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課題・解決手段
概要
背景
IMT計測は、被検者の動脈硬化の発見に有効であることが知られている。IMT計測には、医師や臨床検査技師などの医療従事者(「検者」という)が被検者の頸動脈部に超音波探触子を当接して超音波画像を得、超音波画像上にROIを設定する過程が必要である。
検者は手動によってもROIの設定が可能である。しかし、IMT計測に係るROIの設定作業を、検者が全ての被検者に対して行っていたのでは効率的な画像診断ができない。
そこで、特許文献1では、IMT計測に係るROI設定方法が開示されている。特許文献1には、輝度の最小値の位置を内腔として、内腔の位置から超音波探触子に近い領域を血管の前壁として抽出し、内腔の位置から超音波探触子より遠い領域を血管の後壁とするROI設定方法が提案されている。
概要
本発明の超音波診断装置は、被検者の頸動脈部を含む部位に対し超音波を送受信して超音波画像を撮像し、該超音波画像から内膜中膜複合体の厚さを計測する厚さ計測部を有する超音波診断装置であって、前記超音波画像を走査し前記頸動脈の輪郭候補点の集中度に基づき前記内膜中膜複合体を含む関心領域を前記超音波画像上に設定する関心領域設定部を備え、前記厚さ計測部は、前記設定された関心領域中の境界に基づいて前記内膜中膜複合体の厚さを計測する。
目的
本発明は、IMT計測に係るROI設定の精度向上が可能な超音波診断装置とその関心領域設定方法を提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 1件
- 牽制数
- 0件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
被検者の頸動脈部を含む部位に対し超音波を送受信して超音波画像を撮像し、該超音波画像から内膜中膜複合体の厚さを計測する厚さ計測部を有する超音波診断装置であって、前記超音波画像を走査し前記頸動脈の輪郭候補点の集中度に基づき前記内膜中膜複合体を含む関心領域を前記超音波画像上に設定する関心領域設定部を備え、前記厚さ計測部は、前記設定された関心領域中の境界に基づいて前記内膜中膜複合体の厚さを計測することを特徴とする超音波診断装置。
請求項2
請求項3
請求項4
請求項5
前記関心領域位置算出部は、前記集合領域毎に算出された前記関心領域を統合し、一の関心領域の位置を算出する請求項4に記載の超音波診断装置。
請求項6
前記関心領域位置算出部によって関心領域の位置が計算できない領域について他の領域と表示態様を変えて表示する表示部を備えた請求項1に記載の超音波診断装置。
請求項7
前記関心領域位置算出部は、前記頸動脈の一方の血管壁の関心領域の位置に基づき前記頸動脈の他方の血管壁の関心領域の位置を算出する請求項1に記載の超音波診断装置。
請求項8
前記関心領域位置算出部は、前記頸動脈の他方の血管壁の輪郭候補点の集中度を参照して前記頸動脈の他方の血管壁の関心領域の位置を算出する請求項7に記載の超音波診断装置。
請求項9
前記関心領域位置算出部は、前記頸動脈の一方の血管壁の関心領域の情報を複写して前記頸動脈の他方の血管壁の関心領域の位置を算出する請求項7に記載の超音波診断装置。
請求項10
前記内膜中膜複合体の厚さのうちの最大値又は最小値を算出する厚さ算出部と、前記最大値又は最小値の厚さを示すマーカを生成するマーカ生成部と、前記マークと前記内膜中膜複合体の厚さと前記超音波画像とを表示する表示部と、を備えた請求項1に記載の超音波診断装置。
請求項11
被検者の頸動脈部を含む部位に対し超音波を送受信して超音波画像を撮像し、厚さ計測部によって該超音波画像から内膜中膜複合体の厚さを計測する第1ステップを含む超音波診断装置の関心領域設定方法であって、関心領域設定部によって前記超音波画像を走査し前記頸動脈の輪郭候補点の集中度に基づき前記内膜中膜複合体を含む関心領域を前記超音波画像上に設定する第2ステップとを備え、前記第1ステップは、前記厚さ計測部により前記設定された関心領域中の境界に基づいて前記内膜中膜複合体の厚さを計測することを特徴とする超音波診断装置の関心領域設定方法。
請求項12
前記表示部により前記関心領域の位置が計算できない領域について他の領域と表示態様を変えて表示する第3ステップを含む請求項11に記載の超音波診断装置の関心領域設定方法。
請求項13
前記関心領域位置算出部により前記頸動脈の一方の血管壁の関心領域の位置に基づき前記頸動脈の他方の血管壁の関心領域の位置を算出する第4ステップを含む請求項11に記載の超音波診断装置の関心領域設定方法。
請求項14
厚さ算出部により前記内膜中膜複合体の厚さのうちの最大値又は最小値を算出する第5ステップと、マーカ生成部により前記最大値又は最小値を示すマーカを生成する第6ステップと、表示部によって前記マークと前記内膜中膜複合体の厚さと前記超音波画像とを表示する第7ステップと、を備えた請求項11に記載の超音波診断装置の関心領域設定方法。
技術分野
0001
