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技術 タンク

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 志水安起良
出願日 2008年11月11日 (12年8ヶ月経過) 出願番号 2010-537622
公開日 2012年4月5日 (9年3ヶ月経過) 公開番号 WO2010-055553
状態 特許登録済
技術分野 ガス貯蔵容器;ガスの充填・放出
主要キーワード 外壁層 内壁層 高圧バルブ 樹脂繊維層 片側断面図 バルブアッセンブリ 評価試験用 樹脂ライナ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2012年4月5日)のものです。
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図面 (10)

課題・解決手段

高圧タンクのねじ構造においては、使用を重ねるごとにねじ部の強度が劣化してしまうという課題があるので、ねじ部の強度が劣化するのを抑制した構造のタンクを提供する。これを実現するため、本発明にかかるタンクは、タンク軸方向の内側に対して外側の径が大きく、ねじが形成された口金ねじ部(42)を有する口金(11)と、口金ねじ部(42)の一部のみに対応するバルブねじ部(51(51t))を有するバルブ(50(50t))と、からなる。このタンクにおいては、例えばバルブねじ部(51t,51p)の位置が異なる試験用バルブ(50t)と製品用バルブ(50p)を用いることにより、口金(11)に製品用バルブ(50p)を取り付ける際、強度が劣化していない口金のねじ部(42(42p))を使用することが可能である。

概要

背景

水素等の貯蔵に利用される高圧タンクとして、タンク本体のタンク開口部に設けられた口金バルブアッセンブリ高圧バルブ等を内蔵した部品)を取り付ける構造のものが利用されている。また、口金にバルブアッセンブリを取り付けるにあたっては、口金のめねじ部分にバルブアッセンブリのおねじ部分を螺合させるという単純なねじ構造が多く利用されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−263290号公報

概要

高圧タンクのねじ構造においては、使用を重ねるごとにねじ部の強度が劣化してしまうという課題があるので、ねじ部の強度が劣化するのを抑制した構造のタンクを提供する。これを実現するため、本発明にかかるタンクは、タンク軸方向の内側に対して外側の径が大きく、ねじが形成された口金ねじ部(42)を有する口金(11)と、口金ねじ部(42)の一部のみに対応するバルブねじ部(51(51t))を有するバルブ(50(50t))と、からなる。このタンクにおいては、例えばバルブねじ部(51t,51p)の位置が異なる試験用バルブ(50t)と製品用バルブ(50p)を用いることにより、口金(11)に製品用バルブ(50p)を取り付ける際、強度が劣化していない口金のねじ部(42(42p))を使用することが可能である。

目的

そこで、本発明は、ねじ部の強度が劣化するのを抑制した構造のタンクを提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

タンク軸方向の内側に対して外側の径が大きく、ねじが形成された口金ねじ部を有する口金と、前記口金ねじ部の一部のみに対応するバルブねじ部を有するバルブと、からなるタンク

請求項2

前記口金の孔に段差が形成されている、請求項1に記載のタンク。

請求項3

前記口金ねじ部がテーパ状である、請求項1に記載のタンク。

請求項4

当該タンクの評価試験用口金ねじ部がタンク軸方向外側に、製品用口金ねじ部がタンク軸方向内側にそれぞれ形成され、前記試験用口金ねじ部は当該タンクの評価試験を行うための試験用バルブのバルブねじ部と螺合し、前記製品用口金ねじ部は製品用バルブのバルブねじ部と螺合する、請求項1から3のいずれか一項に記載のタンク。

請求項5

前記製品用バルブのバルブねじ部は、前記試験用口金ねじ部とも螺合するものである、請求項4に記載のタンク。

請求項6

前記製品用バルブのバルブねじ部は、前記試験用口金ねじ部の全領域と螺合するものである、請求項5に記載のタンク。

請求項7

前記口金はアルミニウム製であり、前記バルブはステンレス鋼製である、請求項1から6のいずれか一項に記載のタンク。

技術分野

0001

本発明は、タンクに関する。さらに詳述すると、本発明は、水素ガス等が充填される高圧タンクにおけるバルブ締結構造の改良に関する。

背景技術

0002

水素等の貯蔵に利用される高圧タンクとして、タンク本体のタンク開口部に設けられた口金バルブアッセンブリ高圧バルブ等を内蔵した部品)を取り付ける構造のものが利用されている。また、口金にバルブアッセンブリを取り付けるにあたっては、口金のめねじ部分にバルブアッセンブリのおねじ部分を螺合させるという単純なねじ構造が多く利用されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−263290号公報

