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技術 測長機能を備えた走査型電子顕微鏡及び試料寸法測長方法

出願人 株式会社アドバンテスト
発明者 中村隆幸岩井俊道信太総一廣山三津雄
出願日 2008年2月18日 (14年0ヶ月経過) 出願番号 2008-509850
公開日 2010年6月24日 (11年8ヶ月経過) 公開番号 WO2008-111365
状態 拒絶査定
技術分野 電子顕微鏡(3) 波動性または粒子性放射線を用いた測長装置 電子源、イオン源
主要キーワード 測定対象領域内 導電体配線 所望回数 アベレージング処理 プリサーチ 各測定領域 概略位置情報 チャージ量
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この項目の情報は公開日時点(2010年6月24日)のものです。
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図面 (10)

課題・解決手段

測定対象パターン形状に起因する測長値の変動を軽減し測長精度を向上させることのできる測長機能を備えた走査型電子顕微鏡及び試料寸法測定方法を提供する。 測長機能を備えた走査型電子顕微鏡(100)は、電子ビームを放出する電子銃(1)と、試料上に形成されたパターンの測定領域を設定する測定対象領域設定部(50)と、指定された測定領域を記録する記憶部と、測定領域に応じて電子ビームの照射を制御するビームブランカ部(11)と、記憶部から指定された測定領域を抽出し、当該測定領域以外の領域では電子ビームをビームブランカ部で遮断し、当該測定領域ではビームブランカ部を通過させた電子ビームを試料上に照射して当該測定領域の画像を取得しパターンの測長を行う制御部(20)とを有する。測定領域は一対の測定領域であって、当該各測定領域面積は等しくするようにしても良い。

概要

背景

半導体装置の製造工程において、電子顕微鏡等の電子ビーム装置による試料の観察や、パターン線幅等の測定が行われている。電子ビーム装置による試料の観察や測定では、観察する部分に電子ビーム照射させながら走査して、二次電子等の電子量輝度に変換して表示装置に画像として表示している。

このように試料を観察したり測定する際に、電子ビームを照射するが、この電子ビームの照射によって試料表面が帯電する現象が発生する。すなわち、試料に入射する荷電粒子と放出される荷電粒子が有する電荷の差によって、照射面が正または負に帯電する。試料表面の帯電電位に伴って、放出された二次電子が加速されたり、試料に引き戻されたりして二次電子放出の効率が変化する。その結果、検出される電子量が不安定になるという問題がある。

このような問題に対し、特許文献1には、回路パターンダメージチャージアップを軽減して回路パターンの寸法を測定する方法が開示されている。

上記したように、電子ビーム装置における試料の観察において、試料が帯電する現象が発生するが、例えばウエハのように試料を電気的に接続できる場合には、電気的に接続されたウエハ上の導体接地することにより放電できるので、試料の帯電を低減することができ、実用上の問題にはならない。

しかし、例えば、配線の製造工程が完了した状態では、ガラス基板上に孤立した導電体配線部が存在したり、ガラス基板上の導電体配線が粗や密の部分が存在する場合がある。

このような、半導体ウエハ又はフォトマスク上に形成されたパターンを、電子ビーム装置を用いて測定するとき、測定対象パターンの形状、配線幅、材料、膜厚などに依存して測定対象の表面の電位分布が変化する。例えば、配線幅が同じパターンであっても、パターンの形成間隔粗密によって表面電位分布相違している。具体的には、パターンの形成間隔が密になるほど、パターンの表面電位が強電位になる。このため、測定対象のパターンの線幅が太くなるのに伴い、寸法エラーが大きくなってしまう現象が発生している。

このように、配線幅等に依存して、局所的にチャージ量の異なるチャージアップが発生する。このチャージアップの影響で一次ビームが偏向され測長倍率が変わり、寸法測定エラーが発生してしまう。
特開平10−213427号公報

概要

測定対象のパターン形状に起因する測長値の変動を軽減し測長精度を向上させることのできる測長機能を備えた走査型電子顕微鏡及び試料寸法測定方法を提供する。 測長機能を備えた走査型電子顕微鏡(100)は、電子ビームを放出する電子銃(1)と、試料上に形成されたパターンの測定領域を設定する測定対象領域設定部(50)と、指定された測定領域を記録する記憶部と、測定領域に応じて電子ビームの照射を制御するビームブランカ部(11)と、記憶部から指定された測定領域を抽出し、当該測定領域以外の領域では電子ビームをビームブランカ部で遮断し、当該測定領域ではビームブランカ部を通過させた電子ビームを試料上に照射して当該測定領域の画像を取得しパターンの測長を行う制御部(20)とを有する。測定領域は一対の測定領域であって、当該各測定領域面積は等しくするようにしても良い。

