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技術 熟成感を付与する調味料の製造方法

出願人 味の素株式会社
発明者 長崎浩明廣瀬貴子高木伸昌
出願日 2009年3月27日 (8年8ヶ月経過) 出願番号 2010-505990
公開日 2011年7月28日 (6年4ヶ月経過) 公開番号 WO2009-123298
状態 特許登録済
技術分野 調味料
主要キーワード 予備加熱条件 酸素供給条件 脱色脱臭 熱水分 ひろがり エアストーン グルタチオン含有酵母エキス 仕込液

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課題・解決手段

飲食品に対して熟成感付与する調味料を提供する。解決手段は、アミノ酸源および/またはペプチド源糖源酸化反応させる。

背景

近年、飲食品に対する本格的な味付けを目的として、コク味付与する調味料が広く利用されている。本格的という視点から、短期間で製造した加工食品などでも熟成感が十分にあるものが望まれている。一般的なコク味を付与できるものとしては、たんぱく加水分解物動物エキス酵母エキスや、それらと糖類等との加熱反応により得られる調味料などが様々な食品に利用されている。
例えば含硫化合物を含む酵母エキスに糖類や必要に応じてアミノ酸添加加熱することを特徴とする、良好なローストミートフレーバー風味を有する調味料の技術が知られている(特許文献1参照)。
また、5’−ヌクレオチド含有酵母エキスグルタチオン酵母エキス、単糖類デキストリン及び食塩含有した水溶液等を加熱することを特徴とする、良好なミートフレーバー様風味を有する調味料の技術が知られている(特許文献2参照)。
熟成感という観点では、醤油類にみりん甘味糖類などを加えて製造するかえしについて、短期間で熟成感を得る技術開発が進んでいる。
例えば、醤油類に甘味糖類を含有させた後、空気にさらした状態で壁面上を伝わらせて流すかえしの製造方法(特許文献3参照)、醤油にみりんや甘味糖類などを加えて混和し、開放型容器入れて所定の撹拌所要動力撹拌するかえしの製造方法(特許文献4参照)、醤油類に糖類及び/又はみりんを混和して調製した後に容器に貯留し、その後、容器内に強制的に空気を吹き込むことによって泡沫状の空気と接触させて熟成を行う製造方法(特許文献5参照)、などが知られている。
特開平04−66069号公報
特開2003−169627号公報
特開2003−61608号公報
特開2001−145470号公報
特開2005−287433号公報

概要

飲食品に対して熟成感を付与する調味料を提供する。解決手段は、アミノ酸源および/またはペプチド源糖源酸化反応させる。

目的

本格的という視点から、短期間で製造した加工食品などでも熟成感が十分にあるものが望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

醤油類を除くアミノ酸源および/またはペプチド源糖源酸化反応させる工程を含む調味料製造方法において、酸化反応が酸素を含む気体給気工程および/または撹拌工程を含み、かつ酸化反応条件が20℃以上50℃以下、0.5時間以上48時間以下である事を特徴とする調味料の製造方法。

請求項2

アミノ酸源および/またはペプチド源が、脱色および/または脱臭工程を経て製造された酵母エキスまたはたん白加水分解物である請求項1記載の調味料の製造方法。

請求項3

酸素供給条件が、調味料100gあたり空気として給気量10ml/分以上、300ml/分以下、給気時間1時間以上48時間以内である請求項1記載の調味料の製造方法。

請求項4

酸素供給条件が、空気と接触する状態での撹拌下で、調味料1kgあたり撹拌動力0.1W以上200W以下である請求項1記載の調味料の製造方法。

請求項5

アミノ酸源および/またはペプチド源に対して、糖源との混合前に、50℃以上100℃以下、0.5時間以上24時間以下の予備加熱を行うことを特徴とする請求項1ないし4記載の調味料の製造方法。

請求項6

請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の方法で製造される調味料。

請求項7

請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の方法で製造される調味料を飲食品に対して0.01%以上99%以下となるように混合することを特徴とする飲食品。

