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技術 コンバータ制御装置

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 長田康弘長谷川貴彦
出願日 2009年6月3日 (11年5ヶ月経過) 出願番号 2011-518120
公開日 2012年11月15日 (8年0ヶ月経過) 公開番号 WO2010-140228
状態 特許登録済
技術分野 DC‐DCコンバータ
主要キーワード 負荷変動値 バラツキ要因 低負荷用 フリーホイール回路 単相駆動 駆動相 高負荷用 通過パワー
関連する未来課題
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図面 (6)

課題

優先駆動相を適切に設定することで低負荷時における出力制限などを抑制することが可能なコンバータ制御装置を提供する。

解決手段

負荷変動検出部10aは、実測負荷変動がメモリMに格納された負荷変動閾値未満になったか否かを判断する。負荷変動検出部10aによって、実測負荷変動が負荷変動閾値未満になってから一定期間(例えば1分など)経過したと判断されると、電力供給部10bは、各相リアクトルに同一パワー印加する。一方、放熱特性演算部10cは、各相の素子温度の上昇速度V(u)、V(w)、V(w)をそれぞれ測定し、放熱特性の高いものから順位づけを行い、その結果を優先駆動相決定部10dに通知する。優先駆動相決定部10dは、もっとも放熱特性の高い相(例えば、V相)を優先駆動相に決定する。

概要

背景

自動車等に搭載される燃料電池システムにおいては、燃料電池発電能力を超える急な負荷の変化等に対応するため、動力源として燃料電池とバッテリとを備えたハイブリッド型の燃料電池システムが種々提案されている。

ハイブリッド型の燃料電池システムにおいては、燃料電池の出力電圧等をDC−DCコンバータで制御している。このような制御を行うDC−DCコンバータとしては、パワートランジスタ、IGBTFET等のスイッチング素子PWM動作させて電圧の変換を行う形式のものが広く利用されている。DC−DCコンバータは、電子機器省電力化、小型化及び高性能化に伴い、一層の高速化や大容量化、及び低リップル化が望まれている。かかる要請応えるべく、従来より複数個のDC−DCコンバータを並列に接続したマルチフェーズDC−DCコンバータ(多相DC−DCコンバータ)が利用されている(例えば特許文献1参照)。

概要

優先駆動相を適切に設定することで低負荷時における出力制限などを抑制することが可能なコンバータ制御装置を提供する。負荷変動検出部10aは、実測負荷変動がメモリMに格納された負荷変動閾値未満になったか否かを判断する。負荷変動検出部10aによって、実測負荷変動が負荷変動閾値未満になってから一定期間(例えば1分など)経過したと判断されると、電力供給部10bは、各相リアクトルに同一パワー印加する。一方、放熱特性演算部10cは、各相の素子温度の上昇速度V(u)、V(w)、V(w)をそれぞれ測定し、放熱特性の高いものから順位づけを行い、その結果を優先駆動相決定部10dに通知する。優先駆動相決定部10dは、もっとも放熱特性の高い相(例えば、V相)を優先駆動相に決定する。

目的

DC−DCコンバータは、電子機器の省電力化、小型化及び高性能化に伴い、一層の高速化や大容量化、及び低リップル化が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

燃料電池出力電圧を制御する複数の相を備えた多相コンバータ制御装置であって、前記燃料電池の発電中に、前記各相放熱特性を測定する測定手段と、前記測定手段による測定結果に基づき、優先駆動相を設定する設定手段と前記優先駆動相を他の相よりも優先的に使用するように相切換を制御する切換制御手段とを具備する、コンバータ制御装置

請求項2

前記設定手段は、放熱特性の最も優れた相を優先駆動相として設定する、請求項1に記載のコンバータ制御装置。

請求項3

前記測定手段は、各相を構成するスイッチ部分またはリアクトル部分の温度を測定する、請求項1または2に記載のコンバータ制御装置。

請求項4

前記各相のコンバータは、主昇圧回路補助回路とを備えたソフトスイッチングコンバータであって、前記主昇圧回路は、一端が前記燃料電池の高電位側の端子に接続された主コイルと、一端が前記主コイルの他端に接続され、他端が前記燃料電池の低電位側の端子に接続された、スイッチングを行う主スイッチと、カソードが前記主コイルの他端に接続された第一ダイオードと、前記第一ダイオードのアノードと前記主スイッチの他端との間に設けられた平滑コンデンサとを有し、前記補助回路は、前記主スイッチに並列に接続され、かつ前記主コイルの他端と前記燃料電池の低電位側の端子に接続された、第二ダイオードとスナバコンデンサとを含む第一直列接続体と、前記第二ダイオードと前記スナバコンデンサとの接続部位と前記主コイルの一端との間に接続された、第三ダイオードと補助コイルと前記補助スイッチとを含む第二直列接続体とを有する、請求項1〜3のいずれか1の請求項に記載のコンバータ制御装置。

