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技術 新規ジウレタン化合物、その製造法およびそれを含有するアクリルゴム組成物

出願人 ユニマテック株式会社
発明者 伊藤大輔達春美小金敬介小野秀幸尾野上康裕
出願日 2009年1月30日 (12年0ヶ月経過) 出願番号 2009-520723
公開日 2011年5月26日 (9年8ヶ月経過) 公開番号 WO2009-096545
状態 特許登録済
技術分野 硫黄原子を含む複素環式化合物 有機低分子化合物及びその製造 高分子組成物
主要キーワード 金型成形用 圧縮永久歪値 ベーマ 加硫トルク シール材用 ウレタン結合由来 耐圧縮永久歪特性 メトキシメチルアクリレート
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課題・解決手段

ジアミン化合物H2NR1NH2にクロロホーメート化合物ClCOO(CH2)n(SO2)mR2を反応させる方法またはジイソシアネート化合物OCNR1NCOに水酸基含有化合物R2(SO2)m(CH2)nOHを反応させる方法によってジウレタン化合物R2(SO2)m(CH2)nOCONH-R1-NHCOO(CH2)n(SO2)mR2を製造する。このジウレタン化合物は、多価アミン架橋性基含有アクリルゴム塩基性加硫促進剤と共に配合され、アクリルゴム組成物を形成させる。このジウレタン化合物を加硫剤とするアクリルゴム組成物は、スコーチ抑制による加硫速度遅延を改善し、しかも加硫物耐圧縮永久歪特性をも満足せしめる

概要

背景

カルボキシル基含有アクリルゴムは、アクリルゴムの中でも特に耐熱性耐圧縮永久歪特性にすぐれ、かつ金属への非腐食性、環境への配慮などがなされた非ハロゲンアクリルゴムであるため、近年ホースシール材用途等への需要が増えている。しかしながら、加硫速度に対してスコーチタイムが短く、すなわち加硫速度を速くすればスコーチタイムが短すぎ、加硫速度を遅くすればスコーチタイムは長くなるという傾向を有している。

より具体的には、加硫速度を満足し得る速さにまで高めた場合、スコーチタイムが短く、生地流れの悪化を招き、成形不良となる。加硫速度を遅くした場合には、成形時間が長くなり、コストの上昇につながる。このことは、加硫速度が速く、スコーチタイムが長いという理想からいうと、成形性に劣るということになる。

アクリルゴムの加硫成形方法としては、一般に型成形(射出成形圧縮成形トランスファー成形等)と押出成形とが用いられており、現在は成形時の加硫速度とスコーチタイムとのバランスをとるために、下記2つの加硫系の流れがある。
(1)脂肪族ジアミン(加硫剤)/グアニジン(加硫促進剤)
(2)芳香族ジアミン(加硫剤)/グアニジン(加硫促進剤)

主に加硫速度を優先する金型成形用途に用いられる脂肪族ジアミン加硫系は、主にスコーチタイム(t5:10分以上)を優先する押出成形用途の芳香族ジアミン加硫系よりも、加硫速度は速いがスコーチタイムが短く、一方脂肪族ジアミン加硫系よりもスコーチタイムが長い芳香族ジアミン加硫系(加硫剤としては4,4′-ジアミノジフェニルエーテル、2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニルプロパンメチレンジアニリン等が用いられる)は、加硫速度が遅いといった欠点がみられる。このように、高速加硫を可能とし、かつ非スコーチ両立することができる加硫系は未だ見出されていない。

ここで、脂肪族ジアミン加硫系の加硫機構について考えてみるに、脂肪族ジアミンとしてはヘキサメチレンジアミンカーバメート(6-アミノヘキシルカルバミン酸)H3N+(CH2)6NHCOO-がカルボキシル基含有アクリルゴムや塩素基含有アクリルゴムの加硫に広く用いられており、その加硫反応はこの加硫剤化合物に熱が適用されることで、ヘキサメチレンジアミンアミノ基の保護基が100℃付近から熱分解脱炭酸してヘキサメチレンジアミンとなり、アクリルゴム中の架橋性官能基であるカルボキシル基等と反応して、加硫反応が進行するという形をとっている。このため、スコーチタイムが短い(スコーチ安定性に劣る)という欠点を有する。また、ヘキサメチレンジアミンを炭酸塩としている理由の一つは、ヘキサメチレンジアミンは吸湿性が強くかつ気化し易いため、取扱いが困難であることによる。

なお、カルボキシル基含有アクリルゴムとしては、カルボキシル基含有エチレンアクリルゴム(デュポン製品ベーマックG)、特定のカルボキシル基含有アクリルゴム(電気化学工業製品電化ER)等も含まれ、これらのカルボキシル基含有アクリルゴムについてもスコーチタイムが短いという問題がみられる。

なお、下記特許文献中には、加硫速度が速く、スコーチタイムも長くなるものもあるが、これらの場合には耐圧縮永久歪特性の低下を免れないものもある。
特開平11−255997号公報
特開平11−100478号公報
特開平11−140264号公報
WO 2005/103143
特開2001−181464号公報
特開2001−316554号公報
特開2003−342437号公報
特開2002−317091号公報
特開2004−269873号公報
再表2003−4563号公報

