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技術 ヨウ素およびアミロースを含有する繊維、その製造法およびその利用

出願人 オーミケンシ株式会社江崎グリコ株式会社関東天然瓦斯開発株式会社
発明者 井上修吉川政敏高久三枝子海宝龍夫田口充三瓶春代寺田喜信鷹羽武史
出願日 2010年6月17日 (10年5ヶ月経過) 出願番号 2011-519578
公開日 2012年12月6日 (7年11ヶ月経過) 公開番号 WO2010-146875
状態 特許登録済
技術分野 繊維製品の化学的、物理的処理 合成繊維
主要キーワード 円筒形ホルダ 包接処理 加熱冷却処理 頭部カバー インジェクション型 GP法 CDポリマー 顕微鏡的大きさ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題・解決手段

アミロース含有レーヨン繊維の製造方法であって、アミロースのアルカリ水溶液ビスコースとを混合して混合液を得る工程;該混合液を紡糸してアミロース含有レーヨン繊維を得る工程;および該アミロース含有レーヨン繊維をヨウ素またはポリヨウ化物イオンと接触させて該ヨウ素またはポリヨウ化物イオンを該アミロース含有レーヨン繊維のアミロース中に包接させる工程を包含し、該アミロースは、重量平均分子量が3×104以上2×105以下の酵素合成アミロースである、方法。このアミロース含有レーヨン繊維を利用して、かん水からヨウ素を効率よく回収する、方法。

概要

背景

植物デンプンは、アミロースアミロペクチンにより構成されており、例えば通常のトウモロコシデンプンは約20%のアミロースと約80%のアミロペクチンからなる。植物デンプンに含まれる天然アミロースは、グルコースが主にα−1,4グルコシド結合により多数結合した多糖であるが、α−1,6グルコシド結合からなる分岐構造をわずかに有していることが知られている。一方のアミロペクチンは重合度20程度の短いアミロース鎖が、α−1,6グルコシド結合を介して多数房状に結合した巨大分子である。アミロースを構成する直鎖状のα−1,4グルカン鎖は、らせん構造を形成する特徴があり、そのらせん構造内部に様々な物質を取り込む機能(包接機能といわれる)を有することが古くから知られている。デンプンヨウ素液を加えると青く呈色すること(ヨウ素:デンプン反応)は、アミロースらせん構造内部にヨウ素原子が包接されることにより起こることが明らかとなっている。アミロースが包接することができる物質はヨウ素以外にも、脂肪酸界面活性剤など、多数の無機分子および有機化合物が知られている。

アミロースは包接機能というユニークな機能を有する多糖であるが、デンプン中のアミロペクチンと分離することが非常に困難であるため、産業規模での純粋なアミロースの製造は行われておらず、アミロースの産業利用は進んでいない。近年、酵素的に純粋なアミロースを合成することが可能となり(特許文献1)、アミロースの利用に関する研究が進みつつある(特許文献2)。例えば、特許文献3には、酵素合成アミロースからなる繊維、フィルムなどの成型物が開示されている。これらアミロースからなる成型物は、微生物および動物体内アミラーゼで容易に分解されるので生分解性および生体適合性に優れる。そのため、特許文献3には、このアミロースからなる成型物を生分解性が必要とされる用途へ利用することが開示されている。しかしながら、このようなアミロースのみからなる繊維は生分解性が良すぎるため、繰り返し使用および、洗濯を繰り返すなどの用途には向かない。生分解性は化学修飾により制御可能と記載されているが、化学修飾はアミロースの包接機能を顕著に抑制するため、アミロースの包接機能を利用する用途に適さない。

現在、繊維としては、ポリエステル繊維などの化学繊維が主に使用されている。しかし、従来の化学繊維の材料の溶媒にはアミロースを溶解させることができないため、化学繊維中にアミロースを含有させることはできない。例え含有させることができたとしても、化学繊維とアミロースとは相溶性がないため、分子単位で混合することができず、相分離してしまう。

一方、セルロース植物細胞壁の構成多糖であり、グルコースがβ−1,4グルコシド結合により多数連結した多糖である。セルロースはデンプンと比較してはるかに安定性に優れた多糖であり、例えば衣類、不織布、紙などの主要な原料である。

アミロースの包接機能をセルロースに付与することが出来れば、両者の特徴を併せ持つ、新たな機能素材を開発できる可能性がある。特許文献4には、セルロース繊維製の不織布にアミロース水溶液を塗布して、セルロース繊維をアミロースでコーティングする方法が開示されている。この方法は操作が容易で実用性はあるものの、セルロース表面に付着したアミロースは、洗濯等の操作により容易に失われるため、やはり繰り返し使用に耐えないという問題がある。

セルロース繊維の一つにレーヨンがある。レーヨンは、二硫化炭素を用いて溶解したセルロースの溶液ビスコース)からセルロースを再生させながら繊維化したものである。レーヨンは、その製造上の特徴から、ビスコースにさまざまな機能性物質を添加することによりレーヨン中に機能性物質を含有させることができ、その結果、レーヨンに機能を付与することが出来るという特徴を有している。これまでに、キトサンを含有するレーヨン繊維(特許文献5)、複合金属酸化物微粒子を含有するレーヨン繊維(特許文献6)、備長炭微粒子を含有するレーヨン繊維(特許文献7)、陰イオン高分子を含有するレーヨン繊維(特許文献8)などが開示されている。しかし、ビスコースに機能性物質を添加してレーヨンを製造した場合、機能性物質がレーヨン繊維に被覆されてしまい、期待した機能性が十分利用できない場合があった。これに対し、レーヨン繊維表面に露出するように機能性成分の形状が工夫されている(特許文献7)。しかし、この方法はすべての機能性成分に使えるとは限らない。他に、レーヨン繊維表面のセルロースを酵素で分解して機能性成分を露出させる減量加工処理という工夫(特許文献6)もなされている。しかし、この方法も、レーヨン繊維の風合いの低下と機械的強度の低下などの問題があった。さらに、機能性成分が露出されることによる洗濯耐性の低下も問題となる。

特許文献8ではレーヨンに高分子物質を含有させる場合、レーヨンへの歩留まりの観点から高分子物質の分子量は1万〜50万が適しているとある。ところが、特許文献8に記載の技術は、イオン性官能基をレーヨン中に保持させるために高分子物質を利用しているに過ぎず、レーヨン中の高分子物質の構造は問題でなかった。アミロースのような高分子物質が機能を持つ場合、上記のような高分子物質がレーヨンに被覆されることにより機能が発揮されないことに加え、高分子物質の構造変化などが原因となり、機能が十分発揮されない場合もある。この高分子物質の構造変化は、高分子物質の種類および製造方法により異なるため、結果を予測することは大変困難である。むしろ、高分子物質の構造は、物理化学的刺激により容易に変化することが知られており、レーヨンに含有させることにより高分子物質の構造変化がおこり、高分子物質の機能が失われると考えられていた。さらに、特許文献8は、繰り返しの洗濯によって第4級アンモニウム塩化合物脱落することによる抗菌性作用の低下を防ぐことを目的としており、本願発明とは課題が全く異なっている。特許文献8に記載の方法では抗菌剤イオン結合で結合させているのに対し、本発明では、抗菌剤をアミロースに包接させている。そのため、抗菌剤の保持手法が全く異なる。さらに、イオン結合はイオンのある部分にしか抗菌剤を結合できないが、本発明においてはアミロース鎖の種々の部分で抗菌剤を包接できるので、繊維中の第4級アンモニウム塩と結合させる物質とアミロースの含有量が同じであれば、従来よりも多量の抗菌剤を結合することができる。

包接能を持つ化合物としてシクロデキストリンが知られている。しかし、シクロデキストリンは分子量が小さく、水に溶解するため、湿式紡糸法ビスコースレーヨンでは、繊維化する際にシクロデキストリンが紡糸浴中に溶出し繊維中の歩留まりが悪い。例え少量のシクロデキストリンをレーヨン繊維に含有させることができたとしても、繊維からシクロデキストリンが容易に溶出してしまうため、得られる繊維は安定性に劣る。

そのため、シクロデキストリンを化学結合により繊維表面に結合させる方法が開示されている(非特許文献1)。しかし、この方法では、繊維表面のみにしか包接能を付与できない。また、この繊維が酸やアルカリ溶液に晒されるなどすると、化学結合が切断され繊維表面のシクロデキストリンが溶出し、包接能が容易に失われるという問題がある。

シクロデキストリンを繊維に含有させる方法として、シクロデキストリンを化学結合によりポリエステル系ポリマー末端に結合させて得た結合体を、熱可塑性樹脂と混合して繊維を得る方法が開示されている(特許文献10)。しかし、シクロデキストリンはポリマーの末端にしか結合していないため、シクロデキストリンの結合量が少ないことや、ポリマーに被覆されたシクロデキストリンは包接能を発揮できないなどのため、ゲスト物質の包接量が制限される問題がある。この方法でシクロデキストリンの結合量を上げようとすると、ポリマーの重合度を小さくせざるを得ず、その結果、繊維強度不足してしまうという問題がある。これに対し、ポリマー分子に複数のシクロデキストリンを化学結合させる方法も開示されている(特許文献11)。しかしながらこの方法も、シクロデキストリン誘導体を合成し、更に重合反応をさせるという複雑な工程が必要であり、合成に手間がかかり効率が悪い。さらに、得られたポリマーが繊維化可能かどうかや成型後に十分な包接能を有するかどうかは不明である。

以上のように、繊維全体に包接能を付与するためには、アミロースのような包接能力を持つ高分子物質を繊維全体に含有させることが必要となる。しかしながら、繊維に含有させることによるアミロースの包接能の喪失や、アミロースを含有させることによる繊維の物性の変化など、解決するべき課題が多くあった。

機能性成分にアミロースを用いる場合、天然のアミロースを特許文献5から8に記載されるのと同様の方法でレーヨン中に添加しようとしても、レーヨン製造時のアルカリ条件では天然アミロースが完全には溶解しない。その結果、レーヨン製造時にノズル目詰まりなどが発生し、アミロース含有レーヨンを作ることができなかった。

一方、ヨウ素の製造方法に関して、かん水等からヨウ素を得る方法としては、ヨウ化物イオンヨウ素化合物などを化学反応等でヨウ素分子にした後空気中に気化させて追い出し吸収液に吸収させて回収するブローイングアウト法;ヨウ素を活性炭吸着し、回収する活性炭吸着法;ヨウ素を銅または銀と反応させてヨウ化銅またはヨウ化銀沈殿として回収する銅法および銀法;およびヨウ化物イオンをヨウ素分子またはポリヨウ化物イオンにした後、ヨウ素分子またはポリヨウ化物イオンをイオン交換樹脂で吸着し、回収するイオン交換樹脂吸着法等が知られている。

このうち、ブローイングアウト法およびイオン交換樹脂吸着法が主に利用されている。しかし、ブローイングアウト法はヨウ素の採取率が80〜90%であり、ヨウ素採取後のかん水中に、アンモニア臭素等の溶解物と共にヨウ素が低濃度ながら残存してしまうという問題があった。イオン交換樹脂吸着法では、樹脂からヨウ化物イオンを脱離する際に大量のアルカリを必要とするため、樹脂の劣化が起こるという問題があった。さらに、これらの従来知られている方法は、いずれも複雑な工程が必要となるという問題があった。従って、簡便な工程からなり、かん水から100%近くヨウ素を吸着でき、さらに吸着したヨウ素を回収して工業的に利用できる、ヨウ素の吸着および回収方法の提供が望まれていた。

ヨウ素を安定に保持できる物質としてこれまで、例えばアミロース粉末(特許文献4)及びCDポリマー(特許文献9)が開示されている。

ヨウ素はアミロースに包接されることが知られている(例えば、特許文献4)。しかしながら、粉末状態のアミロースにヨウ素を包接させたものは、水溶液中でヨウ素が遊離してしまい、かん水からのヨウ素回収目的には利用できなかった。

さらに、アミロース粉末にヨウ素を安定に包接させて保持するためにはハロゲン化金属が必要である。このハロゲン化金属はアミロース粉末から容易に脱落する。そのため、ヨウ素を保持させたアミロース粉末を成型物で使用した際、ハロゲン化金属が脱落することによるヨウ素の保持安定性の低下が問題となる。

このヨウ素吸着材料として、特許文献9には、CDポリマーを利用する方法が開示されている。しかし、CDポリマーは吸着容量が低い、イオン交換樹脂に比べ高価であるなどの問題がある。さらに、CDポリマーでは三ヨウ化物イオン(I3−)の形でしかヨウ素を保持できない。ヨウ素の抗菌力酸化力などの性質はヨウ素分子(I2)の形態で発揮される。そのため、CDポリマーでは全ヨウ素に占めるヨウ素分子(I2)の割合が2/3と低く、結果として効果のあるヨウ素(I2)の保持量が少なくなるという問題、及び保持安定性が劣るという問題がある。さらに、ヨウ素分子を保持した物質は、その抗菌性及び酸化力を発揮させることを目的として、例えば使い捨てマスクなど、高湿度環境での使用が想定される。なお、英語ではマスクをface maskまたはhospital maskという。しかしながら、従来のCD包接物加湿によりヨウ素分子を放出すると言われており、ヨウ素分子の吸入によるヒトへの安全性の問題も危惧される。

このように、ハロゲン化金属を添加することなく、ヨウ素分子またはポリヨウ化物イオンの状態でヨウ素を保持できる成型物が求められていた。さらに、高湿度環境下でもヨウ素を安定に保持している成型物が求められていた。

概要

アミロース含有レーヨン繊維の製造方法であって、アミロースのアルカリ水溶液とビスコースとを混合して混合液を得る工程;該混合液を紡糸してアミロース含有レーヨン繊維を得る工程;および該アミロース含有レーヨン繊維をヨウ素またはポリヨウ化物イオンと接触させて該ヨウ素またはポリヨウ化物イオンを該アミロース含有レーヨン繊維のアミロース中に包接させる工程を包含し、該アミロースは、重量平均分子量が3×104以上2×105以下の酵素合成アミロースである、方法。このアミロース含有レーヨン繊維を利用して、かん水からヨウ素を効率よく回収する、方法。

目的

従って、簡便な工程からなり、かん水から100%近くヨウ素を吸着でき、さらに吸着したヨウ素を回収して工業的に利用できる、ヨウ素の吸着および回収方法の提供が望まれていた

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

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請求項1

アミロース含有レーヨン繊維の製造方法であって、アミロースのアルカリ水溶液ビスコースとを混合して混合液を得る工程;該混合液を紡糸してアミロース含有レーヨン繊維を得る工程;および該アミロース含有レーヨン繊維をヨウ素またはポリヨウ化物イオンと接触させて該ヨウ素またはポリヨウ化物イオンを該アミロース含有レーヨン繊維のアミロース中に包接させる工程を包含し、該アミロースは、重量平均分子量が3×104以上2×105以下の酵素合成アミロースである、方法。

請求項2

前記アミロース含有レーヨン繊維が、前記ヨウ素またはポリヨウ化物イオンと接触させる前に、加熱冷却処理される、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記アミロース含有レーヨン繊維が、前記ヨウ素またはポリヨウ化物イオンと接触させる前に、アルカリ処理される、請求項1に記載の方法。

請求項4

前記酵素合成アミロースが、α−1,6−グルコシド結合を含まないアミロースである、請求項1に記載の方法。

請求項5

前記酵素合成アミロースの分散度が3.0以下である、請求項1に記載の方法。

請求項6

前記アミロース含有レーヨン繊維中の前記酵素合成アミロースの含有量が0.01重量%以上50重量%以下である、請求項1に記載の方法。

請求項7

アミロース含有レーヨン繊維であって、該レーヨン繊維中のアミロースは、洗浄により実質的に溶出せず、かつ包接作用を発揮できる状態で該レーヨン繊維中に分散しており、該アミロースは、重量平均分子量が3×104以上2×105以下の酵素合成アミロースであり、該アミロースは、ヨウ素またはポリヨウ化物イオンを包接している、アミロース含有レーヨン繊維。

請求項8

アミロースの含有量が0.01重量%以上50重量%以下である、請求項7に記載のアミロース含有レーヨン繊維。

請求項9

前記酵素合成アミロースが、α−1,6−グルコシド結合を含まないアミロースである、請求項7に記載のアミロース含有レーヨン繊維。

請求項10

前記酵素合成アミロースの分散度が3.0以下である、請求項7に記載のアミロース含有レーヨン繊維。

請求項11

ハロゲン化金属の含有量が、ヨウ素分子(I2)の含有量の0.1倍モル以下である、請求項7に記載のアミロース含有レーヨン繊維。

請求項12

請求項7に記載のアミロース含有レーヨン繊維を含む、消臭用製品

請求項13

請求項7に記載のアミロース含有レーヨン繊維を含む、殺菌用製品

請求項14

ヨウ素またはポリヨウ化物イオンを濃縮回収、除去または単離するために、該ヨウ素またはポリヨウ化物イオンを繊維中に捕捉する方法であって、アミロース含有レーヨン繊維をヨウ素またはポリヨウ化物イオンと接触させて該ヨウ素またはポリヨウ化物イオンを該アミロース含有レーヨン繊維のアミロース中に包接させる工程を包含し、ここで、該アミロース含有レーヨン繊維は、アミロースのアルカリ水溶液とビスコースとを混合して混合液を得る工程;および該混合液を紡糸してアミロース含有レーヨン繊維を得る工程を含む方法により得られ、該アミロースは、重量平均分子量が3×104以上2×105以下の酵素合成アミロースである、方法。

技術分野

0001

本発明は、アミロースを含有する機能性レーヨン繊維及びその製造方法およびその利用に関する。

背景技術

0002

植物デンプンは、アミロースとアミロペクチンにより構成されており、例えば通常のトウモロコシデンプンは約20%のアミロースと約80%のアミロペクチンからなる。植物デンプンに含まれる天然アミロースは、グルコースが主にα−1,4グルコシド結合により多数結合した多糖であるが、α−1,6グルコシド結合からなる分岐構造をわずかに有していることが知られている。一方のアミロペクチンは重合度20程度の短いアミロース鎖が、α−1,6グルコシド結合を介して多数房状に結合した巨大分子である。アミロースを構成する直鎖状のα−1,4グルカン鎖は、らせん構造を形成する特徴があり、そのらせん構造内部に様々な物質を取り込む機能(包接機能といわれる)を有することが古くから知られている。デンプンヨウ素液を加えると青く呈色すること(ヨウ素:デンプン反応)は、アミロースらせん構造内部にヨウ素原子が包接されることにより起こることが明らかとなっている。アミロースが包接することができる物質はヨウ素以外にも、脂肪酸界面活性剤など、多数の無機分子および有機化合物が知られている。