目的

本発明は、かかる従来技術の課題に鑑みなされたものであり、測定対象の材料やパターン形状等に起因する測長値の変動を軽減し、測長精度を向上させることのできる測長機能を備えた走査型電子顕微鏡及び試料寸法測定方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

電子ビームを放出する電子銃と、試料上に形成されたパターンの測定領域を設定する測定対象領域設定部と、前記指定された測定領域を記録する記憶部と、前記測定領域に応じて前記電子ビームの照射を制御するビームブランカ部と、前記記憶部から前記指定された測定領域を抽出し、当該測定領域以外の領域では前記電子ビームを前記ビームブランカ部で遮断し、当該測定領域では前記ビームブランカ部を通過させた前記電子ビームを前記試料上に照射して当該測定領域の画像を取得し前記パターンの測長を行う制御部とを有することを特徴とする測長機能を備えた走査型電子顕微鏡

請求項2

前記測定領域は一対の測定領域であって、当該各測定領域面積は等しいことを特徴とする請求項1に記載の測長機能を備えた走査型電子顕微鏡。

請求項3

前記ビームブランカ部は、静電電極と、開口部を備えたビーム制御板とを有し、前記制御部は、前記電子ビームを走査し、前記測定領域では、前記静電電極に電圧印加しないで前記電子ビームが前記開口部を通過するようにして前記試料上に電子ビームを照射させ、前記測定領域以外の領域では、前記静電電極に電圧を印加して前記電子ビームを前記ビーム制御板に照射するようにして遮断することを特徴とする請求項1に記載の測長機能を備えた走査型電子顕微鏡。

請求項4

前記ビームブランカ部は、静電電極と、開口部を備えたビーム制御板とを有し、前記制御部は、前記記憶部に格納された前記測定領域を示す座標データを参照して、前記静電電極に電圧を印加して前記電子ビームを遮断した状態で前記測定対象領域に照射位置を偏向させた後、前記静電電極に印加した電圧をオフにし、前記測定領域内にのみ前記電子ビームを照射させることを特徴とする請求項1に記載の測長機能を備えた走査型電子顕微鏡。

請求項5

電子ビームを放出する電子銃と、試料上に形成されたパターンの測定領域を設定する測定対象領域設定部と、前記指定された測定領域を記録する記憶部と、前記測定象領域に応じて前記電子ビームの照射を制御するビームブランカ部とを有する走査型電子顕微鏡を用いた試料寸法測長方法であって、前記記憶部から測定領域を抽出するステップと、前記測定領域にのみ電子ビームを照射するステップと、前記測定領域の画像を取得するステップと、前記画像を基にパターンのエッジを抽出して前記パターンの寸法を測定するステップとを有することを特徴とする走査型電子顕微鏡を用いた試料寸法測長方法。

請求項6

前記測定領域は一対の測定領域であって、当該各測定領域の面積は等しいことを特徴とする請求項5に記載の走査型電子顕微鏡を用いた試料寸法測長方法。

請求項7

前記測定領域にのみ電子ビームを照射するステップは、前記測定領域を包含する最小領域を設定するステップと、前記測定領域のときに前記ビームブランカの静電電極に印加する電圧をオフにして前記試料上に電子ビームを照射し、前記測定領域以外の領域のときに前記ビームブランカの静電電極に印加する電圧をオンにして電子ビームを遮断するステップとを有することを特徴とする請求項5に記載の走査型電子顕微鏡を用いた試料寸法測長方法。

請求項8

前記測定領域にのみ電子ビームを照射するステップは、前記記憶部に格納された前記測定領域を示す座標データを参照して、前記ビームブランカの静電電極に電圧を印加して前記電子ビームを遮断した状態で前記測定領域に照射位置を偏向させるステップと、前記静電電極に印加した電圧をオフにして、前記測定領域内にのみ前記電子ビームを照射させるステップとを有することを特徴とする請求項5に記載の走査型電子顕微鏡を用いた試料寸法測長方法。

技術分野

0001

本発明は、電子ビーム試料照射して試料の観察や測長をする測長機能を備えた走査型電子顕微鏡及び試料寸法測長方法に関する。

背景技術

0002

半導体装置の製造工程において、電子顕微鏡等の電子ビーム装置による試料の観察や、パターン線幅等の測定が行われている。電子ビーム装置による試料の観察や測定では、観察する部分に電子ビームを照射させながら走査して、二次電子等の電子量輝度に変換して表示装置に画像として表示している。

