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技術 3−メルカプト−2−アルカノン及び当該化合物を含有する香料組成物

出願人 小川香料株式会社
発明者 畑野公輔熊沢賢二田中國雄和田善行
出願日 2007年10月16日 (12年1ヶ月経過) 出願番号 2008-539812
公開日 2010年2月25日 (9年9ヶ月経過) 公開番号 WO2008-047771
状態 特許登録済
技術分野 有機低分子化合物及びその製造 非アルコール性飲料 調味料 化粧料 脂肪類、香料
主要キーワード 香粧品香料 シャンプー類 洗剤類 熟成感 バラエティー 原料素材 ロースト感 食品香料
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (1)

課題・解決手段

フレッシュ感の付与に極めて有効な新規硫黄化合物、当該化合物を含有し自然で天然感のある香気香味を付与できる香料組成物、および当該香料化合物を配合した飲食品香粧品を提供する。下記一般式(1)(式中、Rは炭素数3〜9の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基である。)で表される3−メルカプト−2−アルカノン(ただし、3−メルカプト−4−メチル2−ペンタノンを除く)、及び上記一般式(1)で表される3−メルカプト−2−アルカノンの1種または2種以上を含有することを特徴とする香料組成物である。

概要

背景

近年、消費者嗜好性多様化してきていることに伴い、各種各様の商品の開発が望まれている。特に、飲食品香粧品業界はこの傾向が強く、消費者の嗜好に合うバラエティーに富んだ飲食品、香粧品の開発が強く要求されている。これらの要求に対して、飲食品、香粧品のひとつの原料素材である香料においても、従来にない新しい要望が高まっている。香料物質に対しては、特に、特徴があること、嗜好性の高いユニークな香気香味を有すること、より自然で天然感のある香気香味の表現に優れた効果を有することなどが要求されている。
そのため、それらの要件を併せ持った香料素材を開発することが香料産業において極めて重要な課題となっている。

硫黄化合物には、閾値が低く、特徴あるにおいを有するものがあり、フルーツやその他の食品などの重要な香味成分として知られているものが多い。
例えば、3−メルカプト1−ヘキサノールについては、極微量使用することで、熟成感を伴った深みのある香ばしい茶葉グリーン香が得られることが報告されている(特許文献1)。
また、3−メルカプト−3−メチルブチルフォーメートは焙煎したコーヒーの重要成分として(非特許文献1)、4−メチル−4−メルカプト−2−ペンタノングレープフルーツ果汁の重要成分として知られている(非特許文献2)。
さらに、好ましい肉様のにおいを有する特定のα−ケトチオール類を食品に添加することにより、食品の肉風味を改善する方法(特許文献2)、α−オキシ(又はオキソメルカプタン類を食品に一定量添加することにより、食品の果実又は野菜香味を増強する方法(特許文献3)などが提案されている。

しかしながら、消費者の嗜好性は急速に多様化しており、上述した従来から知られている香料物質だけでは、消費者のニーズに対応できるようなバラエティーに富んだ飲食品および香粧品を提供し、さらに、消費者の天然志向マッチした、自然で天然感のある香気香味が付与された飲食品および香粧品の要望に十分に対応できるものではなかった。
特開2002−136259号公報
US 3,773,524号
US 4,064,280号
Cafe Cacao The 1990, 34, 205.
J. Agric. Food Chem. 1999, 47, 5189.

概要

フレッシュ感の付与に極めて有効な新規な硫黄化合物、当該化合物を含有し自然で天然感のある香気香味を付与できる香料組成物、および当該香料化合物を配合した飲食品、香粧品を提供する。下記一般式(1)(式中、Rは炭素数3〜9の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基である。)で表される3−メルカプト−2−アルカノン(ただし、3−メルカプト−4−メチル−2−ペンタノンを除く)、及び上記一般式(1)で表される3−メルカプト−2−アルカノンの1種または2種以上を含有することを特徴とする香料組成物である。

