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技術 誘導加熱装置、電力変換回路、および、電力処理装置

出願人 三菱電機株式会社
発明者 泉喜久夫松本貞行菅郁朗中尾一成
出願日 2008年8月15日 (12年4ヶ月経過) 出願番号 2009-529021
公開日 2010年11月25日 (10年1ヶ月経過) 公開番号 WO2009-025243
状態 特許登録済
技術分野 インバータ装置 交流電動機の制御一般 電動機の停止
主要キーワード 接触断 電力処理装置 断熱機構 アンバランス分 ついたて 誘導加熱機 電源平滑用コンデンサ 電源平滑用
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図面 (20)

課題・解決手段

この発明の電力処理装置は、電動機4を駆動するインバータ3に並列に接続された電源平滑用コンデンサ2に並列に接続した誘導加熱機駆動用のインバータ16と該インバータ16に接続された誘導加熱機18を備えた共振回路17とを有する誘導加熱装置9と、電源平滑用のコンデンサ2の電圧を検出し、基準電圧11と比較する比較器12と、比較器12の出力に応じてスイッチング波形を決定する、スイッチング波形決定回路13と、スイッチング波形決定回路13の出力に応じて、インバータ16のスイッチング素子を駆動するスイッチング素子ドライブ回路14とを備える。

概要

背景

一般に、電動機の駆動においては、電源から電動機へ、インバータなどの電力変換機を介して電力投入する場合と、それとは逆に、電動機から電源側へ電力を送る場合がある。後者は、電力回生動作といい、電力回生動作時の電力は回生電力と呼ばれる。以下に、この電力回生動作を、エレベータを例にとって説明する。

図14は、この種の従来の交流エレベータ制御装置の構成を示したブロック図である。制御装置は、三相交流電源R、S、Tを直流に変換するための整流ダイオードブリッジから構成されたコンバータ101と、コンバータ101の出力に接続された電源平滑用コンデンサ102と、コンデンサ102に並列に接続され、直流電圧交流電圧に変換し、電動機104に供給するインバータ103と、インバータ103の出力に接続された電動機104と、電動機104の回転を伝達するための減速ギア105と、減速ギア105により駆動される駆動綱車106と、駆動綱車106に接続されたカウンタウエイト107とエレベータかご108と、電源平滑用のコンデンサ102に並列に接続される、回生電力を処理するためのスイッチ109と抵抗器110と、電源平滑用のコンデンサ102の両端電圧を検出する電圧検出回路100と、電圧検出回路100の検出電圧基準電圧111とを比較し、その差に応じた信号を出力する比較器112と、比較器112の出力によって、スイッチ109を駆動するスイッチング素子ドライブ回路116とにより構成される。

電動機104により駆動されるエレベータでは、一般に、乗客が乗るエレベータかご108とカウンタウエイト107がつるべ式に結合されている。通常、カウンタウエイト107は定員の約半分でバランスする重さに選定されており、エレベータはその乗客の数と移動方向(上昇もしくは下降)に従って、そのエレベータかご108とカウンタウエイト107のアンバランス分トルクを受けて運転を行っている。すなわち、エレベータかご108がカウンタウエイト107に対して軽い場合には、上昇方向に関しては力がいらない方向となり、逆に下降方向に関しては電動機104から力を加える必要がある。また、エレベータかご108がカウンタウエイト107に対して重い場合には、下降方向に関しては力がいらないが、上昇方向に関しては電動機104から力を加える必要がある。この様にエレベータかご108の積載状態運転方向により、電動機104から見て力のいる力行運転と、逆に力がいらずにエネルギーが戻ってくる回生運転とが行われる。

上記した回生運転時のエネルギーは、回生電力として、インバータ103を介して電源側に送られるのが一般的である。上記回生電力が電源側に戻ってくる場合、回生電力のための対策が成されていない場合には、上記平滑用コンデンサ102にて回生電力が充電され、平滑用コンデンサ102の電圧が上昇する。ここで、平滑用コンデンサ102の電圧は、コンバータ101やインバータ103の素子印加されるため、平滑用コンデンサ102の電圧上昇は、これらの素子破壊や、平滑用コンデンサ102の破壊につながる恐れがある。そこで、この回生電力の処理として、抵抗器110により、熱に変換し、損失するか、電動機104の電気的損失機械的損失によって消費し、電源平滑用のコンデンサ102の電圧上昇を防止するのが一般的である(例えば、特許文献1参照。)。

また、その他にも、コンバータを接続して、系統へ電力を返還する場合もある。

特開平4−26387号公報(図1)

概要

この発明の電力処理装置は、電動機4を駆動するインバータ3に並列に接続された電源平滑用のコンデンサ2に並列に接続した誘導加熱機駆動用のインバータ16と該インバータ16に接続された誘導加熱機18を備えた共振回路17とを有する誘導加熱装置9と、電源平滑用のコンデンサ2の電圧を検出し、基準電圧11と比較する比較器12と、比較器12の出力に応じてスイッチング波形を決定する、スイッチング波形決定回路13と、スイッチング波形決定回路13の出力に応じて、インバータ16のスイッチング素子を駆動するスイッチング素子ドライブ回路14とを備える。

目的

この発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、小型化かつ低コスト化を図ることが可能な誘導加熱装置、電力変換回路、および、電力処理装置を得ることを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
3件

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請求項1

入力される電力消費する誘導加熱装置において、前記入力される電力は、前記誘導加熱装置とは別に設けた電力変換回路中またはこの電力変換回路に接続された負荷中に磁界または電界として蓄積され、前記負荷で消費されない電力または前記負荷で発生し前記負荷で消費されない電力であることを特徴とする誘導加熱装置。

請求項2

電源から供給される電力を負荷に供給するための電力変換回路において、前記負荷で消費されずに前記電力変換回路中または前記負荷中に蓄積された電力または前記負荷で発生し負荷で消費されない電力を前記負荷とは別に設けた誘導加熱装置で消費することを特徴とする電力変換回路。

請求項3

電力変換回路中または負荷中に磁界または電界として蓄積された電力を前記誘導加熱装置で消費することを特徴とする請求項2記載の電力変換回路。

請求項4

請求項1記載の誘導加熱装置を用いたことを特徴とする電力処理装置

請求項5

請求項2または3に記載の電力変換回路を用いたことを特徴とする電力処理装置。

請求項6

電動機を駆動する電動機駆動用電力変換器並列に接続され、直流電圧交流電圧に変換するための、少なくとも1つ以上のスイッチング素子から構成される誘導加熱機駆動用インバータと、前記誘導加熱機駆動用インバータに接続され、少なくとも1つ以上のコイルと、前記コイルで発生した磁束が通る位置に設けられ、この磁束により誘導加熱される発熱体とからなる誘導加熱機を有する誘導加熱装置とを備え、前記電動機の電力回生時に、前記誘導加熱機駆動用インバータにより前記誘導加熱機を駆動し、回生電力を前記誘導加熱機により熱として消費することを特徴とする電力処理装置。

請求項7

前記誘導加熱装置は共振回路を備え、前記共振回路は、前記誘導加熱機と、前記誘導加熱機に直列もしくは並列に接続された1つ以上のインダクタもしくはコンデンサもしくはその両方とから構成されていることを特徴とする請求項6に記載の電力処理装置。

請求項8

前記誘導加熱機の前記コイルと前記発熱体との間に断熱材を設けたことを特徴とする請求項6または7に記載の電力処理装置。

請求項9

前記誘導加熱機における前記発熱体の形状をフィン形状としたことを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1項に記載の電力処理装置。

