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技術 N−(α−芳香族置換−2−ニトロ−4,5−ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物およびその製造方法

出願人 昭和電工株式会社
発明者 山上功前田喜彦安田浩室伏克己
出願日 2009年10月1日 (12年4ヶ月経過) 出願番号 2010-531905
公開日 2012年3月1日 (9年11ヶ月経過) 公開番号 WO2010-038828
状態 拒絶査定
技術分野 5員環以上窒素含有飽和複素環式化合物 水添ピリジン系化合物 有機低分子化合物及びその製造 他類に属さない組成物
主要キーワード ジメチルペンタメチレン基 光分解能 アセトキシル基 紫外線照度計 シアノフェノキシ基 TG測定 二級アミン化合物 UV吸収スペクトル
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課題・解決手段

本発明は、従来の2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニルアミン化合物に代えて、h線に対しても感度良く塩基を発生することができる新規光塩基発生剤を提供することを目的としている。 本発明は、下記一般式(I)で表されるN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニルアミン化合物に関する。(上記式(I)において、R1〜R9は特定の基を示す。)。

概要

背景

近年、光重合開始剤として、紫外線などの放射線により分解することにより塩基を発生させる化合物光塩基発生剤)が注目されている。発生した塩基(たとえばアミン化合物)は架橋反応重合反応触媒として、または架橋剤そのものとして機能する。前記光塩基発生剤は、特にフォトレジスト用途に使用されている。

フォトレジスト関連の分野においては、パターン形成に用いる光線として、いわゆるi線と呼ばれる波長365nm程度の紫外線が用いられている。したがって、フォトレジストに用いられる光塩基発生剤としては、365nm程度の波長領域において吸収ピークを有し、効率良くアミン化合物を発生する化合物が切望される。さらに近年、h線と呼ばれる波長405nm程度の紫外線もパターン形成に用いられるようになっており、これらの波長領域において吸収ピークを有する光塩基発生剤の開発が望まれている。

たとえば非特許文献1には、光塩基発生剤として、下記式で表される2-ニトロベンジルオキシカルボニルシクロヘキシルアミンが開示されている。

しかし、この化合物はh線に対する感度を有しないため、この化合物にh線を照射することにより塩基を発生させることは困難である。

また、特許文献1には、次の一般式にて示される基を分子内に2個以上有する光塩基発生剤が開示されている。

(上記式においてRは水素アルキル基またはアリール基である。)
しかしながら、特許文献1では、超高圧水銀灯(波長:主に280〜600nm)を用いた場合の塩基の発生について開示されたのみである。特許文献1に開示された光塩基発生剤がi線あるいはh線により塩基を発生するかについては、特許文献1に明示の記載はない。

さらに、特許文献2には、下記式で表される光塩基発生剤が開示されている。

しかしながら、特許文献2で開示された2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニルシクロヘキシルアミンは、i線に感度を持つものの、h線に感度を有したとの記載は特許文献2にはない。

概要

本発明は、従来の2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニルアミン化合物に代えて、h線に対しても感度良く塩基を発生することができる新規な光塩基発生剤を提供することを目的としている。 本発明は、下記一般式(I)で表されるN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニルアミン化合物に関する。(上記式(I)において、R1〜R9は特定の基を示す。)。

目的

さらに近年、h線と呼ばれる波長405nm程度の紫外線もパターン形成に用いられるようになっており、これらの波長領域において吸収ピークを有する光塩基発生剤の開発が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

下記一般式(I)で表されるN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物:(上記一般式(I)において、R1及びR2はそれぞれ独立に置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基または置換基を有してもよい炭素数6〜12のアリール基を示し、R1とR2とが連結して置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキレン基または置換基を有してもよい炭素数6〜12のアリーレン基を形成してもよく、R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基または置換基を有してもよい炭素数6〜12のアリール基を示し、R3およびR4の少なくとも1つは水素原子ではなく、R3とR4とが連結してヘテロ原子を含んでもよい環状構造を形成してもよく、R5〜R9はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基ハロゲン原子シアノ基アミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアシルオキシ基ニトロ基、または炭素数1〜12のアシル基を示す。)。

請求項2

前記一般式(I)において、R3が水素原子であることを特徴とする請求項1に記載のN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物。

請求項3

前記一般式(I)において、R1およびR2がメチル基であり、R3とR4とが連結してモルリル基を形成し、R5〜R9がすべて水素原子であることを特徴とする請求項1に記載のN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物。

請求項4

前記一般式(I)において、R1およびR2がメチル基であり、R3が水素原子であり、R4がシクロヘキシル基であり、R5〜R9がすべて水素原子であることを特徴とする請求項1または2に記載のN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物。

請求項5

前記一般式(I)で示される化合物が、N-(α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)-2,6-ジメチルピペリジン、N-(α-(4-ニトロフェニル)-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)-2,6-ジメチルピペリジン、N-(α-(2-ニトロフェニル)-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)-2,6-ジメチルピペリジン、N-(α-(2-ニトロ-4,5-ジメトキシフェニル)-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)-2,6-ジメチルピペリジン、N-(α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)-ピペリジンおよびN-(α-(2-ニトロ-4,5-ジメトキシフェニル)-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)-ピペリジンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1に記載のN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物。

請求項6

下記一般式(II)で表されるアルデヒド化合物と下記一般式(III)で表される芳香族化合物とを反応させた後、該反応により得られた化合物を下記一般式(IV)で表される化合物と反応させることを特徴とする請求項1に記載のN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物の製造方法:(上記一般式(II)において、R1およびR2はそれぞれ前記一般式(I)におけるR1およびR2と同様であり、上記一般式(III)において、R5〜R9はそれぞれ前記一般式(I)におけるR5〜R9と同様であり、Mは金属を含有する置換基であり、その金属は、Mg、Zn、Li、SnまたはCuであり、上記一般式(IV)において、R3およびR4はそれぞれ前記一般式(I)におけるR3およびR4と同様であり、Xはフッ素原子塩素原子臭素原子ヨウ素原子より選ばれるハロゲン原子である。)。

請求項7

下記一般式(II)で表されるアルデヒド化合物と下記一般式(III)で表される芳香族化合物とを反応させた後、該反応により得られた化合物を下記一般式(V)で表されるイソシアネート化合物と反応させることを特徴とする請求項2に記載のN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物の製造方法:(上記一般式(II)において、R1およびR2はそれぞれ前記一般式(I)におけるR1およびR2と同様であり、上記一般式(III)において、R5〜R9はそれぞれ前記一般式(I)におけるR5〜R9と同様であり、Mは金属を含有する置換基であり、その金属は、Mg、Zn、Li、SnまたはCuであり、上記一般式(V)において、R4は前記一般式(I)におけるR4と同様である。)。