請求項8

請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の方法で製造される熟成感付与剤

技術分野

0001

本発明は、飲食品に高力価で良質な熟成感付与できる調味料製造法およびその調味料の利用に関する。

背景技術

0002

近年、飲食品に対する本格的な味付けを目的として、コク味を付与する調味料が広く利用されている。本格的という視点から、短期間で製造した加工食品などでも熟成感が十分にあるものが望まれている。一般的なコク味を付与できるものとしては、たんぱく加水分解物動物エキス酵母エキスや、それらと糖類等との加熱反応により得られる調味料などが様々な食品に利用されている。
例えば含硫化合物を含む酵母エキスに糖類や必要に応じてアミノ酸添加加熱することを特徴とする、良好なローストミートフレーバー風味を有する調味料の技術が知られている(特許文献1参照)。
また、5’−ヌクレオチド含有酵母エキスグルタチオン酵母エキス、単糖類デキストリン及び食塩含有した水溶液等を加熱することを特徴とする、良好なミートフレーバー様風味を有する調味料の技術が知られている(特許文献2参照)。
熟成感という観点では、醤油類にみりん甘味糖類などを加えて製造するかえしについて、短期間で熟成感を得る技術開発が進んでいる。
例えば、醤油類に甘味糖類を含有させた後、空気にさらした状態で壁面上を伝わらせて流すかえしの製造方法(特許文献3参照)、醤油にみりんや甘味糖類などを加えて混和し、開放型容器入れて所定の撹拌所要動力撹拌するかえしの製造方法(特許文献4参照)、醤油類に糖類及び/又はみりんを混和して調製した後に容器に貯留し、その後、容器内に強制的に空気を吹き込むことによって泡沫状の空気と接触させて熟成を行う製造方法(特許文献5参照)、などが知られている。
特開平04−66069号公報
特開2003−169627号公報
特開2003−61608号公報
特開2001−145470号公報
特開2005−287433号公報

0003

ところが上述した特許文献1の発明は、熟成感の付与ではなく、良好なローストミートフレーバー様風味を有する調味料を得ることが目的であった。そのため、含硫化合物と糖を70℃〜180℃と高温で加熱反応させる必要があった。また脂肪非存在下という制限も存在した。
また上述した特許文献2も、熟成感の付与ではなく、良好なミートフレーバー様風味を有する調味料を得ることが目的であった。そのため、5‘−ヌクレオチド含有酵母エキス、グルタチオン含有酵母エキス、単糖類、デキストリン、食塩をすべて含有させ加熱反応させる必要があった。
また上述した特許文献3、特許文献4、特許文献5については、いずれもかえしの熟成感を得るのが目的であり、醤油類を使用することに特徴がある。そのため醤油由来の味や風味が望まれる場合は良いが、飲食品の熟成感のみを目的として醤油由来の味や風味が不要である場合には、食品の味や風味のバランス崩れるため、汎用的な使用は困難であるという課題が存在した。
上記背景下において、本発明は、本来長時間かけて作成しなければならなかった食品の熟成感を簡便かつ汎用的に付与できる調味料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明を完成した。本発明は以下の各発明を包含する。
(1)醤油類を除くアミノ酸源および/またはペプチド源糖源酸化反応させる工程を含む調味料の製造方法において、酸化反応が酸素を含む気体給気工程および/または撹拌工程を含み、かつ酸化反応条件が20℃以上50℃以下、0.5時間以上48時間以下である事を特徴とする調味料の製造方法。
(2)アミノ酸源および/またはペプチド源が、脱色および/または脱臭工程を経て製造された酵母エキスまたはたん白加水分解物である上記発明(1)記載の調味料の製造方法。
(3)酸素供給条件が、調味料100gあたり空気として給気量10ml/分以上、300ml/分以下、給気時間1時間以上48時間以内である上記発明(1)記載の調味料の製造方法。
(4)酸素供給条件が、空気と接触する状態での撹拌下で、調味料1kgあたり撹拌動力0.1W以上200W以下である上記発明(1)記載の調味料の製造方法
(5)アミノ酸源および/またはペプチド源に対して、糖源との混合前に、50℃以上100℃以下、0.5時間以上24時間以下の予備加熱を行うことを特徴とする上記発明(1)ないし(4)記載の調味料の製造方法。
(6)上記発明(1)ないし(5)のいずれか1項記載の方法で製造される調味料。
(7)上記発明(1)ないし(5)のいずれか1項記載の方法で製造される調味料を飲食品に対して0.01%以上99%以下となるように混合することを特徴とする飲食品。
(8)上記発明(1)ないし(5)のいずれか1項記載の方法で製造される熟成感付与剤
なお本発明は、これらの各構成の任意の組み合わせや、本発明の表現組成物、装置などの間で置きかえたものも含む。
本発明によれば、飲食品に対して高力価で良質な熟成感を付与できる調味料を提供することが出来る。

