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技術 片頭痛治療剤

出願人 協和発酵キリン株式会社
発明者 池田淳一市川俊司黒川昌子神田知之
出願日 2009年7月23日 (10年11ヶ月経過) 出願番号 2010-521725
公開日 2012年1月5日 (8年6ヶ月経過) 公開番号 WO2010-010908
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 保持パット 脳血流変化 代替フロンガス 電気ドリル 漏出量 バイアルびん 国際分類 脳定位固定
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課題・解決手段

アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する片頭痛治療および/または予防剤、アデノシンA2A受容体への親和性がアデノシンA1受容体への親和性に対し10倍以上である化合物であるアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する片頭痛の治療および/または予防剤などを提供する。

概要

背景

片頭痛(Migraine)は、4〜72時間続く頭痛発作であり、悪心嘔吐、光過敏、音過敏等を伴う[メルクマニュアル第17版、168章;日本神経学治療ガイドライン;頭痛国際分類第2版(International Classification of Headache Disorders−II:ICHD-II)、2004年]。片頭痛の病態生理および発生機序のひとつとして、浅側頭動脈を含む頭蓋外血管および/または頭蓋内血管血管拡張提唱されている[アーカイブス・ニューロロジー・サイキアトリー(Arch. Neurol. Psychiatr.)、第39巻、p.737-763(1938年);セファラジア(Cephalagia)、第1巻、p.143-147(1981年);内科、第81巻、p.601-609(1998年);内科、第81巻、p.639(1998年)]。また、血液脳関門を通過しないセロトニン受容体5−HT1(5-ヒドロキシトリプタミン1)の親水性アゴニストである麦角アルカロイドおよびスマトリプタン(sumatriptan)は、脳血管平滑筋のセロトニン受容体5−HT1に作用して拡張した血管を収縮させることから、片頭痛の治療に有効であることが知られている[アナルス・オブ・ザ・ニューヨークアカデミー・オブ・サイエンス(Ann. N.Y. Acad. Sci.)、第600巻、p.587-600(1990年);ニューロロジー(Neurology)、第43巻、p. S43-S47(1993年)]。

これらのことから、頭蓋外血管および/または頭蓋内血管の血管拡張を抑制することにより、片頭痛の治療が可能であると考えられている。また、片頭痛発症の原因として、三叉神経と脳血管周囲や硬膜血管周囲神経原性炎症によるとする説や皮質性拡延性抑制のような中枢神経活性化に基づく説などが報告されている[ランセット(Lancet)、第363巻、p.381-391(2004年)]。

片頭痛に関連して、さらに、いくつかの報告がある(非特許文献1〜3参照)。
片頭痛の治療剤としては、例えばスマトリプタン(Sumatriptan)などのトリプタン系薬剤やイブプロフェン(Ibuprophen)などの非ステロイド系消炎鎮痛剤が、予防剤としては、例えばトピラマート(Topiramate)などの抗てんかん剤フルナリジン(Flunarizine)などのカルシウム拮抗剤などが現在臨床で用いられている。

一方、片頭痛発作の1時間後、片頭痛患者血漿中におけるアデノシンの濃度が平常時と比較して平均68%増加していること、およびアデノシンによりアデノシンA2受容体賦活化されると血小板によるセロトニンの取り込みがアデノシンの濃度依存的に抑制され、結果としてセロトニンの急激な放出による血管拡張が引き起こされること[カナディアンジャーナル・オブ・ニューロロジカル・サイエンシス(Can. J, Neurol. Sci.)、第2巻、p.55-58(1998年)]、片頭痛患者にアデノシン増強剤静脈投与することにより、片頭痛発作が誘発されること[メディカル・ジャーナル・オブ・オーストラリア(Med. J. Aust.)、第162巻、p.389-390(1995年)]等が知られている。また、アデノシンは強力な血管拡張作用を有することが知られており、片頭痛時の血管拡張作用およびアデノシン誘発の血管拡張作用に、アデノシンA2A受容体およびアデノシンA2B受容体が関与することが知られている[アメリカン・ジャーナル・オブ・フィジオロジー・ハートアンドサーキュラトリー・フィジオロジー(Am. J. Physiol. HeartCirc. Physiol.)、第280巻、p.2329-2335(2001年)]。これらのことから、アデノシン誘発の血管拡張を抑制することにより、片頭痛の治療が可能であると考えられている。

また、特異性は低いもののアデノシン拮抗作用を有するカフェインは片頭痛を緩和させる働きを有するが、副作用として精神依存性があり、カフェイン禁断性頭痛を引き起こすことが知られている[ペイン(Pain)、1991年、第44巻、p.151-155;ドラッグズ(Drugs)、1998年、第49巻、p.37-50参照]。さらに、キサンチン誘導体が片頭痛の治療薬として有用であることが知られている(特許文献1参照)。

アデノシンは生体内に広く分布し、その受容体を介して、中枢神経系、心筋腎臓、平滑筋などに対して様々な生理作用を示すことが知られている(非特許文献4参照)。
例えば、アデノシンA1拮抗剤排便促進作用を有することが知られている(Jpn. J. Pharmacol.、1995年、第68巻、p. 119)。また、アデノシンA2A受容体は、特に中枢神経系に関与していることが知られており、その拮抗剤は、例えばパーキンソン病などの治療薬(非特許文献5参照)、睡眠障害の治療薬(Nature Neuroscience、2005年、p.1;特許文献2参照)などとして有用であることが知られている。

また、アデノシン受容体と片頭痛の関係について、いくつかの報告がある(非特許文献6〜13参照)。
アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物としては、例えば下記式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)などで表される化合物が知られている(特許文献3〜9、非特許文献14および15参照)。

(式中、R1はメチルエチルプロピルブチルまたは3-メチルブチルを表すか、またはこれらの基にヒドロキシ置換した基を表し;R2はフェニルピリジルピリミジニル、5,6-ジヒドロ-2H-ピリジルメチルまたはテトラヒドロピラニルオキシを表すか、またはこれらの基にフッ素原子塩素原子臭素原子、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシから選ばれる1〜3個の置換基が置換した基を表し、R3はピリジルまたはテトラヒドロピラニルを表し;R4およびR5は同一または異なって、水素原子、フッ素原子または2-メトキシエトキシを表し;R6はメチル、エチル、プロピルまたはブチルを表す)

概要

アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する片頭痛の治療および/または予防剤、アデノシンA2A受容体への親和性がアデノシンA1受容体への親和性に対し10倍以上である化合物であるアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する片頭痛の治療および/または予防剤などを提供する。

目的

本発明の目的は、アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する片頭痛の治療および/または予防剤などを提供する

効果

実績

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請求項1

アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する片頭痛治療および/または予防剤

請求項2

アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物が、アデノシンA2A受容体への親和性がアデノシンA1受容体への親和性に対し10倍以上である化合物である請求項1記載の剤。

請求項3

アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物が、下記式(I)〜(VII)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物である請求項1記載の剤。(式中、R1はメチルエチルプロピルブチルまたは3-メチルブチルを表すか、またはこれらの基にヒドロキシ置換した基を表し;R2はフェニルピリジルピリミジニル、5,6-ジヒドロ-2H-ピリジルメチルまたはテトラヒドロピラニルオキシを表すか、またはこれらの基にフッ素原子塩素原子臭素原子、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシから選ばれる1〜3個の置換基が置換した基を表し、R3はピリジルまたはテトラヒドロピラニルを表し;R4およびR5は同一または異なって、水素原子、フッ素原子または2-メトキシエトキシを表し;R6はメチル、エチル、プロピルまたはブチルを表す)

請求項4

アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物が、下記式(I)または(II)で表される化合物である請求項1記載の剤。(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ前記と同義である)

請求項5

アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物が、下記式(I)で表される化合物である請求項1記載の剤。(式中、R1は前記と同義である)

請求項6

R1が、ヒドロキシが置換していてもよいエチル、またはヒドロキシが置換していてもよい3-メチルブチルである請求項5記載の剤。

請求項7

アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物が、下記式(II)で表される化合物である請求項1記載の剤。(式中、R2およびR3はそれぞれ前記と同義である)