目的

本発明の課題は、多様化する消費者のニーズに対応できるようなバラエティーに富んだ香料を提供することである。すなわち、消費者の天然志向にマッチすることを目的として、特有香気を有しフレッシュ感の付与に極めて有効な新規硫黄化合物、当該化合物を含有し自然で天然感のある各種各様の香気香味を付与できる香料組成物、および当該香料化合物を配合した飲食品、香粧品を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

下記一般式(1)(式中、Rは炭素数3〜9の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基である。)で表される3−メルカプト−2−アルカノン(ただし、3−メルカプト−4−メチル2−ペンタノンを除く)。

請求項2

下記一般式(1)(式中、Rは炭素数3〜9の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基である。)で表される3−メルカプト−2−アルカノンの1種または2種以上を含有することを特徴とする香料組成物

請求項3

請求項2記載の香料組成物を配合したことを特徴とする飲食品

請求項4

請求項2記載の香料組成物を配合したことを特徴とする香粧品

技術分野

0001

本発明は、食品香料香粧品香料等の原材料として使用可能な新規硫黄化合物、及び当該化合物を含有する香料組成物に関し、詳しくは特有香気を有する3−メルカプト−2−アルカノン、当該化合物を含有し天然感のある香気香味を付与することができる香料組成物に関する。

背景技術

0002

近年、消費者嗜好性多様化してきていることに伴い、各種各様の商品の開発が望まれている。特に、飲食品香粧品業界はこの傾向が強く、消費者の嗜好に合うバラエティーに富んだ飲食品、香粧品の開発が強く要求されている。これらの要求に対して、飲食品、香粧品のひとつの原料素材である香料においても、従来にない新しい要望が高まっている。香料物質に対しては、特に、特徴があること、嗜好性の高いユニークな香気香味を有すること、より自然で天然感のある香気香味の表現に優れた効果を有することなどが要求されている。
そのため、それらの要件を併せ持った香料素材を開発することが香料産業において極めて重要な課題となっている。

0003

硫黄化合物には、閾値が低く、特徴あるにおいを有するものがあり、フルーツやその他の食品などの重要な香味成分として知られているものが多い。
例えば、3−メルカプト−1−ヘキサノールについては、極微量使用することで、熟成感を伴った深みのある香ばしい茶葉グリーン香が得られることが報告されている(特許文献1)。
また、3−メルカプト−3−メチルブチルフォーメートは焙煎したコーヒーの重要成分として(非特許文献1)、4−メチル−4−メルカプト−2−ペンタノングレープフルーツ果汁の重要成分として知られている(非特許文献2)。
さらに、好ましい肉様のにおいを有する特定のα−ケトチオール類を食品に添加することにより、食品の肉風味を改善する方法(特許文献2)、α−オキシ(又はオキソメルカプタン類を食品に一定量添加することにより、食品の果実又は野菜香味を増強する方法(特許文献3)などが提案されている。

0004

しかしながら、消費者の嗜好性は急速に多様化しており、上述した従来から知られている香料物質だけでは、消費者のニーズに対応できるようなバラエティーに富んだ飲食品および香粧品を提供し、さらに、消費者の天然志向マッチした、自然で天然感のある香気香味が付与された飲食品および香粧品の要望に十分に対応できるものではなかった。
特開2002−136259号公報
US 3,773,524号
US 4,064,280号
Cafe Cacao The 1990, 34, 205.
J. Agric. Food Chem. 1999, 47, 5189.

発明が解決しようとする課題

0005

本発明の課題は、多様化する消費者のニーズに対応できるようなバラエティーに富んだ香料を提供することである。すなわち、消費者の天然志向にマッチすることを目的として、特有の香気を有しフレッシュ感の付与に極めて有効な新規硫黄化合物、当該化合物を含有し自然で天然感のある各種各様の香気香味を付与できる香料組成物、および当該香料化合物を配合した飲食品、香粧品を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討を行った結果、今回、新規硫黄化合物である3−メルカプト−2−アルカノンに着目して合成し、その香気香味特性について検討したところ、シトラス様、ミート様、果物様、様、コーヒー様等の香気香味特性を有することを見出し、さらに本発明者らは本発明化合物3−メルカプト−2−アルカノンを調合香料中に含有させることにより、自然で天然感のある各種各様の香気香味を付与できる香料組成物の提供が可能になるという新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。

