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図面 (7)

課題・解決手段

本発明の回折光学素子の製造方法によれば、金型1の成型面2の中心に形成された所定形状のマーカー3と、基材4の回折格子5の形状とに基づいて、成型面2の中心と基材4の中心との位置合わせをする。成型面2と回折格子5との間に、ナノコンポジット材料9を配置し、金型1と基材4とにより材料9を押圧して、回折格子5上に光学調整層10を形成する。

概要

背景

回折光学素子は、ガラス樹脂等の光学材料からなる基材の表面に、多くの溝状の格子構造を備えた光学素子である。

回折光学素子は、種々の光学系に用いられており、例えば、特定次数回折光を1点に集めるように設計したレンズや、空間ローパスフィルタ偏光ホログラム等として使用するもの等が知られている。

回折光学素子は、光学系をコンパクトにできるという特徴を有する。また、屈折とは逆に長波長の光ほど回折は大きく発現することから、回折光学素子を屈折系の光学素子と組み合わせることにより、光学系の色収差像面湾曲を改善することも可能である。

ところで、カメラ等の光学機器を組み立てるときには、光学部品同士光軸を高精度に位置合わせする必要がある。特許文献1は、そのような位置合わせを行うためのマーカーレンズ中心に形成されている球面レンズを開示している。このようなマーカーを用いることで、光学部品同士の位置決めを高精度に行うことができる。

概要

本発明の回折光学素子の製造方法によれば、金型1の成型面2の中心に形成された所定形状のマーカー3と、基材4の回折格子5の形状とに基づいて、成型面2の中心と基材4の中心との位置合わせをする。成型面2と回折格子5との間に、ナノコンポジット材料9を配置し、金型1と基材4とにより材料9を押圧して、回折格子5上に光学調整層10を形成する。

目的

本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、構造および製造工程を複雑化することなく、高精度で高機能の回折光学素子を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

第1の樹脂を含む第1の光学材料からなり、表面に回折格子形状を有する基材と、第2の樹脂を含む第2の光学材料からなり、前記基材の前記回折格子形状上に形成された光学調整層と、を有する回折光学素子の製造方法であって、前記製造方法は、金型成型面の中心に形成された所定形状のマーカーと、前記基材の前記回折格子形状とに基づいて、前記金型の前記成型面の中心と前記基材の前記回折格子形状の中心との位置合わせをする工程と、前記金型の前記成型面と前記基材の前記回折格子形状との間に、前記第2の光学材料の原料を配置する工程と、前記金型と前記基材とにより前記第2の光学材料の原料を押圧して、前記回折格子形状上に前記光学調整層を形成する工程と、を包含する、回折光学素子の製造方法。

請求項2

前記位置合わせをする工程は、前記回折格子形状の複数の座標より求めた前記回折格子形状の中心位置と前記マーカーとの位置合わせをする工程を含む、請求項1に記載の回折光学素子の製造方法。

請求項3

前記位置合わせをする工程は、前記回折格子形状の輪帯と前記マーカーとの位置合わせをする工程を含む、請求項1または2に記載の回折光学素子の製造方法。

請求項4

前記位置合わせをする工程は、前記回折格子形状の最内周の輪帯と前記マーカーとの位置合わせをする工程を含む、請求項1から3のいずれかに記載の回折光学素子の製造方法。

請求項5

前記位置合わせをする工程は、前記回折格子形状の最内周の輪帯を検出する工程と、前記最内周の輪帯よりも内側に前記マーカーの位置を設定する工程と、を含む、請求項1から4のいずれかに記載の回折光学素子の製造方法。

請求項6

前記マーカーは、前記成型面に形成された凹部または凸部である、請求項1から5のいずれかに記載の回折光学素子の製造方法。

請求項7

前記マーカーの大きさは、前記成型面に沿った長さが50μm以下であり、かつ前記成型面に対する深さが50μm以下である、請求項1から6のいずれかに記載の回折光学素子の製造方法。

請求項8

第1の樹脂を含む第1の光学材料からなり、表面に回折格子形状を有する基材と、第2の樹脂を含む第2の光学材料からなり、前記基材の前記回折格子形状上に形成された光学調整層と、を有し、前記光学調整層は、成型面の中心に所定形状のマーカーを有する金型を用いて前記基材上に成型されており、前記光学調整層のうちの前記基材側とは反対側の表面には、前記マーカーの形状に応じた所定形状の凹部または凸部が形成されている、回折光学素子。

