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技術 運転支援装置及び自動運転装置

出願人 三菱電機株式会社
発明者 吉本剛生片岡健司明日香昌葛城孝哉
出願日 2010年11月18日 (10年1ヶ月経過) 出願番号 2011-549760
公開日 2013年5月16日 (7年7ヶ月経過) 公開番号 WO2011-086629
状態 特許登録済
技術分野 車両の電気的な推進・制動 車両の電気的な推進・制動 鉄道交通の監視、制御、保安
主要キーワード 推奨パターン 推定パターン 開閉時刻 ランカーブ 確定可能 省エネルギ性 ATCシステム 制限速度信号
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2013年5月16日)のものです。
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図面 (14)

課題・解決手段

次駅状況推定部400は、自列車停止軌道回路の情報と現示展開情報とから先行列車位置推定する。この先行列車位置の情報と、路線データベース401に保持されている自列車が位置する在線軌道回路の情報と軌道回路と関連情報と駅内在時間情報と、履歴保持部402に保持されている先行列車位置の履歴とに基づいて、先行列車が次駅を進出し、駅手前の停止速度パターンが解消する時間を推定する。推定された時間は通知部404によって運転台9に通知される。

概要

背景

鉄道分野では、列車間の衝突を防止する保安システムとして、ATS自動列車停止装置)やATC自動列車制御装置)などの信号システムが導入されている。例えば、一段ブレーキATCシステム(以下、一段ATCと称す)では、ATC電文と称される情報が、レールを通じて地上から列車に伝えられる。先行列車の在線軌道回路によって、後続列車に対する進入可能限界の軌道回路(以下、停止軌道回路と称す)が決定され、その軌道回路IDがATC電文に格納されて後続列車へ伝えられる。ATC電文は軌道回路単位で送信されるものであり、ATC電文中には自身の軌道回路ID、即ち自列車が現在在線している軌道回路のIDも含まれる。後続列車ではこの停止軌道回路IDを基に、停止位置までの残走距離を算出し、停止速度パターンを作成する。列車はその停止速度パターンを制限速度とみなして、速度超過すると自動的にブレーキがかかる仕組みになっている。

また、多段式ATCシステム(以下、多段ATCと称す)では、レールを通じてATC現示と呼ばれる制限速度情報が伝えられ、自列車の速度がそのATC現示による制限速度を超過していれば、自動的にブレーキがかかる仕組みになっている。ここで、ATC現示は先行列車と自列車の在線軌道回路の組み合わせによって地上側で決定される。
運転士はATCで与えられる制限速度の枠内で列車を操縦している。また一部の路線に於いては、出発から駅到着まで自動で列車を制御するATO自動列車運転装置)が導入されている。ATOも運転士による運転と同様に、ATCから与えられる制限速度の枠内で列車を自動的に操作する。運転士もしくはATOに対しては、走行の基準として、駅間の位置と速度の関係を示した計画ランカーブが予め与えられる。計画ランカーブは、これに沿って走行すれば、ダイヤ通りに走れるように設計されている。

平常時では、先行列車による制限速度の影響を受ける事は少なく、計画ランカーブ通りに走る事ができる。しかし、ダイヤ乱れが発生すると、先行列車との間隔が短くなるため、ATCによって制限速度が計画ランカーブよりも下位に変化し、計画ランカーブ通りには走行できず、ひどい場合には駅間で一旦停止を余儀なくされる。この場合、列車はダイヤ通りに次駅に到着できなくなる上に、よけいな加減速が発生する事によって消費電力乗り心地の悪化を招くという問題がある。
この様な問題が発生しやすいのは、先行列車が駅に停車しており、出発が計画より遅れている時に、後続列車がその駅に向かって進んでいるといった場合である。なぜなら駅に停車している時間の分だけ、2列車間の距離が詰まりやすく、その分制限速度が低くなるためである。

平常時でなおかつ先行列車のダイヤ情報を保持していれば、先行列車がいつ駅を出発するのか推定し、これにあわせて後続列車が速度を調整することが可能である。しかしダイヤが乱れた状態では予め保持していたダイヤ情報は役に立たない。

この問題を解決する方法として、地上側で先行列車の駅出発時刻予想し、後続列車に対して、最適接近速度通知する手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。ここで通知する最適接近速度とは、後続列車が一旦停止を避け、発着時隔が最短になるように計算された速度である。早い段階から減速し、ゆっくりと走行する事によって、制限速度の影響による一旦停止を回避し、乗り心地や消費電力を改善すると共に、ダイヤ乱れの拡大を防ぐ。また、地上側で扉の開閉時刻を検知し、その結果を後続列車に通信で伝える事によって、後続列車の走行速度を自動的に下げる手法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。

概要

次駅状況推定部400は、自列車の停止軌道回路の情報と現示展開情報とから先行列車位置を推定する。この先行列車位置の情報と、路線データベース401に保持されている自列車が位置する在線軌道回路の情報と軌道回路と駅の関連情報と駅内在時間情報と、履歴保持部402に保持されている先行列車位置の履歴とに基づいて、先行列車が次駅を進出し、駅手前の停止速度パターンが解消する時間を推定する。推定された時間は通知部404によって運転台9に通知される。

目的

この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、低コストで駅手前での過剰な加減速を避け、円滑な運転を実現することのできる運転支援装置及び自動運転装置を得ることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

列車が位置する在線軌道回路の情報と自列車の停止軌道回路の情報とを示すATC情報を入力する入力部と、先行列車末尾の在線軌道回路と前記停止軌道回路との関連を示す現示展開情報と、どの軌道回路がに対応するかを示す軌道回路と駅の関連情報と、任意の駅における駅内在線時間とを保持する路線データベースと、前記自列車の停止軌道回路の情報と前記現示展開情報とから推定した先行列車位置履歴を保持する履歴保持部と、前記推定した先行列車位置の情報と、前記自列車が位置する在線軌道回路の情報と、前記軌道回路と駅の関連情報と、前記駅内在線時間情報と、前記履歴保持部で保持された先行列車位置の履歴とに基づいて、先行列車が次駅進出し、駅手前の停止速度パターンが解消する時間を推定する次駅状況推定部とを備えた運転支援装置

