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技術 接着性組成物

出願人 株式会社クラレ
発明者 仲前昌人
出願日 2006年12月19日 (14年0ヶ月経過) 出願番号 2007-551906
公開日 2009年6月4日 (11年7ヶ月経過) 公開番号 WO2007-074674
状態 特許登録済
技術分野 高分子物質の処理方法 ポリウレタン,ポリ尿素 接着剤、接着方法
主要キーワード フレキシブルコンテナバック バランス性 回収費用 B型粘度計 ヤシ殻粉 木質製品 粉末エマルジョン 酢酸ビニル共重合エマルジョン
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課題

輸送及び貯蔵が容易で、使用現場における水への再分散性が顕著に優れ、接着剤コーティング剤として高い性能を発現する接着性組成物を提供すること。

解決手段

ポリビニルアルコール系重合体PVA−1)を分散剤とし、エチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体からなる群より選ばれた少なくとも一種単量体単位を有する重合体分散質とする水性エマルジョンEM)を乾燥して得た合成樹脂粉末(A)と無機粉末(B)と多価イソシアネート化合物とからなり、(A)/(B)=100/50〜100/250である接着性組成物によって上記課題を解決する。

概要

背景

従来、水性高分子化合物イソシアネート系接着剤EPIステム)は、その高い耐水性を生かして接着剤塗料コーティング剤)等に幅広く使用されている。その調製方法は、ポリビニルアルコール粉末を水に加熱溶解して無機質系粉末有機質系粉末水性エマルジョンなどを所定の割合で添加し、混合攪拌することにより分散させた水分散性組成物主剤として用いる方法が採られている。以下、ポリビニルアルコールを単にPVAと略記する。

しかしながら、上記水分散性組成物を主剤として用いた接着剤は水分散体という形態であるため、冬場の極寒地における増粘や凍結ゲル化の問題があり、輸送及び貯蔵温度管理のための特別な工夫を必要とする。また、ドラム缶コンテナ等の水系組成物容器の処理も、昨今の環境問題背景とした廃棄物処理適性化の流れの中ではその回収費用等が無視できない状況にある。

したがって、輸送及び貯蔵が容易で、かつ、紙袋フレキシブルコンテナバック等の処理が容易な容器を使用できるという点から、粉末組成物を主成分とする高性能な接着剤やコーティング剤が要望されている。これまで、このような要望に適う粉型組成物として、PVA粉末に無機質系粉末又は有機質系粉末を所定の割合で混合してなる一粉型組成物や、再乳化型粉末エマルジョンなどの粉末添加物を混合した一紛型組成物が提案されている(特許文献1)。
特開平11−80484号公報

しかしながら、この粉型組成物は、使用現場において水に再溶解(再分散)させるときに、PVA粉末の結晶性及びママコ形成性により、不完全な溶解(分散)を余儀なくされ、その未溶解(未分散)物が接着剤やコーティング剤の流動性接着性密着性等を阻害するという問題が指摘されている。

一方、分散剤分散質から得た水性エマルジョンにPVA系重合体を添加して乾燥した合成樹脂粉末無機粉末からなる混合粉末が知られており、再分散性、耐水性、再分散したときの造膜性低温における放置定性などに優れることが記載されている(特許文献2)。
特開2004−131719公報

概要

輸送及び貯蔵が容易で、使用現場における水への再分散性が顕著に優れ、接着剤やコーティング剤として高い性能を発現する接着性組成物を提供すること。ポリビニルアルコール系重合体(PVA−1)を分散剤とし、エチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体からなる群より選ばれた少なくとも一種単量体単位を有する重合体を分散質とする水性エマルジョン(EM)を乾燥して得た合成樹脂粉末(A)と無機粉末(B)と多価イソシアネート化合物とからなり、(A)/(B)=100/50〜100/250である接着性組成物によって上記課題を解決する。 なし

目的

しかしながら、輸送及び貯蔵が容易で、さらに、水への再分散性、接着性に優れた性能を発現する接着性組成物が要望されているのが現状である。したがって本発明の目的は、輸送及び貯蔵が容易で、使用現場における水への再分散性が顕著に優れ、接着剤やコーティング剤として高い性能を発現する接着性組成物を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
0件

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請求項1

ポリビニルアルコール系重合体PVA−1)を分散剤とし、エチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体からなる群より選ばれた少なくとも一種単量体単位を有する重合体分散質とする水性エマルジョンEM)を乾燥して得た合成樹脂粉末(A)と無機粉末(B)と多価イソシアネート化合物とからなり、(A)/(B)=100/50〜100/250であることを特徴とする接着性組成物

請求項2

該ポリビニルアルコール系重合体(PVA−1)が、重合度200〜2000、かつけん化度80〜96モル%の無変性ポリビニルアルコールカルボキシル基を有するポリビニルアルコール系重合体、炭素数2〜4のα−オレフィン由来の単量体単位を10モル%以下有するポリビニルアルコール系重合体、分子内に1,2−グリコール結合を1.7モル%以上有するポリビニルアルコール系重合体又は末端メルカプト基を有するポリビニルアルコール系重合体である請求項1記載の接着性組成物。

請求項3

該水性エマルジョン(EM)が、一級水酸基を有する単量体を含む単量体を乳化重合して得られるエマルジョンである請求項1又は2記載の接着性組成物。

請求項4

該合成樹脂粉末が、水性エマルジョン(EM)にポリビニルアルコール系重合体(PVA−2)を配合した組成物を乾燥して得た合成樹脂粉末である請求項1〜3いずれかに記載の接着性組成物。

請求項5

該ポリビニルアルコール系重合体(PVA−2)が、水性エマルジョン(EM)の固形分100重量部あたり1〜25重量部配合された請求項4記載の接着性組成物。

請求項6

該ポリビニルアルコール系重合体(PVA−2)が、重合度200〜2000、かつけん化度80〜96モル%の無変性ポリビニルアルコール、カルボキシル基を有するポリビニルアルコール系重合体、炭素数2〜4のα−オレフィン由来の単量体単位を10モル%以下有するポリビニルアルコール系重合体又は分子内に1,2−グリコール結合を1.7モル%以上有するポリビニルアルコール系重合体である請求項4又は5記載の接着性組成物。