本発明は、撮像された被検者の頸動脈の超音波画像内で、内膜中膜複合体厚(Intima Media Thickness:IMT)を計測するための注目する関心領域(Region Of Interest:ROI)を設定してIMT値を計測するようにした超音波診断装置とその関心領域設定方法に関する。
背景技術
0002
IMT計測は、被検者の動脈硬化の発見に有効であることが知られている。IMT計測には、医師や臨床検査技師などの医療従事者(「検者」という)が被検者の頸動脈部に超音波探触子を当接して超音波画像を得、超音波画像上にROIを設定する過程が必要である。
0004
そこで、特許文献1では、IMT計測に係るROI設定方法が開示されている。特許文献1には、輝度の最小値の位置を内腔として、内腔の位置から超音波探触子に近い領域を血管の前壁として抽出し、内腔の位置から超音波探触子より遠い領域を血管の後壁とするROI設定方法が提案されている。
先行技術
0005
特開2007-283035号公報
発明が解決しようとする課題
0006
しかしながら、特許文献1には血管の前壁と後壁にROIを設定する処理が提案されているに過ぎず、血管中のIMT計測に係る複数の輪郭の候補点に対応して参照してROIを設定する点について配慮されていなかったため、IMT計測に係るROI設定の精度について未解決の課題があった。
0007
本発明は、IMT計測に係るROI設定の精度向上が可能な超音波診断装置とその関心領域設定方法を提供することを課題とする。
課題を解決するための手段
0008
上記の課題を解決するために、本発明は、被検者の頸動脈部を含む部位の超音波画像を撮像し、前記超音波画像を走査し前記頸動脈の輪郭候補点の集中度に基づき前記内膜中膜複合体を含む関心領域を設定し、前記関心領域中の内膜中膜複合体の厚さを計測する。
0009
具体的に、本発明の超音波診断装置は、被検者の頸動脈部を含む部位に対し超音波を送受信して超音波画像を撮像し、該超音波画像から内膜中膜複合体の厚さを計測する厚さ計測部を有する超音波診断装置であって、前記超音波画像を走査し前記頸動脈の輪郭候補点の集中度に基づき前記内膜中膜複合体を含む関心領域を前記超音波画像上に設定する関心領域設定部を備え、前記厚さ計測部は、前記設定された関心領域中の境界に基づいて前記内膜中膜複合体の厚さを計測することを特徴とする。
0010
また、本発明の超音波診断装置の関心領域設定方法は、被検者の頸動脈部を含む部位に対し超音波を送受信して超音波画像を撮像し、厚さ計測部によって該超音波画像から内膜中膜複合体の厚さを計測する第1ステップを含む超音波診断装置の関心領域設定方法であって、関心領域設定部によって前記超音波画像を走査し前記頸動脈の輪郭候補点の集中度に基づき前記内膜中膜複合体を含む関心領域を前記超音波画像上に設定する第2ステップとを備え、前記第1ステップは、前記厚さ計測部により前記設定された関心領域中の境界に基づいて前記内膜中膜複合体の厚さを計測することを特徴とする。
0011
本発明の上記構成において、被検者の頸動脈部を含む部位に対し超音波を送受信して超音波画像を撮像し、関心領域設定部により前記超音波画像を走査し前記頸動脈の輪郭候補点の集中度に基づき前記内膜中膜複合体を含む関心領域を前記超音波画像上に設定することにより、集中する複数の輪郭候補点(画素点)を参照してROIを設定するため、ROI設定の精度向上が可能となる。
発明の効果
0012
本発明は、IMT計測に係るROI設定の精度向上が可能な超音波診断装置とその関心領域設定方法を提供するという効果を奏する。
図面の簡単な説明
0013
本発明の実施例1の超音波診断装置の構成例を示すブロック図
頸動脈壁の輝度変化の特徴を説明する図
図2Aの線204上の輝度変化を説明する図
本発明の実施例1でのROI設定の原理を説明する図
本発明の実施例1の超音波診断装置の動作例を説明するフローチャート
本発明の実施例1の超音波診断装置の画面表示例を説明する図
本発明の実施例2でのROI設定の原理を説明する図
本発明の実施例3でのROI設定の原理を説明する図
本発明の実施例3の図7と異なる例を説明する図
本発明の実施例4の超音波診断装置の画面表示例を説明する図
0014
以下、本発明を適用してなる超音波診断装置とその関心領域設定方法の実施例1を説明する。なお、以下の説明では、同一機能部品については同一符号を付して重複説明を省略する。実施例1ではROIの数が1つである場合を例示して説明する。
0015
図1は、本発明の実施例1の超音波診断装置の概略を示すブロック図である。
実施例1では、「被検者の頸動脈部を含む部位に対し超音波を送受信して超音波画像を撮像」する機能は、超音波探触子3と超音波信号送受信部4と超音波信号生成部5と超音波画像生成部6が担っている。
0016
また、「関心領域設定部により前記超音波画像を走査し前記頸動脈の輪郭候補点の集中度に基づき前記内膜中膜複合体を含む関心領域を前記超音波画像上に設定」する機能は、ROI候補点検出部8とROI候補点記憶部9とROI算出部10が担っている。