請求項2

次駅状況推定部は、直前の先行列車位置と、現在の先行列車位置と、軌道回路と駅の関連情報から、先行列車のホームトラック完全進入を検出し、その時刻に、駅内在線時間を加えることによって、先行列車が次駅を進出し、駅手前の停止速度パターンが解消する時間を推定することを特徴とする請求項1記載の運転支援装置。

請求項3

自列車の軌道回路毎制限速度信号を含む多段ATC情報を入力する入力部と、先行列車末尾の在線軌道回路と前記制限速度信号毎の軌道回路との関連を示す現示展開情報と、軌道回路間配置関係および軌道回路と駅との関係を示す軌道回路情報と、任意の駅における駅内在線時間とを保持する路線データベースと、列車の走行位置と、前記軌道回路情報とに基づいて、自列車の在線軌道回路を推定する自列車在線位置推定部と、前記多段ATC情報の履歴と、前記自列車在線位置推定部で推定された自列車在線軌道回路の情報の履歴とを保持する履歴保持部と、前記履歴保持部の情報と前記現示展開情報とを用いて先行列車位置を推定し、当該推定された先行列車位置の情報と前記軌道回路情報とに基づいて、先行列車が次駅を進出し、駅手前のATC現示が上位に変化する時間を推定する次駅状況推定部とを備えた運転支援装置。

請求項4

次駅状況推定部は、先行列車位置を推定した結果、先行列車が次駅ホームトラックに完全進入した時点であると確定した場合は、現在時刻に駅内在線時間を加えることによって、先行列車が次駅を進出し駅手前のATC現示が上位に変化する時間を推定し、完全進入した時点であると確定できなかった場合は、現在時刻に駅内在線時間以下の値を加えることによって先行列車が次駅を進出し駅手前のATC現示が上位に変化する時間を推定することを特徴とする請求項3記載の運転支援装置。

請求項5

先行列車が次駅手前の軌道回路の通過に要する時間を予め決められた閾値と比較し、当該閾値よりも長い時間で通過した場合は、前記先行列車は次駅に停止すると判定する通停推定部を備え、次駅状況推定部は、前記通停推定部での判定結果に応じて、先行列車が次駅を進出する時間推定方法を変えることを特徴とする請求項1記載の運転支援装置。

請求項6

次駅状況推定部が推定した先行列車の次駅進出時刻と、自列車の位置と速度から、自列車が次駅に到達するための推奨走行パターンを作成する推奨パターン作成部と、前記推奨走行パターンを通知する通知部とを備えたことを特徴とする請求項1記載の運転支援装置。

請求項7

請求項6に記載の運転支援装置を備えると共に、推奨パターン作成部で作成された推奨パターンに追随してノッチを選択するノッチ指令部を備えたことを特徴とする自動運転装置

技術分野

0001

本発明は、先行列車の状態に基づいて効率よく列車運転するための、運転支援装置及び自動運転装置に関するものである。

背景技術

0002

鉄道分野では、列車間の衝突を防止する保安システムとして、ATS自動列車停止装置)やATC自動列車制御装置)などの信号システムが導入されている。例えば、一段ブレーキATCシステム(以下、一段ATCと称す)では、ATC電文と称される情報が、レールを通じて地上から列車に伝えられる。先行列車の在線軌道回路によって、後続列車に対する進入可能限界の軌道回路(以下、停止軌道回路と称す)が決定され、その軌道回路IDがATC電文に格納されて後続列車へ伝えられる。ATC電文は軌道回路単位で送信されるものであり、ATC電文中には自身の軌道回路ID、即ち自列車が現在在線している軌道回路のIDも含まれる。後続列車ではこの停止軌道回路IDを基に、停止位置までの残走距離を算出し、停止速度パターンを作成する。列車はその停止速度パターンを制限速度とみなして、速度超過すると自動的にブレーキがかかる仕組みになっている。

0003

また、多段式ATCシステム(以下、多段ATCと称す)では、レールを通じてATC現示と呼ばれる制限速度情報が伝えられ、自列車の速度がそのATC現示による制限速度を超過していれば、自動的にブレーキがかかる仕組みになっている。ここで、ATC現示は先行列車と自列車の在線軌道回路の組み合わせによって地上側で決定される。
運転士はATCで与えられる制限速度の枠内で列車を操縦している。また一部の路線に於いては、出発から駅到着まで自動で列車を制御するATO自動列車運転装置)が導入されている。ATOも運転士による運転と同様に、ATCから与えられる制限速度の枠内で列車を自動的に操作する。運転士もしくはATOに対しては、走行の基準として、駅間の位置と速度の関係を示した計画ランカーブが予め与えられる。計画ランカーブは、これに沿って走行すれば、ダイヤ通りに走れるように設計されている。

0004

平常時では、先行列車による制限速度の影響を受ける事は少なく、計画ランカーブ通りに走る事ができる。しかし、ダイヤ乱れが発生すると、先行列車との間隔が短くなるため、ATCによって制限速度が計画ランカーブよりも下位に変化し、計画ランカーブ通りには走行できず、ひどい場合には駅間で一旦停止を余儀なくされる。この場合、列車はダイヤ通りに次駅に到着できなくなる上に、よけいな加減速が発生する事によって消費電力乗り心地の悪化を招くという問題がある。
この様な問題が発生しやすいのは、先行列車が駅に停車しており、出発が計画より遅れている時に、後続列車がその駅に向かって進んでいるといった場合である。なぜなら駅に停車している時間の分だけ、2列車間の距離が詰まりやすく、その分制限速度が低くなるためである。

0005

平常時でなおかつ先行列車のダイヤ情報を保持していれば、先行列車がいつ駅を出発するのか推定し、これにあわせて後続列車が速度を調整することが可能である。しかしダイヤが乱れた状態では予め保持していたダイヤ情報は役に立たない。