請求項8

R3が、ピリジルである請求項7記載の剤。

請求項9

R3が、テトラヒドロピラニルである請求項7記載の剤。

請求項10

アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩の有効量を投与することを含む片頭痛の治療および/または予防方法

請求項11

アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物が、アデノシンA2A受容体への親和性がアデノシンA1受容体への親和性に対し10倍以上である化合物である請求項10記載の方法。

請求項12

アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物が、下記式(I)〜(VII)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物である請求項10記載の方法。(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6はそれぞれ前記と同義である)

請求項13

アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物が、下記式(I)または(II)で表される化合物である請求項10記載の方法。(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ前記と同義である)

請求項14

アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物が、下記式(I)で表される化合物である請求項10記載の方法。(式中、R1は前記と同義である)

請求項15

R1が、ヒドロキシが置換していてもよいエチル、またはヒドロキシが置換していてもよい3-メチルブチルである請求項14記載の方法。

請求項16

アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物が、下記式(II)で表される化合物である請求項10記載の方法。(式中、R2およびR3はそれぞれ前記と同義である)

請求項17

R3が、ピリジルである請求項16記載の方法。

請求項18

R3が、テトラヒドロピラニルである請求項16記載の方法。

請求項19

片頭痛の治療および/または予防剤の製造のためのアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。

請求項20

アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物が、アデノシンA2A受容体への親和性がアデノシンA1受容体への親和性に対し10倍以上である化合物である請求項19記載の使用。

請求項21

アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物が、下記式(I)〜(VII)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物である請求項19記載の使用。(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6はそれぞれ前記と同義である)

請求項22

アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物が、下記式(I)または(II)で表される化合物である請求項19記載の使用。(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ前記と同義である)

請求項23

アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物が、下記式(I)で表される化合物である請求項19記載の使用。(式中、R1は前記と同義である)

請求項24

R1が、ヒドロキシが置換していてもよいエチル、またはヒドロキシが置換していてもよい3-メチルブチルである請求項23記載の使用。

請求項25

アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物が、下記式(II)で表される化合物である請求項19記載の使用。(式中、R2およびR3はそれぞれ前記と同義である)

請求項26

R3が、ピリジルである請求項25記載の使用。

請求項27

R3が、テトラヒドロピラニルである請求項25記載の使用。

請求項28

片頭痛の治療および/または予防に使用するためのアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩。

請求項29

片頭痛の治療および/または予防に使用するためのアデノシンA2A受容体への親和性がアデノシンA1受容体への親和性に対し10倍以上である化合物またはその薬学的に許容される塩。

請求項30

片頭痛の治療および/または予防に使用するための下記式(I)〜(VII)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物またはその薬学的に許容される塩。(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6はそれぞれ前記と同義である)

請求項31

片頭痛の治療および/または予防に使用するための下記式(I)または(II)で表される化合物またはその薬学的に許容される塩。(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ前記と同義である)

請求項32

片頭痛の治療および/または予防に使用するための下記式(I)で表される化合物またはその薬学的に許容される塩。(式中、R1は前記と同義である)

請求項33

R1が、ヒドロキシが置換していてもよいエチル、またはヒドロキシが置換していてもよい3-メチルブチルである請求項32記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。

請求項34

片頭痛の治療および/または予防に使用するための下記式(II)で表される化合物またはその薬学的に許容される塩。(式中、R2およびR3はそれぞれ前記と同義である)

請求項35

R3が、ピリジルである請求項34記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。

請求項36

R3が、テトラヒドロピラニルである請求項34記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。

技術分野

0001

本発明は、片頭痛治療および/または予防剤に関する。

背景技術

0002

片頭痛(Migraine)は、4〜72時間続く頭痛発作であり、悪心嘔吐、光過敏、音過敏等を伴う[メルクマニュアル第17版、168章;日本神経学会治療ガイドライン;頭痛国際分類第2版(International Classification of Headache Disorders−II:ICHD-II)、2004年]。片頭痛の病態生理および発生機序のひとつとして、浅側頭動脈を含む頭蓋外血管および/または頭蓋内血管血管拡張提唱されている[アーカイブス・ニューロロジー・サイキアトリー(Arch. Neurol. Psychiatr.)、第39巻、p.737-763(1938年);セファラジア(Cephalagia)、第1巻、p.143-147(1981年);内科、第81巻、p.601-609(1998年);内科、第81巻、p.639(1998年)]。また、血液脳関門を通過しないセロトニン受容体5−HT1(5-ヒドロキシトリプタミン1)の親水性アゴニストである麦角アルカロイドおよびスマトリプタン(sumatriptan)は、脳血管平滑筋のセロトニン受容体5−HT1に作用して拡張した血管を収縮させることから、片頭痛の治療に有効であることが知られている[アナルス・オブ・ザ・ニューヨークアカデミー・オブ・サイエンス(Ann. N.Y. Acad. Sci.)、第600巻、p.587-600(1990年);ニューロロジー(Neurology)、第43巻、p. S43-S47(1993年)]。

0003

これらのことから、頭蓋外血管および/または頭蓋内血管の血管拡張を抑制することにより、片頭痛の治療が可能であると考えられている。また、片頭痛発症の原因として、三叉神経と脳血管周囲や硬膜血管周囲神経原性炎症によるとする説や皮質性拡延性抑制のような中枢神経活性化に基づく説などが報告されている[ランセット(Lancet)、第363巻、p.381-391(2004年)]。

0004

片頭痛に関連して、さらに、いくつかの報告がある(非特許文献1〜3参照)。
片頭痛の治療剤としては、例えばスマトリプタン(Sumatriptan)などのトリプタン系薬剤やイブプロフェン(Ibuprophen)などの非ステロイド系消炎鎮痛剤が、予防剤としては、例えばトピラマート(Topiramate)などの抗てんかん剤フルナリジン(Flunarizine)などのカルシウム拮抗剤などが現在臨床で用いられている。

0005

一方、片頭痛発作の1時間後、片頭痛患者血漿中におけるアデノシンの濃度が平常時と比較して平均68%増加していること、およびアデノシンによりアデノシンA2受容体賦活化されると血小板によるセロトニンの取り込みがアデノシンの濃度依存的に抑制され、結果としてセロトニンの急激な放出による血管拡張が引き起こされること[カナディアンジャーナル・オブ・ニューロロジカル・サイエンシス(Can. J, Neurol. Sci.)、第2巻、p.55-58(1998年)]、片頭痛患者にアデノシン増強剤静脈投与することにより、片頭痛発作が誘発されること[メディカル・ジャーナル・オブ・オーストラリア(Med. J. Aust.)、第162巻、p.389-390(1995年)]等が知られている。また、アデノシンは強力な血管拡張作用を有することが知られており、片頭痛時の血管拡張作用およびアデノシン誘発の血管拡張作用に、アデノシンA2A受容体およびアデノシンA2B受容体が関与することが知られている[アメリカン・ジャーナル・オブ・フィジオロジー・ハートアンドサーキュラトリー・フィジオロジー(Am. J. Physiol. HeartCirc. Physiol.)、第280巻、p.2329-2335(2001年)]。これらのことから、アデノシン誘発の血管拡張を抑制することにより、片頭痛の治療が可能であると考えられている。

0006

また、特異性は低いもののアデノシン拮抗作用を有するカフェインは片頭痛を緩和させる働きを有するが、副作用として精神依存性があり、カフェイン禁断性頭痛を引き起こすことが知られている[ペイン(Pain)、1991年、第44巻、p.151-155;ドラッグズ(Drugs)、1998年、第49巻、p.37-50参照]。さらに、キサンチン誘導体が片頭痛の治療薬として有用であることが知られている(特許文献1参照)。