発明を実施するための最良の形態

0004

本発明における熟成感とは、風味、呈味を中心とした概念であるコク味に関するものであり、コク味の中でも、まとまりひろがり、厚みが強まったものを熟成感があると定義した。ここで本発明においてまとまりとは、味にカドがなく整っており、まろやかな状態を指し、本発明においてひろがりとは、口腔内に風味、呈味がひろがる状態を指し、本発明において厚みとは、味のベースとしてしっかりとした味を感じる状態のことを指す。
本発明におけるアミノ酸源やペプチド源の原料は、飲食品に使用できる窒素源であれば特に限定はなくアミノ酸やペプチドでも目的は達せられる。しかし、酵母エキス、発酵調味料アミノ酸液などのたん白加水分解物、畜肉エキス魚介エキス魚醤などが、工業的な製造を考えると安価で大量に入手しやすい点で好ましい。
ここで酵母エキスとは、パン酵母エキスビール酵母エキストルラ酵母エキスなど挙げられ、食用に適するものであれば特に制限はない。酵母エキスの抽出法に関しても、自己消化法酵素分解法熱水分解法などが挙げられるが、特にこれらに限定されない。
たん白加水分解物も食用に適するものであれば特に制限はないが、特有の風味が弱くアミノ酸源やペプチド源を豊富に含むため発酵調味料やアミノ酸液がより好ましい。本発明では発酵調味料とは、大豆小麦等のたんぱく質液体麹固体麹分解酵素とを混合し、たん白加水分解させたものを指す。本発明においては、窒素源が醤油類であっても熟成感を付与することは出来るが、醤油特有の味や風味も存在するため、熟成感のみを向上させたいときには好ましくない。
ここで醤油類とは、本醸造、混合醸造、混合のいずかの製法で製造されているものであり、種類としては濃口醤油淡口醤油、たまり醤油、再仕込み醤油、白醤油の5種類について、日本農林規格(JAS)において定義されている。
本発明において、熟成感以外の異味異風味を抑える原料として特に以下の発酵調味料が挙げられる。
好ましい発酵調味料の製法例1として、(1)脱脂大豆を含む原料にたん白質を加水分解する能力を有する微生物接種して固体麹を作成する工程、(2)得られた固体麹に特定濃度の食塩となるように仕込液を加えて諸味を作成し、たん白質を加水分解させる工程を含み、たん白質の加水分解が阻害されない程度の食塩濃度で、5〜45℃で40〜144時間諸味を作用させることを特徴とする調味料の製造法が挙げられる。この製法で作成した発酵調味料をアミノ酸源および/またはペプチド源とすると、異風味も異味の発生もしにくく、特に熟成感の力価も強くバランスも良くなり、非常に好ましい。
好ましい発酵調味料の例2として、グルタミナーゼ活性が増強された麹菌酵母などの微生物培養物を、たん白分解酵素の存在下、無塩もしくは食塩濃度3%(重量/容量)以下の条件下で小麦グルテン等のたん白質に作用させることを特徴とする調味料の製造法が挙げられる。この製法で作成した発酵調味料をアミノ酸源および/またはペプチド源とすると、異風味も異味の発生もしにくく、特に熟成感の力価も強くバランスも良くなり、非常に好ましい。
好ましい発酵調味料の例3として、脱脂大豆を主原料に、麹菌を用いて固体麹を作成し、調味液を製造する工程において、製麹時にバクテリオシン生乳酸菌培養液又はその上精を添加して製麹し、次に得られた麹を麹重量の1.8〜3.0倍量(重量)の食塩濃度13〜17重量%の食塩水と混合し諸味を形成した後に、諸味を32〜40℃、11〜19日間加水分解することを特徴とする調味料の製造法が挙げられる。この製法で作成した発酵調味料をアミノ酸源および/またはペプチド源とすると、異風味も異味の発生もしにくく、特に熟成感の力価も強くバランスも良くなり、非常に好ましい。
アミノ酸液は、大豆や小麦などの各種たんぱく質を塩酸などの酸存在下でたんぱく加水分解させたものである。
本発明における糖源は、飲食品に使用できるものであれば特に限定はない。糖源の例としては、スクロースグルコースフルクトースキシロース異性化糖等が挙げることができ、その中でもスクロース、グルコースを使用するとより熟成感が強まるため好ましい。糖源の使用割合は、目的の調味料が得られる限りは特別の制限はないが、例えば、アミノ酸源やペプチド源1重量部に対して、糖源0.01重量部以上10重量部以下とすることができる。