0006

この問題を解決する方法として、地上側で先行列車の駅出発時刻予想し、後続列車に対して、最適接近速度通知する手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。ここで通知する最適接近速度とは、後続列車が一旦停止を避け、発着時隔が最短になるように計算された速度である。早い段階から減速し、ゆっくりと走行する事によって、制限速度の影響による一旦停止を回避し、乗り心地や消費電力を改善すると共に、ダイヤ乱れの拡大を防ぐ。また、地上側で扉の開閉時刻を検知し、その結果を後続列車に通信で伝える事によって、後続列車の走行速度を自動的に下げる手法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。

先行技術

0007

特開平6−171513号公報
特開平11−234813号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、例えば特許文献1に記載された従来の装置では、後続列車の最適接近速度を算出する際には、それまで後続列車が計画ランカーブ通りに走行している事を前提としている。このため、計画ランカーブと異なる速度で後続列車が走行している場合には、提示された最適接近速度は不適切となるという問題があった。また、後続列車に最適接近速度を設定・通知するタイミングが続行列車位置検出器の通過時に限定されるため、続行列車位置検出器通過後に状況が変化した場合には対応できないという問題もあった。

0009

また、特許文献2に記載されたような装置では、先行列車の扉開もしくは扉閉の時刻を地上側で取得する必要がある。このためには、先行列車が扉開・扉閉の情報を通信で駅に伝送するか、駅に設置したセンサで検出する必要がある。しかし、多くの駅・列車においてそのような設備は設置されておらず、新たに設置する必要がある。更に、特許文献1、2に記載された装置は共に地上側で算出した目標速度や先行列車出発時刻を車上に送信する場合、新たに通信装置を地上・車上双方に備える必要がある。この様に、従来の装置では、地上側・車上側両方での改修が必要となり、設置・維持の費用がかさむという問題があった。

0010

この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、低コストで駅手前での過剰な加減速を避け、円滑な運転を実現することのできる運転支援装置及び自動運転装置を得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

この発明に係る運転支援装置は、自列車が位置する在線軌道回路の情報と自列車の停止軌道回路の情報とを示すATC情報を入力する入力部と、先行列車末尾の在線軌道回路と停止軌道回路との関連を示す現示展開情報と、どの軌道回路が駅に対応するかを示す軌道回路と駅の関連情報と、任意の駅における駅内在時間情報とを保持する路線データベースと、自列車の停止軌道回路の情報と現示展開情報とから推定した先行列車位置履歴を保持する履歴保持部と、推定した先行列車位置の情報と、自列車が位置する在線軌道回路の情報と、軌道回路と駅の関連情報と、駅内在線時間情報と、履歴保持部で保持された先行列車位置の履歴とに基づいて、先行列車が次駅を進出し、駅手前の停止速度パターンが解消する時間を推定する次駅状況推定部とを備えたものである。

発明の効果

0012

この発明に係る運転支援装置は、低コストで、駅手前での過剰な加減速を避け、円滑な運転を実現することのできる運転支援装置を得ることができる。

図面の簡単な説明

0013

この発明の実施の形態1による運転支援装置を適用した保安システムを示す説明図である。
この発明の実施の形態1による運転支援装置を示す構成図である。
この発明の実施の形態1による運転支援装置の動作を示すフローチャートである。
この発明の実施の形態1による運転支援装置の列車の走行例を示す説明図である。
この発明の実施の形態2による運転支援装置を示す構成図である。
この発明の実施の形態2による運転支援装置の推奨パターンを示す説明図である。
この発明の実施の形態3による自動運転装置を適用した保安システムを示す説明図である。
この発明の実施の形態3による自動運転装置を示す構成図である。
この発明の実施の形態4による運転支援装置のATC現示の一例を示す説明図である。
この発明の実施の形態4による運転支援装置を適用した保安システムの説明図である。
この発明の実施の形態4による運転支援装置を示す構成図である。
この発明の実施の形態4による運転支援装置の動作を示すフローチャートである。
この発明の実施の形態5による運転支援装置を示す構成図である。

実施例

0014

実施の形態1.
図1は、この発明の運転支援装置の全体構成図であり、図2は、この発明の実施の形態1による運転支援装置を示す構成図である。先ず、図1を用いて、実施の形態1のシステム構成を説明する。
列車1は、軌道2上を走行する。ここで、軌道2は軌道回路2A〜2Dに分割されている。また、軌道2上にはトランスポンダ地上子10が設置されており、その中には位置情報が保持されている。列車1は、運転支援装置4、速度発電機5、ブレーキ装置6、一段ATC装置7、ATC受信装置8、運転台9、トランスポンダ車上子11を備えている。ATC受信装置8は、軌道回路2A〜2Dを介してATC電文を受信する装置であり、一段ATC装置7へ渡すよう構成されている。このATC電文には停止軌道回路のIDと自列車が在線している軌道回路IDなどが含まれている。尚、停止軌道回路は、先行列車3の末尾が在線している軌道回路や進路の状態によって決定されるものであり、例えば図1中では軌道回路2Cに相当する。一段ATC装置7は、トランスポンダ車上子11がトランスポンダ地上子10の上を通過する際に取得する位置情報と、速度発電機5から得られる速度情報を積算して得られる位置情報とを加算する事によって、自列車の位置を取得する。更に、一段ATC装置7は、停止軌道回路2Cと2Dの境界を越えないような停止速度パターンを作成し、もしも速度発電機5から得られる自列車速度が、停止速度パターンを越えていれば、ブレーキ装置6に対してブレーキ指令を出力する。尚、図1中、速度発電機5〜ATC受信装置8は、公知の構成である。

