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技術 頸部リンパ節転移分析方法及び頭頸部癌の腫瘍マーカー

出願人 国立大学法人愛媛大学
発明者 中城公一浜川裕之合田啓之
出願日 2010年12月22日 (9年2ヶ月経過) 出願番号 2011-547592
公開日 2013年5月9日 (6年9ヶ月経過) 公開番号 WO2011-078223
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード サーベイ 変化倍率 センチネルリンパ節生検 病理組織検査 センチネルリンパ節 ディテクション 医療目的 担癌患者
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題・解決手段

頭頸部癌頸部リンパ節転移分析方法、及び、それに用いる頭頸部癌の腫瘍マーカーの提供。頸部リンパ節試料における、配列表の配列番号1〜36で表される遺伝子からなる群から選択される少なくとも1つの遺伝子の発現量を測定すること、及び、前記発現量を基準値と比較することを含む頸部リンパ節への頭頸部癌の転移分析する方法。配列表の配列番号1〜36で表される遺伝子からなる群から選択される1若しくは複数の遺伝子、又は、それ若しくはそれらの発現産物及び又は発現量からなり、前記頸部リンパ節転移分析方法に用いる頭頸部癌の腫瘍マーカー。

概要

背景

頭頸部癌治療において大きな問題の一つにリンパ節転移の制御が挙げられる。頸部リンパ節転移の有無、さらに転移リンパ節個数患者の予後を大きく左右するため、頸部リンパ節の転移様相の正確な把握は治療上必要不可欠である。しかしながら、触診画像診断(CT,MRI,Echo,PET−CT)などの方法では潜在的なリンパ節転移(約5mm未満)の検出には限界がある。そこで、より正確なリンパ節転移診断としてセンチネルリンパ節生検が行われている(非特許文献1〜3)。センチネルリンパ節生検は1992年にMortonらが悪性黒色腫に対してその有用性報告して以来(非特許文献4)、種々の癌腫に対しても臨床応用がなされており、頭頸部癌に対してもその有用性が既に報告されている(非特許文献2及び3)。

また、これまでのリンパ節微小転移診断に関する研究の結果、最大径が200μm以上の転移巣が存在すればH&E染色で検出可能であること、サイトケラチン免疫染色を併用することによりさらに少数腫瘍細胞でも確認できること、リアルタイム定量化RTPCR法による遺伝子診断では1から数個の腫瘍細胞が検出可能で、検出のための標的遺伝子としてはSquamous Cell Carcinoma Antigen(SCCA)遺伝子が有用であることが明らかにされている(非特許文献5〜8)。さらに、頭頸部扁平上皮癌のリンパ節転移がPVA(pemphigus vulgaris antigen)遺伝子の発現量に基づきQRT−PCR法を用いて判断できることが開示されている(非特許文献9)。

また、頭頸部癌の腫瘍マーカーとしては、これまで幾つかの遺伝子が開示されている(特許文献1及び2)。

概要

頭頸部癌の頸部リンパ節転移の分析方法、及び、それに用いる頭頸部癌の腫瘍マーカーの提供。頸部リンパ節試料における、配列表の配列番号1〜36で表される遺伝子からなる群から選択される少なくとも1つの遺伝子の発現量を測定すること、及び、前記発現量を基準値と比較することを含む頸部リンパ節への頭頸部癌の転移を分析する方法。配列表の配列番号1〜36で表される遺伝子からなる群から選択される1若しくは複数の遺伝子、又は、それ若しくはそれらの発現産物及び又は発現量からなり、前記頸部リンパ節転移分析方法に用いる頭頸部癌の腫瘍マーカー。