0003

アミロースは包接機能というユニークな機能を有する多糖であるが、デンプン中のアミロペクチンと分離することが非常に困難であるため、産業規模での純粋なアミロースの製造は行われておらず、アミロースの産業利用は進んでいない。近年、酵素的に純粋なアミロースを合成することが可能となり(特許文献1)、アミロースの利用に関する研究が進みつつある(特許文献2)。例えば、特許文献3には、酵素合成アミロースからなる繊維、フィルムなどの成型物が開示されている。これらアミロースからなる成型物は、微生物および動物体内アミラーゼで容易に分解されるので生分解性および生体適合性に優れる。そのため、特許文献3には、このアミロースからなる成型物を生分解性が必要とされる用途へ利用することが開示されている。しかしながら、このようなアミロースのみからなる繊維は生分解性が良すぎるため、繰り返し使用および、洗濯を繰り返すなどの用途には向かない。生分解性は化学修飾により制御可能と記載されているが、化学修飾はアミロースの包接機能を顕著に抑制するため、アミロースの包接機能を利用する用途に適さない。

0004

現在、繊維としては、ポリエステル繊維などの化学繊維が主に使用されている。しかし、従来の化学繊維の材料の溶媒にはアミロースを溶解させることができないため、化学繊維中にアミロースを含有させることはできない。例え含有させることができたとしても、化学繊維とアミロースとは相溶性がないため、分子単位で混合することができず、相分離してしまう。

0005

一方、セルロース植物細胞壁の構成多糖であり、グルコースがβ−1,4グルコシド結合により多数連結した多糖である。セルロースはデンプンと比較してはるかに安定性に優れた多糖であり、例えば衣類、不織布、紙などの主要な原料である。

0006

アミロースの包接機能をセルロースに付与することが出来れば、両者の特徴を併せ持つ、新たな機能素材を開発できる可能性がある。特許文献4には、セルロース繊維製の不織布にアミロース水溶液を塗布して、セルロース繊維をアミロースでコーティングする方法が開示されている。この方法は操作が容易で実用性はあるものの、セルロース表面に付着したアミロースは、洗濯等の操作により容易に失われるため、やはり繰り返し使用に耐えないという問題がある。

0007

セルロース繊維の一つにレーヨンがある。レーヨンは、二硫化炭素を用いて溶解したセルロースの溶液ビスコース)からセルロースを再生させながら繊維化したものである。レーヨンは、その製造上の特徴から、ビスコースにさまざまな機能性物質を添加することによりレーヨン中に機能性物質を含有させることができ、その結果、レーヨンに機能を付与することが出来るという特徴を有している。これまでに、キトサンを含有するレーヨン繊維(特許文献5)、複合金属酸化物微粒子を含有するレーヨン繊維(特許文献6)、備長炭微粒子を含有するレーヨン繊維(特許文献7)、陰イオン高分子を含有するレーヨン繊維(特許文献8)などが開示されている。しかし、ビスコースに機能性物質を添加してレーヨンを製造した場合、機能性物質がレーヨン繊維に被覆されてしまい、期待した機能性が十分利用できない場合があった。これに対し、レーヨン繊維表面に露出するように機能性成分の形状が工夫されている(特許文献7)。しかし、この方法はすべての機能性成分に使えるとは限らない。他に、レーヨン繊維表面のセルロースを酵素で分解して機能性成分を露出させる減量加工処理という工夫(特許文献6)もなされている。しかし、この方法も、レーヨン繊維の風合いの低下と機械的強度の低下などの問題があった。さらに、機能性成分が露出されることによる洗濯耐性の低下も問題となる。

0008

特許文献8ではレーヨンに高分子物質を含有させる場合、レーヨンへの歩留まりの観点から高分子物質の分子量は1万〜50万が適しているとある。ところが、特許文献8に記載の技術は、イオン性官能基をレーヨン中に保持させるために高分子物質を利用しているに過ぎず、レーヨン中の高分子物質の構造は問題でなかった。アミロースのような高分子物質が機能を持つ場合、上記のような高分子物質がレーヨンに被覆されることにより機能が発揮されないことに加え、高分子物質の構造変化などが原因となり、機能が十分発揮されない場合もある。この高分子物質の構造変化は、高分子物質の種類および製造方法により異なるため、結果を予測することは大変困難である。むしろ、高分子物質の構造は、物理化学的刺激により容易に変化することが知られており、レーヨンに含有させることにより高分子物質の構造変化がおこり、高分子物質の機能が失われると考えられていた。さらに、特許文献8は、繰り返しの洗濯によって第4級アンモニウム塩化合物脱落することによる抗菌性作用の低下を防ぐことを目的としており、本願発明とは課題が全く異なっている。特許文献8に記載の方法では抗菌剤イオン結合で結合させているのに対し、本発明では、抗菌剤をアミロースに包接させている。そのため、抗菌剤の保持手法が全く異なる。さらに、イオン結合はイオンのある部分にしか抗菌剤を結合できないが、本発明においてはアミロース鎖の種々の部分で抗菌剤を包接できるので、繊維中の第4級アンモニウム塩と結合させる物質とアミロースの含有量が同じであれば、従来よりも多量の抗菌剤を結合することができる。

0009

包接能を持つ化合物としてシクロデキストリンが知られている。しかし、シクロデキストリンは分子量が小さく、水に溶解するため、湿式紡糸法ビスコースレーヨンでは、繊維化する際にシクロデキストリンが紡糸浴中に溶出し繊維中の歩留まりが悪い。例え少量のシクロデキストリンをレーヨン繊維に含有させることができたとしても、繊維からシクロデキストリンが容易に溶出してしまうため、得られる繊維は安定性に劣る。

0010

そのため、シクロデキストリンを化学結合により繊維表面に結合させる方法が開示されている(非特許文献1)。しかし、この方法では、繊維表面のみにしか包接能を付与できない。また、この繊維が酸やアルカリ溶液に晒されるなどすると、化学結合が切断され繊維表面のシクロデキストリンが溶出し、包接能が容易に失われるという問題がある。

0011

シクロデキストリンを繊維に含有させる方法として、シクロデキストリンを化学結合によりポリエステル系ポリマー末端に結合させて得た結合体を、熱可塑性樹脂と混合して繊維を得る方法が開示されている(特許文献10)。しかし、シクロデキストリンはポリマーの末端にしか結合していないため、シクロデキストリンの結合量が少ないことや、ポリマーに被覆されたシクロデキストリンは包接能を発揮できないなどのため、ゲスト物質の包接量が制限される問題がある。この方法でシクロデキストリンの結合量を上げようとすると、ポリマーの重合度を小さくせざるを得ず、その結果、繊維強度不足してしまうという問題がある。これに対し、ポリマー分子に複数のシクロデキストリンを化学結合させる方法も開示されている(特許文献11)。しかしながらこの方法も、シクロデキストリン誘導体を合成し、更に重合反応をさせるという複雑な工程が必要であり、合成に手間がかかり効率が悪い。さらに、得られたポリマーが繊維化可能かどうかや成型後に十分な包接能を有するかどうかは不明である。

0012

以上のように、繊維全体に包接能を付与するためには、アミロースのような包接能力を持つ高分子物質を繊維全体に含有させることが必要となる。しかしながら、繊維に含有させることによるアミロースの包接能の喪失や、アミロースを含有させることによる繊維の物性の変化など、解決するべき課題が多くあった。

0013

機能性成分にアミロースを用いる場合、天然のアミロースを特許文献5から8に記載されるのと同様の方法でレーヨン中に添加しようとしても、レーヨン製造時のアルカリ条件では天然アミロースが完全には溶解しない。その結果、レーヨン製造時にノズル目詰まりなどが発生し、アミロース含有レーヨンを作ることができなかった。

0014

一方、ヨウ素の製造方法に関して、かん水等からヨウ素を得る方法としては、ヨウ化物イオンヨウ素化合物などを化学反応等でヨウ素分子にした後空気中に気化させて追い出し吸収液に吸収させて回収するブローイングアウト法;ヨウ素を活性炭吸着し、回収する活性炭吸着法;ヨウ素を銅または銀と反応させてヨウ化銅またはヨウ化銀沈殿として回収する銅法および銀法;およびヨウ化物イオンをヨウ素分子またはポリヨウ化物イオンにした後、ヨウ素分子またはポリヨウ化物イオンをイオン交換樹脂で吸着し、回収するイオン交換樹脂吸着法等が知られている。

0015

このうち、ブローイングアウト法およびイオン交換樹脂吸着法が主に利用されている。しかし、ブローイングアウト法はヨウ素の採取率が80〜90%であり、ヨウ素採取後のかん水中に、アンモニア臭素等の溶解物と共にヨウ素が低濃度ながら残存してしまうという問題があった。イオン交換樹脂吸着法では、樹脂からヨウ化物イオンを脱離する際に大量のアルカリを必要とするため、樹脂の劣化が起こるという問題があった。さらに、これらの従来知られている方法は、いずれも複雑な工程が必要となるという問題があった。従って、簡便な工程からなり、かん水から100%近くヨウ素を吸着でき、さらに吸着したヨウ素を回収して工業的に利用できる、ヨウ素の吸着および回収方法の提供が望まれていた。

0016

ヨウ素を安定に保持できる物質としてこれまで、例えばアミロース粉末(特許文献4)及びCDポリマー(特許文献9)が開示されている。

0017

ヨウ素はアミロースに包接されることが知られている(例えば、特許文献4)。しかしながら、粉末状態のアミロースにヨウ素を包接させたものは、水溶液中でヨウ素が遊離してしまい、かん水からのヨウ素回収目的には利用できなかった。

0018

さらに、アミロース粉末にヨウ素を安定に包接させて保持するためにはハロゲン化金属が必要である。このハロゲン化金属はアミロース粉末から容易に脱落する。そのため、ヨウ素を保持させたアミロース粉末を成型物で使用した際、ハロゲン化金属が脱落することによるヨウ素の保持安定性の低下が問題となる。

0019

このヨウ素吸着材料として、特許文献9には、CDポリマーを利用する方法が開示されている。しかし、CDポリマーは吸着容量が低い、イオン交換樹脂に比べ高価であるなどの問題がある。さらに、CDポリマーでは三ヨウ化物イオン(I3−)の形でしかヨウ素を保持できない。ヨウ素の抗菌力酸化力などの性質はヨウ素分子(I2)の形態で発揮される。そのため、CDポリマーでは全ヨウ素に占めるヨウ素分子(I2)の割合が2/3と低く、結果として効果のあるヨウ素(I2)の保持量が少なくなるという問題、及び保持安定性が劣るという問題がある。さらに、ヨウ素分子を保持した物質は、その抗菌性及び酸化力を発揮させることを目的として、例えば使い捨てマスクなど、高湿度環境での使用が想定される。なお、英語ではマスクをface maskまたはhospital maskという。しかしながら、従来のCD包接物加湿によりヨウ素分子を放出すると言われており、ヨウ素分子の吸入によるヒトへの安全性の問題も危惧される。

0020

このように、ハロゲン化金属を添加することなく、ヨウ素分子またはポリヨウ化物イオンの状態でヨウ素を保持できる成型物が求められていた。さらに、高湿度環境下でもヨウ素を安定に保持している成型物が求められていた。

0021

特表2004−526463号公報
国際公開第2006/082968号パンフレット
国際公開第02/006507号パンフレット
特開2008−37833号公報
特開平8−92820号公報
特開2004−162245号公報
特開2001−98412号公報
特開平7−173711号公報
特開2008−93545号公報
特開2005−503476号公報
特開平08−100027号公報

先行技術

0022

Journal of Inclusion Phenomena and Macrocyclic Chemistry、25巻、197〜202ページ、1996年

発明が解決しようとする課題

0023

本発明は、上記問題点の解決を意図するものである。

課題を解決するための手段

0024

本発明は、アミロースの包接機能が付与された繊維を開発することを目的とし、より詳細にはアミロースの包接機能が付与された機能性レーヨン繊維を開発することを目的とする。本発明の機能性レーヨン繊維は、アミロースの包接機能が付与されたこと以外には、レーヨン繊維の物性を大きく変えることなく、アミロースを安定に保持しており、洗濯などの操作においてもアミロースは実質的に溶出せず、繰り返し使用に耐えることができる。さらに本発明の機能性レーヨン繊維は、包接機能を発揮できる状態でアミロースを含有しているので、様々なゲスト物質と接触させてアミロースに包接させることにより、繊維に追加機能を付与することができる。さらに、本発明の機能性レーヨン繊維により、かん水から効率よくヨウ素を回収することが可能となる。さらにまた、本発明の機能性レーヨン繊維は、ハロゲン化金属の有無に関わらず、ヨウ素またはポリヨウ化物イオンを安定に保持することができる。

0025

本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、アミロースの包接機能が付与された繊維を得るためには、レーヨンが最も適していることを見出した。レーヨン繊維の製造過程において、アルカリ溶解した酵素合成アミロースをビスコースと混合し、混合物中に分散させてからこの混合物を繊維化することにより、アミロースが実質的に溶出せず、かつ包接作用を発揮できる状態でアミロースをレーヨン繊維中に分散したアミロース含有レーヨン繊維を製造できることを見出し、これに基づいて本発明を完成させた。得られた繊維は、アミロースの包接機能が付与されたこと以外には、もとのレーヨン繊維の物性をほとんど変えることがなかった。特に、平均分子量約3×104以上約2×105以下の完全直鎖状アミロースを使用することにより、アミロースを包接力を持った状態でレーヨン繊維に含有させることが可能である。さらに、本発明のアミロース含有レーヨン繊維においてはアミロースが安定して保持されるため、本発明のアミロース含有レーヨン繊維は、繰り返し使用に耐えうるという顕著な効果を有する。さらに本発明のレーヨン繊維を有機溶媒を含む水溶液中で加熱処理することにより、レーヨン中のアミロースの包接機能をさらに上昇させることが可能となる。このように、本発明者らは、従来になく優れた特性を有する機能性レーヨン繊維およびその製造方法を開発することにより本発明を完成させた。

0026

本発明により、例えば以下が提供される:
項目1)アミロース含有レーヨン繊維の製造方法であって、
アミロースのアルカリ水溶液とビスコースとを混合して混合液を得る工程;
該混合液を紡糸してアミロース含有レーヨン繊維を得る工程;および
該アミロース含有レーヨン繊維をヨウ素またはポリヨウ化物イオンと接触させて該ヨウ素またはポリヨウ化物イオンを該アミロース含有レーヨン繊維のアミロース中に包接させる工程を包含し、
該アミロースは、重量平均分子量が約3×104以上約2×105以下の酵素合成アミロースである、方法。

0027

(項目2) 前記アミロース含有レーヨン繊維が、前記ヨウ素またはポリヨウ化物イオンと接触させる前に、加熱冷却処理される、項目1に記載の方法。

0028

(項目3) 前記アミロース含有レーヨン繊維が、前記ヨウ素またはポリヨウ化物イオンと接触させる前に、アルカリ処理される、項目1または2に記載の方法。

0029

(項目4) 前記酵素合成アミロースが、α−1,6−グルコシド結合を含まないアミロースである、項目1〜3のいずれか1項に記載の方法。

0030

(項目5) 前記酵素合成アミロースの分散度が約3.0以下である、項目1〜4のいずれか1項に記載の方法。

0031

(項目6) 前記アミロース含有レーヨン繊維中の前記アミロースの含有量が約0.01重量%以上約50重量%以下である、項目1〜5のいずれか1項に記載の方法。

0032

(項目7)アミロース含有レーヨン繊維であって、該レーヨン繊維中のアミロースは、洗浄により実質的に溶出せず、かつ包接作用を発揮できる状態で該レーヨン繊維中に分散しており、該アミロースは、重量平均分子量が約3×104以上約2×105以下の酵素合成アミロースであり、該アミロースは、ヨウ素またはポリヨウ化物イオンを包接している、アミロース含有レーヨン繊維。

0033

(項目8)アミロースの含有量が約0.01重量%以上約50重量%以下である、項目7に記載のアミロース含有レーヨン繊維。

0034

(項目9) 前記酵素合成アミロースが、α−1,6−グルコシド結合を含まないアミロースである、項目7または8に記載のアミロース含有レーヨン繊維。

0035

(項目10) 前記酵素合成アミロースの分散度が約3.0以下である、項目7〜9のいずれか1項に記載のアミロース含有レーヨン繊維。

0036

(項目11)ハロゲン化金属の含有量が、ヨウ素分子(I2)の含有量の0.1倍モル以下である、項目7〜10のいずれか1項に記載のアミロース含有レーヨン繊維。

0037

(項目12) 項目7〜11のいずれか1項に記載のアミロース含有レーヨン繊維を含む、消臭用製品

0038

(項目13) 項目7〜11のいずれか1項に記載のアミロース含有レーヨン繊維を含む、殺菌用製品

0039

(項目14)ヨウ素またはポリヨウ化物イオンを濃縮、回収、除去または単離するために、該ヨウ素またはポリヨウ化物イオンを繊維中に捕捉する方法であって、
アミロース含有レーヨン繊維をヨウ素またはポリヨウ化物イオンと接触させて該ヨウ素またはポリヨウ化物イオンを該アミロース含有レーヨン繊維のアミロース中に包接させる工程を包含し、
ここで、該アミロース含有レーヨン繊維は、
アミロースのアルカリ水溶液とビスコースとを混合して混合液を得る工程;および
該混合液を紡糸してアミロース含有レーヨン繊維を得る工程
を含む方法により得られ、
該アミロースは、重量平均分子量が約3×104以上約2×105以下の酵素合成アミロースである、方法。