概要

ジアミン化合物H2NR1NH2にクロロホーメート化合物ClCOO(CH2)n(SO2)mR2を反応させる方法またはジイソシアネート化合物OCNR1NCOに水酸基含有化合物R2(SO2)m(CH2)nOHを反応させる方法によってジウレタン化合物R2(SO2)m(CH2)nOCONH-R1-NHCOO(CH2)n(SO2)mR2を製造する。このジウレタン化合物は、多価アミン架橋性基含有アクリルゴム塩基性加硫促進剤と共に配合され、アクリルゴム組成物を形成させる。このジウレタン化合物を加硫剤とするアクリルゴム組成物は、スコーチ抑制による加硫速度の遅延を改善し、しかも加硫物の耐圧縮永久歪特性をも満足せしめる

目的

本発明の目的は、架橋性基含有アクリルゴム用の新規加硫剤として用いられるジウレタン化合物、その製造法、およびそれを加硫剤として含有し、スコーチ抑制による加硫速度の遅延を改善し、すなわち脂肪族ジアミンの有する良好な加硫速度および芳香族ジアミンの有する良好なスコーチ安定性を両立させ、しかも加硫物の加硫物性、特に耐圧縮永久歪特性をも満足せしめるアクリルゴム組成物を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

一般式R2(SO2)m(CH2)nOCONH-R1-NHCOO(CH2)n(SO2)mR2(ここで、R1はC1〜C20の直鎖状または分岐状の2価脂肪族アルキレン基、2価脂環式シクロアルキレン基または2価芳香族基であり、R2はカーバメート構造としたとき、塩基性加硫促進剤の作用で分解し、ジアミンを発生させ得る基であり、nは0、1または2であり、mは0または1である)で表わされるジウレタン化合物

請求項2

R2がC1〜C20のアルキル基アルコキシル基ハロアルキル基オレフィン基アリール基またはアラルキル基フルオレニル含有基、S含有基、Si含有基、N含有基またはP含有基である請求項1記載のジウレタン化合物。

請求項3

S含有基またはN含有基が芳香族または脂環式の複素環式基である請求項2記載のジウレタン化合物。

請求項4

式で表わされる請求項1記載のジウレタン化合物。

請求項5

式で表わされる請求項1記載のジウレタン化合物。

請求項6

式で表わされる請求項1記載のジウレタン化合物。

請求項7

一般式H2NR1NH2(ここで、R1はC1〜C20の直鎖状または分岐状構造の2価の脂肪族アルキレン基、2価の脂環式シクロアルキル基または2価芳香族基である)で表わされるジアミン化合物に、一般式ClCOO(CH2)n(SO2)mR2(ここで、R2はC1〜C20のアルキル基、アルコキシル基、ハロアルキル基、オレフィン基、アリール基またはアラルキル基、フルオレニル含有基、S含有基、Si含有基、N含有基またはP含有基であり、nは0、1または2であり、mは0または1である)で表わされるクロロホーメート化合物を反応させることを特徴とする請求項1記載のジウレタン化合物の製造法

請求項8

一般式OCNR1NCO(ここで、R1はC1〜C20の直鎖状または分岐状構造の2価の脂肪族アルキレン基、2価の脂環式シクロアルキル基または2価芳香族基である)で表わされるジイソシアネート化合物に、一般式R2(SO2)m(CH2)nOH(ここで、R2はC1〜C20のアルキル基、アルコキシル基、ハロアルキル基、オレフィン基、アリール基またはアラルキル基、フルオレニル含有基、S含有基、Si含有基、N含有基またはP含有基であり、nは0、1または2であり、mは0または1である)で表わされる水酸基含有化合物を反応させることを特徴とする請求項1記載のジウレタン化合物の製造法。

請求項9

多価アミン架橋性基含有アクリルゴム加硫剤としての請求項1記載のジウレタン化合物および塩基性加硫促進剤を含有してなるアクリルゴム組成物

請求項10

多価アミン架橋性基含有アクリルゴムがカルボキシル基含有アクリルゴムエポキシ基含有アクリルゴムまたは塩素基含有アクリルゴムである請求項9記載のアクリルゴム組成物。

請求項11

ジウレタン化合物がである請求項9記載のアクリルゴム組成物。

請求項12

ジウレタン化合物がである請求項9記載のアクリルゴム組成物。

請求項13

ジウレタン化合物がである請求項9記載のアクリルゴム組成物。

請求項14

多価アミン架橋性基含有アクリルゴム100重量部当り、加硫剤としてのジウレタン化合物が0.1〜10重量部、塩基性加硫促進剤としてのグアニジン化合物が0.1〜10重量部の割合で用いられた請求項9記載のアクリルゴム組成物。

請求項15

多価アミン架橋性基含有アクリルゴム100重量部当り、加硫剤としてのジウレタン化合物が0.1〜10重量部、塩基性加硫促進剤としての1,8-ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン-7または1,5-ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノネン-5が0.01〜1重量部の割合で用いられた請求項9記載のアクリルゴム組成物。

請求項16

多価アミン架橋性基含有アクリルゴム100重量部当り、加硫剤としてのジウレタン化合物が0.1〜10重量部、塩基性加硫促進剤としての1,8-ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン-7とシリカとの混合物が0.1〜10重量部の割合で用いられた請求項9記載のアクリルゴム組成物。

