厚さを計算するステップとを包含する、内中膜の厚さを計測する方法。

請求項28

超音波を被検体に送信し、受信した前記被検体からのエコー信号に基づいて血管壁の内中膜の厚さを計測する方法であって、前記エコー信号から血管壁に関する深さ方向のエコー強度分布を生成するステップと、予め用意された、エコー強度分布の基準パタンを表すテンプレートに基づいて、境界検出に用いるテンプレートを生成するステップと、前記テンプレートと前記強度分布との類似度を計算するステップであって、前記深さ方向の異なる位置に存在する境界の各候補の組み合わせについて、前記テンプレートの内中膜厚に対応するパタンを変化させて、変化ごとに前記テンプレートと前記強度分布との類似度を計算するステップと、隣接する複数の音響線に関して定まる前記組み合わせについて、各音響線のエコー信号の強度値の差分に基づいて境界連続度を計算するステップと、前記組み合わせについて、前記パタン類似度と前記境界連続度とを統合した評価値を生成するステップと、前記統合した評価値に基づき、内腔境界と外膜境界を決定するステップと、決定された前記内腔境界および前記外膜境界から、内中膜の厚さを計算するステップとを包含する、内中膜の厚さを計測する方法。

技術分野

0001

本発明は、たとえば頸動脈などの血管の内中膜複合体の厚さを計算する超音波診断装置に関する。

背景技術

0002

音波を被検体送受信し、前記被検体からのエコー信号を基に生体情報を取得する超音波診断装置を用いて、動脈硬化診断が行われている。動脈硬化の診断において、頸動脈の内中膜複合体厚初期粥状硬化を知る重要な指標として知られている。「内中膜複合体」または「内中膜」は血管内腔外膜との間に存在する、血管壁内膜および中膜をまとめた呼称である。そして内中膜複合体厚または内中膜厚は「IMT」(Intima−Media Thickness)とも呼ばれており、本願明細書では「IMT」と記述する。

0003

図1は、血管内腔1と外膜2との間に存在する内中膜3を示している。検査では、この血管内腔1と内膜との境界である内腔境界4と、中膜と外膜2との境界である外膜境界5とを検出し、その厚さを計測する。このIMTを自動的に計測する方法としては、例えば、特許文献1の技術が知られている。

0004

図2は、特許文献1の技術において、外膜境界および内腔境界を定める際に利用されるエコー強度分布を示している。特許文献1では、図2に示す通り、深さ方向のエコー強度分布において、強度変化所定値以上の位置を境界候補とし、大きい方を外膜境界、小さい方を内腔境界と定める方法が開示されている。

先行技術

0005

特開2008−168016号公報

発明が解決しようとする課題

0006

ところが、特許文献1では、強度変化が大きいか小さいかに応じて画一的に処理が行われているため、正しいIMTを計測できない場合がある。

0007

たとえば図3は、内腔境界の強度変化の方が、外膜境界の強度変化よりも大きくなる例を示している。強度変化が大きい位置が常に外膜境界とは限らない例である。

0008

この結果、特許文献1に開示されている方法では、内腔境界を外膜境界として検出することになり、正しいIMTを計測できない。

0009

本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、内腔側と外膜側とのエコー強度変化の大小関係に依存することなく、正確に内腔境界と外膜境界とを検出し、正確なIMT計測を実現することにある。

課題を解決するための手段

0010

本発明による超音波診断装置は、超音波を被検体に送信し、受信した前記被検体からのエコー信号に基づいて生体情報を取得する。本発明にかかる、ある前記超音波診断装置は、前記エコー信号から血管壁に関する深さ方向のエコー強度分布を生成する強度分布生成部と、予め用意された、エコー強度分布の基準パタンを表すテンプレートに基づいて、境界検出に用いるテンプレートを生成するテンプレート生成部と、前記テンプレートと前記強度分布との類似度を計算するパタン類似度計算部であって、前記テンプレートを前記深さ方向に変化させ、かつ、前記テンプレートの内中膜厚に対応するパタンを変化させて、変化ごとに前記テンプレートと前記強度分布との類似度を計算するパタン類似度計算部と、前記変化ごとに計算された前記類似度に基づいて、内腔境界および外膜境界を決定する境界決定部とを備えている。

0011

本発明による他の超音波診断装置は、前記エコー信号から血管壁に関する深さ方向のエコー強度分布を生成する強度分布生成部と、予め用意された、エコー強度分布の基準パタンを表すテンプレートに基づいて、境界検出に用いるテンプレートを生成するテンプレート生成部と、前記テンプレートと前記強度分布との類似度を計算するパタン類似度計算部であって、前記深さ方向の異なる位置に存在する境界の各候補の組み合わせについて、前記テンプレートの内中膜厚に対応するパタンを変化させて、変化ごとに前記テンプレートと前記強度分布との類似度を計算するパタン類似度計算部と、隣接する複数の音響線に関して定まる前記組み合わせについて、各音響線のエコー信号の強度値の差分に基づいて境界連続度を計算する境界連続度計算部と、前記組み合わせについて、前記パタン類似度と前記境界連続度とを統合した評価値を生成する境界評価部と、前記統合した評価値に基づき、内腔境界と外膜境界を決定する境界決定部とを備えている。