0007

アデノシンは生体内に広く分布し、その受容体を介して、中枢神経系、心筋腎臓、平滑筋などに対して様々な生理作用を示すことが知られている(非特許文献4参照)。
例えば、アデノシンA1拮抗剤排便促進作用を有することが知られている(Jpn. J. Pharmacol.、1995年、第68巻、p. 119)。また、アデノシンA2A受容体は、特に中枢神経系に関与していることが知られており、その拮抗剤は、例えばパーキンソン病などの治療薬(非特許文献5参照)、睡眠障害の治療薬(Nature Neuroscience、2005年、p.1;特許文献2参照)などとして有用であることが知られている。

0008

また、アデノシン受容体と片頭痛の関係について、いくつかの報告がある(非特許文献6〜13参照)。
アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物としては、例えば下記式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)などで表される化合物が知られている(特許文献3〜9、非特許文献14および15参照)。

0009

0010

(式中、R1はメチルエチルプロピルブチルまたは3-メチルブチルを表すか、またはこれらの基にヒドロキシ置換した基を表し;R2はフェニルピリジルピリミジニル、5,6-ジヒドロ-2H-ピリジルメチルまたはテトラヒドロピラニルオキシを表すか、またはこれらの基にフッ素原子塩素原子臭素原子、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシから選ばれる1〜3個の置換基が置換した基を表し、R3はピリジルまたはテトラヒドロピラニルを表し;R4およびR5は同一または異なって、水素原子、フッ素原子または2-メトキシエトキシを表し;R6はメチル、エチル、プロピルまたはブチルを表す)

0011

国際公開2005/072739号パンフレット
国際公開2007/015528号パンフレット
国際公開98/42711号パンフレット
国際公開00/17201号パンフレット
国際公開2005/063743号パンフレット
国際公開2002/055524号パンフレット
国際公開第2003/011864号パンフレット
国際公開第2006/032273号パンフレット
国際公開第2002/055083号パンフレット

先行技術

0012

「プロシーディング・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・ユナイテッドステイツ・オブ・アメリカ(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)」2001年、第98巻、p. 4687
ネイチャー・ニューロサイエンス(Nature Neuroscience)」2007年、第10巻、p. 754
「ニューロロジカル・リサーチ(Neurological Research.)」2005年、第27巻、p. 175
「ネイチァー・レビュー・ドラッグ・ディスカバリー(Nature Reviews Drug Discovery)」2006年、第5巻、p. 247
プログレスイン・ニューロバイオロジー(Progress in Neurobiology)」2007年、第83巻、p. 332
「カナディアン・ジャーナル・オブ・ニューロロジカル・サイエンシーズ(Can J Neurol Sci)」1998年、第253巻、p. 55
「セファラルジア(Cephalalgia)」2006年、第26巻、p. 925
「セファラルジア(Cephalalgia)」2007年、第27巻、p. 177
ブレイン(Brain)」2002年、第125巻、p. 1392
「アメリカン・ジャーナル・オブ・フィジオロジー(Am. J. Physiol.)」2001年、第281巻、H2018-H2027
「ジャーナル・オブ・ファーコロジカル・サイエンス(J. Pharmacol. Sci.)」2004年、第94巻、p. 100
「ファーマコロジカル・レビュー(Pharmacological Reviews)」1999年、第51巻、p. 83
「ファーマコロジー・アンド・セラピューティックス(Pharmacology & Therapeutics)」2006年、第112巻、p. 199
「ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー(European Journal of Pharmacology)」1994年、第267巻、p. 335
「バイオオーガニック&メディシナル・ケミストリーレターズ(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters)」2007年、第17巻、p.1376

発明が解決しようとする課題

0013

本発明の目的は、アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する片頭痛の治療および/または予防剤などを提供することにある。

課題を解決するための手段

0014

本発明は、以下の(1)〜(47)に関する。
(1)アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する片頭痛の治療および/または予防剤。
(2) アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物が、アデノシンA2A受容体への親和性がアデノシンA1受容体への親和性に対し10倍以上である化合物である請求項1記載の剤。
(3) アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物が、下記式(I)〜(VII)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物である(1)記載の剤。

0015

0016

(式中、R1はメチル、エチル、プロピル、ブチルまたは3-メチルブチルを表すか、またはこれらの基にヒドロキシが置換した基を表し;R2はフェニル、ピリジル、ピリミジニル、5,6-ジヒドロ-2H-ピリジルメチルまたはテトラヒドロピラニルオキシを表すか、またはこれらの基にフッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシから選ばれる1〜3個の置換基が置換した基を表し、R3はピリジルまたはテトラヒドロピラニルを表し;R4およびR5は同一または異なって、水素原子、フッ素原子または2-メトキシエトキシを表し;R6はメチル、エチル、プロピルまたはブチルを表す)
(4)アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物が、下記式(I)または(II)で表される化合物である(1)記載の剤。

0017

0018

(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ前記と同義である)
(5)アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物が、下記式(I)で表される化合物である(1)記載の剤。

0019

0020

(式中、R1は前記と同義である)
(6) R1が、ヒドロキシが置換していてもよいエチル、またはヒドロキシが置換していてもよい3-メチルブチルである(5)記載の剤。
(7)アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物が、下記式(II)で表される化合物である(1)記載の剤。

0021

0022

(式中、R2およびR3はそれぞれ前記と同義である)
(8) R3が、ピリジルである(7)記載の剤。
(9) R3が、テトラヒドロピラニルである(7)記載の剤。
(10)アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩の有効量を投与することを含む片頭痛の治療および/または予防方法
(11) アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物が、アデノシンA2A受容体への親和性がアデノシンA1受容体への親和性に対し10倍以上である化合物である(10)記載の方法。
(12) アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物が、下記式(I)〜(VII)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物である(10)記載の方法。

0023

0024

(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6はそれぞれ前記と同義である)
(13)アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物が、下記式(I)または(II)で表される化合物である(10)記載の方法。

0025

0026

(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ前記と同義である)
(14)アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物が、下記式(I)で表される化合物である(10)記載の方法。

0027

0028

(式中、R1は前記と同義である)
(15) R1が、ヒドロキシが置換していてもよいエチル、またはヒドロキシが置換していてもよい3-メチルブチルである(14)記載の方法。
(16)アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物が、下記式(II)で表される化合物である(10)記載の方法。

0029

0030

(式中、R2およびR3はそれぞれ前記と同義である)
(17) R3が、ピリジルである(16)記載の方法。
(18) R3が、テトラヒドロピラニルである(16)記載の方法。
(19)片頭痛の治療および/または予防剤の製造のためのアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。
(20) アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物が、アデノシンA2A受容体への親和性がアデノシンA1受容体への親和性に対し10倍以上である化合物である(19)記載の使用。
(21) アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物が、下記式(I)〜(VII)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物である(19)記載の使用。

0031

0032

(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6はそれぞれ前記と同義である)
(22)アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物が、下記式(I)または(II)で表される化合物である(19)記載の使用。

0033

0034

(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ前記と同義である)
(23)アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物が、下記式(I)で表される化合物である(19)記載の使用。

0035

0036

(式中、R1は前記と同義である)
(24) R1が、ヒドロキシが置換していてもよいエチル、またはヒドロキシが置換していてもよい3-メチルブチルである(23)記載の使用。
(25)アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物が、下記式(II)で表される化合物である(19)記載の使用。

0037

0038

(式中、R2およびR3はそれぞれ前記と同義である)
(26) R3が、ピリジルである(25)記載の使用。
(27) R3が、テトラヒドロピラニルである(25)記載の使用。
(28)片頭痛の治療および/または予防に使用するためのアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩。
(29) 片頭痛の治療および/または予防に使用するためのアデノシンA2A受容体への親和性がアデノシンA1受容体への親和性に対し10倍以上である化合物またはその薬学的に許容される塩。
(30) 片頭痛の治療および/または予防に使用するための下記式(I)〜(VII)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物またはその薬学的に許容される塩。

0039

0040

(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6はそれぞれ前記と同義である)
(31)片頭痛の治療および/または予防に使用するための下記式(I)または(II)で表される化合物またはその薬学的に許容される塩。

0041

0042

(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ前記と同義である)
(32)片頭痛の治療および/または予防に使用するための下記式(I)で表される化合物またはその薬学的に許容される塩。

