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技術 配線板の保護膜用熱硬化性組成物

出願人 昭和電工株式会社
発明者 大賀一彦東律子大西美奈
出願日 2010年6月24日 (10年5ヶ月経過) 出願番号 2011-521896
公開日 2012年12月20日 (7年11ヶ月経過) 公開番号 WO2011-004756
状態 拒絶査定
技術分野 ポリウレタン,ポリ尿素 エポキシ樹脂 印刷回路の非金属質の保護被覆 多層プリント配線板の製造
主要キーワード レシバー 定常試験 複合ガラス電極 サークルカッター 脂肪族モノアミン化合物 錫メッキ処理 チクソトロピー指数 ケトン類溶媒
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図面 (1)

課題・解決手段

低反り性、可撓性、長期電気絶縁信頼性に優れた配線板保護膜用熱硬化性組成物を提供する。本発明の配線板の保護膜用熱硬化性組成物は、トリシクロデカン構造を有するエポキシ基含有化合物エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有するポリウレタン及び溶剤を必須成分とする。(式中、R1は、炭素数3〜18のアルキレン基を表し、nは1以上の整数を表す。) トリシクロデカン構造を有するエポキシ基含有化合物としては、式(2)の化合物が好ましく用いられる。

概要

背景

従来、フレキシブル配線回路表面保護膜は、カバーレイフィルムと呼ばれるポリイミドフィルムパターンに合わせた金型をつくり打ち抜いたのち、接着剤を用いて張り付けるタイプや、可とう性を持たせた紫外線硬化型、または熱硬化型オーバーコート剤スクリーン印刷法により塗布するタイプのものであり、特に後者は作業性の点で有用であった。これら硬化タイプのオーバーコート剤としては、主にエポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、あるいはこれらの複合系よりなる樹脂組成物が知られている。これらは、特にブタジエン骨格シロキサン骨格ポリカーボネートジオール骨格長鎖脂肪族骨格等の導入などの変成を行った樹脂を主成分とすることが多く、これにより、表面保護膜が本来備える耐熱性や、耐薬品性電気絶縁性の低下をなるべく押さえながら、柔軟性の向上や、硬化収縮による反りの発生の抑制を行ってきた。
しかしながら、近年、電子機器軽量小型化に伴いフレキシブル基板も軽薄化が進み、これに伴い、オーバーコートする樹脂組成物の柔軟性や硬化収縮の影響が、より顕著に現れるようになってきている。このため、硬化タイプのオーバーコート剤では、柔軟性や硬化収縮による反りの点で、要求性能満足できなくなっているのが現状である。

例えば、特開平11−61038号公報(特許文献1)には、ポリブタジエンブロックイソシアネートポリオールを用いる樹脂組成物が開示されているが、その硬化物は柔軟性や収縮率の点で優れているものの、耐熱性が十分でない。

特開2004−137370号公報(特許文献2)には、ポリカーボネートジオールとジイソシアネート化合物とを反応させて得られた両末端ジイソシアネートポリウレタントリメリット酸とを反応させたポリアミドイミド樹脂アミン型エポキシ樹脂を含む組成物が開示されているが、ポリアミドイミド樹脂とアミン型エポキシ樹脂から得られる硬化物の電気特性長期信頼性が十分でないという欠点があった。

特開2006−307183号公報(特許文献3)号公報にカルボキシル基含有ポリウレタンポリイミドエポキシ化ポリブタジエンを含有する組成物が開示されているが、この組成物は、この組成物は、乾燥して溶剤を除去の際に、カルボキシル基含有ポリウレタンポリイミドとエポキシ化ポリブタジエンが相分離構造を起こし易く、均一な皮膜になりにくいという欠点を有していた。

また、特開2004−182792号公報(特許文献4)にはオルガノシロキサン骨格を備えたポリアミドイミド樹脂が開示されているが、その硬化物と基材との密着性が良くない上に、N−メチル−2−ピロリドンのような特殊な溶媒を使用する必要があり、特にスクリーン印刷時に乳剤を溶解させることがあるので、問題となることがあった。

また、特開2006−348278号公報(特許文献5)にはポリブタジエンポリオールポリイソプレンポリオール、水素化ポリブタジエンポリオールおよび水素化ポリイソプレンポリオールからなる群より選ばれるポリオールユニットを有するカルボキシル基含有ポリウレタンとエポキシ化合物を含む組成物が開示されている。例えば、COF(Chip on Film)実装方式に使用される回路パターン形成方法に目を向けると、現在、COF実装方式で広く一般的に使用されている配線サブトラクティブ法生産されたものである。これらのサブトラクティブ法で生産された配線用絶縁被膜としては、特許文献5で開示されている組成物から得られる硬化物は十分な絶縁性能発現している。

さらに、特開2007−10037号公報(特許文献6)には、ダイマージオールから誘導される有機残基を有するカルボキシル基含有ポリウレタンとエポキシ化合物を含むソルダーレジストインキが開示されている。この組成物から得られる硬化物に関しても、サブトラクティブ法で生産された配線用の絶縁被膜としては、特許文献6で開示されているソルダーレジストインキは十分な絶縁性能を発現している。

概要

低反り性、可撓性、長期電気絶縁信頼性に優れた配線板保護膜用熱硬化性組成物を提供する。本発明の配線板の保護膜用熱硬化性組成物は、トリシクロデカン構造を有するエポキシ基含有化合物エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有するポリウレタン及び溶剤を必須成分とする。(式中、R1は、炭素数3〜18のアルキレン基を表し、nは1以上の整数を表す。) トリシクロデカン構造を有するエポキシ基含有化合物としては、式(2)の化合物が好ましく用いられる。

目的

本発明の目的は、柔軟で、セミアディティブ法においても電気絶縁特性の良好な保護膜を得ることができる配線板の保護膜用熱硬化性組成物、該組成物を硬化して得られる配線板の保護膜、該保護膜によって被覆されたフレキシブル配線板、およびフレキシブル配線板の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

トリシクロデカン構造を有するエポキシ基含有化合物エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有するポリウレタン及び溶剤を必須成分とする配線板保護膜用熱硬化性組成物。(式中、R1は、炭素数3〜18のアルキレン基を表し、nは1以上の整数を表す。)

請求項2

トリシクロデカン構造を有するエポキシ基含有化合物が、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン構造またはトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン構造を有し、かつ芳香環構造を有するエポキシ基含有化合物であることを特徴とする請求項1に記載の配線板の保護膜用熱硬化性組成物。

請求項3

トリシクロデカン構造を有するエポキシ基含有化合物が、式(2)で示される化合物であることを特徴とする請求項2に記載の配線板の保護膜用熱硬化性組成物。(式中、lは、0または1以上の整数を表す。)

請求項4

エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有するポリウレタンが、エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有し、さらにイミド結合を有するポリウレタンポリイミドであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の配線板の保護膜用熱硬化性組成物。

請求項5

エポキシ基と反応可能な官能基が、カルボキシル基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の配線板の保護膜用熱硬化性組成物。

請求項6

エポキシ基と反応可能な官能基が、酸無水物基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の配線板の保護膜用熱硬化性組成物。

請求項7

エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有し、さらにイミド結合を有するポリウレタンポリイミドが、下記成分(a)〜成分(d)を反応して得られるポリウレタンポリイミドであることを特徴とする請求項4または5に記載の配線板の保護膜用熱硬化性組成物。成分(a)ジイソシアネート、成分(b)炭素数3〜18のジオールから誘導される有機残基を有する(ポリカーボネートポリオール、成分(c)カルボキシル基を有するジオール、および成分(d)式(3)で示される2官能水酸基末端イミド。(式中、R2、R3は、それぞれ独立に、2価の脂肪族または芳香族炭化水素基を示し、Y1はテトラカルボン酸またはその酸無水物基から誘導される4価の有機基を示し、X1はジアミン或いはジイソシアネートから誘導される2価の有機基を示し、mは、0〜20の整数である。)

請求項8

エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有し、さらにイミド結合を有するポリウレタンポリイミドが、式(4)〜式(6)からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位を有するポリウレタンポリイミドであることを特徴とする請求項4または6に記載の配線板の保護膜用熱硬化性組成物。式中、複数個のR4は、それぞれ独立に炭素数3〜18のアルキレン基であり、複数個のR5は、それぞれ独立に炭素数3〜18のアルキレン基であり、a及びbは、それぞれ独立に1〜20の整数であり、複数個のX2は、それぞれ独立に2価の有機基である。式中、複数個のR6は、それぞれ独立に炭素数3〜18のアルキレン基であり、複数個のR7は、それぞれ独立に炭素数3〜18アルキレン基であり、c及びdは、それぞれ独立に1〜20の整数であり、複数個のX3は、それぞれ独立に2価の有機基であり、Y2は、CH2、SO2またはOである。式中、複数個のR8は、それぞれ独立に炭素数3〜18のアルキレン基であり、複数個のR9は、それぞれ独立に炭素数3〜18のアルキレン基であり、e及びfは、それぞれ独立に1〜20の整数であり、複数個のX4は、それぞれ独立に2価の有機基であり、Y3は、下記式(7)〜式(33)のいずれかの基である。

請求項9

エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有するポリウレタンが、下記成分(a)、成分(b)、成分(c)及び成分(e)を反応して得られるポリウレタンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の配線板の保護膜用熱硬化性組成物。成分(a)ジイソシアネート、成分(b)炭素数3〜18のジオールから誘導される有機残基を有する(ポリ)カーボネートポリオール、成分(c)カルボキシル基を有するジオール、成分(e)1分子中に水酸基を3個以上有する化合物。

請求項10

エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有するポリウレタンが、さらに、ダイマージオールから誘導された有機残基を含有するポリウレタンであることを特徴とする請求項1〜3、5、6及び9のいずれか1項に記載の配線板の保護膜用熱硬化性組成物。

請求項11

溶剤が、大気圧下で170℃以上200℃未満の沸点を有する少なくとも1種の溶剤と大気圧下で200℃〜220℃の沸点を有する少なくとも1種の溶剤を含む混合溶剤であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の配線板の保護膜用熱硬化性組成物。

請求項12

大気圧下で170℃以上200℃未満の沸点を有する溶剤が下記A群の中から選ばれる少なくとも1種であり、かつ大気圧下で200℃〜220℃の沸点を有する溶剤が下記B群の中から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項11に記載の配線板の保護膜用熱硬化性組成物。A群:ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(沸点189℃)、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)、ジプロピレングリコ−ルジメチルエーテル(沸点171℃)、3−メトキシブチルアセテート(沸点171℃)、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(沸点192℃)B群:ジエチレングリコールブチルメチルエーテル(沸点212℃)、トリプロピレングリコールジメチルエーテル(沸点215℃)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(沸点216℃)、エチレングリコールジブチルエーテル(沸点203℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点217℃)、γ−ブチロラクトン(沸点204℃)。

請求項13

請求項1〜12のいずれか1項に記載の配線板の保護膜用熱硬化性組成物を硬化して得られる配線板の保護膜。

請求項14

フレキシブル基板上に配線が形成されてなるフレキシブル配線板の、配線が形成されている表面の一部または全部が請求項13に記載の配線板の保護膜によって被覆されたことを特徴とする、保護膜によって被覆されたフレキシブル配線板。

請求項15

請求項1〜12のいずれか1項に記載の配線板の保護膜用熱硬化性組成物をフレキシブル配線板の錫メッキ処理された配線パターン部に印刷することで該パターン上に印刷膜を形成し、該印刷膜を80〜130℃で加熱硬化させることで保護膜を形成することを特徴とする、保護膜によって被覆されたフレキシブル配線板の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、新規配線板保護膜用熱硬化性組成物、その保護膜用熱硬化性組成物を硬化して得られる配線板の保護膜、その保護膜によって被覆されたフレキシブル配線板及び該保護膜によって被覆されたフレキシブル配線板の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、低反り性、可撓性、長期電気絶縁信頼性に優れた配線板の保護膜用熱硬化性組成物、その保護膜用熱硬化性組成物を硬化して得られる配線板の保護膜、その保護膜で一部または全部が被覆されたフレキシブル配線板及び該保護膜によって被覆されたフレキシブル配線板の製造方法に関するものである。

背景技術

0002

従来、フレキシブル配線回路表面保護膜は、カバーレイフィルムと呼ばれるポリイミドフィルムパターンに合わせた金型をつくり打ち抜いたのち、接着剤を用いて張り付けるタイプや、可とう性を持たせた紫外線硬化型、または熱硬化型オーバーコート剤スクリーン印刷法により塗布するタイプのものであり、特に後者は作業性の点で有用であった。これら硬化タイプのオーバーコート剤としては、主にエポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、あるいはこれらの複合系よりなる樹脂組成物が知られている。これらは、特にブタジエン骨格シロキサン骨格ポリカーボネートジオール骨格長鎖脂肪族骨格等の導入などの変成を行った樹脂を主成分とすることが多く、これにより、表面保護膜が本来備える耐熱性や、耐薬品性電気絶縁性の低下をなるべく押さえながら、柔軟性の向上や、硬化収縮による反りの発生の抑制を行ってきた。
しかしながら、近年、電子機器軽量小型化に伴いフレキシブル基板も軽薄化が進み、これに伴い、オーバーコートする樹脂組成物の柔軟性や硬化収縮の影響が、より顕著に現れるようになってきている。このため、硬化タイプのオーバーコート剤では、柔軟性や硬化収縮による反りの点で、要求性能満足できなくなっているのが現状である。

0003

例えば、特開平11−61038号公報(特許文献1)には、ポリブタジエンブロックイソシアネートポリオールを用いる樹脂組成物が開示されているが、その硬化物は柔軟性や収縮率の点で優れているものの、耐熱性が十分でない。

0004

特開2004−137370号公報(特許文献2)には、ポリカーボネートジオールとジイソシアネート化合物とを反応させて得られた両末端ジイソシアネートポリウレタントリメリット酸とを反応させたポリアミドイミド樹脂アミン型エポキシ樹脂を含む組成物が開示されているが、ポリアミドイミド樹脂とアミン型エポキシ樹脂から得られる硬化物の電気特性長期信頼性が十分でないという欠点があった。

0005

特開2006−307183号公報(特許文献3)号公報にカルボキシル基含有ポリウレタンポリイミドエポキシ化ポリブタジエンを含有する組成物が開示されているが、この組成物は、この組成物は、乾燥して溶剤を除去の際に、カルボキシル基含有ポリウレタンポリイミドとエポキシ化ポリブタジエンが相分離構造を起こし易く、均一な皮膜になりにくいという欠点を有していた。

0006

また、特開2004−182792号公報(特許文献4)にはオルガノシロキサン骨格を備えたポリアミドイミド樹脂が開示されているが、その硬化物と基材との密着性が良くない上に、N−メチル−2−ピロリドンのような特殊な溶媒を使用する必要があり、特にスクリーン印刷時に乳剤を溶解させることがあるので、問題となることがあった。

0007

また、特開2006−348278号公報(特許文献5)にはポリブタジエンポリオールポリイソプレンポリオール、水素化ポリブタジエンポリオールおよび水素化ポリイソプレンポリオールからなる群より選ばれるポリオールユニットを有するカルボキシル基含有ポリウレタンとエポキシ化合物を含む組成物が開示されている。例えば、COF(Chip on Film)実装方式に使用される回路パターン形成方法に目を向けると、現在、COF実装方式で広く一般的に使用されている配線サブトラクティブ法生産されたものである。これらのサブトラクティブ法で生産された配線用絶縁被膜としては、特許文献5で開示されている組成物から得られる硬化物は十分な絶縁性能発現している。