請求項8

下記一般式(VI)で表されるカルビノール化合物と下記一般式(IV)で表される化合物とを反応させることを特徴とする請求項1に記載のN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物の製造方法:(上記一般式(VI)において、R1およびR2はそれぞれ前記一般式(I)におけるR1およびR2と同様であり、R5〜R9はそれぞれ前記一般式(I)におけるR5〜R9と同様であり、上記一般式(IV)において、R3およびR4はそれぞれ前記一般式(I)におけるR3およびR4と同様であり、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子より選ばれるハロゲン原子である。)。

請求項9

下記一般式(VI)で表されるカルビノール化合物と下記一般式(V)で表されるイソシアネート化合物とを反応させることを特徴とする請求項2に記載のN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物の製造方法:(上記一般式(VI)において、R1およびR2はそれぞれ前記一般式(I)におけるR1およびR2と同様であり、R5〜R9はそれぞれ前記一般式(I)におけるR5〜R9と同様であり、上記一般式(V)において、R4は前記一般式(I)におけるR4と同様である。)。

請求項10

下記一般式(VI)で表されるカルビノール化合物と下記一般式(VII)で表されるカルボニル化合物とを反応させて、下記一般式(VIII)で表されるエステル化合物を合成し、該エステル化合物を下記一般式(IX)で示されるアミン化合物と反応させることを特徴とする請求項1に記載のN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物の製造方法:(上記一般式(VI)および(VIII)において、R1およびR2はそれぞれ前記一般式(I)におけるR1およびR2と同様であり、R5〜R9はそれぞれ前記一般式(I)におけるR5〜R9と同様であり、上記一般式(VII)において、Zは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリクロロメトキシ基または1-イミダゾリル基であり、上記一般式(VII)および(VIII)において、R10は塩素原子、トリクロロメトキシ基、1-イミダゾリル基、フェノキシ基、4-ニトロフェノキシ基または4-シアノフェノキシ基であり、上記一般式(IX)において、R3およびR4はそれぞれ前記一般式(I)におけるR3およびR4と同様である。)。

請求項11

前記一般式(VII)で示される化合物が、ホスゲンクロロ蟻酸トリクロロメチルトリホスゲンカルボニルジイミダゾールクロ蟻酸-p-ニトロフェニルあるいはクロロ蟻酸-p-シアノフェニルであることを特徴とする請求項10に記載のN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、光塩基発生剤等として有用な新規化合物であるN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物およびその製造方法に関する。本発明に係るN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物は、特定波長紫外線感応して分解し、塩基を発生する化合物である。

背景技術

0002

近年、光重合開始剤として、紫外線などの放射線により分解することにより塩基を発生させる化合物(光塩基発生剤)が注目されている。発生した塩基(たとえばアミン化合物)は架橋反応重合反応触媒として、または架橋剤そのものとして機能する。前記光塩基発生剤は、特にフォトレジスト用途に使用されている。

0003

フォトレジスト関連の分野においては、パターン形成に用いる光線として、いわゆるi線と呼ばれる波長365nm程度の紫外線が用いられている。したがって、フォトレジストに用いられる光塩基発生剤としては、365nm程度の波長領域において吸収ピークを有し、効率良くアミン化合物を発生する化合物が切望される。さらに近年、h線と呼ばれる波長405nm程度の紫外線もパターン形成に用いられるようになっており、これらの波長領域において吸収ピークを有する光塩基発生剤の開発が望まれている。

0004

たとえば非特許文献1には、光塩基発生剤として、下記式で表される2-ニトロベンジルオキシカルボニルシクロヘキシルアミンが開示されている。

0005

0006

しかし、この化合物はh線に対する感度を有しないため、この化合物にh線を照射することにより塩基を発生させることは困難である。

0007

また、特許文献1には、次の一般式にて示される基を分子内に2個以上有する光塩基発生剤が開示されている。

0008

0009

(上記式においてRは水素アルキル基またはアリール基である。)
しかしながら、特許文献1では、超高圧水銀灯(波長:主に280〜600nm)を用いた場合の塩基の発生について開示されたのみである。特許文献1に開示された光塩基発生剤がi線あるいはh線により塩基を発生するかについては、特許文献1に明示の記載はない。

0010

さらに、特許文献2には、下記式で表される光塩基発生剤が開示されている。

0011

0012

しかしながら、特許文献2で開示された2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニルシクロヘキシルアミンは、i線に感度を持つものの、h線に感度を有したとの記載は特許文献2にはない。

0013

特公昭51−46159号公報
特開平6−345711号公報

先行技術

0014

J. Am Chem. Soc., 113, 4303 -4313(1991)

発明が解決しようとする課題

0015

そこで、本発明では、従来の2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニルアミン化合物に代えて、h線に対しても感度良く塩基を発生することができる新規な光塩基発生剤を提供することを目的とする。また、本発明は、新規な光塩基発生剤の簡便な製造方法を提供することも目的とする。

課題を解決するための手段

0016

本発明者らは、これらの目的を解決するための検討を行った結果、新規な光塩基発生剤として、特定のN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物を開発し、またその簡便な製造方法を開発した。

0017

すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。

0018

[1]下記一般式(I)で表されるN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物:

0019

0020

(上記一般式(I)において、R1及びR2はそれぞれ独立に置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基または置換基を有してもよい炭素数6〜12のアリール基を示し、R1とR2とが連結して置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキレン基または置換基を有してもよい炭素数6〜12のアリーレン基を形成してもよく、
R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基または置換基を有してもよい炭素数6〜12のアリール基を示し、R3およびR4の少なくとも1つは水素原子ではなく、R3とR4とが連結してヘテロ原子を含んでもよい環状構造を形成してもよく、
R5〜R9はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基ハロゲン原子シアノ基アミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアシルオキシ基ニトロ基、または炭素数1〜12のアシル基を示す。)。

0021

[2]前記一般式(I)において、R3が水素原子であることを特徴とする上記[1]に記載のN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物。

0022

[3]前記一般式(I)において、R1およびR2がメチル基であり、R3とR4とが連結してモルリル基を形成し、R5〜R9がすべて水素原子であることを特徴とする上記[1]に記載のN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物。

0023

[4]前記一般式(I)において、R1およびR2がメチル基であり、R3が水素原子であり、R4がシクロヘキシル基であり、R5〜R9がすべて水素原子であることを特徴とする上記[1]または[2]に記載のN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物。

0024

[5]前記一般式(I)で示される化合物が、N-(α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)-2,6-ジメチルピペリジン、N-(α-(4-ニトロフェニル)-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)-2,6-ジメチルピペリジン、N-(α-(2-ニトロフェニル)-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)-2,6-ジメチルピペリジン、N-(α-(2-ニトロ-4,5-ジメトキシフェニル)-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)-2,6-ジメチルピペリジン、N-(α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)-ピペリジンおよびN-(α-(2-ニトロ-4,5-ジメトキシフェニル)-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)-ピペリジンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする上記[1]に記載のN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物。