糖源の割合がこれ以下だと、熟成感の力価が弱い点で好ましくない。
糖源の割合がこれ以上だと、コゲ臭などの異臭(風味)や苦味などの異味が発現する点で好ましくない。
本発明においては、アミノ酸源および/またはペプチド源と糖源を酸化反応させることも重要である。酸化反応に特に限定はないが、例えばアミノ酸源やペプチド源と糖を調理釜などの温度調節可能な装置に投入後、これら原料に対して空気など酸素を含む気体を給気する、もしくは撹拌することにより酸化反応をさせることが出来る。ここで言う給気とは、エアホース等を用いて直接混合液体へ気体を吹き込む方法や、密閉された容器内のヘッドスペースへ気体を吹き込む方法などが挙げられる。気体の給気に関しては、調味料100gあたり空気として給気量10以上300ml/分、給気時間1時間以上48時間以内が好ましく、調味料100gあたり空気として給気量30以上120ml/分、給気時間2時間以上12時間以下がより好ましい。この場合、空気中に酸素が21%含まれるとして計算している。また撹拌により酸化反応を行うとは、例えば、ホモジナイザーホモミキサディスパミキサ等により強く撹拌し、気体を調味液中へ抱き込むように撹拌することを言う。攪拌動力に関しては、調味料1kgあたり、0.1W以上200W以下が好ましく、調味料1kgあたり、0.3W以上50W以下がより好ましい。給気や攪拌が弱い場合には、十分な熟成感が得られない。また強すぎる場合にはエグ味等の異味や、異風味の発現が見られ、また一部のコク味のみが強まりバランスが悪くなるため好ましくない。
本発明における酸化反応において、温度と時間の条件は、20℃以上50℃以下、0.5時間以上48時間以下が好ましく、20℃以上50℃以下、3時間以上24時間以下がより好ましい。酸化反応において温度が20℃以下の場合、熟成感の力価が弱いと共に製造に時間を要し工業的にコストのかかる問題が生じる。また酸化反応において温度が60℃以上の場合、コゲ臭(風味)などやエグ味、苦味などの異味が発現するため好ましくない。またアミノ酸源やペプチド源と糖源で酸化反応をする前に、酵母エキス、たんぱく加水分解物などのアミノ酸源、ペプチド源のみを予備加熱することで熟成感がより強まるため好ましい。予備加熱条件は、50℃以上100℃以下、0.1時間以上24時間以下が好ましく、50℃以上90℃以下、0.5時間以上6時間以下がより好ましい。予備加熱条件がこれより低温や短時間の場合、熟成感の力価が弱いと共に製造に時間を要し工業的にコストのかかる問題が生じる。また予備加熱条件がこれより高温や長時間の場合、コゲやムレ臭などの異臭(風味)やエグ味、苦味などの異味が発現するため好ましくない。
本発明において熟成感に寄与する成分は、酸化反応を行うことや、アミノ酸源やペプチド源のみを予備加熱しておくことにより、増加することが見出された。
本発明における、脱色工程、脱臭工程とは、活性炭イオン交換などの樹脂アルミナなどと接触処理する方法、水蒸気蒸留膜処理する方法、またはその他の任意の方法が挙げられる。
本発明で得られる調味料は、つゆ、たれ、ソーススープ発酵食品などの飲食品に幅広く用いることができ、特につゆ、たれなどに用いると長時間熟成しなければ付与できないコク味(熟成感)が非常に高品質再現できる点で好ましい。本発明で得られる調味料の飲食品への添加割合に特に限定は無いが、一般に飲食品に対して調味料が0.01%以上99%以下となるように混合することができる。好ましくは飲食品に対して調味料が0.05%以上20%以下となるように混合することができ、さらに好ましくは飲食品に対して調味料が0.1%以上5%以下となるように混合することができる。調味料の割合が低すぎると効果が得られにくくなり好ましくない。調味料の割合が高すぎても熟成感の点では問題ないが、通常はそれ程添加しなくても十分な効果が得られる。
また本発明では、飲食品に使用する熟成感付与剤も得ることが出来る。ここで熟成感付与剤の形態に特に限定はないが、粉末液体ペースト等が保存性使いやすさの点で好ましい。

