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技術 アレーアンテナ

出願人 オムロン株式会社
発明者 野上英克
出願日 2008年3月14日 (12年8ヶ月経過) 出願番号 2009-515105
公開日 2010年8月5日 (10年3ヶ月経過) 公開番号 WO2008-142900
状態 特許登録済
技術分野 可変指向性アンテナ、アンテナ配列 導波管型アンテナ
主要キーワード 最小電界 合成電界 円形偏波 設計周波数 励振振幅 ビームシフト 方形パッチアンテナ 円形パッチアンテナ
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図面 (20)

課題

基板や大きさなどを変更せずに、周波数が変化した場合においても指向特性及び軸比特性のいずれも良好なアレーアンテナを提供すること。

解決手段

左端部から中央部にかけてシーケンシャルに配列した第1のシーケンシャル配列部S1と、右端部から中央部にかけてシーケンシャルに配列した第2のシーケンシャル配列部S2とを左右対称に配列する。

概要

背景

従来、摂動付きの平面アンテナに代表されるアンテナは、軸比帯域が狭く、設計周波数付近では軸比を良好に保てるが、周波数がずれると軸比の特性が極端に悪くなる特徴がある。その様子を図15に示しており、(a)は軸比特性を示すグラフであり、(b)はそれぞれの周波数における偏波状態を示している。これらグラフから設計周波数、すなわち中心周波数f0付近では軸比はほとんど0dBであり良好であるが、この中心周波数に対し−側にずれたf−、+側にずれたf+においては軸比特性が極端に悪くなっている。また、偏波状態においても、中心周波数f0においては、円形偏波となるが、f−及びf+においては左右に傾斜する楕円偏波となり軸比が極端に悪くなっている。

また、近年、この摂動付きの平面アンテナをシーケンシャルに配列したシーケンシャルアレーアンテナも開発されている(例えば、特許文献1の段落番号0027欄参照)。このシーケンシャルアレーアンテナは、アンテナ素子複数個配列し、各アンテナ素子を180/n(n=1、2、3、・・・)度回転させ、位相も180/n(n=1、2、3、・・・)度変えて励振する。例えば、図16に示すように、給電点が1つで、かつ対向する切り欠き(摂動)を有するアンテナ素子を3個リニアに配列してシーケンシャルアレーアンテナとする場合には、各アンテナ素子が次の式、 φn=(n−1)π/N(n:n番目のアンテナ素子、N:アンテナ素子の数、3個のアンテナ素子の場合はN=3)に従って機械的に回転させられた上で配列されている。

このように、N素子からなるシーケンシャルアレーアンテナにおいて、n番目のアンテナ素子に上記式φn=(n−1)π/Nの回転と位相偏移を与えると、ブロードサイド方向(アンテナ素子の配列方向に対し直交する方向)にはアンテナ素子の偏波に関係なく、完全な円偏波放射するので、広帯域にわたって良好な円偏波とインピーダンス特性が保てる。

しかしながら、中心周波数からずれた周波数(通信チャンネル)を使用するとき、シーケンシャルアレーアンテナの指向特性が図17のようになり、周波数により指向特性が変化するという問題がある。特に、移相器と組み合わせてフェーズドアレイアンテナとして指向方向を制御する場合、周波数によりビーム方向が変化する。RFIDのように通信相手直線偏波の場合、特に顕著であり周波数により受信エリアが変化してしまう。図17は、シーケンシャルアレーアンテナの指向特性及び軸比特性を示しており、(a)、(b)は周波数f+、(c)、(d)は周波数f−をそれぞれ使用した場合の、ビームの状態を示している。Eθは円偏波の水平成分、Eφは垂直成分をそれぞれ示すが、周波数f+と周波数f−の場合では、Eθ、Eφで利得に変化がなく軸比特性に変化はないものの、ビーム方向は左右正反対となっており、更に、移相器を組み合わせてビームシフトした際には、図17(b)、(d)に示すように、Eθ、Eφで変化している。

一方、図18に示すようなアンテナ方向を同一とした摂動付きのアンテナ素子をリニアに配列した一般的なフェーズドアレーアンテナの場合には、指向特性は周波数に依存しないものの利得の変動が図19に示すように大きくなる。図19は、フェーズドアレーアンテナの指向特性を示しており、(a)、(b)は周波数f+、(c)、(d)は周波数f−をそれぞれ使用した場合の、ビームの状態を示している。周波数f+と周波数f−の場合では、Eθ、Eφで共に正面方向を向いており指向特性には変化がないものの、利得は正反対となっている。上記同様ビームシフトした際にも、Eθ、Eφで変化している。