0025

[6]下記一般式(II)で表されるアルデヒド化合物と下記一般式(III)で表される芳香族化合物とを反応させた後、該反応により得られた化合物を下記一般式(IV)で表される化合物と反応させることを特徴とする上記[1]に記載のN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物の製造方法:

0026

0027

(上記一般式(II)において、R1およびR2はそれぞれ前記一般式(I)におけるR1およびR2と同様であり、
上記一般式(III)において、R5〜R9はそれぞれ前記一般式(I)におけるR5〜R9と同様であり、Mは金属を含有する置換基であり、その金属は、Mg、Zn、Li、SnまたはCuであり、
上記一般式(IV)において、R3およびR4はそれぞれ前記一般式(I)におけるR3およびR4と同様であり、Xはフッ素原子塩素原子臭素原子ヨウ素原子より選ばれるハロゲン原子である。)。

0028

[7]下記一般式(II)で表されるアルデヒド化合物と下記一般式(III)で表される芳香族化合物とを反応させた後、該反応により得られた化合物を下記一般式(V)で表されるイソシアネート化合物と反応させることを特徴とする上記[2]に記載のN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物の製造方法:

0029

0030

(上記一般式(II)において、R1およびR2はそれぞれ前記一般式(I)におけるR1およびR2と同様であり、
上記一般式(III)において、R5〜R9はそれぞれ前記一般式(I)におけるR5〜R9と同様であり、Mは金属を含有する置換基であり、その金属は、Mg、Zn、Li、SnまたはCuであり、
上記一般式(V)において、R4は前記一般式(I)におけるR4と同様である。)。

0031

[8]下記一般式(VI)で表されるカルビノール化合物と下記一般式(IV)で表される化合物とを反応させることを特徴とする上記[1]に記載のN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物の製造方法:

0032

0033

(上記一般式(VI)において、R1およびR2はそれぞれ前記一般式(I)におけるR1およびR2と同様であり、R5〜R9はそれぞれ前記一般式(I)におけるR5〜R9と同様であり、
上記一般式(IV)において、R3およびR4はそれぞれ前記一般式(I)におけるR3およびR4と同様であり、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子より選ばれるハロゲン原子である。)。

0034

[9]下記一般式(VI)で表されるカルビノール化合物と下記一般式(V)で表されるイソシアネート化合物とを反応させることを特徴とする上記[2]に記載のN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物の製造方法:

0035

0036

(上記一般式(VI)において、R1およびR2はそれぞれ前記一般式(I)におけるR1およびR2と同様であり、R5〜R9はそれぞれ前記一般式(I)におけるR5〜R9と同様であり、
上記一般式(V)において、R4は前記一般式(I)におけるR4と同様である。)。

0037

[10]下記一般式(VI)で表されるカルビノール化合物と下記一般式(VII)で表されるカルボニル化合物とを反応させて、下記一般式(VIII)で表されるエステル化合物を合成し、該エステル化合物を下記一般式(IX)で示されるアミン化合物と反応させることを特徴とする上記[1]に記載のN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物の製造方法:

0038

0039

(上記一般式(VI)および(VIII)において、R1およびR2はそれぞれ前記一般式(I)におけるR1およびR2と同様であり、R5〜R9はそれぞれ前記一般式(I)におけるR5〜R9と同様であり、
上記一般式(VII)において、Zは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリクロロメトキシ基または1-イミダゾリル基であり、
上記一般式(VII)および(VIII)において、R10は塩素原子、トリクロロメトキシ基、1-イミダゾリル基、フェノキシ基、4-ニトロフェノキシ基または4-シアノフェノキシ基であり、
上記一般式(IX)において、R3およびR4はそれぞれ前記一般式(I)におけるR3およびR4と同様である。)。
[11]前記一般式(VII)で示される化合物が、ホスゲンクロロ蟻酸トリクロロメチルトリホスゲンカルボニルジイミダゾールクロ蟻酸-p-ニトロフェニルあるいはクロロ蟻酸-p-シアノフェニルであることを特徴とする上記[10]に記載のN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物の製造方法。

発明の効果

0040

本発明のN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物は、光塩基発生剤として有用であり、特に、h線に感度を有する光塩基発生剤として有用である。たとえば、本発明のN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物は、フォトレジストなどにおけるパターン形成材料の構成成分として用いることができる。

図面の簡単な説明

0041

図1は、実施例1で得られたN-(α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)シクロヘキシルアミンの1H−NMRスペクトルである。
図2は、実施例2で得られたN-(α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)モルホリンの1H−NMRスペクトルである。
図3は、実施例1で得られたN-(α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)シクロヘキシルアミン、実施例2で得られたα-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニルモルホリンおよび比較例1で得られた2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニルシクロヘキシルアミンのUVスペクトルを示す。
図4は、実施例1で得られたN-(α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)シクロヘキシルアミンおよび実施例2で得られたN-(α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)モルホリンのTG測定結果を示す。
図5は、実施例4で得られたN-(α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)シクロヘキシルメチルアミンの1H−NMRスペクトルである。
図6は、実施例9〜15および比較例2で使用したフィルター1および2の透過率曲線を示す。

0042

以下本発明を詳細に説明する。

0043

[N-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物]
本発明のN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物(以下単に本発明の化合物とも言う)は、下記一般式(I)で表される。

0044

0045

後述するが、OR1およびOR2によってニトロベンジル基にアルコキシ基が導入され、それにより本発明の化合物が吸収する光の波長が長くなっている。またニトロベンジル基のα位に芳香族基を導入することにより、h線に対する本発明の化合物の感度が上昇している。

0046

本発明の化合物は、i線やh線などの紫外線の照射により、従来公知の塩基HNR3R4を生じ、この塩基は架橋反応や重合反応の触媒として、または架橋剤そのものとして機能する。以下、上記一般式(I)におけるR1〜R9について説明する。

0047

<R1及びR2について>
上記一般式(I)において、R1及びR2はそれぞれ独立に置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基または置換基を有してもよい炭素数6〜12のアリール基を示し、R1とR2とが連結して置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキレン基または置換基を有してもよい炭素数6〜12のアリーレン基を形成してもよい。OR1およびOR2はアルコキシ基を構成し、このようなアルコキシ基がニトロベンジル基に導入されていることにより、一般式(I)で表される化合物が吸収する光の波長が長くなっている。その結果、本発明の化合物はh線を吸収して塩基を発生することができる。

0048

前記置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基の中でも、単位重量あたりの塩基発生量および製造の容易さの点から、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、置換基を有してもよい炭素数1〜3のアルキル基がより好ましい。前記置換基の例としては、メトキシ基、フェニル基、2-チオキサンチル基などが挙げられる。