0043

0044

(式中、R1は前記と同義である)
(33) R1が、ヒドロキシが置換していてもよいエチル、またはヒドロキシが置換していてもよい3-メチルブチルである(32)記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
(34)片頭痛の治療および/または予防に使用するための下記式(II)で表される化合物またはその薬学的に許容される塩。

0045

0046

(式中、R2およびR3はそれぞれ前記と同義である)
(35) R3が、ピリジルである(34)記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
(36) R3が、テトラヒドロピラニルである(34)記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
(37)片頭痛が前兆のある片頭痛である(1)〜(9)のいずれかに記載の剤。
(38) 片頭痛が前兆のない片頭痛である(1)〜(9)のいずれかに記載の剤。
(39) (1)〜(9)のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する頭痛の治療および/または予防剤。
(40) 片頭痛が前兆のある片頭痛である(10)〜(18)のいずれかに記載の方法。
(41) 片頭痛が前兆のない片頭痛である(10)〜(18)のいずれかに記載の方法。
(42) 片頭痛が前兆のある片頭痛である(19)〜(27)のいずれかに記載の使用。
(43) 片頭痛が前兆のない片頭痛である(19)〜(27)のいずれかに記載の使用。
(44) 片頭痛が前兆のある片頭痛である(28)〜(36)のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
(45) 片頭痛が前兆のない片頭痛である(28)〜(36)のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
(46) (1)〜(9)のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する頭痛の治療および/または予防方法。
(47) 頭痛の治療および/または予防剤製造のための(1)〜(9)のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。

発明の効果

0047

本発明により、アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する片頭痛の治療および/または予防剤などを提供することができる。

0048

以下、一般式(I)で表される化合物を化合物(I)ということもある。他の式番号の化合物についても同様である。
本発明のアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物としては、アデノシン受容体の各種サブタイプ(例えば、アデノシンA1、A2A、A2BおよびA3受容体)のうち、アデノシンA2A受容体に対し強い拮抗作用を有する化合物が好ましい。

0049

従って、本発明のアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物としては、アデノシンA2A受容体に対し強い親和性を有する化合物が好ましい。例えば、後記の試験例1で示したアデノシンA2A受容体結合試験において、試験化合物の濃度が3×10-8 mol/Lで50%以上の阻害作用を有する化合物が好ましく、1×10-8 mol/Lで50%以上の阻害作用を有する化合物がより好ましく、3×10-9 mol/Lで50%以上の阻害作用を有する化合物がさらに好ましく、1×10-9 mol/Lで50%以上の阻害作用を有する化合物がさらにより好ましい。また、同試験により得られる阻害定数(Ki値)が30nmol/L以下の阻害作用を有する化合物が好ましく、10 nmol/L以下の阻害作用を有する化合物がより好ましく、3 nmol/L以下の阻害作用を有する化合物がさらに好ましく、1 nmol/L以下の阻害作用を有する化合物がさらにより好ましい。

0050

さらにまた、本発明に使用されるアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物としては、アデノシン受容体の各種サブタイプのうち、アデノシンA2A受容体に対し選択的な親和性を有する化合物が好ましく、例えば、アデノシンA2A受容体に対する親和性が、アデノシンA1受容体に対する親和性より大きい化合物が好ましい。具体的には、例えばアデノシンA1受容体への親和性と比較し、アデノシンA2A受容体に対する親和性が5倍以上の化合物が好ましく、10倍以上の化合物がより好ましく、50倍以上の化合物がさらに好ましく、100倍以上の化合物がさらにより好ましく、500倍以上の化合物が最も好ましい。

0051

これら親和性は、常法により求めることができ、例えば後記の試験例1に準じた方法で、または文献[例えば、Naunyn Schmiedebergs Arch Pharmacol. 1987, 355(1), p.59-63; Naunyn Schmiedebergs Arch Pharmacol. 1987, 355(2), p.204-210; Br. J. Pharmacol. 1996, 117(8), p.1645-1652など]記載の方法などにより求めることができる。
本発明のアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物としては、より具体的には、例えば下記式(I)〜(VII)で表される化合物またはその薬学的に許容される塩などがあげられる。

0052

0053

(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6はそれぞれ前記と同義である)
また、本発明のアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物としては、下記式(I)または(II)で表される化合物またはその薬学的に許容される塩がより好ましい。

0054

0055

(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ前記と同義である)
さらにより具体的には、例えば下記式(IA)、(IB)、(IIA)、(IIB)、(IIC)、(IID)、(IIIA)、(IIIB)、(IV)、(VA)、(VI)または(VII)で表される化合物またはその薬学的に許容される塩が好ましく、下記式(IA)、(IB)、(IIA)、(IIB)、(IIC)または(IID)で表される化合物がより好ましい。

0056

0057

本発明に使用されるアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物の薬学的に許容される塩は、例えば薬学的に許容される酸付加塩金属塩アンモニウム塩有機アミン付加塩アミノ酸付加塩などを包含する。
本発明に使用されるアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物の薬学的に許容される酸付加塩としては、例えば塩酸塩臭化水素酸塩硝酸塩硫酸塩、リン酸塩などの無機酸塩酢酸塩シュウ酸塩マレイン酸塩フマル酸塩クエン酸塩安息香酸塩メタンスルホン酸塩などの有機酸塩などがあげられ、薬学的に許容される金属塩としては、例えばナトリウム塩カリウム塩などのアルカリ金属塩マグネシウム塩カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩アルミニウム塩亜鉛塩などがあげられ、薬学的に許容されるアンモニウム塩としては、例えばアンモニウムテトラメチルアンモニウムなどの塩があげられ、薬学的に許容される有機アミン付加塩としては、例えばモルホリンピペリジンなどの付加塩があげられ、薬学的に許容されるアミノ酸付加塩としては、例えばリジングリシンフェニルアラニンアスパラギン酸グルタミン酸などの付加塩があげられる。

0058

本発明に使用されるアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩は、それぞれ従来より既知の方法に従って製造することができる。例えば、化合物(I)は、例えばWO98/42711、WO00/17201などに記載の方法により製造することができる。化合物(II)は、例えばWO2005/063743などに記載の方法により製造することができる。化合物(III)は、例えばWO2001/092264などに記載の方法により製造することができる。化合物(IV)は、例えばWO2002/055524などに記載の方法により製造することができる。化合物(V)は、例えばWO2003011864などに記載の方法により製造することができる。化合物(VI)は、例えばWO2006/032273などに記載の方法により製造することができる。化合物(VII)は、例えばWO2002/055083などに記載の方法により製造することができる。

0059

本発明に使用されるアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物には、幾何異性体光学異性体などの立体異性体互変異性体などが存在し得るものもあるが、本発明の片頭痛の治療および/または予防剤などには、これらを含め、全ての可能な異性体およびそれらの混合物を使用することができる。
本発明に使用されるアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物の塩を取得したいとき、それぞれの化合物が塩の形で得られるときはそのまま精製すればよく、また、遊離の形で得られるときは、それぞれの化合物を適当な溶媒に溶解または懸濁し、酸または塩基を加えて単離、精製すればよい。

0060

また、本発明に使用されるアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩は、水または各種溶媒との付加物の形で存在することもあるが、これらの付加物も本発明の片頭痛の治療および/または予防剤、片頭痛の治療および/または予防方法などに使用することができる。
本発明の片頭痛の治療および/または予防剤、片頭痛の治療および/または予防方法などにより治療および/または予防される疾患としては、例えば国際頭痛分類第2版(ICHD-II)(国際頭痛学会(IHS)2003)で示された各種片頭痛があげられ、具体的には、例えば前兆のない片頭痛、前兆のある片頭痛、小児周期性症候群(片頭痛に移行することが多いもの)、網膜片頭痛、片頭痛の合併症、片頭痛の疑いなどがあげられる。これらの中には、月経時片頭痛など月経のある女性にみられる片頭痛や、小児片頭痛など若年者にみられる片頭痛なども含まれる。