請求項7

該ポリビニルアルコール系重合体(PVA−1)及び/又は(PVA−2)が、分子内に1,2−グリコール結合を1.7モル%以上有するポリビニルアルコール系重合体である請求項1〜6いずれかに記載の接着性組成物。

請求項8

該多価イソシアネート化合物が、合成樹脂粉末(A)と無機粉末(B)からなる混合粉末(C)に配合されてなる請求項1〜7いずれかに記載の接着性組成物。

請求項9

該多価イソシアネート化合物が、混合粉末(C)を水に再分散したものに配合されてなる接着性組成物。

請求項10

該合成樹脂粉末(A)が噴霧乾燥により得られる請求項1〜9いずれかに記載の接着性組成物。

請求項11

該無機粉末(B)が炭酸カルシウムである請求項1〜10いずれかに記載の接着性組成物。

請求項12

該接着性組成物が接着剤又はコーティング剤である請求項1〜11いずれかに記載の接着性組成物。

技術分野

0001

本発明は接着性組成物に関する。さらに詳しくは、ポリビニルアルコール系重合体分散剤とし、エチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体から選ばれる少なくとも一種単量体単位を有する重合体分散質とする水性エマルジョンにポリビニルアルコール系重合体を配合した組成物を乾燥して得た合成樹脂粉末無機粉末多価イソシアネート化合物とからなる接着性組成物に関する。本発明の接着性組成物は、ハンドリング性貯蔵安定性に優れるとともに、高い耐水接着性を有するので接着剤コーティング剤に好ましく使用される。

背景技術

0002

従来、水性高分子化合物イソシアネート系接着剤EPIステム)は、その高い耐水性を生かして接着剤、塗料(コーティング剤)等に幅広く使用されている。その調製方法は、ポリビニルアルコール粉末を水に加熱溶解して無機質系粉末有機質系粉末、水性エマルジョンなどを所定の割合で添加し、混合攪拌することにより分散させた水分散性組成物主剤として用いる方法が採られている。以下、ポリビニルアルコールを単にPVAと略記する。

0003

しかしながら、上記水分散性組成物を主剤として用いた接着剤は水分散体という形態であるため、冬場の極寒地における増粘や凍結ゲル化の問題があり、輸送及び貯蔵温度管理のための特別な工夫を必要とする。また、ドラム缶コンテナ等の水系組成物容器の処理も、昨今の環境問題背景とした廃棄物処理適性化の流れの中ではその回収費用等が無視できない状況にある。

0004

したがって、輸送及び貯蔵が容易で、かつ、紙袋フレキシブルコンテナバック等の処理が容易な容器を使用できるという点から、粉末組成物を主成分とする高性能な接着剤やコーティング剤が要望されている。これまで、このような要望に適う粉型組成物として、PVA粉末に無機質系粉末又は有機質系粉末を所定の割合で混合してなる一粉型組成物や、再乳化型粉末エマルジョンなどの粉末添加物を混合した一紛型組成物が提案されている(特許文献1)。
特開平11−80484号公報

0005

しかしながら、この粉型組成物は、使用現場において水に再溶解(再分散)させるときに、PVA粉末の結晶性及びママコ形成性により、不完全な溶解(分散)を余儀なくされ、その未溶解(未分散)物が接着剤やコーティング剤の流動性接着性密着性等を阻害するという問題が指摘されている。

0006

一方、分散剤と分散質から得た水性エマルジョンにPVA系重合体を添加して乾燥した合成樹脂粉末と無機粉末からなる混合粉末が知られており、再分散性、耐水性、再分散したときの造膜性低温における放置定性などに優れることが記載されている(特許文献2)。
特開2004−131719公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、輸送及び貯蔵が容易で、さらに、水への再分散性、接着性に優れた性能を発現する接着性組成物が要望されているのが現状である。したがって本発明の目的は、輸送及び貯蔵が容易で、使用現場における水への再分散性が顕著に優れ、接着剤やコーティング剤として高い性能を発現する接着性組成物を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

本発明者は、上記目的を達成すべく、ポリビニルアルコール系重合体(PVA−1)を分散剤とし、エチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体から選ばれる少なくとも一種の単量体単位を有する重合体を分散質とする水性エマルジョン(EM)を乾燥して得た合成樹脂粉末と無機粉末と多価イソシアネート化合物とからなる接着性組成物に着眼して鋭意検討を重ね、(A)/(B)が特定の範囲を満足する組成物により上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。

0009

すなわち本発明は、ポリビニルアルコール系重合体(PVA−1)を分散剤とし、エチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体からなる群より選ばれた少なくとも一種の単量体単位を有する重合体を分散質とする水性エマルジョン(EM)を乾燥して得た合成樹脂粉末(A)と無機粉末(B)と多価イソシアネート化合物とからなり、(A)/(B)=100/50〜100/250であることを特徴とする接着性組成物である。

発明の効果

0010

本発明により、輸送及び貯蔵が容易で、使用現場における水への再分散性が顕著に優れ、接着剤やコーティング剤として高い性能を発現する接着性組成物を提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

0011

本発明の接着性組成物は、分散剤と分散質から水性エマルジョンを製造し、該エマルジョンを乾燥して得た合成樹脂粉末と無機粉末とを混合し、さらに多価イソシアネート化合物を配合することによって得ることができるが、先ず分散剤であるPVA系重合体(PVA−1)について述べる。

0012

水性エマルジョン(EM)を得るための分散剤であるPVA系重合体(PVA−1)は、ビニルエステル類単量体主体とするビニル系単量体を従来公知の方法で重合して得たビニルエステル系重合体を常法によりけん化して得ることができる。ビニルエステル類単量体はラジカル重合可能なものであれば使用することができ、ギ酸ビニル酢酸ビニルプロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、カプリン酸ビニルラウリン酸ビニルステアリン酸ビニル安息香酸ビニルピバリン酸ビニル等を例示することができる。なかでも、酢酸ビニルが好ましい。