すなわち、個々のアンテナ軸比帯域が低い平面アンテナ素子を用いてシーケンシャルアレーアンテナあるいはフェーズドアレーアンテナを構成した場合には、シーケンシャルアレーアンテナにおいては、周波数の変化によらず、ブロードサイド方向は広帯域に良好な軸比特性を保つが、指向方向は周波数の変化により変動する。他方、フェーズドアレーアンテナにおいては、指向方向は周波数の変化により変動しないが、軸比は周波数の変化により変動してしまう。このように、それぞれのアレーアンテナでは指向特性及び軸比帯域において一長一短がある。

このような従来の問題点を解決する方法として、以下のような方法がある。軸比帯域改善の1つの手法としては、アレーアンテナを構成する基板の厚さを厚くしたり、基板誘電率を低くするという手法がある。しかしながら、この手法を用いるとアンテナのサイズが大きくなりコンパクト化が図れない、製造コストアップするなど別の問題が生じてしまう。また、軸比帯域改善の他の手法として、給電点を2箇所にするという手法があるが、この手法でも、給電回路が複雑化するという他の問題点が生じてしまう。その他にも、シーケンシャルアレーアンテナにおいて、横列だけでなく縦列にもアンテナ素子を増やし、いわゆるシーケンシャルサブアレー構成とする方法もあるが、やはりこの方法によっても、アンテナサイズが大きくなってしまうという別の問題が生じてしまう。このように、従来の方法により、上記問題を解決した場合には、いずれもアンテナサイズの大型化や複雑化という別の問題が発生してしまい、未だ満足する解決方法が提案されていない。

特開平09—98016号公報

概要

基板や大きさなどを変更せずに、周波数が変化した場合においても指向特性及び軸比特性のいずれも良好なアレーアンテナを提供すること。左端部から中央部にかけてシーケンシャルに配列した第1のシーケンシャル配列部S1と、右端部から中央部にかけてシーケンシャルに配列した第2のシーケンシャル配列部S2とを左右対称に配列する。

目的

本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、その目的は、複数個の摂動付き平面アンテナ素子をリニアに配列したアレーアンテナにおいて、基板や大きさなどを変更せずに、周波数が変化した場合においても指向特性及び軸比特性のいずれも良好なアレーアンテナを提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

複数個摂動付き平面アンテナ素子リニアに配列したアレーアンテナであって、左端部から中央部にかけてシーケンシャルに配列した第1のシーケンシャル配列部と、右端部から中央部にかけてシーケンシャルに配列した第2のシーケンシャル配列部と、からなり、上記第1のシーケンシャル配列部と上記第2のシーケンシャル配列部とは左右対称であることを特徴とするアレーアンテナ。

請求項2

上記複数個の摂動付き平面アンテナ素子は、偶数個あるいは奇数個からなることを特徴とする請求項1に記載のアレーアンテナ。

請求項3

上記摂動付き平面アンテナ素子は、円形パッチアンテナあるいは方形パッチアンテナであることを特徴とする請求項1あるいは2に記載のアレーアンテナ。

請求項4

上記第1のシーケンシャル配列部及び上記第2のシーケンシャル配列部を構成する摂動付き平面アンテナ素子のそれぞれの間隔は、等間隔あるいは不等間隔であることを特徴とする請求項1あるいは2に記載のアレーアンテナ。

請求項5

上記第1のシーケンシャル配列部及び上記第2のシーケンシャル配列部を構成する摂動付き平面アンテナ素子のそれぞれの間隔は、等間隔あるいは不等間隔であることを特徴とする請求項3に記載のアレーアンテナ。

技術分野

0001

本発明は、複数個摂動付き平面アンテナ素子リニアに配列したアレーアンテナに関するものである。

背景技術

0002

従来、摂動付きの平面アンテナに代表されるアンテナは、軸比帯域が狭く、設計周波数付近では軸比を良好に保てるが、周波数がずれると軸比の特性が極端に悪くなる特徴がある。その様子を図15に示しており、(a)は軸比特性を示すグラフであり、(b)はそれぞれの周波数における偏波状態を示している。これらグラフから設計周波数、すなわち中心周波数f0付近では軸比はほとんど0dBであり良好であるが、この中心周波数に対し−側にずれたf−、+側にずれたf+においては軸比特性が極端に悪くなっている。また、偏波状態においても、中心周波数f0においては、円形偏波となるが、f−及びf+においては左右に傾斜する楕円偏波となり軸比が極端に悪くなっている。

