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技術 積層フィルムおよび成形体

出願人 東レ株式会社
発明者 長田俊一園田和衛松原徳文
出願日 2008年2月12日 (12年10ヶ月経過) 出願番号 2008-513423
公開日 2010年5月27日 (10年6ヶ月経過) 公開番号 WO2008-099797
状態 特許登録済
技術分野 積層体(2)
主要キーワード ゼロ点合わせ 工程ロス 可視光線吸収率 クラリティ UVカット層 ターゲットマスク 耐摩耗性層 白色校正板
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題・解決手段

本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑み、フィルム表面に映り込んだ像の鮮明度が高く、ピアノ外観のような深みと光沢のある漆黒加飾フィルムを提供することを課題とする。黒色成分を含んでなる樹脂層(A層)と、実質的に無色透明な樹脂層(B層)とをそれぞれ1層以上有し、該A層の層厚みが20μm以上300μm以下であり、該B層の厚みが0.5μm以上200μm以下であって、該A層と該B層が隣接し、かつ少なくとも片側の面の表面粗さRaが1nm以上25nm以下であることを特徴とする積層フィルムである。

概要

背景

携帯電話パソコン自動車テレビ家電パチンコなどさまざまな用途で、フィルムを利用した加飾成形が用いられている。これらの用途においては、白色、金属調黒色の加飾が好んで用いられており、なかでも最近、高級志向から、ピアノ外観のような深みのある漆黒加飾フィルムが要求されつつある。

黒色のシートまたは容器として、いくつかの提案がなされている。例えば特許文献1には、隠蔽性ポリエステル系樹脂層接着性樹脂層および遮光性顔料を含有するポリオレフィン系樹脂層からなる多層シートおよび多層容器が提案されている。
また、特許文献2には、ポリエステル系樹脂層、接着性樹脂層、隠蔽性樹脂層及び、遮光性樹脂層からなる多層容器が提案されている。これらの技術はやや光沢度が高まるものの、シート表面に映り込んだ像の鮮明性不足しており、ピアノの外観のような深みと光沢のある漆黒を表現することは不可能であった。
特開平6−31874号公報
特開平6−31875号公報

概要

本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑み、フィルム表面に映り込んだ像の鮮明度が高く、ピアノの外観のような深みと光沢のある漆黒の加飾フィルムを提供することを課題とする。黒色成分を含んでなる樹脂層(A層)と、実質的に無色透明な樹脂層(B層)とをそれぞれ1層以上有し、該A層の層厚みが20μm以上300μm以下であり、該B層の厚みが0.5μm以上200μm以下であって、該A層と該B層が隣接し、かつ少なくとも片側の面の表面粗さRaが1nm以上25nm以下であることを特徴とする積層フィルムである。

目的

本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑み、フィルム表面に映り込んだ像の鮮明度が高く、ピアノの外観のような深みと光沢のある漆黒の加飾フィルムを提供することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

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請求項1

黒色成分を含んでなる樹脂層(A層)と、実質的に無色透明な樹脂層(B層)とをそれぞれ1層以上有し、該A層の層厚みが20μm以上300μm以下であり、該B層の厚みが0.5μm以上200μm以下であって、該A層と該B層が隣接し、かつ少なくとも片側のフィルム表面の表面粗さRaが1nm以上25nm以下であることを特徴とする積層フィルム

請求項2

積層フィルム中にポリエステルを70wt%以上含んでなることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。

請求項3

A層およびB層が、ポリエチレンテレフタレートエチレンテレフタレート共重合体ポリエチレンナフタレートエチレンナフタレートの共重合体のいずれかを含んでなることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。

請求項4

積層フィルム中にシリコーン系化合物を0.01wt%以上10wt%以下含んでなることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。

請求項5

アクリル系化合物ポリエステル系化合物ウレタン系化合物のいずれかを含んでなる、層の厚みが10nm以上300nm以下の樹脂層(C層)を少なくとも1層有することを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。

請求項6

少なくとも片面におけるL*(SCI)が20以上35以下であり、L*(SCE)が2以上15以下であり、L*(SCI)/L*(SCE)が3以上17以下であることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。