発明が解決しようとする課題

0003

しかしながら、上述のごとき高圧タンクのねじ構造においては、使用を重ねるごとにねじ部の強度が劣化してしまうという問題がある。

0004

そこで、本発明は、ねじ部の強度が劣化するのを抑制した構造のタンクを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0005

かかる課題を解決するべく本発明者は種々の検討を行った。高圧タンクにおいては、個々の筐体(高圧タンクの本体)毎に膨張量や気密性評価試験を行わなければならず、その際、口金に試験用バルブを取り付ける必要がある。このような試験用バルブとしては、複数回の使用を可能とするため、例えばアルミニウム製の口金に対してステンレス製のバルブを用いるなど、口金よりも硬い材料が用いられている。ところが、評価試験を終えてから試験用バルブを外し、さらに製品用バルブを取り付けると、磨耗によって口金のねじ部から削れカスバリゴミ等の異物(以下、本明細書ではこれらをまとめて切粉と称する)が生じたり、かじりによる不具合が生じたりすることがある。このような状況下、口金等にアルミニウムを用いた場合にも耐久性をいかに担保するかについて検討を重ねた本発明者は、かかる課題の解決に結び付く新たな知見を得るに至った。

0006

本発明にかかるタンクは該知見に基づくもので、タンク軸方向の内側に対して外側の径が大きく、ねじが形成された口金ねじ部を有する口金と、口金ねじ部の一部のみに対応するバルブねじ部を有するバルブと、からなる。このタンクにおいては、バルブねじ部の位置が異なる試験用バルブと製品用バルブを用いることにより、口金に製品用バルブを取り付ける際、強度が劣化していない口金のねじ部を使用することが可能である。

0007

このタンクにおいて、口金の孔に段差が形成されていてもよい。この場合、当該段差により、口金ねじ部の使用領域がどこまであるのかをバルブ取付け時に容易に判断することができる。

0008

あるいは、このタンクにおいては、口金ねじ部がテーパ状であってもよい。

0009

また、上述のタンクにおいて、当該タンクの評価試験用口金ねじ部がタンク軸方向外側に、製品用口金ねじ部がタンク軸方向内側にそれぞれ形成され、試験用口金ねじ部は当該タンクの評価試験を行うための試験用バルブのバルブねじ部と螺合し、製品用口金ねじ部は製品用バルブのバルブねじ部と螺合することも好ましい。

0010

また、製品用バルブのバルブねじ部は、試験用口金ねじ部とも螺合するものであることが好ましい。この場合、製品用バルブのバルブねじ部は、試験用口金ねじ部の全領域と螺合するものであることがさらに好ましい。製品用バルブのバルブねじ部が、製品用口金ねじ部および試験用口金ねじ部の両方と螺合することにより、口金に対し当該製品用バルブをさらに強固に締結させることが可能となる。

0011

このようなタンクにおいて、例えば口金はアルミニウム製であり、バルブはステンレス鋼製である。

発明の効果

0012

本発明によれば、ねじ部の強度が劣化するのを抑制した構造を実現することができる。

図面の簡単な説明

0013

本発明の一実施形態における燃料電池システムの構成例を示す図である。
本発明にかかるタンク(高圧タンク)の要部を示す断面図である。
高圧タンクの片側断面図である。
図3中の破線で囲まれた部分の拡大図である。
本発明の一実施形態を示す図で、口金の試験用口金ねじ部に、試験用バルブの試験用バルブねじ部が螺合している状態を表すものである。
口金の製品用口金ねじ部に、製品用バルブの製品用バルブねじ部が螺合している状態を示す図である。
本発明の他の実施形態を示す図で、製品用バルブの製品用バルブねじ部が、口金の製品用口金ねじ部と試験用口金ねじ部の両方に螺合した状態を表すものである。
本発明のさらに他の実施形態を示す図で、口金ねじ部およびバルブアッセンブリのねじ部がテーパ状である場合を表すものである。
従来の口金の構造例を参考として示す図である。