0003

また、近年、この摂動付きの平面アンテナをシーケンシャルに配列したシーケンシャルアレーアンテナも開発されている(例えば、特許文献1の段落番号0027欄参照)。このシーケンシャルアレーアンテナは、アンテナ素子を複数個配列し、各アンテナ素子を180/n(n=1、2、3、・・・)度回転させ、位相も180/n(n=1、2、3、・・・)度変えて励振する。例えば、図16に示すように、給電点が1つで、かつ対向する切り欠き(摂動)を有するアンテナ素子を3個リニアに配列してシーケンシャルアレーアンテナとする場合には、各アンテナ素子が次の式、 φn=(n−1)π/N(n:n番目のアンテナ素子、N:アンテナ素子の数、3個のアンテナ素子の場合はN=3)に従って機械的に回転させられた上で配列されている。

0004

このように、N素子からなるシーケンシャルアレーアンテナにおいて、n番目のアンテナ素子に上記式φn=(n−1)π/Nの回転と位相偏移を与えると、ブロードサイド方向(アンテナ素子の配列方向に対し直交する方向)にはアンテナ素子の偏波に関係なく、完全な円偏波放射するので、広帯域にわたって良好な円偏波とインピーダンス特性が保てる。

0005

しかしながら、中心周波数からずれた周波数(通信チャンネル)を使用するとき、シーケンシャルアレーアンテナの指向特性図17のようになり、周波数により指向特性が変化するという問題がある。特に、移相器と組み合わせてフェーズドアレイアンテナとして指向方向を制御する場合、周波数によりビーム方向が変化する。RFIDのように通信相手直線偏波の場合、特に顕著であり周波数により受信エリアが変化してしまう。図17は、シーケンシャルアレーアンテナの指向特性及び軸比特性を示しており、(a)、(b)は周波数f+、(c)、(d)は周波数f−をそれぞれ使用した場合の、ビームの状態を示している。Eθは円偏波の水平成分、Eφは垂直成分をそれぞれ示すが、周波数f+と周波数f−の場合では、Eθ、Eφで利得に変化がなく軸比特性に変化はないものの、ビーム方向は左右正反対となっており、更に、移相器を組み合わせてビームシフトした際には、図17(b)、(d)に示すように、Eθ、Eφで変化している。

0006

一方、図18に示すようなアンテナ方向を同一とした摂動付きのアンテナ素子をリニアに配列した一般的なフェーズドアレーアンテナの場合には、指向特性は周波数に依存しないものの利得の変動が図19に示すように大きくなる。図19は、フェーズドアレーアンテナの指向特性を示しており、(a)、(b)は周波数f+、(c)、(d)は周波数f−をそれぞれ使用した場合の、ビームの状態を示している。周波数f+と周波数f−の場合では、Eθ、Eφで共に正面方向を向いており指向特性には変化がないものの、利得は正反対となっている。上記同様ビームシフトした際にも、Eθ、Eφで変化している。

0007

すなわち、個々のアンテナ軸比帯域が低い平面アンテナ素子を用いてシーケンシャルアレーアンテナあるいはフェーズドアレーアンテナを構成した場合には、シーケンシャルアレーアンテナにおいては、周波数の変化によらず、ブロードサイド方向は広帯域に良好な軸比特性を保つが、指向方向は周波数の変化により変動する。他方、フェーズドアレーアンテナにおいては、指向方向は周波数の変化により変動しないが、軸比は周波数の変化により変動してしまう。このように、それぞれのアレーアンテナでは指向特性及び軸比帯域において一長一短がある。

0008

このような従来の問題点を解決する方法として、以下のような方法がある。軸比帯域改善の1つの手法としては、アレーアンテナを構成する基板の厚さを厚くしたり、基板誘電率を低くするという手法がある。しかしながら、この手法を用いるとアンテナのサイズが大きくなりコンパクト化が図れない、製造コストアップするなど別の問題が生じてしまう。また、軸比帯域改善の他の手法として、給電点を2箇所にするという手法があるが、この手法でも、給電回路が複雑化するという他の問題点が生じてしまう。その他にも、シーケンシャルアレーアンテナにおいて、横列だけでなく縦列にもアンテナ素子を増やし、いわゆるシーケンシャルサブアレー構成とする方法もあるが、やはりこの方法によっても、アンテナサイズが大きくなってしまうという別の問題が生じてしまう。このように、従来の方法により、上記問題を解決した場合には、いずれもアンテナサイズの大型化や複雑化という別の問題が発生してしまい、未だ満足する解決方法が提案されていない。