0012

前記テンプレート生成部が生成するテンプレートは、少なくとも3つの領域を含み、前記少なくとも3つの領域には、前記領域の範囲を変えることができる可変長領域が少なくとも1つ含まれていてもよい。

0013

前記少なくとも3つの領域は順に配列されており、前記可変長領域は、前記少なくとも3つの領域のうちの中央の領域であってもよい。

0014

前記少なくとも3つの領域の一方の端部の領域は、低エコー組織領域に対応し、前記少なくとも3つの領域の他方の端部の領域は、高エコーの組織領域に対応してもよい。

0015

前記低エコーの組織領域は血流領域に対応し、前記高エコーの組織領域は血管外膜壁および体組織に対応してもよい。

0016

前記可変長領域は、血管の内中膜領域に対応してもよい。

0017

前記パタン類似度計算部は、前記可変長領域の長さを正規化した類似度を計算してもよい。

0018

前記パタン類似度計算部は、前記可変長領域の平均強度を前記可変長領域の強度として用いることにより、前記可変長領域の長さを正規化してもよい。

0019

前記テンプレート生成部が生成するテンプレートは、2種類のサブテンプレートから構成されており、前記2種類のサブテンプレートは、それぞれ、少なくとも2つの領域から構成され、2種類のテンプレートの距離を変えることができ、前記パタン類似度計算部は、前記2種類のサブテンプレートを用いて、それぞれ類似度を計算し、両者を合わせた統合した値を類似度としてもよい。

0020

前記2種類のテンプレートを構成する2つの領域は、低エコーおよび高エコーの組織領域にそれぞれ対応してもよい。

0021

前記2種類のテンプレートの低エコーおよび高エコーの組織領域は、それぞれ、血流領域および内中膜領域に対応し、または、内腔境界および所定の組織領域に対応し、前記所定の組織領域は、外膜境界、動脈外膜壁および体組織であってもよい。

0022

前記テンプレート生成部は、前記強度分布生成部が生成した強度分布のコントラストに応じて、生成するテンプレートの係数値を変えてもよい。

0023

前記パタン類似度計算部が評価する類似度は、前記テンプレート生成部が生成したテンプレートで指定される境界間の強度差で定義されてもよい。

0024

前記パタン類似度計算部が評価する類似度は、前記テンプレート生成部が生成したテンプレートと前記強度分布生成部が生成した強度分布との正規化相関で定義されてもよい。

0025

前記超音波診断装置は、前記強度分布生成部が生成した強度分布から高エコーの領域を検出する後壁検出部を更に備え、前記境界決定部は、検出した後壁範囲内に絞って、境界を決定してもよい。

0026

前記後壁検出部が検出する高エコー領域は、血管壁に対応してもよい。

0027

前記境界評価部は、動的計画法を用いて前記評価値を計算してもよい。

0028

前記境界評価部は、解像度下げた強度分布を用いて前記評価値を計算し、前記境界決定部は、前記解像度を下げた強度分布に基づいて候補を仮決定し、その後、元の解像度の強度分布において、前記仮決定した候補の周辺の領域から、内腔境界と外膜境界とを決定してもよい。

0029

前記境界評価部は、動的計画法を利用して、前記評価値の良い上位候補、または、所定の評価値を有する候補に絞りながら音響線方向に前記評価値計算してもよい。

0030

前記境界連続度計算部は、音響線方向の境界位置の差で定義される境界連続度を計算してもよい。

0031

前記パタン類似度計算部、前記境界連続度計算部、前記境界評価部、および、前記境界決定部は、前記取り得る境界候補を、内腔境界および外膜境界の二つの境界を対象に評価し、前記境界決定部は、前記内腔境界および外膜境界を同時に決定してもよい。

0032

前記境界連続度計算部は、音響線方向の内腔境界および外膜境界の位置で決まる厚さの差で定義される境界連続度を計算してもよい。

0033

前記境界決定部が、内腔境界と外膜境界を決められた順序に基づいて決定する際に、前記パタン類似度計算部は、他方の境界位置が決まっていない段階で類似度を計算する場合、一方の境界を固定し、他方の境界位置に対応した複数の厚さを有するテンプレートに対して、類似度を計算し、前記計算した類似度の最大値、又は、平均値を、前記一方の境界の類似度としてもよい。