請求項9

前記光学調整層の前記凹部または凸部は、前記基材の前記回折格子形状の最内周の輪帯よりも内側に位置している、請求項8に記載の回折光学素子。

請求項10

前記第1の光学材料は、前記第2の光学材料よりも低屈折率高分散材料である、請求項8または9に記載の回折光学素子。

請求項11

前記第1の光学材料はポリカーボネートを含む、請求項8から10のいずれかに記載の回折光学素子。

請求項12

前記第2の光学材料は、樹脂と無機粒子とを含むコンポジット材料である、請求項8から11のいずれかに記載の回折光学素子。

請求項13

前記無機粒子は、酸化ジルコニウム酸化イットリウム酸化ランタンアルミナおよびシリカのうちの少なくとも1種類の酸化物を主成分とする、請求項12に記載の回折光学素子。

請求項14

回折光学素子の成型誤差を検出する方法であって、前記回折光学素子は、第1の樹脂を含む第1の光学材料からなり、表面に回折格子形状を有する基材と、第2の樹脂を含む第2の光学材料からなり、前記基材の前記回折格子形状上に形成された光学調整層と、を有し、前記光学調整層は、成型面の中心に所定形状のマーカーを有する金型を用いて前記基材上に成型されており、前記光学調整層のうちの前記基材側とは反対側の表面には、前記マーカーの形状に応じた所定形状の凹部または凸部が形成されており、前記方法は、表示装置に表示された第1の印と、前記回折格子形状の輪帯との位置合わせを行う工程と、前記第1の印に対応付けて前記表示装置に表示された第2の印と、前記光学調整層の前記凹部または凸部との位置関係を検出する工程と、を包含する、回折光学素子の成型誤差を検出する方法。

請求項15

前記第1の印と前記回折格子形状の最内周の輪帯との位置合わせを行う、請求項14に記載の回折光学素子の成型誤差を検出する方法。

請求項16

第1の樹脂を含む第1の光学材料からなり、表面に回折格子形状を有する基材と、第2の樹脂を含む第2の光学材料からなり、前記基材の前記回折格子形状上に形成された光学調整層と、を有する回折光学素子の製造方法であって、前記製造方法は、前記光学調整層を成型するための成型面を有する第1の金型と、前記基材の位置を規制する第2の金型との間に、前記第2の光学材料の原料を配置する工程と、前記第1の金型と前記第2の金型とを嵌合する工程と、前記金型と前記基材とにより前記第2の光学材料の原料を押圧して、前記回折格子形状上に前記光学調整層を形成する工程と、を包含する、回折光学素子の製造方法。

請求項17

前記第2の光学材料の原料は光硬化性を有し、前記第2の金型は開口部を有し、前記第2の金型の開口部および前記基材を介して前記第2の光学材料の原料に光を照射して硬化させる工程をさらに包含する、請求項16に記載の回折光学素子の製造方法。

請求項18

前記第2の光学材料の原料は光硬化性を有し、前記第2の金型は光を透過する材料から形成されており、前記第2の金型を介して前記第2の光学材料の原料に光を照射して硬化させる工程をさらに包含する、請求項16に記載の回折光学素子の製造方法。

請求項19

前記第2の光学材料の原料は光硬化性を有し、前記第1の金型は光を透過する材料から形成されており、前記第1の金型を介して前記第2の光学材料の原料に光を照射して硬化させる工程をさらに包含する、請求項16に記載の回折光学素子の製造方法。

請求項20

前記第2の光学材料の原料は紫外線硬化性を有し、前記第2の光学材料の原料に紫外線を照射して硬化させる、請求項17から19のいずれかに記載の回折光学素子の製造方法。

請求項21

前記第1の金型と前記基材とを直接押し付けたときに形成される前記成型面と前記回折格子形状の間の空間に前記光学調整層を形成する、請求項16から20のいずれかに記載の回折光学素子の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、回折光学素子の製造方法、および回折光学素子に関する。特に、レンズ基材の表面に保護膜を有し、回折効率波長依存性を低減した回折光学素子の製造方法、および回折光学素子に関する。

背景技術

0002

回折光学素子は、ガラス樹脂等の光学材料からなる基材の表面に、多くの溝状の格子構造を備えた光学素子である。

0003

回折光学素子は、種々の光学系に用いられており、例えば、特定次数回折光を1点に集めるように設計したレンズや、空間ローパスフィルタ偏光ホログラム等として使用するもの等が知られている。