請求項7

A層が、非晶性樹脂または融点が240℃以下の樹脂を含んでなることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。

請求項8

A層を形成する樹脂が非晶性樹脂または融点が240℃以下の樹脂であり、積層フィルムが二軸延伸されてなることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。

請求項9

請求項1に記載の積層フィルムを含んでなる成形体

技術分野

0001

本発明は、積層フィルムおよび、それを用いた成形体に関するものである。

背景技術

0002

携帯電話パソコン自動車テレビ家電パチンコなどさまざまな用途で、フィルムを利用した加飾成形が用いられている。これらの用途においては、白色、金属調黒色の加飾が好んで用いられており、なかでも最近、高級志向から、ピアノ外観のような深みのある漆黒加飾フィルムが要求されつつある。

0003

黒色のシートまたは容器として、いくつかの提案がなされている。例えば特許文献1には、隠蔽性ポリエステル系樹脂層接着性樹脂層および遮光性顔料を含有するポリオレフィン系樹脂層からなる多層シートおよび多層容器が提案されている。
また、特許文献2には、ポリエステル系樹脂層、接着性樹脂層、隠蔽性樹脂層及び、遮光性樹脂層からなる多層容器が提案されている。これらの技術はやや光沢度が高まるものの、シート表面に映り込んだ像の鮮明性不足しており、ピアノの外観のような深みと光沢のある漆黒を表現することは不可能であった。
特開平6−31874号公報
特開平6−31875号公報

発明が解決しようとする課題

0004

本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑み、フィルム表面に映り込んだ像の鮮明度が高く、ピアノの外観のような深みと光沢のある漆黒の加飾フィルムを提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0005

上記課題を解決するため、本発明の積層フィルムは、黒色成分を含んでなる樹脂層(A層)と、実質的に無色透明な樹脂層(B層)とをそれぞれ1層以上有し、該A層の層厚みが20μm以上300μm以下であり、該B層の厚みが0.5μm以上200μm以下であって、該A層と該B層が隣接し、かつ少なくとも片側のフィルム表面の表面粗さRaが1nm以上25nm以下であることを特徴とする。

発明の効果

0006

本発明の積層フィルムは、フィルム表面に映り込んだ像の鮮明度が高く、ピアノの外観のような深みのある漆黒を呈するものである。また、シリコーン系化合物を0.01wt%以上10wt%以下含んでなると、表面への傷発生や、汚れの付着を防止できるものである。また、層の厚みが10nm以上300nm以下のアクリル系化合物ポリエステル系化合物ウレタン系化合物のいずれかを含んでなる樹脂層(C層)を少なくとも1層有すると、樹脂との一体成形や各種機能層との一体化が可能となるものである。

発明を実施するための最良の形態

0007

上記目的を達成するため本発明の積層フィルムは、黒色成分を含んでなる樹脂層(A層)と、実質的に無色透明な樹脂層(B層)とをそれぞれ1層以上有し、該A層の層厚みが20μm以上300μm以下であり、該B層の厚みが0.5μm以上200μm以下であって、該A層と該B層が隣接し、かつ少なくとも片側の面の表面粗さRaが1nm以上25nm以下でなければならない。

0008

本発明における樹脂とは、熱可塑性樹脂熱硬化性樹脂光硬化性樹脂電子線硬化性樹脂などいずれであっても良い。より好ましくは、熱可塑性樹脂である。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンポリプロピレンポリメチルペンテンなどのポリオレフィン樹脂脂環族ポリオレフィン樹脂ポリスチレン樹脂ナイロン6ナイロン66などのポリアミド樹脂アラミド樹脂ポリエチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレートポリプロピレンテレフタレートポリブチルサクシネート・ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル樹脂ポリカーボネート樹脂ポリアリレート樹脂ポリアセタール樹脂ポリフェニレンサルファイド樹脂、4フッ化エチレン樹脂・3フッ化エチレン樹脂・3フッ化塩化エチレン樹脂・4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体・フッ化ビニリデン樹脂などのフッ素樹脂PMMAなどのアクリル樹脂メタクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリグリコール酸樹脂ポリ乳酸樹脂ABS樹脂などが好ましく例示される。この中で、強度・耐熱性・透明性・コストの観点から、特にポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルであることがより好ましい。これら樹脂は、ホモ樹脂であってもよく、共重合または2種類以上のブレンドであってもよい。また、各樹脂中には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤帯電防止剤結晶核剤無機粒子有機粒子、減粘剤、熱安定剤滑剤紫外線吸収剤などが添加されていてもよい。