発明の効果

0040

本発明のアミロース含有レーヨン繊維は、アミロースを安定に保持しており、洗濯などの操作においてもアミロースは溶出せず、繰り返し使用に耐えることができる。さらにアミロース含有レーヨン繊維は、アミロースが包接機能を発揮できる状態で含有しており、様々なゲスト物質を添加することにより、繊維に追加機能を付与することができる。この材料を利用することで、かん水から効率的にヨウ素を回収することができる。さらに、ヨウ素を包接させたアミロース含有レーヨン繊維は、きわめて優れた殺菌機能および消臭機能を発揮する。

図面の簡単な説明

0041

図1は、実施例7で得られたヨウ素包接アミロース含有レーヨン不織布のヨウ素量を経時的に調べた結果を示すグラフである。縦軸相対強度を示し、横軸日数(日)を示す。
図2は、実施例8で使用した装置の模式図である。この装置の長手方向軸での断面図を示す。ホルダー101およびホルダー103は円筒形であり、ホルダー101とホルダー103との間に試験品102が挟まれる。矢印はインフルエンザウイルス溶液の経路を示す。噴霧されたインフルエンザ溶液はホルダー101、試験品102およびホルダー103を通り、ゼラチンフィルター104で捕集される。
図3は、ヨウ素包接アミロース含有レーヨン不織布中のヨウ素残存量経時変化を示すグラフである。
図4は、ヨウ素包接アミロース含有レーヨン不織布によるインフルエンザウイルスAの不活化を示すグラフである。黒丸は実施例19の結果を示し、白四角は実施例20−1の結果を示し、白三角は実施例20−2の結果を示し、白丸は実施例20−3の結果を示す。

0042

以下、本発明を詳細に説明する。

0043

(1.材料)
(1.1)アミロース
「アミロース」とは、本明細書中で用いられる場合、D−グルコースを構成単位とする糖であって、主にα−1,4−グルコシド結合によって連結された糖単位を少なくとも2糖単位以上有する実質的に直鎖状の多糖をいう。本発明で使用されるアミロース分子においては、好ましくは、α−1,4−グルコシド結合によってのみ糖単位の間が連結されている。「直鎖状」とは、分岐がないことをいう。分岐は、例えば1つのグルコース残基の1位、4位および6位の3箇所にグルコース残基が連結した構造により形成される。「実質的に直鎖状」とは、完全に直鎖状のものと少数の分岐を含む直鎖状のものとを包含する。分岐の数は、グルコース残基10000個あたり約100個以下が好ましく、約50個以下がより好ましく、約10個以下がより好ましく、約1個以下が特に好ましく、0個であることが最も好ましい。アミロースは、直鎖状α−グルカンおよびα−1,4−グルカンと同義語である。直鎖状アミロースのうち、分岐が全くないアミロースを完全直鎖状アミロースという。

0044

アミロースは比較的少ないα−1,6−グルコシド結合を含んでもよい。本発明で用いられるアミロースでは、α−1,6−グルコシド結合の数を1としたときのα−1,4−グルコシド結合の数が、好ましくは約100以上であり、より好ましくは約200以上であり、さらに好ましくは約300以上であり、特に好ましくは約400以上であり、最も好ましくは約500以上である。本発明で用いられるアミロースでは、好ましくは、α−1,6−グルコシド結合の数を1としたときのα−1,4−グルコシド結合の数に特に上限はなく、例えば、約15000以下、約10000以下、約5000以下、約4000以下、約3000以下、約2000以下、約1000以下、約500以下、約400以下、約300以下などであり得る。

0045

本発明で使用されるアミロースの分散度は、好ましくは3.0以下である。高分子化合物は、タンパク質のような特別の場合を除き、その由来が天然または非天然のいずれかであるかに関わらず、その分子量は単一ではなく、ある程度の幅を持っている。そのため、高分子化合物の分子量の分散程度を示すために、高分子化学の分野では通常、分散度Mw/Mnが用いられている。分散度Mw/Mnは、重量平均分子量Mwに対する数平均分子量Mnの比(すなわち、Mw÷Mn)で表わされる。分散度は、その高分子化合物の分子量分布幅広さの指標である。分子量が完全に単一な高分子化合物であればMw/Mnは1であり、分子量分布が広がるにつれてMw/Mnは1よりも大きな値になる。

0046

本発明で使用されるアミロースの分散度は、さらに好ましくは約2.8以下であり、より好ましくは約2.5以下であり、さらにより好ましくは約2.3以下であり、さらにより好ましくは約2.0以下であり、さらにより好ましくは約1.5以下であり、最も好ましくは約1.2以下である。

0047

1分子のα−1,4−グルカンに含まれる糖単位の数を、重合度という。本明細書中で「重合度」という用語は、特に断りのない限り重量平均重合度を指す。α−1,4−グルカンの場合、重量平均重合度は、重量平均分子量を162で割ることによって算出される。本明細書中で「平均分子量」という場合、特に断りのない限り重量平均分子量を指す。

0048

天然澱粉は通常、アミロース(グルコースが直鎖状に結合した構造のポリマー)とアミロペクチン(アミロースに枝別れが生じた房状のポリマー)の両方の混合体からなる。天然澱粉に含まれるアミロースは、通常、分子量分布(Mw/Mn)が3.0よりも広く、(i)結晶化しやすい低分子量アミロース、(ii)水に溶解しやすい高分子量体、(iii)その中間の分子量のゲル化し易いアミロースが混在するため、相互に他の分子量領域の優れたアミロース特性を阻害し合う。さらに、天然のアミロースはわずかに分岐を含むことが多い。これらが原因となり、天然澱粉から単離したアミロースを使用した場合、得られる製品の特性も劣ったものとなる。また、分子量の大きいアミロースを使用して高濃度のアルカリ溶液を調製するとアルカリ溶液の粘度が上昇することになるため、このアルカリ溶液は、繊維の作製などにおける加工特性が劣る。そのため、天然のアミロースは好ましくない。すなわち、天然のアミロース以外のアミロースが本発明に好ましく使用される。

0049

本発明で使用されるアミロースは、好ましくは酵素合成アミロースである。酵素合成アミロースとは、プライマーに対して酵素を利用して糖単位を連結することによって得られるアミロースをいう。本発明で用いられる酵素合成アミロースは、当該分野で公知の任意の酵素合成方法によって作製され得る。このような酵素合成法の例としては、グルカンホスホリラーゼを用いる方法が挙げられる。ホスホリラーゼは、加リン酸分解反応を触媒する酵素である。本発明で使用され得るアミロースの酵素合成法の例としては、以下が挙げられる:
(1)α−グルカンホスホリラーゼ(Glucan phosphorylase:GP)(例えば、馬鈴薯由来)により、α−グルコース−1−リン酸(alpha−glucose−1−phosphate)のグルコシル基をプライマーであるマルトヘプタオースなどに転移することによりα−1,4−グルカン鎖を合成する方法;
(2)プライマー、スクロースおよび無機リン酸またはグルコース−1−リン酸を基質として、スクロースホスホリラーゼおよびグルカンホスホリラーゼを同時に作用させてα−1,4−グルカン鎖を合成する方法(以下、SP−GP法という)(Waldmann,H.ら,Carbohydrate Research,157(1986)c4−c7;WO2002/097107)。この方法は、他の方法よりも安価に直鎖状グルカンを合成し得るという利点を有する;
(3)プライマーおよびスクロースを基質として使用して、アミロスクラーゼを作用させることによりα−1,4−グルカン鎖を合成する方法。

0050

酵素合成アミロースの製造において使用される「プライマー」とは、α−1,4グルカン鎖の合成において出発物質として作用する糖鎖分子をいう。プライマーの例としては、α−グルカンホスホリラーゼによって糖単位が付加され得る任意の糖が挙げられる。プライマーの例としては、マルトオリゴ糖が挙げられる。

0051

酵素合成アミロースの製造方法は、例えば、特表2004−526463号公報に記載される。酵素合成アミロースは、分岐を含まず、分散度が小さい、すなわち、分子量が揃っているという利点がある。

0052

本発明で使用されるアミロースの平均分子量(重量平均分子量)は、レーヨンに含有された状態で包接力を持つという性質を実現するため、好ましくは約3×104以上であり、さらに好ましくは約4×104以上であり、特に好ましくは約4.5×104以上であり、最も好ましくは約5×104以上である。本発明で使用されるアミロースの平均分子量は、好ましくは約2×105以下であり、より好ましくは約1.5×105以下であり、最も好ましくは約1.2×105以下である。

0053

アミロースの平均分子量が小さすぎると、アミロースの包接力がレーヨン中で十分に発揮されないという問題がある。アミロースの平均分子量が大きすぎると、レーヨン中にうまく組み込まれなかったり、アミロースの包接力が損なわれたり、ビスコースの濾過性が悪くなってレーヨン繊維の製造を安定して行いにくくなったりする場合がある。

0054

酵素合成アミロースの平均分子量は、酵素合成に用いるスクロースの濃度とプライマーの濃度との比率を変更することにより調整され得る。スクロースの濃度が一定の場合、プライマーの濃度が低いほど、得られるアミロースの平均分子量が大きくなる。当業者は、特許文献1および本願の合成例を読めば、目的の分子量のアミロースを容易に合成し得る。

0055

(1.2)レーヨン繊維原料
レーヨン繊維原料としては、当該分野で公知の任意のビスコースが使用され得る。ビスコースは、当該分野で公知の方法によって製造され得る。例えば、亜硫酸パルプを17〜18%の苛性ソーダ液に浸漬する。パルプアルカリ繊維素となって容積が4〜5倍に膨張する。これを圧搾して過剰のアルカリを搾り取り、粉砕機に入れて粉砕してかき混ぜる。これを老成させ、二硫化炭素と反応させてザンテートを形成する。ザンテートに希薄苛性ソーダ溶液を加え、液体状にしたものをビスコースという。

0056

(1.3)包接される物質
本願発明ではアミロースに包接される物質(ゲスト物質ともいう)は、アミロースに包接され得る物質であれば、任意の物質であり得る。ゲスト物質は、分子、化合物、原子、イオンなどであり得る。特定の実施形態では、ゲスト物質は、ヨウ素またはポリヨウ化物イオンである。ヨウ素またはポリヨウ化物イオン以外の物質を同時に包接していてもよい。

0057

ゲスト物質の例としては、(a)殺菌剤および抗菌剤;(b)防虫成分;(c)におい成分;(d)安定化されるべき成分;(e)徐放成分;(f)紫外線吸収物質;(g)化粧品成分;(h)着色料または染料;(i)消臭成分;(j)防カビ成分などが挙げられる。

0058

(a)殺菌剤および抗菌剤の例としては、例えば、ヨウ素、ポリヨウ化物イオン(例えば、三ヨウ化物イオン)、ペニシリンアンピシリンアモキシシリンセファロスポリンテトラサイクリンオキシテトラサイクリンクロルテトラサイクリンメチシリンコリスチンメタンスルホン酸ナトリウムカルベニシリンナトリウムゲンタマイシンエリスロマイシンアジスロマイシンロキシスロマイシンクラリスロマイシンテリスロマイシンジョサマイシンスピラマイシンロイコマイシンミデカマイシンロキタマイシン、ミデカマイシン、トブラマイシンカナマイシンセフロキシムナトリウムメロペネムネチルマイシンシソマイシンセフチブテン、トブラマイシン、ドキソルビシンアストロマイシン、セフェタメトピボキシルナリジクス酸ピロミド酸ピペミド酸シノキサンノルフロキサシンオフロキサシンエノキサシンシプロフロキサシントシル酸トスフロキサシンロメフロキサシンスパルフロキサシンフレロキサシンレボフロキサシンガチフロキサシンプルリフロサシン、バンコマイシンクロラムフェニコールおよびそれらの塩等の抗微生物薬メチルパラベンエチルパラベンプロピルパラベンブチルパラベンベンジルパラベンなどのパラベン類アルキルジメチルベンザルコニウム、アルキルジメチルベンゼトニウムジアルキルジメチルアンモニウム、ポリドロニウムなどの第4級アンモニウム及びその塩などのカチオン性殺菌剤セチルピリジニウム等のアルキルピリジニウム及びその塩;クロルヘキシジン等のビグアナイド系化合物及びその塩;アルキルジアミノエチルグリシンアルキルポリアミノエチルグリシンなどのアルキル側鎖を有する両性界面活性剤トリクロサングルタールアルデヒド、ポリヘキサメチレンアニドなどの非イオン性の殺菌剤;4,5−ジクロロ−2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンなどのイソチアゾリン系化合物メチル2−ベンゾイミダゾールカーバメイト、2−(4−チアゾリル)−ベンゾイミダゾールなどのイミダゾール系化合物;例えば、3−ヨード−2−プロピニル−ブチル−カーバメイト、ジヨードメチル−p−トリルスルホン、p−クロロフェニル−3−ヨードプロパギルホルマール、2,3,3−トリヨードアリルアルコールなどの有機ヨウ素系化合物;3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドなどのチオフェン系化合物;1−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−1,3−ジオキサン−2イル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール、(±)−α[2−(4−クロロフェニル)エチル]−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−(1)−エタノール、(±)−1−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−プロピル−1,3−ジオキサン−2イルメチル]−1H−1,2,4−トリアゾールなどのトリアゾール系化合物;3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレアなどの尿素系化合物;2−メチルチオ−4−tert−ブチルアミノ−6−シクロプロピニルアミノ−s−トリアジンなどのトリアジン系化合物;3−ベンゾ[b]チエン−2−イル−5,6−ジヒドロ−1,4,2−オキサチアジン−4−オキサイドなどのオキサチアジン系化合物;2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール、2−ブロモ2−ニトロプロパン−1,3−ジオールなどのアルコール系化合物などが挙げられる。

0060

(c)におい成分の例としては、例えば、芳香成分および悪臭成分が挙げられる。

0061

芳香成分の例としては、例えば、麝香霊猫香、竜延香、アビエス油、アクジョン油、アルモンド油アンゲリカルート油、ページル油、ベルガモット油パーチ油、ボアローズ油、カヤブチ油、ガナンガ油、カプシカム油、キャラウェー油、カルダモン油、カシア油、セロリー油、シナモン油、シトロネラ油コニャック油コリアンダー油、クミン油樟脳油、ジル油、エストゴラン油、ユーカリ油フェンネル油、ガーリック油ジンジャー油グレープフルーツ油ホップ油レモン油レモングラス油ナツメグ油マンダリン油ハッカ油オレンジ油セージ油スターアニス油、テレピン油、樹脂等の天然香料リナロールゲラニオールネロールシトロネロールヒドロキシシトロネロール、メントールボルネオールベンジルアルコールアニスアルコール、β−フェネチルアルコールn−オクチルアルコール、n−オクチノール、n−ノニルアルコールn−デシルアルコール、n−ウンデシルアルコール、n−ウンデシレンアルコール、ジュオデシルアルコールテトラヒドロリナロール、テルピネオールイソプレゴール、ボルネオール、イソボルネオールファルネソールネロリドールカンタロール、γ−フェニルプロピルアルコールシンナミックアルコールメチルフェニルカルビノールジメチルフェニルカルビノールジメチルベンジルカルビノール、β−フェニルエチルジメチルカルビノール、β−フェニルエチルメチルエチルカルビノールフェノキシエチルアルコール等のアルコール系香料アニソールジフェニルオキシドジベンジルエーテルグアヤコールジメチルヒドロキノンp−クレゾールメチルエーテルアネトールオイゲノールイソオイゲノールメチルオイゲノール、メチルイソオイゲノール、ベンジルイソオイゲノール等のエーテル系香料;n−ブチルアルデヒドイソブチルアルデヒドヘキシルアルデヒド、n−ヘプチルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒドn−デシルアルデヒド、n−ウンデシルアルデヒド、ウンデシレンアルデヒド、メチルノニルアセトアルデヒドトリデシルアルデヒド、テトラデシルアルデヒド、ヘキサデシルアルデヒド、ウンデカラクトンメチルフェニルグリシド酸エチル、γ−ノニルラクトン、シトラールシトロネラールヒドロキシシトロネラールベンズアルデヒド、p−トリルアルデヒド、クミンアルデヒドフェニルアセトアルデヒド、p−トリルアセトアルデヒド、フェニルプロピルアルデヒドシンナミックアルデヒド、α−アミルシンナミックアルデヒド、p−イソプロピル−α−メチルヒドロシンミックアルデヒド、サリチルアルデヒドアニスアルデヒドヘリオトロピンバニリンエチルバニリンノナナールペラルゴンアルデヒド)等のアルデヒド系香料メチル−n−アミルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、メチル−n−ノニルケトン、エチル−n−アミルケトン、メチルヘプテン、ジアセチルカルボンメントンプレゴン、ピペリトン、樟脳、アセトフェノン、p−メチルアセトフェノンベンゾフェノンベンジリデンアセトン、メチルナフチルケトン、イオノン、メチルイオノン、イロンジャスモンムスコンシベトンエキザルトンγ−ブチロラクトンクマリン等のケトン系香料蟻酸エステル酢酸エステル(例えば、酢酸リナリル)、プロピオン酸エステル酪酸エステル吉草酸エステル乳酸エステル、ヘプチル酸エステルヘプテンカルボン酸エステルオクテンカルボン酸エステル、ラウリン酸エステルミリスチン酸エステル安息香酸エステルフェニル酢酸エステル桂皮酸エステルフタル酸エステルサリチル酸エステルアニス酸エステル、アンスラニル酸エステル、メチルアンスラニル酸エステル、菊酸エステル等のエステル系香料エチレンアセチレンピネンリモネンカンフェンフェランドレンテルピノレンカジネンカリオフィレン、p−シモールシネオールアンブレットリド、エキザルトリド、ジフェニルエタン安息香酸桂皮酸フェニル酢酸などが挙げられる。