0015

運転支援装置4は、一段ATC装置7から受け取ったATC電文とその履歴を基に、先行列車が次駅ホームトラックを完全進出し、駅手前の停止速度パターンが解消する時刻(ホームトラック扛上時刻)を推定し、その結果を運転台9へ伝える装置である。ここで、ホームトラックとは、駅の列車停止位置を含む軌道回路を指す。さらに、列車の末尾が軌道回路内に進入する事を完全進入、列車の末尾が軌道回路から出る事を完全進出と称する。さらに、列車の末尾が軌道回路を完全進出し、軌道回路上に列車がいなくなった状態を、軌道回路の扛上と称する。先行列車がホームトラックを完全進出すると、停止軌道回路が1つ遠方移行するため、停止速度パターンも遠方に移動し、後続列車の制限速度が緩和される。

0016

運転支援装置4の構成を図2を用いて説明する。運転支援装置4は、次駅状況推定部400、路線データベース401、履歴保持部402、入力部403、通知部404を備えている。路線データベース401は、1段ATCに関する現示展開情報・軌道回路の位置やつながり情報・軌道回路と駅との関連情報・路線上の各駅の駅内在線時間や列車種別による通過・停車の区分などの情報を予め保持している。ここで、現示展開情報とは、先行列車末尾の在線軌道回路と、停止軌道回路の関連情報を指す。具体的には、例えば図1において、「軌道回路2Cが停止軌道回路であった場合、先行列車末尾在線軌道回路は2Dである」といった情報である。また、軌道回路と駅の関連情報とは、どの軌道回路がどの駅のホームトラックに該当するのかという情報であり、例えば図1では「軌道回路2Dは駅Aのホームトラックである」といった情報である。

0017

履歴保持部402は、次駅状況推定部400で算出される、過去の先行列車末尾在線軌道回路情報を保持するものであり、最低でも直前1回の情報を保持するものとする。次駅状況推定部400は、一段ATC装置7から停止軌道回路IDと自列車の在線軌道回路IDを取得し、履歴保持部402で保持された直前の先行列車末尾在線軌道回路と、路線データベース401中の現示展開情報と軌道回路情報を照会する事によって、先行列車が次駅ホームトラックにいるかどうかを判定し、更にホームトラック扛上時刻を推定する。その動作を図3及び図4を用いて以下説明する。

0018

図3は、次駅状況推定部400の動作を表すフローチャートである。また、図4横軸に時間、縦軸に距離を取って、続行する2列車の走行軌跡を表したものである。図4では、縦軸の距離に沿って、軌道回路単位で区切りを入れている。ここでは4Tがホームトラックに相当する。図4に示した現在時刻において、先行列車はホームトラック4Tに完全進入したところである。この時、自列車に伝えられる停止軌道回路は2Tから3Tに変わる。網掛けで示されているのは、各時刻においての停止軌道回路である。

0019

次駅状況推定部400は、先ず、一段ATC装置7から自身の在線軌道回路IDと停止軌道回路IDを取得する(ステップST101)。在線軌道回路IDと路線データベース401に保持されている軌道回路と駅の関連情報を照合する事により、次駅を特定する(ステップST102)。次に、次駅が先行列車の停車駅かどうかを路線データベース401と照合する事によって判定する(ステップST103)。通常は先行列車の種別が分からなければ先行列車が次駅を通過するか停車するか不明であるが、例えばその路線では列車種別が各停列車のみである場合や、次駅が全ての種別が停車する主要駅である場合は、次駅に先行列車が停車するという事を決定できる。ステップST103で判定がNoであればステップST101に戻る。ステップST103において判定がYesであれば、停止軌道回路IDを路線データベース401中の現示展開情報と照合する事により、先行列車末尾の在線軌道回路を算出する(ステップST104)。図4においては4Tに相当する。次に、算出した先行列車末尾在線軌道回路情報を履歴保持部402へ記録する(ステップST105)。

0020

次に、路線データベース401と照合する事により、先行列車末尾在線軌道回路が次駅ホームトラックかどうかを判定する(ステップST106)。更に、履歴保持部402に保持してあった直前の先行列車末尾在線軌道回路と比較する事によって、ちょうど先行列車が次駅ホームトラックへ完全進入したところかどうかを判定する(ステップST107)。即ち、直前の先行列車末尾在線軌道回路が次駅ホームトラックではなく、なおかつ現在の先行列車末尾在線軌道回路が次駅ホームトラックであれば、このタイミングで、先行列車が次駅ホームトラックへ完全進入したと判定する。図4においては4Tがホームトラックであり、ちょうど先行列車の末尾が4Tに完全進入したタイミングであるので、この判定ではYesに該当する。

0021

上記ステップST106,ST107の判定がNoであれば、ステップST101に戻る。これら判定がYesであれば、次に、次駅でのホームトラック扛上予想時刻を算出する(ステップST108)。ホームトラック扛上予想時刻は、先行列車が次駅ホームトラックに完全進入した時刻に、その駅の駅内在線時間を加えて求められる。この駅内在線時間はホームトラック完全進入から停止までの時間、標準停車時分、出発からホームトラック完全進出までの時間(以上3つをまとめてホームトラック標準在線時間と称する)の和として求められる。

0022

ホームトラック完全進入から停車までと、出発からホームトラック完全進出までは停車列車は低速で走行する区間であり、ダイヤ乱れが発生していてもほぼ毎回同じ時間が必要になると期待できる。これらの値は、標準的な加減速度列車長、停止位置とホームトラックの位置関係から算出可能であり、事前に算出して路線データベース401に保持してあるものとする。ホームトラック標準在線時間は、必要に応じて、時間帯曜日別に保持しても良い。なお、駅内在線時間として単純に各駅一律の固定時間を与えるなどとしてもよい。

0023

次駅状況推定部400で求められたホームトラック扛上予想時刻は、通知部404から運転台9に通知され、運転台9に表示することによって、運転士に提示される。

0024

ホームトラック扛上予想時刻が与えられず、単純に運転した場合では、例えば図4の自列車走行軌跡100aに示すように、ホームトラック手前で一旦停止する可能性が高い。
これに対して運転士にホームトラック扛上予想時刻を提示した場合は、図4の自列車走行軌跡100bに示すように、予め減速する事によって一旦停止を避けてスムーズに駅へ到着することが期待できる。