0017
また、「厚さ計測部により該超音波画像から内膜中膜複合体の厚さ(IMT)を計測」する機能は、内膜中膜複合体境界抽出部11とIMT算出部12とが担っている。
0018
また、各機能が相互に協働するためには、検者による超音波撮像条件等の設定を行う機能の入力部14と、入力部14に入力された設定により超音波画像の撮像やIMTの計測のためのプログラムを実行する制御部15と、前記超音波画像や前記IMTなどの計測結果を表示出力する出力・表示部13とを有している。
0019
次に、実施例1の超音波診断装置1の構成について各機能の詳細について説明する。
超音波診断装置1は、超音波探触子3と、超音波信号送受信部4と、超音波信号生成部5と、超音波画像生成部6と、生体信号検出部7と、ROI候補点検出部8と、ROI候補点記憶部9と、ROI算出部10と、内膜中膜複合体境界抽出部11と、IMT算出部12と、出力・表示部13と、入力部14と、制御部15と、を備える。
0020
超音波探触子3は、振動子から被検者の対象組織へ超音波を送信し受信する器具である。超音波探触子3の種類は、主に走査方法で分類され、リニア型、コンベックス型、セクタ型等がある。超音波探触子3は、単に探触子という場合もある。
0021
超音波信号送受信部4は、超音波探触子3に超音波信号を送信し、超音波探触子3を介して被検者から反射エコー信号を受信する。
0023
超音波画像生成部6は、超音波信号生成部5から入力された信号から、装置の撮像設定に基づいて超音波画像を生成する。
0024
生体信号検出部7は、被検体2の生体信号を検出して信号データに変換するものである。生体信号とは、ECG(Electro Cardio Gram)やPCG(Phono Cardio Gram)が例として挙げられるが、本実施形態では、ECGで説明する。
0025
ROI候補点検出部8は、超音波画像生成部6によって生成された超音波画像上にROI候補点記憶部9を用いてROIの候補点を検出する。
0026
ROI候補点記憶部9は、IMT計測に適した位置の信号の特徴を抽出するための候補点が記憶されており、これらの候補点を元にROI候補点検出部8を動作させる。
0027
ROI算出部10は、ROI候補点検出部8により検出されたROI候補点群からROIの位置と大きさを算出する。
0028
超音波探触子3と超音波信号送受信部4と超音波信号生成部5と超音波画像生成部6は、被検者の頸動脈部を含む部位に対し超音波を送受信して超音波画像を撮像する。
0029
内膜中膜複合体境界抽出部11とIMT算出部12は、超音波画像から内膜中膜複合体の厚さを計測する。
0030
ROI候補点検出部8とROI候補点記憶部9とROI算出部10は、前記超音波画像を走査し前記頸動脈の輪郭候補点の集中度に基づき前記内膜中膜複合体を含む関心領域の位置を算出する。
0031
さらに、内膜中膜複合体境界抽出部11とIMT算出部12は、前記位置が算出された関心領域内について前記頸動脈の境界抽出処理を行い、前記境界から前記内膜中膜複合体の厚さを計測する。
0032
ROI候補点の検出からROIの位置と大きさの算出までの原理の説明は、図2A、図2B、図3を用いる。
0033
まず、ROI候補点の検出の工程ついて図2Aを用いて説明する。
図2Aは、頸動脈壁の輝度変化の特徴を説明する図である。なお、図2Aは実際にはBモード像となるが、輪郭線のみを用いて説明することとする。
0034
輝度変化の特徴は、超音波画像のBモード像を例とすると、頸動脈部の血流部分である内腔201が低輝度で描出され、頸動脈の外側に内膜、中膜の内膜中膜複合体203が配置されており血流部分よりは高輝度で描出されるという第1の輝度変化の特徴がある。
0035
次に、頸動脈部の内膜中膜複合体203の外側には、外膜202が配置されており、内膜中膜複合体203よりは内膜中膜複合体203よりはさらに高輝度で描出されるという第2の輝度変化の特徴がある。
0037
図2Bは、図2Aの線204上の輝度変化を説明する図である。
図2Bでは、図面左上より、頸動脈部の内腔201、内膜中膜複合体203、外膜202の順で配置されている。それぞれの領域の輝度変化Brは図示されるような2段階の輝度変化で示される。
0038
つまり、図面左側の輝度変化が第1の輝度変化として、図面右側の輝度変化が第2の輝度変化としてそれぞれ示され、各輝度変化の特徴がROI候補点記憶部9に記憶されている。
0039
しきい値Thは、第1の輝度変化、第2の輝度変化毎に設けられる。図2Bでは、第1の輝度変化、第2の輝度変化でのしきい値Thを同じ値に設定するが、第1の輝度変化、第2の輝度変化でのしきい値Thは任意に設定可能である。
0040
図2Bでは、第1の輝度変化の微分Difの値としきい値Thが比較され、さらに第2の輝度変化の微分Difの値としきい値Thが比較されることを例示する。第1の輝度変化の微分Difの値と第2の輝度変化の微分Difの値が共にしきい値Th以上となる画素値をROIの候補点データ(後で説明する図3の候補点データ301)とする。