請求項10

前記電動機を駆動する前記電動機駆動用電力変換器に印加される電圧を検出する電圧検出回路と、前記電圧検出回路からの検出電圧を、あらかじめ定められた基準電圧と比較し、その差を出力する比較器と、前記比較器の出力に応じて、前記誘導加熱機を駆動する前記誘導加熱機駆動用インバータのスイッチング素子のスイッチング波形を決定し、前記誘導加熱機で消費する電力を制御するスイッチング波形決定回路と、前記スイッチング波形決定回路からの信号を、前記誘導加熱機駆動用インバータを駆動するのに最適な電圧に変換し、前記スイッチング素子を駆動するスイッチング素子ドライブ回路とをさらに備え、前記誘導加熱機を駆動する前記誘導加熱機駆動用インバータのスイッチングを行うことを特徴とする請求項6ないし9のいずれか1項に記載の電力処理装置。

請求項11

前記電動機の電圧を検出する電圧検出回路と、前記電圧検出回路からの検出電圧を、あらかじめ定められた基準電圧と比較し、その差を出力する比較器と、前記比較器の出力に応じて、前記誘導加熱機を駆動する前記誘導加熱機駆動用インバータのスイッチング素子のスイッチング波形を決定し、前記誘導加熱機で消費する電力を制御するスイッチング波形決定回路と、前記スイッチング波形決定回路からの信号を、前記誘導加熱機駆動用インバータを駆動するのに最適な電圧に変換し、前記スイッチング素子を駆動するスイッチング素子ドライブ回路とをさらに備え、前記誘導加熱機を駆動する前記誘導加熱機駆動用インバータのスイッチングを行うことを特徴とする請求項6ないし9のいずれか1項に記載の電力処理装置。

請求項12

スナバ回路を備え、前記スナバ回路を構成する抵抗として、前記誘導加熱装置を用いたことを特徴とする請求項2または3に記載の電力変換回路。

技術分野

0001

この発明は誘導加熱装置電力変換回路、および、電力処理装置に関し、特に、電動機の回生動作における回生電力等を処理するための誘導加熱装置、電力変換回路、および、電力処理装置に関するものである。

背景技術

0002

一般に、電動機の駆動においては、電源から電動機へ、インバータなどの電力変換機を介して電力投入する場合と、それとは逆に、電動機から電源側へ電力を送る場合がある。後者は、電力回生動作といい、電力回生動作時の電力は回生電力と呼ばれる。以下に、この電力回生動作を、エレベータを例にとって説明する。

0003

図14は、この種の従来の交流エレベータ制御装置の構成を示したブロック図である。制御装置は、三相交流電源R、S、Tを直流に変換するための整流ダイオードブリッジから構成されたコンバータ101と、コンバータ101の出力に接続された電源平滑用コンデンサ102と、コンデンサ102に並列に接続され、直流電圧交流電圧に変換し、電動機104に供給するインバータ103と、インバータ103の出力に接続された電動機104と、電動機104の回転を伝達するための減速ギア105と、減速ギア105により駆動される駆動綱車106と、駆動綱車106に接続されたカウンタウエイト107とエレベータかご108と、電源平滑用のコンデンサ102に並列に接続される、回生電力を処理するためのスイッチ109と抵抗器110と、電源平滑用のコンデンサ102の両端電圧を検出する電圧検出回路100と、電圧検出回路100の検出電圧基準電圧111とを比較し、その差に応じた信号を出力する比較器112と、比較器112の出力によって、スイッチ109を駆動するスイッチング素子ドライブ回路116とにより構成される。

0004

電動機104により駆動されるエレベータでは、一般に、乗客が乗るエレベータかご108とカウンタウエイト107がつるべ式に結合されている。通常、カウンタウエイト107は定員の約半分でバランスする重さに選定されており、エレベータはその乗客の数と移動方向(上昇もしくは下降)に従って、そのエレベータかご108とカウンタウエイト107のアンバランス分トルクを受けて運転を行っている。すなわち、エレベータかご108がカウンタウエイト107に対して軽い場合には、上昇方向に関しては力がいらない方向となり、逆に下降方向に関しては電動機104から力を加える必要がある。また、エレベータかご108がカウンタウエイト107に対して重い場合には、下降方向に関しては力がいらないが、上昇方向に関しては電動機104から力を加える必要がある。この様にエレベータかご108の積載状態運転方向により、電動機104から見て力のいる力行運転と、逆に力がいらずにエネルギーが戻ってくる回生運転とが行われる。

0005

上記した回生運転時のエネルギーは、回生電力として、インバータ103を介して電源側に送られるのが一般的である。上記回生電力が電源側に戻ってくる場合、回生電力のための対策が成されていない場合には、上記平滑用コンデンサ102にて回生電力が充電され、平滑用コンデンサ102の電圧が上昇する。ここで、平滑用コンデンサ102の電圧は、コンバータ101やインバータ103の素子印加されるため、平滑用コンデンサ102の電圧上昇は、これらの素子破壊や、平滑用コンデンサ102の破壊につながる恐れがある。そこで、この回生電力の処理として、抵抗器110により、熱に変換し、損失するか、電動機104の電気的損失機械的損失によって消費し、電源平滑用のコンデンサ102の電圧上昇を防止するのが一般的である(例えば、特許文献1参照。)。

0006

また、その他にも、コンバータを接続して、系統へ電力を返還する場合もある。

0007

特開平4−26387号公報(図1

発明が解決しようとする課題

0008

このような電動機における回生電力の処理方式として、例えば抵抗器を用いて熱エネルギーとして消費する方式を用いた場合には、その放熱のために大きな抵抗器と放熱装置が必要となる。また、コンバータを用いる場合には、高価な電源回路と複雑な制御が必要となる。従って、エレベータの制御装置としては、サイズが大きくなる、コストが高くなるなどの問題点があった。

0009

この発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、小型化かつ低コスト化を図ることが可能な誘導加熱装置、電力変換回路、および、電力処理装置を得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

この発明は、入力される電力を消費する誘導加熱装置であって、前記入力される電力は、前記誘導加熱装置とは別に設けた電力変換回路中またはこの電力変換回路に接続された負荷中に磁界または電界として蓄積され、前記負荷で消費されない電力、または、前記負荷で発生し前記負荷で消費されない電力であることを特徴とする誘導加熱装置である。

発明の効果

0011

この発明は、入力される電力を消費する誘導加熱装置であって、前記入力される電力は、前記誘導加熱装置とは別に設けた電力変換回路中またはこの電力変換回路に接続された負荷中に磁界または電界として蓄積され、前記負荷で消費されない電力、または、前記負荷で発生し前記負荷で消費されない電力であり、前記誘導加熱装置が当該電力を熱として消費するようにしたので、小型化かつ低コスト化を図ることができる。