0009

また、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂としては、アクリル系樹脂ウレタン系樹脂エポキシ系樹脂メラミン系樹脂ポリイミド系樹脂フェノール系樹脂ポリエステル系樹脂などいずれであっても良い。

0010

本発明の黒色成分とは、カーボンブラックや、鉄黒四三酸化鉄)、黒色チタン系顔料ペリレン系顔料染料などのことを言う。特に、カーボンブラックは、樹脂への分散性が高く、かつ隠蔽性も高いことからより好ましい。積層フィルム中のカーボンブラック含有量としては0.1wt%以上25wt%以下であることが好ましい。ペリレン系顔料・染料としては、積層フィルム中に、0.05g〜20g/m2含まれていることが好ましい。ペリレン系顔料・染料が0.5g/m2以下であると、可視光線の吸収が少なく、装飾性の高い黒とはならない。また、ペリレン系顔料・染料が20g/m2以上であると、赤外線の吸収量も問題となってくるとともに、コストも高くなるため好ましくない。

0011

本発明では、黒色成分を含んでなる樹脂層(A層)と、実質的に無色透明な樹脂層(B層)とをそれぞれ1層以上有し、該A層の層厚みが20μm以上300μm以下であり、該B層の厚みが0.5μm以上200μm以下が好ましく例示される。このような構成とすることにより、深みのある黒色フィルムとすることが可能となる。より好ましくは、A層の総厚みが25μm以上200μm以下であり、B層の厚みが3μm以上150μm以下である。この場合、ハンドリング性にも優れたものとなる。実質的に無色透明な樹脂層は、その層に含まれる平均粒径が5nm以上の粒子顔料異物含有量が0wt%以上0.05wt%以下であり、その層の可視光線吸収率が20%以下であることが好ましい。より好ましくは、平均粒径が5nm以上の粒子や異物の含有量が0wt%以上0.01wt%以下であり、可視光線吸収率が5%以下である。

0012

また、本発明では、A層とB層が隣接し、かつ少なくとも片側の面の表面粗さRaが1nm以上25nm以下でなければならない。このような構成とすることにより、A層とB層での界面反射が抑制でき、より深みのある黒色となるとともに、表面の散乱が適度に抑制されるため、光沢のあるものとなる。より好ましくは、少なくとも片側の面の表面粗さRaが3nm以上10nm以下である。この場合、非常に光沢のあるものとなる。さらに好ましくは、B層側の表面粗さRaが3nm以上10nm以下である。この場合、フィルム表面に映り込んだ像の鮮明度がより高く、ピアノの外観のような深みと光沢のある漆黒フィルムとなる。

0013

本発明の積層フィルムでは、ポリエステルを70wt%以上含んでなることが好ましい。ポリエステルを70wt%以上含んでなると、フィルム内部での散乱・反射が抑制され、より深みのある黒色フィルムとなるとともに、成形性や耐熱性、耐溶剤性にも優れたものとなる。A層およびB層が、ポリエチレンテレフタレート、エチレンテレフタレート共重合樹脂ポリエチレンナフタレートエチレンナフタレート共重合樹脂のいずれかを含んでなることがより好ましい。さらに好ましくは、B層にポリエチレンナフタレート、エチレンナフタレート共重合樹脂のいずれかを含んでなることが好ましい。ポリエチレンナフタレート、エチレンナフタレート共重合樹脂のいずれかを含んでなると、これらの樹脂は屈折率が高いために、表面反射率が高くなり、より光沢のある黒色フィルムとなる。