技術分野

0001

本発明は、燃料電池出力電圧を制御するコンバータ制御装置に関する。

背景技術

0002

自動車等に搭載される燃料電池システムにおいては、燃料電池の発電能力を超える急な負荷の変化等に対応するため、動力源として燃料電池とバッテリとを備えたハイブリッド型の燃料電池システムが種々提案されている。

0003

ハイブリッド型の燃料電池システムにおいては、燃料電池の出力電圧等をDC−DCコンバータで制御している。このような制御を行うDC−DCコンバータとしては、パワートランジスタ、IGBTFET等のスイッチング素子PWM動作させて電圧の変換を行う形式のものが広く利用されている。DC−DCコンバータは、電子機器省電力化、小型化及び高性能化に伴い、一層の高速化や大容量化、及び低リップル化が望まれている。かかる要請応えるべく、従来より複数個のDC−DCコンバータを並列に接続したマルチフェーズDC−DCコンバータ(多相DC−DCコンバータ)が利用されている(例えば特許文献1参照)。

先行技術

0004

特開2006−340535号公報

発明が解決しようとする課題

0005

ところで、従来の多相DC−DCコンバータにおいては、負荷の大きさに応じて駆動相切換え制御(例えば単相駆動から多相駆動への切換え制御)が行われる。例えば、U相、V相、W相を備えた多相DC−DCコンバータを例に説明すると、負荷の大きさに応じてU相のみを使用した一相駆動、U相とV相を使用した二相駆動、U相とV相とW相を使用した三相駆動といった駆動相の切換え制御が行われる。

0006

このように、従来の多相DC−DCコンバータにおいては、他の相よりも優先的に使用する相(上記例ではU相;以下、優先駆動相という)が任意されていた。このため、任意に設定された優先駆動相が他の相に比べて過熱の生じやすい相(別言すれば、放熱特性が悪い相)であった場合には、低負荷時に頻繁に出力制限をかけなければならない等の問題が生じていた。

0007

本発明は以上説明した事情を鑑みてなされたものであり、優先駆動相を適切に設定することで低負荷時における出力制限などを抑制することが可能なコンバータ制御装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記課題を解決するため、本発明に係るコンバータ制御装置は、燃料電池の出力電圧を制御する複数の相を備えた多相コンバータ制御装置であって、前記燃料電池の発電中に、前記各相の放熱特性を測定する測定手段と、前記測定手段による測定結果に基づき、優先駆動相を設定する設定手段と、前記優先駆動相を他の相よりも優先的に使用するように相切換を制御する切換制御手段とを具備することを特徴とする。

0009

かかる構成によれば、燃料電池の発電中に各相の放熱特性を測定し、測定結果に基づき、他の相よりも優先的に使用する優先駆動相の設定を行う。このため、優先駆動相が任意に設定されていた従来の問題、すなわち過熱が生じやすい相が優先駆動相として設定されたために低負荷時に頻繁に出力制限をかけなければならないという問題を未然に防ぐとともに、部品長寿命化を図ることも可能となる。

0010

ここで、上記構成にあっては、前記設定手段は、放熱特性の最も優れた相を優先駆動相として設定する態様が好ましい。また、上記構成にあっては、前記測定手段は、各相を構成するスイッチ部分またはリアクトル部分の温度を測定する態様も好ましい。

