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技術 半導体発光素子及び半導体発光装置

出願人 株式会社東芝
発明者 勝野弘大場康夫金子桂櫛部光弘
出願日 2009年9月1日 (11年2ヶ月経過) 出願番号 2010-509048
公開日 2013年1月31日 (7年9ヶ月経過) 公開番号 WO2011-027418
状態 特許登録済
技術分野 LED素子(パッケージ以外) 発光ダイオード LED素子のパッケージ
主要キーワード 実装特性 テーパ形 緩和構造 上層金属層 赤色可視光 紫外帯域 付活物質 n型半導体
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2013年1月31日)のものです。
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図面 (11)

課題・解決手段

n型半導体層と、p型半導体層と、前記n型半導体層と前記p型半導体層との間に設けられた発光層と、を有する積層構造体と、前記p型半導体層に接して設けられたp側電極と、前記n型半導体層に接して設けられたn側電極と、前記n型半導体層に接して設けられ、前記発光層から放出される光に対する反射率が前記n側電極の前記光に対する反射率よりも高い高反射絶縁層と、前記n側電極の少なくとも一部と、前記高反射絶縁層の少なくとも一部と、の上に設けられ、前記n側電極に電気的に接続された上層金属層と、を備え、前記n側電極の前記n型半導体層に接触する領域の面積は、前記高反射絶縁層が前記n型半導体層と前記上層金属層とに挟まれている領域の面積よりも小さいことを特徴とする半導体発光素子が提供される。これにより、実装性が高く、動作特性が良好で、光取り出し効率が高い半導体発光素子及び半導体発光装置が提供できる。

概要

背景

LED(Light Emitting Diode)などの半導体発光素子においては、発光層で生じた光が素子の外部に直接取り出される他、素子内の各種の界面や各種の電極などによって反射して外部に取り出される。

光取り出し効率を上げるために、素子形状電極形状などの適正化が行われるが、素子の動作電流実装のための電極形状、及び、光反射特性に各種の制約があり、適正化による光取り出し効率の向上には限界がある。

特許文献1には、光取り出し効率向上のために、フリップチップマウント型の半導体発光素子の主面の一部及び側面に反射性誘電多層膜を設ける構成が開示されているが、動作特性、光取り出し効率、金バンプ配置の容易性などの実装性の点で改良の余地がある。

概要

n型半導体層と、p型半導体層と、前記n型半導体層と前記p型半導体層との間に設けられた発光層と、を有する積層構造体と、前記p型半導体層に接して設けられたp側電極と、前記n型半導体層に接して設けられたn側電極と、前記n型半導体層に接して設けられ、前記発光層から放出される光に対する反射率が前記n側電極の前記光に対する反射率よりも高い高反射絶縁層と、前記n側電極の少なくとも一部と、前記高反射絶縁層の少なくとも一部と、の上に設けられ、前記n側電極に電気的に接続された上層金属層と、を備え、前記n側電極の前記n型半導体層に接触する領域の面積は、前記高反射絶縁層が前記n型半導体層と前記上層金属層とに挟まれている領域の面積よりも小さいことを特徴とする半導体発光素子が提供される。これにより、実装性が高く、動作特性が良好で、光取り出し効率が高い半導体発光素子及び半導体発光装置が提供できる。

目的

本発明は、実装性が高く、動作特性が良好で、光取り出し効率が高い半導体発光素子及び半導体発光装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

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請求項1

n型半導体層と、p型半導体層と、前記n型半導体層と前記p型半導体層との間に設けられた発光層と、を有する積層構造体と、前記p型半導体層に接して設けられたp側電極と、前記n型半導体層に接して設けられたn側電極と、前記n型半導体層に接して設けられ、前記発光層から放出される光に対する反射率が前記n側電極の前記光に対する反射率よりも高い高反射絶縁層と、前記n側電極の少なくとも一部と、前記高反射絶縁層の少なくとも一部と、の上に設けられ、前記n側電極に電気的に接続された上層金属層と、を備え、前記n側電極の前記n型半導体層に接触する領域の面積は、前記高反射絶縁層が前記n型半導体層と前記上層金属層とに挟まれている領域の面積よりも小さいことを特徴とする半導体発光素子

請求項2

前記n側電極の前記上層金属層に対向する領域の面積は、前記高反射絶縁層が前記n型半導体層と前記上層金属層とに挟まれている前記領域の面積よりも小さいことを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。

請求項3

前記積層構造体の第1主面の側のp型半導体層の一部が除去された領域において前記n型半導体層が露出され、前記n側電極及び前記高反射絶縁層は、前記露出された前記n型半導体層に接して設けられ、前記p側電極は、前記第1主面の側において前記p型半導体層に接して設けられ、前記n側電極の少なくとも一部は、前記第1主面に対して平行な平面内において、前記高反射絶縁層よりも前記p側電極の側に設けられていることを特徴とする請求項2記載の半導体発光素子。

請求項4

前記光のピーク波長は、370ナノメートル以上、400ナノメートル以下であることを特徴とする請求項3記載の半導体発光素子。

請求項5

前記積層構造体は、前記第1主面に対向する第2主面の側に設けられ、サファイアからなる基板をさらに有することを特徴とする請求項4記載の半導体発光素子。

請求項6

前記積層構造体は、単結晶窒化アルミニウム層を介して前記基板の上に形成されていることを特徴とする請求項5記載の半導体発光素子。

請求項7

前記窒化アルミニウム層は、前記基板の側に設けられ、前記基板とは反対の側よりも炭素の濃度が相対的に高い部分を有することを特徴とする請求項6記載の半導体発光素子。

請求項8

前記n側電極は、前記n型半導体層の側に設けられ、前記光に対して透光性を有する透明導電膜を含むことを特徴とする請求項3記載の半導体発光素子。

請求項9

前記上層金属層は、前記積層構造体の側に設けられ、アルミニウムアルミニウム合金ロジウム及びロジウム合金の少なくともいずれかを含む層を含むことを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。

請求項10

半導体発光素子と、前記半導体発光素子が実装される実装部品と、を備え、前記半導体発光素子は、n型半導体層と、p型半導体層と、前記n型半導体層と前記p型半導体層との間に設けられた発光層と、を有する積層構造体と、前記p型半導体層に接して設けられたp側電極と、前記n型半導体層に接して設けられたn側電極と、前記n型半導体層に接して設けられ、前記発光層から放出される光に対する反射率が前記n側電極の前記光に対する反射率よりも高い高反射絶縁層と、前記n側電極の少なくとも一部と、前記高反射絶縁層の少なくとも一部と、の上に設けられ、前記n側電極に電気的に接続された上層金属層と、を有し、前記n側電極の前記n型半導体層に接触する領域の面積は、前記高反射絶縁層が前記n型半導体層と前記上層金属層とに挟まれている領域の面積よりも小さく、前記積層構造体の第1主面の側のp型半導体層の一部が除去された領域において前記n型半導体層が露出され、前記n側電極及び前記高反射絶縁層は、前記露出された前記n型半導体層に接して設けられ、前記p側電極は、前記n側電極が設けられた前記積層構造体の前記第1主面の側の前記p型半導体層に接して設けられ、前記実装部品は複数の実装電極を有し、前記半導体発光素子の前記第1主面と、前記実装部品の前記実装電極と、が対向して配置され、前記上層金属層が前記実装電極のいずれかに電気的に接続され、前記p側電極が前記実装電極の別のいずれかに電気的に接続されていることを特徴とする半導体発光装置

請求項11

前記光を吸収し、前記光の波長とは異なる波長の光を放出する波長変換層をさらに備えたことを特徴とする請求項10記載の半導体発光装置。

技術分野

0001

本発明は、半導体発光素子及び半導体発光装置に関する。

背景技術

0002

LED(Light Emitting Diode)などの半導体発光素子においては、発光層で生じた光が素子の外部に直接取り出される他、素子内の各種の界面や各種の電極などによって反射して外部に取り出される。

0003

光取り出し効率を上げるために、素子形状電極形状などの適正化が行われるが、素子の動作電流実装のための電極形状、及び、光反射特性に各種の制約があり、適正化による光取り出し効率の向上には限界がある。

0004

特許文献1には、光取り出し効率向上のために、フリップチップマウント型の半導体発光素子の主面の一部及び側面に反射性誘電多層膜を設ける構成が開示されているが、動作特性、光取り出し効率、金バンプ配置の容易性などの実装性の点で改良の余地がある。

先行技術

0005

特開2007−324585号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、実装性が高く、動作特性が良好で、光取り出し効率が高い半導体発光素子及び半導体発光装置を提供する。

課題を解決するための手段

0007

本発明の一態様によれば、n型半導体層と、p型半導体層と、前記n型半導体層と前記p型半導体層との間に設けられた発光層と、を有する積層構造体と、前記p型半導体層に接して設けられたp側電極と、前記n型半導体層に接して設けられたn側電極と、前記n型半導体層に接して設けられ、前記発光層から放出される光に対する反射率が前記n側電極の前記光に対する反射率よりも高い高反射絶縁層と、前記n側電極の少なくとも一部と、前記高反射絶縁層の少なくとも一部と、の上に設けられ、前記n側電極に電気的に接続された上層金属層と、を備え、前記n側電極の前記n型半導体層に接触する領域の面積は、前記高反射絶縁層が前記n型半導体層と前記上層金属層とに挟まれている領域の面積よりも小さいことを特徴とする半導体発光素子が提供される。

