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技術 農業用フッ素樹脂フィルム

出願人 AGC株式会社
発明者 有賀広志下井保子
出願日 2009年7月10日 (10年7ヶ月経過) 出願番号 2010-519832
公開日 2012年1月5日 (8年1ヶ月経過) 公開番号 WO2010-005085
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 押さえ材 金属骨材 アルカリ粉末 天然タルク 下層フィルム 耐候性劣化 累積中位径 セリガード
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (3)

課題・解決手段

本発明は、光透過性が良好であるとともに、他の部材との繰り返し接触および繰り返し折り曲げに対する耐久性が良好な農業用フッ素樹脂フィルムを提供する。本発明は、フッ素樹脂を含むフィルム中に、平均粒子径3μm〜15μmの合成マイカ粒子が分散されており、該合成マイカ粒子の含有量が前記フッ素樹脂100質量部に対して0.5〜5質量部であることを特徴とする農業用フッ素樹脂フィルムに関する。

概要

背景

農業用ハウス等の被覆材として各種の樹脂フィルムがあるが、中でもETFE(エチレンテトラフルオロエチレン共重合体)に代表されるフッ素樹脂フィルムは、透明性が良く、10年以上にわたる屋外暴露に対しても耐候性に優れる材料として注目されている。

農業用フィルムの用途のうち、例えば50cm〜200cm間隔で、アルミ製の押さえ材により固定された形態で用いられるものは、風などによりはためくことがないため、フィルム寿命は光や雨に対する耐候性で評価される。
一方、使用形態によっては摩擦や折り曲げに対する耐久性が要求される場合がある。例えば蒲鉾ハウスなど、外周の4辺でフィルムが固定され、アーチ状のパイプとパイプの間において、通称マイカ線と呼ばれる固定用バンドで固定された形態で使用される場合;または、近年、省エネハウスとして注目されている2層のエアハウス下層フィルムとして用いられる場合などにおいては、風ではためく時に、金属骨材とフィルムとの接触部分で、擦れや叩きつけが生じるため、その繰り返しによってフィルムが破損しやすい。金属への叩きつけというのは、フィルムの周端が固定されていない場合などに、フィルムが風を受けて金属パイプ等に、間断なく接触する現象を表している。
このようにして破損が生じた場合には、フッ素樹脂フィルムの特性である耐候性の良さが充分に生かされず、フィルム自体が劣化していなくても修復張り替えが必要となり、労力や費用が掛かるという問題がある。

また、フッ素樹脂フィルムは10年以上の長期にわたる屋外暴露を受けると、徐々に結晶化が進み、繰り返し折り曲げ特性が劣化する。例えばハウス内を換気するために、巻き上げ/巻き下ろしが可能に構成された、いわゆる「巻き上げ用」の形態で使用される場合は、擦れおよび繰り返し折り曲げによる破れクラック)が生じやすく、この用途に耐えられるフィルムが求められている。

特許文献1は、農業用フィルムではなく、樹脂被覆等に用いられるフッ素系樹脂に関するものであるが、耐摩耗性向上や色調改善のために、無機系のフィラー顔料を配合すること、および該フィラーや顔料をシランカップリング剤で処理することによりフッ素系樹脂への分散性が向上することが記載されている。無機系のフィラーや顔料の例示の中にマイカが記載されている。
特許文献2は、フッ素樹脂でない材料からなる農業用フィルムに関するもので、低密度ポリエチレン樹脂を主成分とする層と、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とし酢酸ビニル含量が互いに異なる2層との積層体からなり、そのうちの1層以上にマイカ(雲母)を含有させることにより、散乱光線透過率および全光線透過率の両方を大きくした農業用フィルムが記載されている。マイカ(雲母)の種類については特に限定されず、天然マイカであっても合成マイカであってもよく一般的に用いられているマイカが使用される旨記載されている。
特許文献3には、フッ素樹脂フィルムの光拡散性および紫外線カット性を向上させるために、最外層側から不定形シリカ酸化セリウムベース顔料の構成を有する複合体粒子樹脂中に分散させる方法が記載されている。ベース顔料としてシリカタルク、マイカが挙げられている。ここで用いられる複合体粒子の平均粒径は1〜3μmである。

概要

本発明は、光透過性が良好であるとともに、他の部材との繰り返し接触および繰り返し折り曲げに対する耐久性が良好な農業用フッ素樹脂フィルムを提供する。本発明は、フッ素樹脂を含むフィルム中に、平均粒子径3μm〜15μmの合成マイカ粒子が分散されており、該合成マイカ粒子の含有量が前記フッ素樹脂100質量部に対して0.5〜5質量部であることを特徴とする農業用フッ素樹脂フィルムに関する。

目的

本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、光透過性が良好であるとともに、他の部材との繰り返し接触および繰り返し折り曲げに対する耐久性が良好な農業用フッ素樹脂フィルムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

フッ素樹脂、およびフッ素樹脂に分散された、平均粒子径3μm〜15μmの合成マイカ粒子を含む農業用フッ素樹脂フィルムであって、該合成マイカ粒子の含有量が前記フッ素樹脂100質量部に対して0.5〜5質量部である農業用フッ素樹脂フィルム。