符号の説明

0014

1…高圧タンク(タンク)、11…口金、11h…(口金の)孔、42…口金ねじ部、42p…製品用口金ねじ部、42t…試験用口金ねじ部、50p…製品用バルブ(バルブ)、50t…試験用バルブ(バルブ)、51p…試験用バルブのバルブねじ部、51t…試験用バルブのバルブねじ部、52…段差

発明を実施するための最良の形態

0015

以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。

0016

図1図6に本発明にかかるタンクおよびその製造方法の実施形態を示す。以下では、本発明にかかるタンク(以下、高圧タンクともいう)1を燃料電池システム100における燃料供給源としての高圧水素タンクに適用した場合について説明する。

0017

まず、本実施形態における燃料電池システムの概略から説明する(図1参照)。この燃料電池システム100は、燃料電池2と、酸化ガスとしての空気(酸素)を燃料電池2に供給する酸化ガス配管系30と、燃料ガスとしての水素ガスを燃料電池2に供給する燃料ガス配管系40と、システム全体を統括制御する制御部70と、を備えたシステムとして構成されている。

0018

燃料電池2は、例えば固体高分子電解質型で構成され、多数の単セルを積層したスタック構造を備えている。燃料電池2の単セルは、イオン交換膜からなる電解質の一方の面に空気極を有し、他方の面に燃料極を有し、さらに空気極及び燃料極を両側から挟みこむように一対のセパレータを有している。一方のセパレータの燃料ガス流路に燃料ガスが供給され、他方のセパレータの酸化ガス流路に酸化ガスが供給され、このガス供給により燃料電池2は電力を発生する。

0019

酸化ガス配管系30は、燃料電池2に供給される酸化ガスが流れる供給路17と、燃料電池2から排出された酸化オフガスが流れる排出路12と、を有している。供給路17には、フィルタ13を介して酸化ガスを取り込むコンプレッサ14と、コンプレッサ14により圧送される酸化ガスを加湿する加湿器15と、が設けられている。排出路12を流れる酸化オフガスは、背圧調整弁16を通って加湿器15で水分交換に供された後、最終的に排ガスとしてシステム外大気中に排気される。

0020

燃料ガス配管系40は、燃料供給源としての高圧の水素タンク(本明細書では高圧タンクという)1と、高圧タンク1から燃料電池2に供給される水素ガスが流れる供給路22と、燃料電池2から排出された水素オフガス燃料オフガス)を供給路22の合流点Aに戻すための循環路23と、循環路23内の水素オフガスを供給路22に圧送するポンプ24と、循環路23に分岐接続された排出路25と、を有している。

0021

高圧タンク1は、例えば燃料電池車燃料ガス供給用タンクとして好適なものであり、特に図示はしないが例えば3つの高圧タンク1が車体のリア部に搭載される等して用いられる。高圧タンク1は、燃料電池システム100の一部を構成し、燃料ガス配管系40を通じて燃料電池2に燃料ガスを供給する。高圧タンク1に貯留される燃料ガスは、例えば水素ガス、圧縮天然ガスといった可燃性高圧ガスである。

0022

本実施形態の高圧タンク1は、例えば35MPaといった圧力で水素ガスを貯留可能に構成されている。高圧タンク1の主止弁26を開くと、供給路22に水素ガスが流出する。その後、水素ガスは、インジェクタ29により流量及び圧力を調整された後、さらに下流において機械式調圧弁27その他の減圧弁により最終的に例えば200kPa程度まで減圧され、燃料電池2に供給される。主止弁26及びインジェクタ29は、図1において破線の枠線で示すバルブアッセンブリ50に組み込まれ、バルブアッセンブリ50が高圧タンク1に接続されている。