0061

次に、代表的なアデノシンA2A受容体選択的な拮抗作用を有する化合物の生物活性について試験例により具体的に説明する。
試験例1アデノシン受容体結合作用
(1)アデノシンA2A受容体結合試験
試験はBrunsらの方法[モレキュラー・ファーマコロジー(Molecular Pharmacology)、29巻、331ページ(1986年)]に準じて行う。

0062

ラットSDラット、日本SLC)線条体を、氷冷した50 mLの50 mmol/Lトリス(ヒドロキシメチルアミノメタン・塩酸塩(Tris HCl)緩衝液(pH 7.7)中で、ポリトロンホモジナイザー(Kinematica社)で懸濁する。懸濁液を遠心分離し(48,000×g、20分間)、得られた沈殿物に再び同量の50 mmol/L TrisHCl緩衝液を加えて再懸濁し、同様の条件で遠心分離を行う。得られる最終沈殿物に、5 mg(湿重量)/mLの組織濃度になるように50 mmol/L Tris HCl緩衝液(10 mmol/L塩化マグネシウムアデノシンデアミナーゼ0.02ユニット/mg組織(Sigma社)を含む)を加えて懸濁する。

0063

上記の精製した細胞懸濁液100μLに、トリチウムで標識したCGS-21680[3H-2-[p-(2-カルボキシエチル)フェネチルアミノ]-5’-(N-エチルカルボキサミド)アデノシン:40キューリー/mmol;ニュー・イングランド・ニュークリア(New England Nuclear)社;ザ・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー・アンド・エクスペリメンタル・セラピュウティックス(The Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics)、251巻、888ページ(1989年)]80 μL(最終濃度6.0 mmol/L)および試験化合物溶液(試験化合物のジメチルスルホキシド溶液をTrisHCl緩衝液で希釈)20μLを加える。その混合液を25℃で120分間静置した後、ガラス繊維濾紙(GF/C;Whatman社製)上で急速吸引ろ過し、直ちに令した50 mmol/L Tris HCl緩衝液200μLで3回洗浄する。ガラス繊維濾紙をバイアルびんに移し、マイクロシンチ(PKI社)を加え、放射能量トップカウントパーキンエルマー社製)で測定する。

0064

試験化合物のアデノシンA2A受容体結合(3H-CGS21680結合)に対する阻害率次式により算出できる。

0065

0066

式中、全結合量とは、試験化合物非存在下での3H-CGS21680結合放射能量である。非特異的結合量とは、100μmol/Lシクロペンチルアデノシン(CPA;Sigma社)存在下での3H-CGS21680結合放射能量である。薬物存在下での結合量とは、試験化合物存在下での3H-CGS21680結合放射能量である。
上記試験において、試験化合物の濃度を適宜調整することにより、各濃度における試験化合物またはその薬学的に許容される塩のアデノシンA2A受容体に対する阻害率,および結合を50%阻害する試験化合物の濃度(IC50)を算出できる。

0067

また、試験化合物のアデノシンA2A受容体結合に対する阻害定数(Ki値)は次式により算出できる。

0068

0069

Lは試験に用いた3H-CGS21680の濃度を示す。 Kdは、試験に用いた3H-CGS21680の解離定数である。
また、3H-CGS21680の代わりに3H-SCH58261[3H-5-アミノ-7-(2-フェニルエチル)-2-(2-フリル)ピラゾロ[4,3-e]-1,2,4-トリアゾロ[1,5-c]ピリミジンGEヘルスケアバイオサイエンス社合成)]などを用いることもできる。

0070

本試験により、試験化合物がアデノシンA2A受容体への親和性を有することが確認できる。
(2)アデノシンA1受容体結合試験
上記(1)と同様の方法で下記の材料を使用することにより、試験化合物のアデノシンA1受容体に対する阻害定数(Ki値)を算出することができる。

0071

すなわち、例えばラットA1受容体発現細胞膜(パーキンエルマー社製)を用い、標識化合物として、例えばトリチウムで標識したCHA[N6-シクロヘキシルアデノシン(パーキンエルマー社製)]を用いる。非特異的結合量は、例えば10μmol/LのDPCPX[1,3-ジプロピル-8-シクロペンチルキサンチン(Sigma社)]存在下での3H-CHA結合放射能量を測定する。

0072

本試験により、試験化合物のアデノシンA1受容体への親和性を確認することができる。
上記試験(1)および(2)により、化合物(I)〜(VII)などがアデノシンA2A受容体に対し選択的な親和性を有することを確かめることができる。
上記試験により求めた本発明に用いられるアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩のアデノシンA2A受容体への親和性の例を以下に示す。

0073

0074

試験例2アデノシン受容体結合作用(2)
(1)ヒトアデノシンA2A受容体結合試験
試験は例えば、Varaniらの方法[ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー(British Journal of Pharmacology)、117巻、1693ページ(1996年)]に準じて行う。

0075

具体的には例えば、HEK-293細胞にヒト組み換えアデノシンA2A受容体を発現させ、当該細胞から受容体を発現した細胞膜採取し懸濁液を調製し、得られた細胞膜懸濁液に、トリチウムで標識したCGS-21680(50 mmol/L)および試験化合物溶液(試験化合物のジメチルスルホキシド溶液)をTrisHCl緩衝液で希釈して加え、受容体と結合させる。反応後、その混合液を、ガラス繊維濾紙上で急速吸引ろ過し、ガラス繊維濾紙の放射能量を測定することにより、試験化合物のヒトアデノシンA2A受容体結合(3H-CGS21680結合)に対する阻害率を求めることができる。

0076

阻害率は次式により算出できる。

0077

0078

式中、全結合量とは、試験化合物非存在下での3H-CGS21680結合放射能量である。非特異的結合量とは、50μmol/L 5’-エヌエチルカルボキサミドアデノシンNECA)または100μmol/LCPA存在下での3H-CGS21680結合放射能量である。薬物存在下での結合量とは、試験化合物存在下での3H-CGS21680結合放射能量である。
上記試験において、試験化合物の濃度を適宜調整することにより、各濃度における試験化合物またはその薬学的に許容される塩のヒトアデノシンA2A受容体に対する阻害率、および結合を50%阻害する試験化合物の濃度(IC50)を算出できる。

0079

また、試験化合物のヒトアデノシンA2A受容体結合に対する阻害定数(Ki値)は次式により算出できる。

0080

0081

Lは試験に用いた3H-CGS21680の濃度を示す。 Kdは、試験に用いた3H-CGS21680の解離定数である。
また、3H-CGS21680代わりに3H-SCH58261などを用いることもできる。
(2)ヒトアデノシンA1受容体結合試験
上記(1)と同様の方法で下記の材料を使用することにより、試験化合物のヒトアデノシンA1受容体に対する阻害定数(Ki値)を算出することができる。

0082

すなわち、例えばヒトA1受容体発現CHO細胞膜を用い、標識化合物として、例えばトリチウムで標識したDPCPXを用いる。非特異的結合量は、例えば100μmol/LのR(-)-PIA((-)-N6-2-フェニルイソプロピルアデノシン)存在下での3H-DPCPX結合放射能量を測定することにより求めることができ、試験化合物のヒトアデノシンA1受容体への親和性を確認することができる。

0083

上記試験(1)および(2)により、化合物(I)〜(VII)などがヒトアデノシンA2A受容体に対し選択的な親和性を有することを確かめることができる。
(3)本発明に用いられる化合物またはその薬学的に許容される塩のヒトアデノシン受容体に対する親和性
化合物(IIA)〜(IID)のヒトアデノシンA1受容体およびヒトアデノシンA2A受容体への親和性の例を以下に示す。なお、試験結果はMDSファーマサービス社(MDS Pharma Services Inc.)において上記の方法に準じて測定された結果である。

0084

0085

上記の試験により、化合物(IIA)〜(IID)は、ヒトアデノシンA2A受容体に対し、選択的な親和性を有することが確認された。
試験例3脳血管収縮作用
ペントバルビタールナトリウム(pentbarbital sodium)を静脈内投与することにより、イヌ麻酔を施した後、当該イヌを放血死させ、開頭した。

