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技術 潤滑状態検出装置及び潤滑状態検出方法

出願人 THK株式会社
発明者 池田浩幸
出願日 2008年1月29日 (12年11ヶ月経過) 出願番号 2008-556094
公開日 2010年5月20日 (10年7ヶ月経過) 公開番号 WO2008-093652
状態 特許登録済
技術分野 直線運動をする物品用の軸受 伝動装置
主要キーワード 各移動ブロック 加減抵抗器 コンパレータ信号 オシログラフ 被膜状態 曲線運動 各軌道レール 高速運動
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (14)

課題・解決手段

移動ブロック毎に目視で簡単に潤滑状態を検出することができる潤滑状態検出装置を提供する。軌道部材2と移動ブロック1との間に電圧印加して、軌道部材2と移動ブロック1との間の電気抵抗を検出する。加減抵抗器によって設定されたしきい値と、検出された電気抵抗とを比較する。運動案内装置の移動ブロックに、比較結果に基づいて発光する発光素子を設ける。移動ブロックが走行しながら電気抵抗の比較結果を表示するので、目視で簡単に移動ブロックの潤滑状態を判断することができる。

概要

背景

テーブルなどの移動体直線運動曲線運動を案内するための機械要素として、案内部分ボールローラ等の転動体を介在させた運動案内装置が広く知られている。運動案内装置は、ベースなどに取り付けられる軌道部材と、軌道部材にスライド可能に組み付けられ移動ブロックと、を備える。移動ブロックはテーブルなどの移動体に取り付けられる。軌道部材の転動体転走面と移動ブロックの転動体転走面との間には転動体が介在される。移動ブロックが軌道部材に対して相対的に運動すると、転動体が転がり運動する。転動体の転がり運動によって軽快動きが得られるので、運動案内装置はロボット工作機械半導体液晶製造装置医療機器など、様々な分野で利用されている。

ところで、運動案内装置を使用する際には、転動体と転動体転走面の間に膜を作り、金属と金属が直接接触するのを防ぐ必要がある。無給油のままで使用すると、転動体及び転走面の摩耗が増加し、早期寿命の原因になるからである。潤滑剤には、液体状の潤滑剤と、固体状の潤滑剤とがある。液体状の潤滑剤はさらに、粘度の高いグリースリチウム系グリースウレア系グリースなど)と、粘度の低い潤滑油摺動面油又はタービン油、ISOVG32〜68など)とに分けられる。例えば、工作機械などのクーラント飛散する環境では、摺動面油が用いられ、それ以外の高速運動部、クリーンルーム仕様ではグリースが用いられる。固体状の潤滑剤には、二硫化モリブデンPTFEに代表される固体潤滑剤がある。固体潤滑剤は、蒸発することがないので真空環境において用いられることが多い。

出願人は、運動案内装置の潤滑状態を検出する潤滑状態検出装置を提案している(特許文献1参照)。この潤滑状態検出装置においては、潤滑状態が良好であれば、転動体と転動体転走面との間に油膜が形成されていて、転動体と転動体転走面との間の電気抵抗が大きくなる一方、潤滑状態が不良であれば、転動体と転動体転走面とが金属接触して電気抵抗がゼロに近くなるという現象を利用している。
特開2005−54828号公報

概要

移動ブロック毎に目視で簡単に潤滑状態を検出することができる潤滑状態検出装置を提供する。軌道部材2と移動ブロック1との間に電圧印加して、軌道部材2と移動ブロック1との間の電気抵抗を検出する。加減抵抗器によって設定されたしきい値と、検出された電気抵抗とを比較する。運動案内装置の移動ブロックに、比較結果に基づいて発光する発光素子を設ける。移動ブロックが走行しながら電気抵抗の比較結果を表示するので、目視で簡単に移動ブロックの潤滑状態を判断することができる。

目的

そこで本発明は、移動ブロックやナット毎に目視で簡単に潤滑状態を検出することができる潤滑状態検出装置及び方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

軌道部材転動体を介して移動ブロックが移動可能に組み付けられ、移動ブロックが軌道部材の軸線方向に相対的に移動するとき転動体が転がり運動する運動案内装置、又はねじ軸に転動体を介してナットが相対的に回転可能に組み付けられるねじ装置の潤滑状態を検出する潤滑状態検出装置において、前記軌道部材と前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナットとの間に電圧印加して、前記軌道部材と前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナットとの間の電気抵抗を検出する電気抵抗検出手段と、電気抵抗のしきい値を設定するしきい値設定手段と、前記しきい値設定手段によって設定されたしきい値と、前記電気抵抗検出手段によって検出された電気抵抗とを比較し、比較結果の信号を生成する比較手段と、前記運動案内装置の前記移動ブロック又は前記ねじ装置の前記ナットに設けられ、前記比較手段が生成する信号に基づいて発光する発光素子と、を備える潤滑状態検出装置。

請求項2

軌道部材に転動体を介して移動ブロックが移動可能に組み付けられ、移動ブロックが軌道部材の軸線方向に相対的に移動するとき転動体が転がり運動する運動案内装置、又はねじ軸に転動体を介してナットが相対的に回転可能に組み付けられるねじ装置の潤滑状態を検出する潤滑状態検出装置において、前記軌道部材と前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナットとの間に電圧を印加して、前記軌道部材と前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナットとの間の電気抵抗を検出する電気抵抗検出手段と、電気抵抗のしきい値を設定するしきい値設定手段と、前記しきい値設定手段によって設定されたしきい値と、前記電気抵抗検出手段によって検出された電気抵抗とを比較し、比較結果の信号を生成する比較手段と、前記比較手段が信号を生成する時間に関する指標を累積し、累積値所定値以上のときに信号を生成するカウンタ手段と、を備える潤滑状態検出装置。