目的

特開2007−52号公報
特開2009−34071号公報




一彦、平山星夫 他:腋窩郭清指標としての錫コロイドを用いた sentinel lymph node biopsy:医学のあゆみ 192:147-150,2000.
塚 崇、鹿野真人 他:センチネルリンパ節生検による頸部リンパ節転移予測:頭頸部腫瘍27:192-197,2001.
木原圭一、能直幸 他:口腔癌N0 症例におけるセンチネルリンパ節の検討: 頭頸部腫瘍28:108-113,2002.
Morton D, Wen DR, et al: Technical details of intraoperative lymphatic mappingfor early stage melanoma: Arch Surg 127:392-399,1992.
Hamakawa H, Fukuzumi M, et al: Genetic detection of micrometastases based on SCC antigenmRNAin cervical lymph nodes of head and neck cancer: Clin Exp Metastasis 17:593-599,1999.
Hamakawa H, Takemura K, et al: Histological study on pN upgrading of oral cancer: Virchows Arch 437:116-121,2000.
西詔子:リアルタイム定量化PCR法を用いた口腔癌頸部リンパ節微小転移の遺伝子診断:媛医学21:183-191,2002.
公一、新谷 悟、大西詔子、門永顕、川裕之:口腔悪性腫瘍におけるセンチネルリンパ節微小転移の術中迅速診断: 頭頸部腫瘍 29:64-69,2003.
Ferris L. Robert et al., Cancer Res., vol.65 (6) 2147-2156, 2005.






しかしながら、頸部リンパ節の転移の正確な把握に有用なさらなる分析方法やそれに用いる頭頸部癌の腫瘍マーカーが望まれている

効果

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請求項1

頸部リンパ節への頭頸部癌転移分析する方法であって、頸部リンパ節試料における、配列表の配列番号1〜8及び10〜36で表される遺伝子からなる群から選択される少なくとも1つの遺伝子の発現量を測定すること、及び、前記発現量を基準値と比較することを含む、頸部リンパ節転移分析方法

請求項2

基準値が正常頸部リンパ節における発現量であって、前記試料の発現量が基準値よりも3倍以上高い場合に前記試料頸部リンパ節に頭頸部癌の転移している可能性が高いとする基準値である、請求項1記載の頸部リンパ節転移分析方法。

請求項3

基準値が正常頸部リンパ節における発現量の3倍以上の量であって、前記試料の発現量が基準値よりも高い場合に前記試料頸部リンパ節に頭頸部癌の転移している可能性が高いとする基準値である、請求項1記載の頸部リンパ節転移分析方法。

請求項4

前記遺伝子が、配列表の配列番号6で表されるANXA8L2遺伝子である、請求項1から3のいずれかに記載の頸部リンパ節転移分析方法。

請求項5

配列表の配列番号1〜8及び10〜36で表される遺伝子からなる群から選択される1若しくは複数の遺伝子、又は、それ若しくはそれらの発現産物及び又は発現量からなり、請求項1から3のいずれかに記載の頸部リンパ節転移分析方法に用いる、頭頸部癌の腫瘍マーカー

技術分野

0001

本発明は、頸部リンパ節転移分析方法及び頭頸部癌腫瘍マーカーに関する。

背景技術

0002

頭頸部癌の治療において大きな問題の一つにリンパ節転移の制御が挙げられる。頸部リンパ節転移の有無、さらに転移リンパ節個数患者の予後を大きく左右するため、頸部リンパ節の転移様相の正確な把握は治療上必要不可欠である。しかしながら、触診画像診断(CT,MRI,Echo,PET−CT)などの方法では潜在的なリンパ節転移(約5mm未満)の検出には限界がある。そこで、より正確なリンパ節転移診断としてセンチネルリンパ節生検が行われている(非特許文献1〜3)。センチネルリンパ節生検は1992年にMortonらが悪性黒色腫に対してその有用性報告して以来(非特許文献4)、種々の癌腫に対しても臨床応用がなされており、頭頸部癌に対してもその有用性が既に報告されている(非特許文献2及び3)。

0003

また、これまでのリンパ節微小転移診断に関する研究の結果、最大径が200μm以上の転移巣が存在すればH&E染色で検出可能であること、サイトケラチン免疫染色を併用することによりさらに少数腫瘍細胞でも確認できること、リアルタイム定量化RTPCR法による遺伝子診断では1から数個の腫瘍細胞が検出可能で、検出のための標的遺伝子としてはSquamous Cell Carcinoma Antigen(SCCA)遺伝子が有用であることが明らかにされている(非特許文献5〜8)。さらに、頭頸部扁平上皮癌のリンパ節転移がPVA(pemphigus vulgaris antigen)遺伝子の発現量に基づきQRT−PCR法を用いて判断できることが開示されている(非特許文献9)。