0011

さらにまた、上記構成にあっては、前記各相のコンバータは、主昇圧回路補助回路とを備えたソフトスイッチングコンバータであって、前記主昇圧回路は、一端が前記燃料電池の高電位側の端子に接続された主コイルと、一端が前記主コイルの他端に接続され、他端が前記燃料電池の低電位側の端子に接続された、スイッチングを行う主スイッチと、カソードが前記主コイルの他端に接続された第一ダイオードと、前記第一ダイオードのアノードと前記主スイッチの他端との間に設けられた平滑コンデンサとを有し、前記補助回路は、前記主スイッチに並列に接続され、かつ前記主コイルの他端と前記燃料電池の低電位側の端子に接続された、第二ダイオードとスナバコンデンサとを含む第一直列接続体と、前記第二ダイオードと前記スナバコンデンサとの接続部位と前記主コイルの一端との間に接続された、第三ダイオードと補助コイルと前記補助スイッチとを含む第二直列接続体とを有する態様も好ましい。

発明の効果

0012

本発明によれば、優先駆動相を適切に設定することで低負荷時における出力制限などを抑制することが可能となる。

図面の簡単な説明

0013

本実施形態に係るハイブリッド燃料電池システムの構成を示す図である。
本実施形態に係るコントローラ機能構成を示す機能ブロック図である。
本実施形態に係るDC−DCコンバータの優先駆動相決定動作を示すフローチャートである。
変形例に係る多相FCソフトスイッチングコンバータ回路構成を示す図である。
変形例に係る多相FCソフトスイッチングコンバータの一相分の回路構成を示す図である。

実施例

0014

A.本実施形態
以下、各図を参照しながら本発明に係わる実施形態について説明する。図1は本実施形態に係る車両に搭載されたFCHVステムの構成を示す。なお、以下の説明では車両の一例として燃料電池自動車(FCHV;Fuel Cell Hybrid Vehicle)を想定するが、電気自動車などにも適用可能である。また、車両のみならず各種移動体(例えば、船舶飛行機ロボットなど)や定置電源、さらには携帯型の燃料電池システムにも適用可能である。

0015

A−1.システムの全体構成
FCHVシステム100は、燃料電池110とインバータ140の間にFCコンバータ2500が設けられるとともに、バッテリ120とインバータ140の間にDC/DCコンバータ(以下、バッテリコンバータ)180が設けられている。

0016

燃料電池110は、複数の単位セル直列に積層してなる固体高分子電解質セルスタックである。燃料電池110には、燃料電池110の出力電圧Vfcmesを検出するための電圧センサV0、及び出力電流Ifcmesを検出するための電流センサI0が取り付けられている。燃料電池110においては、アノード極において(1)式の酸化反応が生じ、カソード極において(2)式の還元反応が生じ、燃料電池110全体としては(3)式の起電反応が生じる。

0017

H2 → 2H++2e- ・・・(1)
(1/2)O2+2H++2e- → H2O ・・・(2)
H2+(1/2)O2 → H2O ・・・(3)

0018

単位セルは、高分子電解質膜等を燃料極及び空気極の二つの電極で挟み込んだMEA燃料ガス酸化ガスとを供給するためのセパレータで挟み込んだ構造を有している。アノード極はアノード極用触媒層を多孔質支持層上に設けてあり、カソード極はカソード極用触媒層を多孔質支持層上に設けてある。

0019

燃料電池110には、燃料ガスをアノード極に供給する系統、酸化ガスをカソード極に供給する系統、及び冷却液を提供する系統(いずれも図示略)が設けられており、コントローラ160からの制御信号に応じて、燃料ガスの供給量や酸化ガスの供給量を制御することにより、所望の電力を発電することが可能となっている。

0020

FCコンバータ(多相コンバータ)2500は、燃料電池110の出力電圧Vfcmesを制御する役割を担っており、一次側(入力側:燃料電池110側)に入力された出力電圧Vfcmesを、一次側と異なる電圧値に変換(昇圧または降圧)して二次側(出力側:インバータ140側)に出力し、また逆に、二次側に入力された電圧を、二次側と異なる電圧に変換して一次側に出力する双方向の電圧変換装置である。このFCコンバータ2500により、燃料電池110の出力電圧Vfcmesが目標出力に応じた電圧となるように制御する。ここで、FCコンバータ2500の入力電流Ifcmesは、図1に示すように電流センサ2510により検出され、また入力電圧Vfcmesは電圧センサ2520により検出される。なお、当該FCコンバータ2500の出力電流、出力電圧は、いずれも図示せぬ電流センサ、電圧センサ18により検出可能になっている。さらに、各相のリアクトルに流れる電流(以下、リアクトル電流)を検出するための電流センサを設けてもよい。