0007

すなわち、本発明は、下記一般式(1)



(式中、Rは炭素数3〜9の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基である。)で表される3−メルカプト−2−アルカノン(ただし、3−メルカプト−4−メチル−2−ペンタノンを除く)である。
さらに本発明は、上記一般式(1)(式中、Rは炭素数3〜9の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基である。)で表される3−メルカプト−2−アルカノンの1種または2種以上を含有することを特徴とする香料組成物であり、さらに、当該香料組成物を配合したことを特徴とする飲食品、香粧品である。

発明の効果

0008

本発明の3−メルカプト−2−アルカノンは、シトラス様、ミート様、果物様、茶様、コーヒー様等の香気香味特性を有する。従って、当該化合物を含有する香料組成物を飲食品あるいは香粧品に使用すると、フレッシュ感やロースト感、天然感を付与することができ、商品価値を一層高めることができる。

発明を実施するための最良の形態

0009

以下に、本発明を実施の形態に即して詳細に説明する。
〔1〕3−メルカプト−2−アルカノン
3−メルカプト−2−アルカノンは、下記の反応式に示すように、2−アルカノンからクロロ化、次いで水硫化ナトリウム硫化水素ナトリウム;NaSH)の処理により得ることができる。なお、クロロ化反応で副生する1−クロロ−2−アルカノンを分離して水硫化ナトリウムによる処理を行ってもよいが、分離せずに水硫化ナトリウムによる処理を行い、得られた反応混合物から目的物の3−メルカプト−2−アルカノンを精製してもよい。さらに不斉合成光学分割の手法を用いることによって光学活性体入手することも可能である。但し、3−メルカプト−2−アルカノンの合成法はこれらの方法に限定されるものではない。

0010

本発明の化合物3−メルカプト−2−アルカノンは単独で香料として用いることもできる他、以下に詳述するように他の香料素材と任意の割合の混合物として用いることもできる。

0011

〔2〕香料組成物
3−メルカプト−2−アルカノンを香料組成物に用いる場合、その添加量は、その目的あるいは香料組成物の種類によって異なるものの、一般的には、香料組成物全体量の0.000000001(10ppt)〜10質量%、好ましくは0.000001(10ppb)〜0.1質量%の範囲内を例示することができる。
本発明の香料組成物に配合される他の成分としては、特に制限は無く、用途や目的に応じて従来から使用されていた種々の香料素材を使用することができ、具体的にはアルデヒド類アルコール類エステル類等の従来公知の香料素材があげられる。

0012

本発明の香味料組成物は、(a)緑茶紅茶ウーロン茶などの茶飲料果実飲料酒類乳飲料類炭酸飲料類のごとき飲料類;(b)アイスクリーム類シャーベット類、アイスキャンディー類のごとき冷菓類;(c)ヨーグルト類チーズ類のごとき発酵乳製品;(d)和洋菓子類、焼菓子類ジャム類チューインガム類パン類ココア、コーヒー、茶、タバコのごとき嗜好品類;(e)プリン類ゼリー類、ババロア類、ムース類のごときデザート類;(f)和風スープ類洋風スープ類のごときスープ類;(g)風味調味料;(h)各種インスタント飲料乃至食品類、各種スナック食品類、などに添加することにより、そのユニークかつ天然感のある香気香味が付与された飲食品を提供することができる。

0013

また、本発明の香料組成物は、シャンプー類ヘアクリーム類、ポマード類、その他の毛髪用化粧品白粉口紅、その他の化粧品洗濯用洗剤消毒用洗剤類、室内芳香剤その他各種の保健衛生材料類、医薬品などの香粧品全般に広く使用して、フレッシュ感に富んだ香気を付与することができる。