0008

本発明の別の一態様によれば、半導体発光素子と、前記半導体発光素子が実装される実装部品と、を備え、前記半導体発光素子は、n型半導体層と、p型半導体層と、前記n型半導体層と前記p型半導体層との間に設けられた発光層と、を有する積層構造体と、前記p型半導体層に接して設けられたp側電極と、前記n型半導体層に接して設けられたn側電極と、前記n型半導体層に接して設けられ、前記発光層から放出される光に対する反射率が前記n側電極の前記光に対する反射率よりも高い高反射絶縁層と、前記n側電極の少なくとも一部と、前記高反射絶縁層の少なくとも一部と、の上に設けられ、前記n側電極に電気的に接続された上層金属層と、を有し、前記n側電極の前記n型半導体層に接触する領域の面積は、前記高反射絶縁層が前記n型半導体層と前記上層金属層とに挟まれている領域の面積よりも小さく、前記積層構造体の第1主面の側のp型半導体層の一部が除去された領域において前記n型半導体層が露出され、前記n側電極及び前記高反射絶縁層は、前記露出された前記n型半導体層に接して設けられ、前記p側電極は、前記n側電極が設けられた前記積層構造体の前記第1主面の側の前記p型半導体層に接して設けられ、前記実装部品は複数の実装電極を有し、前記半導体発光素子の前記第1主面と、前記実装部品の前記実装電極と、が対向して配置され、前記上層金属層が前記実装電極のいずれかに電気的に接続され、前記p側電極が前記実装電極の別のいずれかに電気的に接続されていることを特徴とする半導体発光装置が提供される。

発明の効果

0009

本発明によれば、実装性が高く、動作特性が良好で、光取り出し効率が高い半導体発光素子及び半導体発光装置が提供される。

図面の簡単な説明

0010

実施形態に係る半導体発光素子を示す模式図である。
第1比較例の半導体発光素子を示す模式図である。
第2比較例の半導体発光素子を示す模式図である。
第3比較例の半導体発光素子を示す模式図である。
第4比較例の半導体発光素子を示す模式図である。
実施形態に係る別の半導体発光素子を示す模式図である。
実施形態に係る別の半導体発光素子を示す模式図である。
実施形態に係る別の半導体発光素子を示す模式的平面図である。
実施形態に係る別の半導体発光素子を示す模式的断面図である。
実施形態に係る半導体発光装置を示す模式的断面図である。

実施例

0011

以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。

0012

(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体発光素子の構成を例示する模式図である。
すなわち、同図(b)は模式的平面図であり、同図(a)は、同図(b)のA−A’線断面図である。

0013

図1に表したように、本実施形態に係る半導体発光素子110は、積層構造体10sと、p側電極50と、n側電極40と、高反射絶縁層60と、n側パッド層41(上層金属層)と、を備える。

0014

積層構造体10sは、n型半導体層10と、p型半導体層20と、n型半導体層10とp型半導体層20との間に設けられた発光層30と、を有する。発光層30は、例えば多重量子井戸構造を有する。

0015

p側電極50は、p型半導体層20に接して設けられる。n側電極40は、n型半導体層10に接して設けられる。

0016

高反射絶縁層60は、n型半導体層10に接して設けられる。高反射絶縁層60の発光層30から放出される光(発光光)に対する反射率は、n側電極40の発光光に対する反射率よりも高い。

0017

n側パッド層41は、n側電極40の少なくとも一部と、高反射絶縁層60の少なくとも一部と、の上に設けられ、n側電極40に電気的に接続される。

0018

例えば、積層構造体10sのn型半導体層10は、例えば、サファイアからなる基板5の上に、AlNバッファ層を介して設けられ、n型半導体層10の上に発光層30が設けられ、さらにその上にp型半導体層20が設けられる。

0019

そして、本具体例の半導体発光素子110においては、この積層構造体10sの第1主面10aにおいて、n側電極40とp側電極50とが設けられている。
すなわち、積層構造体10sの第1主面10aの側のp型半導体層20及び発光層30の一部が、例えばエッチングにより除去された領域において、n型半導体層10が露出され、その領域のn型半導体層10の上に、n側電極40及び高反射絶縁層60が設けられる。そして、第1主面10aのp型半導体層20の上にp側電極50が設けられる。

0020

n側電極40には、n型半導体層10に対してオーミック特性を有する材料が用いられる。n側電極40には、例えば、Ti/Al/Ni/Au積層膜を用いることができる。n側電極40は、シンター処理することにより、n型半導体層10上でオーミックコンタクト領域となる。なお、Ti/Al/Ni/Au積層膜の厚さは、例えば300nmとされる。

0021

なお、Ti/Al/Ni/Au積層膜をシンターしたn側電極40の発光光に対する反射率は比較的低く、例えば約10%であるが、n型半導体層10に対するオーミックコンタクト性は良好である。すなわち、n側電極40に用いられる材料は、電気的特性重視されて選定され、発光層30から放出される発光光に対するn側電極40の反射率への要求は緩和されている。

0022

さらに、n側電極40に、銀または銀合金を用いることもできる。すなわち、後述するように、n型半導体層10として単結晶のAlNバッファ層上に形成された結晶を用いた場合には、n型半導体層10のコンタクト層における不純物濃度を高くすることができ、低コンタクト抵抗および良好なオーミック特性を得ることができるため、高反射率ではあるが、通常はコンタクト抵抗が高くオーミック特性の悪い、銀または銀合金をn側電極40として用いることができる。

0023

一方、高反射絶縁層60には、発光層30から放出される発光光に対する反射率が高い材料及び構成が用いられる。すなわち、発光光に対する高反射絶縁層60の反射率は、n側電極40の反射率よりも相対的に高い。

0024

高反射絶縁層60は、例えば、互いに積層され、屈折率が互いに異なる複数の誘電体膜を含むことができる。これにより、発光光に対する反射率を高くすることができる。
高反射絶縁層60は、例えば、n側パッド層41の直下の領域におけるn側電極40が形成されていない領域に設けられている。

0025

そして、n側電極40の上に、n側パッド層41が設けられる。n側パッド層41は、n側電極40と電気的に接続され、さらに、高反射絶縁層60の少なくとも一部を覆っている。本具体例では、n側パッド層41は、n側電極40及び高反射絶縁層60の全体を覆っている。

0026

n側パッド層41は、n型半導体層10に外部から電流通電するためのパッドとなる部分である。すなわち、n側パッド層41の領域において、例えば金バンプやボンディングワイヤなどの接続部材が設けられる。

0027

n側パッド層41には、例えば、高反射絶縁層60に対する密着性や、金バンプやボンディングワイヤなどの接続部材に対する密着性や、接続部材に含まれる各種の元素拡散に対する耐性や、接続部材への実装工程における温度上昇などに対する耐性などが、n側電極40よりも高い材料及び構成を適用できる。例えば、通常n側電極40はシンター処理を行うため、金バンプに対する密着性や接続時の衝撃に対する耐性に問題があるが、金バンプ用に適切な材料を選べるn側パッド層41ではそのような問題を回避することができる。

0028

n側パッド層41としては、例えば、Ti/Pt/Au積層膜が用いられる。このTi/Pt/Au積層膜の厚さは、例えば500nmとされる。
また、後述するように、n側パッド層41は、積層構造体10sの側に設けられ、アルミニウムアルミニウム合金ロジウム及びロジウム合金の少なくともいずれかを含む層を有することもできる。

0029

そして、n側電極40のn型半導体層10に接触する領域(対向する領域)の面積は、高反射絶縁層60がn型半導体層10とn側パッド層41とに挟まれている領域の面積よりも小さく設定される。

0030

n側電極40のn型半導体層10に接触する領域(対向する領域)の面積は、高反射絶縁層60がn型半導体層10に接触する領域(対向する領域)の面積よりも小さく、それと同時に、高反射絶縁層60がn側パッド層41に接触する領域(対向する領域)の面積よりも小さい。

0031

これにより、反射率が低いn側電極40の面積(n型半導体層10に対向する領域の面積)を、反射率が高い高反射絶縁層60の面積(n型半導体層10に対向する領域の面積)よりも小さくすることで、発光光の吸収領域を減らし、光の取り出し効率が向上できる。例えば、オーミック特性が良好で低反射率のn側電極40の面積を、動作電圧低減に必要な最低限の大きさに小さくすることで、低い動作電圧と、高い光取り出し効率と、を実現できる。

0032

さらに、半導体発光素子110においては、n側半導体20に接続される電極として、オーミック特性が良好なn側電極40と、例えば密着性などの実装特性が良好なn側パッド層41と、の積層構造が採用されている。これにより、金バンプやボンディングワイヤ等の接続部材との接続はn側パッド層41に対して行われるので、n側電極40には、密着性などの接続部材との良好な接続特性は要求されず、n側電極40は、n側半導体層10に対するオーミック特性のみを満たせば良い。このため、n側電極40のn型半導体層10に対するオーミック特性を最高にできる。これにより、動作電圧を低減し、良好な動作特性を得るためのn側電極40の面積が最小化できる。

0033

そして、n側電極40の面積が縮小されただけ、反射率の高い高反射絶縁層60の面積を拡大でき、高反射絶縁層60の面積を最大化できる。

0034

そして、n側パッド層41を、n側電極40の上だけではなく、高反射絶縁層60の上にも設けることで、n側パッド層41の面積を最大化できる。そして、n側パッド層41の面積を大きくすることで、金バンプの形成が容易となり、実装性が向上できる。
すなわち、上記のように、n側電極40のn型半導体層10に接触する領域(対向する領域)の面積が、高反射絶縁層60がn側パッド層41に接触する領域(対向する領域)の面積よりも小さく設定され、これにより、n側パッド層41の全体の面積を最大化できる。

0035

このように、半導体発光素子110によれば、オーミック特性が良好なn側電極40の面積を最小化し、高反射絶縁層60の面積を最大化し、さらに、密着性などの実装性が良好なn側パッド層41の面積を最大化でき、低動作電圧で、高光取り出し効率で、実装性が高い半導体発光素子を提供できる。

0036

すなわち、半導体発光素子110の第1主面10aのn型半導体層10の露出面において、n側電極40と、高反射絶縁層60と、それらの上に設けられたn側パッド層41と、が配置されるとき、n側電極40のn型半導体層10に接触する領域(対向する領域)の面積が、高反射絶縁層60がn型半導体層10とn側パッド層41とに挟まれている領域の面積よりも小さく設定されることで、n側電極40がn型半導体層10に直接対向する領域の面積が最小化でき、高反射絶縁層60及びn側パッド層41の面積がそれぞれ最大化できる。