請求項2

前記合成マイカ粒子の表面上に、アルキル基を有するシランカップリング剤、およびシリコーン化合物からなる群から選ばれる処理剤が存在している、請求項1記載の農業用フッ素樹脂フィルム。

請求項3

前記処理剤が非反応性シリコーンオイルであり、前記フッ素樹脂を含むフィルム中における該非反応性シリコーンオイルの含有量が、前記フッ素樹脂100質量部に対して0.02〜0.3質量部である、請求項2記載の農業用フッ素樹脂フィルム。

請求項4

初期の引っ張り破断強度が50MPa以上であり、かつ2000回の摺動試験後の引っ張り破断強度の保持率が80%以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の農業用フッ素樹脂フィルム。

請求項5

前記合成マイカ粒子の平均粒子径が3μm〜10μmである請求項1〜4のいずれか一項に記載の農業用フッ素樹脂フィルム。

請求項6

前記合成マイカ粒子の平均粒子径が3μm以上6μm未満であり、その含有量が前記フッ素樹脂100質量部に対して3〜5質量部である請求項1〜4のいずれか一項に記載の農業用フッ素樹脂フィルム。

請求項7

前記合成マイカ粒子の平均粒子径が6μm以上10μm未満であり、その含有量が前記フッ素樹脂100質量部に対して0.5〜5質量部である請求項1〜4のいずれか一項に記載の農業用フッ素樹脂フィルム。

請求項8

可視光透過率が90%以上である請求項1〜7のいずれか一項に記載の農業用フッ素樹脂フィルム。

請求項9

前記保持率が85%以上である請求項4に記載の農業用フッ素樹脂フィルム。

請求項10

前記合成マイカが、カリウム珪素雲母またはフッ素金雲母である請求項1〜9のいずれか一項に記載の農業用フッ素樹脂フィルム。

請求項11

ヘイズが20〜85%である請求項1〜10のいずれか一項に記載の農業用フッ素樹脂フィルム。

技術分野

0001

本発明は農業用フッ素樹脂フィルムに関する。

背景技術

0002

農業用ハウス等の被覆材として各種の樹脂フィルムがあるが、中でもETFE(エチレンテトラフルオロエチレン共重合体)に代表されるフッ素樹脂フィルムは、透明性が良く、10年以上にわたる屋外暴露に対しても耐候性に優れる材料として注目されている。

0003

農業用フィルムの用途のうち、例えば50cm〜200cm間隔で、アルミ製の押さえ材により固定された形態で用いられるものは、風などによりはためくことがないため、フィルム寿命は光や雨に対する耐候性で評価される。
一方、使用形態によっては摩擦や折り曲げに対する耐久性が要求される場合がある。例えば蒲鉾ハウスなど、外周の4辺でフィルムが固定され、アーチ状のパイプとパイプの間において、通称マイカ線と呼ばれる固定用バンドで固定された形態で使用される場合;または、近年、省エネハウスとして注目されている2層のエアハウス下層フィルムとして用いられる場合などにおいては、風ではためく時に、金属骨材とフィルムとの接触部分で、擦れや叩きつけが生じるため、その繰り返しによってフィルムが破損しやすい。金属への叩きつけというのは、フィルムの周端が固定されていない場合などに、フィルムが風を受けて金属パイプ等に、間断なく接触する現象を表している。
このようにして破損が生じた場合には、フッ素樹脂フィルムの特性である耐候性の良さが充分に生かされず、フィルム自体が劣化していなくても修復張り替えが必要となり、労力や費用が掛かるという問題がある。

0004

また、フッ素樹脂フィルムは10年以上の長期にわたる屋外暴露を受けると、徐々に結晶化が進み、繰り返し折り曲げ特性が劣化する。例えばハウス内を換気するために、巻き上げ/巻き下ろしが可能に構成された、いわゆる「巻き上げ用」の形態で使用される場合は、擦れおよび繰り返し折り曲げによる破れクラック)が生じやすく、この用途に耐えられるフィルムが求められている。

0005

特許文献1は、農業用フィルムではなく、樹脂被覆等に用いられるフッ素系樹脂に関するものであるが、耐摩耗性向上や色調改善のために、無機系のフィラー顔料を配合すること、および該フィラーや顔料をシランカップリング剤で処理することによりフッ素系樹脂への分散性が向上することが記載されている。無機系のフィラーや顔料の例示の中にマイカが記載されている。
特許文献2は、フッ素樹脂でない材料からなる農業用フィルムに関するもので、低密度ポリエチレン樹脂を主成分とする層と、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とし酢酸ビニル含量が互いに異なる2層との積層体からなり、そのうちの1層以上にマイカ(雲母)を含有させることにより、散乱光線透過率および全光線透過率の両方を大きくした農業用フィルムが記載されている。マイカ(雲母)の種類については特に限定されず、天然マイカであっても合成マイカであってもよく一般的に用いられているマイカが使用される旨記載されている。
特許文献3には、フッ素樹脂フィルムの光拡散性および紫外線カット性を向上させるために、最外層側から不定形シリカ酸化セリウムベース顔料の構成を有する複合体粒子樹脂中に分散させる方法が記載されている。ベース顔料としてシリカタルク、マイカが挙げられている。ここで用いられる複合体粒子の平均粒径は1〜3μmである。