0049

置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基などを挙げることができる。これらの中では、単位重量あたりの塩基発生量の点から、メチル基およびエチル基が好ましい。なお、「置換基を有してもよい炭素数1〜12(1〜6、1〜3)のアルキル基」の炭素数は、アルキル基部分の炭素数であり、置換基中の炭素数は含めないものとする。

0050

前記置換基を有してもよい炭素数6〜12のアリール基の中でも、単位重量あたりの塩基発生量および製造の容易さの点から、置換基を有してもよい炭素数6のアリール基が好ましい。前記置換基の例としては、置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基の説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。

0051

置換基を有してもよい炭素数6〜12のアリール基の例としては、フェニル基、ナフチル基トルイル基があげられる。なお、「置換基を有してもよい炭素数6〜12(6)のアリール基」の炭素数は、アリール基部分の炭素数であり、置換基中の炭素数は含めないものとする。

0052

また、上記のように、R1とR2とが連結して置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキレン基または置換基を有してもよい炭素数6〜12のアリーレン基を形成してもよい。前記置換基の例としては、メチル基、エチル基、メトキシ基、フェニル基等が挙げられる。また、R1とR2とが連結して形成される前記アルキレン基またはアリーレン基の例としては、メチレン基エチレン基、1,3−プロピレン基、1,2−フェニレン基が挙げられる。なお、「置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキレン基」および「置換基を有してもよい炭素数6〜12のアリーレン基」の炭素数は、それぞれアルキレン基およびアリーレン基部分の炭素数であり、置換基中の炭素数は含めないものとする。

0053

<R3及びR4について>
上記一般式(I)において、R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基または置換基を有してもよい炭素数6〜12のアリール基を示し、R3およびR4の少なくとも1つは水素原子ではなく、R3とR4とが連結してヘテロ原子を含んでもよい環状構造を形成してもよい。

0054

前記置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基の中でも、単位重量あたりの塩基発生量および製造の容易さの点から、置換基を有してもよい炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基がより好ましい。前記置換基の例としては、R1およびR2の置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基の説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。

0055

置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基の例としては、上記R1およびR2について例示したものに加えてシクロヘキシル基を挙げることができる。置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基として好ましいのは、シクロヘキシル基、メチル基およびエチル基である。なお、「置換基を有してもよい炭素数1〜12(1〜8、1〜6)のアルキル基」の炭素数は、アルキル基部分の炭素数であり、置換基中の炭素数は含めないものとする。

0056

前記置換基を有してもよい炭素数6〜12のアリール基の中でも、単位重量あたりの塩基発生量および製造の容易さの点から、置換基を有してもよい炭素数6のアリール基が好ましい。前記置換基の例としては、R1およびR2の置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基の説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。

0057

置換基を有してもよい炭素数6〜12のアリール基の例としては、上記R1およびR2について例示したものと同様のものが挙げられる。なお、「置換基を有してもよい炭素数6〜12(6)のアリール基」の炭素数は、アリール基部分の炭素数であり、置換基中の炭素数は含めないものとする。

0058

前記のように、R3およびR4の少なくとも1つは水素原子ではない。両方とも水素原子であると、一般式(I)の化合物の安定性が悪くなり、紫外光の照射により発生するアミンもアンモニアとなってしまう。そのため、R3およびR4がともに水素原子である一般式(I)の化合物は、塩基発生剤として有用ではない。

0059

また、R3とR4とが連結してヘテロ原子を含んでもよい環状構造を形成してもよいが、環上に置換基が結合していてもよい。前記置換基の例としては、R1およびR2の、R1とR2とが連結して置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキレン基または置換基を有してもよい炭素数6〜12のアリーレン基を形成する場合の説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。また、R3とR4とが連結して環状構造を形成する場合のR3とR4とが構成する基の例としては、エチレン基、トリメチレン基テトラメチレン基ペンタメチレン基、3−オキサペンタメチレン基、1,5-ジメチルペンタメチレン基などが挙げられる。

0060

<R5〜R9について>
上記一般式(I)において、R5〜R9はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアシルオキシ基、ニトロ基または炭素数1〜12のアシル基を示す。

0061

前記炭素数1〜12のアルキル基の中でも、単位重量あたりの塩基発生量および製造の容易さの点から、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましい。炭素数1〜12のアルキル基の例としては、R3およびR4の説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。

0062

前記炭素数6〜12のアリール基の中でも、単位重量あたりの塩基発生量および製造の容易さの点から、炭素数6のアリール基が好ましい。炭素数6〜12のアリール基の例としては、フェニル基及びナフチル基が挙げられる。

0063

前記炭素数1〜12のアルコキシ基としては、たとえばメトキシ基およびエトキシ基が挙げられる。

0064

前記ハロゲン原子としては、塩素原子および臭素原子が挙げられる。

0065

前記炭素数1〜12のアルキルアミノ基のアルキルの例としては、メチル基、エチル基およびプロピル基が挙げられる。

0066

前記炭素数1〜12のアシルオキシ基の例としては、アセトキシル基が挙げられる。

0067

前記炭素数1〜12のアシル基の例としては、ホルミル基アセチル基およびベンゾイル基が挙げられる。

0068

本発明の化合物は、以上説明したR5〜R9を有する芳香族が、ニトロベンジル基のα位に導入されていることにより、後述する実施例からわかるように、h線に対する感度が高い。

0069

<N-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物>
本発明の化合物を具体的に例示すると、以下のとおりである。

0070

0071

本発明の化合物は、前述のようにOR1およびOR2によってニトロベンジル基にアルコキシ基を導入し、またニトロベンジル基のα位に芳香族基を導入することにより、i線のみならずh線にも高い感度を有し、これらの紫外光の照射により塩基(HNR3R4)を生じる。

0072

さらに、本発明の化合物は高い耐熱性(具体的には、TGで測定した5%重量減少温度が通常150℃以上300℃以下)を有しているため、塗布後の溶媒の乾燥などの、重合を行う前に加熱することが予定されている用途の組成物の光重合開始剤として好適である。

0073

以上説明した本発明の化合物として特に好ましい化合物は、N-(α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)-シクロヘキシルアミン、N-(α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)-モルホリン、N-(α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)-シクロヘキシルメチルアミン、N-(α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)-2,6-ジメチルピペリジン、N-(α-(4-ニトロフェニル)-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)-2,6-ジメチルピペリジン、N-(α-(2-ニトロフェニル)-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)-2,6-ジメチルピペリジン、N-(α-(2-ニトロ-4,5-ジメトキシフェニル)-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)-2,6-ジメチルピペリジン、N-(α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)-ピペリジンおよびN-(α-(2-ニトロ-4,5-ジメトキシフェニル)-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)-ピペリジンである。