0025

以上の構成によれば、先行列車が次駅ホームトラックに在線していた場合に、その先行列車が駅を出発し、ホームトラックが扛上する時刻を予測し、運転士に提示する事が可能である。運転士はその情報を参照して、次駅の手前で一時停止を避けるように運転を行う事が可能であり、その結果として乗り心地や消費電力を改善し、ダイヤ乱れの拡大を抑制する事が可能となる。

0026

尚、運転台9の情報表示部(図示省略)でホームトラック扛上予想時刻を提示する代わりに、それまでの残り時間や、先行列車の次駅出発予想時刻を表示しても良い。また、履歴保持部402では、先行列車末尾在線軌道回路の履歴を保持したが、過去に受信したATC電文などを保持してもよい。また、停止軌道回路情報や在線軌道回路情報を一段ATC装置7を介して取得する代わりに、ATC受信装置8からATC電文を直接取得してそれを用いても良い。また、次駅を特定するのに在線軌道回路情報を基にするのではなく、車内の別装置が保持している次駅情報を取得しても良い。更に、運転士に情報を表示するのに、運転台9に表示するのではなく、専用の表示装置を用いても良い。また、画面に表示する代わりに音声で通知しても良い。また、ATCの設定によっては、駅手前の停止速度パターンが解消するためには、先行列車がホームトラックよりさらに遠方の軌道回路を完全進出する必要がある。このような駅では、該当軌道回路とホームトラックを併せて仮想のホームトラックとみなして、路線データベース401に保持される駅内在線時間を設定すればいい。

0027

以上のように、実施の形態1の運転支援装置によれば、自列車が位置する在線軌道回路の情報と自列車の停止軌道回路の情報とを示すATC情報を入力する入力部と、先行列車末尾の在線軌道回路と停止軌道回路との関連を示す現示展開情報と、どの軌道回路が駅に対応するかを示す軌道回路と駅の関連情報と、任意の駅における駅内在線時間を保持する路線データベースと、自列車の停止軌道回路の情報と現示展開情報とから推定した先行列車位置の履歴を保持する履歴保持部と、推定した先行列車位置の情報と、自列車が位置する在線軌道回路の情報と、軌道回路と駅の関連情報と、駅内在線時間情報と、履歴保持部で保持された先行列車位置の履歴とに基づいて、先行列車が次駅を進出し、駅手前の停止速度パターンが解消する時間を推定する次駅状況推定部とを備えたので、低コストで円滑な運転を実現することのできる運転支援装置を得ることができる。

0028

また、実施の形態1の運転支援装置によれば、次駅状況推定部は、直前の先行列車位置と、現在の先行列車位置と、軌道回路と駅の関連情報から、先行列車のホームトラック完全進入を検出し、その時刻に、駅内在線時間を加えることによって、先行列車のホームトラック完全進出時刻を推定するようにしたので、駅手前停止速度パターンが解消する時刻を簡便かつ確実に推定することができる。

0029

実施の形態2.
実施の形態1においては、運転士に対して、ホームトラック扛上予想時刻を通知するようにしたが、次駅にスムーズに到着するための推奨走行パターンを表示しても良く、この例を実施の形態2として説明する。
図5は、実施の形態2における運転支援装置を示す構成図である。
実施の形態2における運転支援装置4aは、次駅状況推定部400a、路線データベース401、履歴保持部402、入力部403、通知部404、推奨パターン作成部405を備えている。尚、図5中の一段ATC装置7および運転台9は図2に示す実施の形態1と同様である。

0030

運転支援装置4aは、一段ATC装置7から受け取ったATC電文とその履歴を基に、先行列車が次駅ホームトラックを完全進出する時刻(ホームトラック扛上時刻)を推定し、それに合わせて次駅にスムーズに到着するための推奨走行パターンを作成し、その結果を運転台9へ伝える装置である。
次駅状況推定部400aでは、一段ATC装置7より自身の在線軌道回路IDと停止軌道回路IDに加えて、停止位置までの残走距離情報と自身の速度とを取得する。次駅状況推定部400aでは、実施の形態1と同様の手順で次駅ホームトラック予想扛上時刻を算出し、その結果と残走距離情報と自身の速度情報とを推奨パターン作成部405へ渡す。

0031

推奨パターン作成部405では、次駅状況推定部400aから取得した情報を基に、現在の位置と速度から駅間での一旦停止を避け、スムーズに次駅へ到着するための推奨走行パターンを算出し、その結果を通知部404を介して運転台9に送信する。推奨走行パターンは、乗り心地・速達性・省エネルギ性・運転のしやすさなどの異なる観点によって、さまざまな形が考えられる。算出方法の一例を図6を用いて説明する。

0032

図6の推奨走行パターンに示すように、列車はまず一定減速度βcで距離S1だけ、減速を行い、その後目標等速速度Vtで距離S2を等速走行し、停止速度パターンへ到達する事を想定する。推奨パターン作成部405では、次駅ホームトラックが扛上して停止パターンが遠方へ移動するタイミングに、ちょうど停止速度パターンまで到達するような目標等速速度Vtを算出する。

0033

現在の列車速度をVc、停止速度パターン起点までの残走距離をdcとする。停止速度パターン上のある速度vに対応するパターン起点までの距離をP(v)と表す。すなわち、目標等速速度Vtで停止パターンに到達した場合、その時の残走距離はP(Vt)と表される。
P(v)は、停止パターンの想定減速度がβ0一定であるのならば、例えば式(1)で表される。

現在時刻から、次駅ホームトラック予想扛上時刻までの残り時間をTr、減速走行時間をT1、等速走行時間をT2と置くと、各変数の関係は式(2)〜(6)で表される。

0034

式(1)〜式(6)を解く事によって、推奨走行パターンを表すパラメータが算出可能である。尚、減速度βcは現在位置近辺勾配列車性能で実現可能な値とし、例えば駅間毎のパラメータとして路線データベース401に予め記録されているものとする。
以上の構成によれば、運転士に対して具体的な推奨走行パターンが提示可能となるため、運転士の技量が低くとも、その推奨走行パターンに沿って運転するだけで、効率的な走行が可能となる。
尚、運転士に推奨走行パターンを提示する方法として、パターンの全容を提示しても良いし、その時々のパターンの速度を提示しても良いし、パターンに追従するのに必要となるノッチを提示しても良い。