図面の簡単な説明

0012

この発明の実施の形態1に係る誘導加熱装置、電力変換回路、および、電力処理装置の構成を示したブロック図である。
一般的な抵抗器の構成を示す模式図である。
この発明の実施の形態1に係る電力処理装置における誘導加熱機の構成を示す模式図である。
この発明の実施の形態1による誘導加熱機のコイル発熱体断熱機構の一例を示した模式図である。
一般的な抵抗器と誘導加熱機の放熱機構を比較した模式図である。
抵抗器における外装と誘導加熱機の発熱体の空気への熱伝達率を向上するための構造の一例を示した模式図である。
この発明の実施の形態1によるフルブリッジインバータを用いた電力処理装置の構成を示したブロック図である。
この発明の実施の形態1に係る電力処理装置を用いたエレベータ制御装置の回生電力の時間変化の一例を示した模式図である。
この発明の実施の形態1に係る電力処理装置のインバータをPWM制御した場合の、スイッチング素子の駆動波形と誘導加熱機の電流波形の一例を示した模式図である。
この発明の実施の形態1に係る電力処理装置のインバータをPFM制御した場合の、スイッチング素子の駆動波形と誘導加熱機の電流波形の一例を示した模式図である。
この発明の実施の形態1に係る電力処理装置のインバータをPPM制御した場合の、スイッチング素子の駆動波形と誘導加熱機の電流波形の一例を示した模式図である。
この発明の実施の形態1による電力処理装置のインバータを間欠発振制御した場合の、スイッチング素子の駆動波形と誘導加熱機の電流波形の一例を示した模式図である。
従来の抵抗器を用いた電力処理装置における抵抗器の温度変化と、従来と同様な通電制御を行った場合の誘導加熱機の温度変化と、この発明の実施の形態1による電力制御を行った場合の誘導加熱機の温度変化との比較の一例を示した模式図である。
従来のエレベータの制御装置のブロック図である。
この発明の実施の形態2に係る直流電動機を用いたエレベータにおける、誘導加熱装置、電力変換回路、および、電力処理装置の構成の一形態を示したブロック図である。
この発明の実施の形態2に係る直流電動機を用いたエレベータにおける、誘導加熱装置、電力変換回路、および、電力処理装置の構成の別の一形態を示したブロック図である。
従来の直流電動機を用いたエレベータの制御装置の一形態を示したブロック図である。
従来の直流電動機を用いたエレベータの制御装置の別の一形態を示したブロック図である。
一般的な出力電圧制御型のDC/DCコンバータ回路構成を示すブロック図である。
この発明の実施の形態3に係るDC/DCコンバータのスナバ回路抵抗を電力処理装置を用いて実現した例を示したブロック図である。
この発明の実施の形態3に係る別の出力電圧制御型のDC/DCコンバータの回路構成を示すブロック図である。

発明を実施するための最良の形態

0013

本明細書において、「負荷」とは、回路の出力に接続され、その回路から電力を受け取るものを意味するものとする。また、「蓄積」とは、電気的エネルギーを一時的に蓄えておく事を意味し、「消費」とは、電気的エネルギーを熱エネルギーや機械エネルギーなどに変換し、拡散することを意味する。すなわち、「負荷で消費されない電力」とは、負荷中に、電気的エネルギーとして一時的に蓄えられているエネルギー(電力)のことを意味する。また、本明細書において、同様な形態で使用される上記文言については、同意である。

0014

実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による、誘導加熱装置、電力変換装置、および、それらを用いた電力処理装置を備えたエレベータの制御装置の主回路構成を示すブロック図である。本実施の形態においては、制御装置は、三相交流電源R、S、Tを直流に変換するための整流ダイオードブリッジ等から構成されたコンバータ1と、コンバータ1の出力に接続された電源平滑用のコンデンサ2と、コンデンサ2に並列に接続され、直流電圧を交流電圧に変換して、電動機4に供給する電動機駆動用のインバータ3(電動機駆動用電力変換装置)と、インバータ3の出力に接続された電動機4(誘導電動機)と、電動機4の回転を伝達するための減速ギア5と、減速ギア5により駆動される駆動綱車6と、駆動綱車6に接続されたカウンタウエイト7とエレベータかご8と、電源平滑用のコンデンサ2に並列に接続された誘導加熱装置9と、電源平滑用のコンデンサ2の両端電圧(インバータ3に印加される電圧)を検出する電圧検出回路10と、電圧検出回路10の検出電圧と基準電圧11とを比較し、その差に応じた信号を出力する比較器12と、比較器12の出力によって、誘導加熱装置9に設けられた後述するインバータを構成するスイッチング素子の駆動波形を決定する、スイッチング波形決定回路13と、スイッチング波形決定回路13からの信号に応じて、スイッチング素子を駆動する、スイッチング素子ドライブ回路14とにより構成される。

0015

本実施の形態1においては、コンバータ1と、電源平滑用のコンデンサ2と、電動機駆動用のインバータ3とが、電源から供給される電力を負荷に供給するための電力変換回路を構成している。

0016

上述したように、本実施の形態1のエレベータの制御装置では、回生電力の電力処理装置として、電源平滑用のコンデンサ2に並列に誘導加熱装置9を接続する。誘導加熱装置9は、電源平滑用のコンデンサ2の電圧や電流の変動を抑えるための、インダクタとコンデンサなどで構成される入力フィルタ回路15と、直流電圧を数kHz〜数百kHz程度の交流電圧に変換し、誘導加熱機18に供給するための、少なくとも1つ以上のスイッチング素子から構成される誘導加熱機駆動用のインバータ16と、誘導加熱機18とそれに直列もしくは並列に接続した1つ以上のインダクタもしくはコンデンサもしくはその両方等とにより構成される共振回路17とを備えている。なお、誘導加熱機18を駆動するための誘導加熱機駆動用のインバータ16を構成する素子としては、MOSFET、IGBTサイリスタダイオードなど、スイッチング機能を有するものなら、どのような素子を用いても良い。また、入力フィルタ回路15は、電源平滑用のコンデンサ2の電圧変動電流変動が、電源平滑用のコンデンサ2自身やその他の回路に影響を及ぼさない場合は用いなくとも良い。

0017

まず、本実施の形態において誘導加熱機18を用いることの利点について以下に説明する。

0018

一般的な抵抗器110の構造を図2に示す。抵抗器は、ニクロム線などの抵抗体(発熱体)120と、抵抗体120と端子121とを支え基体122と、抵抗体120と基体122とを外気機械的衝撃から守るための外装123と、外部との接続用の端子121とリード124とにより構成される。

0019

抵抗器110に電力を与えると、まず抵抗体120にて電力が熱エネルギーに変換される。抵抗体120で発生した熱エネルギーは、基体122から外装123を通り、空気中に放熱される。ここで、抵抗器110は、ある一定以上の温度となると発火などにより破壊される。また、抵抗器110の温度が上昇すると、端子121やリード124などが熱疲労により劣化するため、これらの信頼性が低くなる。そこで、抵抗器110が破壊せず、かつ、端子121やリード124などの信頼性を確保できる温度にて使用できるよう、抵抗器110の定格電力が定められる。すなわち、放熱性の良い抵抗器110の方が、より大電力で使用でき、信頼性も高いといえる。

0020

次に、誘導加熱機18の構造の簡略図を図3に示す。誘導加熱機18は、主に金属で構成される発熱体20と、発熱体20に磁束を通すためのコイル21と、コイル21に外部回路を接続するための端子22とリード23とからなる。なお、コイル21は1つと限らず、複数個設けるようにしてもよい。また、発熱体20は、コイル21で発生した磁束が通る位置に設けられ、この磁束により誘導加熱されるものである。

0021

誘導加熱機18では、発熱体20とコイル21とが分離しており、非接触で発熱体20に給電を行う。また、発熱体20は鉄などの金属の塊であり、外気や機械的衝撃から守る必要性が図2に示したような抵抗器に比べて低い。これらのことから、基体や外装が必要なく、発熱体20を直接空気と接触させることができる。