0062

悪臭物質の例としては、例えば、ノナン酸(例えば、ペラルゴン酸)、乳酸酢酸プロピオン酸、n−酪酸、iso−酪酸、n−吉草酸、iso−吉草酸、カプロン酸カプリル酸カプリン酸ミオレイン酸、アクリル酸メタアクリル酸等のカルボン酸;アンモニア、メチルアミンエチルアミンn−プロピルアミンn−ブチルアミン、n−アリルアミンジメチルアミンジエチルアミントリメチルアミントリエチルアミンエチレンジアミンピリジンインドールスカトール等の窒素化合物エチルエーテル、iso−プロピルエーテル等のエーテル類メチルメルカプタンエチルメルカプタンn−プロピルメルカプタン、iso−プロピルメルカプタンn−ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、2‐プロペン‐1‐チオールジメチルサルファイドジエチルサルファイド、ジ−n−プロピルサルファイド、ジ−iso−プロピルサルファイド、硫化アリルジメチルジサルファイド、ジエチルジサルファイド、エチルメチルサルファイド、テトラハイドロチオフェン等の硫黄化合物;アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、iso−ブチルアルデヒドフルフラール、ベンズアルデヒド、2−ノネナール等のアルデヒド類;iso−プロピルアルコールn−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコールn−アミルアルコール、iso−アミルアルコールn−ヘキシルアルコールオクチルアルコールラウリルアルコールアリルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートエチレングリコールモノブチルエーテルエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートジエチレングリコールモノメチルエーテルジエチレングリコールモノエチルエーテルジエチレングリコールモノブチルエーテル等のアルコール類酢酸ブチル、酢酸iso−アミル、酢酸ベンジル酢酸エチルアクリル酸メチルアクリル酸エチルアクリル酸ブチル、アクリル酸ジオクチル等のエーテル類;トリクロロエチレンテトラクロロエチレンパラジクロロベンゼントリクロロエタン等のハロゲン化合物フェノールトリクレゾール、グアヤコール等のフェノール類アセトンメチルエチルケトンジエチルケトン、n−ジプロピルケトン、n−ジプロピルケトン、メチルn−ブチルケトン、メチルiso−ブチルケトン、ジアセチール等のケトン類キシレントリメチルベンゼンエチルベンゼン、iso−プロピルベンゼンスチレンナフタレンイソプレン、α−ピネン、イソホロン、などが挙げられる。

0063

(d)安定化されるべき成分の例としては、例えば、ヨウ素、ポリヨウ化物イオン(例えば、三ヨウ化物イオン)、着色料または染料;医薬品の有効成分;ポリフェノールフラボノイドアルカロイド;酸;ビタミン類などの生理機能物質等が挙げられる。

0064

着色料または染料の例は、下記(1.3)の(h)に記載されているとおりである。

0065

医薬品の有効成分の例としては例えば、コルチコイドアンドロゲンエストロゲンプロゲストゲンプロトンポンプ阻害剤5−HTアンタゴニスト交感神経遮断薬交感神経興奮薬抗コリン作動薬トランキライザー抗不安薬解毒薬鎮痛薬カルシウムアンタゴニスト制吐薬下垂体または視床下部ホルモン抗パーキンソン薬抗ヒスタミン薬アンギオテンシンIIアンタゴニストリドカインニトログリセリンニューロキノン拮抗剤非ステロイド性抗リウマチ薬ステロイド強心配糖体抗凝固薬ベンゾジアゼピン誘導体ベンズイミダゾール誘導体ピペリジン誘導体ピペラジン誘導体イミダゾール誘導体トリアゾール誘導体有機硝酸塩プロスタグランジンオリゴヌクレオチドアンチセンス薬、アセチルサリチル酸ジクロフェナックナトリウムイブプロフェンナプロキセンナトリウムヘパリン低分子量ヘパリンアスピリンクマジンデキストランペルサンチングリベンクラミド抗ウイルス薬(例えば、3TC、AZT、ddC、ロビリド(loviride)、インジナビル(indinavir)、ネルフィナビル(nelfinavir)、チビラピン(tivirapine)、リトナビル(ritonavir)、スクナビル(squinavir)、ddlおよびISIS14803)、ルベルゾール(lubeluzole)、アプチガネル(aptiganel)、レマセミド(remacemide)、三硝酸グリセリル二硝酸イソソルビド、5−一硝酸イソソルビド、四硝酸ペンタエリトリトール硝酸アミル、プロスタグランジン、抗癌薬(例えば、ISIS3521およびISIS5132)、アントリプチリンHCl、クロミプラミンHCl、フルオキセチンアモキサピンブトリプチリンHCl、アムホテリシンエコナゾールフルシトシン硝酸ミコナゾール、アモキシシリン、セファクロルセファレキシンフルクロキサシリンナトリウムリンコマイシンHCl、クリンダマイシン等が挙げられる。ポリフェノールの例としては例えば、カテキンタンニンウーロン茶ポリフェノール、クロロゲン酸カカオマスポリフェノール等が挙げられる。フラボノイドの例としては、例えば、アントシアニンヘスペリジンネオヘスペリジンルチンナリンジンケルセチンイソフラボンおよびナリンゲニン等が挙げられる。アルカロイドの例としては、例えば、カプサイシン等が挙げられる。酸の例としては、例えば、酢酸、クエン酸リンゴ酸、乳酸、フマル酸酒石酸アジピン酸等が挙げられる。ビタミン類の例としては、例えば、ビタミンAビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンCビタミンDビタミンEニコチン酸ニコチン酸アミドパントテン酸等が挙げられる。

0066

(e)徐放成分の例としては、例えば、ヨウ素、ポリヨウ化物イオン(例えば、三ヨウ化物イオン)、エタノール、殺菌剤、抗菌剤、防虫成分、防カビ成分、におい成分、消臭成分、化粧品成分、生理機能物質(例えば、医薬品の有効成分;ポリフェノール;フラボノイド;アルカロイド;酸;ビタミン類)が挙げられる。殺菌剤、抗菌剤の例は、上記(1.3)の(a)に記載されているとおりである。防虫成分の例は、上記(1.3)の(b)に記載されているとおりである。防カビ成分の例は、下記(1.3)の(j)に記載されているとおりである。におい成分の例は、上記(1.3)の(c)に記載されているとおりである。消臭成分の例は、下記(1.3)の(i)に記載されているとおりである。化粧品成分の例は、下記(1.3)の(g)に記載されているとおりである。医薬品の有効成分;ポリフェノール;フラボノイド;アルカロイド;酸;ビタミン類の例は、上記(1.3)の(d)に記載されるとおりである。

0067

(f)紫外線吸収物質の例としては、例えば、ノニルフェノールケイヒ酸、ケイヒ酸誘導体(例えば、オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、2−エチルヘキシルp−メトキシシンナメート(パラメトキシケイヒ酸オクチル)、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート(シノキサート)、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシルα−シアノ−β−フェニルシンナメート(オクトクリン)、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート、フェルラ酸及びその誘導体);安息香酸、安息香酸誘導体(例えば、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸モノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシパラアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジエトキシパラアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルパラアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルパラアミノ安息香酸ブチルエステル、およびN,N−ジメチルパラアミノ安息香酸エチルエステル);サリチル酸サリチル酸誘導体(例えば、アミルサリシレートメンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、およびp−イソプロパノールフェニルサリシレート);ベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体;フラボノイド(例えば、アントシアニン、ヘスペリジン、ネオヘスペリジン、ルチン、ナリンジン、ケルセチン、イソフラボンおよびナリンゲニン);2−ヒドロキシベンゾトリアゾール誘導体、2−ヒドロキシベンゾフェノン誘導体(例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(オキシベンゾン−3)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシクロキシベンゾフェノン)、3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン、4−t−ブチルメトキシジベンゾイルメタンオクチルトリアゾンウロカニン酸、1−(3,4−ジメトキシフェニル)−4,4−ジメチル−1,3−ペンタンジオンジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、フェニルベンズイミダソゾールスルホン酸テレフタリリデンカンフルスルホン酸、ドロメトリゾールトリシロキサンアントラニル酸メチル、ウロカニン酸誘導体、ヒダントイン誘導体ジベンゾイルメタン誘導体、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエートサリチル酸フェニル、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエートおよびエチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートが挙げられる。

0068

(g)化粧品成分の例としては、例えば、保湿成分、美白成分抗炎症剤細胞賦活化剤および酸化防止剤が挙げられる。

0069

保湿成分の例としては、例えば、コンドロイチン硫酸ヒアルロン酸アデノシン(adenosin)、グリセリンブチレングリコールヘキシレングリコール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオールヘキサントリオールジプロピレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールプロパンペンタエリスリトール、ヘキシレングリコール、ジグリセリンポリグリセリンジエチレングリコールポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールエチレングリコール・プロピレングリコール共重合体等のポリオール類及びその重合体有機酸(例えば、クエン酸、酒石酸および乳酸);ジエチレングリコールモノエチルエーテル(エトキシジグリコール)、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のグリコールアルキルエーテル類ソルビトールキシリトールエリスリトールマンニトールマルチトール等の糖アルコール類エチルグルコシドメタクリル酸グルコシルエチル重合物ベタイントリメチルグリシン)、プロリンヒドロキシプロリンアルギニンリジンセリングリシンアラニンフェニルアラニンチロシンβ−アラニンスレオニングルタミン酸グルタミンアスパラギンアスパラギン酸システインシスチンメチオニンロイシンイソロイシンバリントリプトファンヒスチジンタウリン等のアミノ酸類コラーゲン分解ペプチド加水分解コラーゲン塩化ヒドロキシプロピルアンモニウム加水分解コラーゲン、エラスチン分解ペプチドケラチン分解ペプチド加水分解ケラチンコンキオリン分解ペプチド、加水分解コンキオリンシルク蛋白分解ペプチド、加水分解シルクラウロイル加水分解シルクナトリウム大豆蛋白分解ペプチド、小麦蛋白分解ペプチド、加水分解小麦蛋白、カゼイン分解ペプチドアシル化ペプチドパルミトイルオリゴペプチドパルミトイルペンタペプチド、パルミトイルテトラペプチド等の蛋白およびペプチド類天然型セラミド(タイプ1、2、3、4、5、6)、ヒドロキシセラミド疑似セラミドスフィンゴ糖脂質、セラミド及び糖セラミド含有エキス等のセラミド類胎盤抽出液、エアラスチン、コラーゲンアロエ抽出物ハマメリス水、ヘチマ水、カモミラエキス、カンゾウエキスコンフリーエキス、シルクエキスイザヨイバラエキス、セイヨウノコギリソウエキスユーカリエキスメリロートエキス等の動物抽出物および植物抽出物などが挙げられる。

0071

抗炎症剤の例としては、例えば、ε−アミノカプロン酸アラントイン塩化リゾチームグアイアズレングリチルリチン酸とその塩、β−グリチルレチン酸ヒドロコルチゾンなどが挙げられる。

0072

細胞賦活化剤の例としては、例えば、デオキシリボ核酸及びその塩、アデノシン三リン酸アデノシン一リン酸などのアデニル酸誘導体及びそれらの塩、リボ核酸及びその塩、サイクリックAMPサイクリックGMPフラビンアデニンヌクレオチドグアニンアデニンシトシンチミンキサンチンカフェイン、テオフェリンおよびそれらの塩等の核酸関連物質;幼血液抽出液、血清除蛋白抽出物、脾臓抽出物、トリ等の卵成分鶏冠抽出物、貝殻抽出物貝肉抽出物、ローヤルゼリーシルクプロテイン及びその分解物又はそれらの誘導体、ヘモグロビン又はその分解物、ラクトフェリン又はその分解物、イカスミ等の軟体動物抽出物、魚肉抽出物等の哺乳類鳥類貝類昆虫類魚類、軟体動物類、甲殻類等の動物由来の抽出物;酵母抽出物乳酸菌抽出物ビフィズス菌抽出物等の発酵代謝産物等の微生物由来の抽出物;レチノール及びその誘導体(パルミチン酸レチノール酢酸レチノール等)、レチナール及びその誘導体、デヒドロレチナールトレチノインカロチン等のカロチノイド等、チアミン類チアミン塩酸塩およびチアミン硫酸塩)、リボフラビン類リボフラビン、酢酸リボフラビン等)、ピリドキシン類塩酸ピリドキシンピリドキシンジオクタノエート等)、フラビンアデニンヌクレオチド、シアノコバラミン葉酸類、ニコチン酸類(ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等)、コリン類等のビタミン類;例えば、アカネ科植物(例えば、アカネ、Uncaria gambir Roxb.(例えば、アセンヤク(Uncaria gambir Roxb.の葉および若枝)))、アカブドウアカメガシワアケビアサアサガオアズキアスパラガスアマチャアマチャヅルアンズイタドリイチジクイチョウ、イブキトラノオ、イランイラン、ウスバサイシンおよびその近縁種(例えば、ケイリンサイシン)(例えば、サイシン(ウスバサイシンまたはケイリンサイシンの根茎を付けた根))、ウツボグサウメウワウルシウンシュウミカンエゾウコギ(例えば、ゴカヒ(エゾウコギの樹皮または根))、エビスグサエンジュエンドウオオムギオオバコオクラ、オグルマおよびその同属植物(例えば、センプクカ(オグルマまたは同属植物の頭花))、オタネニンジンオニグルミオノニス(例えば、Ononis spinosa)、オミナエシオランダイチゴ、オレンジカキカキドオシカシュー(例えば、Anacardium occidentale)、カノコソウカラスウリ、カリンガラナカワラケツメイ(例えば、サンペンズ(カワラケツメイの全草))、キイチゴキウイキキョウキクキササゲギシギシギムネマシルベスタキュウリキンミズヒキグアバクコクズクスノキ科の植物(例えば、クスノキCinnamomum cassia Blume(例えば、ケイヒ(Cinnamomum cassia Blumeまたはその他同属植物の樹皮)))、クララ属植物(例えば、クララ(例えば、クジン(Sophora flavescens Aitonの根)、Sophora subprostrala CHUN et T. CHEN(例えば、サンコン(Sophora subprostrala CHUN et T. CHENの根))))、クリ、クワ類(例えば、マグワ(Morus alba L.)またはその他同属植物(例えば、ソウハクヒ(マグワまたはその他同属植物の根皮)))、ケイケットウ(例えば、Millettia reticulata、Mucuna birdwoodianaなど)、ゲッケイジュコガネバナ(Scutellaria baicalensis Georgi)(例えば、オウゴン(scutellaria root))、ゴショイチゴコショウコーヒーゴマハグサ、コロンボ(Jateorhiza columba、例えば、Jateorhiza columbaの根)、サトウキビサンザシサザンカサンショウサフランサクラザクロ、シオン、シャクヤク、ショウブ、シラユリスギナスイカステビアスモモセイヨウキヅタセイヨウナシセイヨウノコギリソウ、セイヨウネズセイヨウワサビセキショウセリセネガ(およびその近縁種(例えば、ヒロハセネガ))、センナセンブリダイオウ属の植物(例えば、Rheum palmatum、R.tanguticum、R.officanale、R.coreanumおよびそれらの種間雑種(例えば、大黄(Rheum palmatum、R.tanguticum、R.officanale、R.coreanumまたはそれらの種間雑種の根茎)))、ダイダイタマリンドタラノキタンポポチコリチョウジチョウセンゴミシツキミソウ、ツボクサツユクサツルドクダミ(例えば、カシュウ(Polygonum multiflorum Thunb.の塊状根))、ツルナ、テウチグルミ、トウガラシトウガントウキおよびその近縁種(例えば、ホッカイトウキ)、トチュウトロロアオイ、ナズナ、ナツミカンナツメおよびその近縁種(例えば、タイソウ(ナツメまたはその近縁種の実))、ナンテンニガキニンニクニンジン、ノコギリソウ、パイナップルハイビスカスパパイヤバジルハス、ハダカムギ、ハトムギ(例えば、ヨクイニン(ハトムギの種皮を除いた種子))、ハマナス(例えば、マイカイカ(Rosa rugosa flower))、バラ属の植物(例えばノイバラ)(例えば、エイジツ(rose fruit))、ヒオウギピーナツヒキオコシヒシピスチオヒバ、ビャクレン、ビワフキタンポポ、フシノキ、フジバカマブドウ(例えば、ブドウ種子)、ブナノキブルーベリーフローデマニータ、ボウフウホオズキホオノキボケおよびその近縁種(例えば、ボケおよびクサボケ(例えば、モッカ(ボケまたはクサボケの果実)))、ホップ、マイカイ、マオウ属の植物(例えば、フタタマオウ(Ephedra distachya)、シナマオウ(E.sinica)、E.intermedia、E.equisetina(例えば、麻黄(E.sinica、E.intermedia、E.equisetinaの地下茎)))、マンゴーミシマサイコ、ミソハギミツバ、ミモザ、ムラサキナツフジおよびその近縁種(例えば、ケイケットウ(ムラサキナツフジなどのつる))、メハジキ(例えば、ヤクモソウ(メハジキの全草))、メリロートメロン、モクレン、モモモロヘイヤヤクチ(Alpinia oxyphylla)(例えば、益智(Alpinia oxyphyllaの果実))、ヤグルマソウ、ヤシヤシャブシヤドリギヤナギタデ、ヤマゴボウヤマモモユキノシタユズリハ、ヨモギヨロイグサ(例えば、ビャクシン(ヨロイグサの根))、ライムギラカンカ(例えば、羅漢果(Momordicae grosvenori Swingle fruit))、ラン、リュウガンリョクトウ(例えば、リョクトウのモヤシ)、リンゴレタスレモンレンギョウ(Forsythia suspensa Vahl)およびその近縁種(例えば、Forsythia viridissima Lindley)(例えば、生薬レンギョウ(レンギョウまたはForsythia viridissima Lindleyの果実))、ローズマリー海藻大豆(例えば、豆または大豆モヤシ)、、等の植物(または植物材料)由来の抽出物;シイタケヒメマツタケマンネンタケ(例えば、霊芝)、チョレイマイタケ(Polyporus umbellatus Fries)(例えば、チョレイ)、マツホド(例えば、ブクリョウ)等のきのこの抽出物;糖蜜由来の抽出物;ヒノキチオールセファランチン等の植物由来成分;リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、エイコサペンタエン酸及びそれらの誘導体;エストラジオール及びその誘導体並びにそれらの塩;グリコール酸コハク酸、乳酸、サリチル酸等の有機酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩などが挙げられる。

0073

酸化防止剤の例としては、例えば、トコフェロール、ノルジヒドログアヤレチン酸ブチルヒドロキシアニソールジブチルヒドロキシトルエン没食子酸プロピル没食子酸オクチル亜硫酸水素ナトリウムエリソルビン酸エリソルビン酸ナトリウムチオジプロピオン酸ジラウリル、トリルビグアナイド、p−ヒドロキシアニソール、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビルなどが挙げられる。