0014

本発明の積層フィルムは、シリコーン系化合物を0.01wt%以上10wt%以下含んでなることが好ましい。シリコーン系化合物を0.01wt%以上10wt%以下含んでなると、耐摩耗性、耐防汚性が改良され、傷や汚れのつきにくいものとなる。また、耐衝撃性も向上するため、成形時の打ち抜きの際も、バリなどが出にくく、歩留まりも向上する。熱可塑性樹脂に直接添加する場合は、旭化成ワッカシリコーン販売のGENIOPLASTなどを用いることが好ましい。この場合、ブリードアウトが生じにくくなり、経時による性能低下や、白化を抑制できるようになる。

0015

本発明の積層フィルムは、片面におけるL*(SCI)が20以上35以下であり、L*(SCE)が2以上15以下であり、L*(SCI)/L*(SCE)が3以上17以下であることが好ましい。ここで、L*(SCI)とは、ASTME1164に準拠したものであり、試料の表面で反射した正反射光(d/8)と拡散光から求めた明度である。また、L*(SCE)とは、ASTM E1164に準拠したものであり、試料の表面で反射した正反射光を除去した拡散光から求めた明度である。L*(SCI)が20以上35以下であり、L*(SCE)が2以上15以下であり、L*(SCI)/L*(SCE)が3以上17以下であると、より光沢がありながら、深みも併せ持つ黒色フィルムとなるので好ましいものである。これは、ハイライト正反射)ではある程度一定の明度を維持しつつ、シェードでは明度が低いほどより深みを感じるためと考えられる。

0016

本発明の積層フィルムでは、二軸延伸されてなることが好ましい。テレビのスピーカーグリル用などの微細穴あけ加工では、通常の無延伸フィルムの場合、フィルムが割れるなどのトラブルが生じやすい。一方、二軸延伸されていると、割れが起きにくく、工程ロスが少なくなる。

0017

また、本発明の積層フィルムでは、A層が、非晶性樹脂または融点が240℃以下の樹脂を含んでなることが好ましい。A層が、非晶性樹脂または融点が240℃以下の樹脂を含んでなると、微細穴あけ加工や成形や延伸によって、ボイドが発生したりしにくく、ピアノの外観のような深みのある漆黒を維持することができる。より好ましくは、非晶性樹脂または融点が240℃以下の樹脂に、黒色顔料をあらかじめ分散した黒色顔料入り樹脂を作製した後、他の樹脂と混合して使用するとよい。

0018

本発明の積層フィルムは、A層を形成する樹脂が非晶性樹脂もしくは融点が240℃以下の樹脂であり、二軸延伸されてなることが好ましい。通常の二軸延伸フィルムでは、延伸時に黒色成分と樹脂の間でわずかな空隙ができるため、黒色度が低下する傾向にあるが、A層を形成する樹脂が、非晶性樹脂もしくは融点が240℃以下の樹脂であると、二軸延伸後の熱処理によってA層をわずかに融解させることができるため、延伸によって生じた空隙を消滅することができ、より深みのある黒色とすることが可能となる。

0019

本発明の積層フィルムは、層の厚みが10nm以上300nm以下のアクリル系化合物、ポリエステル系化合物、ウレタン系化合物のいずれかを含んでなる樹脂層(C層)を少なくとも1層有することが好ましい。これらの層を少なくとも1層以上有すると表面の接着性が改良され、ハードコート防汚層、印刷層接着層、粘着層紫外線吸収層拡散層反射層金属層などとの密着性が良好となる。また、表面の屈折率が調整できるため、適度な光沢とすることができ、より深みのある黒色とすることが可能となる。

0020

本発明の積層フィルムでは、少なくとも2層からならなければならないが、より好ましくは3層からなることが好ましい。3層からなる場合、熱履歴などを受けても、フィルムがカールしにくいためである。この場合、A層の両表面側にB層が配置されていることが好ましい。

