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技術 油膜検出装置

出願人 東亜ディーケーケー株式会社
発明者 奥村剛人小澤一夫石飛毅嶋田耕一大野壱永水野雅夫
出願日 2008年8月8日 (11年1ヶ月経過) 出願番号 2009-528112
公開日 2010年11月18日 (8年10ヶ月経過) 公開番号 WO2009-022649
状態 特許登録済
技術分野 光学的手段による材料の調査、分析
主要キーワード 波形観察 回転式ミラー 交流低電圧 検出対象面 共振部材 スイープ動作 周波数スイープ 反射範囲
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

機械的な駆動機構を持たず、構造が簡単で小型化、低コスト化が可能であって、油膜を高精度に検出することができる油膜検出装置を提供する。

解決手段

光源から水面等の検出対象面レーザ光照射し、検出対象面からの反射光受光して検出対象面に存在する油膜を検出する油膜検出装置において、X方向駆動電圧、Y方向駆動電圧を印加してそれぞれ発生させたX方向変位、Y方向変位によりレーザ光を2次元的に走査し、検出対象面におけるレーザ光の照射範囲として所望の平面を形成する2次元走査部20を備える。

概要

背景

従来の油膜検出装置における検出原理として、油膜による光の反射率が水面による光の反射率よりも高いことに着目し、水面からの反射光の強度を測定して油膜の有無を検出するものが知られている。
この検出原理に基づく従来技術としては、例えば特許文献1〜特許文献6に記載された油膜検出装置が公知となっている。これらの油膜検出装置に共通する課題として、水面の状態(水位の変動や波立ち浮遊物の有無等)に影響されることなく、広範囲にわたって油膜を検出できることが挙げられる。

すなわち、光源が固定されていてレーザ光等の検出光の水面に対する照射角度が一定である場合、水位の変動や波立ち等があると、水面からの反射光が十分に受光部に入射せず、油膜を検出できない事態を生じる。
そのための対策としては、受光部自体やこの受光部に集光するためのミラーを大型化し、水面からの反射光の受光面積を大きくすることが考えられるが、装置の大型化が避けられないため、これに代わる方法が以下のように種々提供されている。

例えば、特許文献1や特許文献2では、光源から水面に照射されるレーザ光の角度を機械的手段により一定周期で変化させている。また、前記特許文献2では、水位変動に応じて光源を上下に移動させ、光源と水面との距離を一定に保つ構造も備えている。

特許文献3では、光源からの光を凹レンズにより発散ビームとして水面に照射し、その反射光を回帰性リフレクタにより反射させた時の水面からの再反射光を前記凹レンズを介して検出するようにした光学系を備えている。

特許文献4には、光源からのレーザ光を走査する回転ミラーとその周囲に配置された複数の反射ミラーとを備え、これらの反射ミラーによりレーザ光を水面に対して複数方向かつ交差的に走査することにより、大口径の放物ミラー等を用いずに、あらゆる方向の波立ちや水面の角度に対して安定した受光を可能にする技術が開示されている。
また、特許文献5には、複数の光源を環状に配置して水面にレーザ光を照射し、これらの反射光を受光することによって水面の波立ちや浮遊物の影響を低減する技術が開示されている。

特許文献6には、レーザ光の照射方向を可変とする振動式または回転式ミラーを設け、これらのミラーを介した水面からの反射光を受光することにより、水面の波立ちや浮遊物の影響を低減する技術が開示されている。

一方、油膜検出装置とは技術分野が相違するが、特許文献7に記載されているように、多様な厚みや光学的屈折率を有する各種の蛍光パターン読み取り試料を対象として、光源からの照射光を前記試料方向へ反射させるミラーを、圧電セラミックからなるアクチュエータにより駆動するようにした蛍光パターン読み取り装置が公知になっている。

特開2001−153800号公報([0012]〜[0016],図1等)
特開2003−149146号公報([0012]〜[0018]、図1等)
特開2005−24414号公報([0009]〜[0023]、図1等)
特開平10−90177号公報([0004]〜[0006]、図1等)
特開平10−213541号公報([0005],[0006],図1等)
特開2003−149134号公報([0005]〜[0007],図1等)
特開平5−180755号公報([0043],[0066],図5,図12等)

概要

機械的な駆動機構を持たず、構造が簡単で小型化、低コスト化が可能であって、油膜を高精度に検出することができる油膜検出装置を提供する。光源から水面等の検出対象面にレーザ光を照射し、検出対象面からの反射光を受光して検出対象面に存在する油膜を検出する油膜検出装置において、X方向駆動電圧、Y方向駆動電圧を印加してそれぞれ発生させたX方向変位、Y方向変位によりレーザ光を2次元的に走査し、検出対象面におけるレーザ光の照射範囲として所望の平面を形成する2次元走査部20を備える。