0014

本発明の香料組成物の飲食品又は香粧品への添加量は、飲食品、香粧品の種類によっても異なるが、一般的には飲食品又は香粧品中の3−メルカプト−2−アルカノンの濃度が0.000000000001質量%(0.01ppt)〜0.01質量%となるように添加すると、飲食品、香粧品に自然で天然感のある香気香味を付与することができる。

0015

次に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例A〕(3−メルカプト−2−ヘキサノンの合成)
窒素気流下、塩化リチウム6.8g、塩化第二銅43.0g、ジメチルホルムアミド100mlを混合した後、2−ヘキサノン20.0gを加え80〜85℃にて2時間攪拌反応させた。反応液を室温まで冷却しヘキサン100ml、水80mlを加え分液後、さらに水層部をヘキサン50mlにて抽出した。ヘキサン層をあわせた後水洗3回、飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ロータリーエバポレーターにてヘキサンを留去し粗油18gを得た。粗油を精留することにより1−クロロ−2−ヘキサノンと3−クロロ−2−ヘキサノンの混合物(28:72)を得た。(4.2g:沸点70〜73℃/55mmHg)
次に、得られたクロロ−2−ヘキサノン混合物4.0g、水硫化ナトリウム(NaSH)3.5g、水15.0g、95%エタノール20mlを混合し、室温で3時間反応させた。反応液を水にて希釈した後、エーテル抽出を行い、炭酸水素ナトリウム水溶液にて洗浄後無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。エーテルを留去し粗油2.5gを得た。
粗油をシリカゲルカラムn-ヘキサン/酢酸エチル=95/5)によって精製した後、蒸留を行いGC純度99.4%の3−メルカプト−2−ヘキサノンを1.0g得た。

0016

合成された3−メルカプト−2−ヘキサノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1]沸点:70℃/15mmHg
[2]核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)13.7;20.5;26.9;36.2;47.8;206.1
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)0.93(d,3H);1.30−1.55(m,2H);1.73(d,1H);1.55−1.95(m,2H);2.30(s,3H)3.33(ddd,1H)
[3]赤外線吸収スペクトル2960,2934,2874,2555(S−H),1708(C=O),1465,1435,1355,1240,1105,958,747,592 cm-1
[4]MS(EI):m/z(%)=132(6),114(2),90(60),89(44),88(28),55(100),47(47),43(81)

0017

〔実施例B〕(3−メルカプト−2−ヘプタノンの合成)
原料として2−ヘプタノンを使用し、それ以外は実施例Aと同様の方法で3−メルカプト−2−ヘプタノンを合成した。

0018

合成された3−メルカプト−2−ヘプタノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1]沸点:40−43℃/5 mmHg
[2]核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)13.9;22.4;26.9;29.5;33.9;48.0;206.0
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)0.83(t, 3H); 1.20−1.40(m, 4H) ;1.53−1.62(m, 1H) ;1.68(d, 1H);1.78−1.87(m, 1H) ;2.22(s, 3H) ;3.24(ddd, 1H)
[3]赤外線吸収スペクトル2957,2931,2860,2555(S−H),1708(C=O),1465,1435,1355,1239,1213,1162,1111,939,732,593 cm-1
[4] MS(EI):m/z(%)=146(4),128(11),103(22),90(18),69(100),61(14),60(13),47(12),43(56)

0019

〔実施例C〕(3−メルカプト−2−オクタノンの合成)
原料として2−オクタノンを使用し、それ以外は実施例Aと同様の方法で3−メルカプト−2−オクタノンを合成した。

0020

合成された3−メルカプト−2−オクタノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1]沸点:64−69℃/5 mmHg
[2]核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)14.0;22.5;26.9;27.0;31.4;34.2;48.0;206.0
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)0.81(t, 3H); 1.15−1.42(m, 6H) ;1.51−1.62(m, 1H) ;1.68(d, 1H) ;1.78−1.87(m, 1H) ;2.27(s, 3H) ;3.26(ddd, 1H)
[3]赤外線吸収スペクトル2956,2928,2858,2553(S−H),1709(C=O),1456,1435,1355,1234,1207,1160,1116,951,727,593 cm-1
[4] MS(EI):m/z(%)=160(16),142(12),127(3),126(3),117(45),109(11),90(34),83(91),71(9),55(100),43(83)160(16), 142(12), 117(45), 109(11), 90(34), 87(10), 83(91), 71(9), 61(14), 60(21), 55(100), 47(12), 43(83)