0008

さらに、特開2007−10037号公報(特許文献6)には、ダイマージオールから誘導される有機残基を有するカルボキシル基含有ポリウレタンとエポキシ化合物を含むソルダーレジストインキが開示されている。この組成物から得られる硬化物に関しても、サブトラクティブ法で生産された配線用の絶縁被膜としては、特許文献6で開示されているソルダーレジストインキは十分な絶縁性能を発現している。

先行技術

0009

特開平11−61038号公報
特開2004−137370号公報
特開2006−307183号公報
特開2004−182792号公報
特開2006−348278号公報
特開2007−100037号公報

発明が解決しようとする課題

0010

しかしながら、セミアディティブ法発展に伴い、フレキシブル配線板の配線間距離が更に狭く(例えば、20μmピッチ以下)なることが予想されている。
この更なる狭ピッチ化に伴い、更なる電気絶縁性能の良好な樹脂の開発が求められている。
本発明の目的は、柔軟で、セミアディティブ法においても電気絶縁特性の良好な保護膜を得ることができる配線板の保護膜用熱硬化性組成物、該組成物を硬化して得られる配線板の保護膜、該保護膜によって被覆されたフレキシブル配線板、およびフレキシブル配線板の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明者らは、上記課題を解決すべく研究を重ねた結果、特定の構造単位を有するポリウレタン、特定の構造を有するエポキシ基含有化合物及び溶剤を含む硬化性組成物を用いると、該組成物を硬化する際の反りが小さく、この硬化性組成物を硬化することによって得られる硬化物が、可撓性及び電気絶縁特性に優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。

0012

即ち、本発明(I)は、トリシクロデカン構造を有するエポキシ基含有化合物、エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有するポリウレタン及び溶剤を必須成分とする配線板の保護膜用熱硬化性組成物である。

(式中、R1は、炭素数3〜18のアルキレン基を表し、nは1以上の整数を表す。)

0013

本発明(II)は、本発明(I)の配線板の保護膜用熱硬化性組成物を硬化して得られる配線板の保護膜である。

0014

本発明(III)は、フレキシブル基板上に配線が形成されてなるフレキシブル配線板の、配線が形成されている表面の一部または全部が本発明(II)の配線板の保護膜によって被覆されたことを特徴とする、保護膜によって被覆されたフレキシブル配線板である。

0015

本発明(IV)は、本発明(I)の配線板の保護膜用熱硬化性組成物をフレキシブル配線板の錫メッキ処理された配線パターン部に印刷することで該パターン上に印刷膜を形成し、該印刷膜を80〜130℃で加熱硬化させることで保護膜を形成することを特徴とする、保護膜によって被覆されたフレキシブル配線板の製造方法である。

0016

さらに言えば、本発明は、以下の[1]〜[12]の配線板の保護膜用熱硬化性組成物、[13]の配線板の保護膜、[14]のフレキシブル配線板及び[15]のフレキシブル配線板の製造方法である。

0017

[1]トリシクロデカン構造を有するエポキシ基含有化合物、エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有するポリウレタン及び溶剤を必須成分とする配線板の保護膜用熱硬化性組成物。

0018

[2]トリシクロデカン構造を有するエポキシ基含有化合物が、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン構造またはトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン構造を有し、かつ芳香環構造を有するエポキシ基含有化合物であることを特徴とする[1]に記載の配線板の保護膜用熱硬化性組成物。

0019

[3]トリシクロデカン構造を有するエポキシ基含有化合物が、式(2)で示される化合物であることを特徴とする[2]に記載の配線板の保護膜用熱硬化性組成物。

(式中、lは、0または1以上の整数を表す。)

0020

[4]エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有するポリウレタンが、エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有し、さらにイミド結合を有するポリウレタンポリイミドであることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の配線板の保護膜用熱硬化性組成物。

0021

[5]エポキシ基と反応可能な官能基が、カルボキシル基であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の配線板の保護膜用熱硬化性組成物。

0022

[6]エポキシ基と反応可能な官能基が、酸無水物基であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の配線板の保護膜用熱硬化性組成物。

0023

[7]エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有し、さらにイミド結合を有するポリウレタンポリイミドが、下記成分(a)〜成分(d)を反応して得られるポリウレタンポリイミドであることを特徴とする[4]または[5]に記載の配線板の保護膜用熱硬化性組成物。
成分(a)ジイソシアネート、
成分(b)炭素数3〜18のジオールから誘導される有機残基を有する(ポリカーボネートポリオール
成分(c)カルボキシル基を有するジオール、および
成分(d) 式(3)で示される2官能水酸基末端イミド

(式中、R2、R3は、それぞれ独立に、2価の脂肪族または芳香族炭化水素基を示し、Y1はテトラカルボン酸またはその酸無水物基から誘導される4価の有機基を示し、X1はジアミン或いはジイソシアネートから誘導される2価の有機基を示し、mは、0〜20の整数である。)

0024

[8]エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有し、さらにイミド結合を有するポリウレタンポリイミドが、式(4)〜式(6)からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位を有するポリウレタンポリイミドであることを特徴とする[4]または[6]に記載の配線板の保護膜用熱硬化性組成物。

(式中、複数個のR4は、それぞれ独立に炭素数3〜18のアルキレン基であり、複数個のR5は、それぞれ独立に炭素数3〜18のアルキレン基であり、a及びbは、それぞれ独立に1〜20の整数であり、複数個のX2は、それぞれ独立に2価の有機基である。)

(式中、複数個のR6は、それぞれ独立に炭素数3〜18のアルキレン基であり、複数個のR7は、それぞれ独立に炭素数3〜18のアルキレン基であり、c及びdは、それぞれ独立に1〜20の整数であり、複数個のX3は、それぞれ独立に2価の有機基であり、Y2は、CH2、SO2またはOである。)

式中、複数個のR8は、それぞれ独立に炭素数3〜18のアルキレン基であり、複数個のR9は、それぞれ独立に炭素数3〜18のアルキレン基であり、e及びfは、それぞれ独立に1〜20の整数であり、複数個のX4は、それぞれ独立に2価の有機基であり、Y3は、式(7)〜式(33)のいずれかの基である。

0025

[9]エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有するポリウレタンが、下記成分(a)、成分(b)、成分(c)及び成分(e)を反応して得られるポリウレタンであることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の配線板の保護膜用熱硬化性組成物。
成分(a)ジイソシアネート、
成分(b)炭素数3〜18のジオールから誘導される有機残基を有する(ポリ)カーボネートポリオール、
成分(c)カルボキシル基を有するジオール、
成分(e) 1分子中に水酸基を3個以上有する化合物。

0026

[10]エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有するポリウレタンが、エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有し、さらに、ダイマージオールから誘導された有機残基を含有するポリウレタンであることを特徴とする[1]〜[3]、[5]、[6]及び[9]のいずれかに記載の配線板の保護膜用熱硬化性組成物。

0027

[11]溶剤が、大気圧下で170℃以上200℃未満の沸点を有する少なくとも1種の溶剤と大気圧下で200℃〜220℃の沸点を有する少なくとも1種の溶剤を含む混合溶剤であることを特徴とする[1]〜[10]のいずれかに記載の配線板の保護膜用熱硬化性組成物。
[12]溶剤が、下記A群の中から選ばれる少なくとも1種の溶剤と下記B群の中から選ばれる少なくとも1種の溶剤を必須成分とする混合溶剤であることを特徴とする[1]〜[11]のいずれかに記載の配線板の保護膜用熱硬化性組成物。
A群:ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(沸点189℃)、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)、ジプロピレングリコ−ルジメチルエーテル(沸点171℃)、3−メトキシブチルアセテート(沸点171℃)、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(沸点192℃)
B群:ジエチレングリコールブチルメチルエーテル(沸点212℃)、トリプロピレングリコールジメチルエーテル(沸点215℃)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(沸点216℃)、エチレングリコールジブチルエーテル(沸点203℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点217℃)、γ−ブチロラクトン(沸点204℃)

0028

[13][1]〜[12]のいずれかに記載の配線板の保護膜用熱硬化性組成物を硬化して得られる配線板の保護膜。

0029

[14]フレキシブル基板上に配線が形成されてなるフレキシブル配線板の、配線が形成されている表面の一部または全部が[13]に記載の配線板の保護膜によって被覆されたことを特徴とする、保護膜によって被覆されたフレキシブル配線板。

0030

[15][1]〜[12]のいずれかに記載の配線板の保護膜用熱硬化性組成物をフレキシブル配線板の錫メッキ処理された配線パターン部に印刷することで該パターン上に印刷膜を形成し、該印刷膜を80〜130℃で加熱硬化させることで保護膜を形成することを特徴とする、保護膜によって被覆されたフレキシブル配線板の製造方法。

発明の効果

0031

本発明の硬化物はタックがなくハンドリング性が良好であり、可撓性および耐湿性が良好で、しかも高いレベルでの長期電気絶縁信頼性を有し、かつ、低反り性を有し基材やアンダーフィル材との密着性が良好で、耐溶剤性も良好である。このため、フレキシブル配線板やポリイミドフィルムのようなフレキシブル基材に本発明の熱硬化性組成物を塗布し、その後硬化反応により硬化物(保護膜)を作成する際、保護膜付きのフレキシブル配線板や保護膜付きのフレキシブル基材の反りが小さく、その後ICチップ搭載工程の位置合わせを容易にする。
また、本発明の硬化物は可撓性を有するので、クラックの生じにくい電気絶縁保護膜付きのフレキシブル配線板(例えば、COF等のフレキシブルプリント配線板)を提供することができる。

0032

以下、本発明を具体的に説明する。
まず、本発明(I)について説明する。
本発明(I)は、トリシクロデカン構造を有するエポキシ基含有化合物、エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有するポリウレタン及び溶剤を必須成分とする配線板の保護膜用熱硬化性組成物である。

(式中、R1は、炭素数3〜18のアルキレン基を表し、nは1以上の整数を表す。)

0033

本発明(II)は、本発明(I)の配線板の保護膜熱硬化性組成物を硬化して得られる配線板の保護膜である。

0034

本発明(I)の組成物の必須成分の1つであるトリシクロデカン構造を有するエポキシ基含有化合物は、分子中にトリシクロデカン構造とエポキシ基を有する化合物であれば、特に制限はない。

0035

トリシクロデカン構造とは、例えば、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン構造またはトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン構造を挙げることができる。

0036

トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン構造を有するエポキシ基含有化合物としては、例えば、下記式(2)や下記式(34)のような化合物を挙げることができる。

(式中、lは、0または1以上の整数を表す。)

(式中、gは、0または1以上の整数を表す。)

0037

また、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン構造を有するエポキシ基含有化合物としては、例えば、下記式(35)〜下記式(38)のような化合物を挙げることができる。

0038

これらのトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン構造またはトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン構造とエポキシ基を有する化合物の中では吸水率を低くすることが好ましく、具体的には、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン構造またはトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン構造を有し、かつ芳香環構造を有するエポキシ基含有化合物が好ましい。
上記の式(2)及び式(34)〜(38)の中では、式(2)及び式(35)〜式(38)で示される化合物が当てはまる

0039

トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン構造またはトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン構造を有し、かつ芳香環構造を有するエポキシ基含有化合物の中で、入手の容易さを考慮すると、式(2)で示される化合物が特に好ましい。
式(2)で示される化合物は、DIC株式会社から市販され(グレード名:エピクロンHP−7200L、エピクロンHP−7200、エピクロンHP−7200H、エピクロンHP−7200HH)、また、日本化薬株式会社からもXD−1000−2L、XD−1000のグレード名で市販されており、容易に入手可能である。

0040

本発明(I)の必須成分であるトリシクロデカン構造を有するエポキシ基含有化合物の使用量は、後述の、本発明(I)の必須成分であるエポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有するポリウレタン中に含まれるエポキシ基と反応可能な官能基の数とエポキシ基の数との比で示すことができる。
前記エポキシ基と反応可能な官能基がエポキシ基と1:1で反応する基の場合には、本発明(I)の熱硬化性組成物中に含まれる、エポキシ基と反応可能な官能基の数とトリシクロデカン構造を有するエポキシ基含有化合物のエポキシ基の数の比は、1/3〜2/1の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは、1/2.5〜1.5/1の範囲である。この比が1/3より小さくなると、未反応のエポキシ基が多く残存する可能性が高くなり好ましいことではない。また、この比が2/1よりも大きくなると、未反応のエポキシ基と反応可能な官能基が多く残存することになり、電気絶縁性能上好ましいこととは言えない。例えば、カルボキシル基がエポキシ基1:1で反応する官能基として挙げることができる。

0041

本発明(I)の組成物の必須成分の1つである、エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有するポリウレタンは、分子内にエポキシ基と反応可能な官能基と式(1)で示される構造単位を有するポリウレタンであれば、特に制限はない。

(式中、R1は、炭素数3〜18のアルキレン基を表し、nは1以上の整数を表す。)

0042

式(1)中、R1は、炭素数3〜18のアルキレン基を表す。炭素数2以下のアルキレン基の場合には、生成するポリウレタンの耐水性を十分に保つことができず、好ましくない。また、炭素数19以上のアルキレン基の場合には、生成するポリウレタンを溶解することのできる溶剤の種類が極端に少なくなったり、ポリイミドへの密着性が低下したりする場合があり好ましいことではない。
nは、1〜20の整数であることが好ましい。

0043

式(1)の構造単位は、炭素数3〜18のジオール構造単位を有する(ポリ)カーボネートジオール原料由来の構造単位であるが、さらに、耐水性を増すために、ダイマージオールを、エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有するポリウレタンを製造する際の1成分として用いることができかつ好ましい。原料の(ポリ)カーボネートジオールの数平均分子量は、400〜10000のものを使用することができる。

0044

なお、本明細書に記載の(ポリ)カーボネートジオール中の「(ポリ)カーボネート」という表現は、分子中にカーボネート結合を1個以上有していることを意味する。換言すれば、「(ポリ)カーボネート」とは、モノカーボネートポリカーボネートの両方を意味する。従って、本明細書に記載の「(ポリ)カーボネートジオール」とは、分子中にカーボネート結合を1個以上有し、アルコール性水酸基を2個有する化合物を意味する。

0045

また、(ポリ)カーボネートジオールを製造する際に、原料であるジオール成分が残存して含まれる場合があるが、本明細書では、残存する該ジオール成分は、「(ポリ)カーボネートジオール」には含まれないものと定義する。
例えば、1,9−ノナンジオールおよびジエチルカーボネートを原料に用いて、触媒の存在下、エステル交換反応によって(ポリ)カーボネートジオールを製造する際に、原料である1,9−ノナンジオールが生成物である(ポリ)カーボネートジオール中に5質量%残存していた場合には、この残存している1,9−ノナンジオールは、「(ポリ)カーボネートジオール」には含まれないことを意味する。

