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技術 アシュワガンダ葉水抽出物を有効成分として含む組成物及びその製造方法

出願人 国立研究開発法人産業技術総合研究所
発明者 ワダワレヌーカウルスニルウィドゥドゥナシ高木康臣
出願日 2009年3月5日 (11年9ヶ月経過) 出願番号 2010-501950
公開日 2011年7月14日 (9年5ヶ月経過) 公開番号 WO2009-110546
状態 特許登録済
技術分野 食品の着色及び栄養改善 化合物または医薬の治療活性 植物物質含有医薬 化粧料
主要キーワード 中付け 維持法 モータリン 水溶成分 精神力 自然科学 高圧高温下 問題解決能力
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2011年7月14日)のものです。
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図面 (12)

課題・解決手段

本発明の目的は、有機溶媒を用いずに抽出された薬理効果のあるアシュワガンダ葉抽出物を有効成分として含む組成物、及びその製造方法を提供することである。上記目的は、アシュワガンダの葉水抽出物を有効成分として含む、老化の抑制若しくは予防、腫瘍若しくは癌の治療若しくは予防、正常細胞の増殖促進若しくは寿命延長、正常細胞のプロテアソーム活性の誘発、正常細胞の酸化的若しくはUV照射ストレスからの保護、癌細胞若しくは腫瘍細胞の殺傷若しくは増殖抑制、又は癌細胞の抗癌剤に対する感受性増強のための組成物、並びに水にアシュワガンダの葉を加えて20〜70℃で6〜100時間処理する工程;又は水にアシュワガンダの葉を加えて70〜100℃にまで熱した後に、1〜30℃にまで放冷する工程を含む、上記組成物の製造方法を提供することにより解決される。

概要

背景

概要

本発明の目的は、有機溶媒を用いずに抽出された薬理効果のあるアシュワガンダ葉抽出物を有効成分として含む組成物、及びその製造方法を提供することである。上記目的は、アシュワガンダの葉水抽出物を有効成分として含む、老化の抑制若しくは予防、腫瘍若しくは癌の治療若しくは予防、正常細胞の増殖促進若しくは寿命延長、正常細胞のプロテアソーム活性の誘発、正常細胞の酸化的若しくはUV照射ストレスからの保護、癌細胞若しくは腫瘍細胞の殺傷若しくは増殖抑制、又は癌細胞の抗癌剤に対する感受性増強のための組成物、並びに水にアシュワガンダの葉を加えて20〜70℃で6〜100時間処理する工程;又は水にアシュワガンダの葉を加えて70〜100℃にまで熱した後に、1〜30℃にまで放冷する工程を含む、上記組成物の製造方法を提供することにより解決される。

目的

本発明は、上記した従来技術の問題点を解消することを解決すべき課題とした

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
3件

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請求項1

アシュワガンダ葉水抽出物を有効成分として含む、老化の抑制若しくは予防、又は腫瘍若しくは癌の治療若しくは予防のための組成物

請求項2

アシュワガンダの葉水抽出物を有効成分として含む、正常細胞の増殖促進若しくは寿命延長、正常細胞のプロテアソーム活性の誘発、正常細胞の酸化的若しくはUV照射ストレスからの保護、癌細胞若しくは腫瘍細胞の殺傷若しくは増殖抑制、又は癌細胞の抗癌剤に対する感受性増強のための組成物。

請求項3

前記組成物が、食品栄養補助食品医薬品、医薬部外品又は化粧品である、請求項1又は2に記載の組成物。

請求項4

前記アシュワガンダの葉水抽出物が、水にアシュワガンダの葉を加えて20〜70℃で6〜100時間処理する工程;又は水にアシュワガンダの葉を加えて70〜100℃にまで熱した後に、1〜30℃にまで放冷する工程により提供される、請求項1〜3の何れか1項に記載の組成物。

請求項5

請求項1〜4の何れか1項に記載の組成物の製造方法であって、水にアシュワガンダの葉を加えて20〜70℃で6〜100時間処理する工程;又は水にアシュワガンダの葉を加えて70〜100℃にまで熱した後に、1〜30℃にまで放冷する工程を含む、前記方法。

関連出願の相互参照

0001

本出願は、2008年3月6日出願の日本特願2008−055828号の優先権を主張し、その全記載は、ここに特に開示として援用される。

技術分野

0002

本発明は、アシュワガンダ葉水抽出物を有効成分として含む組成物に関する。詳しくは、本発明は、アシュワガンダの葉水抽出物を有効成分として含む、老化の抑制若しくは予防、腫瘍若しくは癌の治療若しくは予防、正常細胞の増殖促進若しくは寿命延長、正常細胞のプロテアソーム活性の誘発、正常細胞の酸化的若しくはUV照射ストレスからの保護、癌細胞若しくは腫瘍細胞の殺傷若しくは増殖抑制、又は癌細胞の抗癌剤に対する感受性増強のための組成物に関する。