0074

(h)着色料または染料の例としては、例えば、クチナシ色素ベニバナ色素ウコン色素ベニコウジ色素カロテンアナトー色素パプリカ色素デュナリエラ色素パーム油色素、シタン色素ビートレッドコチニール色素ラック色素シソ色素、アカキャベツ色素アカダイコン色素、ムラサキイモ色素、ムラサキトウモロコシ色素ブドウ果皮色素、ブドウ果汁色素、ブルーベリー色素、エルダーベリー色素、クロロフィルスピルリナ色素カカオ色素、タマリンド色素、カキ色素コウリャン色素炭末色素アカネ色素ボイセンベリー色素、ハイビスカス色素およびタマネギ色素等の食用天然色素;黄色4号、黄色5号、赤色2号、赤色3号、赤色40号、赤色102号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、青色1号、青色2号等の食用合成色素;褐色201号、黒色401号、紫色201号、紫色401号、青色1号、青色201号、青色202号、青色203号、青色204号、青色205号、青色403号、青色404号、緑色201号、緑色202号、緑色204号、緑色205号、緑色3号、緑色401号、緑色402号、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色203号、赤色204号、赤色205号、赤色206号、赤色207号、赤色208号、赤色213号、赤色214号、赤色215号、赤色218号、赤色219号、赤色220号、赤色221号、赤色223号、赤色225号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色231号、赤色232号、赤色401号、赤色404号、赤色405号、赤色501号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色505号、赤色506号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色205号、橙色206号、橙色207号、橙色401号、橙色402号、橙色403号、黄色4号、黄色5号、黄色201号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色205号、黄色401号、黄色402号、黄色403−1号、黄色404号、黄色405号、黄色406号、黄色407号等の非食用合成色素;Acid Red 14等の酸性染料;Arianor Sienna Brown、Arianor Madder Red、Arianor Steel Blue、Arianor Straw Yellow等の塩基染料;HC Yellow 2、HC Yellow 5、HC Red 3、4−ヒドロキシプロピルアミノ−3−ニトロフェノール、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−ニトロ−p−フェニレンジアミン、HC Blue 2、Basic Blue 26等のニトロ染料分散染料表面処理有機顔料アスタキサンチンアリザリン等のアントラキノン類アントシアニジン、β−カロチン、カテナール、カプサンチンカルコンカルサミン、クエルセチンクロシン、クロロフィル、クルクミンコチニールシコニンビキシンフラボン類ベタシアニジンヘナ、ヘモグロビン、リコピン、リボフラビン、ルチン等の天然色素および天然染料;p−フェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、o−,m−,若しくはp−アミノフェノールm−フェニレンジアミン、5−アミノ−2−メチルフェノールレゾルシン1−ナフトール、2,6−ジアミノピリジン等及びその塩等の酸化染料中間体及びカップラーインドリン等の自動酸化型染料;ジヒドロキシアセトンなどが挙げられる。

0075

(i)消臭成分の例としては、例えば、ヨウ素、ポリヨウ化物イオン(例えば、三ヨウ化物イオン)、ワサビ、カラシナ、レンギョウ、ヒイラギクセイ、キリフキツワブキライラックカキノキ、コナラ、ヤマナラシシダコバノトネリ、茶等の植物由来抽出物マッシュルーム等のきのこ由来抽出物;クエン酸,リンゴ酸,アジピン酸,フマル酸,乳酸,グルコン酸マレイン酸およびコハク酸等の有機酸;緑茶フラボノイド、ラウリルメタクリレートゲラニルクロトネート、ミリスチル酸アセトフェノン、パラメチルアセトフェノンベンズアルデヒド、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、アミルシンナミックアルデヒド、アニシックアルデヒド、ジフェニルオキサイド、安息香酸メチル安息香酸エチルフェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、ネオリン、サフロール、セダウッド油、セダ菜油、シトロネラ油、ラバテン油、ペテイグレイン油、レモングラス油、3,4−ヘキサンジオン、2,3−ヘプタンジオン、5−メチル−2,3−ヘキサンジオン、2,3−ペンタンジオン、3−メチルシクロペンタン−1,2−ジオン、3,4−ジメチルシクロペンタン−1,2−ジオン、3,5−ジメチルシクロペンタン−1,2−ジオン、シクロヘキサン−1,2−ジオン、マロン酸ジエチル酒石酸ジエチルマンデル酸ジエチル2−メチル−3−ブテン−2オール銅クロロフィルなどが挙げられる。

0076

(j)防カビ成分の例としては、例えば、ヨウ素、ポリヨウ化物イオン(例えば、三ヨウ化物イオン)、チモール、ヒノキチオール、d−リモネン、チアベンダゾールベンゾイミダゾリルカルバミン酸メチル、α−ブロムシンナミックアルデヒド、パラクロロメタキシレノールオルトフェニルフェノール、N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミド、N−ジクロロフルオロメチルチオ−N’,N’−ジメチル−N−フェニルスルファミド;3 −ヨード−2−プロピニルブチルカーバメイト、3−ブロモ−2,3−ジヨード−2−プロペニルエチルカーボナート、2,3,3−トリヨードアリルアルコール、ヨードプロパルギルアルコール、3−ヨードプロパルギル−4−クロロフェニルオキシメチルエーテル、ジヨードメチル−p−トリルスルホン等の有機ヨウ素化合物などが挙げられる。

0077

(2.アミロース含有レーヨン繊維の製造法
(2.1)アミロースのアルカリ水溶液
本発明の製造法においては、アミロースのアルカリ水溶液が作製される。アルカリ溶液中のアミロースの量は、好ましくは約1重量%以上であり、より好ましくは約5重量%以上であり、さらに好ましくは約10重量%以上であり、最も好ましくは約15重量%以上である。アルカリ溶液中のアミロースの量は、好ましくは約60重量%以下であり、より好ましくは約50重量%以下であり、さらに好ましくは約40重量%以下であり、さらに好ましくは約30重量%以下であり、さらに好ましくは約25重量%以下であり、最も好ましくは約20重量%以下である。アミロース濃度が低すぎると、ビスコースに添加される水量が多くなり、紡糸性が悪くなる場合がある。アミロース濃度が高すぎると、ビスコース中に均一にアミロースを混合しにくくなる場合がある。

0078

アルカリ基剤は、通常のビスコースの製造に使用される任意のアルカリ基剤が用いられ得る。アルカリ基剤は、水に溶解するとアルカリ性を呈する任意の物質である。アルカリ基剤の例としては、水酸化ナトリウム水酸化カリウムリン酸ナトリウムリン酸カリウム炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムが挙げられる。アルカリ基剤は、好ましくは、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムである。なお、実際には水溶液中ではアルカリ基剤は、イオンに解離した状態で存在するが、本明細書中ではこのようにイオンに解離した状態を含めてアルカリ基剤が水溶液中に存在すると記載する。例えば、水酸化ナトリウムは、水溶液中では水酸化物イオンナトリウムイオンとに解離するが、この水溶液中に水酸化ナトリウムが存在すると記載する。

0079

アルカリ基剤は、アルカリ液中で任意の濃度で用いられ得る。アルカリ基材の濃度は、約0.25規定以上約10規定以下の濃度が好ましく、約0.5規定以上約2規定以下の濃度がより好ましい。アルカリ基剤の濃度が低すぎると、アミロースが溶解しない場合がある。アルカリ基剤の濃度が高すぎると、アミロースの溶液が褐変するなどの化学変化をおこす場合がある。

0080

アミロースのアルカリ水溶液は、アミロース粉末を水に分散後、アルカリを添加して攪拌することによって調製され得る。アミロースは非常に結晶化しやすい性質を有しており、アミロース粉末の状態では、アミロース分子間が強く結合している。そのため、アミロース粉末の状態でビスコースと混合してしまうと、アミロース含有レーヨンになったときにアミロースは包接作用を十分に発揮できない状態になりやすい。そのため、本発明においては、アミロースをあらかじめアルカリ水溶液に十分に溶かすことが重要である。アミロース粉末をアルカリ水溶液に溶かすことにより、アミロース分子間の結合がほぐれ、アミロース分子がランダムな構造を有するようになり、アミロース含有レーヨンとなったときにアミロースが包接作用を十分に発揮できる状態になることができる。

0081

(2.2)ビスコース
本発明においては、当該分野で公知の従来のビスコースが用いられ得る。アミロースのアルカリ水溶液と混合することにより希釈されることを考えて濃度が適切に調節されることが好ましい。

0082

(2.3)アミロースのアルカリ水溶液とビスコースとの混合
上記アミロースのアルカリ水溶液とビスコースとは、当該分野で公知の任意の方法によって混合され得る。混合方法は特に限定されない。ビスコース中にアミロースのアルカリ水溶液を添加および混合するための装置としては、インジェクション型またはホモミキサー型の装置を用いて行えばよい。添加および混合の時期についても任意でよく、例えば、ビスコースを脱泡した後でも、脱泡する前に行い添加及び混合後に脱泡してもよい。

0083

アミロースのアルカリ水溶液とビスコースとの混合比率は適切に設定され得る。例えば、得られる混合液中のセルロース成分とアミロースの重量の合計を100重量%としたときに、アミロースの量が約5重量%以上であることが好ましく、約10重量%以上であることがより好ましく、約15重量%以上であることがさらに好ましく、約20重量%以上であることが最も好ましい。例えば、得られる混合液中のセルロース成分とアミロースの重量の合計を100重量%としたときに、アミロースの量が約70重量%以下であることが好ましく、約60重量%以下であることがより好ましく、約50重量%以下であることがさらに好ましく、約40重量%以下であることが最も好ましい。セルロース成分に対するアミロースの量が多いほど包接作用が高くなるため好ましいが、アミロースの量が多すぎると濾過性が悪くなったり、紡糸性に悪影響を与えたり、繊維強度が低下したりする場合がある。

0084

(2.4)紡糸
アミロースを含有するビスコース液は、従来公知の方法で紡糸されてアミロース含有レーヨントウが得られ得る。紡糸後はトウの形態となっているが、トウの形態のまま、あるいはトウを任意の繊維長となるように切断し、その後、従来公知の方法で精練すれば機能性レーヨン繊維が得られる。アミロース含有レーヨントウを後加工時に切断する場合もある。

0085

(2.5)加熱冷却処理
得られたアミロース含有レーヨン繊維は、例えば、その繊維を製造した後に、溶媒中で加熱工程および冷却工程を行うことにより、アミロースの包接力が向上され得る。

0086

使用される溶媒の例としては、水、メタノール、エタノール、プロパノールブタノール、イソプロパノール、アセトン、アセトニトリルプロピオニトリルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、γ−ブチルラクトンプロピレンカーボネートスルホランニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミドジメチルスルホキシドジメチルスルホン、N−メチルピロリドンベンゼン、トルエン、キシレン、塩化メチレンクロロホルムジクロロエタンが挙げられる。

0087

水に有機溶媒を混合した溶液が好ましい。有機溶媒の例としてはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、アセトン、アセトニトリル、プロピオニトリル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、γ−ブチルラクトン、プロピレンカーボネート、スルホラン、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、N−メチルピロリドン、ベンゼン、トルエン、キシレン、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタンが挙げられる。

0088

水に対する有機溶媒の添加量は水10容量部に対し約0.5容量部以上、約1容量部以上、約2容量部以上または約4容量部以上などであり得る。有機溶媒の添加量は、有機溶媒の水への溶解度の上限まで添加することができる。水に対する有機溶媒の添加量は、水10容量部に対し、例えば、約100容量部以下、約95容量部以下、約90容量部以下、約80容量部以下、約60容量部以下、約40容量部以下、約20容量部以下などであり得る。

0089

加熱温度および加熱時間は特に限定されない。加熱温度は例えば、約80℃以上、約90℃以上、約100℃以上、約110℃以上、約120℃以上または約130℃以上などであり得る。加熱温度は、アミロースの状態が変化する以外は特に有害な影響がない温度であれば任意の温度であり得る。加熱温度は、例えば、約200℃以下、約180℃以下、約160℃以下、約140℃以下などであり得る。加熱時間は、例えば、約5分間以上、約10分間以上、約20分間以上、約30分間以上、約40分間以上、約50分間以上、約60分間(1時間)以上、約2時間以上、約3時間以上、約4時間以上、約5時間以上、約6時間以上、約8時間以上、約12時間以上、約24時間以上などであり得る。加熱時間は、例えば、約1ヶ月以下、約1週間以下、約3日間以下、約2日間以下、約1日(24時間)以下、約18時間以下、約16時間以下、約14時間以下、約12時間以下、約10時間以下、約8時間以下、約6時間以下、約5時間以下、約4時間以下、約3時間以下、約2時間以下、約1時間以下、約30分間以下、約20分間以下、約10分間以下などであり得る。

0090

加熱後、アミロース含有レーヨンは、所定の温度(例えば、室温)まで冷却される。この所定の温度は、例えば、約10℃以上、約15℃以上、約20℃以上、約25℃以上などであり得る。この所定の温度は、例えば、約30℃以下、約25℃以下、約20℃以下などであり得る。特定の実施形態では、加熱温度から所定の温度まで冷却するのは、放冷によって行われてもよい。すなわち、アミロース含有レーヨンの周囲温度によって冷却に要する時間が異なる。別の特定の実施形態では、加熱温度から所定の温度まで冷却するのはなるべく短時間であることが好ましい。この実施形態では、冷却に要する時間は、例えば、約10秒間以上、約20秒間以上、約30秒間以上、約1分間以上、約5分間以上などであり得る。短時間に冷却するのが好適な実施形態では、冷却に要する時間は、例えば、約5時間以下、約4時間以下、約3時間以下、約2時間以下、約1時間以下などであり得る。

0091

この加熱工程および冷却工程は、アミロース含有レーヨンの紡糸後、乾燥する前に行ってもよく、あるいは紡糸後乾燥した後に行ってもよい。この加熱冷却処理後、アミロース含有レーヨン繊維は、必要に応じて、常法に従って乾燥され得る。

0092

(2.6)アルカリ処理
得られたアミロース含有レーヨン繊維は、例えば、アルカリで処理した後中和することにより、アミロースの包接力が向上され得る。

0093

アルカリ処理に使用され得るアルカリ基剤は、任意のアルカリ基剤であり得る。アルカリ基剤の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムおよび炭酸カルシウムが挙げられる。アルカリ基剤は、好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸ナトリウムまたは炭酸ナトリウムである。アルカリ基剤はまた、これらアルカリの混合物でもよい。

0094

中和処理に使用され得る酸は、任意の酸であり得る。酸の例としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸炭酸水素酸、過塩素酸などの無機酸;および酢酸、プロピオン酸、乳酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、アスコルビン酸などの有機酸が挙げられる。また、これら酸の混合物でもよい。

0095

アルカリ処理および酸処理は、好ましくは、アルカリ水溶液または酸水溶液の浴にアミロース含有レーヨンを浸漬することによって行われるが、場合によっては、スプレースタンプなどの任意の他の方法によって行われ得る。

0096

アルカリ水溶液の濃度は、アルカリ基剤の種類および濃度によって変動する。アルカリ水溶液の濃度は、好ましくは約1×10−5規定以上であり、より好ましくは約1×10−4規定以上であり、より好ましくは約1×10−3規定以上であり、より好ましくは約1×10−2規定以上であり、さらに好ましくは約1×10−1規定以上である。アルカリ水溶液の濃度は、好ましくは約20規定以下であり、より好ましくは約10規定以下であり、より好ましくは約5規定以下であり、さらに好ましくは約1規定以下である。

0097

酸水溶液の濃度は、酸の種類および濃度によって変動する。酸水溶液の濃度は、好ましくは約1×10−5規定以上であり、より好ましくは約1×10−4規定以上であり、より好ましくは約1×10−3規定以上であり、より好ましくは約1×10−2規定以上であり、さらに好ましくは約1×10−1規定以上である。酸水溶液の濃度は、好ましくは約20規定以下であり、より好ましくは約10規定以下であり、より好ましくは約5規定以下であり、さらに好ましくは約1規定以下である。

0098

アルカリ処理時および酸処理時のアルカリ水溶液または酸水溶液の温度は特に限定されない。アルカリ水溶液または酸水溶液の温度は、例えば、約120℃以下、約110℃以下、約100℃以下、約90℃以下、約80℃以下、約70℃以下、約60℃以下、約50℃以下、約40℃以下などであり得る。アルカリ水溶液または酸水溶液の温度は、例えば、約0℃以上、約5℃以上、約10℃以上、約15℃以上、約20℃以上、約25℃以上、約30℃以上、約35℃以上、約40℃以上、約50℃以上などであり得る。アルカリ処理および酸処理の加熱時間は、それぞれ、例えば、約10分間以上、約20分間以上、約30分間以上、約40分間以上、約50分間以上、約60分間(1時間)以上、約2時間以上、約3時間以上、約4時間以上、約5時間以上、約6時間以上、約8時間以上、約12時間以上、約24時間以上などであり得る。アルカリ処理および酸処理の加熱時間は、例えば、約1ヶ月以下、約1週間以下、約3日間以下、約2日間以下、約1日(24時間)以下、約18時間以下、約16時間以下、約14時間以下、約12時間以下、約10時間以下、約8時間以下、約6時間以下、約5時間以下、約4時間以下、約3時間以下、約2時間以下、約1時間以下、約30分間以下、約20分間以下、約10分間以下などであり得る。

0099

このアルカリ処理は、アミロース含有レーヨンの紡糸後、乾燥する前に行ってもよく、あるいは紡糸後乾燥した後に行ってもよい。このアルカリ処理後、アミロース含有レーヨン繊維は、必要に応じて、常法に従って乾燥され得る。

0100

以上のようにして、十分な包接機能を有する機能性レーヨン繊維を得ることができる。なお、本発明でいうレーヨン繊維とは、ビスコースレーヨン繊維だけではなく、強力レーヨン繊維、高強力レーヨン繊維、ポリノジック繊維、HWM(ハイウエットモジュラス)繊維、キュプラ繊維などの再生セルロース繊維をも含む意味で用いられている。