0022

誘導加熱機18における定格電力は、給電のために使用されるコイル21の線材耐熱温度で決定される。上述したが、給電は非接触で行われるため、コイル21は発熱体20からの輻射、コイル21と発熱体20との間の空気などの媒体を通した熱伝達、コイル21自身の電力損失などにより発熱する。したがって、コイル21と発熱体20との間の熱伝達を小さくすることができれば、発熱体20の温度は、溶融や変形、または電気的特性の変化(キュリー点を超えた場合の磁化率の変化)などの現象が生じなければ、何度になってもよい。

0023

ここで、コイル21と発熱体20との間の熱伝達を低下させるためには、その間の媒質の熱伝達率を低減すればよい。コイル21と発熱体20との間の媒質の熱伝達率の低減は、例えば、図4(a)に示すように、コイル21と発熱体20との間に板状の断熱材30を挿入する、あるいは、図4(b)に示すように、コイル21と発熱体20とを密閉容器31に入れて空間的に密閉し、同密閉空間を真空にするというような方法により、実現することが可能である。ここで、コイル21と発熱体20との間に挿入する断熱材30としては、グラスウールロックウールフェノールフォームポリスチレンフォームなど、その熱伝達率が低く、発熱体20の温度に耐久できるものであれば、どのようなものを用いても良い。また、コイル21と発熱体20との間の熱伝達率を低減する方法は、上記に限定されるものではなく、同熱伝達率を下げることができれば、どのような方式を用いても良い。また、コイル自身の発熱が問題となる場合には、コイルと発熱体との間に空気を流し、コイルを放熱させる方法をとることもできる。

0024

誘導加熱機18と抵抗器110との放熱の形態を比較した模式図を図5に示す。図5(a)に示すように、抵抗器110では、発熱体120から空気への放熱までの間に、基体122の熱抵抗と外装123の熱抵抗および外装123から空気への熱抵抗を介して空気への放熱を行う。このため、放熱効率を上げるためには、基体122の熱抵抗、外装123への熱抵抗、外装123から空気への熱抵抗のそれぞれを小さくする必要がある。これに対し、誘導加熱機では、図5(b)に示すように、発熱体20と空気とが直接接触しており、発熱体20は、発熱体20から空気への熱抵抗のみを介して放熱を行う。このため、誘導加熱機18では、発熱体20から空気への熱抵抗を小さくするだけで、放熱性を改善することができる。

0025

ここで、発熱体から空気への熱抵抗を小さくする方法としては、外装もしくは発熱体と、空気の接触断面積を大きくする方法、ファンなどで強制空冷する方法がある。

0026

外装もしくは発熱体と空気の接触断面積を大きくする方法としては、その形状をフィン形状とする方法がある。

0027

抵抗器110の外装123や発熱体120本体をフィンとする場合、その形状の一例を図6に示す。図6(a)は、抵抗器110の外装123をフィンで構成した例である。また、図6(b)は、誘導加熱機18の発熱体20をフィンで構成し、発熱体兼フィンとした構成の例である。フィンは、例えば、板に、ついたてを立てたような形状をしており、ついたての個数を多くすればするほど、空気との接触断面積を増やすことができる。一般にフィンの熱抵抗は、空気の風速などにより異なるが、1℃/W以下であり、小さいものなら、0.1℃/W以下のものまである。これに対し、抵抗器における、抵抗体(発熱体)や基体の熱抵抗は、材質により異なるが、数℃/W程度である。このため、抵抗器110と誘導加熱機18にて、空気との接触面を同様とした場合でも、抵抗器110の空気への熱抵抗は、数℃/W程度になるのに対し、誘導加熱機18の熱抵抗は1℃/Wから0.1℃/W以下とすることができる。すなわち、同じ体積における熱抵抗を数分の1から数十分の1とすることができ、同じ熱を処理する場合には、その体積を抵抗器の数分の1から数十分の1とすることができる。

0028

以上から、誘導加熱機は、本実施の形態のように、電力を熱に変えて消費するような場合には、抵抗器に比べて、その体積を小さくすることができるという利点がある。

0029

次に、誘導加熱機18の駆動について説明する。
誘導加熱機18を駆動する場合には、コイル21に比較的高周波交流電流を流す必要がある。一般的な誘導加熱機18の等価回路のうち最も簡単なものは、コイルと抵抗との直列回路で表され、この等価回路における抵抗で電力が消費されることになる。誘導加熱機の抵抗の大部分は、上記発熱体の表皮抵抗であり、発熱体が金属であるため、一般には誘導加熱機の等価回路で示される抵抗値は小さい。また、この抵抗に電流を流すためには、発熱体に誘導起電力を生じさせる必要がある。

0030

誘導起電力は、発熱体に鎖交する磁束の時間変化によって発生する。磁束は、電流値に比例するため、誘導起電力を発生させるためには、コイルに、時間変化する電流を流す必要がある。

0031

ここで、単純に理想コイルに直流電源を接続し、直流電圧を供給した場合、コイルの電流は以下の式で時間変化する。

0032

IL=(V/L)t

0033

ここで、IL:コイル電流、V:印加電圧、L:コイルの自己インダクタンス、t:電圧の印加時間とする。

0034

上式よりわかるように、コイルに直流電圧を印加すると、時間経過と共にコイルの電流は増加する。ここで、コイルの電流が大きくなりすぎると、コイル自身の抵抗による損失が大きくなり、コイルが発熱し発火などの破壊を起こす場合がある。このため、コイルに所定時間以上電圧を印加しないよう、電圧の極性を所定時間毎反転する必要がある。すなわち、交流電圧でコイルを駆動する必要がある。電圧の極性を反転すると、コイルの電流は電圧の極性に対応した極性で増加するため、コイルの電流をある一定以上増加しないようにすることができる。すなわち、コイルに交流電圧を印加することにより、比較的小さい電流で発熱体に誘導起電力を生じさせ、発熱体に電力を投入することが可能となる。

0035

コイルに交流電圧を印加する場合には、電源と誘導加熱機の間に、インバータを接続し、同インバータのスイッチング素子をオンオフする必要がある。ここで、上記したように、誘導加熱機の抵抗は小さいので、誘導加熱機への電力投入量を大きくしようとすると、発熱体に発生する誘導起電力を大きくする必要があり、磁束の時間変化を大きくする必要がある。すなわち、コイルを流れる電流の時間変化を大きくする必要がある。インバータのスイッチング動作では、コイルに電流が流れるのを遮断する必要があるため、スイッチング素子に電流を流した状態でスイッチング動作をする。従って、大きな電流でスイッチングする場合には、このスイッチングによる損失が大きくなり、インバータの素子が発熱し、破壊に至ることがある。このような事態を避けるためには、インバータのスイッチングによる損失を低減する必要がある。そこで、一般的には、誘導加熱機に、コンデンサなどを接続することにより、共振回路を形成し、その共振動作に従った共振電圧、もしくは共振電流を誘導加熱機に印加し、インバータを駆動する。この場合、スイッチング素子にも共振電流や、共振電圧が印加されるため、スイッチングのタイミングによっては、インバータを流れる電流が小さい場合、もしくはインバータの素子の電圧が小さい場合に、スイッチング動作を行うことが可能となる。このため、スイッチングの損失が大きく低減できる。