0005

以下、本発明について実施例でさらに説明するが、本発明の技術範囲はこれら実施例によって制限されるものではない。
(実施例1:アミノ酸源および/またはペプチド源の違いによる調味料のめんつゆへの添加効果の違い)
1.アミノ酸源および/またはペプチド源の選定
アミノ酸源および/またはペプチド源として、以下を用いた。
・醤油(濃口醤油、ヒゲタ醤油株式会社製、全窒素:T−N=1.6%)
・アミノ酸液(淡口「味液」、味の素株式会社製)
・酵母エキス(酵母エキスNO.1、味の素株式会社製)
・発酵調味料(「コウジベース」、味の素株式会社製)
脱色脱臭発酵調味料(「コウジベース」に対して100重量部に対して、活性炭(「ホクエツBA」、味の素ファインテクノ株式会社製)を2重量部添加し、24℃、24時間攪拌後、活性炭をろ過除去したもの。吸光度545nmの値で、元の発酵調味料が0.7であったのに対して、本脱色脱臭発酵調味料は0.2まで低下していた。)
2.酸化反応させた調味液の製造
300mlビーカー内で、各種アミノ酸源および/またはペプチド源180ml(全窒素:T−N量が2.9gとなるように各アミノ酸源および/またはペプチド源と水を調整。実施例で用いた醤油180mlはT−N量2.9gなので水の調整無し)、グラニュー糖32g、みりん18g(宝酒造社株式会社製、「タカラ本みりん純米」)を混合し、80℃で10分間加熱し調味液を作成した。その後本調味液を30℃に調整し、本調味液に対してビーカー容器底面からエアコンプレッサからシリコンチューブ外径6mm、内径4mm)、セラミックエアストーン(外径17mm×長20mm)を用いて本調味液100g当たり30ml/分の空気供給を30℃で24時間実施した。
3.酸化反応させた調味液の官能評価
各種アミノ酸源および/またはペプチド源を原料とし酸化反応させた前述の調味液をめんつゆ(「にんべんつゆの素」株式会社にんべん社製)に1%上乗せ添加し官能評価を行った。官能評価は、コク味(まとまり、ひろがり、厚み)、熟成感について、調味液を添加しないめんつゆをコントロール(0点)として、0:無い、1:やや強い、2:強い、3:非常に強い、として、n=10で行った。
また、醤油(濃口醤油、ヒゲタ醤油株式会社製)180mlに対し、グラニュー糖32g、みりん18gを混合し、80℃で10分間加熱し調味液を作成したあと、かえしとして通気性のあるペットボトルに24℃で保管した。0日保管(保管直後)、14日保管したものについても、一般的なかえしの熟成感付与効果を見る為に、参考として評価した。結果を表1に示す。