0003

さらに本発明は、水にアシュワガンダの葉を加え、アシュワガンダの葉に含まれる水溶成分を抽出するために適した条件下で処理する工程を含む、アシュワガンダの葉水抽出物を有効成分として含む組成物の製造方法に関する。

0004

背景技術
アーユルベーダは、インド起源とする5,000年に及ぶ、世界でもっとも古い医学体系の一つである。アーユルベーダは古代サンスクリット語の語源からきており'ayu' は生命を、' ved' は知識を意味し、多くの場合、生命の科学と訳されている。何世紀もの間、預言者や自然科学者たちが考えぬき発展させてきた健康維持法で、研究・実験を繰り返し、討論を重ね、さらに熟考が加えられてきた。彼らの教えは何千年もの間、師からその弟子へと語り継がれていき、紀元前5−6世紀には、懇切丁寧な指導書が古代インド語のサンスクリット語で書かれている。アーユルベーダは病気の予防、若返り促進、そして寿命延長する効果があると言われている。さらに最近では、世界中の科学者達がアーユルベーダのハーブ調剤医療現場で実証する試みをはじめている。

0005

アシュワガンダ(Withania somnifera)はアーユルベーダの中で最もすぐれた薬草で、'アーユルベーダの女王' 又は、'アーユルベーダの賜物' 等と呼ばれており、常緑樹でインドの乾燥地帯見かけられ、高さは1mほどに成長する。葉を一年中付けており、肥沃で、適度の湿気水はけの良い土地で生育する。根の使用は3,000年以上前から行われている。なお、アシュワガンダは下記のいくつかの呼び名で呼ばれている:Withania somnifera(ラテン語)、アシュワガンダ(サンスクリット語)、アシガンダ(ヒンズー語)、及びインディアンジンセンインド人参)又は、ウィンターチェリー英語)。

0006

アシュワガンダは強壮薬(アーユルベーダ薬草の中で最も信頼されている)として分類され、健康増進、若返り促進薬そして寿命延長をもたらす力があるとして広く評価されている。一般的に信じられている効能は以下の通りである。

0007

抗ストレス作用
アシュワガンダはアーユルベーダの中でも抗ストレス効果のある薬草として位置付けられており、過酷なストレスに適応できる自然の力を養い、必要に応じて精神力強化させる。現代語で、adaptogen”適応薬”と言える。さらに勉学や仕事肉体的、精神的疲労が加えられた時にストレスに適応できる自然の力を向上させる(Archana, R., and Namasivayam, A. (1999) J Ethnopharmacol 64, 91-93; Singh, B., Chandan, B. K., Sharma, N., Singh, S., Khajuria, A., and Gupta, D. K. (2005) Phytomedicine 12, 468-481;Bhattacharya, S. K., and Muruganandam, A. V. (2003) Pharmacol Biochem Behav 75, 547-555. を参照、これらの記載は、ここに特に開示として援用される)。

0008

抗炎症作用
アシュワガンダには抗炎症作用があり、関節の不具合和らげる。また、アシュワガンダの持つ温感浸透性体内の血液の循環を良くする。このためアシュワガンダは発熱関節炎、腫瘍や様々な感染症などの処方によく使われている。体力、精力、持久力維持を促進し(Anbalagan, K., and Sadique, J. (1981) Indian J Exp Biol 19, 245-249; al-Hindawi, M. K., al-Khafaji, S. H., and Abdul-Nabi, M. H. (1992) J Ethnopharmacol 37, 113-116; Agarwal, R., Diwanay, S., Patki, P., and Patwardhan, B. (1999) J Ethnopharmacol 67, 27-35; Rasool, M., and Varalakshmi, P. (2006) Vascul Pharmacol 44, 406-410を参照、これらの記載は、ここに特に開示として援用される)、その効力チョウセンニンジン匹敵すると言える。