0036

ここで、上記した共振回路を用いる場合の周波数は、比較的高くする必要がある。一般に、共振回路を用いて電力投入を行う場合、インバータの周波数を、共振回路の共振周波数近辺とする。これは、駆動周波数が共振周波数と大きく異なると、共振回路を構成する抵抗以外の素子、インダクタやキャパシタなどのインピーダンスが大きくみえ、発熱体の抵抗に電力を投入し難くなるためである。上記共振回路の共振周波数は、インダクタとキャパシタと抵抗の値によって定まる。一般的には、上記共振回路のインダクタとキャパシタの値が小さいほど、共振周波数は高くなる。インダクタやキャパシタの値は、そのサイズに比例するため、なるべく小さい方が良い。従って、共振周波数はなるべく高いほうが良いことになる。ところが、インバータの駆動周波数は、その構成素子により異なるが、数Hz〜数MHzまでに限定される。このため、共振回路の共振周波数も、上記数Hzから数MHzの間に設定する必要がある。以上から、誘導加熱機は、なるべく高周波の交流波形にて駆動する必要があるといえる。

0037

ここで、誘導加熱機駆動用インバータの一例として、フルブリッジインバータ41と直列共振回路42とを用いたエレベータの制御回路図7に示す。図7において、Q1、Q2、Q3、Q4は、その出力に誘導加熱機18を接続して、フルブリッジインバータ41を構成しているスイッチング素子である。また、誘導加熱機18にはコンデンサが直列に接続されて直列共振回路42が構成されている。このように、図7においては、誘導加熱装置40は、入力フィルタ回路15とスイッチング素子Q1、Q2、Q3、Q4から構成されたフルブリッジインバータ41と誘導加熱機18とコンデンサから構成された直列共振回路42とから構成されている。他の構成については、図1と同じであるため、ここでは同一符号を付して示し、その説明は省略する。

0038

図7の構成を例として、誘導加熱機18を用いて回生電力を消費する場合の装置の動作を以下に示す。

0039

エレベータかご8がカウンタウエイト7に対して軽い場合には、かご上昇時に、一方、エレベータかご8がカウンタウエイト7に対して重い場合には、かご下降時に、電動機の端子間に起電圧が生じ、駆動回路側に電力を回生する、回生運転となる。すなわち、負荷としての電動機4が電力を発生し、この負荷が発生した回生電力を誘導加熱機18によって消費する。

0040

回生運転が開始されると、電動機駆動用インバータ3は、電源平滑用のコンデンサ2側に回生電流を流す。回生運転時の対策が成されていない場合、この回生電流により電源平滑用のコンデンサ2が充電され、その両端電圧が上昇する。上述したが、このコンデンサ2の電圧上昇は、三相電源整流用のコンバータ1や、電動機駆動用インバータ3、電源平滑用のコンデンサ2自身などの破壊につながるため、コンデンサ2の電圧がある一定以上上昇しないようにする必要がある。

0041

そこで、回生電力処理装置では、電源平滑用のコンデンサ2の電圧の上昇を防止するために、回生電力がコンデンサ2に充電されないよう、回生電力をバイパスする役割を果たす。回生電力処理装置では、まず、電源平滑用のコンデンサ2の電圧を、例えば抵抗分圧などで構成される電圧検出回路10によって、0から5V程度の範囲の電圧検出信号に変換する。電圧検出回路10の出力電圧値は、例えば、電源平滑用のコンデンサ2の電圧が100Vの場合に1V、300Vの場合には3Vと、電源平滑用コンデンサの電圧に比例している。

0042

次に、比較器12により、上記電圧検出信号を、あらかじめ定められている基準電圧11と比較する。このときの基準電圧11は、例えば、電源平滑用のコンデンサ2の電圧の上限値を電圧検出信号に変換したときの電圧値である。

0043

回生運転が開始されると、電源平滑用のコンデンサ2の電圧検出信号が、上記基準電圧11よりも大きくなる。

0044

時間的な回生電力パターンの一例を、エレベータに用いられる電動機の場合において示した図を図8に示す。図8において、横軸は時間、縦軸は電力を示す。
図8に示したとおり、電動機4からの回生電力は時間的に変動する。このため、誘導加熱機18で消費する電力も、時間的に変化する回生電力に応じて調整する必要がある。

0045

以下に、本実施の形態1における、電力制御時のフルブリッジインバータ41の動作について説明する。現在の電源平滑用のコンデンサ2の電圧検出信号Vcaと基準電圧Vbaに差が生じると、比較器12は、その差に応じた電圧信号を出力する。

0046

具体的には、比較器12は、上記したVcaとVbaの差を、例えば、−5Vから5Vの電圧信号に変換し、出力する。例えば、Vca=Vbaのとき、比較器の12出力が0Vであり、Vca>Vbaの場合には、比較器の出力は0V以上であり、Vca<Vbaの場合には、比較器12の出力は0V以下であり、VcaとVbaの差が大きくなる程、比較器12の出力電圧値が、Vca>Vbaの場合には、正に大きくなり、Vca<Vbaの場合には、負に大きくなる。比較器の種類によっては、上記VcaとVbaの差が変化した場合などに、新たに求まった差に応じた電圧信号まで、ある程度の時間をかけて出力を変化するものもある。

0047

次に、比較器12の出力信号は、スイッチング波形決定回路13に入力される。スイッチング波形決定回路13は、その信号に応じて、フルブリッジインバータ41の駆動波形を決定する。具体的には、比較器12の出力が上記した特性であった場合に、例えば、比較器12の出力が0V以上であり、その電圧値が大きくなった場合には、誘導加熱機18で消費する電力が大きくなるよう、フルブリッジインバータ41の駆動デューティーを大きくし、比較器12の電圧値が小さくなった場合には、誘導加熱機18で消費する電力が小さくなるよう、フルブリッジインバータ41の駆動デューティーを小さくし、比較器12の出力が0V以下である場合には、その電圧値が負に大きくなった場合には、誘導加熱機18で消費する電力が小さくなるよう、フルブリッジインバータ41の駆動デューティーを小さくし、比較器12の電圧値が負に小さくなった場合には、誘導加熱機18で消費する電力が大きくなるよう、フルブリッジインバータ41の駆動デューティーを大きくするパルス幅変調制御方式(Pulse-Width Modulation:PWM)を用いて電力を調整する。あるいは、他の制御方法でもよく、例えば、比較器12の出力が0V以上であり、その電圧値が大きくなった場合には、誘導加熱機18で消費する電力が大きくなるよう、フルブリッジインバータ41の駆動周波数と共振周波数の差を小さくし、比較器12の電圧値が小さくなった場合には、誘導加熱機18で消費する電力が小さくなるよう、フルブリッジインバータ41の駆動周波数と共振周波数の差を大きくし、比較器12の出力が0V以下である場合には、その電圧値が負に大きくなった場合には、誘導加熱機18で消費する電力が小さくなるよう、フルブリッジインバータ41の駆動周波数と共振周波数の差を大きくし、比較器12の電圧値が負に小さくなった場合には、誘導加熱機18で消費する電力が大きくなるよう、フルブリッジインバータ41の駆動周波数と共振周波数の差を小さくする周波数変調制御方式(Pulse-Frequency Modulation:PFM)、または、例えば、比較器12の出力が0V以上であり、その電圧値が大きくなった場合には、誘導加熱機18で消費する電力が大きくなるよう、フルブリッジインバータ41の駆動パルスと負荷の電流との位相差を小さくし、比較器12の電圧値が小さくなった場合には、誘導加熱機18で消費する電力が小さくなるよう、フルブリッジインバータ41の駆動パルスと負荷の電流との位相差を大きくし、比較器12の出力が0V以下である場合には、その電圧値が負に大きくなった場合には、誘導加熱機18で消費する電力が小さくなるよう、フルブリッジインバータ41の駆動パルスと負荷の電流との位相差を大きくし、比較器12の電圧値が負に小さくなった場合には、誘導加熱機18で消費する電力が大きくなるよう、フルブリッジインバータ41の駆動パルスと負荷の電流との位相差を小さくする位相変調制御方式(Pulse-Phased Modulation:PPM)、または、例えば、比較器12の出力が0V以上であり、その電圧値が大きくなった場合には、誘導加熱機18で消費する電力が大きくなるよう、フルブリッジインバータ41の駆動パルスの出力頻度を多くし、比較器12の電圧値が小さくなった場合には、誘導加熱機18で消費する電力が小さくなるよう、フルブリッジインバータ41の駆動パルスの出力頻度を少なくし、比較器12の出力が0V以下である場合には、その電圧値が負に大きくなった場合には、誘導加熱機18で消費する電力が小さくなるよう、フルブリッジインバータ41の駆動パルスの出力頻度を少なくし、比較器12の電圧値が負に小さくなった場合には、誘導加熱機18で消費する電力が大きくなるよう、フルブリッジインバータ41の駆動パルスの出力頻度を多くする間欠発振制御方式などを用いて電力を調整する。このように、スイッチング波形決定回路13は、上記したいずれかの制御方式に従って、比較器12の出力信号に応じて、誘導加熱機18を駆動するフルブリッジインバータ41の駆動パルスを制御することにより、誘導加熱機18で消費する電力を調整する。