請求項17

請求項9記載のアクリルゴム組成物から型成形された加硫成形品

請求項18

請求項9記載のアクリルゴム組成物から押出成形された加硫成形品。

技術分野

0001

本発明は、新規ジウレタン化合物、その製造法およびそれを含有するアクリルゴム組成物に関する。さらに詳しくは、架橋性基含有アクリルゴム用の新規加硫剤として用いられるジウレタン化合物、その製造法およびそれを含有するアクリルゴム組成物に関する。

背景技術

0002

カルボキシル基含有アクリルゴムは、アクリルゴムの中でも特に耐熱性耐圧縮永久歪特性にすぐれ、かつ金属への非腐食性、環境への配慮などがなされた非ハロゲンアクリルゴムであるため、近年ホースシール材用途等への需要が増えている。しかしながら、加硫速度に対してスコーチタイムが短く、すなわち加硫速度を速くすればスコーチタイムが短すぎ、加硫速度を遅くすればスコーチタイムは長くなるという傾向を有している。

0003

より具体的には、加硫速度を満足し得る速さにまで高めた場合、スコーチタイムが短く、生地流れの悪化を招き、成形不良となる。加硫速度を遅くした場合には、成形時間が長くなり、コストの上昇につながる。このことは、加硫速度が速く、スコーチタイムが長いという理想からいうと、成形性に劣るということになる。

0004

アクリルゴムの加硫成形方法としては、一般に型成形(射出成形圧縮成形トランスファー成形等)と押出成形とが用いられており、現在は成形時の加硫速度とスコーチタイムとのバランスをとるために、下記2つの加硫系の流れがある。
(1)脂肪族ジアミン(加硫剤)/グアニジン(加硫促進剤)
(2)芳香族ジアミン(加硫剤)/グアニジン(加硫促進剤)

0005

主に加硫速度を優先する金型成形用途に用いられる脂肪族ジアミン加硫系は、主にスコーチタイム(t5:10分以上)を優先する押出成形用途の芳香族ジアミン加硫系よりも、加硫速度は速いがスコーチタイムが短く、一方脂肪族ジアミン加硫系よりもスコーチタイムが長い芳香族ジアミン加硫系(加硫剤としては4,4′-ジアミノジフェニルエーテル、2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニルプロパンメチレンジアニリン等が用いられる)は、加硫速度が遅いといった欠点がみられる。このように、高速加硫を可能とし、かつ非スコーチ両立することができる加硫系は未だ見出されていない。

0006

ここで、脂肪族ジアミン加硫系の加硫機構について考えてみるに、脂肪族ジアミンとしてはヘキサメチレンジアミンカーバメート(6-アミノヘキシルカルバミン酸)H3N+(CH2)6NHCOO-がカルボキシル基含有アクリルゴムや塩素基含有アクリルゴムの加硫に広く用いられており、その加硫反応はこの加硫剤化合物に熱が適用されることで、ヘキサメチレンジアミンアミノ基の保護基が100℃付近から熱分解脱炭酸してヘキサメチレンジアミンとなり、アクリルゴム中の架橋性官能基であるカルボキシル基等と反応して、加硫反応が進行するという形をとっている。このため、スコーチタイムが短い(スコーチ安定性に劣る)という欠点を有する。また、ヘキサメチレンジアミンを炭酸塩としている理由の一つは、ヘキサメチレンジアミンは吸湿性が強くかつ気化し易いため、取扱いが困難であることによる。

0007

なお、カルボキシル基含有アクリルゴムとしては、カルボキシル基含有エチレンアクリルゴム(デュポン製品ベーマックG)、特定のカルボキシル基含有アクリルゴム(電気化学工業製品電化ER)等も含まれ、これらのカルボキシル基含有アクリルゴムについてもスコーチタイムが短いという問題がみられる。

0008

なお、下記特許文献中には、加硫速度が速く、スコーチタイムも長くなるものもあるが、これらの場合には耐圧縮永久歪特性の低下を免れないものもある。
特開平11−255997号公報
特開平11−100478号公報
特開平11−140264号公報
WO 2005/103143
特開2001−181464号公報
特開2001−316554号公報
特開2003−342437号公報
特開2002−317091号公報
特開2004−269873号公報
再表2003−4563号公報

発明が解決しようとする課題

0009

本発明の目的は、架橋性基含有アクリルゴム用の新規加硫剤として用いられるジウレタン化合物、その製造法、およびそれを加硫剤として含有し、スコーチ抑制による加硫速度の遅延を改善し、すなわち脂肪族ジアミンの有する良好な加硫速度および芳香族ジアミンの有する良好なスコーチ安定性を両立させ、しかも加硫物加硫物性、特に耐圧縮永久歪特性をも満足せしめるアクリルゴム組成物を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

本発明によって、一般式
R2(SO2)m(CH2)nOCONHR1NHCOO(CH2)n(SO2)mR2
(ここで、R1はC1〜C20の直鎖状または分岐状の2価脂肪族アルキレン基、2価脂環式シクロアルキレン基または2価芳香族基であり、R2はカーバメート構造としたとき、塩基性加硫促進剤の作用で分解し、ジアミンを発生させ得る基であり、nは0、1または2であり、mは0または1である)で表わされるジウレタン化合物が提供される。