0003

このように試料を観察したり測定する際に、電子ビームを照射するが、この電子ビームの照射によって試料表面が帯電する現象が発生する。すなわち、試料に入射する荷電粒子と放出される荷電粒子が有する電荷の差によって、照射面が正または負に帯電する。試料表面の帯電電位に伴って、放出された二次電子が加速されたり、試料に引き戻されたりして二次電子放出の効率が変化する。その結果、検出される電子量が不安定になるという問題がある。

0004

このような問題に対し、特許文献1には、回路パターンダメージチャージアップを軽減して回路パターンの寸法を測定する方法が開示されている。

0005

上記したように、電子ビーム装置における試料の観察において、試料が帯電する現象が発生するが、例えばウエハのように試料を電気的に接続できる場合には、電気的に接続されたウエハ上の導体接地することにより放電できるので、試料の帯電を低減することができ、実用上の問題にはならない。

0006

しかし、例えば、配線の製造工程が完了した状態では、ガラス基板上に孤立した導電体配線部が存在したり、ガラス基板上の導電体配線が粗や密の部分が存在する場合がある。

0007

このような、半導体ウエハ又はフォトマスク上に形成されたパターンを、電子ビーム装置を用いて測定するとき、測定対象パターンの形状、配線幅、材料、膜厚などに依存して測定対象の表面の電位分布が変化する。例えば、配線幅が同じパターンであっても、パターンの形成間隔粗密によって表面電位分布相違している。具体的には、パターンの形成間隔が密になるほど、パターンの表面電位が強電位になる。このため、測定対象のパターンの線幅が太くなるのに伴い、寸法エラーが大きくなってしまう現象が発生している。

0008

このように、配線幅等に依存して、局所的にチャージ量の異なるチャージアップが発生する。このチャージアップの影響で一次ビームが偏向され測長倍率が変わり、寸法測定エラーが発生してしまう。
特開平10−213427号公報

0009

本発明は、かかる従来技術の課題に鑑みなされたものであり、測定対象の材料やパターン形状等に起因する測長値の変動を軽減し、測長精度を向上させることのできる測長機能を備えた走査型電子顕微鏡及び試料寸法測定方法を提供することを目的とする。

0010

上記した課題は、電子ビームを放出する電子銃と、試料上に形成されたパターンの測定領域を設定する測定対象領域設定部と、前記指定された測定領域を記録する記憶部と、前記測定領域に応じて前記電子ビームの照射を制御するビームブランカ部と、前記記憶部から前記指定された測定領域を抽出し、当該測定領域以外の領域では前記電子ビームを前記ビームブランカ部で遮断し、当該測定領域では前記ビームブランカ部を通過させた前記電子ビームを前記試料上に照射して当該測定領域の画像を取得し前記パターンの測長を行う制御部とを有することを特徴とする測長機能を備えた走査型電子顕微鏡により解決する。

0011

上記した測長機能を備えた走査型電子顕微鏡において、前記測定領域は一対の測定領域であって、当該各測定領域面積は等しくするようにしても良い。

0012

本発明の測長機能を備えた走査型電子顕微鏡では、測定に必要な部分を指定し、その部分に電子ビームを照射してSEM画像を取得する。また、測定に必要な指定範囲は例えばラインパターンの場合、相対するエッジがそれぞれ含まれる一対の領域であり、各領域の面積が等しくなるように指定する。

0013

このように、面積の等しい一対の測定に必要な部分だけに電子ビームを照射することにより、照射されるビーム量を同一にすることができる。従って、指定範囲以外の他の部分が照射されることによる試料表面の電位の上昇がなく、パターンの形状に影響されず、高精度の測長を行うことが可能となる。

0014

また、上記した測長機能を備えた走査型電子顕微鏡において、前記ビームブランカ部は、静電電極と、開口部を備えたビーム制御板とを有し、前記制御部は、前記電子ビームを走査し、前記測定領域では、前記静電電極に電圧印加しないで前記電子ビームが前記開口部を通過するようにして前記試料上に電子ビームを照射させ、前記測定領域以外の領域では、前記静電電極に電圧を印加して前記電子ビームを前記ビーム制御板に照射するようにして遮断するようにしても良く、前記制御部は、前記記憶部に格納された前記測定領域を示す座標データを参照して、前記静電電極に電圧を印加して前記電子ビームを遮断した状態で前記測定対象領域に照射位置を偏向させた後、前記静電電極に印加した電圧をオフにし、前記測定領域内にのみ前記電子ビームを照射させるようにしても良い。