0035

以上のように、実施の形態2の運転支援装置によれば、次駅状況推定部が推定した先行列車の次駅進出時刻と、自列車の位置と速度から、自列車が次駅に到達するための推奨走行パターンを作成する推奨パターン作成部を備え、通知部は、推奨パターンを通知するようにしたので、列車の運転士の技量に左右されることなく次駅への適切な運転を可能とすることができる。

0036

実施の形態3.
実施の形態2においては運転支援装置として、運転士に推奨走行パターンを提示していたが、推奨走行パターンに追随するノッチを自動的に出力する自動運転装置としてもよい。本実施の形態における構成を図7に示す。

0037

図7において、軌道2上を走行する列車1bは、速度発電機5、ブレーキ装置6、一段ATC装置7、ATC受信装置8、トランスポンダ車上子11、駆動装置12、自動運転装置40を備える。尚、図7において、先行列車3や、列車1bにおける速度発電機5〜ATC受信装置8、トランスポンダ車上子11、およびトランスポンダ地上子10は実施の形態1と同様であるため、これら対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。

0038

自動運転装置40は、実施の形態2の運転支援装置4aと同様に、ATC情報と履歴など次駅ホームトラック予想扛上時刻を算出し、それに合わせた推奨パターンを作成する。
更にその推奨パターンに追随するようなノッチを自動選択し、駆動装置12とブレーキ装置6にノッチ指令を出力するものである。
図8を用いて自動運転装置40の構成を説明する。自動運転装置40は、次駅状況推定部400a、路線データベース401、履歴保持部402、推定パターン作成部405、位置速度推定部406、ノッチ指令部407を備える。ここで、次駅状況推定部400a〜推定パターン作成部405の構成は、実施の形態2における次駅状況推定部400a〜推定パターン作成部405と同様である。

0039

このように構成された自動運転装置40において、次駅のホームトラック扛上時刻を推定し、それを基に推奨パターンを作成するまでの動作は実施の形態2と同様である。推奨パターン作成部405で作成した推奨走行パターンはノッチ指令部407へ送られる。
位置速度推定部406では、速度発電機5から得られる速度情報を積算し、トランスポンダ車上子11がトランスポンダ地上子10を通過時に得られる位置情報に加えることによって、自列車の現在位置を推定する。このようにして得られた自列車位置と自列車速度は、ノッチ指令部407へ送られる。

0040

ノッチ指令部407では、推奨走行パターンが無ければ、予め備えられている計画ランカーブに追随するようなブレーキノッチもしくは力行ノッチを選択する。推奨走行パターンが与えられた場合は、その推奨走行パターンに追随するようなブレーキノッチもしくは力行ノッチを選択する。ここで選ばれたノッチは、駆動装置12もしくはブレーキ装置6へ伝えられ、列車の加減速制御が行われる。

0041

以上の構成によれば、先行列車が次駅ホームトラックに在線していた場合に、その先行列車が駅を出発し、ホームトラックが扛上する時刻を予測し、その予測時刻にあわせて、一旦停止を避ける自動走行が実現可能である。このため、乗り心地や消費電力を改善し、ダイヤ乱れの拡大を抑制する事が運転士の操作が無くとも可能となる。

0042

以上のように、実施の形態3の自動運転装置によれば、実施の形態2に記載した運転支援装置を備え、かつ、推奨パターン作成部で作成された推奨パターンに追随してノッチを選択するノッチ指令部を備えたので、推奨パターンへの追随を運転士の操作に頼ることなく実現することができる。

0043

実施の形態4.
実施の形態1〜3は、一段ATCを用いた路線上を走行する車上の運転支援装置、もしくは自動運転装置についての実施の形態であったが、多段ATCを用いた路線上でも、同様に適用可能であり、これを次に実施の形態4として説明する。

0044

多段ATCとは、先行列車末尾の在線軌道回路に応じて、後続列車に対してレールを介してATC現示と呼ばれる制限速度を通知するシステムである。ATC現示は軌道回路単位で決定、伝送される。車上の多段ATC装置は、自列車速度がATC現示を越えていたら、ATC現示以下になるまでブレーキを出力する。先行列車在線軌道回路と、後続列車に対するATC現示は現示展開情報として例えば図9のように定められている。図9下部の表で五角形で示しているのが先行列車の位置である。例えば表の2行目にあるように、6Tに先行列車が在線している場合には、その手前の軌道回路に対しては、図9上部にも示すように、順に0、25、45、70、70というATC現示が伝えられる。この時、例えば後続列車が2Tに在線していれば、その制限速度は70km/hとなる。

0045

本実施の形態におけるシステムの全体構成図を図10に示す。図10において軌道2上を走行する列車1cは、運転支援装置4b,速度発電機5、ブレーキ装置6、ATC受信装置8a、運転台9、トランスポンダ車上子11、多段ATC装置13を備える。尚、先行列車3や、列車1cにおける速度発電機5、ブレーキ装置6、トランスポンダ車上子11、およびトランスポンダ地上子10は実施の形態1〜3と同様であるため、これら対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。

0046

ATC受信装置8aは、軌道回路からATC現示を受け取り、それを多段ATC装置13へ受け渡す。多段ATC装置13は、ATC受信装置8aから取得したATC現示と、速度発電機5から取得する自列車速度を比較し、自列車速度の方が大きければ、ブレーキ指令をブレーキ装置6に対して出力する。またATC現示は、多段ATC装置13から運転支援装置4bへ伝えられる。