0009

抗酸化作用
アシュワガンダは重要な抗酸化栄養素である。特に脳細胞においてフリーラジカルによる損傷を抑制することが証明されている。アシュワガンダに含まれている化学物質は強力な抗酸化物と考えられ、これらは体内の三つの抗酸化酵素スーパーオキサイドジスムターゼカタラーゼそしてグルタチオンペルオキシターゼ)を増加させる(Bhattacharya, S. K., Satyan, K. S., and Ghosal, S. (1997) Indian J Exp Biol 35, 236-239; Bhattacharya, A., Ghosal, S., and Bhattacharya, S. K. (2001) J Ethnopharmacol 74, 1-6; Russo, A., Izzo, A. A., Cardile, V., Borrelli, F., and Vanella, A. (2001) Phytomedicine 8, 125-132を参照、これらの記載は、ここに特に開示として援用される)。

0010

抗菌作用
アシュワガンダのアルコール及び水抽出物は広い範囲の抗菌活性を持っていることが認められている(Owais, M., Sharad, K. S., Shehbaz, A., and Saleemuddin, M. (2005) Phytomedicine 12, 229-235; Arora, S., Dhillon, S., Rani, G., and Nagpal, A. (2004) Fitoterapia 75, 385-388を参照、これらの記載は、ここに特に開示として援用される)。

0011

糖尿病予防
液中血糖値コレステロール値を低下させることができ、これにより心血管系の状態を良好に保つ(Hemalatha, S., Wahi, A. K., Singh, P. N., and Chansouria, J. P. (2004) J Ethnopharmacol 93, 261-264;Parihar, M. S., Chaudhary, M., Shetty, R., and Hemnani, T. (2004) J Clin Neurosci 11, 397-402を参照、これらの記載は、ここに特に開示として援用される)。

0012

(関節炎・月経不順
関節炎の治療と月経不順に効果があると考えられる(Begum, V. H., and Sadique, J. (1988) Indian J Exp Biol 26, 877-882を参照、これらの記載は、ここに特に開示として援用される)。

0013

強精作用)
特に男性生殖機能の強壮薬としての作用があり、健全性衝動呼び起こす。さらに精神的安定性を促進しながら性機能修復し、全体としての活力を引き出す効力がある(Ilayperuma, I., Ratnasooriya, W. D., and Weerasooriya, T. R. (2002) Asian J Androl 4, 295-298を参照、これらの記載は、ここに特に開示として援用される)。

0014

(神経の刺激
アシュワガンダは精神を強化するラサヤナ(強壮薬)で、行為を強める効果がある。記憶や問題解決能力を引き出し、脳全体の調和のとれた機能性を高め強化する。さらに神経系に滋養を与える効果があり、神経を強め、神経機能を維持する。
永い間インドの人々はアシュワガンダを認知障害老人脳疾患治療薬として処方してきた(Jain, S., Shukla, S. D., Sharma, K., and Bhatnagar, M. (2001) PhytotherRes 15, 544-548; Shukla, S. D., Jain, S., Sharma, K., and Bhatnagar, M. (2000) Indian J Exp Biol 38, 1007-1013を参照、これらの記載は、ここに特に開示として援用される)。

0015

老人性疾患の治療薬)
アシュワガンダは特に老人の健康改善と病気予防に使われている(Mishra, L. C., Singh, B. B., and Dagenais, S. (2000) Altern Med Rev 5, 334-346を参照、これらの記載は、ここに特に開示として援用される)。

0016

化学療法
アシュワガンダの効能は放射線や化学療法を受けている患者に対して、有益な加療法になると考えられる(Prakash, J., Gupta, S. K., Kochupillai, V., Singh, N., Gupta, Y. K., and Joshi, S. (2001) PhytotherRes 15, 240-244; Prakash, J., Gupta, S. K., and Dinda, A. K. (2002) Nutr Cancer 42, 91-97; Park, E. J., and Pezzuto, J. M. (2002) Cancer Metastasis Rev 21, 231-255を参照、これらの記載は、ここに特に開示として援用される)。

0017

元来インドにおいてアーユルベーダ薬として一般的に使用されてきたのは、アシュワガンダの根の部分である。本発明者らは、アシュワガンダの葉の抽出物に効能があるかについて研究を行った。根の部分に比べて葉は採取しやすい上、大量に入手可能だからである。本発明者らはすでに、有機溶媒を用いたアシュワガンダの葉抽出物抗変異原効果があることを発表している(Kaur, K., Rani, G., Widodo, N., Nagpal, A., Taira, K., Kaul, S. C., and Wadhwa, R. (2004) Food Chem Toxicol 42, 2015-2020; Rani, G., Kaur, K., Wadhwa, R., Kaul, S. C., and Nagpal, A. (2004) Food and Chemical Toxicology in pressを参照、これらの記載は、ここに特に開示として援用される)。さらに、この葉の有機溶媒抽出物ガン細胞を特異的に死滅させることがわかった(Widodo, N., Kaur, K., Shreshtha, B., Takagi, Y., Ishii, H., Kaul, S. C., and Wadhwa, R. (2006) Clinc. Cancer. Res;WO2005/082392号公報を参照、これらの記載は、ここに特に開示として援用される)。