0034

前記境界決定部は、内腔境界を検出した後、前記内腔境界の下方に絞って、外膜境界を検出した場合と、外膜境界を検出した後、前記外膜境界の上方に絞って、内腔境界を検出した場合とで、それぞれの検出に用いた評価値を比較し、評価値の良い検出境界を最終的な境界として採用してもよい。

0035

前記内腔境界と外膜境界から内中膜の厚さを計算するIMT計算部をさらに備えていてもよい。

0036

本発明による方法は、超音波を被検体に送信し、受信した前記被検体からのエコー信号に基づいて血管壁の内中膜の厚さを計測する方法であって、前記エコー信号から血管壁に関する深さ方向のエコー強度分布を生成するステップと、予め用意された、エコー強度分布の基準パタンを表すテンプレートに基づいて、境界検出に用いるテンプレートを生成するステップと、前記テンプレートと前記強度分布との類似度を計算するステップであって、前記テンプレートを前記深さ方向に変化させ、かつ、前記テンプレートの内中膜厚に対応するパタンを変化させて、変化ごとに前記テンプレートと前記強度分布との類似度を計算するステップと、前記変化ごとに計算された前記類似度に基づいて、内腔境界および外膜境界を決定するステップと、決定された前記内腔境界および前記外膜境界から、内中膜の厚さを計算するステップとを包含する。

0037

本発明による方法は、超音波を被検体に送信し、受信した前記被検体からのエコー信号に基づいて血管壁の内中膜の厚さを計測する方法であって、前記エコー信号から血管壁に関する深さ方向のエコー強度分布を生成するステップと、予め用意された、エコー強度分布の基準パタンを表すテンプレートに基づいて、境界検出に用いるテンプレートを生成するステップと、前記テンプレートと前記強度分布との類似度を計算するステップであって、前記深さ方向の異なる位置に存在する境界の各候補の組み合わせについて、前記テンプレートの内中膜厚に対応するパタンを変化させて、変化ごとに前記テンプレートと前記強度分布との類似度を計算するステップと、隣接する複数の音響線に関して定まる前記組み合わせについて、各音響線のエコー信号の強度値の差分に基づいて境界連続度を計算するステップと、前記組み合わせについて、前記パタン類似度と前記境界連続度とを統合した評価値を生成するステップと、前記統合した評価値に基づき、内腔境界と外膜境界を決定するステップと、決定された前記内腔境界および前記外膜境界から、内中膜の厚さを計算するステップとを包含する。

発明の効果

0038

本発明により、内腔境界・外膜境界を独立に検出するのではなく2つの境界をセットとして検出することで、内腔境界の強度変化が外膜境界の強度変化より大きい場合でも、正しくIMTを計測できる。

図面の簡単な説明

0039

血管内腔1と外膜2との間に存在する内中膜3を示す図である。
特許文献1の技術において、外膜境界および内腔境界を定める際に利用されるエコー強度分布を示す図である。
内腔境界の強度変化の方が、外膜境界の強度変化よりも大きくなる例を示す図である。
本発明の第一の実施形態に係る超音波診断装置10の構成ブロック図である。
超音波パルスを送信するための、超音波プローブ11に内蔵された超音波振動素子群6を示す図である。
(a)および(b)は、x方向に沿って配列された複数の超音波振動子を用いて焦点を形成したときの超音波集束波の模式図であり、(c)および(d)は超音波集束波の簡略図である。
IMT計測部16の構成を示すブロック図である。
IMT計算処理の手順を示すフローチャートである。
係数パタン(内中膜パタン)を示す図である。
対象となる音響線(ライン)の強度分布90と、深さを変えたテンプレート群91とを示す図である。
対象となる音響線(ライン)の強度分布90と、厚さを変えたテンプレート群92とを示す図である。
内腔境界・外膜境界にそれぞれ合ったサブテンプレートを用いて類似度を計算し、重み付け加算等によって類似度を求める例を示す図である。
本発明の第二の実施形態によるIMT計測部30の構成を示すブロック図である。
動的計画法に基づく境界検出処理の手順を示すフローチャートである。
対象サンプル130に関して予め決められた経路対象130a〜130eの例を示す図である。
(a)〜(c)は、本発明の第二の実施形態における動的計画法を用いたコスト計算方法の例を示す図である。
経路コストCpathが最小となる内腔境界・外膜境界のペアilineの例を示す図である。
内腔境界および外膜境界それぞれに関して経路検索を行う処理の手順を示すフローチャートである。
後壁検出部26を有するIMT計測部16aの構成を示すブロック図である。

実施例

0040

以下、添付の図面を参照しながら、本発明による超音波診断装置の実施形態を説明する。

0041

(第一の実施形態)
図4は、本発明の第一の実施形態に係る超音波診断装置10の構成ブロック図である。

0042

超音波診断装置10は、プローブ11と、送信部12と、受信部13と、B画像生成部14と、ROI設定部15と、IMT計測部16と、合成部17と、表示部18とを備えている。

