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技術 発光素子

出願人 パナソニック株式会社
発明者 谷口麗子小野雅行那須昌吾佐藤栄一島村隆之小田桐優
出願日 2008年12月3日 (10年10ヶ月経過) 出願番号 2009-544575
公開日 2011年4月21日 (8年6ヶ月経過) 公開番号 WO2009-072278
状態 特許登録済
技術分野 エレクトロルミネッセンス光源 発光性組成物 ナノ構造物
主要キーワード ブラシ状電極 金属材料粒子 電荷供給層 多元化合物 イオンバリア層 Feナノ粒子 導電性ナノ粒子 非導電性ポリマー
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題・解決手段

発光素子は、少なくとも一方が透明又は半透明である一対の電極と、前記一対の電極間に配置された発光層と、を備え、前記発光層は発光体粒子が分散されて構成されており、前記発光層と前記電極のうち一方の電極との界面に導電性ナノ粒子が介在している。また、発光素子は、少なくとも一方が透明又は半透明である一対の電極と、前記一対の電極間に配置された発光層と、を備え、前記発光層は、発光体粒子が分散されて構成されており、前記一対の電極の少なくとも一方の電極は、前記発光層に向かって突出するブラシ状電極が形成されている。前記ブラシ状電極は、正極側の電極に設けられていてもよい。正極側の電極に設けられた前記ブラシ状電極の仕事関数は、4.5eV以上であることが好ましい。

概要

背景

近年、軽量・薄型面発光型素子としてエレクトロルミネセンス素子(以下、EL素子という)が注目されている。EL素子は大別すると、有機材料からなる蛍光体直流電圧印加し、電子ホール再結合させて発光させる有機EL素子と、無機材料からなる蛍光体に交流電圧を印加し、およそ106V/cmもの高電界加速された電子を無機蛍光体発光中心衝突させて励起させ、その緩和過程で無機蛍光体を発光させる無機EL素子がある。

この無機EL素子には、無機蛍光体粒子高分子有機材料からなるバインダ中に分散させ発光層とする分散型EL素子と、厚さが1μm程度の薄膜発光層の両側あるいは片側に絶縁層を設けた薄膜型EL素子とがある。これらのうち分散型EL素子は、消費電力が少なく、しかも製造が簡単なため製造コストが安くなる利点があるとして注目されている。

分散型EL素子と呼ばれているEL素子100について図9を用いて説明する。従来のEL素子は層状の構造であり、基板側から順に、基板101、第1電極102、発光層103、絶縁体層104、第2電極105からなる。発光層103はZnS:Mn等の無機蛍光体粒子を有機バインダに分散させた構成をしており、絶縁体層104はBaTiO3などの強誘電体を有機バインダにて分散させた構成をしている。第1電極102と第2電極105の間には交流電源106が設置されており、交流電源106から第1電極102、第2電極間105へ電圧を印加することでEL素子100は発光する。

分散型EL素子の構造において発光層は分散型EL素子の輝度と効率を決定付ける層であるが、この発光層の無機蛍光体粒子には、粒径15〜35μmの大きさのものが用いられている。また、分散型EL素子の発光層の発光色は発光層に用いられる無機蛍光体粒子によって決まり、例えば無機蛍光体粒子にZnS:Mnを用いた場合には橙色の発光を示し、例えば無機蛍光体粒子にZnS:Cuを用いた場合には青緑色の発光を示す。

しかしながら、EL素子に用いられる発光体は、発光輝度が低く、また、寿命が短いという問題があった。
発光輝度を上昇させる方法として、発光層への印加電圧を上げる方法が考えられる。この場合、発光体の光の出力の半減期が印加電圧に比例して減少してしまうという課題がある。一方、半減期を長くする、つまり寿命を長くする方法として、発光層への印加電圧を下げる方法が考えられるが、発光輝度が低下してしまうという課題がある。このように、発光輝度と半減期は、発光層への印加電圧の増減によって一方を改善しようとするともう一方が悪化する関係にある。したがって、発光輝度か半減期の何れかを選択しなければならなくなる。なお、本明細書における半減期とは、発光体の光出力が元の輝度の半分の出力に減少するまでの時間である。

そこで、高効率、長寿命で発光する電界発光素子が提案されている。(例えば、特許文献1参照。)。これは、背面電極間と透明電極間に発光層、誘電体層電荷供給層が介在し、電荷供給層は、針状物質を有しており、更に電荷供給層が、発光層の両面に接していることを特徴としている。そして、針状物質は、カーボンナノチューブであることを特徴としている。この方法によれば、針状物質を用いることにより、高効率にホットエレクトロン蛍光体薄膜に供給できるため、長寿命、高効率が可能となるとしている。

特開2006−120328号公報

概要

発光素子は、少なくとも一方が透明又は半透明である一対の電極と、前記一対の電極間に配置された発光層と、を備え、前記発光層は発光体粒子が分散されて構成されており、前記発光層と前記電極のうち一方の電極との界面に導電性ナノ粒子が介在している。また、発光素子は、少なくとも一方が透明又は半透明である一対の電極と、前記一対の電極間に配置された発光層と、を備え、前記発光層は、発光体粒子が分散されて構成されており、前記一対の電極の少なくとも一方の電極は、前記発光層に向かって突出するブラシ状電極が形成されている。前記ブラシ状電極は、正極側の電極に設けられていてもよい。正極側の電極に設けられた前記ブラシ状電極の仕事関数は、4.5eV以上であることが好ましい。

目的

本発明の目的は、以上の課題を解決し、直流低電圧で駆動し、発光輝度が高く、寿命が長い発光素子を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

少なくとも一方が透明又は半透明である一対の電極と、前記一対の電極間に配置された発光層と、を備え、前記発光層は発光体粒子が分散されて構成されており、前記発光層と、前記電極のうち一方の電極との界面に導電性ナノ粒子が介在していることを特徴とする発光素子

請求項2

前記電極の一方の電極界面には導電性ナノ粒子が担持されていることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。