0018

これまでに薬理効果のあるアシュワガンダの葉抽出物として、メタノールヘキサンなどの有機溶媒を用いて抽出したものだけが知られていた。しかし、有機溶媒を用いた抽出物は、有機溶媒の残存影響などにより、疾病の治療や予防の用途としては問題がある。さらに、有機溶媒を用いた抽出工程は複雑であり、さらに有機溶媒による作業者や装置への影響が問題となる。

0019

したがって、本発明は、上記した従来技術の問題点を解消することを解決すべき課題とした。すなわち、本発明は、有機溶媒を用いずに抽出された薬理効果のあるアシュワガンダの葉抽出物を有効成分として含む組成物、及びその製造方法を提供することを解決すべき課題とした。

0020

発明の開示
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、アシュワガンダの葉を水に加えて適した温度及び時間で処理することにより、薬理効果の高いアシュワガンダの葉水抽出物を得ることに成功した。本発明は、上記知見に基づいて完成された発明である。

0021

すなわち、本発明によれば、アシュワガンダの葉水抽出物を有効成分として含む、老化の抑制若しくは予防、又は腫瘍若しくは癌の治療若しくは予防のための組成物が提供される。

0022

さらに本発明の別の側面によれば、アシュワガンダの葉水抽出物を有効成分として含む、正常細胞の増殖促進若しくは寿命延長、正常細胞のプロテアソーム活性の誘発、正常細胞の酸化的若しくはUV照射ストレスからの保護、癌細胞若しくは腫瘍細胞の殺傷若しくは増殖抑制、又は癌細胞の抗癌剤に対する感受性増強のための組成物が提供される。

0023

好ましくは、本発明の組成物は、前記組成物が、食品栄養補助食品医薬品、医薬部外品又は化粧品である。

0024

好ましくは、本発明の組成物は、前記アシュワガンダの葉水抽出物が水にアシュワガンダの葉を加えて20〜70℃で6〜100時間処理する工程;又は水にアシュワガンダの葉を加えて70〜100℃にまで熱した後に、1〜30℃にまで放冷する工程により提供される組成物である。

0025

さらに本発明の別の側面によれば、本発明の組成物の製造方法であって、水にアシュワガンダの葉を加えて20〜70℃で6〜100時間処理する工程;又は水にアシュワガンダの葉を加えて70〜100℃にまで熱した後に、1〜30℃にまで放冷する工程を含む、前記方法が提供される。

0026

発明の効果
本発明により、正常細胞の増殖促進及び寿命延長作用、正常細胞のプロテアソーム活性の誘発作用、正常細胞の酸化的及びUV照射ストレスからの保護作用、癌細胞及び腫瘍細胞の殺傷及び増殖抑制作用、並びに癌細胞の抗癌剤に対する感受性増強作用を有するアシュワガンダの葉水抽出物が提供される。さらに、本発明の組成物は、老化の抑制及び予防、並びに腫瘍及び癌の治療及び予防をすることを可能にする。さらに、本発明の製造方法によれば、単独又は他の物質と併用することにより、アンチエイジング又は癌や腫瘍の形成抑制が期待できる、医薬用途保健用途、医薬部外品用途、又は化粧品用途に用いられるアシュワガンダの葉水抽出物を有効成分として含む組成物を、大量、簡易かつ迅速に提供することができる。

図面の簡単な説明

0027

図1は、WEX−1による特異的な抗がん細胞活性を測定した結果を示す。
図2は、WEX−2による特異的な抗がん細胞活性を測定した結果を示す。
図3は、WEX−3によるヒト正常細胞及びがん細胞の処理結果を示す。
図4は、WEX−1又はWEX−2による特異的ながん細胞殺傷活性を測定した結果を示す。
図5は、WEX−1によるin vivoヌードマウスの腫瘍を抑制した結果を示す。
図6は、WEX−1によるヒト正常細胞のより高い生存活性及び長期増殖活性を測定した結果を示す。
図7は、WEX−1によるヒト正常細胞におけるプロテアソーム活性を測定した結果を示す。
図8は、WEX−1によるヒト正常細胞の酸化的ダメージの保護作用を測定した結果を示す。
図9は、WEX−1で処理したUV損傷細胞のp53レベルを測定した結果を示す。
図10は、WEX−1による正常細胞又は腫瘍由来細胞のモータリン誘導活性を測定した結果を示す。
図11は、WEX−1のHPLC及びSDS−PAGEの測定結果を示す。
図12は、ウィザノン検出条件下におけるWEX−1のHPLC測定結果を示す。