0043

送信部12は超音波パルスを生成し、プローブ11へ出力する。

0044

プローブ11は送信部12より出力される超音波パルスを生体内へ送信し、生体内から反射して帰ってきたエコー信号を受信する。プローブ11は受信したエコー信号を受信部13に出力する。

0045

図5は、超音波パルスを送信するための、超音波プローブ11に内蔵された超音波振動素子群6を示す。超音波振動素子群6(以下「振動子6」と記述する。)は、たとえば各超音波振動素子が一方向に沿って並べられており、いわゆる1Dアレイ振動子を構成している。

0046

振動子6は例えば圧電体によって構成され、圧電体を駆動することにより、超音波を送信し、また、超音波を圧電体が受けることによって超音波を電気信号に変換する。振動子6は、各超音波振動素子を順次駆動させて超音波の送受信を行い、所定範囲走査することができる。また振動子6は、複数の超音波振動素子からの各超音波位相を所定の位置(焦点位置)において重ね合わせ、焦点位置において反射した信号を受信することもできる。後者の例を図6に示す。

0047

図6(a)および(b)は、x方向に沿って配列された複数の超音波振動素子を用いて焦点を形成したときの超音波の集束波を模式的に示している。超音波の集束波は図示されるような所定の幅を持っており、z軸方向の所定の深さにおいて焦点を有する。ただし、その集束波の中心軸は、図6(c)および(d)において示されるように「音響線」とも呼ばれる。

0048

再び図4を参照する。受信部13は、プローブ11から出力されるエコー信号を束ねて、B画像生成部14とIMT計測部16へ出力する。

0049

B画像生成部14は、エコー信号から断面画像を生成し、その断面画像のデータを合成部17に出力する。

0050

ROI設定部15は、ユーザからROIの位置を特定する指示を受け取り、その指示に基づいて動脈壁の位置に関心領域(Region of Interest:ROI)を設定する。

0051

IMT計測部16は、IMTを計測する。より具体的には、IMT計測部16は、受信部13より出力されるエコー信号とROI設定部15より出力されるROI位置の情報とから、内腔境界・外膜境界を検出する。更に、IMT計測部16は検出した内腔境界および外膜境界の位置に基づいてIMT値を計算する。IMT計測部16は、境界の位置を特定する情報(境界位置情報)を合成部17へ、IMT値を表示部18へ、それぞれ出力する。

0052

合成部17は、B画像生成部14より出力されるB画像のデータと、IMT計測部16より出力される境界位置情報とに基づいて、IMT値とB画像とを合成する。より具体的には、合成部17は、内腔境界および外膜境界をB画像に重畳し、得られた合成画像データを出力する。

0053

表示部18は、IMT計測部16より出力されるIMT値と合成部17より出力される合成結果とをモニタに表示する。

0054

表示部18は、合成部17から出力された合成画像データを、たとえば液晶ディスプレイなどの表示機器に表示する。

0055

次に、IMT計測部16を詳細に説明する。

0056

図7は、IMT計測部16の構成を示すブロック図である。

0057

IMT計測部16は、強度分布生成部21と、テンプレート生成部22と、パタン類似度計算部23と、境界決定部24と、IMT計算部25とを有している。

0058

強度分布生成部21は、受信部13から出力されたエコー信号、および、ROI位置設定部15から出力されたROI位置の情報とに基づいてエコー強度分布を生成する。そして、強度分布生成部21は、生成した強度分布をパタン類似度計算部23へ出力する。このエコー強度分布は、被検体の表皮から生体内部への方向(深さ方向)に関するエコー強度分布である。

0059

テンプレート生成部22は、あらかじめ用意され設定された、エコー強度分布の基準パタンを表すテンプレートを基に、境界検出に用いるテンプレートを生成する。テンプレート生成部22は、境界検出に用いるテンプレートをパタン類似度計算部23に出力する。

0060

パタン類似度計算部23は、強度分布生成部21から出力された、受信信号の強度分布と、テンプレート生成部22から出力されたテンプレートとの類似度を計算する。この類似度を、以下「パタン類似度」と記述する。パタン類似度計算部23は、計算した類似度を境界決定部24に出力する。

0061

境界決定部24は、パタン類似度計算部23から出力されたパタン類似度に基づいて、内腔境界および外膜境界を決定する。境界決定部24は、決定した境界位置の情報を合成部18とIMT計算部25とに出力する。

0062

IMT計算部25は、決定された内腔境界および外膜境界に基づいてIMT値を計算し、計算したIMT値を、表示部17へ出力する。

0063

次に、 本実施形態によるIMT計算処理の手順を説明する。

0064

図8は、IMT計算処理の手順を示すフローチャートである。

0065

最初に、ステップS11において、強度分布生成部21は、受信したエコー信号を包絡線検波対数圧縮し、エコー強度分布を生成する。これは、ROI内の各点について行う。

0066

更に、ステップS12において、強度分布生成部21は、ノイズ低減を目的に、強度分布に対して、例えば、3x3の平均値フィルタを適用し、平滑化する。

0067

続いて処理はパタン類似度計算部23に移る。なお、以下の処理は、音響線毎(ライン単位)に行われる。

0068

まず、ステップS13において、パタン類似度計算部23は、ROI中の強度分布と内中膜パタンを示すテンプレートとの類似度を評価する。テンプレートはテンプレート生成部22によって生成される。

