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図面 (17)

課題・解決手段

本発明は、新規プロテオグリカン含有物を製造し、さらに当該プロテオグリカン含有物の新規用途及び/又は優れた効果を見出すことを課題としてなされた。本発明は、魚類軟骨から得られるプロテオグリカン含有物であって、分子量が2000kDa以上の酸性糖成分を含む、プロテオグリカン含有物を提供する。当該プロテオグリカン含有物は、優れた皮膚繊維芽細胞増殖効果皮膚バリア機能増強及び改善効果皮膚コラーゲン産生能増強及び改善効果、真皮肥厚抑制効果等、皮膚の保湿及び抗老化のために有利な効果を奏する。

概要

背景

プロテオグリカンは、コラーゲンなどとともに結合組織細胞外マトリックス中の基質を形成している主要な生体高分子である。プロテオグリカンは、従来哺乳動物(特に軟骨に含まれるものを抽出分離して得ていたが、牛海綿状脳症BSE)発症報告されてから、これに代わるプロテオグリカン供給源及び製造方法が求められるようになっている。

水産動物組織は有力なプロテオグリカン供給源代替候補である。水産動物である鯨やサメの軟骨に含まれるプロテオグリカンの抽出が試みられている。しかし、これらの水産動物の捕獲量には限りがあり、大量のプロテオグリカンを製造することは困難であった。また、抽出分離操作も煩雑であり、抽出に用いられる溶媒等には毒性が低くないものが存在するなどした。このため、製品の用途が制限され、特に食品化粧品の製造に用いることは難しい状況であった。

このような状況において、様々なプロテオグリカン製造方法が研究されている。例えば、特許文献1には、サケ鼻軟骨粉砕及び脱脂処理して得た脱脂乾燥粉末を溶媒で抽出し、得られた抽出液から粗プロテオグリカンを分離精製した後透析を行うことを特徴とする、プロテオグリカンの精製方法が記載されている。しかしながら、当該方法ではクロロホルムメタノール等の毒性の低くはない有機溶媒抽出溶媒として使用されており、また、得られるプロテオグリカンに生臭さが残存するなど、問題があった。

また、特許文献2には抽出溶媒として酢酸を用いてサケ鼻軟骨からプロテオグリカンを精製する方法が記載されている。特許文献3では、特許文献2記載の精製方法にて精製されたプロテオグリカンに繊維芽細胞増殖促進作用及びヒアルロン酸合成促進作用があることが示唆されている。

このように、プロテオグリカンの製造方法や、その用途及び効果については、現在も研究が行われている。

概要

本発明は、新規なプロテオグリカン含有物を製造し、さらに当該プロテオグリカン含有物の新規用途及び/又は優れた効果を見出すことを課題としてなされた。本発明は、魚類の軟骨から得られるプロテオグリカン含有物であって、分子量が2000kDa以上の酸性糖成分を含む、プロテオグリカン含有物を提供する。当該プロテオグリカン含有物は、優れた皮膚繊維芽細胞増殖効果皮膚バリア機能増強及び改善効果皮膚コラーゲン産生能増強及び改善効果、真皮肥厚抑制効果等、皮膚の保湿及び抗老化のために有利な効果を奏する。

目的

本発明は、毒性の低い溶媒を用いて、魚類軟骨から新規なプロテオグリカンを含む組成物(プロテオグリカン含有物)を製造し、さらに当該プロテオグリカン含有物の新規用途及び優れた効果を見出すことを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
5件
牽制数
9件

この技術が所属する分野

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請求項1

魚類軟骨から得られる、酸性糖成分としてプロテオグリカン及び酸性糖を含むプロテオグリカン含有物であって、分子量が2000kDa以上の酸性糖成分を含む、プロテオグリカン含有物。

請求項2

分子量が5000kDa以上のプロテオグリカンを含む、請求項1に記載のプロテオグリカン含有物。

請求項3

酸性糖成分の50質量%以上が2000kDa以上の分子量を有する、請求項1又は2に記載のプロテオグリカン含有物。

請求項4

プロテオグリカンの20質量%以上が10000kDa以上の分子量を有する、請求項1〜3のいずれかに記載のプロテオグリカン含有物。

請求項5

酸性糖成分の20質量%以上がプロテオグリカンである、請求項1〜4のいずれかに記載のプロテオグリカン含有物。

請求項6

請求項1〜5のいずれかに記載のプロテオグリカン含有物を含む飲食品組成物

請求項7

請求項1〜5のいずれかに記載のプロテオグリカン含有物を含む口腔用組成物

請求項8

請求項1〜5のいずれかに記載のプロテオグリカン含有物を含む化粧品組成物

技術分野

0001

本発明は、プロテオグリカン含有物に関する。より詳細には魚類軟骨から得られるプロテオグリカン含有物に関する。

背景技術

0002

プロテオグリカンは、コラーゲンなどとともに結合組織細胞外マトリックス中の基質を形成している主要な生体高分子である。プロテオグリカンは、従来哺乳動物(特に)軟骨に含まれるものを抽出分離して得ていたが、牛海綿状脳症BSE)発症報告されてから、これに代わるプロテオグリカン供給源及び製造方法が求められるようになっている。

0003

水産動物組織は有力なプロテオグリカン供給源代替候補である。水産動物である鯨やサメの軟骨に含まれるプロテオグリカンの抽出が試みられている。しかし、これらの水産動物の捕獲量には限りがあり、大量のプロテオグリカンを製造することは困難であった。また、抽出分離操作も煩雑であり、抽出に用いられる溶媒等には毒性が低くないものが存在するなどした。このため、製品の用途が制限され、特に食品化粧品の製造に用いることは難しい状況であった。

0004

このような状況において、様々なプロテオグリカン製造方法が研究されている。例えば、特許文献1には、サケ鼻軟骨粉砕及び脱脂処理して得た脱脂乾燥粉末を溶媒で抽出し、得られた抽出液から粗プロテオグリカンを分離精製した後透析を行うことを特徴とする、プロテオグリカンの精製方法が記載されている。しかしながら、当該方法ではクロロホルムメタノール等の毒性の低くはない有機溶媒抽出溶媒として使用されており、また、得られるプロテオグリカンに生臭さが残存するなど、問題があった。

0005

また、特許文献2には抽出溶媒として酢酸を用いてサケ鼻軟骨からプロテオグリカンを精製する方法が記載されている。特許文献3では、特許文献2記載の精製方法にて精製されたプロテオグリカンに繊維芽細胞増殖促進作用及びヒアルロン酸合成促進作用があることが示唆されている。

0006

このように、プロテオグリカンの製造方法や、その用途及び効果については、現在も研究が行われている。

先行技術

0007

特開2001−172296号公報
特開2002−069097号公報
特開2008−247803号公報

発明が解決しようとする課題

0008

本発明は、毒性の低い溶媒を用いて、魚類軟骨から新規なプロテオグリカンを含む組成物(プロテオグリカン含有物)を製造し、さらに当該プロテオグリカン含有物の新規用途及び優れた効果を見出すことを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らは、驚くべき事に、魚類の軟骨から特定の手順により抽出して得られる、酸性糖成分を含む抽出物が、従来知られていたプロテオグリカンよりも大きい分子量を有するプロテオグリカンを含んでいることを見出した。さらに、当該抽出物が種々の優れた効果を奏することを見出し、改良を重ねて本発明を完成させるに至った。

0010

なお、本明細書では、酸性糖、及び酸性糖を構成成分として有する化合物を酸性糖成分と呼ぶこととする。プロテオグリカンは、酸性糖とタンパク質が結合した構造を有する物質であるため、当該化合物に相当する。よって、プロテオグリカンは、酸性糖成分の1種である。本発明のプロテオグリカン含有物は、酸性糖成分として、プロテオグリカン及び酸性糖を含む。よって、本発明のプロテオグリカン含有物は、酸性糖成分含有物と換言してもよい。
本発明は、例えば以下の項に記載のプロテオグリカン含有物、当該含有物を含む組成物等を包含する。
項1.
魚類の軟骨から得られる、酸性糖成分としてプロテオグリカン及び酸性糖を含むプロテオグリカン含有物であって、
分子量が2000kDa以上の酸性糖成分を含む、プロテオグリカン含有物。
項2.
分子量が5000kDa以上のプロテオグリカンを含む、項1に記載のプロテオグリカン含有物。
項3.
酸性糖成分の50質量%以上が2000kDa以上の分子量を有する、項1又は2に記載のプロテオグリカン含有物。
項4.
プロテオグリカンの20質量%以上が10000kDa以上の分子量を有する、項1〜3のいずれかに記載のプロテオグリカン含有物。
項5.
酸性糖成分の20質量%以上がプロテオグリカンである、項1〜4のいずれかに記載のプロテオグリカン含有物。
項6.
項1〜5のいずれかに記載のプロテオグリカン含有物を含む飲食品組成物
項7.
項1〜5のいずれかに記載のプロテオグリカン含有物を含む口腔用組成物
項8.
項1〜5のいずれかに記載のプロテオグリカン含有物を含む化粧品組成物
項9.
魚類の軟骨から抽出されたプロテオグリカンであって、分子量が5000kDa以上のプロテオグリカン。

発明の効果

0011

本発明のプロテオグリカン含有物は、優れた皮膚繊維芽細胞増殖効果皮膚バリア機能増強及び改善効果皮膚コラーゲン産生能増強及び改善効果、真皮肥厚抑制効果等、皮膚の保湿及び抗老化のために有利な効果を奏する。