0074

[N-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物の製造方法]
<製造方法1>
本発明の化合物は、Grignard反応剤などの炭素求核剤を利用した方法により製造することができる。具体的には、下記一般式(II)で表されるアルデヒド化合物と下記一般式(III)で表される芳香族化合物とを反応させた後、得られた生成物を下記一般式(IV)で表される化合物と反応させることにより、本発明の化合物を製造することができる。一般式(II)で表されるアルデヒド化合物と一般式(III)で表される芳香族化合物とを反応させてできる生成物を単離した後に、該生成物を一般式(IV)で表される化合物と反応させてもよいが、単離することなく反応させることもできる。

0075

0076

上記一般式(II)において、R1およびR2はそれぞれ前記一般式(I)におけるR1およびR2と同様である。

0077

上記一般式(III)において、R5〜R9はそれぞれ前記一般式(I)におけるR5〜R9と同様であり、Mは金属を含有する置換基であり、その金属は、Mg、Zn、Li、SnまたはCuである。Mとしては、その金属(Liを除く)に、ハロゲン原子またはアルコキシ基が配位したものを例示でき、Mの具体例としては、Li、MgCl、MgBr、ZnClなどが挙げられる。

0078

上記一般式(IV)において、R3およびR4はそれぞれ前記一般式(I)におけるR3およびR4と同様であり、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子より選ばれるハロゲン原子である。

0079

この反応の具体的な例としては、2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンズアルデヒドを臭化フェニルマグネシウムと反応させた後、生成物を、単離することなくモルホリンカルボニルクロライドと反応させることにより、N-(α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)モルホリンを得る反応を挙げることができる(下記式参照)。

0080

0081

また、もうひとつの方法としては、上記反応における一般式(IV)で表される化合物にかえて、下記一般式(V)で表されるイソシアネート化合物を、前記一般式(II)で表されるアルデヒド化合物と前記一般式(III)で表される芳香族化合物とを反応させて得られる生成物と反応させる方法が挙げられる。この場合も、一般式(II)で表されるアルデヒド化合物と一般式(III)で表される芳香族化合物とを反応させてできる生成物を単離した後に、一般式(V)で表される化合物を生成物と反応させてもよいが、単離することなく反応させることもできる。

0082

0083

上記一般式(V)において、R4は前記一般式(I)におけるR4と同様である。またこの反応では、一般式(I)においてR3が水素原子であるN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物が得られる。なお、このようにして得られたR3が水素原子であるN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物のR3が結合している窒素原子は、求核性を有しているため、ハロゲン化メチルハロゲン化エチルなどのハロゲン化アルカン求核置換反応を行うことができる。その反応により、R3が水素原子でないN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物を得ることができる。この際、R3の水素原子を、水素化リチウム水素化ナトリウムと反応させてリチウムナトリウムに置換することにより、より効率的に求核置換反応を行うことができる。

0084

一般式(II)で表わされるアルデヒド化合物と一般式(III)で表わされる芳香族化合物とを反応させた後、該反応により得られた化合物を一般式(V)で表わされるイソシアネート化合物と反応させる反応の具体的な例としては、2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンズアルデヒドを臭化フェニルマグネシウムと反応させた後、単離するかまたは単離することなくシクロヘキシルイソシアネートと反応させることにより、N−(α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)シクロヘキシルアミンを得る反応を挙げることができる。

0085

このように製造方法1は、Grignard反応などの炭素求核反応および炭素求核剤で活性化されたヒドロキシ基求核付加という周知の反応を利用している。製造方法1では、前述の単離工程を省略すればわずか2段階の簡便な反応により本発明の化合物を合成することができる。

0086

これらの反応における前記一般式(III)で表される化合物の使用量に特に制限はないが、前記一般式(II)で表されるアルデヒド化合物に対して0.9〜1.2当量が好ましい。このような範囲内で一般式(III)の化合物を使用すると、良好な収率で生成物を得ることができ、しかも副生物の生成も少ない。

0087

これらの反応における一般式(IV)または一般式(V)で表される化合物の使用量に特に制限はないが、前記一般式(II)で表されるアルデヒド化合物に対して1.0〜1.2当量用いるのが好ましい。このような範囲で一般式(IV)または(V)の化合物を使用すると、良好な収率で生成物を得ることができ、しかも副生成物である尿素誘導体がほとんど生成しない。

0088

これらの反応における反応溶媒は、Grignard反応などの炭素求核反応に使用することができる溶媒であれば特に制限なく使用することができる。具体的には、ジエチルエーテルテトラヒドロフランテトラヒドロピランなどを使用することができるが、使用できる溶媒はこれらに限定されるものではない。

0089

これらの反応の温度に特に制限はないが、前記一般式(II)で表されるアルデヒド化合物と前記一般式(III)で表される芳香族化合物とを反応させてできる生成物を単離することなく、次の生成物と一般式(IV)または一般式(V)で表される化合物との反応を行う場合は、0℃〜25℃が望ましい。このような範囲の温度では、反応が遅くならず、良好な収率で生成物を得ることができる。

0090

また、これらの反応の反応圧力に特に制限はないが、常圧〜0.1MPaGが望ましく、常圧がさらに望ましい。

0091

さらに、これらの反応の反応時間については、アルデヒド化合物と芳香族化合物との反応時間は、通常1〜24時間であり、当該反応により得られた化合物と一般式(IV)または(V)で表わされる化合物との反応時間は、通常1〜24時間である。

0092

なお、前記の単離を行う場合には、前記一般式(II)で表されるアルデヒド化合物と前記一般式(III)で表される芳香族化合物との反応における望ましい反応条件は、前記の単離をしない場合と同様であり、単離された生成物と一般式(IV)または一般式(V)で表される化合物との反応における望ましい反応条件は、後述する製造方法2における望ましい反応条件と同様である。

0093

<製造方法2>
また、本発明の化合物は、下記一般式(VI)で表されるカルビノール化合物と、下記一般式(IV)で表される化合物または下記一般式(V)で表されるイソシアネート化合物とを反応させることにより製造することができる。

0094

0095

上記一般式(VI)において、R1およびR2はそれぞれ前記一般式(I)におけるR1およびR2と同様であり、R5〜R9はそれぞれ前記一般式(I)におけるR5〜R9と同様である。この一般式(VI)で表される化合物は、製造方法1で説明した一般式(II)で表されるアルデヒド化合物と一般式(III)で表される芳香族化合物とを反応させることで得られるが、そのほか公知の方法により合成することができる。たとえば、Tetrahedron, 63, (2007), 474、およびMolecules, 1999, 4, M113に記載の方法により合成することができる。

0096

上記一般式(IV)において、R3およびR4はそれぞれ前記一般式(I)におけるR3およびR4と同様であり、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子より選ばれるハロゲン原子である。

0097

上記一般式(V)において、R4は前記一般式(I)におけるR4と同様である。

0098

このように製造方法2では、上記一般式(VI)の化合物が公知であることから、ヒドロキシ基の求核付加という周知の反応を利用し、わずか1段階の簡便な反応により本発明の化合物を合成することができる。