0101

(3.アミロース含有レーヨン繊維)
本発明のアミロース含有レーヨン繊維は、レーヨン繊維中にアミロースが分散および保持されている。ここで、レーヨン繊維中でアミロースはほぼ均一に分散および保持されていると考えられる。

0102

レーヨン繊維中に分散および保持されているアミロースの量は、アミロース含有レーヨン繊維の製造においてビスコース中のセルロースとアミロースとの混合比を変更することにより、任意に設定され得る。レーヨン繊維中に分散および保持されているアミロースの量は、レーヨン繊維中のセルロースとアミロースの量の合計を100重量%としたときに、好ましくは約1重量%以上であり、より好ましくは約5重量%以上であり、さらに好ましくは約10重量%以上である。レーヨン繊維中に分散および保持されているアミロースの量は、レーヨン繊維中のセルロースとアミロースの量の合計を100重量%としたときに、好ましくは約60重量%以下であり、より好ましくは約50重量%以下であり、より好ましくは約40重量%以下であり、より好ましくは約30重量%以下であり、さらに好ましくは約20重量%以下である。レーヨン繊維中に分散および保持されているアミロースの量が少なすぎると、目的の効果が十分得られない場合がある。レーヨン繊維中に分散および保持されているアミロースの量が多すぎるとビスコースの粘度が上昇し、レーヨン繊維の製造を安定して行いにくくなったり、レーヨン繊維の強度、伸度などの物性が低下したりする場合がある。

0103

アミロース含有レーヨン繊維は、上記(2.5)に記載の通りの加熱冷却処理および(2.6)に記載の通りのアルカリ処理のうちの少なくとも1つが施されることが好ましい。加熱冷却処理またはアルカリ処理を施すことにより、アミロースの包接力が向上し得るからである。

0104

特定の実施形態では、本発明のアミロース含有レーヨンは、第4級アンモニウム塩化合物を含まず、第4級アンモニウム塩化合物によって処理されていない。

0105

本発明のアミロース含有レーヨンは、ゲスト物質を包接していない状態またはゲスト物質を包接した状態のいずれかの状態にある。ゲスト物質を包接していないアミロース含有レーヨンは、アミロースによって包接され得る物質と接触すると、その物質を包接する。ゲスト物質を包接した状態のアミロース含有レーヨンは、通常の包接化合物と同様に、熱、水分などの変化によってゲスト物質を放出し得る。

0106

(3.1)洗浄によりアミロースが実質的に溶出しない
本発明のアミロース含有レーヨン繊維は、洗浄によりアミロースが実質的に溶出しない。本明細書中で使用される場合、用語「洗浄によりアミロースが実質的に溶出しない」とは、洗浄により溶出するアミロースの量がアミロース含有レーヨン繊維中に含まれるアミロースのうちの10重量%以下であることを意味する。アミロース含有レーヨン繊維からのアミロースの溶出しやすさは、以下の条件で決定されることが好ましい:アミロース含有レーヨン繊維を40倍量の洗濯液(0.75mg/mLの洗剤水溶液洗剤として例えば、ライオン株式会社製トップ(24%界面活性剤(アルファスルホ脂肪酸エステルナトリウム、脂肪酸ナトリウムポリオキシエチレンアルキルエーテル)、その他成分としてアルカリ剤炭酸塩)、溶解促進剤、酵素、蛍光増白剤漂白剤含有)に3時間浸漬した後濾過フィルターで12,000×gにて4分間遠心濾過して得られた濾液中のアミロース量を測定し、溶出したアミロースの割合を計算する。

0107

この条件でのアミロースの溶出量は、アミロース含有レーヨン繊維中に含まれるアミロースのうちの約10重量%以下であることが好ましく、約8重量%以下であることがより好ましく、約5重量%以下であることがなおさらに好ましく、約3重量%以下であることが特に好ましく、約1重量%以下であることが最も好ましい。約0.5重量%以下、約0.4重量%以下、約0.3重量%以下、約0.2重量%以下、約0.1重量%以下、約0.05重量%以下、約0.01重量%以下などであることも非常に好ましい。

0108

(3.2)ゲスト物質を包接する能力
本明細書中では、用語「ゲスト物質を包接する能力を有する」とは、アミロースがゲスト物質を包接できる状態にあることをいう。包接とは、分子内包接のほか分子間包接も含む。分子内包接とはアミロース1分子にゲスト物質が包接される現象をいう。分子間包接とは複数のアミロース分子間またはアミロース分子とセルロース分子の間にゲスト物質が包接される現象をいう。

0109

天然および合成のアミロースには、A型、B型V型と呼ばれる3種の結晶形が存在する。天然澱粉より抽出および精製される際の植物の種類、抽出溶媒沈殿剤などの違いにより結晶形が異なる。A型アミロースは、小麦トウモロコシなどの穀類澱粉から得られる。B型アミロースは、馬鈴薯甘藷などの芋類澱粉から得られる。A型アミロースおよびB型アミロースはいずれも、α−1,4−グルカン鎖が平行に2重らせんをとる構造を示す。それに対し、V型アミロースは、天然澱粉にエタノール、ブタノールなどの沈殿剤を加えることによって得られる。V型アミロースは、α−1,4−グルカン鎖が1重らせんをとる構造を示す。粉末状態のアミロースは、A型アミロースおよびB型アミロースの場合、分子内包接力がないが、V型アミロースは分子内包接力を有する。一方、レーヨン繊維中に含有されたアミロースでは、A型アミロースおよびB型アミロースは分子間包接力を有すると考えられ、V型アミロースは分子内包接力および分子間包接力をともに有すると考えられる。

0110

また、非晶質のアミロースも包接力を示し得る。このようなアミロースはゲスト物質が存在すると特定の構造をとり、包接作用を発揮できる状態に変化すると考えられる。

0111

アミロースの結晶形は、当該分野で公知の方法によって決定され得る。例えば、国際公開第2006/082968号パンフレットの記載に従ってX線回折を用いて決定することができる。簡便には、アミロースがノニルフェノールを包接するかどうかを試験することによってアミロースが包接作用を発揮できる状態にあるか否かを決定することができる。包接作用を発揮できる状態にあるアミロースは、機能可能なアミロースとも呼ばれる。

0112

(3.3)アミロースの包接力の測定
本発明のアミロース含有レーヨンの包接力は、ゲスト物質としてノニルフェノールを用いることで測定する。

0113

アミロース含有レーヨン繊維50mgを、濃度100ppmのノニルフェノールを含む50%メタノール水溶液3mLに25℃で3時間浸漬させることにより、アミロース含有レーヨン繊維にノニルフェノールを含浸させる。このアミロース含有レーヨン繊維をカラムにつめ、10%メタノール水溶液5mLで2回洗浄する。包接されたノニルフェノールをメタノール5mLで2回溶出し、溶出液をまとめて回収する。溶出液中のノニルフェノール量をHPLCで定量し、包接されたノニルフェノール量を求める。アミロース含有レーヨンの包接力は以下の式で定義する。

0114

0115

液体クロマトグラフィーの条件は例えば以下のとおり:
カラムとしてTSKgelODS−100Z(TOSOH製)を用い、検出器としてUV検出器SPD−6A(島津製作所製)を用い、送液ポンプとしてLC−6A(島津製作所製)を用いる。カラムを40℃に保ち、溶離液として80%メタノールを流速1.0mL/分で用いて分析する。

0116

10%メタノール水溶液での洗浄において、アミロースを含まないこと以外はアミロース含有レーヨン繊維と同じであるコントロールのレーヨン繊維に吸着したノニルフェノールはすべて溶出される。そこで、コントロールのレーヨン繊維が準備できるときは、以下の方法で包接力を求めることもできる。

0117

アミロース含有レーヨン繊維およびアミロースを含まないコントロールのレーヨン繊維50mgを、濃度100ppmのノニルフェノールを含む50%メタノール水溶液3mLに25℃で3時間浸漬させることにより、各レーヨン繊維にノニルフェノールを含浸させる。レーヨン繊維を浸漬させる前後のこの水溶液中のノニルフェノール濃度を液体クロマトグラフィーで測定する。浸漬前後のノニルフェノールの減少量から、ノニルフェノール吸着率(%)を以下の式で求める。

0118

0119

アミロース含有レーヨンの包接力は、以下の式で定義する。

0120

0121

アミロースはノニルフェノールを包接することはできるが吸着することはできないので、アミロースの包接力をこの式によって計算することができる。

0122

(4.本発明のアミロース含有レーヨンの利用形態
本発明のアミロース含有レーヨン繊維は、種々の形態で利用され得る。本発明のアミロース含有レーヨン繊維は、そのままの綿状で、または単独でもしくは他の繊維と混紡して糸として、または編織物、不織布(紙状の湿式不織布を含む)などの布帛として、衣料カーテン寝具障子紙、壁紙、帽子カーペットソファ表皮材、その他の消臭グッズなどとして好適に用いることができる。本発明のアミロース含有レーヨン繊維は、通常のレーヨン繊維と同じように様々な2次加工品に利用できる。このような2次加工品には、綿(わた)、糸、不織布、布、紙などがある。アミロース含有レーヨン繊維からこれらの二次加工品を製造する方法は当該分野で公知である。例えば、アミロース含有レーヨン繊維から紙を製造する場合には、短い繊維に切断したアミロース含有レーヨン繊維を通常の紙の原料と混合して、または短いアミロース含有レーヨン繊維を単独で抄紙することにより、アミロース含有レーヨン繊維から紙が製造され得る。さらにこれら2次加工品をさらに高度に加工した、衣類、ファブリックフィルター化粧品用加工品医療用品日用品、包装用品生理用品などの衛生材料などの製品にも利用できる。ファブリックとは、生地織物などを使用した製品のことであり、インテリア産業では、生地および織物の総称から少し広い意味で用いられることが多く、カーテン、テーブルクロス椅子およびソファの張り布地、クッションベッドカバーなど、布を使ったものを全般にさし、布の壁装材をも包含する。

0123

(5.本発明の利用目的
本発明のアミロース含有レーヨン繊維の利用目的は、大きく以下の二つに分類することが出来る。(1)ゲスト物質を包接させずにそのまま利用する方法と、(2)ゲスト物質を包接させた状態で利用する方法である。

0124

(5.1)ゲスト物質を包接させずにそのまま利用する方法
ゲスト物質を包接させずにそのまま利用する方法においては、アミロースが様々な物質を包接する機能を、(A)濃縮(回収)、(B)除去、(C)精製、などの目的に利用することができる。以下、それぞれの利用目的について説明する。

0125

(A)濃縮(回収)目的:
「濃縮」とは、希薄な状態に存在しているターゲット物質を捕集して濃度を上昇させることを意味している。ターゲット物質の例としては、ヨウ素、ポリヨウ化物イオンなどが挙げられる。濃縮目的での具体的な製品例としては、これらのターゲット物質の回収用フィルターおよびカラム(例えば、ヨウ素回収用フィルターおよびカラム)が挙げられる。また、アミロース含有レーヨン繊維をそのまま、混合物を含む容器などに入れ、目的物質を吸着(包接)させた後アミロース含有レーヨン繊維を回収し、それから目的物質を溶出させて回収するというバッチ式使用方法もある。

0126

(B)除去目的:
「除去」とは、ターゲット物質または製品に混入している夾雑物質を捕集して除去することを意味している。除去されるターゲット物質および夾雑物質の例としては、ヨウ素、ポリヨウ化物イオンなどが挙げられる。除去目的での具体的な製品例としては、夾雑物除去フィルター、排気ガス成分除去用フィルター、水浄化用フィルター空気清浄用フィルター、マスク、クリーニング製品パーソナル洗浄製品などが挙げられる。また、アミロース含有レーヨン繊維をそのまま、製品を含む容器などに入れ、夾雑物質を除去するという使用方法もある。

0127

(C)精製目的:
「精製」とは、混合物から特定の物質を精製して純粋な物質にすることを意味している。精製される物質の例としては、ヨウ素、ポリヨウ化物イオンなどが挙げられる。精製目的での具体的な製品例としては、これらのターゲット物質の回収用フィルターおよびカラム(例えば、ヨウ素回収用フィルターおよびカラム)が挙げられる。また、アミロース含有レーヨン繊維をそのまま、混合物を含む容器などに入れ、目的物質を吸着(包接)させた後アミロース含有レーヨン繊維を回収し、それから目的物質を溶出させて回収するというバッチ式の使用方法もある。

0128

(5.2)ゲスト物質を包接させた状態で利用する方法
ゲスト物質を包接させた状態で利用する方法においては、様々なゲスト物質を工夫することにより(D)殺菌または抗菌、(E)防虫または防カビ、(F)付香または消臭、(G)安定化、(H)徐放、(I)紫外線防止、(J)化粧機能の付与、(K)医療用機能の付与、などの目的に利用することができる。以下、それぞれの利用目的について説明する。

0129

(D)殺菌目的または抗菌目的:
「殺菌」とは、微生物を殺すことをいう。「抗菌」とは、微生物の増殖を抑制または阻止することをいう。微生物とは、顕微鏡的大きさ生物をいう。微生物の例としては、細菌、真菌(例えば、酵母)、原生動物ウイルスなどが挙げられる。殺菌または抗菌目的の製品は、その製品表面または製品内部において、微生物を殺したり、増殖できなくしたりすることを目的とする製品である。

0130

この目的のためにアミロース含有レーヨン繊維に包接させるゲスト物質の例は、上記(1.3)の(a)に記載されるとおりである。例えば、ゲスト物質がヨウ素またはポリヨウ化物イオンの場合、アミロース含有レーヨン繊維またはそれを配合した製品(例えば、不織布、編物、織物などの布帛)は、ヨウ素またはポリヨウ化物イオンを合計として好ましくは約0.01重量%以上含み、さらに好ましくは約0.02重量%以上含み、さらにより好ましくは約0.03重量%以上含む。ヨウ素またはポリヨウ化物イオンの合計は例えば、約0.04重量%以上、約0.06重量%以上、約0.08重量%以上、約0.10重量%以上などであり得る。ヨウ素またはポリヨウ化物イオンの合計は、包接され得る限り任意の重量であり得るが、好ましくは約15重量%以下であり、より好ましくは約10重量%以下であり、さらにより好ましくは約5重量%以下であり、さらにより好ましくは約3重量%以下であり、最も好ましくは約1重量%以下である。

0131

殺菌または抗菌目的の具体的な製品例としては、ヨウ素含有マスク、ヨウ素含有作業着、ヨウ素含有タオル衛生用品(マスク、手袋エプロン、帽子、枕カバー座席頭部カバーウェットティッシュふきん中敷、靴の脱臭衣類カバーなど)、壁の中の建材、壁紙、ガーゼ包帯めん棒、寝具(枕カバー、シーツ布団カバーまたは布団の綿など)、インテリア用品(カーテン、障子、ソファカバー玄関マット、クッションの中の綿など)、台所または風呂またはトイレ用品(ウェットティッシュ、便座カバー便座マット浴槽マット、台所マットなど)が挙げられる。

0132

(E)防虫目的または防カビ目的:
「防虫」とは、虫を寄せ付けないことおよび虫がつくのを防ぐことである。「防カビ」とは、カビ繁殖を防ぐことである。この目的のためにアミロース含有レーヨン繊維に包接させるゲスト物質の例としては、防虫剤および防カビ剤が挙げられる。防虫剤の例は、上記(1.3)の(b)に記載されるとおりである。防カビ剤の例は、上記(1.3)の(j)に記載されるとおりである。

0133

具体的な製品例としては、防虫シート、防虫マット、防虫カーテン、防虫服、防カビシート、防カビマット、防カビカーテン、防カビ服などが挙げられる。

0134

(F)付香目的または消臭目的:
「付香」とは、香味成分(香料)を添加して着香することである。「消臭」とは、においを消すことである。

0135

付香目的のためにアミロース含有レーヨン繊維に包接させるゲスト物質の例は、上記(1.3)の(c)に記載されるとおりである。

0136

消臭目的のためにアミロース含有レーヨン繊維に包接させるゲスト物質の例としては、消臭薬剤が挙げられる。消臭薬剤の例は、上記(1.3)の(i)に記載されるとおりである。

0137

付香目的および消臭目的の具体的な製品例としては、衣料品、衛生用品(例えば、マスク、手袋、エプロン、帽子、枕カバー、座席の頭部カバー、ウェットティッシュ、ふきん、靴の中敷、靴の脱臭、衣類カバーなど)、壁の中の建材、壁紙、ガーゼ、包帯、めん棒、寝具(例えば、枕カバー、シーツ、布団カバー、枕または布団の綿など)、インテリア用品(例えば、カーテン、障子、ソファカバー、玄関マット、クッションの中の綿など)、台所または風呂またはトイレ用品(例えば、ウェットティッシュ、便座カバー、便座マット、浴槽マット、台所マットなど)などが挙げられる。

0138

(G)安定化目的:
「安定化」とは、単独では不安定で分解または変性する物質の分解または変性を防止することをいう。単独のままでは不安定な物質を包接することにより、その物質が安定化されて、単独の場合よりも長期に保存され得る。この目的のためにアミロース含有レーヨン繊維に包接させるゲスト物質の例としては、光、紫外線、熱、酸素などにより分解されやすく、アミロースに包接され得る物質が挙げられる。

0139

このようなゲスト物質の例は、上記(1.3)の(d)に記載されるとおりである。

0140

具体的な製品例としては、医療用パッチ色落ちしにくい布製品などが挙げられる。

0141

(H)徐放目的:
「徐放」とは、物質を徐々に放出することである。この目的のためにアミロース含有レーヨン繊維に包接させるゲスト物質の例は、上記(1.3)の(e)に記載されるとおりである。

0142

具体的な製品例としては、衛生用品(マスク、手袋、エプロン、帽子、枕カバー、座席の頭部カバー、ウェットティッシュ、ふきん、靴の中敷、靴の脱臭、衣類カバーなど)、壁の中の建材、壁紙、ガーゼ、包帯、めん棒、寝具(枕カバー、シーツ、布団カバー、枕または布団の綿など)、インテリア用品(カーテン、障子、ソファカバー、玄関マット、クッションの中の綿など)、台所または風呂またはトイレ用品(ウェットティッシュ、便座カバー、便座マット、浴槽マット、台所マットなど)、防虫シート、防虫マット、防虫カーテン、防虫服、防カビシート、防カビマット、防カビカーテン、防カビ服などが挙げられる。