0047

運転支援装置4bの構成図を図11に示す。運転支援装置4bは、次駅状況推定部400b、路線データベース401a、履歴保持部402a、入力部403a、通知部404、自列車在線位置推定部408を備えている。
自列車在線位置推定部408では、速度発電機5から得られる速度情報を積算して得られる走行距離を、トランスポンダ車上子11がトランスポンダ地上子10上を通過時に得られる位置情報に加えることによって、自列車の現在位置を推定する。こうして得られた自列車位置を路線データベース401a中の軌道回路の位置情報と照合する事によって、自列車がどの軌道回路に在線しているかを推定する。このようにして得られた自列車在線軌道回路は、次駅状況推定部400bへ送られる。

0048

路線データベース401aは、多段ATCに関する現示展開情報、軌道回路の位置やつながり情報・どの軌道回路がホームトラックに該当するのかという軌道回路情報、路線上の各駅の駅内在線時間を示すホームトラック標準在線時間情報、列車種別による通過・停車の区分などの情報を予め保持している。履歴保持部402aは、過去のATC現示や自列車在線軌道回路情報などを保持するものであり、最低でも直前1回の情報を保持するものとする。入力部403aは、多段ATC装置13から多段ATC情報を取得する入力部であり、通知部404は、実施の形態1と同様に、次駅状況推定部400bで求められたホームトラック扛上予想時刻を運転台9に通知するものである。次駅状況推定部400bでは、自列車在線軌道回路、ATC現示、路線データベース401aおよび履歴保持部402aを参照して、次駅ホームトラックの予想扛上時刻を算出する。その動作フロー図12を用いて説明する。ステップST102、ST103、ST106の動作は実施の形態1と同様である。

0049

先ず、多段ATC装置13と自列車在線位置推定部408から、それぞれATC現示と自列車在線軌道回路を取得する(ステップST201)。次に、自列車在線軌道回路と路線データベース401aを照合する事によって、次駅を特定する(ステップST102)。次に、次駅が先行列車の停車駅かどうかを路線データベース401aと照合する事によって判定する(ステップST103)。ステップST103で、判定がYesであれば、履歴保持部402aに保存されている直前のATC現示と自列車在線軌道回路と照合し、変化があったか調べる(ステップST204)。ステップST204の判定がYesであれば次に、ATC現示と自列車在線軌道回路と路線データベース401aを照合する事によって、先行列車の在線軌道回路を算出する(ステップST205)。この算出方法を図9を用いて次に説明する。

0050

例えば、自列車在線軌道回路が2Tで、直前の現示が45かつ、現在の現示が70であるならば、このような変化が生じるのは、先行列車末尾在線軌道回路が5Tから6Tへ変化した場合に限定できるため、この瞬間に先行列車が6Tへ完全進入したと確定できる。
また同様に、直前の自列車在線軌道回路が2TでATC現示が70であり、さらに現在の自列車在線軌道回路が3TでATC現示が45である場合、この組み合わせが生じる先行列車在線軌道回路は、6Tに限られるため、先行列車は6Tに在線していると確定できる。ただし、この場合は先行列車がいつ6Tに完全進入したのかは確定できない。

0051

次に、ステップST205で推定した先行列車末尾在線軌道回路が次駅ホームトラックに該当するかどうか確認する(ステップST106)。先行列車末尾在線軌道回路が一意に推定でき、なおかつそれが次駅ホームトラックであれば、判定はYesとなる。
ステップST103,ST204,ST106の判定がNoであれば、現在のATC現示と在線軌道回路を履歴保持部402aに記録して(ステップST208)、ステップST201に戻る。

0052

次に、ホームトラック扛上時刻(後続列車に対する駅手前の制限速度が上位に変化し、駅へ可能となる進入可能となる時刻)を算出する(ステップST207)。ステップST205での先行列車位置算出時に、先行列車がその軌道回路へ完全進入したタイミングが確定可能であれば、その時刻に対して、路線データベース401aに保持されているホームトラック標準在線時間を加えて求められる。また、状況によってはステップST205でホームトラックへの完全進入時刻が確定できない。その場合は、現在時刻に、状況に応じてホームトラック標準在線時間より小さな値を加えて、ホームトラック予想扛上時刻とする。例えば、現在時刻にホームトラック標準在線時間の半分を加えて、ホームトラック予想扛上時刻とする。これは、現在時刻で先行列車がホームトラックに完全進入してから、期待値としてホームトラック標準在線時間の半分が経過しているとみなすものである。次駅状況推定部400bで求められたホームトラック扛上予想時刻は、運転台9に伝送して表示する。

0053

なお、駅内在線時間としてホームトラック標準在線時間を用いる代わりに、各駅一律の固定時間などを用いても良い。また、ATCの設定によっては、後続列車が駅に進入可能になるためには、先行列車がホームトラックよりさらに遠方の軌道回路を完全進出する必要がある。このような駅では、該当軌道回路とホームトラックをあわせて仮想のホームトラックとみなして、路線データベース401aに保持される駅内在線時間を設定すればよい。

0054

以上のように、実施の形態4の運転支援装置によれば、自列車の軌道回路毎制限速度信号を含む多段ATC情報を入力する入力部と、先行列車末尾の在線軌道回路と制限速度信号毎の軌道回路との関連を示す現示展開情報と、軌道回路間配置関係および軌道回路と駅との関係を示す軌道回路情報と、任意の駅における駅内在線時間情報とを保持する路線データベースと、列車の走行位置と、軌道回路情報とに基づいて、自列車の在線軌道回路を推定する自列車在線位置推定部と、多段ATC情報の履歴と、自列車在線位置推定部で推定された自列車在線軌道回路の情報の履歴とを保持する履歴保持部と、履歴保持部の情報と現示展開情報とを用いて先行列車位置を推定し、推定された先行列車位置の情報と軌道回路情報とに基づいて、先行列車が次駅を進出し、駅手前のATC現示が上位に変化する時間を推定する次駅状況推定部とを備えたので、多段ATCを採用している路線であっても、次駅ホームトラックの扛上時刻を予測する事が可能となり、駅手前の制限速度が上位に変化し、駅へ可能となる進入可能となる時刻が予測できるため、低コストで円滑な運転を実現することができる。