請求項3

前記電極のうち正極側の電極に導電性ナノ粒子が担持されていることを特徴とする請求項2に記載の発光素子。

請求項4

前記正極側の電極界面に担持された前記導電性ナノ粒子は、仕事関数が4.5eV以上であることを特徴とする請求項3に記載の発光素子。

請求項5

前記電極のうち負極側の電極に導電性ナノ粒子が担持されていることを特徴とする請求項2に記載の発光素子。

請求項6

前記負極側の電極界面に担持された前記導電性ナノ粒子は、仕事関数が3.5eV未満であることを特徴とする請求項5に記載の発光素子。

請求項7

少なくとも一方が透明又は半透明である一対の電極と、前記一対の電極間に配置された発光層と、を備え、前記発光層は、発光体粒子が分散されて構成されており、前記一対の電極の少なくとも一方の電極は、前記発光層に向かって突出するブラシ状電極が形成されていることを特徴とする発光素子。

請求項8

前記ブラシ状電極は、正極側の電極に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。

請求項9

正極側の電極に設けられた前記ブラシ状電極の仕事関数は、4.5eV以上であることを特徴とする請求項2に記載の発光素子。

請求項10

前記ブラシ状電極は、長さが0.01μm〜5μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。

請求項11

前記ブラシ状電極は、前記電極上に導電性ナノ粒子が担持されて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。

請求項12

前記導電性ナノ粒子は、Ag、Au、Pt、Ni、Cuからなる群から選ばれる少なくとも一の金属微粒子を含むことを特徴とする請求項1から6、11のいずれか一項に記載の発光素子。

請求項13

前記導電性ナノ粒子は、酸化インジウムスズ、ZnO、InZnOからなる群から選ばれる少なくとも一の酸化物微粒子を含むことを特徴とする請求項1から6、11のいずれか一項に記載の発光素子。

請求項14

前記導電性ナノ粒子は、フラーレンカーボンナノチューブの群から選ばれる少なくとも一の炭素物質微粒子を含むことを特徴とする請求項1から6、11のいずれか一項に記載の発光素子。

請求項15

前記導電性ナノ粒子の平均粒子径は、1〜200nmの範囲内にあることを特徴とする請求項1から6、11のいずれか一項に記載の発光素子。

請求項16

前記発光層は、正孔輸送材料媒体として、複数の発光体粒子が分散されて構成されていることを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載の発光素子。

請求項17

前記発光層は、有機バインダを媒体として、正孔輸送材料と、複数の発光体粒子が分散されていることを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載の発光素子。

請求項18

前記発光層は、有機バインダを媒体として、表面を正孔輸送材料で覆った発光体粒子が分散されていることを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載の発光素子。

請求項19

前記正孔輸送材料は、有機物からなる有機正孔輸送材料を含むことを特徴とする請求項16から18のいずれか一項に記載の発光素子。

請求項20

前記有機正孔輸送材料は、下記の化学式1及び化学式2の構成要素を含有することを特徴とする請求項19に記載の発光素子。

請求項21

前記有機正孔輸送材料は、さらに下記の化学式3、化学式4、化学式5からなる群の少なくとも一つの構成要素を含むことを特徴とする請求項20に記載の発光素子。

請求項22

前記正孔輸送材料は、無機物からなる無機正孔輸送材料を含むことを特徴とする請求項16から18のいずれか一項に記載の発光素子。

請求項23

前記発光体粒子は、第13族−第15族化合物半導体からなる粒子を含むことを特徴とする請求項1から22のいずれか一項に記載の発光素子。

請求項24

前記発光体粒子は、Ga、Al、Inのうち少なくとも一種類の元素を含む窒化物半導体粒子であることを特徴とする請求項23に記載の発光素子。

請求項25

前記発光体粒子は、粒子の平均粒径が0.1μm〜1000μmの範囲にあることを特徴とする請求項23に記載の発光素子。

請求項26

前記発光体粒子は、窒化物硫化物セレン化物酸化物からなる発光材料から選択されることを特徴とする請求項1から25のいずれか一項に記載の発光素子。

技術分野

0001

本願は、日本国に2007年12月5日に出願した特願2007−314273号の日本特許出願と、日本国に2008年2月5日に出願した特願2008−24849号の日本特許出願と、を優先権主張の基礎とするものであり、これらの日本特許出願の内容は、本願明細書の一部をなすものとしてここに挙げておく。

0002

本発明は、エレクトロルミネセンス発光素子に関する。

背景技術

0003

近年、軽量・薄型面発光型素子としてエレクトロルミネセンス素子(以下、EL素子という)が注目されている。EL素子は大別すると、有機材料からなる蛍光体直流電圧印加し、電子ホール再結合させて発光させる有機EL素子と、無機材料からなる蛍光体に交流電圧を印加し、およそ106V/cmもの高電界加速された電子を無機蛍光体発光中心衝突させて励起させ、その緩和過程で無機蛍光体を発光させる無機EL素子がある。

0004

この無機EL素子には、無機蛍光体粒子高分子有機材料からなるバインダ中に分散させ発光層とする分散型EL素子と、厚さが1μm程度の薄膜発光層の両側あるいは片側に絶縁層を設けた薄膜型EL素子とがある。これらのうち分散型EL素子は、消費電力が少なく、しかも製造が簡単なため製造コストが安くなる利点があるとして注目されている。

0005

分散型EL素子と呼ばれているEL素子100について図9を用いて説明する。従来のEL素子は層状の構造であり、基板側から順に、基板101、第1電極102、発光層103、絶縁体層104、第2電極105からなる。発光層103はZnS:Mn等の無機蛍光体粒子を有機バインダに分散させた構成をしており、絶縁体層104はBaTiO3などの強誘電体を有機バインダにて分散させた構成をしている。第1電極102と第2電極105の間には交流電源106が設置されており、交流電源106から第1電極102、第2電極間105へ電圧を印加することでEL素子100は発光する。

0006

分散型EL素子の構造において発光層は分散型EL素子の輝度と効率を決定付ける層であるが、この発光層の無機蛍光体粒子には、粒径15〜35μmの大きさのものが用いられている。また、分散型EL素子の発光層の発光色は発光層に用いられる無機蛍光体粒子によって決まり、例えば無機蛍光体粒子にZnS:Mnを用いた場合には橙色の発光を示し、例えば無機蛍光体粒子にZnS:Cuを用いた場合には青緑色の発光を示す。