0041
なお、第1の輝度変化あるいは第2の輝度変化の一方を用いて検出できる場合には、第1の輝度変化あるいは第2の輝度変化の一方のみを用いてもよい。
0042
公知のROI設定では、ROI候補点の検出という操作が行われずに輝度変化のみで行われるため、内膜中膜複合体に類似した輝度変化が画像上に存在すればROIとして誤認識されるおそれがあった。しかし、図2Bのように、ROI設定の範囲をROIの候補点データで特定すれば、公知のROI設定の誤認識のおそれが解消される。
0043
以上説明した工程で内膜中膜複合体の輝度変化の特徴に基づいたROI候補点の検出がなされる。
0044
次に、ROIの位置と大きさの算出の工程について図3を用いて説明する。
図3は本発明の実施例1でのROI設定の原理を説明する図である。
0045
まず、候補点データ301-1は画面の画像表示領域502に表示される頸動脈が描出された超音波画像上にプロットされる。そして、候補点データ301-2〜301-nは同様の手順で複数求められ、複数の候補点データ301-2〜301-nは超音波画像上に同様にプロットされる。プロットされた候補点データ301-1〜301-nの超音波画像上の座標点は記憶され、後の処理で読み出せるようになっている。
0046
次に、例えば超音波画像の画素点を302の方向に走査して、超音波画像上にプロットされた複数の候補点データ301-1〜301-nが偏在する超音波画像の一部領域を探索する。探索した結果、候補点データ301-1〜301-nが超音波画像の一部領域に集中する度合い(集中度)を調べる。
0047
例えば、集中度を求めるプロセスは、まず、候補点データ301-1〜301-nの最大数を通る回帰直線303を定義する。回帰直線303の開始点と終了点は分布する候補点データ301-1〜301-nの左右方向の端点を通過する。つまり、回帰直線303が存在する位置が候補点データ301-1〜301-nの集中している位置であり、集中度の指標となる。
0049
また、しきい値は例えば零とする平均値μと標準偏差σで求められる。つまり、集中度の指標は、-σ+μ乃至+σ+μ(68%)を最も集中する値域(ベスト値域)、-2σ+μ乃至+2σ+μ(95%)をより集中している値域(ベター値域)、-3σ+μ乃至+3σ+μ(99%)を集中している値域(グッド値域)とそれぞれ定義する。なお、ベスト値域、ベター値域、グッド値域は狭い値域、この狭い値域より広い値域、より広い値域よりさらに広い値域というように3段階の値域の定義がされればよく、平均値μと標準偏差σに限られない。
0050
そして、ROI507の形状を長方形とし、ROI507の位置は、例えば、回帰直線303上で候補点データ301-1〜301-nが最も集中する点301CをROI507の中心とする。点301Cは、被検者から得られる頚動脈画像の画質などの状態によって、ベスト値域、ベター値域、グッド値域の何れかを入力部14を用いて検者が選択することができる。
0051
また、回帰直線303上にプロットされる候補点データ301-1〜301-nの最も左の点301L及び最も右の点301RをROI507の端部とする。
0052
なお、候補点データ301Cの算出法は、候補点データ301-1〜301-nの画像上の座標が記憶されているそれぞれの座標値を比較し、比較された結果に基づき最も近似する座標値が多い、即ち集中する座標値に最も近い座標点にある候補点データ301-1〜301-nを候補点データ301Cとする。以上により、回帰直線303に平行な方向のROI507の位置と大きさは決定する。
0053
次に、回帰直線303に垂直な方向のROI507の位置と大きさは、例えば、候補点データ301Cを通る方向に回帰直線303の垂線304を引き、垂線304を通る候補点データ301Cと他の候補点データの最大距離を求め、求めた最大距離に係る関数(ここでは2倍)とする。以上により、回帰直線303に垂直な方向も決定するので、ROI507の位置と大きさが決定される。
なお、内膜中膜複合体のROI形状は本実施例では長方形が用いる例を説明しているが、長方形だけでなく任意の形状でもよい。
0054
また、ROIの大きさは、回帰直線303の方向とこれに垂直な方向への候補点データ301-1〜301-nの座標値の標準偏差の幅としてもよい。
0055
また、別の方法としては、ROI候補点群の密度分布がある2次元分布に従うと仮定し、これを推定して、2次元分布の中心をROIの中心、広がりをROIの大きさ、広がりの方向をROIの傾きとしてもよい。
0056
ROI候補点記憶部9では、信号ノイズ比に関する感度を調整できるようにしてもよい。例えば、前記輝度微分値や内腔側輝度分散値にしきい値を設定して、ノイズ等の影響をどの程度許容するか調整する。調整の具体例は、輝度微分値に対するしきい値を小さくすれば、ノイズに対する影響を許容し、内膜中膜複合体がやや不明瞭でも検出する。
0057
また、内腔側輝度分散値に対するしきい値を下げれば、内腔側ノイズが大きい場合でも検出する。この設定は、検者が入力部14を用いて設定する。