0004

また、頭頸部癌の腫瘍マーカーとしては、これまで幾つかの遺伝子が開示されている(特許文献1及び2)。

0005

特開2007−52号公報
特開2009−34071号公報

先行技術

0006

一彦、平山星夫 他:腋窩郭清指標としての錫コロイドを用いた sentinel lymph node biopsy:医学のあゆみ 192:147-150,2000.
塚 崇、鹿野真人 他:センチネルリンパ節生検による頸部リンパ節転移予測:頭頸部腫瘍27:192-197,2001.
木原圭一、能直幸 他:口腔癌N0 症例におけるセンチネルリンパ節の検討: 頭頸部腫瘍28:108-113,2002.
Morton D, Wen DR, et al: Technical details of intraoperative lymphatic mappingfor early stage melanoma: Arch Surg 127:392-399,1992.
Hamakawa H, Fukuzumi M, et al: Genetic detection of micrometastases based on SCC antigenmRNAin cervical lymph nodes of head and neck cancer: Clin Exp Metastasis 17:593-599,1999.
Hamakawa H, Takemura K, et al: Histological study on pN upgrading of oral cancer: Virchows Arch 437:116-121,2000.
西詔子:リアルタイム定量化PCR法を用いた口腔癌頸部リンパ節微小転移の遺伝子診断:媛医学21:183-191,2002.
公一、新谷 悟、大西詔子、門永顕、川裕之:口腔悪性腫瘍におけるセンチネルリンパ節微小転移の術中迅速診断: 頭頸部腫瘍 29:64-69,2003.
Ferris L. Robert et al., Cancer Res., vol.65 (6) 2147-2156, 2005.

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、頸部リンパ節の転移の正確な把握に有用なさらなる分析方法やそれに用いる頭頸部癌の腫瘍マーカーが望まれている。そこで、本発明は、頭頸部癌の頸部リンパ節転移の分析方法、及び、それに用いる頭頸部癌の腫瘍マーカーを提供する。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、頸部リンパ節への頭頸部癌の転移を分析する方法であって、頸部リンパ節試料における、配列表の配列番号1〜36で表される遺伝子からなる群から選択される少なくとも1つの遺伝子の発現量を測定すること、及び、前記発現量を基準値と比較することを含む頸部リンパ節転移分析方法に関する。

0009

また、本発明は、その態様として、配列表の配列番号1〜36で表される遺伝子からなる群から選択される1若しくは複数の遺伝子、又は、それ若しくはそれらの発現産物及び又は発現量からなり、本発明の頸部リンパ節転移分析方法に用いる頭頸部癌の腫瘍マーカーに関する。

発明の効果

0010

本発明は、頭頸部癌の頸部リンパ節への転移の可能性を分析できるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0011

図1は、頭頸部癌転移リンパ節及び正常リンパ節において、配列表の配列番号6で表される遺伝子の発現量(ANXA8L2mRNA発現量)を測定した一例を示すグラフである。
図2は、頭頸部癌転移リンパ節及び正常リンパ節において、配列表の配列番号9で表される遺伝子の発現量(DSG3 mRNA発現量)を測定した一例を示すグラフである。
図3は、頭頸部癌転移リンパ節及び正常リンパ節において、配列表の配列番号13で表される遺伝子の発現量(S100P mRNA発現量)を測定した一例を示すグラフである。
図4は、頭頸部癌転移リンパ節及び正常リンパ節において、配列表の配列番号23で表される遺伝子の発現量(MMP1 mRNA発現量)を測定した一例を示すグラフである。
図5は、CK19mRNA陰性頭頸部癌転移リンパ節8検体について、ANXA8L及びDSG3遺伝子のmRNAをRT−PCR法で検出した結果の一例を示すグラフである。
図6は、転移陰性7検体及び転移陽性12検体について、ANXA8L、及びDSG3遺伝子のmRNAをRT−PCR法で検出した結果の一例を示すグラフである。
図7は、転移陰性7検体及び転移陽性12検体について、KRT−1、KRT−6A、MMP1、S100P、ARSI遺伝子のmRNAをRT−PCR法で検出した結果の一例を示すグラフである。