請求項3

軌道部材に転動体を介して移動ブロックが移動可能に組み付けられ、移動ブロックが軌道部材の軸線方向に相対的に移動するとき転動体が転がり運動する運動案内装置、又はねじ軸に転動体を介してナットが相対的に回転可能に組み付けられるねじ装置の潤滑状態を検出する潤滑状態検出装置において、前記軌道部材と前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナットとの間に電圧を印加して、前記軌道部材と前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナットとの間の電気抵抗を検出する電気抵抗検出手段と、電気抵抗のしきい値を設定すると共に、しきい値を変化させることができる加減抵抗器と、前記加減抵抗器によって設定されたしきい値と、前記電気抵抗検出手段によって検出された前記電気抵抗とを比較し、比較結果の信号を生成する比較手段と、を備える潤滑状態検出装置。

請求項4

前記カウンタ手段は、一定の時間間隔パルス信号を生成するパルス発信器と、前記比較手段が生成する信号と前記パルス信号とが入力されるAND回路と、前記AND回路が生成する信号をカウントするカウンタと、を備えることを特徴とする請求項2に記載の潤滑状態検出装置。

請求項5

前記加減抵抗器は、しきい値の上限値及び下限値それぞれを設定できると共に、しきい値の上限値及び下限値それぞれを変化させることができる第一の加減抵抗器及び第二の加減抵抗器を有し、前記比較手段は、前記第一の加減抵抗器及び前記第二の加減抵抗器によって設定されたしきい値の上限値及び下限値と、前記電気抵抗検出手段によって検出された電気抵抗とを比較することを特徴とする請求項3に記載の潤滑状態検出装置。

請求項6

前記運動案内装置又は前記ねじ装置には、前記運動案内装置又は前記ねじ装置を相手部品取付けるための取付け孔又は取付けねじが設けられ、この取付け孔又は取付けねじの周囲は絶縁体からなることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の潤滑状態検出装置。

請求項7

請求項1ないし6いずれかに記載の潤滑状態検出装置が組み込まれてなる運動案内装置又はねじ装置。

請求項8

軌道部材に転動体を介して移動ブロックが移動可能に組み付けられ、移動ブロックが軌道部材の軸線方向に相対的に移動するとき転動体が転がり運動する運動案内装置、又はねじ軸に転動体を介してナットが相対的に回転可能に組み付けられるねじ装置の潤滑状態を検出する潤滑状態検出方法において、前記軌道部材と前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナットとの間に電圧を印加して、前記軌道部材と前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナットとの間の電気抵抗を検出する電気抵抗検出工程と、電気抵抗のしきい値を設定するしきい値設定工程と、前記しきい値設定工程において設定されたしきい値と、前記電気抵抗検出工程において検出された電気抵抗とを比較し、比較結果の信号を生成する比較工程と、前記比較工程において生成される信号に基づいて、前記運動案内装置の前記移動ブロック又は前記ねじ装置の前記ナットに設けられる発光素子を発光させる発光工程と、を備える潤滑状態検出方法。

請求項9

軌道部材に転動体を介して移動ブロックが移動可能に組み付けられ、移動ブロックが軌道部材の軸線方向に相対的に移動するとき転動体が転がり運動する運動案内装置、又はねじ軸に転動体を介してナットが相対的に回転可能に組み付けられるねじ装置の潤滑状態を検出する潤滑状態検出方法において、前記軌道部材と前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナットとの間に電圧を印加して、前記軌道部材と前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナットとの間の電気抵抗を検出する電気抵抗検出工程と、電気抵抗のしきい値を設定するしきい値設定工程と、前記しきい値設定工程において設定されたしきい値と、前記電気抵抗検出工程において検出された電気抵抗とを比較し、比較結果の信号を生成する比較工程と、前記比較工程において生成される信号の時間に関する指標を累積し、累積値が所定値以上のときに信号を生成するカウンタ工程と、を備える潤滑状態検出方法。

請求項10

軌道部材に転動体を介して移動ブロックが移動可能に組み付けられ、移動ブロックが軌道部材の軸線方向に相対的に移動するとき転動体が転がり運動する運動案内装置、又はねじ軸に転動体を介してナットが相対的に回転可能に組み付けられるねじ装置の潤滑状態を検出する潤滑状態検出方法において、前記軌道部材と前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナットとの間に電圧を印加して、前記軌道部材と前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナットとの間の電気抵抗を検出する電気抵抗検出工程と、電気抵抗のしきい値を変化させることができる加減抵抗器によって、電気抵抗のしきい値を設定するしきい値設定工程と、前記しきい値設定工程において設定されたしきい値と、前記電気抵抗検出工程において検出された電気抵抗とを比較し、比較結果の信号を生成する比較工程と、を備える潤滑状態検出方法。

技術分野

0001

本発明は、軌道部材転動体を介して移動ブロックが相対的にスライド可能に組み付けられる運動案内装置、又はねじ軸に転動体を介してナットが相対的に回転可能に組み付けられるねじ装置の潤滑状態を検出する潤滑状態検出装置に関する。

背景技術

0002

テーブルなどの移動体直線運動曲線運動を案内するための機械要素として、案内部分ボールローラ等の転動体を介在させた運動案内装置が広く知られている。運動案内装置は、ベースなどに取り付けられる軌道部材と、軌道部材にスライド可能に組み付けられ移動ブロックと、を備える。移動ブロックはテーブルなどの移動体に取り付けられる。軌道部材の転動体転走面と移動ブロックの転動体転走面との間には転動体が介在される。移動ブロックが軌道部材に対して相対的に運動すると、転動体が転がり運動する。転動体の転がり運動によって軽快動きが得られるので、運動案内装置はロボット工作機械半導体液晶製造装置医療機器など、様々な分野で利用されている。