0011

かかるジウレタン化合物は、一般式H2NR1NH2で表わされるジアミン化合物に一般式 ClCOO(CH2)n(SO2)mR2で表わされるクロロホーメート化合物を反応させることにより、あるいは一般式 OCNR1NCOで表わされるジイソシアネート化合物に一般式 R2(SO2)m(CH2)nOHで表わされる水酸基含有化合物を反応させることにより製造される。

0012

このジウレタン化合物は、多価アミン架橋性基含有アクリルゴムに塩基性加硫促進剤と共に配合され、アクリルゴム組成物を形成させる。

発明の効果

0013

本発明に係るアクリルゴム組成物は、新規化合物であるジウレタン化合物および塩基性加硫促進剤よりなる加硫系を配合したアクリルゴム組成物であって、カルボキシル基含有アクリルゴムの通常の加硫剤による加硫反応が熱分解によって反応が進行するのとは異なり、ジウレタン化合物と同時に添加した塩基性加硫促進剤による分解作用で加硫反応が進行する点に特徴があり、そのため新規な加硫剤としてジウレタン化合物を用いても、塩基性加硫促進剤を併用しなければ加硫は全然進行しない。

0014

加硫剤として用いられるジウレタン化合物は、それ単独では180℃でも熱分解せず安定であるが、塩基性加硫促進剤の存在下で脱保護され、ヘキサメチレンジアミンが発生して加硫反応を進行させる。この結果、従来のジアミン加硫系では実現できなかった短時間射出成形などを可能とし、またスコーチの点で脂肪族ジアミン加硫系を使用できず、芳香族ジアミン加硫系を使用していた押出成形用途品の高速加硫(短時間加硫)、高温押出しが可能となる。なお、押出成形に要求されるスコーチタイムt5(125℃)は、10分以上でなければならないが、この点での要求も満足させる。

0015

このため、スコーチの抑制による加硫速度の遅延を改善することができ、射出成形時などに問題となっていたこの問題を解決することで、成形条件設定範囲を広げることを可能としている。また、加硫物性、特に耐圧縮永久歪特性の低下もみられない。その結果、射出成形、圧縮成形、トランスファー成形等の型成形のみならず、押出成形法にも有効に適用することができ、オイルシールガスケット、Oリング等の各種シール類、ホース、ダイヤフラムロール防振ゴム工業用ゴム部品等の加硫成形として有効に用いることができる。

発明を実施するための最良の形態

0016

新規加硫剤として用いられる、一般式
R2(SO2)m(CH2)nOCONHR1NHCOO(CH2)n(SO2)mR2
で表わされるジウレタン化合物は、次のような反応によって合成することができる。
(1) H2NR1NH2+2ClCOO(CH2)n(SO2)mR2 (クロロホーメート化合物)
(2) OCNR1NCO+2R2(SO2)m(CH2)nOH (水酸基含有化合物)

0017

ここで、R1はC1〜C20の直鎖状または分岐状構造の2価の脂肪族アルキレン基、2価の脂環式シクロアルキル基または2価の芳香族基である。2価の脂肪族アルキレン基としては、例えば-(CH2)l- (l=2〜20)、-CH2C(CH3)2CH2-等が挙げられ、2価の脂環式シクロアルキル基としては、例えば

等が挙げられ、2価芳香族基としては例えば



等が挙げられるが、好ましくはC4〜C10の直鎖状アルキレン基が用いられる。

0018

またR2は、カーバメート構造としたとき、塩基性加硫促進剤の作用で分解し、ジアミンを発生させ得る基であり、具体例にはC1〜C20のアルキル基アルコキシル基ハロアルキル基オレフィン基アリール基またはアラルキル基フルオレニル含有基、S含有基、Si含有基、N含有基またはP含有基であり、S含有基またはN含有基は芳香族または脂環式の複素環式基であり得る。

0019

具体的なR2基としては、例えばメチル基エチル基プロピル基イソプロピル基ジイソプロピルメチル基、第3ブチル基、第3アミル基シクロブチル基、シクロヘキシル基シクロヘプチル基、シクロプロピルメチル基等の鎖状または脂環状のアルキル基、メトキシエトキシプロポキシブトキシフェノキシ、4-メチルフェノキシ等のアルコキシル基、2,2,2-トリクロロエチル基、1,1-ジメチル-2-ブロモエチル基、1,1-ジメチル-2,2-ジブロモエチル基、1,1-ジメチル-2,2,2-トリクロロエチル基等のハロアルキル基、ビニル基アリル基、1-イソプロピルアリル基、シンナミル基、4-ニトロシンナミル基等のオレフィン基、フェニル基、m-ニトロフェニル基、o-ニトロフェニル基、3,4-ジメトキシ-6-ニトロベンジル基、フェニル(o-ニトロフェニル)メチル基、ベンジル基、p-メトキシベンジル基、3,5-ジメトキシベンジル基、p-デシルオキベンジル基、p-ニトロベンジル基、p-ブロモベンジル基、p-クロロベンジル基、p-シアノベンジル基、2,4-ジクロロベンジル基、m-クロロ-p-エトキシベンジル基、4-メチルスルホニルベンジル基、2-フェニルエチル基ジフェニルエチル基、1-メチル-1-(4-ビフェニニル)エチル基、1-(3,5-ジ第3ブチルフェニル)-1-メチルエチル基、9-アントレニルメチル基等のアリール基またはアラルキル基、9-フルオレニルメチル基、9-(2-スルホ)フルオレニルメチル基、9-(2,7-ジブロモ)フルオレニルメチル基等のフルオレニル含有基、2-メチルチオエチル基、2-メチルスルホニルエチル基、2-(p-トルエンスルホニル)エチル基、4-メチルチオフェニル基、2,4-ジメチルチオフェニル基、〔2-(1,3-ジチアニル)〕メチル基、メチルジチオ基、エチルジチオ基、イソプロピルジチオ基、第3ブチルジチオ基、フェニルジチオ基、2-メチルスルホニルエチル基、2,7-ジ第3ブチル-〔9-(10,10-ジオキソ-10,10,10,10-テトラヒドロチオアニル〕メチル基等のS含有基、2-トリメチルシリルエチル基等のSi含有基、1,1-ジメチル-2-シアノエチル基、2-(2′-ピリジル)エチル基、2-(4′-ピリジル)エチル基、ジメチル-2-シアノエチル基、5-ベンゾイルオキサイル基、2-(N,N-ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチル基等のN含有基、2-ホスホニオエチル基、2-トリフェニルホスホニオイソプロピル基、2-(トリフェニルホスホニオ)エチル基等のP含有基等が用いられ、これらの内、9-フルオレニルメチル基、9-(2-スルホ)フルオレニルメチル基、9-(2,7-ジブロモ)フルオレニルメチル基、2-(p-トルエンスルホニル)エチル基、〔2-(1,3-ジチアニル)メチル〕基が好ましく、さらに好ましくは9-フルオレニルメチル基、2-(p-トルエンスルホニル)エチル基、〔2-(1,3-ジチアニル)メチル〕基が用いられる。