図面の簡単な説明

0012

本発明において、プロテオグリカンを示すピーク面積を考える際の手順の模式図を示す。
サケ鼻軟骨由来粉末(左図)及びサケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物(右図)をサンプルとしてゲル濾過クロマトグラフィー(Sepharose CL-2B充填カラムを使用)で処理し、溶出フラクションを1mLずつ採取して、当該各フラクションに含まれる酸性糖量及びタンパク質量をそれぞれカルバゾール硫酸法及びUV吸収法で定量した結果を示す。
市販されているプロテオグリカン(PG−K)及び市販されているグリコサミノグリカン(PG−M;コンドロイチンとして市販)について、ゲル濾過クロマトグラフィー処理を行い、各溶出フラクションに含まれる酸性糖量を定量した結果を示す。PG−Mの結果を左図に、PG−Kの結果を右図に示す。
デキストラン分子量マーカーについてゲル濾過クロマトグラフィーを行い、フェノール・硫酸法により各溶出フラクションに含まれる糖量(すなわちデキストラン量)を定量した結果を示す。
図4から得られた、各分子量マーカーが溶出される液量をもとに作成した検量線を示す。
図1及び図2に示される酸性糖量測定結果をまとめたグラフを示す。
サケ鼻軟骨由来粉末をサンプルとしてゲル濾過クロマトグラフィー(Sephacryl S-1000SF充填カラムを使用)で処理し、溶出フラクションを1mLずつ採取して、当該各フラクションに含まれる酸性糖量をカルバゾール硫酸法で定量した結果を示す。
サケ鼻軟骨由来粉末、及びサケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物の、ヒト皮膚繊維芽細胞増殖能を検討した結果を示す。
サケ鼻軟骨由来粉末、及びサケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物が、経口摂取により皮膚バリア機能(TEWL値)へ与える影響を検討した結果を示す。
サケ鼻軟骨由来粉末、及びサケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物が、経口摂取により皮膚弾力性に与える影響を検討した結果を示す。
サケ鼻軟骨由来粉末、及びサケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物が、経口摂取により皮膚におけるコラーゲン産生能に与える影響を検討した結果を示す。
サケ鼻軟骨由来粉末、及びサケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物が、真皮皮厚へ与える影響について検討するため、これらを経口投与したマウス背部の真皮皮厚を測定した結果を示す。
サケ鼻軟骨由来粉末、及びサケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物が、経皮投与により皮膚バリア機能(TEWL値)へ与える影響を検討した結果を示す。
イオン交換クロマトグラフィー及びゲル濾過クロマトグラフィーを用いた、サケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物の分画概要を示す。
サケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物の分画画分について細胞増殖効果を検討した結果を示す。具体的には、各サンプル添加(50μg/ml)から7日後の細胞数を示す。なお、「PGNP水抽出物」とは、サケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物を示す。
サケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物の分画画分について細胞増殖効果を検討した結果を示す。具体的には、各サンプル添加(10μg/ml)から7日後の細胞数を示す。

0013

以下、本発明について、さらに詳細に説明する。なお、以下に記載する酸性糖及びプロテオグリカンの分子量値及び平均分子量値は、ゲル濾過クロマトグラフィー解析において、デキストランを分子量マーカーとして用いたときに算出される値である。

0014

本発明のプロテオグリカン含有物は、魚類の軟骨から製造される。魚類としては特に制限されないが、具体的にはマスカラフトマス、サクラマス、サツキマス等)、サケ(シロザケ、ベニザケ、ギンザケ、マスノスケスチールヘッド等)、サメ、タラ等が挙げられる。サケ科サケ属が好ましく、特にサケ又はマスが好ましい。また、軟骨としては、特に制限されないが、頭部軟骨、中でも鼻軟骨が好ましい。また、魚類が食品製品等へ加工される際に頭部は通常廃棄されることから、頭部軟骨の入手コストは安く、大量に安定供給され得るという利点もある。

0015

本発明において、酸性糖成分とは、酸性糖及び酸性糖を構成成分として有する化合物をいう。本発明のプロテオグリカン含有物は、酸性糖成分(すなわち、酸性糖及び酸性糖を構成成分として有する化合物)を含有する。

0016

ここで酸性糖とは、ウロン酸を含有する多糖類である。本発明のプロテオグリカン含有物に含まれる酸性糖は、例えばヒアルロン酸コンドロイチン硫酸等の、グリコサミノグリカンが挙げられる。なお、ヒアルロン酸以外のグリコサミノグリカンは通常タンパク質に共有結合した形で(すなわちプロテオグリカンとして)存在している。

0017

酸性糖を構成成分として有する化合物としては、具体的にはプロテオグリカンが挙げられる。プロテオグリカンは、グリコサミノグリカン及びタンパク質が共有結合した構造を有する。プロテオグリカンを構成するグリコサミノグリカンは、硫酸基が付加した2糖の繰り返し構造を有する酸性糖であり、具体的にはコンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸ヘパラン硫酸等が例示できる。つまり、プロテオグリカンはタンパク質と酸性糖が結合した構造を有する化合物である。

0018

これら酸性糖成分が有する2糖の繰り返し構造において、当該2糖のうち通常1つはアミノ糖、もう1つはウロン酸である。従って、酸性糖成分の検出には、ウロン酸検出法の常法の1つであるカルバゾール硫酸法を用いることができる。

0019

カルバゾール硫酸法とは、ウロン酸であるグルクロン酸(Glc A)及びイズロン酸発色色素であるカルバゾール溶液測定検体に添加し、分光光度計を用いて吸光度を測定する方法である。濃度を規定したグルクロン酸標準溶液を用いて検量線を作成し、検体中のグルクロン酸含量を求める。より具体的には、例えば次のようにして行い得る。

0020

ホウ酸ナトリウム・10水和物0.95gを濃硫酸100mlに溶解した試薬2.5mlを試験管にとり、氷冷する。これに被検体0.5ml(4〜40μgのウロン酸を含むようにする)を静かに重層する。室温以上にならないように水冷しながらよく攪拌する。ガラス球で蓋をした後に、沸騰湯浴中で10分間加熱し、室温まで水冷する。これに、カルバゾール125mgを無水メチルアルコール100mlに溶解した試薬を0.1ml加えて混合し、更に15分間沸騰湯浴中で加熱する。その後、室温まで水冷し530nmにおける吸光度を測定する。ブランク蒸留水0.5mlを用いる。同時に、グルクロン酸を用いて検量線を作成する。

0021

本発明のプロテオグリカン含有物に含まれる酸性糖成分の平均分子量は、通常約2000kDa〜40000kDa、好ましくは2500kDa〜30000kDa、より好ましくは3000kDa〜20000kDa、さらにより好ましくは3000kDa〜10000kDa、特に好ましくは4000kDa〜8000kDaである。

0022

本発明のプロテオグリカン含有物には、分子量が2000kDa以上の酸性糖成分が含まれる。好ましくは2500kDa以上、より好ましくは3000kDa以上、さらに好ましくは4000kDa以上、よりさらに好ましくは5000kDa以上の酸性糖成分が含まれる。

0023

また、本発明のプロテオグリカン含有物に含まれる酸性糖成分は、好ましくはその50質量%以上が、より好ましくはその55質量%以上が、さらに好ましくはその60質量%以上が、よりさらに好ましくはその65質量%以上が、2000kDa以上の分子量を有する。

0024

本発明のプロテオグリカン含有物に含まれるプロテオグリカンは、従来製造されていたプロテオグリカンに比べ、分子量(MW)が著しく大きい。具体的には、本発明のプロテオグリカン含有物に含まれるプロテオグリカンの分子量は、小さいものでも約5000kDa〜6000kDa以上ある。すなわち、本発明のプロテオグリカン含有物には、約5000kDa以上の分子量を有するプロテオグリカンが含まれる。本発明のプロテオグリカン含有物には、例えば約5000kDa〜100000kDa、好ましくは5000kDa〜90000kDa、より好ましくは5000kDa〜80000kDa、さらにより好ましくは5000kDa〜70000kDaのプロテオグリカンが含まれ得る。またさらに、本発明のプロテオグリカン含有物に含まれるプロテオグリカンの平均分子量は、特に制限されないが、通常約6000kDa〜60000kDa、好ましくは約7000kDa〜50000kDa、より好ましくは約9000kDa〜40000kDaである。

0025

また、本発明のプロテオグリカン含有物に含まれるプロテオグリカンは、好ましくはその20質量%以上が、より好ましくはその30質量%以上が、6000kDa以上(さらに好ましくは10000kDa以上)の分子量を有する。

0026

なお、本発明のプロテオグリカン含有物は、乾燥質量換算で、好ましくは15〜70質量%、より好ましくは30〜70質量%の酸性糖成分を含む。また、本発明のプロテオグリカン含有物は、乾燥質量換算で、好ましくは4〜40質量%、より好ましくは10〜40質量%、さらに好ましくは15〜40質量%のプロテオグリカンを含む。

0027

本発明のプロテオグリカン含有物に含まれる酸性糖成分又はプロテオグリカンの分子量は、クロマトグラフィー等を用いて測定することができる。特にゲル濾過クロマトグラフィーを用いて測定するのが好適である。具体的には、例えばカラム担体としてアガロース系(アガロース、架橋アガロース等)のゲルマトリックスを、バッファーとしてリン酸緩衝液(好ましくは塩化ナトリウムを含有するもの)を用いればよい。プロテオグリカン含有物をゲル濾過して、酸性糖成分又はプロテオグリカンが溶出されるまでの液量(溶出液量)に応じて当該組成物に含まれる酸性糖成分又はプロテオグリカンの分子量を決定することができる。