先行技術

0006

日本国特開平7−53780号公報
日本国特開2006−248043号公報
日本国特開平10−292056号公報

発明が解決しようとする課題

0007

農業用フッ素樹脂フィルムにあっては、光透過性が良好であるとともに、上述したように、擦れ、叩きつけ等の繰り返し接触、および繰り返し折り曲げによって破損しにくいという、特殊な特性が要求される。
しかしながら、このような農業用フッ素樹脂フィルムにおける特殊な課題は、これまであまり認識されておらず、その解決策についての提案もない。

0008

本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、光透過性が良好であるとともに、他の部材との繰り返し接触および繰り返し折り曲げに対する耐久性が良好な農業用フッ素樹脂フィルムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

前記課題を解決するために、本発明は、フッ素樹脂、およびフッ素樹脂に分散された、平均粒子径3μm〜15μmの合成マイカ粒子を含む農業用フッ素樹脂フィルムであって、該合成マイカ粒子の含有量が前記フッ素樹脂100質量部に対して0.5〜5質量部である農業用フッ素樹脂フィルムを提供する。
本発明の農業用フッ素樹脂フィルムにおいて、前記合成マイカ粒子の表面上に、アルキル基を有するシランカップリング剤、およびシリコーン化合物からなる群から選ばれる処理剤が存在していることが好ましい。
本発明の農業用フッ素樹脂フィルムにおいて、前記処理剤が非反応性シリコーンオイルであり、前記フッ素樹脂を含むフィルム中における該非反応性シリコーンオイルの含有量が、前記フッ素樹脂100質量部に対して0.02〜0.3質量部であることが好ましい。
本発明の農業用フッ素樹脂フィルムにおいて、初期の引っ張り破断強度が50MPa以上であり、かつ2000回の摺動試験後の引っ張り破断強度の保持率が80%以上であることが好ましい。
本発明の農業用フッ素樹脂フィルムにおいて、前記合成マイカ粒子の平均粒子径が3μm〜10μmであることが好ましい。
本発明の農業用フッ素樹脂フィルムにおいて、前記合成マイカ粒子の平均粒子径が3μm以上6μm未満であり、その含有量が前記フッ素樹脂100質量部に対して3〜5質量部であることが好ましい。
本発明の農業用フッ素樹脂フィルムにおいて、前記合成マイカ粒子の平均粒子径が6μm以上10μm未満であり、その含有量が前記フッ素樹脂100質量部に対して0.5〜5質量部であることが好ましい。
本発明の農業用フッ素樹脂フィルムにおいて、可視光透過率が90%以上であることが好ましい。
本発明の農業用フッ素樹脂フィルムにおいて、前記保持率が85%以上であることが好ましい。
本発明の農業用フッ素樹脂フィルムにおいて、前記合成マイカが、カリウム珪素雲母またはフッ素金雲母であることが好ましい。
本発明の農業用フッ素樹脂フィルムにおいて、ヘイズが20%〜85%であることが好ましい。

発明の効果

0010

本発明によれば、光透過性が良好であるとともに、他の部材との繰り返し接触および繰り返し折り曲げに対する耐久性が良好な農業用フッ素樹脂フィルムが得られる。

図面の簡単な説明

0011

摺動試験方法を説明するための概略構成図である。
摺動試験方法を説明するための、試験片の概略図である。

0012

<フッ素樹脂>
フッ素樹脂は、ポリフッ化ビニリデンポリテトラフルオロエチレンポリクロロトリフルオロエチレンポリヘキサフルオロプロピレン、ポリフッ化ビニル、フッ化ビニリデンテトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、パーフルオロアルキルビニルエーテル)−テトラフルオロエチレン共重合体、等が挙げられる。
特に、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)−テトラフルオロエチレン共重合体が好ましく、中でもエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(以下、ETFEと略す)がさらに好適に用いられる。
フッ素樹脂の数平均分子量は特に限定されないが、10,000〜1,000,000が好ましく、100,000〜700,000がより好ましい。

0013

<合成マイカ粒子>
本発明で用いられる合成マイカ粒子は合成マイカからなる粒子である。合成マイカとは、Mg3Si4O10(OH)2で表されるタルクと、K2SiF6で表されるケイフッ化カリウムとを固相反応して合成される、KMg2.5Si4O10F2で表されるカリウム四珪素雲母;およびKMg3AlSi3O10F2で示されるフッ素金雲母;の2種類を指している。これらはいずれか一種を用いてもよく、両方を併用してもよい。
例えば日本国特公平6−27002号公報には、通常の天然タルク粉末ケイフッ化アルカリ粉末との混合物を加熱することによって、合成マイカを製造する方法が開示されている。上記KMg2.5Si4010F2およびKMg3AlSi3O10F2はいずれも非膨潤のマイカであり、水酸基がすべてFに置き換わった構造を有する。その比表面積は、1〜5m2/gと小さい。
合成マイカ粒子は市販品を適宜用いることができる。具体的な商品としては、コープケミカル社のMKシリーズ(商品名)、トピー工業社製のPDMシリーズ(商品名)等がある。