0012

本発明は、頭頸部扁平上皮癌転移頸部リンパ節と非担癌患者由来頸部リンパ節(いずれもヒト頸部リンパ節)の全遺伝子発現量を比較し、転移リンパ節においてのみ共通して発現亢進が認められ、かつ唾液腺において発現が検出されない遺伝子として同定された下記表1に示す36種類の遺伝子が、頭頸部癌の頸部リンパ節への転移の可能性を示す腫瘍マーカーとして使用できるという知見に基づく。

0013

本明細書において「非担癌患者由来頸部リンパ節」とは、頸部の手術を受けた良性疾患(癌ではない)の患者から提供を受けた頸部リンパ節をいう。非担癌患者由来頸部リンパ節は、癌が転移してない頸部リンパ節(すなわち、正常頸部リンパ節)の遺伝子発現状態を示すことができる。したがって、頭頸部癌が転移した頸部リンパ節において、非担癌患者由来頸部リンパ節における発現量よりも多い発現量を示す遺伝子は、頭頸部癌の頸部リンパ節への転移の可能性を示す腫瘍マーカーとして使用できる。下記表1に示す36種類の遺伝子は、この条件を満たす。

0014

また、「唾液腺」の細胞は、しばしば頸部リンパ節に存在することがある細胞である。よって、唾液腺にて発現が検出される遺伝子は、癌転移頸部リンパ節においてのみ共通して発現亢進を示す遺伝子の偽陽性の原因となるおそれがある。下記表1に示す36種類の遺伝子は、唾液腺において発現が検出されないため、これらの遺伝子は前述の偽陽性のリスクが低減された腫瘍マーカーとして使用できる。これらの中でも、転移の検出感度及び偽陽性低減の観点から、腫瘍マーカーとして使用する遺伝子としては、ANXA8L2、DSG3、KRT1、KRT6A、ARSI、MMP1及びS100Pが好ましく、ANXA8L2、KRT1、KRT6A、ARSI、MMP1及びS100Pがより好ましく、ANXA8L2がさらに好ましい。なお、前記DSG3遺伝子は、PVA遺伝子とも呼ばれる(以下同様)。

0015

0016

[頸部リンパ節転移を分析する方法]
すなわち、本発明は、1つの態様として、頸部リンパ節への頭頸部癌の転移を分析する方法(以下、「本発明の分析方法」ともいう)であって、頸部リンパ節試料における配列表の配列番号1〜36で表される遺伝子からなる群から選択される少なくとも1つの遺伝子の発現量を測定すること、及び、前記発現量を基準値と比較することを含む頸部リンパ節転移分析方法に関する。

0017

本発明の分析方法の一実施形態として、頸部リンパ節試料における、配列表の配列番号1〜8及び10〜36で表される遺伝子からなる群から選択される少なくとも1つの遺伝子の発現量を測定すること、及び、前記発現量を基準値と比較することを含む、頸部リンパ節転移分析方法が挙げられる。

0018

本明細書において「頭頸部癌」とは、脳と眼を除いた首から上にできる癌をいい、一般的に、口腔癌、副鼻腔癌、口唇癌、咽頭癌喉頭癌、頭部腫瘍の癌を含む。また、本明細書において「腫瘍マーカー」とは、癌細胞目印マーカー)となる物質であって、癌の診断や治療の判断基準として役立つ物質の総称をいう。