発明を実施するための形態

0028

以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の組成物は、アシュワガンダの葉水抽出物を有効成分として含む、正常細胞の増殖促進及び寿命延長作用、正常細胞のプロテアソーム活性の誘発作用、正常細胞の酸化的及びUV照射ストレスからの保護作用、癌細胞及び腫瘍細胞の殺傷及び増殖抑制作用、並びに癌細胞の抗癌剤に対する感受性増強作用を有し、老化の抑制若しくは予防、又は腫瘍若しくは癌の治療若しくは予防のために用いられる組成物である。本発明の組成物は、例えば、食品、栄養補助食品、医薬品、医薬部外品又は化粧品の形でありうる。

0029

本明細書にいう「アシュワガンダ」とは、学名Withania somniferaを意味する。したがって、本明細書にいう「アシュワガンダの葉」とはWithania somniferaの葉を意味し、「アシュワガンダの葉水抽出物」とは、アシュワガンダの葉を水で抽出して得られる抽出物を意味する。

0030

アシュワガンダの葉は採取したままの新鮮葉、それを乾燥させたもの、または焙煎させたものの何れでもよいが、乾燥させたものが望ましい。原料とするアシュワガンダは天然に生育するものに限定されず、in vitroで培養したものであってもよいが、アシュワガンダの葉に含有される成分の組成はアシュワガンダの産地樹齢等により若干の差があると考えられるため、本発明のアシュワガンダの葉水抽出物を得るためには、インド国内で種から栽培した2〜4年目の植物を用いることが望ましい。

0031

上記アシュワガンダの葉水抽出物は、例えば、水にアシュワガンダの葉を加えて20〜70℃で6〜100時間処理する工程、又は水にアシュワガンダの葉を加えて70〜100℃にまで熱した後に、1〜30℃にまで放冷する工程の何れかの工程により得ることができる。

0032

本明細書にいう「水」とは、通常用いられる水であれば特に制限されず、例えば、水道水医薬用水等が挙げられる。本明細書にいう「水にアシュワガンダの葉を加えて20〜70℃で6〜100時間処理する工程」は、水にアシュワガンダの葉を加えてアシュワガンダの葉水抽出物が得られる工程であって、温度範囲は20〜70℃、好ましくは30〜60℃、より好ましくは40〜50℃とし、処理時間は6〜100時間、好ましくは8〜48時間、より好ましくは12〜24時間とする工程である。上記工程を達成せしめる方法としては、上記した温度および時間の範囲を逸脱しなければ特に制限されない。上記工程の具体例としては、例えば、実施例に示した通り、10gのアシュワガンダドライリーフパウダー(インド原産、(株)iGENEより購入)を100mlの水に混ぜ、アシュワガンダの葉が10%である混濁液を用意し、該混濁液を45℃のインキュベーター内にてオーバーナイトでゆっくり振盪する工程を挙げることができる。

0033

本明細書にいう「水にアシュワガンダの葉を加えて70〜100℃にまで熱した後に、1〜30℃にまで放冷する工程」は、上記と同様に、水にアシュワガンダの葉を加えてアシュワガンダの葉水抽出物が得られる工程であって、加熱温度の範囲は70〜100℃、好ましくは70〜90℃、より好ましくは80〜90℃とし、放冷時の温度範囲は1〜30℃、好ましくは15〜30℃、より好ましくは20〜30℃、最適に好ましくは20〜25℃とする工程である。加熱時間および放冷時簡については特に制限はなく、アシュワガンダの葉水抽出物が得られるのであれば、上記工程を1又は2度以上繰り返してもよい。例えば、急速に加熱する(例えば、1〜10分間で80〜90℃にまで熱する)場合は、上記工程を2度以上繰り返すことが好ましい。上記工程を達成せしめる方法としては、上記した加熱および放冷時の温度範囲を逸脱しなければ特に制限されない。上記工程の具体例としては、例えば、実施例に示した通り、10gのアシュワガンダドライリーフパウダー(インド原産、(株)iGENEより購入)を100mlの水に混ぜ、アシュワガンダの葉が10%である混濁液を用意し、電子レンジで該混濁液が約80℃〜90℃になるまで加熱し、その後室温まで放冷することを二度繰り返す工程を挙げることができる。