0015

本発明の測長機能を備えた走査型電子顕微鏡では、電子ビームの走査をラスタスキャン又はベクタスキャンのいずれを利用することも可能である。ベクタスキャンを用いる場合は、測定に必要な部分に移動して電子ビームを照射するため、ラスタスキャンよりも大幅に測定時間が短縮される。

0016

本発明の他の形態によれば、上記の形態に係る測長機能を備えた走査型電子顕微鏡において実施される試料寸法測長方法が提供される。その一形態に係る試料寸法測長方法は、電子ビームを放出する電子銃と、試料上に形成されたパターンの測定領域を設定する測定対象領域設定部と、前記指定された測定領域を記録する記憶部と、前記測定象領域に応じて前記電子ビームの照射を制御するビームブランカ部とを有する走査型電子顕微鏡を用いた試料寸法測長方法であって、前記記憶部から測定領域を抽出するステップと、前記測定領域にのみ電子ビームを照射するステップと、前記測定領域の画像を取得するステップと、前記画像を基にパターンのエッジを抽出して前記パターンの寸法を測定するステップとを有することを特徴とする。

0017

上記した試料寸法測長方法において、前記測定領域は一対の測定領域であって、当該各測定領域の面積は等しくなるようにしても良い。

図面の簡単な説明

0018

図1は、本発明の実施形態で使用される走査型電子顕微鏡の構成図である。
図2は、ラインパターンの太さと寸法誤差との関係を示す図である。
図3(A)〜図3(D)は、測定対象領域を設定する一例を示す図(その1)である。
図4(A)〜図4(D)は、測定対象領域を設定する一例を示す図(その2)である。
図5(A)、図5(B)は、測定対象領域を設定する一例を示す図(その3)である。
図6(A)、図6(B)は、測定対象領域を設定する一例を示す図(その4)である。
図7(A)、図7(B)は、オンオフ制御テーブルを説明する図である。
図8(A)、図8(B)は、ビームブランカの動作を説明する図である。
図9は、試料寸法測長方法を示すフローチャートである。

発明を実施するための最良の形態

0019

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。

0020

はじめに、測長機能を備えた走査型電子顕微鏡の構成について説明する。次に、パターンの高精度な測長について説明する。次に、測長機能を備えた走査型電子顕微鏡を用いた試料寸法測長方法について説明する。

0021

(走査型電子顕微鏡の構成)
図1は、本実施形態に係る走査型電子顕微鏡の構成図である。

0022

この走査型電子顕微鏡100は、電子走査部10と、信号処理部30と、表示部40と、測定対象領域設定部50と、電子走査部10、信号処理部30、表示部40及び測定対象領域設定部50の各部を制御する制御部20とに大別される。このうち、電子走査部10は、電子鏡筒部15と試料室16とで構成される。

0023

電子鏡筒部15は、電子銃1とコンデンサレンズ2とビームブランカ部11と偏向コイル3と対物レンズ4とを有し、試料室16は、XYステージ5と試料支持部6とを有している。

0024

ビームブランカ部11は、開口部11bを有するビーム制御板11aと電子ビームを偏向させる静電電極11cで構成される。ビームブランカ部11はコンデンサレンズ2と偏向コイル3の間に配置される。

0025

試料室16にはXYステージ5を移動させるためのモーター(不図示)、及び試料室16内を所定の減圧雰囲気に保持するための真空排気ポンプ(不図示)がそれぞれ接続されている。

0026

電子銃1から照射された電子ビーム9をコンデンサレンズ2、ビームブランカ部11の開口部11b、偏向コイル3、対物レンズ4を通して、XYステージ5上の試料7に照射するようになっている。

0027

電子ビーム9が照射されて試料7から出た二次電子又は反射電子の量は、シンチレータ等で構成される電子検出器8によって検出され、信号処理部30においてその検出量がAD変換器によってデジタル量に変換され、さらに輝度信号に変換されて表示部40で表示される。偏向コイル3の電子偏向量と表示部40の画像スキャン量は制御部20によって制御される。

0028

測定対象領域設定部50は、試料7に形成されるパターンのうち電子ビーム9を照射する範囲を指定する。指定された領域は、位置座標データとして制御部20の測定対象領域位置情報格納部20aに格納される。

0029

制御部20はマイクロコンピュータで構成され、測長を実行するためのプログラムが格納されている。また、制御部20は電子ビーム9の加速電圧を決定し、電気的に接続されている電子銃1に対して加速電圧を印加する。