0048

こうして、スイッチング波形決定回路13は、各制御方式に応じたパルス波形をスイッチング素子ドライブ回路14に伝送する。スイッチング素子ドライブ回路14は、スイッチング波形決定回路13から入力されたパルス波形を、スイッチング素子Q1〜Q4を駆動するのに最適な電圧に変換し、それによりスイッチング素子Q1〜Q4をそれぞれ駆動する。

0049

各制御を用いた場合の、スイッチング素子Q1〜Q4に入力されるパルスと、誘導加熱機18に流れる電流波形との模式図を、それぞれ、PWMについては図9に、PFMについては図10に、PPMについては図11に、間欠発振制御については図12に示す。なお、各図においては、スイッチング素子に印加される波形がプラスのとき、スイッチング素子はオンし、スイッチング素子に印加される波形がもしくはマイナスのとき、スイッチング素子はオフするものとしている。また、図におけるQ1、Q2、Q3、Q4は図7におけるスイッチング素子の記号に対応しており、誘導加熱機に流れる電流においては、実際には波形が歪む、スイッチング波形との位相が異なるなど、図9図12に示したものと異なる場合もある。

0050

また、上記したスイッチング素子Q1〜Q4の各制御方式は、誘導加熱機18で消費する電力を制御できれば、どの制御方式を用いても良く、それぞれの制御方式を複合で使用しても良い。また、誘導加熱機18で消費する電力を制御できれば、どのようなスイッチング波形を用いても良い。

0051

以上のように、誘導加熱機18の電力をリアルタイムに制御することにより、電動機4の回生動作時に、電源平滑用のコンデンサ2の電圧を、上記した素子破壊などを引き起こす電圧よりも小さい電圧に保つことができ、かつ、電源平滑用のコンデンサ2の電圧の変動を小さくすることができ、電源平滑用のコンデンサ2における電圧変動による損失を低減することができる。

0052

また、誘導加熱機18を用いる場合、その利点から、従来の抵抗器を用いる場合に比べて体積を小さくすることができるが、その体積を小さくすることにより、電力に対する温度の変化率は大きくなる。

0053

図14に示す、従来のような抵抗器での回生電力の処理装置においては、回生運転時に抵抗器への通電を制御するスイッチング素子を、数Hz〜数kHzのスイッチング周波数で駆動していた。しかしながら、上記したように、誘導加熱機はその体積の小ささから、電力に対する温度の変化率が大きいため、従来の抵抗器と同様な通電制御では、熱の変動が大きくなり、熱サイクルによる疲労によって、誘導加熱機を保持する部材や、誘導加熱機自身の寿命への信頼性を低下させてしまう。

0054

従来の抵抗器で構成される回生電力の処理装置における抵抗器の温度変化と、これと同様な制御で誘導加熱装置を駆動した場合の誘導加熱機の温度変化、および上記したリアルタイムな電力制御を用いた場合の誘導加熱機の温度変化の比較の模式図を図13に示す。図13において、(a)が、従来の抵抗器で構成される回生電力の処理装置における抵抗器の温度変化、(b)が、これと同様な制御で誘導加熱装置を駆動した場合の誘導加熱機の温度変化、(c)が、上記したリアルタイムな電力制御を用いた場合の誘導加熱機の温度変化である。図13から明らかなように、(b)の場合が温度変化が最も大きく、次が(a)で、(c)の場合が最も温度変化が小さい。このように、図13に示したように、本実施の形態においては、誘導加熱機を用いた回生電力処理装置において、上記したようなリアルタイムで電力を制御する方式を用いることにより、誘導加熱機の急激な温度変化を防止することができ、誘導加熱機を保持する部材や、誘導加熱機の、熱サイクルによる疲労を低減し、寿命に対する信頼性を向上する効果がある。

0055

このように、電動機の回生電力処理装置として、誘導加熱装置を用いることにより、抵抗器を用いた場合に比べて、回生電力処理装置の体積、サイズを低減することができ、電動機の制御装置全体の体積、サイズを小さくすることが可能である。

0056

なお、本実施の形態にて説明した、誘導加熱機を駆動するインバータは、フルブリッジの他にも、ハーフブリッジやスイッチング素子を1つ用いた1石式コンバータ、トランスを用いたプッシュプルフライバックフォワードなど、どのような回路構成を用いても良い。

0057

また、誘導加熱機を含む共振回路は、誘導加熱機とコンデンサを直列につないだ直列共振回路、誘導加熱機とコンデンサを並列につないだ、並列共振回路など、どのような形式をとっても良い。

0058

以上のように、本実施の形態に係る電力処理装置は、図1および図7に示すように、電動機4を駆動する電動機駆動用のインバータ3に並列に接続される電源平滑用のコンデンサ2に並列に接続される、直流電圧を数kHzから数百kHzの交流電圧に変換するための、少なくとも1つ以上のスイッチング素子から構成される誘導加熱機駆動用のインバータ16またはフルブリッジインバータ41と、同インバータ16,41の出力に接続され、少なくとも1つ以上のコイル21と、コイル21で発生した磁束が通る位置に設けられた、発熱体20とからなる誘導加熱機18とにより構成される誘導加熱装置9,40を備え、電動機4の電力回生時に、誘導加熱装置9,40を駆動し、回生電力を誘導加熱機18により熱として消費することを特徴としている。このように、本実施の形態によれば、電動機4の回生電力の電力処理装置として、誘導加熱機18を用いることにより、同装置を小型で単純な構成で実現することができるため、製造コスト削減も図ることができる。

0059

また、図1に示すように、誘導加熱機18と、誘導加熱機18に直列もしくは並列に、一つ以上のインダクタもしくはコンデンサもしくはその両方を接続した共振回路17を備えるようにした場合、誘導加熱機18を含む共振回路17を備えることにより、同共振回路17の特性を利用して、インバータの損失を低減するようなスイッチングを行うことができる。