0099

上記一般式(IV)で表される化合物あるいは上記一般式(V)で表されるイソシアネート化合物の使用量に特に制限はないが、上記一般式(VI)で表されるカルビノール化合物に対して1.0〜1.2当量使用することが好ましい。このような範囲で一般式(IV)または(V)の化合物を使用すると、良好な収率で本発明の化合物を得ることができ、しかも副生成物である尿素誘導体の生成が少ない。

0100

これらの反応の反応温度について特に制限はないが、25℃〜120℃で行うことが望ましい。このような温度範囲では、反応が遅くならず、また良好な収率で本発明の化合物を得ることができる。これらの反応の反応圧力に特に制限はないが、常圧〜0.1MPaGが望ましく、常圧がさらに望ましい。またこれらの反応の反応時間は、通常1〜24時間である。

0101

上記一般式(IV)で表される化合物を使用する反応においては、副生するハロゲン化水素中和することにより反応の進行を良くする目的で、塩基性化合物を添加して反応を行うことができる。塩基性化合物として特に制限はないが、一般式(IV)で表される化合物を分解しない化合物である必要がある。前記塩基性化合物として好適には三級アミン化合物であり、特に好適には、ピリジントリエチルアミンを使用することができる。

0102

上記一般式(V)で表されるイソシアネート化合物を使用する反応においては、触媒の使用は必須ではないが、反応速度を向上させるために添加してもよい。触媒としては、塩化リチウム水酸化リチウムジブチル錫ジラウレートなどを用いることができる。またこの一般式(V)で表わされるイソシアネート化合物を使用する反応では、一般式(I)においてR3が水素原子であるN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物が得られる。なお、このようにして得られたR3が水素原子であるN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物のR3が結合している窒素原子は、求核性を有しているため、ハロゲン化メチル、ハロゲン化エチルなどのハロゲン化アルカンと求核置換反応を行うことができる。その反応により、R3が水素原子でないN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物を得ることができる。この際、R3の水素原子を、水素化リチウムや水素化ナトリウムと反応させてリチウムやナトリウムに置換することにより、より効率的に求核置換反応を行うことができる。

0103

これらの反応は通常液相で行われ、反応溶媒としては、たとえば塩化メチレントルエンなどの非プロトン性の溶媒を用いることができる。

0104

<製造方法3>
さらに、本発明の化合物は、下記一般式(VI)で表されるカルビノール化合物と、下記一般式(VII)で表されるカルボニル化合物とを反応させて、下記一般式(VIII)で表されるエステル化合物を合成し、このエステル化合物を下記一般式(IX)で示されるアミン化合物と反応させることにより製造することができる。この場合、前記カルビノール化合物と下記一般式(VII)で表されるカルボニル化合物とを反応させてできるエステル化合物を単離した後に、エステル化合物を一般式(IX)で表されるアミン化合物と反応させてもよいが、単離することなく反応させることもできる。

0105

0106

上記一般式(VI)および一般式(VIII)において、R1およびR2はそれぞれ前記一般式(I)におけるR1およびR2と同様であり、R5〜R9はそれぞれ前記一般式(I)におけるR5〜R9と同様である。

0107

上記一般式(VII)において、Zは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリクロロメトキシ基または1-イミダゾリル基である。

0108

上記一般式(VII)および(VIII)において、R10は塩素原子、トリクロロメトキシ基、1-イミダゾリル基、フェノキシ基、4-ニトロフェノキシ基または4-シアノフェノキシ基である。

0109

このような一般式(VII)で表わされる化合物としては、上記一般式(VIII)で表されるエステル化合物を上記一般式(IX)で示されるアミン化合物と反応させる際に、R10が脱離基として作用しやすく、また工業的に入手可能であることから、ホスゲン、クロロ蟻酸トリクロロメチル、トリホスゲン、カルボニルジイミダゾール、クロロ蟻酸-p-ニトロフェニルおよびクロロ蟻酸-p-シアノフェニルが好ましい。

0110

また、上記一般式(IX)において、R3およびR4はそれぞれ前記一般式(I)におけるR3およびR4と同様である。

0111

このように製造方法3では、一般式(VII)で表されるカルボニル化合物を利用して、公知の化合物である上記一般式(VI)の化合物を、本発明の化合物におけるN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)基を有するエステル化合物(一般式(VIII)の化合物)に変換する。前記エステル化合物を一般式(IX)のアミン化合物、特に二級アミン化合物と反応させることにより、対応する2級アミン型の本発明の化合物を合成することができる。この製造方法3は、製造方法1や製造方法2において一般式(IV)で示されるカルバモイルクロライド化合物入手が困難な場合に特に有用である。

0112

上記一般式(VI)で表されるカルビノール化合物と上記一般式(VII)で表されるカルボニル化合物との反応において、カルボニル化合物の使用量に特に制限はないが、上記一般式(VI)で表されるカルビノール化合物に対して1.0〜1.5当量使用することが好ましい。このような範囲でカルボニル化合物を使用すると、良好な収率で一般式(VIII)で表されるエステル化合物を得ることができる。しかも反応混合物から一般式(VIII)で表されるエステル化合物を単離することは容易である。

0113

上記一般式(VIII)で表されるエステル化合物と一般式(IX)で示されるアミン化合物との反応において、アミン化合物の使用量に特に制限はないが、エステル化合物に対して1.0〜1.2当量使用することが好ましい。このような範囲でアミン化合物を使用すると、良好な収率で本発明の化合物を得ることができ、しかも一般式(I)で示される本発明の化合物を単離する際にアミン化合物の混入量を少なくすることができる。

0114

これらの反応の反応温度について特に制限はないが、−10℃〜120℃で行うことが望ましく、0〜80℃で行うことがより望ましい。このような温度範囲では、反応が遅くならず、また良好な収率で本発明の化合物を得ることができる。

0115

これらの反応の反応圧力に特に制限はないが、常圧〜0.1MPaGが望ましく、常圧がさらに望ましい。

0116

さらに、これらの反応の反応時間については、カルビノール化合物とカルボニル化合物との反応時間は、通常1〜24時間であり、当該反応により得られた炭酸エステル化合物とアミン化合物との反応時間は、通常1〜24時間である。

0117

カルボニル化合物を使用する反応においては、反応の進行を良くする目的で、塩基性化合物を添加して反応を行うことができる。塩基性化合物として特に制限はないが、カルボニル化合物を分解しない化合物である必要がある。塩基性化合物として好適には三級アミン化合物であり、特に好適には、ピリジンやトリエチルアミンを使用することができる。

0118

カルボニル化合物を使用する反応においては、触媒の使用は必須ではないが、反応速度を向上させるために添加してもよい。触媒としては、4-(ジメチルアミノ)ピリジン、2-(ジメチルアミノ)ピリジンなどを用いることができる。

0119

エステル化合物とアミン化合物との反応においては、触媒の使用は必須ではないが、反応速度を向上させるために添加してもよい。触媒としては、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾールなどを用いることができる。