0004

回折光学素子は、光学系をコンパクトにできるという特徴を有する。また、屈折とは逆に長波長の光ほど回折は大きく発現することから、回折光学素子を屈折系の光学素子と組み合わせることにより、光学系の色収差像面湾曲を改善することも可能である。

0005

ところで、カメラ等の光学機器を組み立てるときには、光学部品同士光軸を高精度に位置合わせする必要がある。特許文献1は、そのような位置合わせを行うためのマーカーレンズ中心に形成されている球面レンズを開示している。このようなマーカーを用いることで、光学部品同士の位置決めを高精度に行うことができる。

先行技術

0006

特開2006−268015号公報

発明が解決しようとする課題

0007

上述した回折光学素子においては、回折効率は理想的に光の波長に依存することから、特定の波長の光で回折効率を最適となるように回折光学素子を設計すると、その他の波長では回折効率が低下するという課題を有する。

0008

例えば、カメラ用レンズ等の白色光を利用する光学系に回折光学素子を適用しようとした場合、この回折光学素子単独での適用には限界があるという問題がある。

0009

そこで、この問題を解決するため、2種類の光学材料の境界面に回折格子を有する位相型の回折光学素子を形成することが考えられる。このような位相型の回折光学素子は、ガラスや樹脂基材からなる第1の光学材料に紫外線硬化樹脂等からなる第2の光学材料を被着することで実現できる。そして、双方の光学特性がある特定な条件式を満たす光学材料を選択することで、設計次数での回折効率が波長によらず高くなるようにし、回折効率の波長依存を低減している。

0010

しかし、第1の光学材料に第2の光学材料を被着する場合は、それぞれの頂点位置を高精度で合わせ込む等、製造上解決すべき課題も多い。第2の光学材料で回折格子の段差を埋めようとした場合、第2の光学材料の厚さは例えば20μm前後かそれ以上となり、それぐらいの厚さになると少しの位置ズレで光学特性が大きく変わってしまうため、位置合わせは高精度に行う必要がある。

0011

特許文献1には、球面レンズの中心にマーカーを形成する方法の一例として、内面の中心に凹部を形成した金型を用いて押圧成形する製法を開示している。この製法では、金型の中心に設けられた注入口よりオートコリメータからの光をレンズ基材表面照射し、その反射光の位置によってレンズ基材と金型中心との位置を調整している。しかしながら、このような方法においては、レンズ基材の曲率に依存した認識誤差が発生する。例えば、レンズ基材の曲率が小さい場合は反射光の変化は比較的大きくなり、レンズ基材の中心を求めることは可能である。しかし、逆に曲率が大きい場合は、反射光の変化は小さくなりレンズ基材の中心を求めることは困難である。

0012

本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、構造および製造工程を複雑化することなく、高精度で高機能の回折光学素子を提供する。

課題を解決するための手段

0013

本発明の回折光学素子の製造方法は、第1の樹脂を含む第1の光学材料からなり表面に回折格子形状を有する基材と、第2の樹脂を含む第2の光学材料からなり前記基材の前記回折格子形状上に形成された光学調整層とを有する回折光学素子の製造方法であって、前記製造方法は、金型の成型面の中心に形成された所定形状のマーカーと、前記基材の前記回折格子形状とに基づいて、前記金型の前記成型面の中心と前記基材の前記回折格子形状の中心との位置合わせをする工程と、前記金型の前記成型面と前記基材の前記回折格子形状との間に、前記第2の光学材料の原料を配置する工程と、前記金型と前記基材とにより前記第2の光学材料の原料を押圧して、前記回折格子形状上に前記光学調整層を形成する工程とを包含する。

0014

ある実施形態によれば、前記位置合わせをする工程は、前記回折格子形状の複数の座標より求めた前記回折格子形状の中心位置と前記マーカーとの位置合わせをする工程を含む。

0015

ある実施形態によれば、前記位置合わせをする工程は、前記回折格子形状の輪帯と前記マーカーとの位置合わせをする工程を含む。

0016

ある実施形態によれば、前記位置合わせをする工程は、前記回折格子形状の最内周の輪帯と前記マーカーとの位置合わせをする工程を含む。

0017

ある実施形態によれば、前記位置合わせをする工程は、前記回折格子形状の最内周の輪帯を検出する工程と、前記最内周の輪帯よりも内側に前記マーカーの位置を設定する工程と含む。