0007

しかしながら、EL素子に用いられる発光体は、発光輝度が低く、また、寿命が短いという問題があった。
発光輝度を上昇させる方法として、発光層への印加電圧を上げる方法が考えられる。この場合、発光体の光の出力の半減期が印加電圧に比例して減少してしまうという課題がある。一方、半減期を長くする、つまり寿命を長くする方法として、発光層への印加電圧を下げる方法が考えられるが、発光輝度が低下してしまうという課題がある。このように、発光輝度と半減期は、発光層への印加電圧の増減によって一方を改善しようとするともう一方が悪化する関係にある。したがって、発光輝度か半減期の何れかを選択しなければならなくなる。なお、本明細書における半減期とは、発光体の光出力が元の輝度の半分の出力に減少するまでの時間である。

0008

そこで、高効率、長寿命で発光する電界発光素子が提案されている。(例えば、特許文献1参照。)。これは、背面電極間と透明電極間に発光層、誘電体層電荷供給層が介在し、電荷供給層は、針状物質を有しており、更に電荷供給層が、発光層の両面に接していることを特徴としている。そして、針状物質は、カーボンナノチューブであることを特徴としている。この方法によれば、針状物質を用いることにより、高効率にホットエレクトロン蛍光体薄膜に供給できるため、長寿命、高効率が可能となるとしている。

0009

特開2006−120328号公報

発明が解決しようとする課題

0010

しかしながら、上記の構造は、電界発光型の分散型ELのため、発光させるためには交流高電圧を電極間に印加する必要がある。その結果、高電圧を印加するという時点で原理的に高効率は得られにくく、また長寿命化も難しいという課題がある。

0011

また、上記の構造において交流型発光素子のため誘電体層を設置することが必須であり、発光させるためのホットエレクトロン生成に交流の高電圧を電極間に印加する必要がある。その結果、長寿命、高効率や高輝度が得られにくいという課題がある。

0012

本発明の目的は、以上の課題を解決し、直流低電圧で駆動し、発光輝度が高く、寿命が長い発光素子を提供することである。

課題を解決するための手段

0013

上記課題は、以下の発光素子によって達成される。すなわち、本発明に係る発光素子は、少なくとも一方が透明又は半透明である一対の電極と、
前記一対の電極間に配置された発光層と、
を備え、
前記発光層は発光体粒子が分散されて構成されており、
前記発光層と前記電極のうち一方の電極との界面に導電性ナノ粒子が介在していることを特徴とする。

0014

前記電極の一方の電極界面には導電性ナノ粒子が担持されていてもよい。

0015

前記電極のうち正極側の電極に導電性ナノ粒子が担持されていてもよい。前記正極側の電極界面に担持された前記導電性ナノ粒子は、仕事関数が4.5eV以上であることが好ましい。

0016

前記電極のうち負極側の電極に導電性ナノ粒子が担持されていてもよい。前記負極側の電極界面に担持された前記導電性ナノ粒子は、仕事関数が3.5eV未満であることが好ましい。

0017

上記課題は、以下の発光素子によって達成される。すなわち、本発明に係る発光素子は、少なくとも一方が透明又は半透明である一対の電極と、
前記一対の電極間に配置された発光層と、
を備え、
前記発光層は、発光体粒子が分散されて構成されており、
前記一対の電極の少なくとも一方の電極は、前記発光層に向かって突出するブラシ状電極が形成されていることを特徴とする。

0018

前記ブラシ状電極は、正極側の電極に設けられていてもよい。正極側の電極に設けられた前記ブラシ状電極の仕事関数は、4.5eV以上であることが好ましい。

0019

前記ブラシ状電極は、長さが0.01μm〜5μmの範囲であることが好ましい。

0020

また、前記ブラシ状電極は、前記電極上に導電性ナノ粒子が担持されて形成されていてもよい。

0021

前記導電性ナノ粒子は、Ag、Au、Pt、Ni、Cuからなる群から選ばれる少なくとも一の金属微粒子を含んでもよい。また、前記導電性ナノ粒子は、酸化インジウムスズ、ZnO、InZnOからなる群から選ばれる少なくとも一の酸化物微粒子を含んでもよい。さらに、前記導電性ナノ粒子は、フラーレン、カーボンナノチューブの群から選ばれる少なくとも一の炭素物質微粒子を含んでもよい。

0022

前記導電性ナノ粒子の平均粒子径は、1〜200nmの範囲内にあることが好ましい。

0023

前記発光層は、正孔輸送材料媒体として、複数の発光体粒子が分散されて構成されていてもよい。

0024

前記発光層は、有機バインダを媒体として、正孔輸送材料と、複数の発光体粒子が分散されて構成されていてもよい。

0025

前記正孔輸送材料は、有機物からなる有機正孔輸送材料を含んでもよい。また、前記有機正孔輸送材料は、下記の化学式1及び化学式2の構成要素をさらに含有してもよい。

0026

前記有機正孔輸送材料は、さらに下記の化学式3、化学式4、化学式5からなる群の少なくとも一つの構成要素を含んでもよい。

0027

前記正孔輸送材料は、無機物からなる無機正孔輸送材料を含んでもよい。

0028

前記発光体粒子は、第13族−第15族化合物半導体からなる粒子を含んでもよい。また、前記発光体粒子は、Ga、Al、Inのうち少なくとも一種類の元素を含む窒化物半導体粒子であってもよい。前記発光体粒子は、粒子の平均粒径が0.1μm〜1000μmの範囲にあることが好ましい。前記発光体粒子は、窒化物硫化物セレン化物酸化物からなる発光材料から選択されるものであってもよい。

発明の効果

0029

本発明に係る発光素子によれば、発光層との界面である電極上に導電性ナノ粒子を担持させることで、発光層に分散された発光体粒子への正孔あるいは電子の注入性を向上させることができる。これによって、直流であって低電圧で発光させることができる。また発光輝度が高く、寿命も長い発光体を提供することが可能となる。

0030

本発明に係る発光素子によれば、電極にブラシ状電極を形成しているので、発光層に分散された発光体粒子への正孔あるいは電子の注入性を向上させることができる。これによって、直流であって、低電圧で発光させることができる。また、発光輝度が高く、長寿命で高効率の発光素子を提供することが可能となる。