0003

ところで、運動案内装置を使用する際には、転動体と転動体転走面の間に膜を作り、金属と金属が直接接触するのを防ぐ必要がある。無給油のままで使用すると、転動体及び転走面の摩耗が増加し、早期寿命の原因になるからである。潤滑剤には、液体状の潤滑剤と、固体状の潤滑剤とがある。液体状の潤滑剤はさらに、粘度の高いグリースリチウム系グリースウレア系グリースなど)と、粘度の低い潤滑油摺動面油又はタービン油、ISOVG32〜68など)とに分けられる。例えば、工作機械などのクーラント飛散する環境では、摺動面油が用いられ、それ以外の高速運動部、クリーンルーム仕様ではグリースが用いられる。固体状の潤滑剤には、二硫化モリブデンPTFEに代表される固体潤滑剤がある。固体潤滑剤は、蒸発することがないので真空環境において用いられることが多い。

0004

出願人は、運動案内装置の潤滑状態を検出する潤滑状態検出装置を提案している(特許文献1参照)。この潤滑状態検出装置においては、潤滑状態が良好であれば、転動体と転動体転走面との間に油膜が形成されていて、転動体と転動体転走面との間の電気抵抗が大きくなる一方、潤滑状態が不良であれば、転動体と転動体転走面とが金属接触して電気抵抗がゼロに近くなるという現象を利用している。
特開2005−54828号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかし、従来の潤滑状態検出装置にあっては、検出された電気抵抗(実際には電圧信号)を表示するオシログラフが必要であった。このオシログラフは潤滑状態検出装置の構成を複雑化させる。オシログラフに表示される波形をみても、潤滑状態が良好であるか否かを判断するのは困難である。

0006

運動案内装置は一つのテーブルに複数組み込まれることが多く、一つの軌道部材にも複数の移動ブロックが組み付けられる。送りねじとして使用されるねじ装置も、テーブルに組み込まれる。移動ブロックやナットの潤滑状態は一つ一つ異なるので、移動ブロックやナット毎に潤滑状態を検出できることが望まれる。

0007

そこで本発明は、移動ブロックやナット毎に目視で簡単に潤滑状態を検出することができる潤滑状態検出装置及び方法を提供することを目的とする。

0008

また、運動案内装置の寿命を決定づける要因には、転動体と転動体転走面との金属接触の有無だけでなく、転動体と転動体転走面とが金属接触している時間もある。金属接触している累積的な時間に運動案内装置の寿命を決定付ける要因がある。

0009

そこで、本発明の他の目的は、転動体と転動体転走面とが金属接触している累積的な時間を検出することができる潤滑状態検出装置及び方法を提供することを目的とする。

0010

さらに、液体状の潤滑剤を使用したとき、移動ブロックの速度が大きいときには膜が厚くなり、速度が小さいときには膜が薄くなる。転動体と転動体転走面との間に形成される油膜の膜厚は、移動ブロックの速度に依存する。しかも、転動体と転動体転走面との間の電気抵抗は液体状の潤滑剤の種類によっても変化する。潤滑剤として固体潤滑剤を使用したときも固体潤滑剤の種類、膜厚が変わると、転動体と転動体転走面との間の電気抵抗が異なってくる。一口に良好な潤滑といっても、運動案内装置やねじ装置の使用状況によって電気抵抗は異なったものになる。

0011

そこで本発明のさらに他の目的は、運動案内装置及びねじ装置の速度、潤滑剤の種類などの使用状況に応じて、最適な電気抵抗のしきい値を設定することができる潤滑状態検出装置及び方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

以下、本発明について説明する。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、軌道部材に転動体を介して移動ブロックが移動可能に組み付けられ、移動ブロックが軌道部材の軸線方向に相対的に移動するとき転動体が転がり運動する運動案内装置、又はねじ軸に転動体を介してナットが相対的に回転可能に組み付けられるねじ装置の潤滑状態を検出する潤滑状態検出装置において、前記軌道部材と前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナットとの間に電圧印加して、前記軌道部材と前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナットとの間の電気抵抗を検出する電気抵抗検出手段と、電気抵抗のしきい値を設定するしきい値設定手段と、前記しきい値設定手段によって設定されたしきい値と、前記電気抵抗検出手段によって検出された電気抵抗とを比較し、比較結果の信号を生成する比較手段と、前記運動案内装置の前記移動ブロック又は前記ねじ装置の前記ナットに設けられ、前記比較手段が生成する信号に基づいて発光する発光素子と、を備える潤滑状態検出装置である。

0013

請求項2に記載の発明は、軌道部材に転動体を介して移動ブロックが移動可能に組み付けられ、移動ブロックが軌道部材の軸線方向に相対的に移動するとき転動体が転がり運動する運動案内装置、又はねじ軸に転動体を介してナットが相対的に回転可能に組み付けられるねじ装置の潤滑状態を検出する潤滑状態検出装置において、前記軌道部材と前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナットとの間に電圧を印加して、前記軌道部材と前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナットとの間の電気抵抗を検出する電気抵抗検出手段と、電気抵抗のしきい値を設定するしきい値設定手段と、前記しきい値設定手段によって設定されたしきい値と、前記電気抵抗検出手段によって検出された電気抵抗とを比較し、比較結果の信号を生成する比較手段と、前記比較手段が信号を生成する時間に関する指標を累積し、累積値所定値以上のときに信号を生成するカウンタ手段と、を備える潤滑状態検出装置である。

0014

請求項3に記載の発明は、軌道部材に転動体を介して移動ブロックが移動可能に組み付けられ、移動ブロックが軌道部材の軸線方向に相対的に移動するとき転動体が転がり運動する運動案内装置、又はねじ軸に転動体を介してナットが相対的に回転可能に組み付けられるねじ装置の潤滑状態を検出する潤滑状態検出装置において、前記軌道部材と前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナットとの間に電圧を印加して、前記軌道部材と前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナットとの間の電気抵抗を検出する電気抵抗検出手段と、電気抵抗のしきい値を設定すると共に、しきい値を変化させることができる加減抵抗器と、前記加減抵抗器によって設定されたしきい値と、前記電気抵抗検出手段によって検出された前記電気抵抗とを比較し、比較結果の信号を生成する比較手段と、を備える潤滑状態検出装置である。