0058
内膜中膜複合体抽出部11は、ROI内での内膜側境界と外膜側境界を抽出する処理である。境界抽出部12は、分割線の位置に基づいて、内腔側境界と外膜側境界を抽出する。例えば、境界抽出部12は、内腔側分割線から内腔側に限定した範囲で内腔側境界を抽出すると共に、外膜側分割線から外膜側に限定した範囲で外膜側境界を抽出する。境界抽出方法の種類は、限定探索に基づく境界抽出方法、エッジ検出に基づく境界抽出方法、リージョングローイングに基づく境界抽出方法、動的輪郭モデルに基づく境界抽出方法などを利用する。
0059
限定探索に基づく境界抽出方法とは、境界抽出部12は内膜中膜領域の内腔側境界を内腔側に範囲を限定して境界抽出を行う。また、外膜側境界については、外膜側に範囲を限定して境界抽出を行う。境界抽出方法による処理はROIの全列に適用され、境界位置を抽出する。これらの境界位置の集合を内腔側境界および外膜側境界とする。
0060
エッジ検出に基づく境界抽出方法とは、画像の明るさの変化によりオブジェクトの輪郭を算出することである。また、輪郭とは画像内の明るさが急激に変化する場所、つまりオブジェクトの領域の境界を意味する。
0061
リージョングローイング法とは、閾値を用いて「同一組織の領域内は輝度変化が少ない」,「異種組織間では輝度に変化が生じる」ことを利用し,対象領域内部から連結する画素を取り込みながら領域の拡張(または収縮)を行い,対象領域全体を抽出する方法である。
0062
動的輪郭モデルに基づく境界抽出方法とは、スネークに代表される動的輪郭による画像領域抽出である。動的輪郭モデルに基づく境界抽出方法の特徴はノイズに強く、滑らかに連続した輪郭線が得られることにある。
0063
IMT算出部12は、内膜201側の境界線と外膜202側の境界線の間の距離を算出する。算出された値がIMTとなる。さらに、IMT算出部12は、ROI内のIMTの平均値、最大値や最小値等を算出する。
0064
出力・表示部13は、前記境界線や計測値を計測レポートに出力したり、超音波診断装置1の画面の表示領域502に表示したりする。出力・表示部13の具体例は、液晶モニタ、CRTモニタなど画像表示器と呼ばれるものである。
0065
入力部14は、検者の操作によって、IMT計測を行うにあたっての初期設定や、検出されたROIの位置の補正を行うための手動操作を行うためのユーザインターフェイスである。入力部14の具体例は、キーボード、トラックボール、マウス、スイッチ等である。
0066
制御部15は、システム全体を制御する。具体的には、制御部15は、送受信のパワーやタイミングの情報を受け取り、所望の超音波信号が得られるよう超音波信号送受信部4を制御する。また、制御部15は、生体信号検出部7から出力される生体信号の時相からROI候補点検出部8を動作するタイミング信号を発生する。制御部15の具体例は、CPU等である。
0067
次に、本発明の実施例1の超音波診断装置の動作例について図3、図4、図5を用いて説明する。
図4は本発明の実施例1の超音波診断装置の動作例を説明するフローチャート、図5は本発明の実施例1の超音波診断装置の画面表示例を説明する図である。
0068
図4に示されるフローチャートは、図5の表示例を参照しながら説明するため、図5の符号501から515までの表示領域や表示項目について説明する。
0069
501は表示画面を示す。502は表示画面501の画像表示領域で、頸動脈の超音波画像が表示される。503はIMT値の表示領域で、IMT値の平均、最大、最小、左端、中央、右端、3点(左端、中央、右端)平均などが数値で表示される。504はROIの検出状況の表示領域で、良好(Good)、不良(Bad)などが表示される。
0070
505はROIの検出感度の表示領域で、頸動脈の内腔部分や血管壁の外部領域が鮮明に描出できたときは感度を高く(High)に設定したり、動脈硬化が進行した症例で頸動脈の内腔部分や血管壁の外部領域が不鮮明となったときは中(Middle)に設定したりする。506はROIの検出タイミングの表示領域で、図5では「全フレーム」が選択されている。507はROIを、508は内腔側境界線を、509は外膜側境界線をそれぞれ示す。
0071
510はIMT値の時間経過曲線、511はECGの時間経過曲線、512はECGのある時相を選択するための時相マーカをそれぞれ示す。513はROIの数の表示領域で、図5の例ではROIの数が1つに設定されている。
0072
次に、本発明の実施例1の超音波診断装置の動作例について図4を用いて説明する
検者は、被検者2の頸部に超音波探触子3を当接し、頸動脈の超音波画像を撮像する。超音波画像は画像表示領域502に表示される(S101)。
0073
検者は、入力部14を用いてROIの検出感度、個数、更新タイミングを設定する。ROIの検出感度、個数、更新タイミングは、表示領域505、506、513に表示され、表示領域505には"High"、 表示領域506には"1"、表示領域513には"全フレーム"が表示される(S102)。