図面の簡単な説明

0031

本発明の実施の形態1に係る発光素子の構成を示す概略断面図である。
本発明の実施の形態1の変形例1に係る発光素子の構成を示す概略断面図である。
本発明の実施の形態2に係る発光素子の構成を示す概略断面図である。
本発明の実施の形態2の変形例2に係る発光素子の構成を示す概略断面図である。
本発明の実施の形態3に係る発光素子の概略構成を示す側面図である。
本発明の実施の形態3の変形例1に係る発光素子の構成を示す側面図である。
本発明の実施の形態3の変形例2に係る発光素子の構成を示す側面図である。
本発明の実施の形態3の変形例3に係る発光素子の構成を示す側面図である。
従来の発光素子の構成を示す概略断面図である。

符号の説明

0032

10、20、30、40発光素子
11基板
12背面電極
13発光層
14発光体粒子
15正孔輸送材料
16透明電極
17電源
21、22ブラシ状電極
23導電性ナノ粒子、導電性ナノ粒子A
24 導電性ナノ粒子B
41有機バインダ
100 発光素子
101 基板
102 第一電極
103 発光層
104絶縁体層
105 第二電極
106 交流電源

発明を実施するための最良の形態

0033

以下、本発明の実施の形態に係る発光素子について、添付図面を用いて説明する。なお、図面において、実質的に同一の部材には同一の符号を付している。

0034

(実施の形態1)
<EL素子の概略構成>
図1は、本実施の形態1に係る発光素子10の構成を示す概略断面図である。この発光素子10は、第1の電極である背面電極12と、第2の電極である透明電極16と、上記一対の電極12、16の間に挟持された発光層13とを備える。発光層13は、発光体粒子14が正孔輸送材料15中に分散して構成されている。また、第1の電極である背面電極12と、第2の電極である透明電極16との間には直流電源17が接続されている。この発光素子10では、正極側の背面電極12の界面には導電性ナノ粒子23が担持されている。電極12、16間に電力が供給されると、背面電極12および透明電極16の間に電位差が生じ、電圧が印加される。そして、正極側の背面電極12および負極側の透明電極16から導電性ナノ粒子23と正孔輸送材料15を介して、キャリアである正孔と電子とが発光体粒子14に注入され、それらが再結合して発光する。発光は透明電極16の側から外部に取り出される。

0035

なお、上述の構成に限られず、背面電極12および透明電極16を入れ替える、電極12および電極16を両方とも透明な電極にする、または、電源を交流電源にする等、適宜変更が可能である。また、発光層13の構造は、図2に示すように、有機バインダ41の中に、発光体粒子14と正孔輸送材料15とがそれぞれ分散された構造であってもよい。

0036

以下、各構成について図1及び図2を用いて詳述する。
<基板>
図1において、基板11は、その上に形成する各層を支持できるものを用いる。具体的には、シリコン、Al2O3,AlNなどのセラミック等を用いることができる。さらに、ポリエステルポリイミド等のプラスチック基板を用いてもよい。また、基板11側から光を取り出す場合、発光体から発せられる光の波長に対し光透過性を有する材料であることが求められる。このような材料としては、例えば、コーニング1737等のガラス石英等を用いることができる。通常のガラスに含まれるアルカリイオン等が発光素子へ影響しないように、無アルカリガラスや、ガラス表面にイオンバリア層としてアルミナ等をコートしたソーダライムガラスであってもよい。これらは例示であって、基板11の材料は特にこれらに限定されるものではない。
また、基板側から光を取り出さない構成の場合は、上述の光透過性は不要であり、透光性を有していない材料も用いることができる。

0037

<電極>
電極には、背面電極12と透明電極16とがある。これらは2つの電極のうち、光を取り出す側の電極を透明電極16とし、他方を背面電極12としているものである。
光を取り出す側の透明電極16の材料は、発光層13内で生じた発光を取り出せるように光透過性を有するものであればよく、特に可視光領域において高い透過率を有することが好ましい。また、低抵抗であることが好ましく、さらには発光層13との密着性に優れていることが好ましい。またさらに、発光層13上に成膜する際に、発光層13が熱劣化等を生じないよう、低温成膜できるものがより好ましい。透明電極16の材料として、特に好適なものは、ITO(In2O3にSnO2をドープしたものであり、インジウム錫酸化物ともいう。)やInZnO、ZnO、SnO2等を主体とする金属酸化物、Pt、Au、Pd、Ag、Ni、Cu、Al、Ru、Rh、Ir等の金属薄膜、あるいはポリアニリンポリピロール、PEDOT/PSSポリチオフェンなどの導電性高分子等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。また、透明電極16の体積抵抗率は1×10−3Ω・cm以下であって、透過率は380〜780nmの波長において75%以上、さらには屈折率が、1.85〜1.95であることが望ましい。例えばITOは、その透明性を向上させ、あるいは抵抗率を低下させる目的で、スパッタリング法エレクトロンビーム蒸着法、イオンプレーティング法等の成膜方法で成膜できる。また成膜後に、抵抗率制御の目的でプラズマ処理などの表面処理を施してもよい。透明電極16の膜厚は、必要とされるシート抵抗値可視光透過率から決定される。透明電極16は、発光層13の上に直接形成しても良いが、ガラス基板上に透明導電膜からなる透明電極16を形成し、透明導電膜と発光層13とが直接接するように貼り合わせても良い。

0038

光を取り出さない側の背面電極12には、導電性を有しており、且つ基板11及び発光層13との密着性に優れたものであればよい。好適な例としては、例えばITOやInZnO、ZnO、SnO2等の金属酸化物、Pt、Au、Pd、Ag、Ni、Cu、Al、Ru、Rh、Ir、Cr、Mo、W、Ta、Nb等の金属、これらの積層構造体、あるいは、ポリアニリン、ポリピロール、PEDOT〔ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)〕/PSS(ポリスチレンスルホン酸)等の導電性高分子、あるいは導電性カーボンなどを用いることができる。