0046

エポキシ基と反応可能な官能基としては、例えば、アミノ基、カルボキシル基、カルボン酸無水物基メルカプト基イソシアナト基、水酸基等の官能基を挙げることができる。これらの官能基の中で、トリシクロデカン構造を有するエポキシ基含有化合物との反応速度が一定の範囲であることが望ましい。このことから、カルボキシル基、カルボン酸無水物基が好ましい。さらに、化合物の臭気や通常の大気中、常温雰囲下での官能基の安定性があることが使用上望ましい。このことを考慮すると、カルボキシル基が最も望ましい。

0047

本発明(I)の組成物の硬化時の反りを抑制するためには、硬化物の耐溶剤性や長期電気絶縁特性、耐熱性を損なわない限り、硬化時の架橋密度の増加は少ない方が望ましい。硬化時の架橋密度の増加をある程度抑制しかつ硬化物の耐溶剤性や長期電気絶縁特性、耐熱性を良好に発現するためには、エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有するポリウレタンは、以下の3種の構造の内、少なくとも1種の構造を分子内に有することが好ましい。

0048

まず、その1つは、エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有するポリウレタンが、さらにイミド構造を有することである。即ち、エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有するポリウレタンが、エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有し、さらにイミド結合を有するポリウレタンポリイミドであることが望ましい。
次の1つの構造は、溶剤に溶解する範囲で分子中に一定の分岐構造を有することが望ましい。
もう1つの構造は、エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有し、さらに、ダイマージオールから誘導された有機残基を含有するポリウレタンであることが望ましい。

0049

まず、エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有するポリウレタンが、エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有し、さらにイミド結合を有するポリウレタンポリイミドである場合について説明する。

0050

エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有し、さらにイミド結合を有するポリウレタンポリイミドの例としては、例えば、特開2003−198105号公報や特開2006−307183号公報に記載のエポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有し、さらにイミド結合を有するポリウレタンポリイミドを挙げることができる。

0051

まず、特開2003−198105号公報に記載のエポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有し、さらにイミド結合を有するポリウレタンポリイミドについて説明する。

0052

特開2003−198105号公報に記載のエポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有し、さらにイミド結合を有するポリウレタンポリイミドとは、即ち、下記式(4)〜式(6)で示される構造単位を分子内に有するポリウレタンポリイミドである。

(式中、複数個のR4は、それぞれ独立に炭素数3〜18のアルキレン基であり、複数個のR5は、それぞれ独立に炭素数3〜18のアルキレン基であり、a及びbは、それぞれ独立に1〜20の整数であり、複数個のX2は、それぞれ独立に2価の有機基である。)

(式中、複数個のR6は、それぞれ独立に炭素数3〜18のアルキレン基であり、複数個のR7は、それぞれ独立に炭素数3〜18アルキレン基であり、c及びdは、それぞれ独立に1〜20の整数であり、複数個のX3は、それぞれ独立に2価の有機基であり、Y2は、CH2、SO2またはOである。)

0053

式中、複数個のR8は、それぞれ独立に炭素数3〜18のアルキレン基であり、複数個のR9は、それぞれ独立に炭素数3〜18のアルキレン基であり、e及びfは、それぞれ独立に1〜20の整数であり、複数個のX4は、それぞれ独立に2価の有機基であり、Y3は、下記式(7)〜式(33)のいずれかの基である。

0054

式(4)や式(5)で示される構造を有するポリウレタンポリイミドは、通常、酸無水物基を有する3価のポリカルボン酸及びその誘導体から選ばれる1種以上の化合物と、イソシアネート化合物又はアミン化合物とを反応させて得られる。

0055

酸無水物基を有する3価のポリカルボン酸及びその誘導体は、特に限定されないが、例えば、式(4)で示される構造を有するポリウレタンポリイミドの場合には、式(39)で示される化合物を使用することができる。耐熱性、コスト面等から、トリメリット酸無水物が、特に好ましい。

(式中、R14は、水素、炭素数1〜10のアルキル基又はフェニル基を示す。)

0056

また、式(5)で示される構造を有するポリウレタンポリイミドの場合には、式(40)で示される化合物を使用することができる。

(式中、R15は、水素、炭素数1〜10のアルキル基又はフェニル基を示し、Y2は、CH2、CO、SO2、またはOである。)

0057

さらに、式(6)で示される構造を有するポリウレタンポリイミドの場合には、式(41)で示される化合物を使用することができる。

(式中、Y3は、前記の式(7)〜式(33)のいずれかの基である。)

0058

これらのテトラカルボン酸二無水物は、単独で使用してもよく、或いは、2種類以上を組み合わせて使用することもできる。

0059

また、これらのほかに必要に応じて、酸成分として、脂肪族ジカルボン酸コハク酸グルタル酸アジピン酸アゼライン酸スベリン酸セバシン酸デカン二酸ドデカン二酸ダイマー酸等)、芳香族ジカルボン酸イソフタル酸テレフタル酸フタル酸ナフタレンジカルボン酸オキシジ安息香酸等)等を併用することができる。この場合、分子鎖中にアミド結合も形成される。

0060

イソシアネート化合物は、例えば、式(42)で示されるジイソシアネート化合物を用いることができる。

(式中、複数個のR16は、それぞれ独立に炭素数3〜18のアルキレン基であり、複数個のR17は、それぞれ独立に炭素数3〜18のアルキレン基であり、h及びiは、それぞれ独立に1〜20の整数であり、複数個のX5は、それぞれ独立に2価の有機基である。)

0061

式(42)のジイソシアネート化合物は、式(43)で示される(ポリ)カーボネートジオールと式(44)で示されるジイソシアネートを反応させることにより得られる。

(式中、複数個のR18は、それぞれ独立に炭素数3〜18のアルキレン基であり、jは、1〜20の整数である。)

(式中、X6は、2価の有機基である。)

0062

式(44)で示されるジイソシアネートのX6は、例えば、炭素数1〜20のアルキレン基、又は非置換若しくはメチル基等の炭素数1〜5の低級アルキル基で置換されているフェニレン基等のアリーレン基が挙げられる。アルキレン基の炭素数は、より好ましくは1〜18である。ジフェニルメタン−4,4′−ジイル基ジフェニルスルホン−4,4′−ジイル基等の芳香族環を2つ有する基も好ましい。

0063

上記の式(43)で示される(ポリ)カーボネートジオールとしては、例えば、α,ω−ポリ(1,6−ヘキシレンカーボネート)ジオール、α,ω−ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレンカーボネート)ジオール、α,ω−ポリ[(1,6−ヘキシレン:3−メチル−ペンタメチレン)カーボネート]ジオール、α,ω−ポリ[(1,9−ノニレン:2−メチル−1,8−オクチレン)カーボネート]ジオール等が挙げられ、市販されているものとしては、ダイセル化学工業株式会社製の商品PLACCEL、CD−205、205PL、205HL、210、210PL、210HL、220、220PL、220HL、株式会社クラレ製の商品名クラレポリオールC−590、C−1065N、C−1015N、C−2015N等が挙げられる。これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。

0064

なお、前述したように、(ポリ)カーボネートジオールを製造する際に、原料であるジオール成分が残存して含まれる場合があるが、本明細書では、残存する該ジオール成分は、「(ポリ)カーボネートジオール」には含まれないものと定義する。
従って、ダイセル化学工業株式会社製の商品名PLACCEL、CD−205、205PL、205HL、210、210PL、210HL、220、220PL、220HL、株式会社クラレ製の商品名クラレポリオールC−590、C−1065N、C−1015N、C−2015N等の市販の(ポリ)カーボネートジオール中に含まれる原料ジオールは、「(ポリ)カーボネートジオール」には含まれない。これらの原料ジオール成分は、後述の(w)に含まれる。

0065

また、前記式(44)で示されるジイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタン−2,4′−ジイソシアネート;3,2′−、3,3′−、4,2′−、4,3′−、5,2′−、5,3′−、6,2′−又は6,3′−ジメチルジフェニルメタン−2,4′−ジイソシアネート;3,2′−、3,3′−、4,2′−、4,3′−、5,2′−、5,3′−、6,2′−又は6,3′−ジエチルジフェニルメタン−2,4′−ジイソシアネート;3,2′−、3,3′−、4,2′−、4,3′−、5,2′−、5,3′−、6,2′−又は6,3′−ジメトキシジフェニルメタン−2,4′−ジイソシアネート;ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート;ジフェニルメタン−3,3′−ジイソシアネート;ジフェニルメタン−3,4′−ジイソシアネート;ジフェニルエーテル−4,4′−ジイソシアネート;ベンゾフェノン−4,4′−ジイソシアネート;ジフェニルスルホン−4,4′−ジイソシアネート;トリレン−2,4−ジイソシアネート;トリレン−2,6−ジイソシアネート;m−キシリレンジイソシアネート;p−キシリレンジイソシアネート;ナフタレン−2,6−ジイソシアネート;4,4′−〔2,2−ビス(4−フェノキシフェニルプロパン〕ジイソシアネート等の式(44)において、X6が芳香族環を有する芳香族ポリイソシアネートを使用することが好ましい。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。

0066

また、式(44)で示されるジイソシアネートとしては、本発明の目的の範囲内で、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートトランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、水添m−キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式イソシアネート、あるいは3官能以上のポリイソシアネートを使用することができる。

0067

式(44)で示されるジイソシアネートは、経日変化を避けるために必要なブロック剤で安定化したものを使用してもよい。ブロック剤としては、アルコールフェノールオキシム等があるが、特に制限はない。

0068

このポリウレタンポリイミドの原料として、必要に応じて、式(43)で示される(ポリ)カーボネートジオール以外のジオール成分(以下、成分(w)と記す。)を用いることができる。

0069

成分(w)としては、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,10−デカメチレングリコール、1,2−テトラデカンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチルプロパンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,3−キシリレングリコール、1,4−キシリレングリコール等を挙げることができる。
また、前述の市販の(ポリ)カーボネートジオール中に含まれる原料ジオールは、この成分(w)に含まれる。

0070

上記式(43)で示される(ポリ)カーボネートジオール及び成分(w)と、式(44)で示されるジイソシアネートの配合量は、水酸基数イソシアネート基数比率が、イソシアネート基/水酸基=1.01以上になるようにすることが好ましい。

0071

上記式(43)で示される(ポリ)カーボネートジオール及び成分(w)と、式(44)で示されるジイソシアネート類の反応は、無溶媒あるいは有機溶媒の存在下で行うことができる。反応温度は、60〜200℃とすることが好ましく、より好ましくは80〜180℃である。反応時間は、バッチの規模、採用される反応条件等により適宜選択することができる。例えば、1〜5Lのフラスコスケールで2〜5時間とすることができる。

0072

このようにして得られる式(42)で示されるジイソシアネート化合物の数平均分子量は、500〜10,000であることが好ましく、1,000〜9,500であることがより好ましく、1,500〜9,000であることが特に好ましい。数平均分子量が500未満であると、反り性が悪化する傾向があり、10,000を超えると、イソシアネート化合物の反応性が低下し、ポリイミド樹脂化することが困難となる傾向がある。

0073

なお、本明細書において、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算した値とする。

0074

式(4)〜式(6)で示されるポリウレタンポリイミドの原料成分のイソシアネート化合物として、式(42)で示されるジイソシアネート化合物以外のポリイソシアネート化合物を使用することもできる。
これらの化合物としては、式(42)で示されるジイソシアネート化合物以外のポリイソシアネート化合物であれば特に限定されず、例えば、式(44)で示されるジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネート等が挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。式(42)で示されるジイソシアネート化合物以外のポリイソシアネート化合物の数平均分子量の好ましい範囲は、式(42)で示されるジイソシアネート化合物と同様である。

0075

特に耐熱性の点から、式(42)で示されるジイソシアネート化合物と式(42)で示されるジイソシアネート化合物以外のポリイソシアネート化合物とを併用することが好ましい。なお、式(42)で示されるジイソシアネート化合物及び式(42)で示されるジイソシアネート化合物以外のポリイソシアネート化合物をそれぞれ単独で用いる場合は、フレキシブル配線板用の保護膜としての柔軟性、反り性等の点から、式(42)で示されるジイソシアネート化合物を使用することが好ましい。

0076

式(42)で示されるジイソシアネート化合物以外のポリイソシアネート化合物としては、その総量の50〜100質量%が芳香族ポリイソシアネートであることが好ましく、耐熱性、溶解性機械特性、コスト面等のバランスを考慮すれば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートが特に好ましい。

0077

式(42)で示されるジイソシアネート化合物と式(42)で示されるジイソシアネート化合物以外のポリイソシアネート化合物を併用する場合、式(42)で示されるジイソシアネート化合物/式(42)で示されるジイソシアネート化合物以外のポリイソシアネート化合物の当量比で0.1/0.9〜0.9/0.1とすることが好ましく、0.2/0.8〜0.8/0.2とすることがより好ましく、0.3/0.7〜0.7/0.3とすることが特に好ましい。当量比がこの範囲にあると、良好な反り性、密着性と良好な耐熱性等の膜特性をともに得ることができる。

0078

式(4)〜式(6)で示される構造単位を有するポリウレタンポリイミドの原料成分のアミン化合物としては、前記イソシアネート化合物におけるイソシアナト基をアミノ基に転換した化合物が挙げられる。イソシアナト基のアミノ基への転換は、公知の方法により行うことができる。アミン化合物の数平均分子量の好ましい範囲は、式(42)で示されるジイソシアネート化合物と同様である。

0079

また、式(4)〜式(6)で示される構造単位を有するポリウレタンポリイミドの原料成分の酸無水物基を有する3価のポリカルボン酸又はその誘導体及び/または酸無水物基を有する4価のポリカルボン酸の配合割合は、前記イソシアネート化合物(式(42)で示されるジイソシアネート化合物と式(42)で示されるジイソシアネート化合物以外のポリイソシアネート化合物)のイソシアネート基の総数に対する、カルボキシル基と酸無水物基の総数の比が、0.6〜1.4となるようにすることが好ましく、0.7〜1.3となるようにすることがより好ましく、0.8〜1.2となるようにすることが特に好ましい。この比が0.6未満又は1.4を超えると、ポリイミド結合を含む樹脂の分子量を高くすることが困難となる傾向がある。

0080

なお、酸無水物基を有する3価のポリカルボン酸又はその誘導体及び/または酸無水物基を有する4価のポリカルボン酸として式(39)で示される化合物、イソシアネート化合物として式(42)で示されるジイソシアネート化合物を用いた場合、式(4)で示される構造単位を有するポリアミドイミドを得ることができる。

(式中、R4、R5、a、b、X2は、前記のとおりである。)

0081

また、酸無水物基を有する3価のポリカルボン酸又はその誘導体及び/または酸無水物基を有する4価のポリカルボン酸として式(40)で示される化合物、イソシアネート化合物として式(42)で示されるジイソシアネート化合物を用いた場合、式(5)で示される構造単位を有するポリアミドイミドを得ることができる。

(式中、R6、R7、c、d、X3、Y2は、前記のとおりである。)

0082

また、酸無水物基を有する3価のポリカルボン酸又はその誘導体及び/または酸無水物基を有する4価のポリカルボン酸として式(41)で示される化合物、イソシアネート化合物として式(42)で示されるジイソシアネート化合物を用いた場合、式(6)で示される構造単位を有するポリアミドイミドを得ることができる。

(式中、R8、R9、e、f、X4、Y3は、前記のとおりである。)