0030

以上のように構成した走査型電子顕微鏡100において、試料支持部6を介してXYステージ5上に載置された試料7の観察又は測長をする際には、測定対象領域位置情報格納部20aから電子ビームを照射する領域の位置情報を抽出して、指定された照射範囲にのみ電子ビームを照射させるようにビームブランカ部11の電極11c及び偏向部3を制御する。

0031

(パターンの高精度な測長)
以下、本実施形態に係る走査型電子顕微鏡100を用いたパターンの高精度な測長にすいて説明する。

0032

上記したように、ラインパターンが孤立しているときと、ラインパターンが密集しているときとでは、電子ビームを照射したときの試料表面の電位分布が異なる。そのため、パターンの太さによっても電子ビームを照射したときの表面電位分布が異なる。

0033

太いパターンは細いパターンに比べてパターン表面の電位が高くなることが発明者によって確認された。図2は、パターンの寸法と測定エラーとの関係を示す図である。図2に示すように、パターンが太くなる程、測定エラーが大きくなることが分かる。

0034

本実施形態では、パターンの太さ、ひいてはパターンの形状によらず、測定部分のパターン表面の電位分布を一定にするために、電子ビームの照射範囲及び照射電子ビーム量に着目した。

0035

パターンの表面電位分布を一定にするための基本的考え方は、パターンの測定対象領域のみに電子ビームを照射して、その領域のSEM画像を取得することである。

0036

以下に、(1)ラインパターンの幅を測長する場合、(2)ホールパターンを測長する場合、及び(3)ラインパターンの幅とピッチを同時に測長する場合を例として説明する。

0037

(1)ラインパターンの幅を測長する場合
この場合は、測定対象領域としては、ラインパターンの相対するエッジをそれぞれ含む一対の領域を指定する。

0038

図3(A)は、ラインパターンL1,L2のSEM画像を示している。ここでは、ラインパターンL2の線幅を測長するものとする。

0039

ラインパターンL2の左側のエッジ部分観測可能な大きさのボックスB1で測定対象領域を指定する。また、ラインパターンL2の右側のエッジ部分が観測可能な大きさのボックスB2で測定対象領域を指定する。これらのボックスB1とB2は面積が等しくなるように指定することが好ましい。

0040

図3(A)は、ラインパターンL2に対して等しい面積のボックスB1とB2が指定された様子を示している。ボックスB1とB2の面積が等しい場合は、それぞれの領域での表面電位の電位分布は等しくなる。よって、照射電子ビームの軌道がパターンの表面電位の影響を受けて曲げられるとしても、ボックスB1とB2で指定した領域上では同等な軌道で照射されることになる。従って、照射範囲が大きく異なることがなく、同等な倍率で測長可能となる。

0041

図3(B)は、ボックスB1,B2で指定した測定対象領域内に電子ビームを照射して得られる画像S1,S2を示している。

0042

一方、図3(C)に示すように、ボックスB3とB4の面積が異なる場合には、各領域の表面電位の電位分布が異なる。図3(C)の場合、面積の広いボックスB4で指定された領域の表面電位が強電位になり、電子ビームの軌道は影響を強く受ける。そのため、ボックスB3とB4では照射範囲が異なり、倍率が異なるSEM画像が取得されることになる。図3(D)に示すように、画像S4から得られるエッジ位置は、画像S2から得られるエッジ位置と異なり、ラインパターンL2の幅が実際の幅とは異なる結果となってしまう。

0043

なお、ボックスB1とB2はそれぞれエッジが観測可能な大きさに設定するが、面積を極力小さくすることにより、測定領域以外からの不要な二次電子を発生させることがなくなり、より正確な測長を行うことが可能となる。

0044

ラインパターンのピッチを測長する場合もラインパターンの幅を測長する場合と同様に、測定対象となる一対の領域を指定する。

0045

図4を参照してラインパターンのピッチを測長する場合について説明する。ピッチを測定する対象としてラインL3とラインL5を選択する。ラインL3の左側のエッジ部分が観測可能な大きさのボックスB5で指定する。またラインL5についても同様に左側のエッジ部分が観測可能な大きさのボックスB6でその範囲を指定する。このとき、ボックスB5とボックスB6の面積を等しくなるように指定することが好ましい。

0046

図4(A)はラインL3とラインL5に対して等しい面積のボックスB5とボックスB6が指定された様子を示している。図4(A)のようにボックスB5とボックスB6の面積が等しい場合、それぞれの領域の表面電位分布は等しくなるため、照射電子ビームの軌道が表面電位によって曲げられるとしても、ボックスB5とボックスB6で指定した領域上では同じような軌道をとることになる。