0039

背面電極12は、層内を全面覆うように構成されてもよく、また、層内に複数の電極をストライプ状に構成されてもよい。さらに、背面電極12、透明電極16は、複数の電極をストライプ状に構成し、背面電極12の各ストライプ状の電極と透明電極16のすべてのストライプ状の電極とが、それぞれねじれの位置の関係であり、かつ、背面電極12の各ストライプ状の電極を発光面に投影したものと透明電極16のすべてのストライプ状の電極を発光面に投影したものとがそれぞれ交わるように構成してもよい。この場合、背面電極12の各ストライプ状の電極、および、透明電極16の各ストライプ状の電極からそれぞれ選択した電極に電圧を印加することにより、所定位置を発光されるディスプレイを構成することが可能となる。なお、図2の構成においても同様である。

0040

<導電性ナノ粒子>
本発明の実施の形態1に係る発光素子10では、正極側の電極12界面に導電性ナノ粒子23が担持されている。さらに、実施の形態2に係る発光素子に示すように負極側の電極界面に導電性ナノ粒子24が担持されていてもよい。この発光素子に使用される導電性ナノ粒子23、24は、Ag,Au,Pt,Ni,Cuなどの金属材料粒子や、酸化インジウムスズ、ZnO,InZnOなどの酸化物粒子、カーボンナノチューブなどの炭素材料粒子などを用いることができる。導電性ナノ粒子23の形状は、粒状、球状、柱状、針状、あるいは不定形等のいずれの形状であってもよい。導電性ナノ粒子23の平均粒子径または平均長は、1nm〜200nmの範囲内にあることが好ましい。1nmより小さいと、導電性が悪くなり、発光輝度が低下する。一方、200nmより大きいと、電極間の電気的導通が大きくなるが、導電経路に含まれない発光体粒子14が多くなり、発光輝度、効率が大きく低下する。

0041

カーボンナノチューブの生成は、気相合成法プラズマ法などの方法で行われ、作製条件によって、カーボンナノチューブの電気特性や直径、長さなどを任意に変化させることが可能である。カーボンナノチューブは、正極側の電極界面に担持する場合は、p型を使用することが好ましい。負極側の電極界面に担持する場合はn型を使用することが好ましい。p型は、カーボンナノチューブにリンなどの5族元素を添加することで得られる。一方、n型は、窒素などの3族元素を添加することで得られる。

0042

<発光層>
発光層13は、正孔輸送材料15を媒体として、発光体粒子14が分散して構成されている(図1図3)。なお、この例に限られず、発光層13は、有機バインダ41中に発光体粒子14と、正孔輸送材料15とがそれぞれ分散して構成されていてもよい(図2図4)。

0043

<発光体粒子>
発光体粒子14としては、光学バンドギャップが可視光の大きさを有する材料であれば、いずれも使用できる。具体的には第13族−第15族化合物半導体であるAlN、GaN、InN、AlP、GaPInP、AlAs、GaAs、AlSb等を用いることができる。特に、GaNに代表される第13族窒化物半導体が好ましい。また、これらの混晶(例えばGaInN等)であってもよい。さらに、伝導性を制御するために、Si、Ge、Sn、C、Be、Zn、Mg、Ge、Mnからなる群より選択される1又は複数種の元素をドーパントとして含んでいてもよい。

0044

また、InGaN,AlGaNなどの窒化物やZnSeやZnS、更にZnS、ZnSe,GaP、CdSe、CdTe、SrS、CaS、ZnOを母体とし、母体のまま使用するか、あるいは添加剤として,Ag、Al、Ga、Cu、Mn、Cl、Tb,Liから一種以上選択される元素を添加した発光体粒子を用いることができる。また、ZnSSeのような多元化合物チオガレート系蛍光体も使用できる。

0045

またさらに、発光体粒子14内において、上記複数の組成層状構造偏析構造をなしていてもよい。発光体粒子14の粒径は0.1μm〜1000μmの範囲内であればよく、0.5μm〜500μmの範囲内がより好ましい。

0046

<正孔輸送材料>
次に、発光体粒子14を分散させる媒体として、若しくは有機バインダ41中に発光体粒子14とともに分散させる正孔輸送材料15について説明する。正孔輸送材料15としては、有機正孔輸送材料と、無機正孔輸送材料とがある。正孔輸送材料15にはホール移動度の高い材料が好ましい。

0047

<有機正孔輸送材料>
この有機正孔輸送材料としては、下記の化学式6及び化学式7の構成要素を含むことが好ましい。

0048

有機正孔輸送材料が上記の化学式6及び化学式7の構成要素を含むことによる効果は、発光体粒子14に対して効率よく正孔を注入することであると考えられる。

0049

さらに、この有機正孔輸送材料としては、下記の化学式8、化学式9、化学式10のいずれかを構成要素として含んでもよい。

0050

また、有機正孔輸送材料としては、大きく分けて、低分子系材料と高分子系材料とがある。正孔輸送性を備える低分子系材料としては、N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−N,N'−ジフェニルベンジジンTPD)、N,N'−ビス(α−ナフチル)−N,N'−ジフェニルベンジジン(NPD)等、Tangらの用いたジアミン誘導体、特に日本国特許第2037475号に開示されたQ1−G−Q2構造のジアミン誘導体等が挙げられる。なお、Q1及びQ2は、別個窒素原子及び少なくとも3個の炭素鎖(それらの少なくとも1個は芳香族のもの)を有する基である。Gは、シクロアルキレン基アリーレン基アルキレン基又は炭素−炭素結合からなる連結基である。また、これらの構造単位を含む多量体オリゴマー)であってもよい。これらにはスピロ構造デンドリマー構造を持つものが挙げられる。またさらに、非導電性ポリマーに低分子系の正孔輸送材料を分子分散させた形態も同様に可能である。分子分散系での具体例としては、TPDをポリカーボネート中高濃度で分子分散させた例があり、そのホール移動度は10−4から10−5cm2/Vs程度である。