0013

PVA系重合体(PVA−1)の粘度平均重合度(以下、重合度という)及びけん化度は、本発明の目的を阻害しない範囲であれば特に制限はなく、一般的には重合度100〜8000、けん化度40〜99.9モル%である。PVA系重合体(PVA−1)は本発明の目的を阻害しない範囲で各種変性をしてもよい。PVA系重合体(PVA−1)としては、重合度200〜2000、かつけん化度80〜96モル%の無変性PVA、カルボキシル基を有するPVA系重合体、炭素数2〜4のα−オレフィン由来の単量体単位を10モル%以下有するPVA系重合体、分子内に1,2−グリコール結合を1.7モル%以上有するPVA系重合体又は末端メルカプト基を有するPVA系重合体が水への再分散性及び接着性等の性能の観点から好ましく使用される。これらは通常単独で使用されるが二種以上を併用してもよい。

0014

以下、PVA系重合体(PVA−1)として、1)無変性PVAを使用する場合、2)カルボキシル基を有するPVA系重合体を使用する場合、3)炭素数2〜4のα−オレフィン由来の単量体単位を10モル%以下有するPVA系重合体を使用する場合、4)分子内に1,2−グリコール結合を1.7モル%以上有するPVA系重合体を使用する場合、及び5)末端にメルカプト基を有するPVA系重合体を使用する場合についてさらに具体的に説明する。

0015

1)PVA系重合体(PVA−1)として無変性PVAを使用する場合、重合度があまり小さいと接着性組成物を接着剤あるいはコーティング剤として使用するとき機械的強度が低下することがあり、またあまり大きいと乾燥により紛体化する場合に乾燥機への付着等の問題が発生することがあるので、重合度は200〜2000が好ましい。また、けん化度は80〜96モル%が好ましく、この範囲を外れると、水性エマルジョンの安定性や粉末組成物の水への再分散性が低下することがある。重合度及びけん化度のより好ましい範囲は、重合度300〜1800、かつけん化度85〜95モル%である。

0016

2)PVA系重合体(PVA−1)としてカルボキシル基を有するPVA系重合体を使用する場合、PVA系重合体は種々の方法により得ることができるが、一般的には、フマール酸マレイン酸イタコン酸無水マレイン酸無水フタル酸無水トリメット酸、無水イタコン酸等のカルボキシル基含有化合物及びそのエステルを酢酸ビニルなどのビニルエステルと従来公知の方法で共重合し、けん化して得ることができる。カルボキシル基変性量、重合度、けん化度は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限はないが、水性エマルジョンの安定性、粉体組成物の水への再分散性及び接着性等の物性の高いレベルでのバランス性を考慮すると、カルボキシル基変性量は3モル%以下、重合度は200〜2000、けん化度は70〜99モル%とするのが望ましい。

0017

3)PVA系重合体(PVA−1)として炭素数2〜4のα−オレフィン由来の単量体単位を10モル%以下有するPVA系重合体を使用する場合、PVA系重合体は、エチレンプロピレン、1−ブテンイソブテンを酢酸ビニルなどのビニルエステルと従来公知の方法で共重合し、それをけん化して得ることができる。α−オレフィンとしては、エチレンが効果の発現性の点で好ましい。また、α−オレフィン由来の単量体単位の変性量は、あまり多いと水性エマルジョンの安定性や粉末組成物の水への再分散性が低下することがあるので8モル%以下がさらに好ましい。重合度及びけん化度は、α−オレフィンの変性量にもよるが、水性エマルジョンの安定性、粉末組成物の水への再分散性及び接着性当の物性の観点から、重合度200〜2000、けん化度85〜95モル%がより好ましい。

0018

4)PVA系重合体(PVA−1)として分子内に1,2−グリコール結合を1.7モル%以上有するPVA系重合体を使用する場合、PVA系重合体を製造する方法に特に制限はなく公知の方法を使用することができる。例えば、ビニレンカーボネートを上記の1,2−グリコール結合量になるように酢酸ビニルなどのビニルエステルと共重合し、それをけん化する方法、ビニルエステルの重合温度を通常の条件より高い温度、例えば75〜200℃で、加圧下に重合し、それをけん化する方法などを挙げることができる。後者の方法においては、重合温度は95〜190℃であることが好ましく、100〜180℃とするのがより好ましい。加圧条件としては、重合系が沸点以下になるように選択することが重要であり、好ましくは0.2MPa以上、より好ましくは0.3MPa以上である。加圧の上限としては5MPa以下が好ましく、3MPa以下がより好ましい。

0019

1,2−グリコール結合量は多い方が、水性エマルジョンの安定性と粉末組成物の水への再分散性の点で本発明の効果が著しく発現するので、1.7モル%以上が好ましく、1.9モル%以上がより好ましい。好適な重合度及びけん化度は、水性エマルジョンの安定性、粉末組成物の水への再分散性及び接着性当の物性の観点から、重合度200〜2000、けん化度80〜99モル%が好ましい。

0020

5)PVA系重合体(PVA−1)として末端にメルカプト基を有するPVA系重合体を使用する場合、PVA系重合体を製造する方法は特に制限されないが、例えば、チオ酢酸の存在下に酢酸ビニルなどのビニルエステルを重合し、それを常法によりけん化することによって製造することができる。重合度及びけん化度は、メルカプト基の含有量にもよるが、水性エマルジョンの安定性、粉末組成物の水への再分散性及び接着性当の物性の観点から、重合度200〜1700、けん化度85〜96モル%が好ましい。