表1の官能評価結果から、特にアミノ酸液、酵母エキス、発酵調味料を用いた場合に、よりコク味力価が強く、異風味や異味の発現も抑えられ、必要な熟成感が得られることが示された。更に活性炭処理を行った脱色脱臭発酵調味料を使用した系については、コク味力価が強く熟成感も強くなることが示された。
また上記官能評価は、各種アミノ酸源および/またはペプチド源を原料とし酸化反応させた前述の調味液をめんつゆに1%上乗せ添加し官能評価を行ったが、めんつゆのかわりにデミグラスソースに1%上乗せ添加した際の官能評価や、調味料を水で5倍希釈した際の官能評価についても実施を行い、同様の傾向が見られることが判明した。
(実施例2:温度と時間の酸化反応条件の違いによる調味料のめんつゆへの添加効果の違い)
1.温度と時間の酸化反応条件の異なる調味液の製造
3000mlビーカー内で、発酵調味料(「コウジベース」、味の素株式会社製)1550g、グラニュー糖300g、水150gを混合し、80℃で10分間加熱し調味液を作成した。その後本調味液を30℃に調整し、本調味液に対してビーカー容器底面からエアコンプレッサからシリコンチューブ(外径6mm、内径4mm)、セラミックエアストーン(外径17mm×長20mm)を用いて本調味液100g当たり30ml/分の空気供給を、温度条件が20〜70℃、時間条件が1〜24時間の範囲で実施した。
2.酸化反応させた調味液の官能評価
温度条件と時間を変更させて酸化反応させた前述の調味液をめんつゆ(「にんべんつゆの素」株式会社にんべん社製)に1%上乗せ添加し官能評価を行った。官能評価は、コク味(まとまり、ひろがり、厚み)、熟成感について、調味液を添加しないめんつゆをコントロール(0点)として、0:無い、1:やや強い、2:強い、3:非常に強い、として、n=10で行った。
結果を表2に示す。



表2の官能評価結果から、酸化反応の温度帯は20℃〜50℃で、加熱時間は3時間〜24時間で、異風味がせず、熟成感が強まることが示された。短時間で力価の高い熟成感を得るには40℃で4時間前後が好ましく、異風味もしない高品質な調味料が得られた。
また上記官能評価は、酸化反応条件を変更した前述の調味液をめんつゆに1%上乗せ添加し官能評価を行ったが、めんつゆのかわりにデミグラスソースに1%上乗せ添加した際の官能評価や、調味料を水で5倍希釈した際の官能評価についても実施を行い、同様の傾向が見られることが判明した。
(実施例3:酸素量と時間の酸化反応条件の違いによる調味料のめんつゆへの添加効果の違い)
1.酸素量と時間の酸化反応条件の異なる調味液の製造
3000mlビーカー内で、発酵調味料(「コウジベース」、味の素株式会社製)1550g、グラニュー糖300g、水150gを混合し、80℃で10分間加熱し調味液を作成した。その後本調味液を30℃に調整し、本調味液に対してビーカー容器底面からエアコンプレッサからシリコンチューブ(外径6mm、内径4mm)、セラミックエアストーン(外径17mm×長20mm)を用いて温度30℃で本調味液100g当たりの空気供給量が0〜400ml/分、時間条件が1〜12時間の範囲で実施した。
2.酸化反応させた調味液の官能評価
空気供給条件と時間を変更させて酸化反応させた前述の調味液をめんつゆ(「にんべんつゆの素」株式会社にんべん社製)に1%上乗せ添加し官能評価を行った。官能評価は、コク味(まとまり、ひろがり、厚み)、熟成感について、調味液を添加しないめんつゆをコントロール(0点)として、0:無い、1:やや強い、2:強い、3:非常に強い、として、n=10で行った。
結果を表3に示す。