0069

テンプレートとして、図9に示す係数パタン(内中膜パタン)を用いる。図9において、範囲l1は血管内腔に対応し、範囲l2と範囲l3は内中膜、範囲l4は外膜に対応する。図9に示すテンプレートは、微分型のフィルタであり、基準の係数パタンとして、あらかじめ深さ方向に負値をとるl1、l3の範囲と、正値をとるl2、l4の範囲を交互に設ける。図示されるように、テンプレートには、少なくとも3つの領域、すなわち、血管内腔に対応する領域(またはパタン)、内中膜に対応する領域、および、外膜に対応する領域が設けられる。

0070

パタン類似度計算部23は、このテンプレートを検出窓として、図10に示す通り、深さ方向に移動させながら、類似度を評価し、当てはまりの良い深さを探索する。

0071

加えて、パタン類似度計算部23は、内中膜厚に対する類似度も評価する。すなわち、図11に示す通り、テンプレート生成部22で内中膜厚を様々に変えたテンプレートを複数作成し、これらのテンプレートと強度分布との類似度を計算し、当てはまりの良い厚さを探索する。

0072

以下、より詳しく説明する。

0073

図10は、対象となる音響線(ライン)の強度分布90と、深さを変えたテンプレート群91とを示している。テンプレート群91の各テンプレートは、音響線に平行な深さ方向の1列のパターンである。図面には、深さp1、p2、p3、p4、・・・、p10のテンプレートが示されている。なお、図示される各テンプレートは深さのみが異なっており、そのパターンは同じである。

0074

パタン類似度計算部23は、まず、対象となる音響線(ライン)の強度分布90と、深さp1で、かつ内中膜厚qのときのテンプレートとの類似度を計算する。

0075

類似度は、テンプレートTと強度分布Xとの内積値で与えられ、深さpの強度分布をXp、テンプレートの内中膜厚をq、内中膜厚qに対応したテンプレートTq、テンプレートサイズをLとすると、類似度Yは、以下の式によって計算される。

0076

図10に示す例では、最も当てはまりのよい深さp4において、テンプレートに含まれる内中膜厚qのパタンと、対象ラインの強度分布90における内中膜厚のパタンとが一致していた。しかしながら、これは理解の便宜のための一例である。実際には、最も当てはまりのよい深さにおいて、テンプレートの内中膜厚qのパタンと、対象ラインの強度分布90における内中膜厚のパタンとが一致するとは限らない。

0077

そこで、本実施形態では、次に、パタン類似度計算部23は、深さp1において、内中膜厚qのパターンを変えながら、類似度を計算する。図11は、対象となる音響線(ライン)の強度分布90と、厚さを変えたテンプレート群92とを示している。パタン類似度計算部23は、内中膜厚qを変化させながら、それぞれの厚さに対応する類似度Yを求める。

0078

続いてパタン類似度計算部23は、深さをp2に変更し、内中膜厚qを変化させながら類似度Yを求める。

0079

このような処理を深さp10まで継続する。

0080

図8のステップS14において、境界決定部24は、類似度Y(p、q)が最大となる深さp_maxと内中膜厚q_maxを探し、ステップS15において、内腔境界liと外膜境界maをそれぞれ決定する。すなわち、テンプレートの血管内腔長をl1とすると、以下の式で与えられる。

0081

以上が、ライン単位の処理である。

0082

上述の処理において、特定の内中膜厚に類似度が偏らないよう、係数値a1’、a2’、a3’、a4’は、対応する範囲長l1、l2、l3、l4の逆数値に設定すると良い。すなわち、範囲長l1、l2、l3、l4に対応する各領域で、平均強度を計算し、重み付けする形にする。このときの類似度は下記の式によって計算される。



ここで、a1’、a2’、a3’、a4’は、重み係数である。

0083

更に、内中膜厚を変える場合に、l2を固定、l3を可変、としても良いし、l2、l3を所定の比率に基づき、共に可変にしても良い。

0084

ステップS15は、次のラインへの切り替え処理である。以下、各ラインに関して上述の処理を行う。

0085

ライン単位の処理終了後、ステップS16において、境界位置をライン方向に平滑化する。

0086

以上が、第一の実施形態の動作の流れである。

0087

なお、上記説明では、類似度を、強度分布と微分型フィルタの形を取るテンプレートとの内積値としたが、相関でも良い。この場合、テンプレートの係数値に負値を含む必要はない。