0023

供給路22の合流点Aの上流側には、遮断弁28が設けられている。水素ガスの循環系は、供給路22の合流点Aの下流側流路と、燃料電池2のセパレータに形成される燃料ガス流路と、循環路23とを順番に連通することで構成されている。排出路25上のパージ弁33が燃料電池システム100の運転時に適宜開弁することで、水素オフガス中の不純物が水素オフガスと共に図示省略した水素希釈器に排出される。パージ弁33の開弁により、循環路23内の水素オフガス中の不純物の濃度が下がり循環供給される水素オフガス中の水素濃度が上がる。

0024

制御部70は、内部にCPU,ROM,RAMを備えたマイクロコンピュータとして構成される。CPUは、制御プラグラムに従って所望の演算を実行して、インジェクタ29の流量制御など、種々の処理や制御を行う。ROMは、CPUで処理する制御プログラムや制御データを記憶する。RAMは、主として制御処理のための各種作業領域として使用される。制御部70は、ガス系統(30,40)や図示省略の冷媒系統に用いられる各種の圧力センサ温度センサなどの検出信号を入力し、各構成要素に制御信号を出力する。

0025

続いて、高圧タンク1の構造について説明する。

0026

図2は、高圧タンク1の要部を示す断面図である。高圧タンク1は、例えば両端が略半球状である円筒形状のタンク本体10と、当該タンク本体10の長手方向の一端部に取り付けられた口金11を有する。

0027

タンク本体10は、例えば二層構造壁層を有し、内壁層であるライナ20とその外側の外壁層である樹脂繊維層補強層)としての例えばCFRP層21を有している。

0028

ライナ20は、タンク本体10とほぼ同じ形状に形成される。ライナ20は、例えばポリエチレン樹脂ポリプロピレン樹脂、またはその他の硬質樹脂などにより形成されている(以下、樹脂ライナ20ともいう)。

0029

樹脂ライナ20の口金11のある先端側には、内側に屈曲した折返し部30が形成されている。折返し部30は、外側のCFRP層21から離間するようにタンク本体10の内側に向けて折り返されている。折返し部30は、例えば折り返しの先端に近づくにつれて次第に径が小さくなる縮径部30aと、当該縮径部30aの先端に接続され径が一定の円筒部30bとを有している。この円筒部30bにより樹脂ライナ20の開口部が形成されている。

0030

口金11は、略円筒形状を有し、樹脂ライナ20の開口部に嵌入されている。口金11は、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金からなり、例えばダイキャスト法等により所定の形状に製造されている。口金11は、例えばインサート成形により樹脂ライナ20に取り付けられている。

0031

口金11は、例えば先端側(高圧タンク1の軸方向の外側)に鍔部11aが形成され、例えばその鍔部11aの後方側(高圧タンク1の軸方向の内側)に、高圧タンク1の軸に対して環状の凹み部11bが形成されている。凹み部11bは、軸側に凸に湾曲しR形状になっている。この凹み部11bには、同じくR形状のCFRP層21の先端部付近が気密に接触している。

0032

例えばCFRP層21と接触する凹み部11bの表面には、例えばフッ素系の樹脂などの固体潤滑コーティングCが施されている。これにより、CFRP層21と凹み部11bとの間の摩擦係数が低減されている。

0033

口金11の凹み部11bのさらに後方側は、例えば樹脂ライナ20の折返し部30の形状に適合するように形成され、例えば凹み部11bに連続して径の大きい突出部11cが形成され、その突出部11cから後方に一定径の口金円筒部11dが形成されている。上記樹脂ライナ20の折返し部30の縮径部30aは、突出部11cの表面に密着し、円筒部30bは、口金円筒部11dの表面に密着している。円筒部30bと口金円筒部11dとの間には、シール部材40、41が介在されている。

0034

バルブアッセンブリ50は、外部のガス供給ライン(供給路22)と高圧タンク1の内部との間で燃料ガスの給排を制御するものである。バブルアッセンブリ50の外周面と口金11の内周面との間には、シール部材60、61が介在されている。