0018

ある実施形態によれば、前記マーカーは、前記成型面に形成された凹部または凸部である。

0019

ある実施形態によれば、前記マーカーの大きさは、前記成型面に沿った長さが50μm以下であり、かつ前記成型面に対する深さが50μm以下である。

0020

本発明の回折光学素子は、第1の樹脂を含む第1の光学材料からなり、表面に回折格子形状を有する基材と、第2の樹脂を含む第2の光学材料からなり、前記基材の前記回折格子形状上に形成された光学調整層とを有し、前記光学調整層は、成型面の中心に所定形状のマーカーを有する金型を用いて前記基材上に成型されており、前記光学調整層のうちの前記基材側とは反対側の表面には、前記マーカーの形状に応じた所定形状の凹部または凸部が形成されている。

0021

ある実施形態によれば、前記光学調整層の前記凹部または凸部は、前記基材の前記回折格子形状の最内周の輪帯よりも内側に位置している。

0022

ある実施形態によれば、前記第1の光学材料は、前記第2の光学材料よりも低屈折率高分散材料である。

0023

ある実施形態によれば、前記第1の光学材料はポリカーボネートを含む。

0024

ある実施形態によれば、前記第2の光学材料は、樹脂と無機粒子とを含むコンポジット材料である。

0025

ある実施形態によれば、前記無機粒子は、酸化ジルコニウム酸化イットリウム酸化ランタンアルミナおよびシリカのうちの少なくとも1種類の酸化物を主成分とする。

0026

本発明の回折光学素子の成型誤差を検出する方法において、前記回折光学素子は、第1の樹脂を含む第1の光学材料からなり表面に回折格子形状を有する基材と、第2の樹脂を含む第2の光学材料からなり前記基材の前記回折格子形状上に形成された光学調整層とを有し、前記光学調整層は、成型面の中心に所定形状のマーカーを有する金型を用いて前記基材上に成型されており、前記光学調整層のうちの前記基材側とは反対側の表面には、前記マーカーの形状に応じた所定形状の凹部または凸部が形成されており、前記方法は、表示装置に表示された第1の印と、前記回折格子形状の輪帯との位置合わせを行う工程と、前記第1の印に対応付けて前記表示装置に表示された第2の印と、前記光学調整層の前記凹部または凸部との位置関係を検出する工程とを包含する。

0027

ある実施形態によれば、前記第1の印と前記回折格子形状の最内周の輪帯との位置合わせを行う。

0028

本発明の回折光学素子の製造方法は、第1の樹脂を含む第1の光学材料からなり表面に回折格子形状を有する基材と、第2の樹脂を含む第2の光学材料からなり前記基材の前記回折格子形状上に形成された光学調整層とを有する回折光学素子の製造方法であって、前記製造方法は、前記光学調整層を成型するための成型面を有する第1の金型と、前記基材の位置を規制する第2の金型との間に、前記第2の光学材料の原料を配置する工程と、前記第1の金型と前記第2の金型とを嵌合する工程と、前記金型と前記基材とにより前記第2の光学材料の原料を押圧して、前記回折格子形状上に前記光学調整層を形成する工程と、を包含する。

0029

ある実施形態によれば、前記第2の光学材料の原料は光硬化性を有し、前記第2の金型は開口部を有し、前記第2の金型の開口部および前記基材を介して前記第2の光学材料の原料に光を照射して硬化させる工程をさらに包含する。

0030

ある実施形態によれば、前記第2の光学材料の原料は光硬化性を有し、前記第2の金型は光を透過する材料から形成されており、前記第2の金型を介して前記第2の光学材料の原料に光を照射して硬化させる工程をさらに包含する。

0031

ある実施形態によれば、前記第2の光学材料の原料は光硬化性を有し、前記第1の金型は光を透過する材料から形成されており、前記第1の金型を介して前記第2の光学材料の原料に光を照射して硬化させる工程をさらに包含する。