0015

請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の潤滑状態検出装置において、前記カウンタ手段は、一定の時間間隔パルス信号を生成するパルス発信器と、前記比較手段が生成する信号と前記パルス信号とが入力されるAND回路と、前記AND回路が生成する信号をカウントするカウンタと、を備えることを特徴とする。

0016

請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の潤滑状態検出装置において、前記加減抵抗器は、しきい値の上限値及び下限値それぞれを設定できると共に、しきい値の上限値及び下限値それぞれを変化させることができる第一の加減抵抗器及び第二の加減抵抗器を有し、前記比較手段は、前記第一の加減抵抗器及び前記第二の加減抵抗器によって設定されたしきい値の上限値及び下限値と、前記電気抵抗検出手段によって検出された電気抵抗とを比較することを特徴とする。

0017

請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の潤滑状態検出装置において、前記運動案内装置又は前記ねじ装置には、前記運動案内装置又は前記ねじ装置を相手部品取付けるための取付け孔又は取付けねじが設けられ、この取付け孔又は取付けねじの周囲は絶縁体からなることを特徴とする。

0018

請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6いずれかに記載の潤滑状態検出装置が組み込まれてなる運動案内装置又はねじ装置である。

0019

請求項8に記載の発明は、軌道部材に転動体を介して移動ブロックが移動可能に組み付けられ、移動ブロックが軌道部材の軸線方向に相対的に移動するとき転動体が転がり運動する運動案内装置、又はねじ軸に転動体を介してナットが相対的に回転可能に組み付けられるねじ装置の潤滑状態を検出する潤滑状態検出方法において、前記軌道部材と前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナットとの間に電圧を印加して、前記軌道部材と前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナットとの間の電気抵抗を検出する電気抵抗検出工程と、電気抵抗のしきい値を設定するしきい値設定工程と、前記しきい値設定工程において設定されたしきい値と、前記電気抵抗検出工程において検出された電気抵抗とを比較し、比較結果の信号を生成する比較工程と、前記比較工程において生成される信号に基づいて、前記運動案内装置の前記移動ブロック又は前記ねじ装置の前記ナットに設けられる発光素子を発光させる発光工程と、を備える潤滑状態検出方法である。

0020

請求項9に記載の発明は、軌道部材に転動体を介して移動ブロックが移動可能に組み付けられ、移動ブロックが軌道部材の軸線方向に相対的に移動するとき転動体が転がり運動する運動案内装置、又はねじ軸に転動体を介してナットが相対的に回転可能に組み付けられるねじ装置の潤滑状態を検出する潤滑状態検出方法において、前記軌道部材と前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナットとの間に電圧を印加して、前記軌道部材と前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナットとの間の電気抵抗を検出する電気抵抗検出工程と、電気抵抗のしきい値を設定するしきい値設定工程と、前記しきい値設定工程において設定されたしきい値と、前記電気抵抗検出工程において検出された電気抵抗とを比較し、比較結果の信号を生成する比較工程と、前記比較工程において生成される信号の時間に関する指標を累積し、累積値が所定値以上のときに信号を生成するカウンタ工程と、を備える潤滑状態検出方法である。

0021

請求項10に記載の発明は、軌道部材に転動体を介して移動ブロックが移動可能に組み付けられ、移動ブロックが軌道部材の軸線方向に相対的に移動するとき転動体が転がり運動する運動案内装置、又はねじ軸に転動体を介してナットが相対的に回転可能に組み付けられるねじ装置の潤滑状態を検出する潤滑状態検出方法において、前記軌道部材と前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナットとの間に電圧を印加して、前記軌道部材と前記移動ブロックとの間、又は前記ねじ軸と前記ナットとの間の電気抵抗を検出する電気抵抗検出工程と、電気抵抗のしきい値を変化させることができる加減抵抗器によって、電気抵抗のしきい値を設定するしきい値設定工程と、前記しきい値設定工程において設定されたしきい値と、前記電気抵抗検出工程において検出された電気抵抗とを比較し、比較結果の信号を生成する比較工程と、を備える潤滑状態検出方法である。

発明の効果

0022

請求項1に記載の発明によれば、軌道部材と移動ブロックとの間、又はねじ軸とナットとの間の電気抵抗を検出し、検出した電気抵抗をしきい値と比較し、比較した結果に基づいて発光素子を発光させる。発光素子は運動案内装置の移動ブロック又はねじ装置のナットに設けられるので、移動ブロック又はナットが走行しながら潤滑状態を表示する。よって、目視で簡単に移動ブロック又はナットの潤滑状態を判断することができる。

0023

請求項2に記載の発明によれば、転動体と転動体転走面とが金属接触している累積的な時間を検出することができるので、運動案内装置又はねじ装置の寿命を正確に把握することができる。

0024

請求項3に記載の発明によれば、加減抵抗器によって電気抵抗のしきい値を変化させるので、実際に運動案内装置又はねじ装置を使用している状況で最適な電気抵抗を設定することができる。

0025

請求項4に記載の発明によれば、比較手段が信号を生成する時間を累積することができる。

0026

請求項5に記載の発明によれば、検出された電気抵抗がしきい値の上限値と下限値の範囲にあるときとそうでないときを区別することができる。よって、転動体と転動体転走面との間に形成される潤滑剤の膜厚が適正な範囲にあるか否かを判断することができる。

0027

請求項6に記載の発明によれば、運動案内装置又はねじ装置を相手部品に取り付けるために、ボルトを運動案内装置又はねじ装置の取付け孔又は取付けねじに嵌めても、ボルトが絶縁体により絶縁される。よって、運動案内装置又はねじ装置の正確な電気抵抗を検出することができる。