目的

上述したように、水位の変動や水面の波立ち等に影響されることなく、水面の油膜を広範囲にわたって精度良く検出しようとする油膜検出装置は種々提供されているが、構造の複雑化、コストの上昇、装置の大型化等の問題がある。
また、特許文献7には、圧電素子を用いてミラーを駆動する技術が開示されているものの、この種の技術を油膜検出装置に適用した具体例は未だ存在しない現状である。
すなわち、機械的な駆動機構を持たず、構造が簡単で小型化、低コスト化が可能であると共に光源等の位置や角度の調整が容易であり、油膜を高精度に検出することができる油膜検出装置の提供が要請されている。
そこで、本発明の解決課題は、上記の要請に応えることができる油膜検出装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

光源から検出対象面検出光照射し、前記検出対象面からの反射光受光素子により受光して前記検出対象面に存在する油膜を検出する油膜検出装置において、X方向駆動電圧、Y方向駆動電圧を印加してそれぞれ発生させたX方向変位、Y方向変位により前記検出光を2次元的に走査し、前記検出対象面における前記検出光の照射範囲として所望の平面を形成する2次元走査部を備えたことを特徴とする油膜検出装置。

請求項2

請求項1に記載した油膜検出装置において、前記検出対象面からの反射光を反射させて前記受光素子に入射させる鏡を備えたことを特徴とする油膜検出装置。

請求項3

請求項2に記載した油膜検出装置において、前記鏡を凹面鏡により構成し、この凹面鏡に、前記2次元走査部から前記検出対象面に照射される前記検出光を通過させるための窓孔を形成したことを特徴とする油膜検出装置。

請求項4

請求項1〜3の何れか1項に記載した油膜検出装置において、前記2次元走査部は、前記X方向駆動電圧が印加されて前記X方向変位を発生するX方向バイモルフ素子、及び、前記Y方向駆動電圧が印加されて前記Y方向変位を発生するY方向バイモルフ素子と、これらのバイモルフ素子にそれぞれ取り付けられて異なる軸を中心に回動し、かつ、前記検出光を順次反射させて前記検出対象面方向へ照射するためのX軸ミラー及びY軸ミラーと、を備えたことを特徴とする油膜検出装置。

請求項5

請求項1〜3の何れか1項に記載した油膜検出装置において、前記2次元走査部は、前記X方向駆動電圧が印加されて前記X方向変位を発生するX方向バイモルフ素子、及び、前記Y方向駆動電圧が印加されて前記Y方向変位を発生するY方向バイモルフ素子と、これらのバイモルフ素子にそれぞれバネ材を介して取り付けられて異なる軸を中心に回動し、かつ、前記検出光を順次反射させて前記検出対象面方向へ照射するためのX軸ミラー及びY軸ミラーと、を備えたことを特徴とする油膜検出装置。

請求項6

請求項1〜5の何れか1項に記載した油膜検出装置において、前記検出対象面の状態に応じてオフセット信号を自動的または人為的に与えることにより、前記X方向駆動電圧及びY方向駆動電圧を調整可能にしたことを特徴とする油膜検出装置。

請求項7

請求項4〜6の何れか1項に記載した油膜検出装置において、前記バイモルフ素子に印加する駆動電圧周波数を、このバイモルフ素子を含む前記2次元走査部内の共振部材所定温度における共振周波数を含む一定範囲内で、周期的に変化させることを特徴とする油膜検出装置。

技術分野

0001

本発明は、浄水場河川湖沼等の水面(検出対象面)に存在する油膜を検出するための油膜検出装置に関するものである。

背景技術

0002

従来の油膜検出装置における検出原理として、油膜による光の反射率が水面による光の反射率よりも高いことに着目し、水面からの反射光の強度を測定して油膜の有無を検出するものが知られている。
この検出原理に基づく従来技術としては、例えば特許文献1〜特許文献6に記載された油膜検出装置が公知となっている。これらの油膜検出装置に共通する課題として、水面の状態(水位の変動や波立ち浮遊物の有無等)に影響されることなく、広範囲にわたって油膜を検出できることが挙げられる。

0003

すなわち、光源が固定されていてレーザ光等の検出光の水面に対する照射角度が一定である場合、水位の変動や波立ち等があると、水面からの反射光が十分に受光部に入射せず、油膜を検出できない事態を生じる。
そのための対策としては、受光部自体やこの受光部に集光するためのミラーを大型化し、水面からの反射光の受光面積を大きくすることが考えられるが、装置の大型化が避けられないため、これに代わる方法が以下のように種々提供されている。