0051

一方、正孔輸送性を備える高分子系材料としては、π共役ポリマーやσ共役ポリマー等があり、例えばアリールアミン系化合物等が組み込まれたものがある。具体的には、ポリ−パラ−フェニレンビニレン誘導体PPV誘導体)、ポリチオフェン誘導体(PAT誘導体)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP誘導体)、ポリアルキルフェニレン(PDAF)、ポリアセチレン誘導体(PA誘導体)、ポリシラン誘導体PS誘導体)等が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、低分子系で正孔輸送性を示す分子構造分子鎖中に組み込んだポリマーでもよく、これらの具体的な例としては、芳香族アミンを側鎖に有するポリメタクリルアミド(PTPAMMA、PTPDMA)、芳香族アミンを主鎖に有するポリエーテル(TPDPES,TPDPEK)等が挙げられる。中でも特に好適な例として、中でもポリ−N−ビニルカルバゾールPVK)は、10−6cm2/Vsと極めて高いホール移動度を示す。他の具体例としては、PEDOT/PSSやポリメチルフェニルシラン(PMPS)等がある。
またさらに、前述した正孔輸送材料を複数種混合して用いてもよい。また、光又は熱で架橋又は重合する架橋性又は重合性材料を含んでいてもよい。

0052

<無機正孔輸送性材料
無機正孔輸送性材料について説明する。無機正孔輸送性材料としては、透明または半透明であって、p型伝導性を示す材料であればよい。好適なものとしては、Si、Ge、SiC、Se、SeTe、As2Se3等の半金属系半導体、ZnS、ZnSe、CdS、ZnO、CuI等の2元化合物半導体、CuGaS2、CuGaSe2、CuInSe2等のカルコパイライト型半導体、さらにこれらの混晶、CuAlO2、CuGaO2等の酸化物半導体さらにこれらの混晶等が挙げられる。またさらに、伝導性を制御するために、これらの材料にドーパントを添加してもよい。

0053

(変形例1)
図2は、実施の形態1の変形例1に係る発光素子10aの構成を示す概略断面図である。この発光素子10aは、実施の形態1に係る発光素子10と比較すると、発光層13が、有機バインダ41を媒体として、発光体粒子14と、正孔輸送材料15とが分散して構成されている点で相違する。

0054

<有機バインダ>
変形例における発光素子10aの発光層13において、発光体粒子14と、正孔輸送材料15とをそれぞれ分散させる有機バインダ41としては、樹脂溶液など正孔輸送材料15と混合できる材料であれば使用可能である。

0055

(実施例1)
本発明の実施例1として、塗布法によって図1の発光素子を得る方法を説明する。実施例として図1に示すような発光素子を作製した。
(a)まず、シリコン基板11上に、スパッタ法によって背面電極としてPt膜12を約300nm形成した。
(b)次に、Pt膜12の上に平均粒子径が1〜3nmのFeナノ粒子を同じくスパッタ法で形成した。そして、基板を約800℃まで加熱して炭化水素ガスチャンバ内に導入して、導電性ナノ粒子としてカーボンナノチューブ23を成長させた。得られたカーボンナノチューブは、直径が1〜10nm、長さが50nm〜120nmであった。
(c)次に、デュポン社製の樹脂溶液に正孔輸送材料15としてテトラフェニルブタジエン系T770を75重量%混入し、更に発光体粒子として、平均粒子径が500〜1000nmのGaN粒子14を十分に混合させて発光体ペーストとした。
(d)そして、作製した発光体ペーストを、上記カーボンナノチューブ23を担持したPt膜12の上に塗布後、乾燥させた。塗布膜の厚さは約30μmであった。
(e)対向する透明電極付き基板として、ガラス板上に透明導電膜であるITO膜16をスパッタ法で成膜した基板を使用した。ITO膜16の膜厚は約300nmであった。
(f)続いて、ITO膜16面が、先ほどの発光体ペーストに接するように貼り付けた。
以上によって発光素子10を得た。

0056

評価は、背面電極12と透明電極16との間に直流電圧を印加して行った。また、輝度測定は、携帯輝度計を用いて行った。その結果、直流電圧約5Vでオレンジ色発光を開始し、15Vで発光輝度約3500cd/m2が得られた。
以上のように、本発明によれば、直流であって、低電圧で、高輝度の発光素子が得ることが可能である。

0057

<効果>
本実施の形態1に係る発光素子10、10aは、従来の発光素子よりも電荷注入性に優れ、高い輝度、長寿命を得ることができた。

0058

(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2に係る発光素子20の構成を示す概略断面図である。この発光素子20は、実施の形態1に係る発光素子と比較すると、負極側の電極界面にさらに別の導電性ナノ粒子24を担持している点で相違する。この負極側の透明電極16に担持された導電性ナノ粒子24を介して、発光体粒子14に電子を注入することができる。

0059

(変形例2)
図4は、本発明の実施の形態2の変形例2の発光素子20aの構成を示す概略断面図である。この発光素子20aは、実施の形態2に係る発光素子20と比較すると、発光層13が、有機バインダ41を媒体として、発光体粒子14と、正孔輸送材料15とが分散して構成されている点で相違する。

0060

(実施例2)
本発明の実施例2として、塗布法によって図3に示す発光素子20を作製する方法について説明する。
(a)まず、シリコン基板11上に、スパッタ法によって背面電極としてPt膜12を約300nm形成した。
(b)次に、Pt膜12の上に平均粒子径が1〜3nmのFeナノ粒子を同じくスパッタ法で形成した。そして、基板を約800℃まで加熱して炭化水素ガスをチャンバ内に導入して、導電性ナノ粒子としてカーボンナノチューブ23を成長させた。得られたカーボンナノチューブは、直径が1〜10nm、長さが50nm〜120nmであった。
(c)次に、デュポン社製の樹脂溶液に正孔輸送材料15としてテトラフェニルブタジエン系T770を75重量%混入し、更に発光体粒子として、平均粒子径が500〜1000nmのGaN粒子14を十分に混合させて発光体ペーストとした。
(d)そして、作製した発光体ペーストを上記カーボンナノチューブ23を担持したPt膜12の上に塗布後乾燥させた。塗布膜の厚さは約30μmであった。
(e)対向する透明電極付き基板は、ガラス板上に透明導電膜であるITO膜16をスパッタ法で成膜した基板を使用した。膜厚は約300nmであった。
(f)次いで、導電性ナノ粒子としてITOナノ粒子24を樹脂溶液に混入したものを、ITO膜16の表面にスピンコート法により塗布した。
(g)続いて、表面にITOナノ粒子24が担持されたITO膜16面が、先ほどの発光体ペーストに接するように貼り付けた。
以上によって発光素子20を得た。