0020

ジウレタン化合物を製造するための前記(1)の製造法にあっては、湯浴溶融しておいたヘキサメチレンジアミン等のジアミン化合物、1,4-ジオキサンおよび中和剤としての炭酸ナトリウム水溶液の混合物を約0〜2℃に冷却し、そこにジアミン化合物に対して化学量論的には2倍以上モルとなるクロロホーメート化合物の1,4-ジオキサン溶液反応器中の温度が5℃を超えないような滴下速度滴下し、滴下終了後数時間程度室温条件下攪拌した後、反応混合物に水を加え、析出した固体をろ別することにより、それの製造が行われる。

0021

また、前記(2)の製造法にあっては、水酸基含有化合物およびジイソシアネート化合物を、トルエン、ジオキサン等の有機溶媒中で約75〜110℃で攪拌しながら反応させた後冷却し、不溶部をろ別することにより、それの製造が行われる。

0022

得られたジウレタン化合物は、多価アミン架橋性基含有アクリルゴムに塩基性加硫促進剤と共に配合され、アクリルゴム組成物を形成させる。多価アミン架橋性基含有アクリルゴムとしては、カルボキシル基含有アクリルゴム、エポキシ基含有アクリルゴム、塩素基含有アクリルゴム等の多価アミンを加硫剤とするアクリルゴムが用いられるが、好ましくは脂肪族ジアミン加硫タイプカルボキシル基含有アクリルゴムが用いられる。

0023

カルボキシル基含有アクリルゴムとしては、炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレートおよび炭素数2〜8のアルコキシアルキル基を有するアルコキシアルキルアクリレート少くとも1種類とカルボキシル基含有不飽和化合物とを共重合させたものが用いられる。

0024

アルキルアクリレートとしては、例えばメチルアクリレートエチルアクリレートプロピルアクリレート、イソプロピルアクリレートn-ブチルアクリレートn-ヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-オクチルアクリレートおよびこれらに対応するメタクリレートが用いられる。一般的に、アルキル基の鎖長が長くなると耐寒性の点では有利となるが、耐油性では不利となり、鎖長が短いとその逆の傾向がみられ、耐油性、耐寒性のバランス上からはエチルアクリレート、n-ブチルアクリレートが好んで用いられる。

0025

また、アルコキシアルキルアクリレートとしては、例えばメトキシメチルアクリレートメトキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、n-ブトキシエチルアクリレート、エトキシプロピルアクリレート等が用いられ、好ましくは2-メトキシエチルアクリレート、2-エトキシエチルアクリレートが用いられる。アルコキシアルキルアクリレートとアルキルアクリレートとは、それぞれ単独でも用いられるが、好ましくは前者が60〜0重量%、また後者が40〜100重量%の割合で用いられ、アルコキシアルキルアクリレートを共重合させた場合には耐油性と耐寒性のバランスが良好となり、ただしこれよりも多い割合で共重合させると常態物性と耐熱性が低下する傾向がみられるようになる。

0026

カルボキシル基含有不飽和化合物としては、マレイン酸またはフマル酸のメチル、エチルプロピル、イソプロピル、n-ブチルイソブチル等のモノアルキルエステルイタコン酸またはシトラコン酸のメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル等のモノアルキルエステル等が挙げられ、好ましくはマレイン酸モノn-ブチルエステルフマル酸モノエチルエステル、フマル酸モノn-ブチルエステルが用いられる。これら以外にも、アクリル酸メタクリル酸等の不飽和モノカルボン酸も用いられる。これらのカルボキシル基含有不飽和化合物は、カルボキシル基含有アクリルエラストマー中約0.5〜10重量%、好ましくは約1〜7重量%を占めるような共重合割合で用いられ、これよりも少ない共重合割合では加硫が不十分となって圧縮永久歪値が悪化し、一方これよりも共重合割合を多くするとスコーチし易くなる。なお、共重合反応は、重合転化率が90%以上となるように行われるので、仕込み単量体重量比がほぼ生成共重合体共重合組成重量比となる。