0088

また、類似度は、図12に示す通り、内腔境界・外膜境界にそれぞれ合ったサブテンプレートを用意して、それぞれで類似度を計算し、重み付け加算等により、組み合わせた値としても良い。各サブテンプレートにおいては、境界とそれ以外の組織等に対応するパタンが規定されているが、これらのパタンは可変である。すなわち境界に対応するパタンの位置は可変である。上述の2種類のテンプレートにおける、境界領域とそれ以外の組織等に対応する領域は、それぞれ高エコーおよび低エコーの組織領域にそれぞれ対応している。

0089

また、テンプレートの係数値は、ROI中の描出度に基づいて変更しても良く、例えば、強度値の分散を計算し、分散が大きい場合は、テンプレートのコントラストを強め、逆に分散が小さい場合は、テンプレートのコントラストを弱める、としても良い。

0090

最後に、上記説明では、直接、内腔境界・外膜境界を検出するとしたが、まず、微分型のフィルタ等を用いて、後壁を検出し、後壁内部に絞って、内腔境界・外膜境界を検出しても良い。これは、血管中多重エコーが出ている場合に有効に機能する。

0091

以上、第一の実施形態では、対象ラインの強度分布と最もよく類似するテンプレートを特定して、内腔境界・外膜境界を検出する。テンプレートは、内腔境界および外膜境界を含む強度分布のパターンを規定している。これは、内腔境界・外膜境界を独立して検出するのではなく、内腔境界の強度変化および外膜境界の強度変化を考慮しながら、内腔境界および外膜境界を検出することを意味している。よって、内腔境界の強度が外膜境界より大きい場合においても、誤検出が生じない。

0092

(第二の実施形態)
本実施形態が第一の実施形態と異なる点は、本実施形態ではIMT計測部における処理である。具体的には、本実施形態におけるIMT計測部は、ライン方向に平滑化する前に、パタン類似度に加え、ライン方向の連続性を考慮して境界を選択する。この処理を行うと、特に、内腔境界に対応する強度が明確でない場合においても、安定した境界を検出可能である。

0093

本実施形態による超音波診断装置の構成および動作は、IMT計測部以外は図4に示す超音波診断装置10と同じである。したがって、図4を本実施形態の超音波診断装置の構成として援用するとともに、IMT計測部以外の説明は省略する。

0094

図13は、本実施形態によるIMT計測部30の構成を示すブロック図である。

0095

IMT計測部30は、強度分布生成部31と、テンプレート生成部32と、パタン類似度計算部33と、境界連続度計算部34と、境界評価部35と、境界決定部36と、IMT計算部37とを有している。

0096

強度分布生成部31は、受信部13から出力されたエコー信号、および、ROI位置設定部15から出力されたROI位置の情報とに基づいてエコー強度分布を生成する。そして、強度分布生成部31は、生成した強度分布をパタン類似度計算部23へ出力する。

0097

テンプレート生成部32は、あらかじめ設定したテンプレート(基準パタンを表す)を基に、境界検出に用いるテンプレートを生成する。テンプレート生成部32は、境界検出に用いるテンプレートをパタン類似度計算部33に出力する。

0098

パタン類似度計算部33は、強度分布生成部31から出力された、受信信号の強度分布と、テンプレート生成部22から出力されたテンプレートを受け取る。さらにパタン類似度計算部33は、境界評価部35から内腔境界の位置および外膜境界の位置に関する指示を受け取る。パタン類似度計算部33は、境界評価部35から指定された内腔境界の位置および外膜境界の位置に基づいて、その位置における受信信号の強度分布と、テンプレート生成部22から出力されたテンプレートとの類似度を計算する。パタン類似度計算部33は、計算した類似度を、境界評価部35へ出力する。

0099

境界連続度計算部34は、境界評価部35から内腔境界の位置および外膜境界の位置に関する指示を受け取る。境界連続度計算部34は、指定された内腔境界の位置および外膜境界の位置について、対象ラインと隣接ラインとを利用してライン方向の境界位置と厚さの連続性を評価する。境界連続度計算部34は、評価結果を「連続度」として境界評価部35へ出力する。

0100

境界評価部35は、パタン類似度計算部33より出力されるパタン類似度と境界連続度計算部34より出力される境界の連続度に基づき、予め定めた全ての境界の組み合わせについて、内腔境界らしさ、および、外膜境界らしさを評価する。評価値の計算は、後述する動的計画法に基づいて行う。境界評価部35は、計算した評価値を境界決定部36へ出力する。

0101

境界決定部36は、境界評価部34より出力される評価値に基づき、内腔境界および外膜境界を決定する。境界決定部36は、決定した境界位置を合成部18およびIMT計算部37に出力する。