0021

また、本発明の積層フィルムでは、その表面に易接着層易滑層ハードコート層帯電防止層耐摩耗性層反射防止層色補正層、紫外線吸収層、印刷層、金属層、透明導電層ガスバリア層ホログラム層剥離層、粘着層、エンボス層、接着層などの機能性層を形成してもよい。

0022

本発明の成形体としては、上記積層フィルムを含んでいなければならない。本発明の積層フィルム以外に、ハードコート層、エンボス層、耐候層UVカット層)、着色層、接着層、基材樹脂層などのいずれかを含んでなることも好ましい。

0023

本発明の成形体は、真空成形真空圧空成形プラグアシスト真空圧空成形、超高圧成形、インモールド成形インサート成形冷間成形プレス成形穴あけ加工などの各種成型法が適用できるため、低コストで成形体を得ることが可能である。本発明の成形体は、自動車内装外装、携帯電話、テレビ、各種家電製品建材部品などの装飾材として好適である。

0024

次に、本発明の積層フィルムの好ましい製造方法を以下に説明する。

0025

2種類の樹脂AおよびBをペレットなどの形態で用意する。ここで、樹脂Aには、顔料または染料を含んでなることが好ましい。より好ましくは、樹脂Aには、カーボンブラックを含んでなる。このカーボンブラックとしては、平均粒子径5nm以上3000nm以下であることが好ましい。平均粒子径が5nm未満の場合、樹脂粘度の増加が大きく、押出定性が悪くなったり、積層性が悪くなる。一方、平均粒子径が3000nmより大きいと散乱が大きくなり、深みのある黒色となりにくい。また、樹脂へのカーボンブラックの添加は、あらかじめ樹脂Aにカーボンブラックを高濃度コンパウンドしたものを作製し、これを押出機に供給する際に樹脂A単体にブレンドして希釈する方法が好ましい。

0026

ペレットは、必要に応じて、熱風中あるいは真空下で乾燥された後、別々の押出機に供給される。押出機内において、融点以上に加熱溶融された樹脂は、ギヤポンプ等で樹脂の押出量を均一化され、フィルタ等を介して異物や変性した樹脂などを取り除かれる。

0027

これらの2台以上の押出機を用いて異なる流路から送り出された樹脂AおよびBは、次に複合装置に送り込まれる。複合装置としては、マルチマニホールドダイフィールドブロックスタティックミキサー等を用いることができる。また、これらを任意に組み合わせても良い。複合装置にて所望の層構成に形成した溶融積層体は、次にダイにて目的の形状に成形された後、吐出される。そして、ダイから吐出された積層シートは、キャスティングドラム等の冷却体上に押し出され、冷却固化され、キャスティングフィルムが得られる。この際、ワイヤー状テープ状、針状あるいはナイフ状等の電極を用いて、静電気力によりキャスティングドラム等の冷却体に密着させ急冷固化させることが好ましい。また、スリット状、スポット状、面状の装置からエアーを吹き出してキャスティングドラム等の冷却体に密着させ急冷固化させたり、ニップロールにて冷却体に密着させ急冷固化させる方法も好ましい。

0028

このようにして得られたキャスティングフィルムは、必要に応じて二軸延伸することが好ましい。二軸延伸とは、長手方向および幅方向に延伸することをいう。延伸は、逐次に二方向に延伸しても良いし、同時に二方向に延伸してもよい。また、さらに長手方向および/または幅方向に再延伸を行ってもよい。特に本発明では、面内の配向差を抑制できる点や、表面傷を抑制する観点から、テンター法にて同時二軸延伸を用いることが好ましい。

0029

逐次二軸延伸の場合についてまず説明する。ここで、長手方向への延伸とは、フィルムに長手方向の分子配向を与えるための延伸を言い、通常は、ロール周速差により施され、この延伸は1段階で行ってもよく、また、複数本ロール対を使用して多段階に行っても良い。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、2〜15倍が好ましく、積層フィルムを構成する樹脂のいずれかにポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、2〜7倍が特に好ましく用いられる。また、延伸温度としては積層フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+100℃が好ましい。