0028

請求項7に記載の発明によれば、運動案内装置又はねじ装置の潤滑状態を検出することができる。

0029

請求項8に記載の発明によれば、軌道部材と移動ブロックとの間、又はねじ軸とナットとの間の電気抵抗を検出し、検出した電気抵抗をしきい値と比較し、比較した結果に基づいて発光素子を発光させる。発光素子は運動案内装置の移動ブロック又はねじ装置のナットに設けられるので、移動ブロック又はナットが走行しながら潤滑状態を表示する。よって、目視で簡単に移動ブロック又はナットの潤滑状態を判断することができる。

0030

請求項9に記載の発明によれば、転動体と転動体転走面とが金属接触している累積的な時間を検出することができるので、運動案内装置又はねじ装置の寿命を正確に把握することができる。

0031

請求項10に記載の発明によれば、加減抵抗器によって電気抵抗のしきい値を変化させるので、実際に運動案内装置又はねじ装置を使用している状況で最適な電気抵抗を設定することができる。

図面の簡単な説明

0032

運動案内装置の電気抵抗を検出するための電気抵抗検出回路回路
本発明の第一の実施形態における潤滑状態検出装置の回路図(概念図)
本発明の第一の実施形態における潤滑状態検出装置の回路図(詳細図)
テーブルに取付けられる複数の運動案内装置ユニットの斜視図
運動案内装置の斜視図
軌道レールの軸線方向に直交する運動案内装置の断面図
移動ブロックの取付けねじの断面図
軌道レールの取付け孔の断面図
テーブルに取付けた運動案内装置の断面図
本発明の第二の実施形態における潤滑状態検出装置の回路図
信号のタイミングチャート
本発明の第三の実施形態における潤滑状態検出装置の回路図
ねじ装置の斜視図

符号の説明

0033

1…移動ブロック
1c…取付けねじ
2…軌道レール(軌道部材)
2b…取付け孔
3…運動案内装置
4…コンパレータ(比較手段)
5…加減抵抗器(しきい値設定手段)
7…LED(発光素子)
10…潤滑状態検出装置
12…転動体
16,17…絶縁体
21…ねじ軸
22…ナット
23…転動体
25…ねじ装置
31…カウンタ(カウンタ手段)
32…AND回路(カウンタ手段)
33…パルス発信器(カウンタ手段)
E1…直流電源(電気抵抗検出手段)
R1,R2…抵抗(電気抵抗検出手段)

発明を実施するための最良の形態

0034

以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、運動案内装置の電気抵抗を検出するための電気抵抗検出回路を示す。この電気抵抗検出回路においては、運動案内装置3の移動ブロック1と軌道部材2との間に電圧を印加して、移動ブロック1と軌道部材2との間の電気抵抗を検出する。軌道部材2と移動ブロック1との間には転動体が介在される。転動体の周囲に潤滑剤の膜が形成されると、移動ブロック1と軌道部材2とが絶縁状態になる。一方、転動体の周囲に潤滑剤の膜が形成されないと、転動体が移動ブロック1及び軌道部材2に金属接触するので、電気抵抗がゼロになる。

0035

運動案内装置3には直列に抵抗R1及び直流電源E1が接続される。また運動案内装置3には並列に抵抗R2が接続される。運度案内装置3の電気抵抗として、抵抗R2及び運動案内装置3の両端の電圧が検出される。これら抵抗R1、R2及び直流電源E1が電気抵抗検出手段を構成する。転動体の周囲に潤滑剤の膜が形成されると、移動ブロック1と軌道部材2とが絶縁されるので、運動案内装置3には電流が流れなくなる。よって、検出される電圧VLMは抵抗R2によって発生する電圧のみとなる。電圧VLMは以下の式で表される。
(数1)
VLM=E1/(R1+R2)×R2

0036

一方、転動体と転動体転走面との間に潤滑剤の膜が形成されないと、転動体と移動ブロック1及び軌道部材2とが金属接触するので、運動案内装置の電気抵抗はなくなる。検出される電圧VLMもゼロになる。

0037

潤滑剤の膜が形成されるか否かによって、電気抵抗がゼロから無限大に変化する。これに伴って、電圧VLMはゼロから数1で算出される値に変化する。電圧VLMの変化は運動案内装置の電気抵抗の変化と相関関係がある。よって、電圧を検出することで、運動案内装置の電気抵抗を検出することができる。

0038

図2及び図3は、本発明の第一の実施形態における潤滑状態検出装置の回路図を示す。図2は検出装置の概念図を示し、図3は詳細な回路図を示す。上述したように、運動案内装置には直列に抵抗R1が接続され、並列に抵抗R2が接続される。直列に接続された抵抗R1及び抵抗R2の両端には、直流電源E1が接続される。運動案内装置3の両端の電圧信号は、比較手段としてのコンパレータ4に入力される。またコンパレータ4には、しきい値設定手段としての加減抵抗器5によって設定されたしきい値が入力される。このしきい値は、加減抵抗器5によって設定された電気抵抗に基づく電圧信号である。

0039

コンパレータ4は、加減抵抗器5によって設定されたしきい値と運動案内装置3の電圧信号とを比較し、運動案内装置3の電圧信号がしきい値より大きいときに、比較結果の信号を生成する。この信号はNOT回路6にて反転された後、発光素子としてのLED7a,7b(light emitting diode)に入力される。LED7a,7bは、例えば緑色を発光する第一のLED7aと、赤色を発光する第二のLED7bとからなる。コンパレータ4から信号が生成されるとき、すなわち検出された運動案内装置3の電圧信号(電気抵抗)が加減抵抗器5によって設定されたしきい値よりも大きいとき、緑色の第一のLED7aが発光し、赤色の第二のLED7bが発光しない。一方、コンパレータ4から信号が生成されないとき、すなわち検出された運動案内装置3の電圧信号(電気抵抗)が加減抵抗器5によって設定されたしきい値よりも小さいとき、赤色の第二のLED7bが発光し、緑色の第一のLED7aは発光しない。LED7a,7bを含む潤滑状態検出装置は、コンパクト化が図られ、移動ブロック1のエンドプレート11(図5参照)に埋め込まれる。