0014

本発明で用いられる合成マイカ粒子の平均粒子径は3〜15μmであり、より好ましくは3〜10μmである。平均粒子径が3μm未満であると、比表面積が大きくなるため、フッ素樹脂への分散が困難になるうえ、充分な耐摩耗性が得られない。平均粒子径が15μmを超えると、フッ素樹脂フィルム表面に合成マイカ粒子が出やすいため、フッ素樹脂フィルム自体の特性である耐汚染性の良さが損なわれる場合がある。
合成マイカ粒子の含有量は、フッ素樹脂100質量部に対して0.5〜5質量部である。より好ましい含有量は合成マイカ粒子の粒子径によって異なり、平均粒子径が3μm以上6μm未満の場合3〜5質量部、6μm以上10μm未満の場合0.5〜5質量部、10μm以上15μm以下の場合2〜4質量部である。

0015

[平均粒子径の測定方法
本明細書における平均粒子径は次の測定方法で得られる値である。すなわち、レーザー回折散乱法により粒度分布を測定し、粒子の集団の全体積を100%として累積カーブを求め、その累積カーブ上で累積体積が50%となる点の粒子径、すなわち50%径(累積中位径)を平均粒子径の値とした。測定機器としては、例えば、マイクロトラック粒度分布測定装置(日機装株式会社製、製品名:HRA X−100)を用いることができる。

0016

<処理剤>
フッ素樹脂フィルムに、合成マイカ粒子とともに、合成マイカ粒子の表面を疎水化する作用を有する処理剤を含有させることが好ましい。かかる処理剤としては、アルキル基を有するシランカップリング剤(S1)、またはシリコーン化合物(S2)が好ましい。
平均粒子径が3μm以上の合成マイカ粒子をフッ素樹脂に分散させることは困難なことではないが、合成マイカ粒子の表面上に、前記処理剤を存在させることにより、フッ素樹脂とのコンパウンド工程や、フィルム化工程において、合成マイカ粒子の分散性が向上し、樹脂の着色が抑えられる。

0017

シランカップリング剤(S1)を用いると、合成マイカ粒子の樹脂への分散性を良好に向上させることができる。ただし、シランカップリング剤(S1)を含有させると、これを含有しない場合に比べて、長期にわたって屋外暴露されたときのフッ素樹脂フィルムの硬化が進みやすくなる。
シランカップリング剤(S1)の具体例としては、イソブチルトリメトキシシランヘキシルトリメトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン等のトリアルコキシシラン類ヘキサメチルジシラザン等のシラザン類ジメチルジクロルシラン等のクロロシラン等が挙げられる。これらのうちで、イソブチルトリメトキシシランがより好ましい。

0018

シランカップリング剤(S1)を用いる場合の処理方法は、例えばイソプロピルアルコール(IPA)などの溶剤中で、所定の量のシランカップリング剤(S1)と合成マイカ粒子を混合し、70℃〜170℃で溶剤を蒸発させる方法(湿式処理方法)を用いることができる。この方法によれば合成マイカ粒子の表面がシランカップリング剤で被覆された粒子となる。合成マイカ粒子表面とシランカップリング剤との間には化学的結合が生じている。
シランカップリング剤(S1)の使用量が多すぎると、フッ素樹脂に合成マイカ粒子とシランカップリング剤を混練するときに、未反応のシランカップリング剤がスクリューシリンダーに固着し、やがて接着性を失い、黒い大きな塊となって混練樹脂中に現れるため、フィルム成型時に穴を生ずる場合がある。また少なすぎると、フッ素樹脂に合成マイカ粒子とシランカップリング剤を混練するときに、マイカ同士の凝集を生じ、フィルムに白い斑点ができるなどのフィルム外観を大きく損なう場合がある。したがってマイカ100質量部に対して、0.3〜10質量部程度のシランカップリング剤を、より好ましくは、1〜5質量部のシランカップリング剤を加えて表面処理を行うことが好ましい。