0083

式(4)〜式(6)で示される構造単位を有するポリウレタンポリイミドの製造法における、酸無水物基を有する3価のポリカルボン酸及びその誘導体並びに酸無水物基を有する4価のポリカルボン酸から選ばれる1種以上の化合物と、イソシアネート化合物又はアミン化合物との反応は、溶剤の存在下に、遊離発生してくる炭酸ガスを反応系より除去しながら加熱縮合させることにより行うことができる。
この方法によって、末端にカルボキシル基、酸無水物或いはイソシアネート基を有するポリウレタンポリイミドが製造できる。末端基としては、エポキシ基との反応性を考慮すると、カルボキシル基及び/または酸無水物であることが好ましい。

0084

前記合成用の溶剤としては、大気圧下で150℃〜250℃の沸点を有する溶剤が、一般に用いられる。式(4)〜式(6)で示される構造単位を有するポリウレタンポリイミドの溶解性や溶剤の揮発性等のバランスをとる意味で、大気圧下で150℃〜250℃の沸点を有する溶剤を2種類以上併用することが可能であり、かつ好ましい。さらに好ましくは、大気圧下で170℃以上200℃未満の沸点を有する溶剤と、大気圧下で200℃〜220℃の沸点を有する溶剤を併用することである。

0085

大気圧下で170℃以上200℃未満の沸点を有する溶剤としては、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(沸点189℃)、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)、ジプロピレングリコ−ルジメチルエーテル(沸点171℃)、3−メトキシブチルアセテート(沸点171℃)、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(沸点192℃)等を挙げることができる。

0086

また、大気圧下で200℃〜220℃の沸点を有する溶剤としては、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル(沸点212℃)、トリプロピレングリコールジメチルエーテル(沸点215℃)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(沸点216℃)、エチレングリコールジブチルエーテル(沸点203℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点217℃)、γ−ブチロラクトン(沸点204℃)等を挙げることができる。

0087

合成後、そのまま本発明の熱硬化性組成物の溶剤として好適なものを使用することが好ましい。高揮発性であって、低温硬化性を付与でき、かつ効率良く均一系で反応を行うためには、以下の溶剤の組み合わせが好ましい。
具体的には、大気圧下で170℃〜200℃の沸点を有する溶剤として、ジエチレングリコールジエチルエーテル(沸点189℃)、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)、ジプロピレングリコ−ルジメチルエーテル(沸点171℃)の中から選ばれる少なくとも1種と、大気圧下で200℃〜220℃の沸点を有する溶剤として、γ−ブチロラクトン(沸点204℃)との組み合わせることが好ましく、最も好ましい組み合わせとしては、大気圧下で170℃〜200℃の沸点を有する溶剤としてジエチレングリコールジエチルエーテル(沸点189℃)と、大気圧下で200℃〜220℃の沸点を有する溶剤としてγ−ブチロラクトン(沸点204℃)とを組み合わせることである。

0088

これら好ましい溶剤の組み合わせを用いると、吸湿性が低く、沸点が高く揮発性が小さいために、スクリーン印刷インクの溶媒としても優れているために好適である。

0089

上記の効果を十分に発現させるためには、大気圧下で170℃〜200℃の沸点を有する溶剤および大気圧下で200℃〜220℃の沸点を有する溶剤の使用比率は、質量比で、5:95〜80:20の範囲であり、さらに好ましくは、10:90〜60:40の範囲である。

0090

また、このポリウレタンポリイミドの溶解性を損なわない範囲で、さらに、大気圧下で170℃〜200℃の沸点を有する溶剤および大気圧下で200℃〜220℃の沸点を有する溶剤以外の溶剤を併用することができる。反応性モノマー反応性希釈剤も溶剤として使用することができる。

0091

溶剤の使用量は、生成するポリウレタンポリイミドの0.8〜5.0倍(質量比)とすることが好ましい。0.8倍未満では、合成時の粘度が高すぎて、攪拌不能により合成が困難となる傾向があり、5.0倍を超えると、反応速度が低下する傾向がある。

0092

反応温度は、80〜210℃とすることが好ましく、100〜190℃とすることがより好ましく、120〜180℃とすることが特に好ましい。80℃未満では反応時間が長くなり過ぎ、210℃を超えると反応中に三次元化反応が生じてゲル化が起こり易い。反応時間は、バッチの規模、採用される反応条件により適宜選択することができる。また、必要に応じて、三級アミン類、アルカリ金属アルカリ土類金属、スズ、亜鉛チタニウムコバルト等の金属又は半金属化合物等の触媒存在下に反応を行っても良い。

0093

このようにして得られたポリウレタンポリイミドの数平均分子量は、4,000〜40,000であることが好ましく、5,000〜38,000であることがより好ましく、6,000〜36,000であることが特に好ましい。数平均分子量が4,000未満であると、耐熱性等の膜特性が低下する傾向があり、40,000を超えると、溶剤に溶解しにくくなり、合成中に不溶化しやすい。また、作業性に劣る傾向がある。
また、合成終了後に樹脂末端のイソシアネート基をアルコール類ラクタム類オキシム類等のブロック剤でブロックすることもできる。

0094

次に、特開2006−307183号公報に記載の、エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有し、さらにイミド結合を有するポリウレタンポリイミドについて説明する。

0095

特開2006−307183号公報に記載の、エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有し、さらにイミド結合を有するポリウレタンポリイミドは、以下の成分(a)、成分(b)、成分(c′)及び成分(d)の原料を反応して得ることができる。
成分(a)ジイソシアネート、
成分(b)炭素数3〜18のジオールから誘導される有機残基を有する(ポリ)カーボネートポリオール、
成分(c′) エポキシ基と反応可能な官能基を有するジオール化合物、および
成分(d) 式(3)で示される2官能性水酸基末端イミド。

(式中、R2、R3は、それぞれ独立に、2価の脂肪族または芳香族炭化水素基を示し、Y1はテトラカルボン酸またはその酸無水物基から誘導される4価の有機基を示し、X1はジアミン或いはジイソシアネートから誘導される2価の有機基を示し、mは、0〜20の整数である。)

0096

ジイソシアネートとしては、1分子中にイソシアネ−ト基を2個有するものであればどのようなものでもよい。例えば、脂肪族、脂環族又は芳香族ジイソシアネ−ト、好ましくはイソシアネート基を除いて炭素数が2〜30の脂肪族、脂環族又は芳香族のジイソシアネ−トであり、具体的には1,4−テトラメチレンジイソシアネ−ト、1,5−ペンタメチレンジイソシアネ−ト、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、リジンジイソシアネ−ト、3−イソシアネ−トメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネ−ト(イソホロンジイソシアネ−ト)、1,3−ビス(イソシアネ−トメチル)−シクロヘキサン、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ−ト、トリレンジイソシアネ−ト、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、1,5−ナフタレンジイソシアネ−ト、トリジンジイソシアネ−ト、キシリレンジイソシアネ−ト等を好適に例示することができる。

0097

また、ジイソシアネ−トは、イソシアネ−ト基をブロック化剤でブロックしたブロックジイソシアネ−トを用いることができる。
前記ブロック化剤としては、例えばアルコ−ル系、フェノ−ル系、活性メチレン系、メルカプタン系、酸アミド系、酸イミド系、イミダゾ−ル系、尿素系、オキシム系、アミン系、イミン系、重亜硫酸塩系、ピリジン系等があり、これらを単独あるいは混合して使用してもよい。具体的なブロック化剤としては、アルコ−ル系としてメタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル、2−エチルヘキサノ−ル、メチルセロソルブブチルセロソルブ、メチルカルビト−ル、ベンジルアルコ−ル、シクロヘキサノ−ル等、フェノ−ル系として、フェノ−ル、クレゾ−ル、エチルフェノ−ル、ブチルフェノ−ル、ノニルフェノ−ル、ジノニルフェノ−ル、スチレン化フェノ−ル、ヒドロキシ安息香酸エステル等、活性メチレン系として、マロン酸ジメチルマロン酸ジエチルアセト酢酸メチルアセト酢酸エチルアセチルアセトン等、メルカプタン系として、ブチルメルカプタンドデシルメルカプタン等、酸アミド系として、アセトアニリド酢酸アミド、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム等、酸イミド系として、コハク酸イミドマレイン酸イミド、イミダゾ−ル系として、イミダゾ−ル、2−メチルイミダゾ−ル、尿素系として、尿素、チオ尿素エチレン尿素等、オキシム系として、ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシムシクロヘキサノンオキシム等、アミン系として、ジフェニルアミンアニリンカルバゾール等、イミン系として、エチレンイミンポリエチレンイミン等、重亜硫酸塩系として、重亜硫酸ソ−ダ等、ピリジン系として、2−ヒドロキシピリジン、2−ヒドロキシキノリン等が挙げられる。

0098

炭素数3〜18のジオールから誘導される有機残基を有する(ポリ)カーボネートポリオールは、目的のポリウレタンポリイミドに柔軟性を付与する作用を持つ。

0099

炭素数3〜18のジオールから誘導される有機残基を有する(ポリ)カーボネートポリオールは、数平均分子量が好ましくは500〜10000、より好ましくは1000〜5000のものが好適である。数平均分子量が500未満になると好適な柔軟性が得難くなり、また数平均分子量が10000を越えると耐熱性や耐溶剤性が悪くなることがあるので前記程度のものが好適である。炭素数3〜18のジオールから誘導される有機残基を有する(ポリ)カーボネートポリオールは、具体的には宇部興産株式会社製のUH−CARB、UN−CARB、UD−CARB、UC−CARB、ダイセル化学工業株式会社製のPLACCEL CD−PL、PLACCEL CD−H、株式会社クラレ製のクラレポリオールCシリーズなどを好適に例示することができる。これらのポリカーボネートポリオールは、単独で、または2種類以上を組合せて用いられる。

0100

なお、(ポリ)カーボネートポリオールを製造する際に、原料であるポリオール成分が残存して含まれる場合があるが、本明細書では、残存する該ポリオール成分は、「(ポリ)カーボネートポリオール」には含まれないものと定義する。
例えば、1,9−ノナンジオールおよびジエチルカーボネートを原料に用いて、触媒の存在下、エステル交換反応によって(ポリ)カーボネートポリオールを製造する際に、原料である1,9−ノナンジオールが生成物である(ポリ)カーボネートポリオール中に5質量%残存していた場合には、この残存している1,9−ノナンジオールは、「(ポリ)カーボネートポリオール」には含まれずに、後述の成分(x)に含まれることを意味する。

0101

このポリウレタンポリイミドの原料として、1種類の炭素数3〜18のジオールから誘導される有機残基を有する(ポリ)カーボネートポリオールを用いても構わないし、2種類以上を併用してもよい。

0102

エポキシ基と反応可能な官能基を有するジオール化合物をポリウレタンポリイミドの分子内に導入することによって、ポリウレタンポリイミドを架橋する際に、効果的に架橋することが可能となり、得られる硬化絶縁膜の耐熱性や耐溶剤性を更に増大することができる。

0103

このようなエポキシ基と反応可能な官能基を有するジオール化合物としては、特に限定するものではないが、置換基として活性水素を有するジオール化合物、例えばカルボキシル基やフェノール性水酸基を持ったジオール化合物が好ましく、特にカルボキシル基を有するジオール化合物が好ましい。

0104

また、置換基としてカルボキシル基やフェノール性水酸基を有する化合物の内、炭素数が1〜30のジオール化合物が好ましく、炭素数が2〜20のジオール化合物がより好ましい。具体的には、フェノール性水酸基を有するジオール化合物として、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−フェノール、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾールなどを挙げることができ、カルボキシル基を有するジオール化合物として、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロール酪酸などを挙げることができる。

0105

特開2006−307183号公報に記載の、エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有し、さらにイミド結合を有するポリウレタンポリイミドを合成する際に使用される2官能性水酸基末端イミドは、下記式(3)で示すことができる。

(式中、R2、R3は、それぞれ独立に、2価の脂肪族または芳香族炭化水素基を示し、Y1はテトラカルボン酸またはその酸無水物基から誘導される4価の有機基を示し、X1はジアミン或いはジイソシアネートから誘導される2価の有機基を示し、mは、0〜20の整数である。)

0106

この2官能性水酸基末端イミドは、テトラカルボン酸成分と、ジアミン化合物及び水酸基を1個有するモノアミン化合物からなるアミン成分とから得られる。式(3)中、mは0〜20の整数を示し、好ましくは0〜10であり、より好ましくは0〜5であり、特に好ましくは1〜5である。mが20以上では得られる絶縁膜耐屈曲性が悪くなることがあるので前記程度のものが好適である。

0107

2官能性水酸基末端イミドの原料成分であるテトラカルボン酸成分としては、芳香族テトラカルボン酸、又はそれらの酸二無水物や低級アルコ−ルのエステル化物が、得られるポリウレタンポリイミドの耐熱性が優れているので好適である。具体的には、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸、2,2′,3,3′−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ジフェニルエ−テルテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ベンゼンジカルボン酸ヘキサフルオロプロパンピロメリット酸、1,4−ビス(3,4−ベンゼンジカルボン酸)ベンゼン、2,2−ビス〔4−(3,4−フェノキシジカルボン酸フェニル〕プロパン、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニルエタンなどの芳香族テトラカルボン酸、又はそれらの酸二無水物や低級アルコ−ルのエステル化物、及びシクロペンタンテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸、3−メチルシクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸などの脂環族系テトラカルボン酸、又はそれらの酸二無水物や低級アルコ−ルのエステル化物を好適に挙げることができる。これらのなかでも特に2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ジフェニルエ−テルテトラカルボン酸、及び2,2′,3,3′−ビフェニルテトラカルボン酸、又はそれらの酸二無水物や低級アルコ−ルのエステル化物は、ポリウレタンポリイミドとしたときの溶剤に対する溶解性が優れているので好適である。
テトラカルボン酸成分は、ジアミンと反応させることが容易なテトラカルボン酸二無水物を用いることが好ましい。

0108

2官能性水酸基末端イミドの原料として使用されるアミン成分中のジアミン化合物としては、特に限定されるものではなく、芳香族、脂環式及び脂肪族のジアミンを用いることができる。具体的には、芳香族ジアミンは、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノトルエン、1,4−ジアミノ−2,5−ジハロゲノベンゼンなどのベンゼン環1個を含むジアミン類、ビス(4−アミノフェニル)エ−テル、ビス(3−アミノフェニル)エ−テル、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)メタン、ビス(3−アミノフェニル)メタン、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、o−ジアニシジンo−トリジントリジンスルホン酸類などのベンゼン環2個を含むジアミン類、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェニル)ベンゼン、α,α′−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α,α′−ビス(4−アミノフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼンなどのベンゼン環3個を含むジアミン類、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、4,4′−(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、5,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセンなどのベンゼン環4個以上を含むジアミン類などのジアミン化合物が挙げることができる。脂環式ジアミンは、分子内に一つ以上の脂肪族環を有する炭素数が5〜30の脂環式ジアミンが好ましく、イソホロンジアミンノルボルネンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンなどを挙げることができる。脂肪族ジアミンは、炭素数が2〜30の脂肪族ジアミンが好ましく、ヘキサメチレンジアミンジアミノドデカンなどを挙げることができる。