0019

本明細書において「遺伝子の発現量を測定すること」とは、遺伝子の発現産物の量を測定することをいう。本明細書において「発現産物」は、細胞から抽出されるトータルRNAに含まれるRNA成分を含み、遺伝子の転写産物(mRNA)を含みうる。遺伝子の発現量の測定方法は、特に制限されず、例えば、定量PCR法やDNAマイクロアレイ法によって行うことができる。遺伝子の発現量は、内部標準に対する相対的なものであってもよく、比較対象試料(例えば、正常細胞試料)に対する相対的なものであってもよい。測定対象の遺伝子は、特に言及が無い場合は、上記表1の遺伝子(配列表の配列番号1〜36で表される遺伝子)をいう。

0020

本明細書において「頸部リンパ節試料」とは、頭頸部癌の転移の有無を分析する対象となるリンパ節をいい、例えば、センチネルリンパ節、並びに、頭頸部癌が存在する又は存在した周辺のその他の頸部リンパ節、及び、頸部郭清により摘出されるリンパ節を含みうる。遺伝子の発現量を測定する場合には、分析精度向上の点から、対象から回収されたリンパ節全体からトータルRNAを回収してcDNA又はcRNAを調製し、それらを用いて定量PCR法やDNAマイクロアレイ法を行うことが好ましい。

0021

本明細書において「発現量を基準値と比較すること」とは、分析試料における発現量と予め設定しうる基準値とを比較することをいう。一実施形態において、基準値は、正常頸部リンパ節における発現量とすることができる。この形態において、試料の発現量が該基準値よりも好ましくは3倍以上、より好ましくは10倍以上、さらに好ましくは30倍以上、さらにより好ましくは100倍以上高い場合に、該試料の頸部リンパ節に頭頸部癌の転移している可能性が高いとすることができる。その他の実施形態において、基準値は、正常頸部リンパ節における発現量の好ましくは3倍以上、より好ましくは10倍以上、さらに好ましくは30倍以上、さらにより好ましくは100倍以上の量とすることができる。この形態において、前記試料の発現量が基準値よりも高い場合に前記試料の頸部リンパ節に頭頸部癌の転移している可能性が高いとすることができる。

0022

本明細書において「正常頸部リンパ節」は、ヒト正常個体の頸部リンパ節を含みうるが、完全な健常人のリンパ節の摘出は倫理的に困難である。したがって、本明細書において「正常頸部リンパ節」は、頸部の手術を受けた良性疾患(癌ではない)の患者から提供を受けた頸部リンパ節である「非担癌患者由来頸部リンパ節」を含みうる。

0023

本発明の分析方法において、発現量を測定・比較する遺伝子の数は、1種類でもよいが、分析の精度の点からは、2種類以上が好ましく、5種類以上がより好ましく、10種類以上がさらに好ましく、20種類以上がさらにより好ましい。

0024

現在、頭頸部癌の治療方法においては、頸部郭清、すなわち、頸部に存在するリンパ節(約30個)を全て摘出することが一般的に行われる。本発明の分析方法をこれらの摘出された頸部リンパ節に適用することにより、頸部に何個のリンパ節転移が存在したかを明らかにすることができ、その個数によって以後の治療方針を検討・決定することができる。

0025

また、いきなり頸部郭清を行なうのではなく、センチネルリンパ節(1−2個)を摘出し、転移の有無を確認し、転移がなければ頸部郭清を行わず、転移があれば頸部郭清を行う方法(センチネルリンパ節生検)に対しても、本発明の分析方法を適用できる。なお、本発明の分析方法は、一実施形態において、医療目的でヒトのリンパ節への頭頸部癌の転移を判断すること、並びに、医療目的でヒトのリンパ節への頭頸部癌転移の有無に基づき処方や治療・手術計画について判断することを含まない。また、本発明の分析方法は、その他の実施形態において、医療目的でヒトのリンパ節への頭頸部癌の転移を判断すること、並びに、医療目的でヒトのリンパ節への頭頸部癌転移の有無に基づき処方や治療・手術計画について判断することを含んでもよい。