0102

IMT計算部37は、決定された内腔境界および外膜境界に基づいてIMT値を計算し、計算したIMT値を、表示部17へ出力する。この処理は、図7に示すIMT計算部25の処理と同じである。

0103

次に、本実施形態による境界検出処理の手順を説明する。下記の処理は主として、境界連続度計算部34、境界評価部35および境界決定部36によって行われる。

0104

図14は、動的計画法に基づく境界検出処理の手順を示すフローチャートである。

0105

本実施形態においては、パタン類似性とライン方向の境界の連続性で定義されるコストが最小となるライン方向の経路(=境界)を探索する形で境界検出処理が実施される。

0106

ステップS21において、境界評価部35は、経路コストCpathを全ての内腔境界・外膜境界のペアilineについて初期化する。初期値は、内中膜パタンとの類似度Cpatternで与える。重みをWpatternとすると、経路コストCpathは下記の式で与えられる。

0107

ここで、類似度Cpatternは、第一の実施形態と同様の値である。しかしながら、ライン内で正規化された値であることに留意されたい。ただし、ライン内全てにおいて正規化されている必要はない。たとえば少なくとも内中膜に対応するライン内の値だけ正規化してもよい。

0108

「内腔境界・外膜境界のペア」とは、内腔境界・外膜境界の組み合わせに相当する。ROIのサンプル点をN点とすると、ペアの数はNの二乗存在する。但し、内腔境界は外膜境界より浅い位置にある、または、システムが定める最大計測厚、等の拘束条件により、実際に計算に使うペア数はNの二乗ペアより少ない。

0109

次に、2ライン目へ進む。

0110

そして、ステップS22において、パタン類似度計算部33は、前ラインの各内腔境界・外膜境界のペアiline-1に対する内中膜パタンとの類似度を計算する。また境界連続度計算部34は、前ラインの各内腔境界・外膜境界のペアiline-1について、内中膜厚と境界位置の連続度をそれぞれ計算する。境界評価部35は、それらの計算結果を受け取り、ライン方向の内中膜厚と境界位置の連続性を評価する。

0111

内中膜パタンとの類似度Cpatternは、第一の実施形態と同様に、強度分布とテンプレートと内積値で与えられるが、相関でも良い。

0112

内中膜厚の連続度CThicknessは、対象ラインと前ラインの内腔境界位置をそれぞれLIline、LIline-1、外膜境界をMAline、MAline-1とすると、下記の式で与えられる。

0113

また境界位置の連続度Cdistanceは、下記の式で与えられる。

0114

境界評価部35は、評価値CThicknessとCdistanceをライン内でそれぞれ正規化した後、それらを下記の式のように選択候補の経路のコストCtotalに統合する。



ここで、重みWthicknessおよびWdistanceは、各評価値に対する重み係数である。なお、数7には評価値CThicknessとCdistanceとが含まれているが、境界位置の連続度Cdistanceが含まれていればよく、内中膜厚の連続度CThicknessはなくてもよい。

0115

境界評価部35は、以上の計算を、予め決められた経路対象の内腔境界・外膜境界のペアiline-1について実施する。

0116

たとえば図15では、対象サンプル130(たとえば内腔境界の選択候補)に関して予め決められた経路対象130a〜130eが示されている。境界評価部35は、対象サンプル130と各経路対象130a〜130eのそれぞれの組み合わせで定まる経路に関し、上述のコストを計算する。

0117

図16(a)〜(c)は、本実施形態における動的計画法を用いたコスト計算方法の例を示す。図16(a)において、経路対象130a〜130eの内部に記載されている数値は、経路コストの累積値である。対象サンプル130と、各経路対象130a〜130eとを結ぶ線分の近傍に記載されている数値は、距離のコストである。そして、対象サンプル130の右手に深さ方向に沿って記載されている数値は、パタンのコストである。

0118

図16(b)に示されるように、境界評価部35は、各経路対象130a〜130eの経路コストの累積値に距離のコストを加えたもののうちの、最小の値(図16(b)では「66」)を与える経路を採用する。境界評価部35は、コストが最小となる経路を記録しておく。

0119

さらに境界評価部35は、上述の最小の値にパタンのコストを加算して、対象サンプル130の値として決定する。

0120

再び図14を参照する。ステップS23において、コストCtotalの最小値とそのときの内腔境界・外膜境界のペアを探索、経路として選択する。このとき、選択した経路を記録しておくと共に、経路コストを更新する。更新は、下記の式であたえられる。

0121

これら、ステップS22とS23の処理を対象ラインの全ての内腔境界・外膜境界のペアilineについて実施する。境界評価部35は、得られた結果を評価値として境界決定部36に送る。

0122

全ラインについて計算が完了した後、ステップS26において境界決定部36は、経路コストCpathが最小となる内腔境界・外膜境界のペアilineを探す。ここで、経路コストCpathが最小となるペアがROIの右端ラインの境界となる。以降、左側のラインの境界については、記録しておいた、経路を参照していくことで、設定される。