表3の官能評価結果から、酸化反応の空気供給量は調味液100gあたり10〜300ml/分で効果があり、30〜120ml/分がより好ましいことが示された。酸化反応の時間は1時間〜48時間で効果があり、2時間〜12時間で、熟成感がより強まることが示された。
また上記官能評価は、酸化反応条件を変更した前述の調味液をめんつゆに1%上乗せ添加し官能評価を行ったが、めんつゆのかわりにデミグラスソースに1%上乗せ添加した際の官能評価や、調味料を水で5倍希釈した際の官能評価についても実施を行い、同様の傾向が見られることが判明した。
(実施例4:撹拌による酸化反応条件の違いによる調味料のめんつゆへの添加効果の違い)
1.撹拌により酸化反応条件の異なる調味液の製造
3000mlビーカー内で、発酵調味料(「コウジベース」、味の素株式会社製)1550g、グラニュー糖300g、水150gを混合し、80℃で10分間加熱し調味液を作成した。その後本調味液を30℃に調整し、本調味液に対してホモディスパ(TKロボミクス、特殊機化工業社製)を用いて温度30℃で、撹拌回転数が0〜5000rpmで、撹拌時間が1〜5時間までの範囲で撹拌した。
2.酸化反応させた調味液の官能評価
撹拌の回転条件と時間を変更させて酸化反応させた前述の調味液をめんつゆ(「にんべんつゆの素」株式会社にんべん社製)に1%上乗せ添加し官能評価を行った。官能評価は、コク味(まとまり、ひろがり、厚み)、熟成感について、調味液を添加しないめんつゆをコントロール(0点)として、0:無い、1:やや強い、2:強い、3:非常に強い、として、n=10で行った。
結果を表4に示す。




表4の官能評価結果から、空気の供給法としてホモミキサ、ディスパミキサなどの攪拌装置を使用することができることが確認された。攪拌の回転数は1500〜3500rpmで、攪拌時間は1時間〜5時間で熟成感が強まることが示された。さらに攪拌時間は3時間〜5時間で熟成感がより強まることが示された。また回転数が高すぎる場合や長時間撹拌した場合は、エグ味などの異味の発生が見られ好ましくない結果が見られた。
また上記官能評価は、酸化反応条件を変更した前述の調味液をめんつゆに1%上乗せ添加し官能評価を行ったが、めんつゆのかわりにデミグラスソースに1%上乗せ添加した際の官能評価や、調味料を水で5倍希釈した際の官能評価についても実施を行い、同様の傾向が見られることが判明した。
(実施例5:糖源の違いによる調味料のめんつゆへの添加効果の違い)
1.糖源の異なる調味液の製造
300mlビーカー内で、発酵調味料(「コウジベース」、味の素株式会社製)180mlに対し、各種糖源(スクロース35g、グルコース23g、フルクトース20g、キシロース15g)を混合し、80℃で10分間加熱し調味液を作成した。ここで糖源の添加量が異なるのは、糖源が全てほぼ等モル数になるように調整しているためである。その後本調味液を30℃に調整し、本調味液に対してビーカー容器底面からエアコンプレッサからシリコンチューブ(外径6mm、内径4mm)、セラミックエアストーン(外径17mm×長20mm)を用いて本調味液100g当たり30ml/分の空気供給を、温度30℃で、12時間実施した。
2.調味液の官能評価
糖源を変更した調味液をめんつゆ(「にんべんつゆの素」株式会社にんべん社製)に1%上乗せ添加し官能評価を行った。官能評価は、コク味(まとまり、ひろがり、厚み)、熟成感について、調味液を添加しないめんつゆをコントロール(0点)として、0:無い、1:やや強い、2:強い、3:非常に強い、として、n=10で行った。
結果を表5に示す。