0004

例えば、特許文献1や特許文献2では、光源から水面に照射されるレーザ光の角度を機械的手段により一定周期で変化させている。また、前記特許文献2では、水位変動に応じて光源を上下に移動させ、光源と水面との距離を一定に保つ構造も備えている。

0005

特許文献3では、光源からの光を凹レンズにより発散ビームとして水面に照射し、その反射光を回帰性リフレクタにより反射させた時の水面からの再反射光を前記凹レンズを介して検出するようにした光学系を備えている。

0006

特許文献4には、光源からのレーザ光を走査する回転ミラーとその周囲に配置された複数の反射ミラーとを備え、これらの反射ミラーによりレーザ光を水面に対して複数方向かつ交差的に走査することにより、大口径の放物ミラー等を用いずに、あらゆる方向の波立ちや水面の角度に対して安定した受光を可能にする技術が開示されている。
また、特許文献5には、複数の光源を環状に配置して水面にレーザ光を照射し、これらの反射光を受光することによって水面の波立ちや浮遊物の影響を低減する技術が開示されている。

0007

特許文献6には、レーザ光の照射方向を可変とする振動式または回転式ミラーを設け、これらのミラーを介した水面からの反射光を受光することにより、水面の波立ちや浮遊物の影響を低減する技術が開示されている。

0008

一方、油膜検出装置とは技術分野が相違するが、特許文献7に記載されているように、多様な厚みや光学的屈折率を有する各種の蛍光パターン読み取り試料を対象として、光源からの照射光を前記試料方向へ反射させるミラーを、圧電セラミックからなるアクチュエータにより駆動するようにした蛍光パターン読み取り装置が公知になっている。

0009

特開2001−153800号公報([0012]〜[0016],図1等)
特開2003−149146号公報([0012]〜[0018]、図1等)
特開2005−24414号公報([0009]〜[0023]、図1等)
特開平10−90177号公報([0004]〜[0006]、図1等)
特開平10−213541号公報([0005],[0006],図1等)
特開2003−149134号公報([0005]〜[0007],図1等)
特開平5−180755号公報([0043],[0066],図5,図12等)

発明が解決しようとする課題

0010

上述した各従来技術において、特許文献1,2,6に係る従来技術では、光源やミラーを機械的に駆動するためのモータ等からなる駆動機構が複雑になる。
また、特許文献3に係る従来技術では、光学系が複雑であってコストが高くなると共に、特許文献4,5に係る従来技術では、光源やミラーが複数必要であるため、部品数の増加によるコストの上昇、装置全体の大型化等の問題がある。更に、光源やミラーの位置、角度を厳密に設定する必要があり、そのための作業が極めて煩雑である。

0011

上述したように、水位の変動や水面の波立ち等に影響されることなく、水面の油膜を広範囲にわたって精度良く検出しようとする油膜検出装置は種々提供されているが、構造の複雑化、コストの上昇、装置の大型化等の問題がある。
また、特許文献7には、圧電素子を用いてミラーを駆動する技術が開示されているものの、この種の技術を油膜検出装置に適用した具体例は未だ存在しない現状である。
すなわち、機械的な駆動機構を持たず、構造が簡単で小型化、低コスト化が可能であると共に光源等の位置や角度の調整が容易であり、油膜を高精度に検出することができる油膜検出装置の提供が要請されている。
そこで、本発明の解決課題は、上記の要請に応えることができる油膜検出装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、光源から検出対象面に検出光を照射し、前記検出対象面からの反射光を受光素子により受光して前記検出対象面に存在する油膜を検出する油膜検出装置において、
方向駆動電圧、Y方向駆動電圧を印加してそれぞれ発生させたX方向変位、Y方向変位により前記検出光を2次元的に走査し、前記検出対象面における前記検出光の照射範囲として所望の平面を形成する2次元走査部を備えたものである。

0013

請求項2に係る発明は、請求項1に記載した油膜検出装置において、前記検出対象面からの反射光を反射させて前記受光素子に入射させる鏡を備えたものである。

0014

請求項3に係る発明は、請求項2に記載した油膜検出装置において、前記鏡を凹面鏡により構成し、この凹面鏡に、前記2次元走査部から前記検出対象面に照射される前記検出光を通過させるための窓孔を形成したものである。