0028

なお、プロテオグリカンはグリコサミノグリカン(ムコ多糖)とタンパク質とが共有結合した構造を有するため、クロマトグラフィーを行う際、酸性糖及びタンパク質についてモニタリングすることで、プロテオグリカンが溶出されるのを検出することができる。つまり、酸性糖についてモニタリングして得られるクロマトグラムと、タンパク質についてモニタリングして得られるクロマトグラムとを重ね、両クロマトグラムにおいてほぼ同じ溶出液量範囲にピークがあれば、そのピークがプロテオグリカンを検出したピークであるとわかる。例えば酸性糖のモニタリングにはカルバゾール硫酸法を用いることができる。クロマトグラフィーの溶出フラクションを一定量ずつ分取し、各分取フラクションに含まれる酸性糖量をカルバゾール硫酸法にて定量して決定することができる。また、例えば、タンパク質のモニタリングにはUV吸収法(280nm付近に吸収のあるトリプトファンチロシンフェニルアラニンの吸光度を測定しタンパク質を定量する方法)、ニンヒドリン反応、BCA法、ブラッドフォード法、ローリー法ビューレット法等を用いることができる。中でも、UV吸収法により定量するのが簡便である。

0029

なお、溶出液量から分子量を決定するには、分子量マーカーを同様にゲル濾過クロマトグラフィー処理し、当該分子量マーカーが溶出される液量を測定して検量線(溶出液量vs分子量)を作成しておけばよい。分子量マーカーは、上述したプロテオグリカン含有物の分子量値や使用するゲルマトリックスの種類等を考慮して、適当なものを選択・購入して使用することができる。例えば、デキストランからなる分子量マーカーを使用することができる。このような分子量マーカーはSIGMA等から購入することができる。

0030

本発明のプロテオグリカン含有物には、酸性糖成分以外の魚類軟骨由来の成分も含まれる。このような成分としては、例えば、コラーゲンなどのタンパク質や、塩類等が挙げられる。

0031

本発明において、物質の平均分子量とは、当該物質をゲル濾過クロマトグラフィーにより解析して得られるクロマトグラム中の当該物質のピークの面積を2等分する、横軸(溶出液量)に垂直な線(2等分線)を引き、当該2等分線位置に相当する溶出液量から検量線を用いて求められる分子量をいう。具体的には、実施例の「プロテオグリカン含有物の分子量の検討」において記載する方法で求められる分子量をいう。

0032

例えば、プロテオグリカン含有物に含まれる酸性糖成分の平均分子量については、プロテオグリカン含有物をゲル濾過クロマトグラフィーで分離し、これに含まれる酸性糖成分をモニタリングして得られるクロマトグラムにおいて、当該クロマトグラムの面積を2等分する線を引き、当該2等分線位置に相当する溶出液量から検量線を用いて(すなわち、当該溶出液量を検量線の方程式代入して)分子量値を求め、当該値を平均分子量とする。酸性糖成分のモニタリングについて、より具体的に説明すれば、プロテオグリカン含有物をゲル濾過クロマトグラフィー解析に供し、一定速度で溶出を行い、溶出液を一定量ずつ回収し、回収した各溶出液(フラクション)中にどの程度の酸性糖が含まれるかを定量し、結果をクロマトグラムとすればよい。

0033

また、プロテオグリカン含有物に含まれるプロテオグリカンの平均分子量については、ゲル濾過クロマトグラフィーでプロテオグリカン含有物を解析して得られるクロマトグラムにおいて、プロテオグリカンを示すピークの面積を2等分する線を引き、当該2等分線位置に相当する溶出液量から検量線を用いて分子量値を求め、当該値を平均分子量とする。

0034

前述の通り、酸性糖についてモニタリングして得られるクロマトグラムと、タンパク質についてモニタリングして得られるクロマトグラムとを重ね、両クロマトグラムにおいてほぼ一致する位置に存在するピークが、プロテオグリカンを示すピークである。

0035

プロテオグリカンを示すピークの立ち上がり立ち下がりが、他の酸性糖成分のピークと重なって確認出来ない場合は、ピークの形状から立ち上がり及び立ち下がりを推定する。そして、推定された立ち上がりや立ち下がりから分子量や平均分子量を求める。例として、図1に立ち下がりが確認できない場合のピークの輪郭推定方法の概要を示す。図1では、ピークの右肩下がり延長線を引いてピークの輪郭を決定している。

0036

酸性糖成分及びプロテオグリカンのいずれの分子量又は平均分子量を求める場合でも、酸性糖についてモニタリングして得られるクロマトグラムを解析するのが好ましい。

0037

また、ゲル濾過クロマトグラフィーを行う際、プロテオグリカンを示すピークに相当するフラクションのみを回収することにより、本発明のプロテオグリカン含有物に含まれるプロテオグリカンを精製することも可能である。また、プロテオグリカンを示すピークも含めて途中までのフラクションを回収することで、平均分子量がより大きいプロテオグリカン含有物を得ることもできる。

0038

本発明のプロテオグリカン含有物に含まれる酸性糖成分は、通常その20質量%以上が、好ましくは20〜60質量%が、より好ましくは25〜55質量%が、さらにより好ましくは、30〜50質量%が、プロテオグリカンである。この酸性糖成分に占めるプロテオグリカンの割合は、上述した酸性糖成分又はプロテオグリカンの分子量を求めるために用いたクロマトグラムから求めることができる。すなわち、プロテオグリカン含有物の酸性糖成分についてモニタリングして得られたクロマトグラム面積において、プロテオグリカンを示すピークの面積が占める割合を求めることにより、酸性糖成分に占めるプロテオグリカンの割合を求めることができる。

0039

本発明のプロテオグリカン含有物は、上述の通り、魚類軟骨から製造される。詳細には、エタノール処理により魚類軟骨を脱脂することにより製造され得る。また、脱脂された魚類軟骨から水抽出することにより製造され得る。
例えば以下の工程により製造することができる。

0040

工程(1):水処理工程
魚類の軟骨含有組織(例えば魚類頭部)を数分〜数日程度、常温又は低温(約0〜40℃)の水に浸漬する。静置浸漬しても撹拌しながら浸漬してもよいし、ラインミキサー等を用いて水と混合撹拌してもよい。水の量は特に制限されないが、当該軟骨含有組織全体が浸かる量が好ましい。これにより、当該組織の生臭さが抜けるとともに、当該組織に水が浸透して膨潤するので、軟骨以外の部分を除去しやすくなる。なお水に浸漬させる前に、当該軟骨含有組織を予めスライス又は粗砕する、あるいは軟骨以外の組織で除去できる組織は予め除去する等、しておいてもよい。

0041

水に浸漬して、組織が脱臭され、適度に膨潤した段階で、魚類の軟骨含有組織から脂質等が抽出される(すなわち、軟骨含有組織が脱脂される)。当該脂質等は、水層に溶解又は懸濁するか、あるいは水層の上に脂質層となって浮遊する。当該水層及び脂質層を除去することにより、軟骨含有組織に含まれていた脂質が除去される。遠心分離によりこれら不要物を分離し除去してもよい。

0042

工程(2):エタノール処理工程
脂質層及び水層を除去した後得られた残渣(軟骨組織)を回収し、当該残渣にエタノールを加え、さらに脂質を抽出して除去する。脂質を除去することにより、より高度に脱臭もなされる。なお、含水エタノールを用いてもよい。また、有機溶媒を加える前に残渣(軟骨組織)を粉砕することが、好ましい。粉砕方法は特に制限されないが、例えば、軟質物質微粉砕できるボールミルスイングミル低温破砕機、凍結破砕機ローターミルグラインドミックス、ミキサーミル等を用いて行うことができる。また、粉砕粒度も特に制限されないが、10〜500μm程度が好ましく、50〜250μm程度がより好ましい。なお、当該粒度レーザー回折散乱法により測定することができる。

0043

具体的には、例えば、上述のようにして得られる軟骨組織(好ましくは粉砕軟骨組織)に、当該組織が十分浸漬する容量のエタノールを加えて静置又は撹拌し、その後当該溶媒を除去すればよい。また、この操作は複数回(例えば2〜5回)繰り返して行うことが好ましい。あるいは、エタノールを循環させて脂質除去処理を行ってもよい。この場合は例えばソックスレー抽出器等を好ましく用いることができる。このような処理の後、固形分を回収する。回収した固形分を風乾する等して、有機溶媒を完全に除去してもよい。

0044

このようにして得られる固形分をプロテオグリカン含有物として用いることができる。

0045

上記工程(2)について、さらに具体的な一例を挙げると、例えば次の〔1〕〜〔9〕に記載の工程を含む方法により当該工程(2)を行うことができる。
〔1〕皮や硬骨などの付着物を除去したサケ鼻軟骨をミートチョッパー粗粉砕する。
〔2〕粉砕したサケ鼻軟骨に、pH6〜7.5の水道水または精製水を、サケ鼻軟骨の同量〜2倍量(容積)加えて、40℃以下の温度で十分に攪拌する。
〔3〕攪拌後、遠心分離機処理を行ない、固形分を採取する。
〔4〕〔2〕および〔3〕の処理を1又は2回繰り返す。
〔5〕得られた固形分を、公知の湿式粉砕機を用いて更に微粉砕する。
〔6〕95°以上の純度のエタノールを微粉砕サケ微軟骨の約10倍量(容積)程度加えて、40℃以下の温度で十分に攪拌する。
〔7〕攪拌後、遠心分離機処理を行ない、固形分を採取する。
〔8〕〔6〕および〔7〕の処理を1〜3回繰り返す。
〔9〕必要に応じて乾燥する。
なお、上記〔5〕では、得られた固形物を一旦凍結乾燥してから微粉砕を行ってもよい。

0046

工程(3):水抽出処理工程
工程(2)で得られた固形分を、さらに水による抽出工程に供し、水で抽出されたものをプロテオグリカン含有物として用いることがより好ましい。例えば、工程(2)で得られた固形分が十分浸漬する量の水を加え、撹拌した後、不溶物を除去して得られる溶液やその乾燥物をプロテオグリカン含有物として用いることができる。用いる水は、通常pHが5.5〜8.0、好ましくはpH6.0〜7.5、より好ましくはpH6.5〜7.5である。具体的には、例えば、30分〜6時間程度水に浸漬しながら撹拌する、あるいはラインミキサー等により水と混合撹拌する等した後、不溶物を除去すればよい。不要物を除去後、公知の方法を用いて乾燥させてもよい。また、不要物を除去後、容量で2〜10倍量のエタノールを加え、生じた固形分を回収してもよい。この場合、エタノールを加える前に塩化ナトリウムを添加してもよい。