0019

シリコーン化合物(S2)を用いると、合成マイカ粒子の樹脂への分散性を良好に向上させることができるとともに、長期の屋外暴露によってもフッ素樹脂フィルムの硬化が進みにくく、柔軟性が維持されやすい。その理由は明確ではないが、シリコーン化合物はフッ素樹脂の結晶化を抑止させる効果があると推測される。
したがって、シランカップリング剤(S1)よりもシリコーン化合物(S2)の方が好ましい。
シリコーン化合物(S2)とは有機基を有するオルガノポリシロキサンである。該有機基としては、アルキル基、アルケニル基アリール基フルオロアルキル基等が挙げられるが、本発明においては、炭素数4以下のアルキル基、フェニル基が好ましい。本発明で用いられるシリコーン化合物(S2)としては、一般にシリコーンオイルとよばれているものを好適に使用できる。
シリコーンオイルとしては、合成マイカ粒子と化学的結合を生じず、合成マイカ粒子表面に存在するだけの非反応型シリコーンオイルが好ましい。非反応型シリコーンオイルの具体例としてはジメチルシリコーンオイルフェニルメチルシリコーンオイル等のストレートシリコーンオイル;アルキル変性シリコーンオイルアルキルアラルキル変性シリコーンオイルフッ素化アルキル変性シリコーンオイル等が挙げられる。これらのうちで、コストの点でジメチルシリコーンオイルが好ましく、耐熱性の面からフェニルメチルシリコーンオイルが好ましい。
シリコーンオイルの分子量は約20,000以下が好ましい。分子量が20,000を超えると、合成マイカ粒子のフッ素樹脂中への分散性向上効果が充分に得られない。下限値は特に限定されないが、シリコーンオイルの分子量は一般的には約5,000以上である。

0020

シリコーン化合物(S2)は市販品を使用できる。例えば、ジメチルシリコーンオイルとしては、各種分子量(粘度)を有する東レ・ダウコーニングシリコーン社製のSH200(製品名)、信越化学社製のKF96(製品名)、東シリコーン社製のTSF451(製品名)等が挙げられる。またフェニルメチルシリコーンオイルとしては、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSH510(製品名)、SH550(製品名)、SH710(製品名)等が挙げられる。

0021

シリコーン化合物(S2)を用いる場合の処理方法としては、例えばシリコーンオイルをミスト状態にして合成マイカ粒子に吹き付け、70℃程度に乾燥する方法(乾式処理方法)を用いることができる。この方法によれば合成マイカ粒子の表面がシリコーンオイルで被覆された粒子となる。非反応型シリコーンオイルの場合は、合成マイカ粒子表面とシリコーンオイルとの間には化学的結合は生じず、粒子の表面上にシリコーンオイルが存在している状態となる。
または、フッ素樹脂に合成マイカ粒子およびシリコーン化合物(S2)を同時に添加して混練した後、フィルム化する方法を用いることもできる。シリコーン化合物(S2)はフッ素樹脂と合成マイカ粒子との界面に存在しやすいため、混練中に合成マイカ粒子の表面がシリコーン化合物(S2)で覆われた状態となる。
あるいは、上述の湿式処理方法と同じ方法を用いることもできる。工程が簡便な点で、フッ素樹脂に合成マイカ粒子とシリコーン化合物(S2)を添加して混練する方法が好ましい。
シリコーン化合物(S2)の使用量が多すぎるとフッ素樹脂フィルム成型時にガスによる発泡スジを生じ、フィルムの外観を損なう場合がある。また、少なすぎるとフッ素樹脂に合成マイカ粒子とシリコーン化合物を混練するときにマイカ同士の凝集を生じ、フッ素樹脂フィルムに白い斑点ができるなどのフィルム外観を大きく損なう場合がある。したがって、シリコーン化合物(S2)のフッ素樹脂フィルム中における含有量は、フッ素樹脂100質量部に対して0.01〜0.5質量部が好ましく、0.05〜0.2質量部がより好ましい。

0022

添加剤
本発明の農業用フッ素樹脂フィルムには、必要に応じて公知の添加剤を含有させてもよい。
例えば、酸化セリウム、酸化亜鉛酸化鉄等の紫外線吸収剤を適宜添加することにより、紫外線カットフィルムが得られる。

0023

<農業用フッ素樹脂フィルムの製造方法>
本発明の農業用フッ素樹脂フィルムを製造する方法としては、フッ素樹脂と、合成マイカ粒子と、必要に応じて配合される処理剤、添加剤等とを含む混合物を調製し、これをフィルム状に成膜する方法を用いることができる。
成膜法は、特に限定されず、カレンダ法、インフレーション法Tダイ押出法など公知の方法を用いることができる。成膜法としては、フィルム厚みの均一性平面性の点からTダイ押出法が好適に採用される。
フィルムの厚さは特に限定されないが、40〜150μm程度が好ましく、50〜100μmがより好ましい。上記範囲より厚いと巻き上げ用として使用された場合の柔軟性が失われることがあり、上記範囲より薄いと農業用フィルムとして求められる、耐積雪加重耐風圧などの物理的強度が不足するおそれがある。
フィルム状に成膜した後、農業用フィルムにおいて公知の後処理を行ってもよい。例えば、フィルムをコロナ放電処理し、該処理面に、シリカ微粒子アルミナ粒子等の無機粒子を付与してもよい。また必要に応じて該無機粒子をフィルム表面に密着させるために、シランカップリング剤を主成分とする流滴剤を、厚さ0.3μm程度となるように塗工してもよい。