0047

図4(B)は、ボックスB5,B6で指定した測定対象領域内に電子ビームを照射して得られる画像S5,S6を示している。

0048

一方、図4(C)に示すようにボックスB7とボックスB8の面積が異なる場合は、それぞれの領域の表面電位分布が異なる。図4(C)の場合、面積の広いボックスB8で指定した領域の表面電位が強電位になり、電子ビームの軌道が大きく影響を受ける。そのため、図4(D)に示すように、実際の位置とは異なる位置のSEM画像S8が取得されることになる。よって、ラインL3、L5間のピッチも実際のピッチとは異なる結果となる。

0049

(2)ホールパターンを測長する場合
この場合は、測定対象領域としては、ホールパターンの相対するエッジをそれぞれ含む二対の領域を指定する。

0050

図5のホールパターンH1を対象とする。ホールパターンH1の左側のエッジ部分が観測可能な大きさのボックスB9で測定対象領域を指定する。また、ホールパターンH1の右側のエッジ部分が観測可能な大きさのボックスB10で測定対象領域を指定する。さらに、ホールパターンH1の上側のエッジ部分が観測可能な大きさのボックスB11で測定対象領域を指定し、下側のエッジ部分が観測可能な大きさのボックスB12で測定対象領域を指定する。これらのボックスB9〜B12は面積が等しくなるように指定する。

0051

図5(A)は、ホールパターンH1に対してボックスB5〜B8が指定された様子を示す図である。図5(A)に示すように、ボックスB9〜B12の面積が等しい場合は、それぞれの領域での表面電位の電位分布は等しくなる。よって、照射電子ビームの軌道がパターンの表面電位の影響を受け曲げられる場合であっても、ボックスB9〜B12で指定した領域上では同等な軌道で照射されることになる。これにより、ボックスB9〜B12で指定した領域には同量のビーム量で電子ビームが照射され、図5(B)に示すような同じ倍率のSEM画像S9を取得することが可能となる。

0052

(3)ラインパターンの幅とピッチを同時に測長する場合
この場合は、測定対象領域としては、ラインパターンの相対するエッジをそれぞれ含む一対の領域、及びピッチを測定する対象となるそれぞれのラインパターンのエッジを含む一対の領域を指定する。

0053

図6(A)のラインパターンL7を、ラインパターンの幅の測長対象とする。また、図6(A)のラインパターンL6,L8をピッチ測長の対象とする。

0054

ラインパターンL7の左側のエッジ部分が観測可能な大きさのボックスB15で測定対象領域を指定する。また、ラインパターンL7の右側のエッジ部分が観測可能な大きさのボックスB16で測定対象領域を指定する。これらのボックスB15とB16は面積が等しくなるように指定する。

0055

また、ラインパターンL6の左側のエッジ部分が観測可能な大きさのボックスB13で測定対象領域を指定する。また、ラインパターンL8の左側のエッジ部分が観測可能な大きさのボックスB14で測定対象領域を指定する。これらのボックスB13とB14は面積が等しくなるように指定する。

0056

このように、測定対象となる一対の領域の面積が等しくなるようにすることにより、一次電子が表面電位による受ける影響を同等にすることが可能となるため、図6(B)に示すような指定範囲のSEM画像S10〜S13を取得し、精度良く測長を実施することが可能となる。

0057

なお、測定対象となる一対の領域の面積が等しくなれば良いため、ボックスB13〜B16はすべて面積が等しくなるように指定してもよい。

0058

上記(1)から(3)において、測定対象領域の指定は、測定対象領域設定部50において指定する。この指定は、パターンの設計情報蓄積されているCADデータを基にCADシステムを用いて指定するようにしてもよい。また、試料のSEM画像を取得し、SEM画像から測定対象領域を設定するようにしてもよい。いずれの場合でも、測定対象領域は、サイズが可変の枠(ボックス)で指定される。

0059

測定対象領域が指定されると、その座標データが制御部20の測定対象領域位置情報格納部(記憶部)20aに格納される。

0060

測長に際して、制御部20は、記憶部20aに格納された測定対象領域の情報を抽出し、電子ビームを指定された測定対象領域だけに照射しながら走査させ、その部分のSEM画像を取得する。このときの電子ビームの走査は、ベクタスキャンでも良いし、ラスタスキャンでもよい。