0026

[頭頸部癌の腫瘍マーカー]
本発明は、その他の態様として、配列表の配列番号1〜36で表される遺伝子からなる群から選択される1若しくは複数の遺伝子、又は、それ若しくはそれらの発現産物及び又は発現量からなる頭頸部癌の腫瘍マーカー(以下、「本発明の頭頸部癌の腫瘍マーカー」ともいう)に関する。前記発現産物は、遺伝子のDNAを鋳型として転写されるRNA鎖、すなわち、RNAポリメラーゼにより合成されるRNA鎖、及び、転写後細胞内で修飾されたRNA鎖を含みうる。前記発現産物に含まれるRNA鎖は、特に制限されず、例えば、メッセンジャーRNA(mRNA)、リボソームRNArRNA)、運搬RNAtRNA)、核内低分子RNA(snRNA)、核小体分子RNA(snoRNA)、及びその他のタンパク質指令しないRNA等が挙げられる。これらのRNA鎖は、転写後、細胞内でプロセッシングされたものも含む。また、本明細書において、「遺伝子」とは、生体機能と関連するDNAの任意の断片をいう。なお、配列表のポリヌクレオチドがRNAを表す場合、t(チミン塩基は、u(ウラシル)塩基に読み替えるものとする。

0027

本発明の頭頸部癌の腫瘍マーカーは、頸部リンパ節においる頭頸部癌の転移の指標とすることができる。すなわち、本発明の頭頸部癌の腫瘍マーカーが頸部リンパ節において発現亢進している場合には、該リンパ節に転移が起こっている可能性が高くなる。したがって、一実施形態において、本発明の頭頸部癌の腫瘍マーカーは、頭頸部癌の配列表の配列番号1〜36で表される遺伝子からなる群から選択される遺伝子の転写産物からなり、本発明の分析方法に用いるための頭頸部癌の腫瘍マーカーである。また、その他の実施形態において、本発明の頭頸部癌の腫瘍マーカーは、頭頸部癌の配列表の配列番号1〜8及び10〜36で表される遺伝子からなる群から選択される少なくとも1つの遺伝子の転写産物からなり、本発明の分析方法に用いるための頭頸部癌の腫瘍マーカーである。

0028

本発明は、さらなる態様として、本発明の腫瘍マーカーの使用であって、頸部リンパ節又は頭頸部リンパ節試料における頭頸部癌の転移を分析若しくは判定又は判断することにおける本発明の腫瘍マーカーの腫瘍に関する。その一実施形態として、本発明の分析方法における本発明の腫瘍マーカーの使用が挙げられる。

0029

以下、実施例を用いて本発明をさらに説明する。

0030

(実施例1)
[試料]
頭頸部扁平上皮癌患者由来の転移リンパ節(7例)を試料とした。また、比較対象試料として非担癌患者由来のリンパ節(1例)及び唾液腺(5例)を用いた。なお、検体の本研究への使用については、患者本人及び家族へ十分な説明を行った上で、文書による同意を得た。

0031

解析
各試料を機械的にホモジナイズした後、Isogen(Nippon Gene, Toyama, Japan)を用いてトータルRNAを抽出、精製した。トータルRNA1μgをケミルミネッセントRT−IVTラベリングキット(Applied Biosystems, FosterCity, CA)を用いて増幅し、digoxigenin(Roche Diagnostics, Basel, Switzerland)標識cRNAを合成した。合成cRNAをヒトゲノムサーベイマイクロアレイ(Applied Biosystems)にハイブリダイゼーションさせたのち、ケミルミネッセントディテクションキット(Applied Biosystems)を用いて洗浄、発色後、Applied Biosystems 1700マイクロアレイアナライザー(Applied Biosystems)を用いて29,098遺伝子の発現定量を行った。各症例の遺伝子発現量の比較はGene Spring GX7.3(Agilent Technologies, SantaClara, CA)を用いて解析した。

0032

[腫瘍マーカーの同定]
頭頸部扁平上皮癌転移リンパ節7検体と非担癌患者由来リンパ節1検体の全遺伝子発現量を比較した。非転移リンパ節と比較して、転移リンパ節においてのみ共通して3倍以上の発現亢進が認められ、かつ唾液腺において発現が検出されない遺伝子を腫瘍マーカーとして36種類同定した(上記表1、配列表の配列番号1〜36で表される遺伝子)。各遺伝子における発現亢進の度合いを上記表1において「変化倍率」として示す。同定されたRefSeqあるいはUniGeneに登録されていない新規遺伝子が2種類認められ(配列表の配列番号8及び12で表される遺伝子)、また癌との関連が報告されている遺伝子が12種類含まれていた。