0034

水にアシュワガンダの葉を加えて20〜70℃で6〜100時間処理する工程、及び水にアシュワガンダの葉を加えて70〜100℃にまで熱した後に、1〜30℃にまで放冷する工程の何れとも、任意に撹拌操作を加えることができる。撹拌操作として、振盪以外にも、マグネチックスターラーボルテックスミキサーなどを用いた機械的な撹拌を採用してもよい。さらに、上記工程の前後に無菌ろ過やUV殺菌などの除菌殺菌処理を加えることができる。上記工程の前に除菌・殺菌処理を加える場合には、上記工程を無菌的に実施するのが好ましい。本発明の製造方法は、アシュワガンダの葉水抽出物を得ることができれば、撹拌や除菌・殺菌処理以外にも、任意に種々の操作や処理を加えることができる。アシュワガンダの葉水抽出物は、温風乾燥凍結乾燥などの乾燥、カラムクロマトグラフィーなどを用いて適宜濃縮・精製してもよい。

0035

アシュワガンダの葉水抽出物には、図11Aで示される化合物図11Bで示される少なくとも6つのタンパク質を含む。さらに、図12が示す通り、アシュワガンダの葉水抽出物は、アシュワガンダの葉から有機溶媒抽出によって得られるウィザノンと異なる。よって、アシュワガンダの葉水抽出物における、正常細胞の増殖促進及び寿命延長作用、正常細胞のプロテアソーム活性の誘発作用、正常細胞の酸化的及びUV照射ストレスからの保護作用、癌細胞及び腫瘍細胞の殺傷及び増殖抑制作用、並びに癌細胞の抗癌剤に対する感受性増強作用は、アシュワガンダの葉水抽出物に含まれる、ウィザノンと異なる、水性化合物(タンパク質)の1種又は2種以上の組み合わせによってもたらされる可能性が高い。

0036

本発明の組成物が医薬用組成物であるときの投与方法は特に限定されるものではなく、経口、経鼻非経口、経経皮、経粘膜などが可能である。本発明の医薬用組成物は種々の剤形とすることができる。例えば、経口投与のためには、錠剤カプセル剤散剤顆粒剤丸剤液剤乳剤懸濁剤溶液剤、酒精剤シロップ剤エキス剤エリキシル剤とすることができるが、これらに限定されない。また、製剤には薬剤的許容できる種々の担体を加えることができる。例えば、賦形剤結合剤崩壊剤滑沢剤着香剤着色剤甘味剤矯味剤溶解補助剤懸濁化剤乳化剤コーティング剤ビタミンC抗酸化剤を含むことができるが、これらに限定されない。

0037

本発明の医薬用組成物の投与量は、一般的には、アシュワガンダ葉抽出物換算して成人日用量として1mg〜1000mg、好ましくは100mg〜500mgを使用する。もちろん個別的に、投与されるヒトの年齢、体重、症状、投与経路、投与期間、治療経過等に応じて変化させることもできる。1日あたりの量を数回に分けて投与することもできる。また、他の抗腫瘍剤治療法と組み合わせて投与することもできる。

0038

本発明の組成物は、食品又は栄養補助食品の形態とすることもできる。例えば、アシュワガンダ葉抽出物を原材料に配合することにより、麺類パンキャンディーゼリークッキースープ、健康飲料、焼酎などのアルコール飲料等の形態とすることができる。このような食品、栄養補助食品にはアシュワガンダ葉抽出物の他に、鉄、カルシウム等の無機成分、種々のビタミン類オリゴ糖キトサン等の食物繊維大豆抽出物等のタンパク質、レシチンなどの脂質、ショ糖乳糖等の糖類を加えることができる。

0039

本発明の組成物は、アシュワガンダ葉抽出物を原材料に配合することにより、医薬部外品または化粧品の形態とすることもできる。本発明の組成物を医薬部外品または化粧品とするときは、本発明の効果を損なわない範囲で、アシュワガンダ葉抽出物に加えて、通常医薬部外品や化粧品に用いられる他の成分、例えば油分、湿潤剤紫外線吸収剤酸化防止剤界面活性剤防腐剤保湿剤香料、水、アルコール、増粘剤等を必要に応じて適宜配合することができる。