0032

ある実施形態によれば、前記第2の光学材料の原料は紫外線硬化性を有し、前記第2の光学材料の原料に紫外線を照射して硬化させる。

0033

ある実施形態によれば、前記第1の金型と前記基材とを直接押し付けたときに形成される前記成型面と前記回折格子形状の間の空間に前記光学調整層を形成する。

発明の効果

0034

本発明によれば、レンズ基材と光学調整層との偏芯を高精度に抑制できる。これにより、光学特性の優れた回折光学素子を得ることができる。

図面の簡単な説明

0035

(a)から(d)は、本発明の実施の形態1に係る回折光学素子の製造方法を示す図である。
(a)および(b)は、本発明の実施の形態1に係る回折光学素子の製造方法を示す図である。
本発明の実施の形態1に係るレンズ基材の中心の求め方を示す図である。
(a)から(e)は、本発明の実施の形態2に係る回折光学素子の成形誤差(偏芯)を検出する方法を示す図である。
(a)および(b)は、本発明の実施の形態3に係る回折光学素子のレンズ基材および金型を示す図である。
(a)から(d)は、本発明の実施の形態4に係る金型のみで位置決めする回折光学素子の製造方法を示す断面図である。

実施例

0036

以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。

0037

(実施の形態1)
図1図2は、本発明の第1の実施の形態に係る回折光学素子の製造方法を示す図である。図1図2を参照して、回折光学素子である回折レンズの基材の中心と、金型の成型面の中心とを認識し、高精度に回折光学素子を製造する方法について説明する。

0038

図1(a)は、回折格子が表面に形成された基材(以下、レンズ基材と記す)に、ナノコンポジット膜(光学調整層)を形成する際に用いる、金型の構造を示す側断面図である。

0039

レンズ基材表面に被着するナノコンポジット膜は金型形状転写することで整えられる。その金型1の成型面2は、形成されるナノコンポジット膜の形状を規定する凹面形状となっている。さらに、成型面2の中心には幅が数μm程度のマーカー3(図1(a)の窪み部)が形成されている。

0040

レンズ基材の材料としては、ポリカーボネートなどの樹脂が用いられる。また、ナノコンポジット材料としては、アクリル樹脂などの樹脂に無機粒子を含むものが用いられる。無機粒子は、例えば、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、アルミナ、シリカなどのうちの少なくとも1種類を主成分とする微粒子である。また、回折効率の波長依存性を低減するため、レンズ基材の光学材料は、光学調整層の光学材料(ナノコンポジット材料)よりも低屈折率高分散材料であることが好ましい。

0041

尚、本実施の形態では、マーカー3を窪み部(凹部)としているが、これに限定するものではなく、同形状の突起(凸部)であっても構わない。また、マーカーの大きさは、成型面に沿った長さが50μm以下であり、かつ成型面に対する深さが50μm以下であることが好ましい。この範囲であれば、製造された回折光学素子において、光学調整層に形成されるマーカーの跡が光学特性に影響しない。

0042

また、マーカー3の成型面2に沿った平面形状は特定の形状に限定するものではなく、一般的な円形のみならず四角三角または十字など、位置が認識できるものであれば、どのような形状であっても構わない。

0043

次に、図1(b)に示すごとく、レンズ基材4の回折格子5形成面と金型1とを対向させる。そして、金型1とレンズ基材4の中心とが一致するように、レンズ基材4をX−Y方向(図中に示す)に移動させて位置決めする。

0044

尚、本実施の形態では、レンズ基材4側を動作軸としているが、これに限定するものではなく、金型1側を動作軸としても構わない。即ち、一方が固定軸、他方が動作軸の関係が成り立てばよい。また、レンズ基材4と金型1との両方を移動させて位置決めを行ってもよい。

0045

また、金型1の成型面2の中心とレンズ基材4の中心との位置決めは、金型1中心に形成したマーカー3と、レンズ基材4に形成された回折格子の最内周の回折輪帯6(図1(b)の右側に表示)の中心とを、同軸上で認識することで行われる。認識手段の一例として、上下の被写体を同時に認識でき、同軸上でそれぞれの画像を取得できるカメラ7を用いて位置決めを行った。また、レンズ基材4の中心は、回折輪帯6上の複数の点の座標より計算で求めた。

0046

レンズ基材4の中心の求め方の一例を、図3を用いて説明する。図3は、回折格子の回折輪帯6の座標から中心を求める方法であり、図3に示した4点座標(0、0)(0、200)(200、0)(200、200)をまず計測する。次に、座標(0、0)および座標(200、200)の対角方向と、座標(0、200)および座標(200、0)の対角方向との交点(100、100)を検出する。この検出した交点(100、100)を回折輪帯6の中心(すなわち回折格子5の中心)とする。