0021

〔実施例D〕(3−メルカプト−2−ノナノンの合成)
原料として2−ノナノンを使用し、それ以外は実施例Aと同様の方法で3−メルカプト−2−ノナノンを合成した。

0022

合成された3−メルカプト−2−ノナノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1]沸点:66−68℃/2 mmHg
[2]核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)14.1;22.6;26.9;27.3;28.9;31.6;34.2;48.1;206.0
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)0.86(t, 3H); 1.19−1.48(m, 8H) ;1.56−1.68(m, 1H) ;1.72(d, 1H) ;1.80−1.92(m, 1H) ;2.27(s, 3H) ;3.29(ddd, 1H)
[3]赤外線吸収スペクトル2955,2926,2856,2553(S−H),1709(C=O),1456,1435,1355,1233,1203,1159,1118,953,725,594 cm-1
[4] MS(EI):m/z(%)=174(15),156(6),131(42),123(7),97(51),90(29),87(9),71(8),69(16),61(9),60(16),58(6),55(100),47(7),45(6),43(67),41(20),39(8),29(7),27(7)

0023

〔実施例E〕(3−メルカプト−2−デカノンの合成)
原料として2−デカノンを使用し、それ以外は実施例Aと同様の方法で3−メルカプト−2−デカノンを合成した。

0024

合成された3−メルカプト−2−デカノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1]沸点:76−81℃/5 mmHg
[2]核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)14.1;22.7;26.9;27.4;29.1;29.3;31.8;34.3;48.1;206.0
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)0.83(t, 3H); 1.15−1.48(m, 10H) ;1.57−1.62(m, 1H) ;1.69(d, 1H) ;1.79−1.88(m, 1H) ;2.23(s, 3H) ;3.26(ddd, 1H)
[3]赤外線吸収スペクトル2955,2924,2855,2557(S−H),1710(C=O),1459,1436,1355,1231,1158,1119,955,723,593 cm-1
[4] MS(EI):m/z(%)=188(14),145(44),90(29),71(9),69(100),60(13),58(9),55(38),43(51),41(18)

0025

〔実施例F〕(3−メルカプト−2−ウンデカノンの合成)
原料として2−ウンデカノンを使用し、それ以外は実施例Aと同様の方法で3−メルカプト−2−ウンデカノンを合成した。

0026

合成された3−メルカプト−2−ウンデカノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1]沸点:88−91℃/0.5 mmHg
[2]核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)14.2;22.7;26.9;27.4;29.3;29.3;29.4;31.9;34.3;48.1;206.1
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)0.83(t, 3H); 1.15−1.48(m, 12H) ;1.57−1.63(m, 1H) ;1.69(d, 1H) ;1.80−1.88(m, 1H) ;2.24(s, 3H) ;3.27(ddd, 1H)
[3]赤外線吸収スペクトル2955,2924,2854,2555(S−H),1711(C=O),1464,1436,1354,1238,1158,1120,949,722,593 cm-1
[4] MS(EI):m/z(%)=202(23),159(76),151(9),90(44),87(10),83(62),71(15),69(100),60(18),58(12),57(19),55(48),43(68),41(26)

0027

〔実施例G〕(3−メルカプト−2−ドデカノンの合成)
原料として2−ドデカノンを使用し、それ以外は実施例Aと同様の方法で3−メルカプト−2−ドデカノンを合成した。