0037

さらに、n側電極40のn側パッド層41に対向する領域の面積は、高反射絶縁層60がn型半導体層10とn側パッド層41とに挟まれている領域の面積よりも小さくする構成が望ましい。これにより、より確実に、n側電極40がn型半導体層10に直接対向する領域の面積を最小化でき、高反射絶縁層60及びn側パッド層41の面積をそれぞれ最大化できる。

0038

なお、p側電極50には、反射率が比較的高い材料を用いることで、p側電極50における光吸収による損失は抑制でき、本実施形態におけるn側電極40、高反射絶縁層60及びn側パッド層41の構成により、n側電極40における光吸収による損失が低減できる。

0039

なお、図1(b)に例示したように、半導体発光素子110においては、積層構造体10sの第1主面10aが四角形であり、n側電極40は、この四角形の第1主面10aの1つの頂点近接した角部に設けられているが、本発明はこれに限らず、後述するように、第1主面10aにおけるn側電極40、p側電極50、高反射絶縁層60及びn側パッド層41の配置、及び、それらの形状は各種の変形が可能である。

0040

以下、半導体発光素子110の構成の具体例、及び、その製造方法の例について説明する。
半導体発光素子110の積層構造体10sは、例えばサファイアからなる基板5の上に形成された窒化物半導体を含む。積層構造体10sとなる各層が、例えば、表面がサファイアc面からなる基板5の上に、有機金属気相成長法を用いて以下のように、形成される。

0041

すなわち、まず、基板5の上に、バッファ層として、高炭素濃度の第1AlNバッファ層(例えば、炭素濃度が3×1018cm−3〜5×1020cm−3で、厚さが3nm(ナノメートル)〜20nm)、高純度第2AlNバッファ層(例えば、炭素濃度が1×1016cm−3〜3×1018cm−3で、厚さが2μm(マイクロメートル))、及び、ノンドープGaNバッファ層(例えば厚さが3μm)が、この順で順次形成される。上記の第1AlNバッファ層、及び、高純度第2AlNバッファ層は、単結晶の窒化アルミニウム層である。

0042

その上に、n型半導体層10として、Siドープn型GaN層(例えば、Si濃度が1×1018cm−3〜5×1018cm−3で、厚さが4μm)、Siドープn型GaNコンタクト層(例えば、Si濃度が5×1018cm−3〜1×1020cm−3で、厚さが0.2μm)、及び、Siドープn型Al0.10Ga0.90Nクラッド層(例えば、Si濃度が1×1018cm−3で、厚さが0.02μm)が、この順番で順次形成される。

0043

その上に、発光層30として、Siドープn型Al0.11Ga0.89Nバリア層と、GaInN井戸層と、が交互に3周期積層され、さらに、多重量子井戸の最終Al0.11Ga0.89Nバリア層、及び、Siドープn型Al0.11Ga0.89N層(例えば、Si濃度が0.8×1019cm−3〜1.0×1019cm−3で、厚さが0.01μm)、がさらに積層される。Siドープn型Al0.11Ga0.89Nバリア層においては、例えばSi濃度が1.1×1019cm−3〜1.5×1019cm−3とされる。最終Al0.11Ga0.89Nバリア層の厚さは、例えば0.075μmである。なお、発光層30における発光光の波長は、例えば380nmである。

0044

さらに、p型半導体層20として、ノンドープAl0.11Ga0.89Nスペーサ層(例えば厚さが0.02μm)、Mgドープp型Al0.28Ga0.72Nクラッド層(例えば、Mg濃度が1×1019cm−3で、厚さが0.02μm)、Mgドープp型GaNコンタクト層(例えば、Mg濃度が1×1019cm−3で、厚さが0.1μm)、及び、高濃度Mgドープp型GaNコンタクト層(例えば、Mg濃度が2×1020cm−3で厚さが0.02μm)が、この順で順次形成される。

0045

なお、高濃度Mgドープp型GaNコンタクト層のMg濃度を1×1020cm−3台と高めに設定することで、p側電極50とのオーミック特性が向上する。ただし、半導体発光ダイオードの場合、半導体レーザダイオードとは異なり、高濃度Mgドープp型GaNコンタクト層と発光層30との距離が近いため、Mg拡散による特性の劣化が懸念される。そこで、p側電極50と高濃度Mgドープp型GaNコンタクト層との接触面積が広く、動作時の電流密度が低いことを利用して、電気特性を大きく損ねることなく高濃度Mgドープp型GaNコンタクト層のMg濃度を1×1019cm−3台に抑えることで、Mgの拡散を防ぐことができ、発光特性を改善させることができる。

0046

また、高炭素濃度の第1AlNバッファ層は、基板5との結晶型差異を緩和する働きをし、特に螺旋転位を低減する。また、高純度第2AlNバッファ層は、表面が原子レベル平坦化する。そのため、この上に成長するノンドープGaNバッファ層の欠陥が低減されるが、そのためには、高純度第2AlNバッファ層の膜厚は、1μmよりも厚いことが好ましい。また、歪みによるそり防止のためには、高純度第2AlNバッファ層の厚みが4μm以下であることが望ましい。高純度第2AlNバッファ層に用いられる材料は、AlNに限定されず、AlxGa1−xN(0.8≦x≦1)でも良く、これにより、ウェーハのそりを補償することができる。

0047

ノンドープGaNバッファ層は、高純度第2AlNバッファ層上で3次元島状成長をすることにより、欠陥低減の役割を果たす。ノンドープGaNバッファ層の成長表面が平坦化するには、ノンドープGaNバッファ層の平均膜厚は2μm以上であることが必要である。再現性とそり低減の観点から、ノンドープGaNバッファ層の総膜厚は、4μm〜10μmが適切である。

0048

これらのバッファ層を採用することで、従来の低温成長AlNバッファ層と比較して欠陥を約1/10に低減することができる。この技術によって、n型GaNコンタクト層への高濃度Siドピングや、紫外帯域発光でありながらも高効率な半導体発光素子を作ることができる。また、バッファ層における結晶欠陥を低減することにより、バッファ層での光の吸収も抑制できる。

0049

このように、積層構造体10sは、n側電極40及びp側電極50が設けられる第1主面10aに対向する第2主面10bの側に設けられ、サファイアからなる基板5をさらに有することができる。そして、n型半導体層10と発光層30と第p型半導体層20とは、単結晶の窒化アルミニウム層(例えば、上記の第1AlNバッファ層及び高純度第2AlNバッファ層)を介して、上記の基板5の上に形成されることが望ましい。なお、この時も、基板5、及び、上記のバッファ層の少なくとも一部は、取り除かれても良い。

0050

また、上記の窒化アルミニウム層は、基板5の側に設けられ、基板5とは反対の側よりも炭素の濃度が相対的に高い部分を有することが望ましい。すなわち、基板5の側に高炭素濃度の第1AlNバッファ層が設けられ、基板5とは反対の側に上記高純度第2AlNバッファ層が設けられることが望ましい。

0051

次に、上記の積層構造体10sへのn側電極40及びp側電極50の形成について説明する。
まず、積層構造体10sの主面の一部の領域において、n型コンタクト層(例えば上記のSiドープn型GaNコンタクト層)が表面に露出するように、例えばマスクを用いたドライエッチングによって、p型半導体層20及び発光層30の一部を除去する。

0052

次に、パターニングされたリフトオフレジストを、露出したn型コンタクト層上に形成し、真空蒸着装置を用いて、例えば、Ti/Al/Ni/Au積層膜を形成し、n側電極40を形成する。Ti/Al/Ni/Au積層膜の厚さは、例えば300nmとされる。そして、650℃の窒素雰囲気でシンター処理を行う。

0053

次に、p側電極50を形成するために、パターニングされたリフトオフ用レジストをp型コンタクト層(例えば上記の高濃度Mgドープp型GaNコンタクト層)の上に形成し、真空蒸着装置を用いて、例えば、Ag/Pt積層膜を200nmの膜厚で形成し、上記のリフトオフ用レジストをリフトオフした後に、650℃の窒素雰囲気でシンター処理を行う。これにより、p側電極50が形成される。

0054

次に、n側電極40から露出したn型半導体層10の上に、高反射絶縁層60となる誘電体積層膜を形成する。
誘電体積層膜においては、互いに屈折率の異なる2種類以上の誘電体が2層以上積層される。例えば、誘電体積層膜には、互いに屈折率の異なる第1誘電体層(例えば、SiO2層)と、第2誘電体層(例えば、TiO2層)と、の積層膜の組み合わせを5組積層した積層膜(すなわち、合計10層の誘電体層を有する積層膜)を用いることができる。

0055

この時、第1誘電体層及び第2誘電体層のそれぞれの膜厚は、それぞれの屈折率をnとし、発光層30からの発光波長をλとした時、λ/(4n)の厚さに設定される。すなわち、誘電体積層膜は、第1屈折率n1を有する第1誘電体層と、第1屈折率n1とは異なる第2屈折率n2を有する第2誘電体層と、を交互に複数積層してなり、発光層30の発光波長をλとした時、第1誘電体層のそれぞれの厚さは実質的にλ/(4n1)であり、第2誘電体層のそれぞれの厚さは実質的にλ/(4n2)である。これにより、発光層30からの発光光を効率良く反射し、第1及び第2半導体層10及び20の側に反射させることができる。

0056

なお、高反射絶縁層60(誘電体積層膜)は、n側電極40の一部を覆い、n側電極40の上に乗り上げても良く、また、高反射絶縁層60(誘電体積層膜)は、n側電極40と必ずしも接触していなくても良い。