0074
制御部15は、S102で設定された更新タイミング(ここでは"全フレーム")のフレーム画像を超音波画像生成部6に取得させる(S103)。
0075
制御部15は、S103で取得された超音波画像のROI候補点をROI候補点検出部8に検出させる(S104)。具体的には、ROI候補点検出部8は、超音波画像の画素点を図3に示すように302の方向に走査して、超音波画像上にプロットされた複数の候補点データ301-1〜301-nが偏在する超音波画像の一部領域を探索する。探索した結果、候補点データ301-1〜301-nが超音波画像の一部領域に集中する度合い(集中度)を調べる。
0076
制御部15は、S104で検出されたROI候補点からROI507の位置と大きさを設定させる(S105)。具体的には、図3で説明した回帰直線303に平行な方向と垂直な方向のROI507の位置と大きさを設定させる。
0077
制御部15は、S105で設定されたROI507を出力・表示部13の表示画面501中の画像表示領域502に表示されている頸動脈の超音波画像に重畳表示させる(S106)。
0078
制御部15は、S105で設定されたROI507が適正に設定されたか否かを判定する。例えば、ROI候補点の基準数が100とすれば、プラスマイナス10%の数値範囲から外れるROI候補点が実測されたとき、たとえば89未満、111を超えるという条件がROIの検出不良と判定される。
0079
また、判定には、ROI候補点記憶部9に記憶されるROI候補点の数以外にも、算出したROIの中心位置、広がり、傾きの基準値が用いられる。ROIが適正に設定されたか否かは、ROI507の枠線を色分けすることで表される。例えば、ROI検出結果が良好である場合にはROI507の枠線の色を緑色に、不良である場合にはROI507の枠線の色を赤色にする。
0080
また、ROI507の中心位置、広がり、角度の数値を用いて、ROI検出結果を数値化し、数値に応じて緑色から赤色まで連続的にROI507の枠線の色を変化させてもよい。
0081
また、ROI507の枠線の色を変えるだけでなく、ROI検出が良好な場合にはROI507の枠線を実線に、不良の場合はROI507の枠線を点線にしたり、枠線を点滅表示させたりしてもよい。これにより、視覚的にROIの検出状態が確認し易くなる。また、表示画面501上のROI検出状態表示504に検出状態(良好か不良かなどの情報)を表示することが可能となる(S107)。
0082
制御部15は、S107で適正と判定されたROI507内に含まれる画素に対して内膜中膜複合体の境界抽出処理を内膜中膜複合体境界抽出部11に行わせる(S108)。
0083
制御部15は、S108で抽出された内膜中膜複合体の境界からIMT値をIMT算出部12に行わせる(S109)。
0084
制御部15は、S109で算出されたIMT値を出力・表示部13の表示画面501中のIMT値表示領域503に数値で表示させる。
0085
また、制御部15は、S109で算出されたIMT値を出力・表示部13の表示画面501中にIMT値の時間経過曲線510で表示させる(S110)。
検者は、入力部14を用いて、IMT計測が終了したか否かを入力する。制御部15は入力部14に入力されたIMT計測終了の成否を受けてIMT計測が終了すればプログラムを終了し、IMT計測が終了していなければS103の処理を行う(S111)。
0086
次に、S107で検出が適正でなかった場合、制御部15は、ROIの枠線の色や線種を変えるなどの他の表示項目と表示態様を変える他、ROIの検出状況の表示領域504に“Bad”を警告として表示する(S112)。
0087
S112で制御部15がROIの検出状況の表示領域504を“Bad”と判定して、検者が画像観察した結果、ROI位置を微調整すればIMT算出へ移行できる場合がある。また、検者により入力部14を用いたROIの検出感度、個数、更新タイミングの再設定が必要な場合もある。
0088
そこで、ROIの微調整に移行できる場合の付加機能として、制御部15は超音波画像の取得をフリーズするか否かを判定する。判定の結果、フリーズしてROIの位置や大きさを微調整する場合はS114へ移行し、頸動脈画像への再設定入力が必要な場合はS115へ移行する(S113)。
0089
S113のフリーズにより、検者は入力部14を用いて、ROIの位置や大きさを微調整し、S108へ移行する(S114)。
0090
他方、S113でフリーズせずに、検者は、入力部14を用いてROIの検出感度、個数、更新タイミングを再設定(S115)し、S103の処理を行う。
0091
以上説明した本実施例によれば、輪郭候補点、すなわち複数の画素点を参照してROIを設定するため、ROI設定の精度向上ができる。また、本実施例の特有の効果は、ROIの設定が不良と判断されても、ROIを検者の入力設定により微調整することができるので、ROI設定の操作性向上が期待できる。
0092