0015

請求項4に係る発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載した油膜検出装置において、
前記2次元走査部は、
前記X方向駆動電圧が印加されて前記X方向変位を発生するX方向バイモルフ素子、及び、前記Y方向駆動電圧が印加されて前記Y方向変位を発生するY方向バイモルフ素子と、これらのバイモルフ素子にそれぞれ取り付けられて異なる軸を中心に回動し、かつ、前記検出光を順次反射させて前記検出対象面方向へ照射するためのX軸ミラー及びY軸ミラーと、を備えたものである。

0016

請求項5に係る発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載した油膜検出装置において、
前記2次元走査部は、
前記X方向駆動電圧が印加されて前記X方向変位を発生するX方向バイモルフ素子、及び、前記Y方向駆動電圧が印加されて前記Y方向変位を発生するY方向バイモルフ素子と、これらのバイモルフ素子にそれぞれバネ材を介して取り付けられて異なる軸を中心に回動し、かつ、前記検出光を順次反射させて前記検出対象面方向へ照射するためのX軸ミラー及びY軸ミラーと、を備えたものである。

0017

請求項6に係る発明は、請求項1〜5の何れか1項に記載した油膜検出装置において、前記検出対象面の状態に応じてオフセット信号を自動的または人為的に与えることにより、前記X方向駆動電圧及びY方向駆動電圧を調整可能にしたものである。

0018

請求項7に係る発明は、請求項4〜6の何れか1項に記載した油膜検出装置において、
前記バイモルフ素子に印加する駆動電圧周波数を、このバイモルフ素子を含む前記2次元走査部内の共振部材所定温度における共振周波数を含む一定範囲内で、周期的に変化させるものである。

発明の効果

0019

本発明によれば、所定のスキャンパターンに応じたX方向駆動電圧、Y方向駆動電圧を2次元走査部に印加することにより、検出対象面である水面に対し検出光を2次元的に走査することができる。従って、光源やミラーを駆動するモータ等の駆動機構が不要であり、装置の小型化を図ることができる。また、光源やミラーを複数備える必要がないので、部品数の削減による小型化、低コスト化、調整作業の簡略化も可能になる。
更に、本発明では、検出対象面からの反射光を凹面鏡等の鏡により再度反射させ、この反射光を受光素子に入射させると共に、2次元走査部からの照射光を、前記鏡に形成された窓孔を介して検出対象面にほぼ鉛直に入射させるような光学系を構成することができる。これにより、2次元走査部から検出対象面までの距離に影響されずに確実に油膜を検出することができる。
また、検出対象面としての水面の状態(水位の変動や波立ち、浮遊物の有無等)に応じたオフセット信号を自動的または人為的に前記駆動電圧に加えることにより2次元走査部を制御すれば、水面の状態に関わらず、油膜による反射光を高精度に検出することができる。
加えて、バイモルフ素子を含む共振部材の共振現象を利用して検出光を2次元的に走査する場合には、バイモルフ素子に印加する駆動電圧の周波数を一定範囲内で周期的に変化させることにより、周囲温度によってずれを生じる共振周波数の温度補償を適切に行うことができる。

発明を実施するための最良の形態

0020

以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る油膜検出装置の概略的な構成図である。図1において、10はCPU等からなる制御部であり、主として、光源であるレーザダイオード38の駆動制御と、前記レーザダイオード38から照射された検出光としてのレーザ光を、検出対象面である水面Wに対して2次元的に走査するための2次元走査部20の駆動制御とを行うと共に、装置全体を統括的に制御する機能を備えている。

0021

上記制御部10にはバイナリカウンタ11が接続されており、クロック信号カウントしてパターンメモリ13に与えるアドレス時系列的に発生するようになっている。
パターンメモリ13は、2次元走査部20に与えるX方向駆動電圧、Y方向駆動電圧に対応したX方向パターン信号Px、Y方向パターン信号Pyを、例えば図2(a),図3(a)に示すような波形ディジタルデータとして所定アドレスに予め記憶している。これらのパターン信号(以下、スキャンパターンともいう)は複数組用意されており、制御部10からの指令を受けたスキャンパターン決定ロジック12によって所定のスキャンパターンが選択されるようになっている。ここで、図2(b),図3(b)は、各スキャンパターンに応じて水面Wに形成されるレーザ光の軌跡を示したものである。

0022

パターンメモリ13から出力されたX方向パターン信号Px、Y方向パターン信号Pyのディジタルデータには、加算器14x,14yにおいてオフセット信号Soがそれぞれ加算され、その加算結果はD/A変換器15x,15yに入力されてアナログ信号に変換される。
なお、上記オフセット信号Soは、後述するように水面モニタ17の出力信号に応じてオフセット決定ロジック18により選択される信号である。