0030

このようにして得られた一軸延伸されたフィルムに、必要に応じてコロナ処理フレーム処理プラズマ処理などの表面処理を施した後、易滑性易接着性帯電防止性などの機能をインラインコーティングにより付与してもよい。

0031

また、幅方向の延伸とは、フィルムに幅方向の配向を与えるための延伸を言い、通常は、テンターを用いて、フィルムの両端をクリップ把持しながら搬送して、幅方向に延伸する。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、2〜15倍が好ましく、積層フィルムを構成する樹脂のいずれかにポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、2〜7倍が特に好ましく用いられる。また、延伸温度としては積層フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+120℃が好ましい。

0032

こうして二軸延伸されたフィルムは、平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内で延伸温度以上融点以下の熱処理を行うのが好ましい。このようにして熱処理された後、均一に徐冷後、室温まで冷やして巻き取られる。また、必要に応じて、熱処理から徐冷の際に弛緩処理などを併用してもよい。

0033

同時二軸延伸の場合について次に説明する。同時二軸延伸の場合には、得られたキャストフィルムに、必要に応じてコロナ処理やフレーム処理、プラズマ処理などの表面処理を施した後、易滑性、易接着性、帯電防止性などの機能をインラインコーティングにより付与してもよい。

0034

次に、キャストフィルムを、同時二軸テンターへ導き、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、長手方向と幅方向に同時および/または段階的に延伸する。同時二軸延伸機としては、パンタグラフ方式、スクリュー方式駆動モーター方式、リニアモーター方式があるが、任意に延伸倍率を変更可能であり、任意の場所で弛緩処理を行うことができる駆動モーター方式もしくはリニアモーター方式が好ましい。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、面積倍率として6〜50倍が好ましく、積層フィルムを構成する樹脂のいずれかにポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、面積倍率として8〜30倍が特に好ましく用いられる。特に同時二軸延伸の場合には、面内の配向差を抑制するために、長手方向と幅方向の延伸倍率を同一とするとともに、延伸速度もほぼ等しくなるようにすることが好ましい。また、延伸温度としては積層フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+120℃が好ましい。

0035

こうして二軸延伸されたフィルムは、平面性、寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内で延伸温度以上融点以下の熱処理を行うのが好ましい。この熱処理の際に、幅方向での主配向軸分布を抑制するため、熱処理ゾーンに入る直前および/あるいは直後に瞬時に長手方向に弛緩処理することが好ましい。このようにして熱処理された後、均一に徐冷後、室温まで冷やして巻き取られる。また、必要に応じて、熱処理から徐冷の際に長手方向および/あるいは幅方向に弛緩処理を行っても良い。熱処理ゾーンに入る直前および/あるいは直後に瞬時に長手方向に弛緩処理する。

0036

本発明に使用した物性値評価法を記載する。
(物性値の評価法)
(1)光学濃度
X−Rite社製透過濃度計X−Rite361T(V)を用いてフィルムの透過濃度を測定した。サンプル測定前は当該機器に附属の説明書の記載に則り、ゼロ点合わせおよび標準板数値確認を行った。
(2)光沢度
JIS7105(1981)に従って、スガ試験機デジタル光度計UGV−5Dを用いて、光沢度(60度鏡面光沢度Gs(60°))を測定した。
(3)像鮮明度
JIS7105(1981)に従って、スガ試験機製のクラリティメーターを用いて、反射の像鮮明度(幅0.5mmの光学くし像鮮明度 C(0.5))を測定した。
(4)表面粗さ
小坂研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10を用いて測定した。条件は下記のとおりである。また、測定した面は、B層側の表面を測定した。