0047

また、計算で求める以外の方法として、回折格子の回折輪帯6そのものの円環形状を用いる方法がある。回折格子5は、レンズ基材4の中心を基準に形成された同心円構造のものであることから、回折格子の円環エッジを高精度で認識すれば、おのずと、その中心が導出される。このように、回折輪帯6の円環そのものを一つのマーカーとして捉え、位置決めに用いることもできる。

0048

また、上述のように4点座標を測定して中心を求める以外に、図4(e)に示すような網目状のグリッドラインを用いて位置決めを行ってもよい。例えば、予め設定された複数の座標65、66、67、68と回折輪帯6の円環エッジとを一致させることで、レンズ基材4の中心位置を検出することができる。なお、回折輪帯6は最内周の輪帯であることが望ましいが、それに限定されず、最内周以外の輪帯であってもよい。

0049

このようにして、金型1の成型面2の中心と、レンズ基材4の中心とが同軸上になるように位置合わせをする。そして、このときのレンズ基材4の位置座標を記録しておく。

0050

その後、レンズ基材4を、金型1上から、金型1表面が完全に露出する位置まで一旦退避させる。

0051

図1(c)は、金型1にナノコンポジット材料を滴下する工程を示す断面図である。レンズ基材4を退避させた状態の金型1の成型面2の底部付近に、滴下装置8を用いて所定量のナノコンポジット材料9を滴下する。

0052

尚、本実施形態では金型1にナノコンポジット材料9を滴下しているが、これに限定するものではなく、レンズ基材4の回折格子形成面に所定量のナノコンポジット材料を滴下しても同様に回折光学素子を製造できる。

0053

図1(d)は、退避位置から金型上の座標記憶位置にレンズ基材4を移動させ、金型1とレンズ基材4とを対向させた状態を示す断面図である。ナノコンポジット材料9を滴下した金型1の直上に、図1(b)の工程で記憶した座標に従いレンズ基材4を移動させる。

0054

図2(a)は、レンズ基材4と金型1との当接状態を示す断面図である。レンズ基材4を金型1方向にフェースダウンし、ナノコンポジット材料9を押し広げながら挟み込む。

0055

その際、レンズ基材4は完全に金型1と密着させるのではなく、ナノコンポジット材料9の膜厚を確保できる位置で停止させる。

0056

つまり、レンズ基材4と金型1との間に、ナノコンポジット材料9の膜厚とほぼ同寸法の隙間を開けた状態でレンズ基材4を停止させる。

0057

尚、本実施形態では、回折格子レンズをフェースダウンするとしているが、これに限定するものではなく、回折格子レンズ側を固定軸にした場合は、金型をレンズにフェースダウンして当接させてもよい。

0058

次に、このような当接位置を保持した状態でコンポジット材料9を硬化させる。硬化の方法は、樹脂の種類に応じて適切に選択すればよい。例えば、熱硬化紫外線硬化電子線硬化などが挙げられ、その中でも特に紫外線硬化が簡便でより好ましい。コンポジット材料9が紫外線硬化性を有する場合は、紫外線12をレンズ基材4を介してコンポジット材料9に照射することで硬化させることができる。

0059

図2(b)は、金型1から開放して取り出すことにより得られた回折光学素子の完成品100を示す断面図である。ナノコンポジット材料は硬化後、ナノコンポジット膜(光学調整層)10となり、レンズ基材4の回折格子5形成面に密着する形で被着される。レンズ基材4の中心のナノコンポジット膜10上には、金型1に形成したマーカー3とほぼ同サイズ・同形状のマーカー11が形成される。マーカー3の形状に応じて、マーカー11は凹形状または凸形状となる。

0060

このように、本実施の形態によれば、金型1の成型面2の中心に形成されたマーカー3と、基材4の回折格子5の形状とを用いて、成型面2の中心と基材4の中心との位置合わせを行う。これにより、レンズ基材4と光学調整層10との位置合わせを高精度に行うことができ、光学特性の優れた回折光学素子100を得ることができる。また、回折格子5の形状を位置合わせに用いることで、基材4に位置合わせのためのマーカーを別途形成する工程を省略することができる。

0061

また、光学調整層10の表面に形成されたマーカー10は、回折光学素子100が搭載される光学機器(カメラ等)を組み立てるときに、光学部品同士の光軸を高精度に位置合わせするためのマーカーとして用いることができる。