0021

また、FCコンバータ2500の各相のスイッチング素子(図示略)の近傍には、各相の放熱特性を評価するために素子温度を検出する温度センサ50(50−1、50−2、50−3)が設けられている。なお、温度センサ50を設ける位置は、スイッチング素子の近傍に限定する趣旨ではなく、例えば各相のリアクトル近傍など、各相の放熱特性を相対的に評価することができるのであればどのような位置であっても良い。

0022

バッテリ120は、負荷130に対して燃料電池110と並列に接続されており、余剰電力貯蔵源、回生制動時回生エネルギ貯蔵源、燃料電池車両加速又は減速に伴う負荷変動時エネルギーバッファとして機能する。バッテリ120としては、例えば、ニッケルカドミウム蓄電池、ニッケル・水素蓄電池リチウム二次電池等の二次電池が利用される。

0023

バッテリコンバータ180は、インバータ140の入力電圧を制御する役割を担っており、例えばFCコンバータ2500と同様の回路構成を有している。なお、バッテリコンバータ180として昇圧型のコンバータを採用しても良いが、これに代えて昇圧動作および降圧動作が可能な昇降圧型のコンバータを採用しても良く、インバータ140の入力電圧の制御が可能なあらゆる構成を採用することができる。

0024

インバータ140は、例えばパルス幅変調方式で駆動されるPWMインバータであり、コントローラ160からの制御指令に従って、燃料電池110またはバッテリ120から出力される直流電力三相交流電力に変換して、トラクションモータ131の回転トルクを制御する。

0025

トラクションモータ131は、本車両の主動力となるものであり、減速時には回生電力を発生するようにもなっている。ディファレンシャル132は減速装置であり、トラクションモータ131の高速回転を所定の回転数に減速し、タイヤ133が設けられたシャフトを回転させる。シャフトには図示せぬ車輪速センサ等が設けられ、これにより当該車両の車速等が検知される。なお、本実施形態では、燃料電池110から供給される電力を受けて動作可能な全ての機器(トラクションモータ131、ディファレンシャル132を含む)を負荷130と総称している。

0026

コントローラ160は、FCHVシステム100の制御用コンピュータシステムであり、例えばCPU、RAM、ROM等を備えている。コントローラ160は、センサ群170から供給される各種の信号(例えば、アクセル開度をあらわす信号や車速をあらわす信号、燃料電池110の出力電流や出力端子電圧をあらわす信号など)を入力して、負荷130の要求電力(すなわち、システム全体の要求電力)を求める。

0027

負荷130の要求電力は、例えば車両走行電力と補機電力との合計値である。補機電力には車載補機類加湿器エアコンプレッサ水素ポンプ、及び冷却水循環ポンプ等)で消費される電力、車両走行に必要な装置(変速機車輪制御装置操舵装置、及び懸架装置等)で消費される電力、乗員空間内に配設される装置(空調装置照明器具、及びオーディオ等)で消費される電力などが含まれる。

0028

そして、コントローラ(コンバータ制御装置)160は、燃料電池110とバッテリ120とのそれぞれの出力電力の配分を決定し、発電指令値演算する。コントローラ160は、燃料電池110及びバッテリ120に対する要求電力を求めると、これらの要求電力が得られるようにFCコンバータ2500及びバッテリコンバータ180の動作を制御する。

0029

A−2.FCコンバータの構成
図1に示すように、FCコンバータ2500は、低負荷用のU相コンバータ20a、中負荷用のV相コンバータ20b、高負荷用のW相コンバータ20cによって構成されており、これら各相のDC−DCコンバータは電力変換効率ピーク点がそれぞれ異なっている。本実施形態では、各相の電力変換効率のピーク点を変えるために、各DC−DCコンバータ20a〜20cのメインスイッチを構成するスイッチング素子の数を2つ(低負荷用)、4つ(中負荷用)、6つ(高負荷用)と異ならせている。もちろん、これに限定する趣旨ではなく、例えばDC−DCコンバータ20a〜20cのリアクトルの体積コンデンサの容量を変えることで各相の電力変換効率のピーク点を変えても良い。