0040

なお、第一及び第二のLED7a,7bの替わりに、例えば赤色を発光するLEDを一つ設け、運動案内装置3の電圧信号(電気抵抗)が加減抵抗器5によって設定されたしきい値よりも大きいとき、当該LEDが発光しない一方、しきい値よりも小さいとき当該LEDが発光するようにしてもよい。

0041

移動ブロック1は走行しながら赤色又は緑色を表示する。潤滑状態が良好のときは、転動体と転動体転走面との間に潤滑剤の膜が形成される。それゆえ、コンパレータ4から信号が生成され、緑色の第一のLED7aが発光する。一方、潤滑状態が良好でなくて転動体と転動体転走面とが金属接触するときは、運動案内装置3の電気抵抗がゼロになり、コンパレータ4から信号が生成されない。よって、赤色の第二のLED7bが発光する。潤滑状態が良好なときは、移動ブロック1が緑色を発光しながら走行し、潤滑状態が良好でないときは、移動ブロック1が赤色を発光しながら走行する。走行する移動ブロック1を目視するだけで、潤滑状態が良好であるか否かを容易に判断することができる。

0042

コンパレータ4から生成される信号を外部に出力し、給油ポンプを作動させる信号に利用してもよい。給油のタイミングは運動案内装置3の走行時間や荷重条件によって異なる。単に一定時間毎に給油ポンプを作動させるだけでは、潤滑剤の膜(油膜)の状態に直接的に関係がない給油方法になってしまうので、給油が多すぎたり、少なすぎたりする。運動案内装置3が使用される現場においては、油膜切れを防止するために給油ポンプの作動タイミングが必要以上に短く設定されていた。しかし、これでは潤滑剤の使用量が増大するので環境上好ましくない。コンパレータ4から生成される信号によって給油ポンプを作動させることで、油膜が切れそうになったときに給油ポンプを作動させるなど、油膜の状態に直接的に関係した給油方法になる。よって、適正な量の潤滑剤を適正なタイミングで給油することが可能になる。

0043

図4は、テーブル9に取付けられる複数の運動案内装置ユニットを示す。この例では、軌道部材2として、一つのテーブル9に対して二本の軌道レール2が配列され、各軌道レール2に対して二つの移動ブロック1が組み付けられる。テーブル9の下面には四つの移動ブロック1が取付けられる。移動ブロック1の潤滑状態は各移動ブロック1で異なる。各移動ブロック1に潤滑状態検出装置10を設けているので、各移動ブロック1が走行しながら赤色又は緑色を発光する。よって、移動ブロック1毎に潤滑状態が良好なのか、そうでないのかを判断することができる。

0044

図5は運動案内装置3の斜視図を示す。運動案内装置3は、細長く直線状に伸びる軌道レール2と、軌道レール2に移動可能に組み付けられる移動ブロック1と、軌道レール2の転動体転走面と移動ブロック1の転動体転走面との間に介在される複数のボール、ローラなどの転動体12と、を備える。

0045

軌道レール2には長手方向に沿って伸びる複数条の例えば四条の転動体転走溝2aが形成される。また軌道レール2には、軌道レール2をベースなどの相手部品に取り付けるための座繰り孔からなる取付け孔2bが加工される。

0046

移動ブロック1は鞍形状であり、軌道レール2を跨る。移動ブロック1の内側の面には、軌道レール2の転動体転走溝2aに対向する転動体転走溝1aが形成される。移動ブロック1には、転動体転走溝2aに平行に伸びる貫通孔からなる転動体戻し通路1bが加工される。移動ブロック1の移動方向の両端部には、エンドプレート11が取り付けられる。エンドプレート11には、互いに平行に伸びる転動体転走溝1aと転動体戻し通路1bを接続するU形状の方向転換路が設けられる。これら転動体転走溝1a、転動体戻し通路1b、方向転換路によってサーキット状の転動体循環経路が構成される。

0047

転動体循環経路には、複数の転動体12が配列・収容される。転動体12はリテーナ14により一連に回転・摺動自在に保持されてもよい。移動ブロック1が軌道レール2に対して軌道レール2の軸線方向に相対的に移動すると、移動ブロック1の転動体転走溝1aと軌道レール2の転動体転走面との間で転動体が転がり運動する。移動ブロック1の転動体転走面の一端まで移動したボールはエンドプレート11の方向転換路内に掬い上げられ、転動体戻し通路を経由した後、反対側のエンドプレート11から再び移動ブロック1の転動体転走面に戻される。移動ブロック1の上面には、移動ブロック1をテーブル9に取り付けるための取付けねじ1cが加工される。

0048

図6は軌道レール2の軸線方向に直交する運動案内装置3の断面図を示す。移動ブロック1の上面にはテーブル9が載せられる。軌道レール2の下面はベースに接触する。移動ブロック1とテーブル9、又は軌道レール2とベースとが導通していると、移動ブロック1と軌道レール2との間に電圧を印加しても電流がテーブル9又はベースに流れてしまう。これを防ぐために、移動ブロック1の上面とテーブル9との間、又は軌道レール2の下面とベースとの間に、テーブル9又はベースから運動案内装置3を絶縁するための絶縁シート15が設けられる。

0049

移動ブロック1及び軌道レール2が絶縁シート15で絶縁されたとしても、移動ブロック1及び軌道レール2をテーブル9及びベースに取付けるボルトが絶縁されていないと、ボルトを介して移動ブロック1とテーブル9、軌道レール2とベースとが導通してしまう。これを防止するために、図7に示されるように、移動ブロック1の取付けねじ1cの周囲は絶縁体16からなる。そして図8に示されるように、軌道レール2の取付け孔2bの周囲も絶縁体17からなる。