0009

特開平09—98016号公報

発明が解決しようとする課題

0010

本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、その目的は、複数個の摂動付き平面アンテナ素子をリニアに配列したアレーアンテナにおいて、基板や大きさなどを変更せずに、周波数が変化した場合においても指向特性及び軸比特性のいずれも良好なアレーアンテナを提供することにある。

課題を解決するための手段

0011

本発明は、複数個の摂動付き平面アンテナ素子をリニアすなわち直線状に配列したアレーアンテナであって、左端部から中央部にかけてシーケンシャルに配列した第1のシーケンシャル配列部と、右端部から中央部にかけてシーケンシャルに配列した第2のシーケンシャル配列部と、からなり、上記第1のシーケンシャル配列部と上記第2のシーケンシャル配列部とは左右対称であることを特徴とする。

0012

平面アンテナ素子に摂動を加える手法としては、例えば、直線偏波用パッチアンテナに切り欠き(スリット)などによる縮退分離素子装荷する手法がある。この縮退分離素子を装荷することにより平面アンテナは円偏波を発生させる。「シーケンシャルに配列した」とは、アンテナ素子がφn=(n−1)π/N(n:n番目のアンテナ素子、N:アンテナ素子の数)を満たすように配列されていることを意味する。ここで、上記「左右対称」とは、第1のシーケンシャル配列部を180度回転して第2のシーケンシャル配列部に重ねた場合に一致するような状態を意味する。

0013

上記複数個の摂動付き平面アンテナ素子は、偶数個あるいは奇数個からなるように構成してもよい。奇数個からなる場合には、中央部に位置する平面アンテナ素子は、第1のシーケンシャル配列部と第2のシーケンシャル配列部とで共用することとなる。

0014

上記摂動付き平面アンテナ素子は、円形パッチアンテナあるいは方形パッチアンテナであるように構成してもよい。

0015

上記第1のシーケンシャル配列部及び上記第2のシーケンシャル配列部を構成する摂動付き平面アンテナ素子のそれぞれの間隔は、等間隔あるいは不等間隔であるように構成してもよい。各アンテナ素子の間隔は、等間隔あるいは不等間隔のいずれであってもよいが、第1のシーケンシャル配列部を180度回転して第2のシーケンシャル配列部に重ねた場合に一致するような左右対称の関係は満たす必要がある。

発明の効果

0016

以上説明したように本発明によれば、複数個の摂動付き平面アンテナ素子をリニアに配列したアレーアンテナであって、左端部から中央部にかけてシーケンシャルに配列した第1のシーケンシャル配列部と、右端部から中央部にかけてシーケンシャルに配列した第2のシーケンシャル配列部と、からなり、上記第1のシーケンシャル配列部と上記第2のシーケンシャル配列部とは左右対称であるように構成した。これにより、基板や大きさなどを変更せずに、周波数が変化した場合においても指向特性及び軸比特性のいずれもが良好である。

発明を実施するための最良の形態

0017

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。

0018

本発明のアレーアンテナは、端的に言えば、下記理論に基づき、従来のシーケンシャルアレーアンテナにおけるアンテナ素子の配列を改良し、使用チャンネルが変化しても指向特性及び軸比特性の双方を良好としたものである。

0019

本発明者らは、下記推測のもと本発明のアレーアンテナを発明するに至った。以下詳細に説明する。

0020

まず、図1に示すように、複数(N個)のアンテナ素子(アンテナ1、アンテナ2・・・アンテナN)をリニアに配列したアレーアンテナにおいて、下記条件のもと、ブロードサイド方向にビームを向けたときのθ+方向、θ−方向の電界強度を示す。

0021

図1(a)はθ+方向の電界を表しており、その条件は以下の通りである。すなわち、各アンテナ素子のθ(Theta)方向の励振振幅をEθn(1番目のアンテナ素子はEθ1)、θ+方向の合成電界をEθ+、各アンテナ素子の指向性利得をD(θ)、波数をk=2π/λ、アンテナ素子の間隔をdとする。各アンテナ素子の励振位相(φ)を同一とする。この場合、合成電界Eθ+は下記<数式1>で示される。

0022

<数式1>
Eθ+=D(θ)・ΣEθn{j[φ+kd・sinθ・(N−n)]}・・・[1]