0021

PVA系重合体(PVA−1)は、第三成分として共重合可能な単量体を本発明の性能を損なわない範囲で共重合したものであってもよい。共重合可能な単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン類アクリル酸アクリル酸メチルアクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチルアクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル等のアクリル酸エステル類メタクリル酸メタクリル酸メチルメタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルメタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル等のメタクリル酸エステル類メチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等のビニルエーテル類アクリロニトリルメタクリニトニル等のニトリル類塩化ビニル塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類、酢酸アリル塩化アリル等のアリル化合物、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメット酸または無水イタコン酸等のカルボキシル基含有化合物及びそのエステル、エチレンスルホン酸アリスルホン酸メタアリルスルホン酸、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸基含有化合物ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン化合物酢酸イソプロペニル、3−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、3−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等を挙げることができる。これらは単独で使用しても二種以上を併用してもよいが、5モル%以下で使用するのが好ましい。

0022

次に、水性エマルジョン(EM)を得るための分散質について述べる。かかる分散質としては、エチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体からなる群より選ばれた少なくとも一種の単量体単位を有する重合体が用いられる。本発明の水性エマルジョン(EM)は、分散剤として前記ポリビニルアルコール系重合体(PVA−1)を用い、上記エチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体から選ばれる一種以上の単量体を乳化重合して得られる。

0023

エチレン性不飽和単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブテン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化オレフィン類、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ピバリン酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル等のメタクリル酸エステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類、酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合物、スチレンα−メチルスチレン、p−メチルスチレンスルホン酸及びそのナトリウムカリウム塩等のスチレン系単量体類、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロライド、3−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、3−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、N−(3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルジメチルアミンの4級アンモニウム塩、N−(4−アリルオキシ−3−ヒドロキシブチル)ジエチルアミンの4級アンモニウム塩、さらにはアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドジアセトンアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド等のアクリルアミド及びメタクリルアミド誘導体メタクリル酸ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、アクリル酸ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、N−ビニルピロリドン等を挙げることができる。ジエン系単量体としては、ブタジエンイソプレンクロロプレン等を挙げることができる。これらの単量体は単独または二種以上を組み合わせて使用される。

0024

水性エマルジョン(EM)は、分散剤である前記PVA系重合体(PVA−1)の存在下で、上記のエチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体からなる群より選ばれた少なくとも一種からなる単量体を乳化重合することによって得ることができるが、乳化重合する際の重合開始剤は、通常乳化重合に用いられる重合開始剤、すなわち過硫酸カリウム過硫酸アンモニウム過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の水溶性開始剤アゾビスイソブチロニトリルベンゾイルパーオキサイド等の油溶性開始剤を単独または各種還元剤との組み合わせによるレドックス系で用いられる。これらの使用方法は特に制限されないが、初期一括して添加する方法や連続的に重合系に添加する方法等を採用することができる。

0025

PVA系重合体(PVA−1)の使用量は特に制限されるものではないが、あまり少ないとエマルジョンの重合安定性が低下し、またあまり多いと重合系の粘度上昇による反応熱除去の問題や本発明の粉末組成物を乾燥により得る場合に付着等の問題が起こることがあるので、エマルジョン(EM)を構成する単量体100重量部に対して2〜30重量部、好ましくは3〜15重量部、より好ましくは3〜10重量部で実施される。

0026

PVA系重合体(PVA−1)の添加方法は特に制限されず、初期に一括して添加する方法、初期にPVA系重合体の一部を添加し、重合中に連続的に重合系へ添加する方法等が採用される。従来公知のノニオン性アニオン性カチオン性両性界面活性剤ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性高分子ビニルアルコール系重合体と併用してもよい。

0027

乳化重合されて分散質となる上記単量体は、初期に一括して重合系に添加してもよく、初期に単量体の一部を添加し、残りを重合中に連続的に添加してもよい。また、単量体と水と分散剤を予め乳化したものを重合系に連続的に添加してもよい。

0028

本発明における水性エマルジョン(EM)は、一級水酸基を有する単量体を含む単量体を乳化重合して得られるエマルジョンであるのが好ましい。このような一級水酸基を有する単量体としては、例えば、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、カプロラクトン変性アクリル酸エステルやカプロラクトン変性メタクリル酸エステル、炭素数3〜10のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸のN−アルキロールアミド類(N−メチロールアクリルアミド、N−エタノールアクリルアミド、N−プロパノールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−エタノールメタクリルアミド、N−メタノールレアミド等)から誘導された単量体単位、さらにはアリルアルコールから誘導された単量体単位等の一級水酸基を含有するエチレン性不飽和単量体単位を使用すると、水性エマルジョン中に後述する多価イソシアネート化合物と有効に架橋する一級水酸基を導入することができ、接着性等の性能が顕著に向上するので好ましい。これらは全単量体の5重量%以下で用いるのが好ましい。

0029

水性エマルジョン(EM)を製造する際に連鎖移動剤を添加することもできる。連鎖移動剤としては、連鎖移動が起こるものであれば特に制限はないが、連鎖移動の効率の点でメルカプト基を有する化合物が好ましい。メルカプト基を有する化合物としては、n−オクチルメルカプタンn−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン2−メルカプトエタノール、3−メルカプトプロピオン酸等が挙げられる。連鎖移動剤の添加量は、あまり多いと水性エマルジョンの重合安定性が低下するうえ、分散質を形成する重合体の分子量が著しく低下し、本発明の接着性等の物性の低下が起こることがあるので、単量体100重量部に対して5重量部以下とするのが好ましい。

0030

本発明の接着性組成物は、上記のようにして得られた水性エマルジョン(EM)を乾燥して得た合成樹脂粉末(A)と無機粉末(B)とイソシアネート化合物からなるが、合成樹脂粉末(A)としては、水性エマルジョン(EM)にPVA系重合体(PVA−2)を配合した組成物を乾燥して得た合成樹脂粉末を用いるのが水への再分散性の観点から好ましい。PVA系重合体(PVA−2)としては、PVA系重合体(PVA−1)と同様、ビニルエステル類単量体を主体とするビニル系単量体を従来公知の方法で重合して得たビニルエステル系重合体を常法によりけん化して得られる。PVA系重合体(PVA−2)は、水性エマルジョン(EM)の固形分100重量部あたり1〜25重量部とするのが上記の観点から好ましい。

0031

ビニルエステル類単量体としては、ラジカル重合可能なものであれば使用することができ、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル等を挙げることができる。なかでも酢酸ビニルが好ましい。