0109

前記ジアミン化合物のうち脂環式ジアミンを用いた2官能性水酸基末端イミドは、溶剤に対する溶解性が高くなる。このため、前記式(43)のR18が炭素数9〜18の長鎖メチレン基からなる(ポリ)カーボネートポリオールと組合せてポリウレタンポリイミド樹脂を得た場合でも、そのポリウレタンポリイミドは、溶剤に均一に溶解し易く、更に耐熱性が良好であるから特に好適である。

0110

2官能性水酸基末端イミドのアミン成分中の水酸基を1個有するモノアミン化合物としては、分子中に水酸基とアミノ基とを各1個有する化合物であれば特に限定するものではないが、アミノエタノール、アミノプロパノールアミノブタノールなどの水酸基を有する脂肪族モノアミン化合物、特に炭素数が1〜10の水酸基を有する脂肪族モノアミン化合物、アミノシクロヘキサノールなどの水酸基を有する脂環式モノアミン化合物、特に炭素数が3〜20の水酸基を有する脂環式モノアミン化合物、アミノフェノール、アミノクレゾール、4−ヒドロキシ−4′−アミノジフェニルエーテル、4−ヒドロキシ−4′−アミノビフェニルアミノベンジルアルコール、アミノフェネチルアルコールなどの水酸基を有する芳香族モノアミン化合物特に炭素数が6〜20の水酸基を有する芳香族モノアミン化合物を好適に挙げることができる。

0111

2官能性水酸基末端イミドは、テトラカルボン酸成分と、ジアミン化合物及び水酸基を1個有するモノアミン化合物からなるアミン成分とを、テトラカルボン酸成分の酸無水物基(あるいは隣接する二個のカルボキル基等)の当量数と、アミン成分のアミノ基の当量数とが略等量となるようにして、溶剤中で重合及びイミド化反応させて得ることができる。具体的には、テトラカルボン酸成分(特にテトラカルボン酸二無水物)と、ジアミン化合物と水酸基を有するモノアミン化合物からなるアミン成分とを、酸無水物基(または隣接するジカルボン酸基)とアミン成分のアミノ基とが略当量となるような割合で使用して、各成分を有機極性溶媒中で、約100℃以下、特に80℃以下の反応温度で反応させてアミド−酸結合を有するオリゴマーを生成し、次いで、そのアミド−酸オリゴマー(アミック酸オリゴマーともいう)を、約0℃〜140℃の低温イミド化剤を添加するか或いは140℃〜250℃の高温で加熱して脱水イミド化させる方法によって得ることができる。脱水・イミド化反応のとき、トルエンキシレンを加えて、共沸によって縮合水を除去しながら反応させてもよい。

0112

2官能性水酸基末端イミドを製造する際に使用される溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム、などのアミド類溶媒、ジメチルスルホキシドヘキサメチルフォホルムアミドジメチルスルホンテトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホンなどの硫黄原子を含有する溶媒、クレゾール、フェノール、キシレノールなどのフェノール類溶媒、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライム)、テトラグライムなどのジグライム類溶媒、γ−ブチロラクトンなどのラクトン類溶媒、イソホロン、シクロヘキサノン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンなどのケトン類溶媒ピリジンエチレングリコールジオキサンテトラメチル尿素などのその他の溶媒、また必要に応じてベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類溶媒を挙げることができる。これらの有機溶媒は単独で用いても複数種を混合して用いても構わない。

0113

前述のようにして製造した2官能性水酸基末端イミドは、前記式(3)中のmが異なる複数の2官能性水酸基末端イミドの混合物になることがある。本発明では、mが異なる複数の2官能性水酸基末端イミドオリゴマーからなる混合物を、それぞれのポリイミドに分離して用いても構わないが、分離しないで混合物のままで好適に用いることができる。なお、2官能性水酸基末端イミドのm(混合物の場合はmの平均値)は、製造時のアミン成分中のジアミン化合物とモノアミン化合物との仕込み比モル比)によって制御することができる。

0114

また、前述のようにして製造した2官能性水酸基末端イミドは、その反応液を、そのまま又は適宜濃縮あるいは希釈して、変性イミドオリゴマー溶液として使用してもよい。また、その反応液を水等の非溶解性溶媒に注ぎ込んで、粉末状の生成物として単離して、必要な時にその粉末生成物を溶剤に溶解して使用してもよい。

0115

このポリウレタンポリイミドは、前述のように、
成分(a)ジイソシアネート、
成分(b)炭素数3〜18のジオールから誘導される有機残基を有する(ポリ)カーボネートポリオール、
成分(c′)エポキシ基と反応可能な官能基を有するジオール化合物、および
成分(d) 式(3)で示される2官能性水酸基末端イミド
を必須成分とする組成物を反応して得られる。

0116

また、必要に応じて成分(b)、成分(c′)及び成分(d)のいずれにも属さないポリオールを併用することができる(以下、この成分を成分(x)と記す。)。

0117

成分(x)としては、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,10−デカメチレングリコール、1,2−テトラデカンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチルプロパンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,3−キシリレングリコール、1,4−キシリレングリコール等を挙げることができる。

0118

なお、前述のように、(ポリ)カーボネートポリオールを製造する際に、原料であるポリオール成分が残存して含まれる場合があるが、本明細書では、残存する該ポリオール成分は、「(ポリ)カーボネートポリオール」には含まれずに、成分(x)に含まれる。

0119

成分(a)、成分(b)、成分(c′)及び成分(d)の各成分の組成比は、各成分合計の水酸基数/イソシアネート基数、具体的成分で示せば〔成分(b)+成分(c′)+成分(d)+成分(x)〕/成分(a)のモル比が、0.5〜3.0、好ましくは0.8〜2.5、特に0.9〜2.0の割合にすることが好適である。成分(a)が多すぎると重合液が増粘することがあり好ましくない。さらに、[成分(b)+成分(c′)+成分(x)]/成分(d)のモル比が0.01〜100、好ましくは0.1〜10の割合にすることが好ましい。[成分(b)+成分(c′)+成分(x)]が多過ぎると耐熱性に劣り、成分(d)が多過ぎると柔軟性に劣るためである。

0120

また、このポリウレタンポリイミドを製造する際の原料成分である前記成分(b)と成分(c′)の組み合わせが、数平均分子量が500〜10000の炭素数3〜18のジオールから誘導される有機残基を有する(ポリ)カーボネートポリオール(成分(b))と成分(c′)との組合せからなる時には、成分(a)と〔成分(b)+成分(c′)+成分(x)〕とは〔成分(b)+成分(c′)+成分(x)〕/成分(a)のモル比が0.5〜2.5、好ましくは0.8〜2.5の割合であって、且つ成分(b)、成分(c′)とは、成分(c′)/成分(b)のモル比が0.1〜10、好ましくは0.1〜5の割合であることが好適である。〔成分(b)+成分(c′)+成分(x)〕/成分(a)の値が小さ過ぎると成分(d)の含有量が多くなり柔軟性に劣り、〔成分(b)+成分(c′)+成分(x)〕/成分(a)の値が大きすぎると成分(d)の含有量が少なくなり耐熱性が劣るので、前記範囲の割合が好ましい。また、成分(b)と成分(c′)との割合において、成分(c′)の割合が多過ぎると、得られるポリウレタンポリイミド溶液の粘度が高くなり過ぎたり、得られる硬化膜の吸湿性が大きくなり過ぎたりすることがあるので好ましくない。一方、成分(c′)の割合が少なすぎると、架橋密度が低くなり得られる硬化膜の耐熱性が低下し易くなるので好ましくない。成分(x)は成分(b)や成分(c′)に比べて少なく用いることが望ましく、成分(b)の合成時に残存するポリオール成分のみを用いることがさらに好ましい。

0121

得られるポリウレタンポリイミドは、好ましくは下記式(45)〜式(47)の構造単位を含有してなる。

(式中、X6はジイソシアネートからイソシアネート基を除いた2価の基、複数個のR20は、それぞれ独立に、炭素数3〜18のジオールから水酸基を除いた2価の基、tは1〜40の整数、uは1〜100の整数を表す。)

(式中、X6はジイソシアネートからイソシアネート基を除いた2価の基、Wは、エポキシ基と反応可能な官能基を有するジオールから水酸基を除いた2価の基を表し、vは1〜40の整数を表す。)

(式中、X6はジイソシアネートからイソシアネート基を除いた2価の基、複数個のR21、R22はそれぞれ独立に2価の脂肪族または芳香族炭化水素基、Y4はテトラカルボン酸のカルボキシル基を除いた4価の基、X7はジアミンのアミノ基を除いた2価の基を表し、wは0〜20の整数、xは1〜100の整数を表す。)

0122

ポリウレタンポリイミドは、ウレタン結合を介して、炭素数3〜18のジオール由来の(ポリ)カーボネートユニット、エポキシ基と反応可能な官能基を有するジオールユニット、及び2官能性水酸基末端イミドユニットが共重合したものであり、u、v、及びxはそれらのユニットの重合度構成比を示している。しかし、前記の各ユニットがブロック共重合していることを限定的に示しているのではない。炭素数3〜18のジオール由来の(ポリ)カーボネートユニット、エポキシ基と反応可能な官能基を有するジオールユニット、及び2官能性水酸基末端イミドユニットがブロック共重合でもランダム共重合でも構わない。また、末端は明示していないが、末端に位置したジイソシアネート化合物又は前記各ユニットによって、イソシアネート基か又は水酸基になっている。

0123

さらに、このポリウレタンポリイミドの製造方法においては、すべての成分を同時に溶剤に溶解して反応してもよいが、2官能性水酸基末端イミドユニットがブロック的に連続した分子鎖が生成すると溶媒に不溶となって沈殿を生じ易くなるので、予めジイソシアネートと、炭素数3〜18のジオールから誘導される有機残基を有する(ポリ)カーボネートポリオールとを、イソシアネート基が水酸基に対して過剰で反応して、次いで2官能性水酸基末端イミドと反応させることが、溶解性を保って良好に反応を進めることができるので好ましい。

0124

このポリウレタンポリイミドの製造方法を具体的に説明すると、ジイソシアネート化合物と、炭素数3〜18のジオールから誘導される有機残基を有する(ポリ)カーボネートポリオールやエポキシ基と反応可能な官能基を有するジオールとの反応は、無溶剤あるいは溶剤に溶解して行うことができる。反応温度は30℃〜150℃、好ましくは30℃〜120℃であり、反応時間は通常1〜10時間である。この反応はイソシアネートが水分によって失活するのを防ぐために窒素雰囲気下で行うことが好ましい。

0125

ジイソシアネート化合物と、炭素数3〜18のジオールから誘導される有機残基を有する(ポリ)カーボネートポリオールやエポキシ基と反応可能な官能基を有するジオールとの反応で得られたジイソシアネート化合物と、2官能性水酸基末端イミドとの反応は、溶剤中で、反応温度30℃〜150℃、好ましくは30℃〜120℃、反応時間1〜15時間、窒素雰囲気下で好適に行うことができる。尚、この反応では、ジイソシアネート化合物のイソシアネート基数に対する2官能性水酸基末端イミドの水酸基数の比(水酸基数/イソシアネート基数)は、0.5〜2.5、好ましくは1.5〜2.5であることが好適である。0.5以下であれば、得られるポリウレタンポリイミド樹脂の耐熱性が低く、2.5以上であれば硬化膜とした場合に硬くなり過ぎるため、前述の範囲であることが好ましい。

0126

このポリウレタンポリイミドを製造する反応で好適に用いることができる溶剤としては、式(4)〜式(6)で示される構造単位を有するポリウレタンポリイミドの合成の際に使用することができる溶剤として段落[0191]〜[0197]に記載した溶剤を使用することができる。

0127

本発明の熱硬化性組成物を好適に得るためには、ポリウレタンポリイミドは、溶剤に少なくとも3質量%以上、好ましくは5〜60質量%程度の高濃度で溶解させることができるもので、その溶液の25℃の溶液粘度(E型回転粘度計)が1000〜10000000mPa・s、特に1000〜600000mPa・s程度であるものが好ましい。

0128

このポリウレタンポリイミドの分子量が大きくなり過ぎると溶液粘度が高くなり過ぎて、組成物の調製時に攪拌が困難になる。また、組成物が高粘度になり過ぎるとスクリーン印刷などの方法で塗膜を形成する時の作業性が低下する。したがって、この発明の樹脂組成物を構成するポリウレタンポリイミドの数平均分子量は、好ましくは3000〜50000、より好ましくは4000〜40000、特に好ましくは4000〜30000である。数平均分子量が3000未満では、得られる硬化絶縁膜の耐熱性や力学特性が低下する傾向がある。

0129

このポリウレタンイミドの原料成分である成分(c′)として、カルボキシル基を有するジオールを用いた場合、このポリウレタンイミドの酸価は、5〜120mgKOH/gであることが好ましく、さらに好ましくは、10〜50mgKOH/gである。酸価が5mgKOH/g未満では、トリシクロデカン構造を有するエポキシ基含有化合物との反応性が低下し、後述の熱硬化性組成物を硬化して得られる配線板の保護膜の耐熱性が低くなることがある。一方120mgKOH/gを超えると、保護膜が硬く脆くなりすぎることがある。

0130

このポリウレタンとしては、数平均分子量が3000〜50000であり、かつ酸価が5〜120mgKOH/gであることが好ましく、さらに好ましくは、数平均分子量が4000〜30000であり、かつ酸価が10〜50mgKOH/gである。

0131

エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有し、さらにイミド結合を有するポリウレタンポリイミドの中で、合成されたポリイミドポリウレタンの安定性が重要視される場合には、前述の特開2003−198105号公報に記載の、エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有し、さらにイミド結合を有するポリウレタンポリイミドよりも、特開2006−307183号公報に記載のエポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有し、さらにイミド結合を有するポリウレタンポリイミドの方が好ましい。特に、好ましくは、以下の(a)、(b)、(c)及び(d)を必須とする原料を反応して得られるポリウレタンポリイミドである。
成分(a)ジイソシアネート、
成分(b)炭素数3〜18のジオールから誘導される有機残基を有する(ポリ)カーボネートポリオール、
成分(c)カルボキシル基を有するジオール、
成分(d) 式(3)で示される2官能性水酸基末端イミド。

0132

次に、溶剤に溶解する範囲で分子中に一定の分岐構造を有しかつエポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有するポリウレタンについて説明する。

0133

溶剤に溶解する範囲で分子中に一定の分岐構造を有しかつエポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有するポリウレタンは、下記成分(a)、成分(b)、成分(c)及び成分(e)を必須とする原料成分を反応することによって得られる。
成分(a)ジイソシアネート、
成分(b)炭素数3〜18のジオールから誘導される有機残基を有する(ポリ)カーボネートポリオール、
成分(c)カルボキシル基を有するジオール、
成分(e) 1分子中に水酸基を3個以上有する化合物。

0134

成分(a)のジイソシアネートとしては、1分子中にイソシアネ−ト基を2個有するものであればどのようなものでもよい。例えば、脂肪族、脂環族又は芳香族のジイソシアネ−ト、好ましくはイソシアネート基を除いて炭素数が2〜30の脂肪族、脂環族又は芳香族のジイソシアネ−トであり、具体的には、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、リシンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサンメチレンジイソシアネート及びノルボルネンジイソシアネート等を好適に例示することができる。