0061

ベクタスキャンの場合は、記憶部20aに格納された測定対象領域位置情報を参照し、測定対象領域の座標位置に照射位置を移動させてから測定対象領域内に電子ビームを照射して、この部分のSEM画像を取得する。測定対象領域に移動させる際には、ビームブランカ部11において、ビームブランカをオンにして、電子ビームをビーム制御板11aに当たるようにする。

0062

ラスタスキャンの場合は、測定対象領域に照射位置が偏向されたときに、試料上に電子ビームが照射されるようにする。指定された測定対象領域にのみ電子ビームを照射するために、電子ビームの走査と同期して電子ビームのオンオフ制御を行う。

0063

以下、図7及び図8を参照して、ラスタスキャンの場合の電子ビーム照射制御について説明する。

0064

電子ビームのオンオフ制御は、指定された測定対象領域を示す座標データを基に作成されるオンオフ制御テーブルを参照して行う。図7はオンオフ制御テーブルの一例を説明する図である。

0065

図7(A)は、ラインパターンL9,L10のSEM画像上で測定対象領域をボックスB17,B18で設定した様子を示している。ボックスB17の頂点P1〜P4の位置座標は、それぞれ(x1、y1)、(x2、y1)、(x1、y2)、(x2、y2)である。また、ボックスB18の頂点P5〜P8の位置座標は、それぞれ(x3、y1)、(x4、y1)、(x3、y2)、(x4、y2)である。この位置座標に対応して、オンオフ制御テーブルが生成される。

0066

図7(B)はオンオフ制御テーブルの一例を示している。図7(B)のオンオフ制御テーブルでは、x方向について、電子ビームがx1に偏向された時点でビームブランカ部11をオフにし、x2に偏向された時点でビームブランカ部11をオンにする。すなわち、x1からx2の間はビームブランカ部11の静電電極11cに印加する電圧をオフにして、電子ビーム9がアパーチャ11bを通過するようにする。電子ビームのx方向の位置座標がx3からx4の間も同様である。

0067

また、電子ビームのx方向の位置座標がx2からx3の間は電子ビーム9を試料7上に照射しないようにする。すなわち、この間はビームブランカ部11の静電電極11cに電圧を印加し、電子ビーム9がビーム制御板11aに当たるようにする。

0068

一方、y方向については、電子ビームがy1に偏向された時点でビームブランカ部11をオフにし、y2に偏向された時点でビームブランカ部11をオンにする。

0069

次にビームブランカ部11の動作について、図8を参照して説明する。図8(A)は図7(A)と同じSEM画像とし、図8(A)の破線LSAの範囲をラスタスキャンするものとする。

0070

ビームブランカ部11は、スキャン信号に同期して、電子ビーム9のオンオフを制御する。図8(B)に、偏向部3の静電電極に印加するx方向及びy方向のスキャン信号を示している。x方向には、図8(B)に示すようなのこぎり波信号が印加される。

0071

電子ビームをオンオフするタイミングは、オンオフ制御テーブルから取得する測定対象領域の位置座標を参照して決定される。例えば、x方向について、x1からx2の間は、電子ビームを試料上に照射するため、ビームブランカ部11はオフにし、電子ビームをビームブランカ部11の開口部11bを通過させる。x2からx3までは、試料上に電子ビームを照射しないようにする。このときは、ビームブランカ部11をオンにして電子ビームをビーム制御板11aに当たるように偏向させる。

0072

y方向には、図8(B)に示すようなのこぎり波信号が印加される。オンオフ制御テーブルから電子ビームをオンオフする座標を取得し、y1からy2の間はビームブランカ部11をオフにして、電子ビームを試料上に照射する。

0073

なお、ラスタスキャンを採用する場合、試料上のすべての視野範囲を走査するのではなく、図8(A)の破線LSAで示したように、測定対象領域を含む最小面積走査範囲とするようにしても良い。これにより、すべての範囲を走査する場合に比べてスループットが大幅に向上する。

0074

また、測定対象領域はオペレータによって指定されるが、ラインパターンの幅等の測長において一対の測定対象領域を指定する場合、一方のエッジに対する測定対象領域を指定したときに自動的に他方のエッジに対する測定対象領域が指定されるようにしても良い。

0075

以上説明したように、本実施形態の測長機能を備えた走査型電子顕微鏡では、測定に必要な部分を指定し、その部分に電子ビームを照射してSEM画像を取得する。また、測定に必要な指定範囲は例えばラインパターンの場合、相対するエッジがそれぞれ含まれる一対の領域であり、各領域の面積が等しくなるように指定する。