0047

上記工程(3)について、さらに具体的な一例を挙げると、例えば上記〔1〕〜〔9〕を行った後、次の〔10〕〜〔12〕に記載のようにして当該工程(3)を行うことができる。
〔10〕pH6〜7.5の精製水を、〔9〕で得られた乾燥物の同量〜2倍量(容積)程度加えて、40℃以下の温度で30分〜48時間程度十分に攪拌する。
〔11〕遠心分離処理を行ない、固形分を除去する。
〔12〕必要に応じて乾燥する。

0048

なお、上記〔11〕の後、さらにエタノールを添加して撹拌し、生じた固形分を回収してもよい。

0049

以上のように、本願発明のプロテオグリカン含有物は、
(A)魚類軟骨を精製する工程
(B)有機溶媒を用いて魚類軟骨から脂質を除去する工程
(C)脂質除去済み魚類軟骨を用いて、さらに水抽出を行い、抽出物を回収する工程
の(A)〜(B)又は(A)〜(C)を経て製造されるとも言える。(A)、(B)、(C)工程は、上記の(1)、(2)、(3)工程にそれぞれ相当する。

0050

本発明のプロテオグリカン含有物は、皮膚の抗老化のために好ましく用いることができる。皮膚は、様々な要因により、日々ダメージを受けている。例えば、表皮層においては、外的要因(例えば紫外線等の光照射等)や内的要因(例えば老齢化等)により表皮バリア機能が低下し、経表皮透過蒸散水分量(transepidermal water loss:TEWL)が上昇する。このため、肌が乾燥したり、肌あれが起こる等する。また、同様の理由により、真皮においても、コラーゲン産生能の低下、皮膚弾力性の低下、真皮層の肥厚等が起こり、皮膚の硬直化が進行する。このため、皮膚にシワが生じる等する。

0051

本発明のプロテオグリカン含有物は、このような皮膚の症状を抑制及び改善する多種の効果(皮膚繊維芽細胞増殖効果、皮膚バリア機能増強及び改善効果、皮膚コラーゲン産生能増強及び改善効果、真皮肥厚抑制効果等、皮膚の保湿及び抗老化のために有利な効果)を有しており、特に光(中でも紫外線)照射により起こる上述の皮膚症状の予防及び改善に好ましく用いることができる。

0052

本発明のプロテオグリカン含有物は、その使用態様は特に制限されないが、特に口腔ケア分野、化粧品分野及び飲食品分野で好ましく用いることができる。よって、本発明には、本発明のプロテオグリカン含有物を含む口腔用組成物、本発明のプロテオグリカン含有物を含む化粧品組成物、及び、本発明のプロテオグリカン含有物を含む飲食品組成物が含まれる。

0053

口腔ケア分野にて用いられる、プロテオグリカン含有物を含む口腔用組成物(以下「本発明に係る口腔用組成物」と記載することがある)は、本発明のプロテオグリカン含有物と口腔用組成物に用いられる他の成分(例えば研磨剤発泡剤洗浄剤界面活性剤湿潤剤pH調節剤増粘剤香味剤等)を適宜配合して製造され得る。例えば、常法によりペースト剤軟膏剤ジェル剤塗布剤スプレー剤補填剤、液剤洗口剤パスタチューイングガムトローチタブレット等の形態に製造することができる。

0054

このような本発明に係る口腔用組成物は、特に口腔内に塗布する、スプレーする、あるいは洗口すること等により、特に口腔内の繊維芽細胞を増殖させ、皮膚バリア機能を増強・改善させ、皮膚コラーゲン産生能を増強・改善させることから、口腔組織再生老化防止に好適に用いられる。

0055

特に制限されるものではないが、本発明に係る口腔用組成物のプロテオグリカン含有物に含まれる酸性糖成分量は、特に制限されないが、組成物全体に対し、通常0.002〜13質量%、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.02〜3質量%である。またさらに、当該口腔用組成物のプロテオグリカン含有物に含まれるプロテオグリカンの量は、特に制限されないが、組成物全体に対し、通常0.001〜5質量%、好ましくは0.005〜2質量%、より好ましくは0.01〜1質量%である。

0056

化粧品分野にて用いられる、本発明のプロテオグリカン含有物を含む化粧品組成物(以下「本発明に係る化粧品組成物」と記載することがある)は、本発明のプロテオグリカン含有物と化粧品用として許容される媒体基剤、担体、添加剤や、その他化粧品用として許容される成分、材料を適宜配合して、常法に従って製造され得る。具体的には、本発明のプロテオグリカン含有物を含んで製造される乳液化粧水クリーム美容液ファンデーションパック日焼け止め等を挙げることができる。このような本発明に係る化粧品組成物は、日焼け予防用、日焼け手入れ用、保湿用及び抗皮膚老化用(例えば乾燥肌肌荒れ、肌のシワ・たるみ等の予防又は改善用)として好ましく用いることができる。

0057

特に制限されるものではないが、本発明に係る化粧品組成物のプロテオグリカン含有物に含まれる酸性糖成分量は、組成物全体に対し、通常0.002〜5質量%、好ましくは0.02〜2質量%、より好ましくは0.1〜2質量%である。またさらに、当該化粧品組成物のプロテオグリカン含有物に含まれるプロテオグリカンの量は、組成物全体に対し、通常0.001〜2質量%、好ましくは0.01〜1質量%、より好ましくは0.05〜1質量%である。

0058

飲食品(飲料及び食品)分野にて用いられる、本発明のプロテオグリカン含有物を含む飲食品組成物(以下「本発明に係る飲食品組成物」と記載することがある)は、本発明のプロテオグリカン含有物と、食品衛生学上許容される基剤、担体、添加剤や、その他食品として利用され得る成分・材料等が適宜配合されたものである。例えば、本発明のプロテオグリカン含有物を含む、保湿用及び抗皮膚老化用(例えば乾燥肌、肌荒れ、肌のシワ・たるみ等の予防又は改善用)の加工食品、飲料、健康食品(栄養機能食品特定保健用食品等)、サプリメント美容食品、病者用食品等が例示できる。さらに、このような本発明に係る飲食品組成物からなる保湿剤、抗皮膚老化剤も本発明に包含される。当該保湿剤、抗皮膚老化剤は、美容用や抗皮膚老化用(例えば乾燥肌、肌荒れ、肌のシワ・たるみ等の予防又は改善用)のドリンク剤錠剤タブレット剤カプセル剤顆粒剤ゼリー剤トローチ剤などの形態で供給され得る。

0059

特に制限されるものではないが、本発明に係る飲食品組成物のプロテオグリカン含有物に含まれる酸性糖成分量は、食品組成物又は食品組成物からなる剤の場合、組成物又は剤全体に対し、通常0.01〜50質量%、好ましくは0.02〜25質量%、より好ましくは0.1〜8質量%である。また、特に制限されるものではないが、飲料組成物又は飲料組成物からなる剤の場合、組成物又は剤全体に対し、通常0.002〜13質量%、好ましくは0.01〜8質量%、より好ましくは0.1〜2質量%である。またさらに、当該飲食品組成物のプロテオグリカン含有物に含まれるプロテオグリカンの量は、食品組成物又は食品組成物からなる剤の場合、組成物又は剤全体に対し、通常0.005〜20質量%、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.05〜3質量%である。飲料組成物又は飲料組成物からなる剤の場合、組成物又は剤全体に対し、通常0.001〜5質量%、好ましくは0.005〜3質量%、より好ましくは0.01〜1質量%である。

0060

またさらに、本発明のプロテオグリカン含有物は、ヒアルロン酸やコラーゲンと併せて適用すると、本発明のプロテオグリカン含有物の効果が高まるため、好ましい。よって、上述の本発明に係る口腔用組成物、化粧品組成物、飲食品組成物においても、ヒアルロン酸及び/又はコラーゲン(好ましくはコラーゲン加水分解物)をさらに配合することが好ましい。特に、本発明のプロテオグリカン含有物とヒアルロン酸を併せて経口摂取することにより、皮膚の保湿効果及び抗老化効果がより一層高まり、好ましい。特に制限されるものではないが、ヒアルロン酸は、本発明に係るプロテオグリカン含有物を1質量部としたとき、0.01〜1質量部、好ましくは0.02〜0.5質量部、より好ましくは0.05〜0.2質量部を併せて用いることができる。

0061

なお、当該本発明に係る口腔用組成物、化粧品組成物、及び飲食品組成物に含まれる酸性糖成分の量は、例えばカルバゾール硫酸法により求めることができる。また、これらの組成物をゲル濾過クロマトグラフィーで分析して得られる、酸性糖検出クロマトグラムから求めることができる。また、これらの組成物に含まれるプロテオグリカンの量は、例えばこれらの組成物をゲル濾過クロマトグラフィーで分析し、酸性糖検出クロマトグラム及びタンパク質検出クロマトグラムを重ねて、重複するピークをプロテオグリカンとして検出、定量することで決定することができる。

0062

また本発明は、本発明のプロテオグリカン含有物を皮膚又は口腔内へ塗布することにより、繊維芽細胞を増殖させ、又は皮膚バリア機能を増強・改善させる等、本明細書に記載の効果を得る方法をも包含する。当該方法には、本発明のプロテオグリカン含有物をそのまま用いてもよい。また、上述の本発明に係る口腔用組成物や化粧品組成物を好ましく用いることができる。当該方法を適用する対象は特に制限されないが、特に老化や日焼けにより皮膚バリア機能が低下した人が好ましい。また、美容目的で適用してもよい。適用量も特に制限されず、必要量を適宜設定できる。