0135

成分(b)の炭素数3〜18のジオールから誘導される有機残基を有する(ポリ)カーボネートポリオールとしては、数平均分子量が好ましくは400〜10000、より好ましくは450〜5000、最も好ましくは500〜3000のものである。数平均分子量が400未満になると好適な柔軟性が得難くなり、また数平均分子量が10000を越えると耐熱性や耐溶剤性が悪くなることがあるので前記程度のものが好適である。炭素数3〜18のジオールから誘導される有機残基を有する(ポリ)カーボネートポリオールは、具体的には宇部興産株式会社製のUH−CARB、UN−CARB、UD−CARB、UC−CARB、ダイセル化学工業株式会社製の商品名PLACCEL、CD−205、205PL、205HL、210、210PL、210HL、220、220PL、220HL、株式会社クラレ製の商品名クラレポリオールC−590、C−1065N、C−1015N、C−2015N等を好適に例示することができる。これらのポリカーボネートポリオールは、単独で、または2種類以上を組合せて用いられる。

0136

なお、前述のように、(ポリ)カーボネートポリオールを製造する際に、原料であるポリオール成分が残存して含まれる場合があるが、本明細書では、残存する該ポリオール成分は、「(ポリ)カーボネートポリオール」には含まれないものと定義する。
例えば、トリメチロールプロパンと1,9−ノナンジオールおよびジエチルカーボネートを原料に用いて、触媒の存在下、エステル交換反応によって(ポリ)カーボネートポリオールを製造する際に、原料であるトリメチロールプロパンと1,9−ノナンジオールが生成物である(ポリ)カーボネートポリオール中にそれぞれ5質量%ずつ残存していた場合には、この残存しているトリメチロールプロパンおよび1,9−ノナンジオールは、「(ポリ)カーボネートポリオール」には含まれずに、ポリオールが1分子中に水酸基を3個以上有する化合物(この場合には、トリメチロールプロパン)である場合には、このポリオールは成分(e)に属することを意味し、ポリオールが1分子中に水酸基を2個有する化合物(この場合には、1,9−ノナンジオール)である場合には、後述の成分(y)に含まれることを意味する。

0137

成分(c)のカルボキシル基を有するジオールとしては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、N,N−ビス(ヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)グリシン等を挙げることができる。これらの中でも溶媒への溶解度から、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸が特に好ましい。これらのカルボキシル基を有するジオールを単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いても良い。

0138

成分(e)の1分子中に水酸基を3個以上有する化合物としては、例えば、グリセリントリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートペンタエリスリトールジペンタエリスリトールソルビトール等を挙げることができる。これらの中では、合成時の容易さを考慮すると、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートが特に好ましい。

0139

なお、前述のように、(ポリ)カーボネートポリオールを製造する際に、原料であるポリオール成分が残存して含まれる場合があるが、残存するポリオール成分が1分子中に水酸基を3個以上有する化合物である場合には、成分(e)に含まれる。

0140

また、必要に応じて、成分(b)、成分(c)及び成分(e)に加えて、成分(b)、成分(c)及び成分(e)のいずれにも含まれないジオール成分(以下、成分(y)と記す。)を併用することができる。
成分(y)としては、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,10−デカメチレングリコール、1,2−テトラデカンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチルプロパンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,3−キシリレングリコール、1,4−キシリレングリコール等を挙げることができる。

0141

また、前述のように、(ポリ)カーボネートポリオールを製造する際に、原料であるポリオール成分が残存して含まれる場合があるが、残存するポリオール成分が1分子中に水酸基を2個有する化合物(即ち、ジオール)である場合には、後述の成分(y)に含まれることを意味する。

0142

本発明の熱硬化性組成物の成分であるエポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有するポリウレタンとして、前記の成分(a)、成分(b)、成分(c)及び成分(e)を必須とする原料成分を反応することによって得られるポリウレタンを使用する場合、このポリウレタンの製造方法としては、例えば、以下の方法によって製造することができる。

0143

ジブチル錫ジラウリレートのような公知のウレタン化触媒の存在下または非存在下で、溶剤を用いて、成分(a)、成分(b)、成分(c)及び成分(e)を必須とする原料成分、(必要に応じて、成分(y))を反応させることにより合成することが出来る。この反応は、無触媒で実施したほうが、最終的に、後述の本発明(II)の配線板の保護膜の実使用時物性値が向上するので好ましい。

0144

これらの原料の仕込みを行う順番については特に制約はないが、通常は成分(b)、成分(c)、成分(e)及び必要に応じて、成分(y)を先に仕込み、溶剤に溶解させた後、20〜140℃、より好ましくは60〜120℃で、成分(a)を滴下しながら加え、その後、50〜160℃、より好ましくは60℃〜150℃でこれらを反応させる。

0145

原料の仕込みモル比は、目的とする、成分(a)、成分(b)、成分(c)及び成分(e)を必須とする原料成分を反応することによって得られるポリウレタンの分子量および酸価に応じて調節する。モノヒドロキシル化合物を使用することによって、このポリウレタンの分子量を調節することもできる。すなわち目的とする数平均分子量になったら(或いは、目的とする数平均分子量に近づいたら)、末端のイソシアネート基を封鎖し、更なる数平均分子量の上昇を抑制する目的でモノヒドロキシル化合物を添加する。

0146

モノヒドロキシル化合物を使用する場合、成分(b)、成分(c)、成分(e)及び成分(y)の総水酸基の数よりもポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の数を少なくしても、同じでも或いは多くしてもいっこうに問題ない。

0147

また、過剰にモノヒドロキシル化合物を使用した場合には、未反応のモノヒドロキシル化合物が残存する結果となるが、この場合には、そのまま過剰のモノヒドロキシル化合物を溶剤の一部として使用してもよいし、あるいは、蒸留等により除去してもかまわない。

0148

モノヒドロキシル化合物を、成分(a)、成分(b)、成分(c)及び成分(e)を必須とする原料成分を反応することによって得られるポリウレタンに導入するのは、このポリウレタンの分子量の増大を抑制(即ち、反応を停止)するためであり、モノヒドロキシル化合物をこのポリウレタンに導入するためには、溶液中にモノヒドロキシル化合物を20〜150℃、より好ましくは70〜140℃で滴下し、その後同温度で保持して反応を完結させる。

0149

また、成分(e)の使用量は、全原料成分の0.1〜5.0質量%であることが好ましく、さらに好ましくは、0.2〜2.0質量%であり、最も好ましくは、0.3〜1.5質量%である。0.1質量%未満の場合には、添加した効果が発現されない場合があり好ましくない。また、5.0質量%より多い場合には、合成時の分子量調整が難しくなる場合があり好ましくない。

0150

上記のように、成分(a)、成分(b)、成分(c)及び成分(e)を必須とする原料成分を反応することによって得られるポリウレタンの数平均分子量は、1000〜100000であることが好ましく、さらに好ましくは、3000〜50000であり、特に好ましくは、5000〜30000である。

0151

本明細書に記載の「数平均分子量」とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと記す。)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量である。数平均分子量が1,000未満では、硬化膜の伸度、可撓性、並びに強度を損なうことがあり、100,000を超えると溶剤への溶解性が低くなる上に、溶解しても粘度が高くなり、使用面で制約が生じることがある。
なお、本明細書においては、特に断りのない限り、GPCの測定条件は以下のとおりである。
装置名:日本分光株式会社製HPLCユニットHSS−2000
カラム:ShodexカラムLF−804(3本直列
移動相テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/min
検出器:日本分光株式会社製RI−2031Plus
温度:40.0℃
試料量サンプルループ100μリットル
試料濃度:0.1質量%前後に調製。

0152

このポリウレタンの酸価は、5〜120mgKOH/gであることが好ましく、さらに好ましくは、10〜50mgKOH/gである。酸価が5mgKOH/g未満では、トリシクロデカン構造を有するエポキシ基含有化合物との反応性が低下し、保護膜熱硬化性組成物を硬化して得られる配線板の保護膜の耐熱性が低くなることがある。一方120mgKOH/gを超えると、保護膜が硬く脆くなりすぎることがある。

0153

このポリウレタンとしては、数平均分子量が1000〜100000であり、かつ酸価が5〜120mgKOH/gであり、硬化反応する官能基及びカーボネート結合を有するポリウレタンが好ましく、さらに好ましくは、数平均分子量が3000〜50000であり、かつ酸価が10〜50mgKOH/gである。
なお、本明細書において、ポリウレタンの酸価は、JIS K0070の電位差滴定法で測定された酸価の値である。

0154

このポリウレタンを製造する反応で好適に用いることができる溶剤としては、式(4)〜式(6)で示される構造単位を有するポリウレタンポリイミドの合成の際に使用することができる溶剤として段落[0191]〜[0197]に記載した溶剤を使用することができる。

0155

次に、エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有し、さらに、ダイマージオールから誘導された有機残基を含有するポリウレタンについて説明する。

0156

なお、本明細書において「ダイマージオール」とは、ダイマー酸および/またはその低級アルコールエステルを触媒存在下で還元して、ダイマー酸のカルボン酸部分をアルコールとした炭素数36のジオールを主成分としたものである。ここで主成分とは、50質量%以上存在することを意味し、炭素数36のジオール以外には、炭素数22〜44で炭素数36ではないジオールが存在する場合がある。本明細書におけるダイマージオールとしては、ダイマー酸由来の炭素−炭素2重結合を水素化した水添ダイマージオールが特に好ましい。ダイマージオールの市販品としては、例えば、PRIPOL(登録商標)2033等(クローダ社製)やSovermol(登録商標)908(コグニス社製)を挙げることができる。PRIPOL(登録商標)2033は、後述の式(48)および式(49)で表される化合物の混合物が主成分である。また、「ダイマー酸」とは、不飽和脂肪酸の分子間2量化反応で得られる酸であるが、炭素数が11〜22の不飽和脂肪酸を炭素数が36の2量体が生成するような配合で2量化して得られる二塩基酸が主成分である。市販品としては、例えばPRIPOL(登録商標)1006、同1009、同1015、同1025等(クローダ社製)、EMPOL(登録商標)1062(コグニス社)を挙げることができる。

(式中、R10およびR11は何れもアルキル基であり、pおよびqは0以上の整数であり、かつR10およびR11に含まれる各炭素数ならびにpおよびqの合計は30である。)

(式中、R12およびR13は何れもアルキル基であり、rおよびsは0以上の整数であり、かつR12およびR13に含まれる各炭素数ならびにrおよびsの合計は34である。)

0157

なお、本発明における「ダイマージオールから誘導された有機残基」とは、前記ダイマージオ−ルの少なくとも1つのアルコール性水酸基の水素を除いた構造を意味する。
また、本発明における「炭素数3〜18のジオールから誘導された有機残基」とは、炭素数3〜18のジオールの少なくとも1つのアルコール性水酸基の水素を除いた構造を意味する。

0158

エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有し、さらに、ダイマージオールから誘導された有機残基を含有するポリウレタンは、例えば、下記成分(a)、成分(b)、成分(c)及び成分(l)を必須とする原料成分(必要に応じて、成分(z))を反応させることにより合成することが出来る。
成分(a)ジイソシアネート、
成分(b)炭素数3〜18のジオールから誘導される有機残基を有する(ポリ)カーボネートポリオール、
成分(c)カルボキシル基を有するジオール、
成分(l) ダイマージオール
成分(z) 成分(b)、成分(c)及び成分(l)の群から選ばれるポリオール以外のポリオール

0159

成分(a)のジイソシアネートとしては、1分子中にイソシアネ−ト基を2個有するものであればどのようなものでもよい。例えば、脂肪族、脂環族又は芳香族のジイソシアネ−ト、好ましくはイソシアネート基を除いて炭素数が2〜30の脂肪族、脂環族又は芳香族のジイソシアネ−トであり、具体的には、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、リシンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサンメチレンジイソシアネート及びノルボルネンジイソシアネート等を好適に例示することができる。

0160

成分(b)の炭素数3〜18のジオールから誘導される有機残基を有する(ポリ)カーボネートポリオールとしては、数平均分子量が好ましくは400〜10000、より好ましくは450〜5000、最も好ましくは500〜3000のものである。数平均分子量が400未満になると好適な柔軟性が得難くなり、また数平均分子量が10000を越えると耐熱性や耐溶剤性が悪くなることがあるので前記程度のものが好適である。炭素数3〜18のジオールから誘導される有機残基を有する(ポリ)カーボネートポリオールは、具体的には宇部興産株式会社製のUH−CARB、UN−CARB、UD−CARB、UC−CARB、ダイセル化学工業株式会社製の商品名PLACCEL、CD−205、205PL、205HL、210、210PL、210HL、220、220PL、220HL、株式会社クラレ製の商品名クラレポリオールC−590、C−1065N、C−1015N、C−2015N等を好適に例示することができる。これらのポリカーボネートポリオールは、単独で、または2種類以上を組合せて用いられる。

0161

なお、前述のように、(ポリ)カーボネートポリオールを製造する際に、原料であるポリオール成分が残存して含まれる場合があるが、本明細書では、残存する該ポリオール成分は、「(ポリ)カーボネートポリオール」には含まれないものと定義する。
例えば、1,9−ノナンジオールおよびジエチルカーボネートを原料に用いて、触媒の存在下、エステル交換反応によって(ポリ)カーボネートポリオールを製造する際に、原料である1,9−ノナンジオールが生成物である(ポリ)カーボネートポリオール中に5質量%残存していた場合には、この残存している1,9−ノナンジオールは、「(ポリ)カーボネートポリオール」には含まれずに、後述の成分(z)に含まれることを意味する。

0162

成分(c)のカルボキシル基を有するジオールとしては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)グリシン、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)グリシン等を挙げることができる。これらの中でも溶媒への溶解度から、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸が特に好ましい。これらのカルボキシル基を有するポリオールを単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いても良い。

0163

成分(l)のダイマージオールとは、前述のように、ダイマー酸および/またはその低級アルコールエステルを触媒存在下で還元して、ダイマー酸のカルボン酸部分をアルコールとした炭素数36のジオールを主成分としたものである。ここで主成分とは、50質量%以上存在することを意味し、炭素数36のジオール以外には、炭素数22〜44で炭素数36ではないジオールが存在する場合がある。本明細書におけるダイマージオールとしては、ダイマー酸由来の炭素−炭素2重結合を水素化した水添ダイマージオールが特に好ましい。ダイマージオールの市販品としては、例えば、PRIPOL2033等(クローダ社製)やSovermol908(コグニス社製)を挙げることができる。

0164

また、必要に応じて、成分(a)、成分(b)、成分(c)及び成分(l)に加えて、成分(a)、成分(b)、成分(c)及び成分(l)のいずれにも含まれないジオール成分(成分(z))を併用することができる。
成分(z)としては、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,10−デカメチレングリコール、1,2−テトラデカンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチルプロパンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,3−キシリレングリコール、1,4−キシリレングリコール等を挙げることができる。

0165

また、(ポリ)カーボネートポリオールを製造する際に、原料であるポリオール成分が残存して含まれる場合があるが、残存するポリオール成分は、成分(b)には含まれず、成分(z)に含まれることを意味する。

0166

本発明の熱硬化性組成物の成分であるエポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有するポリウレタンとして、エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有し、さらに、ダイマージオールから誘導された有機残基を含有するポリウレタンを使用する場合、このポリウレタンの製造方法としては、例えば、以下の方法によって製造することができる。