0120

これらの反応は通常液相で行われ、反応溶媒としては、たとえば塩化メチレン、N,N-ジメチルアセトアミド、トルエンなどの非プロトン性の溶媒を用いることができる。

0121

[N-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物の回収方法
以上説明した製造方法1〜3により得られた本発明の化合物の回収(精製)方法に特に制限はなく、カラムクロマトグラフィー、抽出、再結晶再沈殿などの精製手段により、良好な純度をもって本発明の化合物を回収(精製)することができる。

0122

以下、本発明をさらに具体的な実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。

0123

[実施例1]
<N−(α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)シクロヘキシルアミンの合成>
2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンズアルデヒド10.9g(東京化成試薬)を無水テトラヒドロフラン150ml中に溶解し、窒素気流中で攪拌しながら0℃に冷却し、臭化フェニルマグネシウムのテトラヒドロフラン溶液50ml(1mol/L Aldrich製)を15分かけて滴下した。

0124

滴下終了後、室温でシクロヘキシルイソシアネート7.51g(東京化成製試薬)を反応溶液投入し、5時間撹拌し、一晩放置した。

0125

翌日塩化アンモニウム3.2gが溶解した水溶液(水100ml使用)を投入して10分間撹拌後、酢酸エチルを用いて抽出し、有機相飽和炭酸水素ナトリウム水溶液洗浄し、水洗し、エバポレータ濃縮することにより淡黄色の固体を得た。得られた固体をヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒を用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、フラクションを濃縮することにより微黄色結晶を1.2g得た。

0126

この結晶がN−(α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)シクロヘキシルアミンであることを1H−NMRにより確認した。この化合物の1H−NMRスペクトルを図1に示す(1.0−2.0ppm m 10H −CH2−、3.5ppm m 1H −CH−N、3.9ppm s 6H OCH3、4.7ppm d 1H NH、7.1ppm s 1H CH−O、7.2−7.7ppm 7H芳香族C−H)。HPLC純度は95面積%であり、2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンズアルデヒドに対する単離収率は6%であった。この化合物の融点は176℃であった。この化合物のUV吸収スペクトル図3に示す(1×10-4mol/Lアセトニトリル溶液)。UVスペクトルによると、この化合物は405nmに吸収を持つことがわかった。またこの化合物のTGを測定したところ、5%重量減少温度は209℃であった(図4)。

0127

[実施例2]
<N−(α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)モルホリンの合成>
シクロヘキシルイソシアネートの代わりにモルホリンカルボニルクロライド7.5gを用いた以外は実施例1と同様の操作により、微黄色結晶を9.6g得た。

0128

この結晶がN-(α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)モルホリンであることを1H−NMRにより確認した。HPLC純度は98面積%であり、2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンズアルデヒドに対する単離収率は47%であった。この化合物の1H−NMRスペクトルを図2に示す(3.4−3.7ppm 8H OCH2CH2N、3.9ppm 6H OCH3、6.9ppm s 1H CH−O、7.2−7.7ppm 7H芳香族CH)。この化合物のUV吸収スペクトルを図3に示す(1×10-4mol/Lアセトニトリル溶液)。UVスペクトルによると、この化合物は405nmに吸収を持つことがわかった。またこの化合物のTGを測定した結果を図4に示す。この化合物の5%重量減少温度は233℃であった。

0129

[比較例1]
<N−(2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)シクロヘキシルアミンの合成>
特開平6−345711号公報を参考にして、6.24gの2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルアルコールと5.13gのシクロヘキシルイソシアネートから9.53gのN-(2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)シクロヘキシルアミンを得た。この化合物のUV吸収スペクトルを図3に示す(1×10-4mol/Lアセトニトリル溶液)。この化合物は、405nmの吸光度が実施例1及び実施例2の化合物よりも弱いことがわかった。

0130

[実施例3]
<N−(α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)シクロヘキシルアミンの合成>
既知化合物である、α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルアルコールを、Tetrahedron, 63, (2007), 474、およびMolecules, 1999, 4, M113を参考に合成した。α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルアルコール0.26gとシクロヘキシルイソシアネート0.17gを、ジブチル錫ジラウレート0.06gと共に脱水トルエン(30ml)中に添加し、還流下に加熱しながら10時間反応させた。

0131

得られた反応液を濃縮し、得られた固体を塩化メチレン(30ml)に溶解させた後、飽和食塩水(20ml)および水(20ml)で洗浄し、塩化メチレン層を濃縮してエタノールから再結晶することにより微黄色結晶を0.19g得た。

0132

この結晶がN−(α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)シクロヘキシルアミンであることを1H−NMRにより確認した。HPLC純度は98.5面積%であり、α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルアルコールに対する単離収率は50%であった。

0133

[実施例4]
<N−(α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)シクロヘキシルメチルアミンの合成>
100mlの二口フラスコに実施例1で合成したN-(α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)シクロヘキシルアミン1.25gとテトラヒドロフラン(19.8ml)とジメチルホルムアミド(2.0ml)を入れて溶解した。で冷却しながら水素化ナトリウム0.144gを投入した。その後、ヨウ化メチル(0.56ml)を投入し、0℃で10分間撹拌後、加熱還流を7時間行った。

0134

放冷すると固体が析出したのでジメチルホルムアミドを10ml加えて溶解し、反応液を10wt%塩酸水溶液(22ml)に投入した。酢酸エチル(22ml)を加えて抽出し、有機層無水硫酸マグネシウム脱水し、得られた固体をシリカゲルクロマトグラフィーを用いて精製し、フラクションを濃縮して淡黄色固体を0.76g得た。

0135

得られた固体がN-(α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)シクロヘキシルメチルアミンであることを1H−NMRにより同定した。この化合物の1H−NMRスペクトルを図5に示す。N-(α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)シクロヘキシルアミンに対する単離収率は59%であった。

0136

[実施例5]
<N-(α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)-2,6-ジメチルピペリジンの合成>
200mlの二口フラスコにα-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルアルコール5.8g、クロロ蟻酸-p-ニトロフェニル4.4g、N,N-ジメチル-4-アミノピリジンDMAP)0.1gを入れ、窒素気流下、氷で冷やしながら脱水N,N-ジメチルアセトアミド80mlとトリエチルアミン4.1gの混合液を滴下し、3時間攪拌した。その後、室温で2時間攪拌後、クロロ蟻酸ニトロフェニル1.4gを追添し、反応溶液を一晩攪拌した。

0137

翌日、反応溶液を氷水1.5Lの中に投入し、氷が溶けるまで攪拌した後、吸引ろ過を行い、得られた固体を水洗した。前記固体に対して酢酸エチルを用いて抽出を行い、有機層を硫酸ナトリウムで脱水した後、エバポレータで濃縮して黄色固体を11.2g得た。