0024

本発明によれば、フッ素樹脂フィルムに合成マイカ粒子を含有させることにより、農業用ハウスの骨材や、マイカ線等のプラスチック材料との摩擦や叩きつけ等の繰り返し接触による破れが生じ難くなる。また繰り返し折り曲げによっても破れ(クラック)が生じ難くなり、巻き上げ用に用いても良好な耐久性が得られる。これは、フィルムが金属製の部材など硬い部材に接触したときに、フィルムにかかる力が該合成マイカ粒子によって良好に吸収、分散されるためと考えられる。
一方、後述の比較例に示されるように、合成マイカ粒子に代えて天然マイカ粒子を用いた場合には、摺動試験による引っ張り破断強度の劣化が大きい。このように同じマイカであっても合成マイカと天然マイカとで効果に差が生じるのは驚くべき知見である。

0025

その理由は次のように推測される。すなわち、合成マイカ粒子は水酸基を有しないのに対して、天然マイカは水酸基を有する。フッ素樹脂フィルムは製造過程溶融させるため、その成型工程においては、必ず微量ながらフッ素樹脂が酸化される。その酸化された部分と天然マイカの水酸基が結合して、フィルムが硬くなって柔軟性を失いやすく、このことが、摺動試験による引っ張り破断強度の劣化につながると考えられる。
また合成マイカ粒子は水酸基を有しないため、水分を取り込みにくい。通常の天然マイカが吸着水を有するのに対して、合成マイカは吸着水を持たない。したがって、合成マイカ粒子を用いると、天然マイカ粒子を用いる場合に比べてフィルム自体の耐候性劣化が生じ難いと考えられる。

0026

さらに、合成マイカ粒子は光透過性を低下させにくいため、フッ素樹脂フィルムが本来有する透明性の良さを損なうことがなく、光透過性が高い農業用フッ素樹脂フィルムが得られる。光透過性が高いことは作物の生育が良い点で好ましい。農業用のフィルムにおいて、可視光線透過率は90%以上であると好適である。
本発明の農業用フッ素樹脂フィルムのヘイズ(度)は、20%〜85%が好ましく、50%〜80%がより好ましい。へイズは、フィルムを透過する光のうちの、拡散して透過する光の割合を示す尺度である。ヘイズがこの範囲にあると、ハウスの骨材のはっきりとした影ができにくいためハウス内植物の成長が均一になりやすいという利点がある。また、ヘイズが20%以上であれば、長雨の後の快晴など、天候の急激な変化による植物の葉温の急激な変化などが起こりにくいため、植物にストレスがかかりにくく、生育が安定するなどの利点が多い。

0027

具体的に、本発明によれば、下記の測定方法により得られる、初期の引っ張り破断強度が50MPa以上であり、かつ2000回の摺動試験後の保持率が80%以上、より好ましくは85%以上である農業用フッ素樹脂フィルムを実現することができる。
例えば、農業用ハウス内を換気するための「巻き上げ用」として用いられるフィルムにおける巻き上げの回数は、季節により異なるが、1年間で片道2000回(すなわち、1000回の往復)程度と推定される。したがって、最も過酷な用途である巻き上げ用に用いられた場合には、1年間に少なくとも2000回の擦れが生じると考えられる。したがって、2000回の摺動試験後の保持率が80%未満、すなわち2000回の擦れによる劣化が20%より大きいものは、おおよそ5年間の使用には耐えられないと推定される。
また5年以上の使用を考慮すると、2000回の摺動試験後の劣化が15%未満、すなわち2000回の摺動試験後の保持率が85%以上であることがより好ましい。

0028

[初期の引っ張り破断強度の測定方法]
本明細書における、初期の引っ張り破断強度の値は、次の測定方法により得られる値である。すなわち製造したフッ素樹脂フィルムについて、ASTMD638に準拠する測定方法により、初期のMD方向(Machine Direction)およびTD方向(Transverse Direction)への引っ張り破断強度をそれぞれ測定する。MD方向を長さ方向(引っ張り方向)とする所定形状の試験片について測定した結果を、初期のMD方向への引っ張り強度[MD−1]とする。TD方向を長さ方向(引っ張り方向)とする所定形状の試験片について測定した結果を、初期のTD方向への引っ張り破断強度[TD−1]とする。