0023

Σの項を展開すると、
Eθ1{j[φ+kd・sinθ・(N−1)]}+Eθ2{j[φ+kd・sinθ・(N−2)]}+・・・+EθN(jφ)・・・[2]

0024

他方、図1(b)はθ−方向にビームを向けた場合であり、その条件は以下の通りである。すなわち、各アンテナ素子のθ(Theta)方向の励振振幅をEθn(1番目のアンテナ素子はEθ1)、θ−方向の合成電界をEθ−、各アンテナ素子の指向性利得をD(θ)、波数をk=2π/λ、アンテナ素子の間隔をdとする。各アンテナ素子の励振位相(φ)を同一とする。この場合、合成電界Eθ−は下記<数式2>で示される。

0025

<数式2>
Eθ−=D(θ)・ΣEθn{j[φ+kd・sinθ・(n−1)]}・・・[3]

0026

Σの項を展開すると、
EθN{j[φ+kd・sinθ・(N−1)]}+Eθ(n−1){j[φ+kd・sinθ・(N−2)]}+・・・+Eθ1(jφ)・・・[4]

0027

なお上記[4]においては、分かり易いようにN項から展開している。

0028

ここで、左右対称のビームパターンであるということは、Eθ+=Eθ−の条件が成立する必要がある。この場合、個々のアンテナ素子の指向特性D(θ)はD(θ+)=D(θ−)であるので、上記式[2]、[4]がイコールである必要がある。すなわち、下記式[5]を満たす必要がある。

0029

上記式[5]より、
Eθ1=EθNかつEθ2=Eθ(n—1)かつ・・・ ・・・[6]
を満たす必要がある。つまり、
Eθn=Eθ(N−n+1)・・・[7]
を満たす必要がある。この条件式[7]を模式的に示したのが図2である。この場合、左端部から中央部にかけての励振振幅と右端部から中央部にかけての励振振幅と順々に対応している。

0030

ここで、アレーアンテナを構成する各アンテナ素子の軸比が図3(a)に示すように、a:bであるとすると、X方向の振幅はa・sin(ωt)で励振されていることとなる。また、アンテナ素子の配列により図3(b)に示すようにγだけ傾いているとすると、X方向の振幅cは、次の数式で示される。

0031

一方、各アンテナ素子がシーケンシャルに配列されている場合には、各アンテナ素子の配列は、以下の条件式を満たすものとなる。

0032

<条件式>
φn=(n−1)π/N(n:n番目のアンテナ素子、N:アンテナ素子の数)

0033

ここで、1番目のアンテナ素子に対する、2番目のアンテナ素子の配列(傾き)をΓとすると、
Γ=γ2−γ1=π/N・・・[9]
であり、n番目のアンテナ素子の配列(傾き)は、 (n−1)・Γ と表せる。

0034

上記式[8]より、n番目のアンテナ素子のX方向(Eθ)の振幅は、


と表せ、式[7]より、Eθn=Eθ(N−n+1) が成り立つ必要があるが、式[10]において、1番目のアンテナ素子とN番目のアンテナ素子の振幅を一致させるには、
(N−1)・Γ=0、π,2π,・・・・・・となる必要、すなわち、
一般式(N-1)・Γ=m・π(mは、整数倍を表す)を満たす必要がある。そして、この式を変形すると、Γ=m・π/(N−1)となるが、この式は上記式[9]と一致しない。よって、このような従来のシーケンシャル配列では指向方向にずれが生じ、指向方向は左右対称とはならない。

0035

一方、以下のような特殊なシーケンシャル配列により各アンテナ素子を配列した場合には、以下に説明する通り、指向方向が左右対称となる。

0036

すなわち、この特殊なシーケンシャル配列を用いたアレーアンテナにおいては、図2に示すようにアンテナ素子がリニアに配列されるとともに、左端部から中央部にかけてアンテナ素子をシーケンシャルに配列、すなわち、上記式φn=(n−1)π/N(n:n番目のアンテナ素子、N:アンテナ素子の数)に従って機械的に回転させられた上で配列し、同様に、右端部から中央部にかけてもアンテナ素子をシーケンシャルに配列し、左側と右側とでアンテナ素子の方向が左右対称に配列されるように構成している。このようにアンテナ素子が配列されていることを本発明では「特殊なシーケンシャル配列」と称している。