0062

尚、本実施の形態では、金型1の中心に形成したマーカー3と、レンズ基材4の中心とが同軸上になるように位置合わせするために、同軸上の上下方向のそれぞれの画像を取得できるカメラを用いたが、他の方法を用いてもよい。例えば、レンズ基材4の背面(金型1に対向する面とは反対側の面)から見た撮像画像を用いて、金型1の中心に形成したマーカー3と、レンズ基材4の中心とが同軸上になるように位置合わせをしてもよい。この方法であれば、ナノコンポジット材料を塗布するためにレンズ基材4を一旦退避させる工程を省略することも可能である。

0063

(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係る回折光学素子の成型誤差を検出する方法を説明する。

0064

上述したような、成型面2の中心に所定形状のマーカー3を有する金型1を用いて、ナノコンポジット膜10を基材4上に成型することで得られる回折光学素子構造とすることで、レンズ基材4の中心、すなわち最内周の回折輪帯6の中心とナノコンポジット膜中心の膜成形誤差(以下、偏芯と記す)を素早く高精度で簡便に測定する事ができる。その偏芯検出方法の一例を図4を用いて説明する。

0065

図4(a)に示すように、最内周回折輪帯の調整位置を現す円環61(第1の印)と、偏芯許容範囲を現す円環62(第2の印)とが調整位置として、CRT等のモニター60に映し出される。円環62は円環61で囲まれた範囲の中心部に位置している。本実施形態では、円環Aと円環Bの面積比は約14:1であるが、これに限定されない。

0066

次に、図4(b)に示すように、回折光学素子を任意の位置に設置し、最内周の回折輪帯6(具体的には回折輪帯のエッジ)にピントを合わせ、回折輪帯6の画像をモニター60に映し出す。この際、ナノコンポジット膜の膜厚および画像の倍率によっても異なるが、ナノコンポジット膜の中心に形成されたマーカー11の映像は不鮮明な状態であっても問題ない。

0067

次に、円環61と回折輪帯6の位置が一致するように、回折光学素子を微動させ(図中の→方向)、図4(c)に示すような一致した状態になるよう調整する。

0068

この位置を保持した状態で、ナノコンポジット膜中心に形成されたマーカー11にピントを合わせ、マーカー11が円環62内に位置していれば、その回折光学素子の成型誤差は許容範囲内であるので、合格品と判断する。一方、図4(d)に示すように、円環62外にマーカー11が位置していれば、成型誤差は許容範囲外であるので、不合格品と判断する。

0069

このような方法により、成形誤差(偏芯)の検出を高精度で簡便に行う事が可能となる。

0070

尚、モニター60に映し出す規格領域画像(第1の印)は円環に限定するものではなく、図4(e)に示すようなマトリックス画像であってもよい。このような場合は、回折輪帯6に合致させるための複数座標65、66、67、68(本実施の形態では4箇所)をモニター50上に予め設定しておき、回折輪帯6と座標65、66、67、68を一致させるよう位置調整し、円環62とマーカー11の位置関係によって、成形誤差(偏芯)を検出することができる。

0071

ところで、一方、本発明のマーカーなど中心を表す目印がナノコンポジット膜にない場合は、レーザー顕微鏡など特殊な装置を投資する必要があるばかりでなく、高精度な判定を行うためには長い時間を要し、量産上の障害となる。

0072

なお、本実施の形態の成形誤差(偏芯)検出方法は、実施の形態1の回折光学素子100の構造に限らず、光学調整層になんらかのマーカーが形成された回折光学素子であれば適用することができる。

0073

(実施の形態3)
図5は、本発明の第3の実施の形態に係る回折光学素子の製造方法を示す図である。図5(a)は、レンズ基材4の平面図および断面図であり、図5(b)は、金型1の平面図および断面図である。

0074

実施の形態1で説明したマーカー認識方法に代え、図5に示したレンズ基材4および金型1を用いても、実施の形態1と同様の回折光学素子を得る事ができる。

0075

図5(a)に示したレンズ基材4では、認識マーカー21、22を回折格子形成面23の外周部分に形成している。

0076

また、図5(b)に示す金型1では、認識マーカー25、26を凹面形状の成型面2の外周部分に形成している。

0077

位置決めは、レンズ基材4側を動作軸とする場合、X−Y−Z(図中に示す)の3軸方向に行う。レンズ基材4に形成したマーカー21、22と金型4に形成したマーカー25、26とを一致させるためにレンズ基材4を移動させて位置決めする。その他のプロセスは実施の形態1で説明したプロセスと共通であり、この方法により、実施の形態1の回折光学素子と同性能の回折光学素子が得られる。