0032

PVA系重合体(PVA−2)の重合度及びけん化度もPVA系重合体(PVA−1)で述べたと同様、本発明の目的を阻害しない範囲であれば特に制限はなく、一般的には重合度100〜8000、けん化度40〜99.9モル%である。また、各種の変性も本発明の目的を阻害しない範囲で特に制限はない。PVA系重合体(PVA−2)としては、重合度200〜2000かつけん化度80〜96モル%の無変性ポリビニルアルコール、カルボキシル基を有するポリビニルアルコール系重合体、炭素数2〜4のα−オレフィン由来の単量体単位を10モル%以下有するPVA系重合体又は分子内に1,2−グリコール結合を1.7モル%以上有するPVA系重合体が、粉末組成物の水への再分散性及び接着性等の性能の観点で好ましい。これらは通常単独で使用されるが二種以上を併用してもよい。

0033

PVA系重合体(PVA−2)としては、重合度200〜2000、かつけん化度80〜96モル%の無変性PVA、カルボキシル基を有するPVA系重合体、炭素数2〜4のα−オレフィン由来の単量体単位を10モル%以下有するPVA系重合体、分子内に1,2−グリコール結合を1.7モル%以上有するPVA系重合体が挙げられるが、これらはPVA系重合体(PVA−1)で述べたと同様であるので詳細な説明は省略する。

0034

本発明の接着性組成物は、水性エマルジョン(EM)に、好ましくはPVA系重合体(PVA−2)を配合した組成物を乾燥して得た合成樹脂粉末(A)と無機粉末(B)と多価イソシアネート化合物とからなり、合成樹脂粉末(A)と無機粉末(B)とは、(A)/(B)=100/50〜100/250であることが必要である。合成樹脂粉末(A)に対する無機粉末(B)の比率があまり大きいと、無機粉末の水への分散性が悪くなるうえ、接着剤層等は硬くなるものの、脆くなるという弊害があるため接着力という観点で問題であり、また、合成樹脂粉末(A)に対する無機粉末(B)の比率があまり小さいと、合成樹脂粉末(A)のブロッキング防止効果及び接着剤層等の機械的強度改善効果が不十分となる。このように、本発明の接着性組成物は、水性エマルジョン(EM)に、好ましくはPVA系重合体(PVA−2)を配合した組成物を乾燥して得た合成樹脂粉末(A)と無機粉末(B)と多価イソシアネート化合物の組み合わせからなるが、さらに、合成樹脂粉末(A)に対して無機粉末(B)の割合を比較的大きくすることで水への再分散性、ブロッキング防止性、接着剤層強度を高いレベルで実現できることが本発明の最大の特徴である。

0035

水性エマルジョン(EM)にPVA系重合体(PVA—2)を配合したこれらを主成分とする組成物は、その他にも性能を損なわない範囲で各種添加剤を添加することができる。添加剤としては、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースでんぷん誘導体ポリビニルピロリドンポリエチレンオキサイド等の他、水溶性アルキッド樹脂水溶性フェノール樹脂、水溶性尿素樹脂水溶性メラミン樹脂、水溶性ナフタレンスルホン酸樹脂、水溶性アミノ樹脂水溶性ポリアミド樹脂水溶性アクリル樹脂水溶性ポリカルボン酸樹脂、水溶性ポリエステル樹脂水溶性ポリウレタン樹脂水溶性ポリオール樹脂、水溶性エポキシ樹脂等の水溶性高分子、アニオン性、カチオン性及び非イオン性の従来公知の界面活性剤、各種消泡剤、各種防腐剤シリカ炭酸カルシウムなどの無機粉末等が挙げられる。

0036

合成樹脂粉末(A)は、水性エマルジョン(EM)とPVA系重合体(PVA−2)を主成分とする組成物を乾燥することにより得られる。この組成物を得るには、PVA系重合体(PVA−2)の水溶液をエマルジョン(EM)に添加し、混合して調整する方法によるのが好適であるが、PVA系重合体(PVA−2)の粉末、フレークまたはペレットをエマルジョン(EM)に添加する方法によってもよい。また、乳化重合してエマルジョン(EM)を製造する際、乳化重合の後半にPVA系重合体(PVA−2)を一括または連続で添加する方法でもよい。

0037

本発明において、PVA系重合体(PVA−1)及び/又はPVA系重合体(PVA−2)としては、分子内に1,2−グリコール結合を1.7モル%以上有するPVA系重合体を用いると効果の発現が顕著であり好ましい。PVA系重合体(PVA−1)、PVA−2)ともに、分子内に1,2−グリコール結合を1.7モル%以上有するPVA系重合体を用いるとさらに好ましい。

0038

水性エマルジョン(EM)とPVA系重合体(PVA−2)を主成分とする組成物を乾燥し合成樹脂粉末(A)を得る方法としては、噴霧乾燥が好ましい。噴霧乾燥としては、流体噴霧して乾燥する通常の噴霧乾燥を使用することができる。噴霧の形式により、ディスク式、ノズル式衝撃波式などがあるが、いずれの方法であってもよい。乾燥の熱源としては熱風加熱水蒸気等が用いられる。乾燥条件は、噴霧乾燥機の大きさや種類、乾燥される組成物の濃度、粘度、流量等によって適宜選択すればよい。乾燥温度は、100℃〜150℃が適当であり、この乾燥温度の範囲内で、十分に乾燥した粉末が得られるように、他の乾燥条件を設定することが望ましい。また、合成樹脂粉末(A)の平均粒子径は、各種の上記条件により通常10〜150μmの間に調整される。

0039

無機粉末(B)としては本発明の性能を損なわなければ、特に限定されるものではなく、例えば、炭酸カルシウム、炭酸カルシウムマグネシウムクレー無水珪酸珪酸アルミニウムホワイトカーボンタルクアルミナホワイト等が使用できる。なかでも、炭酸カルシウムが性能及び経済性の観点で特に好ましい。無機粉末は、合成樹脂粉末(A)の粉末粒子間のブロッキング防止や水への再分散性向上、本発明の接着剤及びコーティング剤における接着剤層及びコーティング剤層の機械的強度向上等の機能を有している。この意味において、無機粉末の平均粒径は0.1〜100μmであるのが好ましい。