0063

又さらに本発明は、本発明のプロテオグリカン含有物を経口摂取することにより、繊維芽細胞を増殖させ、皮膚バリア機能を増強・改善させ、皮膚弾力性を改善させ、真皮皮厚を抑制させ、又は皮膚コラーゲン産生能を増強・改善させる等、本明細書に記載の効果を得る方法をも包含する。当該方法には、本発明のプロテオグリカン含有物をそのまま用いてもよい。また、上述の本発明に係る飲食品組成物を好ましく用いることができる。当該方法を適用する対象は特に制限されないが、特に老化や日焼けにより皮膚バリア機能が低下した人、皮膚弾力性が低下した人、等が好ましい。また、美容目的で適用してもよい。適用量も特に制限されず、必要量を適宜設定できる。

0064

以下、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。

0065

プロテオグリカン含有物の製造
サケ頭部を水に浸漬して1日静置し、膨潤させた。次に、サケ頭部から鼻軟骨以外の組織を除去してサケ鼻軟骨を得た。このサケ鼻軟骨を粗砕し、サケ鼻軟骨粉末とした。当該粉末100gに水100mLを加え、穏やかに撹拌した後、10分間室温にて静置し、脱脂を行った。その後、遠心分離(8000rpm, 30分, 室温)を行い、得られた残渣(サケ鼻軟骨脱脂粉末)を回収し、凍結乾燥した。凍結乾燥したサケ鼻軟骨脱脂粉末9.02 gを超遠心粉砕機にて粒径約100〜200μm(レーザー回折散乱法により測定)の微粉末にした。そして、当該微粉末を20mLのエタノールを用いて3回洗浄した後に風乾し、酸性糖成分含有微粉末7.69 gを得た。当該微粉末を、以下「サケ鼻軟骨由来粉末」ということがある。なお、ここでのエタノールを用いた“洗浄”とは、微粉末をエタノールに分散させた後遠心して沈殿を回収する操作(エタノール沈殿)のことである。

0066

さらに、サケ鼻軟骨由来粉末20gに1000mLの常温の精製水(pH6.5)を加え、30分間撹拌した後、10分間室温にて静置した。その後、遠心分離(8000rpm, 30分, 室温)を行い、上清を回収して濃縮乾固して酸性糖成分含有粉末約7gを得た。このようにして得た水抽出物を、以下「サケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物」ということがある。

0067

当該サケ鼻軟骨由来粉末には、酸性糖成分が約20質量%、プロテオグリカンが約9質量%含まれていた(つまり、グリコサミノグリカン等の酸性糖は約11質量%含まれていた)。また、当該サケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物には、酸性糖成分が約35質量%、プロテオグリカンが約15質量%含まれていた(つまり、グリコサミノグリカン等の酸性糖は約20質量%含まれていた)。なお、当該数字は、カルバゾール硫酸法によりウロン酸(グルクロン酸)を定量し、さらに当該定量法においてよく知られている下記式を用いてコンドロイチン硫酸量(質量)を求め、これを酸性糖成分量とした際の数字である。

0068

[式1]
コンドロイチン硫酸量=グルクロン酸量×2.593

0069

なお、以下特に断りが無い場合は、カルバゾール硫酸法により求めた酸性糖成分量は、上記と同様にして求めたコンドロイチン硫酸量を示す。

0070

また、プロテオグリカンの含有量は、下記のように酸性糖成分量をウロン酸定量によりモニタリングしながらゲル濾過クロマトグラフィー解析をしてクロマトグラムを得、当該クロマトグラム中のプロテオグリカンを示すピークがクロマトグラム全体に占める面積比から算出できる。つまり、当該面積比を酸性糖成分量に乗ずることで算出できる。

0071

プロテオグリカン含有物の分子量の検討
得られたプロテオグリカン含有物の分子量について、ゲル濾過クロマトグラフィーにより検討した。具体的には、まず、サケ鼻軟骨由来粉末及びサケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物をサンプルとして下記条件のゲル濾過クロマトグラフィーで処理し、溶出フラクションを1mLずつ採取して、当該各フラクションに含まれる酸性糖量及びタンパク質量をそれぞれカルバゾール硫酸法及びUV吸収法で定量した。

0072

当該ゲル濾過クロマトグラフィー解析の結果得られたクロマトグラムを図2に示す。但し、酸性糖量を解析したクロマトグラムは、カルバゾール硫酸法にて定量したグルクロン酸量を示している(2.593倍してコンドロイチン硫酸量とはしていない)。なお、サケ鼻軟骨由来粉末については、純度を高めるために4Mグアニジン塩酸塩(4M GuCl)で抽出処理を行い、得られた抽出物をサンプルとして用いた。当該抽出処理は、具体的には次のようにして行った。サケ鼻軟骨由来粉末1gに4MGuClを加え、4℃にて1日間撹拌後遠心分離し、上清に3倍量の食塩飽和エタノールを加えて1晩放置後、遠心分離して沈殿を回収した。当該沈殿をゲル濾過クロマトグラフィー用サンプルとした。サケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物はそのままサンプルとして用いた。

0073

〔ゲル濾過クロマトグラフィー条件〕
カラム: Sepharose CL-2B充填カラム(Sepharose CL-2Bを担体としてφ1cm×48cmのカラムに充填したもの。Sepharose CL-2Bのデキストランの分画範囲は100〜20,000kDaであり、GE Healthcare社等から入手できる。Sepharose CL-2Bは、2%架橋アガロース、粒子径60〜200μm(レーザー回折散乱法による)、CAS登録番号65099-79-8である。)
バッファー: 0.1Mリン酸緩衝液(pH 7.1, 0.2M NaCl含有)
アプライサンプル量: 4mg(1mlバッファーに溶解させて使用)
流速: 0.15mL/min
フラクション量: 1mL/tube

0074

また、市販されているプロテオグリカン(以下「PG−K」とも称する)及び市販されているグリコサミノグリカン(コンドロイチン)(以下「PG−M」とも称する)についても、同様の条件でゲル濾過クロマトグラフィー処理を行い、各溶出フラクションに含まれる酸性糖量を定量した。結果を図3に示す。

0075

図2に示されるように、溶出液量が約15〜23mLの範囲において、糖及びタンパク質両方のピークが得られた。よって、このピークがプロテオグリカンを示していることがわかった。

0076

次に、下記の各種デキストラン分子量マーカーについても、それぞれを上記と同様の条件(但しサンプル量は1mg)でゲル濾過クロマトグラフィーを行い、フェノール・硫酸法により各溶出フラクションに含まれる糖量(すなわちデキストラン量)を定量した。具体的には、Hodge, J. E. and Hofreiter, B. T., Method in Carbohydrate Chemistry, 1, 338 (1962)に記載の方法に従い、次のようにして定量した。
〔1〕105×15mmの試験管に試料水溶液あるいは標準単糖マンノース水溶液を500μl加えた。
〔2〕フェノール試薬(5 v/v%フェノール水溶液)を500μl加え、撹拌した。
〔3〕濃硫酸を2.5ml加え、すぐに10秒間激しく撹拌した。
〔4〕室温に20分以上放置した。
〔5〕分光光度計で490nmの吸収を測定した。

0077

<デキストラン分子量マーカー>
Dextran from Leuconostoc mesenteroides(mol wt 5,000,000−40,000,000)(SIGMA)
・・・void volume測定用、10000kDa
Dextran Standard 1,400,000(SIGMA) ・・・1400kDa
Dextran Standard 670,000(SIGMA) ・・・ 670kDa
Dextran Standard 410,000(SIGMA) ・・・ 410kDa
Dextran Standard 270,000(SIGMA) ・・・ 270kDa

0078

なお、マーカーDextran from Leuconostoc mesenteroidesについては、SepharoseCL-2B充填カラム(分画上限20,000kDa)のボイドボリュームを測定するために用いた。ボイドボリュームをより正確に測定するため、当該マーカーに含まれる低分子のデキストランを除去する前処理を行った。前処理は、上述の〔ゲル濾過クロマトグラフィー条件〕によりDextran from Leuconostoc mesenteroidesを溶出させ、分子量20,000kDa以上の分子を回収し、凍結乾燥することで行った。具体的には、最初に出現したピークに相当する、溶出液量15〜19mLの分画物を回収し、これを凍結乾燥した(これにより、分子量20,000kDa以上の分子を回収、凍結乾燥できたと考えられる)。そして、この凍結乾燥物をカラムにアプライして測定を行った。

0079

結果として得られたクロマトグラムを図4a〜eに示す。なお、図4aは、上述の前処理を経た凍結乾燥物を測定したものである。図4aのLeuconostoc mesenteroides由来デキストラン前処理物については、分子量が使用したSepharose CL-2B充填カラムの分画範囲(100kDa〜20000kDa)を超えているため、ピーク頂点位置に対応する溶出液量を、当該カラムの排除限界である20000kDaの分子が溶出される溶出液量とした。なお、当該溶出液量はカラムのボイドボリューム(Void Volume)を示すと解釈される。図4b〜eについてはクロマトグラムのピーク面積の2等分線の位置に相当する溶出液量を、それぞれのマーカー分子量の分子が溶出される時点の溶出液量とした。図4b〜eはそれぞれDextran Standard 1,400,000、670,000、410,000、270,000を測定した結果である。これらの溶出液量及び分子量の関係をグラフ化し、検量線としたところ、直線となった(y = −4.1355Ln(x)+59.47 ; R2=0.9869)(図5)ことから、当該デキストラン分子量マーカーにより得られた分子量と溶出液量との関係は高い相関性を有することが確認できた。