0023

D/A変換器15x,15yから出力されたアナログ信号はX方向駆動回路16x、Y方向駆動回路16yにそれぞれ入力され、X方向駆動電圧Vx、Y方向駆動電圧Vyに変換されて2次元走査部20に印加される。
一方、前記制御部10にはレーザダイオード駆動回路37が接続されており、この駆動回路37により光源としてのレーザダイオード38に所定の電圧が印加されるようになっている。

0024

次に、図4は前記2次元走査部20の概略的な構成を示す図である。
図4において、21x,21yは支持部、22x,22yは支持部21x,21yにそれぞれの一端が固着されたバイモルフ素子(バイモルフピエゾアクチュエータ)、23xはバイモルフ素子22xの他端に取り付けられた回動可能なX軸ミラー、23yはバイモルフ素子22yの他端に取り付けられた回動可能なY軸ミラーである。

0025

ここで、バイモルフ素子22x,22yは、周知のように2枚のピエゾ板を張り合わせてこれらのピエゾ板に電圧を印加することにより、それぞれ一平面内における変位を生じるものであり、バイモルフ素子22xに取り付けられたX軸ミラー23xを、X軸24xを中心として回動させ、バイモルフ素子22yに取り付けられたY軸ミラー23yを、Y軸24yを中心として回動させるように動作する。
このため、バイモルフ素子22x,22yに印加されるX方向駆動電圧Vx、Y方向駆動電圧Vyを前記スキャンパターンに従って変化させれば、レーザダイオード38から照射されたレーザ光LをX軸ミラー23x、Y軸ミラー23yにより順次反射させて水面Wを2次元的に走査し、レーザ光Lの照射範囲として所望の平面を形成することができる。

0026

なお、2次元走査部20の構造は図4の例に何ら限定されるものではなく、レーザ光Lを反射させて水面Wを2次元的に走査可能であればいかなる構造であっても良い。
また、図4に示した例では、X軸24xとY軸24yとがいわゆるねじれの位置にあってY軸ミラー23yの手前から見ればX軸24xとY軸24yとがほぼ直交しているが、両軸24x,24yの位置関係はこれに限定されない。言い換えれば、X軸ミラー23xが回動する一平面とY軸ミラー23yが回動する一平面とは、必ずしも直交していなくても良く、任意の角度で交差するものであれば足りる。

0027

図1に戻って、2次元走査部20を経て出射したレーザ光Lは水面Wにより反射し、受光部としてのフォトダイオード31により受光される。なお、A1はレーザ光Lの照射範囲、A2は反射範囲、A3はフォトダイオード31による受光範囲を示している。

0028

フォトダイオード31により受光された水面Wからの反射光は電気信号に変換され、アンプ32により増幅された後、ローパスフィルタ33によりノイズが除去される。ローパスフィルタ33の出力信号は、同期検波回路34において前記スキャンパターンのタイミングに従って検波することにより、水面Wからの反射光量(反射率)に応じた信号が駆動電圧に同期して生成される。

0029

同期検波回路34の出力信号はピークホールド回路35に入力されてそのピーク値が検出されると共に、反射光量の波形観察等を行うためにアナログモニタ出力として利用される。
また、前記ピーク値が、比較器36における所定のしきい値(油膜検出レベル)を超えるとリレーが駆動され、油膜検出出力を生じさせると共に、外部に伝送するためのDC出力として用いられるようになっている。

0030

オフセット決定ロジック18は、前述したごとく加算器14x,14yに与えるオフセット信号Soを選択するためのものであり、水面モニタ17の出力信号に応じてバイモルフ素子22x,22yに対して水面の高さによって照射位置補正する最適なオフセット信号Soを選択し、加算器14x,14yに与えるように機能する。
更に、前記水面モニタ17は、例えば光学的検出手段により水面Wの状態(水位の変動や波立ち、浮遊物の有無等)を検出する一種センサとして構成されており、その出力信号はオフセット決定ロジック18に与えられている。

0031

ここで、上記オフセット信号Soは以下のようにして決定されるもので、オフセット決定ロジック18が保有している。
すなわち、水位や波立ちの状態等について各種のケースを予め想定し、それぞれの場合について、前記照射範囲A1に存在する油膜からの反射光をフォトダイオード31により良好に受光できるようなオフセット信号Soをテーブル等に格納しておく。そして、実際の油膜検出時には、水面モニタ17の出力信号に応じてオフセット決定ロジック18により選択されたオフセット信号SoをX方向パターン信号Px、Y方向パターン信号Pyにそれぞれ加算してX方向駆動電圧Vx、Y方向駆動電圧Vyを最適値に調整し、2次元走査部20のバイモルフ素子22x,22yに印加して照射範囲A1の照射位置、大きさ及び/または2次元パターンを調整するものである。
なお、オフセット信号Soを決定するための水位等のデータは、手動にて入力しても良い。