0030

ここで、図2は、コントローラ160によって実現されるFCコンバータの制御機能を説明するための機能ブロック図である。
コントローラ160は、負荷変動検出部10a、電力供給部10b、放熱特性演算部10c、優先駆動相決定部10dを含んで構成される。負荷変動検出部10aは、各センサ(例えばアクセル開度やモータの回転数をあらわす信号など)からの入力情報に基づいて燃料電池110の発電中に負荷から要求される電力の変動(以下、負荷変動)を把握し、把握した負荷変動(以下、実測負荷変動)がメモリMに格納された負荷変動閾値未満になったか否かを、所定期間ごと(例えばシステム運転毎)に判断する。そして、負荷変動検出部10aは、実測負荷変動が負荷変動閾値未満になってから一定期間(例えば1分など)経過したと判断すると、その旨を電力供給部10b及び放熱特性演算部10cに通知する。ここで、負荷変動閾値は、予め負荷変動が少ない運転状況(例えば、始動時や、アイドリング運転時、安定走行時、終了時など)において、経時的な負荷変動をサンプリングし、サンプリング結果に基づいて負荷変動閾値を設定し、製造出荷時などにメモリMに格納しておく。なお、この負荷変動値固定値としても良いが、メンテナンス時などにユーザ等が適宜設定・変更できるようにしても良い。

0031

電力供給部10bは、実測負荷変動が負荷変動閾値未満になってから一定期間経過した旨の通知を受け取ると、各相のリアクトルに同一パワー通過パワー)が印加されるように各相のDC−DCコンバータを制御する。一方、放熱特性演算部(測定手段)10cは、実測負荷変動が負荷変動閾値未満になってから一定期間経過した旨の通知を受け取ると、温度センサ50−1、50−2、50−3によって検出される各相の素子温度Tu(U相)、Tv(V相)、Tw(W相)から素子温度の上昇速度V(u)、V(w)、V(w)をそれぞれ測定する。そして、放熱特性演算部10cは、素子温度の上昇速度V(u)、V(w)、V(w)が遅いもの(別言すれば、放熱特性の高いもの)から順位づけを行い、その結果を優先駆動相決定部10dに通知する。

0032

優先駆動相決定部(設定手段)10dは、放熱特性演算部10cから通知される順位づけに従い、もっとも放熱特性の高い相(例えば、V相)を優先駆動相に決定する。ここで、燃料電池の常用域では、エネルギ損失を小さくするためにできるだけ少ない相数でFCコンバータ2500を駆動することから、低負荷時の場合には、一相の優先駆動相を使用してFCコンバータ2500を駆動する。なお、優先駆動相を一相のみ設定しても良いが、二相以上の相を優先駆動相として設定しても良い。また、優先駆動相決定部10dは、放熱特性演算部10cから通知される順位づけに従い、第一優先駆動相(例えばV相)、第二優先駆動相(例えばU相)、第三優先駆動相(例えばW相)を設定しても良い。

0033

このように、現時点でもっとも放熱特性の良い相を優先駆動相として設定することで、優先駆動相が任意に設定されていた従来の問題、すなわち過熱が生じやすい相が優先駆動相として設定されたために低負荷時に頻繁に出力制限をかけなければならないという問題を未然に防ぐことが可能となる。
ここで、各相の放熱特性のバラツキ要因としては、グリス塗布厚ばらつきやスイッチング素子の配置位置(冷却水流路上流であるか、下流であるか等)など、システムの運転状態に応じて放熱特性の順位に影響を与えないもの(すなわち、ばらつき傾向が変らないもの)のほか、部品の熱抵抗などシステムの運転状態に応じて放熱特性の順位に影響を与えるもの(すなわち、ばらつき傾向が変わるもの)もある。部品の熱抵抗などは、長期使用などによってハンダに亀裂が生じ、熱抵抗が急激に悪化する等の事態を生ずる。本実施形態によれば、負荷変動が小さくなると、各相の放熱特性を測定し、当該時点でもっとも放熱特性の良い相を、優先駆動相として設定するため、部品を長寿命化することが可能となる。