0057

そして、n側電極40と高反射絶縁層60とを覆うように、n側パッド層41として、例えば、Ti/Pt/Au積層膜を500nmの膜厚で形成する。

0058

次いで、劈開またはダイヤモンドブレード等により、積層構造体10sを切断し、個別の素子とし、半導体発光素子110が作製される。

0059

半導体発光素子110の外部からp側電極50へ注入され、積層構造体10sを通ってn側電極40まで流れる電流は、n側電極40を通って、半導体発光素子110の外部へ取り出される。すなわち、n側パッド層41の上に、半導体発光素子110と外部端子との接触のためのワイヤボンディングバンプが形成される。このn側パッド層41は、上記のワイヤボンディングやバンプがn側パッド層41内の領域に確実に配置されるように、ある程度以上広い面積を有するように設計される。例えば、n側パッド層41が形成される領域の幅(長さ)は、例えば、50μm〜150μm程度である。

0060

このとき、反射率の低いn側電極40の面積を動作電圧低減に必要な最低限の面積に抑え、高反射絶縁層60の面積を出来るだけ大きくし、さらに、それらの上に設けられるn側パッド層41の面積を大きくすることができる。これにより、発光光の吸収領域を減らし、反射領域を増やすことができ、発光層30から放出された光を高い効率で半導体発光素子110の外部に取り出すことができる。

0061

そして、n側電極40の上に、n側電極40よりも密着性や各種の耐性が強いn側パッド層41が積層され、このn側パッド層41に外部の接続部材が接続されるため、電気的接続が確実に行われ、生産性が向上でき、また、信頼性も向上する。

0062

このように、半導体発光素子110によれば、低動作電圧、高光取り出し効率、高実装性、高生産性高信頼性の半導体発光素子を提供できる。
そして、フリップチップマウントを行った際においても、半導体層内で反射を繰り返す発光光のうちの多くの部分を、基板5の側へ反射させることができ、光取り出し効率が向上できる。

0063

なお、本実施形態に係る半導体発光素子110においては、n型半導体層10、p型半導体層20及び発光層30を含む半導体層に用いられる材料は、特に限定されず、AlxGa1−x−yInyN(x≧0、y≧0、x+y≦1)等の窒化ガリウム系化合物半導体が用いられる。これらの半導体層の形成方法は、特に限定されるものではないが、例えば、有機金属気相成長法や分子線エピタキシャル成長法等の技術を用いることができる。

0064

基板5に用いられる材料は、特に限定されず、サファイア、SiC、GaN、GaAs及びSiなどを用いることができる。なお、基板5は、積層構造体10sを形成した後、最終的に取り除かれても良い。

0065

p側電極50は、少なくとも銀またはその合金を含むことができる。
銀以外の金属の単層膜可視光帯域に対する反射効率は、400nm以下の紫外域では波長が短くなるほど低下する傾向にあるが、銀は370nm以上400nm以下の紫外帯域の光に対しても高い反射効率特性を有する。そのため、紫外発光の半導体発光素子で、且つp側電極50が銀合金の場合、半導体界面側のp側電極50は、銀の成分比が大きいほうが望ましい。p側電極50の膜厚は、光に対する反射効率を確保するため、100nm以上であることが好ましい。

0066

p側電極50をAg/Pt積層膜で形成し、その後シンター処理を行うことで、p−GaNコンタクト層(例えば、上記の高濃度Mgドープp型GaNコンタクト層)とAgとの界面にごくわずかなPtを拡散させることができる。これにより、Agの密着性が向上するほか、Ag特有高効率反射特性を損なうことなく、コンタクト抵抗を下げることができる。これにより、p側電極50に要求される高効率反射特性と低動作電圧特性とを高度に両立させることができる。例えば、p側電極50にAg/Pt積層膜を用いると、Ag単層膜を用いた場合と比較して、光出力はほぼ同じ値を示しつつ、20mA時の動作電圧を0.3V減少させることができる。

0067

AgとPtと、及び、AgとPdと、は固溶関係にあるため、PtまたはPdが、Agと混ざることにより、Agのマイグレーションを抑えることができる。特に、PdとAgとは全固溶体であるため、Agのマイグレーションをより有効に抑えることができる。これらの組み合わせをp側電極50に採用することで、高電流注入時においても高い信頼性を得ることができる。

0068

p側電極50に銀またはその合金を採用した際、p側電極50とn側電極40との距離が離れるほど、銀またはその合金からのマイグレーションによる絶縁不良や耐圧不良のリスクが減少する。積層構造体10sの積層方向からみたときの半導体発光素子の中心付近においてn側電極40に対向したp側電極50は、露光精度などのプロセス条件許す限り、p型コンタクト層の端まで形成されている方が、光取り出し効率が高くなる。

0069

半導体発光素子110において、n側電極40は、第1主面10aに対して平行な平面内において、高反射絶縁層60よりもp側電極50の側に設けられている。すなわち、本具体例では、n側電極40とp側電極50との間に高反射絶縁層60が設けられない。これにより、n側電極40とp側電極50とが互いに近接でき、積層構造体10sに効率的に電流を通電できる。

0070

p側電極50からn側電極40へ流れる電流経路を考えた際、p側電極50とn側電極40との間の距離が最も短い領域に電流が集中する傾向にあるため、電界集中を緩和させるには、p側電極50とn側電極40が接触する領域のうち、上記距離が最も短い領域がなるべく長くなるように設計する方が好ましい。

0071

また、積層構造体10sの積層方向からみたときに、p側電極50とn側電極40とが互いに対向する領域の長さが長いほど、p側電極50とn側電極40との間の電流経路の幅が広がるため、電界集中が緩和され、p側電極50の劣化が抑制される。

0072

上記の効果を考慮して、p側電極50及びn側電極40の面積と形状、並びに、p側電極50とn側電極40との間の距離が適切に設定される。

0073

n側電極40の面積が広いほど、オーミックコンタクト領域が増えるため動作電圧は減少する傾向にある。ただし、動作時の電流経路はp側電極50に対向した領域のn側電極40に集中する傾向にあるため、n側電極40の面積がある程度以上広くなると、n側電極40の面積の拡大に伴う動作電圧の減少の傾向が飽和する。一方、n側電極40の面積が狭いほど、高効率反射特性を有する高反射絶縁層の面積を広くできるため、光取り出し効率の向上が見込まれる。また、n側電極40の面積が小さいほど、積層構造体10s内で反射される光がn側電極40に入射して吸収される割合が下がるため、光取り出し効率の向上が見込まれる。
上記の効果を考慮して、オーミック特性を有するn側電極40と、高効率反射特性を有する高反射絶縁層60と、の面積及び形状が、適切に設定される。

0074

高反射絶縁層60に誘電体積層膜を用いた場合、組み合わせた誘電体の屈折率比が大きいほど、また、異なる屈折率を有する層の組み合わせ数ペア数)が多いほど、反射率が上昇し、膜厚や波長に対するマージンも広くなる。

0075

また、積層構造体10sから高反射絶縁層60(例えば誘電体積層膜)に入射する光の入射角が、高反射絶縁層60の法線から傾くほど、反射率は増加し、あるしきい角度で全反射する。

0076

上記の特性に基づいて、高反射絶縁層60となる誘電体積層膜の条件を適切に設定することにより、高反射絶縁層60は、金属反射膜よりも高性能反射膜として機能することができ、光取り出し効率が向上できる。本実施形態に係る半導体発光素子110においては、高反射絶縁層60に用いられる誘電体積層膜の設計反射率は、99.7%である。

0077

誘電体積層膜には、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、マグネシウム(Mg)、ハフニウム(Hf)、セリウム(Ce)、亜鉛(Zn)などの酸化物、窒化物又は酸窒化物などを用いることができる。

0078

積層する誘電体膜の総膜厚は、絶縁性確保のために50nm以上が望ましく、誘電体膜のクラック抑制のために1000nm以下とすることが望ましい。特に、動作時の発熱による異種材料間の応力を抑制するため、誘電体積層膜の半導体層側の第1層目は、半導体層に近い線膨張係数を持つ材料が好ましい。例えば、半導体層がGaNである場合は、誘電体積層膜の半導体層側の第1層目は、例えばSiNを用いることが好ましい。誘電体積層膜は、異なる種類の誘電体を積層することにより、内部に掛かる応力を緩和させることができるため、総膜厚が増加しても、単層の場合と比較すると割れひびなどの破損は起きにくく、且つ半導体層に対する応力も緩和させることができるため、信頼性が向上する。特に、引っ張り応力圧縮応力を有する誘電体を積層することにより、応力緩和効果が促進される。

0079

さらに、単結晶AlNバッファ層上に形成された結晶を用いれば、n型GaNコンタクト層に高濃度Siドーピングが可能となり、n側電極40とのコンタクト抵抗を大幅に減らすことができる。このため、従来はオーミック特性が悪く、コンタクト抵抗が高かった高効率反射膜である銀または銀合金をn側電極40として採用することが可能となり、更なる光取り出し効率の向上が見込まれる。さらに、結晶欠陥低減により通常は効率が低下する400nmより短波長域でも高い発光効率が実現できる。

0080

このように、n側電極40は、銀またはその合金を含むことができる。その際、n側電極40のn型半導体層10の側は、銀の成分比が大きいほうが望ましい。n側電極40の厚さは、光に対する反射効率を確保するため、100nm以上であることが好ましい。

0081

なお、基板5上での結晶型の差異を緩和するために、基板5上に非晶質または多結晶AlN層を設けた場合には、バッファ層自体が光の吸収体となるため、発光素子としての光の取り出し効率が低下してしまうが、サファイアからなる基板5上に、高炭素濃度単結晶AlNバッファ層(例えば上記の第1AlNバッファ層)、及び、高純度単結晶AlNバッファ層(例えば上記の高純度第2AlNバッファ層)を介して、n型半導体層10、発光層30及びp型半導体層20が形成されることにより、これらのバッファ層は光の吸収体とはなり難くなる。さらに、これにより、結晶欠陥を大幅に減らせることができ、結晶内における吸収体を大幅に減らすことができる。この場合、発光光の結晶内での反射の回数が上昇できるので、積層構造体10sの横方向(端面に向かう方向)への光の取り出し効率を向上できると共に、高効率反射領域であるp側電極50及び高反射絶縁層60へ効率良く光を反射させることが可能となる。