0028

さらに、必要に応じて、混練加工性押出加工性などを改善する目的で、側鎖にグリコール残基を有する多官能性(メタ)アクリレートまたはオリゴマー、例えばエチレングリコールプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール等のアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールテトラエチレングリコールトリプロピレングリコールポリプロピレングリコール等のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジアクリレートジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、グリセリンメタクリレートアクリレート、3-アクリロイルオキシグリセリンモノメタクリレート等をさらに共重合して用いることもできる。

0029

エポキシ基含有ゴムとしては、カルボキシル基含有アクリルゴム中のカルボキシル基含有不飽和化合物の代りに、エポキシ基含有不飽和化合物、例えばビニルグリシジルエーテルアリルグリシジルエーテルグリシジルアクリレートグリシジルメタクリレート等を、エポキシ基含有アクリルエラストマー中約0.5〜10重量%、好ましくは約1〜5重量%を占めるような共重合割合で共重合させたものが用いられる。

0030

また、塩素基含有アクリルゴムとしては、カルボキシル基含有アクリルゴム中のカルボキシル基含有不飽和化合物の代りに、塩素基含有不飽和化合物、例えばクロロエチルビニルエーテル、クロロエチルアクリレート、ビニルベンジルクロライド、ビニルクロロアセテート、アリルクロロアセテート等を、塩素基含有アクリルゴム中約0.1〜15重量%、好ましくは約0.3〜5重量%を占めるような共重合割合で共重合させたものが用いられる。これらの塩素基含有不飽和化合物の内、ビニルクロロアセテート等を共重合させたものは、活性塩素基含有アクリルゴムを形成させる。

0031

これらの多価アミン架橋性基含有アクリルエラストマー100重量部当り、加硫剤としてのジウレタン化合物が約0.1〜10重量部、好ましくは約0.5〜5重量部の割合で用いられる。この加硫剤の使用割合がこれよりも少ないと、加硫が不十分となり、引張強さ、圧縮永久歪などの点で十分な物性が得られない。一方、これよりも多い割合で用いられると、破断伸びの低下や圧縮永久歪の悪化を招くようになる。

0032

ジウレタン化合物加硫剤には、塩基性加硫促進剤が併用される。塩基性加硫促進剤としては、グアニジン化合物あるいは1,8-ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン-7、1,5-ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノネン-5等が用いられる。また、1,8-ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン-7とシリカとの混合物を用いることもでき、実際にはSafic Alcan社製品Vulcofac ACT55等が用いられる。

0033

グアニジンとしては、グアニジンまたはその置換体、例えばアミノグアニジン、1,1,3,3-テトラメチルグアニジン、n-ドデシルグアニジン、メチロールグアニジン、ジメチロールグアニジン、1-フェニルグアニジン、1,3-ジフェニルグアニジン、1,3-ジ-o-トリルグアニジントリフェニルグアニジン、1-ベンジル-2,3-ジメチルグアニジン、シアノグアニジン等が用いられ、この他1,6-グアニジノヘキサングアニル尿素ビグアニド、1-o-トリルビグアニド等も用いられる。

0034

塩基性加硫促進剤としてのグアニジンは、多価アミン架橋性基含有アクリルゴム100重量部当り約0.1〜10重量部、好ましくは約0.3〜6重量部の割合で用いられ、前記ジアザ化合物は約0.01〜1重量部、好ましくは約0.03〜0.5重量部の割合で用いられる。また、1,8-ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン-7とシリカとの混合物は、多価アミン架橋性基含有アクリルゴム100重量部当り約0.1〜10重量部、好ましくは約0.2〜5重量部の割合で用いられる。塩基性加硫促進剤の添加割合がこれも少ないと、ジウレタン化合物加硫剤を用いても加硫が進行せず、一方これ以上の割合で用いられる、スコーチが短くなり好ましくない。

0035

このような新たな加硫系を用いた加硫反応について検討する。本発明のジウレタン化合物は、従来用いられていたヘキサメチレンジアミンカーバメートの脱保護反応が進行する温度である100℃では分解されず、塩基性加硫促進剤の作用によって分解する。

0036

より具体的には、アルキレンジアミン化合物、好ましくはH2N(CH2)nNH2(n=4〜6)、特に好ましくはn=6のヘキサメチレンジアミンに9-フルオレニルメチルクロロホーメートを反応させ、ヘキサメチレンジアミンのアミノ基を9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基〔Fmoc〕で保護した誘導体を加硫剤〔HMDA-Fmoc〕として単独で用いた場合、ヘキサメチレンジアミンカーバメートの脱炭酸温度では加硫が進行せず、塩基性加硫促進剤の作用によって加硫は進行し、ヘキサメチレンジアミンを発生させる。したがって、塩基性加硫促進剤の配合量を適宜調節することにより、所望の加硫物物性を維持したまま、高速加硫、耐スコーチ性を実現させることが可能となる。