0143

(I)紫外線防止目的:
「紫外線防止」とは、紫外線量を減少させるかなくすことである。この目的のためにアミロース含有レーヨン繊維に包接させるゲスト物質の例としては、紫外線吸収物質(紫外線吸収剤ともいう)が挙げられる。紫外線吸収物質の例は、上記(1.3)の(f)に記載されるとおりである。

0144

具体的な製品例としては、紫外線防止機能付き帽子、紫外線防止機能付き衣類、紫外線防止機能付き、紫外線防止機能付き手袋、紫外線防止機能付きカーテンなどが挙げられる。

0145

(J)化粧機能の付与目的:
「化粧機能の付与」とは、保湿作用、美白作用抗炎症作用血行促進作用抗酸化作用制汗作用清涼作用細胞腑活化作用など、化粧品において通常付与されることが期待される機能をいう。この目的のためにアミロース含有レーヨン繊維に包接させるゲスト物質の例としては、保湿成分、美白成分、抗炎症剤、細胞賦活化剤および酸化防止剤が挙げられる。保湿成分、美白成分、抗炎症剤、細胞賦活化剤および酸化防止剤の例は、上記(1.3)の(g)に記載されるとおりである。

0146

具体的な製品例としては、フェイスマスク湿布、包帯などが挙げられる。

0147

(K)医療用機能の付与目的:
「医療用機能の付与」とは、医療目的の機能を付与することをいう。この目的のためにアミロース含有レーヨン繊維に包接させるゲスト物質の例としては、医薬品の有効成分、ヨウ素および育毛剤が挙げられる。医薬品の有効成分の例は、上記(1.3)の(d)に記載されるとおりである。

0148

具体的な製品例としては、絆創膏、ガーゼ、衣料などが挙げられる。

0149

なお、ここでは、便宜上、目的をいくつかに分けて記載したが、当然、これらのうちのいくつかの目的を兼ねる場合もある。

0150

(6.ヨウ素含有溶液または気体からのヨウ素の濃縮、回収、除去または単離)
本明細書中では、用語「ヨウ素含有溶液」は、ヨウ素またはヨウ化物イオンを含む溶液をいう。ヨウ化物イオンは、一価のヨウ化物イオンであってもよく、ポリヨウ化物イオンであってもよい。ポリヨウ化物イオンは好ましくは三ヨウ化物イオン、五ヨウ化物イオンまたは六ヨウ化物イオンである。ヨウ素含有溶液は、ヨウ素を含有する溶液であれば任意の溶液であり得る。ヨウ素含有溶液の例としては、かん水およびヨウ素含有工場廃液が挙げられる。本明細書中では、用語「かん水(brine)」とは、淡水に比べて塩分濃度の高い水をいう。かん水は例えば、海水をいう。用語「淡水」とは、塩分を含まない水をいう。かん水は、天然ガスを採取する際に付随して得られるかん水であることが好ましい。

0151

1つの実施形態では、本発明の方法は、ヨウ素またはポリヨウ化物イオンを濃縮、回収、除去または単離するために、該ヨウ素またはポリヨウ化物イオンを繊維中に捕捉する方法であって、アミロース含有レーヨン繊維をヨウ素またはポリヨウ化物イオンと接触させて該ヨウ素またはポリヨウ化物イオンを該アミロース含有レーヨン繊維のアミロース中に包接させる工程を包含する。

0152

この方法において、例えば、ヨウ素含有溶液にアミロース含有レーヨン繊維を接触させることにより、ヨウ素含有溶液中に含まれるヨウ素またはポリヨウ化物イオンがアミロース含有レーヨン繊維と接触し、その結果、このヨウ素またはポリヨウ化物イオンがアミロース含有レーヨン繊維のアミロース中に包接される。

0153

アミロース含有レーヨン繊維としては、ゲスト化合物を何も包接していないアミロース含有レーヨン繊維を用いることが好ましい。アミロースレーヨン繊維は、任意の形状で用いられ得る。アミロースレーヨン繊維は、例えば、繊維状、フィルター状、カラムの形状、綿状などの任意の形状で用いられ得る。

0154

アミロース含有レーヨン繊維とヨウ素含有溶液との接触は、任意の方法によって行われ得る。例えば、アミロース含有レーヨン繊維をヨウ素含有溶液に浸漬するか、ヨウ素含有溶液をアミロース含有レーヨン繊維にスプレーするか、またはカラムに充填したアミロース含有レーヨンまたはフィルター状アミロース含有レーヨンにヨウ素含有溶液を通液させることができる。

0155

アミロース含有レーヨン繊維を気体状のヨウ素と接触させることによってアミロースにヨウ素を包接させることもできる。アミロース含有レーヨンを粉末状のヨウ素と接触させながらヨウ素が昇華するに充分な温度に加熱すること(例えば、温めながら容器中でアミロース含有レーヨンとヨウ素とを混合すること)によってもアミロースにヨウ素分子を包接させることもできる。アミロース含有レーヨンにヨウ素を接触させる際には、ハロゲン化金属を使用しないことが好ましい。ハロゲン化金属を使用せずに得られるヨウ素包接アミロース含有レーヨン中のハロゲン化金属の含有量は、ヨウ素分子(I2)の含有量の好ましくは約0.1倍モル以下であり、さらに好ましくは約0.05倍モル以下であり、特に好ましくは約0.01倍モル以下であり、最も好ましくは約0.001倍モル以下である。ハロゲン化金属は例えばヨウ化カリウムである。

0156

アミロース含有レーヨン繊維とヨウ素またはポリヨウ化物イオンとを接触させる時間および温度などは、任意に設定され得る。例えば、ヨウ素含有溶液にアミロース含有レーヨン繊維を浸漬する場合、ヨウ素含有溶液の温度は、例えば、約10℃以上、約15℃以上、約20℃以上、約25℃以上などであり得る。ヨウ素含有溶液にアミロース含有レーヨン繊維を浸漬する場合、ヨウ素含有溶液の温度は、例えば、約40℃以下、約30℃以下、約25℃以下、約20℃以下などであり得る。ヨウ素含有溶液にアミロース含有レーヨン繊維を浸漬する場合、浸漬時間は、例えば、約5分間以上、約10分間以上、約20分間以上、約30分間以上、約40分間以上、約50分間以上、約60分間(1時間)以上、約2時間以上、約3時間以上、約4時間以上、約5時間以上、約6時間以上、約8時間以上、約12時間以上、約24時間以上などであり得る。加熱時間は、例えば、約1週間以下、約3日間以下、約2日間以下、約1日(24時間)以下、約18時間以下、約16時間以下、約14時間以下、約12時間以下、約10時間以下、約8時間以下、約6時間以下、約5時間以下、約4時間以下、約3時間以下、約2時間以下、約1時間以下、約30分間以下、約20分間以下、約10分間以下などであり得る。

0157

包接されたヨウ素またはポリヨウ化物イオンは、例えば、ヨウ素を包接したアミロース含有レーヨン繊維を水に浸漬することにより、水中に溶出する。この水を部分的または完全に蒸発させることにより、ヨウ素が濃縮または精製される。通常かん水にはヨウ素以外に多数の塩類が含まれているので、ヨウ素をアミロース含有レーヨン繊維に特異的に包接させてから水などに溶出させて濃縮することにより、ヨウ素が特異的に濃縮される。なお、本明細書中で「ヨウ素」とは、ヨウ素分子およびヨウ化物イオンの両方を含む。ただし、「ヨウ素またはポリヨウ化物イオン」という場合の「ヨウ素」はヨウ素分子を意味する。

0158

ヨウ素の濃度を高めることを、「ヨウ素の濃縮」という。例えば、ヨウ素含有溶液からヨウ素を取り出し、ヨウ素含有溶液よりも高濃度のヨウ素を含む溶液を得た場合、ヨウ素が濃縮されたといえる。

0159

一度使用した水などからヨウ素を取り出すことを「ヨウ素の回収」という。

0160

ヨウ素含有溶液にアミロース含有レーヨン繊維を接触させると、ヨウ素がアミロースに包接されるため、ヨウ素含有溶液からはヨウ素が除去される。そのため、本発明の方法は、目的物からヨウ素を除去するために使用することができる。

0161

ヨウ素含有溶液がヨウ素以外に複数種類の物質を含み、それらの物質がアミロースに包接されない物質である場合、ヨウ素含有溶液とアミロース含有レーヨン繊維を接触させることにより、ヨウ素のみがアミロースに包接される。そのため、本発明の方法は、ヨウ素を単離するために使用することができる。

0162

(7.アミロース含有レーヨン繊維へのヨウ素の包接方法
アミロース含有レーヨン繊維とヨウ素またはポリヨウ化物イオン(および必要に応じて他のゲスト物質)を接触させることにより、ヨウ素またはポリヨウ化物イオンをアミロース含有レーヨン繊維に包接させることができる。接触させる方法には、例えば、ヨウ素粉末とアミロースレーヨン繊維とをボールミル回転台上で攪拌する方法;ヨウ素またはポリヨウ化物イオン(および必要に応じて他のゲスト物質)を含む溶液にアミロース含有レーヨン繊維を浸すような液相で接触させる方法;アミロース含有レーヨン繊維にヨウ素またはポリヨウ化物イオン(および必要に応じて他のゲスト物質)を含む溶液を噴霧する、ヨウ素またはポリヨウ化物イオン(および必要に応じて他のゲスト物質)の蒸気を接触させるなどの気相で接触させる方法がある。

0163

ヨウ素包接アミロース含有レーヨン中のヨウ素の含有量は、好ましくは約0.01重量%以上であり、さらに好ましくは約0.05重量%以上であり、特に好ましくは約0.1重量%以上であり、最も好ましくは約0.5重量%以上である。ヨウ素包接アミロース含有レーヨン中のヨウ素の含有量は包接可能な量である限り特に上限はなく、例えば約20重量%以下、約10重量%以下、約5重量%以下、約3重量%以下、約2重量%以下、約1.5重量%以下などであり得る。

0164

以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は、実施例に限定されるものではない。

0165

実施例及び比較例中で用いた評価試験の方法は、以下のとおりである。

0166

<合成例1:アミロースの合成>
20mMリン酸緩衝液(pH7.0)、20g/Lスクロース、および種々の濃度のマルトオリゴ糖混合物(3880、232、77、44または8.8mg/リットル)を含有する反応液(1リットル)に、国際公開第2004/113525号パンフレットの実施例2−1Aに記載の方法に従って調製し、精製した馬鈴薯塊茎由来の耐熱化グルカンホスホリラーゼ(国際公開第2004/113525号パンフレットの配列番号34のアミノ酸配列を有するもの;1単位/ml)と、国際公開第2005/24008号パンフレットの実施例2Aに記載の方法に従って調製した耐熱化Streptococcus mutans由来スクロースホスホリラーゼ(国際公開第2005/24008号パンフレットの配列番号22のアミノ酸配列を有するもの;1単位/ml)を加えて37℃で16時間保温し、反応終了後、生成したα−1,4−グルカンの重量平均分子量(Mw)、重合度および分散度(Mw/Mn)を決定した。各結果を下記の表1に示す。

0167

0168

表1によれば、スクロースとプライマー(すなわちマルトオリゴ糖混合物)との濃度比を変化させることにより、重合度32〜4818(Mw5.2〜780.5kDa)までのアミロースが得られた。これらの試料におけるアミロースの分散度(Mw/Mn)はいずれも1.2以下であった。

0169

<1.アミロースの重量平均分子量測定>
合成例1で合成し、本発明で使用したグルカンの分子量を以下の方法により測定した。

0170

合成例1で合成したグルカンを1N水酸化ナトリウムで完全に溶解し、適当量の塩酸で中和した後、約300μgのグルカンを、示差屈折計多角度光散乱検出器を併用したゲル濾過クロマトグラフィーに供することにより平均分子量を求めた。

0171

詳しくは、カラムとしてShodex SB806M−HQ(昭和電工製)を用い、検出器としては多角度光散乱検出器(DAWN−DSP、Wyatt Technology社製)および示差屈折計(ShodexRI−71、昭和電工製)をこの順序で連結して用いた。カラムを40℃に保ち、溶離液としては0.1M硝酸ナトリウム溶液を流速1mL/分で用いた。得られたシグナルを、データ解析ソフトウェア商品ASTRA、Wyatt Technology社製)を用いて収集し、同ソフトを用いて解析することにより、重量平均分子量を求めた。

0172

<実施例1−1から1−4および比較例1−1から1−4:アミロース含有レーヨン繊維の製造>
原料パルプ(LDPT:日本製紙ケミカル製)から常法に従ってビスコースを調製した。このビスコースは、セルロース含有率9重量%、アルカリ含有率5重量%で、落球粘度60秒であった。

0173

合成例1で合成した平均分子量5.2×103、4.62×104または1.174×105の酵素合成アミロース(分岐構造を含まない)それぞれを、5重量%NaOH水溶液に溶解してアミロースのアルカリ水溶液を調製した。これらのうちのいずれかのアルカリ水溶液とビスコースとを常法に従って混合した後紡糸し、アミロース含有レーヨン繊維を得た。アルカリ水溶液と混合せずにビスコースだけで紡糸することによってコントロールのレーヨン繊維を得た(比較例1−1)。アルカリ水溶液とビスコースとの混合割合を変化させることにより、アミロースとセルロースとの量比重量比)を、以下の表2のように変化させて仕込んだ。

0174

一方、合成例1で合成した平均分子量2.810×105または7.805×105のアミロースを使用した場合は、5%のアミロース濃度でも均一に溶解することが困難であったこと、例え溶解できても得られるアミロースのアルカリ溶液の粘度が高くビスコース液と均一に混合することが困難であったことなど、目的のレーヨン製造に適したアミロースのアルカリ水溶液を得ることができず、レーヨン繊維を合成することができなかった。特に、50万以下の分子量の酵素合成アミロースである、平均分子量2.810×105のアミロースを使用した場合にレーヨンを製造できなかったことは、酵素合成アミロースに特徴的であり、予想外であった。

0175

アミロース含有レーヨン繊維およびコントロールのレーヨン繊維中のアミロース含量を以下の方法で定量した。アミロース含有レーヨン繊維またはコントロールのレーヨン繊維20mgを銅アンモニア溶液に溶解させた後、酢酸溶液で中和と同時に希釈(全2mL)することで、セルロースのみ再沈殿させた。13,200×g、10分間遠心し、上清中のアミロース量をフェノール硫酸法によって定量した。結果を表2に示す。

0176

0177

表2の結果から示されるように、レーヨン中の平均分子量5.2×103のアミロースの含有量は極めて少なかった。これらのことから、平均分子量5.2×103のアミロースは、添加量のほとんどがレーヨン中に残存しないものの、分子量4.62×104以上のアミロースはレーヨン内部に含有させることが可能であることが明らかとなった。

0178

<実施例2:アミロース含有レーヨン繊維の包接力の評価>
実施例1−1から1−4および比較例1−1から1−3で製造したアミロース含有レーヨン繊維およびコントロールのレーヨン繊維の包接力をゲスト物質としてノニルフェノールを用いて測定した。

0179

実施例1−1から1−4および比較例1−1から1−3で製造したアミロース含有レーヨン繊維およびコントロールのレーヨン繊維50mgを、濃度100ppmのノニルフェノールを含む50%メタノール水溶液3mLに25℃で3時間浸漬させることにより、各レーヨン繊維にノニルフェノールを含浸させた。レーヨン繊維を浸漬させる前後のこの水溶液中のノニルフェノール濃度を液体クロマトグラフィーで測定した。

0180

液体クロマトグラフィーの条件は次の通りである。

0181

カラムとしてTSKgelODS−100Z(TOSOH製)を用い、検出器としてUV検出器SPD−6A(島津製作所製)を用い、送液ポンプとしてLC−6A(島津製作所製)を用いた。カラムを40℃に保ち、溶離液として80%メタノールを流速1.0mL/分で用いた。

0182

包接力の評価には以下の式で求められる、レーヨンへのノニルフェノールの吸着率で示した。

0183

アミロース含有レーヨン繊維の包接力(%)を、上記数3の式に基づいて計算した。すなわち、アミロース含有レーヨン繊維のノニルフェノール吸着率からコントロールのレーヨン繊維のノニルフェノール吸着率を差し引くことにより計算した。結果を表3に示す。

0184

0185

比較例1−2および1−3の平均分子量5.2×103のアミロース含有レーヨン繊維のノニルフェノールに対する吸着率は、比較例1−1のコントロールレーヨンとほぼ同程度であり、包接力も1.3%以下と低く、平均分子量5.2×103のアミロース含有レーヨン繊維は包接力をほとんど有さないことが分かった。それに対して、実施例1−1から1−4のアミロース含有レーヨンは比較例1−1に対し1.8倍から4.3倍の吸着率を示し、4.1%から16.7%の高い包接力を有することが分かった。この包接力はアミロースの配合量の増加およびアミロースの分子量の増加にしたがって増加した。

0186

表2に示すとおり、実施例1−2と1−4のアミロースの含有量は、ほぼ同じである。しかし、ノニルフェノールの包接力は1.174×105のアミロースを含有するレーヨンのほうが4.62×104のアミロースを含有するレーヨンより、約2.1倍も高かった。このように、レーヨン中のアミロースの包接力は、含有量のほかにアミロースの分子量が大きく影響することが明らかとなった。

0187

平均分子量2.810×105以上のアミロースはレーヨン繊維に含有させることができなかった事実と合わせ、ノニルフェノールに対する包接力を発揮できる状態のアミロースを含有するレーヨン繊維を作製するには、アミロースの平均分子量が5.2×103より大きくかつ2.810×105より小さいことが必要であることが明らかとなった。

0188

<実施例3:アミロース含有レーヨン繊維のヨウ素包接量測定>
実施例1−1から1−4および比較例1−1から1−3で製造したアミロース含有レーヨン繊維およびコントロールのレーヨン繊維のヨウ素包接量を測定した。