実施例2ではROIの数が複数である場合を例示して説明する。超音波診断装置1の装置の構成、動作は実施例1と同じであるため、説明を省略し、実施例1との相違部分のみ説明することとする。
0093
ROIの位置と大きさの算出の工程について図6を用いて説明する。
図6は本発明の実施例2でのROI設定の原理を説明する図である。
まず、候補点データ603は画面の画像表示領域502に表示される頸動脈が描出された超音波画像上にプロットされる。そして、候補点データ603は同様の手順で複数求められ、複数の候補点データ603は超音波画像上に同様にプロットされる。プロットされた候補点データ603の超音波画像上の座標点は記憶され、後の処理で読み出せるようになっている。
0094
次に、制御部15は、例えば超音波画像の画素点を602の方向に走査して、超音波画像上にプロットされた複数の候補点データ603が偏在する領域を探索する。
0096
まず、制御部15は、頸動脈の血管壁の輪郭601の抽出処理を行い、血管壁の輪郭601の超音波画像上の位置を記憶しておく。そして、制御部15は、記憶された血管壁の輪郭601に候補点データ603が所定数(本実施例では5個)以上検出される断片をROI604、ROI605として演算出力する。以上により、輪郭601に沿った方向のROI604、ROI605の位置と大きさは決定する。別の方法として、輪郭601を抽出しない場合には、候補点データ603が所定数以上検出される断片内に含まれる候補点データ603の回帰直線を算出することにより、実施例1と同様にROIを設定する。
0097
次に、制御部15は、輪郭601と法線方向のROI604、ROI605の位置と大きさは、例えば、輪郭601に沿った方向のROI604、ROI605のそれぞれの中点で垂線を引き、各垂線を通る候補点データ間の最大距離を求め、求めた最大距離の整数倍(ここでは2倍)をさらに求める。以上により、輪郭601と法線方向も決定するので、ROI604、ROI605の位置と大きさは決定される。
0098
IMT値算出では、複数のROIでIMT値を算出してもよいし、複数のROIのIMT値の平均値を算出してもよい。IMT値および超音波画像は、実施例1と同様に出力・表示部13に表示出力される。
0099
また、ROI604、ROI605の間にあるROIとして認識されなかった領域606は、他の領域と色や階調を変えるなど表示態様を変えておくと、検者にとってROIとROIでない領域の区別がつけやすくなる。
0100
また、ROI604、ROI605、領域606を検者が観察して、実施例1に示すような一つのROI507にすることが適当と判断できる場合がある。適当と判断できる場合は、ROI604、ROI605、領域606を集約し実施例1のROI507のように一つのROIにする命令を検者が入力部14に入力する。制御部15は、一つのROIにする命令の入力を受けて、ROI604、ROI605、領域606を集約し、実施例1のROI507のような一つのROIを生成する。
0101
以上説明した本実施例によれば、輪郭候補点、すなわち複数の画素点を参照してROIを設定するため、ROI設定の精度向上ができる。
0102
また、本実施例の特有の効果は、内膜中膜複合体が途切れて描画されていても、複数のROIを設定することで、境界抽出可能な位置のみ境界抽出を行って計測値を算出することができる。
0104
また、ROIが複数で認識されてもそれぞれのROIの位置と大きさが実施例1よりも簡易的に算出することが期待できる。
0105
また、複数のROIに分かれていても、検者の観察により一つのROIに統合することが可能であるから、一つのROIに統合後には実施例1の効果が期待できる。
0106
実施例3では、探触子により近い方(一方)頸動脈の血管壁で行ったROI設定を、探触子によりも遠い方(他方)血管壁のROI設定に反映させる例を説明する。
0107
超音波診断装置1の装置の構成、動作は実施例1と同じであるため、説明を省略し、実施例1との相違部分のみ説明することとする。
0108
本実施例のROIの位置と大きさの算出の工程について図7を用いて説明する。
図7は本発明の実施例3でのROI設定の原理を説明する図である。
まず、頸動脈の一方、図面下方側の外壁部分は、図3と同様に、データ処理をする。
次に、頸動脈の他方、図面上方側の外壁部分の外壁部分については次のようにデータ処理する。
0109
候補点データ702は画面の画像表示領域502に表示される頸動脈が描出された超音波画像上にプロットされる。そして、候補点データ702は同様の手順で複数求められ、複数の候補点データ702は超音波画像上に同様にプロットされる。プロットされた候補点データ702の超音波画像上の座標点は記憶され、後の処理で読み出せるようになっている。
0110
次に、例えば超音波画像の画素点を701の方向に走査して、超音波画像上にプロットされた複数の候補点データ702が偏在する超音波画像の一部領域を探索する。
探索した結果、候補点データ702が超音波画像の一部領域に集中する度合い(集中度)を調べる。
0111