0050

図9は移動ブロック1の上面にテーブル9を取付けた例を示す。テーブル9には、座繰り孔9aが加工される。座繰り孔9aにボルトを挿入し、ボルトを移動ブロック1の取付けねじに螺合することで、テーブル9が移動ブロック1に取り付けられる。ボルトとテーブル9との導通を防止するために、座繰り孔の座面9cには、絶縁ワッシャ18が設けられる。なお、絶縁ワッシャ18だけでもボルトを介した移動ブロック1とテーブル9の導通を防止することができる。しかし、ボルトの周囲がテーブル9に接触すると、絶縁ワッシャ18だけでは絶縁が不十分になる。よって、移動ブロック1の取付けねじ1cの周囲に絶縁体16を設ける必要がある。

0051

潤滑剤として液体状の潤滑油を用いた場合、移動ブロック1が停止しているならば転動体12と転動体転走溝1a,2aとの間には油膜は形成されず、転動体12と転動体転走面とは金属接触する。よって、移動ブロック1と軌道レール2との間の電気抵抗がゼロになり、移動ブロック1が赤色に発光する。移動ブロック1が動き出し、速度が速くなると、転動体12と転動体転走溝1a,2aとの間に油膜が形成され、転動体12と転動体転走溝1a,2aとが絶縁状態になる。よって、移動ブロック1と軌道レール2との間の電気抵抗がしきい値より大きくなり、移動ブロック1が緑色に発光する。発明者は実験によって、運動案内装置3の潤滑油をすべて抜くと、移動ブロック1を高速で移動させたとしても、移動ブロック1のLEDは赤色のままであることを確認している。すなわち、移動ブロック1が高速で移動することで、転動体12と転動体転走溝1a,2aが絶縁状態になるのではなく、転動体12と転動体転走溝1a,2aとの間に油膜が介在されることで転動体12と転動体転走溝1a,2aが絶縁状態になることがわかった。

0052

液体状の潤滑油を使用したとき、転動体12と転動体転走溝1a,2aとの間に形成される油膜の厚みは、移動ブロック1の移動速度、潤滑油の種類によって異なる。最適な油膜の厚みも、移動ブロック1の移動速度、潤滑油の種類によって異なる。加減抵抗器は接続されている回路を切ることなしに、電気抵抗のしきい値を変えることができるので、実際に運動案内装置3を使用している状況で電気抵抗のしきい値を変化させることができる。よって、移動ブロック1の移動速度、潤滑油の種類に応じた最適なしきい値を設定することができる。

0053

液体状の潤滑油の替わりに、二硫化モリブデンやPTFEに代表される固体潤滑剤が使用される場合もある。真空環境など液体状の潤滑油が使用できない環境においては、固体潤滑剤が使用される。固体潤滑剤はスパッタリングなどによって、転動体12又は転動体転走溝1a,2aに被覆される。固定潤滑膜剥離すると、金属同士の接触を招く。液体の潤滑油ならば運転開始後補給することができるが、固体潤滑膜を後から被覆し直すことはできない。固体潤滑膜が剥離したときが運動案内装置の寿命であるから、固体潤滑膜の被膜状態を知る必要がある。

0054

転動体12に固体潤滑剤を被覆した運動案内装置3に電圧を印加すると、移動ブロック1の停止中にも移動中にも運動案内装置が絶縁状態になる(すなわち緑色のLEDが発光する)。そして、固体潤滑剤が剥離した後は運動案内装置3が導通状態になる。運動案内装置3が絶縁状態になるのは、固体潤滑剤が絶縁体として機能するからである。固体潤滑剤が剥離したときに運動案内装置3が導通状態になるのは、転動体12と転動体転走溝1a,2aとが金属接触するからである。よって、運動案内装置3の電気抵抗を検出し、しきい値と比較すれば、固体潤滑剤の剥離の有無も直接的に知ることができる。

0055

図10は、本発明の第二の実施形態における潤滑状態検出装置の回路図を示す。この実施形態の回路には、コンパレータ4が信号を生成する時間に関する指標を累積し、累積値が所定値以上のときに信号を生成するカウンタ手段31,32,33が設けられる。

0056

コンパレータ4には、運動案内装置3の両端の電圧信号が入力される。コンパレータ4は、加減抵抗器5によって設定されたしきい値と運動案内装置3の電圧信号とを比較し、運動案内装置3の電圧信号がしきい値より大きいときに、比較結果の信号を生成する一方、しきい値よりも小さいときに信号を生成しない。この信号はNOT回路にて反転された後、LED7及びAND回路32に入力される。LED7はコンパレータ4からの信号が入力されたとき、すなわちコンパレータ4が潤滑異常と判断したとき赤色を発光する。フォトトランジスタは、潤滑異常のとき、信号を外部に出力する。

0057

AND回路32には、コンパレータ4が潤滑異常と判断したときの信号が入力される。またAND回路32には、パルス発信器33が生成する一定の時間間隔のパルス信号、及び外部装置同期信号が入力される。AND回路32は、これらの信号の論理積であるパルス信号を生成する。AND回路32が生成するパルス信号はカウンタ31に入力される。カウンタ31はカウント値が所定値以上のときに潤滑異常警告信号を出力する。運動案内装置3のユーザは、潤滑状態検出装置によって潤滑異常警告信号が出力されたら、運動案内装置3の潤滑状態を点検したり、運動案内装置3に給油、給脂したり、給油ポンプを作動させたりする。

0058

図11は、信号のタイミングチャートを示す。コンパレータ4は、潤滑異常のときと潤滑正常のときとで反転するコンパレータ信号を生成する。パルス発信器33は一定の時間間隔のパルス信号を生成する。AND回路32は、コンパレータ信号とパルス信号との論理積をとり、カウンタへのパルス信号を生成する。カウンタ31は、AND回路32が生成するカウンタへのパルス信号をカウントし、累積値が設定された所定値(例えば9)以上のときに、潤滑異常警告信号を出力する。