0086

脳底動脈摘出し、幅2 mm程度の脳血管平滑筋のリング標本を作製した。該リング標本を、約2 mm長に切断した注射針絹糸で固定した。イージー・マグヌス装置型番:UC-2,いわしや医科産業株式会社製)に設置したホルダーに注射針を固定し、37℃の栄養液中で標本に静止張力を0.2 g (1.96 mN)かけて60分間以上安定化させた。イージー・マグヌス装置のバス(2 mL)内に10 mmol/Lアデノシン水溶液を2μL添加して、脳血管平滑筋を弛緩させた後、試験化合物の0.2 mmol/Lジメチルスルホキシド溶液を1μL、0.4 mmol/Lジメチルスルホキシド溶液を1μL、および2 mmol/Lジメチルスルホキシド溶液を0.7μLの順で累積添加した(試験化合物添加群)。また、別途、試験化合物投与群と同様にして、試験化合物の代わりにジメチルスルホキシドのみを累積添加した(溶媒添加群)。脳血管平滑筋の収縮を、標本を固定したホルダーに連結したトランスデューサー日本光電製)からひずみ圧力アンプ(日本光電製)を介し、レコーダー(横河製)上に記録した(n=6)。

0087

アデノシンの添加により摘出した脳血管平滑筋の弛緩が認められた。脳血管収縮作用は、アデノシン誘発脳血管平滑筋弛緩に対する抑制率(%)とし、試験化合物添加群と溶媒添加群を比較した。
本試験により、本発明のアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩がアデノシンによる脳血管弛緩を抑制することが示される。

0088

上記試験の結果、化合物(IIC)10 nmol/L添加群では、溶媒添加群(抑制率:0.6±7.6%)に比して有意な抑制作用が確認された(抑制率:97.4±1.8%)。同様に、化合物(IB)なども作用が確認できる。
従って、例えば化合物(I)〜(VII)などのアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩は、片頭痛の治療および/または予防剤として有用であることが示唆された。
試験例4麻酔ラットの三叉神経電気刺激による脳血流増加への作用
試験は塚原らの方法[能循環代謝、14巻、8ページ(2002年)]に準じて行った。

0089

SDラット(雄性チャースリバー)にペントバルビタールナトリウム(pentobarbital sodium;東京化成工業)の腹腔内投与(60 mg/kg)による麻酔を施した後、頚部切開気管カテーテルを挿入した。右側大腿動脈には血圧測定カテーテルを挿入した。ラットを脳定位固定装置(ラット用脳定位固定器、サミットメディカル)に固定し、体温保持パット(型番:CMA/150、Carnegie Medicine社)上で体温を37℃に保持した。電気ドリル(型番:C-201、浦和工業)で直径5 mmの骨窓(骨窓の中心座標AP: -1.5, L: -1, H: -1.5)を開け、脳血流を測定した。脳血流量測定にはレーザードップラー血流計(型番:ALF-2100、アドバンス社)を用いた。平均血圧は圧トランスデューサー(型番:DX-312、日本光電)から圧ひずみアンプ(型番:AP-612GA、日本光電)を介してポリグラフステム(型番:RM6000、日本光電)により計測し、それぞれレコーダー(型番:PE3066、横河電機)に記録した。動脈血血液ガス分圧(pH, PaO2, PaCO2)は、ラップトップ血液分析システム(型番:AVL-OPTI-CCA、シスメックス社)により計測した。

0090

三叉神経末端部剥離し、刺激用双極電極タングステン線、幅5 mm)を固定した。三叉神経を介する電気刺激は、生体電気刺激装置(型番:SEN-3301、日本光電)およびアイソレーター(型番:SS-201J、日本光電)を用い、血流増加が最大を示した矩形波(30 Hz, 2-8 V)で設定した。30秒間の三叉神経電気刺激を5分間隔で行い、刺激による血流増加が安定した後、試験化合物または溶媒を投与した。投与10、20、および30分後の電気刺激による脳血流変化を計測した。試験化合物の作用は溶媒の作用と比較した。

0091

試験化合物として、本発明のアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物を用いた場合、試験化合物を投与した群では三叉神経活性化に基づく頭蓋内の脳血流増加作用が抑制されることが示された。
上記試験の結果、例えば化合物(I)〜(VII)などのアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩が片頭痛の治療および/または予防薬として有効であると考えられた。
試験例5麻酔ラット三叉神経電気刺激に基づく硬膜への血管外漏出への作用
SDラット(雄性、チャールスリバー)にペントバルビタールナトリウム(Pentobarbital sodium;東京化成工業)の腹腔内投与(60 mg/kg)による麻酔を施した後、三叉神経末端部を剥離し、刺激用双極電極(タングステン線、幅5 mm)を固定した。エバンスブルー(evans blue、シグマ社)の静脈投与(10 w/v%、30 mL/kg)5分後に、試験例3と同様な方法で、三叉神経を30秒間電気刺激した。直ちに経心的に生理食塩水を5分間灌流した後、硬膜を摘出し、硬膜の湿重量を定量した。硬膜中のエバンスブルーは、ホルムアミド(formamide、和光純薬株式会社)で抽出(60℃、24時間)し、吸光度計(型番:Power Wave X、Bio-Tec-Instrument社)を用いて、625 nmにおける吸光度を測定した。エバンスブルーの標準サンプルを用いて作成した検量線より抽出液中のエバンスブルー濃度を算出し、硬膜重量で補正した。試験化合物または溶媒は、電気刺激の30分前に投与した。硬膜へのエバンスブルー漏出量を試験化合物投与群と溶媒投与群で比較した。

0092

試験化合物として、本発明のアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物を用いた場合、試験化合物を投与した群では三叉神経活性化に基づく硬膜への血管外漏出が抑制されることが示された。
上記試験の結果、例えば化合物(I)〜(VII)などのアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩が片頭痛の治療および/または予防薬として有効であると考えられた。
試験例6麻酔ラット皮質性拡延性抑制への作用
試験は、皮質性拡延性抑制による二次的な脳血流の反復増加[ニューロレポート(NeuroReport)、17巻、1709ページ(2006)]を指標に行った。片頭痛予防薬が、皮質性拡延性抑制に対し、抑制効果を示すことが報告されている[アナルズ・オブ・ニューロロジー(Annals of Neurology)、59巻、652ページ(2006)]。

0093

SDラット(雄性、チャールスリバー)にペントバルビタールナトリウム(pentobarbital sodium;東京化成工業)の腹腔内投与(60 mg/kg)による麻酔を施した後、頚部を切開し気管カテーテルを挿入した。右側大腿動脈には血圧測定用カテーテルを挿入した。ラットを脳定位固定装置(ラット用脳定位固定器、サミットメディカル)に固定し、体温保持パット(型番:CMA/150、Carnegie Medicine社)上で体温を37℃に保持した。大脳皮質上に直径約5 mmの骨窓を2ヶ所開けた(脳血流測定用骨窓AP: -1.5, L: -1, H: -1.5;塩化カリウム溶液添加用骨窓 AP: -4.5, L: -1, H: -4.5)。脳血流はレーザードップラー血流計(型番:ALF-2100、アドバンス社)を用いて測定した。平均血圧は圧トランスデューサー(型番:DX-312、日本光電)から圧ひずみアンプ(型番:AP-612GA、日本光電)を介してポリグラフシステム(型番:RM6000、日本光電)により計測し、それぞれをペン式レコーダー(型番:Type 3066、横河電機)で記録した。動脈血中血液ガス分圧(pH, PaO2, PaCO2)は、ラップトップ式血液分析システム(型番:AVL-OPTI-CCA、シスメックス社)により計測した。

0094

骨窓に塩化カリウム溶液(2 mol/L, 0.01 mL)を添加後、30分間の脳血流変化を計測することにより皮質性拡延性抑制を評価した。試験化合物または溶媒は、塩化カリウム添加30分前に投与した。脳血流反復増加への影響を試験化合物投与群と溶媒群で比較した。
試験化合物として、本発明のアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩を用いた場合、試験化合物を投与した群では脳血流反復増加を抑制することが示された。