0060

また、図4に示すように、コイル21と発熱体20との間に、熱抵抗の大きい断熱材30を設けた場合には、発熱体の熱がコイルに伝達されるのを軽減し、コイルの上昇温度を抑えることができ、コイルの温度で決定される誘導加熱装置の上限温度を高くすることができ、同じ電力を消費する場合の誘導加熱装置の体積を小さくすることができる。また、コイルと発熱体との間に空気を流し、コイルを放熱することによっても同様な効果が得られる。

0061

また、図6(b)に示すように、誘導加熱機18における発熱体20の形状を、フィン形状とした場合には、フィン形状とすることにより、空気との接触面積を大きくすることができ、発熱体の空気への熱伝達率を大きくすることができるため、同じ電力を消費する場合の発熱体の体積を小さくすることができる。

0062

また、本実施の形態においては、電動機4を駆動するインバータ3に並列に接続される電源平滑用のコンデンサ2の電圧を電圧検出回路10により検出した、電圧検出信号を、あらかじめ定められた基準電圧11と比較し、その差を出力する比較器12と、比較器12の出力に応じて、誘導加熱機18を駆動するインバータ16のスイッチング波形を決定することにより、誘導加熱機18の電力を調整するスイッチング波形決定回路13と、同スイッチング波形決定回路13からの信号を、同インバータ16のスイッチング素子を駆動するのに最適な電圧に変換する、スイッチング素子ドライブ回路14により、誘導加熱機18を駆動するインバータのスイッチングを行うので、このように、常に電源平滑用のコンデンサ2の電圧を基準電圧11と比較して電力制御を行うことにより、電源平滑用のコンデンサ2の電圧を、素子破壊などが起こる電圧になることを防止することができ、かつ、電源平滑用のコンデンサ2の電圧変動を小さくすることができるため、電源平滑用のコンデンサ2の損失を小さくすることができ、電源平滑用のコンデンサ2の寿命などにおける信頼度を高めることができる。また、この電力制御により、誘導加熱機18における熱の変動を抑え、熱サイクルによる誘導加熱機18自身や、誘導加熱機18を支える部材の熱疲労を抑制する効果がある。

0063

なお、本実施の形態では、本発明の回生電力処理装置をエレベータに適用する場合について述べたが、これに限るものではなく、電動機を用いるエスカレータ電車、ファンなどの他の装置に適用してもよく、同様の効果を奏する。

0064

実施の形態2.
図15は、この発明の実施の形態2による誘導加熱装置、電力変換回路、および、電力処理装置を用いたエレベータの制御装置の主回路構成を示すブロック図である。本実施の形態2においては、制御装置は、三相交流電源R、S、Tを直流に変換するための整流ダイオードブリッジ等から構成されたコンバータ1と、コンバータ1の出力に接続された電源平滑用のコンデンサ2と、コンデンサ2に並列に接続され、直流電圧を電動機を駆動するのに必要な電力に変換して、電動機に供給する電動機駆動用の電力変換器53と、電力変換器53の出力に接続された電動機(直流電動機)54と、電動機54の回転を伝達するための減速ギア5と、減速ギア5により駆動される駆動綱車6と、駆動綱車6に接続されたカウンタウエイト7とエレベータかご8と、電源平滑用のコンデンサ2に並列に接続された誘導加熱装置9と、電源平滑用のコンデンサ2の両端電圧を検出する電圧検出回路10と、電圧検出回路10の検出電圧と基準電圧とを比較し、その差に応じた信号を出力する比較器12と、比較器12の出力によって、誘導加熱装置9に設けられた後述するインバータ16を構成するスイッチング素子の駆動波形を決定する、スイッチング波形決定回路13と、スイッチング波形決定回路13からの信号に応じて、スイッチング素子を駆動する、スイッチング素子ドライブ回路14とにより構成される。

0065

上述したように、本実施の形態2のエレベータの制御装置では、回生電力の電力処理装置として、電源平滑用のコンデンサ2に並列に誘導加熱装置9を接続する。誘導加熱装置9は、電源平滑用のコンデンサ2の電圧や電流の変動を抑えるための、インダクタとコンデンサなどで構成される入力フィルタ回路15と、直流電圧を数kHz〜数百kHz程度の交流電圧に変換し、誘導加熱機18に供給するための、少なくとも1つ以上のスイッチング素子から構成される誘導加熱機駆動用のインバータ16と、誘導加熱機18とそれに直列もしくは並列に接続した1つ以上のインダクタもしくはコンデンサもしくはその両方等とにより構成される共振回路17とを備えている。なお、誘導加熱機18を駆動するための誘導加熱機駆動用のインバータ16を構成する素子としては、MOSFET、IGBT、サイリスタ、ダイオードなど、スイッチング機能を有するものなら、どのような素子を用いても良い。また、入力フィルタ回路15は、電源平滑用のコンデンサ2の電圧変動や電流変動が、電源平滑用のコンデンサ2自身やその他の回路に影響を及ぼさない場合は用いなくとも良い。

0066

本実施の形態2における誘導加熱機18を用いた場合の利点および誘導加熱機18を用いて回生電力を消費する場合の装置の動作は実施の形態1に記載したものと同様であるため、ここでは説明を省略する。

0067

ここで、従来の直流電動機を用いたエレベータの制御装置の構成を示したブロック図を図17および図18に示す。これらの図において、101は、三相交流電源R、S、Tを直流に変換するための整流ダイオードブリッジから構成されたコンバータ、102は、コンバータ101の出力に接続された電源平滑用のコンデンサ、113は、コンデンサ102に並列に接続され、直流電圧を電動機を駆動するのに必要な電力に変換し、電動機に供給する電動機駆動用の電力変換器、114は、電力変換器113の出力に接続された電動機(直流電動機)、105は、電動機114の回転を伝達するための減速ギア、106は、減速ギア105により駆動される駆動綱車、107および108は、それぞれ、駆動綱車106に接続されたカウンタウエイトとエレベータかご、109および110は、それぞれ、電源平滑用のコンデンサ102に並列に接続される、回生電力を処理するためのスイッチと抵抗器、100は、電源平滑用のコンデンサ102の両端電圧を検出する電圧検出回路、112は、電圧検出回路100の検出電圧と基準電圧111とを比較し、その差に応じた信号を出力する比較器、116は、比較器112の出力によって、スイッチ109を駆動するスイッチング素子ドライブ回路である。なお、スイッチ109と抵抗器110とは、回生電力を処理するための電力処理装置115を構成している。

0068

従来の直流電動機を用いたエレベータの制御装置では、電動機駆動用の電力変換器113の形態によって、電力処理装置115の接続箇所が異なる。すなわち、電動機駆動用の電力変換器113が、双方向の電力伝達が可能なものである場合には、電動機114で発生した回生電力は、電源平滑用のコンデンサ102に伝達されるため、図17に示すように、電力処理装置115は、電源平滑用のコンデンサ102に並列に接続する。一方、これに対して、電動機駆動用の電力変換器113が片方向のみに電力伝達が可能なものである場合には、回生電力は電源平滑用のコンデンサ102に伝達されないため、図18に示すように、回生電力は、電動機114と電力変換器113との間の接続線に回生電力処理装置115を並列に接続することにより消費するか、もしくは、電動機114内部で熱として消費される。

0069

上述したように、直流エレベータの制御装置では、電動機駆動用の電力変換器113の形態によって電力処理装置115の接続箇所が異なる。このことから、本実施の形態2における誘導加熱機を用いた回生電力処理装置は、上述の図15の構成に限定されることはなく、電動機駆動用の電力変換器の形態に従って、図16に示すように、誘導加熱装置9を電力変換器53と電動機54との間の接続線に並列に接続するとともに、電圧検出回路10を電力変換器53と電動機54との間に設けて、電動機54への出力電圧センシングし、同出力電圧に応じて誘導加熱機18を駆動するインバータ16の駆動を制御するようにしても良い。