0040

かかる無機粉末は、(噴霧)乾燥後の合成樹脂粉末に添加して均一に混合してもよいが、水性エマルジョン(EM)とPVA系重合体(PVA−2)を主成分とする組成物を(噴霧)乾燥する際に無機粉末の存在下に同時に(噴霧)乾燥する方法で混合してもよい。

0041

得られた混合粉末(C)は、性能を損なわない範囲で各種の添加剤を混合したものであってもよい。このような添加剤としては、尿素樹脂、メラミン樹脂フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の粉末、小麦粉コーンスターチ米粉等の澱粉類や、木紛、クルミ殻粉ヤシ殻粉等の繊維質類、大豆粉カゼイン、血紛等の蛋白質類等の有機粉末、紛体状の消泡剤、防腐剤、防虫剤着色剤などが挙げられる。

0042

合成樹脂粉末(A)及び無機粉末(B)に配合される多価イソシアネート化合物は、分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものであり、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、水素化TDI、トリメチロールプロパン−TDIアダクト(例えばバイエル社製の商品名:Desmodur L)、トリフェニルメタントリイソシアネートメチレンビスジフェニルイソシアネートMDI)、水素化MDI、重合MDI、ヘキサメチレンジイソシアネートキシリレンジイソシアネート、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートイソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。その他、ポリオールに過剰のポリイソシアネートで予めポリマー化した末端基がイソシアネート基を持つプレポリマーを用いてもよい。これらは、単独で使用してもよく、二種類以上併用してもよい。

0043

なかでも、経済性等の観点から、重合MDI(ポリメリックMDI、PMDIともいう)が好ましい。また、多価イソシアネート化合物として、性能を損なわない範囲でイオン変性や界面活性剤の添加により水分散タイプにしたものや、例えば、ジブチルフタレートのような可塑剤あるいは溶剤を配合したものを用いることもできる。

0044

本発明の接着性組成物は、合成樹脂粉末(A)と無機粉末(B)と多価イソシアネート化合物からなるが、合成樹脂粉末(A)と無機粉末(B)とから予め混合粉末(C)を調製し、混合粉末(C)に多価イソシアネート化合物を配合するのが現場における作業性や調合管理の容易さの点で好ましい。混合粉末(C)と多価イソシアネート化合物の配合割合は、各種の状況に応じて適宜選定すればよいが、多価イソシアネート化合物があまりも少ないと、耐水接着性等の物性が十分に発現しないことがあり、またあまり多いと、コストアップと同時に作業性が悪化する傾向にあるので、固形分換算で混合粉末(C)100重量部に対して、多価イソシアネート化合物3〜100重量部が好ましく、5〜50重量部とするのがより好ましい。

0045

本発明の接着性組成物は状況や被着材等に応じて様々な方法で使用される。例えば、木材小片等に混合粉末(C)を混合し、若干の水分で混合粉末が付着した木材小片を予め作製した後に、多価イソシアネート化合物をさらに混合しプレスすることで木材小片が接着された成形物を得るといったような使用方法もあるが、混合粉末(C)を水に再分散したものに、多価イソシアネート化合物を混合して接着剤やコーティング剤として使用する方法が効果的であり好ましい。

0046

本発明の接着性組成物は各種被着体の接着やコーティングに使用されるが、なかでも木材の接着やコーティングに好適である。固形分換算の塗布量としては20〜300g/m2
が好ましく、30〜200g/m2がより好ましい。塗布方法としては、ハケによる塗工,ロールによる塗工などが挙げられる。塗布した後の乾燥は、室温から200℃での加熱乾燥でよいが、室温乾燥であっても十分な性能が発現する。塗布した後の乾燥時間は30分間から5時間程度が好ましい。本発明の接着性組成物を接着剤として使用する場合、乾燥は圧締した状態で行うのが好ましい。圧締時の圧力としては、5〜20kg/cm2
の範囲で選択され、硬い木材が被着体である場合には圧締の圧力は高い方が好ましく、柔い木材が被着体である場合には木材が破壊しない程度の高い圧力が好ましい。

0047

本発明の接着性組成物の接着剤や及びコーティング剤としての具体的な使用用途は制限されるわけではないが、集成材合板家具用などの木質製品の接着剤、木材/プラスチックや木材/金属などの木材と異種材料の接着剤、コンクリートパネル等の下塗りコーティング剤などとして使用される。以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中、「部」及び「%」は特に断りのない限り重量基準を示すものとする。

0048

水性エマルジョンの製造例−1:
窒素吹き込み口、温度計を備えた耐圧オートクレーブに、PVA(a)(重合度800、けん化度88モル%の無変性PVA、1,2−グリコール結合量1.6モル%)の5%、水溶液80部を仕込み、さらに、酢酸ナトリウム0.5部を加えた。酢酸ビニル80部を加えて60℃に昇温し、窒素置換を行った。その後、エチレンを45kg/cm2
ゲージ圧)まで圧入し、5%酒石酸ナトリウム水溶液を5部添加した。0.4%過酸化水素水溶液を連続的に添加し重合を開始した。3時間後、酢酸ビニル濃度が0.9%となり重合を終了し、固形分濃度55.0%、粘度2000mPa.sのエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンエチレン含有量20重量%:EM−1)を製造した。

0049

混合粉末の製造例−1:
水性エマルジョンの製造例−1で製造したエマルジョン(EM−1)と15%のPVA(b)(重合度500、けん化度88モル%の無変性PVA、1,2−グリコール結合量1.6モル%)水溶液を固形分重量比で100/10となるように混合したものを、スプレードライヤー(大川原化工機株式会社製 L−8型)を用い、140℃の熱風中に噴霧して乾燥し、平均粒径25μmの合成樹脂粉末を得た。合成樹脂粉末100重量部に重質炭酸カルシウム(丸尾カルシウム株式会社製 平均粒径3.4μm)150重量部を添加し、よく混合して混合粉末を得た。