0082

(第1の比較例)
図2は、第1比較例の半導体発光素子の構造を示す模式図である。
すなわち、同図(b)は模式的平面図であり、同図(a)は、同図(b)のA−A’線断面図である。
図2に表したように、第1比較例の半導体発光素子119aにおいては、n型半導体層10の第1主面10aにおいては、n側電極40と、その上のn側パッド層41と、が設けられているが、高反射絶縁層60が設けられていない。

0083

このような構成を有する第1比較例の半導体発光素子119aの作製においては、半導体発光素子110と同様に、積層構造体10sを形成した後、n型コンタクト層が表面に露出するように、p型半導体層20と発光層30と取り除き、n側電極40を形成し、シンター処理を行う。このとき、用いるマスクの形状を半導体発光素子110の場合から変更し、n側電極40の平面形状を図2(b)に示した形状とする。そして、同様にして、p側電極50を形成し、その後、n側電極40を覆うようにn側パッド層41を形成する。

0084

このような第1比較例の半導体発光素子119aにおいては、高反射絶縁層60が設けられず、反射率が低いn側電極40が大きな面積で設けられている。このため、発光層30から放出された光の取り出し効率が低い。

0085

(第2の比較例)
図3は、第2比較例の半導体発光素子の構造を示す模式図である。
すなわち、同図(b)は模式的平面図であり、同図(a)は、同図(b)のA−A’線断面図である。
図3に表したように、第2比較例の半導体発光素子119bにおいては、n側電極40とp側電極50とを除く領域と、素子の周辺領域と、に、高反射絶縁層60が設けられている。そして、n側電極40を覆いつつ、高反射絶縁層60の一部の上に、n側パッド層41が設けられている。そして、この場合には、n側電極40のn型半導体層10に接触する領域(対向する領域)の面積は、高反射絶縁層60がn型半導体層10とn側パッド層41とに挟まれている領域の面積よりも大きい。

0086

すなわち、反射率が低いn側電極40の面積が、高反射絶縁層60の面積よりも大きく、このため、半導体発光素子119bにおいては、光の取り出し効率が低い。

0087

なお、本比較例の半導体発光素子119bにおいては、素子の周辺領域と、p側電極50に隣接した領域にも高反射絶縁層60が設けられているが、後述するように、本実施形態に係る半導体発光素子においてもこの領域に高反射絶縁層60を設けることができる。従って、本比較例の半導体発光素子119bと、半導体発光素子110と、を比較する場合には、n側電極40の領域に着目して比較すれば良く、この比較において、本比較例の半導体発光素子119bは、半導体発光素子110よりも相対的に光の取り出し効率が低い。

0088

(第3の比較例)
図4は、第3比較例の半導体発光素子の構造を示す模式図である。
すなわち、同図(b)は模式的平面図であり、同図(a)は、同図(b)のA−A’線断面図である。
図4に表したように、第3比較例の半導体発光素子119cにおいては、第2比較例の半導体発光素子119bに比べてn側電極40近傍の高反射絶縁層60の領域が拡大され、n側電極40のn型半導体層10に接触する領域(対向する領域)の面積が、高反射絶縁層60がn型半導体層10に接触する領域(対向する領域)よりも小さくなっている。ただし、この場合には、n側パッド層41は、n側電極40の上のみに設けられており、n側パッド層41は、高反射絶縁層60の上には設けられていない。

0089

このような構成を有する本比較例の半導体発光素子119cにおいては、低反射率のn側電極40がn型半導体層10に接する面積が縮小され、高反射絶縁層60の面積が拡大されているため、光取り出し効率が高くできるが、n側パッド層41が、高反射絶縁層60の上に設けられず、n側パッド層41の面積は小さく、実装性が悪く、例えば、素子の小型化が困難になる他、歩留まりが低くなり、生産性が低下する。また、n側電極40に用いる材料およびシンター条件には、n型半導体層10に対する良好なオーミック特性のほかに、高反射絶縁層60に対する密着性や高反射絶縁層60と接触した状態でシンターすることによって高反射絶縁層60の材料の一部がn側電極40へ拡散しないことが要求されるため、n側電極40に用いられる材料やシンター条件への制約が厳しくなる。その結果、n側電極40のn型半導体層10に対するオーミック特性が十分に高められない。動作電圧低減のためにn側電極40の面積を大きくしようとすると、光取り出し効率が低下する。

0090

(第4の比較例)
図5は、第4比較例の半導体発光素子の構造を示す模式図である。
すなわち、同図(b)は模式的平面図であり、同図(a)は、同図(b)のA−A’線断面図である。
図5に表したように、第4比較例の半導体発光素子119dにおいては、第3比較例の半導体発光素子119cにおいて、n側パッド層41を設けないものである。なお、半導体発光素子119dの第1主面10aの構造は、特許文献1に開示されている構造に類似している。

0091

このような構成を有する本比較例の半導体発光素子119dにおいては、低反射率のn側電極40がn型半導体層10に接する面積が縮小され、高反射絶縁層60の面積が拡大されているため、光取り出し効率が高くできるが、n側電極40の上には、n側パッド層41が設けられておらず、金バンプやボンディングワイヤなどの接続部材は、n側電極40に直接接触する。

0092

このため、n側電極40に用いる材料およびシンター条件には、n型半導体層10に対する良好なオーミック特性の他に、金バンプやボンディングワイヤなどの接続部材に対する密着性や、接続部材に含まれる各種の元素の拡散に対する耐性、さらには、接続部材への実装工程における温度上昇などに対する耐性が、要求される。この要求のために、n側電極40に用いられる材料やシンター条件への制約が厳しくなり、材料やシンター条件の選択範囲が狭まる。この結果、n側電極40のn型半導体層10に対するオーミック特性が十分に高められない。このように、本比較例の半導体発光素子119dにおいては、十分な信頼性を確保しようとすると、動作電圧が上昇し、また、n側電極40の面積を大きくしようとすると光取り出し効率が低下する。

0093

これに対し、既に説明したように、本実施形態に係る半導体発光素子110においては、n側電極40とn側パッド層41との積層構造を採用することで、n側電極40に用いる材料への要求を緩和し、良好なオーミック特性を有する材料を用いることができる。そして、n側電極40の面積を必要最低限に縮小し、高反射絶縁層60の面積を出来るだけ大きくし、さらに、それらの上に設けられるn側パッド層41の面積を拡大でき、十分な信頼性を確保しつつ、実装性を高め、動作電圧を低下させ、光取り出し効率が高い半導体発光素子が提供できる。

0094

図6は、本発明の第1の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式図である。
すなわち、同図(b)は模式的平面図であり、同図(a)は、同図(b)のA−A’線断面図である。
図6に表したように、本実施形態に係る別の半導体発光素子111においては、n側電極40が、透明導電膜42を含む。本具体例では、n側電極40が、透明導電膜42と、反射金属膜43と、を有している。これ以外は、半導体発光素子110と同様とすることができるので説明を省略する。

0095

透明導電膜42は、n型半導体層10に接して設けられる。反射金属膜43は、透明導電膜42のn型半導体層10とは反対の側に設けられる。すなわち、例えば、反射金属膜43は、透明導電膜42とn側パッド層41との間に設けられる。

0096

透明導電膜42は、発光層30から放出される光に対して透光性を有する。そして、透明導電膜42には、n型半導体層に対する良好なオーミック特性を有する材料を用いることができる。

0097

一方、反射金属膜43は、n型半導体層10には接しないようにすることができるので、反射金属膜43は、n側パッド層41と透明導電膜42との間に電流が通電できれば、その他は反射率が高いという特性を満足すれば良い。

0098

このように、半導体発光素子111におけるn側電極40は、n型半導体層10の側に設けられ、発光層30から放出される光に対して透光性を有する透明導電膜42を含む。

0099

透明導電膜42には、透過させる発光波長よりも大きなバンドギャップを持つ材料の膜、または、透過させる発光波長における吸収係数逆数よりも厚さが十分薄い金属膜を用いることができる。透明導電膜42には、例えば、ニッケル酸化インジウムスズ、酸化亜鉛の少なくとも1つを含む透明な導電膜を用いることができる。

0100

反射金属膜43は、発光光に対する高い反射特性を有する金属膜を少なくとも含む。反射金属膜43として、370〜400nmの発光光に対して高い反射特性を示す金属である、銀またはアルミニウムを採用することができる。

0101

反射金属膜43の全体がn側パッド層41によって覆されることができるので、反射金属膜43に接して金バンプ等が形成されない構成が可能である。このため、反射金属膜43に要求される密着性は、p側電極40やn側パッド層41よりも緩和される。

0102

透明導電膜42は、半導体発光素子111内で反射された発光層30からの光を透過させて、反射金属膜43で反射させる役割と、n型半導体層10と良好な電気特性で接触する役割と、反射金属膜43で用いられる銀やアルミニウムがn型半導体層10と反応すること、または、n型半導体層10内に拡散することを防ぐ役割と、を有する。このため、透明導電膜42の平面形状は、反射金属膜43の平面形状と実質的に同じであることが好ましい。

0103

透明導電膜42の膜厚は、任意であり、例えば、1nm〜500nmの間の厚さとされる。

0104

このような構成を有する半導体発光素子111によれば、n側電極40のn型半導体層10の側にオーミック特性が良好で透明な透明導電膜42を配置し、透明導電膜42の上に導電性で反射性の反射金属膜43を配置することで、高いオーミック特性と高い反射率とを両立させることができ、また、信頼性も向上できる。

0105

なお、n側電極40が反射金属膜43を有さず、n側電極40の全体が透明導電膜42であっても良い。すなわち、n側電極40は、ニッケル、酸化インジウムスズ及び酸化亜鉛の少なくとも1つを含み、n型半導体層10及びn側パッド層41に電気的に接触しており、発光層30から放出される光に対して透光性を有する透明導電であっても良い。この場合には、n側電極40を通過した光は、n側パッド層41で反射され、積層構造体10sの側に進行し、外部に取り出される。