0034

<FCコンバータの優先駆動相決定動作>
図3は、FCコンバータ2500の優先駆動相決定動作を示すフローチャートである。
コントローラ160の負荷変動検出部10aは、各センサ(例えばアクセル開度やモータの回転数をあらわす信号など)からの入力情報に基づいて実測負荷変動を把握し、実測負荷変動がメモリMに格納された負荷変動閾値未満になったか否かを、所定期間ごと(例えばシステム運転毎)に判断する(ステップS1)。そして、負荷変動検出部10aは、実測負荷変動が負荷変動閾値未満になってから一定期間(例えば1分など)経過したと判断すると(ステップS1;YES)、その旨を電力供給部10b及び放熱特性演算部10cに通知する。一方、負荷変動検出部10aは、実測負荷変動が負荷変動閾値以上であると判断した場合、あるいは実測負荷変動が負荷変動閾値未満になってから未だ一定期間経過していないと判断した場合には、ステップS1を繰り返し実行する。

0035

電力供給部10bは、実測負荷変動が負荷変動閾値未満になってから一定期間経過した旨の通知を受け取ると、各相のリアクトルに同一パワー(通過パワー)が印加されるように各相のDC−DCコンバータを制御する(ステップS2)。一方、放熱特性演算部10cは、実測負荷変動が負荷変動閾値未満になってから一定期間経過した旨の通知を受け取ると、温度センサ50−1、50−2、50−3によって検出される各相の素子温度Tu(U相)、Tv(V相)、Tw(W相)から素子温度の上昇速度V(u)、V(w)、V(w)をそれぞれ測定する(ステップS3)。そして、放熱特性演算部10cは、素子温度の上昇速度V(u)、V(v)、V(w)が遅いもの(別言すれば、放熱特性の高いもの)から順位づけを行い(ステップS4)、その結果を優先駆動相決定部10dに通知する。

0036

優先駆動相決定部10dは、放熱特性演算部10cから通知される順位づけに従い、もっとも放熱特性の高い相(例えば、V相)を優先駆動相に決定する(ステップS5)。優先駆動相決定部10dは、このようにして決定した優先駆動相をあらわすコンバータ制御信号を生成し、これをFCコンバータ2500に出力することで、優先駆動相を他の相よりも優先的に使用するような相切換の制御を実現する。

0037

以上説明したように、本実施形態によれば、現時点でもっとも放熱特性の良い相を優先駆動相として設定することで、優先駆動相が任意に設定されていた従来の問題、すなわち過熱が生じやすい相が優先駆動相として設定されたために低負荷時に頻繁に出力制限をかけなければならないという問題を未然に防ぐとともに、部品の長寿命化を図ることも可能となる。

0038

B.変形例
上述した本実施形態では、DC−DCコンバータとしてIGBT等のスイッチング素子をPWM動作させて電圧の変換を行う形式のものを想定したが、これに限定する趣旨ではない。周知のとおり、DC−DCコンバータは、電子機器の省電力化、小型化及び高性能化に伴い、一層の低損失、高効率及び低ノイズ化が望まれており、特に、PWM動作に伴うスイッチング損失スイッチングサージの低減が望まれている。

0039

このようなスイッチング損失、スイッチングサージを低減させる技術のひとつにソフトスイッチング技術がある。ここで、ソフトスイッチングは、ZVS(Zero Voltage Switching)又はZCS(Zero Current Switching)を実現するためのスイッチング方式であり、例えばインダクタ、スイッチング素子、ダイオードを備えた一般的な昇降圧型DC−DCコンバータに、スイッチング損失を低減させる補助回路を付加したもの(いわゆるソフトスイッチングコンバータ)によって実現される。本変形例では、燃料電池110の電圧を制御するDC−DCコンバータとして多相のソフトスイッチングコンバータ(以下、多相FCソフトスイッチングコンバータ)を採用した場合について説明する。

0040

図4は、多相FCソフトスイッチングコンバータ250の回路構成を示す図である。
多相FCソフトスイッチングコンバータ250は、U相コンバータ150a、V相コンバータ150b、W相コンバータ150cのほか、フリーホイール回路32c(ここではフリーホイールダイオードD6)を備えて構成されている。なお、以下の説明においてFCソフトスイッチングコンバータ250を構成する1相分のコンバータを特に区別する必要がない場合には、単にソフトスイッチングコンバータ150と呼ぶ。また、FCソフトスイッチングコンバータ150に入力される昇圧前の電圧をコンバータ入力電圧Vinと呼び、FCソフトスイッチングコンバータ150から出力される昇圧後の電圧をコンバータ出力電圧Voutと呼ぶ。