0037

その反応機構は、次式の如くであると考えられる。

0038

また、〔2-(1,3-ジチアニル)メチル〕基でジ置換されたジウレタン化合物〔HMDA-Dmoc〕の反応機構は、次式の如くであると考えられる。

0039

アクリルゴム組成物の調製は、カルボキシル基含有アクリルゴムおよびゴム配合剤等として一般に用いられているカーボンブラック、シリカ等の無機充填剤滑剤老化防止剤、その他必要な配合剤をバンバリーミキサ等の密閉型混練機混練した後、加硫剤および加硫促進剤を加え、オープンロールを用いて混合することにより行われる。調製されたアクリルゴム組成物は、一般に約150〜200℃、約1〜60分間のプレス加硫によって加硫され、必要に応じて約150〜200℃、約1〜10時間のオーブン加硫が行われる。

0040

次に、実施例について本発明を説明する。

0041

実施例1
温度計滴下ロートおよび攪拌機を備えた内容量500mlの四口フラスコ中に、予め50℃の湯浴で溶融しておいたヘキサメチレンジアミン(和光薬製品)5.42g(46.6ミリモル)、1,4-ジオキサン(東京化成製品)160mlおよび10重量%炭酸ナトリウム(和光純薬製品)水溶液124mlをこの順序で仕込み、0℃迄冷却した。

0042

9-フルオレニルメチルクロロホーメート(アルドリッチ製品)
ClCOOCH2-R (R:9-フルオレニル基)
24.8g(93.2ミリモル)を1,4-ジオキサン120mlに溶解させた溶液を、滴下ロートから反応器中の温度が5℃を超えないような滴下速度で滴下し、滴下終了後室温条件下で6時間攪拌した。反応終了後、反応混合物に水200mlを加え、析出した固体をろ別した。

0043

析出した固体を、減圧下に45℃で12時間乾燥し、白色の粉末状固体〔HMDA-Fmoc〕を25.3g(収率96.7%)得た。

0044

得られた固体は、1H NMRおよびFT-IRを用いて構造を同定した。

1H NMR:(a)4.2ppm (t 2H)
(b)4.4ppm (d 4H)
(c)3.2ppm (q 4H)
(d)1.5ppm (m 4H)
(e)1.3ppm (m 4H)
Aromatic H:7.2-7.8ppm (m 16H)
FT-IR:3335cm-1:第2級アミンのN-H伸縮振動
1686cm-1:ウレタン結合由来のC=O伸縮振動

0045

実施例2
温度計、環流冷却管および攪拌機を備えた内容量200mlの三口フラスコ中に、2-(p-トルエンスルホニル)エタノールHOCH2CH2SO2(p-C6H4)CH3 11.91g(59.7ミリモル)、ヘキサメチレンジイソシアネート5.00g(29.4ミリモル)およびトルエン100mlを仕込み、反応器を80℃に加温し、8時間攪拌した。

0046

反応終了後冷却し、不溶部をろ別し、減圧下に45℃で12時間乾燥し、白色の粉末状固体〔HMDA-Tsec〕を14.6g(収率86.5%)得た。

0047

得られた固体は、1H NMRおよびFT-IRを用いて構造を同定した。

1H NMR:(a)2.45ppm (s 6H)
(b),(c)7.2-7.8ppm (m 8H)
(d)3.4ppm (t 4H)
(e)4.4ppm (t 4H)
(f)3.1ppm (q 4H)
(g)1.6ppm (m 4H)
(h)1.3ppm (m 4H)
FT-IR:3339cm-1:第2級アミンのN-H伸縮振動
1693cm-1:ウレタン結合由来のC=O伸縮振動
1322,1142cm-1:スルホン結合(-SO2-)

0048

実施例3
(1)内容量5Lの丸底フラスコ中に、第3ブチルメチルエーテル2Lおよび既知の方法により合成した2-(エトキシカルボニル)-1,3-ジチアン粗生成物253.3g(1.2モル)を仕込み、さらにNaBH4 148.2g(3.9モル)を仕込んだ。この丸底フラスコに滴下ロートを取り付け、ここにメタノール650mlを仕込み、室温条件下で3時間以上かけて滴下を行い、滴下終了後40〜45℃で5時間攪拌した。

0049

反応終了後、室温迄冷却し、次いで容量が約半分になる迄濃縮した後、1N塩酸を加えたものについて、酢酸エチル800mlを用いて3回抽出操作を行い、有機層ブライン洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。それを減圧下で蒸留した後、不溶部をろ別することにより、目的とする前駆体である1,3-ジチオニル-2-メタノール142g(収率78.8%)を得た。
1H NMR:

(a)2.0ppm (m 2H)
(b)2.8ppm (m 4H)
(c)3.9ppm (t 1H)
(d)3.8ppm (d 2H)
(e)3.0ppm (br 1H)

0050

(2)環流冷却管を備えた内容量5Lの丸底フラスコ中に、トリエチルアミン67.4g、1,3-ジチオニル-2-メタノール100g(0.67モル)、1,6-ジイソシアネートヘキサン53.3g(0.35モル)および1,4-ジオキサン1.8Lを仕込み、100℃で4時間環流させた。反応終了後、約200mlになる迄反応混合物を濃縮し、これにエタノール800mlを加え、さらに還流した。反応混合物を室温迄冷却した後、析出固体をろ別し、フラッシュクロマトグラフィーおよびエタノールでの再結晶による精製を行うことで、目的とする化合物〔HMDA-Dmoc〕107g(収率65%)を得た。
1H NMR:

(a)2.0ppm (m 4H)
(b)2.8ppm (m 8H)
(c)4.1ppm (t 2H)
(d)4.4ppm (d 4H)
(e)4.9ppm (br 2H)
(f)3.2ppm (m 4H)
(g)1.5ppm (m 4H)
(h)1.3ppm (m 4H)

0051

実施例4

0052

以上の各成分の内、加硫剤および加硫促進剤を除く各成分をバンバリーミキサで混練した後、オープンロールを用いて加硫剤および加硫促進剤の添加が行われた。このようにして調製されたアクリルゴム組成物は、180℃で8分間のプレス加硫および175℃、4時間のオーブン加硫によって加硫された。

0053

アクリルゴム組成物である生地の加硫特性および加硫物物性の測定が、次のようにして行われた。
ムーニー・スコーチ試験:JIS K6300-1準拠(125℃)
MLminは、t5の値(単位:分)は長い程成形時の生地ヤケ
の懸念が少なく、ヤケに起因する不良が少ない
一般には、t5の値が10分以上であれば、射出成形、圧縮
成形、押出成形でのヤケに起因する不良が少なくなる
加硫試験:JIS K6300-2準拠(180℃、12分間)
東洋精機製ロータレスレオメーターRLR-3使用
加硫速度の評価は、加硫試験のtc10、tc90およびME(MH-ML)で判断
でき、tc10およびtc90が短くかつMEが大きい程加硫速度は速い
常態値:JIS K6251、JIS K6253準拠
圧縮永久歪:JIS K6262準拠(150℃または175℃、70時間)

0054

実施例5
実施例4において、1,3-ジ-o-トリルグアニジン量が1重量部に変更された。

0055

実施例6
実施例4において、1,3-ジ-o-トリルグアニジン量が2重量部に変更された。

0056

実施例7
実施例6において、HMDA-Fmocの代りに、1.75重量部のHMDA-Tsecが用いられた。

0057

実施例8
実施例7において、1,3-ジ-o-トリルグアニジン量が4重量部に変更された。

0058

実施例9
実施例4において、1,3-ジ-o-トリルグアニジンの代りに、1,8-ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン-7とシリカとの混合物(Safic Alcan社製Vulcofac ACT55)が1重量部用いられた。

0059

実施例10
実施例4において、1,3-ジ-o-トリルグアニジンの代りに、1,8-ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン-7が0.2重量部用いられた。

0060

実施例11
実施例4において、次の各成分が用いられた。

0061

実施例12
実施例4において、次の各成分が用いられた。

0062

実施例13
実施例12において、エポキシ基含有アクリルゴムの代りに、同量の活性塩素基含有アクリルゴム(ユニマテック製品ノックスタイトPA-402K)が用いられた。

0063

実施例14
実施例12において、エポキシ基含有アクリルゴムの代りに、同量の塩素基含有アクリルゴム(ユニマテック製品ノックスタイトPA-212)が用いられ、HMDA-Fmoc量が2.25重量部に変更された。

0064

比較例1
実施例6において、HMDA-Fmocの代りに、0.5重量部のヘキサメチレンジアミンカーバメート(ユニマテック製品ケミノックスAC-6)が用いられた。

0065

比較例2
実施例6において、HMDA-Fmocの代りに、0.5重量部の4,4-ジアミノジフェニルエーテルが用いられた。

0066

比較例3
比較例1において、1,3-ジ-o-トリルグアニジンが用いられなかった。

0067

比較例4
実施例4において、1,3-ジ-o-トリルグアニジンが用いられなかった。

0068

比較例5
実施例7において、1,3-ジ-o-トリルグアニジンが用いられなかった。

0069

比較例6
実施例9において、HMDA-Fmocの代りに、0.5重量部のヘキサメチレンジアミンカーバメート(ケミノックスAC-6)が用いられた。

0070

比較例7
実施例10において、HMDA-Fmocの代りに、0.5重量部のヘキサメチレンジアミンカーバメート(ケミノックスAC-6)が用いられた。

0071

比較例8
実施例11において、HMDA-Fmocの代りに、1.25重量部のヘキサメチレンジアミンカーバメート(ケミノックスAC-6)が用いられた。

0072

以上の各実施例および比較例で得られた結果は、次の表1(実施例)および表2(比較例)に示される。

0073

実施例15

以上の各成分を用い、実施例4と同様にアクリルゴム組成物の調製および加硫が行われた。

0074

アクリルゴム組成物である生地の加硫特性および加硫物物性の測定が実施例4と同様に行われた。

0075

実施例16
実施例15において、1,3-ジ-o-トリルグアニジン量が4重量部に変更された。

0076

比較例9
実施例15において、1,3-ジ-o-トリルグアニジンが用いられなかった。

0077

以上の実施例15〜16および比較例9で得られた結果は、次の表3に示される。

0078

表3の結果から、次のようなことがいえる。
(1)比較例9では、180℃でレオメーターの測定を行ったが加硫トルクは上がらず、加硫は進行しなかった。このことから、実施例3(2)で得られた生成物は180℃では熱分解しないことが分かる。
(2)また、実施例15〜16は、1,3-ジ-o-トリルグアニジンのような塩基性化合物が存在する場合、ビスカーバメート構造が分解し、ヘキサメチレンジアミンが発生することを証明している。

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