0050

実施例1
混合粉末の製造例−1で得た混合粉末100重量部に対し、イオン交換水100重量部を加え、攪拌機により攪拌し再分散させた。粉末組成物の再分散性は次の基準による。また、粉末組成物の再分散物200重量部に対し、ポリメリックMDI(日本ポリウレタン工業株式会社製MR−200)30部(混合粉末100重量部あたり15重量部)を添加混合して接着剤を調合し以下に示す試験を行った。接着性組成物の組成割合を表1に、試験結果を表2に示す。

0051

混合粉末の再分散性:
混合粉末にイオン交換水を添加し再分散させた場合の状態を観察し、以下の基準で、再分散性を評価した。
○ きれいに分散し、凝集物等が目視で観察されない。
△ 分散はするが、目視で観察される凝集物(未分散物)が認められる。
× 分散しない。

0052

接着剤(又はコーティング剤)としての性能:
混合粉末の再分散物にイソシアネート化合物を所定量添加混合し、接着剤を調合したときの粘度変化発泡性、木材接着力を以下に従い評価した。

0053

粘度変化:イソシアネート化合物混合直後から、30分後、60分後の増粘倍率(イソシアネート添加直後の粘度を基準)をB型粘度計を使用し20℃で測定した。
増粘倍率=(X分後の粘度)/(イソシアネート化合物混合直後の粘度)

0054

発泡性:メスシリンダーにイソシアネート化合物配合直後の接着剤を入れ、30分後、60分後の容積増加量を測定し、20℃での発泡倍率を求めた。
発泡倍率=(X分後の容積)/(イソシアネート化合物混合直後の容積)

0055

木材接着力:〔接着条件〕被着材:カバ/カバ(マサ目)含水量8%
塗布量:250g/m2 (両面塗布
堆積時間:1分
圧締条件:20℃、24時間、圧力10kg/cm2
測定条件〕JIS K−6852による圧縮剪断接着強度を測定した。
常態強度:20℃、7日間養生後そのままの状態で測定した。
煮沸繰返し:20℃で7日間養生後、試験片煮沸水中に4時間浸漬した後、60℃の空気中で20時間乾燥し、更に煮沸水中に4時間浸漬してから、室温の水中に冷めるまで浸し、濡れたままの状態で試験に供した。

0056

比較例1
混合粉末の製造例—1において、重質炭酸カルシウムを全く添加せずに粉末組成物とし実施例1と同様に試験した。結果を表2に示す。

0057

比較例2
混合粉末の製造例—1において、重質炭酸カルシウムを400重量部用いて粉末組成物とし実施例1と同様に試験した。結果を表2に示す。

0058

比較例3
実施例1において、ポリメリックMDIを用いないこと以外は実施例1と同様に試験し
た。結果を表2に示す。

0059

比較例4
混合粉末の製造例—1において、水性エマルジョン(EM−1)と15%のPVA(b)(重合度500、けん化度88モル%の無変性PVA、1,2−グリコール結合量1.6モル%)を固形分重量比で100/30となるように混合したものを用いること以外は粉末組成物の製造例—1と同様にして粉末組成物を製造し実施例1と同様に試験した。結果を表2に示す。

0060

実施例2
混合粉末の製造例—1において、15%のPVA(b)(重合度500、けん化度88モル%の無変性PVA、1,2−グリコール結合量1.6モル%)を用いないこと以外は混合粉末の製造例—1と同様にして混合粉末を製造し実施例1と同様に試験した。結果を表2に示す。

0061

実施例3
混合粉末の製造例—1において、PVA(b)に代えてPVA(c)(重合度800、けん化度88モル%の無変性PVA、1,2−グリコール結合量2.2モル%)を用いること以外は混合粉末の製造例—1と同様にして混合粉末を製造し実施例1と同様に試験した。結果を表2に示す。

0062

実施例4
混合粉末の製造例—1において、PVA(b)に代えてPVA(d)(重合度1300、けん化度93モル%、エチレン単位由来の変性量2.5モル%)を用いること以外は混合粉末の製造例—1と同様に混合粉末を製造し実施例1と同様に試験した。結果を表2に示す。

0063

実施例5
混合粉末の製造例—1において、PVA(b)に代えてPVA(e)(重合度1800、けん化度86モル%、イタコン酸変性量1.2モル%)を用いること以外は混合粉末の製造例—1と同様にして混合粉末を製造し実施例1と同様に試験した。結果を表2に示す。

0064

実施例6
水性エマルジョンの製造例−1において、酢酸ビニル80部に代えて、酢酸ビニル70部とN−メチロールアクリルアミド1部を用いる以外は、水性エマルジョンの製造例−1と同様にし、固形分濃度54.9%、粘度3000mPa.sのエチレン−酢酸ビニル−N−メチロールアクリルアミド共重合エマルジョン(EM−2)を製造した。混合粉末の製造例−1におけるEM−1の代わりに、EM−2を用い、混合粉末の製造例−1と同様にして混合粉末を製造し、実施例1と同様に試験した。結果を表2に示す。

0065

実施例7
混合粉末の製造例−1において、重質炭酸カルシウムの代わりに、タルク(富士タルク工業株式会社製 NK)を100部用いること以外は混合粉末の製造例—1と同様にして混合粉末を製造し実施例1と同様に試験した。結果を表2に示す。

0066

比較例5
水性エマルジョンの製造例−1において、PVA(a)に代えて、非イオン性界面活性剤(三洋化成工業株式会社製ナロアクティーN−100)を用いること以外は水性エマルジョンの製造例−1と同様にして固形分濃度54.9%、粘度350mPa.sのエチレン−酢酸ビニル共重合エマルジョン(EM−3)を製造した。混合粉末の製造例−1におけるEM−1の代わりに、EM−3を用い、混合粉末の製造例−1と同様にして混合粉末を製造し実施例1と同様に試験した。結果を表2に示す。