0080

またさらに、分析結果から、ボイドボリュームに達する前の溶出液にプロテオグリカンが含まれる(すなわち、分画限界の20000kDaを超えるプロテオグリカンが存在する)可能性が高いことがわかった。当該ゲル濾過クロマトグラフィーに用いたカラムは、分画範囲が100kDa〜20000kDaであるため、20000kDa以上の分子を正確に分画できていない可能性が高い。よって、上記と同様にして、サケ鼻軟骨由来粉末をサンプルとして下記条件のゲル濾過クロマトグラフィーによる解析及び各フラクションの酸性糖量の定量も行った。

0081

〔ゲル濾過クロマトグラフィー条件〕
カラム: Sephacryl S-1000SF充填カラム(Sephacryl S-1000 SFを担体としてφ1cm×48cmのカラムに充填したもの。Sephacryl S-1000 SFのデキストランの分画範囲は5×105〜1×108Daであり、GE Healthcare社等から入手できる。)
バッファー:0.1Mリン酸緩衝液(pH7.1, 0.2M NaCl含有)
アプライサンプル量: 4mg
流速: 0.3mL/min
フラクション量: 1mL/tube

0082

さらに、以下の分子量マーカーを同様の条件でゲル濾過クロマトグラフィーを行い、フェノール・硫酸法により各溶出フラクションに含まれる糖量(すなわちデキストラン量)を定量して検量線を作成した。

0083

<デキストラン分子量マーカー>
Dextran from Leuconostoc mesenteroides(mol wt 5,000,000−40,000,000)(SIGMA)
・・・10000kDa
Dextran Standard 1,400,000(SIGMA) ・・・1400kDa
Dextran Standard 670,000(SIGMA) ・・・ 670kDa

0084

得られた検量線は
y=−3.8743 Ln(x)+59.887 (R2=0.9961)
であった。

0085

図2及び図3に示される酸性糖量測定結果グラフを1つのグラフにまとめ、さらに上述のようにして得られた分子量と溶出液量との関係を記載した図を図6に示す。上述の通り、サケ鼻軟骨由来粉末及びサケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物については、ゲル濾過クロマトグラフィー解析における溶出量約15〜23mLの範囲にピークが表れるのに対し、プロテオグリカンの市販品であるPG−Mは約28〜49mL、同じく市販品のPG−Kは約18〜47mLの範囲にピークが表れる。このことは、サケ鼻軟骨由来粉末及びサケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物(すなわち、本発明のプロテオグリカン含有物)が、従来知られていたプロテオグリカンとは異なる非常に高分子のプロテオグリカンを含有することを示している。

0086

また、図5に示す検量線から、溶出量23mLは分子量約6700kDaに相当することが算出できる。このことから、サケ鼻軟骨由来粉末及びサケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物は、分子量が約6000kDa以上のプロテオグリカンを含有することがわかった。

0087

さらに、Sephacryl S-1000SF充填カラムを用いてサケ鼻軟骨由来粉末を解析した結果を図7に示す。図7では、クロマトグラムの最初に表れるプロテオグリカンを示すピークの立ち上がりが、溶出液量15〜16mLの範囲から始まっている。上述の検量線(y=−3.8743 Ln(x)+59.887)を用いて当該溶出液量範囲に相当する分子量を算出すると、およそ90000kDaであった。よって、サケ鼻軟骨由来粉末は90000kDa程度のプロテオグリカンを含むことがわかった。

0088

以上のことから、サケ鼻軟骨由来粉末は6000kDa〜90000kDa程度のプロテオグリカンを含むことが確認できた。

0089

さらに、図5に示す検量線を用いて、図6の各グラフのピーク位置の溶出液量から各試料中のプロテオグリカンの平均分子量を算出した。通常、平均分子量は、ピーク面積の2等分線位置の溶出液量から算出するが、図6に示す各クロマトグラムのプロテオグリカンピークがほぼ左右対称であったため、ピーク位置を2等分線位置として算出を行った。具体的には、実験誤差及びロット差も考慮し、ピーク位置の溶出液量±1mLの範囲の溶出液量値を検量線のy値とし、得られるx値の範囲を各試料中のプロテオグリカンの平均分子量とした。ただし、当該解析により得られたプロテオグリカンの平均分子量の上限値については、用いたカラム(Sepharose CL-2B充填カラム)の分画量上限が20000kDaのために正確に算出されていない可能性があるため、Sephacryl S-1000SF充填カラムを用いた場合の結果からも、同様にしてプロテオグリカンの平均分子量を求めた。結果を表1に示す。

0090

0091

以上の結果から、本発明のプロテオグリカン含有物に含まれるプロテオグリカンの平均分子量は9700kDa〜38000kDa程度であることがわかった。

0092

また、サケ鼻軟骨由来粉末、及びサケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物については、Sepharose CL-2B充填カラムによる解析で得られたクロマトグラム面積を2等分する位置に相当する溶出液量を求め(図6点線矢印)、当該液量±1mLの範囲の値から平均分子量を求めた。その結果、サケ鼻軟骨由来粉末に含まれる酸性糖含有成分の混合物の平均分子量は約4800kDa〜7700kDa、サケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物に含まれる酸性糖含有成分の混合物の平均分子量は約1800kDa〜4200kDaであった。

0093

さらに、サケ鼻軟骨由来粉末についてはSephacryl S-1000SF充填カラムによる解析についてもクロマトグラム面積を2等分する位置に相当する溶出液量を求め(図7点線矢印)、当該液量±1mLの範囲の値から平均分子量を求めた。その結果、サケ鼻軟骨由来粉末に含まれる酸性糖成分の平均分子量は約3900kDa〜6600kDaであった。

0094

プロテオグリカン含有物の皮膚抗老化効果の検討
細胞増殖促進能評価
サケ鼻軟骨由来粉末、サケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物、及びPG−Kをサンプルとして用い、これらの細胞増殖効果を検討した。具体的には、次のように実験を行った。培養用シャーレ内で、10%fetal bovine serum(FBS)を含むminimum essential medium(最小必須培地MEM培地)中に、ヒト皮膚繊維芽細胞(HDF50:CELLAPPLICATIONS, INC)を1.0×104 cells播種し、各サンプルをMEM培地中、1μg/mL又は10μg/mLの濃度になるように添加した。また、何も添加しないものをコントロールとした。添加後、5日間培養した。培養後、MEM培地を除去し、Trypsin-EDTA(invitrogen)で細胞を剥がし懸濁させた後、トリパンブルー染色液シグマ)を添加し、Burker-Turk計測盤で細胞数を計測した。

0095

結果を図8に示す。当該結果から、サケ鼻軟骨由来粉末、及びサケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物は有意なヒト皮膚繊維芽細胞増殖能を示すのに対して、市販プロテオグリカンであるPG−Kは当該増殖能を示さないことがわかった。

0096

また、図6に示されるように、サケ鼻軟骨由来粉末及びサケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物と、PG−Kとでは、含まれる成分の分子量に大きな差がある。特にPG−Kのクロマトグラムには、サケ鼻軟骨由来粉末及びサケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物のクロマトグラムに存在する分子量の大きなプロテオグリカンのピークが見られないことから、上述のヒト皮膚繊維芽細胞増殖能は当該プロテオグリカンに起因すると考えられた。

0097

経口摂取による保湿及び抗皮膚老化能評価
<使用実験動物
ヘアレスマウス(Hr-/Kud ♂)(九動社)を実験に用いた。エストロゲン変動による皮膚状態への影響がないオス(4週齢)を予備飼育後、実験に供した。

0098

試験方法
マウスを5つの飼育ケージに表2のとおり割り付けた(1群6匹)。また、被検体は固体識別できるよう尾部に印を付けた。7週齢になるまで予備飼育を続けた。

0099

0100

<評価素材経口投与サンプル調製>
サケ鼻軟骨由来粉末の2%分散液を調製し、遠心分離を行い、その上清をプロテオグリカン含有物の投与サンプルとした。当該上清は、サケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物が水に溶解したものに相当する。当該上清を乾固して固形分を得たところ、当該上清には、サケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物が約0.7質量%含まれていた。また、当該上清に含まれる酸性糖成分量をカルバゾール硫酸法により定量したところ、上清に対して約0.17質量%であった。また、当該上清に含まれるプロテオグリカン量をゲル濾過クロマトグラフィーで解析しクロマトグラムの面積比から求めたところ、上清に対して約0.07質量%であった。

0101

ヒアルロン酸の0.5質量%水溶液を調製し、これをヒアルロン酸の投与サンプルとした。また、プロテオグリカン投与サンプルとヒアルロン酸投与サンプルの1:1混合液質量比)をプロテオグリカン及びヒアルロン酸同時投与のための投与サンプルとした。コントロールには、蒸留水を投与した。なお、ヒアルロン酸は(株)中原から購入したものを用いた。

0102

<経口投与方法>
ヘアレスマウスが7週齢に達した段階で、投与サンプル0.5mLを1日1回、ゾンデによる強制経口投与により投与した。この投与を5回/週(月〜金曜日)の頻度で、試験が終了するまで続けた。

0103

各投与サンプルが含有する各評価素材量は次の通りである。

0104

ヒアルロン酸:2.5mg/day
プロテオグリカン含有物:約3.5mg/day(酸性糖成分:約0.83mg/day、プロテオグリカン:約0.33mg/day)
プロテオグリカン含有物+ヒアルロン酸:プロテオグリカン含有物 約1.75mg/day(酸性糖成分:約0.42mg/day、プロテオグリカン:約0.17mg/day)、ヒアルロン酸1.25mg/day

0105

UVB照射方法>
UVB照射は、経口投与開始4週間後より開始した。UVB照射用ケージにマウスを入れ、UVB照射装置内に入れて、1.0mW/cm2の強度でUVBを5回/週(月〜金曜日)照射した。照射1週目のみ60mJ/cm2の照射量とし、2週目以降120mJ/cm2の照射量とした。10週間のUVB照射量の総量は5.7J/cm2であった。なお、UVBは波長280-315 nmの紫外線である。