0032

図5は、フォトダイオード31の受光範囲A3が水面Wの水位Nの変化によって変化する様子、及び、前記受光範囲A3内に照射範囲A1が入るようにX軸ミラー23xの位置Mを調整する様子を模式的に示したものである。
フォトダイオード31による受光範囲A3は、水位がN1の場合(水位が高い場合)には紙面に向かって左側にあるが、水位が下がるにつれて、紙面に向かって右側にシフトしていく(水位N2,N3)。

0033

ここで、例えば、バイモルフ素子22xに対するX方向パターン信号Px(オフセット信号Soはゼロであるとする)に応じたX軸ミラー23xの位置が、M2であるとする。このとき、照射範囲A1からの反射光をフォトダイオード31が良好に受光できる水位の範囲は、N2nである。
しかし、水位Nが上記範囲N2nを超えて上昇または下降した場合、フォトダイオード31は、照射範囲A1からの反射光を良好に受光することができなくなる。

0034

この場合に、バイモルフ素子22xに対するオフセット信号SoによりX方向パターン信号Pxをマイナス側にシフトすると、バイモルフ素子22xの初期位置が変化することによりX軸ミラー23xの位置がM1に変化して、上昇した水位N1に対応することができ、逆に上記X方向パターン信号Pxをプラス側にシフトすると、X軸ミラー23xの位置がM3に変化して、下降した水位N3に対応することができる。

0035

なお、詳述はしないが、Y軸ミラー23yについても、例えば照射範囲A1の平面的な位置調整等を行うために、バイモルフ素子22yに対するオフセット信号SoによりY方向パターン信号Pyをプラス側またはマイナス側に調整することが可能である。

0036

以上のように本実施形態によれば、光源やミラーを駆動するモータ等の機械的駆動機構を用いずに、2次元走査部20の駆動電圧を制御するという電気的制御手段のみによってレーザ光を任意の平面内で走査することができる。このため、従来技術に比べて構造の簡略化、装置の小型化を図ることができる。
また、光源やミラーを複数備える必要がないので、部品数の削減によって更に小型化、低コスト化を達成することができ、光学系の角度調整作業も比較的簡単である。
更に、水面の状態をモニタして得たオフセット信号により2次元走査部20の駆動電圧を調整することで、水位の変動や波立ち、浮遊物の有無等に関わらず、水面に存在する油膜からの反射光を高精度に受光することができる。

0037

さて、上述した第1実施形態では、レーザダイオード38から2次元走査部20を介して水面Wに照射したレーザ光Lの反射光を、フォトダイオード31により直接検出している。この場合、2次元走査部20から水面Wへの照射光の光路上にフォトダイオード31を配置すると照射光が遮られてしまうため、図1図5に示したように、2次元走査部20の側方にフォトダイオード31を配置せざるを得ず、その結果、水面Wにおけるレーザ光Lの入反射光は所定の角度で交差することになる。

0038

しかし、このような光学系においては、図5等により説明したように、例えばX方向パターン信号Pxにオフセット信号Soを加えれば一定範囲の水位変動には対応可能であるが、X軸ミラー23xの可動範囲も限られているため、2次元走査部20から水面Wまでの距離が極端に長い場合や短い場合など、水面Wからの反射光がフォトダイオード31の受光範囲から外れてしまう懸念がある。
本発明の第2実施形態は、上記の点に鑑み、2次元走査部から受光素子に至る光学系を改良することにより、水面Wまでの距離に関わらず確実に油膜を検出可能としたものである。

0039

まず、図6は第2実施形態における光学系の概略的な構成図であり、図4と同一の機能を有する部材には同一の参照符号を付してある。
図6において、25x,25yはりん青銅薄板からなるバネ材であり、それぞれバイモルフ素子22xとX軸ミラー23x、バイモルフ素子22yとY軸ミラー23yを連結している。これらのバネ材25x,25yは、バイモルフ素子22x,22yの変位を拡大して各ミラー23x,23yに伝達する機能を持っている。