0076

このように、面積の等しい一対の測定に必要な部分だけに電子ビームを照射することにより、照射されるビーム量を同一にすることができる。従って、指定範囲以外の他の部分が照射されることによる試料表面の電位の上昇がなく、パターンの形状に影響されず、高精度の測長を行うことが可能となる。

0077

また、ベクタスキャンを用いる場合は、測定に必要な部分に移動して電子ビームを照射するため、ラスタスキャンよりも大幅に測定時間が短縮される。また、ラスタスキャンを用いる場合でも、測定対象領域の座標から、測定対象領域を含む範囲を算出し、その範囲についてラスタスキャンを行うことにより、試料上の全体をスキャンするよりも大幅に測定時間を短縮することが可能となる。

0078

(走査型電子顕微鏡を用いた試料寸法測長方法)
次に、図9を参照して測長機能を備えた走査型電子顕微鏡を用いた試料寸法測長方法について説明する。なお、本実施形態では、測定対象領域は測定対象領域設定部50を介して設定され、その位置情報が記憶部20aに格納されているものとする。また、測定対象領域として一対の領域を指定する場合は、それぞれの面積が等しく設定されているものとする。

0079

まずステップS11では、初期設定を行う。初期設定では、電子ビームをスキャンする方法(ラスタスキャンかベクタスキャンか)を決定する。ラスタスキャンの場合には、測定対象領域を包含する最適な走査範囲を決定する。

0080

次のステップS12では、記憶部20aから測定対象領域の位置情報を抽出する。

0081

次のステップS13では、測定対象領域に電子ビームを照射する。スキャン方法がラスタスキャンの場合には、測定対象領域ではビームブランカをオフにして試料上に電子ビームを照射させ、測定対象領域以外の領域では、ビームブランカをオンにして電子ビームを遮断する。また、スキャン方法がベクタスキャンの場合には、測定対象領域に直接電子ビーム照射位置を移動させて、測定対象領域内に電子ビームを照射させる。

0082

次のステップS14では、測定対象領域のSEM画像を取得する。

0083

次のステップS15では、ステップS14で取得したSEM画像を基に、パターンのエッジを抽出し、パターンの寸法を算出する。

0084

以上説明したように、本実施形態の走査型電子顕微鏡を用いた測長方法では、あらかじめ指定された測定対象領域にのみ電子ビームを照射してその部分のSEM画像を取得している。このため、測定対象領域以外には電子ビームが照射されず、測定対象領域以外から二次電子が発生することがなく、電子ビームが影響を受けることがない。

0085

また、ラインパターンの線幅測定のような場合には、ラインの両側のエッジをそれぞれ含む一対の測定対象領域が設定されるが、この一対の測定対象領域の面積を等しくするように設定する。これにより、測定対象領域上の電位分布が同等となり、それぞれの領域を照射する電子ビームの軌道が同等になる。従って、電子ビームの軌道が変動することによる測定誤差の発生を防止することが可能となる。

0086

なお、本実施形態では、測長の際に一対の矩形の測定対象領域を用いた具体例について説明したが、2箇所以上の複数の測定対象領域に適用しても良いし、曲線等の輪郭の測長に適用しても良い。

0087

また、測長を実施する前に、所望の領域へ電子ビームを照射して、変動のない一定のチャージアップ状態にするようにしても良い。これにより、さらに精度良く測長を行うことが可能となる。

0088

また、図9のステップS12では、記憶部20aから測定対象領域の位置情報を抽出したが、測定対象とするラインパターンの特定に際してプリサーチを行うようにしても良い。すなわち、まず、測定対象となるラインパターンを含む測定対象領域の概略の位置情報を記憶部20aから抽出するか、又はオペレータによる指示を受けた後、概略位置情報に対応した概略のSEM画像を取得する。このSEM画像を基に測定対象とする目的のラインパターンを特定する。その後、ラインパターンを含む所望の領域へ電子ビームを照射して一定のチャージアップ状態にし、特定された目的のラインパターンに対して必要最小限の測定対象領域に対して電子ビームを照射し測長を行う。この場合には、測定対象領域の位置情報がパターンの測定に必要な最小限の領域ではなく、概略の位置情報であっても、目的とするラインパターンの幅を精度良く測長することが可能となる。

0089

また、図9のステップS13において、電子検出器8のノイズ除去等のために、複数回の測長を実行して、得られた測定結果のデータをアベレージング処理する場合においても、測定対象領域のみを照射することで、安定した測長精度が得られる。なお、毎回の測長を実施する毎に、もしくは所望回数毎に、所望の領域へ電子ビームを照射して、安定したチャージアップ状態を維持させるようにしても良い。

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