0040

本発明の組成物は、正常細胞の増殖促進及び寿命延長作用、正常細胞のプロテアソーム活性の誘発作用、正常細胞の酸化的及びUV照射ストレスからの保護作用、癌細胞及び腫瘍細胞の殺傷及び増殖抑制作用、並びに癌細胞の抗癌剤に対する感受性増強作用を有し、老化の抑制及び予防、並びに腫瘍及び癌の治療及び予防を可能とする。本発明の組成物が正常細胞の増殖促進及び寿命延長作用、正常細胞のプロテアソーム活性の誘発作用、正常細胞の酸化的及びUV照射ストレスからの保護作用、癌細胞及び腫瘍細胞の殺傷及び増殖抑制作用、並びに癌細胞の抗癌剤に対する感受性増強作用を有するかどうか、又は老化の抑制及び予防、並びに腫瘍及び癌の治療及び予防を可能とするどうかについては、以下に記載する実施例に記載の各方法を用いることができるが、これに限定されない。

0041

本発明を以下の実施例でさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されない。種々の変更、修飾が当業者には可能であり、これらの変更、修飾も本発明に含まれる。

0042

1.アシュワガンダ植物葉からの水抽出物(WEX)の調整
10gのアシュワガンダドライリーフパウダー(インド原産、(株)iGENEより購入)を100mlの水に混ぜ、10%の混濁液を用意した。次に下記のいずれかの処理を行った。
(1)混濁液を45℃のインキュベーター内にてオーバーナイトでゆっくり振盪した。
(2)電子レンジで混濁液が約80℃〜90℃になるまで加熱し、その後室温まで放冷。再び、電子レンジで混濁液が約80℃〜90℃になるまで加熱し、その後室温まで放冷した。
(3)混濁液を120℃20分間のオートクレーブ処理を行い、その後室温まで放冷した。再び、120℃20分間のオートクレーブ処理を行い、その後室温まで放冷した。
上記(1)〜(3)のいずれかの処理を経た混濁液を20分間10,000rpmで遠心し、この上澄みを0.45ミクロンフィルターを用いてフィルタレーションした。このフィルタレーション水溶液を、1〜2mlに小分けし実験に使用するまで、−20℃で冷凍保存した。なお、今後は上記(1)の処理を経たものをWEX-1、上記(2)の処理を経たものをWEX−2、上記(3)の処理を経たものをWEX−3とよぶ。

0043

2.WEX−1及びWEX−2の特異的な抗がん細胞活性
正常なヒト二倍体繊維芽細胞(TIG−1とMRC5)及び種々のがん細胞(骨肉腫由来のU2OS、乳癌由来のMCF7、繊維肉腫由来のHT1080、大腸癌由来のHCT116(40−16)及び胆嚢癌由来のSKCH)を、10%ウシ胎児血清(以下FBS略称)を含有するダルベッコ改変イーグル最小培地(以下DMEMと略称)(GIBCOBRL社、米国)にて96穴培養皿を用いて加湿培養器内(37℃及び5%二酸化炭素濃度)で培養した。細胞(3×105個〜5×105個)をWEX−1又はWEX−2で処理した。生存細胞数をWSTベース細胞増殖キット(Roche社)でモニターした(図1及び図2)。その結果、WEX−1及びWEX−2は、ヒトがん細胞を殺し、正常ヒト細胞には影響をもたらさなかった。

0044

3.WEX−3の抗がん細胞活性
実施例2と同様にして、WEX−3でヒト正常細胞及びがん細胞を処理した(図3)。その結果、WEX−3はがん細胞や正常細胞に何の影響ももたらさなかった。WEX−3はWEX−1及びWEX−2でみられた活性が失われており、これはWEX−1を高圧高温下で処理するとそのがん細胞殺傷効果破壊されることを証明する結果となった。

0045

4.WEX−1及びWEX−2のがん細胞殺傷活性
実施例2と同様に細胞を培養した。細胞をWEXで処理した後、氷冷メタノール(−20℃で保存)で2〜3分間固定し、PBS洗浄後、約1〜2時間クリスタルバイオレット(25%メタノールに溶解する0.5%クリスタルバイオレット溶液)に浸けた。そして細胞を水で過剰にリンスし、乾燥させ、写真撮影した(図4)。その結果、がん細胞(U2OS、MCF7及びHT1080)は、WEX−1処理及びWEX−2処理により細胞増殖が停止した。正常細胞(TIG−1及びMRC5)は、細胞増殖に何ら差がみられなかった。したがって、WEX−1及びWEX−2は、がん細胞殺傷活性を有しかつ正常細胞に安全な水溶性の調整に利用できる。