0029

[摺動試験後の保持率の測定方法]
本明細書における保持率の値は、以下の方法で摺動試験を行って得られる値である。すなわち、まずフッ素樹脂フィルムを図1に示すように、MD方向を長さ方向とする長さ60cm、幅6.5cmの帯状に切断して試験片1とする。試験片1の一方の端部に重り2を取り付ける。該重り2は、農業用鋼管3(丸一鋼管社製、材料GH38、直径19mm、厚さ1.6mm、溶融亜鉛めっき仕上げ)の表面に常にフィルム1が接触している状態にするための押さえ材の役割を果たす。
重り2の重さは、鋼管3上のフィルム1が浮き上がることがなく、絶えず鋼管3と接触している状態となるように設定される。例えば、測定対象のフィルムの1次降伏強度別途測定し、その値の20%〜70%の荷重に相当する重り2を使用することが好ましい。
特に1次降伏強度の30%〜60%の荷重とするのが、実際の農業用ハウスにおける使用状態に近いためより好ましい。
ここで、1次降伏強度とは、フィルムが弾性的に伸び縮みする最大強度をいう。フッ素樹脂フィルムの場合、一般的に、破断強度の20%〜30%である。農業用フィルムは、風、雨、に耐えられるように緩みなく展張され、その張力が、1次降伏強度を超えないように調整される。
具体的には、例えば厚さ60μmのフィルムについて測定する場合の重り2は、1次降伏強度の約55%程度の荷重に相当する重さが好ましく、厚さ80μmのフィルムの場合は約40%程度の荷重に相当する重さが好ましい。
図1において、試験片1の他方の端部は、エアーシリンダー(図示せず)と接続されており、試験片1の長さ方向に沿って、10cmのストロークで4秒間に1往復する運動を繰り返す。
該運動を片道1000回(または片道2000回)行うと、図2に示すように、試験片1にはMD方向に沿って薄い擦れ筋1aが見られる。この擦れ筋1aを含むように、TD方向を長さ方向とする所定形状の試験片を打ち抜き、該試験片を用いて上記初期の引っ張り破断強度と同様の方法で、片道1000回(または片道2000回)の摺動試験後の引っ張り破断強度を測定する。得られる測定値は、摺動試験後のTD方向への引っ張り破断強度[TD−2]である。
上記初期のTD方向への引っ張り破断強度[TD−1]に対する、摺動試験後のTD方向への引っ張り破断強度[TD−2]の割合をTD方向の保持率(%)とする。
TD方向の保持率(%)=[TD−2]/[TD−1]×100
次に、MD方向とTD方向を入れ替えた他は同様にして摺動試験を行い、摺動試験後のMD方向への引っ張り破断強度[MD−2]を求める。すなわち図1において、試験片1の長さ方向をTD方向とする。摺動試験後の試験片1にはTD方向に沿って薄い擦れ筋1aが見られるため、この筋1aを含むように、MD方向を長さ方向とする所定形状の試験片を打ち抜く。該試験片を用いて上記初期の引っ張り破断強度と同様の方法で、片道1000回(または片道2000回)の摺動試験後の引っ張り破断強度を測定する。得られる測定値は、摺動試験後のMD方向への引っ張り破断強度[MD−2]である。
上記[MD−1]に対する[MD−2]の割合をMD方向の保持率(%)とする。
MD方向の保持率(%)=[MD−2]/[MD−1]×100

0030

また本発明によれば、下記の測定方法により得られる、繰り返し折り曲げ試験における耐久性が300万回以上である農業用フッ素樹脂フィルムを実現することができる。
MIT繰り返し折り曲げ試験]
この試験は、試験片の長さ方向が垂直方向となるように保持し、試験片に規定の荷重を掛けて、左右135度に規定の速さで折り曲げ、破断するまでの往復折曲げ回数から耐折強さを算出するものであり、耐屈曲疲労性試験である。巻き上げ時の折り曲げ、および金属等の硬い部材への叩きつけに対する耐久性の指標となる。一般的には、フィルムが薄い方が有利である。
具体的には、ASTMD2176に準じて行う。すなわち、フィルムを幅12.5mm、長さ130mmに切断した試験片を東洋精機製作所社製のMIT測定器に装着し、荷重1.25kg、左右の折り曲げ角度は各々135度、折り曲げ回数は175回/分の条件下に試験片を屈曲させ、試験片が切断するまでの回数(MIT繰り返し回数)を測定する。試験片の幅方向がTD方向である場合の測定結果をTD方向のMIT繰り返し回数、試験片の幅方向がMD方向である場合の測定結果をMD方向のMIT繰り返し回数とする。

0031

<用途>
本発明のフッ素樹脂フィルムは農業用であり、例えば園芸ハウス、農業用ハウス等に好適に用いられる。特に巻き上げ/巻き下ろしが可能に構成された「巻き上げ用」フィルム;アーチ状のいわゆるパイプハウス用フィルム;2層エアハウス用の下層フィルムなど、骨材とフィルムが風などにより頻繁に擦れ合うフィルムとして好適に用いることができる。

0032

以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
可視光線透過率およびヘイズ(曇度)は以下の方法で測定した。初期の引っ張り破断強度および保持率は上記の方法で測定した。また上記のMIT繰り返し折り曲げ試験を行った。
[可視光線透過率の測定方法]
フィルムの厚さ方向における可視光線透過率(単位:%)を、分光光度計島津製作所社製、UV−3100PC)を用い、JIS R3106「板ガラス類の透過率反射率放射率日射熱取得率試験方法」にしたがって測定した。
[ヘイズ(曇度)の測定方法]
フィルムのヘイズ(曇度、単位:%)を、カラーコンピューター(スガ試験機社製、MS-5)を用い、JIS K7105「プラスチック光学的特性試験方法」にしたがって測定した。