0059

なお、この実施形態の回路図においては、コンパレータ4が潤滑異常の信号を生成する時間をパルス信号に置き換えて、カウンタ31でパルス信号をカウントしているが、コンパレータ4が潤滑異常の信号を生成する時間を直接的に測定してもよい。また、コンパレータ4が潤滑異常の信号を生成する間に、潤滑正常の信号を生成したとしても、潤滑異常の信号を生成するトータルの時間をカウントしている。しかし、コンパレータ4が一旦潤滑正常の信号を生成したときには、カウント値をリセットしてもよい。このようにすれば、停止頻度の大きい運動案内装置の潤滑状態を正確に把握することができる。

0060

図12は、本発明の第三の実施形態における潤滑状態検出装置の回路図を示す。この実施形態の回路には、しきい値設定手段として、しきい値の上限を設定する第一の加減抵抗器5−1と、しきい値の下限を設定する第二の加減抵抗器5−2が設けられる。また比較手段として、第一のコンパレータ4−1と第二のコンパレータ4−2が設けられる。第一のコンパレータ4−1及び第二のコンパレータ4−2のそれぞれには、運動案内装置3の両端の電圧信号が入力される。

0061

第二のコンパレータ4−2は、第二の加減抵抗器5−2によって設定されたしきい値の下限値と運動案内装置3の電圧信号とを比較し、電圧振動がしきい値の下限値よりも大きいときに信号を生成する一方、電圧信号がしきい値の下限値よりも小さいときには信号を生成しない。

0062

第一のコンパレータ4−1は、第一の加減抵抗器5−1によって設定されたしきい値の上限値と運動案内装置3の電圧信号とを比較し、電圧信号がしきい値の上限値よりも小さいときに信号を生成する一方、電圧信号がしきい値の上限値よりも大きいときには信号を生成しない。

0063

第一のコンパレータ4−1及び第二のコンパレータ4−2それぞれから生成される信号は、AND回路19に入力される。AND回路19は、第一のコンパレータ4−1及び第二のコンパレータ4−2それぞれから信号が生成されているときに、信号を生成する。この信号はNOT回路6にて反転された後、発光素子としてのLED7a,7bに入力される。LEDが緑色を発光する第一のLED7aと、赤色(第一のLED7aが発光する色と異なる色)を発光する第二のLED7bとからなる点は、上記第一の実施形態の潤滑状態検出装置と同様である。

0064

この実施形態の潤滑状態検出装置においては、運動案内装置3の電気抵抗がしきい値の上限値と下限値の範囲内にあるときに、潤滑状態が良好であることを示す緑色のLED7aが発光する。一方、運動案内装置3の電気抵抗がしきい値の下限値よりも小さいか又は上限値よりも大きいときには、赤色のLED7bが発光する。潤滑状態が良好であるためには、潤滑剤の膜厚も適正な範囲にある必要がある。しきい値の上限値及び下限値を設定することで、適正な膜厚の範囲にあるかどうかを知ることができる。

0065

図13は、潤滑状態検出装置が組み込まれるねじ装置25の斜視図を示す。ねじ装置25は、ねじ軸21と、ねじ軸21に転動体23を介して組み付けられるナット22と、を備える。ねじ軸21の外周面には、螺旋状の転動体転走溝21aが形成される。ナット22の内周面には、転動体転走溝21aに対向する螺旋状の転動体転走溝22aが形成される。ナット22には、ナット22の転動体転走溝22aの一端と他端を接続するリターンパイプ24が設けられる。ねじ軸21の転動体転走溝21aとナット22の転動体転走溝22aとの間には、複数のボールからなる転動体23が配列・収容される。

0066

ナット22に対してねじ軸21を相対的に回転させると、ナット22とねじ軸21との間に介在される転動体23が転がり運動する。ナット22の転動体転走溝22aの一端まで転がった転動体23は、リターンパイプ24内に掬い上げられ、リターンパイプ24を端から端まで通過した後、再びナット22の転動体転走溝22aの他端に戻される。

0067

潤滑状態検出装置10は、運動案内装置3に組み込まれる潤滑状態検出装置と同一である。ねじ軸21とナット22との間に電圧を印加して、ねじ軸21とナット22との間の電気抵抗を測定する。そして、電気抵抗をしきい値と比較し、しきい値より大きいときはLEDを発光させる。潤滑状態検出装置10はナット22に埋め込まれる。ナット22は移動しながら自ら潤滑状態が良好であるか否かを表示する。

0068

なお、本発明は上記実施形態に限られることなく、本発明の要旨を変更しない範囲でさまざまな実施形態に具現化できる。たとえば、運動案内装置には、上述の軌道レールと鞍形状の移動ブロックとで構成されるリニアガイドのほか、ボールスプラインリニアブッシュを用いることもできる。ボールスプライン、リニアブッシュにおいては、軌道部材としての軌道軸に対して、軌道軸を覆う円筒状の移動ブロックがスライドする。

0069

また、ねじ装置には、循環方式がリターンパイプ式のねじ装置以外に、エンドキャップ式、デフレクタ式のねじ装置を用いることもできる。

0070

さらに、潤滑状態供給装置電源には、電池の他、工場に設置される商用電源や、移動ブロックを移動させるときに発電機が発電する電力を用いてもよい。LEDの替わりに電球を用いることもできる。

0071

さらに、運動案内装置やねじ装置に最適な潤滑油を選択する際に、本実施形態の潤滑状態検出装置で潤滑油の適性を評価してもよい。運動案内装置やねじ装置の耐久試験にかける前に不適当な潤滑油を排除すれば、耐久試験の時間を節約することができる。

0072

本明細書は、2007年1月31日出願の特願2007−21315に基づく。この内容はすべてここに含めておく。

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