0035

CFRP層21は、例えばFW成形フィラメントワインディング成形)により、樹脂ライナ20の外周面と口金11の凹み部11bに、樹脂の含浸した補強繊維巻き付け、当該樹脂を硬化させることにより形成されている。CFRP層21の樹脂には、例えばエポキシ樹脂変性エポキシ樹脂不飽和ポリエステル樹脂等が用いられる。また、補強繊維としては、炭素繊維金属繊維などが用いられる。

0036

次に、本実施形態における高圧タンク1における口金11とバルブアッセンブリ50の締結構造について説明する(図3図4等参照)。なお、図4図5等においては口金11を簡略化して示しているため図2における口金11とは外形細部が異なっているが、本発明の適用の妨げとはならない。

0037

この締結構造における口金11は、タンク軸方向の内側よりも外側のほうがその内径が大きくなるように形成された口金ねじ部42を有している。例えば本実施形態の場合、この口金ねじ部42には、試験用口金ねじ部42tがタンク軸方向外側に、製品用口金ねじ部42pがタンク軸方向内側にそれぞれ形成されていわば2段構成となっている。試験用口金ねじ部42tには、当該高圧タンク1の評価試験を行うための試験用バルブ50tのバルブねじ部51(51t)が螺合する。また、製品用口金ねじ部42pには、製品用バルブ50pのバルブねじ部51(51p)が少なくとも螺合する(図5図6参照)。なお、図4等においては、試験用口金ねじ部42t、製品用口金ねじ部42pのそれぞれを一点鎖線の枠で囲んで示している(図4等参照)。

0038

また、当該高圧タンク1の口金11の孔11hには、これら口金ねじ部42p,42tの内径差による段差52が形成されている(図4等参照)。このような段差52は、口金ねじ部42における試験用口金ねじ部42tおよび製品用口金ねじ部42pのそれぞれの領域(ねじ部としての使用領域)がどこまであるのか、バルブ取付け時に視認して把握することを容易にするという利点もある。

0039

また、本実施形態においては、口金11に取り付けられるバルブアッセンブリ50として、試験用バルブ50tと製品用バルブ50pという、バルブねじ部の位置が互いに異なる2種類のバルブを用いている。試験用バルブ50tは、口金11の試験用口金ねじ部42tにのみ螺合する試験用バルブねじ部51(51t)が形成されているもので(図5参照)、個々の筐体(高圧タンク1)毎に取付けられてタンク本体10を密封し、膨張量や気密性の評価試験を行うための状況をつくりだす。

0040

一方、製品用バルブ50pは、少なくとも口金11の製品用口金ねじ部42pに螺合する製品用バルブねじ部51(51p)が形成されているものである(図6参照)。本実施形態の製品用バルブねじ部51pは、製品用口金ねじ部42pに螺合するよう、試験用バルブ50tの試験用バルブねじ部51tよりも小径である(図5図6参照)。

0041

なお、試験用バルブ50tと製品用バルブ50pの材質は特に限定されるものではないが、本実施形態では、アルミニウム製である口金1に対して、該アルミニウムよりも硬いステンレス鋼製としている。

0042

ここで、従来の高圧タンクについてみてみると、製品用のねじ部を評価試験においても利用するしかなかったという問題がある(図9参照)。このため、磨耗により口金から切粉が生じるという事態を回避することが困難であり、タンク内を高圧で長時間洗浄することが欠かせなかった。また、バルブねじ部と口金ねじ部とを螺合させてひとたび締結し、その後に取り外し、そこに製品用バルブを取り付けると、かじりが生じて何かしらの不具合が生じるおそれもある。