0037

そのための条件として、以下の式
γ1=γN、γ2=γ(N−n)、γ3=γ(N−2)、・・・・すなわち、
γn=γ(N-n+1)・・・式[11]
を満たす必要がある。
ここで、この式[11]と式[10]より、
Eθ1=EθN、Eθ2=Eθ(N−1)、Eθ3=Eθ(N−2)、・・・・
となり、この式を一般式に変形すると、
Eθn=Eθ(N-n+1)となり、この式は式[7]と一致する。
この式[7]は、アレーアンテナにおいて、左右対称のビームパターンであることの条件式であったので、よって、アンテナ素子を上記式[11]を満たすような特殊なシーケンシャル配列とすることにより、指向方向が左右対称となるという結果が得られた。このことは、Eφ方向でも同一の理論であり、周波数による軸比特性が変化しても、式[7]の条件を必ず満たす。

0038

以上がアレーアンテナにおいてアンテナ素子を上記特殊なシーケンシャル配列とすることにより、指向方向が左右対称となり、指向特性が良好であることを証明するものである。

0039

次に、このような特殊なシーケンシャル配列とすることにより、軸比が改善されることについての証明を行う。

0040

まず、1個のアンテナ素子の軸比特性が図4に示す通り、a:bとし、この図4におけるcをある角度θの振幅とすると、


となる。このアンテナ素子によりアレーアンテナを構成した際の、最大電界方向をE(φMAX)、最小電界方向をE(φMIN)とすると、軸比は、E(φMAX)=E(φMIN)で表される。なお、アンテナ素子1個では、a:bとなる(ここで言うφは、アンテナ座標系でθ=0degの回転とする)。

0041

各アンテナ素子の偏波が図5(a)のような状態であるとした場合に、アンテナ1の角度φの電界強度をE1(φ)、アンテナnの角度φの電界強度をEn(φ)とする。N個のアンテナ素子が同一方向と配列(ノーマルアレー)とすると、合成電界E(φ)は以下で表される。

0042

E(φ)=ΣEn(φ) (Σの補足:n=1からNの合計)
ここで、E1(φ)=E2(φ)=・・・・=EN(φ) であるため、
E(φ)=N・E1(φ)


したがって、E(φMAX)=a・N (φ=0°)、E(φMIN)=b・N (φ=90°)
よって、ノーマルアレーの軸比はa:bである。

0043

一方、あるアンテナ素子がγnだけ傾いている場合、各アンテナ素子の偏波は図5(b)のような状態となる。この場合、


と表される。なお、特殊なシーケンシャル配列の場合は、γn=γ(N-n+1)である。

0044

従って、φ方向の合成電界は、
E(φ)=E1(φ)+E2(φ)+・・・+EN(φ)・・・[14]
ここで、E(φMAX)となるのは、式[13]より、
φ=γ1 or γ2 or ・・・・ γN の場合である。ただし、中心のアンテナ素子の傾きをγtとすると、特殊なシーケンシャル配列の場合、γn=γ(N−n+1)であり、E(γ1)>E(γt)となる。そのため、上式は、γtを除く、
E1(γ1)=E2(γ2)・・・・EN(γN)となり、
φ=γ1とすると、


となる。
(1番目のアンテナ素子とN番目のアンテナ素子は同一方向の傾きのため、最初と最後の項は、aとなる。)
また、γ1−γ2<0あるいはγ1−γ2>0 かつ、a>b であるため、


である。したがって、E(φmax)<a・Nとなる。

0045

同様に、E(φMIN)となるのは、φ=γ1±90° or γ2±90° or ・・・・ γN±90° の場合である。ただし、中心のアンテナ素子の傾きをγtとすると、特殊なシーケンシャル配列の場合、γn=γ(N−n+1)であり、E(γ1±90)<E(γt±90) となるため、上式は、γtを除く、
E1(γ1±90)=E2(γ2 ±90 )・・・・EN(γN±90 )となり、
φ=γ1±90°とすると、


(1番目の素子とN番目の素子は同一方向の傾きのため、最初と最後の項は、bとなる。)
また、γ1−γ2<0あるいはγ1−γ2>0 かつ、a>b であるため、


である。したがって、E(φMIN) >b・Nとなる。

0046

上より、 E(φMAX):E(φMIN) < a : b となり、この結果より、特殊なシーケンシャル配列とすることにより、軸比の劣化が軽減されるということが証明された。このように特殊なシーケンシャル配列とすることにより、特に、RFIDのように、使用チャンネルにより、使用周波数が中心周波数からずれた場合でも、指向方向の差および、軸比の劣化が改善される。この特殊なシーケンシャル配列によりアレーアンテナを構成したものが本発明のアレーアンテナである。