0037

触針先端半径: 0.5μm
触針荷重: 5mg
測定長: 1mm
カットオフ: 0.08mm
触針スピード: 4μm/sec
なお、Raの定義は、JIS B0601(1994)に示されている。
(5)外観
500mm×500mmのフィルムを目視にて観察し、ピアノのように深みがあり光沢のある黒色である場合を◎、やや深みが不足している、もしくは光沢が不足している場合を○、深みも光沢も不足している場合を×とした。
(6)融点
示差熱量分析DSC)を用い、JIS−K−7122(1987年)に従って、以下の装置・条件で測定・算出した。
装置:セイコー電子工業(株)製”ロボットDSC−RDC220”
データ解析ディスクセッションSSC/5200”
サンプル質量:5mg
昇温速度:20℃/分
(7)L*(SCI)、L*(SCE)
サンプルを5cm×5cmで切り出し、次いでサンプル裏面をマジックインキ登録商標)で黒く塗り、コニカミノルタ(株)製CM−3600dを用いて、測定径φ8mmのターゲットマスク(CM−A106)条件下で反射物体色を測定し、明度L*(SCI)、L*(SCE)をそれぞれ求めた。なお、光源設定はD65とし、n数3回の平均値をもちいた。また、白色校正板はCM−A103、ゼロ校正ボックスはCM−A104を用いた。
(実施例1〜3)
2種類の樹脂として、樹脂Aと樹脂Bを準備した。樹脂Aとして、三菱化学製カーボンブラックHCF #2600 2.5wt%を微分散した固有粘度0.63のポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた。また樹脂Bとして固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを用いた。樹脂Aおよび樹脂Bをそれぞれ180℃の温度で3時間真空乾燥を行った後、別々の一軸押出機に供給した。なお、PETの融点は256℃であった。

0038

それぞれ、押出機にて280℃の溶融状態とし、ギヤポンプおよびフィルタを介した後、2層のフィードブロックにて合流させた。なお、積層比については、表1に示す層厚みになるように各実施例ごとに各樹脂の流量を調整した。このようにして得られた2層からなる溶融積層体を、ダイにてシート状に成形した後、静電印加にて表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化した。

0039

得られたキャストフィルムを、75℃に設定したロール群で加熱し、フィルム両面からラジエーションヒーターにより急速加熱し、フィルム温度が90℃の状態で、縦方向に3.2倍延伸した。

0040

この一軸延伸フィルムをテンターに導き、110℃の熱風で予熱後、横方向に3.8倍延伸した。延伸したフィルムは、そのまま、テンター内で230℃の熱風にて熱処理を行い、続いて同温度にて幅方向に7%の弛緩処理を施し、その後、室温まで徐冷後、巻き取った。得られた結果を表1に示す。
(実施例4〜6)
2種類の樹脂として、樹脂Aと樹脂Bを準備した。樹脂Aとして、三菱化学製カーボンブラックHCF #2600 2.5wt%を微分散した固有粘度0.63のポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた。また樹脂Bとして固有粘度0.68のポリエチレンナフタレートを用いた。樹脂Aおよび樹脂Bをそれぞれ180℃の温度で3時間真空乾燥を行った後、別々の一軸押出機に供給した。なお、PENの融点は263℃であった。

0041

それぞれ、押出機にて280℃の溶融状態とし、ギヤポンプおよびフィルタを介した後、2層のフィードブロックにて合流させた。なお、積層比については、表1に示す層厚みになるように各実施ごとに各樹脂の流量を調整した。このようにして得られた2層からなる溶融積層体を、ダイにてシート状に成形した後、静電印加にて表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化した。

0042

得られたキャストフィルムを、90℃に設定したロール群で加熱し、フィルム両面からラジエーションヒーターにより急速加熱し、フィルム温度が125℃の状態で、縦方向に4倍延伸した。その後、この一軸延伸フィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施し、基材フィルム濡れ張力を55mN/mとし、その処理面に、易滑剤(粒径0.1μmのコロイダルシリカ固形分比0.4重量部)を含む水分散性ウレタン系樹脂(濃度3.0重量%)を#4のメタバーにて両面に塗布し、透明・易滑・易接着層を形成した。この層の厚みは、巻きとったフィルムで、100nmであった。