0106

<皮膚バリア機能評価>
マルチプローブ式皮膚計測器(MPA580:Courage-Khazaka社)のTewameterにより、経表皮透過蒸散水分量(TEWL)を週1回の頻度で測定し、皮膚バリア機能を評価した。各マウス背部3ヶ所を測定し、平均値を算出した。なお、TEWL値が大きいほど皮膚バリア機能(皮膚の外から体内への異物侵入を防ぐ機能及び体内の水分が外へ逃げるのを防ぐ機能)が低下していることを示す。

0107

UVB照射開始から8週後のTEWL測定結果図9に示す。また、未照射コントロール(群1:Co-UVB)のTEWL値を100、UVB照射コントロール(群2:Co+UVB)のTEWL値を0とした場合の、群3〜5のマウスのUVB照射4週、6週、8週後のTEWL値の相対値を表3に示す。当該相対値は皮膚バリア改善率(%)を示すといえる。

0108

0109

これらの結果から、サケ鼻軟骨由来のプロテオグリカン含有物は、経口投与によりTEWL値を下げ、皮膚バリア機能を改善することがわかった(図9、表3)。さらに、サケ鼻軟骨由来のプロテオグリカン含有物とヒアルロン酸とを併せて経口摂取することにより、当該皮膚バリア機能改善効果が、早期に得られることがわかった(表3)。

0110

<皮膚弾力性評価>
マルチプローブ式皮膚計測器(MPA580:Courage-Khazaka社)のCutometerにより、皮膚弾力性測定を行った。具体的には、各マウス背部4ヶ所を測定し、得られたUf値及びUa値を用いて下記の式により弾力性(R2値)を算出した。なお、Ua値は吸引開放時の皮膚の戻りを、Uf値は吸引時の皮膚の伸びを、それぞれ表す。

0111

弾力性(R2)=Ua/Uf
UVB照射開始から8週後に行った検討結果を図10に示す(図10では、UVBをUVと表記している)。当該結果から、サケ鼻軟骨由来のプロテオグリカン含有物は、経口投与により皮膚弾力性を改善する効果を有することが示唆された。またさらに、サケ鼻軟骨由来のプロテオグリカン含有物とヒアルロン酸とを併せて経口摂取することにより、有意に皮膚弾力性を回復させることがわかった。

0112

<コラーゲン産生能評価>
UVB照射開始から10週後に、各マウスの背部の皮膚組織採取を行った。背部皮膚を採取し、一部はホルマリン固定を行い(皮膚組織切片作成用)、残りをコラーゲン定量用とした。

0113

このようにして得た皮膚組織(コラーゲン定量用)を凍結させ、細胞破砕装置オートミルTK-AM5)(トッケン)により粉砕し、真空乾燥機により乾燥させた。0.5M酢酸にプロテアーゼインヒビター(P.I.)カクテル錠(コンプリートミニEASY Pack(ロシュ社))を入れ溶解させ、上述の皮膚組織粉末に当該酢酸(P.I.入り)を加え、低温にて撹拌した後遠心分離を行い、上清部(酸可溶性コラーゲン抽出液)を採取した。

0114

そして、酸可溶性コラーゲン定量キット(Sircol Soluble Collagen Assay(biocolor社))を用いて、マニュアルに基づき、上記酸可溶性コラーゲン抽出液のコラーゲン量を測定した。

0115

結果を図11に示す。当該結果から、サケ鼻軟骨由来のプロテオグリカン含有物は、経口投与により、皮膚におけるコラーゲン産生能の低下を有意に改善することがわかった。

0116

<真皮肥厚抑制効果検討>
上述のホルマリン固定された組織切片を自動パラフィン固定装置(tissue processor(ティシューテック社))を用いてパラフィン包ブロックを作成した。ミクロトーム切片を作成し、Hematoxylin-Eosin (HE)染色を行いサンプルとした。

0117

サンプルは光学顕微鏡にて観察し、デジタルカメラにて画像を保存した。得られた画像各々において、真皮層の厚さを10ヶ所において測定し、その平均値を真皮層の厚さとして算出した。結果を図12に示す(図12では、UVBをUVと表記している)。当該結果から、サケ鼻軟骨由来のプロテオグリカン含有物は、経口投与により、真皮の肥厚を有意に抑制することがわかった。またさらに、サケ鼻軟骨由来のプロテオグリカン含有物とヒアルロン酸とを併せて経口摂取することにより、真皮の肥厚を有意に抑制でき、その抑制能はサケ鼻軟骨由来のプロテオグリカン含有物のみを摂取したときより優れていることがわかった。

0118

皮膚への塗布による保湿及び抗皮膚老化能評価
<使用実験動物>
ヘアレスマウス(Hr-/Kud ♂ )(九動社)を実験に用いた。エストロゲン変動による皮膚状態への影響がないオス(4週齢)を予備飼育後、実験に供した。

0119

<試験方法>
マウスを4つの飼育ケージに表4のとおり割り付けた(1群5匹)。また、被検体は固体識別できるよう尾部に印を付けた。7週齢になるまで予備飼育を続けた。

0120

0121

<皮膚バリア機能評価>
ヘアレスマウスが7週齢に達した段階で、塗布サンプル0.1mLを背部1日1回塗布するとともに、上述の「経口摂取による保湿及び抗皮膚老化能評価」に記載したのと同様にして、ヘアレスマウスにUVB照射を行った。そして、UVB照射開始から5週後に、上述の「経口摂取による保湿及び抗皮膚老化能評価」に記載したのと同様にして、経表皮透過蒸散水分量(TEWL)を測定した。結果を図13に示す(図13では、UVBをUVと表記している)。当該結果から、サケ鼻軟骨由来のプロテオグリカン含有物は、皮膚への塗布により有意にTEWL値を下げ、皮膚バリア機能を改善することがわかった。

0122

なお、上述のように、ヒト皮膚繊維芽細胞増殖能は、PG−Kには含まれない分子量の大きいプロテオグリカンに起因することが推察されたことも考慮すると、それ以外の各種効果についても、当該プロテオグリカンに起因することが考えられた。

0123

サケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物の分画及び効果検証
サケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物を、イオン交換クロマトグラフィー及びゲル濾過クロマトグラフィーを用いて分画し、どの画分が細胞増殖効果を有するのかを検討した。当該分画の概要を図14に示す。分画条件は以下の通りである。

0124

<イオン交換クロマトグラフィー>
カラム:φ5.0cm×20cmのカラムに担体(DEAESephacel(GE Healthcare社))を高さ15cmになるように充填した。なお、DEAEはジエチルアミノエチルの略である。

0125

溶媒:7M尿素−50mMトリス−塩酸緩衝液(pH 7.4)を溶媒として用いた。同溶媒に0〜0.75M塩化ナトリウムを加えた溶離液を用い、グラジェント溶出(直線勾配)により溶出を行った。
サケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物約100mgを、上記溶媒約20mlに溶解した。その後、日本生化学会編基礎生化学実験法 第5巻(脂質・糖質複合糖質)p189 (東京化学同人)に準じて操作を行い、タンパク質画分ヒアルロン酸画分、硫酸基を有する酸性糖画分へと分画した。カラムの溶出は流速2.0ml/minで行い、各フラクション量は16mlとした。この場合において、タンパク質画分はフラクションNo.16〜35、ヒアルロン酸画分はフランクションNo.37〜42、硫酸基を有する酸性糖画分はフラクションNo.52〜67の各フラクションを、それぞれ合わせた画分とした。
なお、ヒアルロン酸も酸性糖の1種であるが、硫酸基を有さない。プロテオグリカンに含まれる酸性糖(例えばコンドロイチン硫酸)は、硫酸基を有する。また、タンパク質(特にコラーゲン)、ヒアルロン酸、硫酸基を有する酸性糖の順に分子極性が大きくなるため、これら3種をイオン交換クロマトグラフィーにより分画することが可能である。

0126

タンパク質の定量は、280nm吸光度測定により行なった。ヒアルロン酸の定量は、生化学工業(株)のヒアルロン酸定量キットを用いて行った。硫酸基を有する酸性糖の定量は、カルバゾール硫酸法により行なった。

0127

サケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物100mgを分離した場合に相当するタンパク質量は0.9mg、ヒアルロン酸量は1.2mg、硫酸基を有する酸性糖は43.0mgであった。

0128

このようにして得られたタンパク画分、ヒアルロン酸画分、硫酸基を有する酸性糖画分、及びサケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物の4サンプルを用い、上記「細胞増殖促進能評価」と同様にして、各サンプルのヒト皮膚繊維芽細胞増殖能を検討した。結果を図15に示す。サケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物以外でコントロールに対して有意にヒト皮膚繊維芽細胞増殖能が高かったのは、硫酸基を有する酸性糖画分のみであった。また、硫酸基を有する酸性糖画分は、サケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物に比べてもヒト皮膚繊維芽細胞増殖能が高かった。よって、サケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物が有するヒト皮膚繊維芽細胞増殖効果は、硫酸基を有する酸性糖に起因すると考えられた。また、硫酸基を有する酸性糖画分には、プロテオグリカンが多く含まれることから、当該効果はプロテオグリカンによるものであると推察された。