例えば、集中度を求めるプロセスは、まず、候補点データ702の最大数を通る回帰直線703を定義する。回帰直線703の開始点と終了点は分布する候補点データ702の左右方向の端点とする。つまり、回帰直線703が存在する位置が候補点データ702の集中している位置であり、集中度の指標となる。
0112
そして、ROI707の形状を長方形とし、ROI707の位置と大きさは、実施例1で説明したように、回帰直線703にROI707の位置と大きさが決定される。
0113
なお、内膜中膜複合体のROI形状は本実施例では長方形が用いる例を説明しているが、長方形だけでなく任意の形状でもよい。
0114
以上の説明により、頸動脈の一方の外壁部分と他方の外壁部分のROIの位置と大きさを設定することができる。しかし、それぞれ設定されたROIの位置と大きさが異なるのでは、定量的なIMT計測が実行し難い。
0115
そこで、頸動脈の一方の外壁部分と他方の外壁部分のROIの位置と大きさが異なることが判明したならば、一方のROIの位置と大きさに他方のROIの位置と大きさを合わせる。
0117
また、面積比がプラスマイナス10%の範囲から外れる場合には、一方のROIを他方のROIの面積に合わせてROIを再算出し、再算出したそれぞれのROIからIMT値を算出する。
0119
しかし、他方のROIの面積が180平方センチメートル未満又は220平方センチメートルを超える場合は、他方のROIの面積が180〜220平方センチメートルとなるようにROIの面積を調整する。ここで、何れかのROIに合わせる選択は、検者による入力部14への入力と、入力を受けた制御部15により実行可能である。
0120
また、より簡易的な方法として、図8で説明する方法がある。
本発明の実施例3の図7と異なる例を説明する図である。
図8では、頸動脈の図面下方の外壁部分に設定されたROI507の枠線を、頸動脈の図面上方の外壁部分のROI807の枠線に複写する。
0121
頸動脈の図面上方の外壁部分は予め輪郭が抽出されており、ROI807の枠線は頸動脈の図面上方の外壁部分の輪郭上に移動する。輪郭を抽出しない場合には、入力部14を用いて手動的に移動させてもよい。
0122
上記複写によれば、ROI507とROI807の面積は同じであるので、ROI507とROI807の面積の調整処理が不要になる。
0123
以上説明した本実施例によれば、輪郭候補点、すなわち複数の画素点を参照してROIを設定するため、ROI設定の精度向上ができる。
0124
また、本実施例の特有の効果は、頸動脈の図面下方の外壁部分と図面上方の外壁部分のROIを同時に設定可能になるので、検者のROI設定の操作性の向上が期待できる。
0125
また、頸動脈の図面下方の外壁部分から図面上方の外壁部分へROIを複写する場合は、相互のROIの大きさの調整を不要にすることが可能であるので、検者のROI設定の操作性の向上が期待できる。
0126
実施例4ではIMT計測値の最大値又は最小値を設定されたROIと関連付けて表示する例を説明する
超音波診断装置1の装置の構成、動作は実施例1と同じであるため、説明を省略し、実施例1との相違部分のみ説明することとする。
0127
本実施例のROIとIMT値の最大値あるいは最小値との表示の工程について図9を用いて説明する。
図9は本発明の実施例4の超音波診断装置の画面表示例を説明する図である。図9は図5で説明した部分以外の符号のみ説明する。
0128
901はROI507でのIMTの最小値、902はROI507でのIMTの最大値、903はIMTの時間経過曲線の最小値、904はIMTの時間経過曲線の最大値である。
0129
図中では、IMTの最大値902は▼で、IMTの最小値901は▽で示し、IMTの時間経過曲線の最大値904は●で、IMTの時間経過曲線の最小値903は○で示しているが、最大値・最小値の位置を示すものであれば色や形状は限定されない。
0130
さらに、計測されたIMTの最大値が、一般に基準化された健常者のIMT値より大きい場合には、三角形を赤色に色付けするなどして目立たせるようにしてもよい。
これにより、視覚的にIMTの最大・最小位置およびその異常が確認し易くなる。
0131
以上説明した本実施例によれば、輪郭候補点、すなわち複数の画素点を参照してROIを設定するため、ROI設定の精度向上ができる。
0132
また、本実施例の特有の効果は、視覚的にIMTの最大値・最小値の位置およびその異常が確認し易くなるので、検者の診断能の向上が期待できる。
実施例
0133
また、添付図面を参照して、本発明に係る超音波診断装置等の好適ないくつかの実施例について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
0134
1超音波診断装置、2被検者、3 超音波探触子、4 超音波信号送受信部、5 超音波信号生成部、6超音波画像生成部、7生体信号検出部、8ROI候補点検出部、9 ROI候補点記憶部、10 ROI算出部、11内膜中膜複合体境界抽出部、12IMT算出部、13 出力・表示部、14 入力部、15 制御部