0043

この一軸延伸フィルムをテンターに導き、135℃の熱風で予熱後、横方向に4.5倍延伸した。延伸したフィルムは、そのまま、テンター内で230℃の熱風にて熱処理を行い、続いて同温度にて幅方向に7%の弛緩処理を施し、その後、室温まで徐冷後、巻き取った。得られた結果を表1に示す。
(実施例7〜8)
樹脂A中のカーボンブラックの含有量を表1に示すように変えた以外は、実施例1と同様に製膜した。得られた結果を表1に示す。
(実施例9〜10)
樹脂Bとして、平均粒径1μmのシリカ粒子を含んだ固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを用いた以外は、実施例1と同様に製膜した。得られた結果を表1に示す。
(比較例1〜3)
各樹脂の流量とフィルム厚みを調整して、表1に示すように各層の厚みを変更した以外は、実施例1と同様に製膜した。得られた結果を表1に示す。
(比較例4)
樹脂Aのみを用いて製膜した以外は、実施例1と同様に製膜した。得られた結果を表1に示す。
(比較例5)
樹脂Bとして、平均粒径1μmのシリカ粒子を0.1wt%含んだ固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを用いた以外は、実施例1と同様に製膜した。得られた結果を表1に示す。
(実施例11)
樹脂Bとして、ジメチルシリコーンを0.02wt%含有した固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを用いた以外は、実施例1と同様に製膜した。得られた結果を表1に示す。得られたフィルムは、指紋が付きにくく、汚れにくいものとなった。
(実施例12)
樹脂Aとして、三菱化学製 カーボンブラックHCF #2600 2.5wt%を微分散した固有粘度0.72のシクロヘキサンジメタノールを30mol%共重合したポリエチレンテレフタレート(PE/CHDM・T)を用いた以外は、実施例1と同様に製膜した。なお、樹脂Aは実質的に融点が存在せず、非晶性樹脂であった。得られた結果を表1に示す。得られたフィルムは、全実施例中でもっとも外観に優れたものであった。
(実施例13)
樹脂Aとして、三菱化学製 カーボンブラックHCF #2600 2.5wt%を微分散した固有粘度0.70のイソフタル酸を15mol%共重合したポリエチレンテレフタレート(PET/I)を用いた以外は、実施例1と同様に製膜した。なお、樹脂Aの融点は215℃であった。得られた結果を表1に示す。
(実施例14)
三菱化学製 カーボンブラックHCF #2600を微分散した、非晶性樹脂である固有粘度0.72のシクロヘキサンジメタノールを30mol%共重合したポリエチレンテレフタレート(PE/CHDM・T)を準備した。次に、固有粘度が0.65のポリエチレンテレフタレート(30wt%)とこのカーボンブラックを微分散したシクロヘキサンジメタノールを30mol%共重合したポリエチレンテレフタレート(70wt%)をブレンドし、樹脂Aとして用いた以外は、実施例1と同様に製膜した。なお、樹脂Aの融点は255℃であり、カーボンブラックは樹脂A中に2.5wt%微分散されていた。得られた結果を表1に示す。
(実施例15)
融点が227℃であり、固有粘度1.4のポリプロピレンテレフタレート(PPT)であるDuPont社製のSORONA P90Dに三菱化学製 カーボンブラックHCF #2600を微分散した樹脂を準備した。次に、固有粘度が0.65のポリエチレンテレフタレート(90wt%)と、このカーボンブラックを微分散したポリプロピレンテレフタレート(10wt%)をブレンドし、樹脂Aとして用いた以外は、実施例1と同様に製膜した。なお、樹脂Aの融点は254℃であり、カーボンブラックは樹脂A中に2.5wt%微分散されていた。得られた結果を表1に示す。
(実施例16)
実施例15において、3層のフィードブロックを用い、両表層が樹脂Bとなり、芯層が樹脂Aとなるようにし、各層の厚みを表1のように調整した以外は、実施例1と同様に製膜した。得られた結果を表1に示す。このフィルムは、加熱処理などしても、実施例15に比較してカールが起きにくいものであった。なお、表中のB層の厚みは、片面側のB層の厚みを示したが、両面ともほぼ同様の厚みであった。

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本発明は、黒色の加飾フィルムに関するものである。特にピアノの外観のような深みと光沢のある漆黒加飾フィルムとして好適である。

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