0061

評価は、背面電極12と透明電極16との間に直流電圧を印加して行った。また、輝度測定は、携帯型輝度計を用いて行った。その結果、直流電圧約4Vでオレンジ色発光を開始し、12Vで発光輝度約5000cd/m2が得られた。
以上のように、本発明によれば、直流、低電圧で、高輝度の発光素子が得ることが可能である。

(実施の形態3)
<EL素子の概略構成>
図5は、本実施の形態3に係る発光素子10の構成を示す側面図である。この発光素子10は、基板11上に形成された第1の電極である電極12と、第2の電極である透明導電膜16との間に発光層13を挟持している。発光層13は、有機バインダ41を媒体として、発光体粒子14と正孔輸送材料15とが混合して分散されて構成されている。また、この発光素子10では、正極側の電極12の表面に、発光層13に突出した正孔注入用のブラシ状電極21が形成されていることを特徴とする。電極12、16間に電力が供給されると、電極12および透明導電膜16の間に電位差が生じ電圧が印加される。そして、電極12から正孔が、透明導電膜16から電子が発光体粒子14に注入され、それらが再結合して発光する。本実施の形態3においては、電源として直流電源17を用いている。
なお、上述の構成に限られず、電極12および透明導電膜16を入れ替える、電極12および電極16を両方とも透明な電極にする、または、電源を交流電源にする等、適宜変更が可能である。
また、この発光素子10では、正極側の電極12上にのみブラシ状電極21を形成したが、これに限られず、図8のように、さらに負極側の電極16上にも電子注入用のブラシ状電極22を形成してもよい。

0062

以下、この発光素子10を構成する各構成部材について説明する。
<基板>
図5において、基板11は、その上に形成する各層を支持できるものを用いる。具体的には、シリコン、Al2O3,AlNなどのセラミック等、更にポリエステル、ポリイミド等のプラスチック基板を用いることができる。また、基板11側から光を取り出す場合、発光体から発せられる光の波長に対し光透過性を有する材料であることが求められる。このような材料としては、例えば、コーニング1737等のガラス、石英等を用いることができる。通常のガラスに含まれるアルカリイオン等が発光素子へ影響しないように、無アルカリガラスや、ガラス表面にイオンバリア層としてアルミナ等をコートしたソーダライムガラスであってもよい。なお、これらは例示であって、基板11の材料は特にこれらに限定されるものではない。
また、基板側から光を取り出さない構成の場合は、上述の光透過性は不要であり、透光性を有していない材料も用いることができる。
尚、図8に示すように、透明電極16側に電子注入用のブラシ状電極22を形成する場合は、サファイヤなどの透明かつ耐熱性基板に、酸化錫膜、膜厚30nm以下のPtやAu膜を形成して使用しても良い。

0063

<電極>
なお、電極として、背面電極12と透明電極16とがあるが、上述の実施の形態1に係る背面電極12と透明電極16と実質的に同様であるので説明を省略する。

0064

<ブラシ状電極>
本発明の実施の形態3に係る発光素子10では、図5の側面図に示すように、正極側の電極12上に発光層13に突出するブラシ状電極21を形成している。なお、図5は側面図であって、ブラシ状電極21と発光体粒子14とが単に重なって表示されているにすぎない。正極側のブラシ状電極21の仕事関数は、4.0eV以上であることが好ましい。ブラシ状電極21の一本の直径は、1nm〜200nmの範囲にあることが好ましく、さらに、1nm〜100nmの範囲がより好ましい。また、長さは、0.01μm〜5μmの範囲が好ましく、0.01μm〜3μmの範囲がより好ましい。ブラシ状電極21のサイズを選択することにより、ブラシ状電極21に屈曲性が得られ、また上記長さを有することによって発光体粒子14の大きさ、形状に分布があっても、発光体粒子14の表面とブラシ状電極とを十分に接触させることが可能となり、正孔、電子の注入が有効に行われる。このブラシ状電極21は、導電性ナノ粒子が担持されて形成されていてもよい。なお、この発光素子10では正極側の電極12上にのみブラシ状電極21を形成しているが、これに限られず、変形例3に示すように、負極側の電極16にも電子注入用のブラシ状電極22を形成してもよい。

0065

<導電性ナノ粒子>
このブラシ状電極21に使用される導電性ナノ粒子は、Ag,Au,Pt,Ni,Cuなどの金属材料粒子や、酸化インジウムスズ、ZnO,InZnOなどの酸化物粒子、カーボンナノチューブなどの炭素材料粒子などを用いることができる。導電性ナノ粒子の形状は、粒状、球状、柱状、針状、あるいは不定形等のいずれの形状であってもよい。導電性ナノ粒子23の平均粒子径は、1nm〜200nmの範囲内にあることが好ましく、さらに、1nm〜100nmの範囲がより好ましい。1nmより小さいと、導電性が悪くなり、発光輝度が低下する。一方、200nmより大きいと、電極間の電気的導通が大きくなるが、導電経路に含まれない発光体粒子14が多くなり、発光輝度、効率が大きく低下する。

0066

カーボンナノチューブの生成は、気相合成法、プラズマ法などの方法で行われ、作製条件によって、カーボンナノチューブの電気特性や直径、長さなどを任意に変化させることが可能である。カーボンナノチューブは、正極側の電極界面に担持する場合は、p型を使用することが好ましい。負極側の電極界面に担持する場合はn型を使用することが好ましい。p型は、カーボンナノチューブにリンなどの5族元素を添加することで得られる。一方、n型は、窒素などの3族元素を添加することで得られる。

0067

<発光層>
発光層13は、有機バインダ41を媒体として、発光体粒子14と正孔輸送材料15とがそれぞれ分散して構成されている(図5)。なお、この例に限られず、変形例1のように、発光層13は、正孔輸送材料15を媒体として、発光体粒子14が分散して構成されていてもよい(図6)。また、変形例2のように、発光層13は、有機バインダ41を媒体として、表面を正孔輸送材料15で覆った発光体粒子が分散して構成されていてもよい(図7)。