0138

前記黄色固体をヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒(体積比1:1)で洗浄することにより、α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジル-4-ニトロフェニルカーボネートを微黄緑色固体として、HPLC純度97.7面積%、単離収率50%で得た。

0139

α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジル-4-ニトロフェニルカーボネート4.5gと1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール(HOAt)0.4g、シス-2,6-ジメチルピペリジン6.7g、脱水N,N-ジメチルアセトアミド50mlを300mlフラスコに入れ、窒素気流下で60℃で3時間攪拌した後、70℃で1時間攪拌した。

0140

反応溶液を1重量%の炭酸水素ナトリウム1.4Lの中に投入し、析出した固体を吸引ろ過した。前記固体を、1重量%の炭酸水素ナトリウムでろ液無色透明になるまで洗浄後、水洗した。

0141

得られた固体を三角フラスコに移し、酢酸エチルを200ml加えた後、硫酸ナトリウムで脱水し、エバポレータで濃縮した。得られた固体をヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒を用いた中圧分取クロマトグラフィー(山善株式会社製 YFLC-Eprep)により精製し、フラクションを濃縮することにより、HPLC純度97.2面積%の固体を3.6g得た。

0142

これをさらにエタノールとヘキサンの混合溶媒(体積比1:8)を用いて再結晶し、微黄色結晶のN-(α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)-2,6-ジメチルピペリジンを3.1g得た。HPLC純度98.5面積%であり、α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルアルコールに対する単離収率は36%であった。この化合物は1H−NMRにて同定した(1.0ppm d 3H −CH3、1.3ppm d 3H −CH3、1.4−1.9ppm m 6H −CH2−、3.9ppm s 6H OCH3、3.9ppm s 6H OCH3、4.4ppm m 2H −CH−N、7.1ppm s 1H CH−O、7.2−7.7ppm 7H芳香族C−H)。

0143

[実施例6]
<N-(α-(4-ニトロフェニル)-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)-2,6-ジメチルピペリジンの合成>
α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルアルコールを用いる代わりにα-(4-ニトロフェニル)-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルアルコールを用いた以外は実施例5と同様の操作により、N-(α-(4-ニトロフェニル)-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)-2,6-ジメチルピペリジンを合成した(単離収率33%)。この化合物は1H−NMRにて同定した(1.1ppm d 3H −CH3、1.3ppm d 3H −CH3、1.4−1.9ppm m 6H −CH2−、3.9ppm s 3H OCH3、3.9ppm s 3H OCH3、4.4ppm m 2H −CH−N、7.1ppm s 1H CH−O、7.5−8.2ppm 6H芳香族C−H)。

0144

[実施例7]
<N-(α-(2-ニトロ-4,5-ジメトキシフェニル)-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)-2,6-ジメチルピペリジンの合成>
α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルアルコールを用いる代わりにα-(2-ニトロ-4,5-ジメトキシフェニル)-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルアルコールを用いた以外は実施例5と同様の操作により、N-(α-(2-ニトロ-4,5-ジメトキシフェニル)-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)-2,6-ジメチルピペリジンを合成した(単離収率16%)。この化合物は1H−NMRにて同定した(1.3ppm d 6H −CH3、1.4−1.9ppm m 6H −CH2−、3.7ppm s 6H OCH3、4.0ppm s 6H OCH3、4.3ppm m 2H −CH−N、6.7ppm s 2H芳香族C−H、7.7ppm s 2H 芳香族C−H、7.9ppm s 1H CH−O)。

0145

[実施例8]
<N-(α−フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)ピペリジンの合成>
シス‐2,6-ジメチルピペリジンを用いる代わりにピペリジンを用いた以外は実施例5と同様の操作により、N-(α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)ピペリジンを合成した(単離収率16%)。この化合物は1H−NMRにて同定した(1.4−1.8ppm m 6H −CH2−、3.5ppm br 4H −CH2−N、3.9ppm s 3H OCH3、3.9ppm s 3H OCH3、7.0ppm s 1H CH−O、7.2−7.7ppm 7H芳香族C−H)。

0146

[実施例9]
光分解能の測定>
実施例1で得られたN−(α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)シクロヘキシルアミンを、石英製NMRチューブ中に電子天秤を用いて1.0mg量し、重アセトニトリル0.5mLを加え溶解させた。

0147

このサンプルに、350nm以下の波長の光を透過しないフィルター1を介して、高圧水銀灯ウシオ電機社製SPOT CURE SP−III 250UAランプ型番:USH−255BY)の全波長の光を、フィルター通過前100J/cm2(i線換算紫外線照度計:ウシオ電機社製UIT−150、受光器:UVD−S365)、フィルター通過後18.2J/cm2(i線換算:紫外線照度計:ウシオ電機社製UIT−150、受光器:UVD−S365)になるように設定して照射した。前記光の照射前後のサンプルのNMRスペクトルの比較を行うことにより、i線(365nm)以上の波長領域における、N−(α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)シクロヘキシルアミンの光分解性の評価を行った。

0148

同様に、380nm以下の波長の光を透過しないフィルター2を介して、高圧水銀灯の全波長の光を、フィルター通過前100J/cm2(i線換算:紫外線照度計:ウシオ電機社製UIT−150、受光器:UVD−S365)、470J/cm2(h線換算:紫外線照度計:ウシオ電機社製UIT−101、受光器:UVD−405PD)、フィルター通過後0J/cm2(i線換算:紫外線照度計:ウシオ電機社製UIT−150、受光器:UVD−S365)、160J/cm2(h線換算:紫外線照度計:ウシオ電機社製UIT−101、受光器:UVD−405PD)になるように設定して照射した。照射前後のサンプルのNMRスペクトルを比較することにより、h線(405nm)以上の波長領域におけるN−(α-フェニル-2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)シクロヘキシルアミンの光分解性の評価を行った。

0149

図6にフィルター1とフィルター2の透過率曲線を示す。また光分解性の評価結果を下記表1に示す。

0150

[実施例10〜15]
下記表1に示す光塩基発生剤(N-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物)を用いた以外は、実施例9と同様の操作により光分解性の評価を行った。結果を下記表1に示す。

0151

[比較例2]
比較例1で合成した光塩基発生剤(N−(2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル)シクロヘキシルアミン)を用いた以外は、実施例9と同様の操作により光分解性の評価を行った。結果を下記表1に示す。

0152

0153

表1より、本発明のN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物は、i線を含む380nm以下の波長の光を透過しないフィルター2を透過した光の照射によっても分解することがわかる。

実施例

0154

また、この結果と図4に示されたUV吸収スペクトルの結果を合わせて考慮すると、本発明のN-(α-芳香族置換-2-ニトロ-4,5-ジアルコキシベンジルオキシカルボニル)アミン化合物は、波長405nmの光、すなわちh線の照射によって分解し、塩基を発生するものと考えられる。

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