0106

図7は、本発明の第1の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式図である。
すなわち、同図(b)は模式的平面図であり、同図(a)は、同図(b)のA−A’線断面図である。
図7に表したように、本実施形態に係る半導体発光素子112においては、積層構造体10sの第1主面10aのn型半導体層10及びp型半導体層20が、一部の開口部を除いて、高反射絶縁層60(例えば誘電体積層膜)で覆われている。そして、p側電極50の上に拡散防止層53が設けられ、その上にp側パッド層51が設けられている。また、積層構造体10sの第1主面10aのp型半導体層20及び発光層30の部分のメサ部が斜面状テーパ部を有している。これ以外は、半導体発光素子110と同様とすることができるので説明を省略する。

0107

このような半導体発光素子112は、例えば以下のようにして製造される。
すなわち、半導体発光素子110と同様に、積層構造体10sを形成した後、n型コンタクト層が表面に露出するように、p型半導体層20と発光層30と取り除く。この時のエッチング処理は、積層構造体10sのメサ部が、例えば、第1主面10aの法線から約20度で傾斜したテーパ形状になるように行われる。

0108

この後、熱CVD装置を用いて、誘電体膜となるSiO2膜を200nmの膜厚で積層構造体10sの第1主面10a上に形成する。

0109

次に、パターニングされたリフトオフ用レジストをn型コンタクト層(例えば上記のSiドープn型GaNコンタクト層)上に形成し、露出したn型コンタクト層上のSiO2膜の一部を例えばフッ化アンモン処理で取り除く。SiO2膜が取り除かれた領域に、真空蒸着装置を用いて、例えば、n側電極40となるTi/Al/Ni/Au積層膜を、例えば300nmの厚さで形成し、上記のリフトオフ用レジストをリフトオフした後に、650℃の窒素雰囲気でシンター処理を行う。これにより、n側電極40が形成される。なお、n側電極40の幅は10μmである。

0110

次に、p側電極50を形成するため、パターニングされたリフトオフ用レジストをp型コンタクト層(例えば上記の高濃度Mgドープp型GaNコンタクト層)上に形成し、フッ化アンモン処理を行い、p型コンタクト層を露出させる。その際、p側電極50と誘電体膜のSiO2膜との間に、p型コンタクト層が露出するように、フッ化アンモンの処理時間を調整する。具体的には、例えば、エッチングレートが400nm/分の場合、p側電極50を形成する領域のSiO2膜を取り除くための時間と、上記領域のすぐ脇に位置するp型コンタクト層を1μm幅で露出させるオーバーエッチングの時間と、の合計の時間は、3分程度である。SiO2膜が取り除かれた領域に、真空蒸着装置を用いて、例えば、Ag/Pt積層膜を200nmの厚さで形成し、リフトオフ後に350℃の酸素雰囲気でシンター処理を行う。

0111

次に、拡散防止層53として、p側電極50上を覆うように、リフトオフ法で、例えば、Pt膜とW膜の組み合わせを、5組みの組み合わせで形成する。なお、この拡散防止層53の合計の厚さは例えば600nmである。

0112

次に、p側電極50が形成されていないp型半導体層20の上、及び、n型半導体層10の上の誘電体膜の上に、高反射絶縁層60となる誘電体積層膜を形成する。
例えば、SiO2膜とTiO2膜との組み合わせを5組積層する。ただし、素子の周辺部では、誘電体積層膜が除去されていても良く、また、素子の周辺部では、素子分離工程などにより誘電体積層膜が破損されていても良い。

0113

また、図7においては、高反射絶縁層60は、p側電極50及びn側電極40に接触していないが、高反射絶縁層60の一部が、p側電極50またはn側電極40の上に乗り上げても良い。

0114

そして、n側パッド層41とp側パッド層51となるTi/Pt/Au積層膜を、p側電極50及びn側電極40を覆いつつ、高反射絶縁層60の一部を覆うように形成する。この形成においては、例えばリフトオフ法が用いられる。また、高反射絶縁層60の厚さは、例えば1000nmとされる。

0115

そして、劈開またはダイヤモンドブレード等により、積層構造体10sを切断し、個別の素子とし、半導体発光素子112が作製される。半導体発光素子112の大きさは、例えば、300μm角である。

0116

なお、上記の工程において、オーミックメタルであるp側電極50とn側電極40とを形成する前に、誘電体膜(上記のSiO2膜)を積層構造体10sの半導体層に形成することで、電極形成工程において電極と半導体層との界面に付着するコンタミネーションを大幅に減らすことができるため、信頼性や歩留まり、電気特性、光学特性を向上させることができる。

0117

n側電極40の反射率が低く、p側電極50を含めたn側電極40以外の領域における反射率が高い場合は、n側電極40に対向するp側電極50の直下で発光した光が、サファイアからなる基板5と結晶層との界面で反射して、すぐにn側電極40へ到達して吸収されないように、p側電極50とn側電極40との距離を多少大きくする方が良い。

0118

例えば、n側電極40の幅を10μmとすると、半導体発光素子112の電極形成面(第1主面10a)におけるn側電極40の面積の占める割合は、第1比較例の半導体発光素子119aにおいては、13%程度であるのに対して、本具体例の半導体発光素子112においては、2%程度であり、n側電極40の面積の割合を大幅に減少できる。このように、半導体発光素子112によれば、光の吸収領域を大幅に縮小することができ、さらに、縮小した吸収領域に高反射絶縁層60を形成することにより、反射領域を拡大することができ、光取り出し効率がさらに向上する。

0119

p側電極50が拡散防止層53及びp側パッド層51によって覆われることで、p側電極50が外気から隔離されるため、p側電極50が水分やイオン不純物に晒されにくくなり、p側電極50のマイグレーションや酸化硫化反応を抑えることができる。

0120

また、p側電極50とn側電極40とが互いに対向する側のp側電極50の端部に近接してp側パッド層51が形成され、p側電極50に近接して電流経路が生成されるため、p側電極50への電流集中が緩和される。

0121

それと同時に、p側電極50と、誘電体膜(上記のSiO2膜)と、が対向する領域、または、p側電極50と、高反射絶縁層60とが対向する領域、の端部付近において、p型半導体層20とp側パッド層51とで挟まれた領域がそれぞれ形成されるため、誘電体膜または高反射絶縁層60を挟んでp型半導体層20とp側パッド層51との間に弱い電界がかかる。その結果、p側電極50から誘電体膜または高反射絶縁層60にかけて電界が徐々に弱くなる構造を作ることができるため、この領域における電界集中を緩和することができる。

0122

さらに、本実施形態に係る半導体発光素子においては、製造工程に特別な工夫は必要なく、従来と同じ工程、工程数で形成できる。これらの効果により、半導体発光素子のリーク電流低減、絶縁特性向上、耐圧特性向上、発光強度の向上、寿命の増大、高いスループット低コストを実現することができる。

0123

p側パッド層51が誘電体膜または高反射絶縁層60を被覆する長さが長い場合は、誘電体膜または高反射絶縁層60を介した電界の緩和構造を得る上で有利であるが、p側電極50とn側電極40とがショートする危険性は高くなる。一方、短い場合は、p側電極40とn側電極50とがショートする危険性は低くなる。

0124

高反射絶縁層60を、p側電極50及びn側電極40が形成されていない第1主面10aのほぼ全ての領域に形成することで、反射領域を大幅に増やすことができる。これにより、光取り出し効率を向上させることができる。

0125

n型半導体層10を露出させる際に、テーパ形状を付けることによって、誘電体膜及び高反射絶縁層60の段切れを防ぐことができる。

0126

なお、テーパ形状の斜面上に形成した高反射絶縁層60は、平行面(第1主面10aに対して平行な面)に形成した高反射絶縁層60よりも膜厚が薄くなるため、平行面において発光光に対する各層の膜厚を光学設計した場合、テーパ形状の斜面上ではその光学設計から条件がずれることにより、その領域における反射特性が低下する。テーパ角度を小さくする(第1主面10aと斜面との間の角度を小さくする)ことで、斜面上に形成した高反射絶縁層60の各膜厚が平坦面の場合に近づくため、斜面上においても光学設計に近い反射特性が得られる。また、光取り出し効率の観点からは、半導体発光素子の形状やp側電極50の形状によって最適なテーパ角度が異なる。これらを考慮して、テーパ角度を決めることができる。

0127

p側電極40とp側パッド層51との間に設けられる拡散防止層53は、p側パッド層51に含まれる物質がp側電極50へ向かって拡散する、または、その物質がp側電極50に含まれる材料と反応することを抑制する。この目的で、拡散防止層53には、p側電極50に用いられる銀と反応しない、または銀に積極的に拡散しない材料を用いることができる。拡散防止層53には、例えば、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)などの高融点金属を含む単層膜または積層膜を用いることができる。

0128

さらに、拡散防止層53には、多少拡散しても問題がないように仕事関数が高く、p−GaNコンタクト層(例えば、上記の高濃度Mgドープp型GaNコンタクト層)とオーミック特性が得られやすい金属として、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、ロジウム(Rh)、タングステン(W)、レニウム(Re)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)を用いることがさらに望ましい。

0129

拡散防止層53の厚さは、単層膜の場合は膜状態を維持できる5nm〜200nmとすることが望ましい。積層膜の場合は、特に限定されるものではなく、例えば、10nm〜10000nmの間で選ぶことができる。

0130

次に、本実施形態に係る半導体発光素子の変形例について説明する。
図8は、本発明の第1の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的平面図である。
すなわち、同図(a)〜(d)は、本実施形態に係る別の半導体発光素子113〜116の構成を例示しており、半導体発光素子の積層構造体10sの積層方向から見たときの模式的平面図である。