0067

実施例8
水性エマルジョンの製造例−1において、PVA(a)に代えて、PVA(e)(重合度1800、けん化度86モル%、イタコン酸変性量1.2モル%)とPVA(f)(重合度600、けん化度75モル%、イタコン酸変性量1.0モル%)の40/60ブレンド物重量比)の6.25%水溶液80重量部を用いること以外は水性エマルジョンの製造例−1と同様にして、固形分濃度55.2%、粘度3200mPa.sのエチレン−酢酸ビニル共重合エマルジョン(EM−4)を製造した。混合粉末の製造例−1におけるEM−1の代わりに、EM−4を用い、混合粉末の製造例−1と同様にして混合粉末を製造し実施例1と同様に試験した。結果を表2に示す。

0068

水性エマルジョンの製造例−2:
還流冷却器滴下ロート,温度計,窒素吹込口を備えたガラス重合容器にPVA(7)(重合度500、けん化度96モル%の無変性PVA、1,2−グリコール結合量2.3mol%)の8%水溶液112.5重量部を入れ、メタクリル酸メチル10部、アクリル酸n−ブチル10部を添加し、窒素置換後、60℃まで昇温し、2%過硫酸アンモニウム水溶液2部を添加して重合を開始し、さらに2時間かけてメタクリル酸メチル40部、アクリル酸n−ブチル38部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル2部を連続的に添加した。重合は3時間で終了し、固形分濃度50.4%、粘度1200mPas・sの安定なメタクリル酸メチル−アクリル酸n−ブチル−アクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合エマルジョン(EM−5)を製造した。

0069

実施例9
混合粉末の製造例−1におけるEM−1の代わりに、水性エマルジョンの製造例−2で得られたEM−5を用い、混合粉末の製造例−1と同様にして混合粉末を得た。得られた混合粉末100重量部に対し、イオン交換水100重量部を加え、攪拌機により攪拌し再分散させた。再分散の状態を観察した結果を表2に示す。また、混合粉末の再分散物200重量部に対し、ポリメリックMDI(MR−200、日本ポリウレタン)20部(混合粉末100重量部あたり10重量部)を添加混合し、接着剤を調合し、それを用いて以下に示す試験を行った。結果を表2に示す。

0070

水性エマルジョンの製造例−3:
還流冷却器,滴下ロート,温度計,窒素吹込口を備えたガラス製重合容器にPVA(8)(重合度1700、けん化度98モル%、エチレン単位由来の変性量6モル%)の8%水溶液112.5重量部を入れ、酢酸ビニル10部を添加し、窒素置換後、60℃まで昇温し、5%酒石酸水溶液を10重量部添加した。1%過酸化水素20重量部を3時間かけて連続添加を開始し、さらに2時間かけて、酢酸ビニル90部を連続的に添加した。重合は3時間で終了し、固形分濃度44.8%、粘度6500mPas・sの安定なポリ酢酸ビニルエマルジョン(EM−6)を製造した。

0071

実施例10
混合粉末の製造例−1におけるEM−1の代わりに、水性エマルジョンの製造例−3で得られたEM−6を用い、混合粉末の製造例−1と同様にして混合粉末を得た。得られた混合粉末100重量部に対し、イオン交換水100重量部を加え、攪拌機により攪拌し再分散させた。再分散の状態を観察した結果を表2に示す。また、混合粉末の再分散物200重量部に対し、ポリメリックMDI(MR−200、日本ポリウレタン)50部(混合粉末100重量部あたり25重量部)を添加混合し、接着剤を調合し以下に示す試験を行った。結果を表2に示す。

0072

水性エマルジョンの製造例−4:
窒素吹込口,温度計を備えた耐圧オートクレーブに、PVA(9)(重合度300、けん化度90モル%、片末端メルカプト基変性)の10.8%水溶液120部を仕込み、硫酸でpHを4.0に調整後、スチレン60部を仕込んだ。次いで、ブタジエン40部を耐圧計量器より圧入し、70℃に昇温した後、2%過硫酸カリウム水溶液25部を圧入して重合を開始した。内圧は4.8kg/cm2から重合の進行と共に低下し、20時間後に0.5kg/cm2
となったところで重合を終了し、固形分濃度45.5%、,粘度900mPas・sの安定なスチレン−ブタジエン共重合エマルジョン(EM−7)を製造した。

0073

実施例11
混合粉末の製造例−1におけるEM−1の代わりに、水性エマルジョンの製造例−4で得られたEM−7を用い、混合粉末の製造例−1と同様にして混合粉末を得、実施例1と同様に試験した。結果を表2に示す。

0074

比較例6〜7、実施例12、比較例8
混合粉末の製造例−1において、合成樹脂粉末100重量部に、重質炭酸カルシウム20重量部、40重量部、60重量部、260重量部を添加する以外は混合粉末の製造例−1と同様にして混合粉末を得、実施例1と同様にして接着剤を調合した(各々比較例6、比較例7、実施例12、比較例8)。接着性組成物の組成割合を表1に、同様にして行った試験結果を表2に示す。

0075

実施例13
水性エマルジョンの製造例−1において、PVA(a)の代わりにPVA(g)を用い、分散質として、水性エマルジョンの製造例−1における酢酸ビニル80部に代えて、酢酸ビニル70部とN−メチロールアクリルアミド1部を用い、固形分濃度52%、粘度1100mPa・sのエチレン−酢酸ビニル−N−メチロールアクリルアミド共重合エマルジョン(EM−8)を製造した。混合粉末の製造例−1におけるEM−1の代わりに、EM−8を用い、混合粉末の製造例−1と同様にして混合粉末を製造した。PVA系重合体(PVA−2)としてPVA(e)を用い、実施例1と同様に試験した。結果を表2に示す。

0076

実施例14
実施例13において、PVA系重合体(PVA−2)としてPVA(g)を用い、実施例1と同様に試験した。結果を表2に示す。

0077

0078

0079

本発明の接着剤及びコーティング剤は、ハンドリング性と貯蔵安定性に優れると共に、高い耐水性と水への再分散性に優れるので、接着剤やコーティング剤として好適である。

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