0167

ジブチル錫ジラウリレートのような公知のウレタン化触媒の存在下または非存在下で、溶剤を用いて、成分(a)、成分(b)、成分(c)及び成分(l)を必須とする原料成分(必要に応じて、成分(z))を反応させることにより合成することが出来る。この反応は、無触媒で実施したほうが、最終的に、後述の本発明(II)の配線板の保護膜の実使用時の物性値が向上するので好ましい。

0168

これらの原料の仕込みを行う順番については特に制約はないが、通常は成分(b)、成分(c)、成分(l)及び必要に応じて、成分(z)を先に仕込み、溶剤に溶解させた後、20〜140℃、より好ましくは60〜120℃で、成分(a)を滴下しながら加え、その後、50〜160℃、より好ましくは60℃〜150℃でこれらを反応させる。

0169

原料の仕込みモル比は、目的とする、成分(a)、成分(b)、成分(c)及び成分(l)を必須とする原料成分を反応することによって得られるポリウレタンの分子量および酸価に応じて調節する。モノヒドロキシル化合物を使用することによって、このポリウレタンの分子量を調節することもできる。すなわち目的とする数平均分子量になったら(或いは、目的とする数平均分子量に近づいたら)、末端のイソシアネート基を封鎖し、更なる数平均分子量の上昇を抑制する目的でモノヒドロキシル化合物を添加する。

0170

モノヒドロキシル化合物を使用する場合、成分(b)、成分(c)、成分(l)及び成分(z)の総水酸基の数よりも成分(a)のイソシアネート基の数を少なくしても、同じでも或いは多くしてもいっこうに問題ない。

0171

また、過剰にモノヒドロキシル化合物を使用した場合には、未反応のモノヒドロキシル化合物が残存する結果となるが、この場合には、そのまま過剰のモノヒドロキシル化合物を溶剤の一部として使用してもよいし、あるいは、蒸留等により除去してもかまわない。

0172

モノヒドロキシル化合物を、成分(a)、成分(b)、成分(c)及び成分(l)を必須とする原料成分を反応することによって得られるポリウレタンに導入するのは、このポリウレタンの分子量の増大を抑制(即ち、反応を停止)するためであり、モノヒドロキシル化合物をこのポリウレタンに導入するためには、溶液中にモノヒドロキシル化合物を20〜150℃、より好ましくは70〜140℃で滴下し、その後同温度で保持して反応を完結させる。

0173

また、成分(l)の使用量は、成分(b)、成分(c)、成分(l)及び成分(z)の総量に対して、5〜50質量%であることが好ましく、さらに好ましくは、10〜45質量%であり、最も好ましくは、15〜40質量%である。5質量%未満の場合には、添加した効果が発現されない場合があり好ましくない。また、50質量%より多い場合には、後述の保護膜のポリイミド基板への密着性が低下する場合があり、好ましくない。

0174

上記のように、成分(a)、成分(b)、成分(c)及び成分(l)を必須とする原料成分を反応することによって得られるポリウレタンの数平均分子量は、1000〜100000であることが好ましく、さらに好ましくは、3000〜50000であり、特に好ましくは、5000〜30000である。
数平均分子量が1000未満では、硬化膜の伸度、可撓性、並びに強度を損なうことがあり、100000を超えると溶剤への溶解性が低くなる上に、溶解しても粘度が高くなり、使用面で制約が生じることがある。

0175

このポリウレタンの酸価は、5〜120mgKOH/gであることが好ましく、さらに好ましくは、10〜50mgKOH/gである。酸価が5mgKOH/g未満では、トリシクロデカン構造を有するエポキシ基含有化合物との反応性が低下し、保護膜熱硬化性組成物を硬化して得られる配線板の保護膜の耐熱性が低くなることがある。一方120mgKOH/gを超えると、保護膜が硬く脆くなりすぎることがある。

0176

このポリウレタンとしては、数平均分子量が1000〜100000であり、かつ酸価が5〜120mgKOH/gであり、硬化反応する官能基及びカーボネート結合を有するポリウレタンが好ましく、さらに好ましくは、数平均分子量が3000〜50000であり、かつ酸価が10〜50mgKOH/gである。

0177

このポリウレタンを製造する反応で好適に用いることができる溶剤としては、式(4)〜式(6)で示される構造単位を有するポリウレタンポリイミドの合成の際に使用することができる溶剤として段落[0191]〜[0197]に記載した溶剤を使用することができる。

0178

本発明(I)の熱硬化性組成物の必須成分である溶剤は、前述のエポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有するポリウレタンの合成に用いた溶剤を、そのまま、本発明(I)の熱硬化性組成物の溶剤として使用することが経済上好ましい。また、粘度を調製する意味で、さらに溶剤を添加してもよい。本発明(I)の熱硬化性組成物中の溶剤の濃度は、好ましくは10〜90質量%、さらに好ましくは20〜70質量%である。

0179

本発明(I)の熱硬化性組成物中には、さらに、硬化促進剤を含むことが出来かつ好ましい。硬化促進剤としては、エポキシ基とカルボキシル基の反応を促進する化合物であれば特に限定されるものではなく、例えば、メラミンアセトグアナミンベンゾグアナミン、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジン、2,4−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等のトリアジン系化合物イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニルー4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−アミノエチル−2−エチルー4−メチルイミダゾール、1−アミノエチル−2−メチルイミダゾール、1−(シアノエチルアミノエチル)−2−メチルイミダゾール、N−[2−(2−メチル−1−イミダゾリル)エチル]尿素、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾリウムトリメリテート、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾリウムトリメリテート、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテート、2,4−ジアミノ−6−[2′−メチルイミダゾリル−(1′)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2′−ウンデシルイミダゾリル−(1′)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2′−エチル−4′−メチルイミダゾリル−(1′)]−エチル−s−トリアジン、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、N,N′−ビス(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)尿素、N,N′−ビス(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)アジポアミド、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4.5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール・イソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾール・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−[2′−メチルイミダゾリル−(1′)]−エチル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2−メチル−4−フォルミルイミダゾール、2−エチル−4−メチルー5−フォルミルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルフォルミルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール、ビニルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、1−アリルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−ブチルイミダゾール、2−ブチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール臭化水素塩、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド等のイミダゾール系化合物、1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)ノネン−5及びその塩、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7及びその塩等のジアザビシクロアルケンなどのシクロアミジン化合物及びその誘導体、トリエチレンジアミンベンジルジメチルアミントリエタノールアミンジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の3級アミノ基含有化合物トリフェニルホスフィン、ジフェニル(p−トリルホスフィン、トリス(アルキルフェニル)ホスフィン、トリス(アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(アルキル・アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルコキシフェニル)ホスフィン、トリアルキルホスフィンジアルキルアリールホスフィン、アルキルジアリールホスフィン等の有機ホスフィン化合物ジシアンジアジド等を挙げることができる。
これらの硬化促進剤を単独で使用しても、或いは2種類以上を併用しても良い。

0180

これらの硬化促進剤の中で、硬化促進作用及び電気絶縁性能の両立させることを考慮すると、好ましいものとしては、メラミン、イミダゾール化合物、シクロアミジン化合物及びその誘導体、ホスフィン系化合物及びアミン系化合物であり、さらに好ましくは、メラミン、1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)ノネン−5及びその塩、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7及びその塩である。

0181

これらの硬化促進剤の配合量は、硬化促進効果が達成できれば特に制限はない。しかし、本発明(I)の熱硬化性組成物の硬化性及び本発明(I)の熱硬化性組成物を硬化して得られる保護膜の電気絶縁特性や耐水性の観点からは、本発明(I)の熱硬化性組成物中に含まれる、エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有するポリウレタンとトリシクロデカン構造を有するエポキシ基含有化合物の総量100質量部に対し、0.05〜5質量部の範囲で配合することが好ましく、より好ましくは0.1〜3.0質量部である。配合量が0.05質量部未満では短時間で硬化させることが困難であり、5質量部を超えると組成物を硬化して得られる硬化物の電気絶縁特性や耐水性の悪化させてしまう場合がある。

0182

本発明(I)の熱硬化性組成物には、流動性を調節する目的で、無機微粒子および/または有機微粒子を配合することが可能でありかつ配合することが好ましい。
なお、本明細書においては、「無機微粒子および/または有機微粒子」とは、無機微粒子、有機微粒子のみならず、粉末状の無機化合物有機化合物物理的に被覆或いは有機化合物で化学的表面処理したような有機無機複合物微粒子も含まれるものと定義する。

0183

本発明(I)の熱硬化性組成物に配合する目的で使用されることのある無機微粒子および/または有機微粒子は、本発明(I)の必須成分であるトリシクロデカン構造を有するエポキシ基含有化合物、エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有するポリウレタン及び溶剤を含む組成物に分散してペーストを形成するものであれば、特に制限はない。

0184

無機微粒子としては、例えば、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、チタニア(TiO2)、酸化タンタル(Ta2O5)、ジルコニア(ZrO2)、窒化珪素(Si3N4)、チタン酸バリウム(BaO・TiO2)、炭酸バリウム(BaCO3)、チタン酸鉛(PbO・TiO2)、チタン酸ジルコン酸鉛PZT)、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛(PLZT)、酸化ガリウム(Ga2O3)、スピネル(MgO・Al2O3)、ムライト(3Al2O3・2SiO2)、コーディエライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、チタン酸アルミニウム(TiO2−Al2O3)、イットリア含有ジルコニア(Y2O3−ZrO2)、珪酸バリウム(BaO・8SiO2)、窒化ホウ素(BN)、炭酸カルシウム(CaCO3)、硫酸カルシウム(CaSO4)、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸マグネシウム(MgO・TiO2)、硫酸バリウム(BaSO4)、有機ベントナイトカーボン(C)などが挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。

0185

有機微粒子としては、アミド結合、イミド結合、エステル結合又はエーテル結合を有する耐熱性樹脂の微粒子が好ましい。これの樹脂としては、耐熱性および機械特性の観点から、好ましくはポリイミド樹脂若しくはその前駆体、ポリアミドイミド樹脂若しくはその前駆体、又はポリアミド樹脂が挙げられる。

0186

これらの無機微粒子および/または有機微粒子の平均粒子径は、好ましくは0.01〜10μm、さらに好ましくは0.1〜5μmである。

0187

また、無機微粒子および/または有機微粒子の配合量は、前記硬化性樹脂組成物に含まれるカルボキシル基含有ポリウレタン、溶媒および硬化剤の総量100質量部に対して、1〜150質量部、好ましくは1〜120質量部であり、さらに好ましくは1〜60質量部である。

0188

本発明(I)の配線板の保護膜用熱硬化性組成物は、例えば、スクリーン印刷法を用いてパターニングされるChip On Film(以下、COFと記す。)用の配線板の保護膜用熱硬化性組成物として使用可能である。
なお、本明細書で記載の「COF」とは、ベアチップをフレキシブル配線板に搭載し、接続する実装方式を意味する。

0189

本発明(I)の熱硬化性組成物を、スクリーン印刷法を用いてパターニングされるCOF用の配線板の保護膜用熱硬化性組成物として使用する場合には、印刷の際の泡の発生を消す或いは抑制する目的で、消泡剤を使用することが可能でありかつ使用することが好ましい。
上記の消泡剤は、文字通り、本発明(I)の熱硬化性組成物を印刷する際に、発生する気泡を消す或いは抑制する作用を有するものであれば、特に制限はない。
本発明(I)の熱硬化性組成物に使用される消泡剤の具体例としては、例えば、BYK−077(ビックケミー・ジャパン社製)、SNデフォーマー470(サンノプコ社製)、TSA750S(モメンティブ・パフォーマンスマテリアルズ社製)、シリコーンオイルSH−203(東レ・ダウコーニング株式会社製)等のシリコーン系消泡剤、ダッポーSN−348(サンノプコ社製)、ダッポーSN−354(サンノプコ社製)、ダッポーSN−368(サンノプコ社製)、ディスパロン230HF(化成株式会社製)等のアクリル重合体系消泡剤、サーフィノールDF−110D(日信化学工業株式会社製)、サーフィノールDF−37(日信化学工業株式会社製)等のアセチレンジオール系消泡剤、FA−630等のフッ素含有シリコーン系消泡剤等を挙げることができる。

0190

さらに、本発明(I)の熱硬化性組成物には、必要に応じて、レベリング剤等の界面活性剤類フタロシアニンブルー、フタロシアニン・グリーンアイジン・グリーン、ジスアゾイエロークスタルバイオレットカーボンブラック、ナフタレンブラック等の公知の着色剤を添加することができる。

0191

また、樹脂の酸価劣化及び加熱時の変色を押さえることが必要な場合には、フェノール系酸化防止剤ホスファイト系酸化防止剤チオエーテル系酸化防止剤等の酸化防止剤を添加することができかつ添加することが好ましい。

0192

フェノール系酸化防止剤としては、例えば、下記式(50)〜式(60)のような化合物を挙げることができる。

0193

ホスファイト系酸化防止剤としては、例えば、下記式(61)〜式(71)のような化合物を挙げることができる。

0194

チオエーテル系酸化防止剤としては、例えば、下記式(72)〜式(77)のような化合物を挙げることができる。

0195

また、必要に応じて、難燃剤滑剤を添加することもできる。

0196

本発明(I)の熱硬化性組成物は、配合成分の一部或いは全部をロールミルビーズミル等で均一に混練、混合することによって得ることができる。配合成分の一部を混合した場合には、残りの成分を実際に使用するときに混合することができる。

0197

さらに、本発明(I)の熱硬化性組成物を、スクリーン印刷法を用いてパターニングされるCOF用の配線板の保護膜用熱硬化性組成物として使用する場合、本発明(I)の熱硬化性組成物の印刷性を良好にするために、一定範囲のチクソトロピー指数を有することが望ましい。

0198

なお、本明細書に記載の「チクソトロピー指数」とは、コーンプレート型粘度計(Brookfield社製型式;DV−II+Proスピンドル型番CPE−52)を用いて測定した、25℃における回転数1rpmのときの粘度と25℃における回転数10rpmのときの粘度の比であると定義する。

0199

本発明(I)の熱硬化性組成物をスクリーン印刷法を用いてパターニングされる保護膜用熱硬化性組成物として使用する場合、本発明(I)の熱硬化性組成物の印刷性を良好するために、該組成物の25℃でのチクソトロピー指数が、1.1〜3.0の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは、1.1〜2.5の範囲である。本発明(I)の熱硬化性組成物をソルダーレジストインキ組成物として使用する場合、熱硬化性組成物の25℃でのチクソトロピー指数が1.1未満になると、熱硬化性組成物を印刷した後に、該組成物が流動してしまい、一定の膜厚にならなかったり、印刷パターンを維持できなかったりすることがある。また、熱硬化性組成物の25℃でのチクソトロピー指数が3.0より大きくなると、印刷した該組成物の塗膜の消泡性が悪くなることがある。

0200

次に、本発明(II)の配線板の保護膜について説明する。
本発明(II)は、本発明(I)に記載の配線板の保護膜用熱硬化性組成物を硬化して得られる配線板の保護膜である。