0131

これらの半導体発光素子113〜116においては、n側電極40が、積層構造体10sの第1主面10aの角部ではなく、第1主面10aの辺の中央部に配置されている。そして、この場合も、n側電極40のn型半導体層10に接触する領域(対向する領域)の面積は、高反射絶縁層60がn型半導体層10とn側パッド層41とに挟まれている領域の面積よりも小さく、これにより、半導体発光素子113〜116においても、低動作電圧、高光取り出し効率、高実装性、高生産性、高信頼性の半導体発光素子を提供できる。

0132

図8(a)に表したように、半導体発光素子113においては、p側電極50の平面形状が凹部を有する形状を有している。この凹部は、第1主面10aの中央部に設けられる。そして、n側電極40が、積層構造体10sの第1主面10aの1つの辺に沿った第1辺部40p1と、第2辺部40p2と、第1辺部40p1と第2辺部40p2との間の第3辺部40p3と、を有している。そして、n側電極40は、p側電極50の凹部に沿った中央延在部40p4と、第1辺部40p1、第2辺部40p2及び中央延在部40p4を繋ぐ中央部40p5と、を有している。

0133

そして、第3辺部40p3と中央部40p5とで囲まれた領域に、高反射絶縁層60が設けられている。

0134

そして、n側電極40の第1辺部40p1、第2辺部40p2、第3辺部40p3、中央延在部40p4及び中央部40p5と、高反射絶縁層60と、を覆うようにn側パッド層41が設けられている。なお、高反射絶縁層60の上の領域のn側パッド層41に、金バンプやボンディングワイヤが設けられる。

0135

半導体発光素子113においても、n型半導体層10のうち、p側電極50に対向する部分にn側電極40が設けられており、効果的に電気特性を向上させることができるため、動作電圧が低減できる。

0136

図8(b)に表したように、半導体発光素子114においては、半導体発光素子113の構成において、第3辺部40p3が省略され、その領域に高反射絶縁層60が設けられている。n側電極40のうちでp側電極50に対向しない部分は、電流の通電にあまり寄与せず電気的特性にあまり影響がないので、第3辺部40p3が設けられなくても電気的特性はほとんど変化ない。そして、第3辺部40p3を省略することによって、高反射絶縁層60の面積がさらに拡大でき、反射率が高い領域をさらに増大でき、光取り出し効率がさらに向上する。

0137

図8(c)に表したように、半導体発光素子115においては、半導体発光素子114の構成において、中央部40p5がさらに省略され、n側電極40は、第1辺部40p1、第2辺部40p2及び中央延在部40p4を有している。第1辺部40p1、第2辺部40p2及び中央延在部40p4は、n側パッド層41によって覆われ、これにより、第1辺部40p1、第2辺部40p2及び中央延在部40p4は、互いに接続され、さらに、n側パッド層41を介して、金バンプやボンディングワイヤと電気的に接続される。

0138

半導体発光素子115においては、第3辺部40p3と中央部40p5とを設けないことで、高反射絶縁層60の面積がさらに拡大でき、反射率が高い領域をさらに増大でき、光取り出し効率がさらに向上する。第1辺部40p1、第2辺部40p2及び中央延在部40p4のp側電極50に対向する部分の長さを適切に設計することで、電気的特性をほとんど変化させずに光取り出し効率を向上することができる。

0139

図8(d)に表したように、半導体発光素子116においても、n側電極40は、第1辺部40p1、第2辺部40p2及び中央延在部40p4を有している。そして、高反射絶縁層60は、第1辺部40p1、第2辺部40p2及び中央延在部40p4が設けられていない領域のn型半導体層10の上に設けられ、高反射絶縁層60の上にn側パッド層41が設けられている。そして、第1辺部40p1、第2辺部40p2及び中央延在部40p4のそれぞれの一部と、高反射絶縁層60と、が、n側パッド層41によって覆われている。すなわち、本具体例では、第1辺部40p1、第2辺部40p2及び中央延在部40p4のそれぞれの一部は、n側パッド層41には覆われていない。

0140

この場合も、第3辺部40p3と中央部40p5とを設けないことで、高反射絶縁層60の面積がさらに拡大でき、反射率が高い領域をさらに増大でき、光取り出し効率がさらに向上する。

0141

なお、本具体例の半導体発光素子116においては、信頼性やマウント工程の観点から、n型パッド層41で覆われていないn側電極40の上を高反射絶縁層60で覆うことが好ましい。これにより、n側電極40の周辺の設計マージンが広がるため、p側電極40を広げることによる光取り出し効率の向上や、n側電極40形成時の位置合わせ精度のマージンを増やすことによるスループットの向上が期待できる。

0142

本実施形態に係る半導体発光装置においては、半導体発光装置111〜116のように、n側パッド層41が設けられる領域は、正方形または円形に比較的近い長方形または楕円形など、長さと幅とが比較的近い形状であり、n側パッド層41の面積に対する周縁の長さの比は比較的小さい。一方、n側電極40は、p側電極50に対向する部分で有効に電流を流すために、p側電極50の縁部に沿った形状を有しており、n側電極40の面積に対する周縁の長さの比は比較的大きい。このように、n側パッド層41の平面形状は塊状であり、n側電極40の平面形状は、その塊の周囲に延びる枝状の形状を有している。

0143

図9は、本発明の第1の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
図9に表したように、本実施形態に係る半導体発光素子117においては、n側パッド層41が、第1n側パッド層411と、第1n側パッド層411に積層された第2n側パッド層412と、の複数の層を有している。これ以外は、半導体発光素子110と同様とすることができるので説明を省略する。

0144

第1n側パッド層411は、n側電極40及び高反射絶縁層60の側に設けられる。第1n側パッド層411における発光光に対する反射率は、第2n側パッド層412よりも高い。第1パッド層411に用いられる材料は、反射率、及び、高反射絶縁層60に対する密着性を重視して選定される。第1パッド層411には、例えば、AgやAlを用いることができる。

0145

一方、第2パッド層412に用いられる材料は、金バンプやボンディングワイヤなどの接続部材に対する密着性や、接続部材に含まれる各種の元素の拡散に対する耐性や、接続部材への実装工程における温度上昇などに対する耐性などが重視して選定される。第2パッド層412には、例えばAuが用いられる。

0146

このように、n型パッド層41を、第1n側パッド層411と第2n側パッド層412との積層構造にすることで、n側パッド層41の下側部と上側部とに要求される性能を分離することができ、最も高い性能を発揮させることができる。これにより、実装性、動作特性及び光取りだし効率をさらに向上させることができる。

0147

なお、n側パッド層41を積層構造とする構成は、既に説明した本発明の実施形態に係る全ての半導体発光素子にも適用でき、同様の効果が得られる。

0148

(第2の実施の形態)
本発明の半導体発光装置は、第1の実施形態に係る半導体発光素子を用いた半導体発光装置である。ここで、この半導体発光素子には、第1の実施形態に係るいずれかの半導体発光素子を用いることができるが、以下では、半導体発光素子110を用いる例として説明する。

0149

図10は、本発明の第2の実施形態に係る半導体発光装置の構成を例示する模式的断面図である。
図10に表したように、本実施形態に係る半導体発光装置201は、半導体発光素子110と、半導体発光素子110が実装されるサブマウント24(実装部品)と、を備える。

0150

サブマウント24は、複数の実装電極を有する。本具体例では、サブマウント24は、n側実装電極24a(第1実装電極)と、p側実装電極24b(第2実装電極)と、を有する。

0151

そして、半導体発光素子110の第1主面10aと、サブマウント24と、が対向して配置され、n側パッド層41が、サブマウント24の実装電極のいずれかに電気的に接続され、p側電極50がサブマウント24の実装電極の別のいずれかに電気的に接続される。すなわち、例えば、n側パッド層41がn側実装電極24aに電気的に接続され、p側電極50がp側実装電極24bに電気的に接続される。

0152

すなわち、半導体発光装置201は、フリップチップ方式で半導体発光素子110が実装される構成を有している。

0153

さらに、半導体発光装置は、半導体発光素子110の発光層30から放射される光(第1光)を吸収し、その光(第1光)の波長とは異なる波長の光(第2光)を放出する波長変換層210をさらに備える。波長変換層210には、例えば後述する第1蛍光体層211及び第2蛍光体層212を用いることができる。

0154

このような構成を有する半導体発光装置201によれば、本発明の実施形態に係る半導体発光素子を用いることで、実装性が高く、動作特性が良好で(動作電圧が低く)、光取り出し効率が高いフリップチップ型の半導体発光装置を提供できる。さらに、上記の波長変換層210を設けることで、所望の色特性発光装置を提供することができる。

0155

以下、半導体発光装置201の具体例についてさらに、説明する。
図10に表したように、本実施形態に係る半導体発光装置201においては、セラミック等からなる容器22の内面に反射膜23が設けられており、反射膜23は容器22の内側面と底面に分離して設けられている。反射膜23は、例えばアルミニウム等からなるものである。このうち容器22の底部に設けられた反射膜23の上に、図1に例示した半導体発光素子110がサブマウント24を介して設置されている。

0156

半導体発光素子110のn側パッド層41と、p側電極50(または、p側パッド層51)には、ボールボンダによって、それぞれ第1金バンプ25a及び第2金バンプ25bが設けられ、半導体発光素子110は、サブマウント24に固定されている。

0157

すなわち、サブマウント24の表面には、互いに絶縁されたn側実装電極24aとp側実装電極24bとが設けられている。そして、n側パッド層41がn側実装電極24aに電気的に接続され、p側電極50がp側実装電極24bに電気的に接続され、半導体発光素子110は、サブマウント24に固定される。なお、第1及び第2金バンプ25a及び25bを用いずに、直接サブマウント24へ半導体発光素子110を固定しても良い。