0055

また、実施の形態4の運転支援装置によれば、次駅状況推定部は、先行列車位置を推定した結果、先行列車が次駅ホームトラックに完全進入した時点であると確定した場合は、現在時刻に駅内在線時間を加えることによって、先行列車が次駅を進出し駅手前のATC現示が上位に変化する時間を推定し、完全進入した時点であると確定できなかった場合は、現在時刻に駅内在線時間以下の値を加えることによって先行列車が次駅を進出し駅手前のATC現示が上位に変化する時間を推定するようにしたので、完全進出時刻を簡便かつ確実に推定することができる。

0056

実施の形態5.
実施の形態1〜実施の形態4においては、先行列車が次駅に停車する事が分かっている場合にのみ次駅ホームトラック予想扛上時刻が算出可能であり、先行列車が次駅を通過するか停車するか分からない場合には、適切な予想を行う事は困難であった。そこで先行列車の通過・停車を判定する通停推定機能を加える事によって、この問題を解決する事ができるようにした例を実施の形態5として次に説明する。

0057

図13は、実施の形態5における運転支援装置を示す構成図である。
運転支援装置4cは、路線データベース401、履歴保持部402、入力部403、通知部404、通停推定部409、次駅状況推定部400cを備える。尚、路線データベース401〜通知部404は実施の形態1と同様である。通停推定部409では、次駅ホームトラック直前の軌道回路の完全進入〜完全進出までの時間を計測する事によって、先行列車が通過列車か停車列車かを判定し、その結果を次駅状況推定部400cに渡す。

0058

次駅状況推定部400cの動作は図3に示した実施の形態1の動作と同様であるが、ステップST103において、先行列車の通過・停車を判定する際に、通停推定部409から得られた推定結果を用いる。以下、通停推定部409の動作を説明する。
先行列車が次駅を通過する場合、次駅手前では、停車する場合より高速で走行を行う。
そのため、ホームトラック直前の軌道回路の在線時間は、通過時の方が停車時より短くなる。そのため、ホームトラック直前の軌道回路(以下、通停判定軌道回路と称す)の、完全進入時刻と完全進出時刻算出を、実施の形態1〜4のホームトラック完全進入時刻の算出と同様に行う事によって、通停判定軌道回路の在線時間が測定可能となる。算出した通停判定軌道回路の在線時間が、定められた閾値以下であれば、先行列車は通過と判定される。この閾値は路線データベース401に予め保持されるとする。

0059

例えば図1において、駅Aの直前の軌道回路2Cを通停判定軌道回路とする。軌道回路2Cの長さがLで、通過列車の計画ランカーブ上の駅A通過速度がVaだったとすると、通過列車が軌道回路2Cを完全進入してから完全進出するまでの予想時間はおおよそVa/Lとなる。これに余裕時分αを加えた値を前述の閾値とすればよい。後続列車で計測された、先行列車の軌道回路2Cの完全進入から完全進出までの時間がTsであったとすれば、式(7)が成立すれば、先行列車が通過列車だと判定できる。



以上の構成によれば、これまで通過・停車が判断ができなかった駅に対しても通過・停車が推定できる。そして、次駅状況推定部400cは、このような駅についても次駅ホームトラック扛上時刻を予測することができる。

0060

尚、通停推定に用いる軌道回路には、ホームトラック直前の軌道回路に代えてホームトラックそのものを利用しても良い。この場合は、先行列車がホームトラックに完全進入後、通停の判定に一定時間必要になるため、その間は次駅ホームトラック扛上予測を保留する必要がある。また、上記例では実施の形態1の構成に対して適用したが、多段ATCを用いる実施の形態4の構成に対して適用することも可能である。但し、この場合は次駅状況推定部400cで求めた先行列車位置の履歴を保持しておくことが必要である。

0061

以上のように、実施の形態5の運転支援装置によれば、先行列車が次駅手前の軌道回路の通過に要する時間を予め決められた閾値と比較し、閾値よりも長い時間で通過した場合は、先行列車は次駅に停止すると判定する通停推定部を備え、次駅状況推定部は、通停推定部での判定結果に応じて、先行列車が次駅を進出する時間推定方法を変えるようにしたので、先行列車が次駅を通過するか停車するかの情報を備えていない場合であっても、先行列車の通過か停止かを判定することができ、従って、ホームトラック完全進出時刻を的確に推定することができる。

0062

実施の形態6.
実施の形態1〜実施の形態4においては、先行列車がホームトラックに完全進入する時刻を検知し、それを基準に駅手前の停止速度パターンの解消や制限速度上位変化の時間を推定しているが、ホームトラックより手前の軌道回路へ完全進入する時刻を検知し、それを基準にしても良い。この場合、駅内在線時間として、該駅手前軌道回路への完全進入から、ホームトラック完全進出時刻までにかかる時間を用いる。本実施の形態によれば、より早い段階で駅手前の停止速度パターンの解消や制限速度上位変化の時間を推定できるため、より円滑な運転を支援する事が可能となる。

0063

以上のように、この発明に係る運転支援装置は、先行列車の状態に基づいて低コストで駅手前での過剰な加減速を避けることが可能であり、乗り心地が良く、さらに消費電力を抑えた鉄道システムの実現に有用である。

0064

1,1a,1b,1c列車、2軌道、2A,2B,2C、2D軌道回路、3先行列車、4,4a,4b,4c運転支援装置、5速度発電機、6ブレーキ装置、7一段ATC装置、8,8aATC受信装置、9運転台、10トランスポンダ地上子、11トランスポンダ車上子、12駆動装置、13多段ATC装置、400,400a,400b,400c次駅状況推定部、401,401a路線データベース、402,402a履歴保持部、403,403a 入力部、404通知部、405推奨パターン作成部、406 位置速度推定部、407ノッチ指令部、408 自列車在線位置推定部、409 通停推定部。

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