0095

上記試験の結果、例えば化合物(I)〜(VII)などのアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩が片頭痛の予防薬として有効であると考えられた。
また、上記試験の結果から、例えば化合物(I)〜(VII)などのアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩の反復投与により、薬物の耐性を発現しないと考えられた。

0096

本発明のアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩は、そのまま単独で投与することも可能であるが、通常各種の医薬製剤として提供するのが望ましい。また、それら医薬製剤は、動物または人に使用されるものである。
本発明に係わる医薬製剤は、活性成分としてアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩を単独で、または任意の他の治療のための有効成分との混合物として含有することができる。また、それら医薬製剤は、活性成分を薬学的に許容される一種またはそれ以上の担体(例えば、希釈剤溶剤賦形剤など)と一緒に混合し、製剤学の技術分野においてよく知られている任意の方法により製造される。

0097

投与経路としては、治療に際し最も効果的なものを使用するのが望ましく、経口または、例えば静脈内、点鼻吸入などの非経口をあげることができる。
投与形態としては、例えば錠剤注射剤点鼻剤吸入剤などがあげられる。
経口投与に適当な、例えば錠剤などは、乳糖などの賦形剤、澱粉などの崩壊剤ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤ヒドロキシプロピルセルロースなどの結合剤などを用いて製造できる。

0098

非経口投与に適当な、例えば注射剤などは、塩溶液ブドウ糖溶液または塩水とブドウ糖溶液の混合液などの希釈剤または溶剤などを用いて製造できる。
点鼻剤は、例えば滅菌精製水に活性成分を加え、必要により塩化ナトリウムなどの等張化剤p−ヒドロキシ安息香酸エステルなどの防腐剤リン酸バッファーなどの緩衝化剤などを用いて溶液製剤として調製するか、活性成分をポリエチレングリコール400などの分散剤などと混合して懸濁液製剤として調製するか、または活性成分とヒドロキシプロピルセルロースなどの担体を混合し、必要によりカーボポールなどの粘膜付着性基剤などを添加し粉末性製剤として調製することができる。

0099

また、吸入剤は、活性成分を粉末または液状にして、吸入噴霧剤または担体中に配合し、例えば、定量噴霧式吸入器ネブライザードライパウダー吸入器などの吸入容器充填することにより製造される。吸入噴霧剤としては、従来公知のものを広く使用することができ、例えばフロン−11などのフロン系ガス、HFA−227などの代替フロンガスプロパンイソブタン、n−ブタンなどの炭化水素系ガスジエチルエーテル窒素ガス炭酸ガスなどがあげられる。担体としては、従来公知のものを広く使用でき、例えば糖類、糖アルコール類アミノ酸類などがあげられ、乳糖、D−マンニトールなどが好ましい。

0100

本発明のアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩の投与量および投与回数は、投与形態、患者年齢、体重、治療すべき症状の性質もしくは重篤度などにより異なるが、通常経口の場合、成人一人あたり、0.001〜1000 mg、好ましくは0.05〜100 mgの範囲で、1日1回ないし数回投与する。静脈内投与、点鼻、吸入などの非経口投与の場合、通常成人一人あたり0.001〜1000 mg、好ましくは0.01〜100 mgを1日1回ないし数回投与する。しかしながら、これら投与量および投与回数に関しては、前述の種々の条件により変動する。

0101

本発明の片頭痛の治療および/または予防剤、片頭痛の治療および/または予防方法などは、片頭痛などの頭痛に対し優れた治療および/または予防効果を示すが、さらに上述したように化合物(I)〜(VII)などのアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩とそれ以外の1種またはそれ以上の他の医薬成分とを組み合わせて用いることもできる。

0102

組み合わせて用いられる他の医薬成分としては、例えば片頭痛などの頭痛の治療および/または予防薬などとして有用な公知の薬物などがあげられる(Pharmacology & Therapeutics, 2006, 112, p. 199-212)。具体的には、例えば5-HT1アゴニスト(5-HT1 agonists)[例えば、アルモトリプタン(Almotriptan)、エレトリプタン(Eletriptan)、フロトリプタン(Frovatriptan)、ナラトリプタン(Naratriptan)、リザトリプタン(Rizatriptan)、スマトリプタン(Sumatriptan)、ゾルミトリプタン(Zolmitriptan)などのトリプタン類(Triptan);PNU-109291、PNU-142633などの5-HT1Dアゴニスト;LY334370などの5-HT1Fアゴニストなど]、γ−アミノ酪酸アゴニスト(γ-aminobutyric acid agonists)[例えば、バルプロン酸(valproate)、ダイバルプロエックス(Divalproex)など]、ドパミンアンタゴニスト(Dopamine antagonists)[例えば、ドロペリドール(droperidol)、ロキサピン(Loxapine)など]、グルタミン酸調節剤(Glutamate modulators)[例えば、LY293558、E2007などの非選択的α-アミノ-3-ヒドロキシ-5-メチル-4-イソキサゾールプロピオン酸(α-amino-3-hydroxy-5-methyl-4-isoxazolepropionic acid (AMPA))/カイニン酸(Kainic acid (KA))アンタゴニスト(non-selective AMPA/KA antagonists);ADX-10059などの代謝型グルタミン酸受容体調節剤;CP-101,606などのNR2Bアンタゴニスト(NR2B antagonists);ZD9379などのグリシンアンタゴニスト(Glycine-site antagonist)など]、アデノシンA1受容体アゴニスト(Adenosine A1 receptor agonists)[例えば、GR79236など]、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)アンタゴニスト(Calcitonin gene-related peptide (CGRP) antagonists)[例えば、BIBN4096BS、MK-0974など]、一酸化窒素(NO)合成酵素阻害剤(Nitric Oxide (NO) synthase inhibitors)[例えば、NG-メチル-L-アルギニン塩酸塩(NG-methyl-L-arginine hydrochloride)(546C88)、GW-274150など]、バニロイド受容体調節剤(Vanilloid receptor modulators)[例えば、カプサイシン(Capsaicin)、シバマイド(Civamide)、ズカプサイシン(Zucapsaicin)など]、ソマトスタチン受容体アゴニスト(Somatostatin receptor agonists)、アンジオテンシン調節剤(Angiotensin modulators)[例えば、カンデサルタン(Candesartan)などのアンジオテンシンII(AT)−1受容体拮抗剤(Angiotensin II (AT)-1 receptor inhibitor);リシノプリル(Lisinopril)などのアンジオテンシン変換酵素(angiotensin-converting enzyme (ACE))阻害剤など]、抗うつ薬(Antidepressants)[例えば、アミトリプチリン(Amitriptyline)、ベンラファキシン(Venlafaxine)、ミルタザピン(mirtazapine)、ミルナシブラン(milnacipran)、デュロキセチン(Duloxetine)など]、抗てんかん薬(Antiepileptic drugs)[例えば、ガバペンチン(Gabapentin)、プレガバリン(Pregabalin)などのガバペンチン類(Gabapentinoids)、トピラメート(Topiramate)、Srx-502、ゾニサミド(Zonisamide)、ロコサミド(Locosamide)など]、カルシウムチャネル遮断薬(Calcium channel blockers)[例えば、ベラパミル(Verapamil)、フルナリジン(Flunarizine)、ロメリジン(Lomerizine)、ニモジピン(Nimodipine)など]、アセトアミノフェン(Acetaminophen)、イソメタプタン(Isometheptane)、麦角類(Ergots)[例えば、エルゴタミン(Ergotamine)、ジヒドロエルゴタミン(dihydroergotamine)など]、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)[例えば、アスピリン(Aspirin)、ジクロファナック(Diclofenac)、フルルビプロフェン(Flurbiprofen)、イブプロフェン(Ibuprofen)、ケトプロフェン(Ketoprofen)、メフェナム酸(Mefenamic acid)、ナプロキセン(Naproxen)、ロフェコキシブ(Rofecoxib)、トルフェナム酸(Tolfenamic acid)、ニメスリド(Nimesulide)など]、アドレナリン受容体調節剤(Adrenergic receptor modulators)[例えば、クロニジン(Clonidine)、チザニジン(tizanidine)などのα2−アドレナリンアゴニスト(α2-adrenergic agonists);アテノロール(Atenolol)、メトプロロール(Metoprolol)、ナドロール(Nadolol)、プロプラノロール(Propranolol)、チモロール(Timolol)などのβ−アドレナリン遮断薬(β-adrenergic blockers)など]、5-HT2アンタゴニスト(5-HT2 antagonists)[例えば、メチセルジド(Methysergide)、ピゾチフェン(Pizotifen)など]、シグマ受容体(σR1)アゴニスト(σ-receptor (σR1) agonists)[例えば、デキストロメトルファン(Dextromethorphan)、カルベタペンタン(carbetapentane)、4-IBPなど]、カリウム電流調節剤(K-current modulators)、塩素イオンチャネル増強剤(Chloride channel enhancers)[例えば、BTS72664など]、コネキシンヘミチャネル調節剤(Connexin hemi-channel modulators)[例えば、フェナム酸非ステロイド系抗炎症剤(Fenamate NSAIDs)など]、マグネシウムリボフラビン(Riboflavin)、補酵素Q10(Co-enzyme Q10)、ボツリヌス毒素(Botulinum toxin)、トナベラスト(Tonaberast)、ステロイド系抗炎症薬[例えば、デキサメタゾン(Dexamethasone)など]、アセチルコリン受容体調節薬[例えば、ドネペジル(Donepezil)など]などがあげられる。