0158

これら半導体発光素子110、サブマウント24及び反射膜23の固定には、接着剤による接着半田等を用いることが可能である。

0159

サブマウント24のn側実装電極24a及びp側実装電極24bは、それぞれ容器22側に設けられた図示しない電極に対してボンディングワイヤ26により接続されている。この接続は、内側面の反射膜23と、底面の反射膜23と、の間の部分において行われている。

0160

また、半導体発光素子110やボンディングワイヤ26を覆うように赤色蛍光体を含む第1蛍光体層211が設けられており、この第1蛍光体層211の上には、青色、緑色または黄色の蛍光体を含む第2蛍光体層212が設けられている。これらの蛍光体層の上には、シリコン樹脂からなる蓋部27が設けられている。

0161

第1蛍光体層211は、樹脂及びこの樹脂中に分散された赤色蛍光体を含む。
赤色蛍光体としては、例えばY2O3、YVO4、Y2P,V)O4等を母材として用いることができ、これに3価のEu(Eu3+)を付活物質として含ませる。すなわち、Y2O3:Eu3+、YVO4:Eu3+等を赤色蛍光体として用いることができる。Eu3+の濃度は、モル濃度で1%〜10%とすることができる。赤色蛍光体の母材としては、Y2O3、YVO4の他に、LaOSやY2(P, V)O4等を用いることができる。また、Eu3+の他にMn4+等を利用することもできる。特に、YVO4母体に、3価のEuと共に少量のBiを添加することにより、380nmの吸収が増大するので、さらに発光効率を高くすることができる。また、樹脂としては、例えば、シリコン樹脂等を用いることができる。

0162

また、第2蛍光体層212は、樹脂、並びに、この樹脂中に分散された青色、緑色及び黄色の少なくともいずれかの蛍光体、を含む。例えば、青色蛍光体緑色蛍光体を組み合わせた蛍光体を用いても良く、また、青色蛍光体と黄色蛍光体とを組み合わせた蛍光体を用いても良く、青色蛍光体、緑色蛍光体及び黄色蛍光体を組み合わせた蛍光体を用いても良い。

0163

青色蛍光体としては、例えば(Sr,Ca)10(PO4)6Cl2:Eu2+やBaMg2Al16O27:Eu2+等を用いることができる。
緑色蛍光体としては、例えば3価のTbを発光中心とするY2SiO5:Ce3+,Tb3+を用いることができる。この場合、CeイオンからTbイオンエネルギーが伝達されることにより励起効率が向上する。緑色蛍光体としては、例えば、Sr4Al14O25:Eu2+等を用いることができる。
黄色蛍光体としては、例えばY3Al5:Ce3+等を用いることができる。
また、樹脂として、例えば、シリコン樹脂等を用いることができる。
特に、3価のTbは、視感度が最大となる550nm付近に鋭い発光を示すので、3価のEuの鋭い赤色発光と組み合わせると発光効率が著しく向上する。

0164

本実施形態に係る半導体発光装置201によれば、半導体発光素子110から発生した380nmの紫外光は、半導体発光素子110の基板5の側に放出され、反射膜23における反射をも利用することにより、各蛍光体層に含まれる上記蛍光体を効率良く励起することができる。

0165

例えば、第1蛍光体層211に含まれる3価のEu等を発光中心とする上記蛍光体は、620nm付近の波長分布の狭い光に変換され、赤色可視光を効率良く得ることが可能である。
また、第2蛍光体層212に含まれる青色、緑色、黄色の蛍光体が、効率良く励起され、青色、緑色、黄色の可視光を効率良く得ることができる。
これらの混色として、白色光やその他様々な色の光を、高効率でかつ演色性良く得ることが可能である。

0166

次に、本実施形態に係る半導体発光装置201の製造方法について説明する。
なお、半導体発光素子110を作製する工程は、既に説明した方法を用いることができるので、以下では、半導体発光素子110が出来上がった後の工程について説明する。

0167

まず、容器22の内面に反射膜23となる金属膜を、例えばスパッタリング法により形成し、この金属膜をパターニングして容器22の内側面と底面とにそれぞれ反射膜23を残す。

0168

次に、半導体発光素子110にボールボンダによって第1及び第2金バンプ25a及び25bを配置し、n側実装電極24a及びp側実装電極24bを有するサブマウント24上に半導体発光素子110を固定し、このサブマウント24を容器22の底面の反射膜23上に設置して固定する。これらの固定には接着剤による接着や半田等を用いることが可能である。また、ボールボンダによる第1及び第2金バンプ25a及び25bを用いずに、半導体発光素子110をサブマウント24の上に直接固定することもできる。

0169

次に、サブマウント24上のn側実装電極24a及びp側実装電極24bと、容器22側に設けられた図示しない電極と、を、ボンディングワイヤ26により接続する。

0170

さらに、半導体発光素子110やボンディングワイヤ26を覆うように赤色蛍光体を含む第1蛍光体層211を形成し、この第1蛍光体層211上に青色、緑色または黄色の蛍光体を含む第2蛍光体層212を形成する。

0171

蛍光体層のそれぞれの形成方法は、各蛍光体樹脂原料混合液に分散させたものを滴下し、さらに熱処理を行うことにより熱重合させて樹脂を硬化させる。なお、各蛍光体を含有する樹脂原料混合液を滴下してしばらく放置した後に硬化させることにより、各蛍光体の微粒子が沈降し、第1、第2蛍光体層211、212の下層に各蛍光体の微粒子を偏在させることができ、各蛍光体の発光効率を適宜制御することが可能である。その後、蛍光体層上に蓋部27を設け、本実施形態に係る半導体発光装置201、すなわち、白色LEDが作製される。

0172

半導体発光素子の中で生じた光の一部は、素子の外に直接取り出されるが、他の一部は、反射膜や、半導体層と基板との界面、基板と外気との界面などでの反射を繰り返して、素子表面、基板表面または素子側面から外に取り出される。一部の光は反射効率の低いn側電極などに吸収され、光取り出し効率を下げる要因となる。特に、370〜400nmの発光波長を持つ近紫外LEDと蛍光体層を組み合わせた白色LEDの場合、近紫外LED用の蛍光体層、特に赤色蛍光体層は、吸収率が低く、かつ近紫外光を外に漏らさないようにするため、蛍光体層をより多く塗布する必要がある。その結果、LEDチップへの戻り光がより多くなり、蛍光体層側から見て吸収領域であるn側電極の面積は、白色LEDの効率の観点からは無視できない。

0173

本実施形態に係る半導体発光素子のように、反射率の低いn側電極を動作電圧低減に必要な最低限の面積に抑えつつ、比較的広い面積のパッド領域の確保と、より広い高効率反射領域の確保を両立させたLEDチップに蛍光体層を塗布することにより、白色LEDの効率を向上させることができ、本発明の効果をより高くすることができる。

0174

なお、本実施形態に係る半導体発光素子における高反射絶縁層60(例えば誘電体多層膜)が、発光波長である380nmに合わせて光学設計された場合、高反射絶縁層60に対して垂直に入射した可視光に対しては高い反射特性を示さない。ただし、高反射絶縁層60は、入射角度が傾くに従い高反射特性を示す波長領域が広がり、膜面に対して30度傾いた入射角度では可視光のほぼ全域で高反射特性を示す。

0175

また、n側パッド層41の積層構造体10sの側に、可視光に対して反射特性を有する反射金属膜を配置することもできる。この反射金属膜としては、例えばアルミニウムやロジウムを用いることができる。すなわち、n側パッド層41は、積層構造体10sの側に設けられ、アルミニウム、アルミニウム合金、ロジウム及びロジウム合金の少なくともいずれかを含む層を含むことができる。

0176

これにより、励起された蛍光体層から放出された可視光をLEDチップに向かって戻る成分を効率よく反射して、半導体発光素子の外部に効率良く取り出すことができる。また、これにより、上記の反射金属膜に到達する光の位相コントロールすることによって、反射強度を増す構造を作ることもできる。

0177

なお、本明細書において「窒化物半導体」とは、BxInyAlzGa1−x−y−zN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦z≦1,x+y+z≦1)なる化学式において組成比x,y及びzをそれぞれの範囲内で変化させた全ての組成の半導体を含むものとする。またさらに、上記化学式において、N(窒素)以外のV族元素もさらに含むものや、導電型などを制御するために添加される各種のドーパントのいずれかをさらに含むものも、「窒化物半導体」に含まれるものとする。

0178

以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、半導体発光素子及び半導体発光装置を構成するn型半導体層、p型半導体層、発光層、井戸層、障壁層、n側電極、p側電極、高反射絶縁層、誘電体積層膜、上層金属層、実装部品、波長変換部、蛍光体等、各要素の具体的な構成の、形状、サイズ、材質配置関係などに関して、また結晶成長プロセスに関して当業者が各種の変更を加えたものであっても、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。

0179

その他、本発明の実施の形態として上述した半導体発光素子及び半導体発光装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての半導体発光素子及び半導体発光装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。

0180

その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。

0181

本発明によれば、実装性が高く、動作特性が良好で、光取り出し効率が高い半導体発光素子及び半導体発光装置が提供される。

0182

5…基板、
10…n型半導体層、
10a…第1主面、
10b…第2主面、
10s…積層構造体、
20…p型半導体層、
22…容器、
23…反射膜、
24…サブマウント(実装部材)、
24a…n側実装電極(第1実装電極、実装電極)、
24b…p側実装電極(第2実装電極、実装電極)、
25a…第1金バンプ(金バンプ)、
25b…第2金バンプ(金バンプ)、
26…ボンディングワイヤ、
27…蓋部、
30…発光層、
40…n側電極、
40p1〜40p3…第1〜第3辺部、
40p4…中央延在部、
40p5…中央部、
41…n側パッド層(上層金属層)、
42…透明導電膜、
43…反射金属膜、
50…p側電極、
51…p側パッド層、
53…拡散防止層、
60…高反射絶縁層、
110〜117、119a〜119d…半導体発光素子、
201…半導体発光装置、
210…波長変換層、
211、212…第1及び第2蛍光体層、
411、412…第1及び第2n側パッド層

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