0070

以上のように、本実施の形態2によれば、直流電動機54の回生電力の処理装置として、誘導加熱機18を用いることにより、同装置を小型で単純な構成で実現することができ、製造コスト削減も図ることができる。

0071

実施の形態3.
上記したように、誘導加熱装置を用いることで、回生電力処理装置を小型にすることができる。このような誘導加熱装置は、電動機の回生電力処理装置としてのみではなく、電力変換器における、インダクタやコンデンサなどの素子に蓄えられ、負荷に供給されずに熱として消費されるような余剰エネルギーを消費する場合にも用いることができる。本実施の形態3においては、誘導加熱装置は、入力される電力を消費するものであり、誘導加熱回路に入力される電力は、電力変換回路中またはこの電力変換回路に接続された負荷中に磁界または電界として蓄積され、負荷で消費されない電力または負荷で発生し負荷で消費されない電力である。

0072

上記余剰エネルギーが、負荷70に供給されずに、熱として消費される例として、図19に、一般的な出力電圧制御型のDC/DCコンバータの回路構成を示すブロック図を示す。
DC/DCコンバータは、電源60と、電源電圧を所定の電圧に変換するためのトランスT1と、スイッチング素子Q1と、トランスT1の出力を整流する整流器61と、整流器61の出力に接続され、電圧を直流化するための平滑コンデンサCoと、平滑コンデンサCoの両端電圧を検出する電圧検出器62と、電圧検出器62の電圧を検出して、平滑コンデンサCoの両端電圧が所定の値になるように、スイッチング素子Q1のスイッチング波形を決定する制御回路63と、スイッチング素子Q1のドレイン(もしくはコレクタ)に接続され、回路の余剰エネルギーを消費するためのダイオードDs、コンデンサCs、及び、抵抗Rsから構成されるスナバ回路64により構成される。なお、図中点線で示したLgは、トランスT1の漏れインダクタンス等の回路に寄生するインダクタンスである。

0073

図19で示したDC/DCコンバータでは、その回路動作において、インダクタンスLgに蓄えられたエネルギーが放出される際に、スイッチング素子Q1のドレインソース間の寄生容量(出力容量)が充電されることにより、高電圧がスイッチング素子Q1に印加され、この高電圧により、スイッチング素子Q1が破壊する虞がある。これを防止するために、スナバ回路64を設置している。スナバ回路64は、インダクタンスLgに蓄えられたエネルギーが放出される際に、ダイオードDsが導通し、インダクタンスLgのエネルギーをコンデンサCsに充電し、かつ、抵抗Rsで消費している。また、インダクタンスLgにエネルギーを蓄えている際には、ダイオードDsが非導通となり、抵抗RsにてコンデンサCsのエネルギーを消費する。これにより、コンデンサCsの電圧が一定以上に上昇しないようにすることができる。このとき、コンデンサCsを寄生コンデンサに対して充分大きくしておくことで、電圧の過剰な上昇を防止することができ、スイッチング素子Q1に高電圧が印加されるのを防ぐ役割を果たす。すなわち、インダクタンスLgに蓄積される回路の余剰エネルギーを、抵抗Rsで熱として消費している。

0074

図20は、本実施の形態3における、図19に示したDC/DCコンバータのスナバ回路64の抵抗Rsを、回生電力処理装置を用いて実現した例である。図20において、回生電力処理装置部分以外は、図19の構成と同様である。

0075

図20における回生電力処理装置は、スナバコンデンサCsに並列に接続された誘導加熱装置9と、スナバコンデンサCsの両端電圧を検出する電圧検出回路65と、電圧検出回路65の検出電圧と基準電圧11とを比較し、その差に応じた信号を出力する比較器12と、比較器12の出力によって、誘導加熱装置9に設けられたインバータ16を構成するスイッチング素子の駆動波形を決定するスイッチング波形決定回路13と、スイッチング波形決定回路13からの信号に応じて当該スイッチング素子を駆動するスイッチング素子ドライブ回路14とにより構成される。なお、図中点線で示したLgは、T1の漏れインダクタンスなど、回路に寄生するインダクタンスである。

0076

誘導加熱装置9は、インダクタとコンデンサなどで構成される入力フィルタ回路15と、直流電圧を数kHz〜数百kHz程度の交流電圧に変換し、誘導加熱機18に供給するための、少なくとも1つ以上のスイッチング素子から構成される誘導加熱器駆動用のインバータ16と、誘導加熱機18と、それに直列もしくは並列に接続した1つ以上のインダクタもしくはコンデンサもしくはその両方等とにより構成される共振回路17とを備えている。なお、誘導加熱機18を駆動するための誘導加熱機駆動用のインバータ16を構成する素子としては、MOSFET、IGBT、サイリスタ、ダイオードなど、スイッチング機能を有するものなら、どのような素子を用いても良い。また、入力フィルタ回路15は、スナバコンデンサCsの電圧変動や電流変動が、スナバコンデンサCs自身やその他の回路に影響を及ぼさない場合は用いなくとも良い。

0077

誘導加熱装置9の駆動方法は、図20における比較器12に入力する電圧検出器65の接続箇所、および、誘導加熱装置9の接続箇所が、スナバコンデンサCsの両端である以外は、実施の形態1とほぼ同様である。インダクタンスLgなどに蓄えられた回路の余剰エネルギーが放出される際に、ダイオードDsが導通し、スナバコンデンサCsが充電され、電圧が上昇する。スナバコンデンサCsの両端電圧が、ある一定以上となったことを電圧検出器65からの電圧検出信号と比較器12により検出し、誘導加熱装置9の駆動を開始する。誘導加熱装置9を駆動することにより、スナバコンデンサCsの両端電圧は、ほぼ一定に保たれる。すなわち、インダクタンスLgなどに蓄えられた回路の余剰エネルギーを誘導加熱機18によって消費するため、スイッチング素子Q1への高電圧の印加が防止される。

0078

本実施の形態3によれば、図19のスナバ回路64の抵抗器Rsの代替として、誘導加熱装置9を用いることと、前述した誘導加熱機18の利点から、スナバ回路を小型にすることができるという効果がある。

0079

また、図20に示した回路は、スナバコンデンサCsを用いず、スイッチング素子Q1の両端に並列に誘導加熱装置9を接続し、スイッチング素子Q1の両端電圧を検知して、その両端電圧がある一定以上にならないよう、誘導加熱装置9を駆動するという方式によっても実現することが可能である。この場合、図20におけるスナバコンデンサCsと入力フィルタ回路15とが不要となり、更に簡単な構成で回路の余剰エネルギーを処理することが可能である。

0080

また、図21に示すように、誘導加熱機を用いたスナバ回路66は、スナバコンデンサCsに並列に誘導加熱機18を接続するのみでも実現することができる。この場合、スナバコンデンサCsと誘導加熱機18を構成するインダクタンス成分と抵抗成分との自由共振により、回路の余剰エネルギーが消費されることになる。

0081

また、上述したような回路の余剰エネルギーは、DC/DCコンバータのみではなく、フルブリッジインバータやハーフブリッジインバータ、その他種々の電力変換器で発生するものであり、その余剰エネルギーを消費する必要がある場合に、上記誘導加熱装置を用いることが可能であり、抵抗器などに比べて、小型な構成で余剰エネルギーを消費することが出来る効果がある。

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