0040

各バイモルフ素子22x,22yにX方向駆動電圧Vx、Y方向駆動電圧Vyをそれぞれ印加することにより各バイモルフ素子22x,22yに変位が発生し、これらの変位は、バネ材25xにより拡大されてX軸ミラー23xをX軸24xの周囲に回動させると共に、バネ材25yにより拡大されてY軸ミラー23yをY軸24yの周囲に回動させる。従って、この第2実施形態でも、レーザダイオード38から照射されたレーザ光LをX軸ミラー23x、Y軸ミラー23yにより順次反射させて水面Wを2次元的に走査し、レーザ光Lの照射範囲として所望の平面を形成することが可能になっている。
なお、後述するように、本実施形態では共振現象を利用してX方向及びY方向の変位を得ているため、バイモルフ素子22x、バネ材25x、X軸ミラー23xからなる部材、及び、バイモルフ素子22y、バネ材25y、Y軸ミラー23yからなる部材を、共振部材とも呼ぶものとする。

0041

次に、40は凹面鏡であり、Y軸ミラー23yにより反射したレーザ光Lが貫通する窓孔41が形成されていると共に、その下面には、水面Wからの反射光を再度反射させる放物曲面または楕円曲面からなる反射面42が形成されている。ここで、窓孔41の内径は、レーザ光LのX方向及びY方向の走査幅に応じて設定されている。
また、凹面鏡40の斜め下方、詳しくは反射面42の焦点位置には、反射面42からの反射光が入射するフォトダイオード31が配置されている。
なお、各バイモルフ素子22x,22yにX方向駆動電圧Vx、Y方向駆動電圧Vyが印加されていない初期状態では、レーザダイオード38から出射してX軸ミラー23x、Y軸ミラー23yにより順次反射したレーザ光Lが、窓孔41を通って水面Wに鉛直に入射するようになっており、この鉛直線を基準としてレーザ光Lが2次元的に走査されるものである。

0042

図7図6の平面図に相当しており、20Aは上記バイモルフ素子22x,22y、バネ材25x,25y及びミラー23x,23yからなる2次元走査部を示している。
また、図8はこの第2実施形態の作用を示す概念図であり、2次元走査部20Aによりレーザ光LをX方向に走査した時の水面Wからの反射光が反射面42により反射してフォトダイオード31に入射する様子を示したものである。ここで、前述した如くレーザ光LはY方向にも走査されるが、図面中の光路が煩雑になるので、図8では省略してある。

0043

この第2実施形態では、2次元走査部20Aによって凹面鏡40の上方から鉛直線を中心にレーザ光Lを照射し、水面Wからの反射光を反射面42により反射させてフォトダイオード31に入射させるように光学系が構成されている。この場合、仮に水面Wが波立っておらず平坦面で完全に静止していれば、2次元走査部20Aから鉛直線上に照射されたレーザ光Lは水面Wにより反射して鉛直線上を窓孔41方向に戻っていくため検出不可能になるが、現実には、このような状況はほとんどなく、また、2次元走査部20Aによりレーザ光Lを僅かでも走査すれば、水面Wからの反射光はほぼ確実に窓孔41を外れて反射面42により捕捉され、フォトダイオード31に入射する。

0044

従って、反射面42がある程度の面積を有していれば、水面Wの高さ、すなわち2次元走査部20Aから水面Wまでの距離に関わらず水面Wからの反射光を反射面42が確実に捉えてフォトダイオード31に入射させることができ、油膜検出精度を高めることができる。
ここで、上記2次元走査部20Aに代えて、バネ材25x,25yを有しない第1実施形態(図4)のような構成の2次元走査部20を用いることも可能である。

0045

次に、バイモルフ素子22x,22yの駆動方法について考察する。
一般に、バイモルフ素子により大きな変位を得たい場合には、バイモルフ素子に直流高電圧を印加するのが効果的であるが、回路を高電圧化することによるデメリット絶縁対策等)を考えた場合、バイモルフ素子やミラーを含む2次元走査部の構成部材(すなわち共振部材)に固有の共振周波数に着目して、この周波数の交流低電圧をバイモルフ素子に印加し、上記構成部材を共振させて駆動することが望ましい。更に、第2実施形態に示したようにバネ材を併用すると、このバネ材の共振作用によりバイモルフ素子の変位を一層拡大してミラーに伝達することができ、X方向、Y方向の走査幅が長くなって水面Wにおけるレーザ光Lの照射範囲も拡大する。