0033

[腫瘍マーカーの使用]
配列表の配列番号6、9、13、及び23の遺伝子(それぞれ、ANXA8L2、DSG3(PVA)、S100P、MMP1遺伝子)のmRNAの発現量を、新たな9サンプルの頭頸部扁平上皮癌転移リンパ節について測定し、その発現量を正常リンパ節(非担癌患者由来のリンパ節)における発現量と比較した。発現量の測定は、リアルタイム定量化RT‐PCR法にて行った。すなわち、各リンパ節組織由来TOTAL RNA 100 ngを鋳型とし、それぞれのmRNAを特異的なプライマーを用いてLight Cycler(Roche Diagnostics)にて逆転写及び増幅した。同時に、TaqMan(登録商標プローブ(Applied Biosystems)又はSYBR(登録商標)Green I(Takara, Otsu, Japan)を用いて増幅産物量を検出することにより各遺伝子の発現量を定量した。

0034

その結果を図1〜4に示す。これらの図に示すとおり、前記4つの遺伝子は、全ての頭頸部扁平上皮癌転移リンパ節サンプルにおいて正常リンパ節サンプルにおける発現量を超える発現量を示し、また、前記4つの遺伝子は、1サンプルを除く全ての頭頸部扁平上皮癌転移リンパ節サンプルにおいて正常リンパ節サンプルにおける発現量の3倍を超える発現量を示した。

0035

(実施例2)
[試料]
Cytokeratin19(CK19)mRNAを検出対象とした従来のがん転移遺伝子検査では転移が陰性と判断されたが、顕微鏡による病理組織検査によって頭頸部癌が転移していたことが判明したリンパ節8検体を試料として用いた。なお、検体の本研究への使用については、患者本人及び家族へ十分な説明を行った上で、文書による同意を得た。

0036

[腫瘍マーカーの使用]
配列表の配列番号6及び9の遺伝子(それぞれ、ANXA8L2及びDSG3(PVA)遺伝子)のmRNAの発現量を、前記試料ついて測定し、その発現量を正常リンパ節(非担癌患者由来のリンパ節)における発現量と比較した。発現量の測定は、前記実施例1と同様にリアルタイム定量化RT‐PCR法にて行った。

0037

その結果を図5に示す。図5に示す通り、ANXA8L2遺伝子については、全ての検体で発現が検出された。また、DSG3(PVA)遺伝子は、2検体(25%)を除き、発現が検出された。

0038

(実施例3)
[試料]
実施例1及び2とは異なる新たな頭頸部扁平上皮癌患者由来の転移リンパ節(12例)を試料とし、また、比較対象試料として新たな非担癌患者由来のリンパ節(7例)を用いた。なお、検体の本研究への使用については、患者本人及び家族へ十分な説明を行った上で、文書による同意を得た。

0039

[腫瘍マーカーの使用]
配列表の配列番号6、9、4、2、23、13、及び32の遺伝子(それぞれ、ANXA8L、DSG3(PVA)、KRT−1、KRT−6A、MMP1、S100P、及びARSI遺伝子)のmRNAの発現量を、前記試料ついて測定し、その発現量を比較対象試料における発現量と比較した。発現量の測定は、前記実施例1と同様にリアルタイム定量化RT‐PCR法にて行った。

実施例

0040

その結果を図6及び7に示す。図6に示す通り、ANXA8L2及びDSG3(PVA)遺伝子については、正常リンパ節で全く発現が認められなかった。また、図7に示すとおり、KRT−1、KRT−6A、MMP1、S100P、及びARSI遺伝子についても、転移リンパ節において、正常リンパ節に比べて有意に発現が上昇していた。

0041

本発明は、例えば、頭頸部癌の治療の分野で有用である。

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