0078

(実施の形態4)
図6(a)〜(d)を参照して、レンズ基材の回折輪帯と金型のマーカーを認識して位置決めする製造方法とは異なり、金型同士を位置決めしてナノコンポジット膜を成形する回折光学素子の製造方法を説明する。

0079

図6(a)は、レンズ基材と金型の位置規制を金型のみで行いナノコンポジット膜を形成する金型を示す断面図である。

0080

本実施形態の金型は、ナノコンポジット膜の形状を規制する下型30と、レンズ基材を保持し下型30とレンズ基材の位置を規制する規制型31と、レンズ基材を下型30の方向に押え付ける上型32から構成される。

0081

下型30に形成した位置規制ピン33、34は規制型31の貫通穴35、36と上型32の貫通穴37、38に、それぞれに高精度で嵌合する。また、下型30には湾曲部39の中心に所定サイズの凹部40を設けており、ナノコンポジット膜にその形状が転写される。

0082

尚、この凹部40によってナノコンポジット膜表面に形成されるマーカーは、回折光学素子の形状評価の際に、回折光学素子の中心を求めるための目印として用いられる。

0083

図6(b)は、下型30と規制型31を組み立てた状態と、レンズ基材43の装着状態を示す断面図である。まず、下型30の位置規制ピン33、34に規制型31の貫通穴35、36を嵌め込む。次に、規制型31に形成されたレンズ保持部41に、予め所定量のナノコンポジット材料42を滴下したレンズ基材43を、ナノコンポジット材料42と金型30が当接する形に反転させ嵌め込む。

0084

尚、本実施の形態では、レンズ基材43側にナノコンポジト材料を滴下する方法で説明しているが、これに限定するものではなく、下型30に同量のナノコンポジット材料を滴下してもよい。

0085

図6(c)は、上型32を装着した状態を示す断面図である。図6(b)で示したレンズ基材43の背面に上型32を密着させる形で装着する。その際の組み立ては、下型30の位置規制ピン33、34と上型32の貫通穴37、38を合致させるように嵌め込むことで行われる。

0086

尚、図では省略するが、組み立てた金型30、31、32の固定方法の一例としては、下型30に形成する位置決めピン33、34の外周に所定サイズのネジを形成しておき、そのネジ部にナットを装着し締め付ける事で固定することができる。この場合、レンズ基材43と下型30の間には、レンズ基材43と下型30を完全に密着させた状態でも所定の隙間が形成されるような構造としており、この隙間にナノコンポジット材料42が満たされる。

0087

このような密着状態を保持した位置で、所定波長の紫外線を上型32中央に形成した開口窓44より取り込み、レンズ基材43を介して紫外線をナノコンポジット材料42に照射して硬化させる。ナノコンポジット材料42は例えば光硬化性を有し、この例では紫外線硬化性を有する。材料42の性質に応じた所望の波長の光等の電磁波を照射することで材料42を硬化させることができる。

0088

また、下型30は、例えばガラス等の光を透過する材料から形成されていてもよく、その場合は、下型30を介して材料42に所望の光(電磁波)を照射することで、材料42を硬化させることができる。また、同様に、上型32および規制型31が光を透過する材料から形成されていてもよく、その場合は、上型32および規制型31を介して材料42に所望の光(電磁波)を照射することで、材料42を硬化させることができる。なお、材料42が熱硬化性を有する場合は、熱を加えて硬化させる。

0089

図6(d)は、完成した回折光学素子45を示す断面図である。ナノコンポジット材料42を硬化後、金型を開放してレンズ基材43を取り出すと、レンズ基材43の回折格子形成面46にナノコンポジット膜47が成形された回折光学素子45が完成する。回折光学素子45の中心位置のナノコンポジット膜47上には、金型形状を転写した所定サイズのマーカー48が形成されている。

0090

本発明は、回折光学素子およびその製造方法の分野において特に有用である。

0091

1金型
2成型面
3マーカー
4レンズ基材
5回折格子
6回折輪帯
7カメラ
8滴下装置
9ナノコンポジット材料
10光学調整層
11 マーカー

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