0123

図17は、経路コストCpathが最小となる内腔境界・外膜境界のペアilineの例を示す。

0124

以上が、処理の流れである。

0125

尚、この後、第一の実施形態と同様に、ライン方向の平滑化を実施しても良い。これにより、滑らかな境界線を得ることができる。

0126

また、動的計画法に基づく経路探索は、解像度を落とした(特に、深さ方向)強度分布に対して実施して候補を仮決定した後、元の解像度に戻して、仮決定した候補の周辺(近傍)の領域に絞って探索を行い、内腔境界と外膜境界とを最終的に決定してもよい。これにより、検出性能を維持しつつ、処理量を削減できる。

0127

また、動的計画法に基づき、経路探索していく際に、経路コストが小さい上位ペア、または、経路コストが所定値以下のペア、に絞って経路探索しても良い。これにより、検出性能を維持しつつ、処理量を削減できる。

0128

最後に、上記説明では、内腔境界・外膜境界をペアにして経路探索しているが、別々に経路探索しても良い。

0129

たとえば図18は、内腔境界および外膜境界それぞれに関して経路検索を行う処理の手順を示すフローチャートである。この処理では、まず先に内腔境界を検出し、その後、それより深い位置に絞って外膜境界を検出する。次に、その逆の順序で外膜境界およびそれより浅い位置の内腔境界を検出する。そして、トータルの経路コストが小さい方を選択する。

0130

ステップS31において、境界評価部35は、動的計画法に基づいて内腔境界を仮検出し、検出結果に基づいて経路コストA1を記録する。次のステップS32において、境界評価部35は、仮検出した内腔境界よりも下方を対象に、動的計画法に基づいて外膜境界を仮検出し、検出結果に基づいて経路コストA2を記録する。ステップS33において、境界評価部35は、内腔境界および外膜境界の順に仮検出したときの経路コストA(=A1+A2)を計算し記録する。

0131

次に、ステップS34では、境界評価部35は、動的計画法に基づいて外膜境界を仮検出し、検出結果に基づいて経路コストB1を記録する。次のステップS35において、境界評価部35は、仮検出した外膜境界よりも上方を対象に、動的計画法に基づいて内腔境界を仮検出し、検出結果に基づいて経路コストB2を記録する。ステップS33において、境界評価部35は、外膜境界および内腔境界の順に仮検出したときの経路コストB(=B1+B2)を計算し記録する。

0132

そして、境界決定部36は、コストAおよびコストBのうち、コストの小さい方の仮検出結果を用いて、外膜境界および内腔境界を決定する。

0133

但し、一方の境界を検出する場合、他方の境界は決まっていない。そのため、図11に示すように、一方の境界を固定し、仮検出した他方の境界を変化させることで内中膜厚を変えた複数のテンプレートで当てはまりを評価し、その評価値の最大値、又は、平均値を類似度としても良い。これにより、検出性能を維持しつつ、処理量を削減できる。

0134

以上、第二の実施形態では、ライン方向の境界連続性を考慮するため、特に、内腔境界に対応する強度が弱い場合においても、安定した境界を検出できる。

0135

上述の第一および第二の実施形態においては、さらに後壁を検出し、その検出結果を境界の決定に利用してもよい。後壁は、図1に示されるように、外膜境界5よりも深い位置に存在する領域である。

0136

図19は、後壁検出部26を有するIMT計測部16aの構成を示すブロック図である。ここでは、図7に記載された第一の実施形態に係るIMT計測部16の変形例として説明する。

0137

後壁検出部26は、強度分布生成部21の後段に位置し、強度分布生成部21より出力される強度分布を用いて、後壁を検出し、検出した後壁範囲を境界決定部24へ出力する。

0138

より具体的に説明する。図1に示されるように、後壁は血管壁であり、深さ方向にみて、内腔境界4、内中膜3、外膜境界5よりもさらに奥に存在する。そして、後壁は高エコーの領域として得られる。そこで後壁検出部26は、強度分布生成部21が生成した強度分布から高エコーの領域を検出する。その結果、境界決定部26は、検出した後壁範囲内に絞って、外膜境界5を決定することができる。

0139

本発明に係るIMT計測装置は、精度の良いIMTを自動的に計測するものであり、検査時間を短縮でき、例えば、動脈硬化のスクリーニング検査で有用である。

0140

11プローブ
12 送信部
13 受信部
14 B画像生成部
15ROI設定部
16IMT計測部
17 合成部
18 表示部
21強度分布生成部
22テンプレート生成部
23パタン類似度計算部
24境界決定部
25IMT計算部
26後壁検出部
27コントラスト計算部
28検出窓
31 強度分布生成部
32 テンプレート生成部
33 パタン類似度計算部
34境界連続度計算部
35 境界評価部
36 境界決定部
37 IMT計算部

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