0046

5.WEX−1を用いたin vivo抗腫瘍アッセイ
in vivo腫瘍アッセイにために、Balb/c系統ヌードマウスにヒト繊維肉腫由来(HT1080)細胞(0.5 mlの成長培地に1×106個)をヌードマウスの側面皮下に注射した(一匹のマウスにつき2箇所)。対照のマウス、WEXを注射したマウス(腫瘍ヶ所に局注)及びWEXをとして与えたマウス(一日おきにWEXを経口投与;2%滅菌カルボキシメチルセルロースCMC)を伝達体とし可動式テフロン登録商標)注射を使用してマウスの消化管流し込んだ)の腫瘍形成をモニターした(図5)。その結果、WEX−1の腫瘍箇所への局注及びWEX−1の餌与が、in vivoヌードマウスアッセイにおいて腫瘍抑制を導いた。

0047

6.in vitro寿命研究
短期生存能力アッセイ(A)又は長期連続継代アッセイ(B)において正常ヒト繊維芽細胞をWEX−1存在下で培養した(図6)。WEX−1存在下の培養細胞は、より高い生存性を示し(A)、長期増殖能力も増加が認められた(B)。

0048

正常ヒト繊維芽細胞(TIG−1とMRC5)をWEX−1存在下で培養し、プロテアソーム活性を測定した(図7)。WEX−1処理すると、使用した両方のタイプの正常細胞でプロテアソーム活性が誘導される結果となった。

0049

7.酸化ダメージに対する正常細胞の防御
正常細胞繊維芽細胞(TIG−1)を過酸化水素水処理により酸化的ストレスにさらし、WEX−1存在下又は非存在下での回復をみた(図8)。その結果、WEX−1存在下では酸化的ダメージから身を守り、あるいは、酸化的ダメージから回復した。

0050

8.UVダメージに対する正常細胞の防御
正常細胞繊維芽細胞(TIG−1)をUVストレス(20 mJ/cm2)にさらした。UVダメージ反応の分子マーカーであるp53タンパク質のレベルをウェスタンブロッティングで調べ、細胞生存数をWSTアッセイで調査した(図9)。その結果、WEX−1処理した細胞は、p53のレベルが落ちる結果となった。i−Factor(ウィダノン)は、ポジティブコントロールとして使用した(A−B)。WEX−1存在下では細胞生存数もまた増加した。

0051

9.正常細胞のみにおけるストレスシャペロンモータリンの誘導
正常細胞繊維芽細胞(TIG−1;若い細胞と老化した細胞の二種類)及び腫瘍由来細胞(U2OS、SKCH、及びMCF7)を48〜72時間WEXで処理し、ストレスタンパク質とp53のレベルをウェスタンブロッティングで調べた(図10)。その結果、WEX−1は正常細胞においてのみモータリンを誘導した(A)。興味深いことに、SKCHでは変異型p53のレベルがWEX処理により劇的に減少した(B)。

0052

10.WEX−1の分画分析
WEX−1を下記に示すようにHPLCとSDS PAGEで解析した。WEXの分画はC18カラム(TSKgelODS−100Z、東ソー社)を用いた逆相HPLCで行った。流速は、1 ml/min、カラム温度は40℃とし、グラジェント抽出には、水(溶液A)とエタノール(溶液B)を用いた。35分のグラジェントプログラムは次の通りである:溶液A 100%一定5分、溶液B 0.75%までのグラジェント15分、溶液B 0.75%から50%までのグラジェント5分、溶液B 50%一定5分、溶液B 50%から0%までのグラジェント2分、そして最後に、溶液A 100%一定5分。検出は220 nmで行った(図11)。その結果、図11Aに示すように、WEXは4つの構成物に分画できた(分画1〜4)。WEX−1をまたSDS PAGEゲルで分離し、クマシーブリリアンブルー染色を行った。図11Bに示すように、a〜fとラベルした6つのタンパク質をWEXは含んでいた。これは、WEXには多数の水溶性タンパク質が存在することを示すものであり、有機溶媒を使用するウィザノンの抽出法では存在し得ないタンパク質である。

0053

11.抽出液組成分析
下記に示すウィザノンを検出できる条件下でHPLC解析を実施した(図12)。
カラム:Symmetry(登録商標)C−18 (5μm 150(L)×4.6(D))
カラムオーブン:40℃
A溶液:1%メタノール
B溶液:メタノール:エタノール:i−プロパノール=52.25:45.30:2.45
グラデーションプログラム:
イニシャル:A65% (B35%)
→20min:A59% (B41%)
→23min:A0% (B100%)
→28min:A0% (B100%)
→31min:A65% (B35%)
→36min:A65% (B35%)
流速:1ml/min
検出器波長:220nm

0054

図12に示す通り、WEX中にウィザノンを検出できなかった。この結果は、WEXは水抽出液であり、一方ウィザノンは化学的性質として溶解度が低く水に難溶であるため水抽出では得られないことを示すものである。

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