0047

次に、本発明のアレーアンテナの具体的な構成について図6を参照しながら説明する。図6は本発明のアレーアンテナの配列構成を模式的に表した図であり、(a)はアンテナ素子の個数が奇数個から構成されている場合であり、(b)は偶数個で構成されている場合である。

0048

本発明の1の実施形態に係るアレーアンテナは、図6(a)のように構成されている。すなわち、このアレーアンテナは複数のアンテナ素子10(1)、10(2)、・・・、20(1)、20(2)、・・・がリニアに配列されてなり、各アンテナ素子は、1個の給電点11あるいは21と、対向する切り欠き12あるいは22を摂動とした円形状のパッチアンテナからなる。なお、各アンテナ素子の構造は全て同一であり、そのアンテナ方向のみが異なるものである。また、給電点11あるいは21、切り欠き12あるいは22は、代表的な部分のみ符号を付してある。

0049

このアレーアンテナは、左端部から中央部にかけて複数のアンテナ素子10(1)、10(2)・・・がシーケンシャルに配列された第1のシーケンシャル配列部S1と、右端部から中央部にかけて複数のアンテナ素子20(1)、20(2)・・・がシーケンシャルに配列された第2のシーケンシャル配列部S2とからなり、全体のアンテナ素子の個数は奇数個からなる。この場合、図示中央部のアンテナ素子10(n)あるいは20(n)は、第1のシーケンシャル配列部S1と第2のシーケンシャル配列部S2とで共用することとなる。また、第1のシーケンシャル配列部S1と、第2のシーケンシャル配列部S2と、とは、左右対称の関係にある。すなわち、この左右対称の関係とは、第1のシーケンシャル配列部S1を180度回転して、第2のシーケンシャル配列部S2に重ねた場合に一致するような関係を意味する。なお、各アンテナ素子がシーケンシャル配列されるとは、各アンテナが次式φn=(n−1)π/N(n:n番目のアンテナ素子、N:アンテナ素子の数)を満たすように機械的に回転されて配列されていることを意味する。

0050

また、他の実施形態として、図6(b)のように、本発明のアレーアンテナは、偶数個のアンテナ素子から構成されており、各アンテナ素子の構造は、図6(a)に示すアンテナ素子の構造と同様である。この場合においても、左端部から中央部にかけて複数のアンテナ素子10(1)、10(2)・・・がシーケンシャルに配列された第1のシーケンシャル配列部S10と、右端部から中央部にかけて複数のアンテナ素子20(1)、20(2)・・・がシーケンシャルに配列された第2のシーケンシャル配列部S20とからなり、第1のシーケンシャル配列部S10と、第2のシーケンシャル配列部S20と、とは、左右対称の関係にある点については、上記と同様である。

0051

このようにアレーアンテナにおいて、特殊なシーケンシャル配列によりアンテナ素子を配列してアレーアンテナを構成すると、周波数により指向方向が変動せず、軸比帯域も改善される。例えば、図7に示すように3個のアンテナ素子を特殊なシーケンシャル配列により配列して本発明のアレーアンテナを構成した場合の指向特性及び軸比帯域を調べてみると、図8に示すようになる。この図8図17に対応するものであり、図7に示す本発明のアレーアンテナの指向特性を示している。図17と異なり、周波数f+でも周波数f−でも共に、ビーム方向が図8(a)、(c)に示すように、ほぼ正面方向を向いており、指向特性は周波数の変化により変動していない。また、利得に関しても、周波数f+、f−とで、ほぼ変化がない状態となっており、軸比帯域も改善されている。このことは、移相器を組合わせてビームシフトした際においても、図8(b)、(d)に示すように、周波数の変化により指向方向が変動しておらず、軸比帯域も改善されている。

0052

更に、本発明者らは、アンテナ素子を3個〜6個と変えて、このアンテナ素子を従来のシーケンシャル配列により配列した場合と、本発明のように特殊なシーケンシャル配列により配列した場合とで、比較実験を行った。その結果を図9図12に示す。いずれの図においても、左側が周波数f−の場合で右側が周波数f+の場合であり、縦軸が利得で横軸が角度である。特殊Etheta及び特殊Ephiが本発明のアレーアンテナであり、シーケンシャルEtheta及びシーケンシャルEphiが従来のシーケンシャルアレーアンテナである。これら図を参照すると、シーケンシャルアレーアンテナの場合、左右非対称であり、かつ+fMHzと−fMHzで、Etheta,Ephiの特性が反転しているが、本発明のアレーアンテナ、すなわち、アンテナ素子を特殊なシーケンシャル配列により配列した場合には、左右対称であり、上記シーケンシャルアレーアンテナに比べ軸比特性が改善されている。