0103

化合物(I)〜(VII)などのアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩と他の医薬成分とを組み合わせて用いる場合の投与形態は特に限定されず、投与時に(a)化合物(I)〜(VII)などのアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩と(b)他の医薬成分とが組み合わされていればよい。例えば、これらそれぞれの成分を含有するように製剤化したものであれば、単剤(合剤)としてでも複数の製剤の組み合わせとしてでも使用または投与することができる。複数の製剤の組み合わせとして投与する際には、同時にまたは時間を置いて別々に投与することができる。なお、これら製剤は、例えば錠剤、注射剤、点鼻剤、吸入剤などの形態として用いることが好ましい。また、これら製剤は、上記と同様に製剤学の技術分野においてよく知られている任意の方法により製造される。

0104

複数の製剤の組み合わせとして投与する際には、例えば(a)化合物(I)〜(VII)などのアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する第1成分と、(b)他の医薬成分を含有する第2成分とを、それぞれ別々に製剤化し、キットとして作成しておき、このキットを用いてそれぞれの成分を同時にまたは時間を置いて、同一対象に対して同一経路または異なった経路で投与することもできる。

0105

該キットとしては、例えば保存する際に外部の温度や光による内容物である成分の変性、容器からの化学成分の溶出などがみられない容器であれば材質、形状などは特に限定されない2つ以上の容器(例えばバイアルバッグなど)と内容物からなり、内容物である上記第1成分と第2成分が別々の経路(例えばチューブなど)または同一の経路を介して投与可能な形態を有するものが用いられる。具体的には、錠剤、注射剤、点鼻剤、吸入剤などのキットがあげられる。

0106

化合物(I)〜(VII)などのアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩と他の医薬成分とを組み合わせて用いる場合、(a)化合物(I)〜(VII)などのアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩と(b)他の医薬成分とを同時に投与してもよいし、時間をおいて別々に投与してもよい。これらの投与量は臨床上用いられている投与量に準じていればよく、投与対象、投与ルート、疾患、医薬成分の組み合わせなどにより変動する。

0107

例えば経口的に、例えば錠剤として投与する場合、(a)化合物(I)〜(VII)などのアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩と(b)他の医薬成分とを、成人一人当たり、それぞれ0.001〜1000 mgと0.01〜3000 mg、好ましくは0.05〜1000 mgと0.1〜3000 mg、さらに好ましくは0.05〜100 mgと0.1〜3000 mg、さらにより好ましくは0.5〜100 mgと0.1〜3000 mgを、通常一日一回ないし数回にわけて、同時にまたは時間を置いて別々に投与する。

0108

また、例えば非経口的に、例えば注射剤などとして投与する場合、(a)化合物(I)〜(VII)などのアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩と(b)他の医薬成分とを、成人一人当たり、それぞれ0.001〜1000 mgと0.001〜3000 mg、好ましくは0.001〜500 mgと0.01〜3000 mg、さらに好ましくは0.01〜300 mgと0.01〜3000 mg、さらにより好ましくは0.01〜100 mgと0.01〜3000 mgを、通常一日一回ないし数回にわけて、同時にまたは時間を置いて別々に投与する。

0109

これら(a)化合物(I)〜(VII)などのアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩と(b)他の医薬成分の用量および投与回数は、それぞれの有効成分の効力、投与形態、患者の年齢、体重、症状などにより適切な用量および投与回数に設定されるので、上記に限定されるものではない。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されることはない。

0110

錠剤(化合物IB)
常法により、次の組成からなる錠剤を調製する。化合物IB、40 g、乳糖286.8 gおよび馬鈴薯澱粉60 gを混合し、これにヒドロキシプロピルセルロースの10%水溶液120 gを加える。得られた混合物を常法により練合し、造粒して乾燥させた後、整粒打錠用顆粒とする。これにステアリン酸マグネシウム1.2 gを加えて混合し、径8 mmのをもった打錠機(水社製RT−15型)で打錠を行って、錠剤(1錠あたり活性成分20 mgを含有する)を得る。

0111

0112

錠剤(化合物IIC)
実施例1と同様にして、以下の組成を有する錠剤を調製する。

0113

0114

錠剤(化合物IIIA)
実施例1と同様にして、以下の組成を有する錠剤を調製する。

0115

0116

錠剤(化合物VA)
実施例1と同様にして、以下の組成を有する錠剤を調製する。

0117

0118

注射剤(化合物IA)
常法により、次の組成からなる注射剤を調製する。化合物IA、1 gを注射用蒸留水に添加して混合し、さらに塩酸および水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを7に調整した後、注射用蒸留水で全量を1000 mLとする。得られた混合液をガラスバイアルに2 mLずつ無菌的に充填して、注射剤(1バイアルあたり活性成分2 mgを含有する)を得る。

0119

0120

注射剤(化合物IIA)
実施例5と同様にして、以下の組成を有する注射剤を調製する。

0121

0122

注射剤(化合物IV)
実施例5と同様にして、以下の組成を有する注射剤を調製する。

0123

0124

注射剤(化合物VI)
実施例5と同様にして、以下の組成を有する注射剤を調製する。

0125

0126

点鼻剤(化合物IB)
常法により、次の組成からなる点鼻剤を調製する。滅菌精製水約80mLに化合物IB、10mgおよび塩化ナトリウム0.9gを加え、よく攪拌して溶解させる。次いで、滅菌精製水を加えて全量を100mLとして点鼻剤を得る。得られた混合液を点鼻容器に1mLずつ充填して、点鼻剤(1容器あたり活性成分0.1mgを含有する)を得る。

0127

0128

点鼻剤(化合物IIC)
実施例9と同様にして、以下の組成を有する点鼻剤を調製する。

0129

0130

点鼻剤(化合物VII)
常法により、次の組成からなる点鼻剤を調製する。化合物VII、2 gにヒドロキシプロピルセルロース49 g、カルボキシメチルセルロース49 gを加え、よく混合する。得られた混合粉末を点鼻容器に1 gずつ充填して、点鼻剤(1容器あたり活性成分0.1 gを含有する)を得る。

0131

0132

ドライパウダー吸入剤(化合物IB)
ジェットミル(A−OJET;セイシン企業)を用いて、化合物IB、10 gを空気圧5 kg/cm2で1.5 g/分間の送り速度で粉砕する。得られる化合物(I)の粉砕物と乳糖(Pharmatose 325M;DMV社製)とを重量比1:5で混合し、ドライパウダー製剤を得る。

実施例

0133

0134

本発明により、アデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する片頭痛の治療および/または予防剤、アデノシンA2A受容体への親和性がアデノシンA1受容体への親和性に対し10倍以上である化合物であるアデノシンA2A受容体選択的拮抗作用を有する化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する片頭痛の治療および/または予防剤などを提供することができる。

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