0043

さらに、高圧タンクが例えば上述した実施形態におけるような燃料電池システム100における燃料供給源としての水素タンクである場合は、水素脆化の観点から使用できる材料が制限されるという背景もある。すなわち、例えば水素ガスが充填される高圧タンク1の場合であれば、水素ガスによる脆化を回避する観点から、口金11に使用できる金属材料ステンレス(SUS)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)といった材料に限定されるのが現状である。従来、口金11、バルブアッセンブリ50ともステンレス製のものが多かったが、重量の嵩みがちな高圧タンク1の軽量化の観点から、使用可能な金属のうちもっとも軽量なアルミニウムが口金材料として採用されるようになっている。ところが、軽量化できる反面、バルブアッセンブリの締め付け時、両者の接触面(例えば螺合するねじ部など)に傷が付いてしまい、場合によっては再利用できなくなる点で問題である。一方で、評価試験用のバルブに関しては、複数回の使用を可能とするため、口金11よりも硬いステンレス材料が用いられるようになっている。このため、ステンレス鋼製の試験用バルブを使ったときの口金11の切粉が高圧タンク1内に残らないよう、高圧で長時間洗浄しなければならない。すなわち、現状の技術内容からすれば、切粉が発生すること、タンク内を高圧で長時間洗浄することは免れ得なかった。

0044

これに対し、本実施形態の高圧タンク1によれば、上述のような締結構造の口金11およびバルブアッセンブリ50(試験用バルブ50t、製品用バルブ50p)により以下のような作用効果が得られる。すなわち、筐体(高圧タンク1)毎に膨張量や気密性の評価試験を行う際には、口金11に試験用バルブ50tを取り付けた状態とする(図5参照)。このとき、試験用バルブ50tの試験用バルブねじ部51tは、口金11の試験用口金ねじ部42tにのみ螺合している。このため、口金11の製品用口金ねじ部42pは、評価試験時において使用されることがなく、強度が劣化をするようなことがない。

0045

評価試験の後、口金11から試験用バルブ50tを取り外し、代わりに製品用バルブ50pを取り付ける(図6参照)。上述したように、この製品用バルブ50pの製品用バルブねじ部51pは試験用バルブ50の試験用バルブねじ部51tよりも小径であり、製品用口金ねじ部42pと螺合するように形成されている。このため、この製品用バルブ50pを口金11に取り付ける際、磨耗や強度劣化を生じていない新規かつ未使用の製品用口金ねじ部42pを用いることができることから、螺合時、切粉が生じたり、かじりによる不具合が生じたりするのを回避することができる。

0046

要するに、本実施形態の高圧タンク1では、評価試験用と製品用とでねじ部を異ならせる2段構造とすることにより、製品用バルブ50pを取り付けた際に磨耗によって切粉が生じるのを抑え、ひいては高圧での長時間の洗浄を不要としている。また、これによれば、軽量なアルミニウム材料からなる口金11の耐久性を担保することにもなる。

0047

しかも、評価試験時に用いられた試験用口金ねじ部42tは、この製品用口金ねじ部42pよりもタンク軸方向外側、すなわち口金11の孔11hの開口端寄りに位置している(図5等参照)。加えて、製品用口金ねじ部42pと試験用口金ねじ部42tとの間には段差52が形成されている。このため、口金11に試験用バルブ50を取り付けあるいは取り外す際、仮に切粉が生じたとしても当該切粉は高圧タンク1内に入り込みにくいという、構造に起因した利点もある。

0048

なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば上述した各実施形態では、製品用バルブ50pの製品用バルブねじ部51pは、口金11の製品用口金ねじ部42pにのみ螺合するように形成されていたが(図6参照)、当該製品用バルブねじ部51pが、口金11の試験用口金ねじ部42tとも螺合するように形成されていることも好ましい。製品用バルブ50pの製品用バルブねじ部51pが、製品用口金ねじ部42pおよび試験用口金ねじ部42tの両方と螺合することにより、口金11に対し当該製品用バルブ50pがさらに強固に締結することになる。例えば図7に示す形態では、製品用バルブ50pの製品用バルブねじ部51pが2段構造となっており、当該製品用バルブねじ部51pの小径部が製品用口金ねじ部42pに螺合するとともに、大径部が試験用口金ねじ部42tに螺合するようになっている(図7参照)。また、この場合において、製品用バルブ50pの製品用バルブねじ部51pが、試験用口金ねじ部42の全領域と螺合するものであることも好ましい。