0201

本発明(II)の配線板の保護膜は、本発明(I)の配線板の保護膜用熱硬化性組成物中の溶媒の一部或いは全量を除去し、その後加熱により硬化反応を進行させ、硬化物を得ることが一般的である。例えば、本発明(II)の配線板の保護膜を得る場合には、以下の第一工程〜第三工程を経ることによって該保護膜を得ることができる。
第一工程
本発明(I)の熱硬化性組成物を印刷して塗膜を得る工程。
第二工程
第一工程で得られた塗膜を20℃〜100℃の雰囲気下で溶媒を蒸発させ、一部或いは全量の溶媒が除去された塗膜を得る工程。
第三工程
第二工程で得られた塗膜を、100℃〜250℃の雰囲気下で熱硬化を行い、熱硬化された塗膜(即ち、硬化塗膜)を得る工程。

0202

第一工程は、本発明(I)の熱硬化性組成物を印刷して塗膜を得る工程であるが、本発明(I)の熱硬化性組成物の印刷方法に特に制限はなく、例えば、スクリーン印刷法、ロールコーター法スプレー法カーテンコーター法などにより、塗布して塗膜を得ることができるが、最も好ましくは、スクリーン印刷法である。

0203

第二工程は、第一工程で得られた塗膜を20℃〜100℃の雰囲気下で溶媒を蒸発させ、一部或いは全量の溶媒が除去された塗膜を得る工程である。溶媒を除去する時間は、4時間以下が好ましく、より好ましくは、2時間以下である。

0204

また、第三工程は、第二工程で得られた塗膜を、100℃〜250℃の雰囲気下で熱硬化を行い、熱硬化された塗膜(即ち、硬化塗膜)を得る工程である。熱硬化の時間は、20分〜4時間の範囲が好ましく、さらに好ましくは、30分〜2時間の範囲である。

0205

最後に、本発明(III)のフレキシブル配線板及び本発明(IV)の、保護膜によって被覆されたフレキシブル配線板の製造方法について説明する。

0206

本発明(III)は、フレキシブル基板上に配線が形成されてなるフレキシブル配線板の、配線が形成されている表面の一部または全部が本発明(II)に記載の配線板の保護膜によって被覆されたことを特徴とする、保護膜によって被覆されたフレキシブル配線板である。

0207

本発明(IV)は、本発明(I)の配線板の保護膜用熱硬化性組成物をフレキシブル配線板の錫メッキ処理された配線パターン部に印刷することで該パターン上に印刷膜を形成し、該印刷膜を80〜130℃で加熱硬化させることで保護膜を形成することを特徴とする、保護膜によって被覆されたフレキシブル配線板の製造方法である。

0208

本発明(I)の熱硬化性組成物は、例えば、COF用のフレキシブル配線板の配線の全面或いは一部を被覆することにより、COF用の配線板の保護膜として用いることができる。

0209

以下に、本発明(IV)の製造方法の具体的な工程を記す。例えば、以下の工程A〜工程Cを経て、フレキシブル配線板の保護膜を形成することができる。
工程A
本発明(I)の熱硬化性組成物を、フレキシブル配線板の予め錫メッキ処理された配線パターン部にスクリーン印刷し、塗膜を得る工程。
工程B
工程Aで得られた塗膜を20〜100℃の雰囲気下で溶媒を蒸発させ、一部或いは全量の溶媒が除去された塗膜を得る工程。
工程C
工程Bで得られた塗膜を、80〜130℃の雰囲気下で熱硬化を行い、熱硬化されたフレキシブル配線板の保護膜を得る工程。

0210

工程Bの溶媒を蒸発させる温度は、溶媒の蒸発速度及び次工程(工程C)への速やかな移行を考慮すると、20〜100℃であり、好ましくは、60〜100℃であり、さらに好ましくは、70〜90℃である。工程Bの溶媒を蒸発させる時間は、特に制限はないが、好ましくは、10〜120分、さらに好ましくは、20〜100分である。なお、前記工程Bの操作は、必要に応じて行われる操作であり、工程Aの操作の後にすぐに工程Cの操作を行い、硬化反応と溶媒の除去とを一緒に行ってもよい。

0211

工程Cで行われる熱硬化の条件は、メッキ層拡散をふせぎ、かつ保護膜として好適な反り性、柔軟性を得る観点から、80〜130℃の範囲で行われる。好ましくは90〜130℃であり、110〜130℃である。工程Cで行われる熱硬化の時間は、特に制限はないが、好ましくは、20〜150分、さらに好ましくは、30〜120分である。

0212

以下実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例にのみ制限されるものではない。

0213

<酸価の測定>
本発明(I)の必須成分である、エポキシ基と反応可能な官能基を有しかつ式(1)で示される構造単位を有するポリウレタンが、エポキシ基と反応可能な官能基としてカルボキシル基を有する場合に、以下の方法によって酸価の測定を行った。
前記のカルボキシル基を有するポリウレタン溶液中の溶媒を加熱下で、減圧留去してカルボキシル基を有するポリウレタンを得た。
このカルボキシル基を有するポリウレタンを用いて、JIS K0070の電位差滴定法に準拠して酸価を測定した。
なお、電位差滴定法で用いた装置を以下に記す。
装置名:京都電子工業株式会社製電位自動滴定装置AT−510
電極:京都電子工業株式会社製複合ガラス電極C−173

0214

水酸基価の測定>
JIS K0070の中和滴定法に従い、水酸基価を測定した。

0215

<ポリウレタンの数平均分子量の測定>
GPCで測定したポリスチレン換算の値であり、GPCの測定条件は以下のとおりである。
装置名:日本分光(株)製HPLCユニットHSS−2000
カラム:ShodexカラムLF−804を3本連結(直列)
移動相:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/min
検出器:日本分光株式会社製RI−2031Plus
温度:40.0℃
試料量:サンプルループ100μl
試料濃度:0.1質量%前後に調製

0216

<ポリウレタン溶液の粘度の測定>
カルボキシル基含有ポリウレタン溶液の粘度を以下の方法により測定した。
カルボキシル基含有ポリウレタン溶液約0.8gを使用して、コーン/プレート型粘度計(Brookfield社製型式;DV−II+Proスピンドルの型番;CPE−52)を用いて、温度25.0℃、回転数5rpmの条件で測定開始から7分経過後の粘度を測定した。

0217

<チクソトロピー指数の測定>
熱硬化性組成物のチクソトロピー指数を以下の方法により測定した。
熱硬化性組成物約0.6gを使用して、チクソトロピー指数をコーン/プレート型粘度計(Brookfield社製型式;DV−II+Proスピンドルの型番;CPE−52)を用いて、温度25.0℃、回転数10rpmの条件で測定開始から7分経過後の粘度を測定した。その後、温度25.0℃、回転数1rpmの条件で測定開始から7分経過後の粘度を測定した。
なお、チクソトロピー指数の計算は以下の方法により求めた。
チクソトロピー指数の求め方:
チクソトロピー指数=[1rpmの粘度]÷[10rpmの粘度]

0218

<2官能性水酸基末端イミドの合成>
(参考合成例1)2官能性水酸基末端イミド(A)の製造
窒素導入管ディーンスタークレシバー冷却管を備えた容量500mLのガラスセパラブルフラスコに、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物58.8g(0.20mol)、イソホロンジアミン17.0g(0.10mol)、3−アミノプロパノール15.0g(0.20mol)、及びジメチルアセトアミド200mLを仕込み、窒素雰囲気下、100℃で1時間撹拌した。次いで、トルエン50mLを加え、180℃4時間加熱し、イミド化反応により生じた水をトルエンと共沸により除いた。反応溶液を水2Lに投入して、生じた沈殿を濾取し、水洗減圧乾燥し、粉末78.8gを得た。この化合物の1H−NMRの結果より、この化合物は式(3)のm(平均値)が1である2官能性水酸基末端イミド(以下、2官能性水酸基末端イミド(A)と記す。)であることが確認された。

0219

(参考合成例2)2官能性水酸基末端イミド(B)の製造
窒素導入管、ディーンスタークレシバー、冷却管を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物58.8g(0.20mol)、イソホロンジアミン25.55g(0.15mol)、3−アミノプロパノール7.51g(0.1mol)、及びジメチルアセトアミド200mLを仕込み、窒素雰囲気下、100℃で1時間撹拌した。次いで、トルエン50mLを加え、180℃4時間加熱し、イミド化反応により生じた水をトルエンと共沸により除いた。反応溶液を水2Lに投入して、生じた沈殿を濾取し、水洗後減圧乾燥し、粉末72.0gを得た。この化合物の1H−NMRの結果より、この化合物は式(3)のm(平均値)が3である2官能性水酸基末端イミド(以下、2官能性水酸基末端イミド(B)と記す。)であることが確認された。

0220

<ポリウレタンポリイミドの合成>
実施合成例1)
ポリウレタンポリイミド(1)の合成
窒素導入管を備えた容量300mLのガラス製フラスコに、クラレポリオールC−2015((ポリ)カーボネートジオールと原料ジオール(即ち、1,6−ヘキサンジオール及び3−メチル−1,5−ペンタンジオール)の混合物、原料ジオールの仕込みモル比;1,6−ヘキサンジオール:3−メチル−1,5−ペンタンジオール=85:15、水酸基価56.1mgKOH/g、1,6−ペキサンジオールの残存濃度1.5質量%、3−メチル−1,5−ペンタンジオールの残存濃度0.5質量%)50.00g(25mmol)、2,2−ジメチロールプロピオン酸3.35g(25mmol)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート15.64g(62.5mmol)、γ−ブチロラクトン69.76gを仕込み、窒素雰囲気下、60℃で3.5時間撹拌した。次いで、参考例2で調製した2官能性水酸基末端イミド(A)20.92g(25mmol)、γ−ブチロラクトン20.92gを加え、80℃で10時間撹拌した。このポリウレタンポリイミド(以下、ポリウレタンポリイミド(1)と記す。)溶液のGPCから求めた数平均分子量は6800であった。このポリウレタンポリイミド(1)の溶液にγ−ブチロラクトン:ジエチレングリコールジエチルエーテル=27.7:72.3(質量比)の混合溶媒23.75gを加え、固形分濃度44質量%に調整した。この溶液の粘度は、40Pa・sであった。また、ポリウレタンポリイミド(1)の酸価は15.6mg−KOH/gであった。

0221

(実施合成例2)
ポリウレタンポリイミド(2)の合成
窒素導入管を備えた5リットルのガラス製容器に、1,6−ヘキサン系ポリカーボネートジオールであるPLACCELCD−220((ポリ)カーボネートジオールと原料ジオール(即ち、1,6−ヘキサンジオール)の混合物、水酸基価56.1mgKOH/g、1,6−ヘキサンジオールの残存濃度3.0質量%)1000.0g(0.50mol)及び4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート250.27g(1.00mol)、γ−ブチロラクトン833.15gを仕込み、140℃に昇温し、5時間反応させた。更に、この反応混合物に、3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物358.29g(1.00mol)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート125.14g(0.50mol)、及びγ−ブチロラクトン584.97gを加えて、160℃で5時間反応させた。得られたポリウレタンポリイミド(以下、ポリウレタンポリイミド(2)と記す。)をγ−ブチロラクトン:ジエチレングリコールジエチルエーテル=67:33(質量比)の混合溶媒で希釈し、粘度40Pa・s、固形分濃度40質量%のポリウレタンポリイミド(2)の溶液を得た。GPCから求めたこのポリウレタンポリイミド(2)の数平均分子量は14000であった。
ポリウレタンポリイミド(2)は、赤外吸収(IR)スペクトルを測定して、カルボン酸無水物の吸収が確認された。
このポリウレタンポリイミド(2)の溶液は合成後その日の内に下記の評価に使用された。

0222

<カルボキシル基及びカーボネート結合を有する分岐型ポリウレタンの合成>
(実施合成例3)
ポリウレタン(1)の合成
攪拌装置温度計およびコンデンサーを備えた反応容器に、C−1015N(株式会社クラレ製(ポリ)カーボネートジオールと原料ジオール(即ち、1,9−ノナンジオール及び2−メチル−1,8−オクタンジオール)の混合物、原料ジオールの仕込みモル比;1,9−ノナンジオール:2−メチル−1,8−オクタンジオール=15:85、水酸基価112.3mgKOH/g、1,9−ノナンジオールの残存濃度2.1質量%、2−メチル−1,8−オクタンジオールの残存濃度9.3質量%)220.4g(0.221mol)、2,2−ジメチロールブタン酸(日本化成株式会社製)42.2g(0.285mol)、トリメチロールプロパン2.7g(20.1mmol)、γ−ブチロラクトン510.0gとジエチレングリコールジエチルエーテル90.0gを仕込み、100℃に加熱してすべての原料を溶解した。反応液の温度を90℃まで下げ滴下ロートにより、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)133.7g(0.510mol)を30分かけて滴下した。120℃で9時間反応を行い、ほぼイソシアネートが消失したことを確認した後、エタノール1.3g(28.2mmol)を滴下し、さらに80℃で3時間反応を行い、カルボキシル基及びカーボネート結合を有するポリウレタン(以下、ポリウレタン(1)と記す。)を含む溶液を得た。
得られたポリウレタン(1)を含む溶液の粘度は101Pa・sであった。また、ポリウレタン(1)を含む溶液中に含まれるポリウレタン(1)の数平均分子量は14,000であり、ポリウレタン(1)の酸価は40.0mg−KOH/gであった。
また、このポリウレタン(1)を含む溶液中の固形分濃度は40.0質量%であった。

0223

<カルボキシル基及びカーボネート結合を有しかつダイマージオールから誘導される構造単位を有するポリウレタンの合成>
(実施合成例4)
ポリウレタン(2)の合成
攪拌装置、温度計およびコンデンサーを備えた反応容器に、C−2015N(株式会社クラレ製(ポリ)カーボネートジオールと原料ジオール(即ち、1,9−ノナンジオール及び2−メチル−1,8−オクタンジオール)の混合物、原料ジオールの仕込みモル比;1,9−ノナンジオール:2−メチル−1,8−オクタンジオール=15:85、水酸基価56.5mgKOH/g、1,9−ノナンジオールの残存濃度1.0質量%、2−メチル−1,8−オクタンジオールの残存濃度3.6質量%)107.9g(0.054mol)、2,2−ジメチロールブタン酸(日本化成株式会社製)32.3g(0.218mol)、PRIPOL2033(ダイマージオール98.2質量%、モノオール0.6質量%、トリマートリオール1.2質量%、水酸基価;205mgKOH/g)107.9g(0.194mol)、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール(東京化成工業株式会社製)14.8g(0.075mol)、γ−ブチロラクトン297.0gとジエチレングリコールジエチルエーテル198.0gを仕込み、100℃に加熱してすべての原料を溶解した。反応液の温度を90℃まで下げ、滴下ロートにより、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)142.1g(0.542mol)を30分かけて滴下した。120℃で9時間反応を行い、ほぼイソシアネートが消失したことを確認した後、イソブタノール協和発酵ケミカル株式会社製)3.6g(0.049mol)を滴下し、さらに120℃で4時間反応を行い、カルボキシル基及びカーボネート結合を有しかつダイマージオールから誘導される構造単位を有するポリウレタン(以下、ポリウレタン(2)と記す。)を含む溶液を得た。
得られたポリウレタン(2)を含む溶液の粘度は78Pa・sであった。また、ポリウレタン(2)を含む溶液中に含まれるポリウレタン(2)の数平均分子量は13,000であり、ポリウレタン(2)の酸価は40.0mg−KOH/gであった。
また、このポリウレタン(2)を含む溶液中の固形分濃度は45.0質量%であった。

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