0046

ここで、図9(a),(b)は、図6に示したようなバイモルフ素子(例えば22x)、バネ材(同25x)及びミラー(同23x)からなる共振部材のバイモルフ素子に、振幅が一定(±10[V])の正弦波交流電圧周波数変調して印加した場合の走査幅の変動を測定したものである。
なお、図9(a)は、バネ材として0.1mm厚のりん青銅を使用した場合の特性図、図9(b)は、バネ材として0.2mm厚のりん青銅を使用した場合の特性図を示しており、何れも、駆動電圧の周波数が共振点から外れると走査幅が非常に小さくなることがわかる。
このように、共振周波数は共振部材の構造により異なるので、共振部材ごとに予め固有の共振周波数を測定しておき、バイモルフ素子の駆動電圧の周波数をその値に設定することが必要になる。

0047

しかしながら、上述した固有の共振周波数は、常に一定というわけではない。すなわち、周囲温度の変化によって共振部材の寸法等が微妙に変化し、特にバネ材を用いる場合には特性変化が大きくなって共振周波数は変動する。このように共振周波数が変動すると、バイモルフ素子の駆動電圧の周波数が固定されている限り、X方向、Y方向の所望の走査幅が得られない事態を生じる。

0048

ここで、図10は、図9において測定対象とした共振部材のように、バイモルフ素子(例えば22x)、バネ材(同25x)及びミラー(同23x)からなる共振部材の周囲温度−共振周波数特性の一例を示している。この図10によれば、周囲温度に応じて共振周波数が変化しているのがわかる。
このような場合、バイモルフ素子の駆動電圧の周波数が固定されたままであると、温度によっては共振点からずれてしまい、所望の走査幅が得られないおそれがある。

0049

上記の点に鑑み、発明者は、共振部材の基準温度(例えば20[℃])における共振周波数(同100[Hz])を基準として、±10[Hz]の範囲で駆動電圧の周波数を周期的に変化(スイープ)させることにより、温度変化に伴って共振周波数にずれが生じた場合にも確実に共振動作を行わせるようにした。
図11は、周波数のスイープ動作時における周囲温度−走査幅特性の一例を示しており、サンプルとして使用した共振部材は図10におけるものと同一である。なお、バイモルフ素子に印加した電圧は振幅が±10[V]の正弦波交流電圧であり、周波数は前述のように100[Hz]±10[Hz]とし、スイープ動作は1[sec]のうち250[msec]をスイープ時間、750[msec]を停止時間とした。

0050

図11によれば、周囲温度が変化しても走査幅に与える影響が抑えられ、実用温度範囲では、顕著なばらつきもなく走査幅がほぼ一定に保たれている。これは、前述した周波数のスイープ動作により、各温度において共振動作が確保されており、2次元走査部20Aによって所望の走査幅が得られていることを示すものである。
なお、このような周波数のスイープ動作は、第1実施形態(図4)のようにバネ材を持たない構成の2次元走査部20にも適用可能である。

図面の簡単な説明

0051

本発明の第1実施形態に係る油膜検出装置の概略的な構成図である。
図1のパターンメモリに記憶されたスキャンパターン(図2(a))と、これに対応するレーザ光の軌跡(図2(b))を示す図である。
図1のパターンメモリに記憶されたスキャンパターン(図3(a))と、これに対応するレーザ光の軌跡(図3(b))を示す図である。
図1における2次元走査部の概略的な構成図である。
図1におけるフォトダイオードの受光範囲が変化する様子、及び、X軸ミラーの位置を調整する様子を模式的に示した図である。
本発明の第2実施形態における光学系の概略的な構成図である。
本発明の第2実施形態における光学系の概略的な平面図である。
本発明の第2実施形態の作用を示す概念図である。
本発明の第2実施形態におけるバイモルフ素子駆動電圧の周波数−走査幅特性図である。
本発明の第2実施形態における共振部材の周囲温度−共振周波数特性図である。
本発明の第2実施形態における周波数スイープ動作時の周囲温度−走査幅特性図である。

符号の説明

0052

10:制御部
11:バイナリカウンタ
12:スキャンパターン決定ロジック
13:パターンメモリ
14x,14y:加算器
15x,15y:D/A変換器
16x:X方向駆動回路
16y:Y方向駆動回路
17:水面モニタ
18:オフセット決定ロジック
20,20A:2次元走査部
21x,21y:支持部
22x,22y:バイモルフ素子
23x:X軸ミラー
23y:Y軸ミラー
24x:X軸
24y:Y軸
25x,25y:バネ材
31:フォトダイオード
32:アンプ
33:ローパスフィルタ
34:同期検波回路
35:ピークホールド回路
36:比較器
37:レーザダイオード駆動回路
38:レーザダイオード
40:凹面鏡
41:窓孔
42:反射面
L:レーザ光
A1:照射範囲
A2:反射範囲
A3:受光範囲
W:水面(検出対象面)

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