0049

さらに、上述した実施形態においては、試験用口金ねじ部42tがタンク軸方向外側に、製品用口金ねじ部42pがタンク軸方向内側にそれぞれ形成されていわば2段構成の階段状の口金ねじ部42を例示して説明したが(図4等参照)、これは本発明の好適な一例にすぎない。これ以外にも、口金ねじ部42(およびバルブアッセンブリのねじ部)が階段状ではなく例えばテーパ状である場合にも本発明を適用することが可能である(図8参照)。この場合には、例えば、太径の部分(タンク軸方向の外側の部分)に試験用口金ねじ部42tおよび試験用バルブねじ部51t、細径の部分(タンク軸方向の内側の部分)に製品用口金ねじ部42pおよび製品用バルブねじ部51pをそれぞれ形成することができる。このように試験用と製品用とで使用するねじ部を分けることにより、口金11に製品用バルブ50pを取り付ける際、未使用状態の製品用口金ねじ部42pに製品用バルブねじ部51pを螺合させることが可能となる。なお、ここで示したのは他の一例であるが、要は、タンク軸方向の内側(中心寄り)に対して外側の径が大きくなるように口金ねじ部42が形成され、当該口金ねじ部42の一部(本実施形態の場合であれば試験用口金ねじ部42tまたは製品用口金ねじ部42p)に対応するバルブねじ部(本実施形態の場合であれば試験用バルブねじ部51tまたは製品用バルブねじ部51p)が形成されていれば、口金11に製品用バルブ50pを取り付けるまで、ねじ部の強度が劣化するのを抑制することが可能となる。もちろん、上述した場合と同様、製品用バルブ50pの製品用バルブねじ部51pを、口金11の試験用口金ねじ部42tとも螺合するように形成することによって締結力をさらに強固にしてもよい。

0050

また、上述の実施形態においては、試験用口金ねじ部42tがタンク軸方向外側(開口端寄り)に、製品用口金ねじ部42pがタンク軸方向内側(中心寄り)にそれぞれ形成された口金ねじ部42を例示したが、これと逆の構成、すなわち、試験用口金ねじ部42をタンク軸方向内側、製品用口金ねじ部42pをタンク軸方向外側に形成してもよい。こうした場合にも、口金11に製品用バルブ50pを取り付けるまでねじ部の強度が劣化するのを抑制することが可能である。ただし、試験用バルブ50tの取付け、取外し時に生じることのある切粉が高圧タンク1の内部に入り込むのを抑制するという観点からすれば、一般には試験用口金ねじ部42がタンク軸方向外側に形成されているほうが好ましい。試験用口金ねじ部42がタンク軸方向外側に形成されている場合、評価試験時にまず軸方向外側のねじ部(試験用口金ねじ部42t)を用い、続いて軸方向内側のねじ部(製品用口金ねじ部42p)を用いるというように外側→内側の順でねじ部を使用することになるから、切粉が高圧タンク1の内部に入り込むのをより抑制しやすい。

0051

さらに、ここまでの実施形態では、高圧タンク1が燃料電池システム100における燃料供給源としての水素タンクである場合について説明したが、これも本発明の好適な形態例にすぎず、本発明を水素ガス以外の気体ないしは液体を充填するためのタンクに適用することも可能である。

0052

なお、バルブ(50t,50p)を口金11に取り付けた際に強い締結力を得るという観点からすれば、各ねじ部(42t,42p,51t,51p)の径は大きいことが好ましい。このようにねじ部を大径化して締結力を得やすくすれば、タンク軸方向における当該ねじ部の長さを短縮し、もって口金11やバルブ50t,50pの小型化を図ることも可能となる。ただし、口金11の孔11hを大径化しすぎると切粉が入り込みやすくなったり口金11自体の強度が低下したりといったことが生じうるので、これらとのバランスを取りながら適宜設定することが好ましい。

0053

本発明は、水素ガス等が充填される高圧タンク等、バルブ締結構造を有する各種タンクに適用して好適なものである。

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