0189

ヨウ素包接量を次の方法で評価した。アミロース含有レーヨン繊維またはコントロールのレーヨン繊維1gとヨウ素溶液(ヨウ素組成比:I2:I−=1:4、ヨウ素溶液濃度[全ヨウ素濃度は、比較例1−2:610ppm、比較例1−3:945ppm、実施例1−1:2265ppm、実施例1−2:7893ppm、実施例1−3:1431ppm、実施例1−4:7893ppm])60mlをネジ口フラスコに入れ、回転数130rpmで13時間攪拌後、サンプルを取り出し、吸引ろ過した。次に、サンプルを純水100mlに5分間浸して攪拌し、サンプルを純水から引き上げ、吸引ろ過した。これを3回行なった。その後、室温にてデシケーター内でサンプルを乾燥した。これにより、アミロース含有レーヨン繊維またはコントロールのレーヨン繊維にヨウ素を包接させた。

0190

ヨウ素包接処理後のアミロース含有レーヨン繊維またはコントロールのレーヨン繊維中のヨウ素含量を、次のように測定した。ヨウ素包接処理後のアミロース含有レーヨン繊維またはコントロールのレーヨン繊維50mgを水50mLに懸濁させた。この懸濁液に、臭素・酢酸カリ・酢酸溶液(臭素:4ml+酢酸カリウム:100g+酢酸1000ml)10mlを添加して10分間静置した。ギ酸3mlを添加して5分間静置したのち、ヨウ化カリウム0.5gを添加して、生成するI2成分を0.01Mチオ硫酸ナトリウム水溶液滴定して懸濁液の総ヨウ素濃度を求め、総ヨウ素含量を算出した。対理論値ヨウ素包接量は、アミロースの最大ヨウ素包接量(アミロース重量の20%)を100%として求めた。結果を表4に示す。

0191

0192

平均分子量5.2×103のアミロース含有レーヨン繊維は、対理論値ヨウ素包接量が7%以下であり、ヨウ素をほとんど包接しないことが分かる。それに対して、分子量4.62×104、1.174×105のアミロース含有レーヨン繊維は、対理論値ヨウ素包接量で10%以上包接できることが分かった。対理論値包接量は、アミロースの配合量の増加およびアミロースの分子量の増加にしたがって増加した。

0193

<実施例A:ヨウ素包接アミロース含有レーヨン繊維の安定性試験
実施例3で作製したヨウ素包接処理後の実施例1−2のアミロース含有レーヨン繊維500mgを充填したガラスカラム内径10mm)に、活性炭を通過させて乾燥させた空気を0.5L/分で120時間通気した。なお、通気実験は40℃の恒温槽内で行なった。カラム出口に0.01M水酸化ナトリウム水溶液200mLを入れたガス洗浄瓶を接続し、ヨウ素包接アミロース含有レーヨン繊維から脱離したヨウ素を吸収させた。48時間、120時間通気後の吸収液(ヨウ素を吸収させた水酸化ナトリウム水溶液)およびヨウ素包接アミロース含有レーヨン繊維のヨウ素量を実施例3と同様に測定した。結果を表4Aに示す。なお、表4A中の「ヨウ素包接アミロース含有レーヨン中のヨウ素量(mg)」は、通気試験に使用した500mgのヨウ素包接アミロース含有レーヨンに含まれるヨウ素量である。

0194

0195

このように、アミロース含有レーヨン繊維はヨウ素を安定に保持できることがわかった。

0196

<実施例B:ヨウ素包接アミロース含有レーヨン繊維の安定性試験(ヨウ化カリウムの影響)>
実施例1−4の平均分子量1.174×105のアミロース含有レーヨン繊維1gとヨウ素粉末24.2mgとを50mLスクリューバイアルに入れ、50℃の乾燥機内にて、ボールミル回転台上で48時間撹拌した。50℃の恒温槽内で温めることによりヨウ素分子の昇華が促進され、昇華したヨウ素分子がレーヨン繊維中のアミロースに包接される。その後、包接処理後のレーヨン繊維をスクリューバイアルから取り出し、40℃の恒温槽内に入れ、活性炭で乾燥させた空気を0.5L/分で93時間通気することによりレーヨン繊維から余剰のヨウ素を除去し、ヨウ化カリウムを含まないヨウ素包接アミロース含有レーヨン繊維を得た。このレーヨン繊維は、製造段階でヨウ化カリウムと接触させていないのでヨウ化カリウムを含まない。

0197

ヨウ化カリウムを含まないヨウ素包接アミロース含有レーヨン繊維500mgをガラスカラム(内径10mm)に充填し、このガラスカラムに、活性炭を通過させて乾燥させた空気を0.5L/分で120時間通気した。なお、通気実験は40℃の恒温槽内で行なった。カラム出口に0.01M水酸化ナトリウム水溶液200mLを入れたガス洗浄瓶を接続し、ヨウ素包接アミロース含有レーヨン繊維から脱離したヨウ素を吸収させた。48時間通気後および120時間通気後の吸収液(ヨウ素を吸収させた水酸化ナトリウム水溶液)およびヨウ素包接アミロース含有レーヨン繊維のヨウ素量を実施例3と同様に測定した。結果を表4Bに示す。なお、表4B中の「ヨウ素包接アミロース含有レーヨン中のヨウ素量(mg)」は、通気試験に使用した500mgのヨウ素包接アミロース含有レーヨンに含まれるヨウ素量である。通気時間0時間のヨウ素包接アミロース含有レーヨンのヨウ素包接量は1.39重量%であり、対理論値ヨウ素包接量は59.9%であった。

0198

0199

このように、アミロース含有レーヨン繊維はヨウ化カリウムがなくてもヨウ素を安定に保持できることがわかった。このことから、アミロース含有レーヨン繊維は、ヨウ素を安定に保持するために、ヨウ化カリウムなどのハロゲン化金属が必要ないことが分かる。

0200

<実施例4:アミロース含有レーヨン繊維の洗濯試験
実施例1−2、1−4および比較例1−1、1−3で製造したアミロース含有レーヨン繊維またはコントロールのレーヨン繊維を洗濯試験に供し、アミロース含有レーヨン繊維中のアミロースの安定性を確認した。

0201

詳細には、各レーヨン繊維50mgを、水または0.75mg/mLに調製した市販の酵素入り洗剤(ライオン製トップ)溶液に3時間つけ置きした。次に、2mL用遠心ろ過フィルター(5μm)に移し、12,000×gで4分間遠心ろ過して、溶液を回収した。回収したろ液中のアミロースの溶出量を調べるために、次の操作を行なった。水洗したレーヨン繊維のろ液を水で3倍希釈し、グルコアミラーゼ(18U/mL)とα−アミラーゼ(2.6U/mL)を作用させた。洗剤で洗浄したレーヨンのろ液は1%酢酸水溶液で3倍希釈して中和を行なった後、グルコアミラーゼ(18U/mL)とα−アミラーゼ(2.6U/mL)を作用させた。グルコアミラーゼとα−アミラーゼの作用により、アミロースをグルコースに変換させた。グルコース量をグルコース定量キット和光純薬)で定量し、定量値希釈倍率を乗じてアミロース濃度とした。結果を表5に示す。

0202

0203

平均分子量5.2×103のアミロース含有レーヨン繊維は、わずかながらアミロースの溶出が確認された。それに対して、4.62×104のアミロース含有レーヨン繊維および1.174×105のアミロース含有レーヨン繊維は、洗濯によりアミロースの溶出は全く認められなかった。

0204

<実施例5:アミロース含有レーヨン不織布フィルターの作製>
実施例1−4で製造した平均分子量1.174×105のアミロース含有レーヨン繊維(20%仕込み)をニードルパンチ法で厚さ約3mmの不織布に加工しアミロース含有レーヨン不織布を得た。この不織布を直径7cmの円板状に切り取って、アミロース含有レーヨン不織布フィルター(実施例5)を得た。

0205

<実施例6:ヨウ素包接アミロース含有レーヨン不織布フィルターの作製>
実施例5で作製したアミロース含有レーヨン不織布フィルター(直径7cmの円板状)を5mMヨウ素溶液で満たしたシャーレに入れ、ヨウ素を含浸させた。含浸後吸引ろ過し、5mMヨウ化カリウム溶液で洗浄し、再度吸引ろ過した。この洗浄操作を3回行なった。風乾後、ヨウ素包接アミロース含有レーヨン不織布フィルター(実施例6)を得た。

0206

<実施例7:ヨウ素包接アミロース含有レーヨン不織布フィルターの安定性>
実施例6で作製したヨウ素包接アミロース含有レーヨン不織布フィルターの蛍光X線強度蛍光X線測定法により測定した。蛍光X線はヨウ素量に比例するので、蛍光X線強度の推移を調べることにより、このフィルター中のヨウ素の安定性が評価できる。ヨウ素を包接するアミロース含有レーヨン不織布中のヨウ素の蛍光X線強度を47日間観察したところ、図1に示すように、不織布中のヨウ素は非常に緩やかなスピード減衰することがわかった。このように、アミロース含有レーヨン不織布はヨウ素を安定に保持できることが明らかとなった。

0207

<実施例8:ヨウ素包接アミロース含有レーヨン不織布フィルターを通過させることによるウイルス不活化試験>
実施例6で作製したヨウ素包接アミロース含有レーヨン不織布フィルターにウイルスを通過させた後のウイルスの感染価を測定することにより、フィルターを通過させることによるウイルス不活化試験を行なった。詳細には、実施例6で作製したヨウ素包接アミロース含有レーヨン不織布フィルター(試験品)または実施例5で作製したアミロース含有レーヨン不織布フィルター(ヨウ素不含;コントロール)を、図2に示す装置の円筒形ホルダー(内径約6cm)101と103との間に装着した。装着した不織布フィルター(試験品)102の枚数を1枚または4枚として試験を行った。図2に示す装置の一方の開口部から、ネブライザーを用いて10L/分で5分間にわたってインフルエンザウイルス溶液を不織布フィルターに噴霧した。不織布フィルターを通過したウイルスを、対向する側の開口部に設置したゼラチンフィルター104で捕集し、ウイルスの感染価を調べた。試験品の結果をコントロールの結果と比較した。結果を表6に示す。

0208

0209

実施例8−1と比較例8−1とでは、ヨウ素を包接しているかどうかだけが異なる。そのため、実施例8−1と比較例8−1とのウイルス感染価を比較することにより、ヨウ素によるウイルス不活化を評価することができる。実施例8−2と比較例8−2とを比較することによっても同様に、ヨウ素によるウイルス不活化を評価することができる。実施例8−1および8−2のヨウ素包接アミロース含有レーヨン不織布フィルターを用いた場合、比較例8−1および8−2のヨウ素不含のアミロース含有レーヨン不織布フィルターを用いた場合とそれぞれ比較して、回収されたウイルス感染価が約14分の1および約56分の1と少ないことから、ヨウ素包接アミロース含有レーヨン不織布フィルターにはウイルス不活化効果が認められた。

0210

<実施例9−1から9−3:アミロース含有レーヨン繊維のアルコール類−水混合溶液中での加熱処理による包接力の上昇>
耐圧ガラス試験管(10mL)に実施例1−4で作製したアミロース含有レーヨン繊維50mgと水系溶媒(50容量%メタノール水溶液、50容量%エタノール水溶液または50容量%1−プロパノール水溶液)3mLを入れて密栓し、130℃にて30分間ヒートブロックで加熱した。レーヨン繊維を取り出して吸引ろ過し、オーブン中で50℃にて2時間加熱して乾燥させ、その後室温で放冷することにより、加熱処理されたアミロース含有レーヨン繊維(50%メタノール水溶液:実施例5−1;50%エタノール水溶液:実施例5−2;50%1−プロパノール水溶液:実施例5−3)を得た。以下の実施例12で確認されたように、この加熱処理によってアミロース含有レーヨン繊維の包接力が向上した。

0211

<実施例10−1から10−3:アミロース含有レーヨン繊維にアルコールを噴霧後、加熱処理することによる包接力の上昇>
実施例1−4で作製したアミロース含有レーヨン繊維50mgにメタノール、エタノール、または1−プロパノールを約1mL噴霧してガラス容器密封し、オーブン中で130℃にて30分間加熱後、室温に放冷することにより冷却した。これをオーブン中で50℃にて2時間加熱して乾燥し、その後室温で放冷することにより、アルコール処理されたアミロース含有レーヨン繊維(メタノール噴霧:実施例10−1、エタノール噴霧:実施例10−2、1−プロパノール噴霧:実施例10−3)を得た。以下の実施例8と同様の方法で、このアルコール処理によってアミロース含有レーヨン繊維の包接力が向上したことが確認される。

0212

<実施例11:アミロース含有レーヨン繊維のアルカリ処理による包接力の上昇>
実施例1−4で作製したアミロース含有レーヨン繊維50mgを、3mLの1NNaOH水溶液に室温で1時間浸漬後、取り出し、1N塩酸水溶液を加えて中和した。これを取り出して水で洗浄後、オーブン中で50℃にて2時間加熱して乾燥し、その後室温で放冷することにより、アルカリ処理されたアミロース含有レーヨン繊維を得た。以下の実施例12と同様の方法で、このアルカリ処理によってアミロース含有レーヨン繊維の包接力が向上したことが確認される。

0213

<実施例12:実施例9−1から9−3で得たアミロース含有レーヨン繊維の包接力の評価>
包接力の評価にあたり、ゲスト分子としてノニルフェノールを用いた。

0214

実施例1−4で作製したアミロース含有レーヨン繊維または実施例9−1から9−3で処理したアミロース含有レーヨン繊維、または比較例1−1のコントロールレーヨン繊維それぞれ50mgを、濃度100ppmのノニルフェノールを含む50%メタノール水溶液3mLに25℃で15時間浸漬することにより、各レーヨン繊維にノニルフェノールを含浸させた。レーヨン繊維を浸漬させる前後のこの水溶液中のノニルフェノール濃度を液体クロマトグラフィーで測定した。浸漬前後のノニルフェノール量の差から、レーヨン繊維へのノニルフェノールの吸着率およびレーヨン繊維の包接力を求めた。

0215

液体クロマトグラフィーの条件は次の通りである:
カラムとしてTSKgelODS−100Z(TОSОH製)を用い、検出器としてUV検出器SPD−6A(島津製作所製)を用い、送液ポンプとしてLC−6A(島津製作所製)を用いた。カラムを40℃に保ち、溶離液としては80%メタノールを流速1.0mL/分で用いた。結果を表7に示す。

0216

0217

アミロース含有レーヨン繊維をアルキル鎖の長いアルコール水溶液を用いて加熱処理することで、アミロース含有レーヨン繊維の包接力が顕著に上昇することがわかった。

0218

<実施例13:ヨウ素包接アミロース含有レーヨン不織布フィルターによる殺菌試験
ヨウ素包接アミロース含有不織布フィルターの大腸菌に対する殺菌効果を調べる。ヨウ素含有不織布フィルターまたはコントロール不織布フィルター(ヨウ素不含)を、大腸菌を含む溶液に接触させる。経時的に溶液をサンプリングし、培養後大腸菌のコロニー数カウントする。

0219

<実施例14:ヨウ素含有アミロースレーヨン不織布フィルターによる消臭試験
実施例4で作製したヨウ素含有アミロースレーヨン不織布フィルターまたは比較例4で作製したレーヨン不織布フィルター(コントロール)を、悪臭物質(ノネナール、酪酸、吉草酸、またはイソ吉草酸)を含む密閉容器中に入れて2時間および24時間放置する。その後、不織布フィルターを入れる前後の容器中の空気に含まれる悪臭物質の量をガスクロマトグラフィーで測定し、比較する。

0220

<実施例15:消臭剤含有アミロースレーヨン繊維の作製>
消臭剤のゲスト分子の例として、ヨウ素またはポリヨウ化物イオンを用いる。

0221

実施例1−4で製造した平均分子量1.174×105のアミロース含有レーヨン繊維(20%仕込み)または比較例1−1で製造したコントロールレーヨン繊維(アミロース不含)を消臭剤溶液に1時間浸漬することにより、消臭剤をレーヨン繊維に含浸させる。その後、レーヨン繊維を取り出し、室温で一晩風乾することにより、消臭剤含有アミロースレーヨンを得る。

0222

レーヨンを浸漬する前後の消臭剤溶液中の消臭剤濃度を実施例2と同様の方法で測定する。含浸前後の消臭剤量の差を、レーヨンに吸着(包接)された消臭剤量とする。実施例の結果をコントロールの結果と比較し、包接力を評価する。

0223

<実施例16:アミロースレーヨン繊維を用いたヨウ素の濃縮、回収、除去、および精製>
実施例1−4で作製したアミロースレーヨンまたは比較例1−1で作製したレーヨン(コントロール)を、ヨウ素を含む浴中(例えば、かん水)に入れて一晩放置する。その後、レーヨンを取り出し、洗浄後、加圧加熱あるいは水蒸気蒸留して、この目的の化学物質を濃縮し回収する。

0224

<合成例2:アミロースの合成>
20mMリン酸緩衝液(pH7.0)、20g/Lスクロース、およびマルトオリゴ糖混合物(245mg/リットル)を含有する反応液(1リットル)に、国際公開第2004/113525号パンフレットの実施例2−1Aに記載の方法に従って調製し、精製した馬鈴薯塊茎由来の耐熱化グルカンホスホリラーゼ(国際公開第2004/113525号パンフレットの配列番号34のアミノ酸配列を有するもの;1単位/ml)と、国際公開第2005/24008号パンフレットの実施例2Aに記載の方法に従って調製した耐熱化Streptococcus mutans由来スクロースホスホリラーゼ(国際公開第2005/24008号パンフレットの配列番号22のアミノ酸配列を有するもの;1単位/ml)を加えて37℃で16時間保温し、反応終了後、生成したα−1,4−グルカンの重量平均分子量(Mw)、重合度および分散度(Mw/Mn)を決定した。結果を下記の表8に示す。

0225

0226

<実施例17−1および17−2:平均分子量3.00×104のアミロース含有レーヨン繊維の製造>
原料パルプ(LDPT:日本製紙ケミカル製)から常法に従ってビスコースを調製した。このビスコースは、セルロース含有率9重量%、アルカリ含有率5重量%で、落球粘度60秒であった。

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