0129

なお、図14〜16において、硫酸基を有する酸性糖画分は、単に「酸性糖画分」と表記している。

0130

<ゲル濾過クロマトグラフィー>
上述のようにして得た、硫酸基を有する酸性糖画分43.0mgをさらにゲル濾過クロマトグラフィーで分画した。具体的には、上述の「プロテオグリカン含有物の分子量の検討」に記載のSepharose CL-2B充填カラムを用いたゲル濾過クロマトグラフィー条件で、硫酸基を有する酸性糖画分5mgあたり1mlのバッファーを加えて溶解したものを、硫酸基を有する酸性糖画分を分子量5000kDa以上の画分と5000kDa未満の画分とに分画した。それぞれの画分に含まれる酸性糖量をカルバゾール硫酸法により定量すると、分子量5000kDa以上の画分には9.7mg、分子量5000kDa未満の画分には16.8mgの酸性糖が含まれていた。

0131

上記と同様にして、これらの画分のヒト皮膚繊維芽細胞増殖効果を検討した結果を図16に示す。分子量5000kDa以上の画分の方が、分子量5000kDa未満の画分に比べて、ヒト皮膚繊維芽細胞増殖効果が高いことがわかった。この結果からも、当該効果はプロテオグリカンに起因するところが大きく、特に分子量の大きい(分子量5000kDa以上の)プロテオグリカンの寄与が大きいと考えられた。

0132

なお、図15及び16の「+」、「**」、「***」の意味については、図8と同様である。

0133

以下に、本発明に係る口腔用組成物、化粧品組成物及び飲食品組成物の処方例を示す。%は質量%を示す。処方例1〜7は化粧品組成物、処方例8〜16は飲食品組成物、処方例17〜22は口腔用組成物である。
なお、以下の各処方例に用いたプロテオグリカン含有物の製造方法についても、以下に合わせて記載する。

0134

<プロテオグリカン含有物A>
〔1〕 皮や硬骨などの付着物を除去したサケ鼻軟骨をミートチョッパーで粗粉砕する。
〔2〕粉砕したサケ鼻軟骨に、pH6.0〜7.5の水道水を、サケ鼻軟骨の2〜3倍量程度(容積)加えて、40℃以下の温度(室温)で十分に攪拌する。
〔3〕 攪拌後、固形物を分離採取する。
〔4〕 〔2〕および〔3〕の処理を2回繰り返す。
〔5〕 得られた固形物を、凍結乾燥する。
〔6〕乾燥固形物を、アトマイザーミル粉砕機を用いて微粉砕する。
〔7〕 95度エタノールを前記微粉砕サケ微軟骨の約10倍量(容積)程度加えて、40℃以下の温度で十分に攪拌する。
〔8〕 攪拌後、固形物を分離採取する。
〔9〕 〔7〕および〔8〕の処理を2回繰り返す。
〔10〕 乾燥し、固形物を得る。

0135

<プロテオグリカン含有物B>
〔1〕 pH6.0〜7.0の精製水を、プロテオグリカン含有物Aの10倍量(容積)程度加えて、40℃以下の温度(室温)で30分〜6時間程度十分に攪拌する。
〔2〕固形分を分離除去した後に、乾燥して固形分を得る。

0136

<プロテオグリカン含有物C>
〔1〕 pH6.0〜7.0の精製水を、プロテオグリカン含有物Aの10倍量(容積)程度加えて、40℃以下の温度(室温)で30分〜6時間程度十分に攪拌後、固形分を分離除去する。
〔2〕 得られた水溶液の5倍量程度のエタノールを添加して、40℃以下の温度(室温)で十分に攪拌する。
〔3〕 生じた固形物を分離採取し、乾燥する。

0137

<プロテオグリカン含有物D>
〔1〕 皮や硬骨などの付着物を除去したサケ鼻軟骨をミートチョッパーで粗粉砕する。
〔2〕粉砕したサケ鼻軟骨に、pH6.5〜7.5の精製水を、サケ鼻軟骨の同量〜2倍量程度(容積)加えて、40℃以下の温度(室温)で十分に攪拌する。
〔3〕 攪拌後、固形物を分離採取する。
〔4〕 〔2〕および〔3〕の処理を3回繰り返す。
〔5〕 得られた固形物を、湿式粉砕機を用いて微粉砕する。
〔6〕 95度エタノールを前記微粉砕サケ微軟骨の10倍量(容積)程度加えて、40℃以下の温度(室温)で十分に攪拌する。
〔7〕 攪拌後、固形物を分離採取する。
〔8〕 〔6〕および〔7〕の処理を1回繰り返す。
〔9〕 乾燥し、固形物を得る。
〔10〕 pH6.5〜7.5の精製水を、〔9〕で得られた乾燥物の10倍量(容積)程度加えて、低温で12〜48時間程度攪拌しながら浸漬する。
〔11〕 浸漬後、固形物を分離除去する。
〔12〕水溶液の5倍量程度のエチルアルコールを添加して、40℃以下の温度(室温)で十分に攪拌する。
〔13〕 生じた固形物を分離採取し、乾燥する。

0138

<プロテオグリカン含有物E>
〔1〕 皮や硬骨などの付着物を除去したサケ鼻軟骨をミートチョッパーで粉砕する。
〔2〕 粉砕したサケ鼻軟骨に、pH6.0〜7.5の水道水を、サケ鼻軟骨の5倍量程度(容積)加えて、40度以下の温度(室温)で十分に攪拌する。
〔3〕 攪拌後、固形分を分離採取する。
〔4〕 〔2〕および〔3〕の処理を2回繰り返す。
〔5〕 得られた固形分を、湿式粉砕機を用いて微粉砕する。
〔6〕 95度エタノールを微粉砕サケ微軟骨の5倍量(容積)程度加えて、40℃以下の温度(室温)で十分に攪拌する。
〔7〕 攪拌後、固形分を分離採取する。
〔8〕 〔6〕および〔7〕の処理を2回繰り返す。
〔9〕 pH6.0〜7.0の精製水を、得られた固形分の同量〜2倍量(容積)程度加えて、40℃以下の温度で30分〜6時間程度十分に攪拌した後に、固形分を分離除去する。

0139

<プロテオグリカン含有物F>
〔1〕 皮や硬骨などの付着物を除去したサケ鼻軟骨を湿式粉砕機で粗粉砕する。
〔2〕粉砕したサケ鼻軟骨に、pH6.0〜7.5の水道水を、サケ鼻軟骨の5倍量程度(容積)加えて、40度以下の温度(室温)で十分に攪拌する。
〔3〕 攪拌後、固形分を分離採取する。
〔4〕 〔2〕および〔3〕の処理を2回繰り返す。
〔5〕 得られた固形分を、湿式粉砕機を用いて微粉砕する。
〔6〕エタノール(食品添加物基準品)を微粉砕サケ微軟骨の5倍量(容積)程度加えて、40℃以下の温度(室温)で十分に攪拌する。
〔7〕 攪拌後、固形分を分離採取する。
〔8〕 〔6〕および〔7〕の処理を2回繰り返す。
〔9〕 pH6.0〜7.0の精製水を、得られた固形分の5倍量(容積)程度加えて、40℃以下の温度で30分〜6時間程度十分に攪拌した後に、固形分を分離除去する。
〔10〕 得られた水溶液の10倍量程度の95度エタノールを添加して、40℃以下の温度(室温)で十分に攪拌し、生じた固形物を分離採取後、乾燥して固形物を得る。

0140

<プロテオグリカン含有物G>
〔1〕 皮や硬骨などの付着物を除去したサケ鼻軟骨を湿式粉砕機で粗粉砕する。
〔2〕粉砕したサケ鼻軟骨に、pH6.0〜7.5の水道水を、サケ鼻軟骨の10倍量程度(容積)加えて、40度以下の温度(室温)で十分に攪拌する。
〔3〕 攪拌後、固形分を分離採取する。
〔4〕 〔2〕および〔3〕の処理を2回繰り返す。
〔5〕 得られた固形分を、湿式粉砕機を用いて微粉砕する。
〔6〕 95度エタノールを微粉砕サケ微軟骨の3倍量(容積)程度加えて、40℃以下の温度(室温)で十分に攪拌する。
〔7〕 攪拌後、固形分を分離採取する。
〔8〕 〔6〕および〔7〕の処理を3回繰り返す。
〔9〕 pH6.0〜7.0の精製水を、得られた固形分の2〜3倍量(容積)程度加えて、40℃以下の温度で30分〜6時間程度十分に攪拌した後に、固形分を分離除去する。
〔10〕分離後の水溶液に塩化ナトリウムを添加して、塩化ナトリウムを飽和状態にする。
〔11〕 水溶液の5倍量程度の95度エタノールを添加して、40℃以下の温度(室温)で十分に攪拌し、生じた固形物を分離採取後、乾燥して固形物を得る。

0141

なお、プロテオグリカン含有物A〜Dについては、カルバゾール硫酸法により酸性糖量を、クロマトグラムの面積比からプロテオグリカン量を、それぞれ求めたところ、乾燥質量換算で、プロテオグリカン含有物に対する質量比は以下の通りであった。
A:酸性糖 約35%、 プロテオグリカン 約15%
B:酸性糖 約45%、 プロテオグリカン 約18%
C:酸性糖 約55%、 プロテオグリカン 約23%
D:酸性糖 約60%、 プロテオグリカン 約24%

0142

[処方例]
処方例1:化粧水

0143

処方例2:美容液

0144

処方例3:乳液

0145

処方例4:クリーム

0146

処方例5:育毛剤

0147

処方例6:ヘアトニック

0148

処方例7:毛穴ひきしめローション

0149

処方例8:粉末玄米飲料

0150

処方例9:タブレット

0151

処方例10:粉末食品

0152

処方例11:錠剤

0153

処方例12:飴

0154

処方例13:チュアブル錠

0155

処方例14:粉末茶

0156

実施例15:カプセル剤

0157

実施例16:チューイングガム

0158

処方例17:口腔用ジェル剤

0159

処方例18:口腔用塗布剤

0160

処方例19:洗口剤

0161

処方例20:液体歯磨剤

0162

処方例21:歯磨剤

実施例

0163

処方例22:マウススプレイ

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