0028

合成された3−メルカプト−2−ドデカノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1]沸点:96−102℃/0.5 mmHg
[2]核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)14.2;22.7;26.9;27.4;29.3;29.3;29.5;29.6;31.9;34.3;48.1;206.0
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)0.83(t, 3H); 1.15−1.48(m, 14H) ;1.52−1.64(m, 1H) ;1.68(d, 1H) ;1.75−1.89(m, 1H) ;2.24(s, 3H) ;3.26(ddd, 1H)
[3]赤外線吸収スペクトル2954,2923,2853,2554(S−H),1711(C=O),1464,1437,1354,1236,1157,1121,952,721,594 cm-1
[4] MS(EI):m/z(%)=216(29),174(12),173(100),165(11),129(11),97(47),90(55),87(12),83(87),71(24),69(56),60(21),58(15),57(21),55(60),43(81),41(29)

0029

〔実施例H〕(3−メルカプト−4−メチル−2−ヘキサノンの合成)
原料として4−メチル−2−ヘキサノンを使用し、それ以外は実施例Aと同様の方法で3−メルカプト−4−メチル−2−ヘキサノンをジアステレオ混合物として合成した。

0030

合成された3−メルカプト−4−メチル−2−ヘキサノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1]沸点:77−78℃/13 mmHg
[2] MS(EI):ジアステレオ混合物であるため、二種類のマスパターンが検出された。
[2]−a MS(EI):m/z(%)=146(1.4),103(16),102(12),90(54),70(5),69(66),68(5),61(53),58(5),57(9),55(6),47(17),45(10),44(7),43(100),41(44),39(13)
[2]−b MS(EI):m/z(%)=146(1.2),103(16),102(13),90(44),70(5),69(64),68(5),61(50),58(5),57(10),55(6),47(15),45(10),44(9),43(100),41(41),39(13)

0031

〔実施例I〕(3−メルカプト−5−メチル−2−ヘキサノンの合成)
原料として5−メチル−2−ヘキサノンを使用し、それ以外は実施例Aと同様の方法で3−メルカプト−5−メチル−2−ヘキサノンを合成した。

0032

合成された3−メルカプト−5−メチル−2−ヘキサノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1]沸点:63−64℃/9 mmHg
[2]核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)22.1;22.6;26.0;26.8;43.0;46.2;206.0
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)0.85(dd, 6H);1.43−1.53(m, 1H) ;1.62−1.74(m, 3H) ;2.23(s, 3H) ;3.32(ddd, 1H)
[3]赤外線吸収スペクトル2957,2934,2871,2553(S−H),1708(C=O),1468,1432,1354,1245,1163,1123,941,706,592 cm-1
[4] MS(EI):m/z(%)=146(0.4),103(21),102(7),97(6),90(91),70(6),69(84),61(49),60(6),59(6),57(11),55(10),47(9),45(7),43(100),41(24),39(9),27(8)

0033

〔実施例J〕(3−メルカプト−6−メチル−2−ヘプタノンの合成)
原料として6−メチル−2−ヘプタノンを使用し、それ以外は実施例Aと同様の方法で3−メルカプト−6−メチル−2−ヘプタノンを合成した。

0034

合成された3−メルカプト−6−メチル−2−ヘプタノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1]沸点:63−64℃/9 mmHg
[2]核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)22.1;22.6;26.0;26.8;43.0;46.2;206.0
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)0.83(dd, 6H) ;1.08−1.19(m, 1H)1.20−1.33(m, 1H) ;1.43−1.65(m, 2H) ;1.69(d, 1H) ;1.78−1.90(m, 1H) ;2.23(s, 3H) ;3.22(ddd, 1H)
[3]赤外線吸収スペクトル2955,2930,2871,2557(S−H),1709(C=O),1468,1433,1355,1238,1164,1124,949,764,596 cm-1
[4] MS(EI):m/z(%)=160(12),142(27),126(7),117(22),109(7),101(11),90(19),84(8),83(100),75(7),71(10),61(12),60(10),57(15),56(7),55(57),43(60),41(25),39(9)

0035

〔実施例K〕(3−メルカプト−4−メチル−2−ペンタノンの合成)
原料として4−メチル−2−ペンタノンを使用し、それ以外は実施例Aと同様の方法で3−メルカプト−4−メチル−2−ペンタノンを合成した。