表5の官能評価結果から、糖源としては、スクロースやグルコースを使用した場合に、異風味、異味がなく、より好ましい熟成感が強まることが示された。
また上記官能評価は、酸化反応条件を変更した前述の調味液をめんつゆに1%上乗せ添加し官能評価を行ったが、めんつゆのかわりにデミグラスソースに1%上乗せ添加した際の官能評価や、調味料を水で5倍希釈した際の官能評価についても実施を行い、同様の傾向が見られることが判明した。
(実施例6:予備加熱条件の違いによる調味料のめんつゆへの添加効果の違い)
1.予備加熱条件の異なる調味液の製造
3000mlビーカー内で、発酵調味料(「コウジベース」、味の素株式会社製)1550gを予備加熱した。予備加熱条件は、温度が50〜90℃、時間が0.5〜6時間の範囲で実施した。その後予備加熱した発酵調味料と、グラニュー糖300g、水150gを混合し、80℃で10分間加熱し調味液を作成した。その後本調味液を40℃に調整し、本調味液に対してビーカー容器底面からエアコンプレッサからシリコンチューブ(外径6mm、内径4mm)、セラミックエアストーン(外径17mm×長20mm)を用いて本調味液100g当たり30ml/分の空気供給を、温度40℃、4時間の条件で実施した。
2.調味液の官能評価
予備加熱を行ってから酸化反応させた前述の調味液をめんつゆ(「にんべんつゆの素」株式会社にんべん社製)に1%上乗せ添加し官能評価を行った。官能評価は、コク味(まとまり、ひろがり、厚み)、熟成感について、調味液を添加しないめんつゆをコントロール(0点)として、0:無い、1:やや強い、2:強い、3:非常に強い、として、n=10で行った。
結果を表6に示す。



表6の官能評価結果から、アミノ酸源および/またはペプチド源の予備加熱の温度帯は70℃〜80℃で、加熱時間は1時間〜2時間で熟成感が最も強まることが示された。
また上記官能評価は、酸化反応条件を変更した前述の調味液をめんつゆに1%上乗せ添加し官能評価を行ったが、めんつゆのかわりにデミグラスソースに1%上乗せ添加した際の官能評価や、調味料を水で5倍希釈した際の官能評価についても実施を行い、同様の傾向が見られることが判明した。
(実施例7:本願発明の調味料の飲食品への添加効果)
実施例6において予備加熱条件が70℃、2時間である調味料を「本発明品6(70×2)」とした。市販のそばつゆ(「ざるそばつゆ」キッコーマン株式会社製)、デミグラスソース(「デミグラスソース」ハインツ日本株式会社製)、すき焼きのたれ(「すき焼きのたれ」エバラ食品工業社製)、焼き肉のたれ(「黄金のたれ中辛」エバラ食品工業社製)に、本発明品6(70×2)をそれぞれ0.2g〜3g/たれ100gとなるように混合したときの官能評価を行った。官能評価は、コク味(まとまり、ひろがり、厚み)、熟成感について、調味液を添加しない各種市販品をコントロール(0点)として、0:無い、1:やや強い、2:強い、3:非常に強い、として、n=10で行った。
結果を表7から表10に示す。



(※:カドとは、風味や味をバラバラに感じることであり、特有の風味や味を強く感じてしまうことにより、好ましくない風味・味となることを意味する)










表7から表10の官能評価結果から、本発明品は各種食品において、好ましくないカドを抑えながら、まとまり、ひろがり、厚みといったコク味をバランスよく付与することにより、好ましい熟成感を付与することが示された。
(実施例8:各種濃度の本願発明調味料の飲食品への添加効果)
実施例6において予備加熱条件が70℃、2時間である調味料を「本発明品6(70×2)」とした。市販のそばつゆ(ストレートタイプ「そばつゆ」ヤマキ株式会社製)に、本発明品6(70×2)をそれぞれ0.01g〜20g/つゆ100gとなるように添加したときの官能評価を行った(食塩分と水分は添加量が一番多いものに合わせてそれぞれ調整した)。官能評価は、コク味(まとまり、ひろがり、厚み)、熟成感について、調味液を添加しないそばつゆをコントロール(0点)として、0:無い、1:やや強い、2:強い、3:非常に強い、として、n=10で行った。
結果を表11に示す。




(※:カドとは、風味や味をバラバラに感じることであり、特有の風味や味を強く感じてしまうことにより、好ましくない風味・味となることを意味する)
表11の官能評価結果から、本発明品は食品において、各種濃度で効果があることが示された。
また好ましくは飲食品に対して調味料が0.05%以上20%以下となるように混合することができ、さらに好ましくは飲食品に対して調味料が0.1%以上5%以下となるように混合することができることが示された。

0006

本発明によれば、飲食品に高力価で良質な熟成感を付与できる調味料を提供することができる。

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