0068

<有機バインダ>
発光体粒子14及び正孔輸送材料15を分散させる有機バインダ41は、正孔輸送材料15と混合できる材料であればよく、樹脂溶液などを使用可能である。

0069

<発光体粒子>
発光体粒子14としては、光学バンドギャップが可視光の大きさを有する材料であれば、いずれも使用できる。具体的には第13族−第15族化合物半導体であるAlN、GaN、InN、AlP、GaP、InP、AlAs、GaAs、AlSb等を用いることができる。特に、GaNに代表される第13族窒化物半導体が好ましい。また、これらの混晶(例えばGaInN等)であってもよい。さらに、伝導性を制御するために、Si、Ge、Sn、C、Be、Zn、Mg、Ge、Mnからなる群より選択される1又は複数種の元素をドーパントとして含んでいてもよい。

0070

また、InGaN,AlGaNなどの窒化物やZnSeやZnS、更にZnS、ZnSe,GaP、CdSe、CdTe、SrS、CaS、ZnOを母体とし、母体のまま使用するか、あるいは添加剤として,Ag、Al、Ga、Cu、Mn、Cl、Tb,Liから一種以上選択される元素を添加した発光体粒子を用いることができる。また、ZnSSeのような多元化合物やチオガレート系蛍光体も使用できる。

0071

またさらに、発光体粒子14内において、上記複数の組成が層状構造や偏析構造をなしていてもよい。発光体粒子14の粒径は0.1μm〜1000μmの範囲内であればよく、0.5μm〜500μmの範囲内がより好ましい。

0072

<正孔輸送材料>
次に、発光体粒子14を分散させる媒体として、若しくは有機バインダ41中に発光体粒子14とともに分散させる正孔輸送材料15について説明する。なお、変形例2の場合のように、正孔輸送材料15は、発光体粒子14の表面を覆うようにしてもよい。正孔輸送材料15としては、有機正孔輸送材料と、無機正孔輸送材料とがある。正孔輸送材料15にはホール移動度の高い材料が好ましい。

0073

<有機正孔輸送材料>
この有機正孔輸送材料としては、実施の形態1に記載の上記化学式6及び化学式7の構成要素を含むことが好ましい。

0074

有機正孔輸送材料が上記の化学式6及び化学式7の構成要素を含むことによる効果は、発光体粒子14に対して効率よく正孔を注入することであると考えられる。

0075

さらに、この有機正孔輸送材料としては、実施の形態1に記載の上記化学式8、化学式9、化学式10のいずれかを構成要素として含んでもよい。

0076

また、有機正孔輸送材料としては、大きく分けて、低分子系材料と高分子系材料とがある。これらの有機正孔輸送材料についても実施の形態1に記載のものと実質的に同様のものを用いることができるので説明を省略する。

0077

<無機正孔輸送性材料>
無機正孔輸送性材料について説明する。この無機正孔輸送性材料についても実施の形態1に記載のものと実質的に同様のものを用いることができるので説明を省略する。

0078

<実施例1>
本発明の実施例1として、塗布法によって図5の発光素子10を得る方法を説明する。実施例として図5に示すような発光素子10を作製した。
(a)まず、シリコン基板11上にスパッタ法によって、背面電極12としてPt膜を約300nmの膜厚で形成した。
(b)次に、Pt膜12の上に平均粒子径が1〜3nmのFeナノ粒子を同じくスパッタ法で形成した。そして、基板を約800℃まで加熱して炭化水素ガスをチャンバ内に導入して、Feナノ粒子にカーボンナノチューブ21を成長させた。得られたカーボンナノチューブは、直径が1〜10nm、長さが0.5〜2μmであり、電極であるPt膜12の面に対してほぼ垂直方向に成長したブラシ状であった。
(c)次に、有機バインダ41としてのデュポン社製の樹脂溶液に正孔輸送材料15として、前記樹脂溶液に溶かしたテトラフェニルブタジエン系T770(商品名)を50重量%混入し、更に発光体粒子として、平均粒子径が500〜1000nmのGaN粒子14を十分に混合させて発光体ペーストとした。
(d)そして、作製した発光体ペーストを、ブラシ状カーボンナノチューブ21を形成した基板に塗布後乾燥させた。塗布膜の厚さは約30μmであった。
(e)対向する透明電極16付き基板は、ガラス上に透明導電膜16であるITOをスパッタ法で成膜した基板を使用した。膜厚は約300nmであった。
(f)続いて、発光体ペーストを乾燥させた後、ITO面が発光体ペーストに接するように貼り付けた。
以上によって発光素子10を得た。

0079

評価は、背面電極12と透明電極16との間に直流電圧を印加して行った。また、輝度測定は、携帯型輝度計を用いて行った。その結果、直流電圧約4Vでオレンジ色発光を開始し、12Vで発光輝度約5000cd/m2が得られた。
以上のように、本発明によれば、直流、低電圧で、高輝度の発光素子が得ることが可能である。

0080

<効果>
本実施例1に係る発光素子は、従来の発光素子よりも耐食性耐酸化性に優れ、高い輝度、長寿命を得ることができた。

0081

(変形例1)
図6は、実施の形態3の変形例1に係る発光素子20の構成を示す概略断面図である。この発光素子20は、実施の形態3に係る発光素子10と比較すると、発光層13が、正孔輸送材料15を媒体として、発光体粒子14が分散して構成されている点で相違する。

0082

(変形例2)
図7は、実施の形態3の変形例2に係る発光素子30の構成を示す側面図である。この発光素子30は、実施の形態3に係る発光素子10と比較すると、発光層13が、有機バインダ41を媒体として、表面を正孔輸送材料15で覆った発光体粒子14が分散して構成されている点で相違する。

0083

(変形例3)
図8は、実施の形態3の変形例3に係る発光素子40の構成を示す側面図である。この発光素子40は、実施の形態3の変形例1に係る発光素子20と同様に発光層13が正孔輸送材料15を媒体として、発光体粒子14が分散して構成されている。また、この発光素子40は、負極側の電極16上にもブラシ状電極22を形成していることを特徴とする。負極側の電極16上に形成されたブラシ状電極22によって発光層13に電子注入を効率的に行うことができる。

0084

本発明の発光素子は、高い発光輝度を有するので、LCDのバックライト照明、ディスプレイ等に利用可能である。

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