0041

図5は、多相FCソフトスイッチングコンバータ250を構成する1相分(例えばU相)の回路構成を示す図である。
FCソフトスイッチングコンバータ150は、昇圧動作を行うための主昇圧回路12aと、ソフトスイッチング動作を行うための補助回路12bとを備えて構成されている。
主昇圧回路12aは、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などからなるメインスイッチS1とダイオードD4で構成されるスイッチング回路スイッチ動作によって、コイルL1に蓄えられたエネルギを負荷130にダイオードD5を介して解放することで燃料電池22の出力電圧を昇圧する。

0042

詳述すると、コイルL1の一端が燃料電池22の高電位側の端子に接続され、メインスイッチS1の一端の極がコイルL1の他端に接続され、メインスイッチS1の他端の極が燃料電池22の低電位側の端子に接続されている。また、ダイオードD5のカソード端子がコイルL1の他端に接続され、さらに、平滑コンデンサとして機能するコンデンサC3は、ダイオードD5のアノード端子とメインスイッチS1の他端との間に接続されている。主昇圧回路12aには、燃料電池22側に平滑コンデンサC1が設けられており、これにより燃料電池22の出力電流のリップルを低減することが可能となる。

0043

ここで、コンデンサC3にかかる電圧VHは、FCソフトスイッチングコンバータ150のコンバータ出力電圧Voutとなり、平滑コンデンサC1にかかる電圧VLは、燃料電池22の出力電圧であってFCソフトスイッチングコンバータ150のコンバータ入力電圧Vinとなる。

0044

補助回路12bには、メインスイッチS1に並列に接続された、ダイオードD3とこのダイオードD3に直列に接続されたスナバコンデンサC2とを含む第1直列接続体が含まれている。第1直列接続体は、ダイオードD3のカソード端子がコイルL1の他端に接続され、ダイオードD3のアノード端子がスナバコンデンサC2の一端に接続されている。さらに、スナバコンデンサC2の他端は、燃料電池22の低電位側の端子に接続されている。

0045

さらに、補助回路12bには、ダイオードD2と、補助スイッチS2及びダイオードD1で構成されるスイッチング回路と、誘導素子であるコイルL2とが直列に接続された第2直列接続体が含まれる。この第2直列接続体は、ダイオードD2のアノード端子が第1直列接続体のダイオードD3とスナバコンデンサC2との接続部位に接続されている。さらに、ダイオードD2のカソード端子が補助スイッチS2の一端の極に接続されている。また、補助スイッチS2の他端は、各相に共通のコイルL2の一端側に接続され、コイルL2の他端側は燃料電池22の高電位側の端子に接続されている。

0046

このように構成されるFCソフトスイッチングコンバータ150においては、ハイブリッド制御部10がメインスイッチS1のスイッチングデューティー比を調整することで、FCソフトスイッチングコンバータ150による昇圧比、すなわちコンバータ入力電圧Vinに対するコンバータ出力電圧Voutの比が制御される。また、メインスイッチS1のスイッチング動作において補助回路12bの補助スイッチS2のスイッチング動作を介在させることで、ソフトスイッチングが実現される。

0047

本変形例では、かかる構成を有するU相コンバータ150a、V相コンバータ150b、W相コンバータ150cについて、図4に示すハイブリッド制御部10を用いて優先駆動相の設定・変更を行う。なお、かかる動作については本実施形態と同様に説明することができるため、これ以上の説明は割愛する。

0048

20a,150a…U相コンバータ、20b,150b…V相コンバータ、20c,150c…W相コンバータ、100…FCHVシステム、110…燃料電池、120…バッテリ、130…負荷、140…インバータ、2500…FCコンバータ、160…コントローラ、10a…負荷変動検出部、10b…電力供給部、10c…放熱特性演算部、10d…優先駆動相決定部、M…メモリ、170…センサ群、180…バッテリコンバータ、250…FCソフトスイッチングコンバータ、S1,S2…スイッチング素子、C1,C3…平滑コンデンサ、C2…スナバコンデンサ、L1,L2,…コイル、D1,D2,D3,D4,D5…ダイオード、D6…フリーホイールダイオード。

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