0036

合成された3−メルカプト−4−メチル−2−ペンタノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1]沸点:61−62℃/12 mmHg
[2]核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)19.3;21.2;27.6;31.3;55.9;206.0
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)0.95(dd, 6H);1.61(d, 1H) ;1.93−2.07(m, 1H) ;2.22(s, 3H) ;3.08(dd, 1H)
[3]赤外線吸収スペクトル2962,2932,2872,2561(S−H),1705(C=O),1468,1422,1355,1227,1162,1116,941,699,592 cm-1
[4] MS(EI):m/z(%)=132(24),90(15),89(64),88(54),61(7),55(100),47(10),45(9),43(67),41(11),39(12)

0037

本発明の3−メルカプト−2−アルカノン類の香気の特徴は以下のとおりである。

0038

0039

[実施例1]
下記処方に従い、常法によって本発明の香料組成物(1A〜1K)を調製した。

0040

[比較例1]
実施例1の香料組成物(1A〜1K)の処方成分である3−メルカプト−2−アルカノンの代わりにエチルアルコールを配合した以外は同様の処方および方法にて香料組成物1Lを調製した。

0041

[実施例2]
下記処方に従い、常法によって本発明の香料組成物(2A〜2K)を調製した。

0042

[比較例2]
実施例2の香料組成物(2A〜2K)の処方成分である3−メルカプト−2−アルカノンの代わりにエチルアルコールを配合した以外は同様の処方および方法にて香料組成物2Lを調製した。

0043

[実施例3]
下記処方に従い、常法により本発明の香料組成物3Aを調製した。

0044

[比較例3]
実施例3の3−メルカプト−2−ヘキサノンの代わりにエチルアルコールを配合した以外は同様の処方および方法にて香料組成物3Bを調製した。

0045

[実施例4]
下記処方に従い、常法によって本発明の果汁飲料Aを調製した。

0046

[比較例4]
実施例4の香料組成物1Aの代わりに香料組成物1Lを配合した以外は同様の成分および方法にて果汁飲料Bを調製した。

0047

[実施例5]
下記処方に従い、常法によって本発明の紅茶飲料Aを調製した。

0048

[比較例5]
実施例5の香料組成物2Aの代わりに香料組成物2Lを配合した以外は同様の成分および方法にて紅茶飲料Bを調製した。

0049

[実施例6]
下記処方に従い、常法によって本発明のシャンプーAを調製した。

0050

[比較例6]
実施例6の香料組成物3Aの代わりに香料組成物3Bを配合した以外は同様の成分および方法にてシャンプーBを調製した。

0051

試験例1]
果汁飲料A、果汁飲料Bの2種類のジュースについて10名の専門パネラーにより香気香味を比較評価した。その結果、専門パネラーの全員が、本発明に係る3−メルカプト−2−ヘキサノンが添加された果汁飲料Aの方が果汁感が強調され、よりフレッシュ感や天然感が強く感じられると評価した。

0052

[試験例2]
紅茶飲料A、紅茶飲料Bの2種類の紅茶飲料について10名の専門パネラーにより香気香味を比較評価した。その結果、専門パネラーの全員が、本発明に係る3−メルカプト−2−ヘキサノンが添加された紅茶飲料Aの方が軽やかなリーフ感が強調され、よりフレッシュ感や天然感が強く感じられると評価した。

0053

[試験例3]
シャンプーA、シャンプーBの2種類のシャンプーについて5名の専門パネラーによりビン香および湯立ち時の香りを評価した。その結果、専門パネラーの全員が、本発明に係る3−メルカプト−2−ヘキサノンが添加されたシャンプーAの方が、ビン香および湯立ち時ともに、フレッシュでさわやかな柑橘の天然感が強く感じられると評価した。

0054

本発明の3−メルカプト−2−アルカノンは、シトラス様、ミート様、果物様、茶様、コーヒー様等の香気香味特性を有する。従って、当該化合物を含有する香料組成物を飲食品あるいは香粧品に使用すると、フレッシュ感やロースト感、天然感を付与することができ、商品価値を一層高めることができる。

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