0053

また、上記構成の本発明のアレーアンテナは、いずれも各アンテナ素子の間隔は、等間隔に設定している。但し、このアンテナ素子の間隔は必ずしも等間隔でなくてもよい。本発明者らは、このことを証明すべく、各アンテナ素子の間隔を変化させてシミュレーションを実施した。このシミュレーションを実施するにあたり、アンテナ素子の配列を図13(a)、(b)のように配列した。(a)は、5個のアンテナ素子を150mmごとに等間隔に配列した場合である。他方、(b)は5個のアンテナ素子を、左端部のアンテナ素子10(1)とアンテナ素子10(2)との間及び右端部のアンテナ素子20(1)とアンテナ素子20(2)との間においては、180mmにそれぞれ配列している。そして、アンテナ素子10(2)と中央部のアンテナ素子10(3)との間及びアンテナ素子20(2)と中央部のアンテナ素子20(3)との間においては、160mmにそれぞれ配列し、全体としては、アンテナ素子を不等間隔に配列している。

0054

なお、図13(a)、(b)に示すいずれの場合であっても、第1のシーケンシャル配列部S11あるいは12を180度回転して第2のシーケンシャル配列部21あるいは22に重ねた場合に一致するような左右対称の関係は満たす必要がある。

0055

この図13(a)、(b)のように構成された本発明のアレーアンテナのシミュレーション結果を図14に示す。特殊Etheta及び特殊Ephiが図13(a)、特殊Etheta不等及び特殊Ephi不等が図13(b)のそれぞれのシミュレーション結果である。このシミュレーション結果を参照すると、アンテナ素子間隔は不等間隔であっても、軸比特性が改善されていることが分かる。

図面の簡単な説明

0056

本発明のアレーアンテナの指向方向は左右対称であることを説明するための図であり、(a)は右側の指向性を示し、(b)は左側の指向性を示す図である。
本発明のアレーアンテナの指向方向が左右対称であることを説明するための図であり、そのための条件を模式的に示す図である。
本発明のアレーアンテナの指向方向が左右対称であることを説明するための図である。
本発明のアレーアンテナは、軸比の劣化が改善されていることを説明するための図である。
本発明のアレーアンテナは、軸比の劣化が改善されていることを説明するための図である。
本発明のアレーアンテナの配列構造を示す模式図であり、(a)は奇数個の配列、(b)は偶数個の配列である。
本発明のアレーアンテナの配列構造を示す模式図である。
図7に示す本発明のアレーアンテナにおける指向特性を示すグラフである。
本発明のアレーアンテナを3素子のアンテナ素子から構成した場合における軸比特性を従来のシーケンシャルアレーアンテナの軸比特性と比較して示したグラフである。
本発明のアレーアンテナを4素子のアンテナ素子から構成した場合における軸比特性を従来のシーケンシャルアレーアンテナの軸比特性と比較して示したグラフである。
本発明のアレーアンテナを5素子のアンテナ素子から構成した場合における軸比特性を従来のシーケンシャルアレーアンテナの軸比特性と比較して示したグラフである。
本発明のアレーアンテナを6素子のアンテナ素子から構成した場合における軸比特性を従来のシーケンシャルアレーアンテナの軸比特性と比較して示したグラフである。
本発明のアレーアンテナを構成するアンテナ素子の配列を模式的に示した図であり、(a)は等間隔に配列した場合、(b)は不等間隔に配列した場合を示すものである。
図13(a)及び(b)の場合の軸比特性を比較したグラフである。
従来の摂動付き平面アンテナにおいて周波数が変化したときの軸比特性及び偏波状態を示す図であり、(a)は軸比特性を示すグラフ、(b)はそれぞれの周波数における偏波状態を示す図である。
従来のシーケンシャルアレーアンテナの構成を示す説明図である。
図16に示すシーケンシャルアレーアンテナにおける指向特性及び利得の変動を示すグラフである。
従来のフェーズドアレーアンテナの構成を示す説明図である。
図18に示すフェーズドアレーアンテナにおける指向特性及び利得の変動を示すグラフである。

符号の説明

0057

S1、S10、S11、S12 第1のシーケンシャル配列部
S2、S20、S21、S22 第2のシーケンシャル配列部
10(1)、10(2)・・・、10(n)、20(1)、20(2)・・・、20(n)アンテナ素子
11、21給電点
12、22切り欠き(摂動)

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