0033

[実施例1]
第1表に示す配合でフッ素樹脂フィルムを製造した。
フッ素樹脂として、ETFE(旭硝子社製、製品名:FluonETFE C−88AX、数平均分子量:300,000、固形分100質量%)を用いた。
該フッ素樹脂100質量部に対して、合成マイカ1(コープケミカル社製、製品名:MK200、平均粒子径6.2μm)3質量部、およびフェニルメチルシリコーンオイル(東レダウコーニング社製、製品名:SH510)0.1質量部を配合し、2軸押出し機にてコンパウンドしてペレットを製造した後、Tダイ押出成形法により厚さ60μmのフッ素樹脂フィルムを製造した。
得られたフィルムについて、可視光線透過率、ヘイズ(曇度)、初期の引っ張り破断強度(TD方向、MD方向)および保持率(TD方向、MD方向)をそれぞれ測定した。その結果を第1表に示す。
また得られたフィルムについてMIT繰り返し折り曲げ試験を行った。試験片が切断するまでの回数(MIT繰り返し回数)を第1表に示す。
本例では、図1に示す摺動試験方法における重り2の重さは2kgとした。該2kgは、本例で得られたフィルムの1次降伏強度13MPaの約50%に相当する値である。

0034

[実施例2〜実施例12および比較例1〜6]
配合およびフィルムの厚さを第1表に示す通りに変更した他は、実施例1と同様にしてフッ素樹脂フィルムを製造した。
得られたフィルムについて、実施例1と同様にして、可視光線透過率、ヘイズ(曇度)、初期の引っ張り破断強度および保持率をそれぞれ測定した。ただし、実施例3〜5、12および比較例1では、図1に示す摺動試験方法における重り2の重さを2.5kgに変更した。またMIT繰り返し折り曲げ試験を行った。これらの結果を第1表に示す。

0035

第1表に示す合成マイカ粒子等のフィラーは以下のものである。
・合成マイカ2:コープケミカル社製、製品名:MK100、平均粒子径3.5μm。
・合成マイカ3:コープケミカル社製、製品名:MK300、平均粒子径12.2μm。
・合成マイカ4:コープケミカル社製、製品名:MK100F、平均粒子径1.9μm。
・天然マイカ1:山口雲母工業所社製、製品名:A−21S、平均粒子径22μm。
・天然マイカ2:山口雲母工業所社製、製品名:Y−1800、平均粒子径8.2μm。
・扁平状顔料:不定形シリカ−酸化セリウム−シリカ複合体大東化成工業社製、製品名:セリガードT−3018−02、平均粒子径1.8μm。

0036

0037

0038

第1表の結果に示されるように、合成マイカ粒子を添加しない比較例1、2は、可視光線透過率は高いが、2000回摺動試験後の保持率が80%よりも低く、擦れによる引っ張り破断強度の劣化が大きい。また、MIT折り曲げ試験では、比較例1は140万回、比較例2はTD方向が210万回、MD方向が220万回の屈曲で破断した。
これに対して、合成マイカ粒子を添加した実施例1〜12は、いずれも摺動試験後の保持率が85%以上と高く、擦れによる引っ張り破断強度の劣化が小さい。また、MIT折り曲げ試験では300万回以上の屈曲でも破断しなかった。可視光線透過率も90%以上が得られている。
特に実施例1は、2000回摺動試験後の保持率が、TD方向およびMD方向のいずれも100%であり、引っ張り破断強度が全く劣化しなかった。
また、処理剤としてシランカップリング剤(S1)を用いた実施例9と、シリコーン化合物(S2)としての非反応型シリコーンオイルを用いた実施例10とを比較すると、実施例10の方がMD方向の保持率が高い。

0039

合成マイカ粒子に代えて天然マイカ粒子を用いた比較例3、4は、MIT折り曲げ試験では良好な性能を示したが、可視光線透過率が90%より低く、農業用のフィルムとしては好ましくない。また、2000回摺動試験後の保持率が80%よりも低く、引っ張り破断強度の劣化が大きい。
平均粒子径が1.9μmと小さい合成マイカ4を用いた比較例5は、可視光線透過率は高いが、2000回摺動試験後の保持率が80%よりも低く、引っ張り破断強度の劣化が大きい。また、MIT折り曲げ試験では、TD方向が160万回、MD方向が170万回の屈曲で破断した。
合成マイカ粒子に代えて扁平状顔料を用いた比較例6は、可視光線透過率が88%以下であり、農業用のフィルムとしては好ましくない。また、2000回摺動試験後の保持率が80%よりも低く、引っ張り破断強度の劣化が大きい。MIT折り曲げ試験では、TD方向が160万回、MD方向が170万回の屈曲で破断した。

実施例

0040

本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2008年7月11日出願の日本特許出願2008−181387に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

0041

本発明のフッ素樹脂フィルムは農業用であり、例えば園芸ハウス、農業用ハウス等に好適に用いられる。特に巻き上げ/巻き下ろしが可能に構成された「巻き上げ用」フィルム;アーチ状のいわゆるパイプハウス用フィルム;2層エアハウス用の下層フィルムなど、骨材とフィルムが風などにより頻繁に擦れ合うフィルムとして好適に用いることができる。

0042

1試験片
1a擦れ筋
2重り
3 鋼管

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